説明

画像形成装置

【課題】画像形成されて装置本体の手前側から背面側へ排出され、ステープル綴り等の後
処理を受けたシート束を装置本体の正面側から容易に取りですことができる画像形成装置
を実現する。
【解決手段】後処理部FSは、載置された状態のシートに後処理を施すための後処理載置
部114aを備え、後処理を施すときに、排出されたシートが後処理載置部114aとシ
ート積載部41とに跨って載置されるよう構成され、後処理載置部114aにおけるシー
ト排出方向下流端および、後処理部から連続して形成されたシート積載部におけるシート
排出方向の少なくとも上流端が、原稿読取部の手前側端部よりも装置手前側に位置し、後
処理載置部の最上部が、シート排出部における装置本体上面におけるシート排出方向の接
線方向よりも上方に突出しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタや、これらの装置の持つ機能を2以上有す
る複合機等の画像形成装置であって、画像を形成されて排出されたシートに、ステープル
綴じ、穴あけ、スタンプ捺印、ソート等の後処理の1以上を行う装置を備えた画像形成装
置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成部と画像読取部との間に、画像形成部を通過したシートを排紙する排紙空間を
有する胴内排紙型の画像形成装置として、シートを装置本体の正面側から背面側に排出す
るものと、装置本体の左右方向から排出するものがある(特許文献1)。
また、胴内排紙型の画像形成装置の排紙空間に後処理装置を配置するものがある(特許
文献2、特許文献3)。
【0003】
特許文献2および特許文献3に記載された画像形成装置は、装置本体正面から見てシー
トが左右方向に排出される胴内排紙型の画像形成装置に後処理装置が装着され、排出され
たシートを装置正面側から取り出す開口部を有するものであり、後処理装置の配置によっ
て装置正面からのシート取り出し性が損なわれることはなく、後処理装置は排紙空間内に
収まればよいので、後処理装置の高さを配慮するものではない。
しかし、特許文献1の図1に示された「装置正面側から背面側にシートが排出される胴
内排紙型の画像形成装置」では、装置本体の排紙口に、特許文献2または特許文献3記載
のような後処理装置を装着すると、装置正面に設けられたシート取り出し口が塞がれたり
、取り出し口の開口が小さくなったりするので、装置正面からのシート取り出しや、排出
されたシートの視認が困難である。
【0004】
【特許文献1】特開平5−197225号公報
【特許文献2】特開2002−60118号公報
【特許文献3】特開2002−128355号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述したところに鑑み、排紙されたシートの視認性、シートの取り出し易さ
に優れ、また、後処理機能を有しながら設置スペースを大きくすることのない画像形成装
置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、原稿読み取り部と、画像形成部と、シート排出部と、後処理
部と、シート積載部と、開口部とを有する(請求項1)。
原稿読取部は、原稿を読み取るための部分である。原稿読取部としては従来から知られ
た種々のものを用いることができる。
画像形成部は、原稿読取部の下方に配置され、原稿読取部で読み取った画像をシートに
形成する。画像形成部は、従来から知られた光走査式で静電記録を行うものや、インクジ
ェット方式等、公知の適宜のものを用いることができる。
シート排出部は、画像形成部を通過したシートを、装置本体(画像形成を行う装置本体)
の手前側(装置本体の正面側)から背面側に向けて排出する。
後処理部はシート排出部の排出側に接続され、シート排出部から排出されたシートに後
処理を施す。後処理は、ステープル綴じ、穴あけ、スタンプ捺印、ソート等の1以上の処
理である。
シート積載部は、原稿読取部と画像形成部との間、即ち、原稿読取部の下方で画像形成
部の上方に位置し、後処理部から排出されたシートを積載する。
開口部は、原稿読取部とシート積載部との間に位置し、シート積載部に積載されたシー
トを装置正面側(上記「手前側」)から取り出すための開口を有する。
請求項1記載の画像形成装置は、以下の如き特徴を有する。
即ち、後処理部が「シート積載部に載置された状態のシートに後処理を施すための後処
理載置部」を備える。
この後処理載置部は、後処理部が後処理を施すときに、シート排出部から排出されたシ
ートが「後処理載置部とシート積載部とに跨って載置される」ように構成され、後処理載
置部におけるシート排出方向下流端(シートが排出されて行く方向の端部)、および「後処
理部から連続して形成されたシート積載部におけるシート排出方向の少なくとも上流端」
が、装置本体手前側の「原稿読取部の前端」よりも装置本体手前側に位置する。
また、後処理載置部の最上部は「シート排出部における装置本体上面」のシート排出方
向の接線方向よりも突出しない。
【0007】
請求項1記載の画像形成装置における後処理部は、装置本体に対し、一体的に位置決め
して固定することができる(請求項2)。
請求項1または2記載の画像形成装置は、シート排出方向に直交する方向における「シ
ート載置部よりも外側」にシート積載部よりも高い凸部を備え、後処理部の可動処理部を
、前記凸部に設けられた「後処理部の待機スペース」とシート排出部の後処理実行位置とに出没可能に設けることができる(請求項3)。可動処理部は「シートに対する後処理」例
えばステープル綴じを行うために、後処理を行う位置に応じて可動な部分である。
請求項1〜3の何れか1に記載の画像形成装置は、「シート排出方向に直交する方向に
おけるシート載置部よりも外側」に、シート積載部よりも高い凸部を備え、前記凸部内に
「後処理部と装置本体側との駆動伝達部および電気的接合部」を設けることができる(請求項4)。
【0008】
請求項1〜4の何れか1に記載の画像形成装置における後処理部は「シートの幅方向の
位置を規制する横位置規制手段を有することができる(請求項5)。請求項1〜5の何れか
1に記載の画像形成装置は「画像形成部における画像の書き出し方向を逆転」させる操作
部を備えることができる(請求項6)。
【発明の効果】
【0009】
以上に説明したように、本発明によれば、新規な画像形成装置を実現できる。この画像
形成装置は上記の如く、後処理部を有するが、後処理部の後処理載置部におけるシート排
出方向下流端および「後処理部から連続して形成されたシート積載部におけるシート排出
方向の少なくとも上流端」が、装置本体手前側の「原稿読取部の前端」よりも装置本体手
前側に位置し、後処理載置部の最上部は「シート排出部における装置本体上面」のシート
排出方向の接線方向よりも突出しないので、後処理部の存在が「排紙されたシートの視認
性やシートの取り出し易さ」を損なうことがなく、設置スペースが大きくならない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、実施の形態を説明する。
まず、後処理部を装着しない状態の画像形成装置の1例を説明する。
図1は画像形成装置を示す外観斜視図、図2は概略左側断面図である。
図1において、符号1は装置本体、符号30は画像読み取り部、31はプラテンカバー
、32は原稿自動送り装置、40はシート積載部、41はシート積載面、50は支持部、
52は支持部材をそれぞれ示す。
図2において、符号2は画像形成部、3a〜3dは感光体、4は中間転写ベルト、5、
6は支持ローラ、7は帯電装置、8は光走査装置、9は現像装置、10は転写装置、11
はクリーナ、12は2次転写ローラ、13はレジストローラ、14は定着部、15は中間
転写ベルト用のクリーナ、16はコントロールパネル、17はヒンジ、18は上フレーム
、19は第2テーパー部、20は給紙部、21は給紙トレイ、22は給紙コロ、23はフ
リクションパッド、24は再搬送路、25は排紙ローラ、33は第1テーパー部、40は
シート積載部、41はシート積載面、42は前面開口部、50は支持部、60はロックレ
バー、61は操作部、62はロック爪、64は突起をそれぞれ示す。
この実施の形態の画像形成装置は、図2に示されたように、装置本体1の中央に画像形
成部2、その下部に「画像形成部2による画像を形成されるシートS」を給紙する給紙部
20が配され、画像形成部2の上方に画像読み取り部30を配した「スキャナ付きのタン
デムタイプのカラー画像形成装置」である。
【0011】
図2に示すように、画像形成部2は、像担持体として構成されたドラム状の4個の感光
体3a、3b、3c、3dを有し、これら感光体には、感光体ごとに「異なった色のトナ
ー像」が形成される。即ち、感光体3a〜3dの表面にはそれぞれイエロートナー像、シ
アントナー像、マゼンタトナー像および黒トナー像が形成される。感光体3a〜3dは、
所定の間隔をあけて互いに平行な状態で図の左右方向に配置され、これら感光体3a〜3
dの下部に対向して、中間転写体として構成された中間転写ベルト4が配置されている。
中間転写ベルト4は無端ベルトで、支持ローラ5、6に巻き掛けられ、矢印方向に駆動される。なお、中間転写ベルト4に変えて「ドラム状の中間転写体」を用いることも可能である。
【0012】
図2を参照して、4個の感光体3a〜3dのうち、感光体3aを代表させて周囲装置を
説明すると、感光体3aの周囲には、帯電装置7、現像装置9、転写装置10、クリーナ
11が、感光体3aの回転方向(時計回り方向)に上記順序で配置されている。これら「周
囲装置」の配置は、感光体3b〜3dの周辺装置についても全く同様である。従って、感
光体3b〜3dの周囲に配置されたこれら装置については符号を省略してある。
感光体3a〜3dに対し、帯電装置と現像装置の間の部分が「画像書き込み部」として
設定され、これらの画像書き込み部に「レーザ光の光走査による書き込み」により画像書
き込みが行われる。この画像書き込みは光走査装置8により行われる。
カラー画像形成を行う場合につき説明すると、感光体3a〜3dが時計回りに等速回転
し、これら感光体の表面が帯電装置7で帯電され、光走査装置8による画像書き込みが行
われる。この画像書込みにより、感光体3a〜3bにそれぞれイエロー成分画像、シアン
成分画像、マゼンタ成分画像、黒成分画像が書き込まれ、これらの成分画像に対応する静
電潜像がそれぞれ形成される。
感光体3a上に形成されたイエロー成分画像に対応する静電潜像は、現像装置9により
イエロートナーで可視化されてイエロートナー画像となる。同様に、感光体3b〜3dに
形成された静電潜像は「それぞれの感光体に対応する現像装置」により、シアントナー、
マゼンタトナー、黒トナーにより可視化される。このようにして、感光体3a上にイエロ
ートナー画像、感光体3b上にシアントナー画像、感光体3c上にマゼンタトナー画像、
感光体3d上に黒トナー画像が形成される。これら各色のトナー画像は中間転写ベルト4
上に順次転写されて中間転写ベルト4上で重ね合わせられ「カラー画像」を合成的に形成
する。
中間転写ベルト4への各色トナー画像の転写は転写装置10(感光体3aに対応するも
のを代表させて符号を付してある。)により行われる。
中間転写ベルト4への転写後に、感光体3a〜3dに残留する「転写残りトナー」は、
クリーナ(感光体3aに用いられるクリーナに代表させて符号11を付してある。)によ
り除去され、図示されない回収手段により回収される。
【0013】
図2に示す如く、2次転写ローラ12は、支持ローラ6とともに中間転写ベルト4を挟
むように配置されている。
画像形成部2の下部に配置された給紙部20には、転写紙や樹脂フィルムなどであるシ
ートSを積載するシート収容部としての給紙トレイ21、給紙トレイ21に積載されたシ
ートSを送り出す給紙コロ22、重送されたシートを1枚に分離する分離手段としてのフ
リクションパッド23、両面画像形成時に用いる再搬走路24等が設けられている。
給紙トレイ21は、図8に示すように、シート補給等を行うため、装置本体1から矢印
P方向に引き出すことができるようになっている。給紙トレイ21を引き出すとき、フリ
クションパッド23、再搬走路24は給紙トレイ21とともに引き出されるが、給紙コロ
22は装置本体1側に残る。
【0014】
図2を参照すると、給紙部20から給紙されたシートSは、停止しているレジストロー
ラ13に向けて送り出され、その先端がレジストローラ3に突き当てられる。これによっ
てシートSが整合される。レジストローラ13は中間転写ベルト4上に形成された「カラ
ー画像」の先端部が、2次転写ローラ12を設けた「2次転写部」でシートSの先端部と
合致するようなタイミングで回転し、2次転写部に向けてシートSを送り出す。
2次転写部で「未定着のトナー画像であるカラー画像」を転写されたシートSは、定着
部14においてカラー画像を定着された後、装置本体1の上部に設けられたシート積載部
40に排出される。なお、カラー画像転写後の中間転写ベルト4の表面に残留する転写残
りトナーは中間転写ベルト用のクリーナ15により除去される。
【0015】
画像読み取り部30には、一般的な画像読み取り装置と同様、装置本体1の上部にセッ
トされた原稿の画像を走査する機構が設けられ、セットした原稿を押圧保持させるための
プラテンカバー31を有している。
図1に示すように、プラテンカバー31は原稿自動送り装置32を備え、画像読み取り
部30は読み取り部に定置された静止原稿の読み取りと、原稿自動送り装置32により読
み取り部に送られる移動原稿の読み取りの何れをも行うことができるようになっている。
画像読み取り部30は、その下部に配置される装置本体1に、後述する支持部50を介し
て支持されている。
図1における符号16はコントロールパネルを示す。コントロールパネル16は、画像
読み取り部30と画像形成部2とに対する操作の制御を行う。このコントロールパネル1
6を配した側が装置本体1の正面側になる。したがって、シート積載部40に排出される
シートは、装置の手前側(正面側)から背面側に向かって排紙される。
【0016】
図1、図2に示すように、装置本体1の上部には上フレーム18が設けられ、上フレー
ム18に支持された上カバー部分をシート積載部40のシート積載面41として用いてい
る。上フレーム18には、画像読み取り部30を支持する支持部50が設けられている。
支持部50は、装置本体の正面側から見て上フレーム18の左右両側縁に沿って、2つの
支持部材51、52(図1では左側の支持部材52のみが示されている。)を有するが、
上フレーム18の後端側の辺りには支持部材を設けていない。即ち、上フレーム18の後
端側(装置本体1の背面側)は開放している。
このような構成により、上フレーム18のシート積載面41の「前後方向幅より長い長
尺」のシートでも、その一部を「シート積載面41を越えて後側へ垂らす」ことにより支
障なくストックできる。
シート積載部40の上方には画像読み取り部30があるので、シート積載面41は画像
読み取り部30の陰になるが、上記後端側に支持部材を設けず後端側を開放することによ
り「装置背面側からの採光」を得ることができるので、シート載置面41が暗くなるのを
有効に軽減できる。
【0017】
図3は、図1、図2に即して説明した画像形成装置の正面側と右側面を上面側とともに
示す斜視図であり、符号43は切り欠き部、51は右側の支持部材をそれぞれ示す。
図4は、上フレーム18を開放した状態を示す左側断面図である。
上フレーム18は、その下部に画像形成手段の一部である光走査装置8を保持し、装置
本体1の背面側に設けたヒンジ17を中心にして上方の回転により開放可能に構成されて
いる。
上フレーム18は、後述するロック手段としてのロックレバー60によって装置本体1
にロックされ、ロックを解除すると回転による開放可能な状態になる。そして、上フレー
ム18を回転させると、図4に示すように、支持部材51、52を介した画像読み取り部
30とその下部の光走査装置8が一体となって回転して開放され、光走査装置8の下部に
位置する画像形成ユニットが露呈してアクセス可能となり、メンテナンス等を容易に行う
ことができる。
図5は、上フレーム18を開放して、画像形成部2の感光体3a〜3d、帯電装置7、現像装置9、クリーニング装置11等の主要ユニットを取り去った後の状態を示している。
【0018】
図4に示すように、上フレーム18が回転すると、シート積載部40のシート載置面4
1も回転してその後端側が下を向く。従って、シート載置面41上にシートがストックさ
れているときに誤って上フレーム18を開放すると、シート載置面41が傾いてストック
していたシートが装置の後側に落下する問題を生じる。即ち、ストックしたシートSを取
り忘れたまま上フレーム18を開放すると、シート載置面41にストックされたシートS
が装置本体1の背面側に落ちてしまう。この問題は、支持部50を上フレーム18の後端
側にも設ければ解消できるが、長尺シートの場合、排出されるシートがその後端支持部に
当たりストックに支障がでるし、またシート積載面41が暗くなる。
【0019】
この実施の形態では、この問題を回避するため、図2に示す「ロックレバー60のロッ
クを解除して上フレーム18を開放可能状態にする操作部61」を、シート載置面41上
にストックされたシートSにより隠れる位置に設けている。
図2に示すように、ロックレバー60は一端側に操作部61が、他端側には装置本体1
の突起64に係合するロック爪62が設けられており、ピン63を中心に回転可能に軸支
された構成となっている。
ロックレバー60の操作部61は、図3に示すように、シート載置面41と同一面上に
沿うような板材であり、シート載置面41には、操作部61に手を掛けられるようにする
ための扇状の凹部44が形成されている。
上フレーム18を開放するときには凹部44から手を差し込み、操作部61を持ち上げ
ると、図2において、ロックレバー60がピン63を中心に時計方向に回転し、ロック爪
62が突起64から外れる。この状態でそのまま操作部61を持ち上げると、上フレーム
18が自動原稿送り装置32と同じ方向にヒンジ17を中心として回動される。
このように、上フレーム18を回動可能にするための操作部61を、シートSがストッ
クされるシート載置面41に配置しているので、シート積載面41上にシートSがある状
態で上フレーム18を回転させてしまうのを確実に防止できる。
【0020】
ところで、シート積載部40の上方に画像読み取り部30を設けた画像形成装置は、画
像読み取り部30がないものに比して、シート積載部40の視認性やシートの取り出し性
が問題となるが、この実施の形態では、図1に示すように、シート積載部40を構成する
「画像読み取り部30と装置本体1の間の空間」を、装置本体1の前面側に向かって大き
く開口させ、前面開口部42の幅を排紙されるシートの幅以上に大きくしているので、シ
ート載置面41に排紙されたシートSの視認性・取り出し性が良い。
前面開口部42は、シートSの取り出し性をより良好にするため、図2に示すように、
画像読み取り部30の前面下の角に第1テーパ部33を形成し、同様に、装置本体1のコ
ントロールパネル16の上方にも第2テーパ部19を形成して、前面開口部42の開口面
積を広げている。特に、この実施の形態における第2テーパ部19は、前面開口部42の
外側に向かって開口面積が広がるようにテーパ形状を形成しており、排紙されたシートの
取り出しにおける開口部への手の挿入が極めて容易となっている。
この構成はテーパ形状でなくても開口面積が広がる形状ならどのような形状でも良い。
【0021】
排紙されたシートSの「取り出し性」について説明する。
図3は装置の右手前の角方向から見た図である。
図3において、シート積載部40の上部右側部には、シート積載面41へのアクセスを
より容易にするため、シート積載面41よりも低い切り欠き部43が形成され、切り欠き部43の図で左側の部分は「排紙方向上流に向かって上方へ傾斜する面」となっている。このような切り欠き部43を設けることにより、操作者の手が大きくても、前面開口部42のみならず、切り欠き部43による「側面からの取り出し」に対しても良好な取り出し性を確保できる。また、この実施の形態では切り欠き部43を上部右側に形成しているが上部左側に設けても同じ効果が得られることは言うまでもない。
【0022】
また、図6に示すように、画像読み取り部30の支持部50をなす右側の支持部材51
、左側の支持部材52は左右のものが対称形状ではなく、正面から見て右側の支持部材5
1は、切り欠き部43が形成されていることにより、奥行き方向の長さが左側の支持部材
52の奥行き方向の長さより短く構成されている。
即ち、右側の支持部材51の「奥行き方向の長さ」を、図3のようにL1、左側の支持
部材52の「奥行き方向の長さ」を、図1のようにL2とすると、L1<L2となるよう
に構成されている。これによって、切り欠き部43側からの排紙シートSの取り出し性も
良好となり、さらに切り欠き部43側からの採光も取りやすく、排紙されたシートの視認
性も向上する。この場合、支持部50の強度に関しては、重量物である原稿自動送り装置
32の重心部が配置される左側の支持部材52の奥行き方向の支持幅を長くしてあるので
問題はない。
【0023】
前述の如く、ロックレバー60の操作部61近傍には、操作部61を握り易くするため
シート載置面41に凹部44が設けられ、凹部44は「排紙シートをすくい取るための指
入れスペース」も兼ねた形状になっている。図1および図3に示す例では、シートが中央
基準で排出されることから、正面側中央を境に左右対称となるように凹部44を形成して
いる。凹部44の両端は「本装置で取り扱う最小シートの所定幅より大きくなる」ように
位置設定しているので、例えば「はがきサイズのシート」をつまみ取ることができるよう
な指入れスペースとなっている。
【0024】
図2を参照して、上記ロックレバー60の操作部61についての説明を補足する。
図2に示すように、ロックレバー60の操作部61は、シート積載面41の「シートを
受けるように傾斜した傾斜面」に設けられており、操作部61の上面がシート積載面41
よりも上方へ突出しないように設けられている。この構成により「排出されたシートの後
端が傾斜面を滑り落ちる際に、ロックレバー60の操作部61に突き当たってシート位置
がバラバラにスタックされる」のを防止できる。このような効果を得るためには、上記構
成のほか、シート後端が排紙トレイ面に着地する位置よりもシート排出方向下流側に操作
部61を位置させるか、排紙口からシートが自重落下するような場合は、排出口側近傍に
操作部61を設けてもよい。
【0025】
また、ロックレバー60の操作部61は、図1、図3から明らかなように「排紙トレイ
の傾斜面」に設けられているので、装置正面側からの視認性がよく、操作部61が画像読
み取り部30の前端よりも手前側に位置していることも視認性をよくしている。装置前方
の開放部からシートを取り出すと操作部61が視認可能になる。
【0026】
図1〜図3に示されたように、画像形成部2と画像読み取り部30(自動原稿送り装置
32)とは、画像形成部2のシート排出方向(装置正面から奥側)と画像読み取り部30
(自動原稿送り装置32)の副走査方向(原稿送り方向)とが直交するように配置されて
いる。装置本体1の前面は、図2に示すように、画像読み取り部30および支持部50よ
りも前面側に突出しており、装置本体1の前面側の上部にコントロールパネル16を配置した構成となっている。このような構成により、前面開口部42を十分に大きく確保でき、短い排紙シートや操作部61の「上方からの視認性」や操作性が良くなる。
【0027】
図7はフロントカバーを開放したとき状態を示す左側面図である。
同図において符号35はフロントカバー、36はヒンジ、65は廃トナーボトルをそれ
ぞれ示す。
装置本体1にはフロントカバー35がヒンジ36を介して開閉可能に装着され、フロン
トカバー35を図の如く開放することにより、内部の中間転写ベルト4のユニットや廃ト
ナーボトル65、定着装置14に対する交換やメンテナンス、装置本体内のシート搬送路
内でのジャム紙の処理を行うことができるようになっている。
【0028】
図8は前述したごとく、給紙トレイを引き出したときの左側面図である。
装置本体1は、同図に示すように、フロントカバー35に給紙トレイ21を挿入するた
めの開口37を形成され、開口37から給紙トレイ21を同図左右方向に(本体正面側か
ら)着脱できるように構成されている。このような構成により、メンテナンスや消耗品交
換、ジャム処理等を装置本体1前面から行う「フルフロント操作」が可能となり、背面か
ら上記作業を行うスペースを必要とせず、設置面積の低減を図れ、使い勝手が良い。
【0029】
図9は、上に説明した画像形成装置に「後処理部を装着する装着部位」を説明するため
の左側面図である。
図10は、図9の示す「後処理部を装着する位置」の周辺を示す部分斜視図である。
本発明の画像形成装置は「後処理部」である後処理ユニットFSを有するものであり、
後処理ユニットの装着によりさらに機能性を向上させたものである。後処理部が装着され
る画像形成装置は、上述の如く、装置手前側から奥側へ向かってにシートを排出し、排出
されたシートを装置正面側から取り出す形態のものであるから、排紙口に後処理ユニット
FSを装着したときに装置正面側のシート取り出しのための開口(図2に符号42で示す
部分)が塞がれてしまうと、装置正面側から後処理後のシート束を取り出すことができな
くなる。
また、図4、図5に即して説明したとおり、画像形成ユニットをメンテナンスするため
にシート載置部40を兼用する上カバー18を回動させて開放する構成であるため、後処
理ユニットを上カバー18に載置する構成をとると、後処理ユニットFSと本体排紙口と
の機械的および電気的な接続が複雑化しやすい。
そこで、本発明では図9に示すように、排紙出口近傍の「非回動スペース(上カバー1
8とともに回動しないスペース)」に後処理ユニットFSを設置できるようにし、後処理
ユニットFSの最上部がコントロールパネル16(排紙ローラ25を収容する筐体の上面
をなし、装置本体1の上面である。)の接線方向Lよりも上方に突出せず、また、後処理
ユニットFSの下流側端部と画像読み取り部30の前側端部との間に「シート積載部40
に載置されたシート束を装置正面側から取り出すための空間」を形成している。図10は
図9の後処理ユニットFSの装着位置とその近傍の状態を示す斜視図である。符号16は
、ロックレバーの操作部を示す。図10の例では、凹部44Aは、矩形形状をなして形成
されている。
【0030】
後処理ユニットFSは、シート積載部に載置された状態のシートに後処理を施すための
後処理載置部を備えており、この後処理載置部は、後処理を施すときに、シート排出部か
ら排出されたシートが、後処理載置部とシート積載部とに跨って載置されるように構成さ
れる。
図11において、符号114で示す第一スタック面は「後処理載置部」を構成する。図13に示すように、後処理を施すときに「シート排出部から排出されたシート」は、第1スタック面114とシート積載部40とに跨って載置される。第一スタック面114におけるシート排出方向下流端および、後処理ユニットから連続して形成されるシート積載部40におけるシート排出方向上流側の一部を「原稿読取部30の手前側端部よりも装置手前側に位置させた」ことにより、装置正面のシート取り出し口が塞がれる量を最小限にできるので、シート積載部40上の排紙視認性、およびシート取り出し性が後処理装置の犠牲となることがない。
さらに、シート取り出し口を、後処理ユニットFSの上面と原稿読み取り部30の下面
との間に空間として形成しているため、装置正面側からシート積載部40を見たときに、
後処理ユニットFSによって「シート積載部40上のシートの全部が隠れてしまう」のを
回避できるので、後処理ユニットFS装着前と同様の視認性を得ることができる。
【0031】
図11に即して後処理ユニットFSの具体的な内部構成を説明する。
同図に示す後処理ユニットFSは、装置本体1の排紙ローラ25を通って排出されてき
たシートSが通過する排紙開口111、この排紙開口11を通過した複数のシートSに後
処理として「ステープル綴り(以下、ステープル処理という。)」を行うためのステープル
ユニット112、シートサイズや綴じ方によってステープル位置を変えるためにステープ
ルユニット112を変位させる駆動手段(図示なし)、ステープルユニット112と勘合
し、移動姿勢を規制するステープル移動ガイド113、ステープル処理を行うためにシー
トSの一部を載置する第一スタック面114、ステープル処理前のシートSの後端を揃え
る紙揃え面115、紙揃え面115にシートSの後端を突き当てるためにシートを掴んで
移動させる紙揃えローラ116およびその駆動手段(図示されず。)、ステープル処理後
のシート束をシート排紙方向に押し出してシート積載部40上に排出するための押し出し
部材117、およびその駆動手段(図示されず。)を有している。
第一スタック面114を有する部材は金属で、第一スタック面114には複数のステー
プル受け形状114aが設けられている。
【0032】
図12ないし図14は、後処理ユニットFSによる連続ステープル処理を説明するため
の図である。同図において符号112aはステープル針、118は爪をそれぞれ示す。
図12は装置本体に装着された後処理ユニットFSの断面図である。
後処理ユニットFSは図示されないガイド手段により姿勢を決めながら組付け装着され
、後処理ユニットFSの下面勘合部が本体1の勘合部に突き当たり、同時に弾性付勢され
た爪118が係合して抜け方向の移動を規制する。即ち、爪118は、付勢された弾性力
により後処理ユニットFSを下方向に押し付ける力を与えるので、後処理ユニットFSは
上下方向に動かず位置固定される。
このとき、後処理ユニットFSは装置本体と「機械的および電気的」に連結する。
ステープルユニット112は、ソレノイドを用いた動力機構によりステープル針112aを上下方向に出没させ、ステープル受け形状114aに向かって打ち出す構成となって
いる。
【0033】
図12において、装置本体1の排紙ローラ25を通って排出されるシート(図示されず)
は、先端を「第二スタック面」であるシート積載面41に支持されて進み、後端が排出さ
れると、「シート積載面41の傾斜により自重で下がってきたシートSの後端」が、スポ
ンジローラである紙揃えローラ116と第一スタック面114とで挟まれる。この状態で
、紙揃えローラ116が反時計回りに回転すると排出されたシートSの後端が紙揃え面1
15へ突き当てられる。この「突き当て」を確実にするため、シート後端排出時にシート
先端側を載置する面(第二スタック面)を、第一スタック面114より高くしている。こ
のようにすることにより、シートの自重が突き当て方向に作用するため突き当ての安定性
が良い。
排出されたシートは、図13に示すように「シート先端側の大部分」が第二スタック面
41に載り、後端の一部が第一のスタック面114に支持される。第一、第二スタック面
の段差の部分では「シートSが宙に浮いた状態」となるが、シートの「コシの強さ」により、この部分でシートが落ちこむことはない。
【0034】
積載された1枚目のシートSは、紙揃えローラ116により紙揃え面115に向けて押
圧力を作用されているため紙揃え面115に対して「ズレ」ない。2枚目のシートも同様
に積載される。2枚目のシートにも紙揃えローラにより紙揃え面に向けて力を作用されて
いるため「ズレる」ことがなく、同時に2枚目のシートが1枚目のシートに対して紙揃え
面へ突き当てる力を作用させるので1枚目のシートもズレない。以下同様に、排紙された
シートは「排出方向に揃った状態」となる。
紙揃えローラ116は上下方向に移動可能とされ、自重で積載シートに載っている。こ
のため、積載枚数が増えて厚さが変わっても、紙揃えローラ116は厚さに合わせて高さ
を変えるため、束ねられたシートに余分な力を加えることはない。
【0035】
積載枚数がスタック枚数に達すると図13に示すようにステープル動作が実行される。
ステープルユニット112は、操作者の指示するステープル位置(シートごとの右端、左
端、中央二点など)に移動し、ソレノイド112bは、通常のステープラーと同様に「シートに圧力をかけて動かないように固定する部材(図示されていない。)」を押し当てたのち、針112aを押し出してゆく。針112aはシート束を貫通して、下のステープル受形状114a(図11)により曲げられてシート束を綴じる。
【0036】
後処理としてのステープル処理により綴られた後のシートSの束は、図14に示すよう
に、押し出し部材117により第一スタック面114に載っていた部分が完全にシート積
載面41へ押し出される。このとき、押し出し部材117は、紙揃えローラ116(図示
省略、図12参照)の搬送方向に逆らって「シート束」を移動させることになるが、紙揃
えローラ116はスポンジ製で摩擦力が小さいため「ジャムやしわ寄り」等は生じ難い。
しかし、シートが腰の弱い薄紙で少数枚をステープル処理した場合などには、紙揃えロ
ーラ116の作用によりジャム等が生じることも考えられるので、紙揃えローラ116が
「押し出し部材117の変位に連動して浮き上がる構成」としておくと更によい。このよ
うな構成は、例えば、押し出し部材117に形成されているテーパを「上下動自由となっ
ている紙揃えローラ116の軸部」に当て紙揃えローラ116を押し上げることなどで実
現できる。
【0037】
ステープル処理された1部目のシート束をシート積載面41へ移動させると、第一スタ
ック面114上にはシートがなくなるので、処理後のシートを除去しなくとも、次のシー
ト束を作ることが可能である。2部目は、シート先端側が1部目のシート束に支持され、後端は第一スタック面114に支持されるため、1部目と同様に処理可能である。3部目以降も同じである。
また、ステープル処理なしでシートを出力する場合は、図15に示すように、押し出し
部材117を「押し出し位置(排紙方向下流側)」に待機させてシート排出を行えば、排
出されるシートは第一スタック面114に積載されることなく、シート積載面41に積載
される。これにより、後処理ユニットFSを装着しない場合と同等の性能を実現できる。
若干補足すると、図9〜図15に即して説明した実施の形態では、図9に示すように、後処理ユニットFSの高さを後処理ユニットFSの最上部がコントロールパネル16を収容する筐体の上面(装置本体1の上面)の接線方向Lにぎりぎり近接するように設定しており、従って、この例では、図2に示す第2テーパー部19は形成されていない。第2テーパー部を形成する場合には、後処理ユニットFSの最上部が、第2テーパー部の最下部を超えないようにすればよい。
また、これらの図に示した実施の形態では、例えば、図10の斜視図に示すように、図1に示した実施の形態における「シート積載面よりも低い切り欠き部43」に相当する切り欠き部は形成されていない。
【0038】
図16は幅方向のシート規制手段を説明するための図である。
同図において符号161はサイドフェンス、161aはラック部、162はギヤをそれ
ぞれ示す。
サイドフェンス161は同図に示すように、ギヤ162を中心にラック部161aを介
して左右対称に動く構造とし、シートの左右をガイドするガイド面は、第一スタック面1
14上から上方に向かって直立するストレート部の途中から排紙口高さに向かって幅広と
なるようにする。出力するシートのシート幅に合わせてサイドフェンス161をセットす
ることで、排紙されたシートSは後端をサイドフェンス161にラフガイドされて中央に
寄せられつつ落ちることになり、第一スタック面114に到達した時点では排紙幅に揃う
こととなる。
【0039】
図17は紙揃えローラ116の形状の1例を示す図である。図18は紙揃えローラ11
6の形状の別例を示す図である。
図17に示す紙揃えローラ116はスポンジで形成され、シートを掴みやすくするため
の溝170が形成されている。図18に示す紙揃えローラ116Aには、ハスバ型の溝1
80が形成され、シートを軸方向にも移動させることが可能であり、図16に示す片側の
サイドフェンスにシートを寄せることができ、より綺麗に揃えることが可能となる。
【0040】
図19は、ステープルユニット112の実施の1形態を説明するための部分図である。
同図(a)は「モード切替手段」を示す図、(b)はステープル受け形状114aを示す
図である。
図19(a)において符号112cはつまみを示す。つまみ112cは図11においては
図示を省略されている。
つまみ112cはステープルユニット112の上面に設けられ、(a)に示す矢印方向
に回転させることで、つまみ112cの回転に連動しステープルユニット112内のステ
ープル針112aの向きが変化するように構成されている(詳細は図22参照)。また、
第一スタック面114に設けるステープル受け形状114aも、つまみ112cの回転位
置にあわせて0°を中心に−45°、45°、90°の位置にてステープル処理できるように溝を重ねて設ける。
操作者がつまみ112cを手動操作することで、ステープルモード、すなわち、予め設
定してあるステープル方向や個数を切り替えることができるので、簡易な構造で多様な綴
じパターンに対応可能となる。また、つまみ112cは装置手前側にあるため作業性、視
認性も非常によい。
ステープルユニット112は排紙出口側についているため、シート後端のみのステープ
ル処理となるが、排出されるシートの排出方向後端が画像の下端になる場合は、下端を綴
じることとなって都合が悪い。この場合、操作者の希望に応じて、操作パネル16から所
定の操作をすることで、画像の書き出しを逆転、つまり画像下側から印字させることがで
き、ステープル位置を画像の上側に変更することができる。
【0041】
図20、図21は上述したステープルユニット112の他の実施形態を示す図である。
なお、ステープルユニット112以外の構成部材は上述した構成と同じであるため、異
なる構成の部分のみを説明する。
シート積載面41よりも左外側は、シート積載面41よりも高い凸部200を有し、凸
部200内に「装置本体の駆動部とともに後処理ユニットFSの駆動部、電装部」が収容
されている。凸部200は、ステープルユニット112を第一スタック面114上方の領
域から退避させるための退避スペース110aを備えている。
紙揃えローラ116と排紙ローラ25との駆動タイミングを同一にすると駆動の無駄が
ないので、紙揃えローラ116の回転軸に設けたギア(図示されず)を排紙ローラ25の駆
動ギヤと連結可能とすることで、モータを増やすことなく紙揃えローラ116の駆動が可
能となる。
また、ステープルユニット112をステープル移動ガイド113上でスライドさせるス
ライド駆動手段(図示されず)をベルト駆動にすると、駆動部を凸部200内に収容するこ
とにより、排紙面上のユニットサイズが大幅に小さくなり、排紙されたシートへのアクセ
ス性を妨げることがより少なくなる。
さらに、図21に示すように、ステープルユニット112の未使用時や待機時あるいは
「指示されたジョブが終了した」ときには前述の退避スペース110aにて待機させる。
このように、ステープルユニット112を第一スタック面114上方の領域から退避させ
ることにより、装置正面側上方からのシート取り出しのアクセス性、排紙視認性を良好に
できる。
また、図21、22に示した実施の形態でも、図1に示した実施の形態における「シート積載面よりも低い切り欠き部43」に相当する切り欠き部は形成されていない。
【0042】
図22は図19で説明した「ステープル針の向きの変更」に関する具体的な構成例を説
明するための一部断面図である。
つまみ112cは、円筒型のカバー112d、ソレノイド112b、ステープル針11
2aの保持部材112eとともに一体に形成され、ステープルユニット112の上面につ
まみ112cが突出するように、かつ、ステープルユニット112に対して回動可能に設
置されている。つまみ112cを、図19(a)に示すように所望のステープルモードの位
置に合わせると、全体がつまみ112cと一緒に回動して、ステープル針の向きが変えら
れる。
【0043】
以上の説明では、後処理を「ステープルユニット112によるシート束へのステープル
処理」として説明したが、これに限らず、例えば、シートSに対して「パンチする処理」
としてもよい。その場合、第一スタック面114に載置した状態でパンチするものに限ら
ず、シートSのパンチ位置と排紙ローラ25を通過するタイミングとを併せて搬送中のシ
ートSにパンチする構成でもよい。さらに、シート積載面41上のシートに対する視認性
およびシートの取り出し性が悪化しない程度の大きさであれば、後処理部がステープル機
能とパンチ機能の両方を備える構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】後処理部を装着できる画像形成装置の外観斜視図である。
【図2】画像形成装置の一例を示す概略左側断面図である。
【図3】画像形成装置全体の斜視図である。
【図4】上フレームを開放した状態を示す左側面図である。
【図5】上フレームを開放したときの斜視図である。
【図6】装置の右手前の角方向から見た図である。
【図7】フロントカバーを開放したときの左側面図である。
【図8】給紙トレイを引き出したときの左側面図である。
【図9】後処理装部を載置する位置を示す左側面図である。
【図10】後処理部を載置する位置を示す部分斜視図である。
【図11】後処理ユニットFSの具体的な内部構成を説明するための図である。
【図12】後処理ユニットFSによる連続ステープル処理方法を説明するための図である。
【図13】後処理ユニットFSによる連続ステープル処理方法を説明するための図である。
【図14】後処理ユニットFSによる連続ステープル処理方法を説明するための図である。
【図15】後処理ユニットFSを動作させない場合の排紙状態を示す図である。
【図16】幅方向のシート規制手段を説明するための図である。
【図17】紙揃えローラの形状の例を示す図である。
【図18】紙揃えローラの形状の別例を示す図である。
【図19】ステープルユニットの実施の1形態を説明するための部分図である。
【図20】ステープルユニットの別の実施の形態を示す図である。
【図21】ステープルユニットの他の実施の形態を示す図である。
【図22】ステープル針の向の変更を行うための具体的な構成例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0045】
1 装置本体
2 画像形成部
8 光走査装置
17 ヒンジ
18 上フレーム
25 排紙ローラ
30 画像読み取り部
41 シート積載面
42 前面開口部
112 ステープルユニット
116 紙揃えローラ
117 押し出し部材
FS 後処理ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読み取る原稿読取部と、
前記原稿読取部の下方に設けられ読み取った画像をシートに形成する画像形成部と、
画像形成部を通過したシートを、装置本体の手前側から背面側に向けて排出するシート
排出部と、
前記シート排出部に接続され、前記シート排出部から排出されたシートに後処理を施す
後処理部と、
前記原稿読取部と前記画像形成部との間において、前記後処理部から排出されたシート
を積載するシート積載部と、
前記原稿読取部と前記シート積載部との間において、前記シート積載部に積載されたシ
ートを装置正面から取り出す開口部と、
を有し、
前記後処理部は、前記シート積載部に載置された状態のシートに後処理を施すための後
処理載置部を備え、
前記後処理載置部は、前記後処理を施すときに、前記シート排出部から排出されたシー
トが、前記後処理載置部と前記シート積載部とに跨って載置されるように構成され、
前記後処理載置部におけるシート排出方向下流端および、前記後処理部から連続して形
成された前記シート積載部におけるシート排出方向の少なくとも上流端が、前記原稿読取
部の手前側端部よりも装置手前側に位置するとともに、
前記後処理載置部の最上部が、前記シート排出部における装置本体上面におけるシート
排出方向の接線方向よりも上方に突出しないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記後処理部は、装置本体に対し、一体的に位置決めされて固定されることを特徴とす
る画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の画像形成装置において、
シート載置部のシート排出方向に直交する方向における前記シート載置部の外側に、シ
ート積載部よりも高い凸部を備え、前記後処理部の可動処理部が、前記凸部に設けられた
前記後処理部の待機スペースと、前記シート排出部における後処理実行位置とに出没可能
に設けられたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
シート載置部のシート排出方向に直交する方向における前記シート載置部の外側に、シ
ート積載部よりも高い凸部を備え、前記凸部内に前記後処理部と装置本体側との駆動伝達
部および電気的接合部を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
前記後処理部は、排出されるシートの幅方向の位置を規制する横位置規制手段を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
前記画像形成部における画像の書き出し方向を逆転させる操作部を備えることを特徴と
する画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−167011(P2009−167011A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−13080(P2008−13080)
【出願日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】