説明

神経学的および精神的障害の治療のための複素環式化合物

式Iのラクタム化合物、ならびに統合失調症、双極性障害、不安障害および不眠症などの神経学的および精神的障害の治療のためのその使用が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2009年6月25日に出願された米国特許仮出願第61/220,480号および2010年1月7日に出願された同第61/293,087号の利益を主張する。上記出願の全教示は参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
現在、統合失調症、双極性障害、不眠および不安障害などの神経学的および精神的障害の治療のための臨床使用には、いくつかの薬物がある。これらの化合物の例としては、アリピプラゾール ジプラシドンおよびビフェプルノックス(bifeprunox)が挙げられる。これらの化合物の化学構造を以下に示す。

【0003】
アリピプラゾールは、統合失調症および統合失調症性障害の治療に使用される、典型的でない抗精神病薬である。Mace et. al, CNS Drugs, 2009(23), 773-780。統合失調症の治療に有用な複素環誘導体の他の例は、米国特許第5,350,747号、米国特許第5,006,528号、米国特許第7,160,888号および米国特許第6,127,357号に記載される。PF-00217830は、統合失調の治療のために現在臨床試験中である別の抗精神病薬である。(NCT00580125)抗精神病薬として有用であると記載されている他の複素環式誘導体は、WO 93/04684および欧州特許出願EP 402644に記載されるものである。しかしながら、現在の抗精神病薬の多くは、副作用および他の望ましくない欠点を有している。
【0004】
アリピプラゾールは、現在米国および欧州において臨床使用が認可されているドーパミン部分アゴニスト抗精神病薬である。安全性の観点から、アリピプラゾールは高度な鎮静作用はなく、代謝パラメーターを妨害しないことに注意されたい。非鎮静性で代謝にあまり作用しない抗躁病薬の利点は、特に長期的な認知および生活の質における影響に関連がある。(Vieta et al. Actas Esp Psiquiatr 2008:36(3): 158-164)。しかしながら、アリピプラゾールは、注射部位反応を生じることが知られている。(米国特許第7,115,587号)。ジプラシドンは、統合失調症、統合失調症性障害(schizoaffective disorder)および統合失調症障害(schizophric disorder)を有する患者について、効果的で急性かつ長期的な維持治療選択肢である。(Kutcher et al., Neuropsychiatr Dis Treat., 2005 1(2) 89-108)。ジプラシドンの使用者も、眠気などの多くの副作用に苦しんでいる。ビフェプルノックスは、統合失調症を有する患者の症状を改善することが知られている。しかし、ビフェプルノックスも体重の増加、コレステロールレベルの増加などの副作用を欠点としている。(Barbato et al., WO 08/025781)。他の抗精神病剤も、本質的な副作用を示す。例えば、パリペリドンおよびリスペリドン(riperidone)は、患者の体重増加に関連する。(Nussbaum et al., Schizophrenia Bulletin 34(3) 419-422, 2008)。現在の抗精神病薬に伴う副作用の範囲を考慮すると、副作用が低減された薬物を開発することが必須である。
【0005】
薬物の生物学的利用能の最適化は、多くの潜在的な利点を有する。患者の利便性および高められたコンプライアンスのために、一般的に、より頻度の低い投与が望ましいと認識されている。薬物が放出される時間を延長することで、投与あたり、より長い作用持続時間が期待される。次いで、これにより、以前は日用量として4回の投与を必要としていたものが薬物を1日に1回摂取するか、または以前には毎日投与が必要であった場合には1週間に1回やより低い頻度で投与することなど、投与パラメーターの全体的な改善がもたらされる。現在、多くの薬物は、1日1回の投与頻度で投与されている。しかし、これらの化合物の全てが正確に24時間の投与間隔に適した薬物動態特性を有するわけではない。これらの薬物が放出される時間を延長することも、有利である。
【0006】
薬物療法における基本的な考えの一つは、血中レベルと治療活性の関係を含む。ほとんどの薬物について、血清レベルを最低有効濃度と潜在的毒性レベルの間に維持することが非常に重要である。薬物動態学的用語において、薬物血中レベルのピークと谷は、理想的には血清濃度の治療領域(window)内に充分に適合している。特定の治療剤について、この領域は非常に狭いので、投薬剤形が重要になる。
【0007】
生物学的利用能の改善のための必要性に対処するために、いくつかの薬物放出調節技術が開発されている。胃における医薬の保護剤として腸溶性コーティングが使用されており、タンパク質性マイクロスフィア(protenoid microspheres)、リポソームまたは多糖を使用した微小封入活性剤は、活性剤の酵素分解の低減に効果的である。酵素分解を防ぐために、酵素阻害アジュバントも使用されている。
【0008】
種々の医薬製剤は、活性剤を、ジカルボン酸のアミド、修飾アミノ酸または熱凝集アミノ酸中に微小封入することで、持続放出をもたらす。遅延放出化の添加物を、多くの活性剤と、錠剤剤形中で混合してもよい。
【0009】
微小封入および腸溶性コーティング技術は、活性剤物質に安定性および持続放出特性の増加を付与し得るが、これらの技術は、いくつかの欠点を有する。活性剤の取り込みはしばしば、微小封入マトリックスへの拡散に依存し、定量的でなく、投与再現性が複雑になり得る。また、封入された薬物は、マトリックス外への拡散、マトリックスの分解、またはその両方に依存し、それらは活性剤の化学的性質および水溶性に大きく依存する。逆に、水溶性マイクロスフィアは無制限に膨張し、不運にも破裂して活性剤を放出し、限られた量の活性剤しか持続放出に利用できないことがある。さらに、いくつかの技術において、活性剤放出に必要な分解プロセスの制御はあてにならない。いくつかの埋め込み可能薬物送達系では、薬物へのポリペプチド付着が利用されている。さらに、薬物をマトリクス中に一体化する他の大きな重合担体が、薬物の段階的放出のためのインプラントとして使用される。さらに別の技術では、活性成分が高度に整列した脂質フィルムに結合する、薬物の共有結合の利点とリポソームの形成が合わされる。
【0010】
しかしながら、患者への投与に都合のいい持続時間にわたる放出のために、これまでに調製されていないかまたは持続放出剤形での調製が困難であった、特定の活性剤を送達し得る活性剤送達系には依然として必要性がある。
【0011】
自己投与された抗精神病薬は、しばしば、規則的な投与において、患者コンプライアンスが低いという欠点を持つ。統合失調症を有する外来患者は、しばしば、経口抗精神病薬の養生法に従う課題を有する。Bartko G et al., Psychiatry Research 1987 (22) 221-227。したがって、より低い頻度で投与され得る長期作用性抗精神病薬を開発することが特に有用である。
【発明の概要】
【0012】
概要
本願は、式Iの化合物、ならびに統合失調症、躁病、不安および双極性疾患を含む神経学的および精神的障害の治療のための該化合物の使用に関する。特に、本願は、式I:


式I
(式中、

は、単結合または二重結合を表し;
半円は、1、2または3個の環を含む、任意に置換されたシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル(heterocyclyl)、アリールまたはヘテロアリールを表し;
Aは、非存在、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、-S-、-O-、-S(O)-、-S(O)2-、-S[C(R10)(R11)]u-、-S(O)[C(R10)(R11)]u-、-S(O)2[C(R10)(R11)]u-、-O[C(R10)(R11)]u-、-N(R10)-、-N(R10)-[C(R10)(R11)]u-、-[C(R10)(R11)]u-から選択され;
各uは、独立して1、2、3、4、5、6または7であり;
各R10およびR11は、独立して非存在、水素、ハロゲン、脂肪族、置換脂肪族、アリールまたは置換アリールであり;
Cy1は、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたアリールであり;
Bは、リンカーまたは直接結合であり;
Dは、非存在、-O-、-NR10、-C(R10)(R11)-および-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-C(O)-から選択され;
各G1およびG2は、独立して、非存在、-S-、-O-、-S(O)-、-S(O)2-、-SC(R10)(R11)-、-S(O)C(R10)(R11)-、-S(O)2C(R10)(R11)-、OC(R10)(R11)-、-N(R10)-、-C(R10)=C(R11)-、-N(R10)-C(R10)(R11)-、-[C(R10)(R11)]t-から選択され;
tは、1、2または3であり;
各R1、R3およびR4は、独立して、非存在、水素、ハロゲン、-OR10、-SR10、-N(R10)(R11)、-S(O)R10、-S(O)2R10、任意に置換された脂肪族、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたヘテロシクリルから選択され;
代替的に、2つのR3およびR4は、一緒になって、任意に置換された環を形成し;
R5は、-CH(R10)-OR20、-CH(R10)-OC(O)OR20、-CH(R10)-OC(O)R20、-CH(R10)-OC(O)NR20R21、-(CH(R10))-OPO3MY、-(CH(R10))-OP(O)(OR20)(OR21)、-[CH(R10)O]z-R20、-[CH(R10)O]z-C(O)OR20、-[CH(R10)O]z-C(O)R20、-[CH(R10)O]z-C(O)NR20R21、-[CH(R10)O]z-OPO3MY、-[CH(R10)O]z-P(O)2(OR20)Mおよび-[CH(R10)O]z-P(O)(OR20)(OR21)から選択され;
zは、1、2、3、4、5、6または7であり;
各R20およびR21は、独立して、水素、脂肪族、置換脂肪族、アリールまたは置換アリールから選択され;YおよびMは同じであるかまたは異なり、それぞれは一価のカチオンであるか;あるいはMおよびYは一緒になって二価のカチオンであり;
n、mおよびqは、独立して0、1および2から選択される)
の化合物ならびにその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物に関する。
【0013】
本発明はさらに、インビボ投与後に活性剤となる抗精神病薬のプロドラッグに関する。本発明はさらに、抗精神病薬の持続放出に関する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、化合物-7のPXRDスペクトルである。
【図2】図2は、化合物-7のIRスペクトルである。
【図3】図3は、化合物-7のラマンスペクトルである。
【図4】図4は、化合物-7のTGAサーモグラムである。
【図5】図5は、化合物-7のDSCサーモグラムである。
【図6】図6は、AMPH誘導移動モデル(locomotion model)における化合物-4の薬力学(PD)試験である。
【図7】図7は、AMPH誘導移動モデルにおける化合物-7の薬力学(PD)試験である。
【図8】図8は、ラットへの化合物7の静脈内投与(0.5mg/Kg)後のアリピプラゾールの血漿濃度である。
【図9】図9は、イヌへの30mg/Kgの化合物7の筋内投与後のアリピプラゾール、デヒドロアリピプラゾールおよび化合物7の血漿濃度である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一局面は、一般式I:


式I
(式中、

は、単結合または二重結合を表し;
半円は、1、2または3個の環を含む任意に置換されたシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールを表し;
Aは、非存在、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、-S-、-O-、-S(O)-、-S(O)2-、-S[C(R10)(R11)]u-、-S(O)[C(R10)(R11)]u-、-S(O)2[C(R10)(R11)]u-、-O[C(R10)(R11)]u-、-N(R10)-、-N(R10)-[C(R10)(R11)]u-、[C(R10)(R11)]uから選択され;
各uは、独立して1、2、3、4、5、6または7であり;
各R10およびR11は、独立して非存在、水素、ハロゲン、脂肪族、置換脂肪族、アリールまたは置換アリールであり;
Cy1は、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたアリールであり;
Bは、リンカーまたは直接結合であり;
Dは、非存在、-O-、-NR10、-C(R10)(R11)-および-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-C(O)-から選択され;
各G1およびG2は、独立して非存在、-S-、-O-、-S(O)-、-S(O)2-、-SC(R10)(R11)-、-S(O)C(R10)(R11)-、-S(O)2C(R10)(R11)-、OC(R10)(R11)-、-N(R10)-、-C(R10)=C(R11)-、-N(R10)-C(R10)(R11)-、-[C(R10)(R11)]t-から選択され;
tは1、2または3であり;
各R1、R3およびR4は、独立して非存在、水素、ハロゲン、-OR10、-SR10、-N(R10)(R11)、-S(O)R10、-S(O)2R10、任意に置換された脂肪族、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたヘテロシクリルから選択され;
代替的に、2つのR3およびR4は一緒になって、任意に置換された環を形成し;
R5は、-CH(R10)-OR20、-CH(R10)-OC(O)OR20、-CH(R10)-OC(O)R20、-CH(R10)-OC(O)NR20R21、-(CH(R10))-OPO3MY、-(CH(R10))-OP(O)(OR20)(OR21)、-[CH(R10)O]z-R20、-[CH(R10)O]z-C(O)OR20、-[CH(R10)O]z-C(O)R20、-[CH(R10)O]z-C(O)NR20R21、-[CH(R10)O]z-OPO3MY、-[CH(R10)O]z-P(O)2(OR20)Mおよび-[CH(R10)O]z-P(O)(OR20)(OR21)から選択され;
zは、1、2、3、4、5、6または7であり;
各R2OおよびR21は、独立して水素、脂肪族、置換脂肪族、アリールまたは置換アリールから選択され;YおよびMは同じであるかまたは異なり、それぞれは一価のカチオンであるか;あるいはMおよびYは一緒になって二価のカチオンであり;
n、mおよびqは、独立して0、1および2から選択される)
を有する化合物、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物を提供する。
【0016】
結合の可変点を介して結合されるように示される置換基は、環構造上の任意の利用可能な位置に結合され得る。
【0017】
別の態様において、本発明の化合物は、以下に示されるように式II:


式II
(式中、

は単結合または二重結合を表し、
R1、R3、R4、R5、A、B、D、n、m、p、およびqは、上述に規定されるとおりであり;
R2は、非存在、水素、ハロゲン、-OR10、-SR10、-N(R10)(R11)、-S(O)R10、-S(O)2R10、任意に置換された脂肪族、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたヘテロシクリルから選択され;
各G3およびG4は、独立して-N-、-C(R10)-[C(R10)(R11)]a-から選択され、aは0、1または2であり;
pは0、1、2、3または4である)
により表されるか、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0018】
別の態様において、本発明の化合物は、以下に示されるように式III:


式III
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R10、R11、A、D、m、pおよびqは、上述に規定されるとおりであり;
rは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11である)
により表されるか、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0019】
別の態様において、本発明の化合物は、以下に示されるように式IV:


式IV
(式中、R2、R3、R4、R5、R10、R11、D、m、p、qおよびrは上述に規定されるとおりであり;
各R6は、独立して水素、ハロゲン、OR10、SR10、NR10R11、脂肪族、置換脂肪族、芳香族、置換芳香族から選択され、各R10およびR11は、独立して水素、ハロゲン、脂肪族、置換脂肪族、アリールまたは置換アリールであるか;あるいは2つの隣接するR6基は第二の環を形成し;
tおよびsは、独立して0、1および2から選択される)
により表されるか、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0020】
別の態様において、本発明の化合物は、以下に示されるように、式V:


式V
(式中、

は、単結合または二重結合を表し;
R5は上述に規定されるとおりであり;
wは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11である)
により表されるか、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0021】
好ましい態様において、式VIの化合物は以下:


式VI
(式中、R1、R2、R3、R5、A、B、D、G3、G4、p、q、R10およびR11は、上述に規定されるとおりであり;
X1は、-S-、-O-、-NR10-または-C(R10)(R11)-である)
に示されるか、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0022】
好ましい態様において、式VIIの化合物は、以下:


式VII
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、A、D、G3、G4、m、p、q、r、R10およびR11は上述に規定されるとおりである)
に示されるか、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0023】
好ましい態様において、式VIIIの化合物は、以下:


式VIII
(式中、R2、R3、R4、R5、A、D、G3、G4、m、q、r、R10およびR11は、上述に規定されるとおりであり;
X2は、-S-または-O-である)
に示されるか、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0024】
好ましい態様において、式IXの化合物は、以下:


式IX
(式中、X2、D、R2、R5、r、R10およびR11は、上述に規定されるとおりである)
に示されるか、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0025】
好ましい態様において、式Xの化合物は、以下:


式X
(式中、R5は上述に規定されるとおりである)
に示されるか、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0026】
好ましい態様において、式XIの化合物は、以下:


式XI
(式中、R1、R2、R5、G3、G4、X1、A、B、Dおよびpは、上述に規定されるとおりである)
に示されるか、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0027】
好ましい態様において、式XIIの化合物は、以下:


式XII
に示されるか、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0028】
より好ましい態様は、式XII(式中、Bは結合であり;Dは非存在であり;G3およびG4はNであり;R2はHであり;pは1であり;Aはアルキルであり;R1は置換フェニルである)の化合物である。
【0029】
より好ましい態様は、以下の式XIII:


式XIII
(式中、R5は上述に規定されるとおりである)
の化合物、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0030】
好ましい態様は、以下の式XIV:


式XIV
(式中、A、R1、R2、R3、R4、R5、R1O、R11、G3、G4、D、m、p、q、およびrは上述に規定されるとおりであり;
X3は-CH-または-N-である)
の化合物、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0031】
より好ましい態様は、G3およびG3が-N-である化合物である。
【0032】
好ましい態様は、以下の式XV:


式XV
(式中、A、R1、R2、R3、R4、R5、R10、R11、G3、G4、X2、m、p、qおよびrは上述に規定されるとおりである)
の化合物またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0033】
好ましい態様は、以下の式XVI:


式XVI
(式中、A、R1、R2、R3、R4、R5、R10、R11、X2、m、p、qおよびrは上述に規定されるとおりである)
の化合物またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0034】
好ましい態様は、以下の式XVII:


式XVII
(式中、R2、R5、R10、R11、X2、pおよびrは上述に規定されるとおりである)
の化合物またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0035】
好ましい態様は、以下の式XVIII:


式XVIII
の化合物またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0036】
好ましい態様において、R1部分は:






(式中、R100R101およびR103は、独立して水素、ハロゲン、任意に置換されたC1-C8アルキル、任意に置換されたC2-C8アルケニル、任意に置換されたC2-C8アルキニル、任意に置換されたC3-C8シクロアルキル、任意に置換されたC1-C8アルコキシ、任意に置換されたC1-C8アルキルアミノおよび任意に置換されたC1-C8アリールから選択される)
から選択されるアリールまたはヘテロアリール基である。
【0037】
好ましい態様において、R5部分は:




(式中、R105、R106およびR107は、独立して水素、ハロゲン、任意に置換されたC1-C24アルキル、任意に置換されたC2-C24アルケニル、任意に置換されたC2-C24アルキニル、任意に置換されたC3-C24シクロアルキル、任意に置換されたC1-C24アルコキシ、任意に置換されたC1-C24アルキルアミノおよび任意に置換されたC1-C24アリールから選択される)
から選択される。
【0038】
より好ましい態様において、R5は:










(式中、各xおよびyは、独立して0〜30の整数であり、R105、R106およびR107は上述に規定されるとおりである)
から選択される。
【0039】
より好ましい態様において、xは5〜20の整数である。
【0040】
好ましい態様において、Cy1は:






から選択される。
【0041】
好ましい態様において、二価のBは、直接結合、直鎖C1-C10アルキル、C1-C10アルケニル、C1-C10アルキニル、C1-C10アルコキシ、アルコキシC1-C10アルコキシ、C1-C10アルキルアミノ、アルコキシC1-C10アルキルアミノ、C1-C10アルキルカルボニルアミノ、C1-C10アルキルアミノカルボニル、アリールオキシC1-C10アルコキシ、アリールオキシC1-C10アルキルアミノ、アリールオキシC1-C10アルキルアミノカルボニル、C1-C10-アルキルアミノアルキルアミノカルボニル、C1-C10アルキル(N-アルキル)アミノアルキル-アミノカルボニル、アルキルアミノアルキルアミノ、アルキルカルボニルアミノアルキルアミノ、アルキル(N-アルキル)アミノアルキルアミノ、(N-アルキル)アルキルカルボニルアミノアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、アルキルアミノアルキルアミノアルキル、アルキルピペラジノアルキル、ピペラジノアルキル、アルキルピペラジノ、アルケニルアリールオキシC1-C10アルコキシ、アルケニルアリールアミノC1-C10アルコキシ、アルケニルアリールアルキルアミノC1-C10アルコキシ、アルケニルアリールオキシC1-C10アルキルアミノ、アルケニルアリールオキシC1-C10アルキルアミノカルボニル、ピペラジノアルキルアリール、ヘテロアリールC1-C10アルキル、ヘテロアリールC2-C10アルケニル、ヘテロアリールC2-C10アルキニル、ヘテロアリールC1-C10アルキルアミノ、ヘテロアリールC1-C10アルコキシ、ヘテロアリールオキシC1-C10アルキル、ヘテロアリールオキシC2-C10アルケニル、ヘテロアリールオキシC2-C10アルキニル、ヘテロアリールオキシC1-C10アルキルアミノおよびヘテロアリールオキシC1-C10アルコキシである。
【0042】
一態様において、式Iおよびその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩または溶媒和物中の変数R5は、以下の表に記載される基から選択され、ここで変数YおよびMは、同じであるかまたは異なり、それぞれ一価のカチオンであるか、あるいはMおよびYは一緒になって二価のカチオンである。
【0043】
より好ましい態様において、R5は表1から選択される。
表1









































【0044】
より好ましい態様において、R1は表2:
表2




から選択される。
【0045】
より好ましい態様において、R1は、表3:
表3


から選択される。
【0046】
より好ましい態様において、R1は、表4:
表4






から選択される。
【0047】
より好ましい態様において、式XIXを有する化合物は:


式XIX
で示され、式中、R5は、表1から選択される。より好ましい化合物は、R5が表2〜4から選択されるものである。
【0048】
本発明の代表的な化合物は、以下の表A:
























から選択されるもの、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0049】
好ましい態様において、式XXを有する化合物は:


式XX
で示され、式中、R5は表1から選択される。
【0050】
本発明の代表的な化合物は、以下の表B:




























から選択されるもの、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0051】
好ましい態様において、式XXIを有する化合物は:


式XXI
で示され、式中、R5は表-1から選択される。より好ましい化合物において、R5は、表2〜4から選択される。
【0052】
本発明の代表的な化合物は、以下の表C:












から選択されるものであるか、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩、プロドラッグおよび溶媒和物である。
【0053】
好ましい態様において、式XXIIを有する化合物は:


式XXII
で示され、式中、R5は表1から選択される。より好ましい化合物において、R5は、表2〜4から選択される。
【0054】
本発明の代表的な化合物は、以下の表D:








から選択されるもの、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0055】
好ましい態様において、式XXIIの化合物は:


式XXII
で示され、式中、R5は表1から選択される。より好ましい化合物において、R5は表2〜4から選択される。
【0056】
本発明の代表的な化合物は、以下の表E:










から選択されるもの、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物である。
【0057】
本発明の別の局面において、第二級アミドを有する式XXIIIのラクタム化合物を、置換された第三級アミドに変換するための一般的な方法が提供される(スキーム1)。
【0058】



【0059】
式XXIIIの化合物に対するアルデヒドまたはケトンの反応に加えて、第二級ラクタム基を変換するための他のプロセスを使用し得る。例えば、アルキル化後の不活性溶媒中でのナトリウムの添加、または水酸化カリウムもしくは水酸化ナトリウムの添加後のハロゲン化アルキルの添加を使用し得る。マイクロ波に基づいた合成手順を使用しても、第二級ラクタムを本願の置換された第三級ラクタム化合物に変換し得る。(一般的な総説について、March J. Advanced Organic Chemistry, Wiley, 1992; Inoue et al, Bull. Chem. Soc. Jpn., 58, 2721-2722, 1985;Mijin et al., J.Serb. Chem. Soc, 73(10) 945-950, 2008;Bogdal et al. Molecules, 1999, 4, 333-337;米国特許第5,041,659号を参照)。
【0060】
本発明はさらに、式Iの化合物の投与による、式XXIIIの化合物の持続送達に関する。式Iの化合物の投与の際に、不安定なR5部分は、酵素的に、化学的にまたは第一段階代謝により切断されて式XXIIIの化合物を生じ得る。いかなる理論にも拘束されないが、式Iの化合物のいくつかについて、R5部分の切断の際の式XXIIIの化合物の放出により、治療活性剤が生じると仮定する。例えば、かかる活性成分は、アリピプラゾール、ジプラシドン(ziprasadone)またはビフェプルノックスであり得る。一態様において、持続放出は、式Iの化合物の投与後、少なくとも約36時間、患者の血流中で、治療有効量の式XXIIIの化合物を含む。好ましい態様において、本発明の化合物は、被験体に非経口投与した場合、数時間、数日間、数週間または数ヶ月にわたる親薬物(式XXIII)の持続送達を提供する。例えば、該化合物は、7、15、30、60、75または90日以上までの間、親薬物の持続送達を提供し得る。理論に拘束されないが、本発明の化合物は、非経口投与、例えば皮下、筋内または腹腔内の注射の際に、不溶性デポを形成すると考えられる。
【0061】
定義
本発明を説明するために使用される種々の用語の定義を以下に列挙する。これらの定義は、用語が、具体例において限定されていない限り、個々に、または大きな群の一部としてのいずれかで本明細書および特許請求の範囲を通じて使用されるように、該用語に適用される。
【0062】
「脂肪族基」または「脂肪族」は、飽和され得る(例えば単結合)かまたは不飽和の1つ以上の単位、例えば二重および/または三重結合を含み得る非芳香族部分である。脂肪族基は、直鎖、分岐鎖または環状であり得、炭素、水素または任意に1つ以上のへテロ原子を含み得、置換されていても置換されていなくてもよい。
【0063】
リンカーとして使用する場合、脂肪族基は、好ましくは、約1〜24個の原子、より好ましくは約4〜約24個の原子、より好ましくは約4〜約12個の原子、より典型的には、約4〜約8個の原子を含む。置換基として使用する場合、脂肪族基は、好ましくは約1〜約24個の原子、より好ましくは約1〜約10個の原子、より好ましくは約1〜約8個の原子、より典型的には約1〜約6個の原子を含む。脂肪族炭化水素基に加えて、脂肪族基としては、例えばポリアルキレングリコール、ポリアミンおよびポリイミンなどのポリアルコキシアルキルが挙げられる。かかる脂肪族基は、さらに置換されてもよい。脂肪族基としては、本明細書に記載されるアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル基が挙げられ得ることが理解される。
【0064】
用語、「置換カルボニル」には、二重結合により酸素原子に結合した炭素、およびその互変異形態を含む化合物および部分が含まれる。置換カルボニルを含む部分の例としては、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、アミド、エステル、無水物等が挙げられる。用語「カルボニル部分」は、アルキル基がカルボニル基に共有結合している「アルキルカルボニル」基、アルケニル基がカルボニル基に共有結合している「アルケニルカルボニル」基、アルキニル基がカルボニル基に共有結合している「アルキニルカルボニル」基、アリール基がカルボニル基に共有結合している「アリールカルボニル」基などの基のことをいう。さらに、該用語は、1つ以上のへテロ原子がカルボニル部分に共有結合している基のこともいう。例えば、該用語は、例えばアミノカルボニル部分(窒素原子がカルボニル基の炭素に結合している、例えばアミド)などの部分を含む。
【0065】
用語「アシル」は、水素、アルキル、部分飽和または完全飽和シクロアルキル、部分飽和または完全飽和複素環、アリール、およびヘテロアリール置換カルボニル基のことをいう。例えば、アシルとしては、(C1-C6)アルカノイル(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル、カプロイル、t-ブチルアセチル等)、(C3-C6)シクロアルキルカルボニル(例えば、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル等)、複素環式カルボニル(例えば、ピロリジニルカルボニル、ピロリド-2-オン-5-カルボニル、ピペリジニルカルボニル、ピペラジニルカルボニル、テトラヒドロフラニルカルボニル等)、アロイル(例えば、ベンゾイル)およびヘテロアロイル(例えば、チオフェニル-2-カルボニル、チオフェニル-3-カルボニル、フラニル-2-カルボニル、フラニル-3-カルボニル、1H-ピロイル(pyrroyl)-2-カルボニル、1H-ピロリル(pyrroyl)-3-カルボニル、ベンゾ[b]チオフェニル-2-カルボニル等)などの基が挙げられる。また、アシル基のアルキル、シクロアルキル、複素環、アリールおよびヘテロアリール部分は、それぞれの定義に記載される基のいずれか1つであり得る。「任意に置換されている」と示される場合、アシル基は、非置換であり得るか、または「置換」についての定義で以下に列挙される置換基の群から独立して選択される1つ以上の置換基(典型的には1〜3個の置換基)で任意に置換され得るか、あるいはアシル基のアルキル、シクロアルキル、複素環、アリールおよびヘテロアリール部分は、それぞれ、置換基の好ましいおよびより好ましいリストにおいて上述のように置換され得る。
【0066】
用語「アルキル」は、1〜約20個の炭素原子、好ましくは1〜約12個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のラジカルを包含する。より好ましいアルキルラジカルは、1〜約10個の炭素原子を有する「低級アルキル」ラジカルである。1〜約8個の炭素原子を有する低級アルキルラジカルが最も好ましい。かかるラジカルの例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソアミル、ヘキシル等が挙げられる。
【0067】
用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する、2〜約20個の炭素原子、好ましくは2〜約12個の炭素原子の直鎖または分岐鎖ラジカルを含む。より好ましいアルケニルラジカルは、2〜約10個の炭素原子、より好ましくは約2〜約8個の炭素原子を有する「低級アルケニル」ラジカルである。アルケニルラジカルの例としては、エテニル、アリル、プロペニル、ブテニルおよび4-メチルブテニルが挙げられる。用語「アルケニル」および「低級アルケニル」は、「シス」および「トランス」配向または代替的に「E」および「Z」配向を有するラジカルを包含する。
【0068】
用語「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する、2〜約20個の炭素原子、好ましくは2〜約12個の炭素原子の直鎖または分岐鎖ラジカルを包含する。より好ましいアルキニルラジカルは、2〜約10個の炭素原子、より好ましくは約2〜約8個の炭素原子を有する「低級アルキニル」ラジカルである。アルキニルラジカルの例としては、プロパルギル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチン、2-ブチニルおよび1-ペンチニルが挙げられる。
【0069】
用語「シクロアルキル」は、3〜約12個の炭素原子を有する飽和炭素環式ラジカルを包含する。用語「シクロアルキル」は、3〜約12個の炭素原子を有する飽和炭素環式ラジカルを包含する。より好ましいシクロアルキルラジカルは、3〜約8個の炭素原子を有する「低級シクロアルキル」ラジカルである。かかるラジカルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
【0070】
用語「シクロアルケニル」は、3〜12個の炭素原子を有する部分不飽和炭素環式ラジカルを包含する。2つの二重結合を含む部分不飽和炭素環式ラジカル(コンジュゲートされてもされなくてもよい)であるシクロアルケニルラジカルは、「シクロアルキルジエニル」と称され得る。より好ましいシクロアルケニルラジカルは、4〜約8個の炭素原子を有する「低級シクロアルケニル」ラジカルである。かかるラジカルの例としては、シクロブテニル、シクロペンテニルおよびシクロヘキセニルが挙げられる。
【0071】
用語「アルコキシ」は、それぞれが1〜約20個の炭素原子、好ましくは1〜約12個の炭素原子のアルキル部分を有する直鎖または分岐鎖オキシ含有ラジカルを包含する。より好ましいアルコキシラジカルは、1〜約10個の炭素原子、より好ましくは1〜約8個の炭素原子を有する「低級アルコキシ」ラジカルである。かかるラジカルの例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシおよびtert-ブトキシが挙げられる。
【0072】
用語「アルコキシアルキル」は、アルキルラジカルに結合した1つ以上のアルコキシラジカルを有する、つまりモノアルコキシアルキルラジカルおよびジアルコキシアルキルラジカルを形成するアルキルラジカルを包含する。
【0073】
用語「アリール」は、単独または組み合わせて、張り出した様式(pendent manner)で一緒に結合し得るかまたは縮合し得る1つ、2つまたは3つの環を含む炭素環式芳香族系を意味する。用語「アリール」は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダンおよびビフェニルなどの芳香族ラジカルを包含する。
【0074】
用語「ヘテロシクリル(heterocyclyl)」、「複素環」、「複素環式」または「ヘテロシクロ(heterocyclo)」は、飽和、部分不飽和および不飽和へテロ原子含有環状ラジカルを包含し、これは対応して「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクロアルケニル」および「ヘテロアリール」とも称され得、ヘテロ原子は、窒素、硫黄および酸素から選択され得る。飽和ヘテロシクリルラジカルの例としては、1〜4個の窒素原子を含む飽和3〜6員へテロ単環式基(例えば、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジノ、ピペラジニル等);1〜2個の酸素原子および1〜3個の窒素原子を含む飽和3〜6員へテロ単環式基(例えば、モルホリニル等);1〜2個の硫黄原子および1〜3個の窒素原子を含む飽和3〜6員へテロ単環式基(例えば、チアゾリジニル等)が挙げられる。部分不飽和ヘテロシクリルラジカルの例としては、ジヒドロチオフェン、ジヒドロピラン、ジヒドロフランおよびジヒドロチアゾールが挙げられる。ヘテロシクリルラジカルには、チアゾリウムラジカルおよびピリジニウムラジカルなどの5価の窒素が含まれ得る。用語「複素環」は、ヘテロシクリルラジカルとアリールラジカルまたはシクロアルキルラジカルとが縮合したラジカルを包含する。かかる縮合二環式ラジカルの例としては、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン等が挙げられる。
【0075】
用語「ヘテロアリール」は、不飽和ヘテロシクリルラジカルを包含する。ヘテロアリールラジカルの例としては、1〜4個の窒素原子を含む不飽和3〜6員へテロ単環式基、例えばピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル(例えば、4H-1,2,4-トリアゾリル、1H-1,2,3-トリアゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリル等)テトラゾリル(例えば、1H-テトラゾリル、2H-テトラゾリル等)等;1〜5個の窒素原子を含む不飽和縮合ヘテロシクリル基、例えばインドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾロピリダジニル(例えば、テトラゾロ[1,5-b]ピリダジニル等)等;酸素原子を含む不飽和3〜6員ヘテロ単環式基、例えばピラニル、フリル等;硫黄原子を含む不飽和3〜6員ヘテロ単環式基、例えばチエニル等;1〜2個の酸素原子および1〜3個の窒素原子を含む不飽和3〜6員ヘテロ単環式基、例えばオキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル(例えば、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル等)等;1〜2個の酸素原子および1〜3個の窒素原子を含む不飽和縮合ヘテロシクリル基(例えば、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル等);1〜2個の硫黄原子および1〜3個の窒素原子を含む不飽和3〜6員ヘテロ単環式基、例えばチアゾリル、チアジアゾリル(例えば、1,2,4-チアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル等)等;1〜2個の硫黄原子および1〜3個の窒素原子を含む不飽和縮合ヘテロシクリル基(例えば、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル等)等が挙げられる。
【0076】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、ヘテロシクロ置換アルキルラジカルを包含する。より好ましいヘテロシクロアルキルラジカルは、ヘテロシクロラジカル中に1〜6個の炭素原子を有する「低級へテロシクロアルキル」ラジカルである。
【0077】
用語「アルキルチオ」は、二価の硫黄原子に結合した1〜約10個の炭素原子の、直鎖または分岐鎖アルキルラジカルを含むラジカルを包含する。好ましいアルキルチオラジカルは、1〜約20個の炭素原子、好ましくは1〜約12個の炭素原子のアルキルラジカルを有する。より好ましいアルキルチオラジカルは、1〜約10個の炭素原子を有する「低級アルキルチオ」ラジカルである。1〜約8個の炭素原子の低級アルキルラジカルを有するアルキルチオラジカルが最も好ましい。かかる低級アルキルチオラジカルの例は、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオおよびヘキシルチオである。
【0078】
用語「アラルキル」または「アリールアルキル」は、アリール-置換アルキルラジカル、例えばベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、フェニルエチルおよびジフェニルエチルを包含する。
【0079】
用語「アリールオキシ」は、酸素原子を介して他のラジカルに結合したアリールラジカルを包含する。
【0080】
用語「アラルコキシ」または「アリールアルコキシ」は、酸素原子を介して他のラジカルに結合したアラルキルラジカルを包含する。
【0081】
用語「アミノアルキル」は、アミノラジカルで置換されたアルキルラジカルを包含する。好ましいアミノアルキルラジカルは、約1〜約20個の炭素原子、好ましくは1〜約12個の炭素原子を有するアルキルラジカルを有する。より好ましいアミノアルキルラジカルは、1〜約10個の炭素原子を有するアルキルラジカルを有する「低級アミノアルキル」である。1〜8個の炭素原子を有する低級アルキルラジカルを有するアミノアルキルラジカルが最も好ましい。かかるラジカルの例としては、アミノメチル、アミノエチル等が挙げられる。
【0082】
用語「アルキルアミノ」は、1つまたは2つのアルキルラジカルで置換されたアミノ基を示す。好ましいアルキルアミノラジカルは、約1〜約20個の炭素原子、好ましくは1〜約12個の炭素原子を有するアルキルラジカルを有する。より好ましいアルキルアミノラジカルは、1〜約10個の炭素原子を有するアルキルラジカルを有する「低級アルキルアミノ」である。1〜約8個の炭素原子を有する低級アルキルラジカルを有するアルキルアミノラジカルが最も好ましい。適切な低級アルキルアミノは、一置換N-アルキルアミノまたは二置換N,N-アルキルアミノ、例えばN-メチルアミノ、N-エチルアミノ、N,N-ジメチルアミノ、N,N-ジエチルアミノ等であり得る。
【0083】
用語「リンカー」は、化合物の二つの部分を接続する有機部分を意味する。典型的に、リンカーは、直接結合、または酸素もしくは硫黄などの原子、NR8、C(O)、C(O)NH、SO、SO2、SO2NHなどの単位、または1つ以上のメチレンが、O、S、S(O)、SO2、N(R8)、C(O)、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換複素環式で中断または終結され得る置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルケニル、ヘテロシクリルアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキルアリールアルキル、アルキルアリールアルケニル、アルキルアリールアルキニル、アルケニルアリールアルキル、アルケニルアリールアルケニル、アルケニルアリールアルキニル、アルキニルアリールアルキル、アルキニルアリールアルケニル、アルキニルアリールアルキニル、アルキルヘテロアリールアルキル、アルキルヘテロアリールアルケニル、アルキルヘテロアリールアルキニル、アルケニルヘテロアリールアルキル、アルケニルヘテロアリールアルケニル、アルケニルヘテロアリールアルキニル、アルキニルヘテロアリールアルキル、アルキニルヘテロアリールアルケニル、アルキニルヘテロアリールアルキニル、アルキルヘテロシクリルアルキル、アルキルヘテロシクリルアルケニル、アルキルヘテロシクリルアルキニル、アルケニルヘテロシクリルアルキル、アルケニルヘテロシクリルアルケニル、アルケニルヘテロシクリルアルキニル、アルキニルヘテロシクリルアルキル、アルキニルヘテロシクリルアルケニル、アルキニルヘテロシクリルアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール、アルキニルアリール、アルキルヘテロアリール、アルケニルヘテロアリール、アルキニルヘテロアリールなどの原子の鎖を含み、ここでR8は、水素、アシル、脂肪族または置換脂肪族である。一態様において、リンカーBは、1〜約24個の原子、好ましくは1〜約12個の原子、好ましくは約1〜約8個の原子、より好ましくは1〜約6個の原子、最も好ましくは約4〜約6個の原子である。いくつかの態様において、リンカーは、C(O)NH(アルキル)鎖またはアルコキシ鎖である。
【0084】
用語「置換」は、所定の構造中の1つ以上の水素ラジカルの、限定されないが、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロシクリル、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルチオアルキル、アリールチオアルキル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アリールスルホニルアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ハロアルキル、アミノ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、アミノアルキルアミノ、ヒドロキシ、アルコキシアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノカルボニルアルキル、アシル、アラルコキシカルボニル、カルボン酸、スルホン酸、スルホニル、ホスホン酸、アリール、ヘテロアリール、複素環式、および脂肪族などの特定の置換基のラジカルでの置き換えのことをいう。該置換基がさらに置換され得ることが理解される。
【0085】
簡易化のために、全体を通して定義され言及される化学部分は、当業者に明らかな適切な構造環境下で一価の化学部分(例えばアルキル、アリール等)または多価部分であり得る。例えば「アルキル」部分は、一価のラジカル(例えば、CH3-CH2-)のことをいい得るか、または他の例において、アルキルが二価ラジカル(例えば-CH2-CH2-)であることを当業者が理解する場合、二価の結合部分は「アルキル」であり得、これは用語「アルキレン」と同等である。同様に、二価部分が必要とされ、「アルコキシ」、「アルキルアミノ」、「アリールオキシ」、「アルキルチオ」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「複素環式」、「アルキル」「アルケニル」、「アルキニル」、「脂肪族」または「シクロアルキル」であると記載される状況下では、当業者は、用語「アルコキシ」、「アルキルアミノ」、「アリールオキシ」、「アルキルチオ」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「複素環式」、「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、「脂肪族」または「シクロアルキル」が、対応する二価の部分のことをいうと理解される。
【0086】
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、本明細書で使用する場合、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択される原子のことをいう。
【0087】
用語「化合物」は、本明細書に記載される式を有する化合物の薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、多形、エナンチオマー、ジアステレオアイソマー、ラセミ化合物等を含むと本明細書に規定される。
【0088】
用語「糖」には、アルドース、ケトアルドース、アルジトール、ケトース、アルドン酸、ケトアルドン酸、糖酸、ケト糖酸、アミノ糖、ケト-アミノ糖、ウロン酸、ケトウロン酸、ラクトンおよびケトラクトンが含まれる。糖部分は、三炭糖、四炭糖、五炭糖、六炭糖、七炭糖、八炭糖および九炭糖ラジカルであり得る。六炭糖としては、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、フルクトース、リボ-ヘキスロース、アラビノ-ヘキスロースおよびリキソ-ヘキスロースが挙げられる。五炭糖としては、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、リブロースおよびキシルロースが挙げられる。
【0089】
結合の変動点を介して結合するように示される置換基は、環構造上の任意の利用可能な位置に結合し得る。
【0090】
本明細書で使用する場合、用語「目的の化合物の有効量」は、目的の治療方法に関して、所望の投与計画の一部として送達された場合、臨床的に許容され得る標準に対して神経学的および精神的障害の治療をもたらす目的の化合物の量のことをいう。
【0091】
神経学的および精神的障害としては、限定されないが、心臓バイパス手術および移植後の脳の欠陥(cerebral deficit)、脳卒中、脳虚血、脊髄損傷、心臓外傷、周生期低酸素症、心停止、低血糖性神経損傷(hypoglycemic neural damge)、認知症(AIDS誘導性認知症など)、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、眼損傷、網膜症、認知障害、特発性および薬物誘導性パーキンソン病、振せんなどの筋痙攣および筋痙直に関連する障害、癲癇、痙攣、長期的な癲癇状態に続発的な脳欠損、偏頭痛(例えば偏頭痛(migraine headache))、尿失禁、物質耐性(substance tolerance)、物質禁断症状(例えば、アヘン誘導体、ニコチン、タバコ製品、アルコール、ベンゾジアゼピン、コカイン、鎮静薬、催眠薬などの物質等)、精神病、統合失調症、不安(全般性不安障害、パニック障害、社会恐怖、強迫性障害、および心的外傷後ストレス障害(PTSD)など)、気分障害(鬱、躁病、双極性障害など)、概日リズム障害(時差ぼけおよび交代制の仕事など)、三叉神経痛、聴覚障害、耳鳴、目の黄斑変性、嘔吐、脳水腫、疼痛(急性および慢性疼痛状態、重度疼痛、難治性疼痛、神経障害性疼痛、炎症性疼痛、および外傷後疼痛など)、遅発性ジスキネジー、睡眠障害(ナルコレプシーなど)、注意欠陥/過活動性障害、ならびに行動障害などの障害が挙げられる。
【0092】
用語「治療」は、ヒトを含む哺乳動物が、直接的または間接的に、哺乳動物の状態の改善を目的とした医学的補助の対象となる任意の過程、作用、適用、療法等のことをいう。
【0093】
本明細書で使用する場合、用語「薬学的に許容され得る塩」は、妥当な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび下等動物の組織との接触において、過度な毒性、刺激、アレルギー反応等を生じることなく、妥当な益/リスク比で釣り合った使用に適切な塩のことをいう。薬学的に許容され得る塩は、当該技術分野において周知である。例えば、S. M. Bergeらは、J. Pharmaceutical Sciences, 66: 1-19 (1977) において薬学的に許容され得る塩を詳細に記載している。該塩は、本発明の化合物の最終的な単離および精製の際にインサイチュで調製され得るか、または有利塩官能基を適切な有機酸または無機酸と別々に反応させることにより調製され得る。薬学的に許容され得る非毒性酸付加塩の例としては、限定されないが、塩化水素酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸、または酢酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、ラクトビオン酸もしくはマロン酸などの有機酸を用いて、あるいはイオン交換として当該技術分野において使用される他の方法を使用して形成されたアミノ基の塩が挙げられる。他の薬学的に許容され得る塩としては、限定されないが、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、カンホレート、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオネート、ジグルコネート、ドデシルスルフェート、エタンスルホネート、蟻酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタノエート、グリセロホスフェート、グルコン酸塩、ヘミスルフェート、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホネート、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリルスルフェート、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホネート、2-ナフタレンスルホネート、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモエート、ペクチネート、過硫酸塩、3-フェニルプロピオネート、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオネート、ステアリン酸塩、クエン酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアネート、p-トルエンスルホネート、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等が挙げられる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。さらに、薬学的に許容され得る塩としては、適切な場合、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸、硫酸、リン酸、硝酸、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、スルホン酸およびスルホン酸アリールなどの対イオンを用いて形成される、非毒性アンモニウム、第四級アンモニウム、およびアミンのカチオンが挙げられる。
【0094】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容され得るエステル」は、インビボで加水分解するエステルおよびヒト体内で容易に分解されて親化合物またはその塩を残すものを含むエステルのことをいう。適切なエステル基としては、例えば薬学的に許容され得る脂肪族カルボン酸、特に、アルキルまたはアルケニル部分がそれぞれ有利に6個以下の炭素原子を有するアルカン酸、アルケン酸、シクロアルカン酸およびアルカンジオール酸に由来するものが挙げられる。特定のエステルの例としては、限定されないが、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、アクリル酸エステルおよびコハク酸エチルエステルが挙げられる。
【0095】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容され得る担体」は、滅菌発熱物質非含有水などの薬学的投与に適合性の任意および全ての溶媒、分散媒体、コーティング、抗細菌剤および抗真菌剤、等張化剤および吸収遅延剤等を含むことが意図される。適切な担体は、参照により本明細書に援用される、当該技術分野における標準的な参照教本のRemington's Pharmaceutical Sciencesの最新版に記載される。かかる担体または希釈剤の好ましい例としては、限定されないが、水、食塩水、フィンガー溶液(finger's solutions)、デキストロース溶液、および5%ヒト血清アルブミンが挙げられる。リポソーム、および固定油などの非水性ビヒクルが使用されてもよい。薬学的に活性な物質のためのかかる媒体および薬剤の使用は、当該技術分野に周知である。任意の従来の媒体または薬剤が活性化合物に適さない場合以外は、組成物中のそれらの使用が企図される。補足的な活性化合物も組成物に組み込まれ得る。
【0096】
合成された化合物は、反応混合物から分離され、カラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーまたは再結晶化などの方法によりさらに精製され得る。当業者に理解され得るように、本明細書の式の化合物のさらなる合成方法は、当業者に明白である。さらに、種々の合成工程は、所望の化合物を得るために代替的な流れまたは順序で行ってもよい。本明細書に記載の化合物の合成に有用な合成化学変換および基保護法(保護および脱保護)は、当該技術分野に公知であり、例えばR. Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers (1989);T.W. Greene and P. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 第2版, John Wiley and Sons (1991);L. Fieser and M. Fieser, Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1994);およびL. Paquette編、Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1995)、ならびにそれらのそれ以降の版に記載されるものなどが挙げられる。
【0097】
本明細書に記載される化合物は、1つ以上の不斉中心を含み得、そのためにエナンチオマー、ジアステレオマー、絶対立体化学に関して、(R)-もしくは(S)-、またはアミノ酸について(D)-もしくは(L)-と定義され得る他の立体異性形態を生じる。本発明は、全てのかかる可能な異性体、ならびにそれらのラセミ形態および光学的に純粋な形態を含むことを意図する。光学異性体は、上述の方法またはラセミ混合物の分解により、それらのそれぞれの光学的に活性な前駆体から調製され得る。クロマトグラフィーまたは反復結晶化あるいは当業者に公知のこれらの技術のいくつかの組合せにより、分解剤の存在下で、分解を行うことができる。分解に関するさらなる詳細は、Jacques, et al., Enantiomers, Racemates, and Resolutions (John Wiley & Sons, 1981)に見ることができる。本明細書に記載される化合物がオレフィン二重結合、他の不飽和、または他の幾何学的不斉中心を含み、他に特定されなければ、該化合物は、EおよびZ幾何異性体および/またはシス-およびトランス異性体の両方を含むことが意図される。同様に、全ての互変異性形態が含まれることも意図される。本明細書に見られる任意の炭素-炭素二重結合の配置は、利便性のためのみに選択され、本文にそのように記載されなければ特定の配置を指定することは意図されず、そのため本明細書にトランスとして任意に示される炭素-炭素二重結合または炭素-ヘテロ原子二重結合は、シス、トランスまたは任意の割合の2つの混合物であり得る。
【0098】
用語「持続放出」、「持続送達」および「延長された放出」は、本明細書において互換的に使用され、不安定なR5部分が存在する式I〜XXIIの化合物が、吸収の一次速度式または吸収のゼロ次速度式の遅延を含む任意の機構により、R5を有さない得られた化合物が患者中に、有効量で、R5部分単独を有さない対応する薬物(すなわち本発明のプロドラッグとしてではなく)の投与により得られる時間よりも長い時間存在するような化合物の放出をもたらすことを示す。持続放出(timed release)の機構は、限定されないが、R5のコンジュゲーションの際に可溶性が低下して、血清酵素または化学的加水分解の作用によりR5コンジュゲート化合物(式I〜XXII)のより段階的な溶解およびより遅い放出を生じることを含むいくつかの要因による。
【0099】
一態様において、本発明の式I〜XXIIの化合物は、活性剤が吸収される時間の延長された期間を提供し、それにより現在期待されているよりも長い投与あたりの作用の持続時間が提供される。これにより、例えば以前は1日に4回の投与が必要とされていた活性剤の1日に2回の摂取などの投与パラメーターの全体的な改善がもたらされる。代替的に、現在1日に1回の投与頻度で投与される多くの活性剤は、正確に12時間または24時間の投与間隔に適した薬物動態特性を欠いている。現在の単回投与活性剤についての活性剤吸収の延長された期間の必要性が依然として存在しており、有益でもある。本発明のプロドラッグの「有効量」または「治療有効量」は、患者に臨床的に有益な治療を提供すると考えられる親薬物の量に基づく。しかしながら、本発明のプロドラッグは、単独で送達された場合の投与あたりの親薬物の期間よりも長い投与あたりの期間、有効量を提供する。
【0100】
医薬組成物
本発明の医薬組成物は、調製された本発明の化合物の治療有効量と共に、1つ以上の薬学的に許容され得る担体または賦形剤を含む。
【0101】
本明細書で使用する場合、用語「薬学的に許容され得る担体または賦形剤」は、任意の型の、非毒性で不活性な固体、半固体または液体充填剤、希釈剤、封入物質または調製助剤を意味する。薬学的に許容され得る担体として機能し得る物質のいくつかの例は、ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖;アルファ-(α)、ベータ-(β)およびガンマ-(γ)シクロデキストリンなどのシクロデキストリン;トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンなどのデンプン;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのセルロースおよびその誘導体;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバターおよび坐剤ワックスなどの賦形剤;ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油などの油;プロピレングリコールなどのグリコール;オレイン酸エチルおよびラウリル酸エチルなどのエステル;寒天;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝化剤;アルギン酸;発熱物質非含有水;等張食塩水;リンガー液;エチルアルコール、およびリン酸緩衝液、ならびにラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなどの他の非毒性適合性の滑沢剤であり、着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味料、矯味矯臭剤および香料剤、保存剤および抗酸化剤も調製者の判断にしたがって、該組成物中に存在し得る。
【0102】
本発明の医薬組成物は、経口、非経口、吸入スプレー、局所、直腸、鼻腔、口内、経膣により、または埋め込みレザバーを介して、好ましくは経口投与または注射による投与により投与され得る。本発明の医薬組成物は、任意の従来の非毒性の薬学的に許容され得る担体、アジュバントまたはビヒクルを含み得る。いくつかの場合において、製剤のpHは、調製された化合物またはその送達形態の安定性を高めるために、薬学的に許容され得る酸、塩基またはバッファにより調整され得る。用語非経口は、本明細書で使用する場合、皮下、皮内、静脈内、筋内、関節内、動脈内、滑膜内、胸骨内、鞘内、病変内および頭蓋内の注射または注入技術を含む。
【0103】
経口投与のための液体投与形態は、薬学的に許容され得るエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシルを含む。活性化合物に加えて、形態投与形態は、当該技術分野において一般的に使用される、例えば水または他の溶媒、可溶化剤およびエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミドなどの乳化剤、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物などの不活性希釈剤を含み得る。不活性希釈剤に加え、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味料、矯味矯臭剤および香料剤などの補助薬も含み得る。
【0104】
注射可能な調製物、例えば注射可能な水性または油性の滅菌懸濁物は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して、公知の当該技術にしたがって調製され得る。注射可能な滅菌調製物は、非毒性で非経口的に許容され得る希釈剤または溶媒中で、例えば1,3-ブタンジオール中の溶液として、注射可能な滅菌溶液、懸濁液またはエマルジョンでもあり得る。その中で、使用され得る許容可能なビヒクルおよび溶媒は、水、リンガー溶液、U.S.P.および等張塩化ナトリウム溶液である。また、滅菌の固定油が、溶媒または懸濁媒体として従来から使用さていれる。この目的のために、合成モノ-またはジグリセリドなどの任意の低刺激固定油を使用することができる。また、オレイン酸などの脂肪酸は、注射可能物の調製に使用される。
【0105】
注射可能な製剤は、例えば細菌保持フィルターを通したろ過により、あるいは使用前に滅菌水または他の注射可能な滅菌媒体に溶解または懸濁され得る滅菌固形組成物の形態の滅菌剤を混ぜることにより滅菌し得る。
【0106】
薬物の効果を延長するために、皮下注射または筋内注射からの薬物の吸収を遅らせることがしばしば望ましい。これは、水溶性が低い結晶または非晶質物質の懸濁液の使用により達成され得る。次いで、薬物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、該溶解速度は結晶のサイズおよび結晶形態に依存し得る。代替的に、非経口投与された薬物形態の遅い吸収は、薬物を油ビヒクルに溶解または懸濁することにより達成される。注射可能なデポ形態は、ポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中に薬物の微小封入マトリクスを形成することにより作製される。薬物とポリマーの割合および使用される特定のポリマーの性質に依存して、薬物放出の速度は制御され得る。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。注射可能なデポ製剤はまた、薬物を、生体組織に適合性のリポソームまたはマイクロエマルジョン中にトラップすることによっても調製される。
【0107】
直腸または膣投与用の組成物は、好ましくは、本発明の化合物と、ココアバター、ポリエチレングリコールまたは坐剤ワックスなどの周囲温度では固体であるが体温では液体であるため腸または膣腔で溶解して活性化合物を放出する適切な非刺激性賦形剤または担体を組み合わせて調製され得る坐剤である。
【0108】
経口投与用の固形投与形態としては、カプセル、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤が挙げられる。かかる固形投与形態において、活性化合物は、少なくとも1つのクエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなどの不活性な薬学的に許容され得る賦形剤または担体、および/または:a) デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸などの充填剤または増量剤、b) 例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよびアラビアゴムなどの結合剤、c) グリセロールなどの保湿剤、d) アガー-アガー、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e) パラフィンなどの溶解遅延剤(solution retarding agent)、f) 第四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、g) 例えばセチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤、h) カオリンおよびベントナイト粘土などの吸湿剤、ならびにi) タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの滑沢剤、ならびにそれらの混合物と混合される。カプセル、錠剤および丸剤の場合、投与形態は、緩衝化剤も含み得る。
【0109】
同様の型の固形組成物は、ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤等を使用して、軟質および硬質の充填ゼラチンカプセル中の充填剤としても使用され得る。
【0110】
錠剤、糖衣剤、カプセル、丸剤および顆粒剤の固形投与形態は、腸溶性コーティングおよび医薬調製技術分野において周知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェルにより調製され得る。それらは任意に、不透明化剤を含み得、また、活性成分(1つまたは複数)を、好ましくは腸管の特定の部分に、任意に遅延様式で放出する組成物であり得る。使用され得る埋め込み組成物の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。
【0111】
本発明の化合物の局所または経皮投与用の投与形態としては、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入物またはパッチが挙げられる。活性成分は、滅菌状態下で薬学的に許容され得る担体、および必要な場合は、任意に必要な保存剤またはバッファと混合される。眼用調製物、点耳薬、眼用軟膏、粉末および溶液も本発明の範囲内にあるものと企図される。
【0112】
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、本発明の活性化合物に加えて、動物および植物性の脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化鉛、またはそれらの混合物などの賦形剤を含み得る。
【0113】
粉末およびスプレーは、本発明の化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物などの賦形剤を含み得る。スプレーは、クロロヒドロフルオロカーボンなどの習慣的な噴射剤をさらに含み得る。
【0114】
経皮パッチは、生体への化合物の制御送達を提供するという付加的な利点を有する。かかる投与形態は、化合物を適切な媒体に溶解または分配することにより作製され得る。皮膚を通過する化合物の流量を増加するために吸収促進剤も使用され得る。速度は、速度制御膜を提供することまたは化合物をポリマーマトリクスゲルに分散することのいずれかにより制御され得る。
【0115】
肺送達のために、本発明の組成物を調製し、直接投与、例えば呼吸器系への吸入により、固体または液体の微粒子形態で患者に投与する。固体または液体の微粒子形態の本発明の実施のために調製された活性化合物は、呼吸可能なサイズの粉末、すなわち、吸入時に口および咽頭を通過して、肺の気管支および肺胞へと通るように充分に小さいサイズの粒子を含む。エアロゾル化された治療薬、特にエアロゾル化された抗生物質の送達は当該技術分野に公知である(例えば、VanDevanter et alについての米国特許第5,767,068号、Smith et alについての米国特許第5,508,269号、およびMontgomeryによるWO 98/43650参照、その全ては、参照により本明細書に援用される)。抗生物質の肺送達の考察は、参照により本明細書に援用される米国特許第6,014,969号にも見られる。
【0116】
本発明の化合物の「治療有効量」は、治療される被験体に、任意の医学的治療に適用可能な妥当な益/リスク比で治療効果を付与する化合物の量を意味する。治療効果は客観的である(すなわち、いくつかの試験またはマーカーにより測定可能)か、または主観的である(すなわち、被験体が効果の指標を与えるかまたは効果を感じる)。上述の化合物の有効量は、約0.1mg/Kg〜約500mg/Kg、好ましくは約1〜約50mg/Kgの範囲であり得る。有効な用量はまた、投与経路、ならびに他の薬剤との併用の可能性に応じて変化する。しかしながら、本発明の化合物および組成物の総日用量は、正常な医学的判断の範囲内で、かかりつけの医師により決定されることが理解されよう。任意の特定の患者についての具体的な治療有効用量レベルは、治療される障害および該障害の重症度;使用される具体的な化合物の活性;使用される具体的な組成物;患者の年齢、体重、一般健康状態、性別および食事;投与の時間、投与経路、および使用される具体的な化合物の排出速度;治療の持続時間;使用される具体的な化合物と併用されるかまたは同時発生的な薬物;ならびに医学分野に周知の同様の要因などの種々の要因に依存する。
【0117】
単回または複数回用量においてヒトまたは他の動物に投与される本発明の化合物の総日用量は、例えば0.01〜50mg/体重kg、より通常的には0.1〜25mg/体重kgの量であり得る。単回用量組成物は、かかる量または合計して日用量になるその約数を含み得る。一般的に、本発明による治療計画は、かかる治療が必要な患者への、単回または複数回用量中、1日あたり約10mg〜約1000mgの本発明の化合物(1つまたは複数)の投与を含む。
【0118】
本明細書に記載される式の化合物は、例えば注射により、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、筋内または皮下に;または経口、口内、鼻腔、経粘膜、局所、眼用調製物中、もしくは吸入により、約0.1〜約500mg/体重kgの範囲の用量で、代替的には1mg〜1000mg/用量の用量で、特定の薬物の要件にしたがって投与され得る。該方法は、本明細書中で、所望のまたは上述の効果を達成するための化合物または化合物組成物の有効量の投与を企図する。薬学的な賦形剤または担体と組み合わされて、単回投与形態を生じる活性成分の量は、治療される宿主および具体的な投与方法に応じて変化する。典型的な調製物は、約5%〜約95%(w/w)の活性化合物を含む。代替的に、かかる調製物は、約20%〜約80%の活性化合物を含み得る。
【0119】
上述のものよりも低いかまたは高い用量が必要とされる場合もある。任意の特定の患者のための具体的な投与および治療計画は、使用される具体的な化合物の活性、年齢、体重、一般健康状態、性別、食事、投与時間、排出速度、薬物組合せ、疾患、状態または症状の重症度および経過、該疾患、状態または症状に対する患者の素因、ならびに治療する医師の判断などの種々の要因に依存する。
【0120】
患者の状態の改善において、本発明の化合物、組成物または組合せの維持用量が、必要に応じて投与され得る。続いて、症状が所望のレベルまで改善した場合は、用量もしくは投与頻度、または両方が、症状の関数として、改善された状態が維持されるレベルまで低減され得る。しかしながら、患者は、疾患症状の任意の再発に長期的に基づいて、断続的な治療を必要とし得る。
【実施例】
【0121】
実施例
本発明の化合物および方法は、例示のみを意図し、本発明の範囲の限定を意図しない以下の実施例と関連して良好に理解されよう。開示される態様に対する種々の変更および改変は、当業者に明らかであり、限定されないが、本発明の化学構造、置換、誘導体、製剤および/または方法に関するかかる変更および改変は、本発明の精神および添付の特許請求の範囲を逸脱することなくなされ得る。ラクタム化合物の調製のための一般的な方法論は、以下の刊行物:米国特許第7,160,888号;米国特許第5,462,934号;米国特許第4,914,094号;米国特許第4,234,584号;米国特許第4,514,401号;米国特許第5,462,934号;米国特許第4,468,402号;WO 2006/090273 A2;WO 2008/150848 A1;WO 2006/112464 A1;WO 2008/132600 A1に見られ得る。
【0122】


7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-1-(ヒドロキシメチル)-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン(実施例1:化合物A1)の調製
アリピプラゾール(20g、45mmol)、トリエチルアミン(1mL、7.1mmol)、ホルムアルデヒド(37%水溶液、70mL)およびジメチルホルムアミド(200mL)の混合物を80℃に20時間加熱した。該反応混合物を冷却し、酢酸エチル(400mL)で希釈し、水/ブライン(1:1、3x500mL)で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥させ、ろ過して真空下で乾燥まで蒸発させて、ヘミアミナール(hemi-aminal)A1を白色固体として得た(18.6g、25%アリピプラゾールを含む、A1に対して65%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz)アリピプラゾールの夾雑によるシグナルの複合混合物、メインシグナルδ5.34 (s, 2H, OHCH2N); m/z (M+H) 478および480。
【0123】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルベンジルカルバメート(実施例2:化合物28)
実施例1由来のヘミアミナールA1(4g、8.4mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(0.15g、1.3mmol)およびトリエチルアミン(1.1mL、7.5mmol)のジクロロメタン(30mL)中の溶液に、ベンジルイソシアネート(1.03mL、8.3mmol)を添加し、反応混合物を24時間攪拌した。次いで、反応混合物を35℃で20時間加熱し、冷却して水/ブライン(1:1、50mL)で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥させ、ろ過して真空下で蒸発させた。残渣をさらに、酢酸エチル/ジクロロメタン/メタノール(1:1:0.1)で溶出するシリカ上のクロマトグラフィーで精製し、所望の生成物をオフホワイトの泡状物として得た(530mg、14%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ1.58-1.88 (m, 4H), 2.48 (t, 2H), 2.60-2.72 (m, 6H), 2.85 (m, 2H), 300-3.12 (m, 4H), 3.96 (t, 2H), 4.40 (d, 2H), 5.13 (NH), 5.96 (s, 2H), 6.58 (dd, 1H), 6.79 (d, 1H), 6.92-6.98 (m, 1H), 7.04 (d, 1H), 7.12-7.16 (m, 1H), 7.23-7.35 (m, 6H); m/z (M+H) 611.12および613.10。
【0124】
以下の化合物は、実施例2と類似の様式で調製した。
【0125】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルエチルカーボネート(実施例3:化合物79) 所望の生成物を、黄色油として単離した(830mg、24%収率)。1H NMR (d6-DMSO, 300MHz) δ 1.78 (t, 3H), 1.52-1.61 (m, 2H), 1.63-1.76 (m, 2H), 2.31-2.40 (m, 2H), 2.40-2.60 (m, 6H), 2.73-2.80 (m, 2H), 2.91-2.99 (m, 4H), 3.96 (t, 3H), 4.11 (q, 2H), 5.87(s, 2H), 6.60-6.70 (m, 2H), 7.07-7.12 (m, 2H), 7.24-7.30 (m, 2H); m/z (M+H) 550.48および552.40。
【0126】
ブチル(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルカーボネート(実施例4:化合物80) 所望の生成物を、黄色油として単離した(750mg、21%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 0.92 (t, 3H), 1.33-1.45 (m, 2H), 1.59-1.80 (m, 4H), 1.80-1.92 (m, 2H), 2.49 (t, 2H), 2.58-2.75 (m, 6H), 2.85 (t, 2H), 3.00-3.13 (m, 4H), 3.98 (t, 2H), 4.18 (t, 2H), 5.92 (s, 2H), 6.58 (dd, 1H), 6.67 (d, 1H), 6.92-6.99 (m, 1H), 7.03 (dd, 1H), 7.10-7.20 (m, 2H); m/z (M+H) 578.10および580.08。
【0127】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルヘキシルカーボネート(実施例5:化合物81) 所望の生成物を、黄色油として単離した(1.77g、62%収率)。1H NMR (d6-DMSO, 300MHz) δ 0.80 (t, 3H), 1.15-1.30 (m, 6H), 1.50-1.60 (m, 4H), 1.65-1.73 (m, 2H), 2.35 (t, 2H), 2.41-2.60 (m, 6H), 2.78 (t, 2H), 2.88-3.00 (m, 4H), 3.95 (t, 2H), 4.06 (t, 2H), 5.86 (s, 2H), 6.60-6.70 (m, 2H), 7.05-7.15 (m, 2H), 7.22-7.28 (m 2H); m/z (M+H) 606.15および608.15。
【0128】
デシル(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルカーボネート(実施例6:化合物82) 所望の生成物を、黄色油として単離した(1.42g、46%収率)。1H NMR (d6-DMSO, 300MHz) δ 0.79 (m, 3H), 1.13-1.30 (m, 14H), 1.48-1.60 (m, 4H), 1.65-1.75 (m, 2H), 2.33 (t, 2H), 2.41-2.60 (m, 6H), 2.72-2.80 (m, 2H), 2.89-2.98 (m, 4H), 3.95 (t, 2H), 4.05 (t, 2H), 5.86 (s, 2H), 6.60-6.70 (m, 2H), 7.05-7.13 (m, 2H), 7.22-7.28 (m, 2H); m/z (M+H) 662.56および664.54。
【0129】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルヘキサデシルカーボネート(実施例7:化合物83) 所望の生成物を、黄色油として単離した(1.55g、44%収率)。1H NMR (d6-DMSO, 300MHz) δ 0.80 (t, 3H), 1.10-1.29 (m, 26H), 1.49-1.60 (m, 4H), 1.65-1.75 (m, 2H), 2.33 (t, 2H), 2.43-2.55 (m, 6H), 2.78 (t, 2H), 2.90-2.95 (m, 4H), 3.95 (t, 2H), 4.05 (t, 2H), 5.84 (s, 2H), 6.60-6.68 (m, 2H), 7.05-7.12 (m, 2H), 7.24-7.29 (m, 2H); m/z (M-C10H20)+606.52および608.54。
【0130】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルモルホリン-4-カルボキシレート(実施例8、化合物49) 所望の生成物を、黄色油として単離した(1.52g、55%収率)。1H NMR (d6-DMSO, 300MHz) δ1.50-1.75 (m, 4H), 2.35 (t, 2H), 2.42-2.61 (m, 6H), 2.70-2.82 (m, 2H), 2.88-3.00 (m, 4H), 3.26-3.40 (m, 4H), 3.40-3.60 (m, 4H), 3.94 (t, 2H), 5.81 (s, 2H), 6.61 (dd, 1H), 6.68 (d, 1H), 7.05-7.13 (m, 2H), 7.20-7.30 (m, 2H); m/z (M+H) 591.11および593.15。
【0131】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルジエチルカルバメート(実施例9:化合物84) 所望の生成物を、黄色油として単離した(0.83g、31%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.00-1.20 (m, 6H), 1.65-1.88 (m, 4H), 2.45-2.52 (m, 2H), 2.58-2.83 (m, 6H), 2.82-2.90 (m, 2H), 3.00-3.12 (m, 4H), 3.18-3.38 (m, 4H), 3.97 (t, 2H), 5.91 (s, 2H), 6.58 (dd, 1H), 6.77 (d, 1H), 6.94-6.98 (m, 1H), 7.06 (d, 1H), 7.15-7.20 (m, 2H); m/z (M+H) 577.48および579.46。
【0132】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルイソペンチルカーボネート(実施例10:化合物84) ホスゲン(トルエン中20%、54mL、110mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)中の溶液に、テトラヒドロフラン(50mL)中の3-メチル-1-ブタノールの溶液(1.7mL、15.7mmol)を1時間かけて添加した。4時間後、揮発性物質を真空下で除去して、残渣をヘミアミナールA1(3g、4.7mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(0.3g、1.9mmol)、ピリジン(10mL)およびトリエチルアミン(1.3mL、9.4mmol)のジクロロメタン(30mL)中の溶液に添加した。72時間攪拌後、反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、5%水性NaHCO3/ブライン(1:1、100mL)で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥させ、ろ過して、真空下で蒸発させた。残渣をさらに、酢酸エチル/ジクロロメタン/メタノール(1:1:0.1)で溶出するシリカ上のクロマトグラフィーで精製し、所望の生成物を黄色油として得た(1.54g、55%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ1.90-1.95 (m, 6H), 1.50-1.60 (m, 4H), 1.65-1.79 (m, 2H), 1.79-1.89 (m, 2H), 2.50 (t, 2H), 2.60-2.72 (m, 6H), 2.82-2.90 (m, 2H), 3.02-3.11 (m, 4H), 3.98 (t, 2H), 4.21 (t, 2H), 5.92 (s, 2H), 6.56 (dd, 1H), 6.67 (d, 1H), 6.95-7.00 (m, 1H), 7.05 (d, 1H), 7.13-7.19 (m, 2H); m/z (M+H) 592.48および594.46。
【0133】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルアセテート(実施例11:化合物1)


実施例-1由来の化合物-A1(50.63g、0.105mol)の無水テトラヒドロフラン(THF、80mL)中の溶液を、無水酢酸(15.3mL、0.16mol)で処理し、60℃(オイルバス)で2.0時間加熱した。上述の溶液にトリエチルアミン(2.0mL、0.014mol)を添加して60℃で16時間攪拌した。回転蒸発器を使用して溶媒を除去した。得られた粗製の混合物に、酢酸エチル(150mL)およびヘプタン(50mL)を添加した。溶液をNaHCO3(5%水溶液、250mL)で洗浄した。2層の分離後、水層のpHを7より高くに調整した。水層をさらに、有機混合物を使用して抽出した。有機層を分離して、5% NaHCO3溶液で洗浄し、その後脱イオン水およびブラインで洗浄した。溶液を、無水MgSO4を用いて乾燥させ、ろ過して真空下で蒸発させた。得られた生成物を、エタノール:酢酸エチル(5:95)を溶出液として使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィー で精製した。所望の生成物を含む画分を合わせ、d-酒石酸(12.5g、60:5エタノール:水に溶解)を添加し、所望の生成物の沈殿を得た(48.78g、89%収率)。1H NMR (CDCl3、300MHz) δ 1.73 (m, 2H), 1.84 (m, 2H), 2.12 (s, 3H), 2.50 (t, 2H), 2.68 (m, 6H), 2.87 (dd, 2H), 3.08 (m, 4H), 3.98 (t, 2H), 5.91 (s, 2H), 6.59 (m, 2H), 6.96 (dd, 1H), 7.08 (dd, 1H), 7.15 (m, 2H)。
【0134】
以下の化合物は、実施例11と類似の様式で調製した。
【0135】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルドデカノエート(実施例12:化合物7) 所望の生成物を、結晶性固体として単離した(0.3g、21%収率)。分子量は質量分析器分析により確認した。図2〜6は、所望の生成物のPXRD、IR、ラマン、TGAスペクトルを示す。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 0.87 (t, 3H), 1.24 (m, 16H), 1.62 (m, 2H), 1.83 (m, 2H), 1.86 (m, 2H), 2.36 (t, 2H), 2.49 (t, 2H), 2.68 (m, 6H), 2.86 (dd, 2H), 3.08 (m, 4H), 3.97 (t, 2H), 5.91 (s, 2H), 6.59 (m, 2H), 6.96 (dd, 1H), 7.07 (dd, 1H), 7.14 (m, 2H)。
【0136】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルパルミテート(実施例13:化合物10)


所望の生成物を、結晶性固体として単離した(4.2g、70%収率)。分子量(716.6)は、質量分析器分析で確認した。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 0.88 (t, 3H), 1.25 (m, 24 H), 1.64 (m, 2H), 1.72 (m, 2H), 1.84 (m, 2H), 2.36 (t, 2H), 2.49 (t, 2H), 2.68 (m, 6H), 2.86 (dd, 2H), 3.08 (m, 4H), 3.97 (t, 2H), 5.92 (br s, 2H), 6.59 (dd, 1H), 6.60 (s, 1H), 6.96 (dd, 1H), 7.07 (d, 1H), 7.14 (m, 2H)。
【0137】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルデカノエート(実施例14:化合物6)


上述のクロロメチルエステルを4Å分子ふるい上で乾燥させる。アリピプラゾール(45グラム、0.1mol)の1,4-ジオキサン(800mL)中の溶液を超音波処理して、アリピプラゾールを完全に溶解させ、次いで、一部をNaH(38g、0.95mol、60%分散)で処理した。この反応混合物を室温で15分間攪拌した後、反応混合物を、クロロメチルエステル(0.3mol.)および触媒量のヨウ化ナトリウム(0.05mol.)を滴下して処理した。得られた濁った混合物を90℃まで2時間加熱し、周囲温度に冷却し水に注いだ。生成物を酢酸エチルで抽出し、合わせた酢酸エチル層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過して減圧下で濃縮した。シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより所望の生成物を得た(12.5グラム、70%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 0.87 (t, 3H), 1.20 (m, 12H), 1.63 (m, 2H), 1.70 (m, 2H), 1.83 (m, 2H), 2.35 (t, 2H), 2.50 (t, 2H), 2.68 (m, 6H), 2.86 (t, 2H), 3.08 (m, 4H), 3.97 (t, 2H), 5.92 (s, 2H), 6.58 (dd, 1H), 6.61 (d, 1H), 6.94 (dd, 1H), 7.06 (d, 1H), 7.14-7.17 (m, 2H); m/z (M+H) 632.88。
【0138】
以下の化合物(実施例15〜29)は、実施例2と類似の様式で調製した。
【0139】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルベンゾエート(実施例15、化合物31) 所望の生成物を、黄色油として単離した。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.60-1.85 (m, 4H), 2.45 (t, 2H), 2.55-2.70 (m, 4H), 2.70-2.78 (m, 2H), 2.85-2.92 (m, 2H), 3.00-3.10 (m, 4H), 3.94 (t, 2H), 6.16 (s, 2H), 6.60 (d, 1H), 6.72 (dd, 1H), 6.90-6.95 (m, 1H), 7.05-7.18 (m, 2H), 7.35-7.42 (m, 2H), 7.52-7.60 (m, 1H), 8.00-8.08 (m, 2H). m/z (M+H) 582.3。
【0140】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルブチレート(実施例16、化合物2) 所望の生成物を酢酸エチル/ジクロロメタン/メタノール(1:1:0.1)で溶出するシリカ上のクロマトグラフィーで単離し、黄色油を得た(2.0g、87%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 0.94 (t, 3H), 1.60-1.90 (m, 6H), 2.34 (t, 2H), 2.51 (t, 2H), 2.61-2.73 (m, 6H), 2.82-2.90 (m, 2H), 3.02-3.12 (m, 4H), 3.96 (t, 2H), 5.91 (s, 1H), 6.55-6.61 (m, 2H), 6.93-6.98 (m, 1H), 7.05 (d, 1H), 7.11-7.18 (m, 2H). m/z (M+H) 548.2および550.2。
【0141】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルヘキサノエート(実施例17、化合物4) 所望の生成物を黄色固体として単離した(3.69g、87%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 0.78 (t, 3H), 1.11-1.28 (m, 4H), 1.40-1.78 (m, 6H), 2.20-2.40 (m, 4H), 2.40-2.60 (m, 6H), 2.73-2.81 (m, 2H), 2.85-3.00 (m, 4H), 3.88-4.00 (m, 2H), 5.75-5.83 (m, 2H), 6.55-6.62 (m, 2H), 7.03-7.12 (m, 2H), 7.20-7.26 (m, 2H). m/z (M+H) 576.4および578.4。
【0142】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルテトラデカノエート(実施例18、化合物8) 所望の生成物を淡黄色固体として単離した(5.3g、74%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 0.87 (t, 3H), 1.07-1.37 (m, 22H), 1.55-1.70 (m, 2H), 1.70-1.90 (m, 4H), 2.34 (t, 2H), 2.53 (t, 2H), 2.65-2.78 (m, 6H), 2.82-2.90 (m, 2H), 3.02-3.12 (m, 4H), 3.96 (t, 2H), 5.91 (s, 2H), 6.55-6.62 (m, 2H), 6.92-6.98 (m, 1H), 7.05 (d, 1H), 7.11-7.18 (m, 2H). m/z (M+H) 688.4および690.4。
【0143】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルオクタノエート(実施例19、化合物5) 所望の生成物を、黄色油として単離した(2.2g、87%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 0.82 (t, 3H), 1.15-1.35 (m, 10H, 1.55-1.87 (m, 6H), 2.34 (t, 2H), 2.53 (t, 2H), 2.65-2.73 (m, 4H), 2.85 (dd, 2H), 3.01-3.11 (m, 4H), 3.95 (t, 2H), 5.85-5.92 (m, 2H), 2.53-2.60 (m, 2H), 6.91-6.97 (m, 1H), 7.05 (d, 1H), 7.10-7.16 (m, 2H). m/z (M+H) 604.3および606.3。
【0144】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルイソプロピルカーボネート(実施例20、化合物48) 所望の生成物を、橙色油として単離した(2.4g、68%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.31 (d, 6H), 1.62-1.77 (m, 2H), 1.77-1.89 (m, 2H), 2.48 (t, 2H), 2.60-2.71 (m, 6H), 2.81-2.90 (m, 2H), 3.01-3.11 (m, 4H), 3.98 (t, 2H), 4.89-4.97 (m, 1H), 5.92 (s, 2H), 6.57 (d, 1H), 6.68 (d, 1H), 6.91-7.00 (m, 1H), 7.05 (dd, 1H), 7.11-7.18 (m, 2H). m/z (M+H) 564.3および566.3。
【0145】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルメチルカルバメート(実施例21、化合物47) 所望の生成物を、黄色固体として単離した(1.3g、52%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.68-1.88 (m, 4H), 2.49 (dd, 2H), 2.60-2.73 (m, 6H), 2.80-2.90 (m, 5H), 3.02-3.12 (m, 4H), 3.95-4.02 (m, 2H), 5.90 (s, 2H), 6.57 (d, 1H), 6.77 (d, 1H), 6.93-6.70 (m, 1H), 7.05 (d, 1H), 7.10-7.19 (m, 2H). m/z (M+H) 535.5および537.5。
【0146】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルデシルカルバメート(実施例22、化合物46) 所望の生成物を、黄色固体として単離した(0.50g、14%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 0.86 (t, 3H), 1.18-1.35 (m, 16H), 1.42-1.53 (m, 2H), 1.67-1.79 (m, 2H), 1.79-1.87 (m, 2H), 2.48 (t, 2H), 2.58-2.72 (m, 4H), 2.80-2.90 (m, 2H), 3.01-3.12 (m, 4H), 3.15-3.22 (m, 2H), 3.98 (t, 2H), 4.78 (NH), 5.90 (s, 2H), 6.58 (d, 1H), 6.78 (d, 1H), 6.93-7.00 (m, 1H), 7.04 (d, 1H), 7.10-7.16 (m, 2H). m/z (M+H) 661.6および663.6。
【0147】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルイソブチレート(実施例23、化合物32)
1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.18 (d, 6H), 1.68-1.88 (m, 4H), 2.45-2.73 (m, 9H), 2.87 (dd, 2H), 3.03-3.12 (m, 2H), 3.95 (t, 2H), 5.91 (s, 2H), 6.55-6.60 (m, 2H), 6.93-6.97 (m, 1H), 7.04-7.09 (m, 1H), 7.12-7.19 (m, 2H). m/z (M+H) 548.15。
【0148】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルシクロペンタンカルボキシレート(実施例24、化合物33)
1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.47-1.93 (m, 13H), 2.50-2.60 (m, 2H), 2.60-2.90 (m, 8H), 3.02-3.15 (m, 4H), 3.95 (t, 2H), 5.89 (s, 2H), 6.50-6.60 (m, 2H), 6.90-6.95 (m, 1H), 7.02-7.07 (m, 1H), 7.10-7.19 (m, 2H). m/z (M+H) 574.15。
【0149】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルシクロブタンカルボキシレート(実施例25、化合物34)
1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.82-1.91 (m, 3H), 1.22-1.30 (m, 2H), 1.75-2.05 (m, 6H), 2.05-2.40 (m, 6H), 2.68-2.73 (m, 2H), 2.84-2.90 (m, 2H), 3.06-3.22 (m, 4H), 3.96 (t, 2H), 5.91 (s, 2H), 6.55-6.59 (m, 2H), 6.97 (dd, 1H), 7.07 (d, 1H), 7.12-7.18 (m, 2H). m/z (M+H) 560.19。
【0150】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルシクロヘキサンカルボキシレート(実施例26、化合物35)
1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.15-1.35 (m, 3H), 1.35-1.55 (m, 2H), 1.55-1.95 (m, 10H), 2.21-2.40 (m, 1H), 2.52-2.60 (m, 1H), 2.62-3.00 (m, 8H), 3.02-3.12 (m, 4H), 3.95 (t, 2H), 5.89 (s, 2H), 6.50-6.60 (m, 2H), 6.93-6.97 (m, 1H), 7.02-7.06 (m, 1H), 7.10-7.15 (m, 2H). m/z (M+H) 588.24。
【0151】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル2-(2-メトキシエトキシ)アセテート(実施例27、化合物40)
1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.56-1.90 (m, 6H), 2.43-2.55 (m, 2H), 2.55-2.80 (m, 4H), 2.81-2.90 (m, 2H), 3.37 (s, 3H), 3.55-3.61 (m, 2H), 3.72-3.79 (m, 2H), 4.20 (s, 2H), 5.97 (s, 2H), 6.55-6.59 (m, 2H), 6.91-6.98 (m, 1H), 7.09 (d, 1H), 7.11-7.15 (m, 2H). m/z (M+H) 594.17。
【0152】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル2-(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)アセテート(実施例28、化合物41)
1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.65-1.93 (m, 6H), 2.49-2.60 (m, 2H), 2.61-2.77 (m, 4H), 2.81-2.90 (m, 2H), 3.02-3.20 (m, 4H), 3.36 (s, 3H), 3.51-3.57 (m, 2H), 3.60-3.70 (m, 4H), 3.72-3.78 (m, 2H), 3.92-3.99 (m, 2H), 4.20 (s, 2H), 5.97 (s, 2H), 6.55-6.59 (m, 2H), 6.95-6.99 (m, 1H), 7.05-7.09 (m, 1H), 7.11-7.18 (m, 2H). m/z (M+H) 638.30。
【0153】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルピバレート(実施例29、化合物42)
1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.21 (s, 9H), 1.65-1.88 (m, 4H), 2.45-2.55 (m, 2H), 2.60-2.73 (m, 6H), 2.82-2.91 (m, 2H), 3.02-3.13 (m, 4H), 3.95 (t, 2H), 5.89 (s, 2H), 6.54-6.60 (m, 2H), 6.92-6.99 (m, 1H), 7.06 (d, 1H), 7.13-7.17 (m, 2H); m/z (M+H) 562.39。
【0154】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル2-ヒドロキシエチルカルバメート(実施例30、化合物36)
2-(((7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メトキシ)カルボニルアミノ)エチルメタクリレート(2.0g)を実施例2と同様の方法で合成した。これを16% NH3/MeOHと室温で18時間反応させ、次いで40℃で濃縮した。残渣を1:1:0.1〜1:1:0.2 DCM/EtOAc/MeOHで溶出するシリカクロマトグラフィーで精製した。得られた黄色油を、EtOAc/ヘプタンから再結晶化し、表題の化合物を白色固体として得た(1.2g、67%)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.60-1.88 (m, 4H), 2.40-2.50 (m, 2H), 2.50-2.75 (m, 6H), 2.75-2.89 (m, 2H), 2.95-3.15 (m, 4H), 3.20-3.40 (m, 2H), 2.58-3.78 (m, 2H), 3.89-4.05 (m, 2H), 5.30-5.45 (m, NH), 5.91 (s, 2H), 6.55 (dd, 1H), 6.73 (d, 1H), 6.91-6.96 (m, 1H), 6.98-7.03 (m, 1H), 7.04-7.18 (m, 2H). m/z (M+H) 565.16。
【0155】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルビス(2-ヒドロキシエチル)カルバメート(実施例31、化合物37)
ヘミアミナールA1(2g、0.0042mol)のジクロロメタン(30mL)中の溶液に、室温でピリジン(0.68mL)、次いでp-ニトロフェニルクロロホルメート(1.27g、0.0063mol)を添加した。90分後、ジエタノールアミン(3.5g、0.0334mol)およびトリエチルアミン(1.2mL、0.084mol)を添加した。3時間後、反応をジクロロメタンで希釈し、飽和NaHCO3で洗浄して、MgSO4で乾燥させて蒸発させた。残渣を1:1:0.1〜1:1:0.2 DCM/EtOAc/MeOHで溶出するシリカ上で精製し、表題の化合物を無色のゴム状物質として得た(0.83g、33%)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.70-1.82 (m, 4H), 2.42-2.52 (m, 2H), 2.59-2.79 (m, 6H), 2.80-2.90 (m, 2H), 3.00-3.12 (m, 4H), 3.40-3.48 (m, 2H), 3.50-3.58 (m, 2H), 3.61-3.70 (m, 2H), 3.85-3.90 (m, 2H), 3.99-4.06 (m, 2H), 5.90 (m, 2H), 6.57 (d, 1H), 6.70 (dd, 1H), 6.92-6.98 (m, 1H), 7.07 (d, 1H), 7.10-7.20 (m, 2H). m/z (M+H) 609.21。
【0156】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル4-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(実施例32、化合物38)
化合物141を実施例28と同様の方法で合成した。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ1.68-1.88 (m, 4H), 2.25-2.42 (m, 7H), 2.45-2.55 (m, 2H), 2.61-2.76 (m, 6H), 2.85 (dd, 2H), 3.02-3.16 (m, 4H), 3.40-3.60 (m, 4H), 3.97 (t, 2H), 5,92 (s, 2H), 6.59 (d, 1H), 6.74 (d, 1H), 6.92-6.98 (m, 1H), 7.02-7.07 (m, 1H), 7.10-7.16 (m, 2H). m/z (M+H) 604.24。
【0157】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル1,4'-ビピペリジン-1'-カルボキシレート(実施例33、化合物39)
化合物142を実施例28と同様の方法で合成した。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ1.26-2.06 (m, 14H), 2.31-2.91 (m, 17H), 2.95-3.18 (m, 4H), 3.97 (t, 2H), 4.0-4.37 (m, 2H), 5.91 (s, 2H), 6.58 (dd, 1H), 6.74 (d, 1H), 6.90-6.99 (m, 1H), 7.05 (d, 1H), 7.11-7.18 (m, 2H); m/z (M+H) 672.25。
【0158】
7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-1-(メトキシメチル)-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン(実施例34、化合物100)
ヘミアミナールA1(2.0g、4.2mmol)のジクロロメタン(20mL)中の混合物に塩化チオニル(1.5mL、12.6mmol)を添加し、室温で2時間攪拌した。反応混合物にメタノール(10mL)を添加し、さらに2時間攪拌した。反応物をNaHCO3(水性)に注いで、ジクロロメタンで抽出した。有機相をMgSO4で乾燥させ、蒸発させて、残渣を1:1:0.1ジクロロメタン/酢酸エチル/メタノールで溶出するシリカ上で精製し、表題の化合物を乳色固体として得た(1.3g、63%)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.65-1.83 (m, 4H), 2.47 (t, 2H), 2.58-2.70 (m, 6H), 2.82 (dd, 2H), 2.99-3.01 (m, 4H), 3.38 (s, 3H), 3.96 (t, 2H), 5.27 (s, 2H), 6.55 (dd, 1H), 6.88 (dd, 1H), 6.91-6.96 (m, 1H), 7.03 (d, 1H), 7.08-7.15 (m, 2H). m/z (M+H) 492.05。
【0159】
1-(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)-2-エトキシ-2-オキソエチルデカノエート(実施例35、化合物111)
アリピプラゾール(2.0g、4.5mmol)、エチルグリコキシレート(glyoxylate)(トルエン中50%溶液、2.7mL)、K2CO3(0.49g、3.6mmol)、テトラブチル臭化アンモニウム(0.57g、1.8mmol)およびジクロロメタン(20mL)の混合物を還流で4時間加熱した。反応混合物を冷却して、水で迅速に洗浄して、MgSO4で乾燥させ、ろ過した。得られた溶液をピリジン(1.8mL、22.2mmol)、次いでデカノイルクロライド(4.6mL、22.2mmol)で処理した。3時間攪拌した後、メタノール(1mL)を添加して、さらに10分攪拌した。反応混合物を飽和NaHCO3(水性)で洗浄して、MgSO4で乾燥させ、蒸発させた。残渣を1:1:0.1ジクロロメタン/酢酸エチル/メタノールで溶出するシリカ上で精製して、表題の化合物を黄色油として得た(1.2g、38%)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 0.86 (t, 3H), 1.11 (t, 3H), 1.05-1.40 (m, 12H), 1.59-1.75 (m, 2H), 1.75-1.98 (m, 4H), 2.40-2.54 (m, 2H), 2.60-3.07 (m, 10H), 3.15-3.32 (m, 4H), 3.89-3.99 (m, 2H), 4.09-4.21 (m, 2H), 6.57 (dd, 1H), 6.67 (d, 1H), 6.95-7.00 (m, 1H), 7.08 (dd, 1H), 7.12-7.20 (m, 2H), 7.27-7.32 (m, 1H). m/z (M+H) 704.38。
【0160】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル4-アセトアミドブタノエート(実施例36、化合物44)
ヘミアミナールA1(2.6g、5.5mmol)のジクロロメタン(30mL)中の懸濁液にトリエチルアミン(2.3mL、16.4mmol)を添加し、次いで塩化メタンスルホニル(0.47g、6.0mmol)を3分間かけて添加した。反応混合物を25分間攪拌して、次いでN-アセチル-4-アミノ酪酸(1.6g、10.1mmol)を添加した。次いで、反応混合物を還流で18時間攪拌して、冷却して飽和NaHCO3(水性)で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥させ、ろ過して蒸発させた。残渣をさらに1:1:0.1〜1:1:0.2ジクロロメタン/酢酸エチル/メタノールで溶出するシリカ上で精製し、表題の化合物をオフホワイトの固体として得た(1.1g、34%)。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.70-1.80 (m, 2H), 1.80-1.90 (m, 4H), 1.97 (s, 3H), 2.41 (t, 2H), 2.50-2.57 (m, 2H), 2.60-2.75 (m, 6H), 2.83-2.88 (m, 2H), 3.03-3.12 (m, 4H), 3.24-3.32 (m, 2H), 3.95-4.00 (m, 2H), 5.85-5.92 (m, 3H), 6.58 (d, 2H), 6.92-6.96 (m, 1H), 7.05 (d, 1H), 7.12-7.16 (m, 2H). ). m/z (M+H) 605.08。
【0161】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル4-オクタンアミドブタノエート(実施例37、化合物45)
化合物149(1.4g)を化合物148と同様の方法で合成した。1H NMR (d6-DMSO, 300MHz) δ 0.79 (t, 3H), 1.10-1.28 (m, 8H), 1.38-1.48 (m, 2H), 1.50-1.77 (m, 6H), 1.93-2.00 (m, 2H), 2.25-2.40 (m, 4H), 2.40-2.60 (m, 6H), 2.72-2.81 (m, 2H), 2.87-3.02 (m, 6H), 3.90-4.00 (m, 2H), 5.82 (s, 2H), 6.58-6.63 (m, 2H), 7.04-7.02 (m, 2H), 7.20-7.30 (m, 2H). m/z (M+H) 689.47。
【0162】
(5-(2-(4-(ベンゾ[d]イソチアゾール-3-イル)ピペラジン-1-イル)エチル)-6-クロロ-2-オキソインドリン-1-イル)メチルヘキサノエート(実施例38、化合物322)


工程1: 塩化チオニル(12.31g、103mmol)、その後触媒量のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF、0.1mL)を、25〜30℃でジクロロメタン(DCM、100mL)中のヘキサン酸(10g、86mmol)の溶液に添加した。TLC分析による開始物質の完了時に反応溶液を同じ温度で2時間、窒素雰囲気下で攪拌した。揮発性物質を減圧下、40℃未満で蒸発させ、粘性液体物質の塩化ヘキサノイル(約10.5g)を得た。
【0163】
工程2: 上述の塩化ヘキサノイルに、パラホルムアルデヒド(3.8g、128mmol)および無水ZnCl2(0.232g、17mmol)を25〜30℃、不活性雰囲気下で添加し、次いで90℃に加熱した。密な凝集を90〜95℃で5時間攪拌し、冷却後、粗生成物クロロメチルヘキサノエートを得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。1H-NMR (CDCl3, 500 MHz): δ 5.70 (s, 2H), 2.39-2.33 (m, 2H), 1.69-1.61(m, 2H), 1.33-1.28 (m, 4H), 0.90-0.88 (t, J=7, 3H)。
【0164】


工程3: ジクロロメタン(6mL)中のクロロメチルヘキサノエート(3.18g、19.0mmol)をジプラシドン有利塩基(4.0g、9.6mmol)、トリエチルアミン(4.0mL、27mmol)および4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、0.708g、5mmol)のジクロロメタン(240mL)中の懸濁液に25〜30℃で添加した。反応溶液を同温で24時間撹拌した。粗製混合物を水(100mL)、次いでブライン溶液(100mL)で洗浄し、真空下、40℃未満で溶媒を蒸発させ、粗製の表題の生成化合物322を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーでさらに精製した(1.4g、27%収率)。1H-NMR(CDCl3, 500 MHz) : δ 7.92-7.90 (d, J=7.5,1H) , 7.82-7.80 (d, J=7.5,1H) ,7.48-7.45 (t, J=7.5,1H), 7.37-7.34 (t, J=7.5,1H) , 7.17 (s,1H),7.05 (s, 1H), 5.72 (s, 2H), 3.60-3.55 (m,6H) , 2.98-2.95 (t, J=7.5,2H) , 2.79-2.78 (m, 4H),2.68-2.65 (t, J=8.5, 2H),2.35-2.32 (t, J=7.5,2H) , 1.64-1.61 (t, J=7.5, 2H), 1.29-1.25 (m, 4H), 0.88-0.85 (t, J=7, 3H)。
質量(m/z) = 541 [M+ + 1].
【0165】
(5-(2-(4-(ベンゾ[d]イソチアゾール-3-イル)ピペラジン-1-イル)エチル)-6-クロロ-2-オキソインドリン-1-イル)メチルドデカノエート(実施例39、化合物324)
化合物324を化合物322、実施例38と同様の方法で合成した。1H-NMR(CDCl3, 500 MHz): δ 7.92-7.90 (d, J=7.5, 1H) , 7.82-7.80 (d, J=7.5,1H) ,7.48-7.45 (t, J=7.5, 1H), 7.37-7.34 (t, J=7.5, 1H) , 7.17 (s, 1H),7.05 (s, 1H), 5.72 (s, 2H), 3.60-3.55 (m, 6H) , 2.98-2.95 (t, J=8, 2H) , 2.79-2.77 (m, 4H),2.68-2.65 (t, J=8, 2H),2.34-2.31 (t, J=7,2H), 1.63-1.60 (m, ,2H), 1.24(s, 16H), 0.89-0.86 (t, J=7, 3H)。
質量(m/z) = 625.5 [M+ + 1].
【0166】
(5-(2-(4-(ベンゾ[d]イソチアゾール-3-イル)ピペラジン-1-イル)エチル)-6-クロロ-2-オキソインドリン-1-イル)メチルパルミテート(実施例40、化合物326)
1H-NMR (CDCl3, 500 MHz): δ 7.92-7.90 (d, J=7.5, 1H), 7.82-7.80 (d, J=7.5, 1H), 7.48-7.45 (t, J=7.5, 1H), 7.37-7.34 (t, J=7.5, 1H), 7.17 (s, 1H), 7.05 (s, 1H), 5.72 (s, 2H), 3.60-3.55 (m, 6H), 2.98-2.95 (t, J=8, 2H) , 2.79-2.77 (m, 4H), 2.68-2.65 (t, J=8, 2H), 2.34-2.31 (t, J=8, 2H) , 1.63-1.56 (m, 2H), 1.25-1.23 (m, 24H), 0.88-0.86 (t, J=7, 2H)。
質量(m/z) = 681.5 [M+ + 1].
【0167】
(7-[(4-ビフェニル-3イルメチル)ピペラジン-1-イル]-2-オキソベンゾ[d]オキサゾール-3(2H)-イル)メチルアセテート(実施例41、化合物416)。


工程1. クロロメチルアセテートの合成: 塩化アセチル(5g、0.06mol)を、パラホルムアルデヒド(8.5g、0.06mol)および無水塩化亜鉛(0.175g、0.02mol)の混合物に、アルゴン下0℃で滴下した。反応混合物を室温に温めて、1時間攪拌し、次いで90℃に18時間加熱した。固体をろ過除去し、ジクロロメタンで洗浄して、ろ過物を、真空下37℃で濃縮して、所望の生成物を得た(6.6g、94%収率)。生成物を、直接(精製せずに)次の工程に使用して、活性化分子ふるい(4Å)で貯蔵した。
【0168】
工程2. ヨードメチルアセテートの合成: ヨウ化ナトリウム(27.6g、0.18mol)を、クロロメチルアセテート(6.6g、0.06mol)のアセトニトリル(66mL)中の溶液に添加した。反応フラスコをアルミホイルで覆って遮光し、周囲温度で15時間攪拌した。反応混合物を、ジクロロメタンと水に分け、水層をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機物を水性飽和NaHCO3、10%水性亜硫酸ナトリウム溶液、およびブラインで洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して生成物を黄色油として得た(1.13g、12%収率)。
【0169】
工程3. n-ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M;3.8mL、0.007mol)をシリンジから、ビフェプルノックス(1.46g、0.003mol)のテトラヒドロフラン中の攪拌溶液に、-78℃で滴下した。1時間後ヨードメチルアセテート(1.13g、0.005mol)の溶液を-70℃で滴下した。反応混合物を15時間攪拌した。反応混合物を塩化アンモニウムの飽和水溶液に添加し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を1NのNaOHの溶液およびブラインで洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製で化合物416を得た(0.25g、14%収率)。1H NMR (DMSO, 400MHz) δ 2.034 (s, 3H), 2.565 (s, 4H), 3.183 (s, 4H), 3.597 (s, 2H), 5.765 (s, 2H), 6.696-6.717 (d, 1H), 6.882-6.901 (d, 1H), 7.091-7.182 (t, 1H), 7.315-7.370 (q, 2H), 7.404-7.473 (m, 3H), 7.515-7.555 (d, 1H), 7.59 (d, 1H), 7.639-7.657 (d, 2H). m/z (M+H) 457。
【0170】
(7-[(4-ビフェニル-3イルメチル)ピペラジン-1-イル]-2-オキソベンゾ[d]オキサゾール-3(2H)-イル)メチルブチレート_(実施例42、化合物417)。
塩化ブタノイルを使用して、化合物417を実施例41と同様の方法で調製した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製で、所望の生成物を得た(1.25g、45%収率)。1H NMR (DMSO, 400MHz) δ 1.065 (t, 3H), 1.448-1.54 (m, 2H), 2.284-2.320 (t , 2H) ,2.564 (s, 4H), 3.184 (s, 4H), 3.597 (s, 2H), 5.787(s, 2H), 6.694-6.713 (d, 1H), 6.878-6.896 (d, 1H), 7.092-7.133 (t, 1H), 7.315-7.370 (q, 2H), 7.422-7.533 (m, 3H), 7.535-7.555 (d, 1H), 7.639 (d, 1H), 7.657-7.660 (d, 2H). m/z (M+H)485。
【0171】
(7-[(4-ビフェニル-3イルメチル)ピペラジン-1-イル]-2-オキソベンゾ[d]オキサゾール-3(2H)-イル)メチルヘキサノエート_(実施例43、化合物413)。
塩化ヘキサノイルを使用して、化合物413を、実施例41と同様の方法で調製した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製で、所望の生成物を得た(0.6g、60%収率)。1H NMR (DMSO, 400MHz) δ 0.774 (t, 3H), 1.114-1.187 (m, 4H), 1.433-1.506 (m , 2H) , 2.291-2.328(t, 2H), 2.564 (s, 4H), 3.182 (s, 4H), 3.597 (s, 2H), 5.783(s, 2H), 6.693-6.713 (d, 1H), 6.870-6.890 (d, 1H), 7.090-7.130 (t, 1H), 7.314-7.351 (q, 2H), 7.422-7.472 (m, 3H), 7.535-7.554 (d, 1H), 7.589 (d, 1H), 7.638-7.656 (d, 2H). m/z (M+H)513。
【0172】
(7-[(4-ビフェニル-3イルメチル)ピペラジン-1-イル]-2-オキソベンゾ[d]オキサゾール-3(2H)-イル)メチルパルミテート(実施例44、化合物422)。
塩化パルミトイルを使用して、化合物422を、実施例41と同様の方法で調製した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製で、所望の生成物を得た(0.5g、47%収率)。1H NMR (DMSO, 400MHz) δ 0.819 (t, 3H),1.127-1.302 (m, 22H), 1.437-1.454 (t , 2H) , 2.287-2.305(t, 2H), 2.564 (s, 4H), 3.182 (s, 4H), 3.596 (s, 2H), 5.784(s, 2H), 6.688-6.708 (d, 1H), 6.863-6.882 (d, 1H), 7.083-7.124 (t, 1H), 7.331-7.368 (q, 2H), 7.400-7.470 (m, 3H), 7.534-7.553 (d, 1H), 7.587 (d, 1H), 7.635-7.653 (d, 2H). m/z (M+H)653。
【0173】
(7-[(4-ビフェニル-3イルメチル)ピペラジン-1-イル]-2-オキソベンゾ[d]オキサゾール-3(2H)-イル)メチルデカノエート(実施例45、化合物419)。
塩化デカノイルを使用して、化合物419を実施例41と同様の方法で調製した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製で、所望の生成物を得た(0.8g、77%収率)。1H NMR (DMSO, 400MHz) δ 0.795-0.829 (t, 3H),1.140-1.211 (m, 12H), 1.438-1.471 (t , 2H) , 2.288-2.324(t, 2H), 2.562 (s, 4H), 3.181 (s, 4H), 3.595 (s, 2H), 5.783(s, 2H), 6.689-6.709 (d, 1H), 6.856-6.884 (d, 1H), 7.083-7.124 (t, 1H), 7.311-7.367 (q, 2H), 7.400-7.470 (m, 3H), 7.533-7.552 (d, 1H), 7.587 (d, 1H), 7.635-7.653 (d, 2H). m/z (M+H)569。
【0174】
(7-[(4-ビフェニル-3イルメチル)ピペラジン-1-イル]-2-オキソベンゾ[d]オキサゾール-3(2H)-イル)メチルイソブチレート(実施例46、化合物414)。
塩化イソブチリルを使用して、化合物414を、実施例41と同様の方法で調製した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製で、所望の生成物を得た(0.3g、15%収率)。1H NMR (DMSO, 400MHz) δ 1.027-1.044 (d, 6H),2.478-2.553 (m, 1H), 2.562 (s, 4H), 3.185 (s, 4H), 3.597 (s, 2H), 5.785(s, 2H), 6.692-6.713 (d, 1H), 6.873-6.892 (d, 1H), 7.093-7.134 (t, 1H), 7.315-7.369 (q, 2H), 7.403-7.472 (m, 3H), 7.533-7.555 (d, 1H), 7.590 (d, 1H), 7.657-7.660 (d, 2H). m/z (M+H)485。
【0175】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソキノリン-1(2H)-イル)メチルブチレート(実施例47、化合物151)。
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルブチレート(化合物2)を、上述の実施例16に記載されるように調製した。


(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチルブチレート(3.26g、5.94mmol)のTHF(100mL)中の攪拌溶液に、TFA(2.74mL、35.63mmol)、次いでTHF(40mL)中の2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノベンゾキノン(DDQ;7.01g、30.88mmol)を添加した。反応物を、週末にかけて室温で攪拌した。反応を水(100mL)でクエンチし、次いで水(600mL)およびジクロロメタン(100mL)に注いだ。固形NaHCO3(100g)を添加して、混合物をおよそ30分間攪拌した。ジクロロメタン(200mL)を添加して混合物をろ過した。回収したろ過物を、分離漏斗に移し、層を分離した。水層をジクロロメタン(2x100mL)で抽出し、合わせた有機物を水(3x100mL、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させた。ろ過後、揮発性物質を除去した。粗製物質を、0〜4%メタノール/(1:1酢酸エチル/ジクロロメタン)のシリカクロマトグラフィー溶出で精製した。メタノールから油を再結晶化して、化合物151を得た(2.03g、3.72mmol、63%収率)。1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.63 (1H, d), 7.45 (1H, d), 7.19-7.06 (2H, m), 6.99-6.90 (1H, m), 6.88-6.78 (2H, m), 6.52 (1H, d), 6.33 (2H, s), 4.06 (2H, t), 3.17-2.99 (4H, bs), 2.74-2.43 (6H, m), 2.35 (2H, t), 1.94-1.54 (6H, m), 0.93 (3H, t)。
【0176】
以下の化合物は、それらの対応する3,4ジヒドロ前駆体から実施例47と同様の方法で合成した。
【0177】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソキノリン-1(2H)-イル)メチルパルミテート(実施例48、化合物159)
化合物159は、化合物10から、実施例47と同様の方法で合成した。2.04g。1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.62 (1H, d), 7.44 (1H, d), 7.18-7.10 (2H, m), 6.98-6.91 (1H, m), 6.87-6.80 (2H, m), 6.52 (1H, d), 6.32 (2H, s), 4.05 (2H, t), 3.15-2.99 (4H, bs), 2.74-2.44 (6H, m), 2.35 (2H, t), 1.92-1.83 (2H, m), 1.80-1.68 (2H, m) 1.66-1.55 (2H, m), 1.32-1.14 (24H, m), 0.87 (3H, t)。
【0178】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソキノリン-1(2H)-イル)メチルラウレート(実施例49、化合物156)
化合物156は、化合物7から、実施例47と同様の方法で合成した。1.37g。1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.62 (1H, d), 7.43 (1H, d), 7.17-7.10 (2H, m), 6.96-6.92 (1H, m), 6.87-6.80 (2H, m), 6.51 (1H, d), 6.33 (2H, s), 4.06 (2H, t), 3.12-3.01 (4H, bs), 2.71-2.59 (4H, bs), 2.50 (2H, t), 2.35 (2H, t), 1.92-1.83 (2H, m), 1.78-1.69 (2H, m) 1.66-1.55 (2H, m), 1.32-1.16 (16H, m), 0.86 (3H, t)。
【0179】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソキノリン-1(2H)-イル)メチルステアレート(実施例50、化合物160)
化合物160は、化合物11から、実施例47と同様の方法で合成した。1.38g。1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.62 (1H, d), 7.44 (1H, d), 7.17-7.11 (2H, m), 6.97-6.92 (1H, m), 6.87-6.79 (2H, m), 6.51 (1H, d), 6.32 (2H, s), 4.05 (2H, t), 3.13-3.00 (4H, bs), 2.73-2.58 (4H, bs), 2.50 (2H, t), 2.35 (2H, t), 1.92-1.83 (2H, m), 1.79-1.69 (2H, m) 1.66-1.55 (2H, m), 1.32-1.14 (28H, m), 0.87 (3H, t)。
【0180】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソキノリン-1(2H)-イル)メチルアセテート(実施例51、化合物150)
化合物150は、化合物1から、実施例47と同様の方法で合成した。1.61g。1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.63 (1H, d), 7.45 (1H, d), 7.18-7.11 (2H, m), 6.98-6.92 (1H, m), 6.90-6.80 (2H, m), 6.52 (1H, d), 6.32 (2H, s), 4.07 (2H, t), 3.14-3.01 (4H, bs), 2.73-2.59 (4H, bs), 2.51 (2H, t), 2.12 (3H, s), 1.95-1.82 (2H, m), 1.82-1.68 (2H, m)。
【0181】
(7-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2-オキソキノリン-1(2H)-イル)メチル2,2-ジメチルブタノエート(実施例52、化合物165)
化合物165は、化合物16から、実施例47と同様の方法で合成した。1.02g。1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.61 (1H, d), 7.43 (1H, d), 7.17-7.10 (2H, m), 6.97-6.92 (1H, m), 6.83-6.79 (2H, m), 6.51 (1H, d), 6.31 (2H, s), 4.05 (2H, t), 3.12-3.02 (4H, bs), 2.71-2.60 (4H, bs), 2.50 (2H, t), 1.92-1.83 (2H, m), 1.78-1.68 (2H, m) 1.55 (2H, q), 1.15 (6H, s), 0.81 (3H, t)。
【0182】
ラットにおける薬物動態学的評価
筋内注射後のラットにおけるプロドラッグの薬物動態学的評価
動物: 雄Sprague-Dawleyラット(Charles River Laboratories, Wilmington, MA)を入手した。およそ24匹のラットを各試験に使用した。到着時、ラットはおよそ350〜375gであった。ケージあたり2匹のラットを収容し、餌および水に自由にありつけるようにした。飼育部屋の環境条件:64〜67°F、30%〜70%相対湿度、および12:12時間の明暗周期。全ての実験は、施設の動物管理使用委員会に承認された。
【0183】
薬物動態学的試験: 25ゲージ、5/8インチの針により、1ccのシリンジで0.3mLの懸濁液を、試験化合物を含むバイアルから抜き取り、ラットにIM投与した(表E参照)。マウスでは、イソフルランで麻酔後、後肢の筋肉に注射した。イソフルランでの簡単な麻酔後、側方尾静脈から血液試料を採取した。27 1/2 Gの針および抗凝血剤を含まない1ccのシリンジを、採血に使用した。およそ350μLの全血を、投与後6時間、24時間および2、5、7、9、12、14、21、28、35日の各サンプリング時点で回収した。回収後、すぐに全血をK2 EDTAを含むチューブに移し、10〜15回転倒混和し、すぐに氷上に置いた。チューブを、室温、>14,000g(11500RPM、Eppendorf Centrifuge 5417C、F45-30-11ローター使用) で2分間遠心分離して、血漿を分離した。血漿試料を、標識した普通のチューブ(MICROTAINER(登録商標); MFG# BD5962)に移し、<-70℃で凍結保存した。
【0184】
データ解析: 血漿試料中の薬物濃度を液体クロマトグラフィー-質量分析器により、それぞれの化合物についての適切なパラメーターを使用して解析した。WinNonlin Version 5.2_ソフトウェアを使用して、半減期、分布体積、クリアランス、最大濃度およびAUCを計算した。
【0185】
結果および考察: 結果を表Eに示す。表Eに示すように、試験した化合物のそれぞれは、単独投与した場合、親化合物と比較して拡大された血漿濃度を示す。



【0186】
実施例53-アンフェタミン誘導性移動モデルを使用した薬力学的試験
導入: 統合失調症および双極性障害の治療に有用な本発明のプロドラッグは、過剰移動のげっ歯類モデルにおいて予測的な妥当性を示す。D-アンフェタミン誘導性移動は、統合失調症の「ドーパミン仮説」について基礎を形成するドーパミン作動性機能亢進を模倣すると仮定する。AMPH誘導性機能亢進モデルにより、抗精神病化合物の有効性の簡単な初期スクリーニングが提供される。Fell et al., Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics, (2008) 326:209-217を参照。アンフェタミン誘導性機能亢進を使用して、アリピプラゾールの経口投与(PO)プロドラッグ製剤の種々の用量をスクリーニングして、急性過剰移動パラダイムにおける薬力学的有効性を測定した。該試験の仮説は、約100〜200ng/mlの血漿濃度を生じるアリピプラゾールプロドラッグ製剤のPO投与は、AMPH誘導性移動の有意な減衰を生じるということである。
【0187】
薬物の精神運動刺激特性、不安惹起/抗不安または鎮静特性を評価するために、実験動物(通常ラットおよびマウス)において、一般的な行動および活動性を測定し得る。このように、オープンフィールド試験により、試験化合物の行動効果についての病識がもたらされ得る。本発明の特定のプロドラッグは、統合失調症および双極性障害の治療に有用である。アリピプラゾールは、本発明のプロドラッグのいくつかが誘導され、統合失調症および双極性障害の治療に有用である親ラクタム含有薬物である。本発明のかかるアリピプラゾールプロドラッグは、過剰移動のげっ歯類モデルにおいて、予測的な妥当性を示す。D-アンフェタミン誘導性移動は、統合失調症の「ドーパミン仮説」についての基礎を形成するドーパミン作動性機能亢進を模倣すると仮定する。同様に、グルタミン酸NMDA受容体アンタゴニスト(MK-801、PCP等)誘導性移動は、統合失調症のNMDA活動抑制仮説を模倣すると仮定する(Fell et al、上記)。薬物誘導性機能亢進のこれらの試験により、抗精神病化合物有効性の簡単な初期スクリーニングが提供される。アンフェタミン誘導性機能亢進を使用して、油性溶液中でPO投与されたアリピプラゾールの種々のプロドラッグをスクリーニングし、薬力学的有効性を測定する。この試験において行なったD-AMPH誘導性移動の結果を、D-AMPHに対する皮下(S.C.)アリピプラゾール投与の経歴の結果と比較する。該試験の仮説は、移動試験で100〜200ng/mlのアリピプラゾール濃度を生じるアリピプラゾールプロドラッグへのPO曝露は、抗精神病薬有効性のインビボ測定において有効性を示すということである。
【0188】
材料: 実験動物: 12匹のSprague DawleyラットをCharles River Laboratoryから購入した。該ラットはおよそ90日齢であり、供給業者から受け取った時点で体重は350〜275グラムの範囲であった。1匹のラットをケージに入れ、約1週間順応させた。このラットには、食餌および水を自由に与えた。
【0189】
D-アンフェタミン(D-AMPH)の投与溶液: D-AMPHはSigma Aldrichから購入した。D-アンフェタミンHClは、0.9%食塩水中で、1.5mg/mlの濃度に調製した。D-アンフェタミンは、体重あたり1ml/kg(=1.5mg/kg)の用量でI.P.で与えた。これまでの文献に従って、塩形態補正は使用しなかった。D-アンフェタミンは、それぞれの試験期間の30分前に、固形形態から新たに調製した。
【0190】
アリピプラゾールのプロドラッグ誘導体の投与溶液:



【0191】
行動ボックス: 行動チャンバーは、St. Albans、VTのMed Associates, Inc.から購入した、モデルENV-515。動物の移動(movement)を測定するためのソフトウェアには、供給業者により行動チャンバーが取り付けられる。
【0192】
方法: 動物施設に順応させた1週間後、活動性評価を開始した。最初に動物を行動ボックスに約15分間順応させ、その後ボックスから取り出し、投与のおよそ1時間後に100〜200ng/mlのPKレベルを生じる濃度で、1.5mlの本発明のアリピプラゾールプロドラッグ化合物をPO注射した。さらに15分後、さらに30分の薬物-ベースライン試験期間(session)の間、動物を行動ボックスに戻した。次いで、マウスにD-AMPH(1.5mg/kg)をIP注射で投与し、60分間の実験行動測定期間を続けた。測定したパラメーターは、a) 測定された総距離(一次測定)、b) 歩行移動の総回数(二次測定)、c) 上下移動の総回数(二次測定)およびd) 静止に費やした時間(二次測定)であった。
【0193】
血液サンプリング: 実験日に、移動活性測定を行った直後に尾静脈血を採取し(プロドラッグ投与の2時間後)、再度プロドラッグ投与の22時間後に相当する時点である翌日に採取した。血液試料は、イソフルランで麻酔後、側方尾静脈から採取した。抗凝血剤を含まない27 1/2 Gのシリンジを採血に使用し、全血を、K2 EDTAを含む予備冷凍(湿潤氷)チューブに移した。動物あたり0.5mlの血液を時点ごとに採取した。チューブを15〜20回転倒混和し、すぐに湿潤氷に戻し、≧14,000gで2分間遠心分離して、血漿を分離した。この方法で調製した血漿試料を、標識した普通のチューブ(MICROTAINER(登録商標); MFG# BD5962)に移し、<-70℃で凍結保存した。
【0194】
行動データ取得: 行動チャンバーに取り付けられたソフトウェアパッケージで、行動データを電子工学的に補足した。データを変換し、GraphPad PRISM(登録商標)5ソフトウェア(GraphPad Software, Inc., La Jolla, CA)で解析した。2方向反復測定ANOVAを使用してデータを解析した。
【0195】
結果および考察: 結果を図6および7に示す。結果から、経口投与されたD-AMPHは、食塩水のみを投与されたマウスと比較して、マウスの総移動距離の有意な増加をもたらしたことが示される。該結果により、本発明のアリピプラゾールプロドラッグ化合物4は、D-AMPHによりもたらされる移動距離の増加を有意に抑制したことも示される。化合物4による移動距離の抑制は、用量依存的であるとは思われなかった。同様に、アリピプラゾールプロドラッグ化合物7および47は、20mgの高用量で、D-AMPHによりもたらされる移動距離の増加を有意に抑制すると思われた。このデータにより、本発明によると、プロドラッグ化合物は、インビボで切断されて親第三級アミン含有薬物(本実施例中のアリピプラゾール)を放出し、動物に期待される薬理効果をもたらすことが示される。
【0196】
本明細書に引用される特許文献および科学文献は、当業者に利用可能な知識を確立する。本明細書に引用された全ての米国特許および公開または未公開米国特許出願は、参照により援用される。本明細書に引用された全ての公開外国特許および特許出願は、参照により本明細書に援用される。本明細書に引用された全ての他の公開参考文献、文書、原稿および科学文献は、参照により本明細書に援用される。
【0197】
本発明は、その好ましい態様を参照して、具体的に示され記載されるが、形態および詳細における種々の変更は、添付の特許請求の範囲に包含される発明の範囲を逸脱することなく本明細書においてなされ得ることを当業者は理解しよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:


(式中、

は、単結合または二重結合を表し;
半円は、1、2または3個の環を含む、任意に置換されたシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールを表し;
Aは、非存在、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、-S-、-O-、-S(O)-、-S(O)2-、-S[C(R10)(R11)]u-、-S(O)[C(R10)(R11)]u-、-S(O)2[C(R10)(R11)]u-、-O[C(R10)(R11)]u-、-N(R10)-、-N(R10)-[C(R10)(R11)]u-、-[C(R10)(R11)]u-から選択され;
各uは、独立して1、2、3、4、5、6または7であり;
各R10およびR11は、独立して非存在、水素、ハロゲン、脂肪族、置換脂肪族、アリールまたは置換アリールであり;
Cy1は、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたアリールであり;
Bは、リンカーまたは直接結合であり;
Dは、非存在、-O-、-NR10、-C(R10)(R11)-および-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-C(O)-から選択され;
各G1およびG2は、独立して非存在、-S-、-O-、-S(O)-、-S(O)2-、-SC(R10)(R11)-、-S(O)C(R10)(R11)-、-S(O)2C(R10)(R11)-、-OC(R10)(R11)-、-N(R10)-、-C(R10)=C(R11)-、-N(R10)-C(R10)(R11)-、-[C(R10)(R11)]t-から選択され;
tは、1、2または3であり;
各R1、R3およびR4は、独立して非存在、水素、ハロゲン、-OR10、-SR10、-N(R10)(R11)、-S(O)R10、-S(O)2R10、任意に置換された脂肪族、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたヘテロシクリルから選択されるか;
あるいは、2つのR3およびR4は、一緒になって任意に置換された環を形成し;
R5は、-CH(R10)-OR20、-CH(R10)-OC(O)OR20、-CH(R10)-OC(O)R20、-CH(R10)-OC(O)NR20R21、-(CH(R10))-OPO3MY、-(CH(R10))-OP(O)(OR20)(OR21)、-[CH(R10)O]z-R20、-[CH(R10)O]z-C(O)OR20、-[CH(R10)O]z-C(O)R20、-[CH(R10)O]z-C(O)NR20R21、-[CH(R10)O]z-OPO3MY、-[CH(R10)O]z-P(O)2(OR20)Mおよび-[CH(R10)O]z-P(O)(OR20)(OR21)から選択され;
zは、1、2、3、4、5、6または7であり;
各R20およびR21は、独立して水素、脂肪族、置換脂肪族、アリールまたは置換アリールから選択され;YおよびMは、同じであるか異なり、それぞれが一価のカチオンであるか;あるいはMおよびYは、一緒になって二価のカチオンであり;
n、mおよびqは、独立して0、1および2から選択される)
で表される化合物、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物。
【請求項2】
R1が:




(式中、R100およびR101は、独立して水素、ハロゲン、任意に置換されたC1-C8アルキル、任意に置換されたC2-C8アルケニル、任意に置換されたC2-C8アルキニル、任意に置換されたC3-C8シクロアルキル、任意に置換されたC1-C8アルコキシ、任意に置換されたC1-C8アルキルアミノおよび任意に置換されたC1-C8アリールから選択される)
から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Cy1が:




から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
R5が:


(式中、R105、R106およびR107は、独立して水素、ハロゲン、任意に置換されたC1-C24アルキル、任意に置換されたC2-C24アルケニル、任意に置換されたC2-C24アルキニル、任意に置換されたC3-C24シクロアルキル、任意に置換されたC1-C24アルコキシ、任意に置換されたC1-C24アルキルアミノおよび任意に置換されたC1-C24アリールから選択される)
から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
R5が:








(式中、各xおよびyは、独立して0〜30の整数であり、R105、R106およびR107は上述で定義されるとおりである)
から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
式:


(式中A、R1、R3、R4、R5、R10、R11、D、mおよびqは、上述で定義されるとおりであり;
X3は-CH-または-N-であり;
R2は、非存在、水素、ハロゲン、-OR10、-SR10、-N(R10)(R11)、-S(O)R10、-S(O)2R10、任意に置換された脂肪族、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたヘテロシクリルから選択され;
各G3およびG4は、独立して-N-、-C(R10)-[C(R10)(R11)]a-から選択され、aは0、1または2であり;
rは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11であり;
pは、0、1、2、3または4である)
を有する請求項1記載の化合物、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物。
【請求項7】
式:


(式中、

は、単結合または二重結合を表し;
R1、R2、R3、R4、R5、A、B、D、G3、G4、n、m、pおよびqは、上述で定義されるとおりである)
を有する請求項6記載の化合物、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物。
【請求項8】
式:


(式中、R2、R3、R4、R5、R10、R11、D、m、p、qおよびrは、上述で定義されるとおりであり;
各R6は、独立して水素、ハロゲン、OR10、SR10、NR10R11、脂肪族、置換脂肪族、芳香族、置換芳香族から選択され、各R10およびR11は、独立して水素、ハロゲン、脂肪族、置換脂肪族アリールまたは置換アリールであるか;あるいは2つの隣接するR6基は、第2の環を形成し;
tおよびsは、独立して0、1および2から選択される)
を有する請求項7記載の化合物、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物。
【請求項9】
式:


(式中、

は、単結合または二重結合を表し;
R5は上述で定義されるとおりであり;
wは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11である)
を有する請求項8記載の化合物、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物。
【請求項10】
式:


(式中、A、R1、R2、R3、R4、R5、R10、R11、G3、G4、m、p、qおよびrは、上述で定義されるとおりであり;
X2は、-S-または-O-である)
を有する請求項6記載の化合物、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物。
【請求項11】
式:


(式中、R2、R5、R10、R11、X2、pおよびrは上述で定義されるとおりである)
を有する請求項10記載の化合物、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物。
【請求項12】
式:


(式中、R1、R2、R3、R5、A、B、D、G3、G4、p、q、R10およびR11は、上述で定義されるとおりであり;
X1は-S-、-O-、-NR10-または-C(R10)(R11)-である)
を有する請求項1記載の化合物、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物。
【請求項13】
式:


(式中、R2、R3、R4、R5、A、D、G3、G4、m、q、r、X2、R10およびR11は、上述で定義されるとおりである)
を有する請求項12記載の化合物、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物。
【請求項14】
式:


(式中、X2、D、R2、R5、r、R10およびR11は、上述で定義されるとおりである)
を有する請求項13記載の化合物、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物。
【請求項15】
式:


(式中、R5は上述で定義されるとおりである)
を有する請求項14記載の化合物、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物。
【請求項16】
式:


(式中、A、B、D、G3、G4、R1、R2、R5およびpは、上述で定義されるとおりである)
を有する請求項12記載の化合物、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物。
【請求項17】
式:


(式中、R5は上述で定義されるとおりである)
を有する請求項16記載の化合物、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物。
【請求項18】
R5が、表1、2、3または4から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項19】
式:


(式中、R5は表1から選択される)
を有する請求項12記載の化合物、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物。
【請求項20】
式:


(式中、R5は表1から選択される)
を有する請求項12記載の化合物、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物。
【請求項21】
式:


(式中、R5は表1から選択される)
を有する請求項12記載の化合物、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物。
【請求項22】
式:


(式中、R5は表1から選択される)
を有する請求項12記載の化合物、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物。
【請求項23】
式:


(式中、R5は表1から選択される)
を有する請求項12記載の化合物、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、それらの薬学的に許容され得る塩および溶媒和物。
【請求項24】
表A、B、C、DまたはEから選択される請求項1記載の化合物、ならびにその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、薬学的に許容され得る塩および溶媒和物。
【請求項25】
請求項1〜24いずれか記載の化合物を、神経学的障害または精神的障害の治療を必要とする患者に投与することによる、神経学的障害または精神的障害の治療方法。
【請求項26】
前記障害が統合失調症である、請求項25記載の方法。
【請求項27】
式XXIII:


(式中、A、B、D、R1、R2、R3、R4、Cy1、G1、G2、qおよびmは、上述で定義されるとおりである)
の化合物の持続送達のための方法であって、
該化合物の持続送達を必要とする患者に請求項1〜31いずれか記載の化合物を投与する工程を含み、
患者への投与時の式XXIIIの化合物の放出が持続放出である、方法。
【請求項28】
持続放出が、患者の血流中において、プロドラッグの投与後、少なくとも約36時間の間、前記式XXIIIの化合物の治療有効量を含む、請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記式XXIIIの化合物が、患者の血流中に、少なくとも7、15、30、60、75または90日から選択される期間存在する、請求項28記載の方法。
【請求項30】
投与工程が注射によるものである、請求項29記載の方法。
【請求項31】
式XXIII:


の化合物を、式;C(O)-C(R101)(R103)のアルデヒドまたはケトンと反応させる工程を含む、式XXIV:


の化合物の合成方法。
【請求項32】
前記アルデヒドがパラホルムアルデヒドである、請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記式XXIIIの化合物を酸無水物と反応させる工程をさらに含む、請求項31記載の方法。
【請求項34】
前記酸無水物が、無水酢酸、無水酪酸、無水ヘキサン酸、無水オクタン酸、無水デカン酸、無水ドデカン酸、無水ラウリル酸および無水パルミチン酸から選択される、請求項33記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−531429(P2012−531429A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517738(P2012−517738)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際出願番号】PCT/US2010/039855
【国際公開番号】WO2010/151689
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(506350023)アルカーメス,インコーポレイテッド (12)
【Fターム(参考)】