説明

硬化性のシリル化されたポリウレタン組成物から誘導された接着剤樹脂成分を有する固体高分子基質

基質への優れた接着性能を示す、硬化性のシリル化されたポリウレタン組成物から誘導される樹脂を有する固体高分子基質。このシリル化されたポリウレタンは、ポリオール成分とジイソシアナート成分とを反応させて、ヒドロキシ末端プレポリマーを生成させ、そしてこのプレポリマーをイソシアナートシランにより末端キャップ化させることによって調製する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性のシリル化されたポリウレタン組成物から誘導される樹脂をそこへ接着させた固体高分子基質に関する。シリル化されたポリウレタンは、ポリオール成分をジイソシアナート成分と反応させることによってヒドロキシ末端プレポリマーを生成させ、このプレポリマーをイソシアナトシランにより末端キャップ化することによって調製する。
【背景技術】
【0002】
ウレタン重合体は、過去には、イソシアナート基の一部分または全部を種々の有機シランにより末端化することによって官能性を修飾して調節し、イソシアナート基を最低限度に有するか、または有しない、シランで末端キャップ化されたウレタン重合体を得てきた。シランで末端キャップ化されたウレタンシーラントは、かなりの伸長や圧縮が要求される用途において有用であるには不充分なたわみ性を頻繁に示す。これらの問題を克服するために、PohlとOsterholtzへの米国特許第4,645,816号は、室温で水分硬化性で、一つのジアルコキシシリル基と、少なくとも1つの活性水素を持つ有機官能基とを有するシラン単量体と反応した、端末イソシアナート基を有する、シラン末端ポリウレタンの新規な類を記載する。この重合体は、架橋して、たわみ性が改善されたエラストマーの網目を形成する。硬化されたエラストマーの架橋密度を下げる別の方法では、シランの末端キャップ剤として窒素上にかさ高い置換基を持つ第二級アミノシランを使用し、好ましくは、総ての遊離した(free)イソシアナート末端基を、これらの第二級アミノシランと反応させている。
【0003】
二官能性シランおよび/または立体的に障害のあるシランの利用は、ウレタンプレポリマーの末端キャップ化にアミンの反応性を典型的には用いるが、幾つかの難点がある。第二級アミンを有するシランは、ウレタンプレポリマーと反応するのが遅いが、一方でジアルコキシシリル官能性シランにより末端キャップ化された重合体は、典型的には硬化するのが非常に遅い。特に、尿素の生成は、アミノシランを用いるときに経験されることであるが、プレポリマーの粘度をかなり増加させることになり、プロセス上の問題と利用上の制限とに結びつく可能性がある。高粘度シランで末端化されたプレポリマーは、低粘度コーティング組成物の調合を特に妨げる。アミノシラン末端プレポリマー系のコーティング製剤を希釈するために有機溶媒を使用すれば、吹付け、浸し塗またははけ塗によって物質に塗布できるようにはなる。しかしながら、多量の溶媒が必要な重合体は、揮発性有機化合物の排出、可燃性または健康上の観点などの理由で望ましくない。
【0004】
かなりのたわみ性を持つように意図された、シリル化された前駆物質用の末端キャップ剤としてトリアルコキシシリル基を用いるには、三官能性末端キャップ剤の使用につきものの架橋密度を釣り合わせるために、著しく高い平均分子量を持つ長い重合体鎖を生成させる必要がある。この重合体の構造は、アミノシラン末端キャップ剤を、特に尿素結合を生成するために使用するときには、生じる生成物の粘度を容認できない程高いレベルまで上昇させてしまうことになる。ジイソシアナートまたはポリイソシアナートと汎用のポリエーテルポリオールとを使った、高分子量のイソシアナート末端ポリウレタンを構築する合成経路では、シランで末端キャップ化する前にウレタンプレポリマーのイソシアナートの残存官能性が低いかまたは無視できる程度であるという問題が提起されてきた。それ故、このタイプの系からの合成は適さないようである、および/または、この系は硬化のプロファイルと力学的性質とを満たさないようである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ポリエーテルポリオールを直接キャップ化することによって調製されるシリル末端ポリウレタン(STPU)は、当業者に周知である。しかしながら、ポリエーテルポリオールを直接キャップ化して作製されたシーラントは、多くの有機基質、無機基質に対する密着性が弱い。したがって、改善された力学的性質と接着性とを提供するシリル化されたポリウレタン重合体への必要性が残る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
固体高分子基質であって、:
a)化学量論的に過剰のポリエーテルポリオールとポリイソシアナートとの反応から誘導されるヒドロキシ末端ポリウレタンプレポリマー;
b)イソシアナトシラン;および、任意選択で、
c)充填剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、触媒、接着促進剤、硬化促進剤、チクソトロープ剤、可塑剤、水分捕捉剤、顔料、染料、界面活性剤、消泡剤、溶媒、および殺虫剤からなる群から選択される少なくとも一つの付加的な成分
を含有する硬化性樹脂生成組成物の硬化から得られる樹脂を、表面の少なくとも一部分に接着させた固体高分子基質。
【0007】
本発明の高分子基質にくっつく硬化性樹脂生成組成物は、ここで開示される種々の基質に塗布できる優れた接着性を持つコーティング、接着剤およびシーラントを包含してよい。
【0008】
本発明の固体高分子基質は、セルロース化合物(例えば、紙、綿、ファイバーボード、板紙、木材、織布、または不織布のようなセルロース物質)のような天然高分子や、エラストマー、プラスチック(例えば、ポリカーボネート)のような合成高分子を含む。
【0009】
本発明の更なる固体高分子基質は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリメチル(メタ)アクリラート(PMMA)、ポリエステル、ポリカーボネート(PC)、エチレンの重合体、ポリスチレン、およびABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂);アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタラート(PET)のようなプラスチックのフィルム;屋根、タンクおよびパイプの絶縁に使用されるようなポリウレタンフオームを含むポリウレタン;ポリイミド;アルミナ三水和物を充填したアクリル重合体、例えばCorian(DuPontの登録商標);ポリカーボネート、例えばLexan(General Electric Co.の登録商標);ポリエーテルイミド、例えばUltem(General Electric Co.の登録商標);修飾されたポリフェニレンオキシド、例えばNoryl(General Electric Co.の登録商標)を含む。本発明のさらに他の固体高分子基質は、合成ゴム、天然ゴム、シリコーン、およびシリコーン重合体を含む。
【0010】
末端活性水素原子を有するウレタン重合体は、本発明の硬化性樹脂生成組成物の調製に有用であるが、有機のジイソシアナートまたはポリイソシアナートの反応物成分と、化学量論的に過剰のポリオールの反応物成分との反応によって調製され、このポリオールは、ポリエーテルポリオールであってもよく、またはポリオール類の組合せも含有する。触媒は、各反応物の反応性によって任意選択である。反応温度は、典型的には60℃から90℃の範囲である;反応時間は、典型的には概算で、約4時間から約10時間である。調製の例を以下に説明する。
【0011】
本発明の一つの実施態様において、有機のジイソシアナートおよびポリイソシアナートは、脂肪族ジイソシアナート、脂環式ジイソシアナート、アラリファティック(araliphatic)ジイソシアナート、および芳香族ジイソシアナートを含む。本発明の別の実施態様において、ジイソシアナートは、ヘキサメチレンジイソシアナート、パラ−フェニレンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、1,4−シクロヘキサンジイソシアナート、1,3−ビス−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、ナフタレン−1,5−ジイソシアナート、テトラメチルキシレンジイソシアナートなど、そしてそれらの混合物からなる群から選択される。
【0012】
ウレタンプレポリマーの製造用に、一つもしくはそれ以上のジオールおよびトリオールを反応に用いてよく、その例は、二つもしくはそれ以上のヒドロキシ基を持つ、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリブタジエンジオール、ポリオキシアルキレンジオール、ポリオキシアルキレントリオール、ポリテトラメチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール、およびポリカプロラクトントリオールなどである。本発明の一つの実施態様において、用いられるポリオールは、非常に低い不飽和レベルと、それ故に高い官能性とを有する。前記ポリオールは、典型的にはアルキレンオキシドの重合用の金属錯体触媒を使用して調製され、低いレベルの末端エチレン性不飽和を有するポリオールを生じる。本発明の一つの実施態様において、ポリオールは、具体的にはポリオールの1グラム当たり0.2ミリ当量(meq/g)未満である末端エチレン性不飽和を有する。本発明の別の実施態様において、末端エチレン性不飽和は、ポリオールの1グラム当たり、0.1ミリ当量(meq/g)未満であり、そしてさらに別の実施態様において、末端エチレン性不飽和は、ポリオールの1グラム当たり0.02ミリ当量(meq/g)未満である。ポリオールの分子量は、具体的には1モル当たり約500グラムと約50,000グラム(g/mol)の間の範囲であり、より具体的には1モル当たり約2,000グラムから約20,000グラムまでの範囲である。
【0013】
本発明において使用してよいポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールまたは高分子ポリオールの幾つかの非限定的例は、ポリオキシプロピレンポリエーテルポリオールまたは混合されたポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)ポリエーテルポリオールである。ポリエーテルポリオールの幾つかの具体的な例は、ポリオキシアルキレンポリオールであり、特に線状および分岐のポリ(オキシエチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール、それらの共重合体、およびそれらの組合せである。グラフトまたは修飾されたポリエーテルポリオールは、エチレン性不飽和単量体の重合体の少なくとも一つが中に分散されたポリエーテルポリオールである。非限定的な代表的な修飾されたポリエーテルポリオールは、ポリ(スチレンアクリロニトリル)またはポリ尿素が中に分散されたポリオキシプロピレンポリエーテルポリオール、そしてポリ(スチレンアクリロニトリル)またはポリ尿素が中に分散されたポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)ポリエーテルポリオールである。グラフトまたは修飾されたポリエーテルポリオールは、分散された高分子の固体を構成する。本発明の適切なポリエステルは、無水フタル酸(PA)、テレフタル酸ジメチル(DMT)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、および脂肪族ポリエステルなどにより作製されたもののような芳香族ポリエステルポリオールを含むが、これらに限定されない。本発明において使用してよい幾つかの市販のポリエーテルポリオールは、ARCOL(登録商標)polyol U−1000、Bayer AG製のHyperlite E−848、Dow BASF製のVoranol、Stepan製のStepanpol、Invista製のTerateを含む。
【0014】
本発明の一つの実施態様において、本発明のポリエーテルジオールは、1モル当たり約2,000から約16,000グラムまでの数平均分子量を有する。本発明の別の実施態様において、ポリエーテルジオールは、1モル当たり約8,000から約16,000グラムまでの数平均分子量を有する。
【0015】
本発明の硬化性樹脂生成組成物の調製に有用な活性ヒドロキシ末端ポリウレタンを調製するために、イソシアナート当量(−NCO基)に対して少なくとも僅かにモルで過剰のヒドロキシ当量(−OH基)が、ヒドロキシ基により重合体鎖を末端化するのに用いられる。本発明の一つの実施態様において、イソシアナートに対するヒドロキシの当量比は、約1.05から約3.3まであり、そしてヒドロキシ末端ポリウレタンプレポリマーは、少なくとも一つのヒドロキシ官能基を有する。本発明の別の実施態様において、イソシアナートに対するヒドロキシの当量比は、約1.2から約2まであり、そしてヒドロキシ末端ポリウレタンプレポリマーは、少なくとも一つのヒドロキシ基を有する。
【0016】
上で記載したように、最初に生成したポリウレタンプレポリマーは、第二工程においてイソシアナトシランにより続いて末端キャップ化し、望ましいシリル末端ポリウレタン(STPU)重合体を得る。一つの実施態様において、ウレタンプレポリマーを有する活性水素末端原子の末端キャップ化に適切なイソシアナトシラン末端キャップ化剤は、下記の一般式によって表される:
OCN−R−Si(R(OR3−m
式中、Rは2価の炭化水素基であり、Rは1〜4の炭素原子を持つアルキルであり、Rは1〜4の炭素原子を持つアルキルであり、そしてmは0から2までの整数である。R基は、末端イソシアナート基とアルコキシシラン基との間の安定した架橋を形成する種々の任意の構造を有してよい。本発明の一つの実施態様において、Rは、約1〜約12の炭素原子を持つアリーレン、または直鎖、環状もしくは分岐の炭化水素である。別の実施態様において、R基は、1〜6の炭素原子を持つ低級アルキレン基であり、そして別の実施態様において少なくとも3の炭素原子を持つ低級アルキレン基である。
【0017】
活性水素原子を持つウレタンプレポリマーは、おおよそ化学量論的な量で上記のイソシアナトシランと反応して、一つもしくはそれ以上の末端アルコキシシラン基を持つ安定なプレポリマーを生成する。
【0018】
そのようなイソシアナトアルコキシシラン化合物の多くの構造は、例えば、参照により本明細書の一部として組み入れる米国特許第4,146,585号の4欄と5欄で説明されている。本発明の一つの実施態様において、しかしながら、Rは、1〜3の炭素原子を持つ低級アルキレン基であり、別の実施態様においては、Rは、約3の炭素原子がそこにある低級アルキレン基である。
【0019】
前述のヒドロキシ基末端ポリウレタンプレポリマーと反応させるためにここで使用してよい具体的なイソシアナトシランは、イソシアナトメチルジメトキシシラン、イソシアナトメチルトリメトキシシラン、イソシアナトプロピルジメチルメトキシシラン、イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、イソシアナトイソプロピルトリメトキシシラン、イソシアナト−n−ブチルトリメトキシシラン、イソシアナト−t−ブチルトリメトキシシラン、イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、イソシアナトイソプロピルトリエトキシシラン、イソシアナト−n−ブチルトリエトキシシラン、イソシアナト−t−ブチルトリエトキシシランなどを含む。
【0020】
本発明の一つの実施態様において、イソシアナトシランは、ガンマ−イソシアナトプロピルトリエトキシシランであり、そして本発明のさらに別の実施態様において、イソシアナトシランは、ガンマ−イソシアナトプロピルトリメトキシシランである。
【0021】
ウレタンプレポリマーの合成、ならびに、これに続くシリル化反応も、アルコキシシラン基が予定より早く加水分解するのを防ぐために、無水条件下で、より具体的には窒素のブランケット(blanket)のような不活性雰囲気下で行なう。両方の反応工程の典型的な温度範囲は、20℃から150℃であり、より好ましくは60℃と90℃との間である。典型的には、シリル化されたポリウレタンの合成の全反応時間は、4時間から8時間の間である。
【0022】
上記のウレタンプレポリマーの調製、ならびに、関連するシリル化されたポリウレタンの調製においても典型的に使用される触媒は、典型的には有機スズ化合物および第三級アミンを含む。ポリウレタンプレポリマーを作製するために使用される触媒の適切な非限定的な例は、当業者に周知であり、そしてアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、エチルアセトアセタート、サルシルアルデヒド、シクロペンタノン−2−カルボキシラート、アセチルアセトンイミン、ビス−アセチルアセトン−アルキレンジイミン、サリシルアルデヒドイミンなどと、Al、Be、Mg、Zn、Cd、Pb、Ti、Zr、Sn、As、Bi、Cr、Mo、Mn、Fe、Co、Niのような様々な金属、およびMoO++、UO++などのような金属酸化物イオンとから得られるもののような様々な金属のキレート;と、Ti(OR)、Sn(OR)、Sn(OR)、Al(OR)、Bi(OR)などのような様々な金属のアルコラートおよびフェノラート、ここで、Rは1〜約18の炭素原子のアルキルまたはアリールである;と、ここでの操作または同等の操作によって得られる周知のチタンキレートのような、様々な金属のアルコラートと、カルボン酸、ベータ−ジケトンおよび2−(N,N−ジアルキルアミノ)アルカノールとの反応生成物;とを含む。さらに触媒は、四価のスズの有機金属誘導体、三価と五価のAs、SbおよびBiの有機金属誘導体、そして鉄およびコバルトの金属カルボニル;そしてそれらの組合せを含む。一つの具体的な実施態様において、カルボン酸のジアルキルスズ塩である有機スズ化合物は、非限定的な例としてジブチルスズジアセタート、ジブチルスズジラウラート、ジブチルスズマレアート、ジラウリルスズジアセタート、ジオクチルスズジアセタート、ジブチルスズ−ビス(4−メチルアミノベンゾアート)、ジブチルスズジラウリルメルカプチド、ジブチルスズ−ビス(6−メチルアミノカプロアート)など、およびそれらの組合せを含んでもよい。同様に、別の具体的な実施態様において、トリアルキルスズヒドロキシド、ジアルキルスズオキシド、ジアルキルスズジアルコキシド、またはジアルキルスズジクロリド、およびそれらの組合せを使用してよい。これらの化合物の非限定的な例は、トリメチルスズヒドロキシド、トリブチルスズヒドロキシド、トリオクチルスズヒドロキシド、ジブチルスズオキシド、ジオクチルスズオキシド、ジラウリルスズオキシド、ジブチルスズ−ビス(イソプロポキシド)、ジブチルスズ−ビス(2−ジメチルアミノペンチラート)、ジブチルスズジクロリド、ジオクチルスズジクロリドなど、およびそれらの組合せを含む。
【0023】
シリル化されたウレタン樹脂は、酸化防止安定剤を含んでもよい。様々なフェノールおよびヒンダードアミン(hindered amine)は、STPU樹脂を安定化させるのに適切である。STPUを安定化させるのに適切なフェノールの代表的な非限定的例は、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマート]メタン;オクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマート;3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸、7〜9の炭素原子の分岐アルキルエステル;1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン;2,6−ジ−tert−ブチル−4−(N,N’−ジメチルアミノメチル)フェノール;2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール;2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ遊離基;および4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ遊離基(4−ヒドロキシTEMPO)を含む。
【0024】
STPUを安定化するのに適切なヒンダードアミンの代表的な非限定的例は、置換された芳香族アミン;2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール;4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとのジメチルサクシナート重合体;ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)、(アルファ−(3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソプロピル)−オメガ−ヒドロキシを含む。これらの添加剤は、単独でまたは組み合せて使用してよい。これらの添加剤は、全組成物の約100ppmから約2000ppmの濃度で使用してよい。さらに、ビタミンEは、塗装済みのSTPU重合体の安定化のための酸化防止剤としても使用されてもよい。
【0025】
酸化防止剤に加えて、シリル化されたウレタン樹脂は、容器中での安定性を維持するために多量の脱水剤を含んでよい。ビニルトリメトキシシラン(General Electric Co.製のSilquestA−171)のような様々なアルコキシシラン、またはメチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシランなどのようなアルキルトリアルコキシシランは、この用途に有効である。それらは、典型的にはシリル化されたウレタン重合体100部当たり約0.5から約5.0部の濃度で、より典型的にはSTPU重合体100部当たり約0.5から約2.5部の濃度で組み込まれる。
【0026】
標準滴定手法(ASTM2572−87)および赤外分析を用いて合成を追跡する。どちらかの手法によって残余のNCOが検出できないとき、ウレタンプレポリマーのシリル化が完了したと考える。
【0027】
STPU樹脂は、ポリウレタンプレポリマーを最初に生成させることなく、ジオールとイソシアナトシランとの直接反応から得てよい。この合成法の利点の一つは、明らかに一段階プロセスによるSTPU樹脂の生成である。この合成法に有用なジオールは、ここでの上記のジオールと同一であり、そしてジオールとイソシアナトシランとの直接反応から得られるSTPUの製造に関して、化学の他の詳細の総ては、ウレタンプレポリマーからの製造のそれと同一である。STPU樹脂の一般的な化学および使用は、Johnstonらの米国特許第5,990,257号で論じられており、参照により、総ての内容を本明細書の一部として組み入れる。
【0028】
本発明の一つの実施態様に従って、上記のシリル末端ポリウレタンを組み入れた一液型および二液型のシーラント、接着剤またはコーティングの製剤は、シリル化されたポリウレタンと、一つもしくはそれ以上の充填剤、可塑剤、チクソトロープ剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、界面活性剤、消泡剤、接着促進剤、および/または硬化触媒などのような当業者に既知である通例の任意の機能性添加剤とを混合することによって調製してよい。充分な混合は、二軸遊星運動型混合機(double planetary mixer)の使用により得られる。一液型シーラント製剤において、典型的には、シリル化されたウレタン重合体、充填剤、安定剤、および可塑剤は、真空中で60分から90分のあいだ、80℃で混合する。50℃に冷却した後、望ましいシラン接着促進剤、脱水剤および硬化触媒を添加し、そして混合物は、窒素のブランケットでさらに30分間撹拌する。コーティング製剤の調製は、カウレスのこぎり歯(Cowles blade)または類似の強力なせん断歯を取り付けた混合機で行ってよい。さらに、二重非対称遠心混合機(dual asymmetric centrifugal mixer)は、少量の製剤に有用である。
【0029】
本発明の基質の商業的な組み込みは、建築工事、自動車用途、民生用アプリケーション、工業用途、窓組立部品;例えば、屋根、タンクと配管の絶縁用として使用されるポリウレタンフォーム;例えば、RV車、地下鉄車両、トレーラーなどのような輸送用途;の様々な様式を含む。
【0030】
本発明の高分子基質に接着される硬化性樹脂生成組成物は、成形可能な組成物として実用性を有し、被覆された基質、一緒に接着された基質、そして優れた接着性を有する基質間のシーリング目地のような製品を提供する。
【0031】
本発明の一液型および二液型のコーティング、接着剤およびシーラントの製剤の機能性添加剤は、当業者に既知である充填剤、可塑剤、チクソトロープ剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、水分捕捉剤、接着促進剤、硬化触媒、界面活性剤、消泡剤、着色添加剤、および殺虫剤を含む。
【0032】
本発明の硬化性樹脂生成組成物の製剤に適切な典型的な充填剤は、ヒュームドシリカ、沈降シリカおよび炭酸カルシウムのような強化用充填剤を含む。本発明の実施態様において、処理された炭酸カルシウムは、約0.07マイクロメートル(μm)から約4マイクロメートル(μm)までの粒径を有し、そして幾つかの会社から、Specialty Minerals製のUltra Pflex、Super Pflex、Hi Pflex;Zeneca Resins製のWinnofil SPM、SPT;Huber製のHubercarb 1Qt、Hubercarb 3Qt、Hubercarb W;およびECC製のKotomiteの幾つかの商品名で入手可能である。日本で一般に使用される充填剤は、白石工業株式会社製の白艶華CCR、白艶華CC;丸尾カルシウム株式会社製のCalfine200を含む。これらの充填剤は、単独でまたは組合せのどちらを用いてもよい。硬化性樹脂生成組成物の物理的強度をさらに改善するために、強化用カーボンブラックを主な充填剤として使用し、黒系統にしてよい。本発明に有用なカーボンブラックの幾つかの商用銘柄は、「Corax」製品(Degussa製)のように入手可能である。半透明の製剤を得るために、高濃度のヒュームドシリカまたは沈降シリカを主な充填剤としてカーボンブラックなしで使用してよい。
【0033】
充填剤は、単独でまたは組合せて使用してよい。充填剤は、具体的にはシリル化されたウレタン重合体の100部当たり200部まで、より具体的には硬化性樹脂生成組成物、特にシーラント製剤に対して約80部から約150部までの充填濃度を構成してよい。コーティング製剤に関しては、充填剤の具体的な充填濃度は、意図する用途の特性に依存する。エラストマーのコーティングは、シリル化されたウレタン重合体の100部当たり、約5から約20部まで存在するヒュームドシリカのような強化用充填剤を持つ。
【0034】
本発明の硬化性樹脂生成のシーラント組成物において通例用いられる可塑剤は、特性を修飾し、そして高濃度の充填剤の使用を容易にするために本発明では使用してよい。典型的な可塑剤は、フタル酸エステル、ジプロピレングリコールジベンゾアートおよびジエチレングリコールジベンゾアート、そしてそれらの混合物;旭電化工業株式会社、旭硝子株式会社または三協化学株式会社から入手可能であり、1モル当たり約200グラムから、1モル当たり約5,000グラムまでの、より具体的には1モル当たり約100グラムから、1モル当たり約4,000グラムまでの重量平均分子量を持つプロピレングリコール;エポキシ化大豆油など;およびアジピン酸エステルそしてセバシン酸エステルのような脂肪族ジエステルを含む。フタル酸ジオクチルおよびフタル酸ジイソデシルの有用な供給元は、Exxon Chemicalから商品名JayflexDOPおよびJayFlexDIDPで入手可能なものを含む。ジベンゾアートは、Velsicol Chemical Corporation製のBenxoflex9−88、Benzoflex50およびBenzoflex400として入手可能である。可塑剤は、具体的にはシリル化されたウレタン重合体100部当たり、約200部までを構成し、より具体的にはシリル化されたウレタン重合体100部当たり、約40から約150部までを構成する。
【0035】
本発明の硬化性樹脂生成組成物は、様々なチクソトロープ剤またはたるみ防止剤を含む。様々なカスターワックス、ヒュームドシリカ、処理粘土、およびポリアミドは、この種の添加剤を代表する。これらの添加剤は、具体的にはシリル化されたウレタン重合体100部当たり、約0.1から約10部までを構成し、より具体的にはシリル化されたウレタン重合体100部当たり、約0.5から約6部までを構成する。市販のチクソトロープ剤は、Degussa製のAerosil、Cabot製のCabo−SilTS720、CasChem製のCastorwax、Rheox製のThixatrol、Thixcin、およびKing Industries製のDislonとして入手可能なものを含む。
【0036】
安定剤は、本発明の硬化性樹脂生成組成物に、具体的にはシリル化されたウレタン重合体100部当たり、約0から約5部までの量で、より具体的には約0.5から約2部までの量で組み入れてよい。安定剤は、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバカート(Tinuvin770);4−(ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノール(Tinuvin622)を持つジメチルサクシナート重合体;アルファ−(3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソプロピル)−オメガ−ヒドロキシ(Tinuvin213);および2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(Tinuvin327)のようなヒンダードアミンおよびジアルキルヒドロキシアミンを含んでよい。安定剤は、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸、7〜9の炭素原子を持つ分岐アルキルエステル(Irganox1135);オクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマート(Irganox1076);テトラキス[メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマート)]メタン(Tinuvin1010)のような主要な酸化防止剤も含んでよく、そしてCiba−Geigyから入手可能である。
【0037】
様々な有機官能性シラン接着促進剤は、本発明の硬化性樹脂生成組成物に有用であり、例えばアルコキシシラン接着促進剤である。適切なアルコキシシラン接着促進剤は、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、1,3,5−トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌラート、ガンマ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス−ガンマ−(トリメトキシシリルプロピル)アミン、N−フェニル−ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリアミノ官能性トリメトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、ガンマ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、ベータ−3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、ガンマ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、アルファ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、ベータ−シアノエチルトリメトキシシラン、ガンマ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、およびN−エチル−3−トリメトキシシリル−2−メチルプロパンアミン、そしてそれらの混合物を含む。これらの物質は、典型的にはシリル化されたウレタン重合体100部当たり、約0.5から約5部までの濃度で用いられ、より典型的には重合体100部当たり、約0.8から約2.0部までで使用される。適切な市販の接着促進剤は、GE Advanced Materialsから入手可能な、Silquest(登録商標)A−1120シラン、SilquestA−1110シラン、SilquestA−2120シラン、SilquestA−1170シランのような様々なアミノシラン;SilquestA−187のようなエポキシシラン;SilquestA−597シランのようなイソシアヌラートシラン、およびSilquestA−599シラン、SilquestA−1891シランのようなメルカプトシラン、そしてそれらの組合せを含むが、これに限定されない。
【0038】
適切な硬化触媒は、シリル化されたウレタン重合体の調製のために先に記載されたものと同一である。触媒は、典型的にはシリル化されたウレタン重合体100部当たり、約0.01から約3部まで、より典型的には重合体100部当たり、約0.01から約1.0部を構成する。硬化性樹脂生成組成物のタイムリーな硬化(架橋)は、スズ、チタン、ジルコニウムなどの様々な金属錯体の使用により達成してよい。ジブチルスズジラウラートおよびジブチルスズアセタートのようなジアルキルスズジカルボキシラート、オクチル酸第一スズおよび酢酸第一スズのようなカルボン酸の第一スズ塩などは、最も適切である。一つの実施態様において、触媒はジブチルスズジラウラートである。スズ触媒は単独であるいはラウリルアミンのような第三級アミンと組み合わせて用いられてよい。
【0039】
本発明の硬化性樹脂生成組成物は、コーティング、接着剤およびシーラントの用途に典型的に用いられる他の添加剤を含む。これらの添加剤は、溶媒、顔料または他の着色剤、染料、界面活性剤、殺菌剤、および殺虫剤を含む。そのような成分は、汎用の量で使用してよい。コーティング製剤は、シーラント製剤または接着剤製剤とは異なった割合で、そして例として溶媒と消泡剤とを典型的には含むにしても、硬化性樹脂生成組成物に関して記載された添加剤を含む。
【0040】
本発明の硬化性樹脂生成組成物で使用してよい界面活性剤の幾つかの非限定的例は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エトキシ化されたひまし油、オレイン酸エトキシラート、アルキルフェノールエトキシラート、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、そしてシリコーンとポリエーテルとの共重合体、エチレンオキシドの共重合体、プロピレンオキシドの共重合体、およびそれらの混合物の共重合体などである。
【0041】
本発明の硬化性樹脂生成組成物は、ローラー塗、吹付け、浸し塗、はけ塗などを含む、当業者に既知の一般的な塗布方法によって固体高分子基質に塗布されるコーティング、接着剤およびシーラントとして供給されてよい。ある場合には、硬化性樹脂生成組成物を、固体高分子基質上に積層してよく、または塗布してその上にフィルムを生成させてもよい。そのようなコーティングのプロセスは、塗布部と計量部を備える装置を使う。硬化性樹脂生成組成物の量と厚さを注意深く制御して、物質をむだに使うことなく最適な塗布層を得る。多くのコーティング機が知られており、例えば計量棒を使った塗布機、はけ塗り法、エアーナイフ型塗布機(air knife coater)などの引張り感度のよい塗布機である。そのようなコーティング機は、高分子基質の一部分または全部を塗布するのに使用してよい。
【0042】
STPU樹脂と、典型的な添加剤、例えば充填剤、可塑剤、チクソトロープ剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、接着促進剤、殺虫剤、および硬化触媒とを取り込む一液型または二液型のシーラント製剤は、バッチプロセスまたは連続プロセスを用いて調製してよい。一般的な一液型STPUシーラント製剤の代表的な非限定的例を表1に表した。
【0043】
【表1】

【0044】
一液型または二液型のシーラント製剤は、バッチプロセスまたは連続プロセスを用いて調製してよい。一般的な一液型STPUエラストマーのコーティング製剤の代表的な非限定的例を表2に表した。
【0045】
【表2】

【0046】
バッチプロセスでは、参照により総ての内容を本明細書の一部としてここに編入する米国特許第6,001,946号で充分に記載されているように、典型的には二軸遊星運動型混合機または類似の混合機を用いる。典型的には、STPU樹脂、充填剤、安定剤、および可塑剤を、80℃で60分から90分の間混合する。50℃に冷却したあと、望ましいシラン接着促進剤、脱水剤および硬化触媒を添加し、この混合物をさらに30分攪拌する。
【0047】
連続プロセスでは、参照により総ての内容を本明細書の一部としてここに編入する米国特許第5,519,104号で充分に記載されているように、例えば30mmのWerner−Pfleiderer製の二軸押出機(twin−screw extruder)を用いる。表1に述べた成分を取り込んだ硬化性樹脂生成組成物は、米国特許第5,519,104号に記載された操作を使って製造する。典型的には、押出機の総ての部品を75℃に加熱する。シリル化されたウレタン樹脂と炭酸カルシウム充填剤は、可塑剤、有機官能性シラン、接着促進剤、酸化防止剤、および光安定剤の混合と同時に計量して押出機に入れる。押出機の側面開口部から可塑剤とスズ触媒を添加する。STPUシーラントは、30mmのWerner−Pfleiderer製の二軸押出機において40lb/hrの速度で製造する。
【実施例】
【0048】
実施例1および比較例2、3
STPU重合体の調製:実施例1および比較例2、3のSTPU重合体の調製用の物質を表3に示す。
【0049】
【表3】

【0050】
実施例1のシリル化されたポリウレタン(STPU)は、ここに記載されたようにバッチプロセスによって調製した。ポリプロピレンエーテル(Acclaim(登録商標)12000)を攪拌しながら、水分含量が200ppmもしくはそれより少なく減少するまで80℃で窒素によってパージした。反応温度を45±5℃まで冷却し、イソホロンジイソシアナート(IPDI)をポリプロピレンエーテルポリオールに添加した。ジブチルスズジラウラート触媒SLU−4の7ppm(General Electric Advanced Materials 製のFomrez(登録商標))を5分後に添加した。この混合物を75℃に加熱し、攪拌を続けながら75±2℃で、シリル化されたポリウレタンに水が混入するのを防ぐために窒素のブランケットで維持した。イソシアナート含量(−NCO)は、n−ジブチルアミン滴定法を用いてチェックし、1.5時間毎に検査した。理論的なキャップ化の状況に達したあと、ガンマ−イソシアナトプロピルトリメトキシシランのシラン末端キャップ化剤を添加し、反応は、その完結が滴定によって決定されるまで同じ温度で進めた。
【0051】
比較例2、3は、上述したようにバッチプロセスによって調製した。高分子量で、低モノオール含量のジオールを下に記載するようにシランで直接末端キャップ化した。ポリプロピレンエーテルを(比較例2ではPreminol(登録商標)4022を、比較例3ではPreminol(登録商標)4016を)攪拌しながら、水分含量が200ppmもしくはそれより少なく減少するまで80℃で窒素によってパージした。反応器の温度を45±5℃に冷却し、次にガンマ−イソシアナトプロピルトリメトキシシランを、比較例2と3のポリプロピレンエーテルにそれぞれ添加した。SUL−4触媒7ppmを5分後に添加した。この混合物を75℃に加熱し、攪拌を続けながら75±2℃、窒素ブランケットで維持した。反応は、その完結が滴定によって決定されるまで同じ温度で進めた。
【0052】
実施例1および比較例2,3のSTPU重合体は、試験する前に、23℃、相対湿度(RH)50%で2週間の制御された条件下で充分に硬化させた。物理的性質は、標準ASTM試験手順を使うことによって評価した。これは、引張強さ、伸び、モジュラス(ASTM D412);引裂き抵抗(ASTM D624;C金型);ショアA硬さ(ASTM C661)、および接着−剥離(ASTM C794)を含む。結果を表4に示す。
【0053】
【表4】

【0054】
実施例4および比較例5、6
実施例4および比較例5、6の一液型STPU系シーラント製剤を表5に表す。
【0055】
【表5】

【0056】
一液型STPU系シーラント製剤、実施例4および比較例5、6を、水冷却式の混合容器を取り付けた、1クォートの二軸遊星運動型混合機(one quart, double planetary Ross Power mixer)を用い、上記のSTPU樹脂により既知で汎用の方法で調製した。シーラント実施例4は、実施例1のSTPU樹脂により調製し、そしてシーラント比較例5、6は、比較例2、3のSTPU樹脂によりそれぞれ調製した。実施例4および比較例5、6を調製するとき、STPU樹脂、炭酸カルシウム充填剤、二酸化チタン、チクソトロープ剤SiO、可塑剤、および紫外線安定剤を真空下、80℃で120分間、30rpmで混合した。50℃に冷却したあと、シラン接着促進剤、シランの脱水剤(ビニルトリメトキシシラン)およびジブチルスズジラウラート触媒を添加し、次に、この混合物をさらに30分攪拌した。
【0057】
STPU系のシーラント製剤(実施例4、比較例5、6)は、同等の厚さに引き抜き加工し、この試験片を試験する前に、23℃、相対湿度(RH)50%で2週間の制御された条件下で充分に硬化させた。
【0058】
実施例4および比較例5、6(表6に示されるように)の一液型STPU系シーラント製剤の物理的性質は、標準ASTM試験手順を使うことによって評価した。これは、引張強さ、伸び、モジュラス(ASTM D412);引裂き抵抗(ASTM D624;C金型);ショアA硬さ(ASTM C661)、および接着−剥離(ASTM C794)を含む。
【0059】
【表6】

【0060】
様々な基質上で、実施例4および比較例5、6のSTPU系シーラント製剤の剥離強度は、標準ASTM C794試験手順を用いて決定した。基質は、例えばアルミニウム、ガラス、PVC、ポリスチレン、ナイロン、ABSである。結果を表7に示す。
【0061】
【表7】

【0062】
「凝集破壊(cohesive failure)」の用語は、ここで使用されるようにSTPU系シーラント製剤の層の内部で起こる破壊と定義される。「接着破壊(adhesive failure)」の用語は、ここで使用されるようにSTPU系シーラント製剤と、これに接する側の表面との界面での破壊と定義される。
【0063】
比較例2、3のSTPU樹脂は、高分子量で、低モノオール含量のジオールを直接シラン末端キャップ化して得られるが、これは実施例1で調製された樹脂よりも低い粘度の物質(それぞれ、16,500cPと20,500cP)を提供した。適切な触媒を混合して硬化させたとき、比較例2、3で得られた樹脂は、実施例1の樹脂よりも幾分早い不粘着時間を有した。しかしながら、比較例2、3の硬化された樹脂の物理的性質は、より高いモデュラス、より大きいショアA硬さ、より低いパーセントの伸び挙動によって示されるように(表4を参照)、実施例1の硬化された樹脂よりも著しく曲げにくい。さらに、比較例3は、実施例1の引裂き抵抗よりも著しく小さな裂き抵抗を示した。
【0064】
性能における同様な傾向は、表6に示されるように、実施例1および比較例2、3の樹脂を、実施例4および比較例5,6のSTPU系シーラント製剤に調合したときに観察された。比較例2,3の樹脂により調製したシーラント(それぞれ、比較例5,6のSTPU系シーラント製剤)は、実施例1からのSTPU樹脂を用いて調製した実施例4のSTPU系シーラントの引張強さと同等の引張強さを示した。しかしながら、比較例5、6は、モジュラスと硬さがより高い一方で、より低い伸びと引裂き強度とを示した。
【0065】
意義深いことに、ポリスチレン、ナイロンおよびABSに対するシーラント比較例5,6の接着性能は、剥離強度と凝集破壊の程度との両方において、シーラント実施例4の接着性能に著しく劣る。エラストマーのコーティングは、実施例1で記載するタイプのSTPU樹脂により、これは別途の合成実験であるが、調製した。試験試料は、表8に示されるように調合した。比較例10は、純粋なSTPU樹脂の対照試料を表す。実施例7〜9は、異なるタイプのフュームドシリカにより、または可塑剤(実施例9)を添加することにより調製した。疎水性のフュームドシリカ、Degussa Aerosil(登録商標)R812を実施例7で用い、親水性のフュームドシリカ、Degussa Aerosil(登録商標)300を実施例8で用いた。実施例7〜9は、フュームドシリカを添加すると純粋な樹脂に比較して粘度が増加するので、製剤100g当たり、n−ブチルアセタート10gで希釈した。コーティング試料は、試験する前に、23℃、相対湿度(RH)50%で7日間硬化させた。
【0066】
【表8】

【0067】
表9は、エラストマーのコーティング実施例に関する物理的性質を含む。表面積の大きいフュームドシリカを添加する実施例7と8の両方で、純粋な樹脂(比較例10)に対して、強度と引裂き強度に極端な増加がある。この種のシリカを添加したとき、純粋な重合体の伸びは、かなりの比率で維持される。
【0068】
【表9】

【0069】
エラストマーのコーティング実施例7〜9に関する剥離強度のデータを表10に示す。これらの製剤は、可塑剤10pphを添加した場合(実施例9)を除いて、ABSに対して比較的低い接着を示した。この重合体は、高い引裂き強度をもち、シーラント実施例よりも曲がりにくいので、重合体−基質の結合は、ある程度の凝集破壊がABSで観察された実施例9を除いて、凝集破壊よりむしろ接着破壊になる傾向であった。アルミニウム基質については、親水性フュームドシリカを含む製剤は、かなり高い引裂き強度と凝集破壊100%であったのに対して、疎水性フュームドシリカを用いたときは、より低い引裂き強度と接着破壊100%であった。接着促進剤の濃度は、対照試料と同一であったが、濃度の調節をすれば、後者の系の挙動は向上するであろう。
【0070】
【表10】

【0071】
本発明のプロセスを特定の実施態様に関して記載してきたが、当業者ならば、発明の範囲から外れることなく様々な変更を行い、等価物をそれの要素で置き換えてよいことを理解しよう。さらに、発明の本質的な範囲から外れることなく発明の教示に特定の状況や物質を適用するために多くの修飾がなされるであろう。それゆえに、本発明は、本発明のプロセスを実行するために熟慮されたベストモードとして開示された特定の実施態様に限定されるのではなく、本発明は添付した請求項の範囲内に入るすべての実施態様を含む、と意図するものである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体高分子基質であって、:
a)化学量論的に過剰のポリエーテルポリオールとポリイソシアナートとの反応から誘導されるヒドロキシ末端ポリウレタンプレポリマー;
b)イソシアナトシラン;および、任意選択で、
c)充填剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、触媒、接着促進剤、硬化促進剤、チクソトロープ剤、可塑剤、水分捕捉剤、顔料、染料、界面活性剤、消泡剤、溶媒、および殺虫剤からなる群から選択される少なくとも一つの付加的な成分
を含有する硬化性樹脂生成組成物の硬化から得られる樹脂を、その表面の少なくとも一部分に接着させた固体高分子基質。
【請求項2】
請求項1に記載の硬化性樹脂生成組成物の硬化から得られる樹脂を、その表面の少なくとも一部分に接着させた固体高分子基質であって、前記ポリエーテルポリオールがエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドから誘導されるポリエーテルジオールであり、そして前記ポリイソシアナートがジイソシアナートである、固体高分子基質。
【請求項3】
請求項1に記載の硬化性樹脂生成組成物の硬化から得られる樹脂をその表面の少なくとも一部分に接着させた固体高分子基質であって、前記ポリエーテルジオールが、モル当たり約2,000から約16,000までの数平均分子量を有する、固体高分子基質。
【請求項4】
請求項1に記載の硬化性樹脂生成組成物の硬化から得られる樹脂をその表面の少なくとも一部分に接着させた固体高分子基質であって、前記ポリエーテルジオールがモル当たり約8,000から約16,000までの数平均分子量を有する、固体高分子基質。
【請求項5】
請求項1に記載の硬化性樹脂生成組成物の硬化から得られる樹脂をその表面の少なくとも一部分に接着させた固体高分子基質であって、前記ジイソシアナートが、脂肪族ジイソシアナート、脂環式ジイソシアナート、アラリファティックジイソシアナート、および芳香族ジイソシアナートからなる群から選択される少なくとも一つの構成要素である、固体高分子基質。
【請求項6】
請求項5に記載の硬化性樹脂生成組成物の硬化から得られる樹脂をその表面の少なくとも一部分に接着させた固体高分子基質であって、前記ジイソシアナートが、ヘキサメチレンジイソシアナート、パラ−フェニレンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、2,4’−ジフェニル−メタンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、1,4−シクロヘキサンジイソシアナート、1,3−ビス−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、ナフタレン−1,5−ジイソシアナート、テトラメチルキシレンジイソシアナート、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つの構成要素である、固体高分子基質。
【請求項7】
請求項1に記載の硬化性樹脂生成組成物の硬化から得られる樹脂をその表面の少なくとも一部分に接着させた固体高分子基質であって、イソシアナートに対するヒドロキシの当量比が約1.05から約3.3であり、そして前記ヒドロキシ末端ポリウレタンプレポリマーが少なくとも一つのヒドロキシ官能基を有する、固体高分子基質。
【請求項8】
請求項7に記載の硬化性樹脂生成組成物の硬化から得られる樹脂をその表面の少なくとも一部分に接着させた固体高分子基質であって、前記イソシアナートに対するヒドロキシの当量比が約1.2から約2.0であり、そして前記ヒドロキシ末端ポリウレタンプレポリマーが少なくとも一つのヒドロキシ官能基を有する、固体高分子基質。
【請求項9】
請求項1に記載の硬化性樹脂生成組成物の硬化から得られる樹脂を、その表面の少なくとも一部分に接着させた固体高分子基質であって、前記イソシアナトシランが、一般式:
OCN−R−Si(R(OR3−m
(式中、Rは、前記イソシアナトシランにより前記プレポリマーにヒドロキシ基を末端キャップ化する2価の炭化水素基であり、Rは1〜4の炭素原子を持つアルキル基であり、Rは1〜4の炭素原子を持つアルキル基であり、そしてmは0、1または2である)
を有する、固体高分子基質。
【請求項10】
請求項9に記載の硬化性樹脂生成組成物の硬化から得られる樹脂をその表面の少なくとも一部分に接着させた固体高分子基質であって、Rが1〜約12の炭素原子を有するアリーレン、直鎖、環状または分岐のアルキレンである、固体高分子基質。
【請求項11】
請求項9に記載の硬化性樹脂生成組成物の硬化から得られる樹脂をその表面の少なくとも一部分に接着させた固体高分子基質であって、Rが1〜3の炭素原子を持つ低級アルキレンである、固体高分子基質。
【請求項12】
請求項9に記載の硬化性樹脂生成組成物の硬化から得られる樹脂をその表面の少なくとも一部分に接着させた固体高分子基質であって、Rが約3の炭素原子を持つ、固体高分子基質。
【請求項13】
請求項9に記載の硬化性樹脂生成組成物の硬化から得られる樹脂をその表面の少なくとも一部分に接着させた固体高分子基質であって、前記イソシアナトシランが、ガンマ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、イソシアナトメチルジメトキシシラン、イソシアナトメチルトリメトキシシラン、イソシアナトプロピルジメチルメトキシシラン、イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、イソシアナトイソプロピルトリメトキシシラン、イソシアナト−n−ブチルトリメトキシシラン、イソシアナト−t−ブチルトリメトキシシラン、イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、イソシアナトイソプロピルトリエトキシシラン、イソシアナト−n−ブチルトリエトキシシラン、およびイソシアナト−t−ブチルトリエトキシシランからなる群から選択される少なくとも一つである、固体高分子基質。
【請求項14】
請求項1に記載の硬化性樹脂生成組成物の硬化から得られる樹脂をその表面の少なくとも一部分に接着させた固体高分子基質であって、前記固体高分子基質が、紙、綿、ファイバーボード、板紙、木材、織布、不織布、エラストマー、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリエチレンカーボナート、合成ゴム、天然ゴム、シリコーン、およびシリコーン重合体からなる群から選択される少なくとも一つである、固体高分子基質。
【請求項15】
請求項14に記載の硬化性樹脂生成組成物の硬化から得られる樹脂をその表面の少なくとも一部分に接着させた固体高分子基質であって、前記固体高分子基質が、ポリメチル(メタ)アクリラート、ポリプロピレンカーボナート、ポリブテンカーボナート、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタラート、ポリウレタン、およびポリイミドからなる群から選択される少なくとも一つである、固体高分子基質。
【請求項16】
請求項15に記載の硬化性樹脂生成組成物の硬化から得られる樹脂をその表面の少なくとも一部分に接着させた固体高分子基質であって、前記固体高分子基質が、木材、ポリスチレン、ナイロン、およびアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンからなる群から選択される少なくとも一つである、固体高分子基質。
【請求項17】
請求項1に記載の硬化性樹脂生成組成物の硬化から得られる樹脂をその表面の少なくとも一部分に接着させた固体高分子基質であって、前記充填剤が、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、炭酸カルシウム、カルシウム、およびカーボンブラックからなる群から選択される少なくとも一つであり;前記酸化防止剤が、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマート]メタン、オクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(N,N’−ジメチルアミノメチル)フェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ(4−ヒドロキシ−TEMPO)、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール;4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとのジメチルサクシナート重合体;ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)、および(アルファ−(3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソプロピル)−オメガ−ヒドロキシからなる群から選択される少なくとも一つであり;前記触媒が、ジブチルスズジラウラート、ジブチルスズジアセタート、第三級アミン、オクチル酸第一スズ、および酢酸第一スズからなる群から選択される少なくとも一つであり;前記接着促進剤が、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、1,3,5−トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌラート、ガンマ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス−ガンマ−トリメトキシシリルプロピル)アミン、N−フェニル−ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリアミノ官能性トリメトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、ガンマ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、ベータ−3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、ガンマ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、ガンマ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、ベータ−シアノエチルトリメトキシシラン、ガンマ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、およびN−エチル−3−トリメトキシシリル−2−メチルプロパンアミンからなる群から選択される少なくとも一つであり;前記チクソトロープ剤が、カスターワックス、ヒュームドシリカ、処理粘土、およびポリアミドからなる群から選択される少なくとも一つであり;前記可塑剤が、フタル酸エステル、ジプロピレングリコールジベンゾアートおよびジエチレングリコールジベンゾアートからなる群から選択される少なくとも一つであり;前記水分捕捉剤が、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシランおよびエチルトリメトキシシランからなる群から選択される少なくとも一つである、固体高分子基質。
【請求項18】
請求項1に記載の硬化性樹脂生成組成物の硬化から得られる樹脂をその表面の少なくとも一部分に接着させた固体高分子基質であって、前記充填剤が前記樹脂生成組成物100部当たり約80から約200部までの量で存在し、前記紫外線安定剤が前記樹脂生成組成物100部当たり約0から約5部までの量で存在し、前記酸化防止剤が前記樹脂生成組成物100部当たり約0から約5部までの量で存在し、前記接着促進剤が前記樹脂生成組成物100部当たり約0.5から約5部までの量で存在し、前記硬化促進剤が前記樹脂生成組成物100部当たり約0から約3部までの量で存在し、前記チクソトロープ剤が前記樹脂生成組成物100部当たり約0から約10部までの量で存在し、前記可塑剤が前記樹脂生成組成物100部当たり約40から約200部までの量で存在し、前記水分捕捉剤が前記樹脂生成組成物100部当たり約0から約5部までの量で存在し、そして前記触媒が前記樹脂生成組成物100部当たり約0から約3部までの量で存在する、固体高分子基質。
【請求項19】
請求項1に記載の硬化性樹脂生成組成物の硬化から得られる樹脂をその表面の少なくとも一部分に接着させた固体高分子基質であって、前記ポリエーテルポリオールがポリプロピレンエーテルであり、前記ジイソシアナートがイソホロンジイソシアナートであり、そして前記イソシアナトシランがガンマ−イソシアナトプロピルトリメトキシシランである、固体高分子基質。
【請求項20】
請求項19に記載の硬化性樹脂生成組成物の硬化から得られる樹脂をその表面の少なくとも一部分に接着させた固体高分子基質であって、前記固体高分子基質が、ポリスチレン、ナイロンおよびアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンからなる群から選択される少なくとも一つである、固体高分子基質。
【請求項21】
固体高分子基質であって、前記樹脂がシーラントとして供される、請求項1に記載の硬化性樹脂生成組成物の硬化から得られる樹脂をその表面の少なくとも一部分に接着させた固体高分子基質。
【請求項22】
請求項1に記載の硬化性樹脂生成組成物の硬化から得られる樹脂をその表面の少なくとも一部分に接着させた固体高分子基質であって、前記樹脂がコーティングとして供される、固体高分子基質。
【請求項23】
請求項1に記載の硬化性樹脂生成組成物の硬化から得られる樹脂をその表面の少なくとも一部分に接着させた固体高分子基質であって、前記樹脂が接着剤として供される、固体高分子基質。
【請求項24】
請求項22に記載の硬化性樹脂生成組成物の硬化から得られる樹脂をその表面の少なくとも一部分に接着させた固体高分子基質であって、前記充填剤が前記樹脂生成組成物の100部当たり約5から約100部までの量で存在する、固体高分子基質。
【請求項25】
請求項24に記載の硬化性樹脂生成組成物の硬化から得られる樹脂をその表面の少なくとも一部分に接着させた固体高分子基質であって、前記充填剤が前記樹脂生成組成物の100部当たり約5から約20部で存在するヒュームドシリカである、固体高分子基質。
【請求項26】
請求項22に記載の硬化性樹脂生成組成物の硬化から得られる樹脂をその表面の少なくとも一部分に接着させた固体高分子基質であって、前記固体高分子基質が、木材、ポリスチレン、ナイロン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、およびポリウレタンフォームからなる群から選択される少なくとも一つである、固体高分子基質。


【公表番号】特表2010−502477(P2010−502477A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526726(P2009−526726)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/019119
【国際公開番号】WO2008/027499
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(508229301)モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド (120)
【Fターム(参考)】