説明

画像形成装置

【課題】中間転写体のクリーニング不良を防止すると共に、クリーニング部材の耐久性の向上と高画質な画像を安定して形成する画像形成装置を提供する。
【解決手段】中間転写体クリーニング装置に備えられた中間転写体滑剤塗布装置から中間転写体へ塗布する滑剤の塗布量を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真プロセスにおいて中間転写体をクリーニングする中間転写体クリーニング装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在広く実用されている電子写真プロセスには、帯電、露光及び現像により感光体上にトナー像を形成し、形成したトナー像を記録材に転写して記録材上に画像を形成するものと、帯電、露光及び現像により感光体上にトナー像を形成し、形成したトナー像を中間転写体に転写し、中間転写体上のトナー像を記録材に転写して記録材上に画像を形成するものとがある。
【0003】
感光体と中間転写体等の像担持体は、繰り返し使用されて画像形成が連続して行われるため1枚の画像を形成する毎にクリーニングされる。このクリーニングには、ゴム製のクリーニングブレードやクリーニングブラシが多用されている。クリーニングブレードやクリーニングブラシは優れたクリーニング性能を有するが、像担持体の性質、環境の変化等に対応して良好なクリーニング性能を安定的に維持するための改良が行われている。
【0004】
特許文献1では、第1のクリーニングブラシと第2のクリーニングブラシと潤滑塗布手段を備え、クリーニング性能の高耐久化が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−57850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、トナー像の転写率を上げるために、像担持体上にステアリン酸亜鉛等の滑剤を塗布する技術が開発されている。像担持体上に滑剤を塗布することにより、トナーの像担持体に対する付着力が弱められて転写率がアップし、高濃度の画像が形成される。
【0007】
中間転写体を用いる電子写真プロセスにおいては、感光体から中間転写体にトナー像を転写する一次転写における転写率を上げるために、感光体の表面に滑剤が塗布されるが、塗布された滑剤は一次転写に伴って中間転写体に移動して中間転写体の表面に滑剤の層を形成する。
【0008】
しかしながら中間転写体に移動した滑剤の量は充分ではなく、その不足を補うために新たに滑剤塗布機構を設ける工夫がなされているが、感光体から中間転写体に移動した滑剤の量は、印刷モードや温湿度などの影響を受け一定ではなく、新たに補った滑剤の量との和も安定しない。
【0009】
中間転写体の滑剤の量が多過ぎると中間転写体をクリーニングブレードでクリーニングするクリーニング工程において、中間転写体上の滑剤により、クリーニングブレードのエッジが、移動する中間転写体に引きずられて変形を起こし、トナーがクリーニングブレードをすり抜けるすり抜けの現象が発生する。
【0010】
また、少な過ぎると中間転写体上のトナーの付着力を弱めることができず、充分なクリーニングができない問題が発生する。
【0011】
特許文献1では、クリーニング性能の高耐久化を実現するものであり、印刷モードや温湿度などの影響に対応して滑剤の塗布量を一定にするものではなく、滑剤が原因で発生するクリーニング不良の問題を解決することはできない。
【0012】
本発明は、滑剤が原因で発生するクリーニング不良を防止すると共に、クリーニング部材の耐久性の向上と高画質の画像を安定して形成する画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述の目的は、下記に記載する発明により達成される。
【0014】
1.像担持体と、該像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成装置と、静電潜像を現像して前記像担持体上にトナー像を形成する現像装置と、前記像担持体をクリーニングする像担持体クリーニング装置と、前記像担持体上に滑剤を塗布する像担持体滑剤塗布装置とを有するトナー像形成ユニットと、
中間転写体と、
前記像担持体上のトナー像を前記中間転写体に転写する一次転写装置と、
前記中間転写体上のトナー像を記録材に転写する二次転写装置と、
前記中間転写体をクリーニングする中間転写体クリーニング装置と、
前記中間転写体上に滑剤を塗布する中間転写体滑剤塗布装置と、を備え、
前記像担持体滑剤塗布装置で塗布した滑剤が前記中間転写体に転移する量を推定し、前記中間転写体滑剤塗布装置による滑剤塗布量の制御を行う制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【0015】
2.前記中間転写体滑剤塗布装置は、滑剤塗布ブラシを回転させて前記中間転写体上に滑剤を塗布し、
前記制御手段は、前記滑剤塗布ブラシの回転速度を変化させることにより、前記中間転写体滑剤塗布装置による滑剤塗布量を制御することを特徴とする前記1に記載の画像形成装置。
【0016】
3.前記中間転写体滑剤塗布装置は、押圧手段により固形滑剤が押圧された滑剤塗布ブラシを回転させて前記中間転写体上に滑剤を塗布し、
前記制御手段は、前記押圧手段による押圧力を変化させることにより、前記中間転写体滑剤塗布装置による滑剤塗布量を制御することを特徴とする前記1に記載の画像形成装置。
【0017】
4.前記現像装置が連続して動作する連続印刷モードと、
前記現像装置が間欠動作をする間欠印刷モードと、を有し、
前記制御手段は、前記連続印刷モードと前記間欠印刷モードを基に、前記像担持体滑剤塗布装置で塗布した滑剤が前記中間転写体に転移する量を推定することを特徴とする前記1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【0018】
5.前記制御手段は、前記像担持体の移動距離と前記現像装置の移動距離の差を基に、前記像担持体滑剤塗布装置で塗布した滑剤が前記中間転写体に転移する量を推定することを特徴とする前記1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【0019】
6.温湿度を測る温湿度センサと、
複数の前記トナー像形成ユニットと、を備え、
前記複数のトナー像形成ユニットで動作をするカラー印刷モードと一つの前記トナー像形成ユニットで動作をするモノクロ印刷モードとが切り換え可能であり、
前記制御手段は、前記温湿度センサで測った温湿度と前記カラー印刷モードと前記モノクロ印刷モードを基に、前記像担持体滑剤塗布装置で塗布した滑剤が前記中間転写体に転移する量を推定することを特徴とする前記1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【0020】
7.前記制御手段は、前記像担持体の移動距離を基に、前記像担持体滑剤塗布装置で塗布した滑剤が前記中間転写体に転移する量を推定することを特徴とする前記1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【0021】
8.前記像担持体を駆動する駆動モータを有し、
前記制御手段は、前記駆動モータの駆動トルク値を基に、前記像担持体滑剤塗布装置で塗布した滑剤が前記中間転写体に転移する量を推定することを特徴とする前記1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、中間転写体クリーニング装置に備えられた中間転写体滑剤塗布装置から中間転写体へ塗布する滑剤の塗布量を制御することにより、クリーニング不良を防止すると共に、クリーニング部材の耐久性の向上と高画質な画像を安定して形成する画像形成装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る画像形成装置の全体構成図である。
【図2】像担持体クリーニング装置5の断面図である。
【図3】中間転写体クリーニング装置の断面図である。
【図4】画像形成装置の電気的構成を示す回路ブロック図である。
【図5】連続印刷モードと間欠印刷モードによるブラシローラの回転速度制御の概念図を表す。
【図6】感光体ドラムの回転距離と現像装置の回転距離の差に対するブラシローラの回転速度制御の概念図を表す。
【図7】カラー印刷モードとモノクロ印刷モードおよび環境温湿度対するブラシローラの回転速度制御のテーブルと概念図を表す。
【図8】感光体ドラムの距離とブラシローラの回転速度制御の概念図を表す。
【図9】現像装置の感光体ドラム近傍の断面図である。
【図10】現像ローラからの規制ブレード距離と感光体ドラム距離との差によるブラシローラの回転速度制御の概念図を表す。
【図11】感光体ドラムの駆動トルク値とブラシローラの回転速度制御の概念図を表す。
【図12】中間転写体クリーニング装置に押圧力を変化させるカムを実装した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本発明は、スキャナなどの画像読み取り手段を備えないプリンタなどの画像形成装置であっても、スキャナなどの画像読み取り手段を備える複写機などの画像形成装置であっても、どちらでも適用することが可能である。
【0025】
(画像形成装置の機械的構成)
図1は、本発明に係る画像形成装置の全体構成図である。
【0026】
画像形成装置は、画像形成装置GHと画像読取装置YSとから構成される。
【0027】
画像形成装置GHは、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組のトナー像形成ユニット10Y、10M、10C、10K及びベルト状の中間転写体である中間転写ベルト6を有する画像形成部10と、給紙搬送装置20と、定着部30とからなる。
【0028】
画像形成部10は、給紙搬送装置20から搬送された記録紙P上にトナー像を形成して、トナー像の形成された記録紙Pを定着部30に搬送する。
【0029】
画像形成装置GHの上部には、自動原稿送り装置60と原稿読み取り部70とから成る画像読取装置YSが設置されている。
【0030】
自動原稿送り装置60の原稿台上に載置された原稿dは搬送手段により搬送され、原稿画像走査露光手段である原稿読み取り部70の光学系により原稿の片面又は両面の画像が走査露光され、ラインイメージセンサCCDに読み込まれる。
【0031】
ラインイメージセンサCCDにより光電変換されたアナログ信号は、読み取り処理部101において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等を行った後、露光手段(画像書き込み手段)3Y、3M、3C、3Kに入力される。
【0032】
イエロー(Y)色の画像を形成するトナー像形成ユニット10Yは、像担持体としての感光体ドラム1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像装置4Y及び像担持体クリーニング装置5Yを有する。マゼンタ(M)色の画像を形成するトナー像形成ユニット10Mは、像担持体としての感光体ドラム1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像装置4M及び像担持体クリーニング装置5Mを有する。シアン(C)色の画像を形成するトナー像形成ユニット10Cは、像担持体としての感光体ドラム1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像装置4C及び像担持体クリーニング装置5Cを有する。黒(K)色の画像を形成するトナー像形成ユニット10Kは、像担持体としての感光体ドラム1K、帯電手段2K、露光手段3K、現像装置4K及び像担持体クリーニング装置5Kを有する。帯電手段2Yと露光手段3Y、帯電手段2Mと露光手段3M、帯電手段2Cと露光手段3C及び帯電手段2Kと露光手段3Kとは、像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成装置を構成する。
【0033】
現像装置4Y、4M、4C、4Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒(K)の小粒径トナーとキャリアからなる二成分現像剤を内包する。
【0034】
トナー像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kより形成された各色の画像は、回動する中間転写ベルト6上に一次転写装置7Y、7M、7C、7Kにより逐次転写されて(一次転写)、合成されたカラー画像が形成される。
【0035】
給紙搬送装置20の給紙カセット21内に収容された記録紙Pは、給紙手段22により給紙され、給紙ローラ23、24、25、26、用紙の先端と画像の先端を合わせるため一度記録紙を止めてタイミングを合わせるレジストローラ27等を経て、二次転写装置として機能する二次転写ローラ9に搬送され、記録材である記録紙P上にカラー画像が転写される(二次転写)。
【0036】
カラー画像が転写された記録紙Pは、定着部30において記録紙Pが挟持され、熱と圧力とを加えることにより記録紙P上のカラートナー像(或いはトナー像)が定着されて記録紙P上に固定され、排紙ローラ28に挟持されて機外の排紙トレイ29上に載置される。
【0037】
一方、二次転写装置により記録紙Pにカラー画像を転写した後、記録紙Pを曲率分離した中間転写ベルト6は、中間転写体クリーニング装置8により残留トナーが除去される。
【0038】
定着処理された記録紙Pを反転排紙する場合には、記録紙Pは定着部30と排紙ローラ28の中間に配置された分岐板28Aの図示右側の搬送路を通過し、下方の第1搬送路Paに搬送された後、逆転搬送されて分岐板28Aの図示左側の第2搬送路Pbを通過し、排紙ローラ28により装置外に排出される。
【0039】
記録紙Pの両面に複写する場合には、記録紙Pの第1面に形成した画像を定着処理した後、記録紙Pを第1搬送路Pa、さらに分岐板28Bの下方の第4搬送路Pdに導入した後、逆転搬送し、分岐板28Bの図示右側の搬送路を通過させ、第3搬送路Pcに搬送した後、上方に迂回し給紙ローラ26により搬送する。記録紙Pはトナー像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kにおいて第2面に各色の画像が両面に形成され、定着部30により加熱定着処理され、排紙ローラ28によって装置外に排出される。
【0040】
符号の末尾にY、M、C、Kを付与してイエロー、マゼンタ、シアン、および黒それぞれのトナー像形成ユニットおよびそれらの構成部材を識別したが、ここからは特段の区分けが必要な場合を除いて、末尾の符号を省略する。
【0041】
図2は、像担持体クリーニング装置5の断面図である。
【0042】
クリーニングブレード5aは、板状の弾性体により形成され、感光体ドラム1の回転方向と逆方向(カウンター方式)に向いた状態で、エッジが感光体ドラム1に当接している。クリーニングブレード5aとしては、例えばウレタンゴムで支持板金51aに取り付けられている。
【0043】
クリーニングブレード5aよりも感光体ドラム1の回転方向の下流側で、かつ、感光体ドラム1の下方には、像担持体滑剤塗布装置5bを配置させている。像担持体滑剤塗布装置5bは、ブラシローラ52b、固形の滑剤53b、滑剤53bを保持する支持ガイド56b、当該支持ガイド56bの中でスライドする押上げ台54b、当該押上げ台54bを介して滑剤53bを所定の圧力でブラシローラ52bに当接させる圧力バネ55b等から構成されている。固形の滑剤53bの材料としては、例えば鉛筆硬度HB相当のステアリン酸亜鉛(ZnSt)を用いている。ブラシローラ52bを回転させることにより滑剤53bを掻き取ってブラシの先端に付着させ、ブラシを感光体ドラム1の表面に接触させることにより感光体ドラム1に、掻き取った滑剤53bの微粉を塗布する。
【0044】
像担持体滑剤塗布装置5bよりも更に下流側には、感光体ドラム1の表面に当接する均し部5dが設けられている。均し部5dは板状の弾性体により形成されたブレードであり、感光体ドラム1の回転方向と同方向(トレイル方式)に向いた状態で、エッジが感光体ドラム1に当接している。均し部5dを設けることにより像担持体滑剤塗布装置5bより塗布された滑剤を感光体ドラム1に押しつけて、塗りつける効果があり、感光体ドラム1の表面における滑剤の厚みのコントロールや、その表面への密着力を向上させることが可能となる。
【0045】
図3は、中間転写体クリーニング装置の断面図である。
【0046】
クリーニングブレード8aは、板状の弾性体により形成され、中間転写ベルト6の回転方向と逆方向(カウンター方式)に向いた状態で、エッジが中間転写ベルト6に当接している。クリーニングブレード8aとしては、例えばウレタンゴムで支持板金81aに取り付けられている。
【0047】
クリーニングブレード8aより中間転写ベルト6の回転方向の下流側で、かつ、中間転写ベルト6の下方には、中間転写体滑剤塗布装置8bを配置させている。中間転写体滑剤塗布装置8bは、ブラシローラ82b、固形の滑剤83b、滑剤83bを保持する支持ガイド86b、当該支持ガイド86bの中でスライドする押上げ台84b、当該押上げ台84bを介して滑剤83bを所定の圧力でブラシローラ82bに当接させる圧力バネ85b等から構成されている。固形の滑剤83bの材料としては、例えば鉛筆硬度HB相当のステアリン酸亜鉛(ZnSt)を用いている。ブラシローラ82bを回転させることにより滑剤83bを掻き取ってブラシの先端に付着させ、ブラシを中間転写ベルト6の表面に接触させることにより中間転写ベルト6に、掻き取った滑剤83bの微粉を塗布する。
【0048】
ブラシローラ82bは図示しないモータで回転駆動し、回転速度が変更可能となっており、回転速度に上げることで中間転写ベルト6に塗布する滑剤の微粉量が増加し、回転速度を下げることで微粉量が低下する。
【0049】
中間転写体滑剤塗布装置8bよりも更に下流側には、中間転写ベルト6の表面に当接する均し部8dが設けられている。均し部8dは板状の弾性体により形成されたブレードであり、中間転写ベルト6の回転方向と同方向(トレイル方式)に向いた状態で、エッジが中間転写ベルト6に当接している。均し部8dを設けることにより中間転写体滑剤塗布装置8bより塗布された滑剤を中間転写ベルト6に押しつけて、塗りつける効果があり、中間転写ベルト6の表面における滑剤の厚みのコントロールや、その表面への密着力を向上させることが可能となる。
【0050】
なお、画像形成装置GHの説明においては、カラー画像の形成に関し説明したが、モノクロ画像を形成する場合も本発明に含まれるものである。
【0051】
(画像形成装置の電気的構成)
図4は、画像形成装置の電気的構成を示す回路ブロック図である。自動原稿送り装置(ADF)60は、図示省略した駆動部の制御等を行うADF制御部68を有する。原稿読み取り部(スキャナ部)70は、ラインイメージセンサ76と、スキャナ制御部79とを備えている。スキャナ制御部79は、光源の点灯制御や露光走査部の移動制御などを行う。
【0052】
操作表示部90は、液晶ディスプレイ(LCD)からなる表示部91と、その画面上に敷設されたタッチスイッチおよびその他のスイッチから成る操作部92と、これらの動作を制御する操作制御部93とを有している。
【0053】
プリンタ部40は、レーザユニット(LU)42と、プリンタ制御部41とを備えている。プリンタ制御部41は、レーザユニット42の有するレーザダイオードのON/OFF制御やポリゴンミラーの回転制御を行う。またプリンタ制御部41は、帯電装置2、一次転写装置7、分離装置への電圧印加、現像装置4、像担持体クリーニング装置5、二次転写ローラ9、中間転写体クリーニング装置8、定着部30、給紙搬送装置20等の動作を統括制御する機能を備えている。プリンタ制御部41は制御手段として機能する。
【0054】
また、感光体ドラム1を回転する感光体ドラムモータ48Mと感光体ドラムモータ48Mを所定の回転速度で安定して回転するよう制御する感光体ドラム駆動部48、現像ローラ4aの回転と停止を行う現像ローラモータ49Mと回転制御をする現像ローラ駆動部49、ブラシローラ82bを回転させるブラシローラモータ46Mと回転速度を制御する滑剤塗布ブラシローラ駆動部および機内の温湿度を検知する温湿度センサ47などを備えている。
【0055】
ブラシローラモータ46Mは中間転写体クリーニング装置8に備えられたブラシローラ82bに回転駆動を与え、回転速度はプリンタ制御部41からの制御により変更可能であり、ブラシローラ82bの回転速度を早くすることで滑剤83bから掻き取る滑剤の微粉量が多くなり、中間転写ベルト6に多くの滑剤を塗布することが可能である。
【0056】
ADF制御部68、スキャナ制御部79、操作制御部53、プリンタ制御部41はそれぞれCPUおよびROM、RAMを主要部とする回路で構成されており、ROMに格納されたプログラムに従って各種の制御を実行するようになっている。
【0057】
全体制御部100は、画像形成装置GHの動作を統括制御する機能を果たす。全体制御部100は、読み取り処理部101と、DRAM制御IC102と、圧縮・伸張IC103と、画像メモリ104と、書き込み処理部105と、画像制御CPU110と、プログラムメモリ106と、システムメモリ107と、不揮発性メモリ108と、I/Oポート109とを備えている。
【0058】
読み取り処理部101は、原稿読み取り部(スキャナ部)70の出力する画像データに対して拡大処理、鏡像処理、誤差拡散による2値化処理などを施す機能を果たす。圧縮・伸張IC103は、2値化された画像データを圧縮したり、圧縮されたものを伸張したりする機能を果たす。画像メモリ104は、非圧縮の画像データをページ単位で記憶可能なページメモリとしての機能と圧縮された画像データを蓄積する圧縮メモリ104aとしての機能を果たす。
【0059】
書き込み処理部105は、画像メモリ104から読み出して伸張された画像データをプリンタ部40の動作に応じたタイミングで露光手段3Y、3M、3C、3Kからなるレーザユニット42へ送出する機能を果たす。DRAM制御IC102は、ダイナミックRAMからなる画像メモリ104へのリード・ライトおよびリフレッシュのタイミング制御や、画像データを圧縮して画像メモリ104に格納したり、画像メモリ104から圧縮データを読み出して伸張したりする際のタイミング制御等を行うものである。
【0060】
画像制御CPU110は、画像形成装置GHの動作全体を制御するCPUであり、画像データの流れを管理する機能や、ジョブの予約登録や実行を管理する機能を果たす。プログラムメモリ106は、画像制御CPU110が実行するプログラムを記憶したメモリであり、システムメモリ107は、プログラムの実行中に各種データを一時的に記憶するためのワークメモリである。画像制御CPU110は、システムメモリ107上のデータを参照しながら、プログラムメモリ106に格納されているプログラムに従って、プリンタ制御部41とシリアル通信を行いながら画像形成装置GHの全体を制御する。
【0061】
不揮発性メモリ108は、電源OFF後も記憶しておくべきユーザデータやシステムデータを記憶するメモリである。I/Oポート109には各給紙トレイにセットされた記録紙のサイズを検知する紙サイズ検知手段等の各種センサやLED素子などが接続される。
【0062】
画像形成の開始に先立ち、所定の設定モードにおいて、画像制御CPU110が表示部91に表示する給紙トレイの記録紙設定画面に従って、ユーザあるいはキーオペレータは、各給紙トレイに積載する記録紙の紙サイズおよび紙種等を操作表示部90から設定しておく。これらの条件は画像制御CPU110により不揮発性メモリ108に保存される。
【0063】
また、ユーザが操作表示部90からコピーモード(片面/両面)、給紙トレイ選択、倍率、濃度などのコピーの基本設定を行い、画像読取装置YSに原稿をセットしてスタート釦を押すことで、原稿の読み取りおよび印刷が開始される。
【0064】
なお、本発明の制御を行う制御手段は、プリンタ制御部41が機能するよう説明するが、全体制御部100およびプリンタ制御部41の両方の制御部で機能分担する、もしくは全体制御部100が機能することでも良い。また、プリンタ制御部41は全体制御部100と同様に図示しない制御CPU、プログラムメモリ、システムメモリおよび不揮発性メモリなどを備えている。
【0065】
ここからは、連続・間欠の印刷モード、感光体ドラムと現像装置の回転距離の差、カラー・モノクロの印刷モード、感光体ドラムの累積回転距離および感光体ドラムの駆動トルクに基づいて、中間転写体へ塗布する滑剤の量を制御し、中間転写体の上の滑剤量を適正化することで、中間転写体のクリーニング不良を防止する本発明にかかる制御について説明する。
【0066】
中間転写体の上の滑剤量の適正量は、感光体ドラムからの滑剤の転移量と中間転写体滑剤塗布装置からの滑剤の塗布量の合計で決まる。
【0067】
(第1の実施の形態)
図5は、連続印刷モードと間欠印刷モードによるブラシローラの回転速度制御の概念図を表す。
【0068】
連続印刷モードの場合、現像装置4は感光体ドラム1と共に連続して回転しており、ブラシローラ52bが滑剤53bから掻き取り、感光体ドラム1上に塗布した滑剤の一部が現像装置に移動するため、感光体ドラム1から中間転写ベルト6へ転移する滑剤の量が減少する。中間転写ベルト6上の滑剤の適量を確保するために、中間転写体クリーニング装置内のブラシローラ82bの回転速度を上げることで、ブラシローラ82bで掻き取られ中間転写ベルト6へ塗布する滑剤の量を増加させる。
【0069】
間欠印刷モードになった場合、現像装置4は回転および停止を繰り返す間欠動作をすることで、感光体ドラム1上の滑剤が現像装置4に移動する滑剤の量が減少し、感光体ドラム1から中間転写ベルト6へ転移する滑剤が多くなるため、中間転写体クリーニング装置内のブラシローラ82bの回転速度を下げることで、中間転写ベルト6上の滑剤の量を適正に保つことができる。
【0070】
これらはプリンタ制御部41が連続印刷モードと間欠印刷モードの判断と感光体ドラム1から中間転写ベルト6へ転移する滑剤の量を推定し、滑剤塗布ブラシローラ駆動部46を制御することでブラシローラモータ46Mの回転速度を変更することで行われる。
【0071】
(第2の実施の形態)
図6は、感光体ドラムの回転距離と現像装置の回転距離の差に対するブラシローラの回転速度制御の概念図を表す。
【0072】
過去最新の一定期間の感光体ドラム1の回転距離と現像装置4に設けられた現像ローラ4aの回転距離の差が小さい時は、像担持体滑剤塗布装置5bに備えられたブラシローラ52bが滑剤53bから掻き取り、感光体ドラム1上に塗布した滑剤の現像装置に移動する量が多いために、感光体ドラム1から中間転写ベルト6へ転移する滑剤の量が減少する。中間転写ベルト6上の滑剤の適量を確保するために、中間転写体クリーニング装置内のブラシローラ82bの回転速度を上げることで、ブラシローラ82bで掻き取り中間転写ベルト6へ塗布する滑剤の量を増加させる。
【0073】
同じように過去最新の一定期間の感光体ドラム1の回転距離と現像装置4に設けられた現像ローラ4aの回転距離の差が大きい時は、感光体ドラム1から中間転写ベルト6へ移行する滑剤の量が増加するために、中間転写体クリーニング装置内のブラシローラ82bの回転速度を下げることで、ブラシローラ82bで掻き取り中間転写ベルト6へ塗布する滑剤の量を減少させる。
【0074】
これらは、プリンタ制御部41が感光体ドラム駆動部48を経由して感光体ドラムモータ48Mを制御した距離と、現像ローラ駆動部49を経由して現像ローラモータ49Mを制御した距離とをプリンタ制御部41に備えられた図示しないシステムメモリに一次記憶する。例えば感光体ドラムの回転距離が10mを経過するごとに現像ローラの回転距離との差を算出し、プリンタ制御部41はその算出値から感光体ドラム1から中間転写ベルト6へ転移する滑剤の量を推定し、滑剤塗布ブラシローラ駆動部46に指令を出し、ブラシローラ82bの回転速度を制御することで行われる。
【0075】
(第3の実施の形態)
図7は、カラー印刷モードとモノクロ印刷モードおよび環境温湿度対するブラシローラの回転速度制御のテーブルと概念図を表す。
【0076】
図7aは機内の温湿度によるカラー印刷モード時のテーブル値とモノクロ印刷モード時のテーブル値である。
【0077】
カラー印刷モード時は、トナー像形成ユニット10Y、10M、10Cおよび10Kの夫々が機能しており、夫々のトナー像形成ユニットに備えられた像担持体滑剤塗布装置5bから感光体ドラムに塗布された滑剤が中間転写ベルト6に転移するために、中間転写ベルト6上の滑剤の量が多くなる。反面、モノクロ印刷モード時は一つのトナー像形成ユニット10からの滑剤の転移であり、カラー印刷モードに比べ転移量は略1/4となる。
【0078】
また、機内の温度が低い場合、像担持体滑剤塗布装置5bに備えられたブラシローラ52bの繊維が硬化し、多くの滑剤を剥ぎ取ることで感光体ドラムに塗布される微粉量が増加する。これにより感光体ドラム1から中間転写ベルト6へ転移する滑剤の量が増加する。
【0079】
同様に機内の湿度が低い場合、ブラシローラ52bの繊維と滑剤53bの摩擦が高くなり、感光体ドラムから中間転写ベルト6へ転移する滑剤の量が増加する。
【0080】
図7aは温度と湿度の複合条件を表し、温度と湿度の順で記述し、LHは温度が低温でかつ湿度が高湿を示している。たとえば温度のHは25℃以上、Nは15℃以上25℃未満、Lは15℃未満を表し、湿度のHは65%以上、Nは35%以上65%未満、Lは35%未満に分類される。
【0081】
図7aのテーブル値はプリンタ制御部の不揮発性メモリに保存されており、温湿度センサ47が検知した温度湿度の値と印刷指令された印刷モードを基に、プリンタ制御部41は感光体ドラム1から中間転写ベルト6へ転移する滑剤の量を推定し、中間転写体クリーニング装置内のブラシローラ82bの回転速度を制御する。
【0082】
すなわち、図7bのグラフに示すとおりテーブル値が大きいほどトナー像形成ユニットから中間転写ベルト6へ転移する滑剤の量が少なく、ブラシローラ82bの回転速度を上げて、中間転写体滑剤塗布装置8bからの滑剤の塗布量を多く制御することで、中間転写ベルト6上の滑剤の総量を適正化することができる。
【0083】
(第4の実施の形態)
図8は、感光体ドラムの距離とブラシローラの回転速度制御の概念図を表す。
【0084】
固形の滑剤53bの寿命は感光体ドラム1の寿命とほぼ等しく、サービスマンによる感光体ドラム1の交換と滑剤53bは同時に行われる。
【0085】
感光体ドラム1の使用累積時間が短い、すなわち感光体ドラム1の回転距離が短いときには滑剤53bの厚みが大きく、圧力バネ55bによる押圧力が大きいために滑剤53bからブラシローラ52bへ掻き取られる滑剤の量が多くなり、感光体ドラム1を経由して中間転写ベルト6へ転移する滑剤の量も多くなる。このように感光体ドラム1の累積回転距離を基に感光体ドラム1から中間転写ベルト6へ転移する滑剤の量が推定される。
【0086】
図8のグラフの示すとおり感光体ドラム1の回転距離に従いブラシローラ82bの回転速度を上げて、中間転写体滑剤塗布装置8bからの滑剤の塗布量を多く制御することで、中間転写ベルト6上の滑剤の総量を適正化することができる。
【0087】
感光体ドラムの回転距離はプリンタ制御部41に備えられた図示しない不揮発性メモリに蓄積して記憶される。サービスマンは感光体ドラムと滑剤を交換した際に表示部90を操作して不揮発メモリに記憶された回転距離を一旦リセットし、新たな感光体ドラムの回転距離はプリンタ制御部41によりカウントが開始される。そしてプリンタ制御部41は感光体ドラム1の累積回転距離に応じて滑剤塗布ブラシローラ駆動部46に指令を出し、ブラシローラ82bの回転速度を制御する。
【0088】
(第5の実施の形態)
図9は、現像装置の感光体ドラム近傍の断面図である。
【0089】
図10は、現像ローラからの規制ブレード距離と感光体ドラム距離との差によるブラシローラの回転速度制御の概念図を表す。
【0090】
現像スリーブの表面には、穂切り機能である規制ブレード4bにより層厚を一定に規制した現像剤層が保持される。層厚は現像ローラ4aと規制ブレード4bの距離で決まり、その距離をDBで表す。また、現像ローラ4aと感光体ドラム1との距離をDSで表す。
【0091】
DBが大きいときは現像スリーブの表面には多くの現像剤が保持され、さらにDSが小さいときは現像剤層が感光体ドラム1に接する量が多くなる。すなわちDBからDSを減じた値が大きい場合、感光体ドラム1の表面に塗布された滑剤は現像剤層を経由して現像装置4に多く転移する。このように現像ローラからの規制ブレード距離と感光体ドラム距離との差を基に、感光体ドラム1から中間転写ベルト6へ転移する滑剤の量が推定される。
【0092】
そのため感光体ドラム1から中間転写ベルト6に移動する滑剤が減少するために、中間転写体滑剤塗布装置8bに備えられたブラシローラ82bの回転速度を上げて、固形滑剤から中間転写ベルト6に塗布する量を増加させ、中間転写ベルト6上の滑剤の量を適正に制御する。
【0093】
逆にDBとDSの差が小さいときは、感光体ドラム1から中間転写ベルト6に移動する滑剤が増加するために、ブラシローラ82bの回転速度を下げて、固形滑剤から中間転写ベルト6に塗布する量を減少させる。
【0094】
DSおよびDBは画像形成装置の固有の設計設定値となる場合が多い。しかしながら製造工程時やサービスマンのメンテナンス時に、シックネスゲージやレーザ距離計などで測定するDSおよびDB値を基に操作表示部90から距離の差を入力し、プリンタ制御部41は入力された値から滑剤ブラシローラ駆動部46に指令を出し、ブラシローラ82bの回転速度を制御することで中間転写ベルト6上の滑剤の量を適正にすることができる。
【0095】
(第6の実施の形態)
図11は、感光体ドラムの駆動トルク値とブラシローラの回転速度制御の概念図を表す。
【0096】
感光体ドラムの駆動モータのトルク値は、感光体ドラムモータ48Mのトルク定数と感光体ドラムモータ48Mに流れる電流の積で決まり、プリンタ制御部41は感光体ドラム駆動部にて検知する感光体ドラムモータ48Mの電流値から算出する。
【0097】
感光体ドラム1の累積回転距離が大きくなると感光体ドラム1上の滑剤の塗布量の減少する件に関しては第4の実施の形態で述べたとおりで、滑剤の塗布量が減少すると感光体1が当接しているクリーニングブレード5a、ブラシローラ52bおよび均し部5dなどとの負荷が増大し、感光体ドラム1を回転させるトルク値は大きくなる。
【0098】
すなわち感光体ドラムの回転トルク値が大きい場合は感光体ドラム上の滑剤塗布量が減少しており、同様に中間転写ベルト6に移動する滑剤の量も減少する。このように感光体ドラムの駆動モータのトルク値を基に、感光体ドラム1から中間転写ベルト6へ転移する滑剤の量が推定される。
【0099】
感光体ドラムの駆動モータのトルク値が増加するに従い中間転写体滑剤塗布装置8bに備えられたブラシローラ82bの回転速度を上げることで、中間転写ベルト6上の滑剤の合計量を適正にすることができる。
【0100】
ここまでは中間転写体クリーニング装置に備えられたブラシローラ82bの回転速度を制御することで滑剤83bを掻き取る滑剤の微粉量を増減する説明であるが、滑剤83bを押上げる押圧力を制御することでも良い。
【0101】
図12は、中間転写体クリーニング装置に押圧力を変化させるカムを実装した概略図である。
【0102】
滑剤83bを所定の圧力でブラシローラ82bに当接させる圧力バネ85bに押圧力を加えるカム87bを設け、押圧手段であるカム87bを回転制御することで滑剤83bがブラシローラ82bに圧接する押圧力が変化し、ブラシローラ82bが滑剤83bを掻き取り中間転写体である中間転写ベルト6に塗布する滑剤の量を制御する。
【0103】
このように連続・間欠の印刷モード、感光体ドラムと現像装置の移動距離の差、カラー・モノクロの印刷モード、感光体ドラムの累積移動距離および感光体ドラムの駆動トルクに基づいて、中間転写体へ塗布する滑剤の量を制御し、中間転写体の上の滑剤量を適正化することで、中間転写体のクリーニング不良を防止すると共にクリーニング部材の耐久性の向上と高画質な画像を安定して形成する画像形成装置を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0104】
1 感光体ドラム
2 帯電装置
4 現像装置
4a 現像ローラ
4b 規制ブレード
5 像担持体クリーニング装置
5a クリーニングブレード
5b 像担持体滑剤塗布装置
5d 均し部
52b ブラシローラ
53b 滑剤
55b 圧力バネ
6 中間転写ベルト
7 一次転写装置
8 中間転写体クリーニング装置
8a クリーニングブレード
8b 中間転写体滑剤塗布装置
8d 均し部
82b ブラシローラ
83b 滑剤
85b 圧力バネ
87b カム
9 二次転写ローラ
10 トナー像形成ユニット
30 定着部
40 プリンタ部
41 プリンタ制御部
46 滑剤ブラシローラ駆動部
47 温湿度センサ
48 感光体ドラム駆動部
48M 感光体ドラムモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、該像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成装置と、静電潜像を現像して前記像担持体上にトナー像を形成する現像装置と、前記像担持体をクリーニングする像担持体クリーニング装置と、前記像担持体上に滑剤を塗布する像担持体滑剤塗布装置とを有するトナー像形成ユニットと、
中間転写体と、
前記像担持体上のトナー像を前記中間転写体に転写する一次転写装置と、
前記中間転写体上のトナー像を記録材に転写する二次転写装置と、
前記中間転写体をクリーニングする中間転写体クリーニング装置と、
前記中間転写体上に滑剤を塗布する中間転写体滑剤塗布装置と、を備え、
前記像担持体滑剤塗布装置で塗布した滑剤が前記中間転写体に転移する量を推定し、前記中間転写体滑剤塗布装置による滑剤塗布量の制御を行う制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記中間転写体滑剤塗布装置は、滑剤塗布ブラシを回転させて前記中間転写体上に滑剤を塗布し、
前記制御手段は、前記滑剤塗布ブラシの回転速度を変化させることにより、前記中間転写体滑剤塗布装置による滑剤塗布量を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記中間転写体滑剤塗布装置は、押圧手段により固形滑剤が押圧された滑剤塗布ブラシを回転させて前記中間転写体上に滑剤を塗布し、
前記制御手段は、前記押圧手段による押圧力を変化させることにより、前記中間転写体滑剤塗布装置による滑剤塗布量を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記現像装置が連続して動作する連続印刷モードと、
前記現像装置が間欠動作をする間欠印刷モードと、を有し、
前記制御手段は、前記連続印刷モードと前記間欠印刷モードを基に、前記像担持体滑剤塗布装置で塗布した滑剤が前記中間転写体に転移する量を推定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記像担持体の移動距離と前記現像装置の移動距離の差を基に、前記像担持体滑剤塗布装置で塗布した滑剤が前記中間転写体に転移する量を推定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
温湿度を測る温湿度センサと、
複数の前記トナー像形成ユニットと、を備え、
前記複数のトナー像形成ユニットで動作をするカラー印刷モードと一つの前記トナー像形成ユニットで動作をするモノクロ印刷モードとが切り換え可能であり、
前記制御手段は、前記温湿度センサで測った温湿度と前記カラー印刷モードと前記モノクロ印刷モードを基に、前記像担持体滑剤塗布装置で塗布した滑剤が前記中間転写体に転移する量を推定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記像担持体の移動距離を基に、前記像担持体滑剤塗布装置で塗布した滑剤が前記中間転写体に転移する量を推定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記像担持体を駆動する駆動モータを有し、
前記制御手段は、前記駆動モータの駆動トルク値を基に、前記像担持体滑剤塗布装置で塗布した滑剤が前記中間転写体に転移する量を推定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−145851(P2012−145851A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5542(P2011−5542)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】