画像形成装置
【課題】中間転写ベルトとベルトクリーニングブレードとの間に入り込んでしまった紙粉をクリーニング可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】中間転写ベルト70のベルトクリーニングブレード86の上流側には、中間転写ベルト70にキャリア液塗布機構90が設けられており、二次転写ユニット80で二次転写が行われた後の中間転写ベルト70上に、キャリア液塗布機構90によりキャリア液が塗布される。また、ベルトクリーニングブレード86は離間できるように構成されており、中間転写ベルト70により塗布されたキャリア液によりベルトクリーニングブレードとの間に入り込んでしまった紙粉を洗い流す。この紙粉は、二次転写ローラ81で回収する。
【解決手段】中間転写ベルト70のベルトクリーニングブレード86の上流側には、中間転写ベルト70にキャリア液塗布機構90が設けられており、二次転写ユニット80で二次転写が行われた後の中間転写ベルト70上に、キャリア液塗布機構90によりキャリア液が塗布される。また、ベルトクリーニングブレード86は離間できるように構成されており、中間転写ベルト70により塗布されたキャリア液によりベルトクリーニングブレードとの間に入り込んでしまった紙粉を洗い流す。この紙粉は、二次転写ローラ81で回収する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコンオイル、鉱物油又は食用油等からなるキャリア液にトナーを分散させた液体トナーにより感光体上に形成された静電潜像を現像する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シリコンオイル、鉱物油又は食用油等からなるキャリア液にトナーを分散させた高粘度の液体トナーを用いた液体現像方式の電子写真装置が知られている。
【0003】
このような液体現像方式のものとして特許文献1(特開平7−209922号公報)には、画像支持体上に形成された静電潜像を、帯電した顕像化粒子であるトナーによって現像する静電潜像の液体現像方法であって、導電性を有する現像剤支持体上に塗布された絶縁性液体中にトナーが高濃度に分散された100〜10000mPa・sの高粘度の液体現像剤を前記画像支持体に接触させることにより、前記画像支持体の潜像面に前記液体現像剤を供給する現像工程を備えることを特徴とする静電潜像の液体現像方法が開示されている。
【特許文献1】特開平7−209922号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のものように不揮発性キャリア液を用いる液体現像システムでは、キャリア液が揮発しないゆえに中間転写ベルト上でもキャリア液が存在する。このキャリア液は、用紙転写時に転写バイアスの影響を受けないため用紙へと吸収される分とベルト上に残る分で泣き別れとなる。また、不揮発性キャリア液としては、例えばシリコーンオイル・ノルマルパラフィンオイル・イソパラフィンオイルなどの各種オイルが使用できるが、揮発を防止するために分子量が比較的大きく粘度が20〜1000mPa・sと高いものが使用される。このように、ベルト上に粘度の高いキャリア液が存在することで、用紙転写時に用紙から紙粉がキャリア液にトラップされやすく、乾式トナーを用いる装置と比較し、中間転写ベルトに紙粉が付着しやすい。
【0005】
転写残りトナーやこのような紙粉は、中間転写ベルトのクリーナでかきとられる。クリーナとしては、弾性を有する材料(例えばウレタンゴム)のクリーニングブレードのエッジ部を中間転写ベルトに当接させることでクリーニングを行う方法が一般に知られている。ところが、不揮発性キャリア液を用いる液体現像システムでは、上記のように中間転写ベルトにトラップされる紙粉が多いため、長期の印刷動作により、ブレードと中間転写ベルトの間に紙粉が入り込んでしまうことがあり、紙粉が入り込んだ部分はブレードと中間転写ベルトの間に隙間が開いてしまいクリーニング不良となり、画像不良となるという不具合になることがわかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するためのもので、請求項1に係る発明は、キャリア液にトナーを分散した液体トナーにより感光体上に形成された静電潜像を現像する現像ユニットと、該感光体上に現像された像を中間転写媒体に転写する一次転写ユニットと、該中間転写媒体に転写された像を記録媒体に転写する二次転写ローラと、該記録媒体に転写された像を加熱加圧し該記録媒体上に定着する定着ユニットと、該中間転写媒体をクリーニングする中間転写媒体クリーニングブレードと、を有する画像形成装置において、該中間転写媒体にキャリア液を塗布するキャリア液塗布機構と、該中間転写媒体クリーニングブレードを中間転写媒体から離間させる中間転写媒体クリーニングブレード離間機構と、を有し、該キャリア液塗布機構で、該中間転写媒体にキャリア液を塗布した後、該中間転写媒体クリーニングブレード離間機構で、該中間転写媒体クリーニングブレードを離間し、該二次転写ローラで、該中間転写媒体をクリーニングすることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、該感光体を複数有し、該感光体のうち、該中間転写媒体の流れ方向から見て最下流の該感光体以外の該感光体を離間する機構を有することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置において、該二次転写ローラをクリーニングする二次転写ローラブレードが設けられており、該二次転写ローラブレードは、シャープエッジのブレードであることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置において、該二次転写ローラで、該中間転写媒体をクリーニングする際には、該二次転写ローラを該中間転写媒体と同方向に該中間転写媒体より速く回転させることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置において、該二次転写ローラで、該中間転写媒体をクリーニングする際には、該二次転写ローラを該中間転写媒体と逆方向に回転させることを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に係る発明は、請求項4又は請求項5に記載の画像形成装置において、該二次転写ローラで、該中間転写媒体をクリーニングする際には、該二次転写ローラと該中間転写媒体の当接圧力を通常の印刷時よりも低く設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1に係る発明によれば、中間転写媒体クリーニングブレードにたまった紙粉が、中間転写媒体クリーニングブレードが中間転写媒体から離間するとで、中間転写媒体上を搬送されて二次転写ローラで回収される。その際、キャリアを塗布しておくことで、キャリア液とともに紙粉が二次転写ローラへと転写される。
【0013】
また、本発明の請求項2に係る発明によれば、感光体を離間することで、中間転写媒体クリーニングブレードにたまったクリーニング液および紙粉が感光体に付着しない。
【0014】
また、本発明の請求項3に係る発明によれば、シャープエッジの二次転写ローラブレードを用いることで紙粉が二次転写ローラと二次転写ローラブレードの間にたまらない
また、本発明の請求項4に係る発明によれば、二次転写ローラを速く回転させることで、キャリアと紙粉がより効率的に二次転写ローラへ回収される。
【0015】
また、本発明の請求項5に係る発明によれば、二次転写ローラをカウンタ方向に回転させることで、大部分のキャリアと紙粉が二次転写ローラへ回収される。
【0016】
また、本発明の請求項6に係る発明によれば、圧力を通常印刷時より低くすることで、中間転写体の劣化を防止できる
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。現像ユニット50Y、50M、50C、50Kは、画像形成装置の下部に配置されており、中間転写ベルト70、二次転写ユニット80は、画像形成装置の上部に配置されている。
【0018】
中間転写ベルト70は、ベルト駆動ローラ82、85に張架されたエンドレスのベルトであり、感光体20Y、20M、20C、20Kと当接しながら回転駆動される。中間転写ベルト70、一次転写バックアップローラ61Y、61M、61C、61K及び感光体20Y、20M、20C、20Kとで構成された一次転写ユニット60Y、60M、60C、60Kにより、中間転写ベルト70上に4色の液体トナーが順次重ねて転写され、フルカラー液体トナー像が形成される。
【0019】
ここで、中間転写ベルト70は、80μmのポリイミド基材の上にウレタンゴム弾性層200μmで総厚みが280μmのものが用いられている。また、中間転写ベルト70は、表面粗さ2.9μm、体積抵抗8.2×109Ω・cm、比誘電率4.0である。また、通常の印刷時における中間転写ベルト70の速度(プロセス速度)は、200mm/sである。
【0020】
二次転写ユニット80は、二次転写ローラ81、ベルト駆動ローラ82、二次転写ローラブレード83、二次転写ローラクリーニング液回収部84から成っており、中間転写ベルト70上に形成された単色液体トナー像やフルカラー液体トナー像を用紙、フィルム、布等の媒体に転写するための装置である。
【0021】
なお、二次転写ローラ81は、直径16mmの金属製のシャフトの周りにゴム硬度JIS−A50°のウレタンゴム層を設け、さらにその上からナイロンチューブをかぶせたものを用いた。
このウレタンゴム層の厚みは3mmであり、またナイロンチューブの厚みは40μmである。このナイロンチューブの表面粗さはRz=1.1μmである。
【0022】
二次転写ローラブレード83は、L字型の板金(不図示)に楔形のウレタン樹脂製のブレードを貼り付けたものを使用した。ブレード厚みはもっとも厚い部分が1mmで先端がとがっており、長さは16mmである。このように二次転写ローラブレード83に、シャープエッジのブレードを用いることで紙粉等の汚れが二次転写ローラ81と二次転写ローラブレード83の間にたまることがない。
【0023】
不図示の定着ユニットは、用紙等の媒体上に転写された単色液体トナー像やフルカラー液体トナー像を用紙等の媒体に融着させて永久像とするための装置である。
【0024】
中間転写ベルト70のベルト駆動ローラ85上流側には、キャリア液塗布機構90が設けられている。また、二次転写後の中間転写ベルト70上に残留したキャリア液、トナー粒子、紙粉をクリーニングするために、ベルトクリーニングブレード86がベルト駆動ローラ85に巻きかけられた中間転写ベルト70上に当接している。ベルトクリーニング液回収部87は、ベルトクリーニングブレード86が掻き落としたキャリア液、トナー粒子、紙粉を回収するための機構である。
【0025】
現像ユニット50Y、50M、50C、50Kは、それぞれ、イエロー(Y)液体トナー、マゼンタ(M)液体トナー、シアン(C)液体トナー、ブラック(K)液体トナーで潜像を現像する機能を有している。イエロー(Y)液体トナー、マゼンタ(M)液体トナー、シアン(C)液体トナー、ブラック(K)の各液体トナーは、キャリア液に各色のトナーを分散させたものが用いられる。
【0026】
現像ユニット50Y、50M、50C、50Kは、概略、各液体トナーを貯蔵する現像トナー容器53Y、53M、53C、53K、これら現像トナー容器から各色液体トナーを現像ローラ54Y、54M、54C、54Kに供給するトナー供給ローラ51Y、51M、51C、51K、感光体20Y、20M、20C、20Kを帯電する帯電器30Y、30M、30C、30K、帯電された感光体に静電潜像を形成する不図示の露光ユニット(露光ユニットの光路は、40Y、40M、40C、40K)から成る。
【0027】
現像ユニット50Y、50M、50C、50Kの構成は同様であるので、以下、現像ユニット50Kについて説明する。
【0028】
図1に示すように、感光体20Kの回転方向に沿って、主に帯電ユニット30K、露光ユニット、一次転写ユニット60Kが配されている。感光体20Kは、円筒状の基材とその外周面に形成された感光層を有し、中心軸を中心に回転可能であり、本実施の形態においては、時計回りに回転する。
【0029】
帯電ユニット30Kは、感光体20Kを帯電するための装置である。不図示の露光ユニットからは、光路40Kでレーザを照射することによって帯電された感光体20K上に潜像を形成する。露光ユニットは、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有しており、入力された画像信号に基づいて、変調されたレーザを帯電された感光体20K上に照射する。
【0030】
現像ユニット50Kは、感光体20K上に形成された潜像を、ブラック(K)液体トナーを用いて現像するための装置である。現像ユニット50Kの詳細については後述する。
【0031】
一次転写ユニット60Kは、感光体20Kに形成されたブラック液体トナー像を中間転写ベルト70に転写するための装置である。
【0032】
図2は、現像ユニット50Kの主要構成要素を示した断面図である。図2において、現像トナー容器53Kは、感光体20Kに形成された潜像を現像するための、トナー及びキャリア液からなる液体トナーを収容する。現像トナー容器53Kに収容されている液体トナーは、従来一般的に使用されている、Isopar(商標:エクソン)をキャリアとした低濃度(1〜2wt%程度)かつ低粘度の、常温で揮発性を有する揮発性液体トナーではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性を有する不揮発性液体トナーである。すなわち、本実施の形態に係る液体トナーは、熱可塑性樹脂中へ顔料等の着色剤を分散させた平均粒径1.3μmの固形子を、有機溶媒、シリコンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約25%とした高粘度(30〜10000mPa・s程度)の液体トナーである。
【0033】
現像トナー容器53Kからは、トナー供給ローラ51Kにより、現像ローラ54Kへと液体トナーが供給される。トナー供給ローラ51Kは、円筒状の部材であり、図2の示すように時計回りに回転し、表面に微細且つ一様に螺旋状の溝を形成したアニロックローラである。溝の寸法は、溝ピッチが約130μm、溝深さが約30μmである。
【0034】
トナー規制ブレード52Kは、トナー供給ローラ51Kの表面に当接するウレタンゴム等からなるゴム部と、該ゴム部を支持する金属等の板で構成され、トナー供給ローラ51Kに残存する液体トナーを掻き落として除去する。
【0035】
現像ローラ54Kは、幅約320mmの円筒状の部材であり、中心軸を中心に図2に示すように反時計回りに回転する。該現像ローラ54Kは鉄等金属製の内芯の外周部に、導電性ウレタンゴム等の弾性体と樹脂層やゴム層を備えたものである。現像ローラ54Kには、現像ローラブレード58K、及び現像ローラクリーニング液回収部59Kが設けられている。この現像ローラブレード58Kは現像ローラ54Kの表面に当接するゴム等で構成され、現像ローラ54Kに残存する液体トナーを掻き落として除去するためのものである。現像ローラクリーニング液回収部59Kは現像ローラブレード58Kが掻き落とした液体トナーを貯留するタンク等の容器である。
【0036】
均しローラ55Kは、円筒状の部材であり、中心軸を中心に回転し、金属ローラの表層に導電性の樹脂層やゴム層を備えた構造をしており、その回転方向は、図2に示すように、現像ローラ54Kと反対方向の時計回りである。均しローラは、現像ローラ54K表面の帯電バイアスを増加させる手段を有する。均しローラブレード56Kは均しローラ55Kの表面に当接するゴム等で構成され、均しローラ55Kに残存する液体トナーを掻き落として除去するためのものである。均しローラクリーニング液回収部57Kは均しローラブレード56Kが掻き落とした液体トナーを貯留するタンク等の容器である。
【0037】
感光体20Kは、現像ローラ54Kの幅約320mmより広く、外周面に感光層が形成された円筒状の部材であり、中心軸を中心に図2に示すように時計回りで回転する。該感光体20Kの感光層は、有機感光体又はアモルファスシリコン感光体等で構成される。
【0038】
感光体20Kの周囲には、感光体ブレード21K、感光体クリーニング液回収部22Kが配されている。感光体ブレード21Kは、感光体20Kの表面に当接され、ゴム製で、感光体20Kに残存する液体トナーを掻き落として除去する。感光体クリーニング液回収部22Kは、感光体ブレード21Kが掻き落とした液体トナーを貯留するタンク等の容器である。
【0039】
帯電器30Kは、感光体20Kと現像ローラ54Kとのニップ部上流に設けられている。帯電器30Kは、図示しない電源装置から液体トナー帯電極性と同極性のバイアスを印可され、感光体20Kを帯電させる、このように帯電された感光体20K上には、不図示の露光ユニットから、レーザ光が照射されることによって、潜像が形成される。形成された潜像は、現像ローラ54Kにより現像され、一次転写ユニット60Kにおいて、中間転写ベルト70へと転写される。
【0040】
次に本発明の画像形成装置の動作について説明する。引き続き、現像ユニットに関しては、4つの現像ユニットのうち現像ユニット50Kを例にとり説明する。
【0041】
現像トナー容器53K中の液体トナーは、トナー固形分濃度25%で、トナー粒子は平均粒径1.3μmでプラスの電荷を有する。この液体トナーは、トナー供給ローラ51Kが回転することによって、現像トナー容器53Kから汲み上げられる。トナー規制ブレード52Kは、トナー供給ローラ51Kの表面に当接し、トナー供給ローラ51Kの表面に形成された溝内の現像液を残しその他の余分な現像液を掻き取って、現像ローラ54Kに供給する液体トナー量を規制する。このような規制によって、現像ローラ54Kへ塗布される液体トナーの膜厚が約6μmとなるように定量化される。トナー規制ブレード52Kに掻き取られた液体トナーは重力によって現像トナー容器53Kに落下し戻される。トナー規制ブレード52Kに掻き取られなかった液体トナーは、トナー供給ローラ51Kの表面の凹凸の溝内に収容されており、現像ローラ54Kに圧接することで、現像ローラ54Kの表面に塗布される。
【0042】
トナー供給ローラ51Kによって液体トナーを塗布された現像ローラ54Kは、トナー供給ローラ51Kとのニップ部下流で均しローラ55Kに当接する。現像ローラ54Kには約+400Vのバイアスが印可されており、均しローラ55Kには、現像ローラ8より高く、液体トナーの帯電極性と同極性のバイアスが印可される。本実施形態では、均しローラ55Kには、約+600Vのバイアスが印可されている。このため現像ローラ54K上の液体トナー中のトナー粒子は均しローラ55Kとのニップを通過する際に、現像ローラ54K側へ移動する。これによりトナー粒子同士が緩やかに結合され膜化された状態となり、感光体での現像の際、トナー粒子は、現像ローラ54Kから感光体20Kへの移動がすばやくなり、画像濃度が向上する。
【0043】
感光体20Kはアモルファスシリコン製であり、現像ローラ54Kとのニップ部上流でコロナ帯電器30Kのワイヤに約+5.5kVを印可することにより表面を約+600Vに帯電させられた後、露光ユニットにより画像部の電位が+25Vとなるように潜像が形成される。現像ローラ54Kと感光体20Kとの間に形成される現像ニップ部では、現像ローラ54Kに印加されているバイアス+400Vと感光体20K上の潜像(画像部+25V、非画像部+600V)で形成される電界に従い、選択的にトナー粒子が感光体20K上の画像部へと移動する。これにより、感光体20K上に画像が形成される。キャリア液は電界の影響を受けないため、現像ローラ54Kと感光体20Kとの現像ニップ部出口で分離して、現像ローラ54Kと感光体20Kとの両方に付着する。
【0044】
現像ニップ部を通過した感光体20Kは、中間転写ベルト70とのニップ部を通過し、一次転写が行われる。一次転写バックアップローラ61Kには、トナー粒子の帯電特性と逆極性の約−200Vが印可されており、感光体20K上のトナーは中間転写ベルト70に一次転写され、感光体20Kにはキャリア液のみが残る。感光体20K上に残ったキャリア液は、一次転写部下流の感光体ブレード21Kにより掻き取られ、感光体クリーニング液回収部22Kで回収される。
【0045】
一次転写が行われた後の中間転写ベルト70は次に二次転写ユニット80へと進み、中間転写ベルト70と二次転写ローラ81のニップ部に進入する。二次転写ユニット80において、二次転写ローラ81には−1000Vが、また、ベルト駆動ローラ82は0Vに保たれるようにアースに接続されており、これにより中間転写ベルト70上のトナー粒子の層は用紙等の媒体に転写される。
【0046】
用紙等の媒体に転写されたトナー画像は、次に不図示の定着ユニットにおいて、媒体上に転写された単色液体トナー像やフルカラー液体トナー像を融着にさせて永久像とする。
【0047】
次に、二次転写ユニット80における中間転写ベルト70と二次転写ローラ81のニップ部を通過した中間転写ベルト70は、ベルト駆動ローラ85上流側に設けられたキャリア液塗布機構90の方へと向かう。
以下、本発明のクリーニング動作に関連する各種機構につき説明する。
(キャリア液塗布機構について)
図3に、本発明のキャリア液塗布機構90の詳細構成を示す。キャリア液塗布機構90は、中間転写ベルト70に当接してキャリア液を塗布するキャリア液塗布ローラ91及びキャリア液塗布バックアップローラ92、及びキャリア液を溜めておくキャリア液貯蔵部96、キャリア液貯蔵部96からキャリア液塗布ローラ91にキャリア液を供給するキャリア液供給ローラ93、94からなる。
【0048】
通常の印刷時には、キャリア液塗布ローラ91は、中間転写ベルト70から離間させているが、中間転写ベルト70のクリーニングを行う際に中間転写ベルト70に当接させてキャリア液を塗布する。中間転写ベルト70へのキャリア液の塗布量は、キャリア液の厚さで2μm〜20μm程度とする。これは、2μm以下のキャリア液量では、キャリア液の量が少なすぎて、ベルトに付着した汚れが拡散しにくく、また、20μm以上のキャリア液量では、キャリア液中への汚れの拡散効果は上がらず、キャリア液の無駄遣いとなってしまうことに依る。本実施の形態では、中間転写ベルト70へのキャリア液の塗布量は、キャリア液の厚さで5μmとした。
(感光体を利用したキャリア液塗布機構について)
図8に示すように、中間転写ベルト70上にキャリア液を塗布する機構として、感光体20を利用する場合もある。すわなち、感光体20から白べた印刷を行うことによりキャリア液を中間転写ベルト70上に塗布する構成とすることにより、キャリア液塗布機構90を設けることを省略する。このようにすれば、感光体20をキャリア液塗布機構として利用するので、90のようなキャリア液を塗布するための特別な機構を別に設ける必要がない。感光体20で白べた印刷を行い、キャリア液塗布する具体的な方法については後述する。また、感光体20Y、20M、20C、20Kのうち、感光体20Kを、中間転写ベルト70上にキャリア液を塗布する機構として用いる。
【0049】
感光体20Kを利用してキャリア液を中間転写ベルト70上に塗布するような場合、キャリア液が塗布された中間転写ベルト70上の箇所を、二次転写ユニット80を超えさせて、ベルトクリーニングブレード86に到達させねばならないので、二次転写ユニット80において、二次転写ローラ81を中間転写ベルト70上から、クリーニング動作時に離間させる構成が採用される。
【0050】
感光体を利用したキャリア液塗布機構においても、中間転写ベルト70へのキャリア液の塗布量は、キャリア液の厚さで2μm〜20μm程度であることが望ましい。感光体を利用したキャリア液塗布機構でも、中間転写ベルト70へのキャリア液の塗布量は、キャリア液の厚さで5μmとした。
(ベルトクリーニングブレードについて)
図4に、ベルトクリーニングブレード86部周辺の詳細構成を示す。ベルトクリーニングブレード86は、中間転写ベルト70上に残留したキャリア液、トナー粒子、紙粉をクリーニングするためのものであり、図4に示すようにL字型板金88に矩形のウレタンゴム製のブレードを貼り付けたものを用いている。このゴムブレードの厚みは1.8mmであり、長さは14mmである。また、ゴムブレードの硬度は、JIS−Aで70°のものを用いている。
【0051】
図5には、ベルトクリーニングブレード86の中間転写ベルト70への当接の仕方についての詳細を示す。ベルトクリーニングブレード86は重力方向に垂直の姿勢に、エッジ部がベルトにちょうど接触する位置から0.2mm水平方向にベルトに近づけて配置されている。図5中、Aが中間転写ベルト70およびベルト駆動ローラ85が仮に無い場合のブレードの位置を示す。実際には、ベルトクリーニングブレード86のエッジ部が中間転写ベルト70に当接するためBで示す状態となる。つまり、図5中のa=0.2mmとなる。なお、ベルト駆動ローラ85の直径は、30mmである。
【0052】
本発明は、発明が解決しようとする課題にも記載した、ベルトクリーニングブレード86と中間転写ベルト70の間に紙粉が入り込んでしまい、紙粉が入り込んだ部分はベルトクリーニングブレード86と中間転写ベルト70との間の隙間が開いてしまいクリーニング不良となり、画像不良となるという不具合が発生する問題を解決するものである。このような課題を解決するために、本発明では、前述のキャリア液塗布機構で中間転写ベルト70上にキャリア液を塗布しておき、ベルトクリーニングブレード86と中間転写ベルト70との間に入り込んだ紙粉を洗い流そうとするものである。このとき、ベルトクリーニングブレード86を中間転写ベルト70から僅かに離間させてやることで、紙粉をキャリア液で洗い流す。このために、本発明では、ベルトクリーニングブレード86を中間転写ベルト70から離間する機構が採用されている。
【0053】
図6に、ベルトクリーニングブレード86と中間転写ベルト70の間に入り込んでしまった紙粉をキャリア液で押し流す様子を示している。図6において、(a)には、キャリア液塗布機構90により塗布されたキャリア液の先端部分が中間転写ベルト70にのって、ベルトクリーニングブレード86に向かっている様子が示されている。(b)には、キャリア液塗布機構90により塗布されたキャリア液の先端部分がベルトクリーニングブレード86を通過し、ベルトクリーニングブレード86と中間転写ベルト70との間の紙粉にキャリア液の流れが当たっている様子が示されている。また、(c)には、ベルトクリーニングブレード86が中間転写ベルト70から離間して、紙粉がキャリア液にのって押し流された様子が示されている。
【0054】
本発明では、以上のような動作によって、ベルトクリーニングブレード86と中間転写ベルト70の間に入り込んでしまった紙粉を除去する。
(感光体の離間機構について)
ベルトクリーニングブレード86と中間転写ベルト70の間からキャリア液によって洗い流された紙粉は、中間転写ベルト70と感光体20Y、20M、20C,20Kからなる一次転写ユニット60Y、60M、60C、60Kを通過するが、この際には、感光体20Y、20M、20C,20Kを中間転写ベルト70から離間させる感光体離間機構を設けておき、紙粉が付着した中間転写ベルト70を通過させるようにする。
【0055】
なお、前述のようにキャリア液塗布機構として、感光体20Kを利用してキャリア液を中間転写ベルト70上に塗布するような場合には、感光体20Y、20M、20Cだけを中間転写ベルト70から離間させる機構とする。
(二次転写ローラの速度変更機構について)
キャリア液と共に紙粉が付着した中間転写ベルト70が、一次転写ユニット60Y、60M、60C、60Kを通過した後、キャリア液及び紙粉は二次転写ユニット80にて回収する。この回収のために、二次転写ローラ81と中間転写ベルト70との間に速度差をつける。このようにするために、二次転写ローラ81に二次転写ローラ速度変更機構を設ける。
【0056】
なお、二次転写ローラ速度変更機構では、二次転写ローラ81を、中間転写ベルト70と連れまわりする方向にまわす場合もあるし、また、二次転写ローラ81を、中間転写ベルト70と反対の方向にまわす場合もある。
【0057】
二次転写ローラ81を、中間転写ベルト70と連れまわりする方向(通常印刷時の方向)にまわす場合には、二次転写ローラ81の周速は、中間転写ベルト70の周速の1.5倍から4倍が好ましい。1.5倍以上にすることで、二次転写ユニット80部のニップ出口で二次転写ローラ81側に移動するキャリア液量が多くなり、それに伴い紙粉が効率的に二次転写ローラ81へと回収される。4倍以上では、せん断が大きくなり、中間転写体および二次転写ローラの劣化の原因となる。
【0058】
図7に、中間転写ベルト70に付着した紙粉が二次転写ローラ81に掻き取られる様子を示す。図7に示されるのは、二次転写ローラ81を、中間転写ベルト70と連れまわりする方向(通常印刷時の方向)にまわす場合である。図7において、(a)には、中間転写ベルト70上のキャリア液の先端部分にのった紙粉が二次転写部のニップに向かっている様子が示されている。(b)には、二次転写ローラ81と中間転写ベルト70との間の速度差により、紙粉が二次転写ローラ81側に剥ぎ取られた様子が示されている。
【0059】
また、二次転写ローラ81を、中間転写ベルト70と反対の方向にまわす場合は、二次転写ローラ81の周速は、中間転写ベルト70の周速の0.5倍から3倍が好ましい。0.5倍以上にすることで、キャリアの多くが2次転写ローラに移動するようになり、クリーニング効果が発揮される。3倍以上では、せん断が大きくなり中間転写体および2次転写ローラの劣化の原因となる。
図9に、中間転写ベルト70に付着した紙粉が二次転写ローラ81に掻き取られる様子を示す。図9に示されるのは、二次転写ローラ81を、中間転写ベルト70と反対の方向にまわす場合である。図7において、(a)には、中間転写ベルト70上のキャリア液の先端部分にのった紙粉が二次転写部のニップに向かっている様子が示されている。(b)には、中間転写ベルト70と、対向するように回転している二次転写ローラ81により、紙粉が中間転写ベルト70から二次転写ローラ81側に剥ぎ取られた様子が示されている。
(圧力変更機構について)
二次転写ローラ速度変更機構で、二次転写ローラ81を中間転写ベルト70と間に速度差をつけて回転させる場合には、二次転写ローラ81を中間転写ベルト70から僅かに離し、二次転写ローラ81と中間転写ベルト70との間の圧力を変更させる圧力変更機構を設けることもある。このような圧力変更機構を設けるのは、お互いの当接圧力は1kgf/cm以下であることが好ましいことによる。二次転写ローラ81と中間転写ベルト70と間に互いに速度差をつけて回転させるような場合には、お互いの当接圧力が1kg/cm以上では、せん断が大きくなり、中間転写ベルト70および二次転写ローラ81の劣化の原因となってしまうので、お互いの当接圧力は1kgf/cm以下であることが好ましい。
(クリーニング動作1)
以上のような各種機構を備えた本発明の構成でクリーニング動作を行うために、各種機構がどのように動作するかを示すクリーニングシーケンス図を図10に示す。
【0060】
以下、このクリーニングシーケンスについて説明する。なお、このクリーニング動作における例では、印刷時の二次転写部におけるニップでの、二次転写ローラ81と中間転写ベルト70との間の当接圧力は0.4kgf/cmであり、通常印刷時においても、当接圧力は1kgf/cm以下であるので、圧力変更機構については、省略されている。
【0061】
クリーニングシーケンスに戻って、まず、感光体離間機構により、中間転写ベルト70から、一次転写ユニット60Y、60M、60C、60Kの感光体20Y、20M、20C,20Kを中間転写ベルト70から離間される。(図10(a)参照)
次に、中間転写ベルト70及び二次転写ローラ81の回転駆動を始める。(図10(b)(e)参照)それと同時に、キャリア塗布ローラ91(図3参照)を中間転写ベルト70へ当接させキャリア塗布を開始する。(図10(c)参照)キャリア塗布はt1[s]行い、この後、キャリア塗布ローラ91は離間する。ここでは、t1=2.5[s]である。
【0062】
中間転写ベルト70に塗布されたキャリア液がベルトクリーニングブレード86に達した直後、ベルトクリーニングブレード86の離間を始める。ベルトクリーニングブレード86の離間は、t2[s]の時間をかけて、ブレードを重力下方向へゆっくりと2mm移動する。移動完了後のベルトクリーニングブレード86のエッジ部と中間転写ベルト70表面との最短距離が0.1mm程度となるようにベルトクリーニングブレード86は配置されている。ベルトクリーニングブレード86は移動完了後t3[s]間その位置で保持された後、中間転写ベルト70へ再当接される。ここで、t2=1.5[s]で、t3=1.0[s]である。(図10(d)参照)
この間に、中間転写ベルト70に塗布されたキャリア液がベルトクリーニングブレード86のエッジ部を通過することで、ベルトクリーニングブレード86に付着した紙粉が洗い流される(図6参照)
キャリア液が二次転写ローラ81に達するタイミングで、二次転写ローラ速度変更機構により二次転写ローラ81の回転速度を2倍にする。t4[s]の間二倍速で回転した後、2次転写ローラ・ベルトを停止する。ここで、t4=3[s]である。(図10(e)参照)
このように二次転写ローラ81の回転を変更することにより、中間転写ベルト70に付着した紙粉は、二次転写部のニップでの、二次転写ローラ81によるせん断力で中間転写ベルト70表面が変形されることで紙粉は剥ぎ取られ、さらに二次転写ローラ81側へ移動する。(図9参照)
(クリーニング動作2)
次に、クリーニング動作1とは異なるクリーニングシーケンスについて説明する。このクリーニング動作において、各種機構がどのように動作するかを示すクリーニングシーケンス図を図11に示す。
【0063】
なお、このクリーニング動作の例においては、印刷時の二次転写部におけるニップでの、二次転写ローラ81と中間転写ベルト70との間の当接圧力は1.2kgf/cmであり、1kgf/cm異常に設定されているので、圧力変更機構を設けてある。
【0064】
まず、感光体離間機構により、中間転写ベルト70から、感光体20Y、20M、20Cを中間転写ベルト70から離間させる。(図11(a)参照)また、二次転写ローラ81を離間する。(図11(e)参照)
中間転写ベルト70及びブラックの現像ユニット50K(感光体20K含む)の回転、駆動を始める。同時に感光体20Kの帯電を開始する。(図11(b)(c)(d)参照)露光器はオフとなっているので、感光体20Kには潜像は形成されない。
【0065】
感光体20Kの帯電部先端が現像ローラ54Kとのニップに達するタイミングで現像バイアスを印加する。(図11(e)参照)感光体20Kに潜像が全く形成されていないので、白べた印字となる。この結果、感光体20Kから中間転写ベルト70へとキャリア液が塗布されるような状態となる。
【0066】
中間転写ベルト70に塗布されたキャリア液がベルトクリーニングブレード86に達した直後、ベルトクリーニングブレード86の離間を始める。ベルトクリーニングブレード86の離間は、t21[s]の時間をかけて、ベルトクリーニングブレード86を重力下方向へ2mm移動する。クリーニング動作1と同様、移動完了後のベルトクリーニングブレード86のエッジ部と中間転写ベルト70表面との最短距離が0.1mm程度となるようにベルトクリーニングブレード86は配置されている。その後t22[s]保持された後、中間転写ベルト70へ当接される。ここで、t21=1.5[s]であり、t22=1.0[s]である。(図11(f)参照)
この間に、中間転写ベルト70に塗布されたキャリア液がベルトクリーニングブレード86のエッジ部を通過することで、ベルトクリーニングブレード86に付着した紙粉が洗い流される(図6参照)
キャリア液が感光体20Kに達する直前にブラックの現像ユニット50K(感光体20K含む)を停止する。(図11(c)参照)同時に、感光体の帯電と現像バイアスを停止する。(図11(d)(e)参照)感光体20Kを停止状態とするのは、紙粉を含んだ中間転写ベルト70上のキャリア液が感光体20Kへと転写されないようにするためである。
【0067】
キャリア液が二次転写ローラ81に達するタイミングで、二次転写ローラ81を当接させ、中間転写ベルト70と反対方向に200mm/sで回転させる(図11(g)及び図9参照)。このとき、圧力変更機構により、当接圧力は通常印刷時より低く設定されており、0.2kgf/cmである。
【0068】
これにより、中間転写ベルト70上の紙粉を含んだキャリア液は、図9のように二次転写ローラ81へとかきとられる。このときに、二次転写ローラ81が中間転写ベルト70とカウンタ方向に回転することで、大部分のキャリア液および紙粉は二次転写ローラ81へとかきとられる。
二次転写ローラはt23[s]の間で回転した後、二次転写ローラ・ベルトを停止する。ここで、t23=3[s]とした。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示す図である。
【図2】現像ユニットの主要構成要素を示した断面図である。
【図3】本発明のキャリア液塗布機構90の詳細構成を示す図である。
【図4】ベルトクリーニングブレード部周辺の詳細構成を示す図である。
【図5】ベルトクリーニングブレードの中間転写ベルトへの当接の仕方についての詳細を示す図である。
【図6】ベルトクリーニングブレードと中間転写ベルトとの間に入り込んだ紙粉をキャリア液で押し流す様子を示す図である。
【図7】中間転写ベルトに付着した紙粉が二次転写ローラに掻き取られる様子を示す図である。
【図8】感光体を利用してキャリア液を中間転写ベルトに塗布する方法を示す図である。
【図9】中間転写ベルトに付着した紙粉が二次転写ローラに掻き取られる様子を示す図である。
【図10】クリーニング動作を行うために、各機構がどのように動作するかを示すクリーニングシーケンス図である。
【図11】クリーニング動作を行うために、各機構がどのように動作するかを示すクリーニングシーケンス図である。
【符号の説明】
【0070】
20Y、20M、20C、20K・・・感光体
21K・・・感光体ブレード、22K・・・感光体クリーニング液回収部
30Y、30M、30C、30K・・・コロナ帯電器
40Y、40M、40C、40K・・・露光ユニット光路
50Y、50M、50C、50K・・・現像ユニット
51Y、51M、51C、51K・・・トナー供給ローラ
53Y、53M、53C、53K・・・現像トナー容器
54Y、54M、54C、54K・・・現像ローラ
52K・・・トナー規制ブレード、55K・・・均しローラ、56K・・・均しローラブレード、57K・・・均しローラブレードクリーニング液回収部、58K・・・現像ローラブレード、59K・・・現像ローラクリーニング液回収部
60Y、60M、60C、60K・・・一次転写ユニット
61Y、61M、61C、61K・・・一次転写バックアップローラ
70・・・中間転写ベルト
80・・・二次転写ユニット、81・・・二次転写ローラ、82・・・ベルト駆動ローラ、83・・・二次転写ローラブレード、84・・・二次転写ローラクリーニング液回収部、85・・・ベルト駆動ローラ、86・・・ベルトクリーニングブレード、87・・・ベルトクリーニング液回収部、88・・・L字型板金、90・・・キャリア液塗布機構、91・・・キャリア液塗布ローラ、92・・・キャリア液塗布バックアップローラ、93、94・・・キャリア液供給ローラ、96・・・キャリア液貯蔵部
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコンオイル、鉱物油又は食用油等からなるキャリア液にトナーを分散させた液体トナーにより感光体上に形成された静電潜像を現像する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シリコンオイル、鉱物油又は食用油等からなるキャリア液にトナーを分散させた高粘度の液体トナーを用いた液体現像方式の電子写真装置が知られている。
【0003】
このような液体現像方式のものとして特許文献1(特開平7−209922号公報)には、画像支持体上に形成された静電潜像を、帯電した顕像化粒子であるトナーによって現像する静電潜像の液体現像方法であって、導電性を有する現像剤支持体上に塗布された絶縁性液体中にトナーが高濃度に分散された100〜10000mPa・sの高粘度の液体現像剤を前記画像支持体に接触させることにより、前記画像支持体の潜像面に前記液体現像剤を供給する現像工程を備えることを特徴とする静電潜像の液体現像方法が開示されている。
【特許文献1】特開平7−209922号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のものように不揮発性キャリア液を用いる液体現像システムでは、キャリア液が揮発しないゆえに中間転写ベルト上でもキャリア液が存在する。このキャリア液は、用紙転写時に転写バイアスの影響を受けないため用紙へと吸収される分とベルト上に残る分で泣き別れとなる。また、不揮発性キャリア液としては、例えばシリコーンオイル・ノルマルパラフィンオイル・イソパラフィンオイルなどの各種オイルが使用できるが、揮発を防止するために分子量が比較的大きく粘度が20〜1000mPa・sと高いものが使用される。このように、ベルト上に粘度の高いキャリア液が存在することで、用紙転写時に用紙から紙粉がキャリア液にトラップされやすく、乾式トナーを用いる装置と比較し、中間転写ベルトに紙粉が付着しやすい。
【0005】
転写残りトナーやこのような紙粉は、中間転写ベルトのクリーナでかきとられる。クリーナとしては、弾性を有する材料(例えばウレタンゴム)のクリーニングブレードのエッジ部を中間転写ベルトに当接させることでクリーニングを行う方法が一般に知られている。ところが、不揮発性キャリア液を用いる液体現像システムでは、上記のように中間転写ベルトにトラップされる紙粉が多いため、長期の印刷動作により、ブレードと中間転写ベルトの間に紙粉が入り込んでしまうことがあり、紙粉が入り込んだ部分はブレードと中間転写ベルトの間に隙間が開いてしまいクリーニング不良となり、画像不良となるという不具合になることがわかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するためのもので、請求項1に係る発明は、キャリア液にトナーを分散した液体トナーにより感光体上に形成された静電潜像を現像する現像ユニットと、該感光体上に現像された像を中間転写媒体に転写する一次転写ユニットと、該中間転写媒体に転写された像を記録媒体に転写する二次転写ローラと、該記録媒体に転写された像を加熱加圧し該記録媒体上に定着する定着ユニットと、該中間転写媒体をクリーニングする中間転写媒体クリーニングブレードと、を有する画像形成装置において、該中間転写媒体にキャリア液を塗布するキャリア液塗布機構と、該中間転写媒体クリーニングブレードを中間転写媒体から離間させる中間転写媒体クリーニングブレード離間機構と、を有し、該キャリア液塗布機構で、該中間転写媒体にキャリア液を塗布した後、該中間転写媒体クリーニングブレード離間機構で、該中間転写媒体クリーニングブレードを離間し、該二次転写ローラで、該中間転写媒体をクリーニングすることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、該感光体を複数有し、該感光体のうち、該中間転写媒体の流れ方向から見て最下流の該感光体以外の該感光体を離間する機構を有することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置において、該二次転写ローラをクリーニングする二次転写ローラブレードが設けられており、該二次転写ローラブレードは、シャープエッジのブレードであることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置において、該二次転写ローラで、該中間転写媒体をクリーニングする際には、該二次転写ローラを該中間転写媒体と同方向に該中間転写媒体より速く回転させることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置において、該二次転写ローラで、該中間転写媒体をクリーニングする際には、該二次転写ローラを該中間転写媒体と逆方向に回転させることを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に係る発明は、請求項4又は請求項5に記載の画像形成装置において、該二次転写ローラで、該中間転写媒体をクリーニングする際には、該二次転写ローラと該中間転写媒体の当接圧力を通常の印刷時よりも低く設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1に係る発明によれば、中間転写媒体クリーニングブレードにたまった紙粉が、中間転写媒体クリーニングブレードが中間転写媒体から離間するとで、中間転写媒体上を搬送されて二次転写ローラで回収される。その際、キャリアを塗布しておくことで、キャリア液とともに紙粉が二次転写ローラへと転写される。
【0013】
また、本発明の請求項2に係る発明によれば、感光体を離間することで、中間転写媒体クリーニングブレードにたまったクリーニング液および紙粉が感光体に付着しない。
【0014】
また、本発明の請求項3に係る発明によれば、シャープエッジの二次転写ローラブレードを用いることで紙粉が二次転写ローラと二次転写ローラブレードの間にたまらない
また、本発明の請求項4に係る発明によれば、二次転写ローラを速く回転させることで、キャリアと紙粉がより効率的に二次転写ローラへ回収される。
【0015】
また、本発明の請求項5に係る発明によれば、二次転写ローラをカウンタ方向に回転させることで、大部分のキャリアと紙粉が二次転写ローラへ回収される。
【0016】
また、本発明の請求項6に係る発明によれば、圧力を通常印刷時より低くすることで、中間転写体の劣化を防止できる
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。現像ユニット50Y、50M、50C、50Kは、画像形成装置の下部に配置されており、中間転写ベルト70、二次転写ユニット80は、画像形成装置の上部に配置されている。
【0018】
中間転写ベルト70は、ベルト駆動ローラ82、85に張架されたエンドレスのベルトであり、感光体20Y、20M、20C、20Kと当接しながら回転駆動される。中間転写ベルト70、一次転写バックアップローラ61Y、61M、61C、61K及び感光体20Y、20M、20C、20Kとで構成された一次転写ユニット60Y、60M、60C、60Kにより、中間転写ベルト70上に4色の液体トナーが順次重ねて転写され、フルカラー液体トナー像が形成される。
【0019】
ここで、中間転写ベルト70は、80μmのポリイミド基材の上にウレタンゴム弾性層200μmで総厚みが280μmのものが用いられている。また、中間転写ベルト70は、表面粗さ2.9μm、体積抵抗8.2×109Ω・cm、比誘電率4.0である。また、通常の印刷時における中間転写ベルト70の速度(プロセス速度)は、200mm/sである。
【0020】
二次転写ユニット80は、二次転写ローラ81、ベルト駆動ローラ82、二次転写ローラブレード83、二次転写ローラクリーニング液回収部84から成っており、中間転写ベルト70上に形成された単色液体トナー像やフルカラー液体トナー像を用紙、フィルム、布等の媒体に転写するための装置である。
【0021】
なお、二次転写ローラ81は、直径16mmの金属製のシャフトの周りにゴム硬度JIS−A50°のウレタンゴム層を設け、さらにその上からナイロンチューブをかぶせたものを用いた。
このウレタンゴム層の厚みは3mmであり、またナイロンチューブの厚みは40μmである。このナイロンチューブの表面粗さはRz=1.1μmである。
【0022】
二次転写ローラブレード83は、L字型の板金(不図示)に楔形のウレタン樹脂製のブレードを貼り付けたものを使用した。ブレード厚みはもっとも厚い部分が1mmで先端がとがっており、長さは16mmである。このように二次転写ローラブレード83に、シャープエッジのブレードを用いることで紙粉等の汚れが二次転写ローラ81と二次転写ローラブレード83の間にたまることがない。
【0023】
不図示の定着ユニットは、用紙等の媒体上に転写された単色液体トナー像やフルカラー液体トナー像を用紙等の媒体に融着させて永久像とするための装置である。
【0024】
中間転写ベルト70のベルト駆動ローラ85上流側には、キャリア液塗布機構90が設けられている。また、二次転写後の中間転写ベルト70上に残留したキャリア液、トナー粒子、紙粉をクリーニングするために、ベルトクリーニングブレード86がベルト駆動ローラ85に巻きかけられた中間転写ベルト70上に当接している。ベルトクリーニング液回収部87は、ベルトクリーニングブレード86が掻き落としたキャリア液、トナー粒子、紙粉を回収するための機構である。
【0025】
現像ユニット50Y、50M、50C、50Kは、それぞれ、イエロー(Y)液体トナー、マゼンタ(M)液体トナー、シアン(C)液体トナー、ブラック(K)液体トナーで潜像を現像する機能を有している。イエロー(Y)液体トナー、マゼンタ(M)液体トナー、シアン(C)液体トナー、ブラック(K)の各液体トナーは、キャリア液に各色のトナーを分散させたものが用いられる。
【0026】
現像ユニット50Y、50M、50C、50Kは、概略、各液体トナーを貯蔵する現像トナー容器53Y、53M、53C、53K、これら現像トナー容器から各色液体トナーを現像ローラ54Y、54M、54C、54Kに供給するトナー供給ローラ51Y、51M、51C、51K、感光体20Y、20M、20C、20Kを帯電する帯電器30Y、30M、30C、30K、帯電された感光体に静電潜像を形成する不図示の露光ユニット(露光ユニットの光路は、40Y、40M、40C、40K)から成る。
【0027】
現像ユニット50Y、50M、50C、50Kの構成は同様であるので、以下、現像ユニット50Kについて説明する。
【0028】
図1に示すように、感光体20Kの回転方向に沿って、主に帯電ユニット30K、露光ユニット、一次転写ユニット60Kが配されている。感光体20Kは、円筒状の基材とその外周面に形成された感光層を有し、中心軸を中心に回転可能であり、本実施の形態においては、時計回りに回転する。
【0029】
帯電ユニット30Kは、感光体20Kを帯電するための装置である。不図示の露光ユニットからは、光路40Kでレーザを照射することによって帯電された感光体20K上に潜像を形成する。露光ユニットは、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有しており、入力された画像信号に基づいて、変調されたレーザを帯電された感光体20K上に照射する。
【0030】
現像ユニット50Kは、感光体20K上に形成された潜像を、ブラック(K)液体トナーを用いて現像するための装置である。現像ユニット50Kの詳細については後述する。
【0031】
一次転写ユニット60Kは、感光体20Kに形成されたブラック液体トナー像を中間転写ベルト70に転写するための装置である。
【0032】
図2は、現像ユニット50Kの主要構成要素を示した断面図である。図2において、現像トナー容器53Kは、感光体20Kに形成された潜像を現像するための、トナー及びキャリア液からなる液体トナーを収容する。現像トナー容器53Kに収容されている液体トナーは、従来一般的に使用されている、Isopar(商標:エクソン)をキャリアとした低濃度(1〜2wt%程度)かつ低粘度の、常温で揮発性を有する揮発性液体トナーではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性を有する不揮発性液体トナーである。すなわち、本実施の形態に係る液体トナーは、熱可塑性樹脂中へ顔料等の着色剤を分散させた平均粒径1.3μmの固形子を、有機溶媒、シリコンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約25%とした高粘度(30〜10000mPa・s程度)の液体トナーである。
【0033】
現像トナー容器53Kからは、トナー供給ローラ51Kにより、現像ローラ54Kへと液体トナーが供給される。トナー供給ローラ51Kは、円筒状の部材であり、図2の示すように時計回りに回転し、表面に微細且つ一様に螺旋状の溝を形成したアニロックローラである。溝の寸法は、溝ピッチが約130μm、溝深さが約30μmである。
【0034】
トナー規制ブレード52Kは、トナー供給ローラ51Kの表面に当接するウレタンゴム等からなるゴム部と、該ゴム部を支持する金属等の板で構成され、トナー供給ローラ51Kに残存する液体トナーを掻き落として除去する。
【0035】
現像ローラ54Kは、幅約320mmの円筒状の部材であり、中心軸を中心に図2に示すように反時計回りに回転する。該現像ローラ54Kは鉄等金属製の内芯の外周部に、導電性ウレタンゴム等の弾性体と樹脂層やゴム層を備えたものである。現像ローラ54Kには、現像ローラブレード58K、及び現像ローラクリーニング液回収部59Kが設けられている。この現像ローラブレード58Kは現像ローラ54Kの表面に当接するゴム等で構成され、現像ローラ54Kに残存する液体トナーを掻き落として除去するためのものである。現像ローラクリーニング液回収部59Kは現像ローラブレード58Kが掻き落とした液体トナーを貯留するタンク等の容器である。
【0036】
均しローラ55Kは、円筒状の部材であり、中心軸を中心に回転し、金属ローラの表層に導電性の樹脂層やゴム層を備えた構造をしており、その回転方向は、図2に示すように、現像ローラ54Kと反対方向の時計回りである。均しローラは、現像ローラ54K表面の帯電バイアスを増加させる手段を有する。均しローラブレード56Kは均しローラ55Kの表面に当接するゴム等で構成され、均しローラ55Kに残存する液体トナーを掻き落として除去するためのものである。均しローラクリーニング液回収部57Kは均しローラブレード56Kが掻き落とした液体トナーを貯留するタンク等の容器である。
【0037】
感光体20Kは、現像ローラ54Kの幅約320mmより広く、外周面に感光層が形成された円筒状の部材であり、中心軸を中心に図2に示すように時計回りで回転する。該感光体20Kの感光層は、有機感光体又はアモルファスシリコン感光体等で構成される。
【0038】
感光体20Kの周囲には、感光体ブレード21K、感光体クリーニング液回収部22Kが配されている。感光体ブレード21Kは、感光体20Kの表面に当接され、ゴム製で、感光体20Kに残存する液体トナーを掻き落として除去する。感光体クリーニング液回収部22Kは、感光体ブレード21Kが掻き落とした液体トナーを貯留するタンク等の容器である。
【0039】
帯電器30Kは、感光体20Kと現像ローラ54Kとのニップ部上流に設けられている。帯電器30Kは、図示しない電源装置から液体トナー帯電極性と同極性のバイアスを印可され、感光体20Kを帯電させる、このように帯電された感光体20K上には、不図示の露光ユニットから、レーザ光が照射されることによって、潜像が形成される。形成された潜像は、現像ローラ54Kにより現像され、一次転写ユニット60Kにおいて、中間転写ベルト70へと転写される。
【0040】
次に本発明の画像形成装置の動作について説明する。引き続き、現像ユニットに関しては、4つの現像ユニットのうち現像ユニット50Kを例にとり説明する。
【0041】
現像トナー容器53K中の液体トナーは、トナー固形分濃度25%で、トナー粒子は平均粒径1.3μmでプラスの電荷を有する。この液体トナーは、トナー供給ローラ51Kが回転することによって、現像トナー容器53Kから汲み上げられる。トナー規制ブレード52Kは、トナー供給ローラ51Kの表面に当接し、トナー供給ローラ51Kの表面に形成された溝内の現像液を残しその他の余分な現像液を掻き取って、現像ローラ54Kに供給する液体トナー量を規制する。このような規制によって、現像ローラ54Kへ塗布される液体トナーの膜厚が約6μmとなるように定量化される。トナー規制ブレード52Kに掻き取られた液体トナーは重力によって現像トナー容器53Kに落下し戻される。トナー規制ブレード52Kに掻き取られなかった液体トナーは、トナー供給ローラ51Kの表面の凹凸の溝内に収容されており、現像ローラ54Kに圧接することで、現像ローラ54Kの表面に塗布される。
【0042】
トナー供給ローラ51Kによって液体トナーを塗布された現像ローラ54Kは、トナー供給ローラ51Kとのニップ部下流で均しローラ55Kに当接する。現像ローラ54Kには約+400Vのバイアスが印可されており、均しローラ55Kには、現像ローラ8より高く、液体トナーの帯電極性と同極性のバイアスが印可される。本実施形態では、均しローラ55Kには、約+600Vのバイアスが印可されている。このため現像ローラ54K上の液体トナー中のトナー粒子は均しローラ55Kとのニップを通過する際に、現像ローラ54K側へ移動する。これによりトナー粒子同士が緩やかに結合され膜化された状態となり、感光体での現像の際、トナー粒子は、現像ローラ54Kから感光体20Kへの移動がすばやくなり、画像濃度が向上する。
【0043】
感光体20Kはアモルファスシリコン製であり、現像ローラ54Kとのニップ部上流でコロナ帯電器30Kのワイヤに約+5.5kVを印可することにより表面を約+600Vに帯電させられた後、露光ユニットにより画像部の電位が+25Vとなるように潜像が形成される。現像ローラ54Kと感光体20Kとの間に形成される現像ニップ部では、現像ローラ54Kに印加されているバイアス+400Vと感光体20K上の潜像(画像部+25V、非画像部+600V)で形成される電界に従い、選択的にトナー粒子が感光体20K上の画像部へと移動する。これにより、感光体20K上に画像が形成される。キャリア液は電界の影響を受けないため、現像ローラ54Kと感光体20Kとの現像ニップ部出口で分離して、現像ローラ54Kと感光体20Kとの両方に付着する。
【0044】
現像ニップ部を通過した感光体20Kは、中間転写ベルト70とのニップ部を通過し、一次転写が行われる。一次転写バックアップローラ61Kには、トナー粒子の帯電特性と逆極性の約−200Vが印可されており、感光体20K上のトナーは中間転写ベルト70に一次転写され、感光体20Kにはキャリア液のみが残る。感光体20K上に残ったキャリア液は、一次転写部下流の感光体ブレード21Kにより掻き取られ、感光体クリーニング液回収部22Kで回収される。
【0045】
一次転写が行われた後の中間転写ベルト70は次に二次転写ユニット80へと進み、中間転写ベルト70と二次転写ローラ81のニップ部に進入する。二次転写ユニット80において、二次転写ローラ81には−1000Vが、また、ベルト駆動ローラ82は0Vに保たれるようにアースに接続されており、これにより中間転写ベルト70上のトナー粒子の層は用紙等の媒体に転写される。
【0046】
用紙等の媒体に転写されたトナー画像は、次に不図示の定着ユニットにおいて、媒体上に転写された単色液体トナー像やフルカラー液体トナー像を融着にさせて永久像とする。
【0047】
次に、二次転写ユニット80における中間転写ベルト70と二次転写ローラ81のニップ部を通過した中間転写ベルト70は、ベルト駆動ローラ85上流側に設けられたキャリア液塗布機構90の方へと向かう。
以下、本発明のクリーニング動作に関連する各種機構につき説明する。
(キャリア液塗布機構について)
図3に、本発明のキャリア液塗布機構90の詳細構成を示す。キャリア液塗布機構90は、中間転写ベルト70に当接してキャリア液を塗布するキャリア液塗布ローラ91及びキャリア液塗布バックアップローラ92、及びキャリア液を溜めておくキャリア液貯蔵部96、キャリア液貯蔵部96からキャリア液塗布ローラ91にキャリア液を供給するキャリア液供給ローラ93、94からなる。
【0048】
通常の印刷時には、キャリア液塗布ローラ91は、中間転写ベルト70から離間させているが、中間転写ベルト70のクリーニングを行う際に中間転写ベルト70に当接させてキャリア液を塗布する。中間転写ベルト70へのキャリア液の塗布量は、キャリア液の厚さで2μm〜20μm程度とする。これは、2μm以下のキャリア液量では、キャリア液の量が少なすぎて、ベルトに付着した汚れが拡散しにくく、また、20μm以上のキャリア液量では、キャリア液中への汚れの拡散効果は上がらず、キャリア液の無駄遣いとなってしまうことに依る。本実施の形態では、中間転写ベルト70へのキャリア液の塗布量は、キャリア液の厚さで5μmとした。
(感光体を利用したキャリア液塗布機構について)
図8に示すように、中間転写ベルト70上にキャリア液を塗布する機構として、感光体20を利用する場合もある。すわなち、感光体20から白べた印刷を行うことによりキャリア液を中間転写ベルト70上に塗布する構成とすることにより、キャリア液塗布機構90を設けることを省略する。このようにすれば、感光体20をキャリア液塗布機構として利用するので、90のようなキャリア液を塗布するための特別な機構を別に設ける必要がない。感光体20で白べた印刷を行い、キャリア液塗布する具体的な方法については後述する。また、感光体20Y、20M、20C、20Kのうち、感光体20Kを、中間転写ベルト70上にキャリア液を塗布する機構として用いる。
【0049】
感光体20Kを利用してキャリア液を中間転写ベルト70上に塗布するような場合、キャリア液が塗布された中間転写ベルト70上の箇所を、二次転写ユニット80を超えさせて、ベルトクリーニングブレード86に到達させねばならないので、二次転写ユニット80において、二次転写ローラ81を中間転写ベルト70上から、クリーニング動作時に離間させる構成が採用される。
【0050】
感光体を利用したキャリア液塗布機構においても、中間転写ベルト70へのキャリア液の塗布量は、キャリア液の厚さで2μm〜20μm程度であることが望ましい。感光体を利用したキャリア液塗布機構でも、中間転写ベルト70へのキャリア液の塗布量は、キャリア液の厚さで5μmとした。
(ベルトクリーニングブレードについて)
図4に、ベルトクリーニングブレード86部周辺の詳細構成を示す。ベルトクリーニングブレード86は、中間転写ベルト70上に残留したキャリア液、トナー粒子、紙粉をクリーニングするためのものであり、図4に示すようにL字型板金88に矩形のウレタンゴム製のブレードを貼り付けたものを用いている。このゴムブレードの厚みは1.8mmであり、長さは14mmである。また、ゴムブレードの硬度は、JIS−Aで70°のものを用いている。
【0051】
図5には、ベルトクリーニングブレード86の中間転写ベルト70への当接の仕方についての詳細を示す。ベルトクリーニングブレード86は重力方向に垂直の姿勢に、エッジ部がベルトにちょうど接触する位置から0.2mm水平方向にベルトに近づけて配置されている。図5中、Aが中間転写ベルト70およびベルト駆動ローラ85が仮に無い場合のブレードの位置を示す。実際には、ベルトクリーニングブレード86のエッジ部が中間転写ベルト70に当接するためBで示す状態となる。つまり、図5中のa=0.2mmとなる。なお、ベルト駆動ローラ85の直径は、30mmである。
【0052】
本発明は、発明が解決しようとする課題にも記載した、ベルトクリーニングブレード86と中間転写ベルト70の間に紙粉が入り込んでしまい、紙粉が入り込んだ部分はベルトクリーニングブレード86と中間転写ベルト70との間の隙間が開いてしまいクリーニング不良となり、画像不良となるという不具合が発生する問題を解決するものである。このような課題を解決するために、本発明では、前述のキャリア液塗布機構で中間転写ベルト70上にキャリア液を塗布しておき、ベルトクリーニングブレード86と中間転写ベルト70との間に入り込んだ紙粉を洗い流そうとするものである。このとき、ベルトクリーニングブレード86を中間転写ベルト70から僅かに離間させてやることで、紙粉をキャリア液で洗い流す。このために、本発明では、ベルトクリーニングブレード86を中間転写ベルト70から離間する機構が採用されている。
【0053】
図6に、ベルトクリーニングブレード86と中間転写ベルト70の間に入り込んでしまった紙粉をキャリア液で押し流す様子を示している。図6において、(a)には、キャリア液塗布機構90により塗布されたキャリア液の先端部分が中間転写ベルト70にのって、ベルトクリーニングブレード86に向かっている様子が示されている。(b)には、キャリア液塗布機構90により塗布されたキャリア液の先端部分がベルトクリーニングブレード86を通過し、ベルトクリーニングブレード86と中間転写ベルト70との間の紙粉にキャリア液の流れが当たっている様子が示されている。また、(c)には、ベルトクリーニングブレード86が中間転写ベルト70から離間して、紙粉がキャリア液にのって押し流された様子が示されている。
【0054】
本発明では、以上のような動作によって、ベルトクリーニングブレード86と中間転写ベルト70の間に入り込んでしまった紙粉を除去する。
(感光体の離間機構について)
ベルトクリーニングブレード86と中間転写ベルト70の間からキャリア液によって洗い流された紙粉は、中間転写ベルト70と感光体20Y、20M、20C,20Kからなる一次転写ユニット60Y、60M、60C、60Kを通過するが、この際には、感光体20Y、20M、20C,20Kを中間転写ベルト70から離間させる感光体離間機構を設けておき、紙粉が付着した中間転写ベルト70を通過させるようにする。
【0055】
なお、前述のようにキャリア液塗布機構として、感光体20Kを利用してキャリア液を中間転写ベルト70上に塗布するような場合には、感光体20Y、20M、20Cだけを中間転写ベルト70から離間させる機構とする。
(二次転写ローラの速度変更機構について)
キャリア液と共に紙粉が付着した中間転写ベルト70が、一次転写ユニット60Y、60M、60C、60Kを通過した後、キャリア液及び紙粉は二次転写ユニット80にて回収する。この回収のために、二次転写ローラ81と中間転写ベルト70との間に速度差をつける。このようにするために、二次転写ローラ81に二次転写ローラ速度変更機構を設ける。
【0056】
なお、二次転写ローラ速度変更機構では、二次転写ローラ81を、中間転写ベルト70と連れまわりする方向にまわす場合もあるし、また、二次転写ローラ81を、中間転写ベルト70と反対の方向にまわす場合もある。
【0057】
二次転写ローラ81を、中間転写ベルト70と連れまわりする方向(通常印刷時の方向)にまわす場合には、二次転写ローラ81の周速は、中間転写ベルト70の周速の1.5倍から4倍が好ましい。1.5倍以上にすることで、二次転写ユニット80部のニップ出口で二次転写ローラ81側に移動するキャリア液量が多くなり、それに伴い紙粉が効率的に二次転写ローラ81へと回収される。4倍以上では、せん断が大きくなり、中間転写体および二次転写ローラの劣化の原因となる。
【0058】
図7に、中間転写ベルト70に付着した紙粉が二次転写ローラ81に掻き取られる様子を示す。図7に示されるのは、二次転写ローラ81を、中間転写ベルト70と連れまわりする方向(通常印刷時の方向)にまわす場合である。図7において、(a)には、中間転写ベルト70上のキャリア液の先端部分にのった紙粉が二次転写部のニップに向かっている様子が示されている。(b)には、二次転写ローラ81と中間転写ベルト70との間の速度差により、紙粉が二次転写ローラ81側に剥ぎ取られた様子が示されている。
【0059】
また、二次転写ローラ81を、中間転写ベルト70と反対の方向にまわす場合は、二次転写ローラ81の周速は、中間転写ベルト70の周速の0.5倍から3倍が好ましい。0.5倍以上にすることで、キャリアの多くが2次転写ローラに移動するようになり、クリーニング効果が発揮される。3倍以上では、せん断が大きくなり中間転写体および2次転写ローラの劣化の原因となる。
図9に、中間転写ベルト70に付着した紙粉が二次転写ローラ81に掻き取られる様子を示す。図9に示されるのは、二次転写ローラ81を、中間転写ベルト70と反対の方向にまわす場合である。図7において、(a)には、中間転写ベルト70上のキャリア液の先端部分にのった紙粉が二次転写部のニップに向かっている様子が示されている。(b)には、中間転写ベルト70と、対向するように回転している二次転写ローラ81により、紙粉が中間転写ベルト70から二次転写ローラ81側に剥ぎ取られた様子が示されている。
(圧力変更機構について)
二次転写ローラ速度変更機構で、二次転写ローラ81を中間転写ベルト70と間に速度差をつけて回転させる場合には、二次転写ローラ81を中間転写ベルト70から僅かに離し、二次転写ローラ81と中間転写ベルト70との間の圧力を変更させる圧力変更機構を設けることもある。このような圧力変更機構を設けるのは、お互いの当接圧力は1kgf/cm以下であることが好ましいことによる。二次転写ローラ81と中間転写ベルト70と間に互いに速度差をつけて回転させるような場合には、お互いの当接圧力が1kg/cm以上では、せん断が大きくなり、中間転写ベルト70および二次転写ローラ81の劣化の原因となってしまうので、お互いの当接圧力は1kgf/cm以下であることが好ましい。
(クリーニング動作1)
以上のような各種機構を備えた本発明の構成でクリーニング動作を行うために、各種機構がどのように動作するかを示すクリーニングシーケンス図を図10に示す。
【0060】
以下、このクリーニングシーケンスについて説明する。なお、このクリーニング動作における例では、印刷時の二次転写部におけるニップでの、二次転写ローラ81と中間転写ベルト70との間の当接圧力は0.4kgf/cmであり、通常印刷時においても、当接圧力は1kgf/cm以下であるので、圧力変更機構については、省略されている。
【0061】
クリーニングシーケンスに戻って、まず、感光体離間機構により、中間転写ベルト70から、一次転写ユニット60Y、60M、60C、60Kの感光体20Y、20M、20C,20Kを中間転写ベルト70から離間される。(図10(a)参照)
次に、中間転写ベルト70及び二次転写ローラ81の回転駆動を始める。(図10(b)(e)参照)それと同時に、キャリア塗布ローラ91(図3参照)を中間転写ベルト70へ当接させキャリア塗布を開始する。(図10(c)参照)キャリア塗布はt1[s]行い、この後、キャリア塗布ローラ91は離間する。ここでは、t1=2.5[s]である。
【0062】
中間転写ベルト70に塗布されたキャリア液がベルトクリーニングブレード86に達した直後、ベルトクリーニングブレード86の離間を始める。ベルトクリーニングブレード86の離間は、t2[s]の時間をかけて、ブレードを重力下方向へゆっくりと2mm移動する。移動完了後のベルトクリーニングブレード86のエッジ部と中間転写ベルト70表面との最短距離が0.1mm程度となるようにベルトクリーニングブレード86は配置されている。ベルトクリーニングブレード86は移動完了後t3[s]間その位置で保持された後、中間転写ベルト70へ再当接される。ここで、t2=1.5[s]で、t3=1.0[s]である。(図10(d)参照)
この間に、中間転写ベルト70に塗布されたキャリア液がベルトクリーニングブレード86のエッジ部を通過することで、ベルトクリーニングブレード86に付着した紙粉が洗い流される(図6参照)
キャリア液が二次転写ローラ81に達するタイミングで、二次転写ローラ速度変更機構により二次転写ローラ81の回転速度を2倍にする。t4[s]の間二倍速で回転した後、2次転写ローラ・ベルトを停止する。ここで、t4=3[s]である。(図10(e)参照)
このように二次転写ローラ81の回転を変更することにより、中間転写ベルト70に付着した紙粉は、二次転写部のニップでの、二次転写ローラ81によるせん断力で中間転写ベルト70表面が変形されることで紙粉は剥ぎ取られ、さらに二次転写ローラ81側へ移動する。(図9参照)
(クリーニング動作2)
次に、クリーニング動作1とは異なるクリーニングシーケンスについて説明する。このクリーニング動作において、各種機構がどのように動作するかを示すクリーニングシーケンス図を図11に示す。
【0063】
なお、このクリーニング動作の例においては、印刷時の二次転写部におけるニップでの、二次転写ローラ81と中間転写ベルト70との間の当接圧力は1.2kgf/cmであり、1kgf/cm異常に設定されているので、圧力変更機構を設けてある。
【0064】
まず、感光体離間機構により、中間転写ベルト70から、感光体20Y、20M、20Cを中間転写ベルト70から離間させる。(図11(a)参照)また、二次転写ローラ81を離間する。(図11(e)参照)
中間転写ベルト70及びブラックの現像ユニット50K(感光体20K含む)の回転、駆動を始める。同時に感光体20Kの帯電を開始する。(図11(b)(c)(d)参照)露光器はオフとなっているので、感光体20Kには潜像は形成されない。
【0065】
感光体20Kの帯電部先端が現像ローラ54Kとのニップに達するタイミングで現像バイアスを印加する。(図11(e)参照)感光体20Kに潜像が全く形成されていないので、白べた印字となる。この結果、感光体20Kから中間転写ベルト70へとキャリア液が塗布されるような状態となる。
【0066】
中間転写ベルト70に塗布されたキャリア液がベルトクリーニングブレード86に達した直後、ベルトクリーニングブレード86の離間を始める。ベルトクリーニングブレード86の離間は、t21[s]の時間をかけて、ベルトクリーニングブレード86を重力下方向へ2mm移動する。クリーニング動作1と同様、移動完了後のベルトクリーニングブレード86のエッジ部と中間転写ベルト70表面との最短距離が0.1mm程度となるようにベルトクリーニングブレード86は配置されている。その後t22[s]保持された後、中間転写ベルト70へ当接される。ここで、t21=1.5[s]であり、t22=1.0[s]である。(図11(f)参照)
この間に、中間転写ベルト70に塗布されたキャリア液がベルトクリーニングブレード86のエッジ部を通過することで、ベルトクリーニングブレード86に付着した紙粉が洗い流される(図6参照)
キャリア液が感光体20Kに達する直前にブラックの現像ユニット50K(感光体20K含む)を停止する。(図11(c)参照)同時に、感光体の帯電と現像バイアスを停止する。(図11(d)(e)参照)感光体20Kを停止状態とするのは、紙粉を含んだ中間転写ベルト70上のキャリア液が感光体20Kへと転写されないようにするためである。
【0067】
キャリア液が二次転写ローラ81に達するタイミングで、二次転写ローラ81を当接させ、中間転写ベルト70と反対方向に200mm/sで回転させる(図11(g)及び図9参照)。このとき、圧力変更機構により、当接圧力は通常印刷時より低く設定されており、0.2kgf/cmである。
【0068】
これにより、中間転写ベルト70上の紙粉を含んだキャリア液は、図9のように二次転写ローラ81へとかきとられる。このときに、二次転写ローラ81が中間転写ベルト70とカウンタ方向に回転することで、大部分のキャリア液および紙粉は二次転写ローラ81へとかきとられる。
二次転写ローラはt23[s]の間で回転した後、二次転写ローラ・ベルトを停止する。ここで、t23=3[s]とした。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示す図である。
【図2】現像ユニットの主要構成要素を示した断面図である。
【図3】本発明のキャリア液塗布機構90の詳細構成を示す図である。
【図4】ベルトクリーニングブレード部周辺の詳細構成を示す図である。
【図5】ベルトクリーニングブレードの中間転写ベルトへの当接の仕方についての詳細を示す図である。
【図6】ベルトクリーニングブレードと中間転写ベルトとの間に入り込んだ紙粉をキャリア液で押し流す様子を示す図である。
【図7】中間転写ベルトに付着した紙粉が二次転写ローラに掻き取られる様子を示す図である。
【図8】感光体を利用してキャリア液を中間転写ベルトに塗布する方法を示す図である。
【図9】中間転写ベルトに付着した紙粉が二次転写ローラに掻き取られる様子を示す図である。
【図10】クリーニング動作を行うために、各機構がどのように動作するかを示すクリーニングシーケンス図である。
【図11】クリーニング動作を行うために、各機構がどのように動作するかを示すクリーニングシーケンス図である。
【符号の説明】
【0070】
20Y、20M、20C、20K・・・感光体
21K・・・感光体ブレード、22K・・・感光体クリーニング液回収部
30Y、30M、30C、30K・・・コロナ帯電器
40Y、40M、40C、40K・・・露光ユニット光路
50Y、50M、50C、50K・・・現像ユニット
51Y、51M、51C、51K・・・トナー供給ローラ
53Y、53M、53C、53K・・・現像トナー容器
54Y、54M、54C、54K・・・現像ローラ
52K・・・トナー規制ブレード、55K・・・均しローラ、56K・・・均しローラブレード、57K・・・均しローラブレードクリーニング液回収部、58K・・・現像ローラブレード、59K・・・現像ローラクリーニング液回収部
60Y、60M、60C、60K・・・一次転写ユニット
61Y、61M、61C、61K・・・一次転写バックアップローラ
70・・・中間転写ベルト
80・・・二次転写ユニット、81・・・二次転写ローラ、82・・・ベルト駆動ローラ、83・・・二次転写ローラブレード、84・・・二次転写ローラクリーニング液回収部、85・・・ベルト駆動ローラ、86・・・ベルトクリーニングブレード、87・・・ベルトクリーニング液回収部、88・・・L字型板金、90・・・キャリア液塗布機構、91・・・キャリア液塗布ローラ、92・・・キャリア液塗布バックアップローラ、93、94・・・キャリア液供給ローラ、96・・・キャリア液貯蔵部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア液にトナーを分散した液体トナーにより感光体上に形成された静電潜像を現像する現像ユニットと、
該感光体上に現像された像を中間転写媒体に転写する一次転写ユニットと、
該中間転写媒体に転写された像を記録媒体に転写する二次転写ローラと、
該記録媒体に転写された像を加熱加圧し該記録媒体上に定着する定着ユニットと、
該中間転写媒体をクリーニングする中間転写媒体クリーニングブレードと、
を有する画像形成装置において、
該中間転写媒体にキャリア液を塗布するキャリア液塗布機構と、
該中間転写媒体クリーニングブレードを中間転写媒体から離間させる中間転写媒体クリーニングブレード離間機構と、を有し、
該キャリア液塗布機構で、該中間転写媒体にキャリア液を塗布した後、
該中間転写媒体クリーニングブレード離間機構で、該中間転写媒体クリーニングブレードを離間し、
該二次転写ローラで、該中間転写媒体をクリーニングすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
該感光体を複数有し、該感光体のうち、該中間転写媒体の流れ方向から見て最下流の該感光体以外の該感光体を離間する機構を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
該二次転写ローラをクリーニングする二次転写ローラブレードが設けられており、該二次転写ローラブレードは、シャープエッジのブレードであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
該二次転写ローラで、該中間転写媒体をクリーニングする際には、該二次転写ローラを該中間転写媒体と同方向に該中間転写媒体より速く回転させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
該二次転写ローラで、該中間転写媒体をクリーニングする際には、該二次転写ローラを該中間転写媒体と逆方向に回転させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
該二次転写ローラで、該中間転写媒体をクリーニングする際には、該二次転写ローラと該中間転写媒体の当接圧力を通常の印刷時よりも低く設定することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項1】
キャリア液にトナーを分散した液体トナーにより感光体上に形成された静電潜像を現像する現像ユニットと、
該感光体上に現像された像を中間転写媒体に転写する一次転写ユニットと、
該中間転写媒体に転写された像を記録媒体に転写する二次転写ローラと、
該記録媒体に転写された像を加熱加圧し該記録媒体上に定着する定着ユニットと、
該中間転写媒体をクリーニングする中間転写媒体クリーニングブレードと、
を有する画像形成装置において、
該中間転写媒体にキャリア液を塗布するキャリア液塗布機構と、
該中間転写媒体クリーニングブレードを中間転写媒体から離間させる中間転写媒体クリーニングブレード離間機構と、を有し、
該キャリア液塗布機構で、該中間転写媒体にキャリア液を塗布した後、
該中間転写媒体クリーニングブレード離間機構で、該中間転写媒体クリーニングブレードを離間し、
該二次転写ローラで、該中間転写媒体をクリーニングすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
該感光体を複数有し、該感光体のうち、該中間転写媒体の流れ方向から見て最下流の該感光体以外の該感光体を離間する機構を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
該二次転写ローラをクリーニングする二次転写ローラブレードが設けられており、該二次転写ローラブレードは、シャープエッジのブレードであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
該二次転写ローラで、該中間転写媒体をクリーニングする際には、該二次転写ローラを該中間転写媒体と同方向に該中間転写媒体より速く回転させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
該二次転写ローラで、該中間転写媒体をクリーニングする際には、該二次転写ローラを該中間転写媒体と逆方向に回転させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
該二次転写ローラで、該中間転写媒体をクリーニングする際には、該二次転写ローラと該中間転写媒体の当接圧力を通常の印刷時よりも低く設定することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−108201(P2007−108201A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−295902(P2005−295902)
【出願日】平成17年10月11日(2005.10.11)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月11日(2005.10.11)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]