略地図生成装置および略地図生成方法
【課題】小さな表示画面に表示した場合であっても視認性に優れ、また利用者が迷い難い略地図を生成する。
【解決手段】出発地点から目的地点までの経路に沿った地図情報から経路ノード、経路リンク、経路道路幅、側道ノード、側道リンク、および側道道路幅で構成される経路情報を抽出する(S1)。その抽出した経路情報から所定の条件を満たす経路ノードを分割点として出発地点から目的地点までの経路を経路リンク群に分割し(S2)、分割された経路リンク群を直線化または曲線化した略地図を生成(S3)するようにした。
【解決手段】出発地点から目的地点までの経路に沿った地図情報から経路ノード、経路リンク、経路道路幅、側道ノード、側道リンク、および側道道路幅で構成される経路情報を抽出する(S1)。その抽出した経路情報から所定の条件を満たす経路ノードを分割点として出発地点から目的地点までの経路を経路リンク群に分割し(S2)、分割された経路リンク群を直線化または曲線化した略地図を生成(S3)するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小さな表示画面に表示した場合であっても視認性に優れ、また利用者が迷い難い略地図を生成する略地図生成装置および略地図生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、GPS(Global Positioning System)に代表される位置取得技術の高精度化により、自動車の運転者や歩行者を対象とした地図サービスの利用が拡大している。例えば、GPSで取得した現在地から入力した目的地までの略地図を自動生成し、車載ナビゲーション装置や携帯電話等の携帯情報装置の画面で目的地までの経路を確認することができる道案内サービス(いわゆるナビゲーションサービス)がある。
【0003】
このような道案内サービスにおいては、表示画面が狭いため、道路やランドマーク等の地図の表示要素が少ない場合はもちろんであるが、表示要素が多い場合であってもその表示がつぶれて有効な情報が得られないという問題や拡大・縮小・スクロール等の操作が必要になるという問題があった。
このような問題に鑑み、従来の略地図生成装置および略地図生成方法は、直線に近い道路を直線または直線に近い線に変形する道路の直線化、道路の直線部分の方向が一定角度(例えば45度)の整数倍で近似する道路方向の量子化(例えば、特許文献1参照)、経路から遠く離れたランドマークや目立たないランドマークを省略するランドマーク情報の省略等の処理を行い略地図を生成し、車載ナビゲーション装置や携帯情報装置の画面に表示させているものがある。
【0004】
また、略地図を予めグリッド線で分割しておき、グリッド線の交点に道路の交差点を配置してその交差点間の角度を45度単位に量子化し、略地図を生成しているものもある(例えば、特許文献2参照)。
さらに、バネモデルを用いて変形した経路のデータと所定の単純図形を表すデータとの類似度を数値化し、その類似度が閾値以下の場合、その変形した経路を採用するようにして略地図を生成するようにしているものもある(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2006−18022号公報(段落「0019」〜段落「0024」、図3)
【特許文献2】特開2002−123170号公報(段落「0039」〜段落「0041」、図3)
【特許文献3】特開2006−171584号公報(段落「0065」〜段落「0073」、図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の技術において、現在地から目的地までの経路を変形して生成した略地図は、視認性を重視するあまり道案内に必要な情報が欠落し、また不必要な情報が表示され道案内サービスを利用する利用者は目的地に到着するまでに道に迷ってしまうことがあるという問題がある。
また、交差点等の利用者の目標となる場所の座標を含め目的地の座標が実際の座標とずれが生じ、その略地図の経路は元の地図の経路から乖離したものとなってしまい道案内サービスを利用する利用者は目的地に到着するまでに道に迷ってしまうことがあるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのため、本発明は、出発地点から目的地点までの経路に沿った地図情報を記憶部に記憶させる地図情報入力手段と、前記地図情報入力手段で記憶部に記憶させた地図情報から出発地点から目的地点の経路上の任意の地点を示す経路ノード、隣接する経路ノードを結ぶ線分を示す経路リンク、経路リンクの道路幅を示す経路道路幅、経路以外の地点を示す側道ノード、前記経路ノードと側道ノードを結ぶ線分を示す側道リンク、および側道リンクの道路幅を示す側道道路幅で構成される経路情報を抽出する経路情報抽出手段と、前記経路情報抽出手段が抽出した経路情報から一の経路リンクの延長線と他の経路リンクの延長線の交点の外角が第1の閾値以上となる経路ノード、経路道路幅が変化する経路ノード、経路リンクの進行直線方向に対して第2の閾値以上の角を形成する経路リンク有する経路ノード、側道道路幅が経路道路幅より広くなる経路ノード、または側道リンクが経路リンクの進行直線方向に対して第3の閾値以下の角を有する経路ノードを分割点として経路を経路リンク群に分割する経路分割手段と、前記経路分割手段で分割された経路リンク群の一の経路リンクの延長線と他の経路リンクの延長線の交点の外角が前記第1の閾値以上となる経路リンク群を曲線化し、また前記外角が前記第1の閾値未満の経路リンク群を直線化する直線化曲線化手段と、前記直線化曲線化手段で経路リンク群が直線化または曲線化された略地図を出力する略地図出力手段とを設け、経路に沿った地図情報から略地図を生成するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
このようにした本発明は、小さい画面であっても良好な視認性を確保しつつ、利用者が迷い難い略地図を生成することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明による略地図生成装置および略地図生成方法の実施例を説明する。
【実施例】
【0010】
図1は実施例における略地図生成装置の構成を示すブロック図である。
図1において、1は略地図生成装置であり、入力された詳細な地図情報から経路主体の簡略化された略地図を生成するものである。この略地図生成装置1は、携帯電話、PHS(登録商標:Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機、カーナビゲーション装置やパーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。
【0011】
2は表示部であり、液晶ディスプレイ等で構成されたものである。この表示部2は文字や図柄等で各種ガイダンスや略地図生成装置1の動作状態等を表示する。
3は入力部であり、操作ボタンやキーボード等の入力手段で構成され、その押下等を検知するものである。
4は通信部であり、他の装置との間で図示しないインターネット等の通信回線を介して情報の送受信を行うものである。この通信部4により、図示しないサーバから地図情報を受信することができ、また受信した地図情報から生成した略地図の情報を図示しないサーバ等へ送信することができる。
【0012】
5は記憶部であり、半導体メモリ等の記憶素子で構成され、情報を記憶し、また、記憶した情報を読み出すことができるものである。この記憶部5は略地図生成装置1全体の動作を制御する制御プログラム(ソフトウェア)等を記憶することができる。
6は制御部であり、CPU等の演算および制御手段等で構成され、後述する地図情報入力手段、経路情報抽出手段、経路分割手段、直線化曲線化手段、側道再配置手段、道路幅補正手段、ランドマーク文字情報再配置手段、および略地図出力手段を備えたものである。この制御部6は表示部2、入力部3、通信部4、および記憶部5を含めて略地図生成装置1全体の動作を記憶部5に格納された制御プログラム(ソフトウェア)に基づいて制御する。
【0013】
なお、この略地図生成装置1はCDやDVD等のディスク読取り書込み部を備えたものであってもよい。
上述した構成の作用について説明する。
図2は実施例における略地図生成処理を示すフローチャートであり、図中Sで表すステップにしたがって説明する。
【0014】
なお、以下に説明する各部の動作は、図示しないメモリや磁気ディスク等の記憶手段に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて図示しない中央処理装置等の制御手段により制御される。
また、本実施例において、経路とは、出発地点から目的地点まで道すじを示し、側道とは、経路に交差する道を示すものとする。
【0015】
S1:略地図生成装置1の通信部4は図示しないサーバから出発地点から目的地点までの経路に沿った詳細な地図情報を受信し、またはディスク読取り書込み部はディスクから出発地点から目的地点までの経路に沿った詳細な地図情報を読取り、制御部6の地図情報入力手段はその地図情報を記憶部5に記憶させるものとする(地図情報入力ステップ)。
制御部6の経路情報抽出手段は記憶部5に記憶させた出発地点から目的地点までの経路に沿った詳細な地図情報から図3に示す経路ノード31、経路リンク32、経路道路幅33、経路ランドマーク34、側道ノード35、側道リンク36、側道道路幅37、側道ランドマーク38で構成される経路情報30を抽出して記憶部5に記憶させる(経路情報抽出ステップ)。
【0016】
ここで、経路ノード31、経路リンク32、経路道路幅33、経路ランドマーク34、側道ノード35、側道リンク36、側道道路幅37、側道ランドマーク38について説明する。
図4の実施例における抽出した経路情報の説明図において、経路ノード31は出発地点から目的地点までの経路上の任意の地点(例えば、交差点等)を示す経度および緯度等の座標であり、経路リンク32は隣接する経路ノード31を結ぶ線分を示すものであり、経路道路幅33は経路リンク32の道路幅を示すものであり、経路ランドマーク34は経路ノード31付近の目標物となるランドマークの情報を示すものである。
【0017】
また、側道ノード35は経路ノード31および経路リンク32以外の地点を示す経度および緯度等の座標であり、側道リンク36は経路ノード31と側道ノード35を結ぶ線分(例えば、経路に交差する道路)を示すものであり、側道道路幅36は側道リンク36の道路幅を示すものであり、側道ランドマーク38は側道ノード35付近の目標物となるランドマークの情報を示すものである。
【0018】
なお、経路リンク32および側道リンク36は、例えば、始点と終点の座標を示すものとする。
図3に示すように出発地点の経路ノード31をP(1)、目的地点の経路ノード31をP(n)(nは2以上の整数)で示し、P(1)とP(2)を結ぶ経路リンク32をL(1)、P(2)とP(3)を結ぶ経路リンク32をL(2)、P(n−1)とP(n)を結ぶ経路リンク32をL(n−1)で示し、L(1)の経路道路幅33をW(1)、L(2)の経路道路幅33をW(2)、L(n−1)の経路道路幅33をW(n−1)で示し、P(1)の経路ランドマーク34をLM(1)、P(2)の経路ランドマーク34をLM(2)、P(n−1)の経路ランドマーク34をLM(n−1)で示すものとする。
【0019】
また、同様にP(1)を始点とする側道ノード35をP(1、1)、P(1、2)等、P(2)を始点とする側道ノード35をP(2、1)、P(2、2)等、P(n−1)を始点とする側道ノード35をP(n−1、1)、P(n−1、2)等で示し、P(1)とP(1、1)を結ぶ側道リンク36をL(1、1)、P(1)とP(1、2)を結ぶ側道リンク36をL(1、2)、P(2)とP(2、1)を結ぶ側道リンク36をL(2、1)、P(2)とP(2、2)を結ぶ側道リンク36をL(2、2)等で示し、L(1、1)の側道道路幅37をW(1、1)、L(1、2)の側道道路幅37をW(1、2)、L(2、1)の側道道路幅37をW(2、1)、L(2、2)の側道道路幅37をW(2、2)等で示し、P(1、1)の側道ランドマーク38をLM(1、1)、P(1、2)の側道ランドマーク38をLM(1、2)、P(2、1)の側道ランドマーク38をLM(2、1)、P(2、2)の側道ランドマーク38をLM(2、2)等で示すものとする。
【0020】
S2:次に、制御部6の経路分割手段は記憶部5からその経路情報30を読取り、経路分割処理を行う(経路分割ステップ)。この経路分割処理は、図5に示す抽出した経路情報から図6に示すように連続する一または複数の経路リンクを、出発地点、目的地点、および特定の条件を満たす経路ノード61で複数のグループ(経路リンク群)62に分割する処理であり、その特定の条件を満たす経路ノードが存在しない場合、その全体をひとつのグループ62とする処理である。
【0021】
その特定の条件とは、
(条件1)経路リンクの集合が45度以上の曲線を形成すること、
(条件2)経路道路幅W(i)が経路道路幅W(i−1)と異なる経路ノードP(i)が存在すること、
(条件3)経路リンクL(i)(iは2以上の整数)が経路リンクL(i−1)の進行直線方向に対して45度以上の角を有する経路ノードP(i)が存在すること、
(条件4)側道道路幅W(i、j)が経路道路幅W(i−1)より広くなる経路ノードP(i)が存在すること、
(条件5)側道リンクL(i、j)(jは1以上の整数、以下同様)が経路リンクL(i−1)の進行直線方向に対して60度以下の角を有する経路ノードP(i)が存在することである。
【0022】
この経路分割処理を図8の実施例における経路分割処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって説明する。なお、この経路分割処理は記憶部5に記憶された制御プログラム(ソフトウェア)にしたがって制御部6の経路分割手段が実行するものとする。
S801:記憶部5に配置された変数iに1を代入する(以下、変数は記憶部5に配置される。)。
【0023】
S802:変数countに0を代入する。
ここで、上述した「(条件1)経路リンクの集合が45度以上の曲線を形成すること」の判定、すなわち曲線化判定について説明する。
図7は実施例における曲線化判定処理を示す説明図であり、任意の経路ノードP(m)、P(m+1)、P(m+2)、P(m+3)、P(m+4)、P(m+5)、経路リンクL(m)、L(m+1)、L(m+2)、L(m+3)、L(m+4)が存在するものとする。
【0024】
曲線化判定は、例えば、経路リンクL(m)の延長線と経路リンクL(m+4)の延長線の交点をPCとすると、経路ノードP(m)、交点PC、経路ノードP(m+5)がなす外角αが45度以上であるか否かを判定し、45度以上である場合、経路リンクL(m)、L(m+1)、L(m+2)、L(m+3)、L(m+4)の集合は45度以上の曲線を形成していると判定する。
【0025】
このように曲線化判定を行うために経路リンクは3以上必要になるところ、この変数countは曲線化判定を行うために必要な経路リンクを計数するためのものである。
曲線化判定処理の説明を終了し、図8の説明に戻る。
S803:経路ノードP(i)を分割点とする。
S804:変数iに1を加算し、変数countに1を加算する。
【0026】
S805:変数iが目的地点の経路ノードを示すnと等しいか、すなわち経路分割処理の終了かを判定する。経路分割処理を継続する場合、処理をS806へ移行し、経路分割処理を終了する場合、処理をS812へ移行する。
S806:変数countが3以上であるか否か、すなわち曲線化判定を行うことができるか否かを判定する。曲線化判定が行える(変数countが3以上)場合、処理をS807へ移行し、曲線化判定が行えない(変数countが2以下)場合、処理をS808へ移行する。
【0027】
S807:曲線化判定が行える(変数countが3以上)と判定されると、経路リンクL(i−count)の延長線と経路リンクL(i)の延長線の交点をPCとすると、経路ノードP(i−count)、交点PC、経路ノードP(i)がなす外角αが45度以上であるか否かを判定する。
外角αが45度以上である場合、処理をS802へ移行し、経路ノードP(i)を分割点とする。一方、外角αが45度未満である場合、処理をS808へ移行し、上述した特定の条件(条件2)から(条件5)までを満たすか否かを判定する。
【0028】
なお、経路ノードP(1)からP(n)は座標であるため外角αは容易に算出することができる。
S808:経路道路幅W(i)がW(i−1)と一致するか否か、すなわち経路ノードP(i)において経路道路幅が変化するか否かを判定する。変化していると判定されると処理をS802へ移行し、経路ノードP(i)を分割点とする。一方、変化していないと判定されると処理をS809へ移行する。
【0029】
S809:経路リンクL(i−1)と経路リンクL(i)がなす角度、すなわち経路ノードP(i)において経路リンクが屈曲する角度が45度以上であるか否かを判定する。45度以上であると判定されると処理をS802へ移行し、経路ノードP(i)を分割点とする。一方、45度未満であると判定されると処理をS810へ移行する。
S810:側道道路幅W(i、j)が経路道路幅W(i−1)より大きい、すなわち経路ノードP(i)において側道の道路幅が経路の道路幅より広くなっているか否かを判定する。広くなっていると判定されると処理をS802へ移行し、経路ノードP(i)を分割点とする。一方、広くなっていないと判定されると処理をS811へ移行する。
【0030】
S811:経路リンクL(i−1)と側道リンクL(i、j)がなす角度、すなわち経路ノードP(i)において経路リンクと側道リンクの交差角度が60度より小さいか否かを判定する。小さいと判定されると処理をS802へ移行し、経路ノードP(i)を分割点とする。一方、大きいと判定されると処理をS804へ移行し、次の経路ノードが分割点であるかを判定する処理へ移行する。
【0031】
S812:経路分割処理を終了すると目的地点である経路ノードP(n)を分割点として経路分割処理を終了する。
このようにして経路分割処理を行い、図6に示すように隣接する分割点61間の経路ノードの集合をひとつのグループ62とし、出発地点から目的地点までをひとつまたは複数のグループ62に分割する。
【0032】
経路分割処理の説明を終了し、図2の説明に戻る。
S3:出発地点から目的地点までをひとつまたは複数のグループに分割すると制御部6の直線化曲線化手段はそのグループごとに直線または曲線で近似する直線化・曲線化処理を行う(直線化曲線化ステップ)。
ここで、直線化・曲線化処理とは、上述した曲線化判定処理で曲線であると判定されたグループの分割点と分割点とを図7に示すPCをひとつの制御点とする公知の2次ベジェ曲線で近似し、それ以外の曲線であると判定されなかったグループは分割点と分割点とを1次の直線で近似する処理である。
【0033】
曲線化判定処理で曲線であると判定されたグループを曲線で近似するのは直線で近似すると元の地図と方位が大きく異なってしまうからである。なお、それ以外のグループは直線で近似しても問題はない。
この直線化・曲線化処理を行うと、例えば図9に示すように複数の分割点61、その分割点61を結ぶ直線65、および曲線66で構成された略地図が生成される。
【0034】
S4:直線化・曲線化処理を行うと制御部6の側道再配置手段は直線化・曲線化した経路リンクに対して側道ノードおよび側道リンクを再配置する側道再配置処理を行う(側道再配置ステップ)。このとき分割点の側道リンクを削除してしまうと利用者が道に迷う原因となるため、分割点にのみ経路リンクとの交差角度が変わらぬように座標変換しながら側道ノードおよび側道リンクを再配置する。
【0035】
例えば、図10に示すように側道ノード67および側道リンク68を再配置する。
S5:側道再配置処理を行うと制御部6の道路幅補正手段は直線化・曲線化した経路リンク、再配置した側道リンクの道路幅を補正する道路幅補正処理を行う(道路幅補正ステップ)。本実施例では、経路道路幅W(i)、側道道路幅W(i、j)から「片側2車線以上の道路」、「片側1車線の道路」、「一方通行のような狭い道路」の3種類に分類するものとする。
【0036】
例えば、図11に示すように片側1車線の道路70および片側2車線以上の道路71にして略地図を生成するものとする。
S6:道路幅補正処理を行うと制御部6のランドマーク文字情報再配置手段は経路ノードおよび側道ノード周辺に配置するランドマークを選択するランドマーク選択処理を行う。ここで、選択されるランドマークは、微小画面での視認性確保の観点から、経路の曲がり角付近のランドマーク(経路の分割点に最も近いランドマークであって、図13のランドマーク有効度表140に示すランドマークの有効度レベルが最も高いひとつ以上のランドマーク)を選択し、また、経路の曲がり角以外であっても目印として認識し易いランドマーク(簡略化前の経路ノードまたは側道ノードに最も近いランドマークであって、図13のランドマーク有効度表140に示すランドマークの有効度レベルがレベル3以上のランドマーク)とする。
【0037】
これにより、経路の分割点付近ではひとつ以上のランドマークが、分割点付近以外でも有効度レベルが3以上のランドマークが表示される。
なお、地図情報30の経路ランドマーク34は最も近い経路ノード31に関連付けられており、また有効度レベル等の情報を含むものとする。
S7:ランドマーク選択処理を行うと制御部6のランドマーク文字情報再配置手段は選択されたランドマークおよびその文字情報を経路リンクや側道リンクとの位置関係が変わらぬように座標変換を行い再配置するランドマーク・文字情報再配置処理を行う(ランドマーク文字情報再配置ステップ)。
【0038】
このランドマーク・文字情報再配置処理を図14の実施例におけるランドマーク再配置処理を示す説明図を用いて説明する。
図14(a)は簡略前の経路ノードP(i)〜P(i+4)、経路リンクL(i)〜L(i+3)、およびランドマーク151を示し、図14(b)は簡略後の経路ノードP(i)〜P(i+4)、およびランドマーク151を示し、また経路ノードP(i+1)はランドマーク151に最も近い経路ノードを示している。なお、経路ノードP(i)、P(i+4)は分割点であるものとする。
【0039】
まず、経路ノードP(i+1)で分割される経路リンクL(i)と経路リンク(i+1)〜L(i+3)の比率を求める。次に、直線化された経路ノードP(i)とP(i+4)とを結ぶ線分を求めた比率で分割するP(t)の座標を求める。
したがって、P(t)で分割された経路ノードP(i)とP(t)を結ぶ線分D(1)とP(t)と経路ノードP(i+4)を結ぶ線分D(2)の比率は経路リンクL(i)と経路リンク(i+1)〜L(i+3)の比率と等しくなる。
【0040】
なお、経路ノードP(i)とP(i+4)との間が曲線化された場合も、同様に経路ノードP(i)とP(i+4)とを結ぶ線分を求めた比率で分割するP(t)の座標を求めるものとし、そのP(t)の座標は、2次のベジェ曲線を用いて算出するものとする。
P(t)の座標を求めるとランドマーク151に最も近い経路ノードP(i+1)とP(t)との距離と方向を算出し、ランドマーク151をその距離と方向にしたがって再配置する。また、ランドマークの文字情報も同様に再配置する。
【0041】
このようにランドマーク・文字情報再配置処理を行うと図12に示すようなランドマーク151およびその文字情報152を再配置された略地図が生成される。
S8:このようにして制御部6は略地図を生成する。制御部6の略地図出力手段は生成した略地図を表示部2に出力(表示)するものとするが、制御部6の略地図出力手段の指示により通信部4は生成した略地図の情報を図示しないサーバへ送信(出力)するようにしてもよい。
【0042】
なお、生成した略地図は、図形の描画・編集等が容易にでき、また携帯電話やカーナビゲーション装置等の情報処理装置のブラウザで表示させることができるSVG(Scalable Vector Graphics)等のベクター記述言語で記述されることが望ましい。
このようにして略地図生成装置1は略地図を生成する処理を行う。
【0043】
図15は実施例における略地図生成結果を示す説明図であり、(a)は簡略化前の地図を示し、(b)は簡略化後の略地図を示している。このように、経路分割処理、直線化・曲線化処理、騒動再配置処理、道路幅補正処理、ランドマーク選択処理、ランドマーク・文字情報再配置処理が施された略地図が生成される。
上述した本実施例は、歩行者用の道案内サービスや自動車等の運転者用の道案内サービス等に広く適用することができるものであるが、特に歩行者用の道案内サービスにおいては以下の利点がある。
【0044】
「(1)歩行者は、曲がり角を参照軸と呼ばれる方向判断基準を用いて方向認識をしている。(2)参照軸にはレベルがあり、最も強い参照軸が前後、次に強い参照軸が左右、最後の参照軸が斜めである。(3)右曲がり、左曲がりによる違いは微々たるもので無視しても差し支えない。」という歩行者の方向判断基準が存在することが一般に知られている(非特許文献1:山本直英、岡部篤行、“曲がり角が一つある通路における定性的方向推論についての実験による分析” CSIS(Center for Spatial Information Science、University of Tokyo)Discussion Paper、No.41、2001 非特許文献2:山本直英、岡部篤行、“曲線通路における方向判断についての実験による分析” CSIS(Center for Spatial Information Science、University of Tokyo)Discussion Paper、No.38、2001)。
【0045】
したがって、本実施例では、45度未満の曲がり角は歩行者にとって進行方向と認識される傾向にあるため、隣接する線分(経路リンク)の交差角度が45度未満の場合は直線として扱い、また、45度以上の曲がり角は歩行者にとって曲がり角と認識される傾向にあるため、隣接する線分(経路リンク)の交差角度が45度以上の場合は曲がり角として扱っている。
【0046】
また、歩行者は、「(4)側道の交差角度が小さくなるほど、また進路変更角度が大きくなるほど歩行者は進路判断に不安を感じる。(5)進路変更を行わない交差点でも太い道路を渡る場合には進路判断に不安を感じることや狭い道路から広い道路に合流したときには歩行者は角度などよりも幹線道路に出たという情報に注意を引かれる。」ことが報告されている(非特許文献3:杉山博史、土井美和子、“交差点形状が与える心理的影響を考慮した道案内システム” 電子情報通信学会論文誌、Vol.J87−A、No.1、pp.59−67、2004)。
【0047】
したがって、本実施例では、経路との交差角度が小さい側道、および経路より道路幅が広い側道は略地図から削除しないようにしている。
さらに、上述した歩行者の心理(1)から(5)を考慮して経路をグループ化する分割点を決定し、その分割点の座標をずらして再配置することなく略地図を生成するようにしたため、歩行者の進路判断に不安を感じさせることがなくなる。
【0048】
以上説明したように、本実施例では、人間の方向判断基準や交差点形状が利用者に与える影響を考慮し、道案内に必要な情報と不要な情報を取捨選択した略地図を生成するようにしたことにより、小さい画面であっても良好な視認性を確保しつつ、利用者が道に迷い難くなるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】実施例における略地図生成装置の構成を示すブロック図
【図2】実施例における略地図生成処理を示すフローチャート
【図3】実施例における経路情報の構成を示す説明図
【図4】実施例における経路情報の説明図
【図5】実施例における抽出した経路情報の説明図
【図6】実施例における経路分割処理を示す説明図
【図7】実施例における曲線化判定処理を示す説明図
【図8】実施例における経路分割処理を示すフローチャート
【図9】実施例における直線化・曲線化処理を示す説明図
【図10】実施例における側道再配置処理を示す説明図
【図11】実施例における道路幅補正処理を示す説明図
【図12】実施例におけるランドマーク選択・再配置処理を示す説明図
【図13】実施例におけるランドマークの有効度を示す説明図
【図14】実施例におけるランドマーク再配置処理を示す説明図
【図15】実施例における略地図生成結果を示す説明図
【符号の説明】
【0050】
1 略地図生成装置
2 表示部
3 入力部
4 通信部
5 記憶部
6 制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、小さな表示画面に表示した場合であっても視認性に優れ、また利用者が迷い難い略地図を生成する略地図生成装置および略地図生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、GPS(Global Positioning System)に代表される位置取得技術の高精度化により、自動車の運転者や歩行者を対象とした地図サービスの利用が拡大している。例えば、GPSで取得した現在地から入力した目的地までの略地図を自動生成し、車載ナビゲーション装置や携帯電話等の携帯情報装置の画面で目的地までの経路を確認することができる道案内サービス(いわゆるナビゲーションサービス)がある。
【0003】
このような道案内サービスにおいては、表示画面が狭いため、道路やランドマーク等の地図の表示要素が少ない場合はもちろんであるが、表示要素が多い場合であってもその表示がつぶれて有効な情報が得られないという問題や拡大・縮小・スクロール等の操作が必要になるという問題があった。
このような問題に鑑み、従来の略地図生成装置および略地図生成方法は、直線に近い道路を直線または直線に近い線に変形する道路の直線化、道路の直線部分の方向が一定角度(例えば45度)の整数倍で近似する道路方向の量子化(例えば、特許文献1参照)、経路から遠く離れたランドマークや目立たないランドマークを省略するランドマーク情報の省略等の処理を行い略地図を生成し、車載ナビゲーション装置や携帯情報装置の画面に表示させているものがある。
【0004】
また、略地図を予めグリッド線で分割しておき、グリッド線の交点に道路の交差点を配置してその交差点間の角度を45度単位に量子化し、略地図を生成しているものもある(例えば、特許文献2参照)。
さらに、バネモデルを用いて変形した経路のデータと所定の単純図形を表すデータとの類似度を数値化し、その類似度が閾値以下の場合、その変形した経路を採用するようにして略地図を生成するようにしているものもある(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2006−18022号公報(段落「0019」〜段落「0024」、図3)
【特許文献2】特開2002−123170号公報(段落「0039」〜段落「0041」、図3)
【特許文献3】特開2006−171584号公報(段落「0065」〜段落「0073」、図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の技術において、現在地から目的地までの経路を変形して生成した略地図は、視認性を重視するあまり道案内に必要な情報が欠落し、また不必要な情報が表示され道案内サービスを利用する利用者は目的地に到着するまでに道に迷ってしまうことがあるという問題がある。
また、交差点等の利用者の目標となる場所の座標を含め目的地の座標が実際の座標とずれが生じ、その略地図の経路は元の地図の経路から乖離したものとなってしまい道案内サービスを利用する利用者は目的地に到着するまでに道に迷ってしまうことがあるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのため、本発明は、出発地点から目的地点までの経路に沿った地図情報を記憶部に記憶させる地図情報入力手段と、前記地図情報入力手段で記憶部に記憶させた地図情報から出発地点から目的地点の経路上の任意の地点を示す経路ノード、隣接する経路ノードを結ぶ線分を示す経路リンク、経路リンクの道路幅を示す経路道路幅、経路以外の地点を示す側道ノード、前記経路ノードと側道ノードを結ぶ線分を示す側道リンク、および側道リンクの道路幅を示す側道道路幅で構成される経路情報を抽出する経路情報抽出手段と、前記経路情報抽出手段が抽出した経路情報から一の経路リンクの延長線と他の経路リンクの延長線の交点の外角が第1の閾値以上となる経路ノード、経路道路幅が変化する経路ノード、経路リンクの進行直線方向に対して第2の閾値以上の角を形成する経路リンク有する経路ノード、側道道路幅が経路道路幅より広くなる経路ノード、または側道リンクが経路リンクの進行直線方向に対して第3の閾値以下の角を有する経路ノードを分割点として経路を経路リンク群に分割する経路分割手段と、前記経路分割手段で分割された経路リンク群の一の経路リンクの延長線と他の経路リンクの延長線の交点の外角が前記第1の閾値以上となる経路リンク群を曲線化し、また前記外角が前記第1の閾値未満の経路リンク群を直線化する直線化曲線化手段と、前記直線化曲線化手段で経路リンク群が直線化または曲線化された略地図を出力する略地図出力手段とを設け、経路に沿った地図情報から略地図を生成するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
このようにした本発明は、小さい画面であっても良好な視認性を確保しつつ、利用者が迷い難い略地図を生成することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明による略地図生成装置および略地図生成方法の実施例を説明する。
【実施例】
【0010】
図1は実施例における略地図生成装置の構成を示すブロック図である。
図1において、1は略地図生成装置であり、入力された詳細な地図情報から経路主体の簡略化された略地図を生成するものである。この略地図生成装置1は、携帯電話、PHS(登録商標:Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機、カーナビゲーション装置やパーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。
【0011】
2は表示部であり、液晶ディスプレイ等で構成されたものである。この表示部2は文字や図柄等で各種ガイダンスや略地図生成装置1の動作状態等を表示する。
3は入力部であり、操作ボタンやキーボード等の入力手段で構成され、その押下等を検知するものである。
4は通信部であり、他の装置との間で図示しないインターネット等の通信回線を介して情報の送受信を行うものである。この通信部4により、図示しないサーバから地図情報を受信することができ、また受信した地図情報から生成した略地図の情報を図示しないサーバ等へ送信することができる。
【0012】
5は記憶部であり、半導体メモリ等の記憶素子で構成され、情報を記憶し、また、記憶した情報を読み出すことができるものである。この記憶部5は略地図生成装置1全体の動作を制御する制御プログラム(ソフトウェア)等を記憶することができる。
6は制御部であり、CPU等の演算および制御手段等で構成され、後述する地図情報入力手段、経路情報抽出手段、経路分割手段、直線化曲線化手段、側道再配置手段、道路幅補正手段、ランドマーク文字情報再配置手段、および略地図出力手段を備えたものである。この制御部6は表示部2、入力部3、通信部4、および記憶部5を含めて略地図生成装置1全体の動作を記憶部5に格納された制御プログラム(ソフトウェア)に基づいて制御する。
【0013】
なお、この略地図生成装置1はCDやDVD等のディスク読取り書込み部を備えたものであってもよい。
上述した構成の作用について説明する。
図2は実施例における略地図生成処理を示すフローチャートであり、図中Sで表すステップにしたがって説明する。
【0014】
なお、以下に説明する各部の動作は、図示しないメモリや磁気ディスク等の記憶手段に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて図示しない中央処理装置等の制御手段により制御される。
また、本実施例において、経路とは、出発地点から目的地点まで道すじを示し、側道とは、経路に交差する道を示すものとする。
【0015】
S1:略地図生成装置1の通信部4は図示しないサーバから出発地点から目的地点までの経路に沿った詳細な地図情報を受信し、またはディスク読取り書込み部はディスクから出発地点から目的地点までの経路に沿った詳細な地図情報を読取り、制御部6の地図情報入力手段はその地図情報を記憶部5に記憶させるものとする(地図情報入力ステップ)。
制御部6の経路情報抽出手段は記憶部5に記憶させた出発地点から目的地点までの経路に沿った詳細な地図情報から図3に示す経路ノード31、経路リンク32、経路道路幅33、経路ランドマーク34、側道ノード35、側道リンク36、側道道路幅37、側道ランドマーク38で構成される経路情報30を抽出して記憶部5に記憶させる(経路情報抽出ステップ)。
【0016】
ここで、経路ノード31、経路リンク32、経路道路幅33、経路ランドマーク34、側道ノード35、側道リンク36、側道道路幅37、側道ランドマーク38について説明する。
図4の実施例における抽出した経路情報の説明図において、経路ノード31は出発地点から目的地点までの経路上の任意の地点(例えば、交差点等)を示す経度および緯度等の座標であり、経路リンク32は隣接する経路ノード31を結ぶ線分を示すものであり、経路道路幅33は経路リンク32の道路幅を示すものであり、経路ランドマーク34は経路ノード31付近の目標物となるランドマークの情報を示すものである。
【0017】
また、側道ノード35は経路ノード31および経路リンク32以外の地点を示す経度および緯度等の座標であり、側道リンク36は経路ノード31と側道ノード35を結ぶ線分(例えば、経路に交差する道路)を示すものであり、側道道路幅36は側道リンク36の道路幅を示すものであり、側道ランドマーク38は側道ノード35付近の目標物となるランドマークの情報を示すものである。
【0018】
なお、経路リンク32および側道リンク36は、例えば、始点と終点の座標を示すものとする。
図3に示すように出発地点の経路ノード31をP(1)、目的地点の経路ノード31をP(n)(nは2以上の整数)で示し、P(1)とP(2)を結ぶ経路リンク32をL(1)、P(2)とP(3)を結ぶ経路リンク32をL(2)、P(n−1)とP(n)を結ぶ経路リンク32をL(n−1)で示し、L(1)の経路道路幅33をW(1)、L(2)の経路道路幅33をW(2)、L(n−1)の経路道路幅33をW(n−1)で示し、P(1)の経路ランドマーク34をLM(1)、P(2)の経路ランドマーク34をLM(2)、P(n−1)の経路ランドマーク34をLM(n−1)で示すものとする。
【0019】
また、同様にP(1)を始点とする側道ノード35をP(1、1)、P(1、2)等、P(2)を始点とする側道ノード35をP(2、1)、P(2、2)等、P(n−1)を始点とする側道ノード35をP(n−1、1)、P(n−1、2)等で示し、P(1)とP(1、1)を結ぶ側道リンク36をL(1、1)、P(1)とP(1、2)を結ぶ側道リンク36をL(1、2)、P(2)とP(2、1)を結ぶ側道リンク36をL(2、1)、P(2)とP(2、2)を結ぶ側道リンク36をL(2、2)等で示し、L(1、1)の側道道路幅37をW(1、1)、L(1、2)の側道道路幅37をW(1、2)、L(2、1)の側道道路幅37をW(2、1)、L(2、2)の側道道路幅37をW(2、2)等で示し、P(1、1)の側道ランドマーク38をLM(1、1)、P(1、2)の側道ランドマーク38をLM(1、2)、P(2、1)の側道ランドマーク38をLM(2、1)、P(2、2)の側道ランドマーク38をLM(2、2)等で示すものとする。
【0020】
S2:次に、制御部6の経路分割手段は記憶部5からその経路情報30を読取り、経路分割処理を行う(経路分割ステップ)。この経路分割処理は、図5に示す抽出した経路情報から図6に示すように連続する一または複数の経路リンクを、出発地点、目的地点、および特定の条件を満たす経路ノード61で複数のグループ(経路リンク群)62に分割する処理であり、その特定の条件を満たす経路ノードが存在しない場合、その全体をひとつのグループ62とする処理である。
【0021】
その特定の条件とは、
(条件1)経路リンクの集合が45度以上の曲線を形成すること、
(条件2)経路道路幅W(i)が経路道路幅W(i−1)と異なる経路ノードP(i)が存在すること、
(条件3)経路リンクL(i)(iは2以上の整数)が経路リンクL(i−1)の進行直線方向に対して45度以上の角を有する経路ノードP(i)が存在すること、
(条件4)側道道路幅W(i、j)が経路道路幅W(i−1)より広くなる経路ノードP(i)が存在すること、
(条件5)側道リンクL(i、j)(jは1以上の整数、以下同様)が経路リンクL(i−1)の進行直線方向に対して60度以下の角を有する経路ノードP(i)が存在することである。
【0022】
この経路分割処理を図8の実施例における経路分割処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって説明する。なお、この経路分割処理は記憶部5に記憶された制御プログラム(ソフトウェア)にしたがって制御部6の経路分割手段が実行するものとする。
S801:記憶部5に配置された変数iに1を代入する(以下、変数は記憶部5に配置される。)。
【0023】
S802:変数countに0を代入する。
ここで、上述した「(条件1)経路リンクの集合が45度以上の曲線を形成すること」の判定、すなわち曲線化判定について説明する。
図7は実施例における曲線化判定処理を示す説明図であり、任意の経路ノードP(m)、P(m+1)、P(m+2)、P(m+3)、P(m+4)、P(m+5)、経路リンクL(m)、L(m+1)、L(m+2)、L(m+3)、L(m+4)が存在するものとする。
【0024】
曲線化判定は、例えば、経路リンクL(m)の延長線と経路リンクL(m+4)の延長線の交点をPCとすると、経路ノードP(m)、交点PC、経路ノードP(m+5)がなす外角αが45度以上であるか否かを判定し、45度以上である場合、経路リンクL(m)、L(m+1)、L(m+2)、L(m+3)、L(m+4)の集合は45度以上の曲線を形成していると判定する。
【0025】
このように曲線化判定を行うために経路リンクは3以上必要になるところ、この変数countは曲線化判定を行うために必要な経路リンクを計数するためのものである。
曲線化判定処理の説明を終了し、図8の説明に戻る。
S803:経路ノードP(i)を分割点とする。
S804:変数iに1を加算し、変数countに1を加算する。
【0026】
S805:変数iが目的地点の経路ノードを示すnと等しいか、すなわち経路分割処理の終了かを判定する。経路分割処理を継続する場合、処理をS806へ移行し、経路分割処理を終了する場合、処理をS812へ移行する。
S806:変数countが3以上であるか否か、すなわち曲線化判定を行うことができるか否かを判定する。曲線化判定が行える(変数countが3以上)場合、処理をS807へ移行し、曲線化判定が行えない(変数countが2以下)場合、処理をS808へ移行する。
【0027】
S807:曲線化判定が行える(変数countが3以上)と判定されると、経路リンクL(i−count)の延長線と経路リンクL(i)の延長線の交点をPCとすると、経路ノードP(i−count)、交点PC、経路ノードP(i)がなす外角αが45度以上であるか否かを判定する。
外角αが45度以上である場合、処理をS802へ移行し、経路ノードP(i)を分割点とする。一方、外角αが45度未満である場合、処理をS808へ移行し、上述した特定の条件(条件2)から(条件5)までを満たすか否かを判定する。
【0028】
なお、経路ノードP(1)からP(n)は座標であるため外角αは容易に算出することができる。
S808:経路道路幅W(i)がW(i−1)と一致するか否か、すなわち経路ノードP(i)において経路道路幅が変化するか否かを判定する。変化していると判定されると処理をS802へ移行し、経路ノードP(i)を分割点とする。一方、変化していないと判定されると処理をS809へ移行する。
【0029】
S809:経路リンクL(i−1)と経路リンクL(i)がなす角度、すなわち経路ノードP(i)において経路リンクが屈曲する角度が45度以上であるか否かを判定する。45度以上であると判定されると処理をS802へ移行し、経路ノードP(i)を分割点とする。一方、45度未満であると判定されると処理をS810へ移行する。
S810:側道道路幅W(i、j)が経路道路幅W(i−1)より大きい、すなわち経路ノードP(i)において側道の道路幅が経路の道路幅より広くなっているか否かを判定する。広くなっていると判定されると処理をS802へ移行し、経路ノードP(i)を分割点とする。一方、広くなっていないと判定されると処理をS811へ移行する。
【0030】
S811:経路リンクL(i−1)と側道リンクL(i、j)がなす角度、すなわち経路ノードP(i)において経路リンクと側道リンクの交差角度が60度より小さいか否かを判定する。小さいと判定されると処理をS802へ移行し、経路ノードP(i)を分割点とする。一方、大きいと判定されると処理をS804へ移行し、次の経路ノードが分割点であるかを判定する処理へ移行する。
【0031】
S812:経路分割処理を終了すると目的地点である経路ノードP(n)を分割点として経路分割処理を終了する。
このようにして経路分割処理を行い、図6に示すように隣接する分割点61間の経路ノードの集合をひとつのグループ62とし、出発地点から目的地点までをひとつまたは複数のグループ62に分割する。
【0032】
経路分割処理の説明を終了し、図2の説明に戻る。
S3:出発地点から目的地点までをひとつまたは複数のグループに分割すると制御部6の直線化曲線化手段はそのグループごとに直線または曲線で近似する直線化・曲線化処理を行う(直線化曲線化ステップ)。
ここで、直線化・曲線化処理とは、上述した曲線化判定処理で曲線であると判定されたグループの分割点と分割点とを図7に示すPCをひとつの制御点とする公知の2次ベジェ曲線で近似し、それ以外の曲線であると判定されなかったグループは分割点と分割点とを1次の直線で近似する処理である。
【0033】
曲線化判定処理で曲線であると判定されたグループを曲線で近似するのは直線で近似すると元の地図と方位が大きく異なってしまうからである。なお、それ以外のグループは直線で近似しても問題はない。
この直線化・曲線化処理を行うと、例えば図9に示すように複数の分割点61、その分割点61を結ぶ直線65、および曲線66で構成された略地図が生成される。
【0034】
S4:直線化・曲線化処理を行うと制御部6の側道再配置手段は直線化・曲線化した経路リンクに対して側道ノードおよび側道リンクを再配置する側道再配置処理を行う(側道再配置ステップ)。このとき分割点の側道リンクを削除してしまうと利用者が道に迷う原因となるため、分割点にのみ経路リンクとの交差角度が変わらぬように座標変換しながら側道ノードおよび側道リンクを再配置する。
【0035】
例えば、図10に示すように側道ノード67および側道リンク68を再配置する。
S5:側道再配置処理を行うと制御部6の道路幅補正手段は直線化・曲線化した経路リンク、再配置した側道リンクの道路幅を補正する道路幅補正処理を行う(道路幅補正ステップ)。本実施例では、経路道路幅W(i)、側道道路幅W(i、j)から「片側2車線以上の道路」、「片側1車線の道路」、「一方通行のような狭い道路」の3種類に分類するものとする。
【0036】
例えば、図11に示すように片側1車線の道路70および片側2車線以上の道路71にして略地図を生成するものとする。
S6:道路幅補正処理を行うと制御部6のランドマーク文字情報再配置手段は経路ノードおよび側道ノード周辺に配置するランドマークを選択するランドマーク選択処理を行う。ここで、選択されるランドマークは、微小画面での視認性確保の観点から、経路の曲がり角付近のランドマーク(経路の分割点に最も近いランドマークであって、図13のランドマーク有効度表140に示すランドマークの有効度レベルが最も高いひとつ以上のランドマーク)を選択し、また、経路の曲がり角以外であっても目印として認識し易いランドマーク(簡略化前の経路ノードまたは側道ノードに最も近いランドマークであって、図13のランドマーク有効度表140に示すランドマークの有効度レベルがレベル3以上のランドマーク)とする。
【0037】
これにより、経路の分割点付近ではひとつ以上のランドマークが、分割点付近以外でも有効度レベルが3以上のランドマークが表示される。
なお、地図情報30の経路ランドマーク34は最も近い経路ノード31に関連付けられており、また有効度レベル等の情報を含むものとする。
S7:ランドマーク選択処理を行うと制御部6のランドマーク文字情報再配置手段は選択されたランドマークおよびその文字情報を経路リンクや側道リンクとの位置関係が変わらぬように座標変換を行い再配置するランドマーク・文字情報再配置処理を行う(ランドマーク文字情報再配置ステップ)。
【0038】
このランドマーク・文字情報再配置処理を図14の実施例におけるランドマーク再配置処理を示す説明図を用いて説明する。
図14(a)は簡略前の経路ノードP(i)〜P(i+4)、経路リンクL(i)〜L(i+3)、およびランドマーク151を示し、図14(b)は簡略後の経路ノードP(i)〜P(i+4)、およびランドマーク151を示し、また経路ノードP(i+1)はランドマーク151に最も近い経路ノードを示している。なお、経路ノードP(i)、P(i+4)は分割点であるものとする。
【0039】
まず、経路ノードP(i+1)で分割される経路リンクL(i)と経路リンク(i+1)〜L(i+3)の比率を求める。次に、直線化された経路ノードP(i)とP(i+4)とを結ぶ線分を求めた比率で分割するP(t)の座標を求める。
したがって、P(t)で分割された経路ノードP(i)とP(t)を結ぶ線分D(1)とP(t)と経路ノードP(i+4)を結ぶ線分D(2)の比率は経路リンクL(i)と経路リンク(i+1)〜L(i+3)の比率と等しくなる。
【0040】
なお、経路ノードP(i)とP(i+4)との間が曲線化された場合も、同様に経路ノードP(i)とP(i+4)とを結ぶ線分を求めた比率で分割するP(t)の座標を求めるものとし、そのP(t)の座標は、2次のベジェ曲線を用いて算出するものとする。
P(t)の座標を求めるとランドマーク151に最も近い経路ノードP(i+1)とP(t)との距離と方向を算出し、ランドマーク151をその距離と方向にしたがって再配置する。また、ランドマークの文字情報も同様に再配置する。
【0041】
このようにランドマーク・文字情報再配置処理を行うと図12に示すようなランドマーク151およびその文字情報152を再配置された略地図が生成される。
S8:このようにして制御部6は略地図を生成する。制御部6の略地図出力手段は生成した略地図を表示部2に出力(表示)するものとするが、制御部6の略地図出力手段の指示により通信部4は生成した略地図の情報を図示しないサーバへ送信(出力)するようにしてもよい。
【0042】
なお、生成した略地図は、図形の描画・編集等が容易にでき、また携帯電話やカーナビゲーション装置等の情報処理装置のブラウザで表示させることができるSVG(Scalable Vector Graphics)等のベクター記述言語で記述されることが望ましい。
このようにして略地図生成装置1は略地図を生成する処理を行う。
【0043】
図15は実施例における略地図生成結果を示す説明図であり、(a)は簡略化前の地図を示し、(b)は簡略化後の略地図を示している。このように、経路分割処理、直線化・曲線化処理、騒動再配置処理、道路幅補正処理、ランドマーク選択処理、ランドマーク・文字情報再配置処理が施された略地図が生成される。
上述した本実施例は、歩行者用の道案内サービスや自動車等の運転者用の道案内サービス等に広く適用することができるものであるが、特に歩行者用の道案内サービスにおいては以下の利点がある。
【0044】
「(1)歩行者は、曲がり角を参照軸と呼ばれる方向判断基準を用いて方向認識をしている。(2)参照軸にはレベルがあり、最も強い参照軸が前後、次に強い参照軸が左右、最後の参照軸が斜めである。(3)右曲がり、左曲がりによる違いは微々たるもので無視しても差し支えない。」という歩行者の方向判断基準が存在することが一般に知られている(非特許文献1:山本直英、岡部篤行、“曲がり角が一つある通路における定性的方向推論についての実験による分析” CSIS(Center for Spatial Information Science、University of Tokyo)Discussion Paper、No.41、2001 非特許文献2:山本直英、岡部篤行、“曲線通路における方向判断についての実験による分析” CSIS(Center for Spatial Information Science、University of Tokyo)Discussion Paper、No.38、2001)。
【0045】
したがって、本実施例では、45度未満の曲がり角は歩行者にとって進行方向と認識される傾向にあるため、隣接する線分(経路リンク)の交差角度が45度未満の場合は直線として扱い、また、45度以上の曲がり角は歩行者にとって曲がり角と認識される傾向にあるため、隣接する線分(経路リンク)の交差角度が45度以上の場合は曲がり角として扱っている。
【0046】
また、歩行者は、「(4)側道の交差角度が小さくなるほど、また進路変更角度が大きくなるほど歩行者は進路判断に不安を感じる。(5)進路変更を行わない交差点でも太い道路を渡る場合には進路判断に不安を感じることや狭い道路から広い道路に合流したときには歩行者は角度などよりも幹線道路に出たという情報に注意を引かれる。」ことが報告されている(非特許文献3:杉山博史、土井美和子、“交差点形状が与える心理的影響を考慮した道案内システム” 電子情報通信学会論文誌、Vol.J87−A、No.1、pp.59−67、2004)。
【0047】
したがって、本実施例では、経路との交差角度が小さい側道、および経路より道路幅が広い側道は略地図から削除しないようにしている。
さらに、上述した歩行者の心理(1)から(5)を考慮して経路をグループ化する分割点を決定し、その分割点の座標をずらして再配置することなく略地図を生成するようにしたため、歩行者の進路判断に不安を感じさせることがなくなる。
【0048】
以上説明したように、本実施例では、人間の方向判断基準や交差点形状が利用者に与える影響を考慮し、道案内に必要な情報と不要な情報を取捨選択した略地図を生成するようにしたことにより、小さい画面であっても良好な視認性を確保しつつ、利用者が道に迷い難くなるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】実施例における略地図生成装置の構成を示すブロック図
【図2】実施例における略地図生成処理を示すフローチャート
【図3】実施例における経路情報の構成を示す説明図
【図4】実施例における経路情報の説明図
【図5】実施例における抽出した経路情報の説明図
【図6】実施例における経路分割処理を示す説明図
【図7】実施例における曲線化判定処理を示す説明図
【図8】実施例における経路分割処理を示すフローチャート
【図9】実施例における直線化・曲線化処理を示す説明図
【図10】実施例における側道再配置処理を示す説明図
【図11】実施例における道路幅補正処理を示す説明図
【図12】実施例におけるランドマーク選択・再配置処理を示す説明図
【図13】実施例におけるランドマークの有効度を示す説明図
【図14】実施例におけるランドマーク再配置処理を示す説明図
【図15】実施例における略地図生成結果を示す説明図
【符号の説明】
【0050】
1 略地図生成装置
2 表示部
3 入力部
4 通信部
5 記憶部
6 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地点から目的地点までの経路に沿った地図情報を記憶部に記憶させる地図情報入力手段と、
前記地図情報入力手段で記憶部に記憶させた地図情報から出発地点から目的地点の経路上の任意の地点を示す経路ノード、隣接する経路ノードを結ぶ線分を示す経路リンク、経路リンクの道路幅を示す経路道路幅、経路以外の地点を示す側道ノード、前記経路ノードと側道ノードを結ぶ線分を示す側道リンク、および側道リンクの道路幅を示す側道道路幅で構成される経路情報を抽出する経路情報抽出手段と、
前記経路情報抽出手段が抽出した経路情報から
一の経路リンクの延長線と他の経路リンクの延長線の交点の外角が第1の閾値以上となる経路ノード、
経路道路幅が変化する経路ノード、
経路リンクの進行直線方向に対して第2の閾値以上の角を形成する経路リンク有する経路ノード、
側道道路幅が経路道路幅より広くなる経路ノード、
または側道リンクが経路リンクの進行直線方向に対して第3の閾値以下の角を有する経路ノード
を分割点として経路を経路リンク群に分割する経路分割手段と、
前記経路分割手段で分割された経路リンク群の一の経路リンクの延長線と他の経路リンクの延長線の交点の外角が前記第1の閾値以上となる経路リンク群を曲線化し、また前記外角が前記第1の閾値未満の経路リンク群を直線化する直線化曲線化手段と、
前記直線化曲線化手段で経路リンク群が直線化または曲線化された略地図を出力する略地図出力手段とを設け、
経路に沿った地図情報から略地図を生成するようにしたことを特徴とする略地図生成装置。
【請求項2】
請求項1の略地図生成装置において、
前記分割点となる経路ノードに、側道ノードおよび側道リンクを再配置する側道再配置手段を設けたことを特徴とする略地図生成装置。
【請求項3】
請求項2の略地図生成装置において、
前記経路リンクおよび側道リンクを、経路道路幅および側道道路幅に応じて所定の道路幅に補正する道路幅補正手段を設けたことを特徴とする略地図生成装置。
【請求項4】
請求項3の略地図生成装置において、
前記分割点となる経路ノードに、最も近くかつ有効度レベルが最も高いランドマークおよびその文字情報を再配置し、また側道ノードに、最も近くかつ有効度レベルが所定のレベル以上のランドマークおよびその文字情報を再配置するランドマーク文字情報再配置手段を設けたことを特徴とする略地図生成装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3または請求項4の略地図生成装置において、
前記第1の閾値ならびに第2の閾値を45度、および第3の閾値を60度としたことを特徴とする略地図生成装置。
【請求項6】
出発地点から目的地点までの経路に沿った地図情報を記憶部に記憶させる地図情報入力ステップと、
前記地図情報入力ステップで記憶部に記憶させた地図情報から出発地点から目的地点の経路上の任意の地点を示す経路ノード、隣接する経路ノードを結ぶ線分を示す経路リンク、経路リンクの道路幅を示す経路道路幅、経路以外の地点を示す側道ノード、前記経路ノードと側道ノードを結ぶ線分を示す側道リンク、および側道リンクの道路幅を示す側道道路幅で構成される経路情報を抽出する経路情報抽出ステップと、
前記経路情報抽出ステップが抽出した経路情報から
一の経路リンクの延長線と他の経路リンクの延長線の交点の外角が第1の閾値以上となる経路ノード、
経路道路幅が変化する経路ノード、
経路リンクの進行直線方向に対して第2の閾値以上の角を形成する経路リンク有する経路ノード、
側道道路幅が経路道路幅より広くなる経路ノード、
または側道リンクが経路リンクの進行直線方向に対して第3の閾値以下の角を有する経路ノード
を分割点として経路を経路リンク群に分割する経路分割ステップと、
前記経路分割ステップで分割された経路リンク群の一の経路リンクの延長線と他の経路リンクの延長線の交点の外角が前記第1の閾値以上となる経路リンク群を曲線化し、また前記外角が前記第1の閾値未満の経路リンク群を直線化する直線化曲線化ステップと、
前記直線化曲線化ステップで経路リンク群が直線化または曲線化された略地図を出力する略地図出力ステップとを設け、
経路に沿った地図情報から略地図を生成するようにしたことを特徴とする略地図生成方法。
【請求項7】
請求項6の略地図生成方法において、
前記分割点となる経路ノードに、側道ノードおよび側道リンクを再配置する側道再配置ステップを設けたことを特徴とする略地図生成方法。
【請求項8】
請求項7の略地図生成方法において、
前記経路リンクおよび側道リンクを、経路道路幅および側道道路幅に応じて所定の道路幅に補正する道路幅補正ステップを設けたことを特徴とする略地図生成方法。
【請求項9】
請求項8の略地図生成方法において、
前記分割点となる経路ノードに、最も近くかつ有効度レベルが最も高いランドマークおよびその文字情報を再配置し、また側道ノードに、最も近くかつ有効度レベルが所定のレベル以上のランドマークおよびその文字情報を再配置するランドマーク文字情報再配置ステップを設けたことを特徴とする略地図生成方法。
【請求項10】
請求項6から請求項8または請求項9の略地図生成方法において、
前記第1の閾値ならびに第2の閾値を45度、および第3の閾値を60度としたことを特徴とする略地図生成方法。
【請求項1】
出発地点から目的地点までの経路に沿った地図情報を記憶部に記憶させる地図情報入力手段と、
前記地図情報入力手段で記憶部に記憶させた地図情報から出発地点から目的地点の経路上の任意の地点を示す経路ノード、隣接する経路ノードを結ぶ線分を示す経路リンク、経路リンクの道路幅を示す経路道路幅、経路以外の地点を示す側道ノード、前記経路ノードと側道ノードを結ぶ線分を示す側道リンク、および側道リンクの道路幅を示す側道道路幅で構成される経路情報を抽出する経路情報抽出手段と、
前記経路情報抽出手段が抽出した経路情報から
一の経路リンクの延長線と他の経路リンクの延長線の交点の外角が第1の閾値以上となる経路ノード、
経路道路幅が変化する経路ノード、
経路リンクの進行直線方向に対して第2の閾値以上の角を形成する経路リンク有する経路ノード、
側道道路幅が経路道路幅より広くなる経路ノード、
または側道リンクが経路リンクの進行直線方向に対して第3の閾値以下の角を有する経路ノード
を分割点として経路を経路リンク群に分割する経路分割手段と、
前記経路分割手段で分割された経路リンク群の一の経路リンクの延長線と他の経路リンクの延長線の交点の外角が前記第1の閾値以上となる経路リンク群を曲線化し、また前記外角が前記第1の閾値未満の経路リンク群を直線化する直線化曲線化手段と、
前記直線化曲線化手段で経路リンク群が直線化または曲線化された略地図を出力する略地図出力手段とを設け、
経路に沿った地図情報から略地図を生成するようにしたことを特徴とする略地図生成装置。
【請求項2】
請求項1の略地図生成装置において、
前記分割点となる経路ノードに、側道ノードおよび側道リンクを再配置する側道再配置手段を設けたことを特徴とする略地図生成装置。
【請求項3】
請求項2の略地図生成装置において、
前記経路リンクおよび側道リンクを、経路道路幅および側道道路幅に応じて所定の道路幅に補正する道路幅補正手段を設けたことを特徴とする略地図生成装置。
【請求項4】
請求項3の略地図生成装置において、
前記分割点となる経路ノードに、最も近くかつ有効度レベルが最も高いランドマークおよびその文字情報を再配置し、また側道ノードに、最も近くかつ有効度レベルが所定のレベル以上のランドマークおよびその文字情報を再配置するランドマーク文字情報再配置手段を設けたことを特徴とする略地図生成装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3または請求項4の略地図生成装置において、
前記第1の閾値ならびに第2の閾値を45度、および第3の閾値を60度としたことを特徴とする略地図生成装置。
【請求項6】
出発地点から目的地点までの経路に沿った地図情報を記憶部に記憶させる地図情報入力ステップと、
前記地図情報入力ステップで記憶部に記憶させた地図情報から出発地点から目的地点の経路上の任意の地点を示す経路ノード、隣接する経路ノードを結ぶ線分を示す経路リンク、経路リンクの道路幅を示す経路道路幅、経路以外の地点を示す側道ノード、前記経路ノードと側道ノードを結ぶ線分を示す側道リンク、および側道リンクの道路幅を示す側道道路幅で構成される経路情報を抽出する経路情報抽出ステップと、
前記経路情報抽出ステップが抽出した経路情報から
一の経路リンクの延長線と他の経路リンクの延長線の交点の外角が第1の閾値以上となる経路ノード、
経路道路幅が変化する経路ノード、
経路リンクの進行直線方向に対して第2の閾値以上の角を形成する経路リンク有する経路ノード、
側道道路幅が経路道路幅より広くなる経路ノード、
または側道リンクが経路リンクの進行直線方向に対して第3の閾値以下の角を有する経路ノード
を分割点として経路を経路リンク群に分割する経路分割ステップと、
前記経路分割ステップで分割された経路リンク群の一の経路リンクの延長線と他の経路リンクの延長線の交点の外角が前記第1の閾値以上となる経路リンク群を曲線化し、また前記外角が前記第1の閾値未満の経路リンク群を直線化する直線化曲線化ステップと、
前記直線化曲線化ステップで経路リンク群が直線化または曲線化された略地図を出力する略地図出力ステップとを設け、
経路に沿った地図情報から略地図を生成するようにしたことを特徴とする略地図生成方法。
【請求項7】
請求項6の略地図生成方法において、
前記分割点となる経路ノードに、側道ノードおよび側道リンクを再配置する側道再配置ステップを設けたことを特徴とする略地図生成方法。
【請求項8】
請求項7の略地図生成方法において、
前記経路リンクおよび側道リンクを、経路道路幅および側道道路幅に応じて所定の道路幅に補正する道路幅補正ステップを設けたことを特徴とする略地図生成方法。
【請求項9】
請求項8の略地図生成方法において、
前記分割点となる経路ノードに、最も近くかつ有効度レベルが最も高いランドマークおよびその文字情報を再配置し、また側道ノードに、最も近くかつ有効度レベルが所定のレベル以上のランドマークおよびその文字情報を再配置するランドマーク文字情報再配置ステップを設けたことを特徴とする略地図生成方法。
【請求項10】
請求項6から請求項8または請求項9の略地図生成方法において、
前記第1の閾値ならびに第2の閾値を45度、および第3の閾値を60度としたことを特徴とする略地図生成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−76593(P2008−76593A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−253830(P2006−253830)
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【出願人】(503223658)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【出願人】(503223658)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]