説明

画像形成装置

【課題】光走査装置が機械的な外乱に強く、画像品質の低下を招くことなく、小型化を図ることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 光学ハウジング2300には、+X側の側面の外壁に+X方向に延びる2つの円柱状の突起11が設けられ、−X側の側面の外壁に−X方向に延びる2つの円柱状の突起11が設けられている。各突起は、パイプ状のゴム製の弾性部材12で被覆されている。弾性部材12で被覆された各突起は、板ばね13aの曲面部と板ばね13bの曲面部との間に挟まれて、筐体締結用ステー14に保持され、プリンタ筐体に取り付けられている。板ばね13bは、板ばね13aよりも「ばね定数」が大きく、鉛直方向に関して、板ばね13aが上側に位置し、板ばね13bが下側に位置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に係り、更に詳しくは、被走査面を光によって走査する光走査装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真の画像記録では、レーザを用いた画像形成装置が広く用いられている。この画像形成装置は、一般的に光走査装置を備え、光偏向器(例えば、ポリゴンミラー)を用いて、感光性を有するドラムの軸方向にレーザ光を走査しつつ、ドラムを回転させ、ドラムの表面に潜像を形成する。
【0003】
近年、画像形成装置において、カラー化、高速化が進み、感光性を有するドラムを複数(通常は4つ)有するタンデム方式の画像形成装置が普及してきている。
【0004】
ところで、ドラムの表面に潜像を形成する際に、画像形成装置に含まれる機械部品による振動が光走査装置に伝搬すると、画像形成装置から出力される画像にスジ状の濃度むら(バンディング)が生じるおそれがあった。
【0005】
そこで、光走査装置の振動を抑制する方法が種々検討された。例えば、特許文献1には、光学部品を搭載しかつ構成部材の振動が伝搬する板金製ハウジングの底壁に振動の節となる少なくとも二個以上の取り付け箇所が光学部品の長手方向に間隔を開けて設けられ、光学部品を保持する光学部品保持部材が取り付け箇所に取り付けられ、光学部品保持部材は底壁に対してその振動の節から節までの間が浮いている光走査装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されている光走査装置と同様にして光走査装置の振動を抑制しようとすると、光学ハウジングの設計において、節の部分を所望の位置に設定することは、必ずしも容易ではなかった。また、光学設計に関しても、各光学部材を節の位置にあわせて配置することが困難な場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、光源や光学系が光学ハウジング内に収容されている光走査装置、及び画像情報に応じて変調された前記光走査装置からの複数の光束により走査される複数の感光体ドラムが、筐体に取り付けられている画像形成装置において、前記光学ハウジングは、連結機構を介して前記筐体に保持され、該連結機構は、前記感光体ドラムの軸方向及び鉛直方向のいずれにも直交する方向を長手方向とする複数の連結部と、該複数の連結部を支持する複数の緩衝部材とを有していることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の画像形成装置によれば、光走査装置が機械的な外乱に強くなり、画像品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係るカラープリンタの概略構成を示す図である。
【図2】図1における光走査装置を説明するための図である。
【図3】図2における偏向器前光学系を説明するための図である。
【図4】図2における走査光学系A及び走査光学系Bを説明するための図である。
【図5】偏光分離素子における偏光分離面を説明するための図である。
【図6】偏光分離素子における反射防止膜を説明するための図である。
【図7】偏光分離素子2110の作用を説明するための図(その1)である。
【図8】偏光分離素子2110の作用を説明するための図(その2)である。
【図9】偏光分離素子2110と折り返しミラー2106bを保持するホルダ10を説明するための図である。
【図10】図9の縦断面図である。
【図11】偏光分離素子2110と折り返しミラー2106cを保持するホルダ10を説明するための図である。
【図12】2枚の折り返しミラー(2106a、2108a)を保持するホルダ20を説明するための図である。
【図13】図12の縦断面図である。
【図14】2枚の折り返しミラー(2106d、2108d)を保持するホルダ20を説明するための図である。
【図15】光学ハウジングを説明するための図である。
【図16】光学ハウジングに各光学系が取り付けられた状態を説明するための斜視図である。
【図17】図17(A)〜図17(D)は、それぞれ光学ハウジングの突起を説明するための図である。
【図18】図18(A)〜図18(D)は、それぞれ弾性部材を説明するための図である。
【図19】図19(A)及び図19(B)は、それぞれ板ばね13aを説明するための図である。
【図20】図20(A)及び図20(B)は、それぞれ板ばね13bを説明するための図である。
【図21】2つの板ばねの重ね合わせを説明するための図である。
【図22】弾性部材で被覆された突起が2つの板ばねで保持されている状態を説明するための図である。
【図23】筐体締結用ステーを説明するための図である。
【図24】図24(A)及び図24(B)は、それぞれ光学ハウジングが筐体締結用ステーに取り付けられた状態を説明するための図である。
【図25】図24(B)の一部を拡大した図(その1)である。
【図26】図24(B)の一部を拡大した図(その2)である。
【図27】比較例としての従来の光学ハウジングを説明するための図である。
【図28】従来の光学ハウジングが4点締結従来方式で筐体締結用ステーに取り付けられた状態を説明するための図(その1)である。
【図29】従来の光学ハウジングが4点締結従来方式で筐体締結用ステーに取り付けられた状態を説明するための図(その2)である。
【図30】本実施形態の光学ハウジングに対するモーダル解析の結果を説明するための図である。
【図31】従来の光学ハウジングに対するモーダル解析の結果を説明するための図である。
【図32】2つの板ばねの変形例1を説明するための図である。
【図33】2つの板ばねの変形例2を説明するための図である。
【図34】弾性部材の変形例を説明するための図である。
【図35】2つの板ばねの変形例3を説明するための図である。
【図36】図36(A)〜図36(C)は、それぞれ光学ハウジングの締結方式の変形例1を説明するための図である。
【図37】光学ハウジングの締結方式の変形例2を説明するための図(その1)である。
【図38】光学ハウジングの締結方式の変形例2を説明するための図(その2)である。
【図39】偏光分離デバイスを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図31に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係る画像形成装置としてのカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
【0011】
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、4つのトナーカートリッジ(2034a、2034b、2034c、2034d)、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着ローラ2050、給紙コロ2054、レジストローラ対2056、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。そして、これらは、プリンタ筐体の中に収容されている。
【0012】
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
【0013】
プリンタ制御装置2090は、CPU、該CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム及び該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されているROM、作業用のメモリであるRAM、アナログデータをデジタルデータに変換するAD変換器などを有している。そして、プリンタ制御装置2090は、上位装置からの要求に応じて各部を制御するとともに、上位装置からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)を光走査装置2010に送る。
【0014】
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、トナーカートリッジ2034a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
【0015】
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、トナーカートリッジ2034b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
【0016】
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、トナーカートリッジ2034c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
【0017】
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、トナーカートリッジ2034d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
【0018】
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。なお、各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転する。
【0019】
また、ここでは、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向(回転軸方向)に沿った方向をY軸方向、4つの感光体ドラムの配列方向に沿った方向をX軸方向として説明する。
【0020】
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
【0021】
光走査装置2010は、上位装置からの多色の画像情報に基づいて色毎に変調された4つの光束によって、対応する帯電された感光体ドラムの表面をそれぞれ走査する。これにより、各感光体ドラムの表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。なお、この光走査装置2010の詳細については後述する。
【0022】
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジからのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
【0023】
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。
【0024】
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚ずつ取り出し、レジストローラ対2056に搬送する。該レジストローラ対2056は、所定のタイミングで記録紙を転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出す。これにより、転写ベルト2040上のカラー画像が記録紙に転写される。カラー画像が転写された記録紙は、定着ローラ2050に送られる。
【0025】
定着ローラ2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。トナーが定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次積み重ねられる。
【0026】
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
【0027】
次に、前記光走査装置2010の詳細について説明する。
【0028】
この光走査装置2010は、一例として図2に示されるように、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)、偏向器前光学系、ポリゴンミラー2104、走査光学系A、走査光学系B、及び不図示の走査制御装置などを有している。そして、これらは、光学ハウジング2300(図2では図示省略、図15参照)に取り付けられている。
【0029】
なお、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
【0030】
各光源は、半導体レーザ(LD)を含んでいる。光源2200bと光源2200cは、X軸方向に関して離れて配置されており、いずれも−Y方向に光束を射出する。光源2200aと光源2200dは、X軸方向に関して対向して配置されており、光源2200aは+X方向に光束を射出し、光源2200dは−X方向に光束を射出する。
【0031】
偏向器前光学系は、一例として図3に示されるように、4つのカップリングレンズ(2201a、2201b、2201c、2201d)、4つの1/2波長板(2202a、2202b、2202c、2202d)、2つの偏光ビームスプリッタ(2205、2205)、2つの開口板(2203、2203)、及び2つのシリンドリカルレンズ(2204、2204)を有している。
【0032】
カップリングレンズ2201aは、光源2200aから射出された光束(以下では、「光束LBa」ともいう。)の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0033】
カップリングレンズ2201bは、光源2200bから射出された光束(以下では、「光束LBb」ともいう。)の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0034】
カップリングレンズ2201cは、光源2200cから射出された光束(以下では、「光束LBc」ともいう。)の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0035】
カップリングレンズ2201dは、光源2200dから射出された光束(以下では、「光束LBd」ともいう。)の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0036】
1/2波長板2202aは、カップリングレンズ2201aを介した光束LBaの光路上に配置され、該光束を偏光ビームスプリッタ2205の入射面に対してs偏光とする。
【0037】
1/2波長板2202bは、カップリングレンズ2201bを介した光束LBbの光路上に配置され、該光束を偏光ビームスプリッタ2205の入射面に対してp偏光とする。
【0038】
1/2波長板2202cは、カップリングレンズ2201cを介した光束LBcの光路上に配置され、該光束を偏光ビームスプリッタ2205の入射面に対してp偏光とする。
【0039】
1/2波長板2202dは、カップリングレンズ2201dを介した光束LBdの光路上に配置され、該光束を偏光ビームスプリッタ2205の入射面に対してs偏光とする。
【0040】
偏光ビームスプリッタ2205は、1/2波長板2202aの+X側であって、かつ1/2波長板2202bの−Y側に配置されている。この偏光ビームスプリッタ2205は、p偏光を透過させ、s偏光を反射する特性を有している。そこで、偏光ビームスプリッタ2205は、1/2波長板2202aを通過した光束LBaを−Y方向に反射し、1/2波長板2202bを通過した光束LBbを透過させる。そして、偏光ビームスプリッタ2205から射出された光束LBaの光路と光束LBbの光路は、ほぼ同一となる。
【0041】
偏光ビームスプリッタ2205は、1/2波長板2202dの−X側であって、かつ1/2波長板2202cの−Y側に配置されている。この偏光ビームスプリッタ2205は、p偏光を透過させ、s偏光を反射する特性を有している。そこで、偏光ビームスプリッタ2205は、1/2波長板2202dを介した光束LBdを−Y方向に反射し、1/2波長板2202cを介した光束LBcを透過させる。そして、偏光ビームスプリッタ2205から射出された光束LBcの光路と光束LBdの光路は、ほぼ同一となる。
【0042】
開口板2203は、開口部を有し、偏光ビームスプリッタ2205からの光束(光束LBa、光束LBb)のビーム形状を整形する。
【0043】
開口板2203は、開口部を有し、偏光ビームスプリッタ2205からの光束(光束LBc、光束LBd)のビーム形状を整形する。
【0044】
シリンドリカルレンズ2204は、開口板2203の開口部を通過した光束(光束LBa、光束LBb)を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0045】
シリンドリカルレンズ2204は、開口板2203の開口部を通過した光束(光束LBc、光束LBd)を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0046】
ポリゴンミラー2104は、一例として4面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。このポリゴンミラー2104は、Z軸方向に平行な軸まわりに等速回転し、各シリンドリカルレンズからの光束を偏向する。
【0047】
シリンドリカルレンズ2204からの光束(光束LBa、光束LBb)はポリゴンミラー2104の−X側に偏向され、シリンドリカルレンズ2204からの光束(光束LBc、光束LBd)はポリゴンミラー2104の+X側に偏向される。なお、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で偏向された光束が経時的に形成する光線束面は、「偏向面」と呼ばれている(特開平11−202252号公報参照)。ここでは、偏向面はXY面に平行な面である。
【0048】
走査光学系Aは、一例として図4に示されるように、偏向器側走査レンズ2105、像面側走査レンズ2107、偏光分離素子2110、5枚の折り返しミラー(2106a、2106b、2108a、2108b、2109a)を有している。
【0049】
偏向器側走査レンズ2105は、ポリゴンミラー2104の−X側であって、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204からの光束(光束LBa、光束LBb)の光路上に配置されている。
【0050】
像面側走査レンズ2107は、偏向器側走査レンズ2105の−X側であって、偏向器側走査レンズ2105を介した光束(光束LBa、光束LBb)の光路上に配置されている。
【0051】
偏光分離素子2110は、像面側走査レンズ2107の−X側であって、像面側走査レンズ2107を介した光束(光束LBa、光束LBb)の光路上に配置されている。
【0052】
偏光分離素子2110は、偏光分離面を有している。該偏光分離面はワイヤーグリッド、誘電体多層膜等で構成することができるが、波面収差特性に優れることから誘電体多層膜が好ましい。
【0053】
また、各偏光分離素子は、断面が直角二等辺三角形よりなる2つの三角柱状のガラス部材又は透明樹脂部材で偏光分離面を挟み込んだキュービック構造としても良いが、ガラス又は透明樹脂製の板状部材(基板)の片面に偏光分離面を形成した構造の方が、簡単な工程で製造できる点で有利である。
【0054】
偏光分離素子2110は、一例として図5に示されるように、偏光分離面が偏向面に対して45°傾斜した状態で配置されている。
【0055】
偏光分離素子2110における偏光分離面と逆側の面には、一例として図6に示されるように、反射防止膜が形成されているのが好ましい。反射防止膜を設けることで、分離後に基板を透過した光が基板の裏面で反射して不要光(ゴースト光)を発生させるのを抑制できる。
【0056】
偏光分離素子2110は、光束LBaを透過させ(図7参照)、光束LBbを−Z方向に反射する(図8参照)。
【0057】
図4に戻り、偏光分離素子2110を透過した光束LBaは、3枚の折り返しミラー(2106a、2108a、2109a)を介して、感光体ドラム2030aの表面に照射され、光スポットが形成される。
【0058】
偏光分離素子2110で反射された光束LBbは、2枚の折り返しミラー(2106b、2108b)を介して、感光体ドラム2030bの表面に照射され、光スポットが形成される。
【0059】
偏向器側走査レンズ2105、像面側走査レンズ2107、及び偏光分離素子2110は、2つの画像形成ステーションで共用されている。
【0060】
走査光学系Bは、偏向器側走査レンズ2105、像面側走査レンズ2107、偏光分離素子2110、5枚の折り返しミラー(2106c、2106d、2108c、2108d、2109d)を有している。
【0061】
偏向器側走査レンズ2105は、ポリゴンミラー2104の+X側であって、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204からの光束(光束LBc、光束LBd)の光路上に配置されている。
【0062】
像面側走査レンズ2107は、偏向器側走査レンズ2105の+X側であって、偏向器側走査レンズ2105を介した光束(光束LBc、光束LBd)の光路上に配置されている。
【0063】
偏光分離素子2110は、像面側走査レンズ2107の+X側であって、像面側走査レンズ2107を介した光束(光束LBc、光束LBd)の光路上に配置されている。偏光分離素子2110は、偏光分離素子2110と同様な偏光分離素子である。
【0064】
偏光分離素子2110は、光束LBdを透過させ、光束LBcを−Z方向に反射する。
【0065】
偏光分離素子2110で反射された光束LBcは、2枚の折り返しミラー(2106c、2108c)を介して、感光体ドラム2030cの表面に照射され、光スポットが形成される。
【0066】
偏光分離素子2110を透過した光束LBdは、3枚の折り返しミラー(2106d、2108d、2109d)を介して、感光体ドラム2030dの表面に照射され、光スポットが形成される。
【0067】
偏向器側走査レンズ2105、像面側走査レンズ2107、及び偏光分離素子2110は、2つの画像形成ステーションで共用されている。
【0068】
各感光体ドラム表面の光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って長手方向に移動する。このときの光スポットの移動方向が「主走査方向」であり、感光体ドラムの回転方向が「副走査方向」である。
【0069】
偏光分離素子2110と折り返しミラー2106bは、一例として図9に示されるように、ホルダ10に一体的に保持されている。
【0070】
ホルダ10は、図9の縦断面図である図10に示されるように、Z軸方向に関して、偏光分離素子2110及び折り返しミラー2106bに対してはみ出すことなく偏光分離素子2110と折り返しミラー2106bとを一体的に保持している。
【0071】
このホルダ10は、Y軸方向を長手方向とする2つの面が略垂直に組み合わされたダハ面(例えば、特開平6−50739号公報参照)を有するアルミダイカストの部材である。そして、該ダハ面における+Z側の面に偏光分離素子2110が保持され、−Z側の面に折り返しミラー2106bが保持されている。また、ホルダ10には、偏光分離素子2110を透過した光束LBaの光路となる矩形状のニゲ穴が形成されている。
【0072】
偏光分離素子2110及び折り返しミラー2106bは、長手方向(Y軸方向)における複数箇所で、ダハ面に板ばねによって押圧され、あるいは接着剤によって接着されている。これにより、偏光分離素子2110及び折り返しミラー2106bは、それぞれが単体のときに比べて、剛性が高くなるとともに、固有振動数が高周波数側にシフトする。その結果、外部からの振動によって共振するのを抑制することができる。すなわち、耐振動性が向上する。
【0073】
また、偏光分離素子2110及び折り返しミラー2106bがダハ面に保持されているため、その挟角が製造誤差等により90°からずれていても、折り返しミラー2106bで折り返された光束の進行方向(ここでは、+X方向)は変化しない。仮に、従来のように折り返しミラーを単独で配置した場合、ミラー面の角度が設計値に対してθ変化すると該ミラー面で反射された光束の進行方向は予定していた方向に対して2θ変化する。
【0074】
また、偏光分離素子2110と折り返しミラー2106cも、一例として図11に示されるように、ホルダ10に一体的に保持されている。これによって、偏光分離素子2110及び折り返しミラー2106cは、それぞれが単体のときに比べて、剛性が高くなるとともに、固有振動数が大きくなる。その結果、外部からの振動によって共振するのを抑制することができる。すなわち、耐振動性が向上する。
【0075】
また、折り返しミラー2106aと折り返しミラー2108aも、一例として図12に示されるように、ホルダ20に一体的に保持されている。
【0076】
ホルダ20は、図12の縦断面図である図13に示されるように、Z軸方向に関して、折り返しミラー2106a及び折り返しミラー2108aに対してはみ出すことなく折り返しミラー2106aと折り返しミラー2108aとを一体的に保持している。
【0077】
このホルダ20は、Y軸方向を長手方向とし、Y軸方向に直交する断面の形状がいわゆるダハ形状であるアルミダイカストの部材である。そして、+Z側のダハ面に折り返しミラー2106aが保持され、−Z側のダハ面に折り返しミラー2108aが保持されている。
【0078】
折り返しミラー2106a及び折り返しミラー2108aは、長手方向(Y軸方向)における複数箇所で、ダハ面に板ばねによって押圧され、あるいは接着剤によって接着されている。これにより、折り返しミラー2106a及び折り返しミラー2108aは、それぞれ単体のときに比べて剛性が高くなるとともに、固有振動数が高周波数側にシフトする。その結果、外部からの振動によって共振するのを抑制することができる。すなわち、耐振動性が向上する。
【0079】
また、折り返しミラー2106dと折り返しミラー2108dも、一例として図14に示されるように、ホルダ20に一体的に保持されている。これにより、折り返しミラー2106d及び折り返しミラー2108dは、それぞれ単体のときに比べて剛性が高くなるとともに、固有振動数が高周波数側にシフトする。その結果、外部からの振動によって共振するのを抑制することができる。すなわち、耐振動性が向上する。
【0080】
図15には、光学ハウジング2300の外形が示されている。この光学ハウジング2300は、ヤング率が1.25×1010(Pa)の樹脂製の部材である。また、一例として、光学ハウジング2300の寸法は、X軸方向の長さが370mm、Y軸方向の長さが360mm、Z軸方向の長さが30mmである。
【0081】
図16には、光学ハウジング2300に、4つの光源、偏向器前光学系、ポリゴンミラー2104、走査光学系A、走査光学系Bが組み付けられた状態が示されている。
【0082】
そして、光学ハウジング2300の+X側の側面の外壁には、+X方向に延びる2つの円柱状の突起11がY軸方向に関して離れて設けられ(図17(A)及び図17(B)参照)、光学ハウジング2300の−X側の側面の外壁には、−X方向に延びる2つの円柱状の突起11がY軸方向に関して離れて設けられている(図17(C)及び図17(D)参照)。
【0083】
各突起は、一例として図18(A)〜図18(D)に示されるように、パイプ形状のゴム製の弾性部材12で被覆されている。
【0084】
図19(A)及び図19(B)には、板ばね13aが示されている。板ばね13aは、断面形状が円弧状の部分である曲面部と直線状の部分である平面部とを有している。そして、平面部には、2つの貫通孔が形成されている。板ばね13aの板厚は0.6mmである。
【0085】
図20(A)及び図20(B)には、板ばね13bが示されている。板ばね13bは、断面形状が円弧状の部分である曲面部と直線状の部分である平面部とを有している。そして、平面部には、2つの貫通孔が形成されている。板ばね13bの板厚は1.0mmである。
【0086】
そこで、「ばね定数」は、板ばね13bの方が板ばね13aよりも大きい。また、各板ばねは、板状のばね鋼を加工したものである。
【0087】
2つの板ばね(13a、13b)は、図21に示されるように、鉛直方向(ここでは、Z軸方向と同じ)に関して、板ばね13aが上側、板ばね13bが下側となり、図22に示されるように、それらの曲面部の間に、光学ハウジング2300の突起が、弾性部材12で被覆された状態で挟まれる。
【0088】
図23には、光学ハウジング2300をプリンタ筐体に取り付けるための筐体締結用ステー14が示されている。この筐体締結用ステー14は、プリンタ筐体に固定されている。
【0089】
各板ばねは、図24(A)及び図24(B)に示されるように、筐体締結用ステー14にねじ止めされている。ねじ止め部分を拡大した図が、図25及び図26に示されている。
【0090】
本実施形態では、偏光分離素子を用いて走査光学系のZ軸方向に関する長さを小さくし、光走査装置の薄型化を図っている。そこで、光学ハウジング2300は、側板の高さが従来よりも低くなる。光学ハウジングは、側板の高さが低くなると、固有振動数が低下し、外部からの振動によって共振し易くなる。
【0091】
従来の光学ハウジングが図27に示されている。そして、従来の光学ハウジングが、筐体締結用ステーに取り付けられた状態が図28及び図29に示されている。なお、このような従来の締結方式を、以下では、便宜上、「4点締結従来方式」という。
【0092】
弾性部材12及び2つの板ばね(13a、13b)を介して筐体締結用ステー14に取り付けられた本実施形態の光学ハウジング2300、及び4点締結従来方式で筐体締結用ステーに取り付けられた従来の光学ハウジングについて、それぞれモーダル解析を行った。
【0093】
図30に、本実施形態の光学ハウジング2300についてのモーダル解析の結果が示されている。1次モードの振動数が80.746Hz、最大変位は0.76001であった。
【0094】
図31に、上記従来の光学ハウジングについてのモーダル解析の結果が示されている。1次モードの振動数が113.57Hz、最大変位は0.97573であった。
【0095】
本実施形態の光学ハウジング2300では、従来の光学ハウジングに対して、1次モードの振動数は約30%減少し、最大変位は約22%減少している。このことから、本実施形態の光学ハウジング2300は、振動減衰効果を十分発揮し、外部からの振動の光学部材への伝播を抑制していると言える。
【0096】
ここで外部からの振動の周波数について考察する。
【0097】
光走査装置によって感光体ドラムを光走査する際に、カラープリンタにおいて駆動される部分は、主に感光体ドラムの駆動機構及び現像系の駆動機構である。これらの駆動機構は、歯車あるいはタイミングベルトを有し、その噛み合い周波数に対応する振動が発生する。
【0098】
例えば、モータの出力軸から最終の出力軸までのギヤトレーンで減速(あるいは増速)する場合の、注目する歯車の噛み合い周波数は、歯数×回転数(rpm)/60で定義される。
【0099】
そして、一例として、線速が230mm/secのカラープリンタの場合、感光体ドラムの駆動系における噛み合い周波数(約116Hz)、現像ローラの駆動系における噛み合い周波数(約347Hz)、及び定着ローラの駆動系における噛み合い周波数(約239Hz)の少なくともいずれかの振動が、あるパワーレベルを超えて発生すると、該振動が光学ハウジングに伝播する。そして、ミラー等の光学素子が振動し、バンディング等を引き起こし、出力される画像の画質劣化を招く。
【0100】
そこで、本実施形態では、(1)光学部材への振動の伝播が抑制されるように光走査装置(光学ハウジング)をプリンタ筐体に支持する、(2)個々の光学部材の剛性を向上させて、共振周波数を上記各駆動系の噛み合い周波数に対応する振動の周波数と一致しないようにする、ことでバンディング等の画像品質の劣化を防止している。
【0101】
モーダル解析によると、光学ハウジングは、X軸方向に平行な軸周りにピッチング(揺動)している。すなわち、このピッチングの軸方向は、感光体ドラムの軸方向(主走査方向と同じ)に直交している。そこで、このピッチングが大きいと、副走査方向に関して走査線のピッチ変動を引き起こす。
【0102】
本実施形態では、各板ばねが、いわゆる片持ち状態であり、ばねの長手方向と感光体ドラムの軸方向とが平行であるため、光学ハウジングの上記ピッチングを小さくしている。
【0103】
また、本実施形態では、各板ばねの長手方向の一側端部近傍を曲面部としているため、プリンタ筐体に対する光学ハウジングの位置決めを精度良く行うことができる。また、仮に、プリンタ筐体における取り付け部の位置精度が悪くても、弾性部材12と2つの板ばね(13a、13b)とによって、光学ハウジングの捩れ変形を抑制することができるため、光学ハウジングの捩れ変形による走査線の傾き(スキュー)を防止できる。
【0104】
また、本実施形態では、弾性部材12と2つの板ばね(13a、13b)という簡単な構成で、外部からの振動の減衰、及び光学ハウジングの位置決めを行うことができるので、省資源及び省エネルギーが可能であり、環境負荷の低減にも貢献することができる。
【0105】
以上説明したように、本実施形態に係るカラープリンタ2000によると、光走査装置2010、4つの画像形成ステーション、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着ローラ2050などを備え、これらがプリンタ筐体の中に収容されている。
【0106】
そして、光走査装置2010は、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)、偏向器前光学系、ポリゴンミラー2104、走査光学系A、及び走査光学系Bなどを有し、これらが光学ハウジング2300に取り付けられている。
【0107】
各走査光学系は、ポリゴンミラー2104で偏向された2つの光束を分離させる偏光分離素子を含んでいる。これにより、光学ハウジング2300の薄型化を図っている。
【0108】
光学ハウジング2300には、+X側の側面の外壁に+X方向に延びる2つの円柱状の突起11が設けられ、−X側の側面の外壁に−X方向に延びる2つの円柱状の突起11が設けられている。そして、各突起は、円筒形状のゴム製の弾性部材12で被覆されている。この弾性部材12は、振動を吸収する。
【0109】
弾性部材12で被覆された各突起は、板ばね13aの曲面部と板ばね13bの曲面部との間に挟まれて、筐体締結用ステー14に保持され、プリンタ筐体に取り付けられている。2つの板ばねを合わせて用いることにより、振動を速く減衰させることができる。
【0110】
板ばね13bは、板ばね13aよりも「ばね定数」が大きく、鉛直方向に関して、板ばね13aが上側に位置し、板ばね13bが下側に位置している。これにより、(1)必要な「ばね定数」を小さくすることができ、2枚の板ばねの摩擦による振動減衰が有効となる、(2)逆の場合よりも、各板ばねを小さくすることができる、(3)光学ハウジングの取り付け作業が容易となる、という効果を得ることができる。
【0111】
この場合は、カラープリンタ2000は、光走査装置が機械的な外乱に強くなり、画像品質の低下を招くことなく、小型化を図ることができる。
【0112】
なお、各板ばねの厚さは上記実施形態に限定されるものではなく、「ばね定数」が、板ばね13bの方が板ばね13aよりも大きければ良い。そして、振動の減衰の仕方が非線形であれば、振動を収束させる作用が大きくなる。
【0113】
また、上記実施形態では、2つの板ばねの厚さを異ならせることによってそれらの「ばね定数」を異ならせる場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図32に示されるように、2つの板ばねの幅を異ならせることによって、それらの「ばね定数」を異ならせても良い。また、例えば、図33に示されるように、2つの板ばねの締結位置を異ならせ、締結部と曲面部との距離を異ならせることによって、それらの「ばね定数」を異ならせても良い。
【0114】
また、上記実施形態において、2つの板ばねの「ばね定数」を異ならせるのに代えて、あるいはそれに加えて、前記弾性部材12の形状を、一例として図34に示されるように、鉛直方向の上側と下側とで異ならせても良い。この場合であっても、振動の減衰の仕方を非線形とすることができる。
【0115】
また、各板ばねの材質は、ばね特性を有するものであれば良い。
【0116】
また、弾性部材の材質は、ゴムに限定されるものではない。
【0117】
また、上記実施形態では、各板ばねにおける弾性部材12と接する部分のX軸方向に直交する断面形状が円弧状の場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図35に示されるように、該断面形状がV字形状であっても良い。この場合であっても、プリンタ筐体に対する光学ハウジングの位置決めを精度良く行うことができる。
【0118】
また、上記実施形態において、光学ハウジング2300の+X側の側面及び−X側の側面の外壁に突起11を設けるのに代えて、一例として図36(A)〜図36(C)に示されるように、光学ハウジング2300の+X側の側面及び−X側の側面の外壁における突起11が設けられている部分に溝を形成し、各溝に棒状部材を挿入しても良い。この場合も、上記実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0119】
また、上記実施形態において、光学ハウジング2300の+X側の側面及び−X側の側面の外壁に突起11を設けるのに代えて、一例として図37に示されるように、筐体締結用ステーにおける対応する位置に棒状部材を固定しても良い。この場合は、一例として図38に示されるように、光学ハウジング2300の+X側の側面及び−X側の側面の外壁に、2つの板ばねがねじ止めされる板ばね固定部が設けられる。この場合も、上記実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0120】
また、上記実施形態では、ホルダ10及びホルダ20がアルミダイカスト部品である場合について説明したがこれに限定されるものではない。例えば、ホルダ10及びホルダ20が切削加工によって成形された部材であっても良いし、板金加工によって成形された部材であっても良い。また、ホルダ10及びホルダ20の材質がアルミニウム以外の金属であっても良いし、樹脂であっても良い。例えば、ホルダ10及びホルダ20が射出成形によって成形された樹脂部材であっても良い。
【0121】
また、ホルダ10及びホルダ20のY軸方向に直交する断面(縦断面)の形状は、上記実施形態に限定されるものではない。また、ホルダ10及びホルダ20の寸法は、上記実施形態に限定されるものではない。要するに、ホルダ10は、Z軸方向に関して、偏光分離素子及び折り返しミラーに対してはみ出すことなく該偏光分離素子と該折り返しミラーを一体的に保持していれば良い。また、ホルダ20は、Z軸方向に関して、2枚の折り返しミラーに対してはみ出すことなく該2枚の折り返しミラーを一体的に保持していれば良い。
【0122】
また、上記実施形態において、前記偏光分離素子2110に代えて、一例として図39に示されるように、偏光分離デバイス16を用いても良い。この偏光分離デバイス16は、ビームスプリッタ1610、及び2つの偏光子(1611、1612)を有している。
【0123】
ビームスプリッタ1610は、像面側走査レンズ2107の−X側であって、像面側走査レンズ2107を介した光束(光束LBaと光束LBb)の光路上に配置されている。このビームスプリッタ1610は、入射光束の偏光方向を保存した状態で、入射光束の一部を透過させ、残りを反射するビームスプリッタである。
【0124】
偏光子1611はビームスプリッタ1610の−X側であって、ビームスプリッタ1610を透過した光束の光路上に配置されている。偏光子1612はビームスプリッタ1610の−Z側であって、ビームスプリッタ1610で反射された光束の光路上に配置されている。各偏光子は、ヨウ素又は二色性染料で染色した膜を一軸延伸して得る一般的な偏光フィルムを使用することができる。
【0125】
そして、光束LBaのみが偏光子1611を透過し、光束LBbのみが偏光子1612を透過する。
【0126】
また、同様な偏光分離デバイスを、前記偏光分離素子2110に代えて用いても良い。
【0127】
また、上記実施形態では、各光源が1つの発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、各光源が複数の半導体レーザを有しても良い。また、各光源が複数の発光部を持つ半導体レーザアレイを有しても良い。さらに、各光源が複数の発光部を持つ面発光レーザ(VCSEL)アレイを有しても良い。
【0128】
また、上記実施形態では、画像形成装置として4つの感光体ドラムを有するカラープリンタについて説明したが、これに限定されるものではない。
【0129】
また、上記実施形態では、画像形成装置としてプリンタの場合について説明したが、プリンタ以外の画像形成装置、例えば、複写機、ファクシミリ、又は、これらが集約された複合機であっても良い。
【符号の説明】
【0130】
10…ホルダ、11…突起、12…弾性部材、13a,13b…板ばね、14…筐体締結用ステー、20…ホルダ、16…偏光分離デバイス(光束分離素子)、2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2010…光走査装置、2030a〜2030d…感光体ドラム(像担持体)、2104…ポリゴンミラー(光偏向器)、2105,2105…偏向器側走査レンズ(走査光学系の一部)、2107,2107…像面側走査レンズ(走査光学系の一部)、2106a,2106b,2106c,2106d,2108a,2108b,2108c,2108d,2109a,2109d…折り返しミラー(走査光学系の一部)、2110,2110…偏光分離素子(光束分離素子)、2200a〜2200d…光源、2300…光学ハウジング。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0131】
【特許文献1】特許第4299103号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源や光学系が光学ハウジング内に収容されている光走査装置、及び画像情報に応じて変調された前記光走査装置からの複数の光束により走査される複数の感光体ドラムが、筐体に取り付けられている画像形成装置において、
前記光学ハウジングは、連結機構を介して前記筐体に保持され、
該連結機構は、前記感光体ドラムの軸方向及び鉛直方向のいずれにも直交する方向を長手方向とする複数の連結部と、該複数の連結部を支持する複数の緩衝部材とを有していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記複数の連結部は、前記光学ハウジングの側面に設けられた複数の突起であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記複数の連結部は、前記光学ハウジングの側面に固定されている棒状部材であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記複数の連結部は、前記筐体に固定されている棒状部材であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記緩衝部材は、前記連結部の外周を覆う弾性部材と、該弾性部材を支持するばね部材とを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ばね部材は、ばね定数が互いに異なる2つの板ばねを含むことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記2つの板ばねは、鉛直方向に関して対向し、
下側に位置する板ばねのばね定数は、上側に位置する板ばねのばね定数よりも大きいことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記2つの板ばねは、前記弾性部材と接する部分の断面形状が円弧形状あるいはV字形状であり、前記連結部の位置決め機能を有することを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記弾性部材は、縦断面の形状が、鉛直方向に関して、上側と下側とで異なっていることを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記光走査装置は、複数の光源と、該複数の光源からの複数の光束を偏向する光偏向器と、該光偏向器で偏向された複数の光束を分離させる光束分離素子を含み、該複数の光束を、対応する感光体ドラムの表面に個別に集光する走査光学系と、を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図5】
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【図6】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2013−3329(P2013−3329A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133838(P2011−133838)
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】