画像速度算出装置及び画像速度算出方法
【課題】画像上で画像速度算出対象が高速で移動する場合でも、画像速度の算出を可能にする。
【解決手段】マイコン3により、カメラ1により撮像された画像上にカメラ1の露光中に発生する画像の流れを判定し、判定された画像の流れに基づいてカメラ制御部4によりカメラ1の露光時間を変更し、変更されたカメラ1の露光時間に基づいて、画像速度を算出する。
【解決手段】マイコン3により、カメラ1により撮像された画像上にカメラ1の露光中に発生する画像の流れを判定し、判定された画像の流れに基づいてカメラ制御部4によりカメラ1の露光時間を変更し、変更されたカメラ1の露光時間に基づいて、画像速度を算出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像した画像の速度を算出する画像速度算出装置及び画像速度算出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像速度算出装置は、例えば下記特許文献1に記載されている。
下記従来技術では、画像の速度を算出するために車載カメラから撮像した撮像画像から勾配法という計算手法によって対象物のオプティカルフロー(画像上における動きを示すベクトル)を算出している。勾配法は、対象物の濃淡値の分布が保持されていることを前提とし、離散的にサンプリングされた画像に基づいた連立拘束式を解くことによってオプティカルフローを算出することができる。そして、算出したオプティカルフローの方向及び大きさから画像の速度を算出している。
【特許文献1】特開平11−160335号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来技術では、対象物の濃淡値の分布が保持されていることを前提に画像の速度を算出している。このため対象物が早い動きをする場合には、対象物の濃淡値分布に大きな変化が発生することになるため、オプティカルフローによる画像速度を算出することが難しいという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、撮像手段により撮像された画像に前記撮像手段の露光中に発生する画像の流れを判定して、判定された画像の流れに基づいて、撮像手段の露光時間を短い時間に変更する。そして短くした露光時間に基づいて画像速度を算出する。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、撮像手段の露光時間を画像の流れが発生しない時間に変更することで画像速度を算出するようにしたので、濃度値分布の変化による影響を受けることなく対象物が早い動きをする場合に画像速度を算出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
《実施の形態1》
〈画像速度算出装置の構成〉
図1は、本発明の実施の形態1の画像速度算出装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施の形態の画像速度算出装置は、カメラ1、画像メモリ2、マイコン3、カメラ制御部4、モニタ5が接続されている。
高速カメラ等の電子式のカメラ1は画像を撮像する。画像メモリ2は、カメラ1で撮像された明るさの度合い(すなわち、輝度)をデジタル値に変換し保持する。マイコン3は、画像メモリ2に保持された画像を処理し、画像上の移動領域(画像上で移動している対象に対応する領域)の画像速度(移動領域の単位時間あたりの移動量)を算出する。また、画像速度を算出する際に設定するカメラ1の露光時間を算出し、カメラ制御部4に指示する。カメラ制御部4は、マイコン3によって指示された露光時間になるようにカメラ1の露光時間を制御する。なお、露光時間の長さは、カメラ1の電子シャッターまたは機械的シャッターのシャッター速度により決まる。また、露光時間とシャッター速度との関係は、露光時間が長いとシャッター速度が遅く、露光時間が短いとシャッター速度が速いことを意味するものである。
モニタ5は、画像メモリ2に保持された画像や画像速度情報を表示する。
なお、図1に示す画像速度装置の構成は、以下の実施の形態1〜5のすべてについて共通する。
【0007】
〈処理フロー〉
図2は、本実施の形態における画像速度の算出を実施する処理フローを示す図である。
まず、S101において、図1のカメラ1により撮像された画像を取得する。
次に、S102において、カメラ1により撮像された画像に像流れが発生する像流れ領域を抽出する。ここで、1画素とは画像1枚を構成する最小単位を意味し、画像の位置と明るさを決めるデータである。また、像流れとは、カメラ1の露光時間中に撮像対象物が1画素以上移動することにより発生するいわゆる画像の流れを意味する。例えば、車両前方に歩行者が飛び出していた場合や走行する車両から前方を連続して撮像した場合に画像内の物体が画像内を、中心から周囲へ流れるように移動してみえる場合などである。
次に、S103において、抽出した像流れ領域の露光時間を計測する。
次に、S104において、抽出した像流れ領域の露光時間が長いか否かを判定する。露光時間が長い場合は、S105の処理、ない場合はS106の処理を実施する。
次に、露光時間が長いある場合は、S105において、カメラ1の露光時間をある所定の値だけ短くし、S101へ戻る。
次に、露光時間が長くない場合は、S106において、現時点の露光時間の逆数を算出し、移動領域の速度を算出し、S101へ戻る。
【0008】
このように本実施の形態の画像速度算出装置は、画像を撮像するカメラ1と、カメラ1により撮像された画像に像流れが発生する像流れ領域を抽出し、抽出された像流れ領域の露光時間を判定し、露光時間が長いと判定された場合に、カメラ1の露光時間を短い時間に変更し、露光時間が長くないと判定された場合に、カメラ1の露光時間に基づいて、画像に像流れが発生する像流れ領域の画像速度を算出するマイコン3とを有する。
このようにカメラ1により撮像された画像に像流れが発生する像流れ領域を抽出し、カメラ1の露光時間を変化させながら撮像した複数の画像について処理を行い、画像に像流れが発生する像流れ領域の露光時間を短くし、そのときの露光時間に基づいて対象(画像速度算出対象)の画像速度を算出するため、対象が画面上で高速に移動している場合でも、対象の画像速度を算出することができる。
なお、露光時間の具体的な計測手段の例については、以下の実施の形態2、3において説明する。
【0009】
《実施の形態2》
図3は、本実施の形態における図1のカメラ1の露光時間をカメラ制御部4で変更しながら、マイコン3で画像速度を算出する手段を示す図である。
図3の(a)は撮像画像を示し、31は観測領域、32は画像上の物体である。
(b)はカメラ1で1フレーム(カメラ1で撮像された画像1枚を表す単位)を撮像する撮像周期を示す。
(c)はカメラ1の露光時間を示す。
(d)は撮像画像#1〜#5を示す。
(e)は撮像画像#1〜#5の周波数解析#1〜#5を示す。
(f)は周波数解析#1〜#5による高周波成分を示す。
【0010】
高速に移動する対象は露光時間が長いと、シャッターを開いて露光している間に1画素より多く流れてしまう。そして、図3(d)の撮像画像#1〜#3のように撮像した画像上に像流れが生じてしまう。ここで2画素以上の場合は当然ながら画像上に像流れが生じる。また、1.1画素、1.5画素の場合にも画像上に流れが生じてしまう。
ところが、このような対象は露光時間を短くすることでシャッターを開いて露光している間に1画素より多く動かなくなり、図3(d)の撮像画像#4、5のように画像に像流れがない画像を撮像することができる。
このような撮像画像#1〜#5について、図3(e)に示すように周波数解析を行なうと、画像に像流れが多いほど高周波成分が少なく、画像に像流れが少ないほど高周波成分が多くなり、図3(f)に示すように、画像に像流れがなくなると高周波成分は最大かつ一定となる(変化しなくなる)。
このような特徴に基づいて、露光時間を短くしていき、高周波成分の変化がなくなる露光時間を抽出することで画像の像流れが発生しなくなる時点がわかる。そして、この時点における露光時間が対象が1画素流れる時間となる。
つまり、この露光時間の逆数が対象の画像速度となる。
【0011】
〈処理フロー〉
図4は、本実施の形態における画像速度の算出を実施する処理フローを示す図である。
まず、S201において、図1のカメラ1により撮像された画像を取得する。
次に、S202において、カメラ1により撮像された画像の観測領域(図3の31参照)を設定し、画像に像流れが発生する像流れ領域を抽出する。
次に、S203において、周波数フーリエ変換(FFT)等を用いて、抽出した像流れ領域の周波数解析を行い、高周波成分の変化を観測する。
次に、S204において、高周波成分の変化があるか否かを判定する。すなわち、ある露光時間で撮像した画像における像流れ領域の高周波成分と、それより所定の値だけ短い露光時間で撮像した画像における像流れ領域の高周波成分とを比較して、ある所定の値以下の変化量である場合には、S205の処理、それより大きい変化量である場合はS206の処理を実施する。
次に、ある所定値以下の変化量である場合には、S205において、現時点の露光時間の逆数を算出し、高速画像領域の速度を算出し、S207へ進む。
次に、ある所定値以上の変化量である場合には、S206において、カメラ1の露光時間をある所定の値だけ短くし、S201へ戻る。
次に、S207において、S205で算出された画像速度をモニタ5に適宜表わすモニタ表示を行い、S201へ戻る。
【0012】
本実施の形態では、本実施の形態の画像速度算出装置は、画像を撮像するカメラ1と、カメラ1により撮像された画像上の像流れが1画素より多く流れたことを判定し、1画素より多く流れたと判定された場合に、カメラ1の露光時間を変更し、1画素の像流れであると判定された場合に、カメラ1の露光時間に基づいて、高速移動領域の画像速度を算出するマイコン3とを有する。
このように本実施の形態では、画像上の像流れを判定し、カメラ1の露光時間を高速に変化させながら撮像した複数の画像について処理を行い、1画素流れた時の画像を抽出し、そのときの露光時間から対象の画像速度を算出するため、対象が画面上で高速に移動している場合でも、対象の画像速度が算出できる。
【0013】
また、マイコン3において1画素の像流れを判定するには、カメラ制御部4によりカメラ1の露光時間を短くしながら撮像した画像(高速移動領域)の周波数解析を行って高周波成分を算出し、この高周波成分が最大かつ一定となった時点の画像を、1画素流れた時の画像であると判定する。
このように露光時間を高速に変化させて撮像した複数の画像の像流れ領域の高周波成分の変化を観測し、高周波成分の変化がなくなる画像を抽出することで、像流れ領域が1画素の像流れとなる露光時間がわかるため、対象が画面上で高速に移動している場合でも、露光時間の逆数を算出することで対象の画像速度を算出することができる。
【0014】
《実施の形態3》
図5は、本実施の形態におけるカメラ1の露光時間をカメラ制御部4で変更しながら、マイコン3で画像速度を算出する手段を示す図である。図3に示した実施の形態2とは別の手段を示す。本図は実施の形態2の図3と同様の図であり、重複する部分は説明を省略する。
図5(a)は撮像画像を示す。
(b)はカメラ1で1フレーム(カメラ1で撮像された画像1枚を表す単位)を撮像する撮像周期を示す。
(c)は露光時間を示す。
(d)は撮像画像#1〜#5を示す。
(e)は図5(d)撮像画像#1〜#5のエッジ画像#1〜#5を示す。
(f)は図5(e)エッジ画像#1〜#5のエッジ強度を示す。
【0015】
図3と同様に、高速に移動する対象は露光時間が長いと、シャッターを開いて露光している間に1画素より多く流れてしまい、図5(d)の撮像画像#1〜#3、図5(e)のエッジ画像#1〜#3のように撮像した画像に像流れが生じてしまう。
ところが、このような対象は露光時間を短くすることでシャッターを開いて露光している間に1画素より多く流れなくなり、図5(d)画像#4、5のように画像に像流れがない画像を撮像することができる。
このような撮像画像#1〜#5のエッジ強度を観測すると、図5(f)に示すように、画像の像流れが多いほどエッジ強度が弱く、画像の像流れが少ないほどエッジ強度が強くなり、画像の像流れがなくなるとエッジ強度は最大かつ一定となる。
このような特徴に基づいて、露光時間を短くしていき、エッジ強度変化がなくなる露光時間を抽出することで画像に像流れが発生しなくなる時点がわかる。そして、この時点における露光時間が、対象が1画素流れる時間となる。
つまり、この露光時間の逆数が対象の画像速度となる。
【0016】
本実施の形態では、マイコン3において1画素の像流れを判定するには、カメラ制御部4によりカメラ1の露光時間を短くしながら撮像した画像のエッジ強度を算出し、このエッジ強度が最大かつ一定となった時点の画像を、1画素流れた時の画像であると判定する。
このように露光時間を高速に変化させて撮像した複数の画像の像流れ領域におけるエッジ強度の変化を観測し、エッジ強度の変化がなくなる画像を抽出することで、像流れ領域が1画素流れる露光時間がわかるため、対象が画面上で高速に移動している場合でも、露光時間の逆数を算出することで対象の画像速度が算出できる。
【0017】
《実施の形態4》
本実施の形態は、図1のカメラ1(あるいは画像速度算出装置全体)を移動体、例えば自動車等の車両に搭載した場合の実施の形態である。
カメラ1は例えば車両の前部に設置され、車両の前方を撮像する。
モニタ5は車両に搭載され、画像メモリ2に保持された画像に、マイコン3によって算出された画像速度情報を重畳表示する。
その他の構成は、図1に示した実施の形態1と同様である。本実施の形態においても、カメラ1の露光時間をカメラ制御部4で変更しながら、マイコン3で画像速度を算出するものである。
【0018】
図6(a)は、車両の前部に搭載したカメラ1で車両の前方を撮像した撮像画像を示す。、(b)は、横方向の各座標位置について画像速度を統計処理し、(車両、すなわち、カメラ1の移動による)最も頻度の高い画像速度をプロットした画像速度プロファイルを示す。
(a)において、61は低速移動体、62は高速移動体、(b)において、63は低速移動領域、64は高速移動領域である。
【0019】
車両が道路上を前方に走行し、カメラ1が視軸方向へ動いている場合、相対的にカメラ1の視軸向きを中心として左右に画像が動く。また、その速度はカメラ1の視軸向きから離れるほど大きくなる。
このような特徴に基づいて、カメラ1の視軸向き方向に近い方向で撮像された物体は、画像上での移動量が少なく、フレーム(カメラ1で撮像された画像1枚を表す単位)間で1画素以上動かない低速移動体61としてその画素に止まっている。
そして、その低速移動体61がその画素に止まっているフレーム数をカウントすることで、その低速移動体61の画像速度を算出することができる。
【0020】
このようにして算出された低速移動体61の存在する図6(b)の実線で示す低速移動領域63の画像速度プロファイルを元に、空間的連続性を考慮して、1画素より多く移動し、画面両端に高速移動体62が存在する高速移動領域64の画像速度プロファイルを、(b)の破線に示すように推定することができる。
このように、推定された低速移動領域63の画像速度プロファイルに基づいて、高速移動領域64の画像速度を補正することで、カメラ1が動いている場合でも、その移動によって発生する相対的な速度を排除することができる。
すなわち、車両等の移動体に搭載されたカメラ1でも、カメラ1の移動量による相対速度を排除することが可能となり、カメラ1の近くに存在する高速に移動する対象の画像速度でも計測することができる。
【0021】
〈処理フロー〉
図7は、本実施の形態における画像速度の算出を実施する処理フローを示す図である。ここでは、実施の形態3で説明した画像速度算出の手段を使用する例について説明する。すなわち、露光時間を短くしながら撮像した画像のエッジ強度を算出し、エッジ強度が最大かつ一定となった時点の画像を、1画素流れた時の画像であると判定する手段を使用する。
【0022】
まず、S401において、カメラ1(図1参照)により撮像された画像を取得する。
次に、S402において、カメラ1から入力され、画像メモリ2に保持された撮像画像に対し、ソベルフィルタ演算処理を行い、横エッジ画像を算出する。
次に、S403において、S402によって算出された横エッジ画像を1フレーム遅延させた画像を画像メモリ2に保持する。
次に、S404において、S402とS403で算出された横エッジ画像と1フレーム遅延させた横エッジ画像との差分画像を算出する。
次に、S405において、S404で算出された横エッジ差分画像に基づいてエッジの有無を判定し、エッジがある場合はS406、ない場合にはS408を実施する。
次に、S406において、S405で抽出された差分画像における横エッジについて、該エッジが同じ画素に何フレーム存在するかをカウント(投票)する。
次に、S407において、S406でカウントされた同一画素に存在するフレーム数を逆数にして、該横エッジの画像速度、すなわち、低速画像の速度を算出する。次いで、その情報をモニタ5(図1)に送る。
【0023】
一方、S405で差分画像においてエッジがないと判定された場合に、S408において、S402で抽出された横エッジのソベルフィルタ出力であるエッジ強度を算出する。
次に、S409において、S407で算出された横エッジの低速画像の速度について、同じx座標(画像横方向)毎に、そのx座標に存在する画像速度の最も多い速度を算出し、各x座標の低画像速度プロファイルを算出する(図6(b)の実線)。
そして、この算出した低画像速度プロファイルに基づいて、空間的連続性を満足するように高速画像の速度のプロファイルを推定し(図6(b)の破線)、画面両端の高速移動領域を含めた全x座標における画像速度プロファイルを算出する(図6(b)の実線及び破線を含む画像速度プロファイル)。
次に、S410において、S409で算出された画像速度プロファイル情報に基づいて、車両、すなわち、カメラ1の移動によって発生する相対的な速度を排除し、高速画像の速度を補正する。すなわち、S409で推定された画像速度分、位置をずらした位置に存在していた前フレームの横エッジのエッジ強度を読み出す。
次に、S411において、S408で算出されたある露光時間で撮像した画像における像流れ領域におけるエッジ強度と、S410で読み出されたそれより所定の値だけ短い露光時間で撮像した画像における像流れ領域のエッジ強度とを比較して、ある所定の値以下の変化量である場合には、S412の処理、それより大きい変化量である場合はS413の処理を実施する。
次に、ある所定値以下の変化量である場合には、S412において、S405で抽出された横エッジの画像速度として現時点の露光時間の逆数を算出し、高速画像領域の速度を算出してS415へ進む。
次に、ある所定値以上の変化量である場合には、S413において、S408で算出された横エッジの位置、エッジ強度を保持しておく。
次に、S414において、カメラ1の露光時間をある所定の値だけ短くし、S401へ戻る。 次に、S415において、S407及びS412で算出された画像速度をモニタ5に適宜表わすモニタ表示を行う。
例えば、画像メモリ2に保持された画像に、マイコン3によって算出された画像速度情報として、画面において右に移動しているものは青、左に移動しているものは赤というように色相を変えながら重畳表示する。
【0024】
本実施の形態では、カメラ1が車両等の移動体に搭載され、マイコン3は、画像上の流れが1画素より多いとされなかった低速移動領域が、1画素流れるのに要したフレーム数を計測することにより、低速移動領域の画像速度を算出する。そして、この低速移動領域における画像速度情報に基づいて、空間的な連続性から高速移動領域における画像速度を推定し、この高速移動領域においてカメラ1が移動することにより発生する相対的な画像速度を排除し、1画素の像流れを判定する。
このように低速移動領域において計測された画像速度を用いて高速移動領域の動きを推定する構成になっているため、カメラ1が移動物体に搭載され、移動している場合でも、この移動による相対的な画像速度をキャンセルすることができる。
したがって、カメラ1を車両等の移動体に搭載し、移動体が移動している場合でも、画像速度を算出することができ、また、移動するカメラ1の近くに存在し、画像上で相対的に高速で移動する対象でも画像速度を算出することができる。
【0025】
《実施の形態5》
本実施の形態は、所定の時刻から複数の異なる露光時間の画像が撮像可能なカメラ(図1のカメラ1参照)を用いて、画像速度を算出する場合の実施の形態である。
図8(a)は、上方からカメラ1を眺めた図で、所定の時刻T0から所定のある時間であるT秒毎の時刻T0〜T4における対象の動きを表した図である。
θ1はカメラ1の1画素あたりの画角である。
θ2、θ3、θ4はそれぞれ時刻T0〜T4におけるカメラ1から対象に到る方向の角度である。図では、T0〜T4のみ例示しているが、もっと多数の場合も可能である。
図8(b)〜(e)の撮像画像#1〜#4はそれぞれ、時刻T0〜T1、T0〜T2、T0〜T3、T0〜T4の間、露光して撮像した1フレームにおいて露光時間の異なる画像である。
すなわち、所定の時刻T0から露光時間を露光し、それぞれ時刻T1、T2、T3、T4で撮像した画像である。
【0026】
例えば、T秒が対象が1画素移動する時間であった場合、撮像画像#1はT0〜T1のT秒間露光しているため、対象は同一画素に存在する。
撮像画像#2〜#4は、露光しているT0〜T2、T0〜T3、T0〜T4間に対象が2画素、3画素、4画素移動するため、画像に像流れが発生する。
このように所定の時刻T0から複数の露光時間の画像が撮像されるため、実施の形態2で説明した周波数解析、あるいは実施の形態3で説明したエッジ強度の観測を行なうことにより、これらの撮像画像#1〜#4における画像に像流れのない画像を抽出することができ、それに基づいて画像速度を計測することができる。
【0027】
〈処理フロー〉
図9は、本実施の形態において、図3に示した上記実施の形態2における周波数解析を用いて、画像速度の算出を実施する処理フローを示す。
S501〜S507は、実施の形態4のS401〜S407と全く同一の処理をするものであるので、説明を省略する。
【0028】
S505で差分画像においてエッジがないと判定された場合、S508において、1フレームで、ある所定時間ずつずらした複数の露光時間で撮像した画像を出力するようにカメラ1を制御する。
次に、S509において、S508で撮像された露光時間が異なる複数の画像について周波数解析処理を行う。
次に、S510において、S509で算出された周波数解析結果から、高周波成分が最大でかつ一定となる露光時間を検出する。
次に、S511において、S510で検出された高周波成分が最大でかつ一定となる露光時間の逆数を画像速度として算出する。
次に、S512において、S507及びS511で算出された画像速度情報をモニタ5に表示する。
【0029】
本実施の形態では、複数の異なる露光時間の画像を撮像するカメラ1と、カメラ1により撮像された画像上の像流れが1画素より多く流れたことを判定し、1画素より多く流れたと判定された場合に、カメラ1の露光時間を変更し、カメラ1の露光時間に基づいてこの高速移動領域の画像速度を算出するマイコン3とを有する。
このように本実施の形態では、ある所定の時刻T0から複数の異なるシャッタ速度で撮像された画像について処理を行う構成なので、ある時刻T0を基準として複数の露光時間で対象を観測することができるため、高速に移動する対象でも画像速度を算出することができる。
また、本実施の形態では、例えば1フレームにおいて複数の異なる露光時間の画像を撮像し、画像速度を算出するので、処理時間を短縮することができる。
また、実施の形態4と比較して、高速移動領域の画像速度を推定しないので、速度算出精度を向上できる。
なお、本実施の形態においても、画像速度を算出するに際し、露光時間を変更することももちろん可能である。
【0030】
なお、以上説明した実施の形態は、本発明の技術的思想の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、前記実施の形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
また、特許請求の範囲における各構成要素と、発明の実施の形態における各構成要素との対応について説明する。
すなわち、実施の形態におけるカメラ1が、特許請求の範囲の撮像手段に、マイコン3が、画像流れ判定手段、露光時間変更手段、画像速度算出手段、1画素移動判定手段に、カメラ制御部4が、1画素移動変更手段にそれぞれ対応する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態1の画像速度算出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1における処理フローを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態2における画像速度を算出する手段を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態2における処理フローを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態3における画像速度を算出する手段を示す図である。
【図6】(a)は本発明の実施の形態4において、車両前部に搭載したカメラで車両前方を撮像した撮像画像を示す図、(b)は画像速度プロファイルを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態4における処理フローを示す図である。
【図8】(a)は本発明の実施の形態5において、上方からカメラ1と移動する対象を眺めた図、(b)〜(e)はそれぞれ時刻T0〜T1、T0〜T2、T0〜T3、T0〜T4の間、シャッタを開放して撮像した撮像画像#1〜#4を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態5における処理フローを示す図である。
【符号の説明】
【0032】
1…カメラ 2…画像メモリ
3…マイコン 4…カメラ制御部
5…モニタ
31…観測領域 32…画像上の物体
61…低速移動体 62…高速移動体
63…低速移動領域 64…高速移動領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像した画像の速度を算出する画像速度算出装置及び画像速度算出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像速度算出装置は、例えば下記特許文献1に記載されている。
下記従来技術では、画像の速度を算出するために車載カメラから撮像した撮像画像から勾配法という計算手法によって対象物のオプティカルフロー(画像上における動きを示すベクトル)を算出している。勾配法は、対象物の濃淡値の分布が保持されていることを前提とし、離散的にサンプリングされた画像に基づいた連立拘束式を解くことによってオプティカルフローを算出することができる。そして、算出したオプティカルフローの方向及び大きさから画像の速度を算出している。
【特許文献1】特開平11−160335号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来技術では、対象物の濃淡値の分布が保持されていることを前提に画像の速度を算出している。このため対象物が早い動きをする場合には、対象物の濃淡値分布に大きな変化が発生することになるため、オプティカルフローによる画像速度を算出することが難しいという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、撮像手段により撮像された画像に前記撮像手段の露光中に発生する画像の流れを判定して、判定された画像の流れに基づいて、撮像手段の露光時間を短い時間に変更する。そして短くした露光時間に基づいて画像速度を算出する。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、撮像手段の露光時間を画像の流れが発生しない時間に変更することで画像速度を算出するようにしたので、濃度値分布の変化による影響を受けることなく対象物が早い動きをする場合に画像速度を算出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
《実施の形態1》
〈画像速度算出装置の構成〉
図1は、本発明の実施の形態1の画像速度算出装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施の形態の画像速度算出装置は、カメラ1、画像メモリ2、マイコン3、カメラ制御部4、モニタ5が接続されている。
高速カメラ等の電子式のカメラ1は画像を撮像する。画像メモリ2は、カメラ1で撮像された明るさの度合い(すなわち、輝度)をデジタル値に変換し保持する。マイコン3は、画像メモリ2に保持された画像を処理し、画像上の移動領域(画像上で移動している対象に対応する領域)の画像速度(移動領域の単位時間あたりの移動量)を算出する。また、画像速度を算出する際に設定するカメラ1の露光時間を算出し、カメラ制御部4に指示する。カメラ制御部4は、マイコン3によって指示された露光時間になるようにカメラ1の露光時間を制御する。なお、露光時間の長さは、カメラ1の電子シャッターまたは機械的シャッターのシャッター速度により決まる。また、露光時間とシャッター速度との関係は、露光時間が長いとシャッター速度が遅く、露光時間が短いとシャッター速度が速いことを意味するものである。
モニタ5は、画像メモリ2に保持された画像や画像速度情報を表示する。
なお、図1に示す画像速度装置の構成は、以下の実施の形態1〜5のすべてについて共通する。
【0007】
〈処理フロー〉
図2は、本実施の形態における画像速度の算出を実施する処理フローを示す図である。
まず、S101において、図1のカメラ1により撮像された画像を取得する。
次に、S102において、カメラ1により撮像された画像に像流れが発生する像流れ領域を抽出する。ここで、1画素とは画像1枚を構成する最小単位を意味し、画像の位置と明るさを決めるデータである。また、像流れとは、カメラ1の露光時間中に撮像対象物が1画素以上移動することにより発生するいわゆる画像の流れを意味する。例えば、車両前方に歩行者が飛び出していた場合や走行する車両から前方を連続して撮像した場合に画像内の物体が画像内を、中心から周囲へ流れるように移動してみえる場合などである。
次に、S103において、抽出した像流れ領域の露光時間を計測する。
次に、S104において、抽出した像流れ領域の露光時間が長いか否かを判定する。露光時間が長い場合は、S105の処理、ない場合はS106の処理を実施する。
次に、露光時間が長いある場合は、S105において、カメラ1の露光時間をある所定の値だけ短くし、S101へ戻る。
次に、露光時間が長くない場合は、S106において、現時点の露光時間の逆数を算出し、移動領域の速度を算出し、S101へ戻る。
【0008】
このように本実施の形態の画像速度算出装置は、画像を撮像するカメラ1と、カメラ1により撮像された画像に像流れが発生する像流れ領域を抽出し、抽出された像流れ領域の露光時間を判定し、露光時間が長いと判定された場合に、カメラ1の露光時間を短い時間に変更し、露光時間が長くないと判定された場合に、カメラ1の露光時間に基づいて、画像に像流れが発生する像流れ領域の画像速度を算出するマイコン3とを有する。
このようにカメラ1により撮像された画像に像流れが発生する像流れ領域を抽出し、カメラ1の露光時間を変化させながら撮像した複数の画像について処理を行い、画像に像流れが発生する像流れ領域の露光時間を短くし、そのときの露光時間に基づいて対象(画像速度算出対象)の画像速度を算出するため、対象が画面上で高速に移動している場合でも、対象の画像速度を算出することができる。
なお、露光時間の具体的な計測手段の例については、以下の実施の形態2、3において説明する。
【0009】
《実施の形態2》
図3は、本実施の形態における図1のカメラ1の露光時間をカメラ制御部4で変更しながら、マイコン3で画像速度を算出する手段を示す図である。
図3の(a)は撮像画像を示し、31は観測領域、32は画像上の物体である。
(b)はカメラ1で1フレーム(カメラ1で撮像された画像1枚を表す単位)を撮像する撮像周期を示す。
(c)はカメラ1の露光時間を示す。
(d)は撮像画像#1〜#5を示す。
(e)は撮像画像#1〜#5の周波数解析#1〜#5を示す。
(f)は周波数解析#1〜#5による高周波成分を示す。
【0010】
高速に移動する対象は露光時間が長いと、シャッターを開いて露光している間に1画素より多く流れてしまう。そして、図3(d)の撮像画像#1〜#3のように撮像した画像上に像流れが生じてしまう。ここで2画素以上の場合は当然ながら画像上に像流れが生じる。また、1.1画素、1.5画素の場合にも画像上に流れが生じてしまう。
ところが、このような対象は露光時間を短くすることでシャッターを開いて露光している間に1画素より多く動かなくなり、図3(d)の撮像画像#4、5のように画像に像流れがない画像を撮像することができる。
このような撮像画像#1〜#5について、図3(e)に示すように周波数解析を行なうと、画像に像流れが多いほど高周波成分が少なく、画像に像流れが少ないほど高周波成分が多くなり、図3(f)に示すように、画像に像流れがなくなると高周波成分は最大かつ一定となる(変化しなくなる)。
このような特徴に基づいて、露光時間を短くしていき、高周波成分の変化がなくなる露光時間を抽出することで画像の像流れが発生しなくなる時点がわかる。そして、この時点における露光時間が対象が1画素流れる時間となる。
つまり、この露光時間の逆数が対象の画像速度となる。
【0011】
〈処理フロー〉
図4は、本実施の形態における画像速度の算出を実施する処理フローを示す図である。
まず、S201において、図1のカメラ1により撮像された画像を取得する。
次に、S202において、カメラ1により撮像された画像の観測領域(図3の31参照)を設定し、画像に像流れが発生する像流れ領域を抽出する。
次に、S203において、周波数フーリエ変換(FFT)等を用いて、抽出した像流れ領域の周波数解析を行い、高周波成分の変化を観測する。
次に、S204において、高周波成分の変化があるか否かを判定する。すなわち、ある露光時間で撮像した画像における像流れ領域の高周波成分と、それより所定の値だけ短い露光時間で撮像した画像における像流れ領域の高周波成分とを比較して、ある所定の値以下の変化量である場合には、S205の処理、それより大きい変化量である場合はS206の処理を実施する。
次に、ある所定値以下の変化量である場合には、S205において、現時点の露光時間の逆数を算出し、高速画像領域の速度を算出し、S207へ進む。
次に、ある所定値以上の変化量である場合には、S206において、カメラ1の露光時間をある所定の値だけ短くし、S201へ戻る。
次に、S207において、S205で算出された画像速度をモニタ5に適宜表わすモニタ表示を行い、S201へ戻る。
【0012】
本実施の形態では、本実施の形態の画像速度算出装置は、画像を撮像するカメラ1と、カメラ1により撮像された画像上の像流れが1画素より多く流れたことを判定し、1画素より多く流れたと判定された場合に、カメラ1の露光時間を変更し、1画素の像流れであると判定された場合に、カメラ1の露光時間に基づいて、高速移動領域の画像速度を算出するマイコン3とを有する。
このように本実施の形態では、画像上の像流れを判定し、カメラ1の露光時間を高速に変化させながら撮像した複数の画像について処理を行い、1画素流れた時の画像を抽出し、そのときの露光時間から対象の画像速度を算出するため、対象が画面上で高速に移動している場合でも、対象の画像速度が算出できる。
【0013】
また、マイコン3において1画素の像流れを判定するには、カメラ制御部4によりカメラ1の露光時間を短くしながら撮像した画像(高速移動領域)の周波数解析を行って高周波成分を算出し、この高周波成分が最大かつ一定となった時点の画像を、1画素流れた時の画像であると判定する。
このように露光時間を高速に変化させて撮像した複数の画像の像流れ領域の高周波成分の変化を観測し、高周波成分の変化がなくなる画像を抽出することで、像流れ領域が1画素の像流れとなる露光時間がわかるため、対象が画面上で高速に移動している場合でも、露光時間の逆数を算出することで対象の画像速度を算出することができる。
【0014】
《実施の形態3》
図5は、本実施の形態におけるカメラ1の露光時間をカメラ制御部4で変更しながら、マイコン3で画像速度を算出する手段を示す図である。図3に示した実施の形態2とは別の手段を示す。本図は実施の形態2の図3と同様の図であり、重複する部分は説明を省略する。
図5(a)は撮像画像を示す。
(b)はカメラ1で1フレーム(カメラ1で撮像された画像1枚を表す単位)を撮像する撮像周期を示す。
(c)は露光時間を示す。
(d)は撮像画像#1〜#5を示す。
(e)は図5(d)撮像画像#1〜#5のエッジ画像#1〜#5を示す。
(f)は図5(e)エッジ画像#1〜#5のエッジ強度を示す。
【0015】
図3と同様に、高速に移動する対象は露光時間が長いと、シャッターを開いて露光している間に1画素より多く流れてしまい、図5(d)の撮像画像#1〜#3、図5(e)のエッジ画像#1〜#3のように撮像した画像に像流れが生じてしまう。
ところが、このような対象は露光時間を短くすることでシャッターを開いて露光している間に1画素より多く流れなくなり、図5(d)画像#4、5のように画像に像流れがない画像を撮像することができる。
このような撮像画像#1〜#5のエッジ強度を観測すると、図5(f)に示すように、画像の像流れが多いほどエッジ強度が弱く、画像の像流れが少ないほどエッジ強度が強くなり、画像の像流れがなくなるとエッジ強度は最大かつ一定となる。
このような特徴に基づいて、露光時間を短くしていき、エッジ強度変化がなくなる露光時間を抽出することで画像に像流れが発生しなくなる時点がわかる。そして、この時点における露光時間が、対象が1画素流れる時間となる。
つまり、この露光時間の逆数が対象の画像速度となる。
【0016】
本実施の形態では、マイコン3において1画素の像流れを判定するには、カメラ制御部4によりカメラ1の露光時間を短くしながら撮像した画像のエッジ強度を算出し、このエッジ強度が最大かつ一定となった時点の画像を、1画素流れた時の画像であると判定する。
このように露光時間を高速に変化させて撮像した複数の画像の像流れ領域におけるエッジ強度の変化を観測し、エッジ強度の変化がなくなる画像を抽出することで、像流れ領域が1画素流れる露光時間がわかるため、対象が画面上で高速に移動している場合でも、露光時間の逆数を算出することで対象の画像速度が算出できる。
【0017】
《実施の形態4》
本実施の形態は、図1のカメラ1(あるいは画像速度算出装置全体)を移動体、例えば自動車等の車両に搭載した場合の実施の形態である。
カメラ1は例えば車両の前部に設置され、車両の前方を撮像する。
モニタ5は車両に搭載され、画像メモリ2に保持された画像に、マイコン3によって算出された画像速度情報を重畳表示する。
その他の構成は、図1に示した実施の形態1と同様である。本実施の形態においても、カメラ1の露光時間をカメラ制御部4で変更しながら、マイコン3で画像速度を算出するものである。
【0018】
図6(a)は、車両の前部に搭載したカメラ1で車両の前方を撮像した撮像画像を示す。、(b)は、横方向の各座標位置について画像速度を統計処理し、(車両、すなわち、カメラ1の移動による)最も頻度の高い画像速度をプロットした画像速度プロファイルを示す。
(a)において、61は低速移動体、62は高速移動体、(b)において、63は低速移動領域、64は高速移動領域である。
【0019】
車両が道路上を前方に走行し、カメラ1が視軸方向へ動いている場合、相対的にカメラ1の視軸向きを中心として左右に画像が動く。また、その速度はカメラ1の視軸向きから離れるほど大きくなる。
このような特徴に基づいて、カメラ1の視軸向き方向に近い方向で撮像された物体は、画像上での移動量が少なく、フレーム(カメラ1で撮像された画像1枚を表す単位)間で1画素以上動かない低速移動体61としてその画素に止まっている。
そして、その低速移動体61がその画素に止まっているフレーム数をカウントすることで、その低速移動体61の画像速度を算出することができる。
【0020】
このようにして算出された低速移動体61の存在する図6(b)の実線で示す低速移動領域63の画像速度プロファイルを元に、空間的連続性を考慮して、1画素より多く移動し、画面両端に高速移動体62が存在する高速移動領域64の画像速度プロファイルを、(b)の破線に示すように推定することができる。
このように、推定された低速移動領域63の画像速度プロファイルに基づいて、高速移動領域64の画像速度を補正することで、カメラ1が動いている場合でも、その移動によって発生する相対的な速度を排除することができる。
すなわち、車両等の移動体に搭載されたカメラ1でも、カメラ1の移動量による相対速度を排除することが可能となり、カメラ1の近くに存在する高速に移動する対象の画像速度でも計測することができる。
【0021】
〈処理フロー〉
図7は、本実施の形態における画像速度の算出を実施する処理フローを示す図である。ここでは、実施の形態3で説明した画像速度算出の手段を使用する例について説明する。すなわち、露光時間を短くしながら撮像した画像のエッジ強度を算出し、エッジ強度が最大かつ一定となった時点の画像を、1画素流れた時の画像であると判定する手段を使用する。
【0022】
まず、S401において、カメラ1(図1参照)により撮像された画像を取得する。
次に、S402において、カメラ1から入力され、画像メモリ2に保持された撮像画像に対し、ソベルフィルタ演算処理を行い、横エッジ画像を算出する。
次に、S403において、S402によって算出された横エッジ画像を1フレーム遅延させた画像を画像メモリ2に保持する。
次に、S404において、S402とS403で算出された横エッジ画像と1フレーム遅延させた横エッジ画像との差分画像を算出する。
次に、S405において、S404で算出された横エッジ差分画像に基づいてエッジの有無を判定し、エッジがある場合はS406、ない場合にはS408を実施する。
次に、S406において、S405で抽出された差分画像における横エッジについて、該エッジが同じ画素に何フレーム存在するかをカウント(投票)する。
次に、S407において、S406でカウントされた同一画素に存在するフレーム数を逆数にして、該横エッジの画像速度、すなわち、低速画像の速度を算出する。次いで、その情報をモニタ5(図1)に送る。
【0023】
一方、S405で差分画像においてエッジがないと判定された場合に、S408において、S402で抽出された横エッジのソベルフィルタ出力であるエッジ強度を算出する。
次に、S409において、S407で算出された横エッジの低速画像の速度について、同じx座標(画像横方向)毎に、そのx座標に存在する画像速度の最も多い速度を算出し、各x座標の低画像速度プロファイルを算出する(図6(b)の実線)。
そして、この算出した低画像速度プロファイルに基づいて、空間的連続性を満足するように高速画像の速度のプロファイルを推定し(図6(b)の破線)、画面両端の高速移動領域を含めた全x座標における画像速度プロファイルを算出する(図6(b)の実線及び破線を含む画像速度プロファイル)。
次に、S410において、S409で算出された画像速度プロファイル情報に基づいて、車両、すなわち、カメラ1の移動によって発生する相対的な速度を排除し、高速画像の速度を補正する。すなわち、S409で推定された画像速度分、位置をずらした位置に存在していた前フレームの横エッジのエッジ強度を読み出す。
次に、S411において、S408で算出されたある露光時間で撮像した画像における像流れ領域におけるエッジ強度と、S410で読み出されたそれより所定の値だけ短い露光時間で撮像した画像における像流れ領域のエッジ強度とを比較して、ある所定の値以下の変化量である場合には、S412の処理、それより大きい変化量である場合はS413の処理を実施する。
次に、ある所定値以下の変化量である場合には、S412において、S405で抽出された横エッジの画像速度として現時点の露光時間の逆数を算出し、高速画像領域の速度を算出してS415へ進む。
次に、ある所定値以上の変化量である場合には、S413において、S408で算出された横エッジの位置、エッジ強度を保持しておく。
次に、S414において、カメラ1の露光時間をある所定の値だけ短くし、S401へ戻る。 次に、S415において、S407及びS412で算出された画像速度をモニタ5に適宜表わすモニタ表示を行う。
例えば、画像メモリ2に保持された画像に、マイコン3によって算出された画像速度情報として、画面において右に移動しているものは青、左に移動しているものは赤というように色相を変えながら重畳表示する。
【0024】
本実施の形態では、カメラ1が車両等の移動体に搭載され、マイコン3は、画像上の流れが1画素より多いとされなかった低速移動領域が、1画素流れるのに要したフレーム数を計測することにより、低速移動領域の画像速度を算出する。そして、この低速移動領域における画像速度情報に基づいて、空間的な連続性から高速移動領域における画像速度を推定し、この高速移動領域においてカメラ1が移動することにより発生する相対的な画像速度を排除し、1画素の像流れを判定する。
このように低速移動領域において計測された画像速度を用いて高速移動領域の動きを推定する構成になっているため、カメラ1が移動物体に搭載され、移動している場合でも、この移動による相対的な画像速度をキャンセルすることができる。
したがって、カメラ1を車両等の移動体に搭載し、移動体が移動している場合でも、画像速度を算出することができ、また、移動するカメラ1の近くに存在し、画像上で相対的に高速で移動する対象でも画像速度を算出することができる。
【0025】
《実施の形態5》
本実施の形態は、所定の時刻から複数の異なる露光時間の画像が撮像可能なカメラ(図1のカメラ1参照)を用いて、画像速度を算出する場合の実施の形態である。
図8(a)は、上方からカメラ1を眺めた図で、所定の時刻T0から所定のある時間であるT秒毎の時刻T0〜T4における対象の動きを表した図である。
θ1はカメラ1の1画素あたりの画角である。
θ2、θ3、θ4はそれぞれ時刻T0〜T4におけるカメラ1から対象に到る方向の角度である。図では、T0〜T4のみ例示しているが、もっと多数の場合も可能である。
図8(b)〜(e)の撮像画像#1〜#4はそれぞれ、時刻T0〜T1、T0〜T2、T0〜T3、T0〜T4の間、露光して撮像した1フレームにおいて露光時間の異なる画像である。
すなわち、所定の時刻T0から露光時間を露光し、それぞれ時刻T1、T2、T3、T4で撮像した画像である。
【0026】
例えば、T秒が対象が1画素移動する時間であった場合、撮像画像#1はT0〜T1のT秒間露光しているため、対象は同一画素に存在する。
撮像画像#2〜#4は、露光しているT0〜T2、T0〜T3、T0〜T4間に対象が2画素、3画素、4画素移動するため、画像に像流れが発生する。
このように所定の時刻T0から複数の露光時間の画像が撮像されるため、実施の形態2で説明した周波数解析、あるいは実施の形態3で説明したエッジ強度の観測を行なうことにより、これらの撮像画像#1〜#4における画像に像流れのない画像を抽出することができ、それに基づいて画像速度を計測することができる。
【0027】
〈処理フロー〉
図9は、本実施の形態において、図3に示した上記実施の形態2における周波数解析を用いて、画像速度の算出を実施する処理フローを示す。
S501〜S507は、実施の形態4のS401〜S407と全く同一の処理をするものであるので、説明を省略する。
【0028】
S505で差分画像においてエッジがないと判定された場合、S508において、1フレームで、ある所定時間ずつずらした複数の露光時間で撮像した画像を出力するようにカメラ1を制御する。
次に、S509において、S508で撮像された露光時間が異なる複数の画像について周波数解析処理を行う。
次に、S510において、S509で算出された周波数解析結果から、高周波成分が最大でかつ一定となる露光時間を検出する。
次に、S511において、S510で検出された高周波成分が最大でかつ一定となる露光時間の逆数を画像速度として算出する。
次に、S512において、S507及びS511で算出された画像速度情報をモニタ5に表示する。
【0029】
本実施の形態では、複数の異なる露光時間の画像を撮像するカメラ1と、カメラ1により撮像された画像上の像流れが1画素より多く流れたことを判定し、1画素より多く流れたと判定された場合に、カメラ1の露光時間を変更し、カメラ1の露光時間に基づいてこの高速移動領域の画像速度を算出するマイコン3とを有する。
このように本実施の形態では、ある所定の時刻T0から複数の異なるシャッタ速度で撮像された画像について処理を行う構成なので、ある時刻T0を基準として複数の露光時間で対象を観測することができるため、高速に移動する対象でも画像速度を算出することができる。
また、本実施の形態では、例えば1フレームにおいて複数の異なる露光時間の画像を撮像し、画像速度を算出するので、処理時間を短縮することができる。
また、実施の形態4と比較して、高速移動領域の画像速度を推定しないので、速度算出精度を向上できる。
なお、本実施の形態においても、画像速度を算出するに際し、露光時間を変更することももちろん可能である。
【0030】
なお、以上説明した実施の形態は、本発明の技術的思想の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、前記実施の形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
また、特許請求の範囲における各構成要素と、発明の実施の形態における各構成要素との対応について説明する。
すなわち、実施の形態におけるカメラ1が、特許請求の範囲の撮像手段に、マイコン3が、画像流れ判定手段、露光時間変更手段、画像速度算出手段、1画素移動判定手段に、カメラ制御部4が、1画素移動変更手段にそれぞれ対応する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態1の画像速度算出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1における処理フローを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態2における画像速度を算出する手段を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態2における処理フローを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態3における画像速度を算出する手段を示す図である。
【図6】(a)は本発明の実施の形態4において、車両前部に搭載したカメラで車両前方を撮像した撮像画像を示す図、(b)は画像速度プロファイルを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態4における処理フローを示す図である。
【図8】(a)は本発明の実施の形態5において、上方からカメラ1と移動する対象を眺めた図、(b)〜(e)はそれぞれ時刻T0〜T1、T0〜T2、T0〜T3、T0〜T4の間、シャッタを開放して撮像した撮像画像#1〜#4を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態5における処理フローを示す図である。
【符号の説明】
【0032】
1…カメラ 2…画像メモリ
3…マイコン 4…カメラ制御部
5…モニタ
31…観測領域 32…画像上の物体
61…低速移動体 62…高速移動体
63…低速移動領域 64…高速移動領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された画像に前記撮像手段の露光中に発生する画像の流れを判定する画像流れ判定手段と、
前記画像流れ判定手段により判定された前記画像の流れに基づいて、
前記撮像手段の露光時間を短い露光時間に変更する露光時間変更手段と、
前記露光時間変更手段により変更された前記露光時間に基づいて
前記画像の速度を算出する画像速度算出手段と、
を有することを特徴とする画像速度算出装置。
【請求項2】
撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された画像に前記撮像手段の露光中に発生する画像の流れが1画素以上流れたことを判定する1画素移動判定手段と、
前記1画素移動判定手段により判定された画像の流れに基づいて、
前記撮像手段の露光時間を1画素の流れとなる露光時間に変更する1画素移動変更手段と、
前記1画素移動変更手段により変更された前記露光時間に基づいて、
前記画像の速度を算出する画像速度算出手段と
を有することを特徴とする画像速度算出装置。
【請求項3】
前記1画素移動判定手段は、
前記1画素移動変更手段により露光時間を短くしながら撮像した画像の周波数解析を行って高周波成分をの変化を算出し、
前記高周波成分が変化しなくなる時点の画像を、
1画素流れた時の画像であると判定することを特徴とする
請求項2記載の画像速度算出装置。
【請求項4】
前記1画素移動判定手段は、
前記1画素移動変更手段により露光時間を短くしながら撮像した画像のエッジ強度の変化を算出し、
前記エッジ強度が変化しなくなる時点の画像を、
1画素流れた時の画像であると判定することを特徴とする
請求項2記載の画像速度算出装置。
【請求項5】
所定の時刻から複数の異なる露光時間で画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された画像に前記撮像手段の露光中に物体が動くことで発生する画像の流れが1画素以上流れたことを判定する1画素移動判定手段と、
前記1画素移動判定手段により画像の流れが1画素の流れであると判定された場合に、前記 撮像手段の露光時間に基づいて前記画像の速度を算出する画像速度算出手段と
を有することを特徴とする画像速度算出装置。
【請求項6】
前記画像速度算出手段は、
前記画像が1画素以上流れたと判定されない領域を検出する低速移動領域検出手段と、前記低速移動領域検出手段により1画素より多く流れたと判定されない場合には、1画素移動するのに要したフレーム数を計測することにより、前記低速移動領域の画像速度を算出することを特徴とする請求項2または5記載の画像速度算出装置。
【請求項7】
前記画像速度算出手段は、
前記低速移動領域検出手段により画像が1画素以上流れたと判定されなかった低速移動領 域を、1画素移動するのに要したフレーム数を計測することにより、前記低速移動領域の画像速度を算出し、
前記1画素移動判定手段は、
前記画像速度算出手段により算出された低速移動領域における画像速度情報に基づいて、空間的な連続性から前記高速移動領域における画像速度を推定し、前記高速移動領域において前記撮像手段が移動することにより発生する相対的な画像速度を排除し、1画素の流れを判定することを特徴とする請求項2記載の画像速度算出装置。
【請求項8】
画像を撮像し、
撮像した画像に発生する画像の流れに基づいて
撮像する露光時間を短い時間に変更して画像の速度を算出する
ことを特徴とする画像速度算出方法。
【請求項1】
撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された画像に前記撮像手段の露光中に発生する画像の流れを判定する画像流れ判定手段と、
前記画像流れ判定手段により判定された前記画像の流れに基づいて、
前記撮像手段の露光時間を短い露光時間に変更する露光時間変更手段と、
前記露光時間変更手段により変更された前記露光時間に基づいて
前記画像の速度を算出する画像速度算出手段と、
を有することを特徴とする画像速度算出装置。
【請求項2】
撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された画像に前記撮像手段の露光中に発生する画像の流れが1画素以上流れたことを判定する1画素移動判定手段と、
前記1画素移動判定手段により判定された画像の流れに基づいて、
前記撮像手段の露光時間を1画素の流れとなる露光時間に変更する1画素移動変更手段と、
前記1画素移動変更手段により変更された前記露光時間に基づいて、
前記画像の速度を算出する画像速度算出手段と
を有することを特徴とする画像速度算出装置。
【請求項3】
前記1画素移動判定手段は、
前記1画素移動変更手段により露光時間を短くしながら撮像した画像の周波数解析を行って高周波成分をの変化を算出し、
前記高周波成分が変化しなくなる時点の画像を、
1画素流れた時の画像であると判定することを特徴とする
請求項2記載の画像速度算出装置。
【請求項4】
前記1画素移動判定手段は、
前記1画素移動変更手段により露光時間を短くしながら撮像した画像のエッジ強度の変化を算出し、
前記エッジ強度が変化しなくなる時点の画像を、
1画素流れた時の画像であると判定することを特徴とする
請求項2記載の画像速度算出装置。
【請求項5】
所定の時刻から複数の異なる露光時間で画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された画像に前記撮像手段の露光中に物体が動くことで発生する画像の流れが1画素以上流れたことを判定する1画素移動判定手段と、
前記1画素移動判定手段により画像の流れが1画素の流れであると判定された場合に、前記 撮像手段の露光時間に基づいて前記画像の速度を算出する画像速度算出手段と
を有することを特徴とする画像速度算出装置。
【請求項6】
前記画像速度算出手段は、
前記画像が1画素以上流れたと判定されない領域を検出する低速移動領域検出手段と、前記低速移動領域検出手段により1画素より多く流れたと判定されない場合には、1画素移動するのに要したフレーム数を計測することにより、前記低速移動領域の画像速度を算出することを特徴とする請求項2または5記載の画像速度算出装置。
【請求項7】
前記画像速度算出手段は、
前記低速移動領域検出手段により画像が1画素以上流れたと判定されなかった低速移動領 域を、1画素移動するのに要したフレーム数を計測することにより、前記低速移動領域の画像速度を算出し、
前記1画素移動判定手段は、
前記画像速度算出手段により算出された低速移動領域における画像速度情報に基づいて、空間的な連続性から前記高速移動領域における画像速度を推定し、前記高速移動領域において前記撮像手段が移動することにより発生する相対的な画像速度を排除し、1画素の流れを判定することを特徴とする請求項2記載の画像速度算出装置。
【請求項8】
画像を撮像し、
撮像した画像に発生する画像の流れに基づいて
撮像する露光時間を短い時間に変更して画像の速度を算出する
ことを特徴とする画像速度算出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2007−195141(P2007−195141A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−246745(P2006−246745)
【出願日】平成18年9月12日(2006.9.12)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月12日(2006.9.12)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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