説明

画像表示装置、画像表示方法、およびその方法をコンピュータに実行させるプログラム

【課題】被写体画像の実際の大きさを画像と共に表示できるディスプレーを有するデジタルカメラ等の画像表示装置を提供すること。
【解決手段】レンズ11とメカ機構12を介しCCD13によって取得された被写体の撮像画像を表示する画像表示装置であって、CCD13における撮像画像での合焦点の位置情報を取得し、取得した位置情報に対応する被写体とCCD13間の距離情報を取得し、取得した距離情報に基づいて、合焦点における被写体の大きさを示すスケール情報を取得し、合焦点の位置情報と、距離情報およびスケール情報の少なくともいずれかとを、前記撮像画像に関連付ける。撮像画像に関連付けられた合焦点と、距離情報およびスケール情報の少なくともいずれかとを、撮像画像と共に表示するOSD制御部20を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型ディスプレー付きの画像表示装置、画像表示方法、およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムに関し、特に、OSD(On Screen Display)機能により、被写体画像の実際の大きさを画像と共に表示できる小型ディスプレーを備える撮影装置(例えば、デジタルカメラ)、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯電話等の参照サイズ表示装置、参照サイズ表示方法、およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルスチルカメラ、デジタルカメラ付き携帯電話等が画像情報のメディアとして普及している。これらの装置では、画像情報を電子データ化して扱うことに伴い、多様な機能の提供が可能となる。
【0003】
そうした機能の一つにOSD(On Screen Display)機能がある。OSD機能は、これまでもユーザインターフェースとして利用されており、例えば、装置状態及び動作条件を表象するアイコン或いはキャラクタ等の表示をディスプレー画面上で主画像に重ねるような形式で行い、ユーザに対し設定された動作モード等をアイコン等により示したり、案内することによって、装置とユーザの間の対話を可能にする。
【0004】
OSD機能を備えた装置を示す従来例として、例えば、下記特許文献1を挙げることができる。特許文献1記載の発明は、デジタルカメラに関し、メモリカードに格納された画像データを再生、表示するモードと、スルーで撮影画像を表示するモードの動作を可能とし、表示装置であるLCDの画面上で画像データと、カウンタ、日付、撮影条件等を示すキャラクタデータを合成して、オンスクリーン表示させることが示されている。
【0005】
【特許文献1】特開平11−146234号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、OSD機能を小型のディスプレーを備えたデジタルカメラや携帯電話等の装置で実現が可能になっているが、ディスプレー上で表示するのは、一般に、撮影条件やそれらの設定であるアイコン等である。しかしながら、このようなアイコン、例えば接写モードでの撮影を示すアイコンをOSD上に表示することはできても、近接撮影された画像上での被写体の大きさについての情報を表示することはできなかった。
【0007】
実際に撮影した画像に、被写体の大きさを示す何らかの基準となる表示、即ちオブジェクトが写し込まれていた場合、撮影した後にその画像を見る場合に、画像における被写体の大きさが一見して分かるので、非常に便利である。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、被写体画像の実際の大きさを画像と共に表示できる画像表示装置、画像表示方法、およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、光学系を介し撮像手段によって取得された被写体の撮像画像を表示する画像表示装置であって、前記光学系による前記撮像画像での合焦点の位置情報を取得する合焦点取得手段と、前記合焦点取得手段により取得された位置情報に対応する前記被写体と前記撮像手段間の距離情報を取得する距離取得手段と、前記距離取得手段によって取得された距離情報に基づいて、前記合焦点における前記被写体の大きさを示すスケール情報を取得するスケール取得手段と、前記合焦点の位置情報と、前記距離情報および前記スケール取得手段によって取得されたスケール情報の少なくともいずれかとを、前記撮影画像に関連付ける関連付け手段と、前記関連付け手段によって前記撮影画像に関連付けられた前記合焦点と、前記距離情報およびスケール情報の少なくともいずれかとを、前記撮影画像と共に表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の画像表示装置において、前記光学系の焦点距離である光学焦点距離情報を取得する焦点取得手段を、さらに備え、前記スケール取得手段は、前記距離情報および前記焦点取得手段が取得した焦点距離情報に基づいて前記スケール情報を取得し、前記関連付け手段は、前記合焦点と、前記距離情報、前記光学焦点距離情報およびスケール情報の少なくともいずれかとを、前記撮像画像に関連付け、前記表示手段は、前記関連付け手段によって前記撮影画像に関連付けられた前記合焦点と、前記距離情報、前記光学焦点距離情報およびスケール情報の少なくともいずれかとを、前記撮影画像と共に表示するものであることを特徴とする。
【0011】
また、請求項3にかかる発明は、請求項1または2に記載の画像表示装置において、前記表示手段に表示される前記合焦点、前記距離情報、前記光学焦点距離情報、およびスケール情報の少なくともいずれかの表示形状を選択する選択入力を受け付けて、受け付けた選択入力に従って、前記少なくともいずれかの表示形状を選択する選択手段を、さらに備え、前記表示手段は、前記選択手段によって選択された表示形状に従って表示するものであることを特徴とする。
【0012】
また、請求項4にかかる発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像表示装置において、前記距離情報、光学焦点距離情報、およびスケール情報の少なくともいずれかを表示する場合、前記撮影画像における前記合焦点から離れた位置に配置する配置手段を、さらに備え、前記表示手段は、前記配置手段によって配置された位置に基づいて、前記距離情報、光学焦点距離情報、およびスケール情報の少なくともいずれかを、前記合焦点から離れた位置に表示するものであることを特徴とする。
【0013】
また、請求項5にかかる発明は、請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像表示装置において、前記画像情報において、合焦した被写体と前記被写体の背景画像とを判定する判定手段を、さらに備え、前記表示手段は、前記判定手段によって判定された背景画像の位置に、前記距離情報、光学焦点距離情報、およびスケール情報の少なくともいずれかを表示するものであることを特徴とする。
【0014】
また、請求項6にかかる発明は、請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像表示装置において、前記表示手段は、前記合焦点の情報、距離情報、光学焦点距離情報、およびスケール情報の少なくともいずれかを拡大または縮小して表示するものであることを特徴とする。
【0015】
また、請求項7にかかる発明は、請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像表示装置において、前記表示手段は、前記配置手段によって配置された位置の情報および前記判定手段によって判定された背景画像の情報の少なくともいずれかの情報に基づいて、前記合焦点の情報、距離情報、光学焦点距離情報、およびスケール情報の少なくともいずれかを拡大または縮小して表示するものであることを特徴とする。
【0016】
また、請求項8にかかる発明は、請求項1〜7のいずれか1つに記載の画像表示装置において、前記スケール情報は、画像情報およびテキスト情報を含むものであり、前記表示手段は、前記スケール情報を画像およびテキストを含む形態で表示するものであることを特徴とする。
【0017】
また、請求項9にかかる発明は、請求項1〜8のいずれか1つに記載の画像表示装置において、前記画像情報と、前記合焦点の情報、距離情報、光学焦点距離情報、およびスケール情報の少なくともいずれかとを1つのファイルに合成して格納する記憶手段を、さらに備えたことを特徴とする。
【0018】
また、請求項10にかかる発明は、請求項9に記載の画像表示装置において、前記記憶手段は、前記画像情報と、前記合焦点の情報、距離情報、光学焦点距離情報、およびスケール情報の少なくともいずれかとを、関連付けられたファイルとして格納するものであることを特徴とする。
【0019】
また、請求項11にかかる発明は、光学系を介し撮像手段によって取得された被写体の撮像画像を表示手段に表示する画像表示方法であって、前記光学系による前記撮像画像での合焦点の位置情報を取得する合焦点取得工程と、前記合焦点取得工程により取得された位置情報に対応する前記被写体と前記撮像手段間の距離情報を取得する距離取得工程と、前記距離取得工程によって取得された距離情報に基づいて、前記合焦点における前記被写体の大きさを示すスケール情報を取得するスケール取得工程と、前記合焦点の位置情報と、前記距離情報および前記スケール取得工程によって取得されたスケール情報の少なくともいずれかとを、前記撮影画像に関連付ける関連付け工程と、前記関連付け工程によって前記撮影画像に関連付けられた前記合焦点と、前記距離情報およびスケール情報の少なくともいずれかとを、前記撮影画像と共に前記表示手段に表示する表示工程と、を含むことを特徴とする。
【0020】
また、請求項12にかかる発明は、請求項11に記載の画像表示方法において、前記光学系の焦点距離である光学焦点距離情報を取得する焦点取得工程を、さらに含み、前記スケール取得工程は、前記距離情報および前記焦点取得工程が取得した焦点距離情報に基づいて前記スケール情報を取得し、前記関連付け工程は、前記合焦点と、前記距離情報、前記光学焦点距離情報およびスケール情報の少なくともいずれかとを、前記撮像画像に関連付け、前記表示工程は、前記関連付け工程によって前記撮影画像に関連付けられた前記合焦点と、前記距離情報、前記光学焦点距離情報およびスケール情報の少なくともいずれかとを、前記撮影画像と共に表示するものであることを特徴とする。
【0021】
また、請求項13にかかる発明は、請求項11または12に記載の画像表示方法において、前記表示手段に表示される前記合焦点、前記距離情報、前記光学焦点距離情報、およびスケール情報の少なくともいずれかの表示形状を選択する選択入力を受け付けて、受け付けた選択入力に従って、前記少なくともいずれかの表示形状を選択する選択工程を、さらに備え、前記表示工程は、前記選択工程によって選択された表示形状に従って前記表示手段に表示するものであることを特徴とする。
【0022】
また、請求項14にかかる発明は、請求項11〜13のいずれか1つに記載の画像表示方法において、前記距離情報、光学焦点距離情報、およびスケール情報の少なくともいずれかを、前記表示手段に表示する場合、前記撮影画像における前記合焦点から離れた位置に配置する配置工程を、さらに備え、前記表示工程は、前記配置工程によって配置された位置に基づいて、前記距離情報、光学焦点距離情報、およびスケール情報の少なくともいずれかを、前記表示手段において前記合焦点から離れた位置に表示するものであることを特徴とする。
【0023】
また、請求項15にかかる発明は、請求項11〜14のいずれか1つに記載の画像表示方法において、前記画像情報において、合焦した被写体と前記被写体の背景画像とを判定する判定工程を、さらに含み、前記表示工程は、前記判定工程によって判定された背景画像の位置に、前記表示手段に、前記距離情報、光学焦点距離情報、およびスケール情報の少なくともいずれかを表示するものであることを特徴とする。
【0024】
また、請求項16にかかる発明は、プログラムであって、請求項11〜15のいずれか1つに記載の画像表示方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
また、請求項1にかかる発明によれば、撮影される被写体画像の合焦点の撮影画像における位置情報を取得し、被写体の合焦点と撮像手段との距離情報を取得し、この合焦点の位置情報および距離情報に従って、撮影画像における被写体の大きさを表すスケール情報を、合焦点を示す情報と共に撮影する画像に表示するので、被写体の実際の大きさを表示できる利便性の高い画像表示装置を提供できるという効果を奏する。
【0026】
また、請求項2にかかる発明によれば、撮影する光学系の焦点距離である光学焦点距離情報を取得するので、撮影に際して光学系の焦点距離が変わるズームレンズを使用したとしても、ズームの各段階において正確に被写体の実際の大きさの情報を取得して表示することができる利便性の高い画像表示装置を提供できるという効果を奏する。
【0027】
また、請求項3にかかる発明によれば、撮影する画像上での合焦点、被写体までの距離情報、光学焦点距離情報、および被写体の大きさを表すスケール情報などの表示形状を選択することができるので、操作者の好みにより表示形状を変化させることができる自由度と利便性の高い画像表示装置を提供できるという効果を奏する。
【0028】
また、請求項4にかかる発明によれば、被写体までの距離情報、光学焦点距離情報、および被写体の大きさを表すスケール情報などを、撮影する画像上で、合焦点から離れた位置に表示することができるので、被写体画像を視覚的に妨げることがなく表示する利便性の高い画像表示装置を提供できるという効果を奏する。
【0029】
また、請求項5にかかる発明によれば、撮影対象となる合焦した被写体と、背景画像とを判定し、背景画像の位置に距離情報、光学焦点距離情報、およびスケール情報などを表示するので、被写体画像を視覚的に妨げることがなく表示できる利便性の高い画像表示装置を提供できるという効果を奏する。
【0030】
また、請求項6にかかる発明によれば、合焦点の情報、距離情報、光学焦点距離情報、およびスケール情報などを拡大または縮小して表示できるので、被写体画像を視覚的に妨げることがなく、かつ適度な大きさで表示ができる利便性の高い画像表示装置を提供できるという効果を奏する。
【0031】
また、請求項7にかかる発明によれば、撮影対象となる合焦した被写体および背景画像を判定して、画像上の被写体ではない背景の位置に、距離情報、光学焦点距離情報、およびスケール情報などを表示するので、被写体画像を視覚的に妨げることがなく表示する利便性の高い画像表示装置を提供できるという効果を奏する。
【0032】
また、請求項8にかかる発明によれば、スケール情報は、画像情報およびテキスト情報を含むので、正確に分かりやすい形態で表示することができる利便性の高い画像表示装置を提供できるという効果を奏する。
【0033】
また、請求項9にかかる発明によれば、画像情報と、前記合焦点の情報、距離情報、光学焦点距離情報、およびスケール情報の少なくともいずれかとを1つのファイルに合成して格納することができる利便性の高い画像表示装置を提供できるという効果を奏する。
【0034】
また、請求項10にかかる発明によれば、画像情報と、合焦点の情報、距離情報、光学焦点距離情報、およびスケール情報の少なくともいずれかとを、関連付けられたファイルとして格納することができる利便性の高い画像表示装置を提供できるという効果を奏する。
【0035】
また、請求項11にかかる発明によれば、撮影される被写体画像の合焦点の撮影画像における位置情報を取得し、被写体の合焦点と撮像手段との距離情報を取得し、この合焦点の位置情報および距離情報に従って、撮影画像における被写体の大きさを表すスケール情報を、合焦点を示す情報と共に撮影する画像に表示するので、被写体の実際の大きさを表示できる利便性の高い画像表示方法を提供できるという効果を奏する。
【0036】
また、請求項12にかかる発明によれば、撮影する光学系の焦点距離である光学焦点距離情報を取得するので、撮影に際して光学系の焦点距離が変わるズームレンズを使用したとしても、ズームの各段階において正確に被写体の実際の大きさの情報を取得して表示することができる利便性の高い画像表示方法を提供できるという効果を奏する。
【0037】
また、請求項13にかかる発明によれば、撮影する画像上での合焦点、被写体までの距離情報、光学焦点距離情報、および被写体の大きさを表すスケール情報などの表示形状を選択することができるので、操作者の好みにより表示形状を変化させることができる自由度と利便性の高い画像表示方法を提供できるという効果を奏する。
【0038】
また、請求項14にかかる発明によれば、被写体までの距離情報、光学焦点距離情報、および被写体の大きさを表すスケール情報などを、撮影する画像上で、合焦点から離れた位置に表示することができるので、被写体画像を視覚的に妨げることがなく表示する利便性の高い画像表示方法を提供できるという効果を奏する。
【0039】
また、請求項15にかかる発明によれば、撮影対象となる合焦した被写体と、背景画像とを判定し、背景画像の位置に距離情報、光学焦点距離情報、およびスケール情報などを表示するので、被写体画像を視覚的に妨げることがなく表示できる利便性の高い画像表示方法を提供できるという効果を奏する。
【0040】
また、請求項16にかかる発明によれば、請求項11〜15のいずれか1つに記載の画像表示方法をコンピュータに実行させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
本発明にかかる画像表示装置、画像表示方法、およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを添付する図面とともに示す以下の実施の形態1〜4に従って説明する。なお、以下に示す実施の形態は、デジタルカメラに適用した例を示すが、OSD機能を用いたアイコン表示によって、動作モード等の設定をチェック可能とする小型ディスプレーをユーザインターフェースとして装備した電子装置であれば、デジタルカメラ以外の装置にも、実施し得る。
【0042】
(1.実施の形態1)
実施の形態1によるデジタルカメラは、オートフォーカス、あるいはマニュアル操作等による光学系の合焦動作によって、被写体までの距離情報に基づいて、画像における被写体の合焦点での大きさを示す参照サイズ情報を取得し、撮影画像と共に参照サイズを示すアイコンを並置して表示する。このように参照サイズを示すアイコンを被写体と並置して表示することによって、撮影後も容易に被写体の大きさが分かる利便性の高いデジタルカメラとなる。
【0043】
図1は、実施形態1によるデジタルカメラの基本構成を示すブロック図である。図1に示すデジタルカメラ10は、レンズ11、レンズ駆動部を含むメカ機構12、CCD(Charge Coupled Device)13、CDS(相関2重サンプリング)回路14、A/D(アナログ/デジタル)変換器15、デジタル信号処理回路16、圧縮/伸張回路17、DRAM(Dynamic Random Access Memory)18、メモリカード19、OSD制御部20、ドライバ21、SG(Sync Generator)22、CPU(Central Proccesing Unit)23、操作部24、バス25、ROM(Read Only Memory)26、LCD27,アイコンジェネレータROM28、アイコンROM29、およびVRAM30を構成要素として備える。
【0044】
レンズユニットは、レンズ11、レンズ11を駆動するレンズ駆動部・絞り・フィルター部・ズーミング部を含むメカ機構12を有する。CCD(電荷結合素子)13は、レンズユニットを介して入力した映像を電気信号(アナログ画像データ)に変換する。CDS(相関2重サンプリング)回路14は、CCD型撮像素子に対する低雑音化のための回路である。また、A/D変換器15は、CDS回路14を介してCCD13から入力したアナログ画像データをデジタル画像データに変換する。すなわち、CCD13の出力信号は、CDS回路14を通じてA/D変換器15で最適なサンプリング周波数にてデジタル信号に変換される。
【0045】
また、デジタル信号処理部16は、A/D変換器15から入力した画像データを色差データと輝度データに分けて各種処理、補正、及び画像圧縮/伸長のためのデータ処理を施す。
【0046】
画像圧縮/伸長回路17は、例えば、JPEG準拠の画像圧縮/伸長の一過程である直交変換・逆直交変換、並びに、JPEG準拠の画像圧縮・伸長の一過程であるハフマン符号化・ハフマン複合化等を行う。
【0047】
DRAM18は、圧縮処理された画像データを一時的に格納する。メモリカード19は、圧縮された画像データを画像データファイルとして格納する。
【0048】
LCD27には、CCD13で撮影された画像データを直接、表示するほか、メモリカード19に記録されている画像データに応じた画像が表示される。また、LCD27には、設定されているデジタルスチルカメラの状態、例えば、設定されているモード表示やエラー表示等を、後記で詳述するOSD(On Screen Display)機能を用いて行う。
【0049】
CPU23は、操作部24からの指示、若しくは図示しないリモコン等の外部動作指示に応じて、ROM26に格納された制御プログラムに従って、デジタルカメラ10の各部の動作を制御する。具体的には、CPU23は、メカ機構12のレンズ駆動部によるレンズ11の駆動動作、画像データの記録動作の制御、画像データの再生動作の制御、OSD制御部20のアイコン表示、スケール情報を含む撮影情報の表示に関する制御指令を発する。
【0050】
操作部24は、機能選択、撮影指示、及びその他の各種設定を外部から行うための操作ボタン等を備えている。OSD制御部20は、アイコンデータ(なお、ここでは、アイ
コンデータという場合、カウンタ、時刻、日付の文字表示データや撮影条件等の表象デ
ータ、スケール情報を含む撮影情報を含む)を発生して、所定周期のドットクロックのタイミングでデジタル信号処理回路16に出力する。
【0051】
上記したデジタルカメラ10は、CCD13で撮影されメモリカード19に一旦格納された画像データをLCD27に表示する再生モードと、CCD13で撮影された画像データを直接、LCD27に表示するスルー画モードとを備えている。
【0052】
次に、上記デジタルカメラの画像データの記録動作を説明する。先ず、レンズ11を介した被写体像は、CCD13で電気信号(アナログ画像データ)に変換された後、CDS14を経て、A/D変換器15に入力され、アナログ画像データがデジタル画像データに変換される。変換されたデジタル画像データは、デジタル信号処理回路16で信号処理されて、バス25を介してDRAM18に格納される。DRAM18に格納されたデジタル画像データは、バス25を介して圧縮/伸張回路17に入力され、圧縮処理されて、再び、DRAM18に格納される。圧縮処理が終了すると、CPU23は、DRAM18に格納されている圧縮処理された画像データを、バス25を介してメモリカード19に所定形態で画像データファイルとして記録する。
【0053】
メモリカード19に格納された画像データの再生モードの動作では、操作部24の操作により再生すべきメモリカード19の画像データファイルが指定されると、指定された画像データファイルの圧縮処理された画像データが読み出されて、DRAM18に格納される。このDRAM18に格納された画像データは、バス25を介して圧縮/伸張回路17に入力され、伸張処理されて、再び、DRAM18に格納される。DRAM18に格納された伸張処理された画像データは、バス25を介してデジタル信号処理回路16に入力され、ビデオ信号に変換されてLCD27に表示される。
【0054】
撮像した画像データを直接表示するスルー画モードの動作では、先ず、レンズ11を介した被写体像は、CCD13で電気信号(アナログ画像データ)に変換された後、CDS14を経て、A/D変換器15に入力されアナログ画像データがデジタル画像データに変換される。変換されたデジタル画像データは、デジタル信号処理回路16により、信号処理がなされて一旦DRAM18に格納された後、ビデオ信号に変換されてLCD27に表示される。
【0055】
OSD制御部20は、CPU23から入力されるコマンドをデコードするコマンドデコーダを備える。また、OSD制御部20は、CPU23から送出されるコマンドに対応するアイコンデータを出力するアイコンデータジェネレータROM28およびアイコン情報を格納するアイコンROM(Read Only Memory)29と、アイコンROM29から読み出されるアイコンデータが展開されるビデオ(V)RAM30を備える。OSD制御部20は、ドットクロックを出力コントローラに出力する発振回路と、ビデオRAMに展開されたアイコンデータを垂直同期信号及び水平同期信号に同期させて発振回路から入力されるドットクロックのタイミングでデジタル信号処理回路16に送出する出力コントローラと、を備えている。
【0056】
実施の形態1によるデジタルカメラでは、撮影される画像において合焦する被写体の部分にマークが付され、測距された実際の距離情報などが撮影情報として取得され関連付けられて、参照情報として表示される。画面上に表示される参照情報は形態上、簡単にアイコンと称する。
【0057】
CPU23からのコマンドデータを入力したOSD制御部20では、コマンドデコーダによりデコードしたコマンドに指示されたアイコンデータを、アイコンデータジェネレータROM28から読み出して、ビデオRAM30に展開した後、そのアイコンデータを出力コントローラによって、垂直同期信号及び水平同期信号に同期させて、発振回路から入力されるドットクロックのタイミングでデジタル信号処理回路16に送出する。
【0058】
デジタル信号処理回路16は、再生すべきスルー画若しくは再生画と、OSD制御部20から入力されるアイコンデータを合成するとと共に、LCD27に表示可能なように信号変換を行った後、LCD27にオンスクリーン表示を行う。
【0059】
CPU23が読み込んだ参照情報表示プログラムは、(1)被写体においてピントのあった位置情報を撮影画像上で取得する合焦点取得機能、(2)レンズの繰り出し量から被写体までの距離を測定して距離情報を取得する距離情報取得機能、(3)取得した合焦点における距離情報に従って、被写体の大きさを示す参照情報を取得するスケール取得機能、(4)取得された距離情報および合焦点についての情報と撮影した画像とを関連付ける関連付け機能、および(5)撮影画像に関連付けられた合焦点における被写体の大きさを示す参照情報をLCD27に画像と共に表示する表示機能を実行する。こうして実施の形態1では、OSD機能を用いたアイコン表示によって、撮影した時の被写体の大きさなどの撮影データをアイコンで表示する表示機能を実行する。
【0060】
撮像画像において、被写体が実際にどれくらいの大きさであるかを示す参照情報を取得する動作について説明する。ここで、デジタルカメラ10は、ピントを合わせるべき被写体の画像信号のコントラストから、合焦するレンズが移動し、移動した繰り出し量から実際の被写体までの距離を求める所謂山登りAFを適用した構成とする。このAF方式を使用することによって、撮影すべき被写体に合焦した時のレンズの繰り出し量によって、実際の被写体までの距離を算出する。この場合、精度に限界がある場合は、測距した距離は、例えば有効数字2桁で算出して表示するものとする。
【0061】
図2は、画像情報において示される基準の長さが、対応する実際の長さではいくらであるかを算出方法を説明する図である。今、レンズ駆動部によりレンズ11が繰り出され、撮影する被写体201にピントがあって、レンズ繰り出し量情報が取得される。レンズ繰り出し量情報が取得されると、繰り出し量に対応する実際の被写体までの距離cが算出される。
【0062】
一方、被写体201の像は、レンズ11を介してCCD13の撮像板に、被写体画像203として投影される。この時、画像に表示する基準となるスケール(アイコン)204は、予め所定の画素位置を指定することによって定めておくことができる。このCCD13の撮像板でのスケール204の長さは、画素数からbであると算出される。
【0063】
ここで、レンズの焦点距離がaである場合、撮像板上のスケール204に対応する被写体近傍における実際の長さをxとすると、以下の(式1)の関係を満たす。
tanθ=b/a=x/c (式1)
従って、スケール204に対応する実際の長さxは、x=(bc)/a
から算出される。CPU23の制御プログラムは、与えられた数値から、xを算出し、xの数値を表示させる。
【0064】
ここで、図2中、被写体201およびスケール222が離れて表示されているが、デジタルカメラからの距離は同一である。同様に、CCD13の撮像板における画像である被写体203およびスケール204が離れて表示されているが、レンズ11からの距離は同一である。また、合焦点において測距したことによって、ピントのあった部分における被写体201の距離が算出されている。
【0065】
CPU23は、操作部24からの指示等に応じて、ROM26に格納された参照情報表示プログラムに従って、合焦点における被写体と比較できる参照用のアイコン、被写体までの距離などの撮影データを示すアイコン情報を生成し、生成したアイコン情報をビデオ信号としてデジタル信号処理回路16に送信することによって、撮影画像に重ねる形でLCD27に表示する。
【0066】
図3−1は、合焦点のマーク、およびスケール情報がLCD27に表示された例を説明する模式図である。画面31においては、焦点があった人物31aに合焦点のマーク31bが付けられ、焦点が合っていない人物31cの画像はぼけており、またこの時のスケール情報として目盛りが140cm(31d)であることが表示されている。また、画面32においては、焦点があった人物32aに対しては合焦点のマークの代わりにスケール情報としての目盛り32bが合焦点のマークを兼ねて人物32aに付されており、画面の右隅に、この目盛りの長さである数値140cm(32c)が表示されている。
【0067】
スケール情報としてはこのように、合焦マークを示し、示された合焦マークの実際上の大きさを数字で表示しても良い。また、合焦マークは物差しを模式化したデザイン、円形の環状デザイン、あるいは長方形のデザインとしても良い。さたに、操作者にとって身近な缶、ビン、タバコケースなどのデザインとしても良い。アイコンが、画面に表示されるに好適なサイズに拡大縮小されて表示されることが望ましい。
【0068】
図3−2は、合焦点のマーク、スケール情報、および測距情報がLCDに表示された例を説明する模式図である。画面33は撮影前のLCD27での表示であり、シャッターボタンを半押しにすることによってメカ機構12が合焦動作を起こし、画面34の人物34aに合焦し、焦点があった人物34aに合焦点のマーク34bが付けられる。また、画面34においては、焦点があった人物34aまでの測距データとして、画面の右側に、撮影データ34cが表示される。撮影データ34cは、合焦した被写体の人物34aまでの測距部によって計測された距離が10.3メートルであり、合焦点における実測を表す目盛りと、目盛りの長さである数値140センチメートルであることが表示されている。
【0069】
図4は、実施の形態1によるデジタルカメラのLCDに参照情報を表示させる手順を説明するフローチャートである。操作者がデジタルカメラのシャッターボタンを半押した場合、メカ機構12の合焦部は、被写体にピントを合わせる合焦動作に入る。メカ機構12は、被写体に焦点が合ったか否かを判定し(ステップS101)、合焦しない場合、メカ機構12は合焦動作を繰り返す(ステップS101のNo)。合焦部が被写体に焦点を合わせると(ステップS101のYes)、メカ機構12の測距部は被写体の合焦点までの距離を測定し(ステップS102)、測定した場合(ステップS102のYes)、メカ機構12は撮影が完了したか否かを検出する(ステップS103)。
【0070】
撮影が完了しない場合はステップS101〜103を繰り返す。撮影が完了した場合(ステップS103のYes)、取得した距離情報を使用して上述の実際のスケール情報を算出し(ステップS104)、算出したスケール情報と撮影画像とを関連付け(ステップS105)、関連付けられたスケール情報をアイコンとしてLCD27上で、撮影画像に重ねて表示する(ステップS106)。なお、ここでは、撮影が完了して後にスケール情報を画像上に重ねて表示しているが、撮影前にLCD21上に表示する構成とすることも可能である。
【0071】
ここで、表示させるアイコンを半透過画像として表示できるようにしておくことが望ましい。アイコンによって撮影画像がアイコンの面積だけ隠れてしまう不都合を回避することができる。
【0072】
半透過画像による表示方法を用いる場合、半透過/不透過をユーザが選択できる方式(例えば、表示時の操作、或いは前もって行うユーザ設定のアイテムとして用意する等)を採用することも可能である。なお、半透過画像を表示画面のベースにある画像に重ね合わせる方法は、公知の手段を適用することにより実施することが可能である。
【0073】
さらに、カメラの撮影動作は、ここでのアイコンの表示の動作とは関係無く、独立して行うことができるようにする。上記したアイコンを半透過画像にするアイデアにも示されているが、表示するアイコンがその機能を果たすことを可能にする一方、可能な限り撮影動作を制限することは回避すべきであるから、アイコンを表示している場合にでも、撮影動作が可能な状態、即ちレリーズ(シャッター)ボタンを押せば撮影できる状態にしておくようにする。こうした条件に従って制御を行うことにより、シャッターチャンスを逃さずに、適正な撮影が可能となる。
【0074】
なお、以上の説明では、撮影した後に、スケール情報を示すアイコン情報を生成してアイコンを表示したのであるが、撮影前にLCD27上に被写体画像とスケール情報を示すアイコン情報を表示する構成とすることもできる。
【0075】
また、撮影時に、撮影画像情報と、合焦点および距離情報などのアイコン情報とを共にメモリカード19に格納し、格納されたそれらの情報を表示装置によって表示する際にスケール情報などを画像と共に表示する構成とすることもできる。
【0076】
ここで、撮影画像情報と、合焦点および距離情報またはそれらのアイコン情報とを格納する際に、関連付けて格納し、格納されたそれらの情報を表示装置によって表示する際にスケール情報などを画像と関連付けて読み出して表示する構成とすることもできる。
【0077】
このようにして実施の形態1によるデジタルカメラは、オートフォーカス、あるいはマニュアル操作等による光学系の合焦動作によって合焦した被写体までの距離情報を取得し、画像における被写体の合焦点での大きさを示す参照サイズ情報を取得し、撮影画像と共に参照サイズを示すアイコンを並置して表示ことによって、撮影後も画像上で被写体の大きさが容易に分かる利便性の高いものとなる。
【0078】
(2.実施の形態2)
実施の形態2によるデジタルカメラが実施の形態1と異なる点は、レンズの光学系焦点距離を可変とするズーム機構を備えて、ズーム機構における光学系焦点距離情報を取得し、測距情報および光学系焦点距離情報に従って、被写体の合焦点における実際の大きさや距離情報を表示するアイコン情報を生成して、LCD27上に表示する点である。
【0079】
実施の形態2によるデジタルカメラは、図1に示したレンズ11がズーミング機能を有する可変焦点レンズであって、メカ機構12がレンズの光学焦点距離を可変とする。そして、CPU23が読み込んだ参照情報表示プログラムは、さらに(6)レンズの光学系焦点距離情報を取得する光学系焦点距離情報取得機能を実行し、合焦点における距離情報および光学系焦点距離情報に従って被写体の大きさを示す参照情報を取得し、取得された距離情報および合焦点についての情報と、撮影した画像とを関連付ける関連付けて、撮影画像に関連付けられた合焦点における被写体の大きさを示す参照情報をLCD27に画像と共に表示する機能を実行する。
【0080】
実施の形態1において、図2に示した画像上のスケール204に対応する実際の長さxを求める式において、実施の形態2による場合は、光学焦点距離が変化する点が異なる。即ち、変化する光学焦点距離が今、Bであるとすると、図2におけるスケール204に対応する実際の値xは以下の(式2)となる。
tanθ=B/a=x/c (式2)
従って、スケール204に対応する実際の長さxは、レンズの光学焦点距離Bをズーム機構のズーミングから検知して、参照情報表示プログラムで光学焦点距離除法を取得すると、(式2)を変形して、x=(Bc)/aを計算することによって算出することができる。
【0081】
図5は、合焦点のマーク、スケール情報、光学焦点距離情報、および測距情報がLCDに表示された例を説明する模式図である。画面35は撮影後のLCD27での表示の一例であり、シャッターボタンを半押しにすることによってメカ機構12が合焦動作を起こし、画面35の人物35aに合焦し、焦点があった人物35aに合焦点のマーク35bが付けられる。また、画面35で表示された例においては、焦点があった人物35aまでの撮影データとして、画面の右側に、レンズの光学焦点距離情報である35mm(35c)、およびこの時のスケール35bの大きさを示す情報である140センチメートル(35d)が表示される。なお、ここでレンズの光学系焦点距離は、一般的な銀塩35mmフィルムカメラに換算されたものとして表示するが、表示の仕方は任意に変えることができる。例えば、実際のデジタルカメラのレンズの光学系焦点距離をそのまま表示することもできる。
【0082】
また、画面36においては、合焦点のマークとして被写体の人物36aにおいて環状のスケール情報36b、この時のレンズの光学焦点距離情報である35mm(36c)、およびこの時の画像上で環状で示されたデザインが実測として換算された直径の値である140cm(36d)が、撮影データとして表示される。
【0083】
図6は、実施の形態2によるデジタルカメラのLCDに参照情報を表示させる手順を説明するフローチャートである。図6は、撮影時に被写体に光学系のピントがあった時、参照情報が表示され例を示す模式図である。ステップS202までは図4のステップS102までと同様である。測距部が被写体までの距離を測定した場合(ステップS202のYes)、メカ機構12のズーミング機能による光学焦点距離の情報を取得したか否かを判定し(ステップS203)、取得した場合、撮影は完了したか否かを検出する(ステップS204)。
【0084】
撮影が完了しない場合はステップS201〜204を繰り返す。撮影が完了した場合(ステップS204のYes)、取得した距離情報および光学焦点距離情報によって画像上でのスケール情報を取得し(ステップS205)、取得したスケール情報と撮影画像とを関連付け(ステップS206)、関連付けられたスケール情報をアイコンとしてLCD27上で、撮影画像に重ねて表示する(ステップS207)。この場合の表示では、取得した光学焦点距離情報も表示する。
【0085】
こうして実施の形態2では、OSD機能を用いたアイコン表示によって、ズームレンズを用いて撮影した時の被写体の大きさなどの撮影データを、合焦点のマーク、光学焦点距離情報および被写体までの距離情報をアイコンで表示する表示機能を実行することによって、写し込まれたスケール情報の他に、ズームレンズの光学焦点距離情報も表示できるので、撮影した画面が広角レンズで撮影されたものなのか望遠レンズで撮影されたものなのかを知ることができる。
【0086】
(3.実施の形態3)
実施の形態3によるデジタルカメラが実施の形態1と異なる点は、操作者からの選択入力を受け付けて、被写体の合焦点における大きさや距離情報等を表示するアイコンを、異なるデザインの中からLCD27上に表示する点である。
【0087】
実施の形態3によるデジタルカメラは、図1に示した操作部24が、操作者からのアイコンデザイン選択を受け付ける受付ボタンを備え、受け付けられた選択入力によって選択要求信号を送信する。
【0088】
CPU23が読み込んだ参照情報表示プログラムは、CPU23が受信した選択要求信号に従って、合焦点のマーク、合焦点における被写体の距離情報、および被写体の大きさを示す参照情報を選択して取得して、アイコンをLCD27に画像と共に表示する機能を実行する。
【0089】
操作者が、例えば図5に示された画面35におけるアイコン35b、c、およびdと、画面36におけるアイコン36b、c、およびdとの間で、操作部24の操作ボタン(不図示)の押下によって選択可能に構成しうる。
【0090】
図7は、画像中に表示する参照アイコンの例を説明する図である。図8は、画像中に表示する参照アイコンの例を説明する他の図である。図9は、画像中に表示する参照アイコンの例を説明するもう一つの図である。
【0091】
図7のLCD27に表示された画面50には、今、薬ビン50aが表示されている。ここで、図7のステップS305において、操作者が操作部24の選択ボタンを押下してスケール情報のデザイン選択が入力されると、参照サイズ画像の設定画面51が表れる。ここで、参照サイズ画像として缶51a、たばこ51b、および人間の手51cが示され、今、缶がOKボタンを押下されることによって選択されると、拡大縮小率が算出されて画面上に相応しい大きさで画面52の缶の画像52aのように表示される。表示位置を操作部24からの入力によって動かし、OKボタンが押下されることによって、画像53と共に写し込まれる缶53aの位置が決定される。
【0092】
ここで、参照サイズ画像を表示させるかさせないかを決定するボタンを設けることが望ましい。図8に示す参照表示決定画面55でカーソルをONに当てて決定ボタンを押下することによって、画面56において、被写体である薬ビン50aのとなりに缶56aが表示されるようになる。
【0093】
また、参照サイズ画像は、図9に示すように、画面の枠の一部に実際の大きさを表す目盛り57aおよび57bを表示して、写し込むこともできる。また、選択ボタンの押下によって示された目盛りが再び缶58aに変えられる構成とすることができる。
【0094】
図10は、実施の形態3によるデジタルカメラのLCDに参照情報を表示させる手順を説明するフローチャートである。ステップS304までは図4のステップS104までと同様であるので、説明を省略する。取得した距離情報によって画像上でスケール情報を取得し(ステップS304)、操作者がスケール情報の表示デザインを選択する入力を受け付け(ステップS305)、受け付けた場合、受け付けたデザインを表示させるスケール情報を選択する(ステップS306)。以後のステップS307以降は、ステップS105以降と同様であるので、説明を省略する。
【0095】
このようにして実施の形態3では、OSD機能を用いたアイコン表示によるスケール情報などの撮影データを、合焦点のと共に表示する際に、操作者の選択入力を受け付けてデザインを変えて表示することができる機能を実行できる。これによって、操作者の好みに応じたデザインで、合焦点や撮影データを示すアイコンを、LCD27上に表示することができる。
【0096】
(4.実施の形態4)
実施の形態4によるデジタルカメラが実施の形態1と異なる点は、被写体の合焦点における大きさや距離情報等を表示するアイコンを、LCD27上の合焦点から離れた画像の背景部分に表示する点である。
【0097】
実施の形態4によるデジタルカメラのCPU23が読み込んだ参照情報表示プログラムは、撮影された画像において背景を判別する機能を実行し、合焦点のマークに対して、合焦点における被写体の距離情報、および被写体の大きさを示す参照情報を表示する位置を、合焦点以外の背景画像に配置するレイアウト機能を実行する。そして、この判別機能およびレイアウト機能によって配置されたLCD27に表示される画像上の位置において、撮影データなどのアイコンを表示する。
【0098】
ここで、合焦点以外の背景部分にアイコンなどの画像を配置して表示する技術は、本発明人などが既に発明した技術を適用できるので、ここでは説明を省略する。
【0099】
図11は、実施の形態4による参照情報の表示例を示した模式図である。図12は、実施の形態4による参照情報の他の表示例を示した模式図である。撮影準備前の画像37に対して、撮影が完了した画面38においては、被写体38aおよび合焦点38bに対して、撮影データ38cは離れた背景部分に配置された状態で表示される。同様に、撮影準備前の画像39に対して、撮影が完了した画面40においては、被写体40aおよび合焦点40bに対して、撮影データ40cは離れた背景部分に配置された状態で表示される。
【0100】
図13は、実施の形態4によるデジタルカメラのLCDに参照情報を表示させる手順を説明するフローチャートである。ステップS405までは図4のステップS105までと同様であるので、説明を省略する。読み込んだプログラムがスケール情報と撮影画像情報とを関連付け(ステップS405)、被写体の合焦点以外の背景部分を検知し、背景部分にスケール情報を配置(ステップS406)し、LCD27上に撮影画像と、背景部分に配置されたスケール情報とを表示する(ステップS407)。
【0101】
このようにして、実施の形態4によるデジタルカメラにおいては、撮影された画像において背景を判別し、画像上で撮影データなどのアイコンの位置を、合焦点のマーク以外の背景位置に配置して表示するので、合焦点および重要な被写体画像情報を隠すことなく撮影データなどのアイコンを表示できるので、利便性が高いものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0102】
以上のように、本発明にかかる画像表示装置、画像表示方法、およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムは、画像表示技術に有用であり、特に、デジタルカメラ、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯電話等のデジタルカメラなどの小型ディスプレーを備えた撮影装置における撮影情報を表示あるいは写し込む画像表示技術に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】実施形態1によるデジタルカメラの基本構成を示すブロック図である。
【図2】画像情報において示される基準の長さが、対応する実際の長さではいくらかを算出方法を説明する図である。
【図3−1】合焦点のマーク、およびスケール情報がLCDに表示された例を説明する模式図である。
【図3−2】合焦点のマーク、スケール情報、および測距情報がLCDに表示された例を説明する模式図である。
【図4】実施の形態1によるデジタルカメラのLCDに参照情報を表示させる手順を説明するフローチャートである。
【図5】実施の形態2によるデジタルカメラのLCDに合焦点のマーク、スケール情報、光学焦点距離情報、および測距情報がLCDに表示された例を説明する模式図である。
【図6】実施の形態2によるデジタルカメラのLCDに参照情報を表示させる手順を説明するフローチャートである。
【図7】実施の形態3によるデジタルカメラのLCDの画像中に表示する参照アイコンの例を説明する図である。
【図8】LCDの画像中に表示する参照アイコンの例を説明する他の図である。
【図9】LCDの画像中に表示する参照アイコンの例を説明するもう一つの図である。
【図10】実施の形態3によるデジタルカメラのLCDに参照情報を表示させる手順を説明するフローチャートである。
【図11】実施の形態4によるデジタルカメラのLCDでの参照情報の例を示した模式図である。
【図12】実施の形態4によるデジタルカメラのLCDでの参照情報の他の例を示した模式図である。
【図13】実施の形態4によるデジタルカメラのLCDに参照情報を表示させる手順を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0104】
10 デジタルカメラ
11 レンズ
12 メカ機構
13 CCD
14 CDS
15 A/D(アナログ/デジタル)変換器
16 デジタル信号処理回路
17 圧縮/伸張回路
18 DRAM
19 メモリカード
20 OSD制御部
21 ドライバ
22 SG(Sync Generator)
23 CPU
24 操作部
25 バス
26 ROM
27 LCD
28 アイコンジェネレータROM
29 アイコンROM
30 VRAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学系を介し撮像手段によって取得された被写体の撮像画像を表示する画像表示装置であって、
前記光学系による前記撮像画像での合焦点の位置情報を取得する合焦点取得手段と、
前記合焦点取得手段により取得された位置情報に対応する前記被写体と前記撮像手段間の距離情報を取得する距離取得手段と、
前記距離取得手段によって取得された距離情報に基づいて、前記合焦点における前記被写体の大きさを示すスケール情報を取得するスケール取得手段と、
前記合焦点の位置情報と、前記距離情報および前記スケール取得手段によって取得されたスケール情報の少なくともいずれかとを、前記撮影画像に関連付ける関連付け手段と、
前記関連付け手段によって前記撮影画像に関連付けられた前記合焦点と、前記距離情報およびスケール情報の少なくともいずれかとを、前記撮影画像と共に表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記光学系の焦点距離である光学焦点距離情報を取得する焦点取得手段を、さらに備え、
前記スケール取得手段は、前記距離情報および前記焦点取得手段が取得した焦点距離情報に基づいて前記スケール情報を取得し、
前記関連付け手段は、前記合焦点と、前記距離情報、前記光学焦点距離情報およびスケール情報の少なくともいずれかとを、前記撮像画像に関連付け、
前記表示手段は、前記関連付け手段によって前記撮影画像に関連付けられた前記合焦点と、前記距離情報、前記光学焦点距離情報およびスケール情報の少なくともいずれかとを、前記撮影画像と共に表示するものであることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記表示手段に表示される前記合焦点、前記距離情報、前記光学焦点距離情報、およびスケール情報の少なくともいずれかの表示形状を選択する選択入力を受け付けて、受け付けた選択入力に従って、前記少なくともいずれかの表示形状を選択する選択手段を、さらに備え、
前記表示手段は、前記選択手段によって選択された表示形状に従って表示するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記距離情報、光学焦点距離情報、およびスケール情報の少なくともいずれかを表示する場合、前記撮影画像における前記合焦点から離れた位置に配置する配置手段を、さらに備え、
前記表示手段は、前記配置手段によって配置された位置に基づいて、前記距離情報、光学焦点距離情報、およびスケール情報の少なくともいずれかを、前記合焦点から離れた位置に表示するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記画像情報において、合焦した被写体と前記被写体の背景画像とを判定する判定手段を、さらに備え、
前記表示手段は、前記判定手段によって判定された背景画像の位置に、前記距離情報、光学焦点距離情報、およびスケール情報の少なくともいずれかを表示するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記表示手段は、前記合焦点の情報、距離情報、光学焦点距離情報、およびスケール情報の少なくともいずれかを拡大または縮小して表示するものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記表示手段は、前記配置手段によって配置された位置の情報および前記判定手段によって判定された背景画像の情報の少なくともいずれかの情報に基づいて、前記合焦点の情報、距離情報、光学焦点距離情報、およびスケール情報の少なくともいずれかを拡大または縮小して表示するものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記スケール情報は、画像情報およびテキスト情報を含むものであり、
前記表示手段は、前記スケール情報を画像およびテキストを含む形態で表示するものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記画像情報と、前記合焦点の情報、距離情報、光学焦点距離情報、およびスケール情報の少なくともいずれかとを1つのファイルに合成して格納する記憶手段を、さらに備えたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項10】
前記記憶手段は、前記画像情報と、前記合焦点の情報、距離情報、光学焦点距離情報、およびスケール情報の少なくともいずれかとを、関連付けられたファイルとして格納するものであることを特徴とする請求項9に記載の画像表示装置。
【請求項11】
光学系を介し撮像手段によって取得された被写体の撮像画像を表示手段に表示する画像表示方法であって、
前記光学系による前記撮像画像での合焦点の位置情報を取得する合焦点取得工程と、
前記合焦点取得工程により取得された位置情報に対応する前記被写体と前記撮像手段間の距離情報を取得する距離取得工程と、
前記距離取得工程によって取得された距離情報に基づいて、前記合焦点における前記被写体の大きさを示すスケール情報を取得するスケール取得工程と、
前記合焦点の位置情報と、前記距離情報および前記スケール取得工程によって取得されたスケール情報の少なくともいずれかとを、前記撮影画像に関連付ける関連付け工程と、
前記関連付け工程によって前記撮影画像に関連付けられた前記合焦点と、前記距離情報およびスケール情報の少なくともいずれかとを、前記撮影画像と共に前記表示手段に表示する表示工程と、
を含むことを特徴とする画像表示方法。
【請求項12】
前記光学系の焦点距離である光学焦点距離情報を取得する焦点取得工程を、さらに含み、
前記スケール取得工程は、前記距離情報および前記焦点取得工程が取得した焦点距離情報に基づいて前記スケール情報を取得し、
前記関連付け工程は、前記合焦点と、前記距離情報、前記光学焦点距離情報およびスケール情報の少なくともいずれかとを、前記撮像画像に関連付け、
前記表示工程は、前記関連付け工程によって前記撮影画像に関連付けられた前記合焦点と、前記距離情報、前記光学焦点距離情報およびスケール情報の少なくともいずれかとを、前記撮影画像と共に表示するものであることを特徴とする請求項11に記載の画像表示方法。
【請求項13】
前記表示手段に表示される前記合焦点、前記距離情報、前記光学焦点距離情報、およびスケール情報の少なくともいずれかの表示形状を選択する選択入力を受け付けて、受け付けた選択入力に従って、前記少なくともいずれかの表示形状を選択する選択工程を、さらに備え、
前記表示工程は、前記選択工程によって選択された表示形状に従って前記表示手段に表示するものであることを特徴とする請求項11または12に記載の画像表示方法。
【請求項14】
前記距離情報、光学焦点距離情報、およびスケール情報の少なくともいずれかを、前記表示手段に表示する場合、前記撮影画像における前記合焦点から離れた位置に配置する配置工程を、さらに備え、
前記表示工程は、前記配置工程によって配置された位置に基づいて、前記距離情報、光学焦点距離情報、およびスケール情報の少なくともいずれかを、前記表示手段において前記合焦点から離れた位置に表示するものであることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1つに記載の画像表示方法。
【請求項15】
前記画像情報において、合焦した被写体と前記被写体の背景画像とを判定する判定工程を、さらに含み、
前記表示工程は、前記判定工程によって判定された背景画像の位置に、前記表示手段に、前記距離情報、光学焦点距離情報、およびスケール情報の少なくともいずれかを表示するものであることを特徴とする請求項11〜14のいずれか1つに記載の画像表示方法。
【請求項16】
請求項11〜15のいずれか1つに記載の画像表示方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−261995(P2006−261995A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−75803(P2005−75803)
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】