説明

移動体の転倒防止装置及び移動体を支える方法並びにプログラム

【課題】 ヒューマノイドロボットを演技させる際に、その転倒を防止する。
【解決手段】 ワイヤを繰り出したり引き込むためのワイヤ伸縮機構1乃至3を備え、これらはそれぞれ異なる位置に設けられる。さらに、複数の前記ワイヤ伸縮機構からの複数のワイヤに接続された交点部と、前記交点部に設けられてその下方を撮影する撮像部51と、一端が前記交点部に接続され、他端が前記交点部の下方に位置する移動体に接続された移動体吊り上げ用ワイヤと、複数の前記ワイヤ伸縮機構を制御する制御部100とを備える。前記撮像部で撮影した前記移動体の画像に基づき前記移動体と前記撮像部の相対位置関係を求め、求めた相対位置関係に基づき複数の前記ワイヤ伸縮機構を駆動して、前記交点部を前記移動体の動きに追従させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒューマノイドロボット、2足歩行ロボットを含む移動体の転倒防止のための装置及び移動体を支える方法並びに当該方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2004−90126号公報
【特許文献2】特開2004−267544公報
【0003】
特許文献1は、移動ロボットの上部を、該移動ロボットの上方に設置された走行レールに沿って走行するホイストに繰り出し巻き取り自在に巻回されたワイヤの下端部に連結し、前記移動ロボットとホイストとが前記ワイヤを介して連携移動せしめるようにした移動ロボットの転倒防止方法において、前記移動ロボットを2軸方向に移動せしめ、前記ホイストを、前記移動ロボットの移動検知信号あるいは移動設定信号により該移動ロボットの移動に追従させて前記2軸方向に走行させることを特徴とするホイストにワイヤを介して連携移動される移動ロボットを該移動ロボットに無用な外力を加えることなく正確に連携移動せしめ得るとともに、該移動ロボットの転倒予知を正確に成し得るようにして、移動ロボットの転倒の発生を防止できる移動ロボットの転倒防止方法及びその装置を開示する。
【0004】
特許文献2は、移動式一点吊装置において、移動部のリール中心からフック先端までの長さを変化させることなくフックの吊り下げ位置を移動できるようにする装置を開示する。
【0005】
しかしながら、上記従来の技術は、いずれも巻き上げリールが水平方向に移動し、高さ方向はリールでフックを巻き上げる構造のものである。これらの構造は古典的なX軸とY軸の水平移動とZ軸での巻き上げ垂直移動制御である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
2足歩行自律動作(歩行、屈伸、お辞儀、階段昇降等)を行うヒューマノイドロボットを演技させるにおいて、現状ではその稼動条件が厳しく、しかもその動作が不安定で、床に塵があるだけでも転倒することがある。転倒を防止するため、ロボットの移動にクレーンを追従させてロボットの転倒を防止する必要がある。
【0007】
特許文献1や2に記載された従来の技術は、古典的なX軸とY軸の水平移動とZ軸での巻き上げ垂直移動制御方式のクレーンである。ヒューマノイドロボットのような先端技術のロボットを演技させる場合、顧客によってはこのような古典的な制御方法でなされた装置は先端技術のロボットには不釣合いで好まないため、先進的で斬新なロボットの転倒防止装置制御システムが求められる。
【0008】
また、古典的なX軸とY軸の水平移動とZ軸での巻き上げ垂直移動制御システムはいわゆる天井クレーンのように天井に大掛かりな駆動レール等が必要であり、舞台の演出上または建造物の構造的にそのような天井クレーン様の装置が設置不可能な場合がある。
【0009】
本発明は、このような要望に応えることのできる制御システムである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、本発明は、舞台上の空間の任意の位置座標XYZが3固定点からの距離が分かれば算出できることを利用し少なくとも3本のワイヤを制御するものであり、天井に大掛かりな駆動レール等を必要とせず、しかも従来に無い先進的で斬新なものである。具体的には、天井の3点を基準点として3本のワイヤの長さを制御し、ワイヤの交点をXYZの3次元で同時に空間移動制御させるシステムであり、ワイヤの交点部分に取り付けた撮像部で取得した画像を処理することによりヒューマノイドロボット等の追従対象物(移動体)を認識し、撮像部からのXYZの偏差求め、対象物への追従制御を行う。
【0011】
この発明に係る移動体の転倒防止装置は、ワイヤを繰り出したり引き込むためのワイヤ伸縮機構を少なくとも3つ備え、複数の前記ワイヤ伸縮機構はそれぞれ異なる位置に設けられ、
さらに、複数の前記ワイヤ伸縮機構からの複数のワイヤに接続された交点部と、前記交点部に設けられてその下方を撮影する撮像部と、一端が前記交点部に接続され、他端が前記交点部の下方に位置する移動体に接続された移動体吊り上げ用ワイヤと、複数の前記ワイヤ伸縮機構を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記撮像部で撮影した前記移動体の画像に基づき前記移動体と前記撮像部の相対位置関係を求め、求めた相対位置関係に基づき複数の前記ワイヤ伸縮機構の全部又は一部を駆動して、前記交点部が前記移動体の動きに追従するように制御するものである。
【0012】
好ましくは、複数の前記ワイヤ伸縮機構からの複数のワイヤの前記交点部への接続位置関係を、複数の前記ワイヤ伸縮機構の位置関係の相似形にする。
【0013】
前記制御部は、
前記撮像部で取得した前記移動体の画像に基づき、前記移動体もしくはその一部の画像の重心位置を求め、これと予め与えられた前記撮像部から前記移動体までの距離及び前記撮像部の倍率に基づき、前記撮像部と前記移動体間の相対的な水平位置関係(dx,dy)を算出し、
複数の前記ワイヤ伸縮機構から前記交点部までの各ワイヤの線長と予め定められた各ワイヤの始点座標(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)、(X3、Y3,Z3)に基づき、前記撮像部の座標(Xe,Ye,Ze)を算出し、
算出された座標(Xe,Ye)に相対的な水平位置関係(dx,dy)を加算して目的位置座標(Xd,Yd,Zd)を求め、
目的位置座標(Xd,Yd,Zd)と各ワイヤの始点座標(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)、(X3、Y3,Z3)に基づき、目的位置座標(Xd,Yd,Zd)での各ワイヤの線長を算出し、
複数の前記ワイヤ伸縮機構から前記交点部までの各ワイヤの線長が、それぞれ算出された線長になるように複数の前記ワイヤ伸縮機構を制御するものである。
【0014】
前記制御部は、前記撮像部で取得した前記移動体の画像の大きさと予め定められた前記撮像部の倍率に基づき、前記撮像部から前記移動体までの距離dzを算出し、この距離dzと前記撮像部のZ座標Zeに基づき、前記移動体と前記撮像部の間の距離を一定にするように、複数の前記ワイヤ伸縮機構を制御してもよい。
【0015】
前記制御部は、前記撮像部の座標(Xe,Ye,Ze)、目的位置座標(Xd,Yd,Zd)、相対的な水平位置関係(dx,dy)及び前記撮像部から前記移動体までの距離dzの全部又は一部がそれぞれ予め定められた範囲を超えたとき、前記移動体に停止命令又は減速命令を送るようにしてもよい。
【0016】
前記制御部は、前記撮像部で取得した前記移動体の画像画像に基づき、前記移動体が転倒したと判断したとき、又は、外部から前記移動体の転倒を示す信号を受けたときの何れかの場合に、前記交点部の追従を停止させるか、又は、前記交点部を上昇させるように、複数の前記ワイヤ伸縮機構を制御するようにしてもよい。
【0017】
この発明は、ワイヤを繰り出したり引き込むためのワイヤ伸縮機構を少なくとも3つ備え、複数の前記ワイヤ伸縮機構はそれぞれ異なる位置に設けられ、
さらに、複数の前記ワイヤ伸縮機構からの複数のワイヤに接続された交点部と、前記交点部に設けられてその下方を撮影する撮像部と、一端が前記交点部に接続され、他端が前記交点部の下方に位置する移動体に接続された移動体吊り上げ用ワイヤと、を備える装置により前記移動体を支える方法であって、
前記撮像部で取得した前記移動体の画像に基づき、前記移動体もしくはその一部の画像の重心位置を求め、これと予め与えられた前記撮像部から前記移動体までの距離及び前記撮像部の倍率に基づき、前記撮像部と前記移動体間の相対的な水平位置関係(dx,dy)を算出するステップと、
複数の前記ワイヤ伸縮機構から前記交点部までの各ワイヤの線長と予め定められた各ワイヤの始点座標(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)、(X3、Y3,Z3)に基づき、前記撮像部の座標(Xe,Ye,Ze)を算出するステップと、
算出された座標(Xe,Ye)に相対的な水平位置関係(dx,dy)を加算して目的位置座標(Xd,Yd,Zd)を求めるステップと、
目的位置座標(Xd,Yd,Zd)と各ワイヤの始点座標(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)、(X3、Y3,Z3)に基づき、目的位置座標(Xd,Yd,Zd)での各ワイヤの線長を算出するステップと、
複数の前記ワイヤ伸縮機構から前記交点部までの各ワイヤの線長が、それぞれ算出された線長になるように複数の前記ワイヤ伸縮機構を制御するステップと、を備えるものである。
【0018】
この発明は、上記方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
この発明に係るプログラムは、例えば、記録媒体に記録される。
媒体には、例えば、EPROMデバイス、フラッシュメモリデバイス、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、CD(CD−ROM、Video−CDを含む)、DVD(DVD−Video、DVD−ROM、DVD−RAMを含む)、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きのRAMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジ等を含む。
【0019】
媒体とは、何等かの物理的手段により情報(主にデジタルデータ、プログラム)が記録されているものであって、コンピュータ、専用プロセッサ等の処理装置に所定の機能を行わせることができるものである。
【0020】
現在実現されている大型二足歩行ロボット(移動体)は基本的に二足歩行が可能な製品であるが、何らかのトラブルによって転倒する可能性は皆無では無い。万一転倒した場合、装置そのものが受けるダメージが問題となる。そこで、ロボットが転倒しかかった時に、その状態を認識して防止する仕組みを備えることが好ましい。実際には、転倒しかかった時にロボット本体に取り付けたワイヤを上方から吊下げる方式が最も望ましいと考えられる。ワイヤの天井側吊り元を固定位置として検討すると、ロボットにとってはワイヤを引っ張って歩く事は外力を受ける事となり、歩行ためのバランス制御に支障を来たすことがある。また、吊り元(装置)が水平方向に可動式だとしてもロボットの歩行移動に連れて引っ張られるパッシブな方式では吊り元固定と同様に支障を来たす事が分かった。その点、本発明によれば上記のような問題は生じない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態に係わる移動体の転倒を防止する制御システムについて説明する。本発明の実施の形態は、天井の3点を基準点とし、3本のワイヤの長さを制御し、ワイヤの交点をXYZの3次元で制御し、適宜空間移動させるシステムである。
【0022】
図1は本システムの全体構成及びその使用状況を示す説明図である。本システムは、例えば博物館等に設置されロボットの操作を疑似体験できるものである。博物館等の広いホールに設けられたステージS上をロボット(移動体)7が自在に歩き、要求に応じて人形を抱きかかえたり、物品を取り上げ指定の場所に置いたりする。これらの動作は一種のデモンストレーションである。そのため、ロボット7の移動範囲は円形のステージSの中だけに限定されている。これに伴い本システムの作用範囲も限定されるが、上記用途では問題とはならない。
【0023】
ステージSの全範囲をロボット7が移動できるように、ステージSの外側に3つのワイヤ伸縮機構1乃至3が設けられている。ワイヤ伸縮機構1乃至3は、これらとステージSの中心を結ぶ線であって隣接する線の角度が概ね120度(等間隔)になるように設置されている。本発明はそのような角度に限定されないが、安定した制御を行うために120度が好ましい。ワイヤ伸縮機構1乃至3の高さはロボット7よりも十分高い位置(しかも観客に触れない程度の十分な高さ、例えば3乃至4m)である。
【0024】
ワイヤ伸縮機構1乃至3は、それぞれワイヤ121,221,321を伸ばしたり引っ込めたりすることができる(例えば、ワイヤを巻き取るリールを含む)。ワイヤ121,221,321の端は円盤4に結び付けられている。円盤4をワイヤの交点部と呼ぶことがある。ワイヤ伸縮機構1乃至3でワイヤ121,221,321を適宜伸ばしたり引っ込めたりすることで円盤4の位置及び高さを調整することができる。例えば、ワイヤ121,221,321を巻き取ることで適当な張力を与えれば円盤4の位置は高くなり(最高でワイヤ伸縮機構1乃至3の取り付け位置)、逆にワイヤ121,221,321を繰り出して緩めると円盤4の位置は低くなる(ステージSに触れるまで下げることができる)。また、ワイヤ121,221,321の一部を巻き取り、残りを繰り出すようにすれば、円盤4は巻き取った方のワイヤ伸縮機構に向かって移動する。
【0025】
円盤4にはロボット吊り上げ用ワイヤ61,62が取り付けられている。その他端はロボット7に接続されていて、ロボット7が転倒しそうになったときにそれを支えるように機能する。前述のように、円盤4の位置は制御可能であるので、ロボット7がステージS内を移動する限り追従可能である。しかも、円盤の高さも制御可能であるので、ロボット7がかがんだり、座ったり、立ったりといった動きにも追従可能である。
【0026】
図1の例では、ステージSの一部に設けられたコックピットCでロボット7の動きを操作することができる。当該動きに併せて本システムの円盤4は自動的にロボット7に追従する。その具体的な処理は後述する。
【0027】
図2に円盤4の斜視図を示す。3本のワイヤ121,221,321及びロボット吊り上げ用ワイヤ61,62が結合されているのは前述した。円盤4の略中心に下に向けてデジタルカメラなどの撮像部51が設けられている。撮像部51は撮影可能範囲A内の画像を取得するものであるが、特にロボット7の画像を取得するためのものである。円盤4にはロボット吊り上げ用ワイヤ61,62が結合されているので円盤4の下にはロボット7が常に位置している。もっとも、円盤4の位置が低いときはロボット吊り上げ用ワイヤ61,62がたるみ、ロボット7は円盤4から多少離れることができるようになる。
【0028】
図3に本発明の実施の形態に係るシステムのブロック図を示す。51は前述の撮像部、51aは撮像部51の取得した画像を無線などで送信する画像送信部、52は画像受信部、53は受信した画像を処理する画像処理部(具体的な処理内容は後述する)、100はCPU、1001はCPUの制御の基づきサーボモータの指令信号(指令パルス)を出力する指令パルス演算部である。
【0029】
本システムは、3つのワイヤ伸縮機構1,2,3を備え、それぞれを独立して制御している。
【0030】
ワイヤ伸縮機構1のために、第1サーボモータ制御部1011、第1サーボモータ11、第1ワイヤ伸張部12、第1線長検出器13が設けられている。第1サーボモータ11、第1ワイヤ伸張部12及び第1線長検出器13は、ワイヤ伸縮機構1を構成する。
【0031】
ワイヤ伸縮機構2のために、第2サーボモータ制御部1012、第2サーボモータ21、第2ワイヤ伸張部22、第2線長検出器23が設けられている。第2サーボモータ21、第2ワイヤ伸張部22及び第2線長検出器23は、ワイヤ伸縮機構2を構成する。
【0032】
ワイヤ伸縮機構3のために、第3サーボモータ制御部1013、第3サーボモータ31、第2ワイヤ伸張部32、第3線長検出器33が設けられている。第3サーボモータ31、第2ワイヤ伸張部32及び第3線長検出器33は、ワイヤ伸縮機構3を構成する。
【0033】
上記サーボモータ制御部、サーボモータ及びワイヤ伸張部はいずれも公知のものであり、制御信号により指定の長さのワイヤを巻き取り又は繰り出す。線長検出器も公知のものであり繰り出しているワイヤの線長を検出する(例えば、図1でワイヤ伸縮機構から円盤4までのワイヤの線長を検出する)。
【0034】
図4は発明の実施の形態に係る方法の処理フローチャートである。
図5は発明の実施の形態に係る方法を説明するための座標系の説明図である。
図6は発明の実施の形態に係る方法を説明するための図である。
【0035】
図4乃至図6を参照して発明の実施の形態に係る処理を説明する。
【0036】
図4のS1:撮像部51でロボットもしくはその一部の画像を取得する。例えば、図6(a)に示すように、画像P内にロボット7が存在する。なお、座標軸X’,Y’やこれに付された記号は理解を助けるために示したもので、実際の画像Pには示されなくてもよいものである。なお、X’,Y’,Z’座標系は撮像部51を中心とするものである。X’,Y’,Z’座標系は図5のXYZ座標系を移動させたものであるが、各軸、すなわちX’軸とX軸と、Y’軸とY軸、Z’軸とZ軸は平行であって、座標系は回転していないことが好ましい。このようにすれば、撮像部51の回転の補正を行わなくてすむ。
【0037】
次に、撮像部51とロボット7間の相対的な水平位置関係(dx,dy)を算出するステップS2と撮像部51からロボット7までの距離dzを算出するステップについて説明を加える。なお、以下の説明においてS2からS3の順番で処理を行うように記載されているが、これは説明の便宜上の順序であり、実際にはS2とS3に順序をつける必要はない。
同S2:ロボットもしくはその一部の画像の重心位置、撮像部からロボットまでの距離及び撮像部の倍率に基づき、撮像部とロボット間の相対的な水平位置関係(dx,dy)を算出する。
【0038】
本システムで3つのワイヤ伸縮機構1乃至3が同一水平面に設置され、ロボット7が円盤4から垂直に吊り下げられているとして、図5に示すように水平方向をXY軸、垂直方向をZ軸で表すことにする。図5(a)は本システムの上面図、同図(b)は正面図である。同図(b)ではワイヤ伸縮機構3の表示を省略している。
【0039】
ここで、各ワイヤ121,221,321のワイヤの交点部4への接続位置が形成する三角形(X11,Y11,Z11)(X21,Y21,Z21)(X31,Y31,Z31)を、各ワイヤの始点座標(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)、(X3、Y3,Z3)のX,Y平面への写像(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)が形成する三角形の相似形にすると、交点部4の撮像部51を常に一定方向に向かせることができる。すなわち、三角形(X11,Y11,Z11)(X21,Y21,Z21)(X31,Y31,Z31)のワイヤの交点部4に設置する撮像部51の撮像方向が常に一定方向を向くようになる。これにより、常に撮像部51の撮像画像の座標軸方向を3つのワイヤ伸縮機構1乃至3の座標軸との方向を常に一定にすることができる。但し完全な相似形にしなくても、誤差に応じておおむね同一方向を向かすことはできる。またワイヤの交点部4の重量をワイヤの重量より十分に大きくし、ワイヤの交点部4の三角形を各ワイヤの始点座標(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)、(X3、Y3,Z3)のX,Y平面への写像(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)が形成する三角形に比して十分に小さくすると、ワイヤの交点部4の高さを含んだ空間座標が変化してもワイヤの交点部4はほぼ水平に吊り下げられ、撮像部51は常に下を向き撮像部51のZ軸方向も一定に保つことができる。
【0040】
ロボットもしくはその一部の画像を撮像し、その画像の重心の位置と撮像部からロボットまでの距離(予め距離は設定されている。ロボット吊り上げ用ワイヤ61、62の長さよりも短い)と撮像部51の倍率に基づき、X’,Y’,Z’座標系における撮像部51とロボットの相対的な水平位置関係(dx,dy)を算出する(図6(a))。ロボットまでの距離と撮像部51の倍率が一定であれば、画像P上の画素ごとに水平位置関係(dx,dy)を予め決めておくことができる。あるいは、画像P上の画素の位置を、ロボットまでの距離と撮像部51の倍率に基づき水平位置関係(dx,dy)に変換することができる。ロボットまでの基準距離と撮像部51の倍率の情報は予め画像処理部53やCPU100に与えられている。このシーケンスでは、Z方向の正確な距離が得られておらず、撮像部51すなわちカメラとロボット7の間の予め想定した距離を元に計算している。そのため、dxとdyは厳密には不正確なものであるが近似値としては十分に利用でき、その方向に移動するように制御すれば、その目的地に収束するようになる。
【0041】
同S3:画像の大きさと撮像部の倍率に基づき撮像部からロボットまでの基準距離からの偏差dzを算出する。(2台の撮像部で被写体の角度から偏差を求めても良い)ロボット吊り上げ用ワイヤ61、62がぴんと張っているときは、その長さと(dx,dy)からdzを求めることができる(図6(b))。S4と同様に、画像の大きさと撮像部の倍率とから逆算して撮像部からロボットまでの基準距離からの偏差dzを算出することも可能である。なお偏差dzを用いなくても、以下のS4乃至S7の処理は可能である。
【0042】
同S4:各ワイヤの線長W1e,W2e,W3eと各ワイヤの始点座標(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)、(X3、Y3,Z3)に基づき、撮像部の座標(Xe,Ye,Ze)を算出する。
【0043】
各ワイヤ121,221,321の線長をそれぞれW1e,W2e,W3e、各ワイヤの伸張部12,22,32におけるそれぞれのワイヤの始点座標(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)、(X3、Y3,Z3)によりワイヤの交点部4に取り付けた撮像部51の座標(Xe,Ye,Ze)を算出できる。なお、モデルの理解を容易にするため、各ワイヤ121,221,321の張力が無限大で、ワイヤの交点部4やワイヤ61,62の重量を無視すれば、ワイヤの交点部4はワイヤ伸縮機構1乃至3から半径W1e,W2e,W3e、の円の交点として算出できる(Ze=0と仮定した場合)。現実の立体空間に有っても、同様にワイヤの始点座標(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)、(X3、Y3,Z3)から半径W1e,W2e,W3e、の球体の交点として交点部4に取り付けた撮像部51の座標(Xe,Ye,Ze)を算出できる。
【0044】
同S5:算出された座標Xe,YeにS2で算出した(dx,dy)を加算して、ワイヤの交点部4がロボットの真上に移動するための目的位置座標(Xd,Yd,Zd)を求める。
このとき、Zdに一定の数値を代入すると(Zdが一定の数値になるように制御すると)撮像部51が天井あるいは床から常に一定高さになるように追従する。
また、ZeにZ軸方向の偏差dzを加算してZdに代入すると、ロボットと一定距離になるように追従する。さらに、一定値にdzを加算してZdに代入するような制御等様々な制御が可能である。
【0045】
目的位置座標(Xd,Yd,Zd)は、図6のdx、dyを図5のXYZ座標系で表現したものである。なお、ロボット7の姿勢が変化しないためワイヤの交点部4の高さが変わらないとき、Zd=Zeである。
【0046】
同S6:(Xd,Yd,Zd)と各ワイヤの始点座標(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)、(X3、Y3,Z3)に基づき、目的位置座標(Xd,Yd,Zd)での各ワイヤの線長W1c,W2c,W3c(目的地の線長)を算出する。2つの座標間の距離は簡単な数式で算出することができる。
【0047】
同S7:各ワイヤがそれぞれW1c,W2c,W3c(目的地の線長)になるように、CPU100でサーボモータを制御する。
【0048】
上記S1乃至S7の処理により、ロボット7の移動に合わせてワイヤの交点部4を追従させることができる。ロボット7が一定範囲内を移動する限り、ロボット7が倒れそうになったときにロボット吊り上げ用ワイヤ61,62で支え、ロボット7の転倒を防止することができる。
【0049】
上記S1乃至S7の処理において、Zdに常に一定の値にすると、垂直方向の基準から一定高さでの追従が可能である。
【0050】
一方で、dzとZeを利用してロボット7の高低が変動しても撮像部51の距離を一定にするような追従制御も可能である。例えば、dzがマイナスであれば(移動体が立ち上がって交点部4に近づいたら)、その分Zeを増加させる(交点部4を上昇させる)。dzがプラスであれば、逆にZeを減少させる。(但しプラスマイナスはZ軸の定義により、反転する)
【0051】
また、階段昇降や御辞儀、屈伸等の動作に応じて、外部からZdの値を制御してもよい。
【0052】
また、(Xe,Ye,Ze)あるいは(Xd,Yd,Zd)、(dx,dy)やdzによりロボット7がある範囲を超える場合はロボットに停止命令や減速命令を出すことも可能である。例えば、図1のステージSの領域をXYZ座標系で予め定義しておき、(Xe、Ye)又は(Xd,Yd)が当該領域を外れたときにロボットに停止命令や減速命令を出す。または、(dx,dy)が予め定めた大きさよりも大きくなったら(ロボット7の移動速度が大きくなりすぎたような場合に)ロボットに停止命令や減速命令を出す。あるいは、dzが予め定めた値よりも小さくなったら(ロボットが円盤4に近づきすぎたような場合に)ロボットに停止命令や減速命令を出す。
【0053】
また、ロボット7の転倒の判断は画像認識、ロボット7からの信号、図示しない外部の撮像部、ロボット吊り上げ用ワイヤ61、62の張力を検知するセンサ等、各種の方法で判断可能であり、転倒時に本システムを停止させる、あるいは上昇させてロボット7を吊り上げることも可能である。画像部51で取得した画像に基づきロボット7の転倒を判断するには、例えば、ロボット7の画像の大きさが予め定められた閾値よりも大きくなったことで判断する。ロボット7が転倒すると横向きになり、その結果、ロボット7の画像の面積が著しく増加する。またLED等の発光素子をロボット7の頭頂に複数設け、ロボット7を撮像し2値化処理したときに複数の発光素子により囲まれる画像が一定面積以下になった場合に転倒した判断するようにしてもよい。
【0054】
本発明は、天井の3点を基準点として、3本のワイヤの巻き取り装置で、ワイヤの交点をXYZの3次元で同時に空間移動制御させるシステムであるため、天井に大掛かりな駆動レール等を不用とし、従来設置不可能であった場所にも設置可能になった。
【0055】
しかも細い3本のワイヤの交点部を円盤状にするとあたかもロボットの頭上でUFOが飛んでいるようで、近未来的なヒューマノイドロボットに釣り合った斬新で画期的な転倒防止装置を提供できる。
【0056】
また本発明により、従来天井に大掛かりな駆動レール等が取り付け不可能であった病院やリハビリセンターにおいても比較的容易で省スペースに設置可能であり、サーボモータを使用した場合吊り上げトルクを容易に一定にすることが可能で、ロボット吊り上げ用ワイヤ61、62のたるみをなくし、人を一定のトルクで若干体重を浮かすように制御可能である。その場合体重が足腰に掛かる負担を軽減し、部屋の中を自由に歩行訓練できるシステムも提供できる。
【0057】
また上記人の体重の軽減に着目し、月面や、宇宙遊泳の疑似体験装置としての応用も可能である。
【0058】
また本発明は上述のようにあたかもUFOが飛んでいるようであり、外部からの制御で自由に操縦可能であり、本装置事態をUFOに仕立てた遊戯装置として活用しても老若男女を問わず十分楽しめるものである。
【0059】
また本発明は上述の天井クレーンに比して非常に静かである。
また本発明は上述の天井クレーンでは同一空間内で複数台のクレーンを用いた場合立体的に交差不能であるが本クレーンは交差可能である。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、例えば天井の4点を基準点として、4本のワイヤの巻き取り装置で構成しても良い。また巻き取りドラムにそれぞれ2本以上のワイヤを張っても良い。それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】発明の実施の形態に係るシステムの概略を示す全体図である。
【図2】発明の実施の形態に係る円盤(ワイヤの交点部)を示す斜視図である。
【図3】発明の実施の形態に係るシステムのブロック図である。
【図4】発明の実施の形態に係る方法の処理フローチャートである。
【図5】発明の実施の形態に係る方法を説明するための座標系の説明図である。
【図6】発明の実施の形態に係る方法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0061】
1、2、3 ワイヤ伸縮機構
11、21、31 サーボモータ
12、22、32 ワイヤ伸張部
13,23,33 線長検出器
121、221、321 ワイヤ
4 円盤(ワイヤの交点部)
51 撮像部
52 画像受信部
53 画像処理部
61、62 ロボット吊り上げ用ワイヤ
7 ロボット
100 CPU
1001 指令パルス演算部
10011、10012、10013 サーボモータ制御部
1002 マンマシン・インターフェイス
1003 インターフェイス
10031 外部コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤを繰り出したり引き込むためのワイヤ伸縮機構を少なくとも3つ備え、複数の前記ワイヤ伸縮機構はそれぞれ異なる位置に設けられ、
さらに、複数の前記ワイヤ伸縮機構からの複数のワイヤに接続された交点部と、前記交点部に設けられてその下方を撮影する撮像部と、一端が前記交点部に接続され、他端が前記交点部の下方に位置する移動体に接続された移動体吊り上げ用ワイヤと、複数の前記ワイヤ伸縮機構を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記撮像部で撮影した前記移動体の画像に基づき前記移動体と前記撮像部の相対位置関係を求め、求めた相対位置関係に基づき複数の前記ワイヤ伸縮機構の全部又は一部を駆動して、前記交点部が前記移動体の動きに追従するように制御することを特徴とする移動体の転倒防止装置。
【請求項2】
複数の前記ワイヤ伸縮機構からの複数のワイヤの前記交点部への接続位置関係を、複数の前記ワイヤ伸縮機構の位置関係の相似形にしたことを特徴とする請求項1記載の移動体の転倒防止装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記撮像部で取得した前記移動体の画像に基づき、前記移動体もしくはその一部の画像の重心位置を求め、これと予め与えられた前記撮像部から前記移動体までの距離及び前記撮像部の倍率に基づき、前記撮像部と前記移動体間の相対的な水平位置関係(dx,dy)を算出し、
複数の前記ワイヤ伸縮機構から前記交点部までの各ワイヤの線長と予め定められた各ワイヤの始点座標(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)、(X3、Y3,Z3)に基づき、前記撮像部の座標(Xe,Ye,Ze)を算出し、
算出された座標(Xe,Ye)に相対的な水平位置関係(dx,dy)を加算して目的位置座標(Xd,Yd,Zd)を求め、
目的位置座標(Xd,Yd,Zd)と各ワイヤの始点座標(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)、(X3、Y3,Z3)に基づき、目的位置座標(Xd,Yd,Zd)での各ワイヤの線長を算出し、
複数の前記ワイヤ伸縮機構から前記交点部までの各ワイヤの線長が、それぞれ算出された線長になるように複数の前記ワイヤ伸縮機構を制御することを特徴とする請求項1記載の移動体の転倒防止装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記撮像部で取得した前記移動体の画像の大きさと予め定められた前記撮像部の倍率に基づき、前記撮像部から前記移動体までの距離dzを算出し、この距離dzと前記撮像部のZ座標Zeに基づき、前記移動体と前記撮像部の間の距離を一定にするように、複数の前記ワイヤ伸縮機構を制御することを特徴とする請求項3記載の移動体の転倒防止装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記撮像部の座標(Xe,Ye,Ze)、目的位置座標(Xd,Yd,Zd)、相対的な水平位置関係(dx,dy)及び前記撮像部から前記移動体までの距離dzの全部又は一部がそれぞれ予め定められた範囲を超えたとき、前記移動体に停止命令又は減速命令を送ることを特徴とする請求項3記載の移動体の転倒防止装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記撮像部で取得した前記移動体の画像画像に基づき、前記移動体が転倒したと判断したとき、又は、外部から前記移動体の転倒を示す信号を受けたときの何れかの場合に、前記交点部の追従を停止させるか、又は、前記交点部を上昇させるように、複数の前記ワイヤ伸縮機構を制御することを特徴とする請求項3記載の移動体の転倒防止装置。
【請求項7】
ワイヤを繰り出したり引き込むためのワイヤ伸縮機構を少なくとも3つ備え、複数の前記ワイヤ伸縮機構はそれぞれ異なる位置に設けられ、
さらに、複数の前記ワイヤ伸縮機構からの複数のワイヤに接続された交点部と、前記交点部に設けられてその下方を撮影する撮像部と、一端が前記交点部に接続され、他端が前記交点部の下方に位置する移動体に接続された移動体吊り上げ用ワイヤと、を備える装置により前記移動体を支える方法であって、
前記撮像部で取得した前記移動体の画像に基づき、前記移動体もしくはその一部の画像の重心位置を求め、これと予め与えられた前記撮像部から前記移動体までの距離及び前記撮像部の倍率に基づき、前記撮像部と前記移動体間の相対的な水平位置関係(dx,dy)を算出するステップと、
複数の前記ワイヤ伸縮機構から前記交点部までの各ワイヤの線長と予め定められた各ワイヤの始点座標(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)、(X3、Y3,Z3)に基づき、前記撮像部の座標(Xe,Ye,Ze)を算出するステップと、
算出された座標(Xe,Ye)に相対的な水平位置関係(dx,dy)を加算して目的位置座標(Xd,Yd,Zd)を求めるステップと、
目的位置座標(Xd,Yd,Zd)と各ワイヤの始点座標(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)、(X3、Y3,Z3)に基づき、目的位置座標(Xd,Yd,Zd)での各ワイヤの線長を算出するステップと、
複数の前記ワイヤ伸縮機構から前記交点部までの各ワイヤの線長が、それぞれ算出された線長になるように複数の前記ワイヤ伸縮機構を制御するステップと、を備える移動体を支える方法。
【請求項8】
ワイヤを繰り出したり引き込むためのワイヤ伸縮機構を少なくとも3つ備え、複数の前記ワイヤ伸縮機構はそれぞれ異なる位置に設けられ、
さらに、複数の前記ワイヤ伸縮機構からの複数のワイヤに接続された交点部と、前記交点部に設けられてその下方を撮影する撮像部と、一端が前記交点部に接続され、他端が前記交点部の下方に位置する移動体に接続された移動体吊り上げ用ワイヤと、を備える装置により前記移動体を支える方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記撮像部で取得した前記移動体の画像に基づき、前記移動体もしくはその一部の画像の重心位置を求め、これと予め与えられた前記撮像部から前記移動体までの距離及び前記撮像部の倍率に基づき、前記撮像部と前記移動体間の相対的な水平位置関係(dx,dy)を算出するステップと、
複数の前記ワイヤ伸縮機構から前記交点部までの各ワイヤの線長と予め定められた各ワイヤの始点座標(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)、(X3、Y3,Z3)に基づき、前記撮像部の座標(Xe,Ye,Ze)を算出するステップと、
算出された座標(Xe,Ye)に相対的な水平位置関係(dx,dy)を加算して目的位置座標(Xd,Yd,Zd)を求めるステップと、
目的位置座標(Xd,Yd,Zd)と各ワイヤの始点座標(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)、(X3、Y3,Z3)に基づき、目的位置座標(Xd,Yd,Zd)での各ワイヤの線長を算出するステップと、
複数の前記ワイヤ伸縮機構から前記交点部までの各ワイヤの線長が、それぞれ算出された線長になるように複数の前記ワイヤ伸縮機構を制御するステップと、を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−224202(P2006−224202A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−37697(P2005−37697)
【出願日】平成17年2月15日(2005.2.15)
【出願人】(000152228)株式会社内田洋行 (105)
【Fターム(参考)】