説明

直列連結構造の抵抗ノードを有するメモリ素子

【課題】直列連結構造の抵抗ノードを有するメモリ素子を提供する。
【解決手段】第1端子Nと第2端子Nとの間に印加される電圧によって可変抵抗特性を有する複数の抵抗ノード110と、一の抵抗ノード110の第1端子Nと他の抵抗ノード110の第2端子Nとの間を直列に連結し、抵抗ノード110より低い抵抗を有する複数の金属プラグ120と、第1端子S、第2端子D、及び第1端子Sと第3端子Gを有する複数の制御素子140と、一の制御素子140の第1端子Sと他の制御素子140の第2端子Dとを直列的に連結するビットラインBLと、ビットラインBLと金属プラグ120との間に介在されて、ビットラインBLと金属プラグ120との間の電流フローを開閉することができる複数のスイッチ素子130と、制御素子140の第3端子Gと連結された複数のワードラインWLと、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体メモリ素子に係り、特に、抵抗ノードを備える不揮発性メモリ素子に関する。また、本発明は、抵抗メモリ素子または抵抗メモリ素子と他のメモリ素子とが結合された構造も含む。
【背景技術】
【0002】
不揮発性メモリ素子は、トランジスタのしきい電圧遷移を利用するものと、電荷移動を利用するものと、抵抗変化を利用するものとに大別される。しきい電圧遷移を利用するものとしては、浮遊ゲートをストレージノードとして利用するフラッシュメモリと、電荷トラップをストレージノードとして利用するSONOSメモリとがある。電荷移動を利用するものとしては、ナノクリスタルまたはポリマーの強誘電体メモリ(FRAM:Ferroelectric Ramdon Access Memory)がある。また、抵抗変化を利用するものとしては、磁気メモリ(MRAM:Magnetic RAM)、相転移メモリ(PRAM:Phase−change RAM)及び複合金属酸化膜を抵抗ノードとして利用する抵抗メモリ(RRAM:Resistance RAM)がある。
【0003】
例えば、非特許文献1には、抵抗メモリで使われる抵抗ノードの特性が説明されている。非特許文献1は、抵抗ノードとして0.2at.%のCrがドーピングされたSrZrO層を例として説明している。
【0004】
図1を参照すれば、抵抗ノードの両端にスウィーピング電圧(sweeping voltage:掃引電圧)を印加するにつれて、抵抗ノードの抵抗が変わるということが分かる。抵抗ノードは、図1(a)に示したように、初期に高抵抗(R=606kΩ)状態を示し、図1(b)に示したように、電圧が−8V以下に降下するにつれて低抵抗(R=10.5kΩ)状態に変化する。図面の左側の電子ビーム誘導電流(Electro−Beam Induced Current:EBIC)の写真で、白色の点は、導電経路を表す。EBIC写真を参照すれば、抵抗ノードが高抵抗状態から低抵抗状態に変化するにつれて、導電経路となる白色の点がさらに大きくなるか、または新たに増大したということが分かる(矢印で表示された白色の点を参照)。すなわち、前述した非特許文献1の実験結果から、抵抗ノードを通じた電流量の変化、すなわち抵抗ノードの抵抗の変化時、導電経路は、抵抗ノードの全面に均一に形成されず、局部的に形成されるということが分かる。
【0005】
図2は、二つの電極50、60の間に介在された抵抗ノード70を通じた導電経路80を図式化した図面である。図2を参照すれば、抵抗ノード70を通じた導電経路80は、前述した非特許文献1の実験結果から分かるように、局部的なフィラメント形状になる。しかし、図3を参照すれば、抵抗ノード70が長く直列連結された場合、例えば、NAND構造の場合、このようなフィラメント形状の導電経路80は、抵抗ノード70の長手方向に連続することができずに断切される。この場合、導電経路80が断切された抵抗ノード領域Hは、高抵抗領域となる。この結果、全体抵抗ノード70は、低抵抗状態に容易に変化することができないため、抵抗ノード70が直列に連結されたNANDまたはAND構造の抵抗メモリ素子を一度にブロック単位で動作させる場合に問題が発生する。
【非特許文献1】C.Rosselら,“Electrical current distribution across a metal−insulator−metal structure during bistable switching”,J.Appl.Phys.,Vol.90/6,2892(2001)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記問題を解決するために成されたものであり、ブロック単位の動作が可能で、さらに、選択的に電荷保存ノードとハイブリッド結合が可能な直列連結構造の抵抗ノードを有するメモリ素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的達成するための本発明に係る直列連結構造の抵抗ノードを有するメモリ素子は、第1端子及び第2端子を有し、前記第1端子と前記第2端子との間に印加される電圧によって可変抵抗特性を有する複数の抵抗ノードと、一の前記抵抗ノードの第1端子と他の前記抵抗ノードの第2端子との間に介在され、それぞれの前記抵抗ノードを直列に連結し、前記抵抗ノードより低い抵抗を有する複数の金属プラグと、それぞれの前記抵抗ノードに対応して備えられ、第1端子、第2端子及び前記第1端子と前記第2端子との間の電流フローを制御することができる第3端子を有する複数の制御素子と、一の前記制御素子の第1端子と他の前記制御素子の第2端子とを連結して、一の前記制御素子と他の前記制御素子とを直列的に連結するビットラインと、前記ビットラインと前記金属プラグとの間に介在されて、前記ビットラインと前記金属プラグとのとの間の電流フローを開閉することができる複数のスイッチ素子と、前記制御素子の第3端子と連結された複数のワードラインと、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、前記目的達成するための本発明に係る直列連結構造の抵抗ノードを有するメモリ素子は、第1端子及び第2端子を有し、前記第1端子と前記第2端子との間に印加される電圧によって可変抵抗特性を有する複数の抵抗ノードと、一の前記抵抗ノードの第1端子と他の前記抵抗ノードの第2端子との間に介在され、前記抵抗ノードを直列に連結し、前記抵抗ノードより低い抵抗を有する複数の金属プラグと、それぞれの前記抵抗ノードに対応して備えられ、電荷保存が可能な複数の電荷保存ノードと、それぞれの前記電荷保存ノードに対応して備えられる複数のソース、ドレイン及び制御ゲートと、一の前記電荷保存ノードに対応するソースと他の前記電荷保存ノードに対応するドレインとを順次に連結するビットラインと、前記ビットラインと前記金属プラグとの間に介在され、前記ビットラインと前記金属プラグとの間の電流フローを開閉することができる複数のスイッチ素子と、それぞれの前記制御ゲートと連結された複数のワードラインと、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、前記目的達成するための本発明に係る直列連結構造の抵抗ノードを有するメモリ素子は、第1端子及び第2端子を有し、前記第1端子と前記第2端子との間に印加される電圧によって可変抵抗特性を有する複数の抵抗ノードと、一の前記抵抗ノードの第1端子と他の前記抵抗ノードの第2端子との間に介在されて前記抵抗ノードを直列に連結し、前記抵抗ノードより低い抵抗を有する複数の金属プラグと、それぞれの前記抵抗ノードに対応して備えられ、エミッタ、コレクタ、及びベースを備える複数のバイポーラトランジスタと、一の前記バイポーラトランジスタのエミッタと他の前記バイポールとトランジスタのコレクタとを連結して前記バイポーラトランジスタを直列に連結するビットラインと、前記ビットラインと前記金属プラグとの間に介在されて、前記ビットラインと前記金属プラグとの間の電流フローを開閉することができる複数のスイッチ素子と、前記バイポーラトランジスタのベースと連結された複数のワードラインと、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、前記抵抗ノードは、Nb、CrでドーピングされたSrTiO、ZrO、GST(GeSbTe)、NiO、TiO、またはHfOから形成される。
【0011】
また、前記スイッチ素子は、臨界電圧以上が印加された場合にのみ導電性を表す遷移金属酸化膜から形成される。さらに、前記遷移金属酸化膜は、VまたはTiOである。
【0012】
また、前記抵抗ノードは、NAND構造またはAND構造で連結される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によるメモリ素子を利用すれば、従来のメモリ素子よりも低い消去電圧で抵抗ノードをブロック単位で一括的に消去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付した図面を参照して本発明の一実施の形態に係る直列連結構造の抵抗ノードを有するメモリ素子を詳細に説明する。なお、図面での構成要素は、その形状や寸法を誇張して示しているが、これは発明の内容の理解を容易にするためである。
【0015】
図4を参照して、本実施形態に係るメモリ素子100を説明する。
【0016】
メモリ素子100は、直列に連結された複数の抵抗ノード110、ビットラインBLとワードラインWLとに連結された制御素子140、及びビットラインBLと抵抗ノード110とを連結するスイッチ素子130及び金属プラグ120を備える。
【0017】
具体的には、抵抗ノード110は、それぞれ両側に二つの端子N,Nを有する。
【0018】
金属プラグ120は、一の抵抗ノード110の第1端子Nが他の抵抗ノードの第2端子Nと連結されるように、二つの抵抗ノード110の間にそれぞれ介在されている。これにより、抵抗ノード110の間に金属プラグ120を介在して、一の抵抗ノード110と、他の抵抗ノード110とを直列的に連結する。金属プラグ120は、それぞれスイッチ素子130に連結され、制御素子140のソースS及びドレインDは、それぞれスイッチ素子130に連結される。ビットラインBLは、スイッチ素子130及びソースSに連結され、またドレインD及びスイッチ130に連結される。すなわち、ビットラインBLは、一の制御素子140のドレインDと、当該一の制御素子に隣接する他の制御素子140のソースSとを連結する。ワードラインWLは、制御素子140のゲートGにそれぞれ連結されている。
【0019】
したがって、ビットラインBLから始まってスイッチ素子130、金属プラグ120、抵抗ノード110、金属プラグ120及びスイッチ素子130を経て、再びビットラインBLに戻る第1回路が形成される。また、ビットラインBLから始まってソースS及びドレインDを経て、再びビットラインBLに戻る第2回路が形成される。ここで、スイッチ素子130及びゲートGは、後述するように、前記第1回路及び前記第2回路を、選択または制御する機能を有する。
【0020】
メモリ素子100において、一の抵抗ノード110及びそれに対応する一の制御素子140、抵抗ノード110と制御素子140とを連結するスイッチ素子130及び金属プラグ120は、一つの単位セルを形成する。すなわち、メモリ素子100は、前記単位セルが直列に連結された構造、例えば、NAND構造またはAND構造を有する。たとえ、図面には一つのビットラインBLのみが示されているとしても、このようなビットラインBLが複数個配列されていても良い。
【0021】
さらに具体的には、制御素子140は、それぞれの抵抗ノード110に対応して備えられ、第1端子(ソースS)、第2端子(ドレインD)、及び前記第1端子(ソースS)と前記第2端子(ドレインD)との間の電流フローを制御することができる第3端子(ゲートG)を有する。制御素子140は、例えば、ソースS、ドレインD、及びゲートG端子を有するMOSトランジスタであることができる。MOSトランジスタ140は、ゲートGに印加される電圧を調節して、ソースSとドレインDとの間に導電通路であるチャンネル(図示せず)を形成することができる。前記チャンネルが形成された場合、MOSトランジスタ140のソースS及びドレインDは、電気的に連結される。MOSトランジスタ140は、n型チャンネルを有するNMOSまたはp型チャンネルを有するPMOSであることができる。
【0022】
また、制御素子140は、電荷保存ノード(図6の参照番号155)を有するフラッシュメモリまたはSONOSメモリの単位セルであることができる。フラッシュメモリは、浮遊ゲート、例えば、ポリシリコン層を電荷保存ノードとして利用し、SONOSメモリは、電荷トラップ層、例えばシリコン窒化膜層を電荷保存ノードとして利用することができる。この場合、メモリ素子100は、抵抗ノード110及び電荷保存ノード(図6の参照番号155)の異なる2つの形態のストレージノードをハイブリッド結合した構造を有する。これについては、図9でさらに詳細に説明する。
【0023】
図6を参照して、図4のメモリ素子100の一つの例示的な構造100aを説明する。図4の制御素子140は、電荷保存ノード155を備えるフラッシュメモリまたはSONOSメモリの単位セルを例示的に示している。図4の制御素子140は、半導体基板105に形成されたソースS及びドレインD、半導体基板105上の第1絶縁膜150、電荷保存ノード155、第2絶縁膜160、及び制御ゲート電極165を備える。制御素子140については、当業者が容易に理解することができるので、詳細な説明は省略する。
【0024】
スイッチ素子130は、ソースS及びドレインDの上部に形成され、スペーサ絶縁膜175によって電荷保存ノード155及び制御ゲート電極165と絶縁されている。抵抗ノード110は、制御ゲート電極165上の第3絶縁膜170上に形成され、金属プラグ120は、スイッチ素子130上に形成される。金属プラグ120は、抵抗ノード110とスイッチ素子130とを連結しており、また、抵抗ノード110の間を連結している。これにより、抵抗ノード110は、直列に連結される。金属プラグ120は、抵抗ノード110より抵抗の低い金属、例えば、W、Al、Ti、Pt、Ru、Cu、またはCoから形成することができる。メモリ素子の構造100aは、抵抗ノード110及び制御素子140のNANDまたはAND構造であることができる。
【0025】
図7を参照して、スイッチ素子130についてさらに詳細に説明する。スイッチ素子130の両端に印加された電圧が絶対値を基準として臨界電圧(すなわち、−Vth〜Vth)以下である場合には、スイッチ素子130を通じて電流がほとんど流れない。しかし、印加電圧が絶対値を基準として臨界電圧より大きくなれば(−Vth以下であるか、またはVth以上である場合)電流が急激に増加する。すなわち、スイッチ素子130は、整流ダイオードとして利用することができる。したがって、スイッチ素子130は、ビットラインBLから抵抗ノード110へ流れる電流を制御する役割を行うことができる。スイッチ素子130は、遷移金属酸化膜(Transition Metal Oxide:TMO)、例えば、VまたはTiOから形成することができる。
【0026】
以下、抵抗ノード110についてさらに詳細に説明する。抵抗ノード110は、印加される電圧によって抵抗が変わる抵抗状態変化保存物質であることができる。例えば、抵抗ノード110は、Nb、CrでドーピングされたSrTiO、ZrO、GST(GeSbTe)、NiO、TiOまたはHfOから形成されることができる。
【0027】
図8を参照すれば、抵抗ノード110に初期電圧が印加されれば(経路10)、ある臨界電圧、例えばNiOの場合、4.5Vまでは電流がほとんど流れない。すなわち、抵抗ノード110は、高い抵抗値を示す(リセット状態)。しかし、抵抗ノード110の間に印加された電圧が臨界電圧を超えれば、電流が急激に増加する。一旦、抵抗ノード110の間に臨界電圧以上の電圧が加えられた後、再び0から電圧を印加すれば(経路20)、高い電流が流れる。すなわち、抵抗ノード110は、低い抵抗値を示す(セット状態)。しかし、再びリセット電圧以上に電圧が上昇すれば、電流は急激に減少する(経路30)。すなわち、抵抗ノード110の抵抗が再びリセット状態の高い抵抗値に還元される。以後、電圧を上昇させ続ければ(経路40)、初期リセット状態と同じ経路を示す。
【0028】
すなわち、抵抗ノード110は、臨界電圧またはリセット電圧を境界として比抵抗が変わり、このような抵抗の変化は、印加電圧がなくなった後にも一定範囲の電圧領域内では維持される。したがって、抵抗ノード110は、不揮発性メモリ素子のストレージノードとして利用することができる。
【0029】
図9を参照して、電荷保存ノード155と抵抗ノード110とを同時に有するメモリ素子100の動作をさらに詳細に説明する。直列連結構造、例えば、NAND構造において、一の抵抗ノード110、例えば左側で三番目の抵抗ノード110を選択するためには、三番目の抵抗ノード110と連結されたスイッチ素子130をターンオンさせねばならない。したがって、三番目の抵抗ノード110と対応する三番目の制御素子140はターンオフさせ、その他の制御素子140、例えば一番目、二番目、四番目の制御素子140は、何れもターンオンさせる。これにより、ビットラインBLを通じて流入された電子または電流が、ソースSと三番目の抵抗ノード110及びドレインDを連結する回路Cを通じて流れる。
【0030】
このとき、抵抗ノード110に印加される電圧を調節して、図8で説明したように、抵抗ノード110をセット状態またはリセット状態にすることができる。すなわち、抵抗ノード110を利用して論理‘0’及び論理‘1’のデータビットを保存できる。一方、抵抗ノード110とスイッチ素子130とを低抵抗の金属プラグ120に連結することにより、抵抗ノード110に対するセット状態またはリセット状態に必要な動作電圧を降下させることができる。しかも、抵抗ノード110の長さを金属プラグ120の長さに短縮させることによって、抵抗ノード110内で導電通路として形成されるフィラメント(図10の参照番号180)の開放を防止することもできる。
【0031】
もし、電荷保存ノード155を通じてデータビットを保存するためには、ビットラインBLを通じて流入された電子または電流がソースSとドレインDとを連結する回路Cを通じて流れるようにすれば良い。そのためには、選択された三番目の制御素子140の制御ゲート165に動作電圧、例えばプログラム電圧を印加する。前記プログラム電圧は、制御素子140のしきい電圧より高いため、三番目の制御素子140はターンオンされる。
【0032】
抵抗ノード110の消去動作は、直列構造、例えばNANDまたはAND構造のブロック単位で行える。すなわち、制御素子140をいずれもターンオフさせ、ビットラインBLに抵抗ノード110のブロックを消去させることができる電圧を印加する。例えば、一の抵抗ノード110の消去に0.5Vが必要ならば、32個の抵抗ノード110が連結されたNAND構造を消去するためには、16Vの電圧が必要である。
【0033】
図10は、4個の抵抗ノード110が直列に連結された構造に対するブロック消去動作が例示的に説明するためのものである。図10を参照すれば、C.Rosselが実験的に示したように、抵抗ノード110を通じた電流の流れは、局部的なフィラメント180を通じてなされる。このとき、抵抗ノード110の間に介在された金属プラグ120は、抵抗ノード110の間のフィラメント180を連結する役割を行う。それと共に、金属プラグ120は、フィラメント180が生成される核生成場所を提供して、フィラメント180をさらに容易に生成させる。
【0034】
すなわち、抵抗ノード110の間に抵抗ノード110より抵抗の低い金属プラグ120を介在して、低い印加電圧で抵抗ノード110をブロック単位で消去することができる。例えば、従来よりもブロック消去電圧を半分以上に降下させることができる。一旦、抵抗ノード110の半分ほどを低抵抗の金属プラグ120に代替することによって消去電圧を1次に降下させ、加えて、フィラメント180を開放させないことによって消去電圧をさらに2次に降下させることができる。
【0035】
図5を参照して、本発明の他の実施形態に係るメモリ素子200を説明する。メモリ素子200は、直列に連結された複数の抵抗ノード210、ビットラインBLとワードラインWLとに連結されたバイポーラトランジスタ240、ビットラインBLと抵抗ノード210とを連結するスイッチ素子230及び金属プラグ220を備える。
【0036】
具体的には、抵抗ノード210は、それぞれ両側に二つの端子N,Nを有し、金属プラグ220は、一の抵抗ノード210の第1端子Nが他の抵抗ノードの第2端子Nと連結されるように、二つの抵抗ノード210の間にそれぞれ介在されている。これにより、金属プラグ220を介在して一の抵抗ノード210と他の抵抗ノード210とを直列的に連結する。
【0037】
金属プラグ220は、それぞれスイッチ素子230に連結され、バイポーラトランジスタ240のエミッタE及びコレクタCは、それぞれスイッチ素子230に連結する。
【0038】
ビットラインBLは、スイッチ素子230とエミッタEとに連結され、またコレクタC及びスイッチ230に連結される。すなわち、ビットラインBLは、一のバイポーラトランジスタ240のエミッタEと当該一のバイポーラトランジスタ240に隣接する他のバイポーラトランジスタ240のコレクタCとを連結する。ワードラインWLは、バイポーラトランジスタ240のベースBにそれぞれ連結されている。
【0039】
したがって、ビットラインBLから始まってスイッチ素子230、金属プラグ220、抵抗ノード210、金属プラグ220及びスイッチ素子230を経て再びビットラインBLに戻る第1回路が形成される。また、ビットラインBLから始まってエミッタE、ベースB及びコレクタCを経て再びビットラインBLに戻る第2回路が形成される。
【0040】
メモリ素子200において、一の抵抗ノード210及びそれに対応する一のバイポーラトランジスタ240、これら抵抗ノード210、バイポーラトランジスタ240を連結するスイッチ素子230及び金属プラグ220は、一つの単位セルを形成する。すなわち、メモリ素子200は、前記単位セルが直列に連結された構造、例えばNAND構造またはAND構造を有する。たとえ、図面には一つのビットラインBLが示されているとしても、このようなビットラインBLが複数個配列されていても良い。
【0041】
メモリ素子200の抵抗ノード210、スイッチ素子230、及び金属プラグ220は、前記一実施の形態によるメモリ素子100の説明部分を参照することができる。また、抵抗ノード210に対するメモリ動作についても、前記一実施の形態によるメモリ素子100の説明部分を参照して、当業者が容易に実施することができる。但し、前記一実施の形態によるメモリ素子100では、ゲートGを通じてソースSとドレインDとの間の電流フローを制御したとすれば、メモリ素子200では、ベースBを通じてエミッタEとコレクタCとの間の電流の流れを制御できるという点で相違がある。
【0042】
したがって、メモリ素子200は、一の抵抗ノード210を選択して、抵抗ノード210をセット状態またはリセット状態に変化させることができる。すなわち、論理‘0’及び論理‘1’のデータビットを保存することができる。すなわち、抵抗ノード210を通じて論理‘0’及び論理‘1’のデータビットを保存することができる。また、図10に示したように、二つの抵抗ノード210の間に、抵抗ノード210より低い抵抗を有する金属プラグ220を介在して、低い印加電圧で抵抗ノード210をブロック単位で消去できる。
【0043】
本発明は、図面に示された実施の形態を参考に説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点が理解できる。したがって、本発明の真の技術的範囲は、特許請求の範囲に記載によって決められなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、半導体メモリ素子関連の技術分野に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】従来の抵抗メモリ素子についての電子ビーム誘導電流によるイメージ及びそれに相応する電流−電圧特性を示す写真及びグラフである。
【図2】図1の抵抗メモリ素子のフィラメント形状を示す断面図である。
【図3】従来のNAND構造の抵抗メモリ素子のブロック消去動作時の問題点を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るメモリ素子を示す回路図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に係るメモリ素子を示す回路図である。
【図6】図4のメモリ素子の例示的な構造を示す断面図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係るメモリ素子のスイッチ素子の電流−電圧特性を示すグラフである。
【図8】本発明の一実施の形態に係るメモリ素子の抵抗ノードの電流−電圧特性を示すグラフである。
【図9】図6のメモリ素子の動作を説明するための断面図である。
【図10】図9のメモリ素子の抵抗ノードに対するブロック消去動作を示す断面図である。
【符号の説明】
【0046】
100 メモリ素子
110 抵抗ノード
120 金属プラグ
130 スイッチ素子
140 制御素子
BL ビットライン
WL ワードライン
S ソース
D ドレイン
G ゲート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端子及び第2端子を有し、前記第1端子と前記第2端子との間に印加される電圧によって可変抵抗特性を有する複数の抵抗ノードと、
一の前記抵抗ノードの第1端子と他の前記抵抗ノードの第2端子との間に介在され、それぞれの前記抵抗ノードを直列に連結し、前記抵抗ノードより低い抵抗を有する複数の金属プラグと、
それぞれの前記抵抗ノードに対応して備えられ、第1端子、第2端子、及び前記第1端子と前記第2端子との間の電流フローを制御することができる第3端子を有する複数の制御素子と、
一の前記制御素子の第1端子と他の前記制御素子の第2端子とを連結して、一の前記制御素子と他の前記制御素子とを直列的に連結するビットラインと、
前記ビットラインと前記金属プラグとの間に介在されて、前記ビットラインと前記金属プラグとの間の電流フローを開閉することができる複数のスイッチ素子と、
前記制御素子の第3端子と連結された複数のワードラインと、
を備えることを特徴とする直列連結構造の抵抗ノードを有するメモリ素子。
【請求項2】
前記抵抗ノードは、Nb、CrでドーピングされたSrTiO、ZrO、GST(GeSbTe)、NiO、TiO、またはHfOから形成されたことを特徴とする請求項1に記載の直列連結構造の抵抗ノードを有するメモリ素子。
【請求項3】
前記スイッチ素子は、臨界電圧以上が印加された場合にのみ導電性を表す遷移金属酸化膜から形成されたことを特徴とする請求項1に記載の直列連結構造の抵抗ノードを有するメモリ素子。
【請求項4】
前記遷移金属酸化膜は、VまたはTiOであることを特徴とする請求項3に記載の直列連結構造の抵抗ノードを有するメモリ素子。
【請求項5】
前記制御素子は、MOSトランジスタであることを特徴とする請求項1に記載の直列連結構造の抵抗ノードを有するメモリ素子。
【請求項6】
前記第1端子はソースであり、前記第2端子はドレインであり、前記第3端子はゲートであることを特徴とする請求項5に記載の直列連結構造の抵抗ノードを有するメモリ素子。
【請求項7】
前記制御素子は、前記各抵抗ノードに対応して電荷保存が可能な複数の電荷保存ノードをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の直列連結構造の抵抗ノードを有するメモリ素子。
【請求項8】
前記制御素子は、バイポーラトランジスタであることを特徴とする請求項1に記載の直列連結構造の抵抗ノードを有するメモリ素子。
【請求項9】
前記第1端子はエミッタであり、前記第2端子はコレクタであり、前記第3端子はベースであることを特徴とする請求項8に記載の直列連結構造の抵抗ノードを有するメモリ素子。
【請求項10】
前記抵抗ノードは、NAND構造またはAND構造で連結されたことを特徴とする請求項1に記載の直列連結構造の抵抗ノードを有するメモリ素子。
【請求項11】
第1端子及び第2端子を有し、前記第1端子と前記第2端子との間に印加される電圧によって可変抵抗特性を有する複数の抵抗ノードと、
一の前記抵抗ノードの第1端子と他の前記抵抗ノードの第2端子との間に介在され、前記抵抗ノードを直列に連結し、前記抵抗ノードより低い抵抗を有する複数の金属プラグと、
それぞれの前記抵抗ノードに対応して備えられ、電荷保存が可能な複数の電荷保存ノードと、
それぞれの前記電荷保存ノードに対応して備えられる複数のソース、ドレイン、及び制御ゲートと、
一の前記電荷保存ノードに対応するソースと他の前記電荷保存ノードに対応するドレインとを順次に連結するビットラインと、
前記ビットラインと前記金属プラグとの間に介在され、前記ビットラインと前記金属プラグとの間の電流フローを開閉することができる複数のスイッチ素子と、
それぞれの前記制御ゲートと連結された複数のワードラインと、
を備えることを特徴とする直列連結構造の抵抗ノードを有するメモリ素子。
【請求項12】
前記抵抗ノードは、Nb、CrでドーピングされたSrTiO、ZrO、GST(GeSbTe)、NiO、TiO、またはHfOから形成されたことを特徴とする請求項11に記載の直列連結構造の抵抗ノードを有するメモリ素子。
【請求項13】
前記スイッチ素子は、臨界電圧以上が印加された場合にのみ導電性を表す遷移金属酸化膜から形成されたことを特徴とする請求項11に記載の直列連結構造の抵抗ノードを有するメモリ素子。
【請求項14】
前記遷移金属酸化膜は、VまたはTiOであることを特徴とする請求項13に記載の直列連結構造の抵抗ノードを有するメモリ素子。
【請求項15】
前記抵抗ノードは、NAND構造またはAND構造で連結されたことを特徴とする請求項11に記載の直列連結構造の抵抗ノードを有するメモリ素子。
【請求項16】
第1端子及び第2端子を有し、前記第1端子と前記第2端子との間に印加される電圧によって可変抵抗特性を有する複数の抵抗ノードと、
一の前記抵抗ノードの第1端子と他の前記抵抗ノードの第2端子との間に介在されて前記抵抗ノードを直列に連結し、前記抵抗ノードより低い抵抗を有する複数の金属プラグと、
それぞれの前記抵抗ノードに対応して備えられ、エミッタ、コレクタ、及びベースを備える複数のバイポーラトランジスタと、
一の前記バイポーラトランジスタのエミッタと他の前記バイポーラトランジスタのコレクタとを連結して前記バイポーラトランジスタを直列に連結するビットラインと、
前記ビットラインと前記金属プラグとの間に介在されて、前記ビットラインと前記金属プラグとの間の電流フローを開閉することができる複数のスイッチ素子と、
前記バイポーラトランジスタのベースと連結された複数のワードラインと、
を備えることを特徴とする直列連結構造の抵抗ノードを有するメモリ素子。
【請求項17】
前記抵抗ノードは、Nb、CrでドーピングされたSrTiO、ZrO、GST(GeSbTe)、NiO、TiO、またはHfOから形成されたことを特徴とする請求項16に記載の直列連結構造の抵抗ノードを有するメモリ素子。
【請求項18】
前記スイッチ素子は、臨界電圧以上が印加された場合にのみ導電性を表す遷移金属酸化膜から形成されたことを特徴とする請求項16に記載の直列連結構造の抵抗ノードを有するメモリ素子。
【請求項19】
前記遷移金属酸化膜は、VまたはTiOであることを特徴とする請求項18に記載の直列連結構造の抵抗ノードを有するメモリ素子。
【請求項20】
前記抵抗ノードは、NAND構造またはAND構造で連結されたことを特徴とする請求項16に記載の直列連結構造の抵抗ノードを有するメモリ素子。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図1】
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【公開番号】特開2006−295157(P2006−295157A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−87768(P2006−87768)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FRAM
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】