説明

磁気抵抗効果素子を用いた位置検知装置

【課題】 磁石とこの磁石に対向して移動する検知器を用いて、比較的広い領域で位置検知ができるようにした磁気抵抗効果素子を用いた位置検知装置を提供する。
【解決手段】 磁石2の円形の表面2aがN極に着磁され、背面2bがS極に着磁されている。検知器10は、磁石2の表面2aから離れた位置でX−Y平面内で移動する。検知器10内にはX方向の磁界の方向とその強度を検知できる磁気抵抗効果素子と、Y方向の磁界の方向とその強度を検知できる磁気抵抗効果素子とが設けられている。中心Oを通り半径方向に延びるそれぞれの放射軸上において、放射軸の方向の磁界の強度が一次関数で変化する領域内では、前記検知器10内の各磁気抵抗効果素子の電気抵抗の変化を検知することで、検知器10のX−Y座標上の位置を知ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁界の向きと強度を検知できる磁気抵抗効果素子と磁石とを使用して、平面内での可動部の位置を知ることができる位置検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の特許文献1ないし3には、磁石と、この磁石から発せられた磁界を検知する検知器を使用した位置検知装置が開示されている。
【0003】
これら文献に記載の位置検知装置は、いずれも、検知器にホール素子などの磁界の強度を検知できる素子が設けられており、磁石の表面から発せられる磁界のうちの前記表面に直交する向きの磁界の強度を前記検知器で検知することにより、磁石と検知器との対向位置を知ろうとしている。
【0004】
しかし、前記文献に記載のものは、検知器が、ホール素子などのように、磁石の表面に垂直な磁界強度のみを検知できるものであるため、検知器で位置を識別できる領域が限定される。例えば、磁石の表面がN極で裏側がS極に着磁され、前記表面に検知器が対向しているものでは、磁石の表面の中心から一方の側へ離れていくときと、前記中心から他方の側へ離れていくときとで、前記表面に垂直な磁界の強度の変化が対称である。そのため、検知器が前記中心を跨いで移動すると、検知器で磁界の強度を検知したとしても、その位置が中心を跨いで一方の領域であるのか他方の領域であるのかを識別できない。
【0005】
そのため、検知器で位置を検知できる領域が極めて狭くなり、X−Y座標上での検知器の位置を広い領域で正確に検知するためには、磁石を大型化することが必要である。また、検知器にホール素子を使用した場合には、検知器を構成する回路も複雑になる。
【特許文献1】特開2005−331401号公報
【特許文献2】特開2005−69744号公報
【特許文献2】特開2004−69695号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、比較的小さな磁石と検知器とを使用して、磁石の表面の中心を含む広い領域内で位置を知ることができる磁気抵抗効果素子を使用した位置検知装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、固定部と、この固定部に対向して平面内で移動する可動部とを有し、前記固定部と前記可動部の一方に磁石が他方に前記磁石から発せられた磁界を検知する検知器が設けられた位置検知装置において、
前記磁石は前記可動部が移動する移動平面と平行な表面を有し、前記磁石は前記表面と裏側部分とが互いに異なる磁極に着磁され、
前記検知器は、前記移動平面内で直交するX方向とY方向のうちのX方向での正方向と負方向の磁界の向きおよび強度を検知できる磁気抵抗効果素子、およびY方向での正方向と負方向の磁界の向きおよび強度を検知できる磁気抵抗効果素子とを有しており、
それぞれの磁気抵抗効果素子からの検知出力により、前記平面内での前記可動部の位置を知ることができることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の位置検知装置は、固定部に磁石が設けられ、可動部に検知器が設けられる。あるいは固定部に検知器が設けられ、可動部に磁石が設けられる。検知器は、磁気抵抗効果素子を有し、磁気抵抗効果素子で、磁石の表面から発せられる磁界または前記表面に向かう磁界のうちの移動平面と平行な面内でのX方向の磁界とY方向の磁界を検知できる。磁石の表面ではその中心を挟んで一方の側と他方の側とで、移動平面と平行な面内での磁界の向きが逆である。したがって、前記中心を含む広い領域内において、検知器が磁石の表面に対向する位置を検知することができる。
【0009】
なお、前記磁石の前記表面は、基本的には平坦面であるが、前記表面に凹凸が規則的に形成されているものであってもよい。
【0010】
本発明では、前記磁石の前記表面は円形であることが好ましい。
前記表面が円形であると、表面の中心から放射方向に延びる各向きにおいて、中心から離れるにしたがって変化する移動平面に平行な磁界の強度の変化が均一になる。そのため、検知器が磁石の表面に対向する位置を精度よく検知しやすい。ただし、前記磁石の表面は、楕円形や、角を丸くした四角形などであってもよい。
【0011】
すなわち、本発明は、前記磁石の前記表面の中心を挟んで、X軸の正方向と負方向での前記可動部の座標位置と、Y軸の正方向と負方向での前記可動部の座標位置とを知ることができる。
【0012】
さらに本発明では、前記磁気抵抗効果装置は、磁化が固定された磁気固定層と、前記磁石からの磁界によりその磁化の向きが変化する自由磁性層とを有し、前記磁気固定層の磁化の方向と前記自由磁性層の磁化の方向との関係で電気抵抗が変化するものであり、前記自由磁性層にバイアス磁界が与えられているものが好ましい。
【0013】
自由磁性層にバイアス磁界が与えられた磁気抵抗効果素子を使用すると、磁界の向きが変化したときの電気抵抗の変化にヒステリシスを持たないため、検知器が磁石の表面の中心を跨いで移動したときであっても、磁界の向きおよび強度を精度良く検知できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、磁石と検知器とが移動平面に沿って相対的に動いたときに、検知器により磁石との対向位置を比較的広い領域で知ることができる。そのため、小型の精密機器などにおいて、高精度な位置検知を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は本発明の実施の形態の位置検知装置1を示す斜視図である。
位置検知装置1は、磁石2とこの磁石2に対向する検知器10を有している。磁石2は、表面2aと背面2bが互いに平行となるように均一な厚さ寸法を有している。図1に示すX軸とY軸は直交座標である。X軸とY軸を含む面が移動平面であり、この移動平面は前記表面2aと平行である。検知器10は、前記移動片面内においてX−Y座標内の任意の位置へ移動できる。
【0016】
例えば、位置検知装置1は小型精密機器の内部に実装される。小型精密機器には、固定部と、可動部とが設けられている。可動部は、X方向への駆動力を発揮する磁気駆動アクチュエータと、Y方向への駆動力を発揮する磁気駆動アクチュエータとで、X−Y座標内で移動させられる。固定部と可動部の一方に磁石2が他方に検知器10が設けられ、前記各磁気駆動アクチュエータによって移動させられる可動部の位置を検知し、この位置検知出力を制御部で監視することで、可動部の移動位置を高精度に認識しながら駆動できるようになる。この実施の形態では、磁石2が固定部に設けられ、検知器10が可動部に搭載されているものとして説明する。ただし、磁石2が可動部に搭載され、検知器10が固定部に設置されてもよい。
【0017】
磁石2の表面2aと背面2bは円形であり、図1の斜視図と図3の平面図では、円の中心をOで示している。図1に示すように、磁石2は表面2aがN極に着磁され、背面2bがS極に着磁されており、磁力線は、表面2aの全域から出て背面2bの全域に向かう。前記検知器10は、前記表面2aから所定の高さZhだけ離れた位置で、X軸とY軸を含む移動平面内を移動する。ただし、検知器10がS極に着磁された背面2bに対向し、この背面2bから離れた位置で移動するものであってもよい。
【0018】
図4の斜視図に示すように、検知器10では、ケース11内にX方向検知素子20XとY方向検知素子20Yが設けられている。X方向検知素子20Xは、磁石2の表面2aから発せられる磁界のX方向の成分の正方向の強度と負方向の強度を区別して検知できるものであり、Y方向検知素子20Yは、磁石2の表面2aから発せられる磁界のY方向の成分の正方向の強度と負方向の強度を区別して検知できるものである。X方向検知素子20XとY方向検知素子20Yは、その構造が同じあるが、ケース11内では互いに直交する向きで配置されている。
【0019】
図4に示すように、X方向検知素子20XとY方向検知素子20Yは、X軸およびY軸の双方に直交するZ軸に沿って互いに重ねられて配置されている。すなわち、X方向検知素子20Xの中心とY方向辺地素子20Yの中心とが、図3に示す中心Oを通ってZ方向に延びる同一線上に位置している。
【0020】
図5(A)には、Y方向検知素子20Yが示され、その中心がOyで示されている。X方向検知素子20Xは、前記Y方向検知素子20Yと同じ構造で同じ大きさである。X方向検知素子20XとY方向検知素子20Yは、巨大磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗効果素子である。
【0021】
図5(A)に示すように、Y方向検知素子20Yの素子部21は複数設けられ、互いに平行に形成されている。個々の素子部21は、その長手方向がX方向に延びている。また、複数の素子部21が並ぶ方向はY方向である。
【0022】
図6の断面図に示すように、個々の素子部21は、基板22の上に、反強磁性層23、固定磁性層24、非磁性導電層25、および自由磁性層26の順に積層されて成膜され、自由磁性層26の表面が保護層27で覆われている。
【0023】
反強磁性層23は、Ir−Mn合金(イリジウム−マンガン合金)などの反強磁性材料で形成されている。固定磁性層24はCo−Fe合金(コバルト−鉄合金)などの軟磁性材料で形成されている。非磁性導電層25はCu(銅)などである。自由磁性層26は、Ni−Fe合金(ニッケル−鉄合金)などの軟磁性材料で形成されている。保護層27はTa(タンタル)の層である。
【0024】
素子部21では、反強磁性層23と固定磁性層24との反強磁性結合により、固定磁性層24の磁化の方向が固定されている。図5(B)に示すように、個々の素子部21では、固定磁性層24の磁化の固定方向(P方向)が、Y(+)方向に向けられている。
【0025】
図5(A)に示すように、素子部21は接続電極28,29によって2つずつ接続され、さらに、図示上下両端部に位置する素子部21には引き出し電極31,32が接続されている。よって、各素子部21は直列に接続され、ミアンダ型パターンが構成されている。
【0026】
図5(A)に示すように、各素子部21では、右側にマグネット33が左側にマグネット34が設けられて、各素子部21に対して、その長手方向である図示左方向へバイアス磁界が与えられている。よって、外部から与えられる磁界のY方向の成分の強度がゼロとのとき、自由磁性層26内はバイアス方向(B方向)に単磁区化されている。また、バイアス方向(B方向)と固定磁性層24の磁化の固定方向(P方向)とは、互いに直交している。
【0027】
図5(A)(B)に示すように、Y方向検知素子20Yは、素子部21の長手方向と直交する向きであるY方向での正方向の磁界の成分の強度と、Y方向での負方向の磁界の成分の強度とを区別して検出することができる。Y方向検知素子20YにY(+)方向の磁界が与えられると、バイアス磁界Bが作用している自由磁性層26内の磁化の方向がY(+)方向、すなわち固定磁性層24の磁化の固定方向(P方向)と同じ方向へ向けられる。このときY方向検知素子20の電気抵抗が低くなる。逆にY(−)方向の磁界が与えられると、自由磁性層26内の磁化の方向がY(−)方向、すなわち固定磁性層24の磁化の固定方向(P方向)と逆の方向へ向けられる。このときY方向検知素子20の電気抵抗が高くなる。
【0028】
図7に示すように、検知器10では、前記Y方向検知素子20Yと固定抵抗素子35とが直列に接続されており、直列に接続されてY方向検知素子20Yと固定抵抗素子35とに直列電圧Vccが与えられている。そして、Y方向検知素子20Yと固定抵抗素子35との中間点36が、Y方向の磁界の検知出力の出力部となっている。
【0029】
図8は、Y方向検知素子20に作用する外部磁界のY(+)方向の成分およびその強度、ならびにY(−)方向の成分およびその強度と、前記中間点36からの出力電圧との関係を示している。固定抵抗素子35は、例えば図6に示す素子部21と同じ材料で同じ膜厚で形成され、且つ非磁性導電層25と自由磁性層26との積層順番を変えるなどして、外部磁界によって電気抵抗が変化せず、且つ素子部21と同じ温度特性を有するように構成されている。
【0030】
図8に示すように、検知器10では、Y方向の外部磁界の強度がゼロのときに、前記中間点36からの検知出力がVcc/2となるように、固定抵抗素子35の抵抗値が調整されている。よって、中間点36からの出力電圧は、Y方向の外部磁界の強度がゼロのときにVcc/2であり、Y方向検知素子20YにY(+)方向の外部磁界が作用すると、中間点36からの出力電圧が高くなり、Y方向検知素子20YにY(−)方向の外部磁界が作用すると、中間点36からの出力電圧が低くなる。
【0031】
なお、Y方向の外部磁界の強度がゼロのときに、前記中間点36からの検知出力がVcc/2からずれていても、位置検知装置1の使用を開始するときに、検知器10の中心(Y方向検知素子20Yの中心Oy)を磁石2の表面2aの中心Oに一致させる初期設定動作を行い、そのときに中間点36から得られる出力電圧を記憶し、この電圧が得られたときにY方向の座標位置がゼロであると認識してもよい。
【0032】
なお、検知器10内では、図7と同様に、X方向検知素子20Xと固定抵抗素子とが直列に接続されており、X方向検知素子20Xと固定抵抗素子との中間点からの出力電圧によって、X(+)方向とX(−)のそれぞれの方向の磁界と向きとその強度を検知できる。
【0033】
次に、位置検知装置1の動作原理を説明する。
図1には、X軸上において磁石2の表面から発せられる磁力線を破線で示しており、それぞれの磁力線のX方向の強度成分をBxで示している。図2は、検知器10がX軸に沿って移動するときの、X方向検知素子20Xの中心と磁石2の中心Oとの距離と、前記X方向検知素子20Xが検知するX方向の磁界の強度Bxの変化との関係を示している。図2の結果を得たときの磁石2は直径4mmの円形で、磁石2の厚さは0.5mmである。図2では、磁石2の表面2aからX方向検知素子20Xまでの高さZhを、1.5mm、1.0mm、0.5mmに設定したときのX方向の磁界の強度Bxの変化をそれぞれ示しており、Zh=1.5mmで検知器10をX軸に沿って移動させたときのX方向の磁界の強度Bxの変化を曲線(i)で示している。同様にして、Zh=1.0mmのときの強度Bxの変化を曲線(ii)で示し、Zh=0.5mmのときの強度Bxの変化を曲線(iii)で示している。
【0034】
X方向検知素子20Xを有する検知器10では、図5ないし図8において説明したように、X方向において相反する向きの磁界の方向およびその強度を区別して検知できる。図1と図2では、X(+)方向に向く磁界の強度Bxを正の符号で示し、X(−)方向に向く磁界の強度Bxを負の符号で示している。
【0035】
図2に示すように、磁石2の表面2aにおいて、中心Oを挟んで+1mmと−1mmの範囲内では、X方向に向く磁界の強度Bxがほぼ一次関数で変化する。これは、検知器10をY軸に沿って移動させたときに、検知器10が検知するY方向の磁界強度Bxの変化においても同じである。また、図3に示すように、X軸とY軸以外の任意の軸で且つ中心Oを通過する放射軸αを想定したときに、この放射軸αに沿う向きの磁界の強度Bαの変化は、X軸上での磁界の強度Bxの変化、およびY軸上での磁界の強度Byの変化と同じ比率で、ほぼ一次関数で変化する。
【0036】
図3では、磁石2の表面2aにおいて、X軸と平行で、Y軸上の位置Y1を通過する線をLで示している。中心OからY軸上の位置Y1までの半径はryであり、放射軸αと線Lとの交点をYαとしたときに、中心Oから交点Yαまでの半径はrαである。
【0037】
位置Y1における磁界のY方向の強度をBy0とし、交点Yαにおける磁界の放射軸αに沿う方向の強度をBαとする。強度By0と強度Bαは、共に半径ry、rαに比例し、しかもY軸に沿う向きの磁界強度の変化率と、放射軸αに沿う向きの磁界強度の変化率は同じである。この変化率を比例定数aで表すと、強度By0=a・ryであり、強度Bα=a・rαである。
【0038】
Y軸と放射軸αとの角度をθとすると、交点Yαでの磁界のY方向へ成分の強度Byは、By=Bα・cosθ=a・rα・cosθである。ここで、rα・cosθ=ryであるから、By=a・ry=By0である。
【0039】
つまり、中心Oを含む領域で、且つ中心Oを通過するそれぞれの放射軸上において、磁界の放射軸に沿う向きの強度が、図2に示すように一次関数で変化する領域であれば、X軸と平行な線上のどの位置であっても、磁界のY方向の成分の強度が同じであり、Y軸と平行な線上のどの位置であっても、磁界のX方向の成分の強度が同じである。したがって、前記領域内で検知器10を移動させると、X方向検知素子20Xを含む回路でX方向での座標位置を検知でき、Y方向検知素子20Yを含む回路でY方向での座標位置を検知できる。
【0040】
また、X方向検知素子20XとY方向検知素子20Yは、共に正方向と負方向の磁界強度を検知できるため、磁石2の表面2aの中心Oを含む広い範囲内でX−Y座標上の移動位置を検知できる。また、検知器10のX方向とY方向への移動時間を測定すると、移動時間と移動距離とから可動部の移動速度を知ることもえきる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施の形態の位置検知装置を示す斜視図、
【図2】磁石の表面と平行に延びるX軸上の磁界の強度Bxの変化を示す線図、
【図3】磁石の平面図、
【図4】検知器の内部構造を説明する斜視図、
【図5】(A)はY方向検知素子(磁気抵抗効果素子)の構造を示す平面図、(B)はY方向検知素子(磁気抵抗効果素子)の固定磁性層の磁化方向と、バイアス磁界の方向を示す説明図、
【図6】磁気抵抗効果素子の素子部の断面図、
【図7】検知器の回路図、
【図8】検知器から得られる出力特性を示す線図、
【符号の説明】
【0042】
1 位置検知装置
2 磁石
2a 表面
10 検知器
20X X方向検知素子
20Y Y方向検知素子
21 素子部
22 基板
23 反強磁性層
24 固定磁性層
25 非磁性導電層
26 自由磁性層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部と、この固定部に対向して平面内で移動する可動部とを有し、前記固定部と前記可動部の一方に磁石が他方に前記磁石から発せられた磁界を検知する検知器が設けられた位置検知装置において、
前記磁石は前記可動部が移動する移動平面と平行な表面を有し、前記磁石は前記表面と裏側部分とが互いに異なる磁極に着磁され、
前記検知器は、前記移動平面内で直交するX方向とY方向のうちのX方向での正方向と負方向の磁界の向きおよび強度を検知できる磁気抵抗効果素子、およびY方向での正方向と負方向の磁界の向きおよび強度を検知できる磁気抵抗効果素子とを有しており、
それぞれの磁気抵抗効果素子からの検知出力により、前記平面内での前記可動部の位置を知ることができることを特徴とする位置検知装置。
【請求項2】
前記磁石の前記表面は円形である請求項1記載の位置検知装置。
【請求項3】
前記磁石の前記表面の中心を挟んで、X軸の正方向と負方向での前記可動部の座標位置と、Y軸の正方向と負方向での前記可動部の座標位置とを知ることができる請求項1または2記載の位置検知装置。
【請求項4】
前記磁気抵抗効果装置は、磁化が固定された磁気固定層と、前記磁石からの磁界によりその磁化の向きが変化する自由磁性層とを有し、前記磁気固定層の磁化の方向と前記自由磁性層の磁化の方向との関係で電気抵抗が変化するものであり、前記自由磁性層にバイアス磁界が与えられている請求項1ないし3のいずれかに記載の位置検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−170273(P2008−170273A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−3674(P2007−3674)
【出願日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】