説明

画像形成装置

【課題】原稿の画像データを見えにくくする透かし見防止パターンの形状と印字位置を適切に決定して、十分な秘匿性の確保と、トナーの節約,消耗部品の劣化防止,給紙トラブルの低減を図ることを課題とする。
【解決手段】原稿に形成されている画像を読み取る画像読取部と、前記読み取った画像の有効な情報が存在する領域を領域分離して、領域分離された各領域のうち秘匿対象領域とすべき領域を選択する選択部と、選択された領域に対する透かし見防止パターンの形状と、その透かし見防止パターンの形成位置を決定するパターン決定部と、読み取った画像を第1の用紙の裏面であってその画像が形成されていたのと同じ位置に印刷し、前記決定された透かし見防止パターンの形成位置の情報に基づいて、決定された透かし見防止パターンを、第2の用紙に印字する画像印字部とを備えたことを特徴とする画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に記録用紙に印字する画像の情報種別を解析し、印字する画像に対応する透かし見防止パターンの形状および印字位置を決定する機能を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の一種である複写機において白紙用紙に複写された複写物を、封筒などに封入した場合、封筒外部から複写物の内容を透かして見ることができる場合がある。そこで、光に透かして封筒の内部情報を見る行為を防止し複写物の秘匿性を高めるために、特別に加工された封筒を用いる方法や、厚手の用紙を使用する方法、裏面に特殊な模様の施された特殊な用紙を用いる方法、通常の記録用紙の裏面全体をインクやトナーで塗りつぶす形で印字する方法など、種々の方法が用いられている。
【0003】
たとえば、特許文献1には、印字情報の秘匿性を高め、さらに給紙トラブルを減少させるために、特殊な用紙を用い、透視用防止印刷の位置を工夫した重ね合わせ用接着シートが提案されている。この重ね合わせ用シートは、3つの紙片が連接された三つ折り隠蔽はがきであり、3つの紙片のうち、中央部の第2紙片には透視防止用印刷を行わず、両側の第1及び第3紙片の情報印字面と異なる裏面側に、透視防止用印刷を行うことにより、秘匿性と給紙性の両立を図ったものである。
【0004】
【特許文献1】特開2001−171264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特殊な封筒や用紙を用いる方法は、封筒や用紙を選択する自由度が低下する。さらに、封筒や用紙自体のコストが高いので、コストを高騰させる原因となる。また、普通の用紙の裏面全体を塗りつぶす形で印字する方法では、表面の印字以上に多くのインクやトナーを消費し、印字装置の消耗部品の劣化も加速するため、維持コストの高騰を招く。さらに、裏面をインクやトナーで塗りつぶす形で印字する場合では、裏面に印刷後に給紙用のローラーと用紙の摩擦が大きくなり、ローラーへの巻き付きなどによる紙詰まりの原因となりやすい。
【0006】
また、特許文献1に記載のシートは、3つ折り用紙という特殊な用紙に対して有効な方法であり、たとえば一般的なA4サイズの白紙用紙に対して、この方法を適用することは困難である。また、A4用紙を折らずに封筒に入れる場合には、A4用紙の裏面のどの位置に透視防止用印刷をすべきか不明であり、給紙トラブルを減少させるための透視防止用印刷の位置や形状(大きさ)を決定することはできない。
【0007】
そこで、この発明は以上のような事情を考慮してなされたものであり、特殊な封筒や用紙を用いることなく、一般に市販されている用紙を用いても十分な秘匿性を有し、消費するトナーの節約や、消耗部品の劣化を抑えることができ、かつ給紙トラブルも最小限に抑えることのできる画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、デジタル複写機で印字される原稿データが、印字のための画像処理を行ったのち印字されることに着目し、主として、原稿データの文字印刷領域や画像印刷領域などを区別する領域分離処理を行うことにより、別々の用紙に、それぞれ読み取った画像と決定された透かし見防止パターンとを印字する画像印字部を備えた画像形成装置である。また、画像情報の解析データを生成する画像解析部と、この解析データに基づいて原稿データの印字面と反対側の裏面に印字する透かし見防止用パターンの形状および印字位置を決定するマスク画像生成部とを含む画像形成装置である。
【0009】
この発明は、原稿に形成されている画像を読み取る画像読取部と、前記読み取った画像の有効な情報が存在する領域を領域分離して、領域分離された各領域のうち秘匿対象領域とすべき領域を選択する選択部と、前記選択された領域に対する透かし見防止パターンの形状と、その透かし見防止パターンの形成位置を決定するパターン決定部と、前記読み取った画像を、第1の用紙の裏面であってその画像が形成されていたのと同じ位置に印刷し、前記決定された透かし見防止パターンの形成位置の情報に基づいて、前記決定された透かし見防止パターンを、第2の用紙に印字する画像印字部とを備えたことを特徴とする画像形成装置を提供するものである。
【0010】
これによれば、原稿の有効な情報が存在する領域と対応する用紙の位置にのみ、透かし見防止パターンを印字するので、記録用紙の種類を問わず、一般に市販されている用紙でも十分な秘匿性を有し、透かし見防止パターンを印字するのに使用するトナーの量を節約でき、消耗部品の劣化を抑えるとともに、給紙トラブルを減少させることができる。
【0011】
また、前記第1の用紙の裏面と前記第2の用紙の透かし見防止パターンの印字面とが対向するように、前記第1の用紙と前記第2の用紙とを綴じ合わせる綴じ処理部と、綴じ合わせられた用紙束を排紙する排紙部とをさらに備えたことを特徴とする。
これによれば、十分な秘匿性を有する用紙束を自動的に作成することができるので、文書を秘匿化する作業効率を向上できる。
【0012】
さらに、前記画像印字部は、前記パターン決定部で決定された透かし見防止パターンの鏡像パターンを生成し、この鏡像パターンを第2の用紙に印字することを特徴とする。
これによれば、情報の秘匿性をより高めることができる。
【0013】
また、前記透かし見防止パターンは、前記秘匿対象領域を含む大きさで形成することを特徴とする。これによれば、秘匿性がより確実なものとなる。
【0014】
さらに、表紙と前記第1の用紙と前記第2の用紙とをこの順に重ねて、前記第1の用紙の画像印刷面と前記第2の用紙の透かし見防止パターンの印字面とが対向するように、綴じ合わせる綴じ処理部と、綴じ合わせられた用紙束を排紙する排紙部とを備えたことを特徴とする。
これによれば、第1の用紙に印刷された秘匿したい情報の秘匿性をさらに高めることができ、十分な秘匿性を有する用紙束を自動的に作成することができる。
【0015】
また、前記秘匿対象領域が文字領域であるとき、前記透かし見防止パターンは市松模様状のパターンであることを特徴とする。
【0016】
これによれば、透かし見防止パターンの印字に用いるトナーの消費量を、より節約できる。
【0017】
また、この発明は、原稿に形成されている画像を読み取る画像読取ステップと、前記読み取った画像の有効な情報が存在する領域を領域分離して、領域分離された各領域のうち秘匿対象領域とすべき領域を選択する選択ステップと、前記選択された領域に対する透かし見防止パターンの形状と、その透かし見防止パターンの形成位置を決定するパターン決定ステップと、前記読み取った画像を第1の用紙の裏面であって、その画像が形成されていたのと同じ位置に印刷し、前記決定された透かし見防止パターンの形成位置の情報に基づいて、前記決定された透かし見防止パターンを、第2の用紙に印字する画像印字ステップとを備えたことを特徴とする画像形成方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、複写機による複写を行う際に、原稿画像を印刷する用紙(第1の用紙)とは別の用紙(第2の用紙)であって決定された特定の位置に、透かし見防止パターンの印字を行うので、トナー誘電量を節約でき、透かし見防止用に特殊に加工された用紙を使用する必要がない。
また、透かし見防止パターンを、原稿の有効な情報が存在する領域と対応する用紙の位置部分にのみ印字させるので、2枚の用紙を重ねて綴じ合わせることにより十分な秘匿性を確保することができる。
【0019】
また、有効な情報が存在する領域が原稿全体にあることはまれであり、そのため透かし見防止パターンは、用紙の一部分にのみ印字させることになるので、トナー消費を節約することができ、感光体ドラムなどの消耗部品の劣化を軽減することと、維持コストの節減ができる。
【0020】
さらに、第2の用紙の所定の領域にのみ透かし見防止パターンを印字し、表紙を第1の用紙の表面の上に重ねて、第1の用紙の原稿が印刷された面(裏面)と、透かし見防止パターンが印字された第2の用紙の表面とが対向するように3枚の用紙を綴じ合わせるので、より秘匿性にすぐれた用紙束を作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を使用して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の実施例の記載によって、この発明が限定されるものではない。
<画像形成装置の構成>
図1に、本発明の実施の一形態である画像形成装置の構成ブロック図を示す。
図1に示す画像形成装置は、たとえばコンピュータに接続されコンピュータから入力される画像データに基づいて画像形成するプリンタに相当する部分(3,4)と、原稿に形成されている画像データを読み取る複写機(スキャナ)に相当する部分(1,2)の機能を兼ね備える複合機である。
【0022】
画像形成装置は、主として、原稿に形成されている画像データを読み取る画像データ読取部1と、画像データ読取部1で読み取った画像データに画像処理を加えた後、画像記憶部23に記憶する画像処理部2と、画像記憶部23から画像データを読み取って記録用紙に画像を形成する画像印字部3と、画像処理のための情報を入力するユーザーインターフェース(入力部)5と、ステープラー6とを含んで構成される。
ステープラー6は、従来のコピー機などにも付属している装置であり、印刷した複数の用紙を一まとめにして綴じるものである。
ステープラー6は、綴じ処理部に相当し、後述するステープル処理(綴じ処理)をするものである。
【0023】
画像データ読取部1は、たとえば画像が予め形成されている原稿が載置される原稿載置部と、原稿載置部に載置される原稿の画像を光走査して画像データを読取る光走査部とを含むスキャナを用いることができる。画像データ読取部1によって読み取った原稿の画像データは、画像処理部2の画像解析部21へ転送され、後述するような領域分離処理が行われる。また、後述する理由により、原稿画像データは、画像処理部2の画像記憶部23にも記憶することが好ましい。
ここで原稿に形成されている画像データには、図形,グラフ,写真などのいわゆる画像情報のみならず、アルファベット,数字,漢字などの文字情報,記号情報も含まれる。
すなわち、読み取り後は、文字も画像データの1つとして扱われる。
【0024】
画像処理部2は、主として、画像解析部21と、マスク画像生成部22と、画像記憶部23とから構成される。
画像処理部2は、読み取った画像データの有効な情報が存在する領域を領域分離して、領域分離された各領域ごとに透かし見パターンの形状と、その透かし見防止パターンの形成位置を決定する部分である。
ここで、有効な情報が存在する領域とは、文字,記号,図形,グラフ,写真などが存在する領域をいい、視覚的に認識できる情報が印刷されている領域をいう。また、有効な情報が存在する領域のうち、主として多数の文字列が記載されている領域を文字領域と呼び、図形や写真などが印刷されている領域を画像領域と呼ぶ。
また、主として記録用紙の色と同じ色で残されている原稿部分、言いかえれば文字および画像などの有効な情報が存在しない部分を、背景領域と呼ぶ。文字領域や画像領域が秘匿対象領域の候補となる部分であり、背景領域は秘匿対象外の領域とする。
【0025】
画像解析部21は、画像データ読取部1で読み取った画像データに対し領域分離処理を行い、画像データの情報種別(たとえば、文字領域,画像領域)を一画素毎に示す解析データを生成する部分である。
情報種別とは、領域分離処理によって分離された領域に主として含まれる情報の種類をいい、後述するように数値で表される。たとえば、主として文字情報が存在する文字領域は、情報種別が「1」である。
解析データは、有効な情報が存在する領域の情報種別が何であるかを識別することが可能な画素ごとのデータであり、少なくとも文字が存在する領域と、画像が存在する領域と、背景領域とを区別した情報種別を示す数値(情報種別値)で表される。たとえば、文字領域に属する各画素の解析データは、「1」で表される。
【0026】
マスク画像生成部22は画像解析部21で生成された解析データに基づいて透かし見防止パターンの形状の選択およびパターンの配置位置を決定し透かし見防止パターンを生成する部分である。
ここで、透かし見防止パターンの形状は、情報種別に予め対応づけられた透かし見防止パターン生成用基本パターン(以下、基本パターンとも呼ぶ)の集合として決定される。
この基本パターンは、情報種別の数値ごとに予め定義されたものであり、生成された解析データは、その解析データの数値(情報種別)に対応づけられた基本パターンに変換される。
また、生成された解析データのうち、文字領域や画像領域など、特定の情報種別を示す解析データが存在する領域を、透かし見防止パターンの形成領域に決定する。言いかえれば、原則として、文字領域などの有効な情報が存在する領域部分に、透かし見防止パターンが形成されることになる。ただし、後述するように有効な情報が存在する領域であっても秘匿対象外とされた領域には透かし見防止パターンは形成されない。
ここで、背景領域を示す情報種別値と異なる数値を持つ解析データが存在する領域を、透かし見防止パターンを形成すべき秘匿対象領域と呼ぶ。
画像印字部は、この秘匿対象領域に、透かし見防止パターンを印字する。
【0027】
画像記憶部23は、マスク画像生成部22で生成された透かし見防止パターンおよび画像読取部1で読み取られた原稿の画像データを記憶する部分である。
【0028】
画像解析部21は、たとえば画像データの画素毎に、注目する画素とそれに隣接する複数の画素との濃度情報の相関関係から、注目する画素が文字領域に含まれる画素であるか、画像領域に含まれる画素であるか、またはその他の領域に含まれる画素であるかを判定し、一画素毎にいずれの領域に含まれるかを示す数値化された情報を、解析データとして生成する。この結果、原稿は、いくつかの秘匿領域に分離される。
【0029】
マスク画像生成部22は、主として、テーブル221,セレクタ222,セレクト信号生成部223とから構成される。
ここで、テーブル221は、透かし見防止パターンの最小構成単位データである基本パターンを記憶した部分である。セレクタ222は、画像解析部21で生成された解析データの情報を基に、テーブルの基本パターンを参照して透かし見防止パターンの形状を選択する部分である。
【0030】
後述するユーザーインターフェース5からどの分離領域を秘匿対象領域とすべきかを示す選択情報が入力されるが、この選択情報を参照して、秘匿を必要とする領域のみに透かし見防止パターンを割り当てるためのセレクト信号を生成する部分が、セレクト信号生成部223である。このセレクト信号は、セレクタ222に与えられ、透かし見防止パターンを配置すべき位置と選択すべき基本パターンが決定される。セレクト信号は、原則解析データと同一であるが、秘匿対象領域としない領域に含まれる解析データは予め定められた他のデータに変換されて、セレクタ222に与えられる。
セレクタ222は、セレクト信号に基づいて、記録用紙の情報印字面と反対側の裏面に印字するための透かし見防止パターンを生成する。これにより、透かし見防止パターンの形状と位置が決定される。
【0031】
また、マスク画像生成部のセレクト信号生成部は、セレクト信号を生成する前に、解析データの間引き処理をしてもよい。特に、1画素分の解析データに対応する基本パターンの形状が2以上の数画素分のサイズに相当する大きさで定義されている場合、もとの原稿と同じ大きさとなるように基本パターンを選択する必要があるからである。
この場合、解析データを基本パターンに変換する際に、予め定められた基本パターンの画素サイズを考慮していくつかの解析データを間引く処理をする。そして間引き後の解析データがセレクタに与えられ、この間引き後の解析データについてのみ、透かし見防止パターン生成用基本パターンに変換される。これにより、もとの原稿の有効な情報が存在する領域の大きさに対応した大きさを持つ透かし見防止パターンの形状が決定されることになる。
【0032】
画像記憶部23は、主として、メモリ232およびそれを制御するメモリ制御部231とから構成される。メモリ232は画像データを記憶する不揮発性の記憶素子を用いることができ、たとえばランダムアクセスメモリ(RAM)やフラッシュメモリを用いることができる。メモリ制御部231によって制御されるメモリ232には、マスク画像生成部22によって生成された透かし見防止パターンおよび画像データ読取部1で読み取られた画像データが記憶される。
【0033】
ここで、画像記憶部23は、主として画像データ読取部1の読み取り速度と、画像印字部3の印字速度との速度差を吸収するためのバッファとして、利用されるものである。両速度に速度差が無いかあるいは読み取り速度のほうが確実に速い場合には、画像データ読取部1で読み取られた画像データを画像記憶部23に記憶する必要はないが、印字速度の方が早く、印字が原稿の読み取りを追い越してしまうような場合もあるので、画像記憶部23に画像データ読取部1で読み取られた画像データを記憶することが好ましい。
【0034】
画像印字部3は、主として、画像記憶部23から印字するための画像データを読み出すメモリ読出制御部31と、レーザ書込制御部32から構成される。
レーザ書込制御部32は、メモリ読出制御部31から読み出された画像データを、LSU4に適切なタイミングで転送するとともに、図示しない感光体ドラムの帯電制御、露光手段による静電潜像の書込制御、静電潜像の現像に係る制御等、感光体ドラム上に画像形成するための動作制御を実行する部分である。
また、画像印字部3は、画像記憶部から、秘匿対象領域に印字するための透かし見防止パターンを読み出す場合、マスク画像生成部で決定された透かし見防止パターンの鏡像パターンを生成しながら読み出す。そして、この鏡像パターンを利用して記録用紙の裏面に、透かし見防止パターンが印字される。
【0035】
LSU4は、レーザ書込制御部32の動作指令に基づいて、感光体ドラム上に形成された画像の記録紙への転写、記録紙へ転写された画像の定着などの動作制御を実行する部分である。
【0036】
ユーザーインターフェース5は、画像形成装置の操作者が動作指令または動作条件などを入力する入力部に相当し、たとえばキーボードと各動作指令を入力することができるように設定された入力ボタン51、たとえば液晶ディスプレイなどで構成されたタッチパネル式表示装置52などを備える。
特に、ユーザーインターフェース5は、有効な情報が存在する領域のうち秘匿対象領域とすべき領域を選択するための選択情報を入力するのに利用される。
ここで、選択情報は、マスク画像生成部に与えられる情報であり、情報種別を示す数値と対応する値として与えられる。マスク画像生成部は、秘匿対象領域を判定するのに、この選択情報を用いる。すなわち、与えられた選択情報と一致する情報種別を持つ解析データが存在する領域を、秘匿対象領域と判定する。
【0037】
<この発明の透かし見防止パターンの形成処理の概要>
図3に、この発明の透かし見防止パターンの形成処理についての概要説明図を示す。
まず、図3の原稿画像101が、画像データ読取部1で読取られ、画像解析部21へ与えられる。画像解析部21では、前記したように、画素ごとの濃度情報から原稿のどの部分に有効な情報があるかを解析し、画素ごとに文字領域や画像領域を認識し領域を分割する。この領域分割処理により、解析データ102が生成される。生成された解析データ102は、マスク画像生成部22に与えられる。
【0038】
マスク画像生成部22では、有効な情報の存在する領域として認識された領域(文字領域,画像領域)に対応する位置に、透かし見防止パターン102を生成する。透かし見防止パターン103は、テーブル221に記憶された基本パターンを参照しながら、解析データの数値に対応する基本パターンをその数値の位置に配置することにより生成される。
しかし、透かし見防止パターンは、実際には、原稿画像の情報が印字された表面とは反対側の裏面に印字されるものであるので、透かし見防止パターン103を鏡像化したパターン104を生成する。この鏡像パターン104が、用紙の裏面に印字される実際のパターンとなる。
たとえば、画像領域に生成された透かし見防止パターン103の鏡像パターン104が、原稿画像101の画像データが印字された領域の裏面に印字されることになる。
【0039】
以上のように、有効な情報が存在する領域に対応した位置に、透かし見防止パターンの鏡像パターンが印字されるので、十分な秘匿性が確保できる。
また、一般に有効な情報が存在する領域が原稿の全面にわたって存在することは少なく、いくらかは背景領域が存在する。したがって、背景領域には透かし見防止パターンを印字しないようにすることで、透かし見防止パターンを印字するために使用するトナー量を減らすことができ、消耗部品の劣化を抑え、給紙トラブルも少なくすることができる。
【0040】
<解析データの説明>
ここで、画像解析部21で生成される解析データについて説明する。
解析データは、図3の102に示すように、原稿画像101のうち、文字や画像の情報が存在する領域とその領域の情報の種別を示す数値化されたデータであり、原稿画像の一画素毎に対応する数値情報として保持されるデータである。
図4に、解析データの具体例を示す。
解析データは、たとえば図4の102aのような数値情報であり、ここでは、文字や画像のない部分である背景を0、文字(A〜L)の存在する領域を1で示している。この他に、画像の存在する領域であれば2の値を付与し、その他の領域たとえば文字とも画像とも判別の付かなかった領域には3の値を付与するものとする。
【0041】
<テーブルの基本パターンの説明>
図5に、テーブル221に記憶される透かし見防止パターンの基本パターンの一実施例を示す。
図5では、4つの解析データ(0,1,2,3)に対応させて定義した4つの基本パターンのパターン形状105を示している。
たとえば、解析データ0(背景)に対しては、全面が白パターンであり、この位置には、透かし見防止パターンは印字されないことを意味する。また、解析データ1(文字)に対しては、左上と右下の基本的な長方形形状の部分を黒色のパターンとしたパターンを用いる。また、解析データ2(画像)に対しては、図のような3つの領域を黒色パターンとしたパターンを用いる。さらに、解析データ3(その他)に対しては、全面が黒のぬりつぶしパターンを用いる。
このような4つの基本パターンを参照しながら、一画素ごとに解析データに対応した基本パターンを選択し、透かし見防止パターンを配置する位置と、透かし見防止パターンの形状とを決定する。
【0042】
以上のように、解析データの情報種別値ごとに異なる基本パターンを用いることにより、有効な情報が存在する領域ごとに適切な透かし見防止パターンを形成することができ、情報種別に対応した効果的な秘匿が可能となる。たとえば、情報量の少ない文字部分は、比較的黒色の少ないパターンでも隠すことが可能であり、情報量の多い画像部分は、比較的黒色の多いパターンを用いることにより、見えなくすることが可能となる。
【0043】
<透かし見防止パターンの生成と間引き処理の説明>
次に、透かし見防止パターンの生成と間引き処理について説明する。
マスク画像生成部22のセレクタ222は、画像解析部21で生成された解析データ(セレクタ信号)の示す数値(背景領域0、文字領域1、画像領域2,その他領域3)に応じて、テーブル221に記憶されている対応する透かし見防止パターンの基本パターンを選択する。これにより解析データが、基本パターンに変換される。
【0044】
図6に、解析データからテーブルの基本パターンを選択する処理の一実施例を示す。
ここでは、左側の図の多数の解析データ102bのうち、点線領域の中の6つの解析データのみに注目する。また、後述する間引き処理は考慮しないものとする。点線領域の中には、0と1の解析データが存在するものとする。
テーブル221には、解析データ0に対応する基本パターンAと、解析データ1に対応する基本パターンBとが含まれているので、点線領域内の解析データ0に対しては、対応する基本パターンAを選択し、解析データ0の位置にこの基本パターンAを配置する。
また、点線領域内の解析データ1に対しては、対応する基本パターンBを選択し、解析データ1の位置に、基本パターンBを配置する。これにより、図6の点線領域内の6つの解析データ102bは、右側に示すような6つの基本パターンからなる透かし見防止パターン103bとなる。
【0045】
ところで、基本パターン105の形状は、複数の画素で構成されているが、たとえば横4画素×縦4画素で構成された矩形画像データであるとすると、基本パターンに変換した後のデータサイズが増加してしまう。たとえば、画像解析部21で生成された解析データの一画素分を単純に4画素×4画素の基本パターン形状105で置き換えた場合、縦横ごとにそれぞれ4倍され全体として16倍に拡大されたサイズの画像データとなってしまう。これでは意図した位置に透かし見防止パターンを印字できない。そこで一部のデータを削除する間引き処理をする。
たとえば、画像解析部21で生成された解析データ102Cを、セレクト信号生成部223により、図8に示すごとく横に4画素おき、縦に4ラインおきに間引く処理をする。これによりセレクタ222に与える解析データ(セレクタ信号)が必要数だけ間引かれるので、原稿サイズと同じサイズの透かし見防止パターンを、もとの原稿の文字領域等と対応した位置に生成することができる。
【0046】
図7に、この発明の間引き処理の一実施例の概略説明図を示す。
図7(a)では、横方向の解析データについての間引き処理を示している。
ここで、横方向の1ラインのみに注目し、8つの画素に相当する8つの「1」の解析データが並んでいたとする。この場合、左側から1番目と5番目の解析データのみ残し、他の6つの解析データは削除する。これにより、8つの解析データは、2つの「1」の解析データに間引かれる。
その後、間引き後の2つの「1」の解析データに対して、基本パターンの選択処理をする。この場合、1つの「1」の解析データごとに、対応する基本パターン(4画素×4画素)に変換され、もとの8つの解析データの部分は、図に示すような2つの基本パターンを横方向に並べた透かし見防止パターンに変換される。これにより、横方向に並んだ8画素分の解析データに対応して、横方向に同一サイズの8画素分の透かし見防止パターンが形成される。
【0047】
図7(b)は、縦方向の解析データについての間引き処理を示している。ここで、縦方向の1ラインのみに注目し、8つの画素に相当する8つの「1」の解析データが並んでいたとする。ここでも、図7(a)と同様の考え方で間引き処理をする。
すなわち、上側から1番目と5番目の解析データのみ残し、他の6つの解析データは削除する。
この後、間引き後の2つの「1」の解析データに対して、基本パターンの選択処理をする。これにより、図示したように縦方向に並んだ2つの基本パターン(4画素×4画素)からなる透かし見防止パターンが形成される。この場合も、縦方向について、8画素分の解析データと同じサイズの8画素分の透かし見防止パターンが形成される。
【0048】
<秘匿対象領域の判定>
領域分離処理により、原稿の中に印字された有効な情報の存在する領域(文字領域,画像領域など)が認識され、生成された解析データの数値により、これらの領域が区別される。
このように認識された領域すべてに秘密情報が記載されている場合は、認識された領域すべてを秘匿対象として、それらの領域の位置に透かし見防止パターンを形成すればよい。
しかし、情報の存在する領域すべてに秘密情報が記載されているとは限らず、たとえば広告文や原稿用紙のデザイン模様など第三者に知られても全く問題のない情報が存在する領域もあり、そのような領域は秘匿対象としなくてもよい場合がある。
このように明らかに秘匿対象とする必要のない領域に対応する裏面の位置には、透かし見防止パターンを生成する必要はないと考えられる。
すなわち、秘匿対象外の領域については、透かし見防止パターンを生成しないようにすることにより、消費するトナーの節約や消耗部品の劣化を抑えることができ、裏面に印刷するパターンが減ることにより給紙トラブルも最小限に抑えることができる。
【0049】
そこで、セレクト信号生成部223が、生成された解析データによって区別された情報存在領域(分離領域)に対して、秘匿対象領域とするか、しないかを判定する。秘匿対象領域の判定は、ユーザーインターフェース5から与えられる選択情報を用いて行う。
選択情報は、前記したように、どの分離領域を秘匿対象領域とすべきかを示す情報であり、この選択情報の設定は、利用者が自らの意思でユーザーインターフェース5を用いて行う。たとえば、利用者が、秘匿対象領域としたい領域の数値(1,2あるいは3)を入力すると、この数値が選択情報に設定される。
この選択情報は、秘匿対象領域とすべき解析データの数値として、ユーザーインターフェース5からセレクト信号生成部223へ与えられる。セレクト信号生成部223は、与えられた選択情報と同じ数値を持つ解析データを、そのままセレクト信号として、セレクタ222へ与える。
【0050】
一方、選択情報と異なる数値を持つ解析データは、秘匿対象外の領域に対応するデータであるので、背景領域を示すものと同じ値0に置換してセレクタ222へ与えられる。背景領域と同じ値0を持つ解析データの位置は、画像印字部3の印字処理のときに、透かし見防止パターンを印字しない位置として扱われる。これにより、有効な情報の存在する領域であっても、ユーザーインターフェース5から与えられる選択情報により、秘匿対象領域と秘匿対象外領域とに分けられる。
秘匿対象外領域に対応する裏面には、透かし見防止パターンは印字されないので、トナーの節約,消耗部品の劣化防止,および給紙トラブルの低減をすることができる。
【0051】
<鏡像パターンの生成処理>
マスク画像生成部22で生成された、たとえば、図3に示すような透かし見防止パターン103をそのまま記録用紙の裏面に印字した場合、表面の情報の存在する位置と、横方向に正反対の位置に透かし見防止パターンが印字されてしまう。したがって、表面の情報の存在する位置と対応する裏面に透かし見防止パターンを印字するためには、図3の鏡像パターン104を生成しなければならない。
そこで、画像印字部3のメモリ読出制御部31が、鏡像パターンを生成する鏡像処理を行いながら、透かし見防止パターンをメモリ232から読み出すようにする。
鏡像処理は、後述するように、たとえば、透かし見防止パターンを、横方向の後端から読み出すようにすればよい。これにより鏡像パターン104が生成される。
このような鏡像パターン104を生成すれば、表面の情報の存在する位置と、透かし見防止パターンを印字する位置とを整合させることができる。
【0052】
このように生成された透かし見防止パターンの鏡像パターン104を、原稿画像を複写する記録用紙の裏面に、LSU4により印字することにより、封筒などに入れられた文書の情報を光に透かして見るなどの脅威からの防御を実現できる。
【0053】
<透かし見防止パターンの印字処理の一実施例>
ここでは、透かし見防止パターンを印字する処理フローについて説明する。
図2に、この発明の印字処理の一実施例の概略フローチャートを示す。
まず、ステップs1において、画像データ読取部1によって、すでに情報の記録された原稿101から画像データの読み取りを行う。これにより、濃度情報を持つ数値化された原稿画像データが生成され、画像解析部21に与えられるとともに、画像記憶部23のメモリ232に記憶される。
【0054】
次にステップs2において、画像解析部21が、ステップs1で生成された原稿画像データに対し、領域分離処理を行う。領域分離処理は、前記したように隣接画素の濃度情報を用いて行えばよいが、たとえば特開平10−84482号公報に記載された分離処理を利用してもよい。この領域分離処理により、ステップs1で生成された原稿画像データの一画素に一対一対応する解析データ102が生成される。
【0055】
解析データは、たとえば次のように生成される。
領域分離処理により、ある画素が情報の存在しない背景部分の画素であると判断された場合は、その画素に対して、数値の0を割り当てる。また、文字情報と判断された画素には数値の1を、写真や図形などの画像情報と判断された画素には数値の2を、ノイズや罫線などその他の情報であると判断された画素には数値の3を割り当てる。この場合、数値化された解析データは、4つの情報種別を示すデータであるので、一画素あたり2ビットの情報として記憶すればよい。
【0056】
次にステップs3において、セレクト信号生成部223が、ステップs2で生成された解析データに対して、間引き処理を行う。間引く方法としては、たとえば横方向に対して4画素おき、縦方向に対して4ラインおきに、解析データを取得し、その他のデータを破棄する単純間引き法を用いることができる。この間引き処理により、解析データは16分の1のデータ量となる。
【0057】
次にステップs4において、ステップs3で間引かれて生成された解析データの示す値(1,2,3のいずれか)が、画像形成装置の操作者の所望する秘匿対象の値に一致するかの判定を行う。すなわち秘匿対象領域の判定処理を行う。この処理も、セレクト信号生成部223が行う。
画像形成装置の操作者の所望する秘匿対象の値とは、前記した選択情報に相当し、文字情報であれば数値の1、画像情報であれば数値の2、その他の情報であれば数値の3として、予めユーザーインターフェース5により設定されている数値である。
【0058】
ステップs4では、解析データの数値と、ユーザーインターフェース5によって設定された数値との比較を行う。そして両者が一致すれば解析データの値をそのまま出力し、一致しなければ背景を表す数値0に置換して出力する。
ここで、秘匿対象領域(数値:2)を画像領域のみと入力すると、画像領域以外の数値(0,1,3)を0に置換する。
出力される数値(数値:2)が、前記したセレクト信号に相当する。この処理により、操作者が意図した秘匿対象領域が抽出され、透かし見防止パターンを印字すべき領域が特定される。
出力されるセレクト信号は、セレクタ222に与えられる。
【0059】
次にステップs5において、解析データを透かし見防止パターンへ変換する処理を行う。
ここでは、透かし見防止パターンの形状の最小構成単位データである基本パターンが記憶されたテーブル221から、ステップs4で出力された解析データの示す数値情報に対応する基本パターンの形状105を選択し、解析データをパターン形状105に変換する。
ただし、ステップs4で出力された解析データの示す数値が0の位置は、透かし見防止パターン不要とみなし、テーブルからの選択は行わず、背景と同色のパターンデータ(原稿画像データ)を出力する。したがって、セレクタ222に与えられる解析データ(セレクト信号)の数値が1,2および3となっている位置のみ、対応するパターン形状105に変換する。透かし見防止パターンの形状の最小構成単位データである基本パターン105は、たとえば、図5に示したような横4画素、縦4画素のサイズで、白と黒の混在した画素、あるいは黒のみの画素で構成される濃度値を持つ画像データである。
【0060】
次にステップs6において、ステップs5で選択され出力された透かし見防止パターンの形状データを、メモリ232に書き込む。
【0061】
次にステップs7において、情報が記録された原稿の表面への印字が完了したか否かチェックする。その印字が完了していない場合は、ステップs7のチェックを繰り返す。表面の印字が完了した後、ステップS8へ進み、反対側の裏面への透かし見防止パターンの印字を開始する。
【0062】
次にステップs8において、ステップs6でメモリに記録された透かし見防止パターンの形状データを、鏡像処理を行いながら読み出す。鏡像処理は、一般的に行われる各ラインの後端から逆順で読み出す方法で行えばよい。この鏡像処理により、ステップs6でメモリに記録された透かし見防止パターンの形状データが、図3のパターン104のように、横方向に左右反転された鏡像化パターンとなる。
【0063】
なお、前記秘匿対象領域が文字領域であるとき、前記透かし見防止パターンは市松模様状のパターンとしてもよい。
これによれば、トナーの消費量を少なくすることができる。
【0064】
次にステップs9において、1枚目の用紙200の裏面に原稿から読み取ったデータをすべて印刷し、2枚目の用紙201に読み出された透かし見防止パターンの鏡像化パターン104を用いて、透かし見防止パターンの印字を実行する(図9参照)。
尚、透かし見防止パターンは、選択された秘匿対象領域に対して大きめに形成する。そうすることで、1枚目に印刷されたデータを十分に覆うことができる。
【0065】
次にステップs10において、ステープル処理(綴じ処理)が指示されていると、図9に示すように、1枚目の用紙200と2枚目の用紙201とをステープラー6によってステープル処理(ステップS11)した後に、ステープル処理された用紙束202を排紙する。
ここで、1枚目の用紙200は、原稿から読み取ったデータがもとの原稿と同じ位置に印刷されているものであるが、この1枚目の用紙200の原稿データが印刷されている側の面(裏面)と、2枚目の用紙201の透かし見防止パターンが印字されている面とが対向するように、1枚目の用紙200と2枚目の用紙201とを綴じ合わせる(図9参照)。
【0066】
他の方法として、表紙を加えて、表紙と1枚目の用紙200と2枚目の用紙201とをステープル処理した後に、ステープル処理された用紙束を排紙するものであってもよい。
この場合、表紙は、1枚目の用紙200の原稿の画像印刷面とは異なる表面側に配置し、第1の用紙の画像印刷面(裏面)と、第2の用紙の透かし見防止パターンの印字面とが対向する用にして、3つの用紙を重ね合わせてステープルで綴じ合わせる。
【0067】
以上の処理を実行することにより、秘匿化が必要な位置に透かし見防止パターンが印字されるので、十分な秘匿性が確保でき、トナー量の節約,給紙トラブルの減少を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】この発明の画像形成装置の一実施例の構成ブロック図である。
【図2】この発明の透かし見防止パターンの印字処理の一実施例の概略フローチャートである。
【図3】この発明の透かし見防止パターンの形成処理の概要説明図である。
【図4】この発明の解析データの構造の一実施例の説明図である。
【図5】この発明のテーブルに記憶される基本パターンの一実施例の説明図である。
【図6】この発明の解析データおよび基本パターンから、透かし見防止パターンを形成する処理の一実施例の説明図である。
【図7】この発明の解析データの間引き処理の一実施例の説明図である。
【図8】解析データから透かし見防止パターンを決定する過程の一実施例の説明図である。
【図9】この発明の用紙の綴じ処理の一実施例の説明図である。
【符号の説明】
【0069】
1 画像データ読取部
2 画像処理部
3 画像印字部
4 LSU
5 ユーザーインターフェース
6 ステープラー
21 画像解析部
22 マスク画像生成部
23 画像記憶部
31 メモリ読出制御部
32 レーザ書込制御部
51 入力ボタン
52 タッチパネル式表示装置
221 テーブル
222 セレクタ
223 セレクト信号生成部
231 メモリ制御部
232 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿に形成されている画像を読み取る画像読取部と、
前記読み取った画像の有効な情報が存在する領域を領域分離して、
領域分離された各領域のうち秘匿対象領域とすべき領域を選択する選択部と、
前記選択された領域に対する透かし見防止パターンの形状と、その透かし見防止パターンの形成位置を決定するパターン決定部と、
前記読み取った画像を、第1の用紙の裏面であってその画像が形成されていたのと同じ位置に印刷し、
前記決定された透かし見防止パターンの形成位置の情報に基づいて、前記決定された透かし見防止パターンを、第2の用紙に印字する画像印字部とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1の用紙の裏面と前記第2の用紙の透かし見防止パターンの印字面とが対向するように、前記第1の用紙と前記第2の用紙とを綴じ合わせる綴じ処理部と、
綴じ合わせられた用紙束を排紙する排紙部とを、さらに備えたことを特徴とする請求項1の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像印字部は、前記パターン決定部で決定された透かし見防止パターンの鏡像パターンを生成し、この鏡像パターンを第2の用紙に印字することを特徴とする請求項1の画像形成装置。
【請求項4】
前記透かし見防止パターンは、前記秘匿対象領域を含む大きさで形成することを特徴とする請求項1の画像形成装置。
【請求項5】
表紙と前記第1の用紙と前記第2の用紙とをこの順に重ねて、前記第1の用紙の画像印刷面と前記第2の用紙の透かし見防止パターンの印字面とが対向するように、綴じ合わせる綴じ処理部と、
綴じ合わせられた用紙束を排紙する排紙部とを、さらに備えたことを特徴とする請求項1の画像形成装置。
【請求項6】
前記秘匿対象領域が文字領域であるとき、前記透かし見防止パターンは市松模様状のパターンであることを特徴とする請求項1の画像形成装置。
【請求項7】
原稿に形成されている画像を読み取る画像読取ステップと、
前記読み取った画像の有効な情報が存在する領域を領域分離して、
領域分離された各領域のうち秘匿対象領域とすべき領域を選択する選択ステップと、
前記選択された領域に対する透かし見防止パターンの形状と、その透かし見防止パターンの形成位置を決定するパターン決定ステップと、
前記読み取った画像を第1の用紙の裏面であって、その画像が形成されていたのと同じ位置に印刷し、前記決定された透かし見防止パターンの形成位置の情報に基づいて、前記決定された透かし見防止パターンを、第2の用紙に印字する画像印字ステップとを備えたことを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−182850(P2009−182850A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−21476(P2008−21476)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】