説明

画像形成装置

【課題】 帯電器への送風効率が著しく低下してしまうことを防止しながら、ケーシング側送風口とダクト側送風口とが擦れ合ってしまうことを防止する。
【解決手段】 ダクト側送風口111とケーシング側送風口75aとを近接状態とする場合と離隔状態とする場合とを切り替えることができる可動ダクト部材112を設ける。これにより、プロセスケーシング75を移動させるときにダクト側送風口111とケーシング側送風口75aとを離隔状態とし、プロセスケーシング75を筐体3に固定したときにはダクト側送風口111とケーシング側送風口75aとを近接状態とすることができるので、ダクト側送風口111とケーシング側送風口75aとを離隔状態としてプロセスケーシング75を移動させれば、ダクト側送風口111とケーシング側送風口75aとが擦れ合うことはない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザプリンタや複写機等の電子写真方式の画像形成装置では周知のごとく、帯電器にて感光体を帯電させる必要があるが、帯電器の周囲に埃等の汚染物質が浮遊(滞留)していると帯電器が汚れてしまい、感光体を十分に帯電させることができなくなる可能性がある。
【0003】
そこで、特許文献1に記載の発明では、帯電器周囲の空気を送風機にて積極的に流通させている。このような構成によると、帯電器の周囲に汚染物質が浮遊(滞留)することにより帯電器が汚れることを防止することが可能となる。
【特許文献1】特開2003−287996号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、帯電器は、通常、プロセスカートリッジ等のケーシング内に収納された状態で画像形成装置内に着脱可能に組み付けられており、帯電器を修理又は交換等する場合には、帯電器が収納されたケーシングを画像形成装置から取り外した状態で行われる。
【0005】
一方、送風機は画像形成装置の本体(筐体)に設置され、プロセスカートリッジ等の帯電器が収納されたケーシング内に設置されていないので、ケーシングに送風口(以下、この送風口をケーシング側送風口という。)を設け、本体側からケーシング送風口に空気を送風する必要がある。
【0006】
また、送風機にて送風される空気は、ダクトにてケーシング側送風口まで導かれるが、仮に、ケーシング側送風口と対向するダクト側送風口とが密着していると、ケーシングを着脱する際に、ケーシング側送風口とダクト側送風口とが擦れ合ってしまうので、両送風口が損傷してしまうおそれが高い。
【0007】
これに対して、ケーシング側送風口とダクト側送風口との間に隙間を設ければ、ケーシングを着脱する際に、ケーシング側送風口とダクト側送風口とが擦れ合ってしまうことを防止できるものの、ケーシング側送風口とダクト側送風口との隙間から送風空気が漏れ出てしまうので、帯電器への送風効率が著しく低下してしまうおそれがある。
【0008】
本発明は、上記点に鑑み、帯電器への送風効率が著しく低下してしまうことを防止しながら、ケーシング側送風口とダクト側送風口とが擦れ合ってしまうことを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、電子写真方式により記録シートに画像を形成する画像形成装置であって、感光体(71)を帯電させる帯電器(72)を収納するとともに、帯電器(72)に送風される空気が流通するケーシング側送風口(75a)が設けられた帯電器ケーシング(75)と、帯電器ケーシング(75)が移動可能に組み付けられた状態で帯電器ケーシング(75)を収納する筐体(3)と、帯電器(72)に空気を送風する送風機(100)と、送風機(100)により送風される空気が流通するとともに、ケーシング側送風口(75a)に対向したダクト側送風口(111)を有する変位可能な可動ダクト部材(112)と、可動ダクト部材(112)を変位させて、ダクト側送風口(111)とケーシング側送風口(75a)とが近接する近接状態と、この近接状態より両送風口(111、75a)が離隔した離隔状態とを切り替えるダクト変位手段(114)とを備えることを特徴とする。
【0010】
これにより、本発明では、帯電器ケーシング(75)を移動させるときにダクト側送風口(111)とケーシング側送風口(75a)とを離隔状態とし、帯電器ケーシング(75)を筐体(3)に固定したときにはダクト側送風口(111)とケーシング側送風口(75a)とを近接状態とすることができる。
【0011】
したがって、ダクト側送風口(111)とケーシング側送風口(75a)とを離隔状態として帯電器ケーシング(75)を移動させれば、ダクト側送風口(111)とケーシング側送風口(75a)とが擦れ合うことはないので、帯電器ケーシング(75)を移動させる際に両送風口(111、75a)が損傷してしまうことを防止できる。
【0012】
また、帯電器ケーシング(75)を筐体(3)に固定したときにはダクト側送風口(111)とケーシング側送風口(75a)とを近接状態とすれば、ダクト側送風口(111)とケーシング側送風口(75a)との間から送風空気が漏れ出てしまうことを抑制できるので、帯電器(72)への送風効率が著しく低下してしまうことを防止できる。
【0013】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、帯電器(72)への送風効率が著しく低下してしまうことを防止しながら、ケーシング側送風口(75a)とダクト側送風口(111)とが擦れ合って両送風口(111、75a)が損傷してしまうことを防止できる。
【0014】
なお、本発明において、ダクト側送風口(111)とケーシング側送風口(75a)とが近接するとは、ダクト側送風口(111)とケーシング側送風口(75a)とが小さな隙間を介して接近する場合は勿論のこと、ダクト側送風口(111)とケーシング側送風口(75a)とが接触する場合も含む意味である。
【0015】
請求項2に記載の発明では、筐体(3)のうち帯電器ケーシング(75)に対応する部位には、可動ダクト部材(31a)が設けられているとともに、この可動ダクト部材(31a)を開閉する開閉ドア(32)が設けられており、さらに、ダクト変位手段(114)は、開閉ドア(32)が閉じられた場合には可動ダクト部材(112)を近接状態とし、一方、開閉ドア(32)が開かれた場合には可動ダクト部材(112)を離隔状態とすることを特徴とする。
【0016】
これにより、例えば帯電器ケーシング(75)を筐体(3)から取り外すべく開閉ドア(32)を開けると、この開作動に連動して両送風口(111、75a)が離隔状態となるので、帯電器ケーシング(75)の取り外し作業性を向上させることができる。
【0017】
また、例えば帯電器ケーシング(75)を筐体(3)に装着すべく開閉ドア(32)を閉じると、この閉作動に連動して両送風口(111、75a)が近接状態となるので、帯電器ケーシング(75)の装着作業性を向上させることができる。
【0018】
したがって、本発明によれば、帯電器ケーシング(75)の着脱作業性を向上させることができる。
請求項3に記載の発明では、ダクト変位手段(114)は、開閉ドア(32)の開閉作動と機械的に連動して作動する連動機構にて構成されていることを特徴とする。
【0019】
これにより、開閉ドア(32)の開閉作動状態を検出するセンサや電気的なアクチュエータ等を設けることなく、簡便な構成にて開閉ドア(32)の開閉作動に連動させて可動ダクト部材(112)を変位させることができるので、画像形成装置の製造原価上昇を抑制することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明では、ダクト変位手段(114)は、ダクト側送風口(111)がケーシング側送風口(75a)に近づく向きに可動ダクト部材(112)を付勢する付勢手段(114a)を有していることを特徴とする。
【0021】
これにより、本発明では、ダクト側送風口(111)がケーシング側送風口(75a)に押し付けられるので、ダクト側送風口(111)を確実にケーシング側送風口(75a)に近接させることができる。したがって、ダクト側送風口(111)とケーシング側送風口(75a)との間から送風空気が漏れ出ることをより確実に防止することができる。
【0022】
ところで、帯電器には大きな電圧が印加されるので、電気回路基板(120)と帯電器(72)との間において不必要な放電を回避するため空間距離及び沿面距離を十分に確保した絶縁手段が必要となる。
【0023】
これに対して、請求項5に記載の発明では、可動ダクト部材(112)を挟んで帯電器ケーシング(75)と反対側に電気回路基板(120)が配設されており、さらに、可動ダクト部材(112)は、樹脂製であることを特徴としている。
【0024】
このため、本発明では、帯電器(72)と電気回路基板(120)との間に電気絶縁材料である樹脂製の可動ダクト部材(112)が配設された構成となるので、電気回路基板(120)と帯電器(72)との間に不必要な絶縁体を配置する必要が無く、樹脂製の可動ダクト部材(112)が沿面距離、空間距離を確保するための部材として作用し、限られた空間における放電回避対策を施し易くなる。
【0025】
ところで、電気回路基板(120)は略板状であるので、板面と直交する方向(以下、この方向を厚み方向という。)の寸法は、板面と平行な部位の寸法より小さくなる。
したがって、請求項6に記載の発明のごとく、電気回路基板(120)の板面(121)が可動ダクト部材(112)の変位方向に対して略直交するように電気回路基板(120)を配設すれば、電気回路基板(120)の概略外形寸法のうち寸法が小さくなる厚み方向と可動ダクト部材(112)の変位方向とが略一致するので、可動ダクト部材(112)を変位させるための領域を容易に確保することができる。
【0026】
延いては、画像形成装置の大型化を招くことなく、帯電器(72)への送風効率が著しく低下してしまうことを防止しつつ、ケーシング側送風口(75a)とダクト側送風口(111)とが擦れ合って両送風口(111、75a)が損傷してしまうことを防止できる。
【0027】
ところで、帯電器ケーシング(75)の周囲には電気回路基板(120)が配設されているので、帯電器ケーシング(75)の周囲に付勢手段(114a)を配設するためのスペースを確保することが困難である可能性が高い。
【0028】
これに対して、請求項7に記載の発明では、付勢手段(114a)は、可動ダクト部材(112)内に配設されていることを特徴としているので、帯電器ケーシング(75)の周囲に付勢手段(114a)を配設するためのスペースを確保することが困難であっても、容易に付勢手段(114a)を設けることができる。したがって、画像形成装置の大型化を招くことなく、容易に付勢手段(114a)を設けることができる。
【0029】
また仮に、付勢手段(114a)を金属製のバネにて構成した場合、当然ながら付勢手段(114a)が導電性を有してしまうこととなるが、本発明のごとく、付勢手段(114a)を絶縁体である樹脂製の可動ダクト部材(112)内に配置すれば、電気回路基板(120)と帯電器(72)との間に不必要な放電が発生してしまうことを回避できる。
【0030】
請求項8に記載の発明では、ダクト側送風口(111)及びケーシング側送風口(75a)のうち少なくとも一方には、近接状態時に両送風口(111、75a)の隙間から空気が漏れ出ることを防止するパッキン(76)が設けられていることを特徴とする。
【0031】
これにより、ダクト側送風口(111)とケーシング側送風口(75a)との間から空気が漏れ出ることを確実に防止できる。
請求項9に記載の発明では、パッキン(76)は、ケーシング側送風口(75a)に設けられており、さらに、パッキン(76)の端面うちダクト側送風口(111)側の端面(76a)が、ケーシング側送風口(75a)の外縁部近傍の面(75b)より帯電器ケーシング(75)の内側に位置する、又は外縁部近傍の面(75b)と一致するように構成されていることを特徴とする。
【0032】
これにより、帯電器ケーシング(75)を移動させる際に、パッキン(76)とダクト側送風口(111)とが擦れ合ってしまうことを防止できるので、帯電器ケーシング(75)を移動させる際にパッキン(76)が損傷してしまうことを未然に防止できる。
【0033】
請求項10に記載の発明では、可動ダクト部材(112)のうち送風機(100)に連通する送風機側送風口(112c)は、筐体(3)に固定された固定ダクト部材(113)に連通していることを特徴とする。
【0034】
これにより、例えば送風機(100)からダクト側送風口(111)に至る送風経路が全て可動ダクト部材(112)にて構成された場合に比べて、可動ダクト部材(112)を小さくすることができるので、可動ダクト部材(112)を変位させるための力を小さくすることができ、可動ダクト部材(112)を容易に変位させることができる。
【0035】
請求項11に記載の発明では、筐体(3)には、固定ダクト部材(113)の少なくとも一部を構成するダクト部(31b)が設けられていることを特徴とする。
これにより、送風経路を構成する部材の部品点数を低減することができるので、画像形成装置の製造原価低減を図ることができる。
【0036】
請求項12に記載の発明では、可動ダクト部材(112)は、送風機側送風口(112c)側を中心として揺動変位することを特徴とする。
これにより、例えば可動ダクト部材(112)全体が平行移動する場合に比べて、可動ダクト部材(112)の可動領域を小さくすることができるので、画像形成装置の大型化を抑制することができる。
【0037】
ところで、可動ダクト部材(112)は送風機側送風口(112c)側を揺動中心として揺動変位するので、例えば両送風口(111、75a)が最も近接したとき(接触も含む。)に、ダクト側送風口(111)の端面とケーシング側送風口(75a)の端面とが平行とならず、かつ、ダクト側送風口(111)の開口面に対して直交する開口軸線(L1)とケーシング側送風口(75a)の開口面に対して直交する開口軸線(L1(後述する図8参照))とがずれてしまい、両送風口(111、75a)を確実に嵌合させることができないおそれが高い。
【0038】
これに対して、請求項13に記載の発明では、可動ダクト部材(112)のうちダクト側送風口(111)側の端部には、ダクト側送風口(111)の開口面に対して直交する開口軸線(L1、L3)に対して傾斜した嵌合案内面(112f)が設けられていることを特徴としているので、可動ダクト部材(112)、つまりダクト側送風口(111)が嵌合案内面(112f)によってケーシング側送風口(75a)に案内誘導される。
【0039】
したがって、ダクト側送風口(111)の端面とケーシング側送風口(75a)の端面とが平行とならず、かつ、両送風口(111、75a)の開口軸線(L1)が互いにずれた場合であっても、ダクト側送風口(111)をケーシング側送風口(75a)に確実に嵌合させることができる。
【0040】
請求項14に記載の発明では、可動ダクト部材(112)のうち送風機(100)に連通する送風機側送風口(112c)は、筐体(3)に固定された固定ダクト部材(113)に連通し、可動ダクト部材(112)は、送風機側送風口(112c)側を中心として揺動変位し、さらに、可動ダクト部材(112)のうち電気回路基板(120)側には、可動ダクト部材(112)が揺動した際に可動ダクト部材(112)と電気回路基板(120)とが干渉することを防止する逃げ部(112g)が設けられていることを特徴とする。
【0041】
これにより、可動ダクト部材(112)を変位させるための変位領域を拡大させることなく、ダクト側送風口(111)をケーシング側送風口(75a)に対して十分に離隔させることができる。
【0042】
したがって、画像形成装置の大型化を招くことなく、両送風口(111、75a)が損傷してしまうことを確実に防止できる。
請求項15に記載の発明では、帯電器ケーシング(75)を挟んで一方側には、可動ダクト部材(112)が配設され、他方側には、感光体(71)を駆動する駆動手段(71c)が配設されていることを特徴とする。
【0043】
これにより、駆動手段(71c)と可動ダクト部材(112)とを同一側に配設した場合に比べて、容易に可動ダクト部材(112)の設置スペースを確保することができる。
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手段に限定されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
本実施形態は本発明に係る電子写真方式の画像形成装置(レーザプリンタ)をカラープリンタに適用したものであり、以下に本実施形態を図面と共に説明する。
(第1実施形態)
1.レーザプリンタの概略構成
図1はレーザプリンタ1の要部を示す側断面図であり、このレーザプリンタ1は、紙面上側を重力方向上方側として設置され、通常、紙面左側を前側として使用される。
【0045】
そして、レーザプリンタ1の筐体3は略箱状(立方体状)に形成されており、この筐体3の上面側には、印刷を終えて筐体3から排出される紙やOHPシート等の記録シートが載置される排紙トレイ5が設けられている。
【0046】
なお、排紙トレイ5は、後方側に向かうほど、筐体3の上面から下がるように傾斜した傾斜面5aにて構成されており、この傾斜面5aの後端側には、印刷が終了した記録シートが排出される排出口7が設けられている。
【0047】
また、本実施形態では、筐体3は後述する画像形成部10等が収納された筐体本体部31、及びこの筐体本体部31の水平方向端部(本実施形態では前端側)に設けられた開口部31aを開閉する開閉ドア32を有して構成されている。
【0048】
そして、筐体3(筐体本体部31)の内には、金属又は樹脂等からなるフレーム部材(図示せず。)が設けられ、後述する画像転写部70や定着ユニット80等は、筐体3の内側に設けられたフレーム部材に着脱可能に組み付けられている。
【0049】
2.レーザプリンタの詳細構成
画像形成部10は記録シートに画像を形成する画像形成手段を構成するものであり、フィーダ部20は、画像形成部10に記録シートを供給する搬送手段の一部を構成するものである。
【0050】
搬送ベルト30は、記録シートを載せた状態で、画像形成部10を構成する4つの画像転写部70a〜70dに記録シートを搬送する搬送手段であり、排出ローラ50は画像形成部10(定着ユニット80)から排出された記録シートを排出口7から排紙トレイ5に排出すための搬送手段である。
【0051】
2.1.フィーダ部
フィーダ部20は、筐体3の最下部に収納された給紙トレイ21、給紙トレイ21の前端部上方に設けられて給紙トレイ21に載置された記録シートを画像形成部10に給紙(搬送)する給紙ローラ22、及び給紙ローラ22と対向する部位に配設されて記録シートに所定の搬送抵抗を与えることにより記録シートを1枚毎に分離する分離パッド23等を有して構成されている。なお、本実施形態では、フィーダ部20は、図1に示すように、下端部が回動可能に支持された手差しトレイ26を備えている。
【0052】
そして、給紙トレイ21に載置されている記録シートは、筐体3内の前方側にてUターンするようにして、筐体3内の略中央部に配設された画像形成部10に搬送される。このため、給紙トレイ21から画像形成部10に至る記録シートの搬送経路のうち、略U字状に転向する部位には、略U字状に湾曲しながら画像形成部10に搬送される記録シートに搬送力を与える搬送ローラ24が配設されている。
【0053】
なお、記録シートを挟んで搬送ローラ24と対向する部位には、記録シートを搬送ローラ24側に押さえ付ける加圧ローラ25が配設されており、この加圧ローラ25は、コイルバネ25a等の弾性手段にて搬送ローラ24側に押圧されている。
【0054】
さらに、搬送ローラ24よりも記録シート搬送方向下流側には、搬送ローラ24により搬送されてくる記録シートの先端に当接することでその記録シートの斜行を補正した後、その記録シートをさらに画像形成装置10へ向けて搬送するレジストローラ27、及びレジストローラ27に対向配置されたレジストコロ27aが設けられている。
【0055】
2.2.画像形成部
画像形成部10は、スキャナ部60、画像転写部(プロセスカートリッジ)70及び定着器ユニット80等を有して構成されている。
【0056】
また、本実施形態に係る画像形成部10はカラー印刷が可能な、いわゆるダイレクトタンデム方式のものである。具体的には、ブラック、シアン、マゼンダ及びイエローの4色に対応した4つの画像転写部70a〜70dが、記録シートの搬送方向に沿って直列に並んで配設されたものである。
【0057】
2.2.1.スキャナ部
スキャナ部60は、筐体3内の上部に設けられて4つ画像転写部70a〜70dそれぞれに設けられた感光ドラム71の表面に静電潜像を形成するものであり、具体的には、レーザ光源、ポリゴンミラー、fθレンズ及び反射鏡等から構成されている。
【0058】
そして、画像データに基づいてレーザ光源から発光されるレーザビームは、ポリゴンミラーで偏向されて、fθレンズを通過した後、反射鏡によって光路が折り返された後、反射鏡によってさらに光路が下方に屈曲されることにより、感光ドラム71の表面上に照射され、静電潜像が形成される。
【0059】
2.2.2.画像転写部(プロセスカートリッジ)
4つの画像転写部70a〜70dはトナーの色が異なるのみで、その他は同一であるので、以下、画像転写部70dを例にその構造を説明する。なお、以下、4つの画像転写部70a〜70dを総称して画像転写部70と記す。
【0060】
画像転写部70は、スキャナ部60の下方側において着脱可能に筐体3内に配設されており、この画像転写部70は、感光ドラム71、帯電器72、転写ローラ73、現像カートリッジ74、及び帯電器72等を収納するプロセスケーシング75を有して構成されている。
【0061】
なお、本実施形態では、4つの画像転写部70a〜70dは、1つのプロセスケーシング75に収納されてユニット化されているので、プロセスケーシング75を筐体本体部31(筐体3)に対して移動させることで、4つの画像転写部70a〜70dを一度に筐体本体部31に対して着脱することができる。
【0062】
そして、感光ドラム71は、記録シートに転写される画像を担持する画像担持手段をなすもので、最表層がポリカーボネート等からなる正帯電性の感光層により形成される円筒状のドラム本体71aと、このドラム本体71aの軸心において、ドラム本体71aの長手方向に沿って延びるとともに回転可能に支持されたドラム軸71bとを有して構成されている。
【0063】
帯電器72は、感光ドラム71の表面を帯電させる帯電手段をなすもので、感光ドラム71の後側斜め上方において、感光ドラム71と接触しないように所定間隔を有して感光ドラム71と対向配設されている。
【0064】
なお、本実施形態に係る帯電器72は、角筒状のケーシング72a内にタングステン等からなる帯電用ワイヤを配設し、この帯電用ワイヤからコロナ放電を行うことにより感光ドラム71の表面に略均一に正電荷を帯電させるスコロトロン型帯電器を採用している。
【0065】
転写ローラ73は、感光ドラム71と対向して配設されて感光ドラム71の回転と連動して回転し、記録シートが感光ドラム71近傍を通過する際に、感光ドラム71に帯電した電荷と反対の電荷(本実施形態では、負電荷)を印刷面とは反対側から記録シートに作用させることにより、感光ドラム71の表面に付着したトナーを記録シートの印刷面に転写させる転写手段をなすものである。
【0066】
現像カートリッジ74は、トナーが収容されたトナー収容室74a、トナーを感光ドラム71に供給するトナー供給ローラ74b及び現像ローラ74c等を有して構成されている。
【0067】
そして、トナー収容室74aに収容されているトナーは、トナー供給ローラ74bの回転によって現像ローラ74c側に供給され、さらに、現像ローラ74c側に供給されたトナーは、現像ローラ74cの表面に担持されるとともに、層厚規制ブレード74dにより担持されたトナーの厚みが所定の厚みにて一定(均一)となるよう調整された後、スキャナ部60にて露光された感光ドラム71の表面に供給される。
【0068】
2.2.3.定着ユニット
定着ユニット80は、記録シートの搬送方向において感光ドラム71より後流側に配設され、記録シートに転写されたトナーを加熱溶融させて定着させるものであり、この定着ユニット80は、前記したフレーム部材に着脱可能に組み付けられている。
【0069】
具体的には、定着ユニット80は、記録シートの印刷面側に配設されてトナーを加熱しながら記録シートに搬送力を付与する加熱ローラ81、及び記録シートを挟んで加熱ローラ81と反対側に配設されて記録シートを加熱ローラ81側に押圧する加圧ローラ82等を有して構成されている。
【0070】
因みに、加熱ローラ81は、図示しないモータ等の駆動手段により駆動され、一方、加圧ローラ82は、加熱ローラ81に接触する記録シートを介して加熱ローラ81から回転力を受けて従動回転する。
【0071】
2.2.4.画像形成作動の概略
画像形成部10においては、以下のようにして記録シートに画像が形成される。
すなわち、感光ドラム71の表面は、その回転に伴って、帯電器72により一様に正帯電された後、スキャナ部60から照射されるレーザビームの高速走査により露光される。これにより、感光ドラム71の表面には、記録シートに形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。
【0072】
次いで、現像ローラ74cの回転により、現像ローラ74c上に担持され、かつ、正帯電されているトナーが、感光ドラム71に対向して接触するときに、感光ドラム71の表面上に形成されている静電潜像、つまり、一様に正帯電されている感光ドラム71の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給される。これにより、感光ドラム71の静電潜像は、可視像化され、感光ドラム71の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
【0073】
その後、感光ドラム71の表面上に担持されたトナー像は、転写ローラ73に印加される転写バイアスによって記録シートに転写される。そして、トナー像が転写された記録シートは定着ユニット80に搬送されて加熱され、トナー像として転写されたトナーが記録シートに定着して、画像形成が完了する。
【0074】
2.3.送風系
図2は帯電器72に送風される空気の送風経路を構成するダクト部材の分解斜視図であり、この図2では、画像形成部10の一部を切り欠いて図示している。また、図3は送風経路を構成するダクト部材の側面図であり、図4は送風経路を構成するダクト部材の上面図であり、図5は可動ダクト部材112の作動を示す説明図であり、図6はケーシング側送風口75aの拡大斜視図であり、図7はプロセスケーシング75の着脱を示す説明図である。
【0075】
本実施形態に係るレーザプリンタ1では、画像形成部10や定着ユニット80等の排熱を回収してこれらを冷却するための冷却用送風系、及び帯電器72周囲の空気を積極的に流通させることにより、帯電器72の周囲に塵埃等の汚染物質が浮遊(滞留)することを抑制して帯電器72周囲の浄化を図る浄化用送風系が設けられている。
【0076】
そして、冷却用送風系では、図1に示すように、開閉ドア32において手差しトレイ26の上端部と対向する位置に設けられた吸気口32aから新気を筐体3内に取り込むとともに、筐体3(筐体本体部31)内のうちプロセスケーシング75を挟んで吸気口32aと反対側(定着ユニット80側)に設けられた排気ユニット90にて筐体3内の空気を吸引して外部に排出している。
【0077】
そして、排気ユニット90は、図2に示すように、排気用の送風機91を収納するとともに、筐体3内に向けて開口した複数個の排気吸引口93が設けられた集合ダクト92にて構成されており、各排気吸引口93には、塵埃等の汚染物質を除去するためのフィルタが設けられている。
【0078】
なお、送風機91として、本実施形態では、軸流ファン(JIS B 0132番号1012等参照)を採用しているが、本実施形態は、これに限定されるものではなく、例えば、ターボファンやシロッコファン等の遠心式多翼ファン(JIS B 0132番号1004等参照)又は横流ファン(JIS B 0132番号1017等参照)等を用いてもよい。
【0079】
また、浄化用送風系は、図2及び図3に示すように、筐体3(筐体本体部31)の側面に設けられた吸気口(図示せず。)から外部の空気を吸引して帯電器72に送風する送風機100、及び送風機100から送風された空気を帯電器72に導く送風ダクト110等から構成されている。
【0080】
そして、本実施形態では、送風ダクト110にて帯電器72側に導かれた空気は、プロセスケーシング75に設けられたケーシング側送風口75a(図2参照)から帯電器72のケーシング72aの長手方向一端側に導かれてケーシング72a内に流入する。
【0081】
その後、その空気は図1に示すように、ケーシング72aの図示しない開口から感光ドラム71に向けてドラム軸71bの長手方向において略一様に排出され、さらに冷却用送風系と同様に排気ユニット90にて吸引されて外部に排出される。
【0082】
なお、本実施形態では、送風機100として、遠心式多翼ファンを採用しているが、本実施形態は、これに限定されるものではなく、例えば軸流ファンや横流ファン等を用いてもよい。
【0083】
2.3.1.送風ダクト110の構造
送風ダクト110は、図2に示すように、ケーシング側送風口75aに対向したダクト側送風口111を有する変位可能な可動ダクト部材112、筐体3(筐体本体部31)に固定された固定ダクト部材113、及び可動ダクト部材112を変位させるダクト変位機構114から構成されている。
【0084】
2.3.1.1.可動ダクト部材
可動ダクト部材112は、ABS等の樹脂にて成形されたもので、図5(a)に示すように、ダクト側送風口111とケーシング側送風口75aとが近接した際に、ダクト側送風口111がケーシング側送風口75aに対して略平行となるように構成され、かつ、ダクト側送風口111の開口面に対して直交する開口軸線L1と平行に延びる水平ダクト部112a、及びこの水平ダクト部112aと直交する方向に延びる鉛直ダクト部112bから構成されている。
【0085】
そして、可動ダクト部材112は、鉛直ダクト部112bの上端に設けられた送風機側送風口112c側を揺動中心として、固定ダクト部材113と揺動可能に連結されており、回転軸112dは、可動ダクト部材112の揺動軸である。
【0086】
また、鉛直ダクト部112b(可動ダクト部材112)は、固定ダクト部材113内にその一部が挿入された(嵌り込んだ)状態で、固定ダクト部材113に揺動可能に連結されており、鉛直ダクト部112bの外周面と固定ダクト部材113の内周面との間には、スポンジやゴム等の弾性材料からなるパッキン112eが配設されている。
【0087】
このため、可動ダクト部材112が固定ダクト部材113に対して揺動変位して、鉛直ダクト部112bの外周面と固定ダクト部材113の内周面との隙間寸法が変動しても、パッキン112eが弾性的に変形することにより、その隙間が閉塞される。
【0088】
また、板バネ114aは、ダクト側送風口111がケーシング側送風口75aに近づく向きに可動ダクト部材112を押圧する弾性力を作用させる付勢手段であり、この板バネ114aは、可動ダクト部材112内および固定ダクト部材113内に配設されている。なお、本実施形態では、板バネ114a及び後述する連動機構によりダクト変位機構114が構成されている。
【0089】
また、水平ダクト部112a(可動ダクト部材112)の外周面のうちダクト側送風口111側の端部には、端部に近づくほど外形寸法が小さくなるように開口軸線L1に対して傾斜したテーパ面にて構成された嵌合案内面112fが設けられている。
【0090】
一方、鉛直ダクト部112bのうちプロセスケーシング75と反対側には、図5(b)に示すように、鉛直ダクト部112bの軸線L2が鉛直方向に対して傾くように揺動したときに、略鉛直となるように軸線L2に対して傾斜した逃げ部112gが設けられている。
【0091】
この逃げ部112gは、可動ダクト部材112が揺動変位したときに、可動ダクト部材112を挟んでプロセスケーシング75と反対側に配設された電気回路基板120と可動ダクト部材112とが干渉してしまうことを防止するための手段である。
【0092】
なお、電気回路基板120は、その板面121が可動ダクト部材112の変位方向(本実施形態では、略水平方向)に対して略直交するように配設され、かつ、帯電器72に電力(約8000V)を供給する給電用の基板である。
【0093】
2.3.1.2.固定ダクト部材
固定ダクト部材113は、ABS等の樹脂にて成形されたもので、図5に示すように、固定ダクト部材113のうちプロセスケーシング75側の部分は、筐体3(筐体本体部31)に設けられたダクト部31bにて形成されている。
【0094】
また、固定ダクト部材113は、図2に示すように、4つの画像転写部70a〜70dの並びの方向に延びて4本の可動ダクト部材112に送風空気を分配する角筒状の分配ダクト部113a、及び送風機100に連結される連結部113bから構成されており、ダクト部31bを介して筐体本体部31に固定されている。
【0095】
2.3.1.3.ダクト変位機構
ダクト変位機構114は、ダクト側送風口111とケーシング側送風口75aとが近接する近接状態(図5(a)参照)と、この近接状態より両送風口111、75aが離隔した離隔状態(図5(b)参照)とを切り替えるダクト変位手段をなすものである。
【0096】
そして、ダクト変位機構114は、開閉ドア32が閉じられた場合には開閉ドア32の閉作動と機械的連動して可動ダクト部材112を近接状態とし、一方、開閉ドア32が開かれた場合には開閉ドア32の開作動と機械的に連動して可動ダクト部材112を離隔状態とする。
【0097】
具体的には、図2及び図3に示すように、プロセスケーシング75の移動方向(本実形態では、前後方向)に平行移動可能に筐体本体部31に組み付けられたカムプレート114b、及び開閉ドア32の開閉作動をカムプレート114bの移動運動に変換する連結部材114cにて連動機構が構成され、この連動機構と板バネ114aとが協働することにより、可動ダクト部材112を離隔状態とする場合と近接状態とする場合とを切り替えるダクト変位機構114が構成されている。
【0098】
そして、カムプレート114bには、図2に示すように、筐体本体部31の後方側に向かうほど、プロセスケーシング75から遠ざかるような傾斜面を有する三角状のカム面114dが設けられている。
【0099】
このため、開閉ドア32が閉じられると、図5(a)に示すように、可動ダクト部材112とカム面114dとの接触部112hがプロセスケーシング75側に移動して可動ダクト部材112が近接状態となり、一方、開閉ドア32が開かれると、図5(b)に示すように、可動ダクト部材112とカム面114dとの接触部112hがプロセスケーシング75と反対側に移動して可動ダクト部材112が離隔状態となる。
【0100】
2.3.1.4.プロセスケーシング
プロセスケーシング75は、図5に示すように、筐体本体部31に設けられたガイドレールやガイドローラ等のガイド機構31cにより前後方向(水平方向)に移動可能に筐体本体部31に組み付けられており、図7に示すように、開閉ドア32を開くことにより、プロセスケーシング75ごと4つの画像転写部70a〜70dを着脱することができる。
【0101】
また、ケーシング側送風口75aには、図6に示すように、スポンジやゴム等の弾性材料からなるパッキン76が配設されており、このパッキン76により、近接状態時に両送風口111、75aの隙間から空気が漏れ出ることが防止される。
【0102】
そして、本実形態では、パッキン76の端面うちダクト側送風口111側の端面76aが、ケーシング側送風口75aの外縁部近傍の面75bよりプロセスケーシング75の内側に位置する、又は外縁部近傍の面75bと一致するように、ケーシング側送風口75aに形成された凹部75cにパッキン76が嵌め込まれている。
【0103】
因みに、本実施形態においては、ダクト側送風口111とケーシング側送風口75aとの近接状態とは、ダクト側送風口111がパッキン76に密着することにより両送風口111と75aとの間から空気が洩れることを防止された状態を指す。
【0104】
なお、本実施形態では、図4に示すように、送風ダクト110(可動ダクト部材112、固定ダクト部材113)、ダクト変位機構114及び電気回路基板120は、プロセスケーシング75を挟んで一方側(紙面下側)に配設され、他方側(紙面上方側)に感光ドラム71を駆動する駆動機構71cが配設されている。
【0105】
3.本実施形態に係るレーザプリンタ1の特徴
本実施形態では、ダクト側送風口111とケーシング側送風口75aとを近接状態とする場合と離隔状態とする場合とを切り替えることができる可動ダクト部材112を有しているので、プロセスケーシング75を移動させるときにダクト側送風口111とケーシング側送風口75aとを離隔状態とし、プロセスケーシング75を筐体本体部31に固定したときにはダクト側送風口111とケーシング側送風口75aとを近接状態とすることができる。
【0106】
したがって、ダクト側送風口111とケーシング側送風口75aとを離隔状態としてプロセスケーシング75を移動させれば、ダクト側送風口111とケーシング側送風口75aとが擦れ合うことはないので、プロセスケーシング75を移動させる際に両送風口111、75aが損傷してしまうことを防止できる。
【0107】
また、プロセスケーシング75を筐体本体部31に固定したときにはダクト側送風口111とケーシング側送風口75aとを近接状態とすれば、ダクト側送風口111とケーシング側送風口75aとの間から送風空気が漏れ出てしまうことを抑制できるので、帯電器72への送風効率が著しく低下してしまうことを防止できる。
【0108】
以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、帯電器72への送風効率が著しく低下してしまうことを防止しながら、ケーシング側送風口75aとダクト側送風口111とが擦れ合って両送風口111、75aが損傷してしまうことを防止できる。
【0109】
また、本実施形態では、開閉ドア32の開閉作動に連動して、開閉ドア32が閉じられた場合には可動ダクト部材112を近接状態とし、一方、開閉ドア32が開かれた場合には可動ダクト部材112を離隔状態とするので、例えばプロセスケーシング75を筐体本体部31から取り外すべく開閉ドア32を開けると、この開作動に連動して両送風口111、75aが離隔状態となるので、プロセスケーシング75の取り外し作業性を向上させることができる。
【0110】
また、例えばプロセスケーシング75を筐体本体部31に装着すべく開閉ドア32を閉じると、この閉作動に連動して両送風口111、75aが近接状態となるので、プロセスケーシング75の装着作業性を向上させることができる。したがって、本実施形態によれば、プロセスケーシング75の着脱作業性を向上させることができる。
【0111】
また、本実施形態では、ダクト変位機構114は、開閉ドア32の開閉作動と機械的に連動して作動するので、開閉ドア32の開閉作動状態を検出するセンサや電気的なアクチュエータ等を設けることなく、簡便な構成にて開閉ドア32の開閉作動に連動させて可動ダクト部材112を変位させることができ、レーザプリンタの製造原価上昇を抑制することができる。
【0112】
また、本実施形態では、板バネ114aによりダクト側送風口111がケーシング側送風口75aに近づく向きに可動ダクト部材112を押圧しているので、ダクト側送風口111がケーシング側送風口75aに押し付けられ、ダクト側送風口111を確実にケーシング側送風口75aに近接させることができる。したがって、ダクト側送風口111とケーシング側送風口75aとの間から送風空気が漏れ出ることをより確実に抑制することができる。
【0113】
ところで、帯電器72には8000Vという大きな電圧が印加されるので、電気回路基板120と帯電器72との間、又は電気回路基板120と帯電器72に設けられ電気回路基板120からの電力を供給する図示しない給電部との間には、不必要な放電を回避するための空間距離及び沿面距離を十分に確保した絶縁手段が必要となる。
【0114】
これに対して、本実施形態では、可動ダクト部材112を挟んでプロセスケーシング75と反対側に電気回路基板120が配設されており、さらに、可動ダクト部材112は、樹脂製であるので、帯電器72と電気回路基板120との間に電気絶縁材料である樹脂製の可動ダクト部材112が配設された構成となる。
【0115】
したがって、電気回路基板120と帯電器72との間、又は電気回路基板120と帯電器72に設けられた給電部との間において、不必要な絶縁体を配置する必要が無く、樹脂製の可動ダクトが沿面距離、空間距離を確保するための部材として作用することにより限られた空間における放電回避対策が施し易くなる。
【0116】
ところで、電気回路基板120は略板状であるので、板面121と直交する方向(厚み方向)の寸法は、板面121と平行な部位の寸法より小さくなる。
したがって、本実施形態のごとく、電気回路基板120の板面121が鉛直方向に略平行となるように電気回路基板120を配設すれば、電気回路基板120の概略外形寸法のうち寸法が小さくなる厚み方向と可動ダクト部材112の変位方向(略水平方向)とが略一致するので、可動ダクト部材112を変位させるための領域を容易に確保することができる。
【0117】
延いては、レーザプリンタ1の大型化を招くことなく、帯電器72への送風効率が著しく低下してしまうことを防止しつつ、ケーシング側送風口75aとダクト側送風口111とが擦れ合って両送風口111、75aが損傷してしまうことを防止できる。
【0118】
ところで、プロセスケーシング75の周囲には電気回路基板120が配設されているので、プロセスケーシング75の周囲に板バネ114aを配設するためのスペースを確保することが困難である可能性が高い。
【0119】
これに対して、本実施形態では、板バネ114aは、可動ダクト部材112内に配設されているので、プロセスケーシング75の周囲に板バネ114aを配設するためのスペースを確保することが困難であっても、容易に板バネ114aを設けることができる。したがって、レーザプリンタ1の大型化を招くことなく、容易に板バネ114aを設けることができる。
【0120】
また、本実施形態に係る板バネ114aは、バネ鋼鋼材等のクリープ特性に優れた金属製であるので、当然ながら板バネ114aが導電性を有してしまうこととなる。
しかし、本実施形態のごとく、板バネ114aを絶縁体である樹脂製の可動ダクト部材112内に配置すれば、電気回路基板120と帯電器72との間等において不必要な放電が発生してしまうことを回避できる。
【0121】
また、本実施形態では、ケーシング側送風口75aにパッキン76が設けられているので、ダクト側送風口111とケーシング側送風口75aとの間から空気が漏れ出ることを確実に防止できる。
【0122】
また、本実施形態では、パッキン76の端面のうちダクト側送風口111側の端面76aが、ケーシング側送風口75aの外縁部近傍の面75bよりプロセスケーシング75の内側に位置する、又は外縁部近傍の面75bと一致するように構成されているので、プロセスケーシング75を移動させる際に、パッキン76とダクト側送風口111とが擦れ合ってしまうことを確実に防止できる。したがって、プロセスケーシング75を移動させる際にパッキン76が損傷してしまうことを未然に防止できる。
【0123】
また、本実施形態では、送風ダクト110は、可動ダクト部材112及び固定ダクト部材113から構成されているので、例えば送風機100からダクト側送風口111に至る送風経路が全て可動ダクト部材112にて構成された場合に比べて、可動ダクト部材112を小さくすることができる。したがって、可動ダクト部材112を変位させるための力を小さくすることができので、可動ダクト部材112を容易に変位させることができる。
【0124】
また、本実施形態では、筐体本体部31に固定ダクト部材113の一部を構成するダクト部31bが設けられているので、送風ダクト110を構成する部材の部品点数を低減することができ、レーザプリンタ1の製造原価低減を図ることができる。
【0125】
また、本実施形態では、可動ダクト部材112は、送風機側送風口112c側を中心として揺動変位するので、例えば可動ダクト部材112全体が平行移動する場合に比べて、可動ダクト部材112の可動領域を小さくすることができ、レーザプリンタ1の大型化を抑制することができる。
【0126】
ところで、図8は可動ダクト部材112の揺動状態を示す図であり、この図8では、ケーシング側送風口75a及びダクト側送風口111の構成をより詳細に図示している。そして、図8に示すように、本実施形態では、可動ダクト部材112は送風機側送風口112c側を揺動中心として揺動変位するので、例えば両送風口111、75aが最も近接したとき(接触も含む。)に、ダクト側送風口111の端面とケーシング側送風口75aの端面とが平行とならず、かつ、ダクト側送風口111の開口面に対して直交する開口軸線L1とケーシング側送風口75aの開口面に対して直交する開口軸線L3とがずれてしまい、両送風口111、75aを確実に嵌合させることができないおそれが高い。
【0127】
これに対して、本実施形態では、嵌合案内面112fが設けられているので、可動ダクト部材112、つまりダクト側送風口111が嵌合案内面112fによってケーシング側送風口75aに案内誘導される。
【0128】
つまり、図8(a)に示すように、可動ダクト部材112の実際の揺動中心(実線の回転軸112d)が設計上の揺動中心(波線の回転軸112d)に対して下側にずれていると、図8(b)に示すように、ダクト側送風口111とケーシング側送風口75aとが近接したときに、ダクト側送風口111の開口軸線L1とケーシング側送風口75aの開口軸線L3とがずれてしまうので、両送風口111、75aを確実に嵌合させることができない。
【0129】
しかし、本実施形態では、嵌合案内面112fが設けられているので、図8(c)、図8(d)に示すように、ダクト側送風口111がケーシング側送風口75aに嵌り込みながら、可動ダクト部材112の実際の揺動中心が設計上の揺動中心とが一致するように補正されていく。
【0130】
したがって、ダクト側送風口111の端面とケーシング側送風口75aの端面とが平行とならず、かつ、両送風口111、75aの開口軸線L1、L3が互いにずれた場合であっても、ダクト側送風口111をケーシング側送風口75aに確実に嵌合させることができる。
【0131】
また、本実施形態では、鉛直ダクト部112bに逃げ部112gが設けられているので、可動ダクト部材112を変位させるための変位領域を拡大させることなく、ダクト側送風口111をケーシング側送風口75aに対して十分に離隔させることができる。
【0132】
したがって、レーザプリンタ1の大型化を招くことなく、両送風口111、75aが損傷してしまうことを確実に防止できる。
また、本実施形態では、プロセスケーシング75を挟んで一方側に可動ダクト部材112が配設され、他方側に駆動機構71cが配設されているので、駆動機構71cと可動ダクト部材112とを同一側に配設した場合に比べて、容易に可動ダクト部材112の設置スペースを確保することができる。
【0133】
4.発明特定事項と実施形態との対応関係
本実施形態では、特許請求の範囲に記載されたダクト変位機構114がダクト変位手段に相当し、板バネ114aが特許請求の範囲に記載された付勢手段に相当し、プロセスケーシング75が特許請求の範囲に記載された帯電器ケーシングに相当し、駆動機構71cが特許請求の範囲に記載された駆動手段に相当する。
【0134】
(第2実施形態)
第1実施形態では、板バネ114aにて特許請求の範囲に記載された付勢手段を構成していたが、本実施形態では、カム面114dを、筐体本体部31の前方側に向かうほど、プロセスケーシング75から遠ざかるような傾斜面を有する三角状とすることにより、連動機構にて可動ダクト部材112をダクト側送風口111がケーシング側送風口75aに近づく向きに押圧(付勢)するものである。
【0135】
そして、本実形態では、図9に示すように、板バネ114aはダクト側送風口111がケーシング側送風口75aから離れる向きの弾性力を可動ダクト部材112に作用させる。なお、図9(a)は可動ダクト部材112が近接状態にあるときを示す図であり、図9(b)は可動ダクト部材112が離隔状態にあるときを示す図である。
【0136】
したがって、本実施形態では、カム面114d及びカムプレート114b等により特許請求の範囲に記載された付勢手段が構成される。
(第3実施形態)
上述の実施形態では、ケーシング側送風口75aの外縁部近傍の面75bは、ケーシング側送風口75aの外縁部より離れた部位と同一面上に位置するフラットな面であったが、本実施形態は、図10及び図11に示すように、ケーシング側送風口75aの外縁部近傍の面75bが、ケーシング側送風口75aの外縁部より離れた部位75dから可動ダクト部材112側に突出しているように構成したものである。
【0137】
そして、本実施形態においても、上述の実施形態と同様に、ケーシング側送風口75aの外縁部近傍の面75bよりプロセスケーシング75の内側に位置する、又は外縁部近傍の面75bと一致するように構成されている。
【0138】
(第4実施形態)
図12(a)は本実施形態に係るプロセスケーシング75を可動ダクト部材112側から見た平面図であり、図12(b)はダクト側送風口111をプロセスケーシング74側から見た平面図である。
【0139】
上述の実施形態においては図1に示すように、長方形形状のケーシング側送風口75aは、その長手方向が略鉛直方向を向くように形成されていたので、ケーシング側送風口75aと帯電器72(ケーシング72a)とは図示しないダクトにて連結されていたが、本実施形態は、図12に示すように、ケーシング側送風口75aの長手方向がケーシング72aの傾きに対応するように傾斜させるとともに、その大きさがケーシング72aの鉛直方向の断面よりも大きくなるように形成し、かつ、ダクト側送風口111が、図12(b)に示すように、ケーシング側送風口75aに嵌り込むことができるように、ケーシング側送風口75aの形状及び傾きに対応させたものである。
【0140】
これにより、本実施形態では、ケーシング側送風口75aと帯電器72(ケーシング72a)とを連結するダクトを廃止できるとともに、ダクト側送風口111及びケーシング側送風口75aから送風された空気を効率的にケーシング72a内に供給することができる。
【0141】
(第5実施形態)
図13は、本実施形態に係る可動ダクト部材112の揺動状態を示す図である。
本実施形態は、図13に示すように、パッキン76にダクト側送風口111を案内するための傾斜部76bを形成したものである。
【0142】
これにより、本実施形態では、傾斜部76bによりダクト側送風口111が案内されるので、パッキン76とダクト側送風口111とをより確実に密着させることができ、パッキン76とダクト側送風口111との間から空気が洩れることをさらに抑制することができる。
【0143】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、可動ダクト部材112を揺動させたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば可動ダクト部材112を平行移動させるように構成してもよい。
【0144】
また、上述の実施形態では、可動ダクト部材112を開閉ドア32の開閉作動に連動させて機械的に変位させたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば開閉ドア32の開閉作動状態を検出するセンサや電気的なアクチュエータを用いて電気的に可動ダクト部材112の変位を制御してもよい。
【0145】
また、上述の実施形態では、4本の可動ダクト部材112が同時に変位するようにカム面114dが構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば4本の可動ダクト部材112のいずれかから順次1本づつ変位するようにしてもよい。なお、このような構成とすると、カムプレート114b(開閉ドア32)の操作力を低減することができる。
【0146】
また、上述の実施形態では、可動ダクト部材112を開閉ドア32の開閉作動に連動させたが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、上述の実施形態では、プロセスケーシング75内に帯電器72以外の機器も収納されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0147】
また、上述の実施形態では、板バネ114a等の付勢手段を設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、板バネ114a等の付勢手段を廃止してもよい。
また、上述の実施形態では、板バネ114aを可動ダクト部材112内に配設したが、本発明はこれに限定されるものではなく、板バネ114aを可動ダクト部材112外に配設してもよい。
【0148】
また、上述の実施形態では、可動ダクト部材112を樹脂製としたが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、上述の実施形態では、電気回路基板120の板面121が鉛直方向に一致するように電気回路基板120を配設したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0149】
また、上述の実施形態では、電気回路基板120は帯電器72に給電するためのものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、上述の実施形態では、ケーシング側送風口75aにパッキン76を配設したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ダクト側送風口111にパッキン76を配設する、又はパッキン76を廃止する等してもよい。
【0150】
また、上述の実施形態では、駆動機構71cがプロセスケーシング75を挟んで可動ダクト部材112と反対側に配設されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、駆動機構71cと可動ダクト部材112とを同一側に配設してもよい。
【0151】
また、上述の実施形態では、ケーシング側送風口75a内にダクト側送風口111が嵌り込むような構成であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ケーシング側送風口75aとダクト側送風口111とを突き合わせるようにして近接状態とする、又はケーシング側送風口75aをダクト側送風口111側に突出させて、ダクト側送風口111内にケーシング側送風口75aが嵌り込むようにして近接状態としてもよい。
【0152】
なお、ダクト側送風口111内にケーシング側送風口75aが嵌り込むようにして近接状態とした場合には、可動ダクト部材112のダクト側送風口111側端部のうち、内周面側に嵌合案内面112fを設ける、又は突出させたケーシング側送風口75aの外周面側にテーパ状の嵌合案内面を設けてもよい。
【0153】
また、上述の実施形態では、本発明をダイレクトタンデム方式のカラープリンタに適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、白黒プリンタや4サイクル方式のカラープリンタにも適用することができる。
【0154】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】本発明の実施形態に係るレーザプリンタ1の要部を示す側断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る帯電器72に送風される空気の送風経路を構成するダクト部材の分解斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る送風経路を構成するダクト部材の側面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る送風経路を構成するダクト部材の上面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る可動ダクト部材112の作動を示す説明図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係るケーシング側送風口75aの拡大斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係るプロセスケーシング75の着脱を示す説明図である。
【図8】本発明の実施形態に係る可動ダクト部材112の揺動状態を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る可動ダクト部材112の作動を示す説明図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係るケーシング側送風口75aの拡大斜視図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係るケーシング側送風口75aの拡大斜視図である。
【図12】(a)は本発明の第4実施形態に係るプロセスケーシング75を可動ダクト部材112側から見た平面図であり、(b)はダクト側送風口111をプロセスケーシング74側から見た平面図である。
【図13】本発明の第5実施形態に係る可動ダクト部材112の揺動状態を示す図である。
【符号の説明】
【0156】
1…レーザプリンタ、3…筐体、5…排紙トレイ、5a…傾斜面、7…排出口、
10…画像形成部、20…フィーダ部、21…給紙トレイ、22…給紙ローラ、
30…搬送ベルト、31…筐体本体部、31a…開口部、31b…ダクト部、
31c…ガイド機構、32…開閉ドア、32a…吸気口、40…中間搬送ローラ、
50…排出ローラ、60…スキャナ部、70…画像転写部、70a…画像転写部、
70d…画像転写部、71…感光ドラム、71a…ドラム本体、71b…ドラム軸、
71c…駆動機構、72…帯電器、72a…ケーシング、73…転写ローラ、
74…現像カートリッジ、74a…トナー収容室、74b…トナー供給ローラ、
74c…現像ローラ、74d…層厚規制ブレード、75…プロセスケーシング、
75a…ケーシング側送風口、75c…凹部、76…パッキン、
80…定着ユニット、81…加熱ローラ、82…加圧ローラ、90…排気ユニット、
91…送風機、92…集合ダクト、93…排気吸引口、100…送風機、
110…送風ダクト、111…ダクト側送風口、111…両送風口、
112…可動ダクト部材、112a…水平ダクト部、112b…鉛直ダクト部、
112c…送風機側送風口、112d…回転軸、112e…パッキン、
112f…嵌合案内面、112g…逃げ部、113…固定ダクト部材、
113a…分配ダクト部、114…ダクト変位機構、114a…板バネ、
114b…カムプレート、114d…カム面、120…電気回路基板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真方式により記録シートに画像を形成する画像形成装置であって、
感光体を帯電させる帯電器を収納するとともに、前記帯電器に送風される空気が流通するケーシング側送風口が設けられた帯電器ケーシングと、
前記帯電器ケーシングが移動可能に組み付けられた状態で前記帯電器ケーシングを収納する筐体と、
前記帯電器に空気を送風する送風機と、
前記送風機により送風される空気が流通するとともに、前記ケーシング側送風口に対向したダクト側送風口を有する変位可能な可動ダクト部材と、
前記可動ダクト部材を変位させて、前記ダクト側送風口と前記ケーシング側送風口とが近接する近接状態と、この近接状態より前記両送風口が離隔した離隔状態とを切り替えるダクト変位手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記筐体のうち前記帯電器ケーシングに対応する部位には、可動ダクト部材が設けられているとともに、この可動ダクト部材を開閉する開閉ドアが設けられており、
さらに、前記ダクト変位手段は、前記開閉ドアが閉じられた場合には前記可動ダクト部材を前記近接状態とし、一方、前記開閉ドアが開かれた場合には前記可動ダクト部材を前記離隔状態とすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ダクト変位手段は、前記開閉ドアの開閉作動と機械的に連動して作動する連動機構にて構成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ダクト変位手段は、前記ダクト側送風口が前記ケーシング側送風口に近づく向きに前記可動ダクト部材を付勢する付勢手段を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記可動ダクト部材を挟んで前記帯電器ケーシングと反対側に電気回路基板が配設されており、
さらに、前記可動ダクト部材は、樹脂製であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記電気回路基板は、その板面が前記可動ダクト部材の変位方向に対して略直交するように配設されていることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記付勢手段は、前記可動ダクト部材内に配設されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記ダクト側送風口及び前記ケーシング側送風口のうち少なくとも一方には、前記近接状態時に前記両送風口の隙間から空気が漏れ出ることを防止するパッキンが設けられていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記パッキンは、前記ケーシング側送風口に設けられており、
さらに、前記パッキンの端面うち前記ダクト側送風口側の端面が、前記ケーシング側送風口の外縁部近傍の面より前記帯電器ケーシングの内側に位置する、又は前記外縁部近傍の面と一致するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記可動ダクト部材のうち前記送風機に連通する送風機側送風口は、前記筐体に固定された固定ダクト部材に連通していることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記筐体には、前記固定ダクト部材の少なくとも一部を構成するダクト部が設けられていることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記可動ダクト部材は、前記送風機側送風口側を中心として揺動変位することを特徴とする請求項10又は11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記可動ダクト部材のうち前記ダクト側送風口側の端部には、前記ダクト側送風口の開口面に対して直交する開口軸線に対して傾斜した嵌合案内面が設けられていることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記可動ダクト部材のうち前記送風機に連通する送風機側送風口は、前記筐体に固定された固定ダクト部材に連通し、
前記可動ダクト部材は、前記送風機側送風口側を中心として揺動変位し、
さらに、前記可動ダクト部材のうち前記電気回路基板側には、前記可動ダクト部材が揺動した際に前記可動ダクト部材と前記電気回路基板とが干渉することを防止する逃げ部が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記帯電器ケーシングを挟んで一方側には、前記可動ダクト部材が配設され、他方側には、前記感光体を駆動する駆動手段が配設されていることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1つに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−178608(P2007−178608A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−375591(P2005−375591)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】