神経変性疾患および障害を治療および阻止する方法
本発明は、Lp-PLA2の阻害によって神経変性疾患および神経学的に関連する障害を治療および阻止するために有用な組成物および方法を提供する。この組成物および方法は、異常な血液脳関門(BBB)機能を有する疾患および障害、例えば透過可能なBBBのある神経変性疾患、例えば、限定されないが、アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病および血管性認知症を治療および阻止するために有用である。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
神経変性疾患または障害を発症した、または発症する危険性のある対象を識別する段階、ならびに神経変性疾患の治療および/または阻止の必要がある対象に、Lp-PLA2タンパク質の活性および/または発現を阻害する作用物質を含む薬学的組成物を投与する段階を含む、対象における神経変性障害または疾患を治療および/または阻止する方法。
【請求項2】
神経変性疾患または障害が、アルツハイマー病、血管性認知症、パーキンソン病およびハンチントン病からなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
対象がヒトである、請求項1記載の方法。
【請求項4】
血管性認知症を発症した、または発症する危険性のある対象を識別する段階、ならびに必要がある対象に、Lp-PLA2タンパク質の活性および/または発現を阻害する作用物質を含む薬学的組成物を投与する段階を含む、血管性認知症を発症した、または発症する危険性のある対象を治療および/または阻止する方法であって、Lp-PLA2タンパク質の阻害により血管性認知症の症状が減少するかまたは止まる、方法。
【請求項5】
血管性認知症がアルツハイマー病と関連する、請求項4記載の方法。
【請求項6】
異常な血液脳関門を有する、またはその危険性のある対象を識別する段階、ならびに必要がある対象に、Lp-PLA2タンパク質の発現および/または活性を阻害する作用物質を含む薬学的組成物を投与する段階を含む、対象における異常な血液脳関門と関連する疾患または障害を治療および/または阻止する方法。
【請求項7】
異常なBBBが透過性血液脳関門である、請求項6記載の方法。
【請求項8】
疾患または障害が神経変性疾患または障害である、請求項6記載の方法。
【請求項9】
疾患または障害が血管性認知症である、請求項6記載の方法。
【請求項10】
神経変性疾患または障害が、アルツハイマー病である、請求項8記載の方法。
【請求項11】
神経変性疾患または障害が、アルツハイマー病、血管性認知症、パーキンソン病およびハンチントン病からなる群より選択される、請求項8記載の方法。
【請求項12】
脳におけるβアミロイド蓄積を有する、またはその危険性のある対象を識別する段階、ならびに必要がある対象に、Lp-PLA2タンパク質の発現および/または活性を阻害する作用物質を含む薬学的組成物を投与する段階を含む、対象の脳におけるβアミロイド蓄積を減少させる方法であって、Lp-PLA2タンパク質の阻害により脳におけるβアミロイド蓄積の症状が減少するか、または止まる、方法。
【請求項13】
βアミロイドがAβ1-42である、請求項12記載の方法。
【請求項14】
(i)アルツハイマー病を有するまたは発症する可能性について対象をスクリーニングする段階、
(ii) 対象に、Lp-PLA2タンパク質の発現および/または活性を阻害する作用物質を含む薬学的組成物を投与する段階
を含む、必要な対象において、アルツハイマー病を治療および/または阻止する方法であって、Lp-PLA2タンパク質の阻害によりアルツハイマー病の症状が減少し、対象が、段階(i)により決定された、アルツハイマー病を発症する増大した危険性または可能性を有すると識別される、方法。
【請求項15】
アルツハイマー病を発症する対象の危険性を評価する段階を含む、アルツハイマー病を発症する危険性を阻止し、または減少させるための方法であって、対象がアルツハイマー病を発症する危険性を有する場合、臨床医が対象にLp-PLA2タンパク質の発現および/または活性を阻害する作用物質による処置を受けるように指示する、方法。
【請求項16】
作用物質が小分子、核酸、核酸類似体、タンパク質、抗体、ペプチド、アプタマーまたはそれらの変異体もしくはフラグメントである、請求項1、4、6、12、14または15記載の方法。
【請求項17】
核酸作用物質がRNAi作用物質である、請求項16記載の方法。
【請求項18】
RNAi作用物質が、siRNA、shRNA、miRNA、dsRNAもしくはリボザイムまたはそれらの変異体である、請求項16記載の方法。
【請求項19】
小分子が、1-(N-(2-(ジエチルアミノ)エチル)-N-(4-(4-トリフルオロメチルフェニル)ベンジル)-アミノカルボニルメチル)-2-(4-フルオロベンジル)チオ-5,6-トリメチレンピリミジン-4-オンもしくはSB480848またはそれらの塩である、請求項16記載の方法。
【請求項20】
小分子が、N-(2-ジエチルアミノエチル)-2-[2-(2-(2,3-ジフルオロフェニル)エチル)-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-シクロペンタピリミジン-1-イル]-N-(4’-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イルメチル)アセトアミドまたはそれらの塩である、請求項16記載の方法。
【請求項21】
小分子が、N-(1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル)-2-[2-(2,3-ジフルオロベンジルチオ)-4-オキソ-4H-キノリン-1-イル]-N-(4’-トリフルオロメチルビフェニル-4-イルメチル)アセトアミドまたはそれらの塩である、請求項16記載の方法。
【請求項22】
小分子が、メチル2-[4-({[2-[2-(2,3-ジフルオロフェニル)エチル]-4-オキソピリド[2,3-d]ピリミジン-1(4H)-イル]アセチル}{[4’-(トリフルオロメチル)-4-ビフェニリル]メチル}アミノ)-1-ピペリジニル]-2-メチルプロパノアートまたはそれらの塩である、請求項16記載の方法。
【請求項23】
Lp-PLA2を阻害する作用物質を含む薬学的組成物の投与後、対象の認知機能を評価する段階をさらに含む、請求項1、4、6、12、14または15記載の方法。
【請求項24】
脳血流または血液脳関門機能を評価することにより、治療をモニタリングする段階をさらに含む、請求項1、4、6、12、14または15記載の方法。
【請求項25】
対象に別の治療薬を投与する段階をさらに含む、請求項1、4、6、12、14または15記載の方法。
【請求項26】
別の治療薬が、ARICEPTまたはドネペジル、COGNEXまたはタクリン、EXELONまたはリバスチグミン、REMINYLまたはガランタミン、抗アミロイドワクチン、Aβ低下療法、メンタルエクササイズ、または刺激である、請求項25記載の方法。
【請求項27】
対象が哺乳動物である、請求項1、4、6、12、14または15記載の方法。
【請求項28】
対象がヒトである、請求項4記載の方法。
【請求項29】
対象がヒトである、請求項6記載の方法。
【請求項30】
対象がヒトである、請求項12記載の方法。
【請求項31】
対象がヒトである、請求項14または15記載の方法。
【請求項32】
哺乳動物がヒトである、請求項27記載の方法。
【請求項33】
神経変性疾患または障害を治療および/または阻止するための薬剤を調製するための、Lp-PLA2タンパク質の発現および/または活性を阻害する作用物質の使用。
【請求項1】
神経変性疾患または障害を発症した、または発症する危険性のある対象を識別する段階、ならびに神経変性疾患の治療および/または阻止の必要がある対象に、Lp-PLA2タンパク質の活性および/または発現を阻害する作用物質を含む薬学的組成物を投与する段階を含む、対象における神経変性障害または疾患を治療および/または阻止する方法。
【請求項2】
神経変性疾患または障害が、アルツハイマー病、血管性認知症、パーキンソン病およびハンチントン病からなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
対象がヒトである、請求項1記載の方法。
【請求項4】
血管性認知症を発症した、または発症する危険性のある対象を識別する段階、ならびに必要がある対象に、Lp-PLA2タンパク質の活性および/または発現を阻害する作用物質を含む薬学的組成物を投与する段階を含む、血管性認知症を発症した、または発症する危険性のある対象を治療および/または阻止する方法であって、Lp-PLA2タンパク質の阻害により血管性認知症の症状が減少するかまたは止まる、方法。
【請求項5】
血管性認知症がアルツハイマー病と関連する、請求項4記載の方法。
【請求項6】
異常な血液脳関門を有する、またはその危険性のある対象を識別する段階、ならびに必要がある対象に、Lp-PLA2タンパク質の発現および/または活性を阻害する作用物質を含む薬学的組成物を投与する段階を含む、対象における異常な血液脳関門と関連する疾患または障害を治療および/または阻止する方法。
【請求項7】
異常なBBBが透過性血液脳関門である、請求項6記載の方法。
【請求項8】
疾患または障害が神経変性疾患または障害である、請求項6記載の方法。
【請求項9】
疾患または障害が血管性認知症である、請求項6記載の方法。
【請求項10】
神経変性疾患または障害が、アルツハイマー病である、請求項8記載の方法。
【請求項11】
神経変性疾患または障害が、アルツハイマー病、血管性認知症、パーキンソン病およびハンチントン病からなる群より選択される、請求項8記載の方法。
【請求項12】
脳におけるβアミロイド蓄積を有する、またはその危険性のある対象を識別する段階、ならびに必要がある対象に、Lp-PLA2タンパク質の発現および/または活性を阻害する作用物質を含む薬学的組成物を投与する段階を含む、対象の脳におけるβアミロイド蓄積を減少させる方法であって、Lp-PLA2タンパク質の阻害により脳におけるβアミロイド蓄積の症状が減少するか、または止まる、方法。
【請求項13】
βアミロイドがAβ1-42である、請求項12記載の方法。
【請求項14】
(i)アルツハイマー病を有するまたは発症する可能性について対象をスクリーニングする段階、
(ii) 対象に、Lp-PLA2タンパク質の発現および/または活性を阻害する作用物質を含む薬学的組成物を投与する段階
を含む、必要な対象において、アルツハイマー病を治療および/または阻止する方法であって、Lp-PLA2タンパク質の阻害によりアルツハイマー病の症状が減少し、対象が、段階(i)により決定された、アルツハイマー病を発症する増大した危険性または可能性を有すると識別される、方法。
【請求項15】
アルツハイマー病を発症する対象の危険性を評価する段階を含む、アルツハイマー病を発症する危険性を阻止し、または減少させるための方法であって、対象がアルツハイマー病を発症する危険性を有する場合、臨床医が対象にLp-PLA2タンパク質の発現および/または活性を阻害する作用物質による処置を受けるように指示する、方法。
【請求項16】
作用物質が小分子、核酸、核酸類似体、タンパク質、抗体、ペプチド、アプタマーまたはそれらの変異体もしくはフラグメントである、請求項1、4、6、12、14または15記載の方法。
【請求項17】
核酸作用物質がRNAi作用物質である、請求項16記載の方法。
【請求項18】
RNAi作用物質が、siRNA、shRNA、miRNA、dsRNAもしくはリボザイムまたはそれらの変異体である、請求項16記載の方法。
【請求項19】
小分子が、1-(N-(2-(ジエチルアミノ)エチル)-N-(4-(4-トリフルオロメチルフェニル)ベンジル)-アミノカルボニルメチル)-2-(4-フルオロベンジル)チオ-5,6-トリメチレンピリミジン-4-オンもしくはSB480848またはそれらの塩である、請求項16記載の方法。
【請求項20】
小分子が、N-(2-ジエチルアミノエチル)-2-[2-(2-(2,3-ジフルオロフェニル)エチル)-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-シクロペンタピリミジン-1-イル]-N-(4’-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イルメチル)アセトアミドまたはそれらの塩である、請求項16記載の方法。
【請求項21】
小分子が、N-(1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル)-2-[2-(2,3-ジフルオロベンジルチオ)-4-オキソ-4H-キノリン-1-イル]-N-(4’-トリフルオロメチルビフェニル-4-イルメチル)アセトアミドまたはそれらの塩である、請求項16記載の方法。
【請求項22】
小分子が、メチル2-[4-({[2-[2-(2,3-ジフルオロフェニル)エチル]-4-オキソピリド[2,3-d]ピリミジン-1(4H)-イル]アセチル}{[4’-(トリフルオロメチル)-4-ビフェニリル]メチル}アミノ)-1-ピペリジニル]-2-メチルプロパノアートまたはそれらの塩である、請求項16記載の方法。
【請求項23】
Lp-PLA2を阻害する作用物質を含む薬学的組成物の投与後、対象の認知機能を評価する段階をさらに含む、請求項1、4、6、12、14または15記載の方法。
【請求項24】
脳血流または血液脳関門機能を評価することにより、治療をモニタリングする段階をさらに含む、請求項1、4、6、12、14または15記載の方法。
【請求項25】
対象に別の治療薬を投与する段階をさらに含む、請求項1、4、6、12、14または15記載の方法。
【請求項26】
別の治療薬が、ARICEPTまたはドネペジル、COGNEXまたはタクリン、EXELONまたはリバスチグミン、REMINYLまたはガランタミン、抗アミロイドワクチン、Aβ低下療法、メンタルエクササイズ、または刺激である、請求項25記載の方法。
【請求項27】
対象が哺乳動物である、請求項1、4、6、12、14または15記載の方法。
【請求項28】
対象がヒトである、請求項4記載の方法。
【請求項29】
対象がヒトである、請求項6記載の方法。
【請求項30】
対象がヒトである、請求項12記載の方法。
【請求項31】
対象がヒトである、請求項14または15記載の方法。
【請求項32】
哺乳動物がヒトである、請求項27記載の方法。
【請求項33】
神経変性疾患または障害を治療および/または阻止するための薬剤を調製するための、Lp-PLA2タンパク質の発現および/または活性を阻害する作用物質の使用。
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図5G】
【図5H】
【図5I】
【図5J】
【図5K】
【図5L】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図7G】
【図7H】
【図7I】
【図7J】
【図7K】
【図7L】
【図8】
【図9】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図5G】
【図5H】
【図5I】
【図5J】
【図5K】
【図5L】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図7G】
【図7H】
【図7I】
【図7J】
【図7K】
【図7L】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2010−526805(P2010−526805A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507369(P2010−507369)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/011365
【国際公開番号】WO2008/140449
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(597177242)トーマス・ジェファーソン・ユニバーシティ (12)
【氏名又は名称原語表記】Thomas Jefferson University
【出願人】(509311609)ユニバーシティ オブ メディシン アンド デンティストリー オブ ニュー ジャージー (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/011365
【国際公開番号】WO2008/140449
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(597177242)トーマス・ジェファーソン・ユニバーシティ (12)
【氏名又は名称原語表記】Thomas Jefferson University
【出願人】(509311609)ユニバーシティ オブ メディシン アンド デンティストリー オブ ニュー ジャージー (1)
【Fターム(参考)】
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