説明

画像表示装置

【課題】静電容量結合により信号を送受信する通信方式を採用する画像表示装置において多チャンネル化に伴う額縁の増大を最小限に抑える。
【解決手段】第1基板は、第1電圧レベルの電圧が供給される平板状の第1電源配線と、前記第1電圧レベルとは電圧レベルが異なる第2電圧レベルの電圧が供給される平板状の第2電源配線と、前記第1電源配線および前記第2電源配線に接続される半導体素子と、静電誘導によって信号を送受信するため平板状の第1電極群とを有し、第2基板は、静電誘導によって信号を送受信するための平板状の第2電極群と、前記信号の基準電圧が供給される平板状の共通電極とを有し、前記第1基板と前記第2基板とを重ね合わせた状態において、前記第2電極群には、前記第1電極群が重なり、前記共通電極には、前記第1電源配線あるいは前記第2電源配線が重なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置に係り、特に、非接触伝送路を介して表示データを送受信する際に有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置を代表とするアクティブマトリクス型のディスプレイ装置は、各画素毎にアクティブ素子を構成する薄膜トランジスタ(以下、TFTと略す)を形成し、表示情報を各画素毎に記憶して映像を表示している。
一方、半導体層として、アモルファスシリコン膜にレーザアニールを行うことによって多結晶化し、移動度を100cm2/V・s程度に高めたポリシリコン膜を利用して形成されたTFTは、ポリシリコンTFTと呼ばれる。
このポリシリコンTFTで構成した回路は、最大数MHzから数十MHzの信号で動作するため、画素のみならず、映像信号を発生するデータドライバ回路や、走査を行う走査回路を、液晶表示装置などの基板上に画素を構成するTFTと同一プロセスで形成することができる。
さらに、非接触伝送路を介して信号(例えば、表示データ、表示制御信号等)を送受信する通信方式として、静電誘導(静電容量結合)、電磁誘導および電磁波を利用するものが挙げられる。なお、静電誘導(静電容量結合)は、例えば、下記特許文献1に開示されている。
【0003】
なお、本願発明に関連する先行技術文献としては以下のものがある。
【特許文献1】特開2005−301219号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非接触伝送路を介して信号を送受信する通信方式として、電磁波や電磁誘導を用いる方法は、より長距離通信に適しているが、表示信号をより高い周波数の搬送波を用いて変調、および復調する必要があるため、信号の伝送レートよりも遥かに高い周波数で変調する必要がある。それによって、高速回路駆動による電力増大や、回路素子形成による面積の増大を招く。
一方、前述の特許文献1の図5に示すような静電容量結合は、より短距離な伝送に限られるものの、変調と復調が不要であるため、伝送用電極のみで構成できる。変調と復調の回路が不要であるため、電極による占有面積は小さくてすむ利点がある。
しかながら、高解像度化などによる伝送レート増加のためには、複数の非接触伝送路チャネルが必要になる。つまり、基板上に静電容量結合をするための電極を並列に配置する必要がある。
複数のチャネルの非接触伝送路には、図7(A)に示す平衡伝送と図7(B)に示す非平衡伝送がある。なお、図7において、STXは送信回路、RTXは受信回路である。
図7(A)に示す平衡伝送では、1つのチャネル(ch)に2つの容量(C1)を用いる。また、図7(B)に示す非平衡伝送では、1つのチャネル(ch)に1つの容量(C1)を用い、送信回路(STX)と受信回路(RTX)の基準電圧間(SCOM、RCOM)を交流的に短絡するために全チャネル共通として十分大きな容量を持った容量(C2)を用いる。いずれにしても、1つのチャネルにつき、1つの電極より多くの電極を設ける必要があった。
【0005】
高解像度化などによる伝送レート増加のために、複数の非接触伝送路チャネルを用いると、電極面積がパネル上の面積を大きく占有するようになり、額縁と呼ばれる非表示領域が大きくなってしまう。このことは、非表示領域が大きいことはアプリケーションの自由度を減らし好ましくないことである。
本発明は、前記問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、静電容量結合により信号を送受信する通信方式を採用する画像表示装置において、多チャンネル化に伴う額縁の増大を最小限に抑えることが可能となる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
(1)複数の画素を有する表示パネルと、第2基板とを備え、前記表示パネルは、前記第2基板に重なるように配置される第1基板を有する画像表示装置であって、前記第1基板は、第1電圧レベルの電圧が供給される平板状の第1電源配線と、前記第1電圧レベルとは電圧レベルが異なる第2電圧レベルの電圧が供給される平板状の第2電源配線と、前記第1電源配線および前記第2電源配線に接続される半導体素子と、静電誘導によって信号を送受信するため平板状の第1電極群とを有し、前記第2基板は、静電誘導によって信号を送受信するための平板状の第2電極群と、前記信号の基準電圧が供給される平板状の共通電極とを有し、前記第1基板と前記第2基板とを重ね合わせた状態において、前記第2電極群には、前記第1電極群が重なり、前記共通電極には、前記第1電源配線あるいは前記第2電源配線が重なる。
(2)(1)において、前記第1基板は、前記第1電源配線と前記第2電源配線との間に形成される容量を有する。
(3)(2)において、前記容量は、前記第1電源配線あるいは前記第2電源配線の一方に接続される半導体層と前記第1電源配線あるいは前記第2電源配線の他方に接続されるゲート電極層とで形成される第1容量と、前記第1電源配線あるいは前記第2電源配線の一方の配線用金属層と前記第1電源配線あるいは前記第2電源配線の他方に接続されるゲート電極層とで形成される第2容量とが並列に接続された並列容量である。
【0007】
(4)(1)ないし(3)の何れかにおいて、前記表示パネルは、アクティブマトリクス型の表示パネルである。
(5)(1)ないし(4)の何れかにおいて、前記第1基板の前記半導体素子は、半導体層としてポリシリコンを使用する薄膜トランジスタである。
(6)(1)ないし(5)の何れかにおいて、前記表示パネルは、液晶表示パネル、有機EL表示パネル、あるいは、メモリー型表示デバイスである。
(7)(1)ないし(6)の何れかにおいて、前記第1基板は、前記複数の画素を駆動する駆動回路を有し、前記第1電源配線と前記第2電源配線とは、前記駆動回路の第1電源配線と第2電源配線電源配線である。
(8)(1)ないし(6)の何れかにおいて、前記複数の画素の各画素は、前記第1基板上に形成される画素回路を有し、前記第1電源配線と前記第2電源配線とは、前記画素回路の第1電源配線と第2電源配線電源配線である。
(9)(1)ないし(8)の何れかにおいて、前記第1電源配線は、電源配線であり、前記第2電源配線は、接地配線である。
【発明の効果】
【0008】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
本発明によれば、静電容量結合により信号を送受信する通信方式を採用する画像表示装置において、多チャンネル化に伴う額縁の増大を最小限に抑えることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
図1は、本発明の実施例である液晶表示装置の液晶表示パネルの等価回路を示す等価回路である。
図1において、100はパネル基板(TFT基板、アクティブマトリクス基板ともいう)、ARは表示領域である。表示領域(AR)内には、画素がマトリクス状に形成される。各画素は、画素電極(PX)と、映像信号を画素電極(PX)に印加するための薄膜トランジスタ(TFT)とを有する。この薄膜トランジスタ(TFT)は、ポリシリコンTFTで構成される。即ち、薄膜トランジスタ(TFT)は、半導体層として、アモルファスシリコン膜にレーザアニールを行うことによって多結晶化し、移動度を100cm2/V・s程度に高めたポリシリコン膜が利用される。
行方向の薄膜トランジスタ(TFT)のゲート電極は、走査線(GL)に接続され、この走査線(GL)は、走査回路(XDV)に接続される。
列方向の薄膜トランジスタ(TFT)のドレイン電極は、映像線(DL)に接続され、この映像線(DL)は、データ処理回路(YDV)に接続される。
薄膜トランジスタ(TFT)のソース電極は、画素電極(PX)に接続される。ここで、画素電極(PX)と対向電極(CT)との間には液晶(LC)が挟持されるので、画素電極(PX)と対向電極(CT)との間には、液晶容量(Clc)が等価的に形成される。 なお、ソース電極、ドレイン電極の呼び方は、バイアスの関係で逆になることもあるが、ここでは、映像線(DL)に接続される方をドレイン電極と称する。
【0010】
走査回路(XDV)と、データ処理回路(YDV)の内部のトランジスタも、ポリシリコンTFTで構成される。そして、走査回路(XDV)と、データ処理回路(YDV)の内部のポリシリコントランジスタは、表示領域(AR)内の薄膜トランジスタ(TFT)同一工程で、同時に形成される。
走査回路(XDV)は、内部で発生させる基準クロックに基づき、1水平走査時間毎に、順次の各走査線(GL)に“High”レベルの選択電圧(走査信号)を供給する。これにより、液晶表示パネルの各走査線(GL)に接続された複数の薄膜トランジスタ(TFT)が、1水平走査期間の間、映像線(DL)と画素電極(PX)との間を電気的に導通させる。
また、データ処理回路(YDV)は、画素が表示すべき階調に対応する階調電圧を映像線(DL)に出力する。
薄膜トランジスタ(TFT)がオン状態(導通)であると、映像線(DL)から階調電圧(映像信号)が画素電極(PX)に供給される。
その後、薄膜トランジスタ(TFT)がオフ状態となることで画素が表示すべき映像に基づく階調電圧が画素電極(PX)に保持される。
対向電極(CT)には、コモン電圧(Vcom)が印加されており、液晶表示パネルは画素電極(PX)と対向電極(CT)との間の電位差により、間に挟まれた液晶分子の配向方向を変化させ、光の透過率または反射率を変化させることで画像を表示する。
【0011】
図2は、本発明の実施例である液晶表示装置の概略構成を示すブロック図である。
図2では、非接触伝送路(静電容量結合)を介して信号(表示データ、表示制御信号など)を送信する送信基板と受信を実現する液晶表示パネルの構成を示す。
また、図2では、4チャネルの非接触伝送路による非平衡伝送を想定している。なお、チャネル数4は記述のしやすさから決めた数であるので特に意味は無く、実際はこれよりも多くても少なくても構わない。
図2に示すように、本実施例の液晶表示パネルは、画素電極(PX)、薄膜トランジスタ(TFT)等が設けられたパネル基板100と、カラーフィルタ等が形成される対向基板110とを、所定の間隙を隔てて重ね合わせ、該両基板間の周縁部近傍に枠状に設けたシール材により、両基板を貼り合わせると共に、シール材の一部に設けた液晶封入口から両基板間のシール材の内側に液晶を封入、封止し、さらに、両基板の外側に偏光板を貼り付けて構成される。
このように、本実施例の液晶表示モジュールでは、液晶が一対の基板の間に挟持された構造となっている。
また、パネル基板100と、対向基板110とは、同一面積の基板で構成される。尚、基板の材質は絶縁性の基板であればよく、ガラスに限られず、プラスチックなどでもよい。また、本実施例では、TN方式やVA方式の液晶表示パネルであるので、対向電極(CT)は対向基板110側に設けられるが、IPS方式の液晶表示パネルの場合は、対向電極(CT)はパネル基板100側に設けられる。
なお、本発明は、液晶パネルの内部構造とは直には関係がないので、液晶パネルの内部構造の詳細な説明は省略する。さらに、本発明は、どのような構造の液晶パネルであっても適用可能である。
【0012】
図2において、前述したように、ガラス基板(を含むパネル基板100には、画像を表示するため表示領域(AR)があり、表示領域(AR)には、マトリクス状に画素電極(PX)が形成されている。画素電極(PX)の下には、画素回路(PIC)が薄膜トランジスタで形成されており、画素回路(PIC)が記憶した電圧にしたがって、画素電極(PX)に電圧を出力する。画素回路(PIC)は図1に示したような1つの薄膜トランジスタ(TFT)で形成する場合もあるが、他にも、ダイナミック・メモリ回路や、スタティックメモリ回路を複数の薄膜トランジスタで構成する場合もある。
表示領域(AR)の周辺部(非表示領域)には、画素回路(PIC)を駆動するための走査回路(XDV)とデータ処理回路(YDV)や、静電容量結合による非接触通信のための電極(E1〜E4)が形成されている。
パネル基板100は、厚さ数μmの液晶(LC)を挟んで、もう1枚のガラス基板を含む対向基板110と張り合わされるが、液晶の厚さは球状のビーズをガラス基板(SUB1)上に散布することで一定に保つことができる。
対向基板110の内側の表面には、透明な対向電極(CT)が形成されており、この対向電極(CT)と、画素電極(PX)の間に液晶(LC)を挟持することによって、液晶表示パネルが形成される。対向電極(CT)は、パネル基板100上に設けられた接続端子(COT)と接続され、例えば、Vcomの固定電圧が供給される。
【0013】
対向基板110の内側表面であって画素電極(PX)と重なる位置には、開口部(KA)が設けられている。開口部以外の領域には遮光層(所謂、ブラックマトリクス)が塗布されており、開口部以外の領域で光が透過しないようにしてある。また、開口部(KA)に赤、緑、青それぞれのカラーフィルタを設けた場合には、画像表示装置はカラー表示が可能になる。
対向基板110の外側の表面には偏光板および位相差板(不図示)が貼り付けられている。また、パネル基板100の外側の表面にも偏光板が形成されている。
偏光板および位相差板の役割は、液晶に異なる交流電圧振幅を印加したときに、光の反射率の比が大きく異なるようにして、それぞれ明表示、暗表示として目視されるようにすることである。
本実施例において、信号(表示データ、表示制御信号等)を、パネル基板100に送信するための送信基板120の上には、非接触通信のための電極(e1〜e4)と共通電極(ITO)とが形成されている。
電極(e1〜e4)と、パネル基板100の電極(E1〜E4)とをオーバーラップさせることで、これらは静電容量結合による非接触伝送路となる。そのとき、共通電極(ITO)は、パネル基板100上の画素回路(PIC)、走査回路(XDV)、およびデータ処理回路(YDV)とオーバーラップするように配置されている。
【0014】
図3は、図2のA領域の回路パターンを示す図であり、電極(E1,E2)とデータ処理回路(YDV)の一部が描かれている。なお、図3において、Rは抵抗である。
斜線塗りつぶしの四角形は、電極、電源配線、およびその他配線を形成する金属電極層を表しており、中抜きの四角形は、薄膜トランジスタを形成するための半導体層(AS)と、ゲート電極層(GT)を表している。また、中抜きの丸は2つのオーバーラップ層のコンタクトホールを表している。
図4は、図3に示す回路パターンの等価回路を示す回路図である。なお、図4において、V(+)は正極電源配線(PWR)の電圧を、V(−)は負極電源配線(NWR)の電圧を表している。
図4に示すように、図3に示す回路パターンは、電極(E1,E2)で受信した信号を、インバータ(INV)を介してデータ処理回路(YDV)に入力する回路となっている。このように、パネル基板100上に形成された金属配線層、半導体層(AS)、ゲート電極層(GT)を利用して、データ処理回路(YDV)の内部には、インバータ(INV)を代表とする能動回路素子が設けられている。
これらの能動素子に電力を供給する為に、金属配線層を使用して正極電源配線(PWR)および負極電源配線(NWR)が設けられる。
【0015】
図5は、図3のB−B’切断線に沿った要部断面構造を示す断面図であり、図3のB−B’切断線に沿ったパネル基板100、対向基板110、および送信基板120の要部断面構造を示す。
図5に示すように、対向基板110とパネル基板100はシール材(接着剤の層)(SL)によって貼り付けられる。ここで、シール材(SL)はパネル基板上を1周周回しており、液晶(LC)を封止している。なお、図5において、SUB1はパネル基板100のガラス基板、SUB2は対向基板110のガラス基板、PASは絶縁層である。
送信基板120上の電極(e2)は、パネル基板100上の電極(E2)とオーバーラップして配置されており容量(CD2)を形成している。
同様にして、送信基板120上の電極(e1)は、パネル基板100上の電極(E1)とオーバーラップして配置されており容量(CD1)を、送信基板120上の電極(e3)は、パネル基板100上の電極(E3)とオーバーラップして配置されており容量(CD3)を、送信基板120上の電極(e4)は、パネル基板100上の電極(E4)とオーバーラップして配置されており容量(CD4)を形成している。
送信基板120上の共通電極(ITO)は、パネル基板100上の正極電源配線(PWR)と負極電源配線(NWR)とオーバーラップし、それぞれ容量(CP,CM)を形成している。
また、画素回路(PIC)および走査回路(XDV)も、データ処理回路(YDV)の部分の断面構造と同じようになっており、画素回路(PIC)および走査回路(XDV)を構成するアクティブ素子、およびそれに電源電圧を供給する為の正極および負極電源配線がパネル基板上に形成されている。そして、その部分に共通電極がオーバーラップされている。
【0016】
図6は、図3のC−C’切断線に沿った要部断面構造を示す断面図であり、図3のC−C’切断線に沿ったパネル基板100の断面図である。なお、図9において、SUB1はパネル基板100のガラス基板、PASは絶縁層である。
正極電源配線(PWR)の下に、正極電源配線(PWR)と、負極電源配線(NWR)に接続されるゲート電極層(GT)によって形成される第1容量と、ゲート電極層(GT)と、正極電源配線(PWR)に接続される半導体層(AS)によって形成される第2容量とが並列に接続された並列容量(CB)が形成される。
この容量(CB)は、正極電源配線(PWR)と負極電源配線(NWR)とを接続するバイパスコンデンサとして機能し、送信基板120上の共通電極(ITO)とパネル基板100上の正極電源配線(PWR)とによって形成される容量(CP)と、送信基板120上の共通電極(ITO)とパネル基板100上の負極電源配線(NWR)とによって形成される容量(CM)の容量値のアンバランスによって、正極電源配線(PWR)−負極電源配線(NWR)間に発生する電圧を吸収するように動作する。
なお、容量(CB)の容量値は、容量(CP)の容量値あるいは容量(CM)の容量値よりも大きいことが好ましい。
【0017】
以上説明したように、本実施例によれば、静電容量結合により信号(例えば、表示データ、表示制御信号等)を送受信する通信方式を採用する液晶表示装置において、液晶表示パネルを構成する基板上の共通電極を、周辺回路(データ処理回路(YDV)、走査回路(XDV))および/あるいは画素回路の電源配線で兼用させるようにしたので、非接触伝送路1チャネルあたりに別途必要となる電極が1つで済むことになり、多チャンネル化に伴う額縁の増大が最小限に抑えることが可能となる。
そして、液晶表示パネルの額縁(非表示領域)を小さくしたことにより、結果として、アプリケーション製品の自由度を高めることが可能となる。
なお、前述の説明では、本発明を液晶表示装置に適用した実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は、例えば、有機EL表示装置などの一般の表示装置に適用可能である。さらに、本発明は、表示パネルに表示状態を記憶するメモリ性材料を使用するメモリー型表示デバイス(例えば、電子ペーパ)等にも適用可能である。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例である液晶表示装置の液晶表示パネルの等価回路を示す等価回路である。
【図2】本発明の実施例である液晶表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図2のA領域の回路パターンを示す図である。
【図4】図3に示す回路パターンの等価回路を示す回路図である。
【図5】図3のB−B’切断線に沿った要部断面構造を示す断面図である。
【図6】図3のC−C’切断線に沿った要部断面構造を示す断面図である。
【図7】非接触伝送路の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0019】
100 パネル基板
110 対向基板
120 送信基板
AR 表示領域
AS 半導体層
C1,C2,CB,CP,CM,CD2 容量
Clc 液晶容量
COT 接続端子
CT 対向電極
DL 映像線
E1〜E4,e1〜e4 電極
GL 走査線
GT ゲート電極層
INV インバータ
ITO 共通電極
KA 開口部
LC 液晶
NWR 負極電源配線
PAS 絶縁層
PIC 画素回路
PWR 正極電源配線
PX 画素電極
R 抵抗
RTX 受信回路
SL シール材
STX 送信回路
SUB1,SUB2 ガラス基板
TFT 薄膜トランジスタ
YDV データ処理回路
XDV 走査回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を有する表示パネルと、
第2基板とを備え、
前記表示パネルは、前記第2基板に重なるように配置される第1基板を有する画像表示装置であって、
前記第1基板は、第1電圧レベルの電圧が供給される平板状の第1電源配線と、
前記第1電圧レベルとは電圧レベルが異なる第2電圧レベルの電圧が供給される平板状の第2電源配線と、
前記第1電源配線および前記第2電源配線に接続される半導体素子と、
静電誘導によって信号を送受信するため平板状の第1電極群とを有し、
前記第2基板は、静電誘導によって信号を送受信するための平板状の第2電極群と、
前記信号の基準電圧が供給される平板状の共通電極とを有し、
前記第1基板と前記第2基板とを重ね合わせた状態において、前記第2電極群には、前記第1電極群が重なり、前記共通電極には、前記第1電源配線あるいは前記第2電源配線が重なることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記第1基板は、前記第1電源配線と前記第2電源配線との間に形成される容量を有することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記容量は、前記第1電源配線あるいは前記第2電源配線の一方に接続される半導体層と前記第1電源配線あるいは前記第2電源配線の他方に接続されるゲート電極層とで形成される第1容量と、前記第1電源配線あるいは前記第2電源配線の一方の配線用金属層と前記第1電源配線あるいは前記第2電源配線の他方に接続されるゲート電極層とで形成される第2容量とが並列に接続された並列容量であることを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記表示パネルは、アクティブマトリクス型の表示パネルであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記第1基板の前記半導体素子は、半導体層としてポリシリコンを使用する薄膜トランジスタであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記表示パネルは、液晶表示パネルであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記表示パネルは、有機EL表示パネルであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記表示パネルは、メモリー型表示デバイスであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載に記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記第1基板は、前記複数の画素を駆動する駆動回路を有し、
前記第1電源配線と前記第2電源配線とは、前記駆動回路の第1電源配線と第2電源配線電源配線であることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項10】
前記複数の画素の各画素は、前記第1基板上に形成される画素回路を有し、
前記第1電源配線と前記第2電源配線とは、前記画素回路の第1電源配線と第2電源配線電源配線であることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項11】
前記第1電源配線は、電源配線であり、
前記第2電源配線は、接地配線であることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の画像表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2009−251162(P2009−251162A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−97046(P2008−97046)
【出願日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】