説明

白色及びカラー光励起発光シート及びその製造方法

【課題】単一紫外線(UV)又は単一青色波長を有する光源から発光された光の一部分を吸収して前記発光された光の波長とは異なる波長の光を発光し、前記光源で発光された光の残り部分は透過させる白色及びカラー光励起発光シート及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基板10、基板上に形成された光源、前記光源で発光された光を白色及びカラー光励起発光物質で励起、拡散させる光励起発光層20を備え、前記光励起発光層が白色及びカラー光励起発光物質、基底高分子及び溶媒が混合された溶液を紡糸して超極細複合繊維層を形成し、この超極細複合繊維層を熱圧着させて均一のシート形状に製造されたことを特徴とする白色及びカラー光励起発光シート及びその製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源で発光された光を異なる波長の光に変換させる白色及びカラー光励起発光物質と、形体維持のための基底高分子の超極細複合繊維層で構成された光励起発光層とを備える白色及びカラー光励起発光シート及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エジソンにより白熱電球が生産されて以来、光源に対する多くの研究及び生産が行われてきた。現在、空間に光を提供したり、物を照明するために多様な種類の照明が用いられており、このような照明は電気エネルギーを光エネルギーに変化させて光を提供する方法を用い、白熱電球、水銀灯及び蛍光灯が一般に用いられている。しかし、前記光源は消費電力が大きくて寿命が短いため、頻繁に交換しなければならないという短所を有している。
【0003】
また、環境問題に対する重要性の認識が大きくなるにしたがって、発癌物質である水銀を用いる蛍光灯及び水銀灯は環境を脅かす規制物質に含まれ、広い設置空間が必要なので設置方法が難しいだけでなく色の調節が難しく、点光源の特性を有しており、多様な分野への適用が非常に制約的であるという問題がある。
【0004】
最近、このような問題を解決するためにいくつかの種類の代替光源が開発されている。その中で代表的なものがLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)及びOLED(Organic Light Emitting Diode、有機発光ダイオード)を用いた照明である。これらの光源は紫外線より長波長の光を用いるため人体に無害で寿命が長く、環境的な部分でも規制を受けない光源である。また、LCDバックライト、室内灯をはじめとして多様な光源に用いることが可能である。
【0005】
しかし、白色LEDと白色OLEDとは、製造工程が複雑で製造費用が高いという問題がある。白色LEDの場合には最近青色LEDを白色で具現するための光励起発光シートの開発が活発に進められているが、点光源を用いるため大面積の照明への適用が難しく、駆動時に発生する大きい発熱が問題となっている。白色OLEDの場合、面光源という長所及び広い色座標を有し、人体の視角に適当な光源として脚光を浴びているが、これも材料開発と寿命に関する問題を抱えている。
【0006】
従来の光励起発光シートの製造では、溶液内に発光体の均一の分散及び混合のために超音波分散法、機械的分散法(ステラー及びホモゲナイザーなどを使用)、静電気的分散法(分散剤、電荷調節剤及び界面活性剤などを使用)などの方法が用いられるが、これらの方法では一時的な分散及び混合のみが可能である。また、分散及び混合が可能でもスピンキャスティング法、スクリーンプリンティング法、バーコーティング法及びドクターブレード法などを用いたシート製作時に、密度と表面エネルギーとの差、溶媒の局部的な揮発などによって不均一な膜が形成され、それによって最終的に製造される発光シートの局部的な厚さの差により輝度及び色座標の不均一が激しく、商用化の問題として挙げられている。それだけでなく、上述の不均一な膜の形成のため、組成比による白色及びカラー光源の色座標再現性が低くて色調節が容易ではなく、耐熱性が低いために高温で容易に変形される性質があり、その適用に限界があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は上述の従来の問題を解決するためのものであって、本発明の目的は、白色及びカラー面光源を製作するために、単一紫外線(UV)又は単一青色波長を有する光源に光励起発光シートを適用する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、本発明は基板、前記基板上に形成された光源、前記光源で発光された光を異なる波長の光に変換させる白色及びカラー光励起発光層を備え、前記白色及びカラー光励起発光層が白色及びカラー光励起発光物質、基底高分子並びに溶媒を混合した溶液を紡糸させて基底高分子/光励起発光物質の超極細複合繊維層を形成し、前記超極細複合繊維層を熱圧着させて形成されることを特徴とする白色及びカラー光励起発光シートを提供する。
【0009】
また、本発明は、1)基底高分子、白色及びカラー光励起発光物質並びに溶媒を混合して、白色及びカラー光励起発光組成物を製造する工程と、2)基板上に前記白色及びカラー光励起発光組成物を紡糸して、基底高分子/光励起発光物質の超極細複合繊維層を形成する工程と、3)基板上に形成された超極細複合繊維層を熱圧着して、白色及びカラー光励起発光層を形成する工程とを含む、前記白色及びカラー光励起発光シートの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明による白色及びカラー光励起発光シートは、従来用いられる光励起発光物質の分散及び発光のためのシートに比べて均一の分散が可能でシート厚さの局部的な差が非常に少なく、高い精度の均一の厚さを有するので、光励起発光シートとして有用に用いることができる。また、本発明による製造方法は、単一紫外線(UV)又は単一青色波長の光源の一部を透過、吸収させて、白色光とカラー光の構成波長である3種類の色(青色、赤色、緑色)とも、これらの中の2種類の色及び多様な色を発光する光励起発光物質の組合わせを用いることによって、輝度及び色座標調節が容易で再現性に優れた白色及びカラー光励起発光シートを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明による白色及びカラー光励起発光シートの模式図を示した図である。
【図2】本発明の実施例によって実際に具現された電界紡糸した超極細複合繊維の表面を観察した結果である。
【図3】本発明に用いられる電界紡糸装置の模式図を示したものである。
【図4】本発明による紫外線光を用いた光励起発光シートの電気発光スペクトルを示したものである。
【図5】有機発光ダイオードの発光源に本発明による光励起発光シートが適用された発光素子の模式図を示したものである。
【図6】青色有機発光ダイオードの青色光源に本発明による光励起発光シートが適用された白色発光素子の色座標を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の目的は、白色及びカラー面光源を製作するために単一紫外線(UV)又は単一青色波長を有する光源に光励起発光シートを適用する方法であって、
(1)発光体の均一の混合と分散が可能で耐熱性に優れた光励起発光組成物を製造し、
(2)前記組成物で超極細複合繊維層を形成して正確な厚さと再現性によって輝度及び色座標が均一の光励起発光シートを製造し、
(3)従来の赤・緑・青の三色を混合し、互いに補色関係である色の他にも多様な色を用いることができ、単一紫外線(UV)又は単一青色波長の光源によって発光物質の種類を選択し、組成比を調節して光を吸収、励起する白色及びカラー面光源を得る多様で具体的な方法を提供するものである。
【0013】
本発明の白色及びカラー光励起発光シートは、基板、前記基板上に形成された光源、前記光源で発光された光を異なる波長の光に変換させる白色及びカラー光励起発光層を備え、前記白色及びカラー光励起発光層が白色及びカラー光励起発光物質、基底高分子及び溶媒を混合した溶液を紡糸させて基底高分子/光励起発光物質の超極細複合繊維層を形成し、この超極細複合繊維層を熱圧着させて形成されることを特徴とする。
【0014】
本発明の白色及びカラー光励起発光シートは、単一紫外線(UV)又は単一青色波長を有する光源から発光された光の一部分を吸収して前記発光された光の波長とは異なる波長の光を発光し、発光された光の残り部分を透過させる原理を用いたものである。
【0015】
本発明で用語“光励起発光物質(photo−excitation light emitting materials)”は、点光源又は線光源を面光源に転換させる導光機能と光効率とを極大化させて光の均一度を向上させる物質を意味する。
【0016】
前記光励起発光物質は、紫外線光を用いる場合、光源で紫外線がシートに照射されれば青色励起物質を通った光は青色光の波長を、赤色励起物質を通った光は赤色光の波長を、緑色励起物質を通った光は緑色光の波長を示し、それぞれの波長と強度が適切に組み合わせられると、白色及びカラー光が具現される。
【0017】
また、前記光励起発光物質は、青色光を用いる場合、光源から青色がシートに照射されれば赤色励起物質を通った光は赤色光の波長を、緑色励起物質を通った光は緑色光の波長を示し、励起されていない青色波長の光はそのまま透過してそれぞれの波長と強度が適切に組み合わせられると白色及びカラー光が具現される。
【0018】
以下では、本発明の白色及びカラー光励起発光シートについて図面を参考にしてさらに詳細に説明する。
【0019】
図1によれば、本発明の好ましい実施形態による光励起白色発光シートは、電極あるいは導電性物質11がコーティングされている基板10と白色及びカラー光励起発光層20とからなる。
【0020】
本発明に用いるのに適した基板10としては透明導電性基板が用いられるが、この透明導電性基板は透明なガラス基板又は透明な柔軟性(flexible)高分子基板上に導電性薄膜がコーティングされた形態であってもよい。ここで、前記導電性薄膜としてはITO(Indium Tin Oxide、酸化インジウムスズ)、FTO(F−doped SnO、フッ素をドーピングした酸化スズ)、又はITO上にATO(Antimony Tin Oxide、酸化アンチモンスズ)若しくはFTOがコーティングされた薄膜が用いられる。
【0021】
本発明に用いるのに適した光源としては、単一紫外線(UV)又は単一青色波長の光源を放出する、有機発光ダイオード(OLED)若しくは無機発光ダイオード(LED)を含む発光ダイオード又はランプが用いられる。
【0022】
前記白色及びカラー光励起発光層20は、光源から発光された光を異なる波長の光に変換させる光励起発光物質及び形態を維持するための基底高分子を溶媒に溶解及び分散させて得る混合溶液を基板上に紡糸して、基底高分子/光励起発光物質の超極細複合繊維層を形成し、この超極細複合繊維層を熱圧着させて形成される。
【0023】
本発明に用いるのに適した光励起発光物質としては、青色、緑色、赤色、オレンジ色波長及び多様な波長の無機蛍光物質、有機蛍光物質、有機発光高分子、金属錯体である燐光物質、量子点又はこれらの複合材料、及びこれらの混合物を例に挙げることができる。また、前記量子点複合材料は、これに限定されるのではないが、セレン化カドミウム(CdSe)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)などの複合体を含む。
【0024】
また、本発明に用いるのに適した基底高分子としてはポリウレタン(PU)、ポリエーテルウレタン、ポリウレタン共重合体、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアクリル共重合体、ポリビニルアセテート(PVAc)、ポリビニルアセテート共重合体、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリフルフリルアルコール(PPFA)、ポリスチレン(PS)、ポリスチレン共重合体、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエチレンオキシド共重合体、ポリプロピレンオキシド共重合体、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルクロリド(PVC)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)、ポリビニリデンフルオライド共重合体、ポリアミド及びこれらの混合物などを例に挙げることができる。これらは単独又は混合物の形態で用いられる。
【0025】
また、本発明に用いるのに適した溶媒としては水、エタノール、メタノール、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)、トリフルオロエチレン、テトラクロロエチレン(PCE)、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、ケロシン、クロロフォーム、トリクロエチレン、四塩化エチル、ジメチルフォームアミド(DMF)及びこれらの混合物などを例に挙げることができる。これらは単独又は混合物の形態で用いられる。
【0026】
前記白色及びカラー光励起発光物質、基底高分子及び溶媒を混合した溶液を基板上に紡糸させて形成された超極細複合繊維は10〜10,000nmの直径を有することが好ましい。もし、前記超極細複合繊維の直径が10nm未満の場合には発光物質が超極細複合繊維の表面に過多に位置するようになって基底高分子が保護膜として作用できないため、輝度低下が引き起こされ、また、発光シートを形成するのに過度な時間がかかるという問題が発生することがある。一方、超極細複合繊維の直径が10,000nmを超える場合には発光シートが単に数個の複合繊維層で形成され、均一でなく輝度が低下するという問題が発生することがある。
【0027】
熱圧着は、150℃以下の温度で前記基底高分子のガラス転移温度(Tg)以上、溶融温度(Tm)以下の範囲の温度で30秒〜10分間行われ、熱圧着率は100μL(μリットル)当り0.1〜20トンであることが好ましい。このような熱圧着により前記超極細複合繊維の中の基底高分子の一部又は全部が溶融し、超極細複合繊維層をなす微細な繊維素が粉砕されて比表面積が拡大され、この粉砕された繊維素と基板との間の接着性が向上する。
【0028】
それから形成された白色及びカラー光励起発光層の厚さは0.5〜20μmであることが好ましい。もし、白色及びカラー光励起発光層の厚さが0.5μm未満の場合には光源から出る光を十分に吸収できず、励起が不可能で、20μmを超える場合には光源から出る光を透過させることができないという問題が発生することがある。
【0029】
本発明の好ましい一実施形態では、光励起発光物質として青色発光高分子、緑色波長量子点及びオレンジ色波長量子点を用い、基底高分子としてはポリメチルメタクリレート(PMMA)を用い、溶媒としてはトルエンを用いて光励起白色発光シートを製造する。
【0030】
本発明による光励起白色発光シートの発光スペクトルを照射した結果、365nm波長の紫外線光源を適用する場合、433nm、517nm及び556nmでピークが検出されて白色発光を示し、この時の色座標は(0.31,0.276)であることを確認する(図4及び図6参照)。
【0031】
本発明の白色及びカラー光励起発光シートにおいて、色座標と輝度の調節は下記のような多様な方法によって行われる。
【0032】
第1に、紡糸のための光励起発光組成物内それぞれの光励起発光物質と基底高分子との含有量比を調節して、光励起発光シートの輝度を調節することができる。基底高分子の含有量比が高ければ光励起発光物質の濃度が低くなり光励起及び拡散が低下し、それによって発光層の全体輝度が低くなる一方、基底高分子の含有量比が低ければ光励起発光物質の濃度が高くなり光励起及び拡散が十分になされ、それによって発光層の全体輝度が高くなる。これにより、本発明では基底高分子に対する光励起発光物質の含有量比を0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%に維持する。
【0033】
第2に、紡糸によって製造される基底高分子/光励起発光物質の超極細複合繊維の直径は見掛け気孔率(apparent porosity)に大きな影響を及ぼす。即ち、基底高分子/光励起発光物質の超極細複合繊維の直径が小さいほど透明導電性基板上に紡糸によって蓄積された超極細複合繊維層の見掛け気孔率は減少するようになる。これは超極細複合繊維層の気孔の大きさが繊維直径が小さいほど減少するからである。このような超極細複合繊維層を所定温度で圧着して形成された光励起発光層の見掛け気孔率が低ければ光励起及び拡散が十分になされて輝度が増加する一方、見掛け気孔率が高ければ輝度は減少する。
【0034】
透明導電性基板に形成された超極細複合繊維層の見掛け気孔率は、下記の式1によって決定され、超極細複合繊維層の厚さは表面プロファイルLU(surface profiler)(TENCOR社製P−10)を用いて測定される。
【0035】
見掛け気孔率(%)=[(V−Vナノ繊維)/V]×100 ・・・・(式1)
【0036】
ここで、Vは超極細複合繊維層の全体積(厚さ×面積)であり、Vナノ繊維は、基底高分子/光励起発光物質組成比とそれぞれの密度で決定された理想的である混合密度と、超極細複合繊維層に含まれた基底高分子/光励起発光物質の重さとから決定した超極細複合繊維の体積である。
【0037】
また、超極細複合繊維層のモルフォロジー(morphology)は、電界放出電子走査顕微鏡(FE−SEM、HITACHIS−4100)及び高解像能透過電子顕微鏡(HR−TEM, JEOLJEM−2000EXII)を用いて観察し、超極細複合繊維層の比表面積は、液体窒素吸着によるBET法(Brunauer, P.H. Emmett及びE. Teller, J. Am. Chem. Soc. 60:309,1938)によって決定する。前記方法によって決定された電界紡糸初期の超極細複合繊維のモルフォロジーを図2に示し、このような超極細複合繊維の直径が100nmの場合、比表面積は40m/gであった。
【0038】
本発明による超極細複合繊維の直径は、紡糸のための光励起発光組成物の粘度、即ち溶媒に対する高分子含有量と、吐出速度を含む紡糸時に多様な工程変数(変動事項)とによって決定できる。本発明の好ましい一実施形態では、光励起発光層の見掛け気孔率を調節するために溶媒に対する高分子含有量を調節する。例えば、溶媒に対する高分子含有量は1〜50重量%であり、好ましくは3〜20重量%である。高分子含有量が1重量%未満であれば、連結された繊維よりは切れた繊維又は粒子がさらに多く形成され、この含有量が50重量%以上であれば、ノズルで紡糸されなかったり繊維の直径があまりにも太くて見掛け気孔率の制御が難しくなるという問題があった。
【0039】
本発明の好ましい他の実施形態では、光励起発光層の見掛け気孔率を調節するために電界紡糸の吐出速度を調節する。例えば、吐出速度は紡糸ノズル一個当り1μL/分〜500μL/分であり、好ましくは10μL/分〜200μL/分である。吐出速度が1μL/分未満であれば生産性があまりにも低下し、500μL/分を超えれば繊維の直径があまりにも太くて見掛け気孔率の制御が難しいという問題がある。この時、200μL/分〜500μL/分の高い吐出速度では、製造された超極細複合繊維の直径が1マイクロン以上に太い繊維が形成され、これを圧着して製造される光励起発光層は非常に微弱な輝度を示す。前記好ましい溶媒に対する高分子含有量及び吐出速度で紡糸されて製造される基底高分子/光励起発光物質の超極細複合繊維の直径は、10〜10,000nm、好ましくは50〜2,000nmの範囲となる。
【0040】
第3に、光励起発光層の見掛け気孔率の調節は、紡糸により製造される基底高分子/光励起発光物質の超極細複合繊維層を所定温度で圧着させる時に、圧着率を調節することによって達成できる。本発明の好ましい実施形態では、100μL当り0.1〜20トン、好ましくは0.1〜10トンの圧着率で圧着することによって、光励起発光層の見掛け気孔率を5〜70%に調節する。
【0041】
第4に、色座標は光励起発光物質それぞれの含有量比を通じて制御することができる。例えば、光励起発光物質として青色発光高分子、緑色波長量子点及びオレンジ色波長量子点を用いる場合、これらの好ましい質量比は、1:0.1:0.1〜1:10:10であり、より好ましくは1:0.6:0.6〜1:5:5である。
【0042】
前述した方法を併用して基底高分子に対する光励起発光物質の含有量及び光励起発光層の見掛け気孔率制御を通じて輝度を調節することができ、光励起発光物質それぞれの含有量比を通じて色座標を調節することができることを確認する。
【0043】
また、本発明は前記白色及びカラー光励起発光シートの製造方法を提供する。
【0044】
本発明による製造方法は、
1)基底高分子、白色及びカラー光励起発光物質及び溶媒を混合して、白色及びカラー光励起発光組成物を製造する工程と、
2)基板上に前記白色及びカラー光励起発光組成物を紡糸して、基底高分子/光励起発光物質の超極細複合繊維層を形成する工程と、
3)基板上に形成された超極細複合繊維層を熱圧着して、白色及びカラー光励起発光層を形成する工程とを含むことができる。
【0045】
工程1)に適した光励起発光物質としては、青色、緑色、赤色、オレンジ色波長及び多様な波長の無機蛍光物質、有機蛍光物質、有機発光高分子、金属錯体である燐光物質、量子点又はこれらの複合材料、又はこれらの混合物などが用いられる。また、前記量子点複合材料は、これに限定されるものではないが、セレン化カドミウム(CdSe)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)などの複合体を含む。
【0046】
例えば、前記光励起発光物質として、青色発光高分子、緑色波長量子点及びオレンジ色波長量子点を用いる場合、これらの質量比は、1:0.1:0.1〜1:10:10であることが好ましく、青色発光高分子、緑色波長量子点及び赤色波長量子点を用いる場合、これらの質量比は、1:0.1:0.1〜1:10:10であることが好ましい。
【0047】
工程1)に適した基底高分子としては、ポリウレタン(PU)、ポリエーテルウレタン、ポリウレタン共重合体、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアクリル共重合体、ポリビニルアセテート(PVAc)、ポリビニルアセテート共重合体、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリフルフリルアルコール(PPFA)、ポリスチレン(PS)、ポリスチレン共重合体、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエチレンオキシド共重合体、ポリプロピレンオキシド共重合体、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルクロリド(PVC)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)、ポリビニリデンフルオライド共重合体、ポリアミド及びこれらの混合物などを例に挙げることができる。これらは単独で又は混合物形態で用いられる。
【0048】
工程1)に適した溶媒としては水、エタノール、メタノール、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)、トリフルオロエチレン、テトラクロロエチレン(PCE)、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、ケロシン、クロロフォーム、トリクローエチレン、四塩化エチル、ジメチルフォームアミド(DMF)及びこれらの混合物などを例に挙げることができる。これらは単独で又は混合物形態で用いられる。
【0049】
工程1)で製造された白色及びカラー光励起発光組成物で溶媒に対する基底高分子の含有量は1〜50重量%であり、基底高分子に対する光励起発光物質の含有量は0.01〜20重量%であることが好ましい。
【0050】
工程2)に適した基板として透明導電性基板が用いられるが、この透明導電性基板は透明なガラス基板又は透明な柔軟性(flexible)と分子基板上に導電性薄膜がコーティングされた形態であってもよい。ここで、前記導電性薄膜としてはITO(酸化インジウムスズ)、FTO(フッ素をドーピングした酸化スズ)、又はITO上にATO(酸化アンチモンスズ)若しくはFTOがコーティングされた薄膜が用いられる。
【0051】
工程2)で紡糸は、電界紡糸(electro−spinning)、メルトブローン(melt−blown)、エレクトロブローン(electro−blown)、フラッシュ紡糸(flash spinning)又は静電メルトブローン(electrostatic melt−blown)の方法により行われることができるが、これらに限定されるものではない。
【0052】
工程2)に適した超極細複合繊維は基底高分子/光励起発光物質の超極細複合繊維として、直径が10〜10,000nmであることが好ましい。
【0053】
工程3)において、熱圧着は150℃以下の温度であって、前記基底高分子のガラス転移温度(Tg)以上かつ溶融温度(Tm)以下の範囲の温度で30秒〜10分間行われ、この時の熱圧着率は100μL当り0.1〜20トンであることが好ましい。
【0054】
工程3)で形成された白色及びカラー光励起発光層の厚さは0.5〜20μmであることが好ましく、その見掛け気孔率は5〜70%であることが好ましい。この時、前記白色及びカラー光励起発光層の見掛け気孔率は、前記白色及びカラー光励起発光組成物の粘度及びこの紡糸時に吐出速度中の少なくとも一つを調節することによって超極細複合繊維の直径を調節し若しくは超極細複合繊維の熱圧着時に熱圧着率を調節し、又はこれらを併用して調節できる。
【0055】
本発明の好ましい実施形態では、光励起発光層を製造するために、まず電界紡糸のための紡糸溶液として光励起発光組成物を製造する。
【0056】
具体的には、用いられる光励起発光物質に対して親和力に優れたポリメチルメタクリレートをテトラヒドロフラン、トルエン、ベンゼン又はこれらの混合溶媒に溶解させて電界紡糸に適した粘度を有する1〜50重量%の高分子溶液を製造する。ポリメチルメタクリレートは重さ平均分子量が100,000〜1,000,000g/molであるものを用いる。ポリメチルメタクリレートの代わりに、ポリアクリル共重合体、ポリスチレン又はポリスチレン共重合体などを用いて高分子溶液を製造することができる。ただし、本発明の内容はこれに限定されるものではなく、光励起発光物質が安定した温度で圧縮が可能なガラス転移温度(Tg)が150℃以下の高分子であれば特に制限されない。
【0057】
続いて、光励起発光物質として青色発光高分子、緑色波長量子点及びオレンジ色波長量子点を、溶媒内のポリメチルメタクリレート高分子に対して0.01〜20wt%の量で前記高分子溶液に添加し、25〜70℃でマグネチックスターラー及びスターラーバーで充分に混合して溶解させた後、超音波発生器で分散させて紡糸溶液を製造する。この時、添加される光励起発光物質それぞれの質量比は、青色発光高分子:緑色波長量子点:オレンジ色波長量子点=1:0.6:0.6〜1:5:5が好ましい。
【0058】
その後に、図3に示す電界紡糸装置を用いて、透明導電性基板上に前記紡糸溶液を電界紡糸し、基底高分子/光励起発光物質の超極細複合繊維層を得る。
【0059】
図3によれば、電界紡糸装置は前記紡糸溶液を定量的に投入することができる定量ポンプに連結された紡糸ノズル、高電圧発生器及び紡糸された超極細複合繊維層が形成される透明導電性基板などからなる。接地された透明導電性基板、具体的にはITO又はFTOがコーティングされた電気抵抗5〜30Ωの透明導電性基板を陰極として用い、時間当りの吐出量が調節されるポンプが付着された紡糸ノズルを陽極として用いる。電圧8〜30KVを印加して、紡糸溶液の吐出速度を1〜5,000μL/分に調節し、多様な厚さを有する基底高分子/光励起発光物質の超極細複合繊維層を製造する。
【0060】
続いて、透明導電性基板上に形成された超極細複合繊維層を熱圧着して、光励起白色発光シートを得る。
【0061】
具体的には、前記で得た基底高分子/光励起発光物質の超極細複合繊維層が蓄積された透明導電性基板を、高分子のガラス転移温度(Tg)以上かつ溶融温度(Tm)以下の温度で所定の圧力で加圧して、0.5〜20μmの厚さに光励起白色発光シートを製造する。
【0062】
このように製造された本発明の光励起発光シートを、有機発光ダイオードの発光源に適用して白色発光素子を製造することができる。図5は、このような白色発光素子の模式図を示したものであって、正極基板31に正孔注入層32、正孔伝達層33、発光層34、電子伝達層35、電子注入層36及び負極層37を順に形成し、素子を保護するために吸湿剤38が付着された保護膜基板39からなる。このように製作された有機発光ダイオード30に光励起−拡散発光物質21が含まれた光励起発光層を適用して、白色発光素子を製作することができる。
【0063】
本発明の好ましい実施形態では、青色有機発光ダイオードの青色光源に本発明の光励起白色発光シートを適用して白色発光素子を製造し、この色座標と発光形態を分析する(図6参照)。
【実施例】
【0064】
以下、実施例を通じて本発明を具体的に説明するが、このような実施例は本発明をさらに明確に理解するために提示されるものに過ぎず、本発明の範囲を制限する目的に提示したものではなく、本発明は後述する特許請求の範囲の技術的思想の範囲内で定められる。
【0065】
実施例1
ポリメチルメタクリレート(PMMA、Mw 1,000,000、Aldrich社)0.4gをトルエン8mLに添加して、常温で十分に溶解させて高分子溶液を製造した。青色発光高分子(Dow Corning社)、緑色波長量子点(CdSe・ZnS)及びオレンジ色波長量子点(CdSe・ZnS)を1:3:4の重量比で0.004gを前記高分子溶液に添加し、マグネチックスターラー及びスターラーバーで常温で充分に混合して溶解させた後、超音波発生器で1時間分散させて紡糸溶液を製造した。この紡糸溶液を透明導電性基板上に電界紡糸して、ポリメチルメタクリレート/光励起白色発光物質の超極細複合繊維層を形成した。このように具現された超極細複合繊維の表面を観察して図2に示した。
【0066】
電界紡糸は、図3に示したような電界紡糸装置を用い、ITOがコーティングされた透明導電性基板(5cm×5cmサイズ)を接地受信部(grounded receiver)にし、吐出速度を調節することができるポンプが付着された金属ニードルを陽極として、2電極間に15KVの電圧を印加した。この時、チップ(tip)間の距離は12cmにした。紡糸溶液の吐出速度を20μL/分に調節して、総吐出量が1,000μLになるまで電界紡糸し、ITOがコーティングされた透明導電性基板上に3μmの厚さのポリメチルメタクリレート/光励起白色発光物質の超極細複合繊維層を形成させて、50℃で10分間、2トンの圧着率で圧着させて、1μmの厚さの紫外線光源を通じた光励起白色発光シートを製造した。
【0067】
実施例2
ポリメチルメタクリレート(PMMA、Mw 1,000,000、Aldrich社)0.4gをトルエン8mLに添加して、常温で十分に溶解させて高分子溶液を製造した。青色発光高分子(Dow Corning社)、緑色波長量子点(CdSe・ZnS)及びオレンジ色波長量子点(CdSe・ZnS)を1:3:3.6の重量比で0.004gを前記高分子溶液に添加し、マグネチックスターラー及びスターラーバーで充分に混合して溶解させた後、超音波発生器で1時間分散させて紡糸溶液を製造した。この紡糸溶液を電界紡糸して、ポリメチルメタクリレート/光励起白色発光物質の超極細複合繊維層を形成した。
【0068】
電界紡糸は、前記実施例1と同一の条件で行い、その結果1μmの厚さの紫外線光源を通じた光励起白色発光シートを製造した。
【0069】
実施例3
ポリメチルメタクリレート(PMMA、Mw 1,000,000、Aldrich社)0.4gをトルエン8mLに添加して、常温で十分に溶解させて高分子溶液を製造した。緑色波長量子点(CdSe・ZnS)及びオレンジ色波長量子点(CdSe・ZnS)を1:1.2の重量比で0.004gを前記高分子溶液に添加してマグネチックスターラー及びスターラーバーで充分に混合して溶解させた後、超音波発生器で1時間分散させて紡糸溶液を製造した。この紡糸溶液を透明導電性基板上に電界紡糸して、ポリメチルメタクリレート/光励起白色発光物質の超極細複合繊維層を形成した。
【0070】
電界紡糸は、図3に示したような電界紡糸装置を用い、両面ITOガラス基板を用いた青色有機発光ダイオード(OLED)(2.54cm×2.54cm)の反対側のITO層を接地受信部にし、吐出速度を調節することができるポンプが付着された金属ニードルを陽極とし、2電極間に15KVの電圧を印加した。この時チップの間の距離は12cmにした。紡糸溶液の吐出速度を20μL/分に調節して、総吐出量が1,000μLになるまで電界紡糸し、両面ITOガラス基板を用いた青色有機発光ダイオードの反対側ITO上に3μmの厚さのポリメチルメタクリレート/黄色発光物質の超極細複合繊維層を形成させ、青色有機発光ダイオードの保護のために素子外郭に均一の厚さのバーを当てて、50℃で10分間、0.5トンの圧着率で圧着させて、0.8μmの厚さの青色有機発光ダイオード光源を通じた光励起白色発光シートを製造した。
【0071】
実施例4
本発明による光励起発光シートの特性を調査するために、前記実施例1で製造された光励起白色発光シートに365nm波長の紫外線光源を適用する場合の発光スペクトルを分析した。その結果を図4に示した通り、433nm、517nm及び556nmでピーク極大値が検出されて白色発光を示した。この時の色座標は0.31、0.276と確認された。
【0072】
図5は、実施例3で製造された光励起白色発光シートを適用して製作した白色発光素子の模式図を示したものである。青色有機発光ダイオードの反対面基板上に本発明の光励起白色発光シートを形成して白色発光素子を製作した。
【0073】
上述のように本発明の光励起白色発光シートが適用された青色有機発光ダイオードの色座標を測定し、その測定結果を図6に示した。本発明の光励起白色発光シートが適用されていない青色有機発光ダイオードの本来の色座標は、0.15、0.16を示す一方、本発明の光励起白色発光シートが適用された青色有機発光ダイオードの色座標は、0.30、0.35を示し、白色発光を示した。
【0074】
以上、本発明内容の特定部分を詳細に記述したところ、当業界の通常の知識を有する者において、このような具体的技術は単に好ましい実施様態であるだけであり、これによって本発明の範囲が制限されるものではないという点は明白である。したがって、本発明の実質的な範囲は添付された請求項とそれらの等価物によって定義されるといえる。
【符号の説明】
【0075】
10:ガラス基板又はプラスチック基板
11:電極又は導電性物質
20:光励起発光層
21:光励起−拡散発光物質
30:有機発光ダイオード
31:正極基板
32:正孔注入層
33:正孔伝達層
34:発光層
35:電子伝達層
36:電子注入層
37:負極層
38:吸湿剤
39:保護膜基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板、前記基板上に形成された光源、前記光源で発光された光を異なる波長の光に変換させる白色及びカラー光励起発光層を備え、
前記白色及びカラー光励起発光層が、白色及びカラー光励起発光物質、基底高分子並びに溶媒を混合した溶液を紡糸させて基底高分子/光励起発光物質の超極細複合繊維層を形成し、前記超極細複合繊維層を熱圧着させて形成されることを特徴とする白色及びカラー光励起発光シート。
【請求項2】
前記光源が、単一紫外線又は単一青色波長の光源を放出する、有機発光ダイオード若しくは無機発光ダイオードを含む発光ダイオード又はランプであることを特徴とする、請求項1に記載の白色及びカラー光励起発光シート。
【請求項3】
前記白色及びカラー光励起発光物質が、青色、緑色、赤色又はオレンジ色波長の無機蛍光物質、有機蛍光物質、有機発光高分子、金属錯体である燐光物質、量子点及びこれらの複合材料、及びこれらの混合物で構成された群より選択されるいずれか一つ並びにこれらの組合わせであることを特徴とする、請求項1に記載の白色及びカラー光励起発光シート。
【請求項4】
前記基板が、透明なガラス基板又は透明な柔軟性高分子基板上に導電性薄膜がコーティングされた形態であることを特徴とする、請求項1に記載の白色及びカラー光励起発光シート。
【請求項5】
前記導電性薄膜が、ITO(酸化インジウムスズ)、FTO(フッ素をドーピングした酸化スズ)、又はITO上にATO(酸化アンチモンスズ)若しくはFTOがコーティングされた薄膜であることを特徴とする、請求項4に記載の白色及びカラー光励起発光シート。
【請求項6】
前記白色及びカラー光励起発光層の厚さが、0.5〜20μmであることを特徴とする、請求項1に記載の白色及びカラー光励起発光シート。
【請求項7】
1)基底高分子、白色及びカラー光励起発光物質及び溶媒を混合して、白色及びカラー光励起発光組成物を製造する工程と、
2)基板上に前記白色及びカラー光励起発光組成物を紡糸して、基底高分子/光励起発光物質の超極細複合繊維層を形成する工程と、
3)基板上に形成された超極細複合繊維層を熱圧着して、白色及びカラー光励起発光層を形成する工程とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の白色及びカラー光励起発光シートの製造方法。
【請求項8】
工程1)において、白色及びカラー光励起発光組成物が、溶媒に対する1〜50重量%の基底高分子、及び基底高分子に対する0.01〜20重量%の白色及びカラー光励起発光物質を含むことを特徴とする、請求項7に記載の白色及びカラー光励起発光シートの製造方法。
【請求項9】
工程1)において、白色及びカラー光励起発光物質が、青色、緑色、赤色又はオレンジ色波長の無機蛍光物質、有機蛍光物質、有機発光高分子、金属錯体である燐光物質、量子点及びこれらの複合材料、及びこれらの混合物で構成された群より選択されるいずれか一つ並びにこれらの組合わせであることを特徴とする、請求項7に記載の白色及びカラー光励起発光シートの製造方法。
【請求項10】
前記白色及びカラー光励起発光物質の中の青色発光高分子、緑色波長量子点及びオレンジ色波長量子点の質量比が、1:0.1:0.1〜1:10:10であることを特徴とする、請求項9に記載の白色及びカラー光励起発光シートの製造方法。
【請求項11】
前記白色及びカラー光励起発光物質の中の青色発光高分子、緑色波長量子点及び赤色波長量子点の質量比が、1:0.1:0.1〜1:10:10であることを特徴とする、請求項9に記載の白色及びカラー光励起発光シートの製造方法。
【請求項12】
工程1)において、基底高分子が、ポリウレタン(PU)、ポリエーテルウレタン、ポリウレタン共重合体、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアクリル共重合体、ポリビニルアセテート(PVAc)、ポリビニルアセテート共重合体、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリフルフリルアルコール(PPFA)、ポリスチレン(PS)、ポリスチレン共重合体、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエチレンオキシド共重合体、ポリプロピレンオキシド共重合体、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルクロリド(PVC)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)、ポリビニリデンフルオライド共重合体及びポリアミドで構成された群より選択されるいずれか一つ並びにこれらの混合物であることを特徴とする、請求項7に記載の白色及びカラー光励起発光シートの製造方法。
【請求項13】
工程1)において、溶媒が、水、エタノール、メタノール、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)、トリフルオロエチレン、テトラクロロエチレン(PCE)、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、ケロシン、クロロフォーム、トリクローエチレン、四塩化エチル及びジメチルフォームアミド(DMF)で構成された群より選択される少なくともいずれか一つ並びにこれらの混合物であることを特徴とする、請求項7に記載の白色及びカラー光励起発光シートの製造方法。
【請求項14】
工程2)において、紡糸が、電界紡糸、メルトブローン、エレクトロブローン、フラッシュ紡糸又は静電メルトブローンの方法によって行われることを特徴とする、請求項7に記載の白色及びカラー光励起発光シートの製造方法。
【請求項15】
工程2)において、紡糸が、紡糸ノズル一個当り1μL/分〜500μL/分の吐出速度で行われることを特徴とする、請求項7に記載の白色及びカラー光励起発光シートの製造方法。
【請求項16】
工程2)において、超極細複合繊維の直径が、10〜10,000nmであることを特徴とする、請求項7に記載の白色及びカラー光励起発光シートの製造方法。
【請求項17】
工程3)において、熱圧着温度が150℃以下であって、基底高分子のガラス転移温度(Tg)以上かつ溶融温度(Tm)以下範囲の温度であることを特徴とする、請求項7に記載の白色及びカラー光励起発光シートの製造方法。
【請求項18】
工程3)において、熱圧着時に圧着率が100μL当り0.1〜20トンであることを特徴とする、請求項7に記載の白色及びカラー光励起発光シートの製造方法。
【請求項19】
工程3)において、白色及びカラー光励起発光層の見掛け気孔率が5〜70%であることを特徴とする、請求項7に記載の白色及びカラー光励起発光シートの製造方法。
【請求項20】
前記白色及びカラー光励起発光層の見掛け気孔率を、
1)前記白色及びカラー光励起発光組成物の粘度及びそれの紡糸時の吐出速度のうち少なくとも一つを調節して超極細複合繊維の直径を調節して、
2)超極細複合繊維の熱圧着時に熱圧着率を調節して、又は
3)これらを併用して調節することを特徴とする、請求項19に記載の白色及びカラー光励起発光シートの製造方法。
【請求項21】
工程1)において、白色及びカラー光励起発光組成物内の白色及びカラー光励起発光物質と基底高分子との含有量比を調節して、発光シートの輝度を調節することを特徴とする、請求項7に記載の白色及びカラー光励起発光シートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−200041(P2009−200041A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−10019(P2009−10019)
【出願日】平成21年1月20日(2009.1.20)
【出願人】(399101854)コリア インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー (68)
【Fターム(参考)】