説明

相対変位測定センサーモジュール及びこれを用いた移動方向感知方法

【課題】相対変位測定センサーモジュール及びこれを用いた移動方向感知方法を提供する。
【解決手段】凸部と凹部が交代に形成されたグルーブパターンを有する対象物体の相対変位を測定するセンサーモジュールであって、磁場を発生させる磁石140、前記磁石と前記対象物体の間に設けられ、磁場の変化を感知して電気的信号を出力する巨大磁気抵抗(GMR)センサー130、前記巨大磁気抵抗センサーの出力信号を処理して矩形波を出力する信号処理部150、前記磁石、前記巨大磁気抵抗センサー及び前記信号処理部を支持するハウジング110を含む。これにより、対象物体の移動方向、移動距離、移動速度などを非接触式に安定的に測定できる。また、センサーモジュールはアクチュエーターの形態や種類に関係なく使用することができ、対象物体との接続点が狭い範囲に局限されても正確に感知できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体の相対変位を測定するセンサーモジュールに係り、より詳しくは、シリンダー型アクチュエーターの相対変位を巨大磁気抵抗(Giant Magneto Resistance;GMR)センサーを用いて非接触式に測定するセンサーモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両や産業機器には油圧又は空圧で作動するシリンダー型アクチュエーターが多く使用され、このようなシリンダー型アクチュエーターはシリンダーとその内部で往復運動するピストンバルブ、前記ピストンバルブに連結されて駆動力を伝達するピストンロッドなどで構成される。
【0003】
また、アクチュエーターの動作を精密に制御したり自動化が要求される場合にはセンサーを用いてピストンバルブ又はピストンの変位を測定し、その測定結果をフィードバックしてアクチュエーターの動作を制御している。
【0004】
例えば、車両に使用されるシリンダー型アクチュエーターを構成するダンパーは、車輪と車体との間に設けられて路面の振動や衝撃を吸収する役割を果たすが、高級車両に装着される電子制御式ダンパーは車軸と車体の相対的な位置をセンサーを通じて感知した後にその感知結果を用いてダンパーの減衰力又は引張力を能動的に制御している。
【0005】
従って、電子制御式ダンパーやその他シリンダー型アクチュエーターの動作をフィードバック制御するためにはアクチュエーターの状態を感知できるセンサーを使用しなければならない。現在多様な種類のセンサーが使用されており、このようなセンサーの種類は広く接触式センサーと非接触式センサーに区分できる。
【0006】
ところで、接触式センサー(例えば、ポテンシャルメートル)はピストンロッドやピストンバルブと接する状態でその移動状態を感知するので摩擦によってセンサーが損傷される場合が多く、相対的に製品寿命が短いという問題点がある。
【0007】
また、非接触式センサーには、光学式センサーが代表的であるが、衝撃に弱いだけでなく、異物質によって光が遮断されれば使用できないという問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする技術的課題は、対象物体の動きを非接触式により安定的に測定できるセンサーモジュールを提供することにある。
【0009】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、アクチュエーターの形態に関係なく使用でき、耐久性に優れたセンサーモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記技術的課題を達成するために、凸部と凹部が交代に形成されたグルーブパターンを有する対象物体の相対変位を測定するセンサーモジュールであって、磁場を発生させる磁石;前記磁石と前記対象物体の間に設けられ、磁場の変化を感知して電気的信号を出力する巨大磁気抵抗(GMR)センサー;前記巨大磁気抵抗センサーの出力信号を処理して矩形波を出力する信号処理部;前記磁石、前記巨大磁気抵抗センサー及び前記信号処理部を支持するハウジング;とを含む相対変位測定用センサーモジュールを提供する。
【0011】
前記GMRセンサーは、第1の抵抗素子及び第2の抵抗素子の直列連結対と第3の抵抗素子及び第4の抵抗素子の直列連結対が互いに並列に連結される構造を有し、前記電気的信号は前記第1の抵抗素子及び前記第2の抵抗素子の間の第1のノードと前記第3の抵抗素子及び前記第4の抵抗素子の間の第2のノードの間で磁場の変化に応じて発生する出力電圧であることを特徴とすることができる。
【0012】
前記GMRセンサーは、それぞれ磁場の変化を感知して電気的信号を出力する第1のサブセンサー及び第2のサブセンサーを備え、前記第1のサブセンサーの先端部と前記第2のサブセンサーの先端部は前記対象物体の移動方向に沿って離隔されていて、前記対象物体が移動すれば、前記第1のサブセンサーの出力信号と前記第2のサブセンサーの出力信号が時差を置いて生成されることを特徴とすることができる。
【0013】
ここで、前記信号処理部は、前記GMRセンサーの出力信号を増幅する信号増幅部;前記信号増幅部で増幅された信号を矩形波に変換して外部に伝送するデジタル変換部を含むことができる。
【0014】
また、前記ハウジングは一端に開口部を備え、前記GMRセンサーは前記開口部を密閉するPCB基板の外側に搭載されることを特徴とすることができ、ここで前記GMRセンサーの外側には、保護カバーが設けることができる。
【0015】
また前記磁石は、前記PCB基板の内側に固定される永久磁石であることを特徴とすることができる。
【0016】
また、前記ハウジングの内側には前記信号処理部と付属回路を搭載する第2のPCB基板が設けられ、前記PCB基板と前記第2のPCB基板はFPCBを通じて電気的に連結されることを特徴とすることができる。
【0017】
また本発明は、凸部と凹部が交代に形成されたグルーブパターンを有する対象物体の移動方向に沿って互いに離隔されて設けられ、磁場変化に対応する電気的信号をそれぞれ出力する第1のセンサーと第2のセンサーを内蔵するGMRセンサーを用いて前記対象物体の移動方向を感知する方法において、前記対象物体が前記第1のセンサー及び前記第2のセンサーについて移動すれば、前記第1のセンサーから生成される第1の電気的信号と前記第2のセンサーから生成される第2の電気的信号の出力順序を認識して前記対象物体の移動方向を判断する対象物体の移動方向感知方法を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明のセンサーモジュールを用いれば、対象物体の移動方向、移動距離、移動速度などを非接触式に安定的に測定することができる。
【0019】
また、本発明のセンサーモジュールはアクチュエーターの形態や種類に関係なく使用でき、対象物体との接続点が狭い範囲に局限されても正確に感知することができる。
【0020】
また、従来の光学式や接触式センサーに比べて優秀な耐久性と剛性を有するセンサーモジュールを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0022】
本発明の実施例によるセンサーモジュール100は、それぞれ斜視図及び部分切開斜視図である図1A及び図1Bに示すように、内部に中空部を有し、一端に開口部112が形成されたハウジング110、前記ハウジング110の内部で前記開口部112を密閉する第1のPCB120、前記第1のPCB120の外側に結合するGMRセンサー130、前記第1のPCB120の内側に結合する永久磁石140を含む。
【0023】
また、前記ハウジング110の内部にはGMRセンサー130の出力信号を処理する信号処理部150が設けられ、前記信号処理部150やその他付属回路は第2のPCB160に搭載される。
【0024】
ハウジング110の外側には、電源/信号線170が引き出され、前記電源/信号線170はGMRセンサー130及び信号処理部150の動作に必要な電源を供給する電源供給ラインと信号処理部150の出力信号を外部に伝送する信号伝送ラインを含む。
【0025】
ハウジング110の外形は、設置場所によって変わるものであるため、示すような円筒形状に限定されるものではない。
【0026】
GMRセンサー130は、周辺磁場の強さによって内蔵された抵抗素子の抵抗値が変わる特性を有し、従って入力電圧が同一であっても周辺磁場が変われば出力電圧が変わる。
【0027】
従って、GMRセンサー130の出力電圧を用いれば、磁場の強さを測定できるのでハードディスクドライブ(HDD)の記録及び再生と関連された分野でこのようなGMRセンサーが多く使用されてきた。
【0028】
本発明の実施例は、このようなGMRセンサー130を用いてシリンダー型アクチュエーターの相対変位を非接触式に測定するセンサーモジュール100を提案しているものである。
【0029】
GMRセンサー130は、第1のPCB120に搭載されたままハウジング110の開口部112を通じてハウジング110の外部に露出されるが、汚染物質から保護するためにGMRセンサー130の外側に保護カバー(図示せず)がさらに設けられてもよい。
【0030】
GMRセンサー130の出力信号を処理する信号処理部150が搭載された第2のPCB160は、GMRセンサー130が搭載された第1のPCB120と電気的に連結されなければならなく、このため第1のPCB120と第2のPCB160をFPCBなどを用いて連結することができる。勿論他の電気的連結手段が用いられてもよい。
【0031】
GMRセンサー130は、多様な形態で製造でき、図2のブロック図はその一例を示す図面である。すなわち、4個の抵抗素子(R1、R2、R3、R4)をホイートストンブリッジ形態で連結してGMRセンサー130を構成し、この時前記抵抗素子(R1、R2、R3、R4)は基板上に蒸着された金属薄膜であって、少なくとも一つは周辺磁場の強さによって抵抗値が変わる特性を有する。
【0032】
従って、GMRセンサー130の周辺で磁場が変われば、ホイートストンブリッジの抵抗釣り合いが破れながらGMRセンサー130で所定の出力電圧(Vout)が発生するようになる。
【0033】
図3は、GMRセンサー130の出力電圧(Vout)が変わる過程を対象物体の動きによって示す図面である。
【0034】
先ず永久磁石140をグルーブパターンを有する金属物体200に近接設けた状態で前記金属物体200を移動させれば、グルーブパターンの凸部210と凹部220なので永久磁石140と金属物体200の間隔が周期的に変わるようになり、これにより永久磁石140と金属物体200の間の磁場のパターンも周期的に変わるようになる。
【0035】
従って、永久磁石140と金属物体200の間にGMRセンサー130を設ければ、このような磁場の変化によってGMRセンサー130に内蔵された抵抗素子の抵抗値が変わりながら出力電圧(Vout)が周期的に変動される。
【0036】
先ず、GMRセンサー130が図2のように連結された抵抗素子(R1、R2、R3、R4)を内蔵しており、図3の(a)のようにGMRセンサー130が金属物体200の凸部210の上部に位置する場合には各抵抗素子(R1、R2、R3、R4)の抵抗値が釣り合いを行って出力電圧(Vout)がゼロと仮定する。
【0037】
続いて図3の(b)のように金属物体200が図面上右側に移動しながら永久磁石140が凹部220の上部と重畳され始めれば、磁場の変化によってGMRセンサー130の抵抗釣り合いが破れながら出力電圧(Vout)が発生し始める。
【0038】
出力電圧(Vout)は、徐々に増加してからGMRセンサー130が金属物体200の凹部220の上部と多く重畳されながら再び減少し、図3の(c)に示すように永久磁石140が完全に凹部220の上部に位置すれば再び抵抗釣り合いが行われて出力電圧(Vout)がゼロになる。
【0039】
金属物体200が図面上右側に移動し続けて永久磁石140が図3の(d)のように再び凸部210の上部と重畳され始めれば、再びGMRセンサー130の抵抗釣り合いが破れながら出力電圧(Vout)が発生し始めるが、この場合に出力電圧は図3の(a)とは反対の極性を有するようになる。
【0040】
結局、凸部210及び凹部220のグルーブパターンを有する金属物体200が永久磁石140について移動する間にGMRセンサー130は正弦波形態の出力電圧(Vout)を連続的に発生するようになる。
【0041】
信号処理部150は、図4の回路ブロック図に示すように信号増幅部152とデジタル変換部154で構成される。
【0042】
信号増幅部152は、GMRセンサー130の出力電圧(Vout)を増幅させる役割を果たし、例えば図4の回路ではR7/R4、すなわち200倍で増幅された出力電圧(Vout)を得ることができる。
【0043】
デジタル変換部154は、信号増幅部152で増幅された信号を矩形波に変換させる役割を果たす。
【0044】
デジタル変換部154で出力される矩形波の周波数、パルス幅、オフセットデータなどはアクチュエーターの動作を制御する制御モジュール(図示せず)に伝送され、制御モジュールはこのようなデータを用いて金属物体200の移動速度や移動距離を判断し、必要な制御信号を送り出してアクチュエーターの動作をフィードバック制御する。
【0045】
一方、前述した方式のGMRセンサー130を使用すれば、対象物体の移動を感知できるが、移動方向を判別しにくいという問題点がある。
【0046】
すなわち、図3の(b)のようにGMRセンサー13の出力電圧(Vout)が最高値である状態で出力電圧(Vout)がゼロになる場合に図3の(a)の位置にあることであるか、或いは図3の(c)の位置にあることであるか有無を判断しにくい。
【0047】
これを解決するために、本発明の実施例では一つの半導体チップに2個のセンサーが含まれたGMRセンサー130を用いて対象物体の移動方向を感知する。すなわち、図5に示すようにそれぞれホイートストンブリッジを構成する4個の抵抗素子から成る第1のサブセンサー(130a)と第2のサブセンサー(130b)を含んで一つのGMRセンサー130を構成する。
【0048】
この時、第1のサブセンサー(130a)と第2のサブセンサー(130b)を同一な位置に形成せず第1のサブセンサー(130a)の先端部と第2のサブセンサー(130b)の先端部が対象物体の移動方向に沿って所定間隔離隔されるように形成すれば、第1のサブセンサー(130a)と第2のサブセンサー(130b)で出力電圧が発生する時点が変わるのでこれを用いて対象物体の移動方向を確認できる。
【0049】
すなわち、図5で金属物体200が図面上右側に移動すれば、GMRセンサー130の下部に凹部220が近接しながら、第1のサブセンサー(130a)が第2のサブセンサー(130b)より先に凹部220の上部に位置するようになる。
【0050】
従って、磁場の変化によって第1のサブセンサー(130a)で先ず出力電圧が発生し、所定時間後に第2のサブセンサー(130b)で出力電圧が発生するようになる。
【0051】
この場合、信号処理部150の出力信号は図6Aに図示すように示され、これにより第1のサブセンサー(130a)の出力信号(Vout1)が第2のサブセンサー(130b)の出力信号(Vout2)に比べて時間的に先立つことが分かる。
【0052】
もし金属物体200が図面上左側に移動すれば、第2のサブセンサー(130b)で出力電圧が先ず発生し、所定時間後に第1のサブセンサー(130a)で出力電圧が発生する。
【0053】
この場合、信号処理部150の出力信号を調べれば、図6Bに示すように第2のサブセンサー(130b)の出力信号(Vout2)が第1のサブセンサー(130a)の出力信号(Vout1)に比べて時間的に先立つ。
【0054】
結局、第1のサブセンサー(130a)の出力信号と第2のサブセンサー(130b)の出力信号の発生順序を用いて金属物体200の移動方向が分かる。
【0055】
図7は、2個のサブセンサーを内蔵するGMRセンサー130と信号処理部150の連結構成を示す回路ブロック図である。
【0056】
GMRセンサー130は、各サブセンサー毎に独立された出力端子の出力信号(Vout1、Vout2)を備え、信号処理部150はGMRセンサー130の各出力端子の出力信号(Vout1、Vout2)を独立的に処理した後矩形波として出力する。
【0057】
以上で説明したセンサーモジュール100は多様な用度で使用可能である。例えば、車両用ダンパーのピストンバルブの動作状態を感知することに用いられてもよく、航空機ランディングギアにも使用されてもよい。また、掘削機などの建設機器や産業機器のアクチュエーターの動作を感知することに使用されてもよく、工場自動化機器のアクチュエーターの動作を感知する用度で使用されてもよい。
【0058】
以下では例えば、本発明の実施例によるセンサーモジュール100が車両用ダンパー10に設けられる場合を説明する。
【0059】
図8は、車両用ダンパー10を部分切開した斜視図であって、ダンパー10の上端部に本発明の実施例によるセンサーモジュール100が装着されている。
【0060】
より具体的に調べれば、前記ダンパー10は円筒形のシリンダー11、シリンダーの内部に設けられるピストンバルブ12、ピストンバルブ12の上端に結合するピストンロッド13、シリンダー11の上端を密閉しながらピストンロッド13の上下運動をガイドするロッドガイド14を含む。
【0061】
ピストンバルブ12には、流体通過孔(図示せず)が形成されており、ピストンバルブ12下部の圧縮室と上部の引張室には流体が充填されている。従って、圧縮行程では圧縮室の流体が流体通過孔を通じて上部の引張室に移動し、引張行程では引張室の流体が下部の圧縮室に移動する。
【0062】
センサーモジュール100は、前記ロッドガイド14に設けることが好ましく、このため、ロッドガイド14はその側部にセンサーモジュール100のハウジング110に対応する貫通ホールを備える。
【0063】
センサーモジュール100を結合するときはGMRセンサー130を貫通ホールの内側に挿入してロッドガイド14に沿って昇降するピストンロッド13に最大に近接させなければならない。正確な感知のためには、ピストンロッド13の表面とGMRセンサー130の間隔が1mm内外になる程度で近接設けることが好ましい。
【0064】
また、GMRセンサー130は、対象物体にグルーブ(溝)パターンが形成されていて、その動きを感知できるため、ピストンロッド13の感知対象部分には運動方向について実質的に垂直方向にグルーブパターン(13a)を形成する。
【0065】
前記グルーブパターン(13a)は、交代に形成された多数の凸部と多数の凹部から成り、ピストンロッド13の移動方向と必ずしも垂直ではなく、多少傾いても凸部と凹部が一定した寸法と間隔に形成さえすればピストンロッド13の動きを感知できる。
【0066】
車両の制御モジュールは、センサーモジュール100の感知結果を用いてダンパー10の減衰力又は引張力を制御し、最近はシリンダー内部に磁気粘性流体(Magneto−Rheological Fluid)を充填し、ピストンバルブ12にソレノイドコイルを設けて磁場を用いて流体通過孔を通じた流体の挙動を制御するダンパーが注目を浴びている。
【0067】
磁気粘性流体は、磁化できる金属粒子を含有する流体であって、周辺に磁場が発生すれば、その影響によって外見粘度が変わる特性を有する。従って、ピストンバルブ12の流体通過孔周囲にソレノイドコイルを設けて磁場の強さを調節することによってダンパー10の減衰力や引張力を制御できる。
【0068】
従って、本発明の実施例によるセンサーモジュール100が路面の屈曲や衝撃によって移動するピストンロッド13の動きを感知すれば、車両の電子制御ユニット(ECU)で感知結果を用いてフィードバック制御信号を生成し、ソレノイドコイルに印加される電流の強さを調節する方式でダンパー10の減衰力や引張力が電磁的に制御されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1A】本発明の実施例によるセンサーモジュールの斜視図である。
【図1B】本発明の実施例によるセンサーモジュールの部分切開斜視図である。
【図2】GMRセンサーの概念図である。
【図3】GMRセンサーが対象物体の動きを感知する原理を順序通り示す図面である。
【図4】信号処理部の回路ブロック図である。
【図5】2個のサブセンサーを内臓したGMRセンサーが対象物体を感知する姿を示す図面である。
【図6A】対象物体の移動方向に沿って2個のサブセンサーの出力信号が時差を有する姿を示す図面である。
【図6B】対象物体の移動方向に沿って2個のサブセンサーの出力信号が時差を有する姿を示す図面である。
【図7】2個のサブセンサーを内蔵するGMRセンサーと信号処理部の連結構成を示す回路ブロック図である。
【図8】車両用ダンパーに本発明のセンサーモジュールが装着された姿を示す図面である。
【符号の説明】
【0070】
100:センサーモジュール
110:ハウジング
112:開口部
120:第1のPCB
130:GMRセンサー
140:永久磁石
150:信号処理部
152:信号増幅部
154:デジタル変換部
160:第2のPCB
170:電源/信号線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凸部と凹部が交代に形成されたグルーブパターンを有する対象物体の相対変位を測定するセンサーモジュールであって、
磁場を発生させる磁石;
前記磁石と前記対象物体との間に設けられ、磁場の変化を感知して電気的信号を出力する巨大磁気抵抗(GMR)センサー;
前記巨大磁気抵抗センサーの出力信号を処理して矩形波を出力する信号処理部;
前記磁石、前記巨大磁気抵抗センサー及び前記信号処理部を支持するハウジング;
とを含むことを特徴とする相対変位測定用センサーモジュール。
【請求項2】
前記GMRセンサーは、第1の抵抗素子及び第2の抵抗素子の直列連結対と第3の抵抗素子及び第4の抵抗素子の直列連結対が互いに並列に連結される構造を有し、
前記電気的信号は、前記第1の抵抗素子及び前記第2の抵抗素子の間の第1のノードと前記第3の抵抗素子及び前記第4の抵抗素子の間の第2のノードの間で磁場の変化に応じて発生する出力電圧であることを特徴とする請求項1に記載の相対変位測定用センサーモジュール。
【請求項3】
前記GMRセンサーは、それぞれ磁場の変化を感知して電気的信号を出力する第1のサブセンサー及び第2のサブセンサーを備え、
前記第1のサブセンサーの先端部と前記第2のサブセンサーの先端部は前記対象物体の移動方向に沿って離隔されており、前記対象物体が移動すれば、前記第1のサブセンサーの出力信号と前記第2のサブセンサーの出力信号が時差を置いて生成されることを特徴とする請求項1に記載の相対変位測定用センサーモジュール。
【請求項4】
前記信号処理部は、
前記GMRセンサーの出力信号を増幅する信号増幅部;
前記信号増幅部で増幅された信号を矩形波に変換して外部に伝送するデジタル変換部を含むことを特徴とする請求項1に記載の相対変位測定用センサーモジュール。
【請求項5】
前記ハウジングは一端に開口部を備え、前記GMRセンサーは前記開口部を密閉するPCB基板の外側に搭載されることを特徴とする請求項1に記載の相対変位測定用センサーモジュール。
【請求項6】
前記GMRセンサーの外側には、保護カバーが設けられることを特徴とする請求項5に記載の相対変位測定用センサーモジュール。
【請求項7】
前記磁石は、前記PCB基板の内側に固定される永久磁石であることを特徴とする請求項5に記載の相対変位測定用センサーモジュール。
【請求項8】
前記ハウジングの内側には前記信号処理部と付属回路を搭載する第2のPCB基板が設けられ、前記PCB基板と前記第2のPCB基板はFPCBを通じて電気的に連結されることを特徴とする請求項5に記載の相対変位測定用センサーモジュール。
【請求項9】
凸部と凹部が交代に形成されたグルーブパターンを有する対象物体の移動方向に沿って互いに離隔されて設けられ、磁場変化に対応する電気的信号をそれぞれ出力する第1のセンサーと第2のセンサーとを内蔵するGMRセンサーを用いて前記対象物体の移動方向を感知する方法において、
前記対象物体が前記第1のセンサー及び前記第2のセンサーについて移動すれば、前記第1のセンサーから生成される第1の電気的信号と前記第2のセンサーから生成される第2の電気的信号の出力順序を認識して前記対象物体の移動方向を判断することを特徴とする対象物体の移動方向感知方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−275567(P2008−275567A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−132560(P2007−132560)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(507164032)エス アンド ティー デウ コー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】