画像表示方法及びその装置並びに画像表示プログラム
【課題】短時間で最適観察方向を決定するための画像を表示すること。
【解決手段】観察方向設定部16により被検体1における心臓冠状動脈1aに対する複数の観察方向F1〜Fjを設定し、画像データ作成部17により心臓冠状動脈1aの4次元画像データ4D(x,y,z,t)から複数の観察方向F1〜Fjにおける複数の3次元画像データ(u,v,t)3Dをそれぞれ作成し、表示制御部18により各観察方向F1〜Fjを固定した状態で、心臓冠状動脈1aの各3次元画像データ(u,v,t)3Dをそれぞれモニタ画面20a上に動画表示する。
【解決手段】観察方向設定部16により被検体1における心臓冠状動脈1aに対する複数の観察方向F1〜Fjを設定し、画像データ作成部17により心臓冠状動脈1aの4次元画像データ4D(x,y,z,t)から複数の観察方向F1〜Fjにおける複数の3次元画像データ(u,v,t)3Dをそれぞれ作成し、表示制御部18により各観察方向F1〜Fjを固定した状態で、心臓冠状動脈1aの各3次元画像データ(u,v,t)3Dをそれぞれモニタ画面20a上に動画表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばX線診断装置等の医用機器により取得される心臓冠状動脈等の被検体の動画を読影して血管内手術(インターベンション)を行う際に、被検体に対する医用X線装置による最適な観察方向を決定するために被検体の動画を表示する画像表示方法及びその装置並びに画像表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
人体等の被検体には、血管として心臓を取り巻くように走行し、心臓の筋肉に血液を供給する心臓冠状動脈がある。この心臓冠状動脈に狭窄等の病変が発生すると重篤に事態になる。このような病変の治療をするためにX線診断装置を用いたインターベンションが行われる。
【0003】
このX線診断装置を用いてのインターベンションは、心臓冠状動脈内の器具を挿入して手技を行う危険な手術となる。このインターベンションでは、X線診断装置の検出器の位置を固定し、ある観察方向(view angle)からX線を照射し続け、モニタ画面上に表示される被検体となる血管の画像を見ながら手技を進める。このとき、最適な観察方向(optimal view angle)から血管の画像を見ることができれば、手技は行い易い。
【0004】
図28及び図29は観察方向の一部を示す。観察方向は、図28に示すように人体等の被検体1に対して頭部方向(CRA)と尾部方向(CAU)とにより表現される観察角度θと、図29に示すように被検体1に対して第1斜位方向(RAO)と第2斜位方向(LAO)とにより表現される観察角度φとを有する。
【0005】
しかしながら、最適な観察方向からずれると、例えば心臓冠状動脈が他の血管と重なったり、分岐する血管が心臓冠状動脈に重なったり、心臓冠状動脈の長さが短く見えたり(foreshortening)するなどの影響を受けて、手技が遣り難くなる。このため、インターベンションを行うに際しては、事前情報から最適な観察方向を知ることが大切になる。なお、心臓冠状動脈の長さが短く見える(foreshortening)のは、3次元空間内に走行する心臓冠状動脈を2次元平面に投影したとき、実際に3次元空間内に走行する心臓冠状動脈の長さよりも2次元平面に投影したみかけの心臓冠状動脈の長さが短くなる現象である。Foreshortening0%は、実際の長さとみかけの長さとが同じである。Foreshortening100%は、心臓冠状動脈が点に見える現象を表す。
【0006】
インターベンションにおいて最適観察方向を決定するための手技がある。この手技は、2方向のX線撮像画像から心臓冠状動脈を立体表示(coronary 3D、coronary tree)する技術を用いるもので、モニタ画面上に心臓冠状動脈の立体像を回転表示させて最適観察方向を決定する。この手技は、臨床で盛んになってきている。なお、図30はEpipolar幾何理論を用いた立体画像の構築の模式図を示す。例えば人体における心臓冠状動脈1aに対して例えば正面側である一方の方向から撮像して取得した投影画像をFrontal画像2とする。一方の方向とは異なる側面側である他の方向から撮像して取得した投影画像をLateral画像3とする。Lateral画像3上の点Aに投影される心臓冠状動脈1aは、3次元空間内において線Bのどこかに存在するが、特定できない。Frontal画像2上において線Bは、線C上に投影される。心臓冠状動脈1aは、線C上のどこかに投影されている。従って、例えばインタベーションを行う術者がFrontal画像2上で対応点をマニュアルで指定すると、心臓冠状動脈1aの3次元空間内の位置が定まる。すなわち、3次元位置を特定するには、Frontal画像2上とLateral画像3上とで対応する点の座標を指定することが必要となる。
【0007】
図31はモニタ画面上に表示される血管立体像の回転表示の一例を示す。この血管立体像の回転表示は、心臓冠状動脈1aに対する観察方向を第1斜位方向(RAO)、第2斜位方向(LAO)で観察方向(観察視点)を移動させたときの動画で示す。なお、各血管立体像中の矢印は、心臓冠状動脈1aの回転移動方向を示す。
具体的には、例えば時間経過に従ってRAO=50°、RAO=90°、RAO=130°、…、LAO=10°で連続的に観察方向を移動させた動画をモニタ画面上に表示する。CRA=0°である。なお、RAO、LAOの観察角度は、図示の煩雑化をなくすためにRAO=50°、RAO=90°、RAO=130°、…、LAO=10°のみを示す。心臓冠状動脈1aに対する観察方向を移動させたときの動画は、モニタ画面上で、心臓冠状動脈1aが回転する画像となる。従って、モニタ画面上で回転表示される心臓冠状動脈1aから最適観察方向が決定される。
【0008】
最適観察方向は、次のような方向である。例えば(a)狭窄等の病変部の長さが最も長く見える方向であること。この場合、血管が分岐している部位では、開いて見える方向である。(b)病変部の狭窄が最も細く見える方向であること。(c)狭窄等の病変部に他の血管の重なりが無い方向であること。(d)病変部の見た目の動きが最も小さい方向であること、である。
【0009】
心臓血管は、心拍運動によってその位置が動く。心臓血管のある瞬時すなわちある心位相の血管立体像を構築し、この血管立体像から上記(a)(b)(c)を満足する最適観察方向を決定しても、この最適観察方向が全ての心位相で最適観察方向になるものとは言いがたい。換言すれば、ある心位相では最適観察方向であっても、この最適観察方向が他の心位相では、上記(a)(b)(c)を満足する最適観察方向になるとは限らない。上記(d)の病変部の見た目の動きが最も小さい方向については、最適観察方向を決定することができない。例えば、ある心位相では心臓冠状動脈1aに他の血管が重なっていなくても、他の心位相では心臓冠状動脈1aに他の血管に隠れてしまいインターベンションがやりにくいことがよくある。
【0010】
なお、心位相は、心電図信号を用いて説明すると次の通りである。心電図(ECG)は、心臓の運動を電気信号として捉えたものである。心電図信号Eには、図32に示すように心室収縮時にR波が現れる。心位相は、心電図信号EにおけるR波からR波の時間間隔のうち、ある瞬時の時相を示す。一般にR波を0%時相、次のR波を100%時相と定義し、その間を時間比で求める。例えば心臓拡張末期は、時相75%付近と表現される。
【0011】
ところで、上記(a)(b)(c)を満足するものとして決定された最適観察方向が全ての心位相で最適観察方向を満足するとは限らないので、これを解決するために、複数の心位相でそれぞれ3次元空間(x,y,z)の画像データと時間的要素(t)とから成る各4次元画像データ(x,y,z,t)を立体構築し、これら4次元画像データを用いて全ての心位相に対して最適となる観察方向を決定する手法が考えられる。
【0012】
しかしながら、このような手法では、観察方向を移動させたときの情報と、心拍運動の情報との両情報が含まれる。これにより、モニタ表示画面には、図31に示す観察方向を移動させたときの血管立体像の表示に心拍運動の動きが加わって表示される。このようにモニタ表示画面上に観察方向の移動と心拍運動の動きとの両方を同時に表現すると、モニタ表示画面上における心臓冠状動脈1aの動きが複雑となり、最適観察方向の決定が困難になる。観察方向を移動させての最適観察方向と、ある心位相での最適観察方向とをそれぞれ別々に決定すると、局所的な最適観察方向が決定されるばかりでなく、全ての心位相に対して最適となる観察方向を決定するのに非常に長い時間を要する。
【特許文献1】米国特許第6501848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、短時間で最適観察方向を決定するための画像を表示できる画像表示方法及びその装置並びに画像表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1によれば、コンピュータの画像処理によって周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示方法において、被検体を画像表示する上での複数の表示形態条件を設定し、時間的要素を含む被検体の4次元画像データから複数の表示形態条件に応じた時間的要素を含む複数の3次元画像データをそれぞれ作成し、複数の表示形態条件を固定した状態で、これら固定した各表示形態条件の3次元画像データを切り替えてモニタ画面上に動画表示する画像表示方法である。
【0015】
請求項3によれば、コンピュータの画像処理によって周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示方法において、被検体に対する複数の観察方向を設定し、時間的要素を含む被検体の4次元画像データから複数の観察方向における時間的要素を含む複数の3次元画像データをそれぞれ作成し、複数の観察方向を固定した状態で、収縮運動する被検体の複数の3次元画像データをそれぞれモニタ画面上に動画表示する画像表示方法である。
【0016】
請求項9によれば、コンピュータの画像処理によって周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示方法において、被検体の収縮運動における複数の位相を設定し、時間的要素を含む被検体の4次元画像データから複数の位相毎にそれぞれ被検体に対する観察方向を移動させた時間的要素を含む複数の3次元画像データをそれぞれ作成し、位相を固定した状態で、かつ観察方向を移動させた複数の3次元画像データをそれぞれモニタ画面上に動画表示する画像表示方法である。
【0017】
請求項13によれば、コンピュータの画像処理によって周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示方法において、被検体の周期的な収縮運動の量に対応する複数の色情報を設定し、時間的要素を含む被検体の複数の3次元画像データを作成し、複数の3次元画像データ中に色情報を表示する画像表示方法である。
【0018】
請求項16によれば、コンピュータの画像処理によって周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示方法において、時間的要素を含む被検体の4次元画像データから任意の観察方向における時間的要素を含む第1の3次元画像データを作成し、4次元画像データから被検体の収縮運動を固定させた状態で、かつ被検体に対する観察方向を移動させる第2の3次元画像データを作成し、第1の3次元画像データと第2の3次元画像データとを切り替えてモニタ画面上に表示する画像表示方法である。
【0019】
請求項20によれば、周期的な収縮運動をする被検体に対する複数の観察方向を設定する観察方向設定部と、モニタ画面を有するモニタと、時間的要素を含む被検体の4次元画像データから複数の観察方向における時間的要素を含む複数の3次元画像データをそれぞれ作成する画像データ作成部と、複数の観察方向を固定した状態で、かつ収縮運動する被検体の複数の3次元画像データをそれぞれモニタ画面上に動画表示する表示制御部とを具備する画像表示装置である。
【0020】
請求項27によれば、周期的な収縮運動をする被検体の収縮運動における複数の位相を設定する位相設定部と、モニタ画面を有するモニタと、時間的要素を含む被検体の4次元画像データから複数の位相毎にそれぞれ被検体に対する観察方向を移動させた時間的要素を含む複数の3次元画像データをそれぞれ作成する画像データ作成部と、位相を固定した状態で、かつ観察方向を移動させた複数の3次元画像データをそれぞれモニタ画面上に動画表示する表示制御部とを具備する画像表示装置である。
【0021】
請求項37によれば、周期的な収縮運動をする被検体の時間的要素を含む4次元画像データから任意の観察方向における時間的要素を含む第1の3次元画像データと、4次元画像データから被検体の収縮運動を固定させた状態で、かつ被検体に対する観察方向を移動させる第2の3次元画像データとを作成する画像データ作成部と、モニタ画面を有するモニタと、画像データ作成部により作成された第1の3次元画像データと第2の3次元画像データとを切り替えてモニタ画面上に表示する表示制御部とを具備する画像表示装置である。
【0022】
請求項41によれば、コンピュータによって実行され、周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示プログラムにおいて、被検体に対する複数の観察方向を設定させ、時間的要素を含む被検体の4次元画像データから複数の観察方向における時間的要素を含む複数の3次元画像データをそれぞれ作成させ、複数の観察方向を固定した状態で、かつ収縮運動する被検体の複数の3次元画像データをそれぞれモニタ画面上に動画表示させる画像表示プログラムである。
【0023】
請求項42によれば、コンピュータによって実行され、周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示プログラムにおいて、被検体の収縮運動における複数の位相を設定させ、時間的要素を含む被検体の4次元画像データから複数の位相毎にそれぞれ被検体に対する観察方向を移動させた時間的要素を含む複数の3次元画像データをそれぞれ作成させ、位相を固定した状態で、かつ観察方向を移動させた複数の3次元画像データをそれぞれモニタ画面上に動画表示させる画像表示プログラムである。
【0024】
請求項44によれば、コンピュータにより実行され、周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示プログラムにおいて、時間的要素を含む被検体の4次元画像データから任意の観察方向における時間的要素を含む第1の3次元画像データを作成させ、4次元画像データから被検体の収縮運動を固定させた状態で、かつ被検体に対する観察方向を移動させる第2の3次元画像データを作成させ、第1の3次元画像データと第2の3次元画像データとを切り替えてモニタ画面上に表示させる画像表示プログラムである。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、短時間で最適観察方向を決定するための画像を表示できる画像表示方法及びその装置並びに画像表示プログラムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は画像表示装置の構成図を示す。画像表示装置本体10には、医用機器11が接続されている。この医用機器11は、周期的な収縮運動をする被検体1、例えば心拍運動する心臓を取り巻くように走行する心臓冠状動脈1aを撮像してその画像データを取得する。この医用機器10は、例えばX線装置、X線コンピュータ断層撮影装置(X線CT装置)、磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)、陽電子放出コンピュータ断層撮影装置(PET装置)、単光子放出コンピュータ断層撮影装置(SPECT装置),超音波診断装置(US)、血管内超音波検査法(IVUS)、X線診断装置である。
【0027】
画像表示装置本体10は、コンピュータの画像処理によって心臓冠状動脈1aの画像を表示する。この画像表示装置本体10は、CPU等により成る主制御部12を有する。この主制御部12には、画像データ記憶部13と、プログラムメモリ14とが接続されている。又、この主制御部12から発せられる指令により4次元データ構築部15と、観察方向設定部16と、画像データ作成部17と、表示制御部18と、キーボードやマウス、テンキー等の操作部19とが動作する。表示制御部18には、液晶ディスプレイ等のモニタ20が接続されている。又、主制御部12には、入力部21が接続されている。この入力部21には、心電計22が接続されている。この心電計(ECG)22は、被検体1における心臓の運動を心電図信号Eとして出力する。
【0028】
4次元データ構築部15は、医用機器11により取得された被検体1の画像データを受け取り、この画像データから図2に示すような4次元画像データ4D(x,y,z,t)を構築する。この4次元画像データ4Dは、3次元画像表示の一手法であるボリュームレタリングにより成る。又、4次元画像データ4Dは、最大値投影(MIP:Maximum Intensity Projection)により成る。最大値投影(MIP)は、MRI装置、X線CT装置、US装置による血管の表示法によく用いられる。しかるに、4次元画像データ4Dは、3次元空間(x,y,z)の画像データと時間的要素(t)とから成る。この4次元画像データ4Dは、画像データ記憶部13に記憶される。 観察方向設定部16は、例えば被検体1における心臓冠状動脈1aに対する複数の観察方向を設定する。これら観察方向は、例えば操作部19に対する例えばインタベーションを行う術者の操作入力を受けて設定する。各観察方向は、上記図28に示すように人体等の被検体1に対して頭部方向(CRA)及び尾部方向(CAU)により表現される観察角度θと、図29に示すように被検体1に対して第1斜位方向(RAO)及び第2斜位方向(LAO)により表現される観察角度φとの組み合わせから成る。
【0029】
複数の観察方向(観察角度)F1、F2、F3、…、Fjは、例えば9つ(j=9)の観察方向F1(RAO30°,CRA20°)、F2(0,CRA20°)、F3(LAO50°,CRA20°)、F4(RAO30°,0°)、F5(0°,0°)、F6(LAO50°,0°)、F7(RAO30°,CAU30°)、F8(0°,CAU30°)、F9(LAO50°,CAU30°)に固定設定される。なお、複数の観察方向は、上記9つのF1、F2、F3、…、F9に限らず、例えばインタベーションを行う術者によって任意に設定可能である。観察方向は、観察角度、観察視点、view方向と同意義語である。
【0030】
画像データ作成部17は、4次元画像データ4Dから図3に示すような複数の観察方向における時間的要素tを含む複数の3次元画像データ(u,v,t)3Dをそれぞれ作成する。この3次元画像データ3Dは、2次元空間(u,v)の画像データと時間的要素tとから成る。観察方向設定部16において複数の観察方向F1、F2、F3、…、Fjが固定設定されると、画像データ作成部17は、これら観察方向F1、F2、F3、…、Fj毎の各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3Djを作成する。これら3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3Djは、それぞれ各観察方向F1、F2、F3、…、Fjに固定設定された状態で、心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aの各動画になる。
【0031】
表示制御部18は、例えば各観察方向F1、F2、F3、…、Fjに固定した状態で、心拍運動する心臓を取り巻くように走行する心臓冠状動脈1aの各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3Djをそれぞれモニタ20のモニタ画面20a上に動画表示する。この場合、表示制御部18は、例えば図4に示すようにモニタ画面20a上に複数のウィンドウW1、W2、W3、…、Wjを形成し、これらウィンドウW1、W2、W3、…、Wjにそれぞれ各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3Djを互いに時間的要素tを同期して一覧表示する。
【0032】
表示制御部18は、各観察方向F1、F2、F3、…、Fjのうち例えばRAOをモニタ画面20a中の左側、LAOをモニタ画面20aの右側、CAUをモニタ画面20aの下側、CRAをモニタ画面20aの上側に表示する。
図4は例えば9つのウィンドウW1〜W9をモニタ画面20a上に形成している。複数の観察方向F1〜Fjの設定数は、例えば病院において施術されるインタベーション手術中に頻度高く設定される複数の観察方向、例えば10種類程度の観察方向から決定される。これにより、9つのウィンドウW1〜W9には、それぞれ観察方向F1、F2、F3、…、Fjが割り当てられる。従って、これらウィンドウW1〜W9には、各観察方向F1、F2、F3、…、Fjに固定設定された状態で、心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aの各動画が表示される。
表示制御部18は、心電計22から出力される図32に示すような被検体1の心臓の心電図信号Eを入力し、この心電図波形をモニタ画面20a内の例えば隅部分に表示する。
【0033】
プログラムメモリ14には、主制御部12によって実行される画像表示プログラムが記憶されている。この画像表示プログラムは、例えば心拍運動する心臓を取り巻くように走行する心臓冠状動脈1aに対する複数の観察方向F1、F2、F3、…、Fjを設定させ、心臓冠状動脈1aの時間的要素tを含む4次元画像データ4Dから各観察方向F1、F2、F3、…、Fjにおける時間的要素tを含む複数の3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3Djをそれぞれ作成させ、それぞれ各観察方向F1、F2、F3、…、Fjを固定した状態で、心臓冠状動脈1aの各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3Djをそれぞれモニタ画面20a上に動画表示させる。
【0034】
次に、上記の如く構成された装置による画像表示の動作について説明する。
医用機器10は、例えばX線装置、X線CT装置、MRI装置、PET装置、SPECT装置、US装置、IVUS装置、X線診断装置であり、例えば心拍運動する心臓を取り巻くように走行する心臓冠状動脈1aを撮像してその画像データを取得する。
4次元データ構築部15は、医用機器11により取得された被検体1の画像データを受け取り、この画像データから図2に示すような4次元画像データ4D(x,y,z,t)を構築する。この4次元画像データ4Dは、画像データ記憶部13に記憶される。
【0035】
一方、観察方向設定部16は、操作部19に対するインタベーションを行う術者の操作入力を受け、例えば被検体1における心臓冠状動脈1aに対する複数の観察方向F1〜Fjを設定する。添え記号jは、各観察方向(観察角度)を表す。これら観察方向F1〜Fjの設定数は、例えば病院において施術されるインタベーション手術中に頻度高く設定される複数の観察方向、例えば10種類程度の観察方向から決定される。これら複数の観察方向F1、F2、F3、…、Fjは、例えば9つ(j=9)の観察方向F1(RAO30°,CRA20°)、F2(0,CRA20°)、F3(LAO50°,CRA20°)、F4(RAO30°,0°)、F5(0°,0°)、F6(LAO50°,0°)、F7(RAO30°,CAU30°)、F8(0°,CAU30°)、F9(LAO50°,CAU30°)に固定設定される。
【0036】
次に、画像データ作成部17は、画像データ記憶部13から4次元画像データ4Dを読み込むと共に、観察方向設定部16において固定設定された例えば9つ(j=9)の観察方向F1、F2、F3、…、F9を受け取る。画像データ作成部17は、各観察方向F1、F2、F3、…、F9毎に、4次元画像データ4Dから図3に示すような3次元画像データ(u,v,t)3D(3D1、3D2、3D3、…、3D9)を作成する。これら3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9は、それぞれ各観察方向F1、F2、F3、…、Fjに固定設定された状態で、心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aの各動画になる。
【0037】
ここで、各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9の具体的な作成方法について図5に示す3次元画像データ作成フローチャートに従って説明する。同フローチャートは、各ウィンドウW1〜W9に表示する3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9を1動画ずつ順次に作成する。
【0038】
先ず、画像データ作成部17は、ステップ#1において、観察方向設定部16から9つ(j=9)の観察方向F1、F2、F3、…、F9を読み込む。画像データ作成部17は、ステップ#2において、画像データ記憶部13からある心位相ik(k=1,2,3,…,m)の4次元画像データ4D(x,y,z/t=i1)を読み込む。
【0039】
次に、画像データ作成部17は、ステップ#3において、先ず、観察方向F1で読み込んだある心位相i1の4次元画像データ4D(x,y,z/t=i1)から観察方向F1に投影した1枚の投影画像データ(u,v/t=i1)を作成する。この観察方向F1の1枚の投影画像データ(u,v/t=i1)は、静止画像データである。
次に、画像データ作成部17は、ステップ#4において、全ての観察方向F1、F2、F3、…、F9の各1枚のづつ各投影画像データ(u,v/t=i1)が作成されたか否かを判断する。全ての観察方向F1、F2、F3、…、F9の各1枚の投影画像データ(u,v/t=i1)が作成されていなければ、画像データ作成部17は、ステップ#3に戻り、観察方向F2で読み込んだ同心位相iの4次元画像データ4D(x,y,z/t=i1)から観察方向F2に投影した1枚の投影画像データ(u,v/t=i1)を作成する。
【0040】
全ての観察方向F1、F2、F3、…、F9毎に各1枚の投影画像データ(u,v/t=i1)が作成されると、画像データ作成部17は、ステップ#5に移り、各観察方向F1、F2、F3、…、F9毎の各投影画像データ(u,v/t=i1)を表示制御部18に送る。この表示制御部18は、図4に示すモニタ画面20a上の各ウィンドウW1〜W9にそれぞれ各観察方向F1、F2、F3、…、F9毎の各投影画像データ(u,v/t=i1)を表示する。この時点で、モニタ画面20a上の各ウィンドウW1〜W9に表示される各投影画像データは、静止画である。
【0041】
次に、画像データ作成部17は、ステップ#6において、各観察方向F1、F2、F3、…、F9毎に、それぞれ動画とするのに必要な投影画像データの枚数に到達したか否かを判断する。動画とするのに必要な投影画像データの枚数は、周期的な収縮運動をする被検体1の1サイクルを連続して動画として表示するに必要な枚数である。ここで、被検体1が心臓冠状動脈1aであれば、動画とするのに必要な投影画像データの枚数は、心臓の1心拍を連続して動画として表示するに必要な投影画像データの枚数になる。
この判断の結果、各観察方向F1、F2、F3、…、F9毎にそれぞれ動画とするのに必要な投影画像データの枚数に到達していなければ、画像データ作成部17は、ステップ#2に戻る。この画像データ作成部17は、ステップ#2において、画像データ記憶部13から次の心位相ik、例えば心位相i2の4次元画像データ4D(x,y,z/t=i2)を読み込む。以下、上記同様に、画像データ作成部17は、各ステップ#3、#4において、全ての観察方向F1、F2、F3、…、F9の各1枚の投影画像データ(u,v/t=i2)を作成する。次に、表示制御部18は、ステップ#5において、図4に示すモニタ画面20a上の各ウィンドウW1〜W9にそれぞれ各観察方向F1、F2、F3、…、F9毎の投影画像データ(u,v/t=i1)に連続して投影画像データ(u,v/t=i2)を表示する。
【0042】
従って、画像データ作成部17は、ステップ#1〜#6を繰り返すことにより、各観察方向F1、F2、F3、…、F9毎にそれぞれ各投影画像データ(u,v/t=i1,2,3,…,m)を次第に動画として作成する。
【0043】
心臓の1心拍を連続して動画として表示するに必要な投影画像データの枚数に到達すると、画像データ作成部17は、各観察方向F1、F2、F3、…、F9毎の各投影画像データ(u,v/t=i1,2,3,…,m)から成る3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9の動画の作成を完了する。すなわち、各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9は、図3に示すようにそれぞれ2次元空間(u,v)の画像データと時間的要素t(=i1,2,3,…,m)とから成り、各観察方向F1、F2、F3、…、F9毎に固定状態とされた心臓の1心拍中に合せて運動する心臓冠状動脈1aの動画に成る。画像データ作成部17は、各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9を表示制御部18に送る。
【0044】
この表示制御部18は、ステップ#7において、図4に示すモニタ画面20a上の各ウィンドウW1〜W9にそれぞれ各観察方向F1、F2、F3、…、F9毎に、各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9を動画表示する。図6は例えばモニタ画面20a上のウィンドウW5に表示される観察方向F5の3次元画像データ3D5の動画を示す。この3次元画像データ3D5の動画は、観察方向F5(0°,0°)を固定状態としたときの心臓の1心拍中に合せて運動する心臓冠状動脈1aの動画を表示する。動画中の矢印は、心臓冠状動脈1aの心拍に応じた運動方向を示す。
【0045】
図6はウィンドウW5に表示される観察方向F5の3次元画像データ3D5の動画を示すが、他の各ウィンドウW1〜W4、W6〜W9においても各観察方向F1〜F4、F6〜F9の各3次元画像データ3D1〜D4、D6〜D9の動画が表示される。表示制御部18は、各ウィンドウW1〜W9における各観察方向F1〜F9の各3次元画像データ3D1〜D9の動画を時間的要素tを同期させて表示する。
【0046】
表示制御部18は、各ウィンドウW1〜W9にそれぞれ表示する各観察方向F1〜F9の各3次元画像データ3D1〜D9の動画の再生スピードを心臓の心拍運動のスピードに一致させて表示する。なお、表示制御部18は、各3次元画像データ3D1〜D9の動画の再生スピードを、例えば操作部19から操作入力された任意のスピードに設定したり、各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9を作成するための各投影画像データを収集するスピードに一致させてもよい。
表示制御部18は、心電計22から出力される図32に示すような被検体1の心臓の心電図信号Eを入力し、この心電図波形をモニタ画面20a内の例えば隅部分に表示する。これにより、各ウィンドウW1〜W9にそれぞれ表示する各3次元画像データ3D1〜D9の動画の再生スピードは、心臓の心拍運動のスピードに一致しているので、心電図を併せて表示することにより心臓冠状動脈1aの心拍に応じた運動が認識し易い。
【0047】
次に、表示制御部18は、ステップ#8において、各ウィンドウW1〜W9にそれぞれ表示する各観察方向F1〜F9の各3次元画像データ3D1〜D9の各動画のうちいずれかの動画が選択されるのかを判断する。ここで、操作部19における例えばマウスがインターベンションを行う術者によって操作され、モニタ画面20a上のポインタPがウィンドウW5上に配置されてクリック操作されると、表示制御部18は、ステップ#9において、ウィンドウW5すなわち観察方向F5(0°,0°)をインターベンションを行うときの最適観察角度として決定する。
次に、主制御部12は、最適観察角度として決定した観察方向F5(0°,0°)を例えばRAM等のメモリに保存し、かつ医用機器11に送信する。
【0048】
次に、各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9の具体的な別の作成方法について図7に示す3次元画像データ作成フローチャートに従って説明する。同フローチャートは、1つのウィンドウW1〜W9毎に順次3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9を動画に作成する。
【0049】
先ず、画像データ作成部17は、ステップ#1において、画像データ記憶部13からある心位相ik(k=1,2,3,…,m)の4次元画像データ4D(x,y,z/t=i1)を順次読み込む。画像データ作成部17は、ステップ#2において、観察方向設定部16から9つ(j=9)の観察方向F1、F2、F3、…、F9を読み込む。
次に、画像データ作成部17は、ステップ#3において、先ず、観察方向F1で読み込んだある心位相i1の4次元画像データ4D(x,y,z/t=i1)から観察方向F1に投影した1枚の投影画像データ(u,v/t=i1)を作成する。この観察方向F1の1枚の投影画像データ(u,v/t=i1)は、静止画像データである。
次に、画像データ作成部17は、ステップ#10において、観察方向F1で全ての心位相ik(k=1,2,3,…,m)の投影画像データ(u,v/t=i1〜m)が作成されたか否かを判断する。すなわち、画像データ作成部17は、観察方向F1において動画とするのに必要な投影画像データの枚数に到達したか否かを判断する。動画とするのに必要な投影画像データの枚数は、上記同様に、周期的な収縮運動をする被検体1の1サイクルを連続して動画として表示するに必要な枚数である。ここで、被検体1が心臓冠状動脈1aであれば、動画とするのに必要な投影画像データの枚数は、心臓の1心拍を連続して動画として表示するに必要な投影画像データの枚数になる。
観察方向F1で全ての心位相ik(k=1,2,3,…,m)の投影画像データ(u,v/t=i1〜m)が作成されていなければ、画像データ作成部17は、ステップ#1に戻り、
観察方向F1における心位相i2の4次元画像データ4D(x,y,z/t=i2)を読み込み、ステップ#3において、4次元画像データ4D(x,y,z/t=i2)から観察方向F1に投影した1枚の投影画像データ(u,v/t=i2)を作成する。以下、同様に、画像データ作成部17は、ステップ#1、#3を繰り返して観察方向F1に投影した各投影画像データ(u,v/t=i1〜m)を作成する。
【0050】
心臓の1心拍を連続して動画として表示するに必要な投影画像データの枚数に到達すると、画像データ作成部17は、観察方向F1において各心位相i1〜mの各投影画像データ(u,v/t=i1〜m)から成る3次元画像データ3D1の動画の作成を完了する。すなわち、3次元画像データ3D1は、2次元空間(u,v)の画像データと時間的要素t(=i1,2,3,…,m)とから成る動画であって、観察方向F1に固定状態とされた心臓の1心拍中に合せて運動する心臓冠状動脈1aの動画である。
画像データ作成部17は、ステップ#11において、3次元画像データ3D1を表示制御部18に送る。この表示制御部18は、モニタ画面20a上のウィンドウW1に観察方向F1における3次元画像データ3D1を動画表示する。
【0051】
次に、画像データ作成部17は、ステップ#12において、全ての観察方向F1、F2、F3、…、F9における3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9の動画が作成されたか否かを判断する。ここでは、観察方向F1における3次元画像データ3D1の動画が作成されたのみであるので、画像データ作成部17は、ステップ#2に戻り、観察方向F2に設定し、再びステップ#3〜#11を繰り返して観察方向F2の3次元画像データ3D2の動画を作成する。 観察方向F2の3次元画像データ3D2の動画の作成を完了すると、画像データ作成部17は、3次元画像データ3D2を表示制御部18に送る。この表示制御部18は、ステップ#11において、モニタ画面20a上のウィンドウW2に観察方向F2における3次元画像データ3D2を動画表示する。
以下、同様に、画像データ作成部17は、ステップ#2〜#12を繰り返し、各観察方向F3、F4、…、F9における各3次元画像データ3D3、3D4、…、3D9の動画を順次作成する。表示制御部18は、モニタ画面20a上の各ウィンドウW3、W4、…、W9に順次動画表示する。
【0052】
全ての観察方向F1、F2、F3、…、F9の各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9の作成が完了すると、表示制御部18は、ステップ#7において、図4に示すモニタ画面20a上の各ウィンドウW1〜W9にそれぞれ全観察方向F1、F2、F3、…、F9の各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9を動画表示する。これら3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9の動画表示は、各観察方向F1〜F9を固定状態としたときの心臓の1心拍中に合せて運動する心臓冠状動脈1aの動画を表示する。なお、これら3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9の動画表示は、上記図5に示す3次元画像データ作成フローチャートに従って動画表示された3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9と同一である。
【0053】
次に、表示制御部18は、ステップ#8において、各ウィンドウW1〜W9にそれぞれ表示する各観察方向F1〜F9の各3次元画像データ3D1〜D9の各動画のうちいずれかの動画が選択されるのかを判断する。ここで、操作部19における例えばマウスがインターベンションを行う術者によって操作され、モニタ画面20a上のポインタPがウィンドウW5上に配置されてクリック操作されると、表示制御部18は、ステップ#9において、ウィンドウW5すなわち観察方向F5(0°,0°)をインターベンションを行うときの最適観察角度として決定する。
次に、主制御部12は、最適観察角度として決定した観察方向F5(0°,0°)を例えばRAM等のメモリに保存し、かつ医用機器11に送信する。
【0054】
このように上記第1の実施の形態によれば、例えば被検体1における心臓冠状動脈1aに対する複数の観察方向F1〜Fjを設定し、心臓冠状動脈1aの4次元画像データ4D(x,y,z,t)から複数の観察方向F1〜Fjにおける複数の3次元画像データ(u,v,t)3Dをそれぞれ作成し、複数の観察方向F1〜Fjを固定した状態で、心臓の心拍に応じた心臓冠状動脈1aの運動を表す複数の3次元画像データ(u,v,t)3Dをそれぞれモニタ画面20a上に動画表示する。
【0055】
これにより、各観察方向F1〜Fjと、心臓の心拍に応じた心臓冠状動脈1aの運動とをそれぞれ独立して表示することができる。インターベンションを行う術者は、複数の観察方向F1〜Fjの各心臓冠状動脈1aの心拍に応じた運動を示す各動画からインターベンションを行うのに最適な観察方向F1、F2、F3、…、又はF9を簡単にかつ素早く選択できる。従って、インターベンションを行うに際して事前情報に最適な観察方向を知ることができる。このように選択された最適な観察方向F1、F2、F3、…、又はF9であれば、最適な観察方向からずれて例えば心臓冠状動脈1aが他の血管と重なったり、分岐する血管が心臓冠状動脈1aに重なったり、心臓冠状動脈1aが短く見えたり(foreshortening)するなどの影響を受けることがない。
【0056】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。同実施の形態の装置構成は、上記図1に示す装置構成と同一なので、その相違する部分について説明する。
操作部19は、切替操作部としての例えばマウスを備える。操作部19は、例えばマウスに対するクリック操作を受けると、このクリック操作毎に動画切替信号を表示制御部18に送出する。
【0057】
表示制御部18は、モニタ画面20a上に、複数の観察方向F1〜Fjを固定した状態で、心臓冠状動脈1aの心拍に応じた移動の各観察方向F3、F4、…、F9の各3次元画像データ3D3、3D4、…、3D9の動画を1つの観察方向ずつそれぞれ時間的にずらして順次切り替えて表示する。この場合、表示制御部18は、操作部19からの動画切替信号を入力する毎に、各3次元画像データ3D3、3D4、…、3D9の各動画を1つの観察方向ずつ切り替えて表示する。表示制御部18は、一定時間、例えば心臓の1心拍の期間に合せて自動的に各3次元画像データ3D3、3D4、…、3D9の動画を1つの観察方向ずつ順次切り替えて表示してもよい。
【0058】
プログラムメモリ14には、主制御部12によって実行される画像表示プログラムが記憶されている。この画像表示プログラムは、複数の観察方向F1〜Fjを固定した状態で、各観察方向F3、F4、…、F9の各3次元画像データ3D3、3D4、…、3D9の各動画をモニタ画面20a上にそれぞれ時間的にずらして順次切り替えて表示させる。
【0059】
次に、上記の如く構成された装置による画像表示の動作について説明する。
医用機器10は、上記同様に、例えば心拍運動する心臓を取り巻くように走行する心臓冠状動脈1aを撮像してその画像データを取得する。4次元データ構築部15は、医用機器11により取得された被検体1の画像データを受け取り、この画像データから図2に示すような4次元画像データ4D(x,y,z,t)を構築する。
【0060】
一方、観察方向設定部16は、操作部19に対するインタベーションを行う術者の操作入力を受け、例えば被検体1における心臓冠状動脈1aに対する複数の観察方向F1〜Fjを設定する。これら観察方向F1、F2、F3、…、Fjは、例えば9つ(j=9)の観察方向F1(RAO30°,CRA20°)、F2(0,CRA20°)、F3(LAO50°,CRA20°)、F4(RAO30°,0°)、F5(0°,0°)、F6(LAO50°,0°)、F7(RAO30°,CAU30°)、F8(0°,CAU30°)、F9(LAO50°,CAU30°)に固定設定される。
【0061】
次に、画像データ作成部17は、図8に示す3次元画像データ作成フローチャートに従い、各観察方向F1、F2、F3、…、F9毎の各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9を順次切り替えて表示する。すなわち、画像データ作成部17は、ステップ#1において、画像データ記憶部13からある心位相ik(k=1,2,3,…,m)の4次元画像データ4D(x,y,z/t=i1)を順次読み込む。画像データ作成部17は、ステップ#2において、観察方向設定部16から例えば観察方向Fj=1を読み込む。次に、画像データ作成部17は、ステップ#3において、先ず、観察方向F1において読み込んだ各画像データから観察方向F1に投影した各投影画像データを作成する。
【0062】
次に、画像データ作成部17は、ステップ#3において、先ず、観察方向F1で読み込んだある心位相i1の4次元画像データ4D(x,y,z/t=i1)から観察方向F1に投影した1枚の投影画像データ(u,v/t=i1)を作成する。
次に、画像データ作成部17は、ステップ#10において、観察方向F1で全ての心位相ik(k=1,2,3,…,m)の投影画像データ(u,v/t=i1〜m)が作成されたか否かを判断する。すなわち、画像データ作成部17は、観察方向F1において動画とするのに必要な投影画像データの枚数に到達したか否かを判断する。動画とするのに必要な投影画像データの枚数は、上記同様に、被検体1が心臓冠状動脈1aであれば、動画とするのに必要な投影画像データの枚数は、心臓の1心拍を連続して動画として表示するに必要な投影画像データの枚数になる。
心臓の1心拍を連続して動画として表示するに必要な投影画像データの枚数に到達すると、画像データ作成部17は、観察方向F1の3次元画像データ3D1の動画の作成を完了する。すなわち、3次元画像データ3D1は、2次元空間(u,v)の画像データと時間的要素t(=i1,2,3,…,m)とから成る動画であって、観察方向F1に固定状態とされた心臓の1心拍中に合せて運動する心臓冠状動脈1aの動画である。
【0063】
画像データ作成部17は、ステップ#20において、3次元画像データ3D1を表示制御部18に送る。この表示制御部18は、図9に示すようにモニタ画面20a上に観察方向F1における3次元画像データ3D1を動画表示する。この3次元画像データ3D1は、観察方向F1に固定状態としたときの心臓の1心拍中に合せて運動する心臓冠状動脈1aの動画を表示する。図中の矢印は、心臓の1心拍中に合せて運動する心臓冠状動脈1aの運動方向を示す。
この状態で、画像データ作成部17は、ステップ#21において、操作部19のマウスが左クリック又は右クリックされた否かを判断する。マウスが左クリックされると、画像データ作成部17は、ステップ#22に移り、観察方向Fjを「1」だけインクリメントしてステップ#2に戻る。
【0064】
画像データ作成部17は、ステップ#1〜#3、#10、#20を繰り返し、画像データ記憶部13からある心位相ik(k=1,2,3,…,m)の4次元画像データ4D(x,y,z/t=i1)を順次読み込み、かつ観察方向設定部16から観察方向Fj=2を読み込み、上記同様に、観察方向F2の3次元画像データ3D2の動画を作成する。画像データ作成部17は、3次元画像データ3D2を表示制御部18に送る。この表示制御部18は、図9に示すようにモニタ画面20a上の動画を、観察方向F1における3次元画像データ3D1から観察方向F2における3次元画像データ3D2の動画表示に切り替える。この3次元画像データ3D2は、観察方向F2に固定状態としたときの心臓の1心拍中に合せて運動する心臓冠状動脈1aの動画を表示する。 以下、同様に、観察方向F2の3次元画像データ3D2の動画が表示されている状態で、マウスが左クリックされると、画像データ作成部17は、ステップ#22に移り、観察方向Fjを「1」だけインクリメントしてステップ#2に戻る。これにより、画像データ作成部17は、再びステップ#1〜#3、#10、#20を繰り返し、観察方向F3の3次元画像データ3D3の動画を作成する。表示制御部18は、図9に示すようにモニタ画面20a上の動画を、観察方向F2における3次元画像データ3D2から観察方向F3における3次元画像データ3D3の動画表示に切り替える。
【0065】
従って、マウスが左クリックされる毎に、モニタ画面20a上に表示される動画は、観察方向F4の3次元画像データ3D4、観察方向F5の3次元画像データ3D5、…、観察方向F9の3次元画像データ3D9、観察方向F1の3次元画像データ3D1に順次切り替わる。
【0066】
一方、画像データ作成部17は、ステップ#21において、操作部19のマウスが左クリック又は右クリックされた否かの判断の結果、右クリックされると、ステップ#23に移り、この右クリックされた時点でモニタ画面20a上に表示されている3次元画像データ3Djの観察方向Fjを最適観察方向として決定する。例えば、右クリックされた時点でモニタ画面20a上に観察方向F1の3次元画像データ3D1が表示されていれば、画像データ作成部17は、観察方向F1を最適観察方向として決定する。次に、主制御部12は、最適観察角度として決定した観察方向F1(RAO30°,CRA20°)を例えばRAM等のメモリに保存し、かつ医用機器11に送信する。
【0067】
このように上記第2の実施の形態によれば、マウスが左クリックされる毎に、モニタ画面20a上に表示される動画を、例えば観察方向F1の3次元画像データ3D1、観察方向F2の3次元画像データ3D2、…、観察方向F9の3次元画像データ3D9、観察方向F1の3次元画像データ3D1に切り替える。これにより、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することは言うまでもない。
【0068】
上記第2の実施の形態では、マウスが左クリックされる毎に、観察方向F1の3次元画像データ3D1、観察方向F2の3次元画像データ3D5、…、観察方向F9の3次元画像データ3D9、観察方向F1の3次元画像データ3D1の各動画に切り替えるようにしているが、これに限らず、例えばモニタ画面20a上に切り替え用のアイコンを表示し、このアイコン上のポインタPを配置し、マウスが左クリックされる毎に観察方向F1の3次元画像データ3D1、観察方向F2の3次元画像データ3D5、…、観察方向F9の3次元画像データ3D9、観察方向F1の3次元画像データ3D1を切り替えるようにしてもよい。又、かかる動画の切り替えは、キーボード、タッチパネル、ジョイステック等の操作により切り替えてもよい。
【0069】
上記第2の実施の形態では、マウスが左クリックされる毎に、画像データ作成部17は、画像データ記憶部13からある心位相ik(k=1,2,3,…,m)の4次元画像データ4D(x,y,z/t=i1)を順次読み込み、かつ観察方向設定部16から観察方向Fjを読み込み、観察方向F2の3次元画像データ3D2の動画を作成しているが、予めバックグラウンドで全ての観察方向F1、F2、F3、…、F9の各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9の動画を作成して例えば画像データ記憶部13等に記憶し、マウスが左クリックされる毎に3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、又は3D9を読み出してモニタ画面20a上に表示してもよい。
【0070】
次に、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図10は画像表示装置の構成図を示す。画像表示装置本体10には、位相設定部30が設けられている。この位相設定部30は、主制御部12から発せられる指令により動作する。位相設定部30は、被検体1として心拍運動する心臓の複数の心位相を設定する。これら心位相は、図11に示すように心電計22により取得される心電図波形Eから例えば心位相ik(k=1,2,3,…,m)、例えばik=1(=0%)、ik=2(=20%)、ik=3(=40%)、ik=4(=60%)、ik=5(=80%)に固定設定される。これら心位相ikは、例えばインターベンションを行う術者によってインターベンションを行うのに最適な値に固定設定される。
【0071】
画像データ作成部31は、画像データ記憶部13に記憶されている4次元画像データ4D(x,y,z,t)を読み出し、この4次元画像データ4D(x,y,z,t)から位相設定部30により固定設定された複数の心位相ik毎にそれぞれ心臓に対して観察方向RAO、LAOを連続的に移動させた複数の3次元画像データ(r,s)3Dkを作成する。これら3次元画像データ3Dkは、それぞれ2次元空間(r,s)の画像データと時間的要素t(=i1,2,3,…,m)とから成る動画である。
【0072】
表示制御部32は、各心位相ikに固定した状態すなわち時間的要素tを固定した状態で、観察方向をCRA0、CAU0として、RAO、LAOに連続的に移動させた各3次元画像データ3Dkをそれぞれモニタ画面20a上に動画表示する。表示制御部32は、モニタ画面20a上に、例えば各心位相0%、20%、40%、60%、80%毎の各3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14を互いに観察方向Fjを同期して変えた回転動画を一覧表示する。これら3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14は、それぞれ2次元空間(u,v)の画像データと時間的要素t(=i1,2,3,…,m)とから成る。
【0073】
図12は各心位相ik毎に観察方向RAO、LAOを連続的に移動させた各3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14の一覧表示例を表示する。モニタ画面20a上には、複数のウィンドウW、例えば各ウィンドウW10〜W14が表示される。これら各ウィンドウW10〜W14には、それぞれ各心位相ik毎の各3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14の回転動画が表示される。
【0074】
これら3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14は、それぞれ観察方向をCRA0、CAU0として、RAO、LAOに移動させた動画である。RAO、LAOへの移動スピードは、任意に設定してよく、例えば心臓の心拍運動のスピードに一致させる。観察方向Fjの移動は、例えばFj=10(RAO0CRA0)→Fj=11(RAO30°CRA0)→Fj=12(RAO30°CAU30°)→Fj=13(RAO0CAU30°)→Fj=14(LAO30°CAU30°)→Fj=15(LAO30°CRA30°)→Fj=16(RAO30°CRA30°)→Fj=17(RAO30°CRA0)のように回転する。 プログラムメモリ14には、主制御部12によって実行される画像表示プログラムが記憶されている。この画像表示プログラムは、被検体1として心臓の心拍運動における心位相を固定設定し、4次元画像データ4D(x,y,z,t)から複数の心位相ik毎にそれぞれ心臓に対して観察方向RAO、LAOを連続的に移動させた複数の3次元画像データ(r,s)3Dkを作成し、各心位相ikに固定した状態で、観察方向をCRA0、CAU0として、RAO、LAOに連続的に移動させた各3次元画像データ3Dkをそれぞれモニタ画面20a上に動画表示させる。
【0075】
次に、上記の如く構成された装置による画像表示の動作について説明する。
医用機器10は、上記同様に、例えば心拍運動する心臓を取り巻くように走行する心臓冠状動脈1aを撮像してその画像データを取得する。4次元データ構築部15は、医用機器11により取得された被検体1の画像データを受け取り、この画像データから図2に示すような4次元画像データ4D(x,y,z,t)を構築する。
【0076】
一方、位相設定部30は、被検体1において心拍運動する心臓の複数の心位相ikを設定する。これら心位相ikは、図11に示すように心電計22により取得される心電図波形から、例えば0%、20%、40%、60%、80%が固定設定される。これら心位相ikは、例えばインターベンションを行う術者によってインターベンションを行うのに最適な値に固定設定される。
【0077】
次に、画像データ作成部31は、画像データ記憶部13に記憶されている4次元画像データ4D(x,y,z,t)を読み出し、この4次元画像データ4D(x,y,z,t)から位相設定部30により固定設定された複数の心位相ik毎にそれぞれ心臓に対して観察方向をCRA0、CAU0として、RAO、LAOに連続的に移動させた複数の3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14を作成する。
【0078】
これら3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14の具体的な作成方法は、図14に示す3次元画像データ作成フローチャートに従って説明する。同フローチャートは、各ウィンドウW10〜W14に表示する各3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14を同時に作成する。
先ず、画像データ作成部31は、ステップ#30において、観察方向設定部16から観察方向jを読み込む。この観察方向jは、例えばFj=10(RAO0CRA0)、Fj=11(RAO30°CRA0)、Fj=12(RAO30°CAU30°)、Fj=13(RAO0CAU30°)、Fj=14(LAO30°CAU30°)、Fj=15(LAO30°CRA30°)、Fj=16(RAO30°CRA30°)、Fj=17(RAO30°CRA0)である。
【0079】
これと共に画像データ作成部31は、ステップ#31において、位相設定部30から例えば5つ(k=5)の心位相ik(k=1,2,3,…,m)、例えばik=1(=0%)、ik=2(=20%)、ik=3(=40%)、ik=4(=60%)、ik=5(=80%)読み込む。
【0080】
次に、画像データ作成部31は、ステップ#32において、画像データ記憶部13から先ず、例えば心位相ik=1(=0%)の4次元画像データ4D(x,y,z/i1)を読み込む。
次に、画像データ作成部31は、ステップ#33において、心位相ik=1(=0%)の4次元画像データ4D(x,y,z/i1)から観察方向Fj=10(RAO0CRA0)に投影した1枚の投影画像データ(u,v/t=i1)を作成する。この観察方向Fj=10(RAO0CRA0)の1枚の投影画像データ(u,v/t=i1)は、静止画像データである。
次に、画像データ作成部31は、ステップ#33において、全ての心位相ik、例えばik=1(=0%)、ik=2(=20%)、ik=3(=40%)、ik=4(=60%)、ik=5(=80%)の各投影画像データ(u,v/t=i1〜5)が作成されたか否かを判断する。
【0081】
この判断の結果、全ての心位相ik=5の投影画像データ(u,v/t=i1〜5)が作成されていなければ、画像データ作成部31は、ステップ#32に戻り、心位相ik=2(=20%)の4次元画像データ4D(x,y,z/i1)を読み込み、ステップ#33において、心位相ik=2(=20%)の4次元画像データ4D(x,y,z/i1)から観察方向Fj=10(RAO0CRA0)に投影した1枚の投影画像データ(u,v/t=i1)を作成する。
【0082】
以下、同様に、画像データ作成部31は、ステップ#32〜#34を繰り返し、心位相ik=3(=40%)、ik=4(=60%)、ik=5(=80%)の4次元画像データ4D(x,y,z/i1)を順次読み込み、各心位相ik=3(=40%)、ik=4(=60%)、ik=5(=80%)の4次元画像データ4D(x,y,z/i3〜5)から観察方向Fj=10(RAO0CRA0)に投影した1枚の各投影画像データ(u,v/t=i3〜5)を作成する。
【0083】
全ての心位相ik=5の投影画像データ(u,v/t=i1〜5)が作成されると、画像データ作成部31は、ステップ#34において、1つの観察方向Fj=10(RAO0CRA0)における各心位相ik=3(=40%)、ik=4(=60%)、ik=5(=80%)の各投影画像データ(u,v/t=i1〜5)を表示制御部32に送る。
【0084】
この表示制御部32は、図12に示すモニタ画面20a上の各ウィンドウW10〜W14にそれぞれ各心位相ik(=0%、20%、40%、60%、80%)毎の各投影画像データを表示する。この時点で、モニタ画面20a上の各ウィンドウW10〜W14に表示される各投影画像データは、静止画である。
【0085】
次に、画像データ作成部31は、ステップ#36において、各心位相ik(=0%、20%、40%、60%、80%)毎に、それぞれ全ての観察方向Fj、例えばFj=10(RAO0CRA0)、Fj=11(RAO30°CRA0)、Fj=12(RAO30°CAU30°)、Fj=13(RAO0CAU30°)、Fj=14(LAO30°CAU30°)、Fj=15(LAO30°CRA30°)、Fj=16(RAO30°CRA30°)、Fj=17(RAO30°CRA0)の観察方向Fjの投影画像データが作成されたか否かを判断する。
【0086】
この判断の結果、全ての観察方向Fjの投影画像データが作成されていなければ、画像データ作成部31は、ステップ#30に戻り、次の観察方向j(RAO30°CRA0)を読み込み、ステップ#33に移る。このように画像データ作成部31は、ステップ#30〜#36を繰り返し、全ての心位相ik=3(=40%)、ik=4(=60%)、ik=5(=80%)毎に、全ての観察方向Fj、例えば例えばFj=10(RAO0CRA0)、Fj=11(RAO30°CRA0)、Fj=12(RAO30°CAU30°)、Fj=13(RAO0CAU30°)、Fj=14(LAO30°CAU30°)、Fj=15(LAO30°CRA30°)、Fj=16(RAO30°CRA30°)、Fj=17(RAO30°CRA0)の観察方向Fjの各投影画像データ(u,v/t=i1〜5)を作成する。これにより、画像データ作成部31は、心位相ik毎にそれぞれ心臓に対して観察方向をCRA0、CAU0として、RAO、LAOに連続的に移動させた複数の3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14を作成する。
【0087】
各心位相ik(=0%、20%、40%、60%、80%)毎に各3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14が動画として完成すると、画像データ作成部31は、かかる心位相ik毎に各3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14を表示制御部18に送る。この表示制御部32は、ステップ#7において、図12に示すモニタ画面20a上の各ウィンドウW10〜W14にそれぞれ各心位相ik(=0%、20%、40%、60%、80%)毎に、各3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14を動画表示する。表示制御部32は、各ウィンドウW10〜W14における各心位相ik(=0%、20%、40%、60%、80%)の各3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14の動画を観察方向Fjで同期させて表示する。
【0088】
図13は例えばウィンドウW10に表示される心位相Pk(=0%)における3次元画像データ3D10の動画を示す。この3次元画像データ3D10は、心位相Pk(=0%)で一定で、かつ観察方向Fjを例えばFj=10(RAO0CRA0)→Fj=11(RAO30°CRA0)→Fj=12(RAO30°CAU30°)→Fj=13(RAO0CAU30°)→Fj=14(LAO30°CAU30°)→Fj=15(LAO30°CRA30°)→Fj=16(RAO30°CRA30°)→Fj=17(RAO30°CRA0)で移動させた動画である。なお、表示制御部32は、心電計22から出力される心電図信号を入力し、この心電図波形Eをモニタ画面20a内に表示する。
【0089】
次に、表示制御部32は、ステップ#8において、各ウィンドウW10〜W14にそれぞれ表示する各心位相ik(=0%、20%、40%、60%、80%)の各3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14の各動画のうちいずれかの動画が選択されるのかを判断する。ここで、操作部19における例えばマウスがインターベンションを行う術者によって操作され、モニタ画面20a上のポインタPがウィンドウW10上に配置されてクリック操作されると、表示制御部18は、ステップ#9において、ウィンドウW10中で表示される動画中でクリックされた時点における観察方向、例えばCRA0、CAU0でかつRAO30°CAU30°をインターベンションを行うときの最適観察角度として決定する。
次に、主制御部12は、最適観察角度として決定した観察方向RAO30°CAU30°を例えばRAM等のメモリに保存し、かつ医用機器11に送信する。
【0090】
次に、各3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14の具体的な別の作成方法について図15に示す3次元画像データ作成フローチャートに従って説明する。同フローチャートは、1つのウィンドウW10〜W14毎に順次各3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14の動画を作成する。
【0091】
先ず、画像データ作成部31は、ステップ#30において、観察方向設定部16から観察方向Fjを読み込む。この観察方向Fj、例えばFj=10(RAO0CRA0)、Fj=11(RAO30°CRA0)、Fj=12(RAO30°CAU30°)、Fj=13(RAO0CAU30°)、Fj=14(LAO30°CAU30°)、Fj=15(LAO30°CRA30°)、Fj=16(RAO30°CRA30°)、Fj=17(RAO30°CRA0)である。
【0092】
これと共に画像データ作成部31は、ステップ#31において、位相設定部30から例えば5つ(k=5)の心位相ik(k=1,2,3,…,m)、例えばik=1(=0%)、ik=2(=20%)、ik=3(=40%)、ik=4(=60%)、ik=5(=80%)を読み込む。
【0093】
次に、画像データ作成部31は、ステップ#32において、画像データ記憶部13から先ず、例えば先ず、心位相i1(=0%)の4次元画像データ4D(x,y,z/i1)を読み込む。
次に、画像データ作成部31は、ステップ#33において、4次元画像データ4D(x,y,z/i1)から観察方向Fj=10(RAO0CRA0)に投影した1枚の各投影画像データ(u,v/t=i1)を作成する。
【0094】
次に、画像データ作成部31は、ステップ#37において、心位相i1(=0%)で、全ての観察方向Fj、例えばFj=10(RAO0CRA0)、Fj=11(RAO30°CRA0)、Fj=12(RAO30°CAU30°)、Fj=13(RAO0CAU30°)、Fj=14(LAO30°CAU30°)、Fj=15(LAO30°CRA30°)、Fj=16(RAO30°CRA30°)、Fj=17(RAO30°CRA0)の各投影画像データ(u,v/t=i1)を作成したか否かを判断する。
【0095】
この判断の結果、心位相i1(=0%)で、全ての観察方向Fjの各投影画像データ(u,v/t=i1)を作成していなければ、画像データ作成部31は、ステップ#30に戻り、次の観察方向Fj=11(RAO30°CRA0)に設定し、ステップ#33において、4次元画像データ4D(x,y,z/i1)から観察方向Fj=11(RAO30°CRA0)に投影した投影画像データ(u,v/t=i1)を作成する。
【0096】
以下、同様に、画像データ作成部31は、ステップ#30〜#33、#37を繰り返し、心位相i1(=0%)で、全ての観察方向Fj、例えばFj=10(RAO0CRA0)、Fj=11(RAO30°CRA0)、Fj=12(RAO30°CAU30°)、Fj=13(RAO0CAU30°)、Fj=14(LAO30°CAU30°)、Fj=15(LAO30°CRA30°)、Fj=16(RAO30°CRA30°)、Fj=17(RAO30°CRA0)の各投影画像データ(u,v/t=i1)を作成する。
【0097】
心位相i1(=0%)の全ての観察方向Fj(j=10〜17)の各投影画像データ(u,v/t=i1)を作成すると、画像データ作成部31は、ステップ#38において、心位相i1(=0%)の全ての観察方向Fj(j=10〜17)の各投影画像データ(u,v/t=i1)から成る3次元画像データ3D10を表示制御部32に送る。この表示制御部32は、図12に示すモニタ画面20a上のウィンドウW10に心位相i1(=0%)で各観察方向Fj(j=10〜j=17)で回転する例えば心臓冠状動脈1aの3次元画像データ3D10を表示する。 次に、画像データ作成部31は、ステップ#39において、全ての心位相ik(=0%、20%、40%、60%、80%)の例えば心臓冠状動脈1aの投影画像データ(u,v/t=ik=1〜5)を作成したか否かを判断する。この判断の結果、全ての心位相ik=1〜5(=0%、20%、40%、60%、80%)の投影画像データ(u,v/t=ik=1〜5)を作成していなければ、画像データ作成部31は、ステップ#31に戻り、位相設定部30から例えば心位相ik=2(=20%)を読み込み、ステップ#32において、画像データ記憶部13から心位相ik=2(=20%)の4次元画像データ4D(x,y,z/i1)を読み込む。
【0098】
画像データ作成部31は、ステップ#30〜#33、#37〜#39を繰り返し実行し、心位相ik=2(=20%)で観察方向Fj(j=10〜17)の各投影画像データ(u,v/t=i2)から成る各3次元画像データ3D11を表示制御部32に送る。この表示制御部32は、図12に示すモニタ画面20a上の各ウィンドウW11に心位相ik=2(=20%)で観察方向Fj(j=10〜j=17)で回転する例えば心臓冠状動脈1aの投影画像データ(u,v/t=i2)を表示する。
【0099】
以下、上記同様に、画像データ作成部31は、ステップ#30〜#33、#37〜#39を繰り返し実行し、心位相ik=3(=40%)、ik=4(=60%)、ik=5(=80%)のそれぞれ全ての観察方向Fj(j=10〜17)の各投影画像データ(u,v/t=i3〜5)から成る各3次元画像データ3D12、3D13、3D14を表示制御部32に送る。この表示制御部32は、図12に示すモニタ画面20a上の各ウィンドウW12〜14にそれぞれ心位相ik=3(=40%)、ik=4(=60%)、ik=5(=80%)で各観察方向Fj(j=10〜j=17)で回転する例えば心臓冠状動脈1aの投影画像データ(u,v/t=i3〜5)を表示する。しかるに、表示制御部32は、ステップ#7において、上記同様に、図12に示すモニタ画面20a上の各ウィンドウW10〜W14にそれぞれ各心位相心位相ik(=0%、20%、40%、60%、80%)毎に、各3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14をそれぞれ観察方向Fj(j=10〜17)で同期させて動画表示し、心電図波形Eも表示する。
【0100】
次に、表示制御部32は、ステップ#8において、各ウィンドウW10〜W14にそれぞれ表示する各心位相ik(=0%、20%、40%、60%、80%)の各3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14の各動画のうちいずれかの動画が選択されるのかを判断する。ここで、操作部19における例えばマウスがインターベンションを行う術者によって操作され、モニタ画面20a上のポインタPがウィンドウW10上に配置されてクリック操作されると、表示制御部18は、ステップ#9において、ウィンドウW10中で表示される動画中でクリックされた時点における観察方向、例えばCRA0、CAU0でかつRAO30°CAU30°をインターベンションを行うときの最適観察角度として決定する。
次に、主制御部12は、最適観察角度として決定した観察方向RAO30°CAU30°を例えばRAM等のメモリに保存し、かつ医用機器11に送信する。
【0101】
このように上記第3の実施の形態によれば、モニタ画面20a上の各ウィンドウW10〜W14に、例えば各心位相0%、20%、40%、60%、80%毎に固定した状態で、観察方向を例えばRAO0CRA0 → RAO30°CRA0 …→ RAO30°CRA0に移動させた各3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14を互いに観察方向Fj(j=10〜17)で同期させて一覧表示する。これにより、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0102】
次に、本発明の第4の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図16は画像表示装置の構成図を示す。画像表示装置本体10は、被検体1の周期的な収縮運動の量、例えば心臓の心拍に応じた心臓冠状動脈1aの移動量に対応する複数の色情報を設定し、心臓冠状動脈1aの移動量に対応する色情報をモニタ画面20a上に表示される心臓冠状動脈1a中に表示する。
【0103】
色情報の表示は、2つの表示方法を有する。第1の色情報の表示は、心臓に走る心臓冠状動脈1aの心拍によるみかけの動き量、すなわち図17に示すようにuv方向の投影面R上での動き量を色で表示する。なお、図17は心臓冠状動脈1aにおける一点を心拍によるみかけの動き量に応じて例えば赤色、青色、桃色などで表示しているが、実際は、一点を集めた心臓冠状動脈1aの全体の動き量に応じた色で表示する。例えば心臓冠状動脈1aのみかけの動き量が予め設定された第1の動き量よりも大きい場合に例えば赤色により表示される。心臓冠状動脈1aのみかけの動き量が予め設定された第1の動き量よりも小さい場合に例えば青色により表示される。これにより、青色に近い角度θを選択することが好ましいと分かる。図18は角度θと色情報との関係を示す。 ここで、図19を参照して第1の色情報の表示方法における心臓に走る心臓冠状動脈1aの心拍によるみかけの動き量について4次元画像データ4D(x,y,z,t)を例にして説明する。モニタ画面20a上に表示する心臓冠状動脈1aの画像は、例えば心位相の拡張末期とする。なお、モニタ画面20a上に表示する心臓冠状動脈1aの画像は、例えば心位相の収縮末期等の画像であってもよい。
【0104】
心臓冠状動脈1aの分岐部は、時間経過と共に心臓の心拍に応じて運動する。これにより、心臓冠状動脈1aの分岐部を投影面(uv平面)Rに投影すると、この投影面R上においてuv方向に移動する。なお、Laは心位相の拡張末期において心臓冠状動脈1aの分岐部を投影面R上に投影する投影線を示す。Haは4次元空間内おける投影線La上での心臓冠状動脈1aの動きの軌跡を示す。Aaは投影面R上における心臓冠状動脈1aの動きの軌跡を示す。従って、投影面R内での振幅の最大値(ピクセル数)を投影面R内での心臓冠状動脈1aのみかけの動きの量Mと定義する。
【0105】
第2の色情報の表示方法は、最適な観察方向からずれたときに心臓冠状動脈1aの長さが短く見える(foreshortening)ときの変化率、すなわち上記図17に示すように投影面Rに対するw方向のベクトルGの長さの変化率を色情報で表示する。心臓冠状動脈1aの長さの変化率が予め設定された第2の動き量よりも大きい場合に例えば赤色により表示される。心臓冠状動脈1aの長さの変化率が予め設定された第2の動き量よりも小さい場合に例えば青色により表示される。これにより、青色に近い角度θを選択することが好ましいと分かる。
【0106】
ここで、図20を参照して第2の色情報の表示方法における心臓冠状動脈1aのforeshorteningの変化率について4次元画像データ4D(x,y,z,t)中の心臓冠状動脈1aの狭窄部分1bを例にとって説明する。心臓冠状動脈1aの狭窄部分1bの長さは、心拍運動によって変化しない。投影面R上における狭窄部分1bのみかけの狭窄長さは、心拍運動によって変化する。よって、投影面R上において最も長く見える心位相における長さAと最も短く見える心位相における長さBとの比B/Aから変化率を算出する。これにより、心臓冠状動脈1aの長さの変化率B/Aが予め設定された第2の動き量よりも長い場合に例えば赤色により表示される。心臓冠状動脈1aの長さの変化率B/Aが予め設定された第2の動き量よりも短い場合に例えば青色により表示される。
【0107】
画像表示装置本体10は、色情報設定部40と、ベクトル変換部41と、動き量算出部42と、色情報変換部43とを有する。色情報設定部40と、ベクトル変換部41と、動き量算出部42と、色情報変換部43とは、それぞれ主制御部12から発せられる指令により動作する。
【0108】
色情報設定部40は、被検体1の周期的な収縮運動の量、例えば心臓の心拍に応じた心臓冠状動脈1aの運動量に対応する複数の色情報を設定する。例えば予め設定された動き量よりも大きい心臓冠状動脈1aの運動量に対して赤色が設定される。予め設定された動き量よりも小さい心臓冠状動脈1aの運動量に対して青色が設定される。 例えば、第1の色情報の表示では、心臓冠状動脈1aのみかけの動き量が予め設定された第1の動き量よりも大きい場合に例えば赤色を表示するように設定され、かつ心臓冠状動脈1aのみかけの動き量が予め設定された第1の動き量よりも小さい場合に例えば青色により表示するように設定される。
一方、第2の色情報の表示では、心臓冠状動脈1aの長さの変化率が第2の動き量よりも大きい場合に例えば赤色により表示するように設定され、かつ心臓冠状動脈1aの長さの変化率が第2の動き量よりも小さい場合に例えば青色により表示するように設定される。なお、色情報設定部40により設定される色情報は、上記の如く赤色や青色等に限らず、グレースケール、ハッチ密度等を変える手法を用いてもよい。
【0109】
ベクトル変換部41は、図17に示すように心臓冠状動脈1aの4次元画像データ4D(x,y,z,t)から心臓の心拍運動による心臓冠状動脈1aの3次元空間内での動きを3次元動きベクトルGに変換する。
動き量算出部42は、第1の色情報の表示方法の場合、3次元動きベクトルGを投影面(uv平面)R上に投影したときの投影面R上での心臓冠状動脈1aの2次元平面内での2次元の動き量Mを算出する。又、動き量算出部42は、第2の色情報の表示方法の場合、投影面R上におけるw方向のベクトルGの長さの変化率を算出する。
色情報変換部43は、心臓冠状動脈1aの2次元の動き量、すなわち第1の色情報の表示方法による心臓冠状動脈1aのみかけの動きの量M、又は第2の色情報の表示方法による心臓冠状動脈1aの長さの変化率を色情報設定部40に設定された動き量に応じた色情報に変換する。
表示制御部18は、各観察方向Fj(=F1、F2、F3、…、F9)の各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9中における心臓冠状動脈1aの動き量、すなわち第1の色情報の表示方法による心臓冠状動脈1aのみかけの動きの量Mに応じた色情報によりモニタ画面20a上に表示する。又、表示制御部18は、第2の色情報の表示方法による心臓冠状動脈1aの長さの変化率を色情報設定部40に設定された動き量を色情報設定部40に設定された動き量に応じた色情報によりモニタ画面20a上に表示する。
【0110】
プログラムメモリ14には、主制御部12によって実行される画像表示プログラムが記憶されている。この画像表示プログラムは、心臓冠状動脈1aの動き量に対応する複数の色情報を各観察方向F1、F2、F3、…、F9の各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9中に表示させる。
【0111】
次に、上記の如く構成された装置による画像表示の動作について図21に示す3次元画像データ作成フローチャートに従って説明する。
医用機器10は、上記同様に、例えば心拍運動する心臓を取り巻くように走行する心臓冠状動脈1aを撮像してその画像データを取得する。4次元データ構築部15は、医用機器11により取得された被検体1の画像データを受け取り、この画像データから図2に示すような4次元画像データ4D(x,y,z,t)を構築する。
【0112】
一方、位相設定部30は、被検体1において心拍運動する心臓の複数の心位相を設定する。この心位相は、図32に示すような心電計22により取得される心電図波形から心位相ik、例えば心臓の拡張末期に設定される。なお、心位相ikは、上記第3の実施の形態と同様に、例えば0%、20%、40%、60%、80%に設定されてもよい。
【0113】
次に、画像データ作成部31は、ステップ#40において、位相設定部30により設定された例えば心臓の拡張末期等に対応する心位相ikを読み込む。画像データ作成部31は、ステップ#41において、画像データ記憶部13に記憶されている4次元画像データ4D(x,y,z,t)を読み込む。
【0114】
次に、画像データ作成部31は、ステップ#42において、位相設定部30により設定された全ての心位相ikの4次元画像データ4D(x,y,z,t)を読み込んだか否かを判断する。この判断の結果、全ての心位相ikの4次元画像データ4D(x,y,z,t)を読み込んでいなければ、画像データ作成部31は、ステップ#41に戻り、全ての心位相ikの4次元画像データ4D(x,y,z,t)を読み込むことを繰り返す。これにより、画像データ作成部31は、例えば心臓の拡張末期等に対応する心位相ikの4次元画像データ4D(x,y,z,t)を作成する。
【0115】
次に、ベクトル変換部41は、ステップ#43において、図17に示すように心臓冠状動脈1aの4次元画像データ4D(x,y,z,t)から心臓の心拍運動による心臓冠状動脈1aの3次元空間内での動きを3次元動きベクトルGに変換する。
又、画像データ作成部31は、ステップ#44において、観察方向設定部16から観察方向Fjを読み込む。この観察方向Fj、例えばFj=10(RAO0CRA0)、Fj=11(RAO30°CRA0)、Fj=12(RAO30°CAU30°)、Fj=13(RAO0CAU30°)、Fj=14(LAO30°CAU30°)、Fj=15(LAO30°CRA30°)、Fj=16(RAO30°CRA30°)、Fj=17(RAO30°CRA0)である。
【0116】
次に、動き量算出部42は、ステップ#45において、第1の色情報の表示方法の場合、例えば図19に示すように3次元動きベクトルGを投影面R上に投影したときの投影面R上での心臓冠状動脈1aの2次元平面内での2次元の動き量Mを算出する。又、動き量算出部42は、第2の色情報の表示方法の場合、図20(a)(b)に示すように投影面R上におけるw方向のベクトルGの長さの変化率を算出する。
次に、色情報変換部43は、心臓冠状動脈1aの2次元の動き量、すなわち第1の色情報の表示方法による心臓冠状動脈1aのみかけの動きの量M、又は第2の色情報の表示方法による心臓冠状動脈1aの長さの変化率を色情報設定部40に設定された動き量に応じた色情報に変換する。
次に、画像データ作成部31は、ステップ#43において、心臓冠状動脈1aの4次元画像データ4D(x,y,z,t)から例えば心臓の拡張末期に対応する心位相ikで、かつ観察方向Fjを移動、例えば上記第3の実施の形態と同様に、RAO0CRA0 → RAO30°CRA0 → RAO30°CAU30° → RAO0CAU30° → LAO30°CAU30° → LAO30°CRA30° → RAO30°CRA30° → RAO30°CRA0に移動させた場合における心臓冠状動脈1aの動きを投影面R上に投影した3次元画像データ(r,s,ik)3Dkを作成する。この3次元画像データ3Dkは、それぞれ2次元空間(r,s)の画像データと時間的要素t(=ik)とから成る動画である。
【0117】
インターベンションにおいて最適観察方向を決定するための手法として上記図30に示すような2方向のX線撮像画像から心臓冠状動脈1a等の血管を立体表示(coronary 3D、coronary tree)する技術が用いられる。この血管の立体表示の技術では、計算の途中で3次元の座標を計算している。複数の心位相で4次元画像データを計算する場合も各心位相で3次元座標を計算している。従って、血管の立体表示の技術では、4次元座標が分かり、例えば図19に示すような4次元空間内おける投影線La上での心臓冠状動脈1aの動きの軌跡Haが分かる。
【0118】
血管の立体表示の技術は、上記図30に示すようにFrontal画像2上で例えばインタベーションを行う術者が対応点をマニュアルで指定すると、心臓冠状動脈1aの3次元空間内の位置が定まる。すなわち、3次元位置を特定するには、Frontal画像2上とLateral画像3上とで対応する点の座標を指定することが必要となる。これにより、インタベーションを行う術者が対応点として心臓冠状動脈1aにおける狭窄部等を指定すると、この狭窄部等の3次元座標が分かる。一般的には、心臓冠状動脈1a上において複数点、例えば3〜10点程度の対応点(特徴点)を指定する。これら特徴点の間には、それぞれ線形的に対応点が設定される。これにより、各特長点と各対応点とにより心臓冠状動脈1a上の全ての点の3次元座標が分かる。
【0119】
医用機器10は、例えばX線装置、X線CT装置、MRI装置、PET装置、SPECT装置、US装置、IVUS装置、X線診断装置である。このうちX線CT装置及びMRI装置において再構成されたデータでは、上記血管を立体表示の技術のような座標情報が得られない。この場合、3次元画像データ上で特徴点を設定し、この特徴点の4次元画像データ上での類似点をサーチして、4次元空間内の動き軌跡を求める。
【0120】
画像データ作成部31は、色情報変換部43から第1の色情報の表示方法による心臓冠状動脈1aのみかけの動きの量M、又は第2の色情報の表示方法による心臓冠状動脈1aの長さの変化率を色情報設定部40に設定された動き量に応じた色情報を受け取り、これら色情報を3次元画像データ(r,s,ik)3Dkに対して付加する。色情報を付加する3次元画像データ(r,s,ik)3Dk上の位置は、心臓冠状動脈1aの動き量M又は長さの変化率に対応する心臓冠状動脈1aの座標上である。
【0121】
次に、画像データ作成部31は、ステップ#44において、例えば心臓の拡張末期に対応する心位相ikにおける心臓冠状動脈1aの動きを示す3次元画像データ(r,s,ik)3Dk及び色情報を表示制御部18に送る。
この表示制御部18は、例えば図22に示すようにモニタ20のモニタ画面20a上にウィンドウW20を表示し、このウィンドウW20内に心臓の拡張末期に対応する心位相Pkで、かつ観察方向Fjを例えばRAO0CRA0 → RAO30°CRA0 → RAO30°CAU30° → RAO0CAU30° → LAO30°CAU30° → LAO30°CRA30° → RAO30°CRA30° → RAO30°CRA0に移動させた動画を表示する。このとき、モニタ画面20a上に表示される心臓冠状動脈1aは、第1の色情報の表示方法による心臓冠状動脈1aのみかけの動きの量M、又は第2の色情報の表示方法による心臓冠状動脈1aの長さの変化率に応じて表示色が変化する。
【0122】
第1の色情報の表示方法では、心臓冠状動脈1aのみかけの動き量Mが予め設定された第1の動き量よりも大きい場合に例えば赤色に表示され、心臓冠状動脈1aのみかけの動き量Mが予め設定された第1の動き量よりも小さい場合に例えば青色に表示される。一方、第2の色情報の表示方法では、心臓冠状動脈1aの長さの変化率が予め設定された第2の動き量よりも大きい場合に例えば赤色に表示され、心臓冠状動脈1aの長さの変化率が予め設定された第2の動き量よりも小さい場合に例えば青色により表示される。なお、図21は、図示する都合上、心臓冠状動脈1aの一部分について赤色又は青色で表示させているが、実際には、心臓冠状動脈1aの各部分においてそれぞれみかけの動きの量M又は心臓冠状動脈1aの長さの変化率が異なる。従って、心臓冠状動脈1aの各部分の各みかけの動きの量M又は各長さの変化率に応じてそれぞれ表示色が変化する。例えば心臓冠状動脈1aの各部分は、各みかけの動きの量M又は各長さの変化率に応じて赤色、黄色、青色、緑色、茶色等の各表示色で表示される。
【0123】
次に、表示制御部32は、ステップ#8において、操作部19に対してどの観察方向Fjがクリック操作されたか否かを判断する。例えば操作部19における例えばマウスがインターベンションを行う術者によって操作され、モニタ画面20a上のポインタPがウィンドウW20上に配置されてクリック操作されると、表示制御部18は、ステップ#9において、ウィンドウW20中で表示される動画中でクリックされた時点における観察方向Fj、例えばRAO30°CAU30°をインターベンションを行うときの最適観察角度として決定する。
次に、主制御部12は、最適観察角度として決定した観察方向RAO30°CAU30°を例えばRAM等のメモリに保存し、かつ医用機器11に送信する。
【0124】
なお、画像データ作成部31は、ステップ#47の処理後、ステップ#48、#49に移り、全ての心位相ikにおける心臓冠状動脈1aの動きを示す動画を一覧表示してもよい。すなわち、画像データ作成部31は、ステップ#48において、全ての心位相ik、例えば心臓の拡張末期に対応する心位相に加えて、例えば心位相0%、20%、40%、60%、80%における心臓冠状動脈1aの動きを示す各3次元画像データ(r,s,ik)3Dk及び色情報を取得したか否か判断する。この判断の結果、全ての心位相ikの3次元画像データ(r,s,ik)3Dk及び色情報を取得していなければ、画像データ作成部31は、ステップ#30に戻る。全ての心位相ikの3次元画像データ(r,s,ik)3Dk及び色情報を取得していれば、画像データ作成部31は、ステップ#46に移り、ウィンドウW20を含む全ての心位相ikに対応する複数のウィンドウをモニタ画面20a上に表示し、これらウィンドウに全ての心位相の3次元画像データ(r,s,ik)3Dk及び色情報をそれぞれ一覧表示する。
【0125】
このように上記第4の実施の形態によれば、心臓の心拍に応じた心臓冠状動脈1aの移動量に対応する複数の色情報を設定し、心臓冠状動脈1aに対する観察方向Fjを移動させながら心臓冠状動脈1aの運動量に対応する色情報をモニタ画面20a上に表示される心臓冠状動脈1a中に表示する。これにより、心臓冠状動脈1aに対する観察方向Fjを移動させながら心臓が心拍したときの心臓冠状動脈1aの動きが赤色や青色等の色情報によって同時に分かる。
なお、心臓冠状動脈1aの表示は、例えば心臓の拡張末期に対応する心位相だけでなく、例えば心位相0%、20%、40%、60%、80%において観察方向を移動させて表示でき、かつそのときの心臓冠状動脈1aの動きが赤色や青色等の色情報によって同時に分かる。
【0126】
心臓冠状動脈1aの動きは、その部位によって異なる。従って、心臓冠状動脈1aの各部位によって赤色や青色等の色情報によって表示され、心臓冠状動脈1aの表示を目視しただけで心臓冠状動脈1aの全体の動きを知ることができる。
なお、上記第4の実施の形態は、心臓の心拍に応じた心臓冠状動脈1aの移動量に対応する複数の色情報を設定しているが、心臓冠状動脈1aの移動方向(x,y,z)に応じて色を設定してもよい。
【0127】
次に、本発明の第5の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1及び図10と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図23は画像表示装置の構成図を示す。画像表示装置本体10には、画像データ作成部50と、表示制御部51とが設けられている。これら画像データ作成部50と、表示制御部51とは、それぞれ主制御部12から発せられる指令により動作する。
【0128】
操作部52は、例えばマウスを有し、マウスに対するクリック操作を受ける毎に画像データ作成部50により作成される画像データ、すなわち観察方向Fjを固定設定した状態での心臓の心拍に合せて移動する心臓冠状動脈1aの動画となる3次元画像データ(u,v,t)と、心臓の心拍運動を固定した状態での心臓冠状動脈1aに対する観察方向Fjを移動させる動画となる3次元画像データ(r,s,t)とを切り替えてモニタ20に表示させる切り替え操作信号を出力する。
【0129】
画像データ作成部50は、操作部52から出力される切り替え操作信号を受ける毎に、4次元画像データ4D(x,y,z,t)から観察方向Fjを固定設定した状態での心臓の心拍に合せて移動する心臓冠状動脈1aの動画となる第1の3次元画像データ(u,v,t)、又は心臓の心拍運動を固定した状態での心臓冠状動脈1aに対する観察方向Fjを移動させる動画となる第2の3次元画像データ(r,s,t)を作成する。
【0130】
表示制御部51は、操作部52から出力される切り替え操作信号を受ける毎に、画像データ作成部50により作成された第1の3次元画像データ(u,v,t)と第2の3次元画像データ(r,s,t)とを切り替えてモニタ20に表示する。
【0131】
プログラムメモリ14には、主制御部12によって実行される画像表示プログラムが記憶されている。この画像表示プログラムは、操作部52から出力される切り替え操作信号を受ける毎に、観察方向Fjを固定設定した状態での心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aの動画となる第1の3次元画像データ(u,v,t)と、心臓の心拍運動を固定した状態での心臓冠状動脈1aに対する観察方向Fjを移動させる動画となる第2の3次元画像データ(r,s,t)とを切り替えてモニタ20に表示させる。
【0132】
次に、上記の如く構成された装置による画像表示の動作について図24に示す3次元画像データ作成フローチャートに従って説明する。
医用機器10は、上記同様に、例えば心拍運動する心臓を取り巻くように走行する心臓冠状動脈1aを撮像してその画像データを取得する。4次元データ構築部15は、医用機器11により取得された被検体1の画像データを受け取り、この画像データから図2に示すような4次元画像データ4D(x,y,z,t)を構築する。
【0133】
画像データ作成部50は、操作部52から出力される切り替え操作信号を受ける毎に、4次元画像データ4D(x,y,z,t)から観察方向Fjを固定設定した状態での心臓の心拍に合せて移動する心臓冠状動脈1aの動画となる第1の3次元画像データ(u,v,t)、又は心臓の心拍運動を固定した状態での心臓冠状動脈1aに対する観察方向Fjを移動させる動画となる第2の3次元画像データ(r,s,t)を作成する。
【0134】
ここで、画像データ作成部50は、ステップ#50において、心臓の心拍運動を固定した状態、すなわち心位相を固定した状態で、かつ心臓冠状動脈1aに対する観察方向Fjを移動させる動画となる第2の3次元画像データ(r,s,t)を作成する。表示制御部51は、図25に示す表示状態Q1のように心拍運動を固定しかつ観察方向Fjを移動させる第2の3次元画像データ(r,s,t)をモニタ画面20a上に表示する。
図26は心位相ikを固定した状態で、かつ心臓冠状動脈1aに対する観察方向Fjを移動させる動画となる第2の3次元画像データ(r,s,t)を示す。図中矢印は観察方向Fjを例えばF10からF11、F12に連続的に移動させたときの心臓冠状動脈1aの回転表示を示す。
【0135】
この状態に、操作部52におけるマウスが例えばインターベンションを行う術者によってクリック操作されると、操作部52は、ステップ#51において、モニタ画面20aに表示する画像の切り替え操作信号を出力する。
【0136】
画像データ作成部50は、ステップ#52において、操作部52から出力された切り替え操作信号を入力すると、心位相ikを固定した状態で、かつ心臓冠状動脈1aに対する観察方向Fjを移動させる動画となる第2の3次元画像データ(r,s,t)の作成から例えば観察方向Fjに固定設定した状態で、かつ心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aの動画となる第1の3次元画像データ(u,v,t)の作成に切り替える。このとき、クリック操作のタイミングが図26に示す時刻T1であって、第2の3次元画像データ(r,s,t)の観察方向FjがF10であれば、画像データ作成部50は、観察方向F10に固定設定した状態で、かつ心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aの動画となる第1の3次元画像データ(u,v,t)を作成する。
【0137】
表示制御部51は、図25に示す表示状態Q2のように画像データ作成部50により作成された第1の3次元画像データ(u,v,t)をモニタ画面20a上に表示する。この第1の3次元画像データ(u,v,t)は、例えば図27に示すように観察方向F10に固定設定された状態での心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aの動画である。図中の矢印は心臓冠状動脈1aの移動方向を示す。
この状態に、操作部52におけるマウスが再びインターベンションを行う術者によってクリック操作されと、操作部52は、ステップ#53において、モニタ画面20aに表示する画像の切り替え操作信号を出力する。このとき、クリック操作は、図27に示す観察方向角度F10における第2の3次元画像データ(r,s,t)を表示しているタイミングT2時刻であるとする。
【0138】
画像データ作成部50は、ステップ#50に戻り、心臓の心拍運動を固定した状態、すなわち心位相ikを固定した状態で、かつ心臓冠状動脈1aに対する観察方向FjをF10から例えばF11、F12に連続的に移動させたときの動画となる第2の3次元画像データ(r,s,t)を作成する。表示制御部51は、図25に示す表示状態Q3のように心臓の心拍運動を固定し、かつ観察方向FjをF10から例えばF11、F12に連続的に移動させた第2の3次元画像データ(r,s,t)をモニタ画面20a上に表示する。
【0139】
これ以降、マウスのクリック操作毎に、モニタ画面20a上には、観察方向Fjを固定設定した状態での心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aの動画となる第1の3次元画像データ(u,v,t)と、心位相ikを固定した状態でかつ心臓冠状動脈1aに対する観察角度を移動させる動画となる第2の3次元画像データ(r,s,t)とが切り替え表示される。 ここで、表示制御部51がステップ#53において、例えば図27に示すように観察方向Fjを例えばF10に固定設定した状態で、かつ心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aの動画となる第1の3次元画像データ(u,v,t)をモニタ画面20a上に表示している状態に、操作部19における例えばマウスがインターベンションを行う術者によって右クリック操作されると、表示制御部51は、ステップ#55において、モニタ画面20a上に表示される第1の3次元画像データ(u,v,t)の観察方向F10をインターベンションを行うときの最適観察角度として決定する。
【0140】
このように上記第5の実施の形態によれば、マウスのクリック操作毎に、観察方向Fjを固定設定した状態での心臓の心拍に合せて移動する心臓冠状動脈1aの動画となる3次元画像データ(u,v,t)と、心臓の心拍運動を固定した状態での心臓冠状動脈1aに対する観察方向Fjを移動させる動画となる3次元画像データ(r,s,t)とを切り替えて表示する。これにより、マウスをクリック操作するという簡単な操作で3次元画像データ(u,v,t)と3次元画像データ(r,s,t)とを切り替え表示でき、観察方向Fjを固定設定した状態での心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aと、心臓の心拍運動を固定した状態での心臓冠状動脈1aに対する観察方向Fjを移動させたときの心臓冠状動脈1aとから例えばインターベンションを行うときの最適観察角度を決定できる。
【0141】
上記第5の実施の形態は、マウスのクリック操作によって3次元画像データ(u,v,t)と3次元画像データ(r,s,t)とを切り替え表示しているが、これに限らず、マウスを押し操作していると観察方向Fjを移動して心臓冠状動脈1aを表示し、マウスの押し操作を行わなければ観察方向Fjを固定して心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aを表示してもよい。これとは反対に、マウスを押し操作していると観察方向Fjを固定して心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aを表示し、マウスの押し操作を行わなければ観察方向Fjを移動して心臓冠状動脈1aを表示してもよい。又は、マウスを左クリック操作すると観察方向Fjを移動して心臓冠状動脈1aを表示し、マウスを右クリック操作すると観察方向Fjを固定して心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aを表示し、マウスの左右に対する押し操作を行わなければ、3次元画像データ(u,v,t)又は3次元画像データ(r,s,t)を静止する。
【0142】
ジョイスティックを用いてもよい。ジョイスティックの傾ける方向の操作により観察方向Fjを移動して心臓冠状動脈1aを表示し、ボタンを操作することにより観察方向Fjを固定して心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aを表示する。この場合、ジョイスティックの傾ける方向によって観察方向を決めることができる。
【0143】
3次元画像データ(u,v,t)と3次元画像データ(r,s,t)との切り替え表示は、例えば観察角度が360°回転したならば、観察方向Fjを移動して心臓冠状動脈1aを表示することを終了し、観察方向Fjを固定して心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aの表示に切り替える。心拍運動が1心拍すれば、観察方向Fjを固定して心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aの表示を終了し、観察方向Fjを移動して心臓冠状動脈1aを表示してもよい。
【0144】
2方向のX線撮像画像から心臓冠状動脈1a等の血管を立体表示(coronary 3D、coronary tree)する技術では、心臓冠状動脈1aの長さが短く見える(foreshortening)は分かり易いが、心臓冠状動脈1a等の詳細な構造は分かりにくい。従って、血管造影撮影により取得される心臓冠状動脈1a等を動画によりモニタ画面20a上に表示し、この心臓冠状動脈1a等を動画の表示に時刻を同期させて上記第1乃至5の実施の形態のうちいずれか1つの実施の形態による表示を行う。例えば第1の実施の形態を適用すれば、血管造影撮影により取得される心臓冠状動脈1a等を動画の表示に時刻を同期させて、複数の観察方向F1〜Fjを固定した状態で、心臓の心拍に応じた心臓冠状動脈1aの移動を表す複数の3次元画像データ(u,v,t)3Dをモニタ画面20a上に動画表示する。
【0145】
このような表示であれば、血管造影撮影により取得された動画から心臓冠状動脈1a等の詳細な構造を観察でき、かつ上記第1乃至5の実施の形態のうちいずれか1つの実施の形態による表示から心臓冠状動脈1aの長さが短く見える(foreshortening)ことを判別できる。なお、血管造影撮影に代わってX線透視撮影も適用可能である。
【0146】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0147】
上記第4の実施の形態では、心臓冠状動脈1aに対する観察方向を移動させながら心臓冠状動脈1aの移動量に対応する色情報を表示しているが、この心臓冠状動脈1aの移動量に対応する色情報は、第1乃至第3及び第5の実施の形態でモニタ画面20a上に表示する心臓冠状動脈1a上に表示してもよい。
第1乃至第5の実施の形態では、心臓冠状動脈1aを対象としているが、これに限らず、例えば心臓全体を表示して手術に最適な観察方向を選択するのに用いてもよい。心臓以外の他の臓器を表示し、呼吸に伴う運動にとらわれずに他の臓器を手術しやすい最適観察方向を選択するのにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】本発明に係る画像表示装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】同装置における4次元データ構築部により構築される4次元画像データの模式図。
【図3】同装置における画像データ作成部により作成される複数の3次元画像データの模式図。
【図4】同装置における表示制御部によりモニタ画面上に一覧表示される複数の3次元画像データの模式図。
【図5】同装置における各ウィンドウに表示する各3次元画像データを同時に作成する3次元画像データ作成フローチャート。
【図6】同装置によりモニタ画面上に表示される固定設定された観察方向における3次元画像データの動画を示す。
【図7】同装置における各ウィンドウに表示する各3次元画像データを1動画ずつ作成する3次元画像データ作成フローチャート。
【図8】本発明に係る画像表示装置の第2の実施の形態における3次元画像データ作成フローチャート。
【図9】同装置により切り替え表示される各観察方向毎の各3次元画像データを示す図。
【図10】本発明に係る画像表示装置の第3の実施の形態を示す構成図。
【図11】同装置における心電計により取得される心電図波形を示す図。
【図12】同装置におけるモニタ画面上に一覧表示される心位相毎に観察方向を連続的に移動させた各3次元画像データの表示例を示す図。
【図13】同装置におけるモニタ画面上の一ウィンドウに表示される3次元画像データの動画を示す図。
【図14】同装置における各ウィンドウに表示する各3次元画像データを同時に作成する3次元画像データ作成フローチャート。
【図15】同装置における各ウィンドウに表示する各3次元画像データを1動画ずつ作成する3次元画像データ作成フローチャート。
【図16】本発明に係る画像表示装置の第4の実施の形態を示す構成図。
【図17】同装置による心臓冠状動脈の移動量に対する色情報の表示の概略を示す図。
【図18】角度θと色情報との関係を示す。
【図19】同装置における第1の色情報の表示方法における心臓冠状動脈の心拍によるみかけの動き量について説明するための模式図。
【図20】同装置における第2の色情報の表示方法における心臓冠状動脈のforeshorteningの変化率を説明するための模式図。
【図21】同装置における3次元画像データ作成フローチャート。
【図22】同装置における心臓冠状動脈に対して観察方向を移動させながら心臓冠状動脈の移動量を色情報により表示する一例を示す図。
【図23】本発明に係る画像表示装置の第5の実施の形態を示す構成図。
【図24】同装置における3次元画像データ作成フローチャート。
【図25】同装置における画像表示の繰り替えの一例を示す図。
【図26】同装置における心位相を固定した状態でかつ心臓冠状動脈に対する観察角度を移動させる動画を示す図。
【図27】同装置における観察方向を固定設定された状態でかつ心臓の心拍に合せて移動する心臓冠状動脈の動画を示す図。
【図28】CRAとCAUとの観察方向の一部を示す図。
【図29】RAOとLAOとの観察方向の一部を示す図。
【図30】Epipolar幾何理論を用いた立体画像の構築を示す模式図。
【図31】モニタ画面上に表示される血管立体像の回転表示の一例を示す図。
【図32】心室収縮時にR波が発生する心電図信号を示す図。
【符号の説明】
【0149】
1:被検体、1a:心臓冠状動脈、10:画像表示装置本体、11:医用機器、12:主制御部、13:画像データ記憶部、14:プログラムメモリ、15:4次元データ構築部、16:観察方向設定部、17:画像データ作成部、18:表示制御部、19:操作部、20:モニタ、21:入力部、22:心電計、30:位相設定部、31:画像データ作成部、32:表示制御部、40:色情報設定部、41:ベクトル変換部、42:動き量算出部、43:色情報変換部、50:画像データ作成部、51:表示制御部、52:操作部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばX線診断装置等の医用機器により取得される心臓冠状動脈等の被検体の動画を読影して血管内手術(インターベンション)を行う際に、被検体に対する医用X線装置による最適な観察方向を決定するために被検体の動画を表示する画像表示方法及びその装置並びに画像表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
人体等の被検体には、血管として心臓を取り巻くように走行し、心臓の筋肉に血液を供給する心臓冠状動脈がある。この心臓冠状動脈に狭窄等の病変が発生すると重篤に事態になる。このような病変の治療をするためにX線診断装置を用いたインターベンションが行われる。
【0003】
このX線診断装置を用いてのインターベンションは、心臓冠状動脈内の器具を挿入して手技を行う危険な手術となる。このインターベンションでは、X線診断装置の検出器の位置を固定し、ある観察方向(view angle)からX線を照射し続け、モニタ画面上に表示される被検体となる血管の画像を見ながら手技を進める。このとき、最適な観察方向(optimal view angle)から血管の画像を見ることができれば、手技は行い易い。
【0004】
図28及び図29は観察方向の一部を示す。観察方向は、図28に示すように人体等の被検体1に対して頭部方向(CRA)と尾部方向(CAU)とにより表現される観察角度θと、図29に示すように被検体1に対して第1斜位方向(RAO)と第2斜位方向(LAO)とにより表現される観察角度φとを有する。
【0005】
しかしながら、最適な観察方向からずれると、例えば心臓冠状動脈が他の血管と重なったり、分岐する血管が心臓冠状動脈に重なったり、心臓冠状動脈の長さが短く見えたり(foreshortening)するなどの影響を受けて、手技が遣り難くなる。このため、インターベンションを行うに際しては、事前情報から最適な観察方向を知ることが大切になる。なお、心臓冠状動脈の長さが短く見える(foreshortening)のは、3次元空間内に走行する心臓冠状動脈を2次元平面に投影したとき、実際に3次元空間内に走行する心臓冠状動脈の長さよりも2次元平面に投影したみかけの心臓冠状動脈の長さが短くなる現象である。Foreshortening0%は、実際の長さとみかけの長さとが同じである。Foreshortening100%は、心臓冠状動脈が点に見える現象を表す。
【0006】
インターベンションにおいて最適観察方向を決定するための手技がある。この手技は、2方向のX線撮像画像から心臓冠状動脈を立体表示(coronary 3D、coronary tree)する技術を用いるもので、モニタ画面上に心臓冠状動脈の立体像を回転表示させて最適観察方向を決定する。この手技は、臨床で盛んになってきている。なお、図30はEpipolar幾何理論を用いた立体画像の構築の模式図を示す。例えば人体における心臓冠状動脈1aに対して例えば正面側である一方の方向から撮像して取得した投影画像をFrontal画像2とする。一方の方向とは異なる側面側である他の方向から撮像して取得した投影画像をLateral画像3とする。Lateral画像3上の点Aに投影される心臓冠状動脈1aは、3次元空間内において線Bのどこかに存在するが、特定できない。Frontal画像2上において線Bは、線C上に投影される。心臓冠状動脈1aは、線C上のどこかに投影されている。従って、例えばインタベーションを行う術者がFrontal画像2上で対応点をマニュアルで指定すると、心臓冠状動脈1aの3次元空間内の位置が定まる。すなわち、3次元位置を特定するには、Frontal画像2上とLateral画像3上とで対応する点の座標を指定することが必要となる。
【0007】
図31はモニタ画面上に表示される血管立体像の回転表示の一例を示す。この血管立体像の回転表示は、心臓冠状動脈1aに対する観察方向を第1斜位方向(RAO)、第2斜位方向(LAO)で観察方向(観察視点)を移動させたときの動画で示す。なお、各血管立体像中の矢印は、心臓冠状動脈1aの回転移動方向を示す。
具体的には、例えば時間経過に従ってRAO=50°、RAO=90°、RAO=130°、…、LAO=10°で連続的に観察方向を移動させた動画をモニタ画面上に表示する。CRA=0°である。なお、RAO、LAOの観察角度は、図示の煩雑化をなくすためにRAO=50°、RAO=90°、RAO=130°、…、LAO=10°のみを示す。心臓冠状動脈1aに対する観察方向を移動させたときの動画は、モニタ画面上で、心臓冠状動脈1aが回転する画像となる。従って、モニタ画面上で回転表示される心臓冠状動脈1aから最適観察方向が決定される。
【0008】
最適観察方向は、次のような方向である。例えば(a)狭窄等の病変部の長さが最も長く見える方向であること。この場合、血管が分岐している部位では、開いて見える方向である。(b)病変部の狭窄が最も細く見える方向であること。(c)狭窄等の病変部に他の血管の重なりが無い方向であること。(d)病変部の見た目の動きが最も小さい方向であること、である。
【0009】
心臓血管は、心拍運動によってその位置が動く。心臓血管のある瞬時すなわちある心位相の血管立体像を構築し、この血管立体像から上記(a)(b)(c)を満足する最適観察方向を決定しても、この最適観察方向が全ての心位相で最適観察方向になるものとは言いがたい。換言すれば、ある心位相では最適観察方向であっても、この最適観察方向が他の心位相では、上記(a)(b)(c)を満足する最適観察方向になるとは限らない。上記(d)の病変部の見た目の動きが最も小さい方向については、最適観察方向を決定することができない。例えば、ある心位相では心臓冠状動脈1aに他の血管が重なっていなくても、他の心位相では心臓冠状動脈1aに他の血管に隠れてしまいインターベンションがやりにくいことがよくある。
【0010】
なお、心位相は、心電図信号を用いて説明すると次の通りである。心電図(ECG)は、心臓の運動を電気信号として捉えたものである。心電図信号Eには、図32に示すように心室収縮時にR波が現れる。心位相は、心電図信号EにおけるR波からR波の時間間隔のうち、ある瞬時の時相を示す。一般にR波を0%時相、次のR波を100%時相と定義し、その間を時間比で求める。例えば心臓拡張末期は、時相75%付近と表現される。
【0011】
ところで、上記(a)(b)(c)を満足するものとして決定された最適観察方向が全ての心位相で最適観察方向を満足するとは限らないので、これを解決するために、複数の心位相でそれぞれ3次元空間(x,y,z)の画像データと時間的要素(t)とから成る各4次元画像データ(x,y,z,t)を立体構築し、これら4次元画像データを用いて全ての心位相に対して最適となる観察方向を決定する手法が考えられる。
【0012】
しかしながら、このような手法では、観察方向を移動させたときの情報と、心拍運動の情報との両情報が含まれる。これにより、モニタ表示画面には、図31に示す観察方向を移動させたときの血管立体像の表示に心拍運動の動きが加わって表示される。このようにモニタ表示画面上に観察方向の移動と心拍運動の動きとの両方を同時に表現すると、モニタ表示画面上における心臓冠状動脈1aの動きが複雑となり、最適観察方向の決定が困難になる。観察方向を移動させての最適観察方向と、ある心位相での最適観察方向とをそれぞれ別々に決定すると、局所的な最適観察方向が決定されるばかりでなく、全ての心位相に対して最適となる観察方向を決定するのに非常に長い時間を要する。
【特許文献1】米国特許第6501848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、短時間で最適観察方向を決定するための画像を表示できる画像表示方法及びその装置並びに画像表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1によれば、コンピュータの画像処理によって周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示方法において、被検体を画像表示する上での複数の表示形態条件を設定し、時間的要素を含む被検体の4次元画像データから複数の表示形態条件に応じた時間的要素を含む複数の3次元画像データをそれぞれ作成し、複数の表示形態条件を固定した状態で、これら固定した各表示形態条件の3次元画像データを切り替えてモニタ画面上に動画表示する画像表示方法である。
【0015】
請求項3によれば、コンピュータの画像処理によって周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示方法において、被検体に対する複数の観察方向を設定し、時間的要素を含む被検体の4次元画像データから複数の観察方向における時間的要素を含む複数の3次元画像データをそれぞれ作成し、複数の観察方向を固定した状態で、収縮運動する被検体の複数の3次元画像データをそれぞれモニタ画面上に動画表示する画像表示方法である。
【0016】
請求項9によれば、コンピュータの画像処理によって周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示方法において、被検体の収縮運動における複数の位相を設定し、時間的要素を含む被検体の4次元画像データから複数の位相毎にそれぞれ被検体に対する観察方向を移動させた時間的要素を含む複数の3次元画像データをそれぞれ作成し、位相を固定した状態で、かつ観察方向を移動させた複数の3次元画像データをそれぞれモニタ画面上に動画表示する画像表示方法である。
【0017】
請求項13によれば、コンピュータの画像処理によって周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示方法において、被検体の周期的な収縮運動の量に対応する複数の色情報を設定し、時間的要素を含む被検体の複数の3次元画像データを作成し、複数の3次元画像データ中に色情報を表示する画像表示方法である。
【0018】
請求項16によれば、コンピュータの画像処理によって周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示方法において、時間的要素を含む被検体の4次元画像データから任意の観察方向における時間的要素を含む第1の3次元画像データを作成し、4次元画像データから被検体の収縮運動を固定させた状態で、かつ被検体に対する観察方向を移動させる第2の3次元画像データを作成し、第1の3次元画像データと第2の3次元画像データとを切り替えてモニタ画面上に表示する画像表示方法である。
【0019】
請求項20によれば、周期的な収縮運動をする被検体に対する複数の観察方向を設定する観察方向設定部と、モニタ画面を有するモニタと、時間的要素を含む被検体の4次元画像データから複数の観察方向における時間的要素を含む複数の3次元画像データをそれぞれ作成する画像データ作成部と、複数の観察方向を固定した状態で、かつ収縮運動する被検体の複数の3次元画像データをそれぞれモニタ画面上に動画表示する表示制御部とを具備する画像表示装置である。
【0020】
請求項27によれば、周期的な収縮運動をする被検体の収縮運動における複数の位相を設定する位相設定部と、モニタ画面を有するモニタと、時間的要素を含む被検体の4次元画像データから複数の位相毎にそれぞれ被検体に対する観察方向を移動させた時間的要素を含む複数の3次元画像データをそれぞれ作成する画像データ作成部と、位相を固定した状態で、かつ観察方向を移動させた複数の3次元画像データをそれぞれモニタ画面上に動画表示する表示制御部とを具備する画像表示装置である。
【0021】
請求項37によれば、周期的な収縮運動をする被検体の時間的要素を含む4次元画像データから任意の観察方向における時間的要素を含む第1の3次元画像データと、4次元画像データから被検体の収縮運動を固定させた状態で、かつ被検体に対する観察方向を移動させる第2の3次元画像データとを作成する画像データ作成部と、モニタ画面を有するモニタと、画像データ作成部により作成された第1の3次元画像データと第2の3次元画像データとを切り替えてモニタ画面上に表示する表示制御部とを具備する画像表示装置である。
【0022】
請求項41によれば、コンピュータによって実行され、周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示プログラムにおいて、被検体に対する複数の観察方向を設定させ、時間的要素を含む被検体の4次元画像データから複数の観察方向における時間的要素を含む複数の3次元画像データをそれぞれ作成させ、複数の観察方向を固定した状態で、かつ収縮運動する被検体の複数の3次元画像データをそれぞれモニタ画面上に動画表示させる画像表示プログラムである。
【0023】
請求項42によれば、コンピュータによって実行され、周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示プログラムにおいて、被検体の収縮運動における複数の位相を設定させ、時間的要素を含む被検体の4次元画像データから複数の位相毎にそれぞれ被検体に対する観察方向を移動させた時間的要素を含む複数の3次元画像データをそれぞれ作成させ、位相を固定した状態で、かつ観察方向を移動させた複数の3次元画像データをそれぞれモニタ画面上に動画表示させる画像表示プログラムである。
【0024】
請求項44によれば、コンピュータにより実行され、周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示プログラムにおいて、時間的要素を含む被検体の4次元画像データから任意の観察方向における時間的要素を含む第1の3次元画像データを作成させ、4次元画像データから被検体の収縮運動を固定させた状態で、かつ被検体に対する観察方向を移動させる第2の3次元画像データを作成させ、第1の3次元画像データと第2の3次元画像データとを切り替えてモニタ画面上に表示させる画像表示プログラムである。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、短時間で最適観察方向を決定するための画像を表示できる画像表示方法及びその装置並びに画像表示プログラムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は画像表示装置の構成図を示す。画像表示装置本体10には、医用機器11が接続されている。この医用機器11は、周期的な収縮運動をする被検体1、例えば心拍運動する心臓を取り巻くように走行する心臓冠状動脈1aを撮像してその画像データを取得する。この医用機器10は、例えばX線装置、X線コンピュータ断層撮影装置(X線CT装置)、磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)、陽電子放出コンピュータ断層撮影装置(PET装置)、単光子放出コンピュータ断層撮影装置(SPECT装置),超音波診断装置(US)、血管内超音波検査法(IVUS)、X線診断装置である。
【0027】
画像表示装置本体10は、コンピュータの画像処理によって心臓冠状動脈1aの画像を表示する。この画像表示装置本体10は、CPU等により成る主制御部12を有する。この主制御部12には、画像データ記憶部13と、プログラムメモリ14とが接続されている。又、この主制御部12から発せられる指令により4次元データ構築部15と、観察方向設定部16と、画像データ作成部17と、表示制御部18と、キーボードやマウス、テンキー等の操作部19とが動作する。表示制御部18には、液晶ディスプレイ等のモニタ20が接続されている。又、主制御部12には、入力部21が接続されている。この入力部21には、心電計22が接続されている。この心電計(ECG)22は、被検体1における心臓の運動を心電図信号Eとして出力する。
【0028】
4次元データ構築部15は、医用機器11により取得された被検体1の画像データを受け取り、この画像データから図2に示すような4次元画像データ4D(x,y,z,t)を構築する。この4次元画像データ4Dは、3次元画像表示の一手法であるボリュームレタリングにより成る。又、4次元画像データ4Dは、最大値投影(MIP:Maximum Intensity Projection)により成る。最大値投影(MIP)は、MRI装置、X線CT装置、US装置による血管の表示法によく用いられる。しかるに、4次元画像データ4Dは、3次元空間(x,y,z)の画像データと時間的要素(t)とから成る。この4次元画像データ4Dは、画像データ記憶部13に記憶される。 観察方向設定部16は、例えば被検体1における心臓冠状動脈1aに対する複数の観察方向を設定する。これら観察方向は、例えば操作部19に対する例えばインタベーションを行う術者の操作入力を受けて設定する。各観察方向は、上記図28に示すように人体等の被検体1に対して頭部方向(CRA)及び尾部方向(CAU)により表現される観察角度θと、図29に示すように被検体1に対して第1斜位方向(RAO)及び第2斜位方向(LAO)により表現される観察角度φとの組み合わせから成る。
【0029】
複数の観察方向(観察角度)F1、F2、F3、…、Fjは、例えば9つ(j=9)の観察方向F1(RAO30°,CRA20°)、F2(0,CRA20°)、F3(LAO50°,CRA20°)、F4(RAO30°,0°)、F5(0°,0°)、F6(LAO50°,0°)、F7(RAO30°,CAU30°)、F8(0°,CAU30°)、F9(LAO50°,CAU30°)に固定設定される。なお、複数の観察方向は、上記9つのF1、F2、F3、…、F9に限らず、例えばインタベーションを行う術者によって任意に設定可能である。観察方向は、観察角度、観察視点、view方向と同意義語である。
【0030】
画像データ作成部17は、4次元画像データ4Dから図3に示すような複数の観察方向における時間的要素tを含む複数の3次元画像データ(u,v,t)3Dをそれぞれ作成する。この3次元画像データ3Dは、2次元空間(u,v)の画像データと時間的要素tとから成る。観察方向設定部16において複数の観察方向F1、F2、F3、…、Fjが固定設定されると、画像データ作成部17は、これら観察方向F1、F2、F3、…、Fj毎の各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3Djを作成する。これら3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3Djは、それぞれ各観察方向F1、F2、F3、…、Fjに固定設定された状態で、心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aの各動画になる。
【0031】
表示制御部18は、例えば各観察方向F1、F2、F3、…、Fjに固定した状態で、心拍運動する心臓を取り巻くように走行する心臓冠状動脈1aの各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3Djをそれぞれモニタ20のモニタ画面20a上に動画表示する。この場合、表示制御部18は、例えば図4に示すようにモニタ画面20a上に複数のウィンドウW1、W2、W3、…、Wjを形成し、これらウィンドウW1、W2、W3、…、Wjにそれぞれ各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3Djを互いに時間的要素tを同期して一覧表示する。
【0032】
表示制御部18は、各観察方向F1、F2、F3、…、Fjのうち例えばRAOをモニタ画面20a中の左側、LAOをモニタ画面20aの右側、CAUをモニタ画面20aの下側、CRAをモニタ画面20aの上側に表示する。
図4は例えば9つのウィンドウW1〜W9をモニタ画面20a上に形成している。複数の観察方向F1〜Fjの設定数は、例えば病院において施術されるインタベーション手術中に頻度高く設定される複数の観察方向、例えば10種類程度の観察方向から決定される。これにより、9つのウィンドウW1〜W9には、それぞれ観察方向F1、F2、F3、…、Fjが割り当てられる。従って、これらウィンドウW1〜W9には、各観察方向F1、F2、F3、…、Fjに固定設定された状態で、心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aの各動画が表示される。
表示制御部18は、心電計22から出力される図32に示すような被検体1の心臓の心電図信号Eを入力し、この心電図波形をモニタ画面20a内の例えば隅部分に表示する。
【0033】
プログラムメモリ14には、主制御部12によって実行される画像表示プログラムが記憶されている。この画像表示プログラムは、例えば心拍運動する心臓を取り巻くように走行する心臓冠状動脈1aに対する複数の観察方向F1、F2、F3、…、Fjを設定させ、心臓冠状動脈1aの時間的要素tを含む4次元画像データ4Dから各観察方向F1、F2、F3、…、Fjにおける時間的要素tを含む複数の3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3Djをそれぞれ作成させ、それぞれ各観察方向F1、F2、F3、…、Fjを固定した状態で、心臓冠状動脈1aの各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3Djをそれぞれモニタ画面20a上に動画表示させる。
【0034】
次に、上記の如く構成された装置による画像表示の動作について説明する。
医用機器10は、例えばX線装置、X線CT装置、MRI装置、PET装置、SPECT装置、US装置、IVUS装置、X線診断装置であり、例えば心拍運動する心臓を取り巻くように走行する心臓冠状動脈1aを撮像してその画像データを取得する。
4次元データ構築部15は、医用機器11により取得された被検体1の画像データを受け取り、この画像データから図2に示すような4次元画像データ4D(x,y,z,t)を構築する。この4次元画像データ4Dは、画像データ記憶部13に記憶される。
【0035】
一方、観察方向設定部16は、操作部19に対するインタベーションを行う術者の操作入力を受け、例えば被検体1における心臓冠状動脈1aに対する複数の観察方向F1〜Fjを設定する。添え記号jは、各観察方向(観察角度)を表す。これら観察方向F1〜Fjの設定数は、例えば病院において施術されるインタベーション手術中に頻度高く設定される複数の観察方向、例えば10種類程度の観察方向から決定される。これら複数の観察方向F1、F2、F3、…、Fjは、例えば9つ(j=9)の観察方向F1(RAO30°,CRA20°)、F2(0,CRA20°)、F3(LAO50°,CRA20°)、F4(RAO30°,0°)、F5(0°,0°)、F6(LAO50°,0°)、F7(RAO30°,CAU30°)、F8(0°,CAU30°)、F9(LAO50°,CAU30°)に固定設定される。
【0036】
次に、画像データ作成部17は、画像データ記憶部13から4次元画像データ4Dを読み込むと共に、観察方向設定部16において固定設定された例えば9つ(j=9)の観察方向F1、F2、F3、…、F9を受け取る。画像データ作成部17は、各観察方向F1、F2、F3、…、F9毎に、4次元画像データ4Dから図3に示すような3次元画像データ(u,v,t)3D(3D1、3D2、3D3、…、3D9)を作成する。これら3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9は、それぞれ各観察方向F1、F2、F3、…、Fjに固定設定された状態で、心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aの各動画になる。
【0037】
ここで、各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9の具体的な作成方法について図5に示す3次元画像データ作成フローチャートに従って説明する。同フローチャートは、各ウィンドウW1〜W9に表示する3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9を1動画ずつ順次に作成する。
【0038】
先ず、画像データ作成部17は、ステップ#1において、観察方向設定部16から9つ(j=9)の観察方向F1、F2、F3、…、F9を読み込む。画像データ作成部17は、ステップ#2において、画像データ記憶部13からある心位相ik(k=1,2,3,…,m)の4次元画像データ4D(x,y,z/t=i1)を読み込む。
【0039】
次に、画像データ作成部17は、ステップ#3において、先ず、観察方向F1で読み込んだある心位相i1の4次元画像データ4D(x,y,z/t=i1)から観察方向F1に投影した1枚の投影画像データ(u,v/t=i1)を作成する。この観察方向F1の1枚の投影画像データ(u,v/t=i1)は、静止画像データである。
次に、画像データ作成部17は、ステップ#4において、全ての観察方向F1、F2、F3、…、F9の各1枚のづつ各投影画像データ(u,v/t=i1)が作成されたか否かを判断する。全ての観察方向F1、F2、F3、…、F9の各1枚の投影画像データ(u,v/t=i1)が作成されていなければ、画像データ作成部17は、ステップ#3に戻り、観察方向F2で読み込んだ同心位相iの4次元画像データ4D(x,y,z/t=i1)から観察方向F2に投影した1枚の投影画像データ(u,v/t=i1)を作成する。
【0040】
全ての観察方向F1、F2、F3、…、F9毎に各1枚の投影画像データ(u,v/t=i1)が作成されると、画像データ作成部17は、ステップ#5に移り、各観察方向F1、F2、F3、…、F9毎の各投影画像データ(u,v/t=i1)を表示制御部18に送る。この表示制御部18は、図4に示すモニタ画面20a上の各ウィンドウW1〜W9にそれぞれ各観察方向F1、F2、F3、…、F9毎の各投影画像データ(u,v/t=i1)を表示する。この時点で、モニタ画面20a上の各ウィンドウW1〜W9に表示される各投影画像データは、静止画である。
【0041】
次に、画像データ作成部17は、ステップ#6において、各観察方向F1、F2、F3、…、F9毎に、それぞれ動画とするのに必要な投影画像データの枚数に到達したか否かを判断する。動画とするのに必要な投影画像データの枚数は、周期的な収縮運動をする被検体1の1サイクルを連続して動画として表示するに必要な枚数である。ここで、被検体1が心臓冠状動脈1aであれば、動画とするのに必要な投影画像データの枚数は、心臓の1心拍を連続して動画として表示するに必要な投影画像データの枚数になる。
この判断の結果、各観察方向F1、F2、F3、…、F9毎にそれぞれ動画とするのに必要な投影画像データの枚数に到達していなければ、画像データ作成部17は、ステップ#2に戻る。この画像データ作成部17は、ステップ#2において、画像データ記憶部13から次の心位相ik、例えば心位相i2の4次元画像データ4D(x,y,z/t=i2)を読み込む。以下、上記同様に、画像データ作成部17は、各ステップ#3、#4において、全ての観察方向F1、F2、F3、…、F9の各1枚の投影画像データ(u,v/t=i2)を作成する。次に、表示制御部18は、ステップ#5において、図4に示すモニタ画面20a上の各ウィンドウW1〜W9にそれぞれ各観察方向F1、F2、F3、…、F9毎の投影画像データ(u,v/t=i1)に連続して投影画像データ(u,v/t=i2)を表示する。
【0042】
従って、画像データ作成部17は、ステップ#1〜#6を繰り返すことにより、各観察方向F1、F2、F3、…、F9毎にそれぞれ各投影画像データ(u,v/t=i1,2,3,…,m)を次第に動画として作成する。
【0043】
心臓の1心拍を連続して動画として表示するに必要な投影画像データの枚数に到達すると、画像データ作成部17は、各観察方向F1、F2、F3、…、F9毎の各投影画像データ(u,v/t=i1,2,3,…,m)から成る3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9の動画の作成を完了する。すなわち、各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9は、図3に示すようにそれぞれ2次元空間(u,v)の画像データと時間的要素t(=i1,2,3,…,m)とから成り、各観察方向F1、F2、F3、…、F9毎に固定状態とされた心臓の1心拍中に合せて運動する心臓冠状動脈1aの動画に成る。画像データ作成部17は、各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9を表示制御部18に送る。
【0044】
この表示制御部18は、ステップ#7において、図4に示すモニタ画面20a上の各ウィンドウW1〜W9にそれぞれ各観察方向F1、F2、F3、…、F9毎に、各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9を動画表示する。図6は例えばモニタ画面20a上のウィンドウW5に表示される観察方向F5の3次元画像データ3D5の動画を示す。この3次元画像データ3D5の動画は、観察方向F5(0°,0°)を固定状態としたときの心臓の1心拍中に合せて運動する心臓冠状動脈1aの動画を表示する。動画中の矢印は、心臓冠状動脈1aの心拍に応じた運動方向を示す。
【0045】
図6はウィンドウW5に表示される観察方向F5の3次元画像データ3D5の動画を示すが、他の各ウィンドウW1〜W4、W6〜W9においても各観察方向F1〜F4、F6〜F9の各3次元画像データ3D1〜D4、D6〜D9の動画が表示される。表示制御部18は、各ウィンドウW1〜W9における各観察方向F1〜F9の各3次元画像データ3D1〜D9の動画を時間的要素tを同期させて表示する。
【0046】
表示制御部18は、各ウィンドウW1〜W9にそれぞれ表示する各観察方向F1〜F9の各3次元画像データ3D1〜D9の動画の再生スピードを心臓の心拍運動のスピードに一致させて表示する。なお、表示制御部18は、各3次元画像データ3D1〜D9の動画の再生スピードを、例えば操作部19から操作入力された任意のスピードに設定したり、各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9を作成するための各投影画像データを収集するスピードに一致させてもよい。
表示制御部18は、心電計22から出力される図32に示すような被検体1の心臓の心電図信号Eを入力し、この心電図波形をモニタ画面20a内の例えば隅部分に表示する。これにより、各ウィンドウW1〜W9にそれぞれ表示する各3次元画像データ3D1〜D9の動画の再生スピードは、心臓の心拍運動のスピードに一致しているので、心電図を併せて表示することにより心臓冠状動脈1aの心拍に応じた運動が認識し易い。
【0047】
次に、表示制御部18は、ステップ#8において、各ウィンドウW1〜W9にそれぞれ表示する各観察方向F1〜F9の各3次元画像データ3D1〜D9の各動画のうちいずれかの動画が選択されるのかを判断する。ここで、操作部19における例えばマウスがインターベンションを行う術者によって操作され、モニタ画面20a上のポインタPがウィンドウW5上に配置されてクリック操作されると、表示制御部18は、ステップ#9において、ウィンドウW5すなわち観察方向F5(0°,0°)をインターベンションを行うときの最適観察角度として決定する。
次に、主制御部12は、最適観察角度として決定した観察方向F5(0°,0°)を例えばRAM等のメモリに保存し、かつ医用機器11に送信する。
【0048】
次に、各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9の具体的な別の作成方法について図7に示す3次元画像データ作成フローチャートに従って説明する。同フローチャートは、1つのウィンドウW1〜W9毎に順次3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9を動画に作成する。
【0049】
先ず、画像データ作成部17は、ステップ#1において、画像データ記憶部13からある心位相ik(k=1,2,3,…,m)の4次元画像データ4D(x,y,z/t=i1)を順次読み込む。画像データ作成部17は、ステップ#2において、観察方向設定部16から9つ(j=9)の観察方向F1、F2、F3、…、F9を読み込む。
次に、画像データ作成部17は、ステップ#3において、先ず、観察方向F1で読み込んだある心位相i1の4次元画像データ4D(x,y,z/t=i1)から観察方向F1に投影した1枚の投影画像データ(u,v/t=i1)を作成する。この観察方向F1の1枚の投影画像データ(u,v/t=i1)は、静止画像データである。
次に、画像データ作成部17は、ステップ#10において、観察方向F1で全ての心位相ik(k=1,2,3,…,m)の投影画像データ(u,v/t=i1〜m)が作成されたか否かを判断する。すなわち、画像データ作成部17は、観察方向F1において動画とするのに必要な投影画像データの枚数に到達したか否かを判断する。動画とするのに必要な投影画像データの枚数は、上記同様に、周期的な収縮運動をする被検体1の1サイクルを連続して動画として表示するに必要な枚数である。ここで、被検体1が心臓冠状動脈1aであれば、動画とするのに必要な投影画像データの枚数は、心臓の1心拍を連続して動画として表示するに必要な投影画像データの枚数になる。
観察方向F1で全ての心位相ik(k=1,2,3,…,m)の投影画像データ(u,v/t=i1〜m)が作成されていなければ、画像データ作成部17は、ステップ#1に戻り、
観察方向F1における心位相i2の4次元画像データ4D(x,y,z/t=i2)を読み込み、ステップ#3において、4次元画像データ4D(x,y,z/t=i2)から観察方向F1に投影した1枚の投影画像データ(u,v/t=i2)を作成する。以下、同様に、画像データ作成部17は、ステップ#1、#3を繰り返して観察方向F1に投影した各投影画像データ(u,v/t=i1〜m)を作成する。
【0050】
心臓の1心拍を連続して動画として表示するに必要な投影画像データの枚数に到達すると、画像データ作成部17は、観察方向F1において各心位相i1〜mの各投影画像データ(u,v/t=i1〜m)から成る3次元画像データ3D1の動画の作成を完了する。すなわち、3次元画像データ3D1は、2次元空間(u,v)の画像データと時間的要素t(=i1,2,3,…,m)とから成る動画であって、観察方向F1に固定状態とされた心臓の1心拍中に合せて運動する心臓冠状動脈1aの動画である。
画像データ作成部17は、ステップ#11において、3次元画像データ3D1を表示制御部18に送る。この表示制御部18は、モニタ画面20a上のウィンドウW1に観察方向F1における3次元画像データ3D1を動画表示する。
【0051】
次に、画像データ作成部17は、ステップ#12において、全ての観察方向F1、F2、F3、…、F9における3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9の動画が作成されたか否かを判断する。ここでは、観察方向F1における3次元画像データ3D1の動画が作成されたのみであるので、画像データ作成部17は、ステップ#2に戻り、観察方向F2に設定し、再びステップ#3〜#11を繰り返して観察方向F2の3次元画像データ3D2の動画を作成する。 観察方向F2の3次元画像データ3D2の動画の作成を完了すると、画像データ作成部17は、3次元画像データ3D2を表示制御部18に送る。この表示制御部18は、ステップ#11において、モニタ画面20a上のウィンドウW2に観察方向F2における3次元画像データ3D2を動画表示する。
以下、同様に、画像データ作成部17は、ステップ#2〜#12を繰り返し、各観察方向F3、F4、…、F9における各3次元画像データ3D3、3D4、…、3D9の動画を順次作成する。表示制御部18は、モニタ画面20a上の各ウィンドウW3、W4、…、W9に順次動画表示する。
【0052】
全ての観察方向F1、F2、F3、…、F9の各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9の作成が完了すると、表示制御部18は、ステップ#7において、図4に示すモニタ画面20a上の各ウィンドウW1〜W9にそれぞれ全観察方向F1、F2、F3、…、F9の各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9を動画表示する。これら3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9の動画表示は、各観察方向F1〜F9を固定状態としたときの心臓の1心拍中に合せて運動する心臓冠状動脈1aの動画を表示する。なお、これら3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9の動画表示は、上記図5に示す3次元画像データ作成フローチャートに従って動画表示された3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9と同一である。
【0053】
次に、表示制御部18は、ステップ#8において、各ウィンドウW1〜W9にそれぞれ表示する各観察方向F1〜F9の各3次元画像データ3D1〜D9の各動画のうちいずれかの動画が選択されるのかを判断する。ここで、操作部19における例えばマウスがインターベンションを行う術者によって操作され、モニタ画面20a上のポインタPがウィンドウW5上に配置されてクリック操作されると、表示制御部18は、ステップ#9において、ウィンドウW5すなわち観察方向F5(0°,0°)をインターベンションを行うときの最適観察角度として決定する。
次に、主制御部12は、最適観察角度として決定した観察方向F5(0°,0°)を例えばRAM等のメモリに保存し、かつ医用機器11に送信する。
【0054】
このように上記第1の実施の形態によれば、例えば被検体1における心臓冠状動脈1aに対する複数の観察方向F1〜Fjを設定し、心臓冠状動脈1aの4次元画像データ4D(x,y,z,t)から複数の観察方向F1〜Fjにおける複数の3次元画像データ(u,v,t)3Dをそれぞれ作成し、複数の観察方向F1〜Fjを固定した状態で、心臓の心拍に応じた心臓冠状動脈1aの運動を表す複数の3次元画像データ(u,v,t)3Dをそれぞれモニタ画面20a上に動画表示する。
【0055】
これにより、各観察方向F1〜Fjと、心臓の心拍に応じた心臓冠状動脈1aの運動とをそれぞれ独立して表示することができる。インターベンションを行う術者は、複数の観察方向F1〜Fjの各心臓冠状動脈1aの心拍に応じた運動を示す各動画からインターベンションを行うのに最適な観察方向F1、F2、F3、…、又はF9を簡単にかつ素早く選択できる。従って、インターベンションを行うに際して事前情報に最適な観察方向を知ることができる。このように選択された最適な観察方向F1、F2、F3、…、又はF9であれば、最適な観察方向からずれて例えば心臓冠状動脈1aが他の血管と重なったり、分岐する血管が心臓冠状動脈1aに重なったり、心臓冠状動脈1aが短く見えたり(foreshortening)するなどの影響を受けることがない。
【0056】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。同実施の形態の装置構成は、上記図1に示す装置構成と同一なので、その相違する部分について説明する。
操作部19は、切替操作部としての例えばマウスを備える。操作部19は、例えばマウスに対するクリック操作を受けると、このクリック操作毎に動画切替信号を表示制御部18に送出する。
【0057】
表示制御部18は、モニタ画面20a上に、複数の観察方向F1〜Fjを固定した状態で、心臓冠状動脈1aの心拍に応じた移動の各観察方向F3、F4、…、F9の各3次元画像データ3D3、3D4、…、3D9の動画を1つの観察方向ずつそれぞれ時間的にずらして順次切り替えて表示する。この場合、表示制御部18は、操作部19からの動画切替信号を入力する毎に、各3次元画像データ3D3、3D4、…、3D9の各動画を1つの観察方向ずつ切り替えて表示する。表示制御部18は、一定時間、例えば心臓の1心拍の期間に合せて自動的に各3次元画像データ3D3、3D4、…、3D9の動画を1つの観察方向ずつ順次切り替えて表示してもよい。
【0058】
プログラムメモリ14には、主制御部12によって実行される画像表示プログラムが記憶されている。この画像表示プログラムは、複数の観察方向F1〜Fjを固定した状態で、各観察方向F3、F4、…、F9の各3次元画像データ3D3、3D4、…、3D9の各動画をモニタ画面20a上にそれぞれ時間的にずらして順次切り替えて表示させる。
【0059】
次に、上記の如く構成された装置による画像表示の動作について説明する。
医用機器10は、上記同様に、例えば心拍運動する心臓を取り巻くように走行する心臓冠状動脈1aを撮像してその画像データを取得する。4次元データ構築部15は、医用機器11により取得された被検体1の画像データを受け取り、この画像データから図2に示すような4次元画像データ4D(x,y,z,t)を構築する。
【0060】
一方、観察方向設定部16は、操作部19に対するインタベーションを行う術者の操作入力を受け、例えば被検体1における心臓冠状動脈1aに対する複数の観察方向F1〜Fjを設定する。これら観察方向F1、F2、F3、…、Fjは、例えば9つ(j=9)の観察方向F1(RAO30°,CRA20°)、F2(0,CRA20°)、F3(LAO50°,CRA20°)、F4(RAO30°,0°)、F5(0°,0°)、F6(LAO50°,0°)、F7(RAO30°,CAU30°)、F8(0°,CAU30°)、F9(LAO50°,CAU30°)に固定設定される。
【0061】
次に、画像データ作成部17は、図8に示す3次元画像データ作成フローチャートに従い、各観察方向F1、F2、F3、…、F9毎の各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9を順次切り替えて表示する。すなわち、画像データ作成部17は、ステップ#1において、画像データ記憶部13からある心位相ik(k=1,2,3,…,m)の4次元画像データ4D(x,y,z/t=i1)を順次読み込む。画像データ作成部17は、ステップ#2において、観察方向設定部16から例えば観察方向Fj=1を読み込む。次に、画像データ作成部17は、ステップ#3において、先ず、観察方向F1において読み込んだ各画像データから観察方向F1に投影した各投影画像データを作成する。
【0062】
次に、画像データ作成部17は、ステップ#3において、先ず、観察方向F1で読み込んだある心位相i1の4次元画像データ4D(x,y,z/t=i1)から観察方向F1に投影した1枚の投影画像データ(u,v/t=i1)を作成する。
次に、画像データ作成部17は、ステップ#10において、観察方向F1で全ての心位相ik(k=1,2,3,…,m)の投影画像データ(u,v/t=i1〜m)が作成されたか否かを判断する。すなわち、画像データ作成部17は、観察方向F1において動画とするのに必要な投影画像データの枚数に到達したか否かを判断する。動画とするのに必要な投影画像データの枚数は、上記同様に、被検体1が心臓冠状動脈1aであれば、動画とするのに必要な投影画像データの枚数は、心臓の1心拍を連続して動画として表示するに必要な投影画像データの枚数になる。
心臓の1心拍を連続して動画として表示するに必要な投影画像データの枚数に到達すると、画像データ作成部17は、観察方向F1の3次元画像データ3D1の動画の作成を完了する。すなわち、3次元画像データ3D1は、2次元空間(u,v)の画像データと時間的要素t(=i1,2,3,…,m)とから成る動画であって、観察方向F1に固定状態とされた心臓の1心拍中に合せて運動する心臓冠状動脈1aの動画である。
【0063】
画像データ作成部17は、ステップ#20において、3次元画像データ3D1を表示制御部18に送る。この表示制御部18は、図9に示すようにモニタ画面20a上に観察方向F1における3次元画像データ3D1を動画表示する。この3次元画像データ3D1は、観察方向F1に固定状態としたときの心臓の1心拍中に合せて運動する心臓冠状動脈1aの動画を表示する。図中の矢印は、心臓の1心拍中に合せて運動する心臓冠状動脈1aの運動方向を示す。
この状態で、画像データ作成部17は、ステップ#21において、操作部19のマウスが左クリック又は右クリックされた否かを判断する。マウスが左クリックされると、画像データ作成部17は、ステップ#22に移り、観察方向Fjを「1」だけインクリメントしてステップ#2に戻る。
【0064】
画像データ作成部17は、ステップ#1〜#3、#10、#20を繰り返し、画像データ記憶部13からある心位相ik(k=1,2,3,…,m)の4次元画像データ4D(x,y,z/t=i1)を順次読み込み、かつ観察方向設定部16から観察方向Fj=2を読み込み、上記同様に、観察方向F2の3次元画像データ3D2の動画を作成する。画像データ作成部17は、3次元画像データ3D2を表示制御部18に送る。この表示制御部18は、図9に示すようにモニタ画面20a上の動画を、観察方向F1における3次元画像データ3D1から観察方向F2における3次元画像データ3D2の動画表示に切り替える。この3次元画像データ3D2は、観察方向F2に固定状態としたときの心臓の1心拍中に合せて運動する心臓冠状動脈1aの動画を表示する。 以下、同様に、観察方向F2の3次元画像データ3D2の動画が表示されている状態で、マウスが左クリックされると、画像データ作成部17は、ステップ#22に移り、観察方向Fjを「1」だけインクリメントしてステップ#2に戻る。これにより、画像データ作成部17は、再びステップ#1〜#3、#10、#20を繰り返し、観察方向F3の3次元画像データ3D3の動画を作成する。表示制御部18は、図9に示すようにモニタ画面20a上の動画を、観察方向F2における3次元画像データ3D2から観察方向F3における3次元画像データ3D3の動画表示に切り替える。
【0065】
従って、マウスが左クリックされる毎に、モニタ画面20a上に表示される動画は、観察方向F4の3次元画像データ3D4、観察方向F5の3次元画像データ3D5、…、観察方向F9の3次元画像データ3D9、観察方向F1の3次元画像データ3D1に順次切り替わる。
【0066】
一方、画像データ作成部17は、ステップ#21において、操作部19のマウスが左クリック又は右クリックされた否かの判断の結果、右クリックされると、ステップ#23に移り、この右クリックされた時点でモニタ画面20a上に表示されている3次元画像データ3Djの観察方向Fjを最適観察方向として決定する。例えば、右クリックされた時点でモニタ画面20a上に観察方向F1の3次元画像データ3D1が表示されていれば、画像データ作成部17は、観察方向F1を最適観察方向として決定する。次に、主制御部12は、最適観察角度として決定した観察方向F1(RAO30°,CRA20°)を例えばRAM等のメモリに保存し、かつ医用機器11に送信する。
【0067】
このように上記第2の実施の形態によれば、マウスが左クリックされる毎に、モニタ画面20a上に表示される動画を、例えば観察方向F1の3次元画像データ3D1、観察方向F2の3次元画像データ3D2、…、観察方向F9の3次元画像データ3D9、観察方向F1の3次元画像データ3D1に切り替える。これにより、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することは言うまでもない。
【0068】
上記第2の実施の形態では、マウスが左クリックされる毎に、観察方向F1の3次元画像データ3D1、観察方向F2の3次元画像データ3D5、…、観察方向F9の3次元画像データ3D9、観察方向F1の3次元画像データ3D1の各動画に切り替えるようにしているが、これに限らず、例えばモニタ画面20a上に切り替え用のアイコンを表示し、このアイコン上のポインタPを配置し、マウスが左クリックされる毎に観察方向F1の3次元画像データ3D1、観察方向F2の3次元画像データ3D5、…、観察方向F9の3次元画像データ3D9、観察方向F1の3次元画像データ3D1を切り替えるようにしてもよい。又、かかる動画の切り替えは、キーボード、タッチパネル、ジョイステック等の操作により切り替えてもよい。
【0069】
上記第2の実施の形態では、マウスが左クリックされる毎に、画像データ作成部17は、画像データ記憶部13からある心位相ik(k=1,2,3,…,m)の4次元画像データ4D(x,y,z/t=i1)を順次読み込み、かつ観察方向設定部16から観察方向Fjを読み込み、観察方向F2の3次元画像データ3D2の動画を作成しているが、予めバックグラウンドで全ての観察方向F1、F2、F3、…、F9の各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9の動画を作成して例えば画像データ記憶部13等に記憶し、マウスが左クリックされる毎に3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、又は3D9を読み出してモニタ画面20a上に表示してもよい。
【0070】
次に、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図10は画像表示装置の構成図を示す。画像表示装置本体10には、位相設定部30が設けられている。この位相設定部30は、主制御部12から発せられる指令により動作する。位相設定部30は、被検体1として心拍運動する心臓の複数の心位相を設定する。これら心位相は、図11に示すように心電計22により取得される心電図波形Eから例えば心位相ik(k=1,2,3,…,m)、例えばik=1(=0%)、ik=2(=20%)、ik=3(=40%)、ik=4(=60%)、ik=5(=80%)に固定設定される。これら心位相ikは、例えばインターベンションを行う術者によってインターベンションを行うのに最適な値に固定設定される。
【0071】
画像データ作成部31は、画像データ記憶部13に記憶されている4次元画像データ4D(x,y,z,t)を読み出し、この4次元画像データ4D(x,y,z,t)から位相設定部30により固定設定された複数の心位相ik毎にそれぞれ心臓に対して観察方向RAO、LAOを連続的に移動させた複数の3次元画像データ(r,s)3Dkを作成する。これら3次元画像データ3Dkは、それぞれ2次元空間(r,s)の画像データと時間的要素t(=i1,2,3,…,m)とから成る動画である。
【0072】
表示制御部32は、各心位相ikに固定した状態すなわち時間的要素tを固定した状態で、観察方向をCRA0、CAU0として、RAO、LAOに連続的に移動させた各3次元画像データ3Dkをそれぞれモニタ画面20a上に動画表示する。表示制御部32は、モニタ画面20a上に、例えば各心位相0%、20%、40%、60%、80%毎の各3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14を互いに観察方向Fjを同期して変えた回転動画を一覧表示する。これら3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14は、それぞれ2次元空間(u,v)の画像データと時間的要素t(=i1,2,3,…,m)とから成る。
【0073】
図12は各心位相ik毎に観察方向RAO、LAOを連続的に移動させた各3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14の一覧表示例を表示する。モニタ画面20a上には、複数のウィンドウW、例えば各ウィンドウW10〜W14が表示される。これら各ウィンドウW10〜W14には、それぞれ各心位相ik毎の各3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14の回転動画が表示される。
【0074】
これら3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14は、それぞれ観察方向をCRA0、CAU0として、RAO、LAOに移動させた動画である。RAO、LAOへの移動スピードは、任意に設定してよく、例えば心臓の心拍運動のスピードに一致させる。観察方向Fjの移動は、例えばFj=10(RAO0CRA0)→Fj=11(RAO30°CRA0)→Fj=12(RAO30°CAU30°)→Fj=13(RAO0CAU30°)→Fj=14(LAO30°CAU30°)→Fj=15(LAO30°CRA30°)→Fj=16(RAO30°CRA30°)→Fj=17(RAO30°CRA0)のように回転する。 プログラムメモリ14には、主制御部12によって実行される画像表示プログラムが記憶されている。この画像表示プログラムは、被検体1として心臓の心拍運動における心位相を固定設定し、4次元画像データ4D(x,y,z,t)から複数の心位相ik毎にそれぞれ心臓に対して観察方向RAO、LAOを連続的に移動させた複数の3次元画像データ(r,s)3Dkを作成し、各心位相ikに固定した状態で、観察方向をCRA0、CAU0として、RAO、LAOに連続的に移動させた各3次元画像データ3Dkをそれぞれモニタ画面20a上に動画表示させる。
【0075】
次に、上記の如く構成された装置による画像表示の動作について説明する。
医用機器10は、上記同様に、例えば心拍運動する心臓を取り巻くように走行する心臓冠状動脈1aを撮像してその画像データを取得する。4次元データ構築部15は、医用機器11により取得された被検体1の画像データを受け取り、この画像データから図2に示すような4次元画像データ4D(x,y,z,t)を構築する。
【0076】
一方、位相設定部30は、被検体1において心拍運動する心臓の複数の心位相ikを設定する。これら心位相ikは、図11に示すように心電計22により取得される心電図波形から、例えば0%、20%、40%、60%、80%が固定設定される。これら心位相ikは、例えばインターベンションを行う術者によってインターベンションを行うのに最適な値に固定設定される。
【0077】
次に、画像データ作成部31は、画像データ記憶部13に記憶されている4次元画像データ4D(x,y,z,t)を読み出し、この4次元画像データ4D(x,y,z,t)から位相設定部30により固定設定された複数の心位相ik毎にそれぞれ心臓に対して観察方向をCRA0、CAU0として、RAO、LAOに連続的に移動させた複数の3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14を作成する。
【0078】
これら3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14の具体的な作成方法は、図14に示す3次元画像データ作成フローチャートに従って説明する。同フローチャートは、各ウィンドウW10〜W14に表示する各3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14を同時に作成する。
先ず、画像データ作成部31は、ステップ#30において、観察方向設定部16から観察方向jを読み込む。この観察方向jは、例えばFj=10(RAO0CRA0)、Fj=11(RAO30°CRA0)、Fj=12(RAO30°CAU30°)、Fj=13(RAO0CAU30°)、Fj=14(LAO30°CAU30°)、Fj=15(LAO30°CRA30°)、Fj=16(RAO30°CRA30°)、Fj=17(RAO30°CRA0)である。
【0079】
これと共に画像データ作成部31は、ステップ#31において、位相設定部30から例えば5つ(k=5)の心位相ik(k=1,2,3,…,m)、例えばik=1(=0%)、ik=2(=20%)、ik=3(=40%)、ik=4(=60%)、ik=5(=80%)読み込む。
【0080】
次に、画像データ作成部31は、ステップ#32において、画像データ記憶部13から先ず、例えば心位相ik=1(=0%)の4次元画像データ4D(x,y,z/i1)を読み込む。
次に、画像データ作成部31は、ステップ#33において、心位相ik=1(=0%)の4次元画像データ4D(x,y,z/i1)から観察方向Fj=10(RAO0CRA0)に投影した1枚の投影画像データ(u,v/t=i1)を作成する。この観察方向Fj=10(RAO0CRA0)の1枚の投影画像データ(u,v/t=i1)は、静止画像データである。
次に、画像データ作成部31は、ステップ#33において、全ての心位相ik、例えばik=1(=0%)、ik=2(=20%)、ik=3(=40%)、ik=4(=60%)、ik=5(=80%)の各投影画像データ(u,v/t=i1〜5)が作成されたか否かを判断する。
【0081】
この判断の結果、全ての心位相ik=5の投影画像データ(u,v/t=i1〜5)が作成されていなければ、画像データ作成部31は、ステップ#32に戻り、心位相ik=2(=20%)の4次元画像データ4D(x,y,z/i1)を読み込み、ステップ#33において、心位相ik=2(=20%)の4次元画像データ4D(x,y,z/i1)から観察方向Fj=10(RAO0CRA0)に投影した1枚の投影画像データ(u,v/t=i1)を作成する。
【0082】
以下、同様に、画像データ作成部31は、ステップ#32〜#34を繰り返し、心位相ik=3(=40%)、ik=4(=60%)、ik=5(=80%)の4次元画像データ4D(x,y,z/i1)を順次読み込み、各心位相ik=3(=40%)、ik=4(=60%)、ik=5(=80%)の4次元画像データ4D(x,y,z/i3〜5)から観察方向Fj=10(RAO0CRA0)に投影した1枚の各投影画像データ(u,v/t=i3〜5)を作成する。
【0083】
全ての心位相ik=5の投影画像データ(u,v/t=i1〜5)が作成されると、画像データ作成部31は、ステップ#34において、1つの観察方向Fj=10(RAO0CRA0)における各心位相ik=3(=40%)、ik=4(=60%)、ik=5(=80%)の各投影画像データ(u,v/t=i1〜5)を表示制御部32に送る。
【0084】
この表示制御部32は、図12に示すモニタ画面20a上の各ウィンドウW10〜W14にそれぞれ各心位相ik(=0%、20%、40%、60%、80%)毎の各投影画像データを表示する。この時点で、モニタ画面20a上の各ウィンドウW10〜W14に表示される各投影画像データは、静止画である。
【0085】
次に、画像データ作成部31は、ステップ#36において、各心位相ik(=0%、20%、40%、60%、80%)毎に、それぞれ全ての観察方向Fj、例えばFj=10(RAO0CRA0)、Fj=11(RAO30°CRA0)、Fj=12(RAO30°CAU30°)、Fj=13(RAO0CAU30°)、Fj=14(LAO30°CAU30°)、Fj=15(LAO30°CRA30°)、Fj=16(RAO30°CRA30°)、Fj=17(RAO30°CRA0)の観察方向Fjの投影画像データが作成されたか否かを判断する。
【0086】
この判断の結果、全ての観察方向Fjの投影画像データが作成されていなければ、画像データ作成部31は、ステップ#30に戻り、次の観察方向j(RAO30°CRA0)を読み込み、ステップ#33に移る。このように画像データ作成部31は、ステップ#30〜#36を繰り返し、全ての心位相ik=3(=40%)、ik=4(=60%)、ik=5(=80%)毎に、全ての観察方向Fj、例えば例えばFj=10(RAO0CRA0)、Fj=11(RAO30°CRA0)、Fj=12(RAO30°CAU30°)、Fj=13(RAO0CAU30°)、Fj=14(LAO30°CAU30°)、Fj=15(LAO30°CRA30°)、Fj=16(RAO30°CRA30°)、Fj=17(RAO30°CRA0)の観察方向Fjの各投影画像データ(u,v/t=i1〜5)を作成する。これにより、画像データ作成部31は、心位相ik毎にそれぞれ心臓に対して観察方向をCRA0、CAU0として、RAO、LAOに連続的に移動させた複数の3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14を作成する。
【0087】
各心位相ik(=0%、20%、40%、60%、80%)毎に各3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14が動画として完成すると、画像データ作成部31は、かかる心位相ik毎に各3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14を表示制御部18に送る。この表示制御部32は、ステップ#7において、図12に示すモニタ画面20a上の各ウィンドウW10〜W14にそれぞれ各心位相ik(=0%、20%、40%、60%、80%)毎に、各3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14を動画表示する。表示制御部32は、各ウィンドウW10〜W14における各心位相ik(=0%、20%、40%、60%、80%)の各3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14の動画を観察方向Fjで同期させて表示する。
【0088】
図13は例えばウィンドウW10に表示される心位相Pk(=0%)における3次元画像データ3D10の動画を示す。この3次元画像データ3D10は、心位相Pk(=0%)で一定で、かつ観察方向Fjを例えばFj=10(RAO0CRA0)→Fj=11(RAO30°CRA0)→Fj=12(RAO30°CAU30°)→Fj=13(RAO0CAU30°)→Fj=14(LAO30°CAU30°)→Fj=15(LAO30°CRA30°)→Fj=16(RAO30°CRA30°)→Fj=17(RAO30°CRA0)で移動させた動画である。なお、表示制御部32は、心電計22から出力される心電図信号を入力し、この心電図波形Eをモニタ画面20a内に表示する。
【0089】
次に、表示制御部32は、ステップ#8において、各ウィンドウW10〜W14にそれぞれ表示する各心位相ik(=0%、20%、40%、60%、80%)の各3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14の各動画のうちいずれかの動画が選択されるのかを判断する。ここで、操作部19における例えばマウスがインターベンションを行う術者によって操作され、モニタ画面20a上のポインタPがウィンドウW10上に配置されてクリック操作されると、表示制御部18は、ステップ#9において、ウィンドウW10中で表示される動画中でクリックされた時点における観察方向、例えばCRA0、CAU0でかつRAO30°CAU30°をインターベンションを行うときの最適観察角度として決定する。
次に、主制御部12は、最適観察角度として決定した観察方向RAO30°CAU30°を例えばRAM等のメモリに保存し、かつ医用機器11に送信する。
【0090】
次に、各3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14の具体的な別の作成方法について図15に示す3次元画像データ作成フローチャートに従って説明する。同フローチャートは、1つのウィンドウW10〜W14毎に順次各3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14の動画を作成する。
【0091】
先ず、画像データ作成部31は、ステップ#30において、観察方向設定部16から観察方向Fjを読み込む。この観察方向Fj、例えばFj=10(RAO0CRA0)、Fj=11(RAO30°CRA0)、Fj=12(RAO30°CAU30°)、Fj=13(RAO0CAU30°)、Fj=14(LAO30°CAU30°)、Fj=15(LAO30°CRA30°)、Fj=16(RAO30°CRA30°)、Fj=17(RAO30°CRA0)である。
【0092】
これと共に画像データ作成部31は、ステップ#31において、位相設定部30から例えば5つ(k=5)の心位相ik(k=1,2,3,…,m)、例えばik=1(=0%)、ik=2(=20%)、ik=3(=40%)、ik=4(=60%)、ik=5(=80%)を読み込む。
【0093】
次に、画像データ作成部31は、ステップ#32において、画像データ記憶部13から先ず、例えば先ず、心位相i1(=0%)の4次元画像データ4D(x,y,z/i1)を読み込む。
次に、画像データ作成部31は、ステップ#33において、4次元画像データ4D(x,y,z/i1)から観察方向Fj=10(RAO0CRA0)に投影した1枚の各投影画像データ(u,v/t=i1)を作成する。
【0094】
次に、画像データ作成部31は、ステップ#37において、心位相i1(=0%)で、全ての観察方向Fj、例えばFj=10(RAO0CRA0)、Fj=11(RAO30°CRA0)、Fj=12(RAO30°CAU30°)、Fj=13(RAO0CAU30°)、Fj=14(LAO30°CAU30°)、Fj=15(LAO30°CRA30°)、Fj=16(RAO30°CRA30°)、Fj=17(RAO30°CRA0)の各投影画像データ(u,v/t=i1)を作成したか否かを判断する。
【0095】
この判断の結果、心位相i1(=0%)で、全ての観察方向Fjの各投影画像データ(u,v/t=i1)を作成していなければ、画像データ作成部31は、ステップ#30に戻り、次の観察方向Fj=11(RAO30°CRA0)に設定し、ステップ#33において、4次元画像データ4D(x,y,z/i1)から観察方向Fj=11(RAO30°CRA0)に投影した投影画像データ(u,v/t=i1)を作成する。
【0096】
以下、同様に、画像データ作成部31は、ステップ#30〜#33、#37を繰り返し、心位相i1(=0%)で、全ての観察方向Fj、例えばFj=10(RAO0CRA0)、Fj=11(RAO30°CRA0)、Fj=12(RAO30°CAU30°)、Fj=13(RAO0CAU30°)、Fj=14(LAO30°CAU30°)、Fj=15(LAO30°CRA30°)、Fj=16(RAO30°CRA30°)、Fj=17(RAO30°CRA0)の各投影画像データ(u,v/t=i1)を作成する。
【0097】
心位相i1(=0%)の全ての観察方向Fj(j=10〜17)の各投影画像データ(u,v/t=i1)を作成すると、画像データ作成部31は、ステップ#38において、心位相i1(=0%)の全ての観察方向Fj(j=10〜17)の各投影画像データ(u,v/t=i1)から成る3次元画像データ3D10を表示制御部32に送る。この表示制御部32は、図12に示すモニタ画面20a上のウィンドウW10に心位相i1(=0%)で各観察方向Fj(j=10〜j=17)で回転する例えば心臓冠状動脈1aの3次元画像データ3D10を表示する。 次に、画像データ作成部31は、ステップ#39において、全ての心位相ik(=0%、20%、40%、60%、80%)の例えば心臓冠状動脈1aの投影画像データ(u,v/t=ik=1〜5)を作成したか否かを判断する。この判断の結果、全ての心位相ik=1〜5(=0%、20%、40%、60%、80%)の投影画像データ(u,v/t=ik=1〜5)を作成していなければ、画像データ作成部31は、ステップ#31に戻り、位相設定部30から例えば心位相ik=2(=20%)を読み込み、ステップ#32において、画像データ記憶部13から心位相ik=2(=20%)の4次元画像データ4D(x,y,z/i1)を読み込む。
【0098】
画像データ作成部31は、ステップ#30〜#33、#37〜#39を繰り返し実行し、心位相ik=2(=20%)で観察方向Fj(j=10〜17)の各投影画像データ(u,v/t=i2)から成る各3次元画像データ3D11を表示制御部32に送る。この表示制御部32は、図12に示すモニタ画面20a上の各ウィンドウW11に心位相ik=2(=20%)で観察方向Fj(j=10〜j=17)で回転する例えば心臓冠状動脈1aの投影画像データ(u,v/t=i2)を表示する。
【0099】
以下、上記同様に、画像データ作成部31は、ステップ#30〜#33、#37〜#39を繰り返し実行し、心位相ik=3(=40%)、ik=4(=60%)、ik=5(=80%)のそれぞれ全ての観察方向Fj(j=10〜17)の各投影画像データ(u,v/t=i3〜5)から成る各3次元画像データ3D12、3D13、3D14を表示制御部32に送る。この表示制御部32は、図12に示すモニタ画面20a上の各ウィンドウW12〜14にそれぞれ心位相ik=3(=40%)、ik=4(=60%)、ik=5(=80%)で各観察方向Fj(j=10〜j=17)で回転する例えば心臓冠状動脈1aの投影画像データ(u,v/t=i3〜5)を表示する。しかるに、表示制御部32は、ステップ#7において、上記同様に、図12に示すモニタ画面20a上の各ウィンドウW10〜W14にそれぞれ各心位相心位相ik(=0%、20%、40%、60%、80%)毎に、各3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14をそれぞれ観察方向Fj(j=10〜17)で同期させて動画表示し、心電図波形Eも表示する。
【0100】
次に、表示制御部32は、ステップ#8において、各ウィンドウW10〜W14にそれぞれ表示する各心位相ik(=0%、20%、40%、60%、80%)の各3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14の各動画のうちいずれかの動画が選択されるのかを判断する。ここで、操作部19における例えばマウスがインターベンションを行う術者によって操作され、モニタ画面20a上のポインタPがウィンドウW10上に配置されてクリック操作されると、表示制御部18は、ステップ#9において、ウィンドウW10中で表示される動画中でクリックされた時点における観察方向、例えばCRA0、CAU0でかつRAO30°CAU30°をインターベンションを行うときの最適観察角度として決定する。
次に、主制御部12は、最適観察角度として決定した観察方向RAO30°CAU30°を例えばRAM等のメモリに保存し、かつ医用機器11に送信する。
【0101】
このように上記第3の実施の形態によれば、モニタ画面20a上の各ウィンドウW10〜W14に、例えば各心位相0%、20%、40%、60%、80%毎に固定した状態で、観察方向を例えばRAO0CRA0 → RAO30°CRA0 …→ RAO30°CRA0に移動させた各3次元画像データ3D10、3D11、3D12、3D13、3D14を互いに観察方向Fj(j=10〜17)で同期させて一覧表示する。これにより、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0102】
次に、本発明の第4の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図16は画像表示装置の構成図を示す。画像表示装置本体10は、被検体1の周期的な収縮運動の量、例えば心臓の心拍に応じた心臓冠状動脈1aの移動量に対応する複数の色情報を設定し、心臓冠状動脈1aの移動量に対応する色情報をモニタ画面20a上に表示される心臓冠状動脈1a中に表示する。
【0103】
色情報の表示は、2つの表示方法を有する。第1の色情報の表示は、心臓に走る心臓冠状動脈1aの心拍によるみかけの動き量、すなわち図17に示すようにuv方向の投影面R上での動き量を色で表示する。なお、図17は心臓冠状動脈1aにおける一点を心拍によるみかけの動き量に応じて例えば赤色、青色、桃色などで表示しているが、実際は、一点を集めた心臓冠状動脈1aの全体の動き量に応じた色で表示する。例えば心臓冠状動脈1aのみかけの動き量が予め設定された第1の動き量よりも大きい場合に例えば赤色により表示される。心臓冠状動脈1aのみかけの動き量が予め設定された第1の動き量よりも小さい場合に例えば青色により表示される。これにより、青色に近い角度θを選択することが好ましいと分かる。図18は角度θと色情報との関係を示す。 ここで、図19を参照して第1の色情報の表示方法における心臓に走る心臓冠状動脈1aの心拍によるみかけの動き量について4次元画像データ4D(x,y,z,t)を例にして説明する。モニタ画面20a上に表示する心臓冠状動脈1aの画像は、例えば心位相の拡張末期とする。なお、モニタ画面20a上に表示する心臓冠状動脈1aの画像は、例えば心位相の収縮末期等の画像であってもよい。
【0104】
心臓冠状動脈1aの分岐部は、時間経過と共に心臓の心拍に応じて運動する。これにより、心臓冠状動脈1aの分岐部を投影面(uv平面)Rに投影すると、この投影面R上においてuv方向に移動する。なお、Laは心位相の拡張末期において心臓冠状動脈1aの分岐部を投影面R上に投影する投影線を示す。Haは4次元空間内おける投影線La上での心臓冠状動脈1aの動きの軌跡を示す。Aaは投影面R上における心臓冠状動脈1aの動きの軌跡を示す。従って、投影面R内での振幅の最大値(ピクセル数)を投影面R内での心臓冠状動脈1aのみかけの動きの量Mと定義する。
【0105】
第2の色情報の表示方法は、最適な観察方向からずれたときに心臓冠状動脈1aの長さが短く見える(foreshortening)ときの変化率、すなわち上記図17に示すように投影面Rに対するw方向のベクトルGの長さの変化率を色情報で表示する。心臓冠状動脈1aの長さの変化率が予め設定された第2の動き量よりも大きい場合に例えば赤色により表示される。心臓冠状動脈1aの長さの変化率が予め設定された第2の動き量よりも小さい場合に例えば青色により表示される。これにより、青色に近い角度θを選択することが好ましいと分かる。
【0106】
ここで、図20を参照して第2の色情報の表示方法における心臓冠状動脈1aのforeshorteningの変化率について4次元画像データ4D(x,y,z,t)中の心臓冠状動脈1aの狭窄部分1bを例にとって説明する。心臓冠状動脈1aの狭窄部分1bの長さは、心拍運動によって変化しない。投影面R上における狭窄部分1bのみかけの狭窄長さは、心拍運動によって変化する。よって、投影面R上において最も長く見える心位相における長さAと最も短く見える心位相における長さBとの比B/Aから変化率を算出する。これにより、心臓冠状動脈1aの長さの変化率B/Aが予め設定された第2の動き量よりも長い場合に例えば赤色により表示される。心臓冠状動脈1aの長さの変化率B/Aが予め設定された第2の動き量よりも短い場合に例えば青色により表示される。
【0107】
画像表示装置本体10は、色情報設定部40と、ベクトル変換部41と、動き量算出部42と、色情報変換部43とを有する。色情報設定部40と、ベクトル変換部41と、動き量算出部42と、色情報変換部43とは、それぞれ主制御部12から発せられる指令により動作する。
【0108】
色情報設定部40は、被検体1の周期的な収縮運動の量、例えば心臓の心拍に応じた心臓冠状動脈1aの運動量に対応する複数の色情報を設定する。例えば予め設定された動き量よりも大きい心臓冠状動脈1aの運動量に対して赤色が設定される。予め設定された動き量よりも小さい心臓冠状動脈1aの運動量に対して青色が設定される。 例えば、第1の色情報の表示では、心臓冠状動脈1aのみかけの動き量が予め設定された第1の動き量よりも大きい場合に例えば赤色を表示するように設定され、かつ心臓冠状動脈1aのみかけの動き量が予め設定された第1の動き量よりも小さい場合に例えば青色により表示するように設定される。
一方、第2の色情報の表示では、心臓冠状動脈1aの長さの変化率が第2の動き量よりも大きい場合に例えば赤色により表示するように設定され、かつ心臓冠状動脈1aの長さの変化率が第2の動き量よりも小さい場合に例えば青色により表示するように設定される。なお、色情報設定部40により設定される色情報は、上記の如く赤色や青色等に限らず、グレースケール、ハッチ密度等を変える手法を用いてもよい。
【0109】
ベクトル変換部41は、図17に示すように心臓冠状動脈1aの4次元画像データ4D(x,y,z,t)から心臓の心拍運動による心臓冠状動脈1aの3次元空間内での動きを3次元動きベクトルGに変換する。
動き量算出部42は、第1の色情報の表示方法の場合、3次元動きベクトルGを投影面(uv平面)R上に投影したときの投影面R上での心臓冠状動脈1aの2次元平面内での2次元の動き量Mを算出する。又、動き量算出部42は、第2の色情報の表示方法の場合、投影面R上におけるw方向のベクトルGの長さの変化率を算出する。
色情報変換部43は、心臓冠状動脈1aの2次元の動き量、すなわち第1の色情報の表示方法による心臓冠状動脈1aのみかけの動きの量M、又は第2の色情報の表示方法による心臓冠状動脈1aの長さの変化率を色情報設定部40に設定された動き量に応じた色情報に変換する。
表示制御部18は、各観察方向Fj(=F1、F2、F3、…、F9)の各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9中における心臓冠状動脈1aの動き量、すなわち第1の色情報の表示方法による心臓冠状動脈1aのみかけの動きの量Mに応じた色情報によりモニタ画面20a上に表示する。又、表示制御部18は、第2の色情報の表示方法による心臓冠状動脈1aの長さの変化率を色情報設定部40に設定された動き量を色情報設定部40に設定された動き量に応じた色情報によりモニタ画面20a上に表示する。
【0110】
プログラムメモリ14には、主制御部12によって実行される画像表示プログラムが記憶されている。この画像表示プログラムは、心臓冠状動脈1aの動き量に対応する複数の色情報を各観察方向F1、F2、F3、…、F9の各3次元画像データ3D1、3D2、3D3、…、3D9中に表示させる。
【0111】
次に、上記の如く構成された装置による画像表示の動作について図21に示す3次元画像データ作成フローチャートに従って説明する。
医用機器10は、上記同様に、例えば心拍運動する心臓を取り巻くように走行する心臓冠状動脈1aを撮像してその画像データを取得する。4次元データ構築部15は、医用機器11により取得された被検体1の画像データを受け取り、この画像データから図2に示すような4次元画像データ4D(x,y,z,t)を構築する。
【0112】
一方、位相設定部30は、被検体1において心拍運動する心臓の複数の心位相を設定する。この心位相は、図32に示すような心電計22により取得される心電図波形から心位相ik、例えば心臓の拡張末期に設定される。なお、心位相ikは、上記第3の実施の形態と同様に、例えば0%、20%、40%、60%、80%に設定されてもよい。
【0113】
次に、画像データ作成部31は、ステップ#40において、位相設定部30により設定された例えば心臓の拡張末期等に対応する心位相ikを読み込む。画像データ作成部31は、ステップ#41において、画像データ記憶部13に記憶されている4次元画像データ4D(x,y,z,t)を読み込む。
【0114】
次に、画像データ作成部31は、ステップ#42において、位相設定部30により設定された全ての心位相ikの4次元画像データ4D(x,y,z,t)を読み込んだか否かを判断する。この判断の結果、全ての心位相ikの4次元画像データ4D(x,y,z,t)を読み込んでいなければ、画像データ作成部31は、ステップ#41に戻り、全ての心位相ikの4次元画像データ4D(x,y,z,t)を読み込むことを繰り返す。これにより、画像データ作成部31は、例えば心臓の拡張末期等に対応する心位相ikの4次元画像データ4D(x,y,z,t)を作成する。
【0115】
次に、ベクトル変換部41は、ステップ#43において、図17に示すように心臓冠状動脈1aの4次元画像データ4D(x,y,z,t)から心臓の心拍運動による心臓冠状動脈1aの3次元空間内での動きを3次元動きベクトルGに変換する。
又、画像データ作成部31は、ステップ#44において、観察方向設定部16から観察方向Fjを読み込む。この観察方向Fj、例えばFj=10(RAO0CRA0)、Fj=11(RAO30°CRA0)、Fj=12(RAO30°CAU30°)、Fj=13(RAO0CAU30°)、Fj=14(LAO30°CAU30°)、Fj=15(LAO30°CRA30°)、Fj=16(RAO30°CRA30°)、Fj=17(RAO30°CRA0)である。
【0116】
次に、動き量算出部42は、ステップ#45において、第1の色情報の表示方法の場合、例えば図19に示すように3次元動きベクトルGを投影面R上に投影したときの投影面R上での心臓冠状動脈1aの2次元平面内での2次元の動き量Mを算出する。又、動き量算出部42は、第2の色情報の表示方法の場合、図20(a)(b)に示すように投影面R上におけるw方向のベクトルGの長さの変化率を算出する。
次に、色情報変換部43は、心臓冠状動脈1aの2次元の動き量、すなわち第1の色情報の表示方法による心臓冠状動脈1aのみかけの動きの量M、又は第2の色情報の表示方法による心臓冠状動脈1aの長さの変化率を色情報設定部40に設定された動き量に応じた色情報に変換する。
次に、画像データ作成部31は、ステップ#43において、心臓冠状動脈1aの4次元画像データ4D(x,y,z,t)から例えば心臓の拡張末期に対応する心位相ikで、かつ観察方向Fjを移動、例えば上記第3の実施の形態と同様に、RAO0CRA0 → RAO30°CRA0 → RAO30°CAU30° → RAO0CAU30° → LAO30°CAU30° → LAO30°CRA30° → RAO30°CRA30° → RAO30°CRA0に移動させた場合における心臓冠状動脈1aの動きを投影面R上に投影した3次元画像データ(r,s,ik)3Dkを作成する。この3次元画像データ3Dkは、それぞれ2次元空間(r,s)の画像データと時間的要素t(=ik)とから成る動画である。
【0117】
インターベンションにおいて最適観察方向を決定するための手法として上記図30に示すような2方向のX線撮像画像から心臓冠状動脈1a等の血管を立体表示(coronary 3D、coronary tree)する技術が用いられる。この血管の立体表示の技術では、計算の途中で3次元の座標を計算している。複数の心位相で4次元画像データを計算する場合も各心位相で3次元座標を計算している。従って、血管の立体表示の技術では、4次元座標が分かり、例えば図19に示すような4次元空間内おける投影線La上での心臓冠状動脈1aの動きの軌跡Haが分かる。
【0118】
血管の立体表示の技術は、上記図30に示すようにFrontal画像2上で例えばインタベーションを行う術者が対応点をマニュアルで指定すると、心臓冠状動脈1aの3次元空間内の位置が定まる。すなわち、3次元位置を特定するには、Frontal画像2上とLateral画像3上とで対応する点の座標を指定することが必要となる。これにより、インタベーションを行う術者が対応点として心臓冠状動脈1aにおける狭窄部等を指定すると、この狭窄部等の3次元座標が分かる。一般的には、心臓冠状動脈1a上において複数点、例えば3〜10点程度の対応点(特徴点)を指定する。これら特徴点の間には、それぞれ線形的に対応点が設定される。これにより、各特長点と各対応点とにより心臓冠状動脈1a上の全ての点の3次元座標が分かる。
【0119】
医用機器10は、例えばX線装置、X線CT装置、MRI装置、PET装置、SPECT装置、US装置、IVUS装置、X線診断装置である。このうちX線CT装置及びMRI装置において再構成されたデータでは、上記血管を立体表示の技術のような座標情報が得られない。この場合、3次元画像データ上で特徴点を設定し、この特徴点の4次元画像データ上での類似点をサーチして、4次元空間内の動き軌跡を求める。
【0120】
画像データ作成部31は、色情報変換部43から第1の色情報の表示方法による心臓冠状動脈1aのみかけの動きの量M、又は第2の色情報の表示方法による心臓冠状動脈1aの長さの変化率を色情報設定部40に設定された動き量に応じた色情報を受け取り、これら色情報を3次元画像データ(r,s,ik)3Dkに対して付加する。色情報を付加する3次元画像データ(r,s,ik)3Dk上の位置は、心臓冠状動脈1aの動き量M又は長さの変化率に対応する心臓冠状動脈1aの座標上である。
【0121】
次に、画像データ作成部31は、ステップ#44において、例えば心臓の拡張末期に対応する心位相ikにおける心臓冠状動脈1aの動きを示す3次元画像データ(r,s,ik)3Dk及び色情報を表示制御部18に送る。
この表示制御部18は、例えば図22に示すようにモニタ20のモニタ画面20a上にウィンドウW20を表示し、このウィンドウW20内に心臓の拡張末期に対応する心位相Pkで、かつ観察方向Fjを例えばRAO0CRA0 → RAO30°CRA0 → RAO30°CAU30° → RAO0CAU30° → LAO30°CAU30° → LAO30°CRA30° → RAO30°CRA30° → RAO30°CRA0に移動させた動画を表示する。このとき、モニタ画面20a上に表示される心臓冠状動脈1aは、第1の色情報の表示方法による心臓冠状動脈1aのみかけの動きの量M、又は第2の色情報の表示方法による心臓冠状動脈1aの長さの変化率に応じて表示色が変化する。
【0122】
第1の色情報の表示方法では、心臓冠状動脈1aのみかけの動き量Mが予め設定された第1の動き量よりも大きい場合に例えば赤色に表示され、心臓冠状動脈1aのみかけの動き量Mが予め設定された第1の動き量よりも小さい場合に例えば青色に表示される。一方、第2の色情報の表示方法では、心臓冠状動脈1aの長さの変化率が予め設定された第2の動き量よりも大きい場合に例えば赤色に表示され、心臓冠状動脈1aの長さの変化率が予め設定された第2の動き量よりも小さい場合に例えば青色により表示される。なお、図21は、図示する都合上、心臓冠状動脈1aの一部分について赤色又は青色で表示させているが、実際には、心臓冠状動脈1aの各部分においてそれぞれみかけの動きの量M又は心臓冠状動脈1aの長さの変化率が異なる。従って、心臓冠状動脈1aの各部分の各みかけの動きの量M又は各長さの変化率に応じてそれぞれ表示色が変化する。例えば心臓冠状動脈1aの各部分は、各みかけの動きの量M又は各長さの変化率に応じて赤色、黄色、青色、緑色、茶色等の各表示色で表示される。
【0123】
次に、表示制御部32は、ステップ#8において、操作部19に対してどの観察方向Fjがクリック操作されたか否かを判断する。例えば操作部19における例えばマウスがインターベンションを行う術者によって操作され、モニタ画面20a上のポインタPがウィンドウW20上に配置されてクリック操作されると、表示制御部18は、ステップ#9において、ウィンドウW20中で表示される動画中でクリックされた時点における観察方向Fj、例えばRAO30°CAU30°をインターベンションを行うときの最適観察角度として決定する。
次に、主制御部12は、最適観察角度として決定した観察方向RAO30°CAU30°を例えばRAM等のメモリに保存し、かつ医用機器11に送信する。
【0124】
なお、画像データ作成部31は、ステップ#47の処理後、ステップ#48、#49に移り、全ての心位相ikにおける心臓冠状動脈1aの動きを示す動画を一覧表示してもよい。すなわち、画像データ作成部31は、ステップ#48において、全ての心位相ik、例えば心臓の拡張末期に対応する心位相に加えて、例えば心位相0%、20%、40%、60%、80%における心臓冠状動脈1aの動きを示す各3次元画像データ(r,s,ik)3Dk及び色情報を取得したか否か判断する。この判断の結果、全ての心位相ikの3次元画像データ(r,s,ik)3Dk及び色情報を取得していなければ、画像データ作成部31は、ステップ#30に戻る。全ての心位相ikの3次元画像データ(r,s,ik)3Dk及び色情報を取得していれば、画像データ作成部31は、ステップ#46に移り、ウィンドウW20を含む全ての心位相ikに対応する複数のウィンドウをモニタ画面20a上に表示し、これらウィンドウに全ての心位相の3次元画像データ(r,s,ik)3Dk及び色情報をそれぞれ一覧表示する。
【0125】
このように上記第4の実施の形態によれば、心臓の心拍に応じた心臓冠状動脈1aの移動量に対応する複数の色情報を設定し、心臓冠状動脈1aに対する観察方向Fjを移動させながら心臓冠状動脈1aの運動量に対応する色情報をモニタ画面20a上に表示される心臓冠状動脈1a中に表示する。これにより、心臓冠状動脈1aに対する観察方向Fjを移動させながら心臓が心拍したときの心臓冠状動脈1aの動きが赤色や青色等の色情報によって同時に分かる。
なお、心臓冠状動脈1aの表示は、例えば心臓の拡張末期に対応する心位相だけでなく、例えば心位相0%、20%、40%、60%、80%において観察方向を移動させて表示でき、かつそのときの心臓冠状動脈1aの動きが赤色や青色等の色情報によって同時に分かる。
【0126】
心臓冠状動脈1aの動きは、その部位によって異なる。従って、心臓冠状動脈1aの各部位によって赤色や青色等の色情報によって表示され、心臓冠状動脈1aの表示を目視しただけで心臓冠状動脈1aの全体の動きを知ることができる。
なお、上記第4の実施の形態は、心臓の心拍に応じた心臓冠状動脈1aの移動量に対応する複数の色情報を設定しているが、心臓冠状動脈1aの移動方向(x,y,z)に応じて色を設定してもよい。
【0127】
次に、本発明の第5の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1及び図10と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図23は画像表示装置の構成図を示す。画像表示装置本体10には、画像データ作成部50と、表示制御部51とが設けられている。これら画像データ作成部50と、表示制御部51とは、それぞれ主制御部12から発せられる指令により動作する。
【0128】
操作部52は、例えばマウスを有し、マウスに対するクリック操作を受ける毎に画像データ作成部50により作成される画像データ、すなわち観察方向Fjを固定設定した状態での心臓の心拍に合せて移動する心臓冠状動脈1aの動画となる3次元画像データ(u,v,t)と、心臓の心拍運動を固定した状態での心臓冠状動脈1aに対する観察方向Fjを移動させる動画となる3次元画像データ(r,s,t)とを切り替えてモニタ20に表示させる切り替え操作信号を出力する。
【0129】
画像データ作成部50は、操作部52から出力される切り替え操作信号を受ける毎に、4次元画像データ4D(x,y,z,t)から観察方向Fjを固定設定した状態での心臓の心拍に合せて移動する心臓冠状動脈1aの動画となる第1の3次元画像データ(u,v,t)、又は心臓の心拍運動を固定した状態での心臓冠状動脈1aに対する観察方向Fjを移動させる動画となる第2の3次元画像データ(r,s,t)を作成する。
【0130】
表示制御部51は、操作部52から出力される切り替え操作信号を受ける毎に、画像データ作成部50により作成された第1の3次元画像データ(u,v,t)と第2の3次元画像データ(r,s,t)とを切り替えてモニタ20に表示する。
【0131】
プログラムメモリ14には、主制御部12によって実行される画像表示プログラムが記憶されている。この画像表示プログラムは、操作部52から出力される切り替え操作信号を受ける毎に、観察方向Fjを固定設定した状態での心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aの動画となる第1の3次元画像データ(u,v,t)と、心臓の心拍運動を固定した状態での心臓冠状動脈1aに対する観察方向Fjを移動させる動画となる第2の3次元画像データ(r,s,t)とを切り替えてモニタ20に表示させる。
【0132】
次に、上記の如く構成された装置による画像表示の動作について図24に示す3次元画像データ作成フローチャートに従って説明する。
医用機器10は、上記同様に、例えば心拍運動する心臓を取り巻くように走行する心臓冠状動脈1aを撮像してその画像データを取得する。4次元データ構築部15は、医用機器11により取得された被検体1の画像データを受け取り、この画像データから図2に示すような4次元画像データ4D(x,y,z,t)を構築する。
【0133】
画像データ作成部50は、操作部52から出力される切り替え操作信号を受ける毎に、4次元画像データ4D(x,y,z,t)から観察方向Fjを固定設定した状態での心臓の心拍に合せて移動する心臓冠状動脈1aの動画となる第1の3次元画像データ(u,v,t)、又は心臓の心拍運動を固定した状態での心臓冠状動脈1aに対する観察方向Fjを移動させる動画となる第2の3次元画像データ(r,s,t)を作成する。
【0134】
ここで、画像データ作成部50は、ステップ#50において、心臓の心拍運動を固定した状態、すなわち心位相を固定した状態で、かつ心臓冠状動脈1aに対する観察方向Fjを移動させる動画となる第2の3次元画像データ(r,s,t)を作成する。表示制御部51は、図25に示す表示状態Q1のように心拍運動を固定しかつ観察方向Fjを移動させる第2の3次元画像データ(r,s,t)をモニタ画面20a上に表示する。
図26は心位相ikを固定した状態で、かつ心臓冠状動脈1aに対する観察方向Fjを移動させる動画となる第2の3次元画像データ(r,s,t)を示す。図中矢印は観察方向Fjを例えばF10からF11、F12に連続的に移動させたときの心臓冠状動脈1aの回転表示を示す。
【0135】
この状態に、操作部52におけるマウスが例えばインターベンションを行う術者によってクリック操作されると、操作部52は、ステップ#51において、モニタ画面20aに表示する画像の切り替え操作信号を出力する。
【0136】
画像データ作成部50は、ステップ#52において、操作部52から出力された切り替え操作信号を入力すると、心位相ikを固定した状態で、かつ心臓冠状動脈1aに対する観察方向Fjを移動させる動画となる第2の3次元画像データ(r,s,t)の作成から例えば観察方向Fjに固定設定した状態で、かつ心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aの動画となる第1の3次元画像データ(u,v,t)の作成に切り替える。このとき、クリック操作のタイミングが図26に示す時刻T1であって、第2の3次元画像データ(r,s,t)の観察方向FjがF10であれば、画像データ作成部50は、観察方向F10に固定設定した状態で、かつ心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aの動画となる第1の3次元画像データ(u,v,t)を作成する。
【0137】
表示制御部51は、図25に示す表示状態Q2のように画像データ作成部50により作成された第1の3次元画像データ(u,v,t)をモニタ画面20a上に表示する。この第1の3次元画像データ(u,v,t)は、例えば図27に示すように観察方向F10に固定設定された状態での心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aの動画である。図中の矢印は心臓冠状動脈1aの移動方向を示す。
この状態に、操作部52におけるマウスが再びインターベンションを行う術者によってクリック操作されと、操作部52は、ステップ#53において、モニタ画面20aに表示する画像の切り替え操作信号を出力する。このとき、クリック操作は、図27に示す観察方向角度F10における第2の3次元画像データ(r,s,t)を表示しているタイミングT2時刻であるとする。
【0138】
画像データ作成部50は、ステップ#50に戻り、心臓の心拍運動を固定した状態、すなわち心位相ikを固定した状態で、かつ心臓冠状動脈1aに対する観察方向FjをF10から例えばF11、F12に連続的に移動させたときの動画となる第2の3次元画像データ(r,s,t)を作成する。表示制御部51は、図25に示す表示状態Q3のように心臓の心拍運動を固定し、かつ観察方向FjをF10から例えばF11、F12に連続的に移動させた第2の3次元画像データ(r,s,t)をモニタ画面20a上に表示する。
【0139】
これ以降、マウスのクリック操作毎に、モニタ画面20a上には、観察方向Fjを固定設定した状態での心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aの動画となる第1の3次元画像データ(u,v,t)と、心位相ikを固定した状態でかつ心臓冠状動脈1aに対する観察角度を移動させる動画となる第2の3次元画像データ(r,s,t)とが切り替え表示される。 ここで、表示制御部51がステップ#53において、例えば図27に示すように観察方向Fjを例えばF10に固定設定した状態で、かつ心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aの動画となる第1の3次元画像データ(u,v,t)をモニタ画面20a上に表示している状態に、操作部19における例えばマウスがインターベンションを行う術者によって右クリック操作されると、表示制御部51は、ステップ#55において、モニタ画面20a上に表示される第1の3次元画像データ(u,v,t)の観察方向F10をインターベンションを行うときの最適観察角度として決定する。
【0140】
このように上記第5の実施の形態によれば、マウスのクリック操作毎に、観察方向Fjを固定設定した状態での心臓の心拍に合せて移動する心臓冠状動脈1aの動画となる3次元画像データ(u,v,t)と、心臓の心拍運動を固定した状態での心臓冠状動脈1aに対する観察方向Fjを移動させる動画となる3次元画像データ(r,s,t)とを切り替えて表示する。これにより、マウスをクリック操作するという簡単な操作で3次元画像データ(u,v,t)と3次元画像データ(r,s,t)とを切り替え表示でき、観察方向Fjを固定設定した状態での心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aと、心臓の心拍運動を固定した状態での心臓冠状動脈1aに対する観察方向Fjを移動させたときの心臓冠状動脈1aとから例えばインターベンションを行うときの最適観察角度を決定できる。
【0141】
上記第5の実施の形態は、マウスのクリック操作によって3次元画像データ(u,v,t)と3次元画像データ(r,s,t)とを切り替え表示しているが、これに限らず、マウスを押し操作していると観察方向Fjを移動して心臓冠状動脈1aを表示し、マウスの押し操作を行わなければ観察方向Fjを固定して心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aを表示してもよい。これとは反対に、マウスを押し操作していると観察方向Fjを固定して心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aを表示し、マウスの押し操作を行わなければ観察方向Fjを移動して心臓冠状動脈1aを表示してもよい。又は、マウスを左クリック操作すると観察方向Fjを移動して心臓冠状動脈1aを表示し、マウスを右クリック操作すると観察方向Fjを固定して心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aを表示し、マウスの左右に対する押し操作を行わなければ、3次元画像データ(u,v,t)又は3次元画像データ(r,s,t)を静止する。
【0142】
ジョイスティックを用いてもよい。ジョイスティックの傾ける方向の操作により観察方向Fjを移動して心臓冠状動脈1aを表示し、ボタンを操作することにより観察方向Fjを固定して心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aを表示する。この場合、ジョイスティックの傾ける方向によって観察方向を決めることができる。
【0143】
3次元画像データ(u,v,t)と3次元画像データ(r,s,t)との切り替え表示は、例えば観察角度が360°回転したならば、観察方向Fjを移動して心臓冠状動脈1aを表示することを終了し、観察方向Fjを固定して心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aの表示に切り替える。心拍運動が1心拍すれば、観察方向Fjを固定して心臓の心拍に合せて運動する心臓冠状動脈1aの表示を終了し、観察方向Fjを移動して心臓冠状動脈1aを表示してもよい。
【0144】
2方向のX線撮像画像から心臓冠状動脈1a等の血管を立体表示(coronary 3D、coronary tree)する技術では、心臓冠状動脈1aの長さが短く見える(foreshortening)は分かり易いが、心臓冠状動脈1a等の詳細な構造は分かりにくい。従って、血管造影撮影により取得される心臓冠状動脈1a等を動画によりモニタ画面20a上に表示し、この心臓冠状動脈1a等を動画の表示に時刻を同期させて上記第1乃至5の実施の形態のうちいずれか1つの実施の形態による表示を行う。例えば第1の実施の形態を適用すれば、血管造影撮影により取得される心臓冠状動脈1a等を動画の表示に時刻を同期させて、複数の観察方向F1〜Fjを固定した状態で、心臓の心拍に応じた心臓冠状動脈1aの移動を表す複数の3次元画像データ(u,v,t)3Dをモニタ画面20a上に動画表示する。
【0145】
このような表示であれば、血管造影撮影により取得された動画から心臓冠状動脈1a等の詳細な構造を観察でき、かつ上記第1乃至5の実施の形態のうちいずれか1つの実施の形態による表示から心臓冠状動脈1aの長さが短く見える(foreshortening)ことを判別できる。なお、血管造影撮影に代わってX線透視撮影も適用可能である。
【0146】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0147】
上記第4の実施の形態では、心臓冠状動脈1aに対する観察方向を移動させながら心臓冠状動脈1aの移動量に対応する色情報を表示しているが、この心臓冠状動脈1aの移動量に対応する色情報は、第1乃至第3及び第5の実施の形態でモニタ画面20a上に表示する心臓冠状動脈1a上に表示してもよい。
第1乃至第5の実施の形態では、心臓冠状動脈1aを対象としているが、これに限らず、例えば心臓全体を表示して手術に最適な観察方向を選択するのに用いてもよい。心臓以外の他の臓器を表示し、呼吸に伴う運動にとらわれずに他の臓器を手術しやすい最適観察方向を選択するのにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】本発明に係る画像表示装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】同装置における4次元データ構築部により構築される4次元画像データの模式図。
【図3】同装置における画像データ作成部により作成される複数の3次元画像データの模式図。
【図4】同装置における表示制御部によりモニタ画面上に一覧表示される複数の3次元画像データの模式図。
【図5】同装置における各ウィンドウに表示する各3次元画像データを同時に作成する3次元画像データ作成フローチャート。
【図6】同装置によりモニタ画面上に表示される固定設定された観察方向における3次元画像データの動画を示す。
【図7】同装置における各ウィンドウに表示する各3次元画像データを1動画ずつ作成する3次元画像データ作成フローチャート。
【図8】本発明に係る画像表示装置の第2の実施の形態における3次元画像データ作成フローチャート。
【図9】同装置により切り替え表示される各観察方向毎の各3次元画像データを示す図。
【図10】本発明に係る画像表示装置の第3の実施の形態を示す構成図。
【図11】同装置における心電計により取得される心電図波形を示す図。
【図12】同装置におけるモニタ画面上に一覧表示される心位相毎に観察方向を連続的に移動させた各3次元画像データの表示例を示す図。
【図13】同装置におけるモニタ画面上の一ウィンドウに表示される3次元画像データの動画を示す図。
【図14】同装置における各ウィンドウに表示する各3次元画像データを同時に作成する3次元画像データ作成フローチャート。
【図15】同装置における各ウィンドウに表示する各3次元画像データを1動画ずつ作成する3次元画像データ作成フローチャート。
【図16】本発明に係る画像表示装置の第4の実施の形態を示す構成図。
【図17】同装置による心臓冠状動脈の移動量に対する色情報の表示の概略を示す図。
【図18】角度θと色情報との関係を示す。
【図19】同装置における第1の色情報の表示方法における心臓冠状動脈の心拍によるみかけの動き量について説明するための模式図。
【図20】同装置における第2の色情報の表示方法における心臓冠状動脈のforeshorteningの変化率を説明するための模式図。
【図21】同装置における3次元画像データ作成フローチャート。
【図22】同装置における心臓冠状動脈に対して観察方向を移動させながら心臓冠状動脈の移動量を色情報により表示する一例を示す図。
【図23】本発明に係る画像表示装置の第5の実施の形態を示す構成図。
【図24】同装置における3次元画像データ作成フローチャート。
【図25】同装置における画像表示の繰り替えの一例を示す図。
【図26】同装置における心位相を固定した状態でかつ心臓冠状動脈に対する観察角度を移動させる動画を示す図。
【図27】同装置における観察方向を固定設定された状態でかつ心臓の心拍に合せて移動する心臓冠状動脈の動画を示す図。
【図28】CRAとCAUとの観察方向の一部を示す図。
【図29】RAOとLAOとの観察方向の一部を示す図。
【図30】Epipolar幾何理論を用いた立体画像の構築を示す模式図。
【図31】モニタ画面上に表示される血管立体像の回転表示の一例を示す図。
【図32】心室収縮時にR波が発生する心電図信号を示す図。
【符号の説明】
【0149】
1:被検体、1a:心臓冠状動脈、10:画像表示装置本体、11:医用機器、12:主制御部、13:画像データ記憶部、14:プログラムメモリ、15:4次元データ構築部、16:観察方向設定部、17:画像データ作成部、18:表示制御部、19:操作部、20:モニタ、21:入力部、22:心電計、30:位相設定部、31:画像データ作成部、32:表示制御部、40:色情報設定部、41:ベクトル変換部、42:動き量算出部、43:色情報変換部、50:画像データ作成部、51:表示制御部、52:操作部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータの画像処理によって周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示方法において、
前記被検体を画像表示する上での複数の表示形態条件を設定し、
時間的要素を含む前記被検体の4次元画像データから前記複数の表示形態条件に応じた前記時間的要素を含む複数の3次元画像データをそれぞれ作成し、
前記複数の表示形態条件を固定した状態で、これら固定した前記各表示形態条件の前記3次元画像データを切り替えてモニタ画面上に動画表示する、
ことを特徴とする画像表示方法。
【請求項2】
前記複数の表示形態条件は、前記被検体に対する複数の観察方向と、前記被検体の前記収縮運動における複数の位相とを有することを特徴とする請求項1記載の画像表示方法。
【請求項3】
コンピュータの画像処理によって周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示方法において、
前記被検体に対する複数の観察方向を設定し、
時間的要素を含む前記被検体の4次元画像データから前記複数の観察方向における前記時間的要素を含む複数の3次元画像データをそれぞれ作成し、
前記複数の観察方向を固定した状態で、前記収縮運動する前記被検体の前記複数の3次元画像データをそれぞれモニタ画面上に動画表示する、
ことを特徴とする画像表示方法。
【請求項4】
前記4次元画像データは、3次元空間の画像データと前記時間的要素とにより成り、
前記3次元画像データは、2次元空間の画像データと前記時間的要素とにより成る、
ことを特徴とする請求項3記載の画像表示方法。
【請求項5】
前記複数の3次元画像データは、互いに前記時間的要素を同期して前記モニタ画面上に一覧表示することを特徴とする請求項3記載の画像表示方法。
【請求項6】
前記複数の3次元画像データは、それぞれ時間的にずらして順次切り替えて前記モニタ画面上に表示することを特徴とする請求項3記載の画像表示方法。
【請求項7】
前記複数の3次元画像データは、それぞれ切り替え指示を受ける毎に切り替えて前記モニタ画面上に表示することを特徴とする請求項6記載の画像表示方法。
【請求項8】
前記複数の観察方向は、それぞれ前記被検体に対する頭部方向、尾部方向、第1斜位方向又は第2斜位方向を組み合わせて固定設定されることを特徴とする請求項3記載の画像表示方法。
【請求項9】
コンピュータの画像処理によって周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示方法において、
前記被検体の前記収縮運動における複数の位相を設定し、
時間的要素を含む前記被検体の4次元画像データから前記複数の位相毎にそれぞれ前記被検体に対する観察方向を移動させた前記時間的要素を含む複数の3次元画像データをそれぞれ作成し、
前記位相を固定した状態で、かつ前記観察方向を移動させた前記複数の3次元画像データをそれぞれモニタ画面上に動画表示する、
ことを特徴とする画像表示方法。
【請求項10】
前記複数の位相毎の前記複数の3次元画像データは、互いに前記時間的要素を同期して前記モニタ画面上に一覧表示することを特徴とする請求項9記載の画像表示方法。
【請求項11】
前記複数の観察方向は、前記被検体に対する頭部方向、尾部方向、第1斜位方向又は第2斜位方向を組み合わせて設定され、これら観察方向に順次移動することを特徴とする請求項9記載の画像表示方法。
【請求項12】
前記被検体の前記収縮運動を捉えた心電図波形を取得し、
前記心電図波形から互いに異なる複数の時相を設定し、
前記複数の時相毎に前記被検体に対する観察方向を移動させた前記複数の3次元画像データを作成する、
ことを特徴とする請求項9記載の画像表示方法。
【請求項13】
コンピュータの画像処理によって周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示方法において、
前記被検体の前記周期的な前記収縮運動の量に対応する複数の色情報を設定し、
時間的要素を含む前記被検体の複数の3次元画像データを作成し、
前記複数の3次元画像データ中に前記色情報を表示する、
ことを特徴とする画像表示方法。
【請求項14】
前記被検体の前記周期的な前記収縮運動の量に対応する複数の色情報を設定し、
前記複数の3次元画像データ中に前記色情報を表示する、
ことを特徴とする請求項3又は9記載の画像表示方法。
【請求項15】
前記時間的要素を含む前記被検体の4次元画像データから前記被検体の前記収縮運動における動きを動きベクトルに変換し、
前記動きベクトルから前記被検体の動き量を算出し、
前記被検体の動き量を前記複数の色情報に変換し、
前記3次元画像データ中における前記収縮運動する前記被検体を前記複数の色情報により表示する、
ことを特徴とする請求項14記載の画像表示方法。
【請求項16】
コンピュータの画像処理によって周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示方法において、
時間的要素を含む前記被検体の4次元画像データから任意の観察方向における前記時間的要素を含む第1の3次元画像データを作成し、
前記4次元画像データから前記被検体の前記収縮運動を固定させた状態で、かつ前記被検体に対する前記観察方向を移動させる第2の3次元画像データを作成し、
前記第1の3次元画像データと前記第2の3次元画像データとを切り替えてモニタ画面上に表示する、
ことを特徴とする画像表示方法。
【請求項17】
前記第1の3次元画像データと前記第2の3次元画像データとは、切り替え指示を受ける毎に前記モニタ画面上に切り替え表示することを特徴とする請求項16記載の画像表示方法。
【請求項18】
前記第1の3次元画像データと前記第2の3次元画像データとは、所定の間隔毎に前記モニタ画面上に切り替え表示することを特徴とする請求項16記載の画像表示方法。
【請求項19】
前記複数の観察方向は、それぞれ前記被検体に対する頭部方向、尾部方向、第1斜位方向又は第2斜位方向を組み合わせて設定されることを特徴とする請求項16記載の画像表示方法。
【請求項20】
周期的な収縮運動をする被検体に対する複数の観察方向を設定する観察方向設定部と、
モニタ画面を有するモニタと、
時間的要素を含む前記被検体の4次元画像データから前記複数の観察方向における前記時間的要素を含む複数の3次元画像データをそれぞれ作成する画像データ作成部と、
前記複数の観察方向を固定した状態で、かつ前記収縮運動する前記被検体の前記複数の3次元画像データをそれぞれ前記モニタ画面上に動画表示する表示制御部と、
を具備することを特徴とする画像表示装置。
【請求項21】
前記4次元画像データは、3次元空間の画像データと前記時間的要素とにより成り、
前記3次元画像データは、2次元空間の画像データと前記時間的要素とにより成る、
ことを特徴とする請求項20記載の画像表示装置。
【請求項22】
前記表示制御部は、前記モニタ画面上に、前記複数の3次元画像データを互いに前記時間的要素を同期させて一覧表示することを特徴とする請求項20記載の画像表示装置。
【請求項23】
前記表示制御部は、前記モニタ画面上に複数のウィンドウを表示し、これらウィンドウに前記複数の3次元画像データをそれぞれ同期させて一覧表示することを特徴とする請求項22記載の画像表示装置。
【請求項24】
前記表示制御部は、前記モニタ画面上に、前記複数の3次元画像データをそれぞれ時間的にずらして順次切り替えて表示することを特徴とする請求項20記載の画像表示装置。
【請求項25】
前記複数の3次元画像データの切り替え操作を受ける切替操作部を有し、
前記表示制御部は、前記切替操作部から切り替え指示を受けると、前記複数の3次元画像データを切り替えて前記モニタ画面上に表示することを特徴とする請求項24記載の画像表示装置。
【請求項26】
前記観察角度設定部は、前記被検体に対する頭部方向、尾部方向、第1斜位方向又は第2斜位方向を組み合わせて前記複数の観察方向をそれぞれ固定設定することを特徴とする請求項20記載の画像表示装置。
【請求項27】
周期的な収縮運動をする被検体の前記収縮運動における複数の位相を設定する位相設定部と、
モニタ画面を有するモニタと、
時間的要素を含む前記被検体の4次元画像データから前記複数の位相毎にそれぞれ前記被検体に対する観察方向を移動させた前記時間的要素を含む複数の3次元画像データをそれぞれ作成する画像データ作成部と、
前記位相を固定した状態で、かつ前記観察方向を移動させた複数の3次元画像データをそれぞれ前記モニタ画面上に動画表示する表示制御部と、
を具備することを特徴とする画像表示装置。
【請求項28】
前記表示制御部は、前記モニタ画面上に、前記複数の位相毎の前記複数の3次元画像データをそれぞれ前記時間的要素を同期して一覧表示することを特徴とする請求項27記載の画像表示装置。
【請求項29】
前記表示制御部は、前記モニタ画面上に複数のウィンドウを表示し、これらウィンドウに前記複数の位相毎の前記複数の3次元画像データをそれぞれ前記時間的要素を同期して一覧表示することを特徴とする請求項28記載の画像表示装置。
【請求項30】
前記被検体の前記収縮運動を捉えた心電図波形を取得する心電計を有し、
前記表示制御部は、前記モニタ画面上における前記複数の3次元画像データの表示と共に、前記心電計により取得される前記心電図波形を表示する、
ことを特徴とする請求項29記載の画像表示装置。
【請求項31】
前記表示制御部は、前記被検体に対する頭部方向、尾部方向、第1斜位方向又は第2斜位方向を組み合わせて前記複数の観察方向を設定し、これら観察方向に順次移動することを特徴とする請求項27記載の画像表示装置。
【請求項32】
前記被検体の前記収縮運動を捉えた心電図波形を取得する心電計を有し、
前記位相設定部は、前記心電図波形から互いに異なる複数の位相を設定し、
前記画像データ作成部は、前記複数の位相毎に前記被検体に対する観察方向を移動させた前記複数の3次元画像データを作成する、
ことを特徴とする請求項25記載の画像表示装置。
【請求項33】
コンピュータの画像処理によって周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示装置において、
前記被検体の前記周期的な前記収縮運動の量に対応する複数の色情報を設定する色情報設定部と、
時間的要素を含む前記被検体の複数の3次元画像データを作成する画像データ作成部と、
前記複数の3次元画像データ中に前記色情報を表示する表示制御部と、
を具備することを特徴とする画像表示装置。
【請求項34】
少なくとも前記被検体の前記周期的な前記収縮運動の量に対応する複数の色情報を設定する色情報設定部を有し、
前記表示制御部は、前記複数の3次元画像データ中の前記被検体上に前記色情報を表示する、
ことを特徴とする請求項20又は27記載の画像表示装置。
【請求項35】
少なくとも前記被検体の前記周期的な前記収縮運動の量に対応する複数の色情報を設定する色情報設定部と、
前記時間的要素を含む前記被検体の4次元画像データから前記被検体の前記収縮運動における動きを動きベクトルに変換するベクトル変換部と、
前記動きベクトルから前記被検体の動き量を算出する動き量算出部と、
前記被検体の動き量を前記複数の色情報に変換する色情報変換部と、
を有し、
前記表示制御部は、前記3次元画像データ中における前記収縮運動する前記被検体を前記複数の色情報により前記モニタ画面上に表示する、
ことを特徴とする請求項20又は27記載の画像表示装置。
【請求項36】
前記色情報設定部は、前記被検体の前記収縮運動の量、又は前記被検体の前記収縮運動の方向に対応して前記複数の色情報を設定することを特徴とする請求項34又は35記載の画像表示装置。
【請求項37】
周期的な収縮運動をする被検体の時間的要素を含む4次元画像データから任意の観察方向における前記時間的要素を含む第1の3次元画像データと、前記4次元画像データから前記被検体の前記収縮運動を固定させた状態で、かつ前記被検体に対する前記観察方向を移動させる第2の3次元画像データとを作成する画像データ作成部と、
モニタ画面を有するモニタと、
前記画像データ作成部により作成された前記第1の3次元画像データと前記第2の3次元画像データとを切り替えて前記モニタ画面上に表示する表示制御部と、
を具備することを特徴とする画像表示装置。
【請求項38】
前記第1又は前記第2の3次元画像データの切り替え操作を受ける切替操作部を有し、
前記表示制御部は、前記切替操作部からの切り替え指示を受けて前記第1の3次元画像データと前記第2の3次元画像データとを前記モニタ画面上に切り替え表示することを特徴とする請求項37記載の画像表示装置。
【請求項39】
前記表示制御部は、前記第1の3次元画像データと前記第2の3次元画像データとを所定の間隔毎に前記モニタ画面上に切り替え表示することを特徴とする請求項38記載の画像表示装置。
【請求項40】
前記画像データ作成部は、前記被検体に対する頭部方向、尾部方向、第1斜位方向又は第2斜位方向を組み合わせて前記複数の観察方向で前記第1と第2の3次元画像データを作成することを特徴とする請求項37記載の画像表示装置。
【請求項41】
コンピュータによって実行され、周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示プログラムにおいて、
前記被検体に対する複数の観察方向を設定させ、
時間的要素を含む前記被検体の4次元画像データから前記複数の観察方向における前記時間的要素を含む複数の3次元画像データをそれぞれ作成させ、
前記複数の観察方向を固定した状態で、かつ前記収縮運動する前記被検体の前記複数の3次元画像データをそれぞれモニタ画面上に動画表示させる、
ことを特徴とする画像表示プログラム。
【請求項42】
コンピュータによって実行され、周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示プログラムにおいて、
前記被検体の前記収縮運動における複数の位相を設定させ、
時間的要素を含む前記被検体の4次元画像データから前記複数の位相毎にそれぞれ前記被検体に対する観察方向を移動させた前記時間的要素を含む複数の3次元画像データをそれぞれ作成させ、
前記位相を固定した状態で、かつ前記観察方向を移動させた複数の3次元画像データをそれぞれモニタ画面上に動画表示させる、
ことを特徴とする画像表示プログラム。
【請求項43】
コンピュータによって実行され、周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示プログラムにおいて、
前記被検体の前記周期的な前記収縮運動の量に対応する複数の色情報を設定させ、
時間的要素を含む前記被検体の複数の3次元画像データを作成させ、
前記複数の3次元画像データ中に前記色情報を表示させる、
ことを特徴とする画像表示プログラム。
【請求項44】
コンピュータにより実行され、周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示プログラムにおいて、
時間的要素を含む前記被検体の4次元画像データから任意の観察方向における前記時間的要素を含む第1の3次元画像データを作成させ、
前記4次元画像データから前記被検体の前記収縮運動を固定させた状態で、かつ前記被検体に対する前記観察方向を移動させる第2の3次元画像データを作成させ、
前記第1の3次元画像データと前記第2の3次元画像データとを切り替えてモニタ画面上に表示させる、
ことを特徴とする画像表示プログラム。
【請求項1】
コンピュータの画像処理によって周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示方法において、
前記被検体を画像表示する上での複数の表示形態条件を設定し、
時間的要素を含む前記被検体の4次元画像データから前記複数の表示形態条件に応じた前記時間的要素を含む複数の3次元画像データをそれぞれ作成し、
前記複数の表示形態条件を固定した状態で、これら固定した前記各表示形態条件の前記3次元画像データを切り替えてモニタ画面上に動画表示する、
ことを特徴とする画像表示方法。
【請求項2】
前記複数の表示形態条件は、前記被検体に対する複数の観察方向と、前記被検体の前記収縮運動における複数の位相とを有することを特徴とする請求項1記載の画像表示方法。
【請求項3】
コンピュータの画像処理によって周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示方法において、
前記被検体に対する複数の観察方向を設定し、
時間的要素を含む前記被検体の4次元画像データから前記複数の観察方向における前記時間的要素を含む複数の3次元画像データをそれぞれ作成し、
前記複数の観察方向を固定した状態で、前記収縮運動する前記被検体の前記複数の3次元画像データをそれぞれモニタ画面上に動画表示する、
ことを特徴とする画像表示方法。
【請求項4】
前記4次元画像データは、3次元空間の画像データと前記時間的要素とにより成り、
前記3次元画像データは、2次元空間の画像データと前記時間的要素とにより成る、
ことを特徴とする請求項3記載の画像表示方法。
【請求項5】
前記複数の3次元画像データは、互いに前記時間的要素を同期して前記モニタ画面上に一覧表示することを特徴とする請求項3記載の画像表示方法。
【請求項6】
前記複数の3次元画像データは、それぞれ時間的にずらして順次切り替えて前記モニタ画面上に表示することを特徴とする請求項3記載の画像表示方法。
【請求項7】
前記複数の3次元画像データは、それぞれ切り替え指示を受ける毎に切り替えて前記モニタ画面上に表示することを特徴とする請求項6記載の画像表示方法。
【請求項8】
前記複数の観察方向は、それぞれ前記被検体に対する頭部方向、尾部方向、第1斜位方向又は第2斜位方向を組み合わせて固定設定されることを特徴とする請求項3記載の画像表示方法。
【請求項9】
コンピュータの画像処理によって周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示方法において、
前記被検体の前記収縮運動における複数の位相を設定し、
時間的要素を含む前記被検体の4次元画像データから前記複数の位相毎にそれぞれ前記被検体に対する観察方向を移動させた前記時間的要素を含む複数の3次元画像データをそれぞれ作成し、
前記位相を固定した状態で、かつ前記観察方向を移動させた前記複数の3次元画像データをそれぞれモニタ画面上に動画表示する、
ことを特徴とする画像表示方法。
【請求項10】
前記複数の位相毎の前記複数の3次元画像データは、互いに前記時間的要素を同期して前記モニタ画面上に一覧表示することを特徴とする請求項9記載の画像表示方法。
【請求項11】
前記複数の観察方向は、前記被検体に対する頭部方向、尾部方向、第1斜位方向又は第2斜位方向を組み合わせて設定され、これら観察方向に順次移動することを特徴とする請求項9記載の画像表示方法。
【請求項12】
前記被検体の前記収縮運動を捉えた心電図波形を取得し、
前記心電図波形から互いに異なる複数の時相を設定し、
前記複数の時相毎に前記被検体に対する観察方向を移動させた前記複数の3次元画像データを作成する、
ことを特徴とする請求項9記載の画像表示方法。
【請求項13】
コンピュータの画像処理によって周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示方法において、
前記被検体の前記周期的な前記収縮運動の量に対応する複数の色情報を設定し、
時間的要素を含む前記被検体の複数の3次元画像データを作成し、
前記複数の3次元画像データ中に前記色情報を表示する、
ことを特徴とする画像表示方法。
【請求項14】
前記被検体の前記周期的な前記収縮運動の量に対応する複数の色情報を設定し、
前記複数の3次元画像データ中に前記色情報を表示する、
ことを特徴とする請求項3又は9記載の画像表示方法。
【請求項15】
前記時間的要素を含む前記被検体の4次元画像データから前記被検体の前記収縮運動における動きを動きベクトルに変換し、
前記動きベクトルから前記被検体の動き量を算出し、
前記被検体の動き量を前記複数の色情報に変換し、
前記3次元画像データ中における前記収縮運動する前記被検体を前記複数の色情報により表示する、
ことを特徴とする請求項14記載の画像表示方法。
【請求項16】
コンピュータの画像処理によって周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示方法において、
時間的要素を含む前記被検体の4次元画像データから任意の観察方向における前記時間的要素を含む第1の3次元画像データを作成し、
前記4次元画像データから前記被検体の前記収縮運動を固定させた状態で、かつ前記被検体に対する前記観察方向を移動させる第2の3次元画像データを作成し、
前記第1の3次元画像データと前記第2の3次元画像データとを切り替えてモニタ画面上に表示する、
ことを特徴とする画像表示方法。
【請求項17】
前記第1の3次元画像データと前記第2の3次元画像データとは、切り替え指示を受ける毎に前記モニタ画面上に切り替え表示することを特徴とする請求項16記載の画像表示方法。
【請求項18】
前記第1の3次元画像データと前記第2の3次元画像データとは、所定の間隔毎に前記モニタ画面上に切り替え表示することを特徴とする請求項16記載の画像表示方法。
【請求項19】
前記複数の観察方向は、それぞれ前記被検体に対する頭部方向、尾部方向、第1斜位方向又は第2斜位方向を組み合わせて設定されることを特徴とする請求項16記載の画像表示方法。
【請求項20】
周期的な収縮運動をする被検体に対する複数の観察方向を設定する観察方向設定部と、
モニタ画面を有するモニタと、
時間的要素を含む前記被検体の4次元画像データから前記複数の観察方向における前記時間的要素を含む複数の3次元画像データをそれぞれ作成する画像データ作成部と、
前記複数の観察方向を固定した状態で、かつ前記収縮運動する前記被検体の前記複数の3次元画像データをそれぞれ前記モニタ画面上に動画表示する表示制御部と、
を具備することを特徴とする画像表示装置。
【請求項21】
前記4次元画像データは、3次元空間の画像データと前記時間的要素とにより成り、
前記3次元画像データは、2次元空間の画像データと前記時間的要素とにより成る、
ことを特徴とする請求項20記載の画像表示装置。
【請求項22】
前記表示制御部は、前記モニタ画面上に、前記複数の3次元画像データを互いに前記時間的要素を同期させて一覧表示することを特徴とする請求項20記載の画像表示装置。
【請求項23】
前記表示制御部は、前記モニタ画面上に複数のウィンドウを表示し、これらウィンドウに前記複数の3次元画像データをそれぞれ同期させて一覧表示することを特徴とする請求項22記載の画像表示装置。
【請求項24】
前記表示制御部は、前記モニタ画面上に、前記複数の3次元画像データをそれぞれ時間的にずらして順次切り替えて表示することを特徴とする請求項20記載の画像表示装置。
【請求項25】
前記複数の3次元画像データの切り替え操作を受ける切替操作部を有し、
前記表示制御部は、前記切替操作部から切り替え指示を受けると、前記複数の3次元画像データを切り替えて前記モニタ画面上に表示することを特徴とする請求項24記載の画像表示装置。
【請求項26】
前記観察角度設定部は、前記被検体に対する頭部方向、尾部方向、第1斜位方向又は第2斜位方向を組み合わせて前記複数の観察方向をそれぞれ固定設定することを特徴とする請求項20記載の画像表示装置。
【請求項27】
周期的な収縮運動をする被検体の前記収縮運動における複数の位相を設定する位相設定部と、
モニタ画面を有するモニタと、
時間的要素を含む前記被検体の4次元画像データから前記複数の位相毎にそれぞれ前記被検体に対する観察方向を移動させた前記時間的要素を含む複数の3次元画像データをそれぞれ作成する画像データ作成部と、
前記位相を固定した状態で、かつ前記観察方向を移動させた複数の3次元画像データをそれぞれ前記モニタ画面上に動画表示する表示制御部と、
を具備することを特徴とする画像表示装置。
【請求項28】
前記表示制御部は、前記モニタ画面上に、前記複数の位相毎の前記複数の3次元画像データをそれぞれ前記時間的要素を同期して一覧表示することを特徴とする請求項27記載の画像表示装置。
【請求項29】
前記表示制御部は、前記モニタ画面上に複数のウィンドウを表示し、これらウィンドウに前記複数の位相毎の前記複数の3次元画像データをそれぞれ前記時間的要素を同期して一覧表示することを特徴とする請求項28記載の画像表示装置。
【請求項30】
前記被検体の前記収縮運動を捉えた心電図波形を取得する心電計を有し、
前記表示制御部は、前記モニタ画面上における前記複数の3次元画像データの表示と共に、前記心電計により取得される前記心電図波形を表示する、
ことを特徴とする請求項29記載の画像表示装置。
【請求項31】
前記表示制御部は、前記被検体に対する頭部方向、尾部方向、第1斜位方向又は第2斜位方向を組み合わせて前記複数の観察方向を設定し、これら観察方向に順次移動することを特徴とする請求項27記載の画像表示装置。
【請求項32】
前記被検体の前記収縮運動を捉えた心電図波形を取得する心電計を有し、
前記位相設定部は、前記心電図波形から互いに異なる複数の位相を設定し、
前記画像データ作成部は、前記複数の位相毎に前記被検体に対する観察方向を移動させた前記複数の3次元画像データを作成する、
ことを特徴とする請求項25記載の画像表示装置。
【請求項33】
コンピュータの画像処理によって周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示装置において、
前記被検体の前記周期的な前記収縮運動の量に対応する複数の色情報を設定する色情報設定部と、
時間的要素を含む前記被検体の複数の3次元画像データを作成する画像データ作成部と、
前記複数の3次元画像データ中に前記色情報を表示する表示制御部と、
を具備することを特徴とする画像表示装置。
【請求項34】
少なくとも前記被検体の前記周期的な前記収縮運動の量に対応する複数の色情報を設定する色情報設定部を有し、
前記表示制御部は、前記複数の3次元画像データ中の前記被検体上に前記色情報を表示する、
ことを特徴とする請求項20又は27記載の画像表示装置。
【請求項35】
少なくとも前記被検体の前記周期的な前記収縮運動の量に対応する複数の色情報を設定する色情報設定部と、
前記時間的要素を含む前記被検体の4次元画像データから前記被検体の前記収縮運動における動きを動きベクトルに変換するベクトル変換部と、
前記動きベクトルから前記被検体の動き量を算出する動き量算出部と、
前記被検体の動き量を前記複数の色情報に変換する色情報変換部と、
を有し、
前記表示制御部は、前記3次元画像データ中における前記収縮運動する前記被検体を前記複数の色情報により前記モニタ画面上に表示する、
ことを特徴とする請求項20又は27記載の画像表示装置。
【請求項36】
前記色情報設定部は、前記被検体の前記収縮運動の量、又は前記被検体の前記収縮運動の方向に対応して前記複数の色情報を設定することを特徴とする請求項34又は35記載の画像表示装置。
【請求項37】
周期的な収縮運動をする被検体の時間的要素を含む4次元画像データから任意の観察方向における前記時間的要素を含む第1の3次元画像データと、前記4次元画像データから前記被検体の前記収縮運動を固定させた状態で、かつ前記被検体に対する前記観察方向を移動させる第2の3次元画像データとを作成する画像データ作成部と、
モニタ画面を有するモニタと、
前記画像データ作成部により作成された前記第1の3次元画像データと前記第2の3次元画像データとを切り替えて前記モニタ画面上に表示する表示制御部と、
を具備することを特徴とする画像表示装置。
【請求項38】
前記第1又は前記第2の3次元画像データの切り替え操作を受ける切替操作部を有し、
前記表示制御部は、前記切替操作部からの切り替え指示を受けて前記第1の3次元画像データと前記第2の3次元画像データとを前記モニタ画面上に切り替え表示することを特徴とする請求項37記載の画像表示装置。
【請求項39】
前記表示制御部は、前記第1の3次元画像データと前記第2の3次元画像データとを所定の間隔毎に前記モニタ画面上に切り替え表示することを特徴とする請求項38記載の画像表示装置。
【請求項40】
前記画像データ作成部は、前記被検体に対する頭部方向、尾部方向、第1斜位方向又は第2斜位方向を組み合わせて前記複数の観察方向で前記第1と第2の3次元画像データを作成することを特徴とする請求項37記載の画像表示装置。
【請求項41】
コンピュータによって実行され、周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示プログラムにおいて、
前記被検体に対する複数の観察方向を設定させ、
時間的要素を含む前記被検体の4次元画像データから前記複数の観察方向における前記時間的要素を含む複数の3次元画像データをそれぞれ作成させ、
前記複数の観察方向を固定した状態で、かつ前記収縮運動する前記被検体の前記複数の3次元画像データをそれぞれモニタ画面上に動画表示させる、
ことを特徴とする画像表示プログラム。
【請求項42】
コンピュータによって実行され、周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示プログラムにおいて、
前記被検体の前記収縮運動における複数の位相を設定させ、
時間的要素を含む前記被検体の4次元画像データから前記複数の位相毎にそれぞれ前記被検体に対する観察方向を移動させた前記時間的要素を含む複数の3次元画像データをそれぞれ作成させ、
前記位相を固定した状態で、かつ前記観察方向を移動させた複数の3次元画像データをそれぞれモニタ画面上に動画表示させる、
ことを特徴とする画像表示プログラム。
【請求項43】
コンピュータによって実行され、周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示プログラムにおいて、
前記被検体の前記周期的な前記収縮運動の量に対応する複数の色情報を設定させ、
時間的要素を含む前記被検体の複数の3次元画像データを作成させ、
前記複数の3次元画像データ中に前記色情報を表示させる、
ことを特徴とする画像表示プログラム。
【請求項44】
コンピュータにより実行され、周期的な収縮運動をする被検体の画像を表示する画像表示プログラムにおいて、
時間的要素を含む前記被検体の4次元画像データから任意の観察方向における前記時間的要素を含む第1の3次元画像データを作成させ、
前記4次元画像データから前記被検体の前記収縮運動を固定させた状態で、かつ前記被検体に対する前記観察方向を移動させる第2の3次元画像データを作成させ、
前記第1の3次元画像データと前記第2の3次元画像データとを切り替えてモニタ画面上に表示させる、
ことを特徴とする画像表示プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公開番号】特開2008−125616(P2008−125616A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−311775(P2006−311775)
【出願日】平成18年11月17日(2006.11.17)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月17日(2006.11.17)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]