説明

画像形成装置及びプロセスユニット

【課題】現像手段内のトナーのリフレッシュ動作を確実に行うと共に、動作時間を短縮することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】各作像部の中で、少なくとも最初に通常作像動作A1を行う作像部1Yのリフレッシュ動作B1を、当該作像部1Yの通常作像動作A1の後に行うようにした。かつ、少なくとも最後に通常作像動作A4を行う作像部1Bkのリフレッシュ動作B4を、当該作像部1Bkの通常作像動作A4の前に行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置、及びこれに設けたプロセスユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の電子写真方式の画像形成プロセスを利用した画像形成装置は、感光体ドラム等の像担持体と、像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、その像担持体の帯電面を露光して静電潜像を形成する露光装置と、像担持体上の静電潜像に対してトナーを供給してトナー画像を形成する現像手段等から成る作像部を備える。
【0003】
図7に示すように、前記現像手段200は、像担持体100に対向した現像ローラ200aを有し、この現像ローラ200aから像担持体100へトナーTを供給する。詳しくは、現像ローラ200aの回転に伴って、現像ローラ200aの表面に付着したトナーTが、トナーの層厚を規制する規制部材300を通過する際、ストレスがかけられ帯電する。そして、帯電したトナーTは、像担持体100上の静電潜像が形成された部分に静電的に転移される。また、現像ローラ200aから像担持体100へ転移されなかったトナーTは、現像ローラ200a上に残る。
【0004】
画像面積の少ない画像形成を行った場合は、現像ローラ200aから像担持体100へ転移するトナーTの量が少ないために、現像ローラ200a上にトナーが多く残る。このような画像面積の少ない画像形成を複数回連続して行うと、現像ローラ200a上に残ったトナーTが、規制部材300を何度も通過して過剰にストレスがかけられる。
【0005】
図8に示すように、一般にトナーの表面には添加剤が付着しているが、トナーにストレスが過剰にかかることにより、添加剤が埋没したり遊離したりする。
【0006】
図9の(a)は、表面に添加剤が付着した正常なトナーが像担持体に転移された状態を示している。図9の(a)に示すように、正常なトナーの場合は、そのトナーの表面と像担持体の表面との間に添加剤が介在するため、トナーと像担持体との非静電的な付着力は小さくなる。これにより、その後の像担持体から記録材等へのトナーの転写を良好に行うことができる。
【0007】
これに対し、図9の(b)は、添加剤が埋没・遊離したトナーが像担持体に転移された状態を示す。図9の(b)に示すように、添加剤が埋没・遊離したトナーの場合は、トナーと像担持体が直接接触するため、トナーと像担持体の非静電的な付着力が大きくなる。そのため、像担持体から記録材等へのトナーの転写性が悪くなり、ライン中抜けやボソツキ等の異常画像が発生する。
【0008】
また、近年、トナー画像の記録材への定着を低温で行うために、トナーの素材としてガラス転移温度が低い物質が採用されている。しかし、ガラス転移温度が低い物質はその表面が柔らかいものが多く、添加剤が埋没しやすい。
【0009】
そのため、下記特許文献1に挙げる画像形成装置は、現像ローラに残留するトナーを像担持体に転移させることにより、現像ローラの表面をリフレッシュするようにしている。これにより、過剰にストレスがかかったトナーが現像ローラ上に滞留するのを防ぐことができる。
【0010】
下記特許文献2には、異なる色の画像を形成する複数の作像部を備えた、いわゆるタンデム方式の画像形成装置に、上記現像ローラ上のトナーのリフレッシュ動作を行う構成を適用した例が挙げられている。特許文献2の画像形成装置は、記録材にトナー画像を形成するために行う通常の作像動作(以下、通常作像動作という)の間に、リフレッシュ動作を行うように構成されている。
【特許文献1】特許第3604000号公報
【特許文献2】特開2006−171521号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記特許文献2の画像形成装置において、通常画像形成動作を一回で終えた場合、図10のタイミングチャートに示すように、各作像部1Y,1C,1M,1Bkにおけるリフレッシュ動作C1〜C4は、それぞれの通常画像形成動作A1〜A4の後に行われる。このように、通常作像動作A1〜A4の後に、リフレッシュ動作C1〜C4を行うと、リフレッシュ動作を行わない場合に比べて装置の動作時間が長くなるため、画像形成装置の構成部材の消耗が早くなったり、消費電力が増大したりする等の問題がある。また、図11に示すように、通常作像動作A1〜A4の前に、リフレッシュ動作D1〜D4を行うと、同様に装置の動作時間が長くなると共に、最初の印刷に要する時間も長くなる。
【0012】
本発明は、斯かる事情に鑑み、現像手段内のトナーのリフレッシュ動作を確実に行うと共に、動作時間を短縮することが可能な画像形成装置、及びそれに設けたプロセスユニットを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の発明は、少なくとも像担持体と現像手段を有する作像部を複数備え、各作像部で順次形成したトナー画像を記録材に形成する画像形成装置であって、各作像部が記録材にトナー画像を形成するために行う通常作像動作の前又は後に、前記現像手段から前記像担持体にトナーを供給して現像手段内のトナーをリフレッシュするリフレッシュ動作を行うように構成した画像形成装置において、各作像部の中で、少なくとも最初に前記通常作像動作を行う作像部の前記リフレッシュ動作を、当該作像部の通常作像動作の後に行うようにし、少なくとも最後に通常作像動作を行う作像部のリフレッシュ動作を、当該作像部の通常作像動作の前に行うようにしたものである。
【0014】
各作像部は、記録材に形成するトナー画像を順次形成する。このため、最初に通常作像動作を行う作像部は、自らの通常作像動作が終了してから最後の作像部の通常作像動作が終了するまでに時間的余裕がある。一方、最後に通常作像動作を行う作像部は、最初の作像部が通常作像動作を開始してから自らの通常作像動作を開始するまでに時間的余裕がある。そこで、上記のように、少なくとも最初及び最後に通常作像動作を行う各作像部のリフレッシュ動作を、それぞれの作像部の時間的に余裕があるタイミングで行うことによって、画像形成装置の動作時間を短縮することが可能である。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、少なくとも、最初に前記通常作像動作を行う作像部の前記リフレッシュ動作、及び最後に通常作像動作を行う作像部のリフレッシュ動作を、最初に前記通常作像動作を行う作像部の当該通常作像動作の開始時から、最後に通常作像動作を行う作像部の当該通常作像動作の終了時までの通常作像時間内に行うように構成したものである。
【0016】
これにより、画像形成装置の動作時間を短縮することが可能である。
【0017】
請求項3の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、各作像部の前記リフレッシュ動作を、最初に前記通常作像動作を行う作像部の当該通常作像動作の開始時から、最後に通常作像動作を行う作像部の当該通常作像動作の終了時までの通常作像時間内に行うように構成したものである。
【0018】
これにより、通常作像動作に要する時間内で、リフレッシュ動作を行うことができる。
【0019】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記作像部を4つ備えた画像形成装置において、前記4つの作像部の中で、1番目と2番目に前記通常作像動作を行う作像部の前記リフレッシュ動作を、それぞれの作像部の通常作像動作の後に行うようにし、3番目と4番目に通常作像動作を行う作像部のリフレッシュ動作を、それぞれの作像部の通常作像動作の前に行うようにしたものである。
【0020】
1番目と2番目に通常作像動作を行う各作像部は、自らの通常作像動作が終了してから4番目(最後)の作像部の通常作像動作が終了するまでに時間的余裕がある。一方、3番目と4番目に通常作像動作を行う各作像部は、1番目(最初)の作像部が通常作像動作を開始してから自らの通常作像動作を開始するまでに時間的余裕がある。そこで、上記のように、各作像部のリフレッシュ動作を、それぞれの作像部の時間的に余裕があるタイミングで行うことによって、画像形成装置の動作時間を短縮することが可能である。
【0021】
請求項5の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記作像部を4つ備えた画像形成装置において、前記4つの作像部の中で、1番目から3番目に前記通常作像動作を行う作像部の前記リフレッシュ動作を、それぞれの作像部の通常作像動作の後に行うようにし、4番目に通常作像動作を行う作像部のリフレッシュ動作を、その作像部の通常作像動作の前に行うようにしたものである。
【0022】
4番目に通常作像動作を行う各作像部は、1番目(最初)の作像部が通常作像動作を開始してから自らの通常作像動作を開始するまでに時間的余裕がある。そこで、上記のように、4番目に通常作像動作を行う作像部のリフレッシュ動作を、その作像部の時間的に余裕があるタイミングで行うことによって、画像形成装置の動作時間を短縮することが可能である。
【0023】
請求項6の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記作像部を4つ備えた画像形成装置において、前記4つの作像部の中で、1番目に前記通常作像動作を行う作像部の前記リフレッシュ動作を、その作像部の通常作像動作の後に行うようにし、2番目から4番目に通常作像動作を行う作像部のリフレッシュ動作を、それぞれの作像部の通常作像動作の前に行うようにしたものである。
【0024】
1番目に通常作像動作を行う各作像部は、自らの通常作像動作が終了してから4番目(最後)の作像部の通常作像動作が終了するまでに時間的余裕がある。そこで、上記のように、1番目に通常作像動作を行う作像部のリフレッシュ動作を、その作像部の時間的に余裕があるタイミングで行うことによって、画像形成装置の動作時間を短縮することが可能である。
【0025】
請求項7の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置において、トナーとキャリアから成る2成分現像剤を使用する画像形成装置であって、前記リフレッシュ動作において前記現像手段から前記像担持体へ供給したトナーと略同量のトナーを、前記現像手段へ補給するように構成したものである。
【0026】
これにより、現像剤内のトナーとキャリアの割合をほぼ一定に維持することができ、画像濃度が変動するのを防止することができる。
【0027】
請求項8の発明は、請求項7に記載の画像形成装置において、前記現像手段へのトナーの補給を、前記通常作像動作の後に行うように構成したものである。
【0028】
現像手段へのトナーの補給を通常作像動作の前に行うと、補給したトナーが十分に帯電されないまま通常作像動作が行われるため、画像濃度が変動する虞がある。そのため、上記のように、トナーの補給を通常作像動作の後に行うことによって、画像濃度が変動するのを回避することができる。
【0029】
請求項9の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、各作像部が行った前記通常作像動作の時間を記憶する作像時間記憶手段と、前記通常作像動作における現像手段から像担持体へのトナー供給量を記憶するトナー供給量記憶手段と、前記作像時間記憶手段とトナー供給量記憶手段によって得た情報に基づいて、所定時間の通常作像動作におけるトナー供給量を認識すると共に、当該トナー供給量が所定の閾値より少ない場合に前記作像部に前記リフレッシュ動作を行うように指示する制御手段を備えたものである。
【0030】
リフレッシュ動作は、通常作像動作において現像手段から像担持体へのトナー供給量が少ないときに行うのが効果的である。上記作像時間記憶手段と、トナー供給量記憶手段と、制御手段を備えたことにより、通常作像動作おけるトナー供給量が所定の閾値より少ない場合を認識することができるので、リフレッシュ動作を適切な時期に行うことが可能である。また、これにより、トナーの消費を低減することができる。
【0031】
請求項10の発明は、請求項1から9のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記トナーの平均円形度が0.90〜0.99の範囲にある。
【0032】
これにより、適正な濃度の再現性のある高精細な画像を形成することができる。
【0033】
請求項11の発明は、請求項1から9のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記トナーの形状係数SF−1が120〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が120〜190の範囲にある。
【0034】
これにより、トナーの転写率が高くなり、高品質な画像を得ることができる。
【0035】
請求項12の発明は、請求項1から9のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記トナーの体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.05〜1.30の範囲にある。
【0036】
これにより、高解像で高画質の画像を得ることができる。
【0037】
請求項13の発明は、少なくとも像担持体と現像手段を一体的に有するプロセスユニットにおいて、請求項1から12のいずれか1項に記載の画像形成装置に対して着脱可能に構成したものである。
【0038】
画像形成装置に着脱可能なプロセスユニットを採用することにより、交換、修理、補給等のメンテナンスが容易となる。
【発明の効果】
【0039】
本発明の画像形成装置によれば、現像手段のリフレッシュ動作を確実に行うと共に、動作時間を従来に比べて短縮することが可能である。これにより、画像形成装置の構成部材の長寿命化及び消費電力の低減等を図ることができる。
【0040】
また、前記画像形成装置に設けたプロセスユニットにおいても、上記と同様の効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
図1は、本発明に係る画像形成装置の実施の一形態を示す概略構成図である。図1に示す本発明の画像形成装置は、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの異なる色の現像剤によって画像を形成するための4つの作像部1Y,1C,1M,1Bkを有する。
【0042】
各作像部1Y,1C,1M,1Bkは、互いに異なる色のトナーを収容している以外は同様の構成となっている。そこで、1つの作像部1Yを例にその構成を説明する。
【0043】
作像部1Yは、静電潜像を担持する感光体ドラム等の像担持体2と、像担持体2の表面を帯電させる帯電手段3と、像担持体2の表面の静電潜像に対してトナーを供給してトナー画像を形成する現像手段4と、像担持体2の表面に付着した残留トナーを除去するクリーニング手段5と、像担持体2の残留電荷の除去を行う除電ランプ等の除電手段6を備えている。クリーニング手段5としては、クリーニングブレード、クリーニングローラ又はクリーニングブラシ等を適用することが可能である。あるいは、これらを併用してもよい。作像部1Yの前記各構成要素はケーシングに一体的に保持されており、画像形成装置に対して着脱可能なプロセスユニットとして構成されている。
【0044】
各作像部1Y,1C,1M,1Bkの上方には、像担持体2の表面に静電潜像を形成する露光装置7が配設されている。また、各作像部1Y,1C,1M,1Bkの下方には、中間転写ユニット8が配設されている。中間転写ユニット8は、駆動ローラ及び従動ローラから成る複数のローラ9,10,11と、当該複数のローラ9,10,11に掛け渡された無端ベルト状の中間転写ベルト12を有する。
【0045】
4つの作像部1Y,1C,1M,1Bkのそれぞれの像担持体2に対向して、転写手段としての4つの一次転写ローラ13Y,13C,13M,13Bkが配設されている。4つの一次転写ローラ13Y,13C,13M,13Bkと各像担持体2とによって、中間転写ベルト12を挟み込んで一次転写ニップを形成している。
【0046】
中間転写ユニット8の図の下部のローラ10に対向して、二次転写ローラ14が配設されている。この二次転写ローラ14とローラ10によって中間転写ベルト12を挟み込んで二次転写ニップを形成している。
【0047】
画像形成装置の下部には、給紙部15が配設されている。給紙部15は、記録材としての記録紙Pを複数枚重ねて収容可能な給紙カセットと、給紙カセットから記録紙Pを搬出する給紙ローラとを有する(図示省略)。
【0048】
給紙部15と中間転写ユニット8の間に、一対のレジストローラ16a、16bと、駆動ローラ及び従動ローラに張架された搬送ベルトから成る転写紙搬送ユニット17と、定着装置18が配設されている。
【0049】
定着装置18は、例えば、定着ローラ18aと補助ローラ18bに張架された定着ベルト18cと、加圧ローラ18dによって構成され、定着ローラ18aと補助ローラ18bの少なくとも一方にヒータ等の加熱源を有する。
【0050】
また、図の符号19は、画像形成装置本体の外部へ排出した記録紙Pをストックするための排紙トレイである。
【0051】
以下、図1を参照して上記画像形成装置の基本的動作について説明する。
まず、作像動作について1つの作像部1Yを例にして説明する。帯電手段3によって像担持体2の表面を均一な高電位に帯電させる。画像データに基づいて露光装置7から像担持体2の表面にレーザビームが照射され、照射された部分の電位が低下して静電潜像が形成される。この像担持体2の表面の静電潜像が形成された部分に、現像手段4によって帯電させたトナーを静電的に転移させ、イエローのトナー画像を形成(可視画像化)する。
【0052】
一次転写ローラ13Yに、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加される。これにより、一次転写ローラ13Yと像担持体2との間の一次転写ニップにおいて電界(転写電界)を形成する。そして、一次転写ニップにおいて、回転する像担持体2上のトナー画像を、図の矢印方向に走行する中間転写ベルト12に転写する。
【0053】
その他の各作像部1C,1M,1Bkにおいても、同様にして像担持体2上にトナー画像を形成し、4色のトナー画像を互いに重なり合うように中間転写ベルト12に転写する。
【0054】
また、各クリーニング手段5は、一次転写行程を経た後の像担持体2の表面に付着している残留トナーを除去する。その後、除電手段6によって、像担持体2の残留電荷の除電を行う。
【0055】
一方、給紙部15の図示しない給紙ローラを回転させて、給紙カセットから記録紙Pを送り出す。給紙カセットから送り出された記録紙Pは、レジストローラ16a,16bによって一旦停止される。
【0056】
上記作像動作によって、中間転写ベルト12に各色のトナー画像を重ね合わせた合成トナー画像を形成した後、レジストローラ16a,16bの駆動を再開し、中間転写ベルト12上の合成トナー画像とタイミング(同期)をとって記録紙Pを二次転写ローラ14とローラ10との間の二次転写ニップへ送る。そして、二次転写ニップに送られてきた記録紙Pに中間転写ベルト12上の合成トナー画像を転写する。
【0057】
合成トナー画像を転写した記録紙Pは、定着装置18へと搬送される。定着装置18に送り込まれた記録紙Pは、定着ローラ18aと加圧ローラ18d間に挟まれて加熱・加圧され、合成トナー画像が記録紙P上に定着される。その後、記録紙Pは排紙トレイ19に排出されストックされる。
【0058】
次に、本発明の特徴部分について説明する。
本発明の画像形成装置は、記録材にトナー画像を形成するために行う通常の作像動作(以下、通常作像動作という)とは別に、現像手段内のトナーのリフレッシュ動作を行えるように構成されている。具体的には、現像手段の現像ローラから像担持体へトナーを供給して(転移させて)、現像ローラ上のトナーをリフレッシュする。これにより、過剰にストレスがかかったトナーが現像ローラ上に滞留するのを防止している。なお、リフレッシュ動作において、像担持体に転移されたトナーは、像担持体のクリーニング手段や、中間転写ベルトに設けたクリーニング手段等によって回収される。
【0059】
図2は、各作像部1Y,1C,1M,1Bkにおける前記通常作像動作及びリフレッシュ動作のタイミングチャートを示す。図2に示すように、通常作像動作A1〜A4は、A1〜A4へと順次タイミングを遅らせて行われている。
【0060】
これら4つの作像部1Y,1C,1M,1Bkの中で、1番目に通常作像動作A1を行う作像部1Yと、2番目に通常作像動作A2を行う作像部1Cは、それぞれの通常作像動作A1とA2の後に、リフレッシュ動作B1とB2を行う。一方、3番目に通常作像動作A3を行う作像部1Mと、4番目に通常作像動作A4を行う作像部1Bkは、それぞれの通常作像動作A3とA4の前に、リフレッシュ動作B3とB4を行うようにしている。
【0061】
また、1番目に行われる通常作像動作A1の開始時から、4番目に行われる通常作像動作A4の終了時までの時間を、図2において通常作像時間Xとすると、各リフレッシュ動作B1〜B4は、前記通常作像時間X内で行われている。
【0062】
本発明の画像形成装置は、各作像部1Y,1C,1M,1Bkが行った通常作像動作の時間を記憶する作像時間記憶手段と、通常作像動作における現像手段(現像ローラ)から像担持体へのトナー供給量を記憶するトナー供給量記憶手段を備えている(図示省略)。さらに、画像形成装置は、前記作像時間記憶手段とトナー供給量記憶手段によって得た情報に基づいて、所定時間の通常画像形成動作におけるトナー供給量を認識すると共に、当該トナー供給量が所定の閾値より少ない場合に作像部1Y,1C,1M,1Bkにリフレッシュ動作を行うように指示する制御手段を備える(図示省略)。
【0063】
具体的には、制御手段は2ページ分の作像時間におけるトナー供給量を認識する。そして、1ページ当たりの画像面積率が、例えば3%以下の場合にリフレッシュ動作を行う。ここで、「画像面積率」とは、記録材の片面の面積に対する、トナー付着面の面積を、百分率で表したものである。なお、リフレッシュ動作を行う判断基準としての閾値は、画像面積率が3%の場合に限定されることはなく、適宜設定可能である。
【0064】
また、特に1ページ当たりの画像面積率が2%以下の場合に、リフレッシュ動作における現像手段(現像ローラ)から像担持体へのトナー供給量を多くするようにしている。ただし、このトナー供給量を多くする判断基準としての閾値は、画像面積率が2%の場合に限定されない。
【0065】
リフレッシュ動作においてトナー供給量を多くする方法としては、露光面積を調整する方法、現像バイアスを調整する方法、あるいは地肌ポテンシャルを調整する方法等がある。露光面積を調整する方法は、露光装置によって像担持体上に形成する静電潜像の面積(露光面積)を多くすることによって、像担持体へのトナーの付着量を多くする方法である。また、現像バイアスを調整する方法は、現像手段に印加するバイアスを高くすることによって、現像手段から像担持体へのトナーの転移量を多くする方法である。また、地肌ポテンシャルを調整する方法は、像担持体と現像手段との間の電位差を小さくする、又は現像電位と帯電電位を逆転させることによって、現像手段から像担持体へのトナーの付着量を多くする方法である。
【0066】
上記本発明の画像形成装置によれば、従来の画像形成装置に比べて、通常作像動作及びリフレッシュ動作を行うための一連の動作時間を短縮することが可能である。以下、この理由について説明する。
【0067】
図3は、本発明の通常作像動作及びリフレッシュ動作のタイミングチャートと、従来の通常作像動作及びリフレッシュ動作のタイミングチャートを対比して示した図である。図3に示す従来のリフレッシュ動作は、各通常作像動作の後に行っている。つまり、従来のリフレッシュ動作は、図3のB1,B2及びC3,C4のタイミングで行われる。この場合、リフレッシュ動作C3及びC4は、最初の通常作像動作A1の開始から、最後の通常作像動作A4の終了までの通常作像時間Xからはみ出して行われるため、通常作像動作及びリフレッシュ動作を行うための一連の動作時間Yは長くなる。
【0068】
これに対し、本発明の画像形成装置は、1番目と2番目に通常作像動作A1,A2を行う作像部1Y,1Cでは、それぞれの通常作像動作A1,A2の後にリフレッシュ動作B1,B2を行うようにし、3番目と4番目に通常作像動作A3,A4を行う作像部1M,1Bkでは、それぞれの通常作像動作A3,A4の前にリフレッシュ動作B3,B4を行うようにしている。1番目と2番目に通常作像動作A1,A2を行う各作像部1Y,1Cは、自らの通常作像動作A1,A2が終了してから4番目(最後)の作像部1Bkの通常作像動作A4が終了するまでに時間的余裕がある。一方、3番目と4番目に通常作像動作A3,A4を行う各作像部1M,1Bkは、1番目(最初)の作像部1Yが通常作像動作A1を開始してから自らの通常作像動作A3,A4を開始するまでに時間的余裕がある。各作像部1Y,1C,1M,1Bkのリフレッシュ動作B1〜B4を、それぞれの時間的に余裕があるタイミングで行うことによって、リフレッシュ動作B1〜B4を上記通常作像時間X内に行うようにしている。このため、本発明の通常作像動作及びリフレッシュ動作を行うための一連の動作時間Zを、従来の一連の動作時間Yに比べて短くすることができる。このように、本発明は画像形成装置の動作時間を短縮することができるので、装置の構成部材の長寿命化や、消費電力の低減等を図ることが可能である。
【0069】
また、図示省略するが、本発明は、上記図11に示す各通常作像動作の前にリフレッシュ動作を行う従来の画像形成装置と比べても、通常作像動作及びリフレッシュ動作を行うための一連の動作時間を短くすることが可能である。従って、この実施例に係る本発明によれば、リフレッシュ動作を行っても、図11に示す従来の画像形成装置のように最初の印刷に要する時間が長くなることがない。
【0070】
図4は、本発明の他の実施例における通常作像動作及びリフレッシュ動作のタイミングチャートと、従来の通常作像動作及びリフレッシュ動作のタイミングチャートを対比して示した図である。この場合、従来のリフレッシュ動作は、各通常作像動作の後に行っている。つまり、従来のリフレッシュ動作は、図4のB1,B2,B3及びC4のタイミングで行われる。これに対し、本発明は、1番目〜3番目に通常作像動作A1〜A3を行う作像部1Y,1C,1Mでは、それぞれの通常作像動作A1〜A3の後にリフレッシュ動作B1〜B3を行うようにし、4番目に通常作像動作A4を行う作像部1Bkのみにおいて、その通常作像動作A4の前にリフレッシュ動作B4を行うようにしている。このように、4番目の作像部1Bkのリフレッシュ動作B4を、時間的に余裕があるタイミングの通常作像動作A4の前に行うことによって、その一連の動作時間Zを、従来の一連の動作時間Yより短くすることができる。
【0071】
また、図5は、本発明のさらに別の実施例における通常作像動作及びリフレッシュ動作のタイミングチャートと、従来の通常作像動作及びリフレッシュ動作のタイミングチャートを対比して示した図である。この場合、従来のリフレッシュ動作は、各通常作像動作の前に行っている。つまり、従来のリフレッシュ動作は、図5のD1及びB2〜B4のタイミングで行われる。これに対し、本発明は、1番目に通常作像動作A1を行う作像部1Yでは、その通常作像動作A1の後にリフレッシュ動作B1を行うようにし、2番目〜4番目に通常作像動作A2〜A4を行う作像部1C,1M,1Bkでは、それぞれの通常作像動作A2〜A4の前にリフレッシュ動作B2〜B4を行うようにしている。このように、1番目の作像部1Yのリフレッシュ動作B1を、時間的に余裕があるタイミングの通常作像動作A1の後に行うことによって、その一連の動作時間Zを、従来の一連の動作時間Yより短くすることができる。
【0072】
すなわち、図4及び図5で説明したように、各作像部の中で、少なくとも最初に通常作像動作A1を行う作像部1Yのリフレッシュ動作B1を、当該作像部1Yの通常作像動作A1の後に行うようにし、少なくとも最後に通常作像動作A4を行う作像部1Bkのリフレッシュ動作B4を、当該作像部1Bkの通常作像動作A4の前に行うようにすれば、従来の実施例よりも動作時間を短縮することが可能である。
【0073】
なお、図4に示す実施例において、3番目に通常作像動作A3を行う作像部1Mのリフレッシュ動作B3は、通常作像時間X内で行われていない。また、図5に示す実施例において、2番目に通常作像動作A2を行う作像部1Cのリフレッシュ動作B2は、通常作像時間X内で行われていない。つまり、図4及び図5に示す実施例は、リフレッシュ動作の一部が通常作像時間Xからはみ出して行われているが、少なくとも、最初に通常作像動作A1を行う作像部1Yのリフレッシュ動作1B、及び最後に通常作像動作A4を行う作像部1Bkのリフレッシュ動作B4を、通常作像時間X内に行うことによって、従来の実施例よりも動作時間を短縮している。
【0074】
上記リフレッシュ動作は、通常作像動作において現像手段から像担持体へのトナー供給量が少ないときに行うのが効果的である。本発明は、上記のように、作像時間記憶手段と、トナー供給量記憶手段と、制御手段を備えていることにより、通常作像動作おけるトナー供給量が所定の閾値より少ない場合を認識することができるので、リフレッシュ動作を適切な時期に行うことが可能である。また、これにより、トナーの消費を低減することができる。
【0075】
本発明で使用する現像剤は、キャリアとトナーから成る2成分現像剤、又はキャリアを使用しない1成分現像剤のどちらも適用可能である。2成分現像剤を適用した場合は、リフレッシュ動作において現像手段から像担持体に供給したトナーと略同量のトナーを、現像手段へ補給するように構成するのが好ましい。これにより、現像剤内のトナーとキャリアの割合をほぼ一定に維持することができ、画像濃度の変動等を防止することができる。
【0076】
また、前記現像手段へのトナーの補給は、通常作像動作の後に行うことが望ましい。現像手段へのトナーの補給を通常作像動作の前に行った場合、補給したトナーが十分に帯電されないまま通常作像動作が行われるため、画像濃度が変動する虞がある。そのため、上記のように、トナーの補給を通常作像動作の後に行うことによって、画像濃度が変動するのを回避することができる。
【0077】
以下、本発明の画像形成装置に使用されるトナーについて説明する。
本発明におけるトナーは、特定の形状と形状の分布を有することが重要であり、平均円形度が0.09未満で、球形からあまりに離れた不定形の形状のトナーでは、満足した転写性やチリのない高画質画像が得られない。なお、形状の計測方法としては、粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法が適当である。この手法で得られる投影面積の等しい相当分の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値である平均円形度が0.90〜0.99のトナーが適正な濃度の再現性のある高精細な画像を形成するのに有効であることが判明した。より好ましくは、平均円形度が0.93〜0.97で、円形度が0.94未満の粒子が10%以下である。
【0078】
また、平均円形度が0.99を超えた場合、ブレードクリーニングなどを採用しているシステムでは、像担持体(感光体)上及び中間転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れを引き起こす。例えば、画像面積率の低い画像を出力する場合、転写残トナーが少なく、クリーニング不良が問題となることはないが、カラー写真画像など画像面積率の高い画像を出力する場合、さらには、給紙不良等で未転写の状態の画像が像担持体上に残ってしまった場合、クリーニング不良が発生しやすい。クリーニング不良を頻発するようになると、像担持体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電機能力を発揮できなくなってしまう。
【0079】
上記平均円形度は、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)によって測定できる。具体的な測定方法は、容器中の予め不純物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸を0.1〜0.5ml加える。さらに、その容器中に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及ぶ分布を測定することによって得られる。
【0080】
また、本発明に適用するトナーは、形状係数SF−1が120〜180、形状係数SF−2が120〜190である。図6は、トナーの形状を模式的に表した図であり、図6(a)は形状係数SF−1、図6(b)は形状係数SF−2を説明するための図である。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)/AREA}×(100π/4)・・・(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
【0081】
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)/AREA}×(100π/4)・・・(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
【0082】
なお、本発明の実施の形態では、日立製作所製FE−SEM(S−800)を用い、トナー画像を100回無造作にサンプリングし、その画像情報は、ニレコ社製画像解析装置(LUSEX3)に導入して解析を行い、上記式より算出したものである。
【0083】
トナーの形状が球形に限りなく近づく(SF−1、SF−2共に100に近づく)と、転写効率が高くなる。これは、形状効果によりトナー粒子と当該トナー粒子と接触するもの(トナー粒子同士、像担持体等)との間では点接触しかしないために、トナー流動性が高まったり、像担持体等に対する吸着力(鏡映力)が弱まったりして、転写電界の影響を受けやすくなるためと考えられる。
【0084】
一方、トナーの形状が球形に近づくと、メカ的なクリーニング(ブレードクリーニング等)に対して不利に働く。すなわち、上述したようにトナー流動性が高まったり、像担持体等に対する吸着力(鏡映力)が弱まったりすることにより、クリーニング部材と像担持体との僅かな間隙を容易にトナーが通過する。よって、クリーニング性の面からは、トナーの形状としては、ある程度異形化(SF−1の値が100より大きくなる方向)していたり、ある程度凹凸(SF−2の値が100より大きくなる方向)していたりする方が好ましい。
【0085】
また、本発明に適用するトナーは、その体積平均粒径Dvは4〜8μmである。さらに、体積平均粒径Dvと個数平均粒径Dnとの比(Dv/Dn)は、1.05〜1.30の範囲にあり、好ましくは、1.10〜1.25の範囲にある。この場合、トナーの粒度分布が狭くなるため、以下のメリットが発生する。
【0086】
トナー粒径面での選択現像(画像パターンに応じたトナー粒径を持つトナー粒子が選択的に現像される)といった現象が発生しにくいため、常時、安定した画像を形成することができる。
【0087】
トナーリサイクルシステムが搭載している場合、転写されてにくい小サイズのトナー粒子が量的に多くリサイクルされることになるが、もともとトナーの粒度分布が狭いため、上述した作用を受けにくく、このことからも常時、安定した画像を形成することができる。
【0088】
2成分現像剤においては、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なくなり、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
【0089】
1成分現像剤として用いた場合においても、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なくなると共に、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期の使用(攪拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られた。
【0090】
一般的には、トナーの粒子径は小さいほど、高解像で高画質の画像を得るために有利であるとされているが、転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、トナーの体積平均粒径が上記4〜8μmの範囲よりも小さい場合、2成分現像剤では現像装置における長期の攪拌において、キャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させる。また、体積平均粒径が上記4〜8μmの範囲よりも小さいトナーを、1成分現像剤として用いた場合は、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード銅の部材へのトナーの融着を発生させやすくなる。また、これらの現象は、微粉の含有率が本発明の範囲より多いトナーにおいても同様である。
【0091】
逆に、トナーの粒子径が本発明の範囲よりも大きい場合は、高解像で高画質の画像を得ることが困難になると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合に、トナーの粒子径の変動が大きくなる場合が多い。また、体積平均粒径Dvと個数平均粒径Dnとの比(Dv/Dn)が、1.30より大きい場合も同様であることが明らかとなった。また、体積平均粒径Dvと個数平均粒径Dnとの比(Dv/Dn)が、1.05より小さい場合は、トナーの挙動の安定化、帯電量の均一化の面から好ましい面もあるが、細線部分を主に小サイズ粒子を用いて現像し、ベタ画像を主に大サイズ粒子を用いて現像するといったトナー粒子径に応じた機能分離が行いにくくなるため好ましくない。
【0092】
以下、トナー粒子の粒度分布の測定方法について説明する。トナー粒子の粒度分布の測定方法には、例えば、コールターカウンター法を採用することができる。この場合、トナー粒子の粒度分布の測定装置として、例えば、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)等を用いる。
【0093】
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくは、アルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。そして、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置によって、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)を求めることができる。
【0094】
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
【0095】
以上、図1に示すように、本発明の構成を、作像部で形成したトナー画像を中間転写ベルトを介して記録紙へ転写(二次転写)する間接転写方式の画像形成装置に適用した場合を例に挙げて説明したが、作像部で形成した画像を搬送ベルトに吸着して搬送される記録紙に直接転写する直接転写方式の画像形成装置にも適用可能である。
【0096】
また、画像形成装置が備える作像部の数は、4つに限らない。作像部を2つ又は3つ、あるいは5つ以上備えた画像形成装置にも、本発明の構成を適用することができる。
【0097】
また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明に係る画像形成装置の全体構成図である。
【図2】本発明の通常作像動作及びリフレッシュ動作のタイミングチャートの一例を示す図である。
【図3】本発明の通常作像動作及びリフレッシュ動作のタイミングチャートと、従来の通常作像動作及びリフレッシュ動作のタイミングチャートを対比して示した図である。
【図4】本発明の他の実施例における通常作像動作及びリフレッシュ動作のタイミングチャートと、従来の通常作像動作及びリフレッシュ動作のタイミングチャートを対比して示した図である。
【図5】本発明のさらに別の実施例における通常作像動作及びリフレッシュ動作のタイミングチャートと、従来の通常作像動作及びリフレッシュ動作のタイミングチャートを対比して示した図である。
【図6】トナーの形状を模式的に表した図であり、(a)は形状係数SF−1の説明図、(b)は形状係数SF−2の説明図である。
【図7】現像手段におけるトナーの帯電のさせ方を説明するための図である。
【図8】トナーに付着した添加剤が埋没及び遊離する現象を説明するための図である。
【図9】トナーの像担持体への付着状態を示す図であって、(a)は正常なトナーの像担持体への付着状態を示し、(b)は添加剤が埋没及び遊離したトナーの像担持体への付着状態を示す図である。
【図10】従来の通常作像動作及びリフレッシュ動作のタイミングチャートの一例を示す図である。
【図11】従来の通常作像動作及びリフレッシュ動作のタイミングチャートの他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0099】
1Y,1C,1M,1Bk 作像部
2 像担持体
4 現像手段
A1〜A4 通常作像動作
B1〜B4 リフレッシュ動作
P 記録紙
X 通常作像時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも像担持体と現像手段を有する作像部を複数備え、各作像部で順次形成したトナー画像を記録材に形成する画像形成装置であって、
各作像部が記録材にトナー画像を形成するために行う通常作像動作の前又は後に、前記現像手段から前記像担持体にトナーを供給して現像手段内のトナーをリフレッシュするリフレッシュ動作を行うように構成した画像形成装置において、
各作像部の中で、少なくとも最初に前記通常作像動作を行う作像部の前記リフレッシュ動作を、当該作像部の通常作像動作の後に行うようにし、少なくとも最後に通常作像動作を行う作像部のリフレッシュ動作を、当該作像部の通常作像動作の前に行うようにしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
少なくとも、最初に前記通常作像動作を行う作像部の前記リフレッシュ動作、及び最後に通常作像動作を行う作像部のリフレッシュ動作を、最初に前記通常作像動作を行う作像部の当該通常作像動作の開始時から、最後に通常作像動作を行う作像部の当該通常作像動作の終了時までの通常作像時間内に行うように構成した請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
各作像部の前記リフレッシュ動作を、最初に前記通常作像動作を行う作像部の当該通常作像動作の開始時から、最後に通常作像動作を行う作像部の当該通常作像動作の終了時までの通常作像時間内に行うように構成した請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記作像部を4つ備えた画像形成装置において、
前記4つの作像部の中で、1番目と2番目に前記通常作像動作を行う作像部の前記リフレッシュ動作を、それぞれの作像部の通常作像動作の後に行うようにし、3番目と4番目に通常作像動作を行う作像部のリフレッシュ動作を、それぞれの作像部の通常作像動作の前に行うようにした請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記作像部を4つ備えた画像形成装置において、
前記4つの作像部の中で、1番目から3番目に前記通常作像動作を行う作像部の前記リフレッシュ動作を、それぞれの作像部の通常作像動作の後に行うようにし、4番目に通常作像動作を行う作像部のリフレッシュ動作を、その作像部の通常作像動作の前に行うようにした請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記作像部を4つ備えた画像形成装置において、
前記4つの作像部の中で、1番目に前記通常作像動作を行う作像部の前記リフレッシュ動作を、その作像部の通常作像動作の後に行うようにし、2番目から4番目に通常作像動作を行う作像部のリフレッシュ動作を、それぞれの作像部の通常作像動作の前に行うようにした請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
トナーとキャリアから成る2成分現像剤を使用する画像形成装置であって、
前記リフレッシュ動作において前記現像手段から前記像担持体へ供給したトナーと略同量のトナーを、前記現像手段へ補給するように構成した請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記現像手段へのトナーの補給を、前記通常作像動作の後に行うように構成した請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
各作像部が行った前記通常作像動作の時間を記憶する作像時間記憶手段と、
前記通常作像動作における現像手段から像担持体へのトナー供給量を記憶するトナー供給量記憶手段と、
前記作像時間記憶手段とトナー供給量記憶手段によって得た情報に基づいて、所定時間の通常作像動作におけるトナー供給量を認識すると共に、当該トナー供給量が所定の閾値より少ない場合に前記作像部に前記リフレッシュ動作を行うように指示する制御手段を備えた請求項1から8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記トナーの平均円形度が0.90〜0.99の範囲にある請求項1から9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記トナーの形状係数SF−1が120〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が120〜190の範囲にある請求項1から9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記トナーの体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.05〜1.30の範囲にある請求項1から9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
少なくとも像担持体と現像手段を一体的に有するプロセスユニットにおいて、
請求項1から12のいずれか1項に記載の画像形成装置に対して着脱可能に構成したことを特徴とするプロセスユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−222909(P2009−222909A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−66322(P2008−66322)
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】