説明

疼痛を処置するためのTRPA1阻害剤

本出願は、疼痛、失禁およびその他の状態を処置するための化合物および方法に関する。この化合物は、TRPA1媒介電流を10マイクロモル未満のICで阻害する。ある実施形態は、細胞または動物のTRPA1機能を調節する方法であって、TRPA1機能を阻害する化合物の有効量を投与する工程を包含し、この化合物が、TRPA1媒介イオン流束を阻害するものである、細胞または動物のTRPA1機能を調節する方法を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞のTRPA1機能を調節する方法であって、TRPA1媒介電流を10マイクロモル未満のIC50で阻害する低分子の有効量を細胞に投与し、それによって細胞のTRPA1機能を調節する工程を包含する、方法。
【請求項2】
TRPA1機能に関連する疾患又は状態あるいは低下したTRPA1活性が重症度を軽減できる疾患又は状態の症状を予防、治療又は軽減する方法であって、それを必要とする被験体に、TRPA1機能を10マイクロモル未満のIC50で阻害する低分子の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項3】
前記TRPA1機能が内向きTRPA1媒介電流でありかつ前記低分子が前記内向きTRPA1媒介電流を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記TRPA1機能が外向きTRPA1媒介電流でありかつ前記低分子が前記外向きTRPA1媒介電流を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記TRPA1機能がTRPA1媒介電流でありかつ前記低分子が前記TRPA1媒介電流を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記TRPA1機能がTRPA1媒介イオン流束でありかつ前記低分子が前記TRPA1媒介イオン流束を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記低分子が前記TRPA1媒介電流を5マイクロモル未満のIC50で阻害する、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記低分子が前記TRPA1媒介電流を1マイクロモル未満のIC50で阻害する、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記低分子がTRPA1機能をミトコンドリアユニポーター機能よりも少なくとも10倍強く阻害する、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記低分子がTRPA1機能をNaV1.2機能よりも少なくとも10倍強く阻害する、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記低分子がTRPA1機能をTRPV3機能よりも少なくとも10倍強く阻害する、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記低分子がHERG媒介電流を10マイクロモルよりも大きいIC50で阻害する、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記低分子がTRPV3媒介電流を10マイクロモルよりも大きいIC50で阻害する、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記低分子が、10マイクロモルの濃度で投与された場合にはTRPV1媒介電流を実質的に阻害しない、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記低分子が、10マイクロモルの濃度で投与された場合にはHERG媒介電流を実質的に阻害しない、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記低分子が、10マイクロモルの濃度で投与された場合にはTRPV3媒介電流を実質的に阻害しない、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記低分子が、TRPA1機能をTRPV5機能、TRPV6機能、TRPC6機能、ミトコンドリアユニポーター機能、NaV1.2、CaV1.2機能、CaV3.1機能、及びHERG機能のうちの一つ又はそれ以上の阻害についての前記低分子のIC50よりも少なくとも1桁小さいIC50で阻害する、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記低分子が、TRPA1機能をTRPV1、TRPV2、TRPV3、TRPV4、又はTRPM8のうちの一つ又はそれ以上の阻害についての前記低分子のIC50の少なくとも2分の1のIC50で阻害する、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記低分子が、TRPA1機能をTRPV5機能、TRPV6機能、TRPC6機能、ミトコンドリアユニポーター機能、CaV1.2機能、CaV3.1機能、NaV1.2、及びHERG機能のうちの一つ又はそれ以上の阻害についての前記低分子のIC50の少なくとも2分の1のIC50で阻害する、請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記低分子がTRPA1に結合する、請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記低分子が細胞に提供されかつ前記細胞が感覚ニューロンである、請求項1〜20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記感覚ニューロンが脊髄後根神経節、三叉神経節、又は節状神経節に存在する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
疼痛の症状又は接触に対する感受性を予防、治療又は軽減するのに使用される請求項2〜22のいずれに記載の方法。
【請求項24】
前記疼痛が口腔内疼痛である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記低分子がTRPA1阻害についてIC50を有しかつその濃度で投与された場合には前記低分子が患者においてQT間隔の延長を生じない、請求項2〜23のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
疼痛が術後疼痛、癌性疼痛、神経因性疼痛、又は側頭下顎関節痛である、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
炎症の症状を予防、治療又は軽減するのに使用される請求項2〜23のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
膀胱炎又は過敏性腸管症候群の症状を予防、治療又は軽減するのに使用される請求項2〜23のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
糖尿病性神経障害、乾癬、湿疹、皮膚炎、疱疹後神経痛(帯状疱疹)、片頭痛、失禁、発熱、顔面紅潮、変形性関節炎、膵炎、慢性局所疼痛症候群、関節リウマチ及び咳からなる群から選択される障害又は状態の症状を予防、治療又は軽減するのに使用される、請求項2〜23のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
失禁の症状を予防、治療又は軽減するのに使用される請求項2〜23のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記失禁が、全体的に又は部分的に、妊娠、前立腺肥大又は前立腺過形成によって引き起こされる、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記低分子が抗炎症剤、抗ざ瘡剤、抗しわ剤、瘢痕形成防止剤、抗乾癬剤、抗増殖剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、防腐剤、抗片頭痛剤、角質溶解剤、又は毛髪成長阻害剤のうちの一つ又はそれ以上と同時に投与される、請求項1〜31のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
前記低分子がTRPV1阻害剤、TRPV3阻害剤、TRPV4阻害剤又はTRPM8阻害剤のうちの一つ又はそれ以上と同時に投与される、請求項1〜32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
前記低分子が全身投与又は局所投与される、請求項1〜33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記低分子が経口投与される、請求項1〜33のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
前記TRPA1機能がTRPA1媒介電流である、請求項1〜35のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
前記TRPA1機能がTRPA1媒介イオン流束である、請求項1〜35のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
TRPA1の活性化を伴う状態又は低下したTRPA1活性が重症度を軽減できる状態を治療又は予防する方法であって、有効量の式I:
【化1】

の化合物又はその塩、あるいは該化合物又はその塩の溶媒和物、水和物、酸化代謝産物又はプロドラッグを投与する工程を包含し、
式中、
WはO又はS、好ましくはSを表し;
Rは、示されるそれぞれについて独立して、H又は低級アルキル、好ましくはHを表し;
R’は置換又は非置換のアルキルあるいは置換又は非置換のアリールを表し;
Eはカルボン酸(COH)、エステル又はアミドを表し;そして
Arは置換又は非置換のアリール環を表し、
前記化合物がTRPA1媒介電流を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、方法。
【請求項39】
TRPA1の活性化を伴う状態又は低下したTRPA1活性が重症度を軽減できる状態を治療又は予防する方法であって、有効量の式II:
【化2】

の化合物又はその塩、あるいは該化合物又はその塩の溶媒和物、水和物、酸化代謝産物又はプロドラッグを投与する工程を包含し、
式中、
nは1〜3の整数であり;そして
は置換基を表し、
前記化合物がTRPA1媒介電流を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、方法。
【請求項40】
が、必要に応じて置換されたアルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロアリール、必要に応じて置換されたアラルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、又は必要に応じて置換されたヘテロアラルキルを表す、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
TRPA1の活性化を伴う状態又は低下したTRPA1活性が重症度を軽減できる状態を治療又は予防する方法であって、有効量の式III:
【化3】

の化合物又はその塩、あるいは該化合物又はその塩の溶媒和物、水和物、酸化代謝産物又はプロドラッグを投与する工程を包含し、
式中、
nは1〜3の整数であり;そして
は置換基を表し、
前記化合物がTRPA1媒介電流を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、方法。
【請求項42】
TRPA1の活性化を伴う状態又は低下したTRPA1活性が重症度を軽減できる状態を治療又は予防する方法であって、有効量の式IV:
【化4】

の化合物又はその塩、あるいは該化合物又はその塩の溶媒和物、水和物、酸化代謝産物又はプロドラッグを投与する工程を包含し、
式中、
は、示されるそれぞれについて独立して、H又は低級アルキルを表し;
の示される一つは存在せずかつRの示される一つはMであり;
は置換又は非置換のアリールを表し;
Mは、示されるそれぞれについて独立して、置換又は非置換のメチレン基、NR、O、S、S(O)、又はS(O)を表し、好ましくは2個のヘテロ原子が互いに隣り合わないように選択され;そして
mは0〜10の整数であり、
前記化合物がTRPA1媒介電流を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、方法。
【請求項43】
前記TRPA1媒介電流が内向きTRPA1媒介電流でありかつ前記化合物が前記内向きTRPA1媒介電流を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、請求項38〜42のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
前記TRPA1媒介電流が外向きTRPA1媒介電流でありかつ前記化合物が前記外向きTRPA1媒介電流を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、請求項38〜42のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
前記化合物がまたTRPA1媒介イオン流束も10マイクロモル未満のIC50で阻害する、請求項38〜42のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
前記化合物が前記TRPA1媒介電流を5マイクロモル未満のIC50で阻害する、請求項38〜42のいずれかに記載の方法。
【請求項47】
前記化合物が前記TRPA1媒介電流を1マイクロモル未満のIC50で阻害する、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記化合物が前記TRPA1媒介電流をミトコンドリアユニポーター機能よりも少なくとも10倍強く阻害する、請求項38〜47のいずれかに記載の方法。
【請求項49】
前記化合物が前記TRPA1媒介電流をNaV1.2機能よりも少なくとも10倍強く阻害する、請求項38〜48のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
前記化合物が前記TRPA1媒介電流をTRPV1機能よりも少なくとも10倍強く阻害する、請求項38〜49のいずれかに記載の方法。
【請求項51】
前記化合物が前記TRPA1媒介電流をHERG機能よりも少なくとも10倍強く阻害する、請求項38〜50のいずれかに記載の方法。
【請求項52】
前記化合物がHERG媒介電流を10マイクロモルよりも大きいIC50で阻害する、請求項38〜51のいずれかに記載の方法。
【請求項53】
前記化合物がTRPV3媒介電流を10マイクロモルよりも大きいIC50で阻害する、請求項38〜52のいずれかに記載の方法。
【請求項54】
前記化合物が、10マイクロモルの濃度で投与された場合にはHERG媒介電流を実質的に阻害しない、請求項38〜53のいずれかに記載の方法。
【請求項55】
前記化合物が、10マイクロモルの濃度で投与された場合にはTRPV3媒介電流を実質的に阻害しない、請求項38〜54のいずれかに記載の方法。
【請求項56】
前記化合物が、TRPA1媒介電流を、TRPV5機能、TRPV6機能、TRPC6機能、ミトコンドリアユニポーター機能、NaV1.2、CaV1.2機能、CaV3.1機能及びHERG機能のうちの一つ又はそれ以上の阻害についての前記低分子のIC50よりも少なくとも1桁小さいIC50で阻害する、請求項38〜55のいずれかに記載の方法。
【請求項57】
前記化合物が、TRPA1媒介電流を、TRPV1媒介電流、TRPV2媒介電流、TRPV3媒介電流、TRPV4媒介電流又はTRPM8媒介電流のうちの一つ又はそれ以上の阻害についての前記化合物のIC50の少なくとも2分の1のIC50で阻害する、請求項38〜56のいずれかに記載の方法。
【請求項58】
前記化合物が、TRPA1媒介電流を、TRPV5機能、TRPV6機能、TRPC6機能、ミトコンドリアユニポーター機能、CaV1.2機能、CaV3.1機能、NaV1.2及びHERG機能のうちの一つ又はそれ以上の阻害についての該化合物のIC50の少なくとも2分の1のIC50で阻害する、請求項38〜57のいずれかに記載の方法。
【請求項59】
前記化合物がTRPA1に結合する、請求項38〜58のいずれかに記載の方法。
【請求項60】
疼痛の症状又は接触に対する感受性を予防、治療又は軽減するのに使用される請求項38〜59のいずれに記載の方法。
【請求項61】
前記疼痛が口腔内疼痛である、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記化合物がTRPA1媒介電流の阻害についてのIC50を有しかつその濃度で投与された場合には該化合物が患者においてQT間隔の延長を生じない、請求項38〜61のいずれかに記載の方法。
【請求項63】
前記疼痛が術後疼痛、癌性疼痛、神経因性疼痛又は側頭下顎関節痛である、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
炎症の症状を予防、治療又は軽減するのに使用される請求項38〜62のいずれかに記載の方法。
【請求項65】
膀胱炎又は過敏性腸管症候群の症状を予防、治療又は軽減するのに使用される請求項38〜62のいずれかに記載の方法。
【請求項66】
糖尿病性神経障害、乾癬、湿疹、皮膚炎、疱疹後神経痛(帯状疱疹)、片頭痛、失禁、発熱、顔面紅潮、変形性関節炎、膵炎、慢性局所疼痛症候群、関節リウマチ及び咳からなる群から選択される障害又は状態の症状を予防、治療又は軽減するのに使用される、請求項38〜62のいずれかに記載の方法。
【請求項67】
失禁の症状を予防、治療又は軽減するのに使用される請求項38〜62のいずれかに記載の方法。
【請求項68】
失禁が、全体的に又は部分的に、妊娠、前立腺肥大又は前立腺過形成によって引き起こされる、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
疼痛を治療する方法であって、前記治療を必要とする被験体に有効量の式I:
【化5】

の化合物又はその塩、あるいは該化合物又はその塩の溶媒和物、水和物、酸化代謝産物又はプロドラッグを投与する工程を包含し、
式中、
WはO又はS、好ましくはSを表し;
Rは、示されるそれぞれについて独立して、H又は低級アルキル、好ましくはHを表し;
R’は置換又は非置換のアルキルあるいは置換又は非置換のアリールを表し;
Eはカルボン酸(COH)、エステル又はアミドを表し;そして
Arは置換又は非置換のアリール環を表し、
前記化合物がTRPA1媒介電流を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、方法。
【請求項70】
疼痛を治療する方法であって、前記治療を必要とする患者に有効量の式II:
【化6】

の化合物又はその塩、あるいは該化合物又はその塩の溶媒和物、水和物、酸化代謝産物又はプロドラッグを投与する工程を包含し、
式中、
nは1〜3の整数であり;そして
は置換基を表し、
前記化合物がTRPA1媒介電流を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、方法。
【請求項71】
が、必要に応じて置換されたアルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロアリール、必要に応じて置換されたアラルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、又は必要に応じて置換されたヘテロアラルキルを表す、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
疼痛を治療する方法であって、前記治療を必要とする被験体に有効量の式III:
【化7】

の化合物又はその塩、あるいは該化合物又はその塩の溶媒和物、水和物、酸化代謝産物又はプロドラッグを投与する工程を包含し、
式中、
nは1〜3の整数であり;そして
は置換基を表し、
前記化合物がTRPA1媒介電流を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、方法。
【請求項73】
疼痛を治療する方法であって、前記治療を必要とする被験体に有効量の式IV:
【化8】

の化合物又はその塩、あるいは該化合物又はその塩の溶媒和物、水和物、酸化代謝産物又はプロドラッグを投与する工程を包含し、
式中、
は、示されるそれぞれについて独立して、H又は低級アルキルを表し;
の示される一つは存在せずかつRの示される一つはMであり;
は置換又は非置換のアリールを表し;
Mは、示されるそれぞれについて独立して、置換又は非置換のメチレン基、NR、O、S、S(O)、又はS(O)を表し、好ましくは2個のヘテロ原子が互いに隣り合わないように選択され;そして
mは0〜10の整数であり、
前記化合物がTRPA1媒介電流を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、方法。
【請求項74】
失禁を治療する方法であって、前記治療を必要とする被験体に有効量の式I:
【化9】

の化合物又はその塩、あるいは該化合物又はその塩の溶媒和物、水和物、酸化代謝産物又はプロドラッグを投与する工程を包含し、
式中、
WはO又はS、好ましくはSを表し;
Rは、示されるそれぞれについて独立して、H又は低級アルキル、好ましくはHを表し;
R’は置換又は非置換のアルキルあるいは置換又は非置換のアリールを表し;
Eはカルボン酸(COH)、エステル又はアミドを表し;そして
Arは置換又は非置換のアリール環を表し、
前記化合物がTRPA1媒介電流を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、方法。
【請求項75】
失禁を治療する方法であって、前記治療を必要とする被験体に有効量の式II:
【化10】

の化合物又はその塩、あるいは該化合物又はその塩の溶媒和物、水和物、酸化代謝産物又はプロドラッグを投与する工程を包含し、
式中、nは1〜3の整数であり;そして
は置換基を表し、
前記化合物がTRPA1媒介電流を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、方法。
【請求項76】
が、必要に応じて置換されたアルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロアリール、必要に応じて置換されたアラルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、又は必要に応じて置換されたヘテロアラルキルを表す、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
失禁を治療する方法であって、前記治療を必要とする被験体に有効量の式III:
【化11】

の化合物又はその塩、あるいは該化合物又はその塩の溶媒和物、水和物、酸化代謝産物又はプロドラッグを投与する工程を包含し、
式中、nは1〜3の整数であり;そして
は置換基を表し、
前記化合物がTRPA1媒介電流を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、方法。
【請求項78】
失禁を治療する方法であって、該治療を必要とする被験体に有効量の式IV:
【化12】

の化合物又はその塩、あるいは該化合物又はその塩の溶媒和物、水和物、酸化代謝産物又はプロドラッグを投与する工程を包含し、
式中、
は、示されるそれぞれについて独立して、H又は低級アルキルを表し;
の示される一つは存在せずかつRの示される一つはMであり;
は置換又は非置換のアリールを表し;
Mは、示されるそれぞれについて独立して、置換又は非置換のメチレン基、NR、O、S、S(O)、又はS(O)を表し、好ましくは2個のヘテロ原子が互いに隣り合わないように選択され;そして
mは0〜10の整数であり、
前記化合物がTRPA1媒介電流を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、方法。
【請求項79】
ヒト患者での使用又は家畜用途に適した、TRPA1の活性化を伴う状態又は低下したTRPA1活性が重症度を軽減できる状態を治療又は予防するための医薬製剤であって、有効量の式I:
【化13】

の化合物又はその塩、あるいは該化合物又はその塩の溶媒和物、水和物、酸化代謝産物又はプロドラッグを含有し、
式中、
WはO又はS、好ましくはSを表し;
Rは、示されるそれぞれについて独立して、H又は低級アルキル、好ましくはHを表し;
R’は置換又は非置換のアルキルあるいは置換又は非置換のアリールを表し;
Eはカルボン酸(COH)、エステル又はアミドを表し;そして
Arは置換又は非置換のアリール環を表し、
前記化合物がTRPA1媒介電流を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、医薬製剤。
【請求項80】
ヒト患者での使用又は家畜用途に適した、TRPA1の活性化を伴う状態又は低下したTRPA1活性が重症度を軽減できる状態を治療又は予防するための医薬製剤であって、有効量の式II:
【化14】

の化合物又はその塩、あるいは該化合物又はその塩の溶媒和物、水和物、酸化代謝産物又はプロドラッグを含有し、
式中、
nは1〜3の整数であり;そして
は置換基を表し、
前記化合物がTRPA1媒介電流を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、医薬製剤。
【請求項81】
ヒト患者での使用又は家畜用途に適した、TRPA1の活性化を伴う状態又は低下したTRPA1活性が重症度を軽減できる状態を治療又は予防するための医薬製剤であって、有効量の式III:
【化15】

の化合物又はその塩、あるいは該化合物又はその塩の溶媒和物、水和物、酸化代謝産物又はプロドラッグを含有し、
式中、
nは1〜3の整数であり;そして
は置換基を表し、
前記化合物がTRPA1媒介電流を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、医薬製剤。
【請求項82】
ヒト患者での使用又は家畜用途に適した、TRPA1の活性化を伴う状態又は低下したTRPA1活性が重症度を軽減できる状態を治療又は予防するための医薬製剤であって、有効量の式IV:
【化16】

の化合物又はその塩、あるいは該化合物又はその塩の溶媒和物、水和物、酸化代謝産物又はプロドラッグを含有し、
式中、
は、示されるそれぞれについて独立して、H又は低級アルキルを表し;
の示される一つは存在せずかつRの示される一つはMであり;
は置換又は非置換のアリールを表し;
Mは、示されるそれぞれについて独立して、置換又は非置換のメチレン基、NR、O、S、S(O)、又はS(O)を表し、好ましくは2個のヘテロ原子が互いに隣り合わないように選択され;そして
mは0〜10の整数であり、
前記化合物がTRPA1媒介電流を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、医薬製剤。
【請求項83】
TRPA1の活性化を伴う状態又は低下したTRPA1活性が重症度を軽減できる状態を治療又は予防するための医薬の製造におけるTRPA1阻害剤の使用であって、前記TRPA1阻害剤が式II:
【化17】

で表されるか又はその塩、あるいは該化合物又はその塩の溶媒和物、水和物、酸化代謝産物又はプロドラッグであり、
式中、
nは1〜3の整数であり;そして
は置換基を表し、
前記化合物がTRPA1媒介電流を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、使用。
【請求項84】
が、必要に応じて置換されたアルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロアリール、必要に応じて置換されたアラルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、又は必要に応じて置換されたヘテロアラルキルを表す、請求項83に記載の使用。
【請求項85】
TRPA1媒介電流を10マイクロモル未満のIC50で阻害する低分子と;製薬学的に許容し得る賦形剤又は溶媒とを含有する医薬製剤であって、前記製剤が患者においてTRPA1の活性にある程度依存する疾患、障害又は状態の症状を予防、治療又は軽減する有効量を提供する剤形で提供されるが、QT間隔の延長を生じない、医薬製剤。
【請求項86】
患者においてTRPA1の活性にある程度依存する疾患、障害又は状態の症状を予防、治療又は軽減するための医薬の製造における、TRPA1媒介電流を10マイクロモル未満のIC50で阻害する低分子剤の使用。
【請求項87】
患者においてTRPA1の活性にある程度依存する疾患、障害又は状態の症状を予防、治療又は軽減するための医薬の製造における、TRPV5機能、TRPV6機能、ミトコンドリアユニポーター機能、Cav2.1機能、CaV3.1機能、NaV1.2機能及びHERG機能のうちの一つ又はそれ以上の阻害についての低分子剤のIC50よりも少なくとも1桁小さいIC50でTRPA1媒介電流を阻害する低分子剤の使用。
【請求項88】
患者においてTRPA1の活性にある程度依存する疾患、障害又は状態の症状を予防、治療又は軽減するための医薬の製造における、カラシ油誘導TRPA1媒介電流を10マイクロモル以下のIC50で阻害する低分子剤の使用。
【請求項89】
疼痛、接触感受性、炎症、失禁、発熱、顔面紅潮、膀胱炎、過敏性腸管症候群、及び/又は咳の症状を予防、治療又は軽減するための医薬の製造における請求項83〜84又は86〜88のいずれかに記載の使用。
【請求項90】
前記疼痛が癌性疼痛である、請求項89に記載の使用。
【請求項91】
増殖を阻止し、それによって癌の症状を予防、治療又は軽減するための医薬の製造における請求項83〜84又は86〜88のいずれかに記載の使用。
【請求項92】
前記癌が脂肪肉腫である、請求項91に記載の使用。
【請求項93】
前記薬剤がTRPA1に結合する、請求項83〜84又は86〜92のいずれかに記載の使用。
【請求項94】
失禁の症状を予防、治療又は軽減するための医薬の製造における請求項83〜84又は86〜88のいずれかに記載の使用。
【請求項95】
TRPA1媒介電流を10マイクロモル以下のIC50で阻害する薬剤と、経口に許容し得る製薬キャリアとを含有する経口投与用鎮咳組成物であって、シロップ、エリキシル、懸濁液、スプレー、ロゼンジ、チュアブルロゼンジ、散剤及びチュアブル錠剤からなる群から選択される水性液体又は口内で溶解する固体の形態の経口投与用鎮咳組成物。
【請求項96】
前記組成物が、前記薬剤の他に、抗ヒスタミン剤、5−リポキシゲナーゼ阻害剤、ロイコトリエン阻害剤、H3阻害剤、β−アドレナリン作用性受容体作動薬、キサンチン誘導体、α−アドレナリン作用性受容体作動薬、マスト細胞安定剤、去痰剤、NK1タキキニン受容体拮抗薬、NK2タキキニン受容体拮抗薬及びNK3タキキニン受容体拮抗薬、ならびにGABAB作動薬からなる群から選択される咳、アレルギー又は喘息症状を治療するための1種又はそれ以上の追加の薬剤を含有する、請求項95に記載の鎮咳組成物。
【請求項97】
TRPA1媒介電流を10マイクロモル未満のIC50で阻害する薬剤を含有する肺送達用又は経鼻送達用エアロゾル医薬組成物を含有する定量エアロゾルディスペンサー。
【請求項98】
定量吸入器、乾燥散剤吸入器又はエアージェット噴霧器に入れた請求項95に記載の組成物。
【請求項99】
疼痛を治療又は予防するための医薬の製造におけるTRPA1阻害剤の使用であって、前記TRPA1阻害剤が式I:
【化18】

で表される化合物又はその塩、あるいは該化合物又はその塩の溶媒和物、水和物、酸化代謝産物又はプロドラッグであり、
式中、
WはO又はS、好ましくはSを表し;
Rは、示されるそれぞれについて独立して、H又は低級アルキル、好ましくはHを表し;
R’は置換又は非置換のアルキルあるいは置換又は非置換のアリールを表し;
Eはカルボン酸(COH)、エステル又はアミドを表し;そして
Arは置換又は非置換のアリール環を表し、
前記化合物がTRPA1媒介電流又はTRPA1媒介イオン流束を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、使用。
【請求項100】
疼痛を治療又は予防するための医薬の製造におけるTRPA1阻害剤の使用であって、前記TRPA1阻害剤が式II:
【化19】

で表される化合物又はその塩、あるいは該化合物又はその塩の溶媒和物、水和物、酸化代謝産物又はプロドラッグであり、
式中、
nは1〜3の整数であり;そして
は置換基を表し、
前記化合物がTRPA1媒介電流又はTRPA1媒介イオン流束を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、使用。
【請求項101】
が、必要に応じて置換されたアルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロアリール、必要に応じて置換されたアラルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、又は必要に応じて置換されたヘテロアラルキルを表す、請求項100に記載の使用。
【請求項102】
疼痛を治療又は予防するための医薬の製造におけるTRPA1阻害剤の使用であって、前記TRPA1阻害剤が式III:
【化20】

で表される化合物又はその塩、あるいは該化合物又はその塩の溶媒和物、水和物、酸化代謝産物又はプロドラッグであり、
式中、
nは1〜3の整数であり;そして
は置換基を表し、
前記化合物がTRPA1媒介電流又はTRPA1媒介イオン流束を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、使用。
【請求項103】
疼痛を治療又は予防するための医薬の製造におけるTRPA1阻害剤の使用であって、前記TRPA1阻害剤が式IV:
【化21】

で表される化合物又はその塩、あるいは該化合物又はその塩の溶媒和物、水和物、酸化代謝産物又はプロドラッグであり、
式中、
は、示されるそれぞれについて独立して、H又は低級アルキルを表し;
の示される一つは存在せずかつRの示される一つはMであり;
は置換又は非置換のアリールを表し;
Mは、示されるそれぞれについて独立して、置換又は非置換のメチレン基、NR、O、S、S(O)、又はS(O)を表し、好ましくは2個のヘテロ原子が互いに隣り合わないように選択され;そして
mは0〜10の整数であり、
前記化合物がTRPA1媒介電流又はTRPA1媒介イオン流束を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、使用。
【請求項104】
失禁を治療又は予防するための医薬の製造におけるTRPA1阻害剤の使用であって、前記TRPA1阻害剤が式I:
【化22】

で表される化合物又はその塩、あるいは該化合物又はその塩の溶媒和物、水和物、酸化代謝産物又はプロドラッグであり、
式中、
WはO又はS、好ましくはSを表し;
Rは、示されるそれぞれについて独立して、H又は低級アルキル、好ましくはHを表し;
R’は置換又は非置換のアルキルあるいは置換又は非置換のアリールを表し;
Eはカルボン酸(COH)、エステル又はアミドを表し;そして
Arは置換又は非置換のアリール環を表し、
前記化合物がTRPA1媒介電流又はTRPA1媒介イオン流束を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、使用。
【請求項105】
失禁を治療又は予防するための医薬の製造におけるTRPA1阻害剤の使用であって、前記TRPA1阻害剤が式II:
【化23】

で表される化合物又はその塩、あるいは該化合物又はその塩の溶媒和物、水和物、酸化代謝産物又はプロドラッグであり、
式中、
nは1〜3の整数であり;そして
は置換基を表し、
前記化合物がTRPA1媒介電流又はTRPA1媒介イオン流束を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、使用。
【請求項106】
が、必要に応じて置換されたアルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロアリール、必要に応じて置換されたアラルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、又は必要に応じて置換されたヘテロアラルキルを表す、請求項105に記載の使用。
【請求項107】
失禁を治療又は予防するための医薬の製造におけるTRPA1阻害剤の使用であって、前記TRPA1阻害剤が式III:
【化24】

で表される化合物又はその塩、あるいは該化合物又はその塩の溶媒和物、水和物、酸化代謝産物又はプロドラッグであり、
式中、
nは1〜3の整数であり;そして
は置換基を表し、
前記化合物がTRPA1媒介電流又はTRPA1媒介イオン流束を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、使用。
【請求項108】
失禁を治療又は予防するための医薬の製造におけるTRPA1阻害剤の使用であって、前記TRPA1阻害剤が式IV:
【化25】

で表される化合物又はその塩、あるいは該化合物又はその塩の溶媒和物、水和物、酸化代謝産物又はプロドラッグであり、
式中、
は、示されるそれぞれについて独立して、H又は低級アルキルを表し;
の示される一つは存在せずかつRの示される一つはMであり;
は置換又は非置換のアリールを表し;
Mは、示されるそれぞれについて独立して、置換又は非置換のメチレン基、NR、O、S、S(O)、又はS(O)を表し、好ましくは2個のヘテロ原子が互いに隣り合わないように選択され;そして
mは0〜10の整数であり、
前記化合物がTRPA1媒介電流又はTRPA1媒介イオン流束を10マイクロモル未満のIC50で阻害する、使用。
【請求項109】
配列番号1に示すアミノ酸配列を含有する単離されたポリペプチド。
【請求項110】
配列番号2に示すヌクレオチド配列を含有する核酸配列によってコードされる単離されたポリペプチド。
【請求項111】
配列番号2に示すヌクレオチド配列を含有する単離された核酸。
【請求項112】
配列番号1に示すアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含有する単離された核酸。
【請求項113】
原核細胞及び真核細胞のうちの少なくとも一つで複製する発現ベクターであって、請求項111又は112の核酸を含有する発現ベクター。
【請求項114】
請求項113に記載のベクターを含有しかつ前記ポリペプチドを発現する細胞。
【請求項115】
ポリペプチドの製造方法であって、請求項114に記載の細胞を細胞培養培地で培養して前記ポリペプチドを発現させる工程を包含する、ポリペプチドの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−521485(P2009−521485A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547657(P2008−547657)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【国際出願番号】PCT/US2006/049244
【国際公開番号】WO2007/073505
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(507372475)ハイドラ バイオサイエンシズ インコーポレイテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】HYDRA BIOSCIENCES,INC.
【住所又は居所原語表記】790 Memorial Drive,Suite 203,Cambridge,MA 02139 U.S.A.
【Fターム(参考)】