説明

移動体装置のメンテナンス方法、移動体装置、露光装置、及びデバイス製造方法

【課題】重量キャンセル装置を含むステージ装置のメンテナンスを容易かつ迅速に行う。
【解決手段】X粗動ステージ23XをX軸方向に案内するベースフレーム14は、露光動作時を含む露光装置の通常使用時に重量キャンセル装置40をガイドする定盤12よりも+X側に大きく突き出しており、重量キャンセル装置40を定盤12から外れた位置に位置させることができる。従って、重量キャンセル装置40の上方に、その支持対象物である微動ステージ50を位置させたまま、その重量キャンセル装置40のメンテナンス作業を下方から行うことができる。また、重量キャンセル装置40を定盤12から外れた位置で下方に移動させることにより、その重量キャンセル装置40を基板ステージ装置PSTから取り外すことができるので、容易に重量キャンセル装置40を基板ステージ装置PSTから外部に搬出できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体装置のメンテナンス方法、移動体装置、露光装置、及びデバイス製造方法に係り、更に詳しくは、水平面に平行な所定平面に沿って移動可能な移動体を含む移動体装置及びそのメンテナンス方法、並びに該移動体装置を含む露光装置、該露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示素子、半導体素子(集積回路等)等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するリソグラフィ工程では、マスク又はレチクル(以下、「マスク」と総称する)と、ガラスプレート又はウエハ(以下、「基板」と総称する)とを所定の走査方向(スキャン方向)に沿って同期移動させつつ、マスクに形成されたパターンをエネルギビームを用いて基板上に転写するステップ・アンド・スキャン方式の露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる))などが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種の露光装置は、露光対象物である基板を水平面に沿って案内する基板ステージ装置を備えている。そして、基板ステージ装置では、近年の基板の大型化に伴い、基板が載置される基板テーブルが大型化し、基板の位置制御が困難になってきていた。そこで、基板ステージ装置としては、一本の柱状の部材から成り、基板テーブルを水平面に平行なガイド面を有する定盤上で下方から支持してその基板テーブルの重量をキャンセルする重量キャンセル装置を含むものが開発されている。
【0004】
しかし、この種の基板ステージ装置は、一本の柱状部材から成る重量キャンセル装置が基板テーブルの中央部を下方から支持する構成であるため、重量キャンセル装置のメンテナンスを行う場合には、基板テーブルの下方の非常に狭いスペースで作業を行う必要がある。また、例えば重量キャンセル装置自体を交換する場合には、基板テーブルを取り外すなどの作業が必要となり、煩雑である。このため、重量キャンセル装置のメンテナンスを容易に行うことができる技術の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,729,331号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の事情の下でなされたもので、第1の観点からすると、水平面に平行な所定平面に沿って移動可能な移動体を前記水平面に平行なガイド面を有する定盤上で下方から支持して前記移動体の重量をキャンセルする重量キャンセル装置を、前記水平面に平行な方向に移動させて前記定盤上の領域から前記定盤の外側の領域に位置させる工程と;前記定盤の外側の領域で前記重量キャンセル装置のメンテナンスを行う工程と;を含む移動体装置のメンテナンス方法である。
【0007】
これによれば、重量キャンセル装置を定盤の外側の領域(定盤から外れた位置)に位置させるので、重量キャンセル装置のメンテナンス作業を下方から行うことができる。従って、移動体装置(特に重量キャンセル装置)のメンテナンス作業を容易に行うことができる。また、重量キャンセル装置を水平面に平行な平面に沿って移動させることにより、定盤の外側の領域に位置させることができるので、メンテナンス作業を迅速に行うことができる。
【0008】
本発明は、第2の観点からすると、水平面に平行な所定平面に沿って移動可能な移動体と;前記水平面に平行なガイド面を有する定盤上で前記移動体を下方から支持して前記移動体の重量をキャンセルする重量キャンセル装置と;前記重量キャンセル装置を前記定盤上の領域から前記定盤の外側の領域へ前記水平面に平行な平面に沿って案内する案内装置と;を備える移動体装置である。
【0009】
これによれば、重量キャンセル装置を定盤の外側の領域(定盤から外れた位置)に案内することができるので、重量キャンセル装置の下方からメンテナンス作業を行うことができる。従って、移動体装置(特に重量キャンセル装置)のメンテナンス作業を容易に行うことができる。また、重量キャンセル装置を水平面に平行な平面に沿って移動させることにより、定盤の外側の領域に位置させることができるので、メンテナンス作業を迅速に行うことができる。
【0010】
本発明は、第3の観点からすると、エネルギビームにより物体を露光する露光装置であって、前記物体が前記移動体上に載置される本発明の動体装置と;前記物体にエネルギビームを照射して前記物体上にパターンを生成するパターン生成装置と;を備える露光装置である。
【0011】
本発明は、第4の観点からすると、本発明の露光装置を用いて前記物体を露光することと;前記露光された前記物体を現像することと;を含むデバイス製造方法である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一実施形態に係る液晶露光装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1の液晶露光装置が有する基板ステージ装置の断面図である。
【図3】図3(A)及び図3(B)は、基板ステージ装置の平面図である。
【図4】図4(A)及び図4(B)は、基板ステージ装置が有する重量キャンセル装置の交換作業の手順を説明するための図(その1及び2)である。
【図5】図5(A)及び図5(B)は、重量キャンセル装置の交換作業の手順を説明するための図(その3及び4)である。
【図6】重量キャンセル装置の交換作業の手順を説明するための図(その5)である。
【図7】図7(A)及び図7(B)は、第1の変形例に係る重量キャンセル装置の交換作業の手順を説明するための図(その1及び2)である。
【図8】図8(A)及び図8(B)は、第1の変形例に係る重量キャンセル装置の交換作業の手順を説明するための図(その3及び4)である。
【図9】図9(A)は、第2の変形例に係る基板ステージ装置の側面図、図9(B)及び図9(C)は、重量キャンセル装置の交換作業の手順を説明するための図(その1及び2)である。
【図10】図10(A)及び図10(B)は、第3の変形例に係る重量キャンセル装置の交換作業の手順を説明するための図(その1及び2)である。
【図11】図11(A)及び図11(B)は、第4の変形例に係る重量キャンセル装置の交換作業の手順を説明するための図(その1及び2)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図6に基づいて説明する。
【0014】
図1には、一実施形態に係る液晶露光装置10の概略構成が示されている。液晶露光装置10は、例えば液晶表示装置の表示パネルなどに用いられる矩形(角型)のガラス基板P(以下、単に基板Pと称する)を露光対象物とするステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャナである。
【0015】
液晶露光装置10は、照明系IOP、マスクMを保持するマスクステージMST、投影光学系PL、上記マスクステージMST及び投影光学系PLなどが搭載されたボディ30、基板Pを保持する基板ステージ装置PST、及びこれらの制御系等を含んでいる。以下においては、露光時にマスクMと基板Pとが投影光学系PLに対してそれぞれ相対走査される方向をX軸方向とし、水平面内でこれに直交する方向をY軸方向、X軸及びY軸に直交する方向をZ軸方向とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
【0016】
照明系IOPは、例えば米国特許第5,729,331号明細書などに開示される照明系と同様に構成されている。すなわち、照明系IOPは、図示しない光源(例えば、水銀ランプ)から射出された光を、それぞれ図示しない反射鏡、ダイクロイックミラー、シャッター、波長選択フィルタ、各種レンズなどを介して、露光用照明光(照明光)ILとしてマスクMに照射する。照明光ILとしては、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)などの光(あるいは、上記i線、g線、h線の合成光)が用いられる。また、照明光ILの波長は、波長選択フィルタにより、例えば要求される解像度に応じて適宜切り替えることが可能になっている。
【0017】
マスクステージMSTには、回路パターンなどがそのパターン面(図1における下面)に形成されたマスクMが、例えば真空吸着(あるいは静電吸着)により固定されている。マスクステージMSTは、後述するボディ30の一部である鏡筒定盤33の上面に固定されたマスクステージガイド35上に不図示のエアベアリングを介して非接触状態(浮上した状態)で搭載されている。マスクステージMSTは、例えばリニアモータを含むマスクステージ駆動系(図示省略)により、マスクステージガイド35上で、走査方向(X軸方向)に所定のストロークで駆動されるとともに、Y軸方向、及びθz方向にそれぞれ適宜微少駆動される。マスクステージMSTのXY平面内の位置情報(θz方向の回転情報を含む)は、マスクステージMSTが有する不図示の反射面に測長ビームを照射するレーザ干渉計を含むマスク干渉計システム38により計測される。
【0018】
投影光学系PLは、マスクステージMSTの図1における下方において、ボディ30の一部である鏡筒定盤33に支持されている。投影光学系PLは、例えば米国特許第5,729,331号明細書に開示された投影光学系と同様に構成されている。すなわち、投影光学系PLは、レンズモジュールなどを含む光学系(鏡筒)を複数有し、その複数の光学系は、Y軸方向に沿って、いわゆる千鳥状に配列されている(マルチレンズ投影光学系とも称される)。複数の光学系それぞれとしては、例えば両側テレセントリックな等倍系で正立正像を形成するものが用いられている。前述の照明系IOPは、複数の光学系に対応した複数の照明光ILをそれぞれマスクMに照射するように構成されている。このため、マスクM上には、千鳥状に配置された複数の照明光ILの照明領域が形成されるとともに、投影光学系PLの下方に配置された基板P上には、複数の光学系それぞれに対応して、千鳥状に配置された複数の照明光ILの照射領域が形成される。液晶露光装置10では、基板P上に形成される複数の照射領域が合成されることにより、千鳥状に配置された複数の光学系から成る投影光学系PLが、Y軸方向を長手方向とする単一の長方形状(帯状)のイメージフィールドを持つ投影光学系と同等に機能する。
【0019】
このため、照明系IOPからの照明光ILによってマスクM上の照明領域が照明されると、マスクMを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してその照明領域内のマスクMの回路パターンの投影像(部分正立像)が、投影光学系PLの像面側に配置される、表面にレジスト(感応剤)が塗布された基板P上の照明領域に共役な照明光ILの照射領域(露光領域)に形成される。そして、マスクステージMSTと基板ステージ装置PSTとの同期駆動によって、照明領域(照明光IL)に対してマスクMを走査方向(X軸方向)に相対移動させるとともに、露光領域(照明光IL)に対して基板Pを走査方向(X軸方向)に相対移動させることで、基板P上の1つのショット領域(区画領域)の走査露光が行われ、そのショット領域にマスクMのパターンが転写される。すなわち、液晶露光装置10では、照明系IOP及び投影光学系PLによって基板P上にマスクMのパターンが生成され、照明光ILによる基板P上の感応層(レジスト層)の露光によって基板P上にそのパターンが形成される。
【0020】
ボディ30は、基板ステージ架台31、一対のサイドコラム32、及び鏡筒定盤33を有している。基板ステージ架台31は、Y軸方向に延びる部材から成り、X軸方向に所定間隔で、例えば2つ(図2参照)設けられている。2つの基板ステージ架台31それぞれは、Y軸方向の両端部が床面11上に設置された防振装置34に下方から支持されており、床面11に対して振動的に分離されている。一対のサイドコラム32は、X軸方向に延びる部材から成り、2つの基板ステージ架台31の+Y側の端部上、及び−Y側の端部上にそれぞれ架け渡された状態で搭載されている。鏡筒定盤33は、XY平面に平行な平板状の部材から成り、前述したように投影光学系PLを支持している。鏡筒定盤33は、一対のサイドコラム32によりY軸方向の両端部が下方から支持されている。これにより、ボディ30、及びボディ30に支持された投影光学系PLなどが、床面11に対して振動的に分離される。
【0021】
基板ステージ装置PSTは、定盤12、一対のベースフレーム14、X粗動ステージ23X、X粗動ステージ23X上に搭載されX粗動ステージ23Xと共にXY二次元ステージ装置を構成するY粗動ステージ23Y、Y粗動ステージ23Yの+Z側(上方)に配置された微動ステージ50、及び定盤12上で微動ステージ50を下方から支持する重量キャンセル装置40などを備えている。
【0022】
定盤12は、例えば石材により形成された平面視で(+Z側から見て)矩形の板状部材から成り(図3(A)参照)、その上面は、平面度が非常に高く仕上げられている。定盤12は、図2に示されるように、2つの基板ステージ架台31上に架け渡された状態で搭載されている。
【0023】
一対のベースフレーム14は、一方が定盤12の+Y側に、他方が定盤12の−Y側に配置されている。ベースフレーム14は、図1及び図2から分かるように、X軸方向に延びるXZ平面に平行な板状部材から成る本体部14aと、本体部14aの長手方向の両端部それぞれを床面11上で下方から支持する一対の脚部14bとを含み、基板ステージ架台31に非接触状態(基板ステージ架台31を跨いだ状態)で床面11に固定されている。本体部14aの両側面、及び上端面には、それぞれX軸方向に平行に延びるXリニアガイド部材16が固定されている。また、図2に示されるように、本体部14aの上端面に固定されたXリニアガイド部材16の長手方向の両端部近傍には、それぞれストッパ17(図1では図示省略)が設けられている。ストッパ17は、Xリニアガイド部材16を跨いで本体部14aに取り付けられたクランプ17aと、クランプ17aに取り付けられたショックアブソーバ17bとを含む。また、本体部14aの両側面には、図1及び図2から分かるように、X軸方向に所定間隔で配列された複数の永久磁石から成る磁石ユニット15が固定されている。
【0024】
X粗動ステージ23Xは、図3(A)に示されるように、Y軸方向を長手方向とする平面視矩形の枠状部材から成り、その中央部に開口部23Xaが形成されている。なお、図3(A)及び図3(B)に示される基板ステージ装置PSTでは、それぞれ後述する微動ステージ50、及びボイスコイルモータなどの図示が省略されている。
【0025】
図1に戻り、X粗動ステージ23Xの下面には、一対のXスライダ21が一対のベースフレーム14に対応する間隔で固定されている。Xスライダ21は、+X方向から見て断面逆U字状の部材から成り、その一対の対向面間にベースフレーム14が挿入されている。Xスライダ21は、その一対の対向面、及び天井面にXリニアガイド部材16にスライド可能に係合するスライダ19が固定されている。また、Xスライダ21は、その一対の対向面それぞれに磁石ユニット15に対向するコイルを含むコイルユニット13が固定されている。磁石ユニット15とコイルユニット13とは、X粗動ステージ23XをX軸方向に駆動するためのローレンツ電磁力駆動方式のXリニアモータを構成する。Xリニアモータは、X粗動ステージ23Xの位置情報を計測する不図示の計測系(例えば、リニアエンコーダシステム(あるいは光干渉計システム)を含む)の出力に基づいて不図示の主制御装置により制御される。
【0026】
これにより、X粗動ステージ23Xは、複数のXリニアガイド部材16に案内されてX軸方向に直進移動が可能となる。そして、X粗動ステージ23XのX軸方向に関する移動範囲は、本体部14aに取り付けられた一対のストッパ17により機械的に規定される。なお、基板ステージ装置PSTでは、通常の露光動作などを行う際、X粗動ステージ23Xは、一対のストッパ17により規定される移動可能範囲よりも狭い範囲内で移動するように主制御装置を制御するプログラム(ソフトウエア)が設定されている。また、基板ステージ装置PSTは、何らかのトラブルによりX粗動ステージ23Xが上記ソフトウエアにより規定される移動可能範囲を超えて移動した場合に、そのX粗動ステージ23Xの位置を検出するスイッチからの出力に基づいてXリニアモータへの電力の供給を停止する電気的な移動範囲規定装置を有している。そして、この電気的な移動範囲規定装置により規定される移動可能範囲を超えてX粗動ステージ23Xが移動した場合には、Xストッパ17によりそのX粗動ステージ23XのX軸方向に関する移動が機械的に制限される。
【0027】
また、図2に示されるように、X粗動ステージ23Xの上面におけるY軸方向の両端部には、Y軸方向に延びる一対のYリニアガイド部材28が固定されている。また、不図示であるが、X粗動ステージ23Xの上面には、Y軸方向に所定間隔で配列された複数の永久磁石から成る磁石ユニットが固定されている。
【0028】
Y粗動ステージ23Yは、図3(A)に示されるように、X軸方向を長手方向とする平面視矩形の枠状部材から成り、その中央部に開口部23Yaが形成されている。Y粗動ステージ23Yの下面の、例えば四隅近傍には、Yリニアガイド部材28にスライド可能に係合するスライダ29が固定されている。また、不図示ではあるが、Y粗動ステージ23Yの下面には、コイルを含み、X粗動ステージ23Xの上面に固定された不図示の磁石ユニットに対向するコイルユニットが固定されている。それぞれ不図示の磁石ユニットとコイルユニットとは、Y粗動ステージ23YをX粗動ステージ23X上でY軸方向に駆動するためのローレンツ電磁力駆動方式のYリニアモータを構成する。Yリニアモータは、Y粗動ステージ23Yの位置情報を計測する不図示の計測系(例えば、リニアエンコーダシステム(あるいは光干渉計システム)を含む)の出力に基づいて不図示の主制御装置により制御される。以下、X粗動ステージ23X、及びY粗動ステージ23Yを併せて、適宜XYステージ23と称して説明する。
【0029】
図1に戻り、微動ステージ50は、平面視ほぼ正方形の高さの低い直方体状の部材から成る本体部51、本体部51の下方に設けられたレベリング装置52、及び本体部51の上面に固定された基板ホルダ53を有している。基板ホルダ53は、例えば図示しない真空吸着装置(又は静電吸着装置)を有しており、その上面に基板Pを吸着保持する。本体部51の−Y側の側面には、ミラーベース24Yを介してY軸に直交する反射面を有するY移動鏡(バーミラー)22Yが固定されている。また、図2に示されるように、本体部51の−X側の側面には、ミラーベース24Xを介してX軸に直交する反射面を有するX移動鏡(バーミラー)22Xが固定されている。本体部51のXY平面内の位置情報は、Y移動鏡22Y及びX移動鏡22Xそれぞれに測長ビームを照射し、その反射光を受光するレーザ干渉計を含む基板干渉計システム39(図1参照)によって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。なお、実際には、基板干渉計システム39は、Y移動鏡22Y、X移動鏡22Xそれぞれに対応したXレーザ干渉計、Yレーザ干渉計を有しているが、図1では、代表的にYレーザ干渉計のみが図示されている。
【0030】
本体部51は、図2に示されるように、Y粗動ステージ23Yに固定されたX固定子(例えば、コイルユニット)と、本体部51に固定されたX可動子(例えば、磁石ユニット)と、を含むローレンツ電磁力駆動方式のXボイスコイルモータ18xにより、Y粗動ステージ23Y上でX軸方向に微少ストロークで駆動される。Xボイスコイルモータ18xは、図2では不図示であるが、Y軸方向に所定間隔で複数(例えば3つ)設けられており、本体部51をθz方向にも駆動できる。また、図1に示されるように、本体部51は、Y粗動ステージ23Yに固定されたY固定子と、本体部51に固定されたY可動子と、を含むローレンツ電磁力駆動方式のYボイスコイルモータ18yにより、Y粗動ステージ23Y上でY軸方向に微少ストロークで駆動される。Yボイスコイルモータ18yは、X軸方向に所定間隔で複数(例えば3つ)設けられており、本体部51をθz方向にも駆動できる。また、本体部51は、Y粗動ステージ23Yに固定されたZ固定子と、本体部51に固定されたZ可動子と、を含むローレンツ電磁力駆動方式のZボイスコイルモータ18zにより、Y粗動ステージ23Y上でZ軸方向に微少ストロークで駆動される。また、Zボイスコイルモータ18zは、例えば本体部51の四隅部に対応する位置に配置されており、本体部51をθx方向、及び/又はθy方向にも駆動できる。なお、図面の錯綜を避ける観点から、図1ではXボイスコイルモータの図示が省略されている。以上の構成により、本体部51は、投影光学系PL(図1参照)に対し、Y粗動ステージ23YとともにXY2軸方向に長ストロークで移動(粗動)可能、且つ6自由度方向(X軸、Y軸、Z軸、θx、θy、θzの各方向)に微少ストロークで移動(微動)可能となっている。レベリング装置52は、本体部51の下面に形成された凹部51a内に、その上部が収容されている。レベリング装置52の構成については、後述する。
【0031】
次に重量キャンセル装置40の構成について説明する。図1及び図2から分かるように、重量キャンセル装置40は、Z軸方向に延設された一本の柱状の部材から成り(心柱とも称される)、レベリング装置52を介して本体部51の中央部を下方から支持している。重量キャンセル装置40は、X粗動ステージ23Xの開口部23Xa内、及びY粗動ステージ23Yの開口部23Ya内に挿入されている。重量キャンセル装置40は、図2に示されるように、筐体41、空気ばね42、及びZスライダ43を有している。
【0032】
筐体41は、+Z側に開口する有底の筒状部材から成る。筐体41は、その下面(底面)に取り付けられた、複数の気体静圧軸受、例えば3つのエアベアリング44により、定盤12上に所定のクリアランスを介して非接触(浮上)状態で載置されている。以下、筐体41に取り付けられたエアベアリング44を、特にベースパッド44と称して説明する。また、筐体41は、図2に示されるように、板ばね(あるいは、ばね性を有しない薄い鋼板)を含む複数の連結装置45(フレクシャ装置とも称される)によりY粗動ステージ23Yに機械的に接続されている。連結装置45は、図3(A)に示されるように、筐体41の+X側、−X側,+Y側,及び−Y側それぞれに設けられ、筐体41とY粗動ステージ23Yとを、重量キャンセル装置40のZ軸方向に関する重心付近の高さ位置(重心高さ)で接続している。筐体41は、Y粗動ステージ23Yに連結装置45を介して牽引されることにより、Y粗動ステージ23Yと一体的にX軸方向、及び/又はY軸方向に、水平面に平行に定盤上12を移動する。複数の連結装置45それぞれと筐体41とは、ボールジョイントを介して接続されており、筐体41のZ軸方向に関する位置は、Y粗動ステージ23Xに拘束されないようになっている。また、複数の連結装置45それぞれと筐体41とは、上述したボールジョイントにより着脱可能に接続されている。
【0033】
空気ばね42は、筐体41内の最下部に収容されている。空気ばね42の内部は、図示しない気体供給装置(例えば、コンプレッサ)から圧縮気体(例えば、空気)が供給されることにより、外部に比べて圧力の高い陽圧空間となっている。重量キャンセル装置40は、空気ばね42が発生する上向き(+Z方向)の力で、その支持対象物、具体的には、Zスライダ43、微動ステージ50(及び基板P)の重量(重力加速度による下向き(−Z方向)の力)を打ち消すことにより、上述した複数のZボイスコイルモータ18zの負荷を低減する。
【0034】
Zスライダ43は、筐体41の内部に収容された筒状の部材から成り、XY平面に平行な板部材46を介して空気バネ42上に載置されている。重量キャンセル装置40は、Zボイスコイルモータ18zにより駆動される微動ステージ50のZ軸方向に関する位置(Z位置)に応じて、適宜空気バネ42の内圧を変化させることにより、Zスライダ43を上下動させる。なお、空気ばね42のばね定数が小さい場合には、Zスライダ43の位置変化による発生力の変化も小さいので、空気ばね42の内圧を変化させなくても良い。
また、板部材46は、筐体41の周壁面部に形成された開口部41aから、筐体41の外側に突き出した複数の突出部47を有している。筐体41の外周面には、複数の突出部47に対応して、開口部41aの+Z側、及び−Z側にそれぞれストッパ48が固定されており、そのストッパ48によりZスライダ43のZ軸方向に関する移動範囲が規定されている。
【0035】
Zスライダ43は、その上端面に取り付けられた不図示のエアベアリングから噴出される気体の静圧により、レベリング装置52を下方から所定のクリアランスを介して非接触支持している。従って、微動ステージ50と重量キャンセル装置40とは、X軸、及びY軸方向に関して振動的に分離されている。レベリング装置52は、Zスライダ43により下方から支持されるベース54と、ベース54と本体部51との間に配置されたボール55とを含む。ボール55は、その上部が凹部51aの天井面に形成された半球状の凹部内に収容され、その下部がベース54の上面に形成された半球状の凹部内に収容されている。これにより、本体部51がベース54に対して揺動可能(水平面に平行な軸線周りに揺動(チルト動作)可能)に支持される。レベリング装置52は、本体部51からの脱落を防止する不図示の脱落防止装置により、本体部51の水平面に対するチルト動作を阻害しないような状態で、本体部51から吊り下げ支持されている。
【0036】
微動ステージ50の重量キャンセル装置40に対するZ軸方向、θx、θy方向それぞれの位置情報(Z軸方向の移動量、及び水平面に対するチルト量)は、微動ステージ50の下面に固定された複数のレーザ変位センサ61(Zセンサとも称される)により、重量キャンセル装置40の筐体41にアーム部材49を介して固定されたターゲット62を用いて求められる。レーザ変位センサ61は、少なくとも同一直線上にない3箇所に設けられている。
【0037】
また、基板ステージ装置PSTは、微動ステージ50のY粗動ステージ23Yに接近する方向(−Z方向)への相対移動を規制するZストッパ65を有している。Zストッパ65は、少なくとも3つ設けられ、同一直線上にない3箇所に配置されている。Zストッパ65は、Y粗動ステージ23Yの上面から上方に(微動ステージ50に向けて)突き出して形成された下側ストッパ部材66と、本体部51の下面から下方に(Y粗動ステージ23Yに向けて)突き出して形成された上側ストッパ部材67とを含む。なお、Zストッパ65は、重量キャンセル装置40を基板ステージ装置PSTから取り外す際に用いられるものであり、例えば露光動作中の微動ステージ50のチルト動作を阻害しないように、下側ストッパ部材66の上端面と上側ストッパ部材67の下端面との間には、微動ステージ50が複数のZボイスコイルモータ18zによる駆動範囲の中立位置にある状態で、所定のクリアランス(例えば、5mm程度)が形成されている。
【0038】
上述のようにして構成された液晶露光装置10(図1参照)では、不図示の主制御装置の管理の下、不図示のマスクローダによって、マスクステージMST上へのマスクMのロード、及び不図示の基板ローダによって、基板ステージ装置PST上への基板Pのロードが行なわれる。その後、主制御装置により、不図示のアライメント検出系を用いてアライメント計測が実行され、アライメント計測の終了後、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。なお、この露光動作は従来から行われているステップ・アンド・スキャン方式と同様であるのでその詳細な説明は省略するものとする。
【0039】
ここで、上記露光動作時、アライメント動作時、基板交換動作時など(以下、通常使用時と称して説明する)において、微動ステージ50は、X軸及びY軸方向に所定ストロークで移動し、重量キャンセル装置40は、微動ステージ50に追従してX軸及びY軸方向に所定ストロークで移動する。そして、定盤12は、重量キャンセル装置40がXY平面に沿って移動する際、そのX軸及びY軸方向に関する寸法は、通常使用時に重量キャンセル装置40が定盤12から脱落しないような長さに設定されている。
【0040】
これに対し、本実施形態の基板ステージ装置PSTでは、図3(A)に示されるように、一対のベースフレーム14は、定盤12の+X側の端部よりもさらに+X側に延びている。そして、一対のベースフレーム14は、ストッパ17が取り外された状態で、図3(B)に示されるように、重量キャンセル装置40が定盤12上から外れる位置(定盤12の外側の領域)までX粗動ステージ23Xが移動可能となるように、その長手方向の寸法が設定されている。なお、ストッパ17が取り付けられた状態では、X粗動ステージ23Xの+X方向への移動が制限され、重量キャンセル装置40は、定盤12上から外れない。
【0041】
このように、本実施形態の基板ステージ装置PSTでは、X粗動ステージ23Xをベースフレーム14上に搭載したまま、重量キャンセル装置40を定盤12上から外れた位置に位置させることができるため、重量キャンセル装置40のメンテナンス(例えば、ベースパッド44、アーム部材49(図2参照)、Zスライダ43の上面に取り付けられたエアベアリング(図示省略)の調整、清掃など)を、X粗動ステージ23Xの下方に潜り込むことで(すなわち、重量キャンセル装置40をXYステージ23から取り外すことなく)行うことができる。なお、重量キャンセル装置40をY粗動ステージ23Yに連結する複数の連結装置45は、Z軸方向に関する剛性が低いため、実際に重量キャンセル装置40を図3(B)に示される定盤12上から外れた位置に位置させる際には、不図示の締結治具を用いて重量キャンセル装置40をY粗動ステージ23Y、あるいはX粗動ステージ23Xに連結して、そのZ軸方向の位置を拘束すると良い。
【0042】
また、本実施形態の基板ステージ装置PSTでは、重量キャンセル装置40が定盤12上から外れた位置に位置させることができるため、重量キャンセル装置40の交換をX粗動ステージ23Xの開口部23Xa内、及びY粗動ステージ23Yの開口部23Ya内から、下方に抜き取ることにより(すなわち、微動ステージ50をXYステージ23上から取り除くことなく)行うことができる。以下、基板ステージ装置PSTにおける重量キャンセル装置40の交換手順を図4(A)〜図6を用いて説明する。
【0043】
図4(A)に示されるように、重量キャンセル装置40の交換作業は、運搬台車90を用いて行われる。運搬台車90は、平板状の部材から成るベース91と、重量キャンセル装置40が載置されるテーブル部材92と、ベース91上に搭載され、テーブル部材92を上下動させる昇降装置93とを含む。ベース91は、その下面に複数の車輪94が取り付けられ、床面11上を移動自在となっている。また、ベース91には、基板ステージ装置PSTのメンテナンス作業を行う作業者など(以下、単に作業者と称して説明する)により操作されるハンドル95が取り付けられている。テーブル部材92は、XY平面に平行な平板状の部材から成る。昇降装置93は、複数のリンク部材により構成されるZ軸方向に伸縮可能なパンタグラフ機構と、そのパンタグラフ機構を伸縮させる不図示のアクチュエータとを含む。
【0044】
重量キャンセル装置40の交換作業では、先ず図4(A)に示されるように、X粗動ステージ23Xが+X方向に駆動され、重量キャンセル装置40が定盤12の+X側の縁部上に位置される。なお、重量キャンセル装置40を交換作業を行う際の重量キャンセル装置40のY軸方向に関する位置は、特に限定されず、例えば図3(B)に示されるように、Y軸方向に関する中央部に位置させても良いし、その他の位置に位置させても良い。
【0045】
次いで、図4(B)に示されるように、作業者(図示省略)により運搬台車90が定盤12の+X側に、定盤12に隣接して配置される。運搬台車90は、テーブル部材92の上面のZ軸方向に関する位置(Z位置)が定盤12の上面のZ位置とほぼ同じとなるように昇降装置93が操作される。
【0046】
この後、重量キャンセル装置40の空気ばね42に対する圧縮気体の供給が停止される。これにより、重量キャンセル装置40が発生する+Z向きの力と微動ステージ50及びZスライダ43の重量(−Z向きの力)との釣り合いが取れなくなり、図5(A)に示されるように、Zスライダ43,及び微動ステージ50が降下する。この際、Zストッパ65の下側ストッパ部材66と上側ストッパ部材67とが当接することにより、微動ステージ50がY粗動ステージ23Yに下方から機械的に支持される。なお、Zスライダ43が降下すると、Zスライダ43の上面に取り付けられたエアベアリングの軸受面とベース54の下面とのクリアランスが広がるが、不図示の脱落防止装置の作用により、レベリング装置52が本体部51から脱落することが防止される。
【0047】
次いで、ベースフレーム14の本体部14aに固定された+X側のストッパ17(図5(A)では不図示。図4(B)参照)が作業者により取り外される。そして、図5(A)に示されるように、X粗動ステージ23Xが+X方向に駆動されることにより重量キャンセル装置40が+X方向に案内され、これによりその重量キャンセル装置40が定盤12上から外れ、運搬台車90のテーブル部材92上に位置する。ここで、重量キャンセル装置40は、図5(A)に示される状態で、微動ステージ50の重量を支持していないので、複数のベースパッド44に作用する負荷が小さくなり、これに応じてベースパッド44の軸受面と定盤12の上面との間の隙間も広くなる。従って、仮にテーブル部材92の上面と定盤12の上面のZ位置とが厳密に一致しておらず、微少な段差が形成されていても、スムーズに重量キャンセル装置40を定盤12上から運搬台車90上に載せ替えることができる。
【0048】
この後、図5(B)に示されるように、重量キャンセル装置40は、運搬台車90のテーブル部材92上に位置した状態で、ベースパッド44に対する圧縮気体の供給が停止され、テーブル部材92に載置される。また、重量キャンセル装置40は、アーム部材49(図5(B)では不図示。図5(A)参照)が取り外されるとともに、連結部材45が取り外される。これにより、重量キャンセル装置40がY粗動ステージ23Yの開口部23Ya内、及びX粗動ステージ23Xの開口部23Xa内を通過可能となる。この後、テーブル部材92が降下されることにより、重量キャンセル装置40が降下して、Y粗動ステージ23Yの開口部23Ya内、及びX粗動ステージ23Xの開口部23Xa内から抜き取られる。ここで、運搬台車90は、テーブル部材92を最も−Z側に位置させたときに、そのテーブル部材92上に載置された重量キャンセル装置40の上端部がX粗動ステージ23Xの下面よりも−Z側に位置するように可動範囲(ストローク)が設定されている。これにより、図6に示されるように、運搬台車90を+X方向に移動させることで、重量キャンセル装置40をX粗動ステージ23Xの下方から取り出すことができる。従って、重量キャンセル装置40の分解などを容易に行うことができる。なお、メンテナンス完了後に重量キャンセル装置40を基板ステージ装置PSTに組み付ける作業は、上記図4(A)〜図6に示される順とは逆の手順で行われるため、説明を省略する。また、図6に示される、重量キャンセル装置40が基板ステージ装置PSTから取り外された状態でレベリング装置52などのメンテナンスなどを行っても良い。
【0049】
以上説明した本実施形態に係る基板ステージ装置PSTによれば、重量キャンセル装置40をXYステージ23に組み付けたまま定盤12上から外れた位置に位置させることができるので、容易かつ迅速にその重量キャンセル装置40のメンテナンス(交換を含む)を行うことができる。また、重量キャンセル装置40のメンテナンスを行う際、微動ステージ50、X粗動ステージ23X、及びY粗動ステージ23Yを分解する必要がない(相対的な位置関係が変わらない)ので、微動ステージ50、X粗動ステージ23X、及びY粗動ステージ23Yの位置調整作業などが不要となる。
【0050】
なお、上記実施形態の基板ステージ装置PSTの構成、重量キャンセル装置40の交換方法などは、一例であって、本発明がこれに限定されるものではない。以下、上記実施形態のいくつかの変形例について、重量キャンセル装置の交換方法を中心として説明する。
【0051】
《第1の変形例》
図7(A)〜図8(B)は、第1の変形例に係る重量キャンセル装置の交換手順が示されている。第1の変形例では、重量キャンセル装置40の交換作業で使用される運搬台車90aの構成が上記実施形態と異なる。なお、基板ステージ装置PSTの構成は、上記実施形態と同じである。
【0052】
運搬台車90aは、上記実施形態と同様にベース91,テーブル部材92,昇降装置93、車輪94、ハンドル95などを有している。運搬台車90aでは、テーブル部材92の上面に複数のアーム部材96が固定されている。なお、図7(A)では、複数のアーム部材96は、紙面奥行き方向に重なっている。複数のアーム部材96それぞれは、図7(A)において、X軸方向に延びる板状部材から成り、テーブル部材92の−X側の端部から−X側(ハンドル95とは反対側の方向)に突き出している。
【0053】
第1の変形例では、まず、図7(A)に示されるように、重量キャンセル装置40が定盤12の+X側の縁部上に位置された後、図7(B)に示されるように、運搬台車90aの複数のアーム部材96が重量キャンセル装置40の筐体41の下面と定盤12の上面との間に挿入される。この際、複数のアーム部材96が筐体41の下面に取り付けられた複数のベースパッド44に接触しないように、複数のアーム部材96の間隔が設定されている。この後、昇降装置93が駆動されて複数のアーム部材96が+Z方向に移動し、その複数のアーム部材96の上面と筐体41の下面とが当接する。また、アーム部材96により重量キャンセル装置40が下方から支持されるので、ベースパッド44への圧縮気体の供給が停止される。なお、重量キャンセル装置40の筐体41の下面側にアーム部材96を挿入するスペースがない場合には、例えば筐体41の外壁面に運搬用の治具を取り付け、その治具をアーム部材96により下方から支持すると良い。
【0054】
次いで、図8(A)に示されるように、XYステージ23が+X方向に駆動されることにより、重量キャンセル装置40が定盤12上から+X側に外れた位置に位置される。この際、運搬台車90aが、XYステージ23に連動して+X方向に移動する。なお、運搬台車90aは、作業者がXYステージ23と共に+X方向に移動させても良いし、重量キャンセル装置40との間の摩擦力により、重量キャンセル装置40と一体的に+X方向に移動させても良い。また、上記実施形態と同様に、空気ばね42対する圧縮気体の供給が停止されることにより、微動ステージ50がY粗動ステージ23YにZストッパ65を介して機械的に下方から支持される。また、重量キャンセル装置40は、連結装置45との接続が切り離されるとともに、アーム部材49が取り外される。
【0055】
この後、図8(B)に示されるように、運搬台車90aのテーブル部材92が−Z方向に駆動されることにより、テーブル部材92に固定された複数のアーム部材96により下方から支持された重量キャンセル装置40が−Z方向に移動する。
【0056】
以上説明した第1の変形例では、アーム部材96を用いて定盤12上で重量キャンセル装置40を下方から支持するので、重量キャンセル装置40を定盤12上から運搬台車90aに受け渡す作業が不要となる。従って、テーブル部材92の上面と定盤12の上面とのZ位置を合わせる作業が不要となり、重量キャンセル装置40を基板ステージ装置PSTから取り外す作業、及び重量キャンセル装置40と基板ステージ装置PSTに組み付ける作業を容易かつ迅速に行うことができる。また、テーブル部材92に重量キャンセル装置40が載置されないので、テーブル部材92の上面の平面度を高く仕上げる必要がない。
【0057】
《第2の変形例》
次に、第2の変形例に係る重量キャンセル装置の交換方法について図9(A)〜図9(C)を用いて説明する。なお、基板ステージ装置PSTの構成は、上記実施形態と同じである。
【0058】
本第2の変形例では、上記実施形態と同じ運搬台車90が用いられる。また、本第2の変形例では、重量キャンセル装置40が定盤12上と運搬台車90上との間で相互受け渡しされる際、図9(B)に示されるように、一対の搬送ユニット80が用いられる。
【0059】
搬送ユニット80は、長手方向寸法が幅方向寸法及び高さ方向寸法よりも大きい直方体状に形成された筐体81と、筐体81内に収容された複数の、いわゆるボール・トランスファー・ユニット82とを含む。複数のボール・トランスファー・ユニット82は、図9(A)に示されるように、筐体81の長手方向に沿って所定間隔で配列されている。また、搬送ユニット80において、ボール・トランスファー・ユニット82は、例えば配管部材83を介して外部から供給される圧縮気体により、重量キャンセル装置40を支持する回転自在のボールが筐体81に対して上下動可能に構成されている。なお、ボール・トランスファー・ユニットについては、例えば米国特許第7,007,787号明細書などに開示されている。
【0060】
本第2の変形例では、図9(B)に示されるように、ボールが筐体81内に収容された状態の一対の搬送ユニット80が重量キャンセル装置40の筐体41の外壁面に取り付けられた一対の運搬用治具89の下方にそれぞれ挿入される。このとき、一対の搬送ユニット80それぞれは、図9(A)に示されるように、一端側が定盤12上に載置され、他端側が運搬台車90のテーブル部材92上に載置される。すなわち、一対の搬送ユニット80は、定盤12と運搬台車90との間に架設される。なお、図9(B)では、ベースパッド44に対する圧縮気体の供給が停止され、重量キャンセル装置40が定盤12上に載置された状態で搬送ユニット80が運搬用治具89の下方に挿入されるが、これに限らず、重量キャンセル装置40が定盤12上に浮上した状態で搬送ユニット80が運搬用治具89の下方に挿入されても良い。
【0061】
次いで、図9(C)に示されるように、一対の搬送ユニット80それぞれに圧縮気体が供給され、ボール・トランスファー・ユニット82が有するボールが+Z方向に移動し、重量キャンセル装置40が+Z方向に持ち上げられる。これにより、ベースパッド44が定盤12から離間する。この後、XYステージ23が+X方向に駆動されると、これに応じて重量キャンセル装置40が一対の搬送ユニット80上を移動して定盤12上から運搬台車90上に受け渡される。この後、搬送ユニット80への圧縮気体の供給が停止され、重量キャンセル装置40がテーブル部材92上に載置され、一対の搬送ユニット80が運搬用治具89の下方から抜き取られる。以降、上記実施形態と同様に重量キャンセル装置40から連結装置45,及びアーム部材49(図9(A)参照)が筐体41から取り外され、テーブル部材92が−Z方向に駆動される。これにより、重量キャンセル装置40が基板ステージ装置PSTから取り出される。
【0062】
以上説明した第2の変形例では、重量キャンセル装置40が運搬台車90に受け渡される際に一対の搬送ユニット80上を移動するので、テーブル部材92の上面の平面度を高く仕上げる必要がない。また、運搬台車90と定盤12との間で重量キャンセル装置40の相互受け渡しを行う際、定盤12とテーブル部材92との間に隙間があっても良いので、運搬台車90の位置決め精度がラフで良く、重量キャンセル装置40の相互受け渡し作業を迅速に行うことができる。また、重量キャンセル装置40が複数の回転自在のボール上を移動するので、低発塵である。なお、搬送ユニット80は、ボールの替わりに筐体81の長手方向に直交する軸線周りに回転可能なローラを有していても良い。
【0063】
《第3の変形例》
次に、第3の変形例に係る重量キャンセル装置のメンテナンス方法について図10(A)及び図10(B)を用いて説明する。図10(A)に示されるように、第3の変形例に係る基板ステージ装置PSTaは、定盤12の+X側にメンテナンス用の補助台12aが設けられている。補助台12aの上面のZ位置は、定盤12の上面のZ位置とほぼ同じであり、補助台12aの上面と定盤12の上面とにより連続面が形成されている。補助台12aは、Y軸方向に関する寸法が定盤12よりも短く、かつ重量キャンセル装置40を安定して載置することができれば、その面積及び形状は特に限定されない。なお、補助台12aは、定盤12と一体的に形成(すなわち石材により形成)されていても良いし、定盤12とは別の部材でも良い。また、補助台12aは、定盤12と共に基板ステージ架台31(図2参照)上に搭載されていても良いし、床面11(図参照)上に設置されていても良い。ここで、補助台12aは、専ら重量キャンセル装置40のメンテナンスのために用いられるので、例えば露光動作などを行う際は、重量キャンセル装置40は、補助台12a上には位置しない。重量キャンセル装置40を補助台12a上に位置させる際は、上記実施形態と同様に、ベースフレーム14に固定されたストッパ17が取り外される。重量キャンセル装置40を含み、基板ステージ装置PSTaのその他の構成は、上記実施形態と同じである。
【0064】
本第3の変形例に係る基板ステージ装置PSTaでは、図10(B)に示される、重量キャンセル装置40を補助台12a上に載置した状態で、作業者がX粗動ステージ23Xの下方に潜り込むこと、及びX粗動ステージ23Xの開口部23Xa内に進入することができるので、重量キャンセル装置40のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0065】
《第4の変形例》
次に、第4の変形例に係る重量キャンセル装置の交換方法について、図11(A)及び図11(B)を用いて説明する。図11(A)に示されるように、第4の変形例に係る基板ステージ装置PSTbでは、上記第3の変形例と同様に定盤12の+X側に補助台12aが設けられている。ただし、補助台12aは、定盤12の+Y側の端部側に設けられており、一対のベースフレーム14間において、補助台12aの−Y側には広いスペースが形成されている。従って、運搬台車90aを一対のベースフレーム14間に挿入して、重量キャンセル装置40を基板ステージ装置PSTbから取り外すことができる。なお、理解を容易にするため、図11(A)及び図11(B)では、Y粗動ステージ23Yが一部破断して示されている。また、図11(A)では、運搬台車90aとして上記第1の変形例に係る運搬台車と同じもの(図7(A)参照))が用いられているが、上記実施形態に係る運搬台車90(図4(A)参照)、あるいは上記第2の変形例に係る方法(図9(A)参照)で重量キャンセル装置40を基板ステージ装置PSTbから取り外しても良い。なお、本第4の変形例では、重量キャンセル装置40が補助台12a上に載置された状態で、X粗動ステージ23Xは、その位置から+X方向に移動できないため、重量キャンセル装置40は、図11(B)に示されるように、−Y方向に移動することにより、補助台12aから降ろされ、Y粗動ステージ23Yが重量キャンセル装置40とともに−Y方向に駆動される。
【0066】
なお、上記実施形態及びその変形例に係る基板ステージ装置の構成、及び基板ステージ装置のメンテナンス方法などは、一例であって、本発明がこれに限定されるものではない。例えば、上記実施形態及びその変形例では、重量キャンセル装置40は、Y粗動ステージ23Yに牽引されることにより定盤12上を移動する構成であったが、重量キャンセル装置40は、例えばその一部(例えばZスライダ)が微動ステージに一体的に固定されていても良く、この場合であっても、その重量キャンセル装置を定盤から外れた位置に位置させることにより、作業者はメンテナンス作業を容易に行うことができる。また、上記実施形態及びその変形例では、重量キャンセル装置40を定盤12上から外れた位置に位置させることができるようにするために、X粗動ステージ23Xが搭載される一対のベースフレーム14が、予め定盤12よりも+X側に長く延びていたが、これに限らず、重量キャンセル装置40のメンテナンスのときにのみ、ベースフレーム(X粗動ステージ23Xの露光動作時における移動範囲のみをカバーする長さのベースフレーム)にX粗動ステージ23Xを直進案内するためのXリニアガイド部材を有する部材を継ぎ足しても良い。
【0067】
また、上記実施形態及びその変形例では、運搬台車を用いて重量キャンセル装置40を基板ステージ装置から外部に運搬(図6参照)したが、これに限らず、重量キャンセル装置40をX粗動ステージ23Xの下方に降下させた後(図5(B)参照)、XYステージ23を−X方向に移動させて重量キャンセル装置40の上方のスペースを解放し、この後、例えば重量キャンセル装置40を吊りり上げて運搬しても良い(あるいは、運搬せずにその場でメンテナンス作業を行っても良い)。
【0068】
また、露光装置で使用される照明光は、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの紫外光、あるいはF2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光であっても良い。また、照明光としては、例えばDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。また、固体レーザ(波長:355nm、266nm)などを使用しても良い。
【0069】
また、上記実施形態及びその変形例では、投影光学系PLが、複数本の光学系を備えたマルチレンズ方式の投影光学系である場合について説明したが、投影光学系の本数はこれに限らず、1本以上あれば良い。また、マルチレンズ方式の投影光学系に限らず、オフナー型の大型ミラーを用いた投影光学系などであっても良い。また、投影倍率が等倍系のものを用いる場合について説明したが、これに限らず、投影光学系は拡大系及び縮小系のいずれでも良い。
【0070】
また、上記実施形態及びその変形例では、プレートのステップ・アンド・スキャン動作を伴う走査型露光を行う投影露光装置に本発明が適用された場合について説明したが、これに限らず、本発明は、投影光学系を用いない、プロキシミティ方式の露光装置にも適用することができる。また、本発明は、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置(いわゆるステッパ)あるいはステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用することができる。また、移動体装置としては、露光装置以外の装置、例えばインクジェット式の機能性液体付与装置を備えた素子製造装置、基板の検査に用いる基板検査装置などであっても良い。
【0071】
なお、本発明に係る露光装置は、外径が500mm以上の基板が露光対象物である場合に特に有効である。
【0072】
また、露光装置の用途としては角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば半導体製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるマスク又はレチクルを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。なお、露光対象となる物体はガラスプレートに限られるものでなく、例えばウエハ、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど、他の物体でも良い。
【0073】
液晶表示素子(あるいは半導体素子)などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたマスク(あるいはレチクル)を製作するステップ、ガラス基板(あるいはウエハ)を製作するステップ、上述した各実施形態の露光装置、及びその露光方法によりマスク(レチクル)のパターンをガラス基板に転写するリソグラフィステップ、露光されたガラス基板を現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記実施形態の露光装置を用いて前述の露光方法が実行され、ガラス基板上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
以上説明したように、本発明の移動体装置のメンテナンス方法は、水平面に平行な所定平面に沿って移動体を含む移動体装置のメンテナンスを行うのに適している。また、本発明の移動体装置は、移動体を水平面に平行な所定平面に沿って移動させるのに適している。また、本発明の露光装置は、物体に高精度でパターンを形成するのに適している。また、本発明のデバイス製造方法は、マイクロデバイスの生産に適している。
【符号の説明】
【0075】
10…液晶露光装置、12…定盤、14…ベースフレーム、23X…X粗動ステージ、23Y…Y粗動ステージ、40…重量キャンセル装置、50…微動ステージ、90…運搬台車、P…基板、PST…基板ステージ装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平面に平行な所定平面に沿って移動可能な移動体を前記水平面に平行なガイド面を有する定盤上で下方から支持して前記移動体の重量をキャンセルする重量キャンセル装置を、前記水平面に平行な方向に移動させて前記定盤上の領域から前記定盤の外側の領域に位置させる工程と;
前記定盤の外側の領域で前記重量キャンセル装置のメンテナンスを行う工程と;を含む移動体装置のメンテナンス方法。
【請求項2】
前記位置させる工程では、前記移動体及び前記重量キャンセル装置を一体的に前記水平面に平行な方向に移動させる請求項1に記載の移動体装置のメンテナンス方法。
【請求項3】
前記位置させる工程では、前記重量キャンセル装置を前記定盤上で前記ガイド面に沿って案内する案内装置を用いて、前記重量キャンセル装置を前記定盤上の領域から前記定盤の外側の領域に移動させる請求項1又は2に記載の移動体装置のメンテナンス方法。
【請求項4】
前記位置させる工程では、前記定盤上から前記定盤に隣接する部材上に重量キャンセル装置を受け渡す請求項1〜3のいずれか一項に記載の移動体装置のメンテナンス方法。
【請求項5】
前記重量キャンセル装置を前記定盤に隣接する部材上に受け渡す前に、前記定盤に隣接する部材の上面と前記ガイド面とが同一平面上に位置するように位置合わせを行う工程をさらに含む請求項4に記載の移動体装置のメンテナンス方法。
【請求項6】
前記定盤に隣接する部材上に前記重量キャンセル装置を受け渡した後、該定盤に隣接する部材及び前記重量キャンセル装置を下方に移動させる工程をさらに含む請求項4又は5に記載の移動体装置のメンテナンス方法。
【請求項7】
前記定盤に隣接する部材及び前記重量キャンセル装置を下方に移動させた後、該定盤に隣接する部材及び前記重量キャンセル装置を前記定盤から離れる方向に移動させる工程をさらに含む請求項6に記載の移動体装置のメンテナンス方法。
【請求項8】
前記位置させる工程の前に前記定盤と前記定盤に隣接する部材との間に架設部材を架設する工程をさらに含み、
前記位置させる工程では、前記重量キャンセル装置を前記架設部材上を移動させる請求項4〜7のいずれか一項に記載の移動体装置のメンテナンス方法。
【請求項9】
前記位置させる工程では、前記重量キャンセル装置を前記架設部材に設けられた転動体上で移動させる請求項8に記載の移動体装置のメンテナンス方法。
【請求項10】
前記位置させる工程では、前記定盤上に位置する重量キャンセル装置を保持し、該重量キャンセル装置を前記定盤の外側の領域に運搬する運搬装置が用いられる請求項1〜3のいずれか一項に記載の移動体装置のメンテナンス方法。
【請求項11】
前記重量キャンセル装置を前記定盤の外側の領域に運搬した後に、該重量キャンセル装置を前記運搬装置を用いて下方に移動させる工程をさらに含む請求項10に記載の移動体装置のメンテナンス方法。
【請求項12】
前記重量キャンセル装置を下方に移動させた後、該重量キャンセル装置を前記運搬装置を用いて前記定盤から離れる方向に移動させる工程をさらに含む請求項11に記載の移動体装置のメンテナンス方法。
【請求項13】
水平面に平行な所定平面に沿って移動可能な移動体と;
前記水平面に平行なガイド面を有する定盤上で前記移動体を下方から支持して前記移動体の重量をキャンセルする重量キャンセル装置と;
前記重量キャンセル装置を前記定盤上の領域から前記定盤の外側の領域へ前記水平面に平行な平面に沿って案内する案内装置と;を備える移動体装置。
【請求項14】
前記案内装置は、前記重量キャンセル装置と前記移動体とを一体的に前記水平面に平行な平面に沿って案内する請求項13に記載の移動体装置。
【請求項15】
前記案内装置は、前記重量キャンセル装置を前記定盤上で前記ガイド面に沿って案内する請求項13又は14に記載の移動体装置。
【請求項16】
前記案内装置は、前記定盤上から前記定盤に隣接する部材上に重量キャンセル装置を受け渡す請求項13〜15のいずれか一項に記載の移動体装置。
【請求項17】
前記定盤に隣接する部材の前記重量キャンセル装置が載置される面と、前記定盤の前記ガイド面とが同一平面上に位置する請求項16に記載の移動体装置。
【請求項18】
前記定盤に隣接する部材は、前記定盤に一体的に設けられる請求項16又は17に記載の移動体装置。
【請求項19】
前記重量キャンセル装置は、前記水平面内の第1軸方向に移動することにより、前記定盤上から前記定盤に隣接する部材上に移動し、
前記定盤に隣接する部材は、前記定盤の前記第1軸方向の端部において、前記水平面内で前記第1軸に直交する前記第2軸方向に関する一側に設けられる請求項16〜18のいずれか一項に記載の移動体装置。
【請求項20】
エネルギビームにより物体を露光する露光装置であって、
前記物体が前記移動体上に載置される請求項13〜19のいずれか一項に記載の移動体装置と;
前記物体にエネルギビームを照射して前記物体上にパターンを生成するパターン生成装置と;を備える露光装置。
【請求項21】
前記物体は、フラットパネルディスプレイ装置に用いられる基板である請求項20に記載の露光装置。
【請求項22】
前記基板は、少なくとも一辺の長さが500mm以上である請求項21に記載の露光装置。
【請求項23】
請求項20〜22のいずれか一項に記載の露光装置を用いて前記物体を露光することと;
前記露光された前記物体を現像することと;を含むデバイス製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−133735(P2011−133735A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−294258(P2009−294258)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】