説明

画像形成装置

【課題】 クリーニング装置が大型化することがなく、しかもクリーニングローラを配置する設計上の自由度に制約が少ないように構成した画像形成装置。
【解決手段】 中間転写ベルトに圧接して付着した残留トナーを除去する複数のクリーニングローラと、複数のクリーニングローラと各々一体的に回転する複数のクリーニングローラ歯車と、中間転写ベルトを内側から支持するバックアップローラと、バックアップローラと同軸に遊嵌され複数のクリーニングローラ歯車と歯合する中間歯車とを設け、所定のクリーニングローラ歯車に回転駆動力を入力することにより、クリーニングローラ歯車と一体的に回転するクリーニングローラを中間転写ベルトとの圧接位置において中間転写ベルトの回転方向に対して逆方向に回転させると共に、中間歯車を回転させ、中間歯車の回転により他のクリーニングローラ歯車と他のクリーニングローラを回転させること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの複合機等の電子写真方式の画像形成装置に関し、詳しくはクリーニングローラを設けたクリーニング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
帯電、露光、現像の各手段を周囲に配置した感光体ドラム上にトナー像を形成しトナー像を記録材に転写する構成や、複数の感光体ドラム上に形成したトナー像を中間転写ベルト上に一次転写した後に中間転写ベルト上のトナー像を記録材に二次転写する構成の画像形成装置においては、転写後の感光体ドラムや中間転写ベルト(以下、両者を像担持体とまとめて言う)に付着した残留トナーを除去するクリーニング装置が設けられている。
【0003】
このクリーニング装置として、ブラシローラ、ゴムローラ、スポンジローラ、若しくは金属ローラからなるクリーニングローラを像担持体に圧接したクリーニング装置が広く使用されており、特にクリーニングローラとして導電性のブラシローラを用いたクリーニング装置は、機械的な掻き取り力とクリーニングローラに印加するバイアス電圧による静電気的な除去力によって、像担持体上の残留トナーを確実に除去し、これらの表面を常に清浄な状態に維持することができる。
【0004】
なお、残留トナーには、画像を形成する極性に帯電したトナーの他に、反対の極性に帯電した紙粉も含まれていて、このような広い帯電分布を有するトナーをクリーニングする性能がクリーニング手段に要求される。そこで、複数のクリーニングローラを配置してプラスとマイナスの極性を各々印加することによって残留トナーや紙粉をクリーニングすることが考えられる。
【0005】
また、クリーニングローラを回転駆動する方法として、専用のモータを用いる場合と、像担持体の駆動力を用いる場合とが考えられる。
【0006】
そして、後者の場合であって、感光体ドラムからの駆動力をクリーニングローラに伝達するクリーニング機構が特許公報が開示されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−167489号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
複数のクリーニングローラを設け、専用のモータを配置して駆動する場合、各々のクリーニングローラを駆動する複数のモータを配置すると、複数のモータの配置のために広い空隙を要し、且つ、原価高になる。
【0008】
そこで、1個のモータにより複数のクリーニングローラを駆動することが考えられる。そして、複数のクリーニングローラの回転方向を同一にするならば、所定のクリーニングローラと一体的に回転する第1の歯車と、他のクリーニングローラと一体的に回転する第2の歯車と、第1の歯車と第2の歯車との間で双方の歯車に歯合する中間歯車とを像担持体の周囲に配置し、第1の歯車を回転駆動することにより中間歯車を介して第2の歯車を回転させることが考えられる。しかし、このように第1の歯車、中間歯車及び第2歯車と並べて配置すると、クリーニング装置内に広い空隙を必要として、クリーニング装置が大型化する。また、像担持体の周囲に配置する複数のクリーニングローラの位置が中間歯車によって制約され、設計上の自由度にも制約が加わって、この点においても好ましくない。
【0009】
また、特許文献1に開示の如く感光体ドラムの駆動力によって、複数のクリーニングローラを回転させることも想到可能である。但し、この場合は、クリーニングローラが感光体ドラムに圧接する圧接位置において、クリーニングローラは感光体ドラムと同方向に回転する(クリーニングローラと感光体ドラムの個々の回転方向は、一方が時計方向ならば他方は反時計方向と異なる)。しかし、クリーニングローラが像担持体に圧接する圧接位置において、クリーニングローラは像担持体と逆方向に回転する(クリーニングローラと像担持体の個々の回転方向は、双方とも時計方向か反時計方向で同一)方が望ましい。即ち、このようにクリーニングローラを回転させた方が互いの線速度に大きな差が生じて、クリーニングローラが像担持体に付着した残留トナーを確実に除去することができ、また、クリーニングローラとしてブラシローラを用いた場合には、ブラシの異なる繊維が次々と像担持体に圧接するので、更に残留トナーを確実に除去することができる。
【0010】
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、中間転写ベルトや感光体ドラムの像担持体に付着した残留トナーを除去するために複数のクリーニングローラを設け、且つ、個々のクリーニングローラが像担持体に圧接する圧接位置において該クリーニングローラを像担持体と逆方向に回転させるように構成し、所定のクリーニングローラを駆動して他のクリーニングローラを回転させる場合に、クリーニング装置が大型化することがなく、しかもクリーニングローラを配置する設計上の自由度に制約が少ないように構成した画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的は下記の何れかの手段によって達成される。
(請求項1)
感光体ドラムに形成されたトナー像を中間転写ベルトに一次転写し、該中間転写ベルトに転写されたトナー像を記録材に二次転写する画像形成装置において、前記中間転写ベルトに圧接して前記中間転写ベルトに付着した残留トナーを除去する複数のクリーニングローラと、前記複数のクリーニングローラと各々一体的に回転する複数のクリーニングローラ歯車と、前記中間転写ベルトを内側から支持するバックアップローラと、前記バックアップローラと同軸に遊嵌され前記複数のクリーニングローラ歯車と歯合する中間歯車と、を設け、所定のクリーニングローラ歯車に回転駆動力を入力することにより、該クリーニングローラ歯車と一体的に回転するクリーニングローラを前記中間転写ベルトとの圧接位置において前記中間転写ベルトの回転方向に対して逆方向に回転させると共に、前記中間歯車を回転させ、前記中間歯車の回転により他のクリーニングローラ歯車と他のクリーニングローラを回転させることを特徴とする画像形成装置。
(請求項2)
感光体ドラムに形成されたトナー像を記録材に転写する画像形成装置において、前記感光体ドラムに圧接して前記感光体ドラムに付着した残留トナーを除去する複数のクリーニングローラと、前記複数のクリーニングローラと各々一体的に回転する複数のクリーニングローラ歯車と、前記感光体ドラムと同軸に遊嵌され前記複数のクリーニングローラ歯車と歯合する中間歯車と、を設け、所定のクリーニングローラ歯車に回転駆動力を入力することにより、該クリーニングローラ歯車と一体的に回転するクリーニングローラを前記感光体ドラムとの圧接位置において前記感光体ドラムの回転方向に対して逆方向に回転させると共に、前記中間歯車を回転させ、前記中間歯車の回転により他のクリーニングローラ歯車と他のクリーニングローラを回転させることを特徴とする画像形成装置。
(請求項3)
前記クリーニングローラは導電性のブラシローラであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
(請求項4)
前記複数のクリーニングローラに各々圧接して前記複数のクリーニングローラにより除去された残留トナーを回収する複数の回収ローラと、個々の該回収ローラと各々一体的に回転して個々の前記クリーニングローラ歯車と各々歯合する複数の回収ローラ歯車と、を設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置。
(請求項5)
前記複数の回収ローラに異なる極性の電圧を印加することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
(請求項6)
前記クリーニングローラの外径が10mm以上、30mm以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の画像形成装置。
(請求項7)
前記バックアップローラの外径が20mm以上、80mm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項3〜6の何れか1項に記載の画像形成装置。
(請求項8)
前記感光体ドラムの外径が30mm以上、80mm以下であることを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0012】
本発明の画像形成装置によれば、中間転写ベルトや感光体ドラムの像担持体に付着した残留トナーを除去するために複数のクリーニングローラを設け、且つ、個々のクリーニングローラが像担持体に圧接する圧接位置において該クリーニングローラを像担持体と逆方向に回転させるように構成し、所定のクリーニングローラを駆動して像担持体と同軸に配置した中間歯車を介して他のクリーニングローラを回転させるので、クリーニング装置が大型化することがなく、しかもクリーニングローラを配置する設計上の自由度に制約が少ない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
先ず、本発明に係るクリーニング装置を備えた画像形成装置の一実施の形態を、図1を参照して説明する。
【0014】
図1は、カラー画像を形成する画像形成装置の断面構成図である。
【0015】
本画像形成装置は、画像形成装置100と画像読取装置200とから構成される。
【0016】
画像形成装置100は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成手段10Y,10M,10C,10K、ベルト状の中間転写ベルト6(中間転写体)、給紙搬送手段20、及び定着装置30とからなる。
【0017】
画像形成装置100の上部には、自動原稿送り装置201と原稿画像走査露光装置202とから成る画像読取装置200が設置されている。
【0018】
自動原稿送り装置201の原稿台上に載置された原稿dは搬送手段により搬送され、原稿画像走査露光装置202の光学系により原稿の片面又は両面の画像が走査露光され、ラインイメージセンサCCDに読み込まれる。
【0019】
ラインイメージセンサCCDにより光電変換されたアナログ信号は、画像処理部101において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等を行った後、露光手段3Y,3M,3C,3Kに入力される。
【0020】
イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成手段10Yは、像担持体としての感光体ドラム1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像装置4Y及びクリーニング手段5Yを有する。マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成手段10Mは、像担持体としての感光体ドラム1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像装置4M及びクリーニング手段5Mを有する。シアン(C)色の画像を形成する画像形成手段10Cは、像担持体としての感光体ドラム1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像装置4C及びクリーニング手段5Cを有する。黒(K)色の画像を形成する画像形成手段10Kは、像担持体としての感光体ドラム1K、帯電手段2K、露光手段3K、現像装置4K及びクリーニング手段5Kを有する。帯電手段2Yと露光手段3Y、帯電手段2Mと露光手段3M、帯電手段2Cと露光装置3C、及び帯電手段2Kと露光装置3Kは、潜像形成手段を構成する。
【0021】
現像装置4Y,4M,4C,4Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒(K)の小粒径トナーとキャリアからなる二成分現像剤をそれぞれ収容する。
【0022】
中間転写ベルト6は、複数のバックアップローラ61に巻回され、回転可能に支持されている。
【0023】
なお、中間転写ベルト6は、体積抵抗が106〜1012Ω・cmの無端ベルトであり、例えばポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、エトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)等の樹脂材料や、EPDM、NBR、CR、ポリウレタン等のゴム材料にカーボン等の導電性フィラーを分散させたり、イオン性の導電材料を含有させたりしたものが用いられ、厚みは、樹脂材料の場合50〜200μm程度、ゴム材料の場合は300〜700μm程度の設定にすることが好ましい。
【0024】
以上の構成により、画像形成手段10Y,10M,10C,10Kより形成された各色の画像は、回転する中間転写ベルト6上に一次転写手段7Y,7M,7C,7Kにより逐次転写されて(一次転写)、合成されたカラー画像が形成される。
【0025】
給紙搬送手段20の給紙カセット21内に収容された記録材Pは、給紙手段22により給紙され、給紙ローラ23,24,25,26、レジストローラ27等を経て、転写ローラ9に搬送され、中間転写ベルト6上のカラー画像が記録材P上に転写される(二次転写)。
【0026】
カラー画像が転写された記録材Pは、定着装置30において挟着され、熱と圧力とが加えられることにより記録材P上のトナー像が定着されて記録材P上に固定され、排紙ローラ28に挟持される。その後、機外の排紙トレイ29上に載置される。
【0027】
一方、転写ローラ9により記録材Pにカラー画像を転写した後、記録材Pを曲率分離した中間転写ベルト6は、クリーニング装置8により残留トナーや紙粉等の付着物が除去される。
【0028】
定着処理された記録材Pを反転排紙する場合には、記録材Pは定着装置30と排紙ローラ28の中間に配置された分岐板28Aの図示右側の搬送路を通過し、下方の第1搬送路〈1〉に搬送された後、逆転搬送されて分岐板28Aの図示左側の第2搬送路〈2〉を通過し、排紙ローラ28により装置外に排出される。
【0029】
記録材Pの両面に複写する場合には、記録材Pの第1面に形成した画像を定着処理した後、記録材Pを第1搬送路〈1〉、さらに分岐板28Bの下方の第4搬送路〈4〉に導入した後、逆転搬送し、分岐板28Bの図示右側の搬送路を通過させ、第3搬送路〈3〉に搬送した後、上方に迂回し給紙ローラ26により搬送する。記録材Pは画像形成手段10Y,10M,10C,10Kにおいて第2面に各色の画像が両面に形成され、定着装置30により加熱定着処理され、排紙ローラ28によって装置外に排出される。
【0030】
なお、以上の画像形成装置においては、カラー画像の形成装置として説明したが、本発明のクリーニング装置はモノクロ画像の形成装置にも適用できる。
【0031】
次に、クリーニング装置8の詳細について図2を参照して説明する。図2はクリーニング装置8の要部断面図である。
【0032】
81は中間転写ベルト6に圧接して中間転写ベルト6に付着した残留トナー等を除去するクリーニングローラであり、82も同様の作用を行うクリーニングローラである。クリーニングローラ81,82としては、導電性を有する、ブラシローラ、ゴムローラ、スポンジローラ若しくは金属ローラの何れかを用いることができるが、ブラシローラを用いることが望ましく、以下ブラシローラとして説明する。
【0033】
クリーニングローラ81,82のブラシとして、導電性のナイロン、アクリル、ポリエステル若しくはポリエチレン等を用い、外径を10〜30mm、線径を2〜15d、密度を10〜100k/inch2とすることが望ましい。なお、dはデニールを意味し、繊維の太さの尺度である線密度を表す単位であって、長さ9,000mで1gの質量を有する繊維を1デニールとする。
【0034】
クリーニングローラ81,82は、後述する歯車機構によってクリーニングローラ81,82が中間転写ベルト6に圧接する圧接位置Pにおいて中間転写ベルト6の回転方向に対して逆方向に回転する(クリーニングローラ81,82及び中間転写ベルト6は共に時計方向に回転)。従って、互いの回転方向の線速度に大きな差が生じて、クリーニングローラ81,82は中間転写ベルト6上の残留トナーを確実に掻き取ることができる。
【0035】
クリーニングローラ81には回収ローラ83が接触して回転し、回収ローラ83にはスクレーパ85がカウンタ方向に当接している。従って、クリーニングローラ81に付着した残留トナーは回収ローラ83に付着して回転し、スクレーパ85によって掻き落とされる。同様に、クリーニングローラ82に付着した残留トナーは回収ローラ84に付着して回転し、スクレーパ86によって掻き落とされる。そして、スクレーパ85,86によって掻き落とされた残留トナーは下方に位置する回収スクリュー87によって紙面直角方向にクリーニング装置8の外部に搬送され、不図示の回収容器に回収される。
【0036】
なお、回収ローラ83,84は導電性のローラであって、ステンレス等から形成された金属ローラや表面を導電性化処理した樹脂ローラからなる。スクレーパ85,86は厚さが0.05mm程度のステンレス板からなる。
【0037】
また、回収ローラ83は電源E1に接続されて、プラスの電圧(例えば、+500V)が印加されている。従って、クリーニングローラ81にもプラスの電圧が印加される。同様に、回収ローラ84は電源E2に接続されて、マイナスの電圧(例えば、−500V)が印加されている。従って、クリーニングローラ82にもマイナスの電圧が印加される。このように、クリーニングローラ81及びクリーニングローラ82には互いに反対の極性の電圧が各々印加されているので、プラスからマイナスまでの広い帯電分布を有する残留トナーが中間転写ベルト6に付着していても、静電作用によって確実に除去される。特に、中間転写ベルト6に残留トナーと紙粉が付着している場合には、これらの付着物の極性が逆になるため、上記構成が有効になる。
【0038】
次に、クリーニングローラ81,82等を駆動する歯車機構について、図3及び図4を参照して説明する。図3は歯車機構の側面図、図4は歯車機構の斜視図である。
【0039】
本歯車機構は各ローラの軸方向におけるクリーニング装置8の端部に位置している。
【0040】
両図において、91はクリーニングローラ81と同軸にて一体的に回転するクリーニングローラ歯車、92はクリーニングローラ82と同軸にて一体的に回転するクリーニングローラ歯車、93は回収ローラ83と同軸にて一体的に回転する回収ローラ歯車、94は回収ローラ84と同軸にて一体的に回転する回収ローラ歯車である。そして、クリーニングローラ歯車91と回収ローラ歯車93とが歯合し、クリーニングローラ歯車92と回収ローラ歯車94とが歯合する。
【0041】
95はモータであって、同軸にて一体的に回転するモータ歯車96と接続し、モータ歯車96は回収ローラ歯車93と歯合する。
【0042】
97は中間転写ベルト6を巻回するバックアップローラ61と同軸に配置された中間歯車であり、バックアップローラ61と回転方向が異なる。このため、バックアップローラ61の軸61Aに嵌挿された軸受け98に遊嵌している。そして、中間歯車97はクリーニングローラ歯車91及びクリーニングローラ歯車92と各々歯合する。
【0043】
99は回収スクリュー87と同軸にて一体的に回転するスクリュー歯車であって不図示のモータによって駆動され、回収スクリュー87におけるスクリューの巻き方向及び残留トナーの搬送方向によって回転方向が定まる。
【0044】
以上の歯車機構において、モータ95を駆動してモータ歯車96を時計方向に回転させる。すると、回収ローラ歯車93が反時計方向に回転して回収ローラ83を同方向に回転させ、続いて、クリーニングローラ歯車91が時計方向に回転してクリーニングローラ81を同方向に回転させる。クリーニングローラ歯車91が時計方向に回転すると、中間歯車97が反時計方向に回転する。従って、クリーニングローラ歯車92が時計方向に回転してクリーニングローラ82を同方向に回転させ、回収ローラ歯車94が反時計方向に回転して回収ローラ84を同方向に回転させる。
【0045】
このように、クリーニングローラ81を駆動する駆動力を、中間転写ベルト6を巻回するバックアップローラ61と同軸に配置された中間歯車97を介してクリーニングローラ82に伝達しているので、クリーニングローラ歯車91とクリーニングローラ歯車92との間や、回収ローラ歯車93と回収ローラ歯車94との間に中間歯車を設けた場合と異なって、クリーニング装置8が大型化することがなく、しかもクリーニングローラ歯車91,92や回収ローラ歯車93,94を自由な位置に配置できるので、設計上の自由度が拡大する。
【0046】
特にこの構成は、バックアップローラ61の外径が20mm以上、80mm以下のときに有効である。
【0047】
なお、上記実施の形態においては、モータ95の駆動力をモータ歯車96入力して回収ローラ歯車93、クリーニングローラ歯車91と伝達したが、場合によってはモータ歯車96を設けずにモータ95の駆動力を回収ローラ歯車93に入力するように構成してもよいし、クリーニングローラ歯車91に入力するように構成してもよい。
【0048】
また、以上はクリーニングローラ及び回収ローラを2組設けた例であるが、3組以上設けた場合でも同様に駆動力を中間歯車97を介して各クリーニングローラに伝達することができる。
【0049】
また、上記の構成のクリーニング装置8は中間転写ベルト6に付着した残留トナー等を除去するものであったが、同様の構成のクリーニング装置にて感光体ドラムに付着した残留トナー等を除去するように構成することもできる。
【0050】
この場合は、クリーニングローラ、回収ローラ、スクレーパ、クリーニングローラ歯車、回収ローラ歯車等は上記の構成と同一でよいが、中間歯車は感光体ドラムの軸に嵌挿された軸受けに遊嵌する。
【0051】
特にこの構成は、感光体ドラムの外径が30mm以上、80mm以下のときに有効である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】画像形成装置の断面構成図である。
【図2】クリーニング装置の要部断面図である。
【図3】歯車機構の断面図である。
【図4】歯車機構の斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
6 中間転写ベルト
61 バックアップローラ
8 クリーニング装置
81,82 クリーニングローラ
83,84 回収ローラ
85,86 スクレーパ
91,92 クリーニングローラ歯車
93,94 回収ローラ歯車
95 モータ
96 モータ歯車
97 中間歯車
98 軸受け
E1,E2 電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体ドラムに形成されたトナー像を中間転写ベルトに一次転写し、該中間転写ベルトに転写されたトナー像を記録材に二次転写する画像形成装置において、
前記中間転写ベルトに圧接して前記中間転写ベルトに付着した残留トナーを除去する複数のクリーニングローラと、
前記複数のクリーニングローラと各々一体的に回転する複数のクリーニングローラ歯車と、
前記中間転写ベルトを内側から支持するバックアップローラと、
前記バックアップローラと同軸に遊嵌され前記複数のクリーニングローラ歯車と歯合する中間歯車と、を設け、
所定のクリーニングローラ歯車に回転駆動力を入力することにより、該クリーニングローラ歯車と一体的に回転するクリーニングローラを前記中間転写ベルトとの圧接位置において前記中間転写ベルトの回転方向に対して逆方向に回転させると共に、前記中間歯車を回転させ、前記中間歯車の回転により他のクリーニングローラ歯車と他のクリーニングローラを回転させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
感光体ドラムに形成されたトナー像を記録材に転写する画像形成装置において、
前記感光体ドラムに圧接して前記感光体ドラムに付着した残留トナーを除去する複数のクリーニングローラと、
前記複数のクリーニングローラと各々一体的に回転する複数のクリーニングローラ歯車と、
前記感光体ドラムと同軸に遊嵌され前記複数のクリーニングローラ歯車と歯合する中間歯車と、を設け、
所定のクリーニングローラ歯車に回転駆動力を入力することにより、該クリーニングローラ歯車と一体的に回転するクリーニングローラを前記感光体ドラムとの圧接位置において前記感光体ドラムの回転方向に対して逆方向に回転させると共に、前記中間歯車を回転させ、前記中間歯車の回転により他のクリーニングローラ歯車と他のクリーニングローラを回転させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記クリーニングローラは導電性のブラシローラであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記複数のクリーニングローラに各々圧接して前記複数のクリーニングローラにより除去された残留トナーを回収する複数の回収ローラと、個々の該回収ローラと各々一体的に回転して個々の前記クリーニングローラ歯車と各々歯合する複数の回収ローラ歯車と、を設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記複数の回収ローラに異なる極性の電圧を印加することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記クリーニングローラの外径が10mm以上、30mm以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記バックアップローラの外径が20mm以上、80mm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項3〜6の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記感光体ドラムの外径が30mm以上、80mm以下であることを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−10919(P2006−10919A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−186155(P2004−186155)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】