移動体通信端末、および、プログラム
【課題】 移動体端末等で良好な音楽再生をおこなう。
【解決手段】 記憶部170あるいはメモリカード175は、少なくとも1以上のトラックで構成されている音楽データと、各トラックの属性情報と複数トラック間の接続情報とを含む管理情報を対応づけて格納する。音楽データ削除部162は、音楽データをトラック単位で削除する。音楽データの削除途中で、音声通信部123が音声通話の着信を検出すると、音楽データ削除部162は、削除処理を中断する。削除途中で中断した音楽データを再生する場合、音楽データ読書部161は、管理情報として記録されている、各楽曲を構成するトラックそれぞれの属性と、複数トラック間の接続関係を示す接続情報とに基づいて、音楽データの削除が中断された楽曲を特定し、再生部163は、特定された楽曲の最終トラックをフェードアウト再生する。
【解決手段】 記憶部170あるいはメモリカード175は、少なくとも1以上のトラックで構成されている音楽データと、各トラックの属性情報と複数トラック間の接続情報とを含む管理情報を対応づけて格納する。音楽データ削除部162は、音楽データをトラック単位で削除する。音楽データの削除途中で、音声通信部123が音声通話の着信を検出すると、音楽データ削除部162は、削除処理を中断する。削除途中で中断した音楽データを再生する場合、音楽データ読書部161は、管理情報として記録されている、各楽曲を構成するトラックそれぞれの属性と、複数トラック間の接続関係を示す接続情報とに基づいて、音楽データの削除が中断された楽曲を特定し、再生部163は、特定された楽曲の最終トラックをフェードアウト再生する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体通信端末、および、プログラムに関し、特に、携帯電話などの移動体通信端末での音楽再生に好適な移動体通信端末、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子技術や情報技術の発展に伴い、携帯電話機などの移動体通信端末の小型化・高性能化が進んでいる。この結果、基本機能である音声通話機能以外の様々な付加機能を搭載した移動体通信端末が広く利用されている。
【0003】
このような付加機能の1つに音楽再生機能がある。近時のデジタル技術の向上により、小型の機器で高品質な音楽再生が可能となり、この機能を移動体通信端末に搭載することで、付加価値のある製品が提供されている。デジタルデータを用いた音楽再生機能では、インターネットなどの通信ネットワークを介して音楽データを配信することができるので、通信機能を有する移動体通信端末には特に好適な付加機能となっている。
【0004】
これらの機能が充実することにより利便性や多様性が向上するものの、あくまでも付加機能であるため、移動体通信端末では、基本機能である通話機能が優先されるべきである。よって、多くの移動体通信端末では、付加機能の実行中に着信などが発生した場合には、付加機能の実行を中断して通話機能に切り替えるよう動作している。
【0005】
このような場合、実行していた機能が中断されてしまうことによって、不都合が生じることもある。例えば、着信により中断された音楽再生に復帰する際には、中断時に再生していた楽曲から再生するためのユーザ操作が必要となる場合がある。このような不都合を解消するために、例えば、特許文献1に示すような、中断時に再生していた楽曲から自動的に再生する手法などが提案されている。すなわち、通話機能を優先するための付加機能の実行中断は、何らかの不都合を生じさせる場合が多く、付加機能が充実するに伴い、様々な不都合が生じることになる。
【0006】
音楽再生機能だけをみても、技術進歩に伴ってその性能が向上しており、機能が拡張している。例えば、記憶媒体(メモリカードや内蔵メモリなど)の小型大容量化は、より多くの楽曲データを記憶可能にしている。また、楽曲数を多くできるだけでなく、データ量の大きい楽曲も格納可能となる。これにより、1つの楽曲全体が再生可能になったり、高音質化のためにデータ量が大きくなった楽曲なども再生可能となっている。このようなデータ量の大きい楽曲データは、効率的に配信できるよう、複数の分割されたデータで構成されることがある。この場合、1つの楽曲についての複数のデータを順次再生していくことで、1つの楽曲として再生することができる。
【0007】
このような、より多くの楽曲を格納できる状況においては、移動体通信端末であっても、専用の音楽再生機器と同等の機能がなければユーザビリティが低下してしまう。よって、例えば、蓄積した多くの楽曲の中からユーザの好む曲順などを指定し、指定した楽曲を連続して再生する機能なども備えられている。また、新たな楽曲データを取得して追加したり、不要な楽曲のデータを削除したりすることもユーザが自由におこなうことができる。ここで、削除対象が複数の分割データで構成されている楽曲である場合、通常、分割データ単位に順次データを削除することになる。
【0008】
このような削除動作をおこなっている最中に着信などが発生すると、削除動作を中断して通話機能に切り替わることになる。ここで、複数の分割データで構成されている楽曲を分割データ単位で削除している途中で割り込みが発生した場合、当該楽曲については、一部の分割データが残った状態で削除動作が中断されてしまう。よって、後に当該楽曲が再生された際には、曲の途中で再生音が途切れることになり、特に、複数の楽曲を連続再生している場合には聞き苦しいものとなってしまう。
【特許文献1】特開2001−346261号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、楽曲データの削除作業中に中断が生じた場合でも、良好な再生をおこなうことができる移動体通信端末等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる移動体通信端末は、
音楽再生機能を有する移動体通信端末であって、
少なくとも1以上のトラックで構成されている音楽データと、各トラックの属性情報と複数トラック間の接続情報とを含む管理情報を対応づけて格納する記憶手段と、
前記記憶手段に格納されている音楽データをトラック単位で削除する音楽データ削除手段と、
通信機能にかかる着信を検出する着信検出手段と、
前記着信検出手段による着信の検出に応じて、前記音楽データ削除手段による音楽データの削除を中断させる割り込み手段と、
前記記憶手段に格納されている音楽データを再生する再生手段と、を備え、
前記再生手段は、
再生する楽曲の管理情報に基づいて、音楽データの削除が中断した楽曲を特定する中断楽曲特定手段と、
前記中断楽曲特定手段が特定した楽曲をフェードアウト再生するフェードアウト手段と、をさらに備える、
ことを特徴とする。
【0011】
上記移動体通信端末において、
前記属性情報は、少なくとも、各トラックの位置情報を含み、
前記接続情報は、当該トラックに続くトラックがいずれであるかを示す情報を含み、
前記中断楽曲特定手段は、前記属性情報と前記接続情報とに基づいて、それぞれが複数トラックで構成されている楽曲のうち、音楽データの削除が中断された楽曲を特定することが望ましい。
【0012】
上記移動体通信端末において、
前記音楽データ削除手段は、一の楽曲を構成する複数トラックの終端トラックから順にトラック単位で、対応する音楽データと管理情報とを削除し、
前記中断楽曲特定手段は、所定の識別情報を、構成トラックが中断している楽曲の最終トラックと対応づけて前記記憶手段に記録し、
前記フェードアウト手段は、前記識別情報に対応するトラックをフェードアウト再生することが望ましい。
【0013】
上記移動体通信端末において、
前記フェードアウト手段は、音楽データの削除が中断した楽曲の再生音量を調節することでフェードアウト再生することが望ましい。
【0014】
上記移動体通信端末において、
前記中断楽曲特定手段は、音楽データの削除が中断された楽曲の音楽データを、当該楽曲がフェードアウト再生されるよう加工するデータ加工手段をさらに備えていることが望ましい。
【0015】
上記移動体通信端末は、
フェードアウト再生した楽曲の削除続行をユーザに問い合わせる情報を表示出力する表示手段と、
ユーザの指示を入力する入力手段と、をさらに備えていることが望ましく、この場合、
前記音楽データ削除手段は、前記入力手段によりフェードアウト再生した楽曲の削除続行が指示された場合、当該楽曲の音楽データ削除を続行することが望ましい。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかるプログラムは、
移動体通信端末を制御するコンピュータに、
少なくとも1以上のトラックで構成されている音楽データと、各トラックの属性情報と複数トラック間の接続情報とを含む管理情報を対応づけて記憶媒体に格納する機能と、
前記記憶媒体に格納されている音楽データのうち、複数トラックで構成されている楽曲についての音楽データと管理情報を、当該楽曲の終端トラックから順にトラック単位で削除する機能と、
着信に基づく割り込みに応じて、音楽データの削除処理を中断する機能と、
前記記憶媒体に格納されている音楽データを再生する際に、各トラックの属性情報と接続情報とに基づいて、音楽データの削除が中断された楽曲の最終トラックをフェードアウト再生する機能と、
フェードアウト再生した場合に、当該楽曲の削除を続行するか否かをユーザに問い合わせる機能と、
ユーザが削除続行を指示した場合に、当該楽曲のデータ削除を続行する機能と、
を実現させることを特徴とする。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点にかかるプログラムは、
移動体通信端末を制御するコンピュータに、
少なくとも1以上のトラックで構成されている音楽データと、各トラックの属性情報と複数トラック間の接続情報とを含む管理情報を対応づけて記憶媒体に格納する機能と、
前記記憶媒体に格納されている音楽データのうち、複数トラックで構成されている楽曲についての音楽データと管理情報を、当該楽曲の終端トラックから順にトラック単位で削除する機能と、
着信に基づく割り込みに応じて、音楽データの削除処理を中断する機能と、
前記記憶媒体に格納されている音楽データを再生する際に、音楽データの削除が中断された楽曲の最終トラックがフェードアウト再生されるよう、前記記憶媒体に格納されている当該トラックの音楽データを加工する機能と、
前記記憶媒体に格納されている音楽データを再生する機能と、
フェードアウト再生した場合に、当該楽曲の削除を続行するか否かをユーザに問い合わせる機能と、
ユーザが削除続行を指示した場合に、当該楽曲のデータ削除を続行する機能と、
を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、音楽再生機能を有する移動体通信端末(携帯電話機など)において、1曲を複数のトラック(データファイル)で構成する楽曲をトラック単位で削除する途中で、通話機能にかかる着信などが発生した場合、割り込み処理によって音楽データの削除を中断する。音楽データを再生する場合、トラックの位置情報などを示す属性情報と、トラック間の接続関係を示す接続情報とに基づいて、音楽データの削除が中断された楽曲がいずれであるかを特定する。そして、データ削除が中断された楽曲が特定された場合、当該楽曲をフェードアウト再生するので、再生音が途切れることのない良好な再生とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明にかかる実施形態を説明する。ここでは、本発明を移動体通信端末で実現した場合を例に以下説明する。
【0020】
本発明の実施形態にかかる移動体通信端末100は、例えば、携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)などといった移動体通信用の端末装置(電話機)であり、基本機能である音声通話機能の他に、少なくとも、音楽再生機能を備えているものとする。図面を参照して、移動体通信端末100の構成を以下説明する。
【0021】
図1は、本実施形態にかかる移動体通信端末100の外観を示す模式図である。移動体通信端末100の外観上の構成には、図1に示すような、アンテナ121、入力部130、表示部140、スピーカ151、マイクロフォン152、スピーカ164、などが含まれる。図2を参照して移動体通信端末100の内部構成を説明する。
【0022】
図2は、移動体通信端末100の内部構成を示すブロック図である。図示するように、本実施形態にかかる移動体通信端末100は、制御部110、通信制御部120、入力部130、表示部140、音声コーデック部150、音楽再生処理部160、記憶部170、カードIF(インタフェース)部180、などから構成される。
【0023】
制御部110は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)などから構成され、移動体通信端末100の各部を制御することで、各部間の連携動作などを実現する。
【0024】
通信制御部120は、移動体通信端末100による通信にかかる処理をおこなうものであり、図2に示すように、無線部122、音声通信部123、データ通信部124、通信IF(インタフェース)部125、などから構成される。
【0025】
無線部122は、所定の無線送受信回路などから構成され、アンテナ121との協働により、移動体通信端末100による音声通話やデータ通信に必要な無線通信をおこなう。より詳細には、移動体通信端末100と所定の基地局との無線通信をおこなうことで、移動体通信端末100の通信機能を実現する。
【0026】
音声通信部123は、所定の通信回路などから構成され、移動体通信端末100による音声通話にかかる通信処理をおこなう。より詳細には、無線部122との協働により、所定の移動体通信網を介しての音声通信をおこなうための処理をおこなう。より詳細には、無線部122との協働により、音声通話における発呼や着信にかかる動作をおこなう。また、本実施形態にかかる移動体通信端末100は、デジタル方式による音声通信をおこなうものとする。
【0027】
データ通信部124は、所定の通信回路などから構成され、移動体通信端末100によるデータ通信にかかる通信処理をおこなう。本実施形態では、少なくとも、インターネットを介したデータ通信により、音楽データのダウンロードをおこなうためのデータ通信をおこなう。例えば、データ通信部124は、ウェブサイトにアクセスするためのブラウザ機能などを備えることで、音楽データの配信サイトなどからの音楽データのダウンロードを可能にする。
【0028】
通信IF部125は、移動体通信端末100が他の情報処理装置等と通信するためのインタフェース装置であり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やIrDA(Infrared Data Association)、Bluetooth、などといった、電子機器間の通信に関する所定の規格に基づいたインタフェース装置によって構成される。本実施形態では、例えば、パーソナルコンピュータや他の移動体通信端末装置などから音楽データ取得する場合などに通信IF部125が用いられる。この場合、例えば、接続された他の装置内に記録されている音楽データを取得することができる他、接続された他の装置がCD(Compact Disc)などの記録媒体を駆動することにより、当該記録媒体に格納されている音楽データなどを取得してもよい。
【0029】
入力部130は、ユーザ操作による移動体通信端末100への入力をおこなうものであり、例えば、図1に示すように、カーソル移動や項目選択、あるいは、入力事項の確定指示などをおこなうための十字キー131や、機能などを指定するための機能ボタン群132、数字や文字などを入力するための文字キー群133、などから構成され、ユーザによって操作されることで、文字入力や種々の選択指示などをおこなう。入力部130は、ユーザによる操作に応じた入力信号を制御部110に入力する。
【0030】
表示部140は、例えば、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)などから構成され、移動体通信端末100が備える種々の機能に応じた画面を表示する。本実施形態では、制御部110により表示部140が制御されるものとする。この場合、制御部110が、表示する画面を随時作成し、表示部140の表示制御をおこなうことで、表示部140に画面表示される。
【0031】
音声コーデック部150は、移動体通信端末100の音声通話などにおける音声入出力にかかる処理をおこなうものであり、所定のコーデック(codec)回路などから構成される。本実施形態にかかる移動体通信端末100は、デジタル方式による音声通信をおこなうので、音声コーデック部150は、音声通話時に入出力される音声のコーディング(符号化)およびデコード(復号)をおこなう。すなわち、音声通信部123が受信したデジタル音声データをデコードし、アナログ信号に変換してスピーカ151から出力するとともに、マイクロフォン152から入力されたアナログ音声信号を符号化し、デジタルデータに変換して音声通信部123に供給する。
【0032】
音楽再生処理部160は、例えば、デジタル音楽データを処理するためのASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)などから構成され、移動体通信端末100の音楽再生機能にかかる処理をおこなう。図2に示すように、音楽再生処理部160は、音楽データ読書部161、音楽データ削除部162、再生部163、などから構成される。
【0033】
音楽データ読書部161は、記憶部170やメモリカード175(詳細後述)などに格納されている音楽データの読み出しや書き込みをおこなう。すなわち、音楽再生時には、再生対象となる音楽データの読み出しをおこない、新たに音楽データの取得した時には、取得した音楽データの書き込みをおこなう。また、音楽データ読書部162は、音楽データ再生機能にかかる種々の読書動作をおこなう。
【0034】
音楽データ削除部162は、記憶部170やメモリカード175などに格納されている音楽データを削除する際の処理をおこなう。
【0035】
再生部163は、音楽データ読書部161が読み出した音楽データを再生するための処理をおこなう。本実施形態では、所定の符号化形式により符号化されたデジタル音楽データの再生をおこなう。よって、再生部163は、符号化された音楽データを復号してアナログ信号に変換するためのD/Aコンバータや、変換されたアナログ信号の出力を調整するためのアンプ回路などを備え、スピーカ164やイヤホンなどから出力することで音楽再生をおこなう。また、本実施形態にかかる再生部163は、楽曲の再生に関する情報に応じて、所定の再生効果を施す。本実施形態では、再生効果としてフェードアウトなどをおこなうものとする。
【0036】
音楽再生処理部160は、上述したように、ASICなどの専用回路によるハードウェア処理によって実現可能であることはもとより、例えば、制御部110がプログラムを実行することで実現されるソフトウェア処理により実現されてもよい。この場合、制御部110が、上述した音楽再生処理部160の各構成として機能するためのプログラムを記憶部170に格納しておき、これらのプログラムを実行することにより、制御部110が音楽再生処理部160として機能することになる。
【0037】
記憶部170は、例えば、所定の半導体記憶装置(例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ、など)から構成され、種々の情報を記憶する。本実施形態では、特に、音楽再生処理部160で再生される音楽データなどが格納される。また、記憶部170には、制御部110や音楽再生処理部160などが実行する動作プログラムなども格納される他、制御部110や音楽再生処理部160などが処理をおこなう際のワークエリアとしても機能する。
【0038】
メモリカード175は、フラッシュメモリなどの記憶素子を有する着脱可能な記憶媒体であり、例えば、miniSD(商標)メモリカードなどである。カードIF部180は、メモリカード175と移動体通信端末100とのインタフェース装置であり、例えば、メモリカード175の規格に対応するカードスロットなどから構成される。したがって、メモリカード175がカードIF部180に装着されることにより、メモリカード175への読書が可能となる。本実施形態では、メモリカード175に、音楽再生処理部160で再生される音楽データなどが格納される。
【0039】
すなわち、本実施形態では、移動体通信端末100の音楽再生機能により、記憶部170及び/又はメモリカード175に格納されている音楽データを再生する。この場合、記憶部170およびメモリカード175には、音楽データを格納するための共通フォーマットの記憶領域である音楽データ記憶領域70が用意されており、この音楽データ記憶領域70に所定の音楽データが格納される。
【0040】
音楽データ格納領域70に格納される音楽データのデータ構成例を、図3を参照して説明する。図3に示すように、音楽データ格納領域70には、先頭トラック情報領域71、管理情報領域72、楽曲データ格納領域73、などの領域が用意される。
【0041】
先頭トラック情報領域71には、各楽曲の楽曲番号と当該楽曲の先頭トラックを示す先頭トラック番号とが対応づけられて格納される。また、先頭トラック情報領域71には、当該楽曲番号の楽曲の曲名を示す情報なども格納される。
【0042】
管理情報領域72には、各楽曲を構成するトラック毎の管理情報が格納される。管理情報は、当該トラックの属性や他のトラックとの関連、および、各トラックに対応する楽曲データ(実データ)のファイル名などが対応づけられた情報である。
【0043】
ここで、本実施形態では、1曲が単一のトラック(データファイル)で構成されている楽曲データと、1曲が複数のトラック(データファイル)で構成されている楽曲データとが混在しているものとする。管理情報の「属性」には、当該トラックで構成される楽曲が、単一のトラックで構成されているか、複数のトラックで構成されているかを示す属性情報が記録される。本実施形態では、単一のトラックで構成されている楽曲の属性を「シングル」、複数のトラックで構成されている楽曲の属性を「複数」とする。属性が「複数」の楽曲についてはさらに、当該トラックの楽曲中での位置を示す情報が含まれる。本実施形態では、「先頭」(「複数/先頭」)、「中間」(「複数/中間」)、「終端」(「複数/終端」)の3種類の位置情報が属性情報に含まれるものとする。
【0044】
複数のトラックで構成される楽曲は、例えば、SDAudio(商標)などの規格に基づいた楽曲データであり、複数の分割データで1曲を構成しているものである。このような複数の分割データのそれぞれを1トラックとし、曲の進行に合わせた順序でトラックを順次指定していくことで、1曲の楽曲が再生される。したがって、属性が「複数」のトラックについては、各トラック間の接続関係を示す接続情報(リンク情報)が設定される。本実施形態では、接続情報として、当該トラックの直後に再生するトラックのトラック番号を設定する(「リンク先トラック番号」)。よって、位置属性が「先頭」あるいは「中間」であるトラックには、リンク先トラック番号が設定されているが、位置属性が「終端」のトラックは、当該楽曲の最終トラックであるため、リンク先トラック番号はなく「なし」と設定される。同様に、属性が「シングル」のトラックについても、当該トラックのみで1曲が構成されるので、リンク先トラック番号は「なし」となる。
【0045】
管理情報には、各トラックに対応する楽曲データ(実データ)を示すファイル名が指定されている。指定されたファイル名の楽曲データは、楽曲データ格納領域73に格納されている。よって、楽曲再生時には、管理情報を参照することで、再生する楽曲に応じたトラックが順次認識され、認識されたトラックに対応する楽曲データを楽曲データ格納領域73から読み出して再生することになる。楽曲データ格納領域73に格納されている楽曲データは、例えば、MP3(MPEG Audio Layer-3)やAAC(Advanced Audio Coding)、HE-AAC(High Efficiency AAC)などといった、所定の音声圧縮方式でデジタル化された音声データ(音楽データ)で構成されるものとする。
【0046】
以上が本実施形態にかかる移動体通信端末100の主要な構成である。なお、上記各構成は、移動体通信端末100によって本発明を実現するために必要な構成を中心に説明したものであり、その他の構成についての詳細な説明は省略する。すなわち、移動体通信端末100は、上記各構成以外にも、移動体通信端末としての基本的な機能や付加的な機能を実現するための構成を必要に応じて備えているものとする。
【0047】
以上のような構成を有する移動体通信端末100の音楽再生機能にかかる処理について以下に説明する。ここで、本実施形態にかかる移動体通信端末100は、基本機能である音声通話機能が他の機能よりも優先されるものとする。よって、音楽再生機能にかかる処理中に音声通話の着信などが生じた場合、移動体通信端末100は、実行中の処理を中断して通話機能に切り替わるよう動作する。この場合、音声通信部123の動作に基づいて、制御部110が割り込み処理をかけることで、実行している他の機能を中断し、通話機能が優先されるよう動作する。
【0048】
以下、音楽再生機能にかかる処理として、楽曲データを削除する処理を実行している場合を説明する。
【0049】
(実施形態1)
本実施形態にかかる楽曲データ削除処理を、図4に示すフローチャートを参照して説明する。この楽曲データ削除処理は、音楽再生機能で提供される機能メニューから、楽曲データの削除を指定する項目をユーザが指定したことを契機に、音楽再生処理部160によって実行されるものとする。
【0050】
処理が開始されると、音楽データ読書部161が音楽データ格納領域70にアクセスし、格納されている楽曲の曲名情報を先頭トラック情報領域71から取得する。取得された曲名情報は、削除対象の楽曲をユーザが指定するため、図5(a)に示すように、表示部140に選択可能にリスト表示される(ステップS101)。
【0051】
ユーザは、リスト表示された楽曲から、削除対象とする楽曲を選択する。すなわち、入力部130の所定のキーなどを操作し、カーソル移動などが指示されると、図5(b)に示すような表示画面となる。この場合、表示部140には、選択した楽曲の削除を指定するための「削除」や、選択指定の取り消しを指定するための「戻る」などといった機能指定ボタンが表示される。
【0052】
ユーザは、選択した楽曲の削除を指定する場合には、「削除」に対応する入力部130のキーを操作し、取り消しを指定する場合には、「戻る」に対応するキーを操作することで、楽曲削除に関する指示を入力する。
【0053】
ここで、楽曲が指定され(ステップS102:Yes)、「戻る」が指定された場合(ステップS103:No)は、ステップS101に戻り、図5(a)に示す楽曲のリスト表示をおこなう。
【0054】
一方、楽曲が指定され(ステップS102:Yes)、「削除」が指定された場合(ステップS103:Yes)、音楽データ削除部162が、音楽データ格納領域70にアクセスし、削除指定された楽曲のデータ構成を認識する(ステップS104)。ここではまず、音楽データ削除部162が、先頭トラック情報領域71にアクセスし、削除指定された楽曲の先頭トラック番号を取得する。次に、管理情報領域72にアクセスして、取得したトラック番号に対応づけられている属性情報に基づいて、削除指定された楽曲のデータ構成を認識する。
【0055】
音楽データ削除部162は、削除指定された楽曲のデータ構成を認識すると、当該楽曲に、属性が「複数/終端」となっているトラックが含まれているか否かを判別する(ステップS105)。すなわち、削除指定された楽曲が、複数トラックから構成されるものであり、かつ、全トラックが存在しているものであるか否かを判別する。
【0056】
ここで、属性が「複数/終端」となっているトラックが含まれていない場合(ステップS105:No)、当該楽曲は単一のトラックで構成されていることになるので、音楽データ削除部162は、当該トラックに対応する楽曲データ(実データ)、管理情報、および、先頭トラック情報を削除し(ステップS106)、処理を終了する。この場合、音楽データ削除部162は、管理情報領域72の管理情報を参照し、当該トラックに対応づけられている楽曲データのファイル名を取得する。
【0057】
例えば、図3に示す例において、楽曲番号#1の楽曲が削除指定されたとすると、先頭トラック情報領域71に記録されている情報から、トラック番号#1のトラックが当該楽曲の先頭トラックであることが認識できる。そして、管理情報領域72に格納されている管理情報を参照すると、トラック番号#1のトラックの属性が「シングル」であることから、当該削除指定された楽曲は単一のトラックから構成されていることが認識できる。
【0058】
この場合、音楽データ削除部162は、管理情報を参照し、トラック番号#1に対応づけられている楽曲データのファイル名「AUDIOFILE-01」を取得し、楽曲データ格納領域73にアクセスして、ファイル名「AUDIOFILE-01」の楽曲データを削除する。楽曲データを削除すると、音楽データ削除部162は、管理情報領域72の管理情報から、トラック番号#1についてのレコードを削除する。さらに音楽データ削除部162は、先頭トラック情報領域71にトラック番号#1が先頭トラックとして記録されているレコードを削除して処理を終了する。すなわち、単一のデータで構成されている楽曲の削除は、該当する楽曲データと管理情報と先頭トラック情報とを削除することで完了する。
【0059】
一方、属性が「複数/終端」となっているトラックが含まれている場合(ステップS105:Yes)、音楽データ削除部162は、当該楽曲を構成するトラック数を計数する(ステップS107)。
【0060】
例えば、図3に示す例において、楽曲番号#2の楽曲が削除指定されたとすると、先頭トラック情報領域71に記録されている情報から、トラック番号#2のトラックが当該楽曲の先頭トラックであることが認識できる。そして、管理情報領域72に格納されている管理情報を参照すると、トラック番号#2のトラックの属性が「複数/先頭」であることから、当該削除指定された楽曲は複数のトラックから構成されていることが認識できる。
【0061】
この場合、先頭トラックであるトラック番号#2のトラックから、属性が「複数/終端」のトラックまで、リンク先トラック番号を順に追っていくことで、削除指定された楽曲を構成している複数のトラックを把握することができる。例えば、図3の例において削除指定された楽曲が楽曲番号#2の場合、先頭トラックがトラック番号#2であり、このトラックにリンクしている次のトラックはトラック番号#3である。同様に、順次リンクしていくと、属性が「複数/終端」となっているトラックは、トラック番号#5のトラックである。すなわち、楽曲番号#2の楽曲は、トラック番号#2→トラック番号#3→トラック番号#4→トラック番号#5の4つのトラックから1曲が構成されていることになる。この場合にステップS107で計数されるトラック数は「4」となる。
【0062】
ここで、音楽データ削除部162は、当該楽曲を構成するトラックを指定するトラック指定ポインタnに、計数したトラック数を代入し(ステップS108)、当該楽曲のn番目のトラックに対応する楽曲データを削除する(ステップS109)。ここでは、管理情報領域72の管理データを参照し、n番目のトラックに対応づけられている楽曲データのファイル名を特定してから、楽曲データ格納領域73にアクセスして、特定したファイル名の楽曲データを削除する。
【0063】
例えば、図3の例において削除指定された楽曲が楽曲番号#2の場合、n番目のトラックは4番目のトラック、すなわち、トラック番号#5のトラックであるので、当該トラックに対応づけられている楽曲データのファイル名は「AUDIOFILE-05」である。この場合、音楽データ削除部162は、楽曲データ格納領域73に格納されている「AUDIOFILE-05」を削除する。これにより、楽曲番号#2の楽曲の終端トラックについての楽曲データ(実データ)が削除される。
【0064】
楽曲データを削除すると、音楽データ削除部162は、n番目のトラックの管理情報を削除する(ステップS110)。例えば、図3の例において、削除指定された楽曲が楽曲番号#2の場合、管理情報領域72の管理情報を構成しているレコードのうち、当該楽曲のn番目のトラック、すなわち、トラック番号#5のトラックについての管理情報を削除する。これにより、楽曲番号#2の楽曲の終端トラックについての管理情報が削除される。
【0065】
管理情報を削除すると、音楽データ削除部162は、現在のトラック指定ポインタnから1を減算し(ステップS111)、減算後のトラック指定ポインタnが1以上であれば(ステップS112:Yes)、n番目のトラックについての管理情報を更新する。この場合、本実施形態では、音楽データ削除部162が、当該トラックに対応づけられているリンク先トラック番号を「なし」に更新する(ステップS113)。
【0066】
例えば、図3の例において、削除指定された楽曲が楽曲番号#2の場合、初期計数値であった4番目のトラック、すなわち、トラック番号#5のトラックについての管理情報がステップS110で削除されている。しかし、その1つ前のトラックである、トラック番号#4の管理情報には、リンク先トラック番号として「トラック番号#5」が設定されているので、これを「なし」に更新する。この場合のデータ構成を図6に示す。図示するように、楽曲データ格納領域73から「AUDIOFILE-05」のデータが削除され、管理情報領域72の「トラック番号#5」についての管理情報が削除され、トラック番号#4のリンク先トラック番号には「なし」が設定されている。
【0067】
このようにして、1つのトラックについての楽曲データと管理情報を削除すると、割り込み処理がない限り(ステップS114:No)、当該楽曲の先頭トラックまで順次削除処理がおこなわれる。このようにして、削除指定された楽曲を構成するすべてのトラックについての楽曲データと管理情報が削除されると(ステップS112:No)、音楽データ削除部162は、先頭トラック情報領域71に記録されている情報のうち、最後に削除したトラックが先頭トラックとして指定されているレコードを削除して(ステップS115)、処理を終了する。
【0068】
このように、複数のトラックで構成されている楽曲の削除では、終端トラックから先頭トラックまで順次削除していくので、単一トラックで構成されている楽曲の削除よりも、1曲分の楽曲データ削除に要する時間が長くなる。よって、1曲分の楽曲データの削除をおこなっている途中で、音声通話の着信などが発生する場合もある。上述したように、本実施形態にかかる移動体通信端末100は、音声通話にかかる機能の動作を他の機能よりも優先させている。したがって、楽曲データをトラック単位で削除している途中で着信などが発生した場合には、制御部110などによる割り込み処理が発生する。この場合(ステップS114:Yes)、音楽データ削除部162は、割り込みが発生した時点で楽曲データ削除処理を終了する。
【0069】
削除指定された楽曲の全トラックが削除されずに楽曲データ削除処理が終了した場合、管理情報に記録されているリンク先トラック番号に基づくリンクが中断するので、1曲を構成するトラックの属性が不完全となる。すなわち、不完全なトラック構成でデータが残存することになる。つまり、削除前の状態では「複数/先頭」→「複数/中間」…「複数/中間」→「複数/終端」とリンクしていたところ、削除途中で中断した場合、例えば、「複数/先頭」→「複数/中間」…「複数/中間」という状態となり、属性が「複数/中間」(もしくは「複数/先頭」)のトラックが、最終トラックとなってしまう。
【0070】
データ削除の中断によりトラック構成が不完全となった楽曲の再生が指示された場合、削除されたトラックについては再生することができないため、楽曲の途中で突然再生音が途切れてしまうことになる。本実施形態では、音楽再生時に所定の再生効果を適用することにより、このような不都合の解消を図る。
【0071】
以下、削除処理が途中で終了したことにより不完全なトラック構成で残存した楽曲データが再生される場合を例に、本発明にかかる再生処理の例を説明する。ここで、本実施形態では、図3に示す例において、楽曲番号#2の楽曲が削除指定され、当該楽曲の終端トラック(トラック番号#5)についての削除処理が終了した時点で楽曲データ削除処理が終了した場合を例に説明するものとする。すなわち、図6に示すようなデータ構成の状態で再生が実行された場合を例示する。
【0072】
本実施形態にかかる楽曲データ再生処理(1)を、図7に示すフローチャートを参照して説明する。この楽曲データ再生処理(1)は、ユーザが入力部130を操作することで再生モードが指定されたことを契機に、音楽データ再生処理部160により実行されるものとする。
【0073】
処理が開始されると、音楽データ読書部161が、音楽データ格納領域70の管理情報領域72にアクセスする。音楽データ読書部161は、格納されている管理情報の「属性」を参照し、属性が「複数/先頭」または「複数/中間」(以下、これらの属性名を「暫定中断」とする)となっているトラックがあるか否かを判別する(ステップS201)。
【0074】
属性が暫定中断のトラックがある場合(ステップS201:Yes)、音楽データ読書部161はさらに、属性が暫定中断のトラックについてのリンク先トラック番号を参照し、リンク先トラック番号が「なし」となっているトラックがあるか否かを判別する(ステップS202)。
【0075】
属性が暫定中断で、かつ、リンク先トラック番号が「なし」となっているトラック(以下、「中断トラック」とする)がある場合(ステップS202:Yes)、音楽データ読書部161は、図6に示すように、当該トラックについての管理情報に効果フラグをセットする(ステップS203)。つまり、音楽データ読書部161は、トラックの属性とリンク先トラック情報とに基づいて、音楽データの削除が中断された楽曲を特定し、その残存トラックのうちの最終トラックに、識別情報である効果フラグをセットする。この効果フラグは、再生時に所定の再生効果が適用されるトラックを示すフラグである。すなわち、データ削除が中断された楽曲の最終トラックに対応づけて、管理情報領域72に識別情報が記録される。本実施形態では、フラグをセットする場合、フラグ値を「1」に設定することとする。一方、中断トラックがない場合には(ステップS202:No)、効果フラグの設定はおこなわない。
【0076】
次に、音楽再生処理部160は、制御部110との協働により、再生モードを選択するための「再生ガイド画面」を表示部140に表示する(ステップS204)。再生ガイド画面の表示例を図10(a)に示す。図示するように、この再生ガイド画面には、先頭トラック情報領域71に記録されている情報に基づいて、再生可能な楽曲の曲名がリスト表示されるとともに、再生モードを指定するための機能ボタンが表示される。本実施形態では、音楽再生の再生モードとして、「連続再生」と「選曲再生」が用意されているものとする。連続再生は、音楽データ格納領域70に格納されている複数の楽曲を、楽曲番号順に連続して再生するモードであり、選曲再生は、ユーザが指定した楽曲を再生するモードである。
【0077】
ユーザは、入力部130を操作することにより、所望する再生モードを指定する。ここで、指定された再生モードが選曲再生である場合(ステップS205:No)、音楽再生処理部160は、選曲再生をおこなうための選曲再生処理(1)を実行する(ステップS400)。この選曲再生処理(1)の詳細は後述する。
【0078】
一方、連続再生が指定された場合(ステップS205:Yes)、音楽再生処理部160は、格納されている楽曲を楽曲番号順に連続再生するための連続再生処理(1)を実行する(ステップS300)。連続再生処理(1)の詳細を、図8に示すフローチャートを参照して説明する。
【0079】
処理が開始されると、音楽データ読書部161は、再生する楽曲の楽曲番号を指定するための楽曲番号ポインタmに、1曲目を示す初期値「1」を代入する(ステップS301)。そして、音楽データ読書部161は、音楽データ格納領域70の先頭トラック情報領域71にアクセスし、m番目の楽曲番号に対応づけられている先頭トラック番号を取得する(ステップS302)。ここでは、1曲目(楽曲番号#1)の先頭トラック番号が特定される。
【0080】
先頭トラック番号が取得されると、音楽データ読書部161は、管理情報領域72にアクセスし、取得した先頭トラック番号のトラックについての管理情報を参照し(ステップS303)、当該トラックの効果フラグがセットされているか否か(効果フラグが1であるか否か)を判別する(ステップS304)。
【0081】
例えば、図6に示す例では、ステップS301で1番目の楽曲が指定された場合、楽曲番号#1の先頭トラックはトラック番号#1である。トラック番号#1のトラックは、属性が「シングル」であるので、削除処理が途中で中断することはない。よって、削除が中断したトラックに設定される効果フラグはセットされていないことになる(ステップS304:No)。
【0082】
この場合、音楽データ読書部161は、当該トラックに対応づけられている楽曲データファイル名を取得する(ステップS308)。音楽データ読書部161が楽曲データファイル名を取得すると、再生部163が楽曲データ格納領域73にアクセスし、取得されたファイル名の楽曲データを再生する(ステップS309)。
【0083】
このとき、音楽データ読書部161は、当該トラックについての管理情報を参照し、リンク先トラック番号が指定されているか否かを判別する(ステップS310)。例えば、図6の例において、1曲目が指定された場合では、トラック番号#1のトラックの属性は「シングル」であるため、リンク先トラック番号は「なし」となっている。この場合(ステップS310:No)、音楽データ読書部161は、次の楽曲を指定するため、楽曲番号ポインタmを+1して更新する(ステップS311)。
【0084】
ここで、更新した楽曲番号ポインタmの示す数値が、音楽データ格納領域70に格納されている楽曲数以下である場合(ステップS312:No)、ステップS302に戻り、次の楽曲についての先頭トラック番号を取得し(ステップS302)、当該トラック番号の管理情報を参照して(ステップS303)、効果フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS304)。
【0085】
ここで、例えば、図6に示す例において、2曲目が指定された場合、楽曲番号#2の先頭トラックはトラック番号#2である。このトラックについての管理情報には、効果フラグがセットされていない(ステップS304:No)ので、音楽データ読書部161は、当該トラックに対応づけられている楽曲データファイル名を取得し(ステップS308)、再生部163が当該ファイル名の楽曲データを再生する(ステップS309)。
【0086】
ここで、トラック番号#2の管理情報には、リンク先トラック番号が指定されている(ステップS310:Yes)ので、音楽データ読書部161は、リンク先として指定されているトラックのトラック番号を取得し(ステップS313)、ステップS304に戻る。ここでは、ステップS313で取得したトラック番号のトラックに効果フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS304)。
【0087】
トラック番号#2にリンクしているトラック番号#3の管理情報には、同様に効果フラグがセットされていない(ステップS304:No)ので、ステップS308、S309の処理をおこなって、当該トラックの楽曲データを再生する。また、トラック番号#3についても、リンク先トラック番号が指定されているので(ステップS310:Yes)、リンク先のトラック番号を取得し(ステップS313)、次のトラックについて、同様の処理をおこなう。
【0088】
ここで、トラック番号#3のリンク先であるトラック番号#4の管理情報には、効果フラグがセットされている(ステップS304:Yes)。この場合、音楽データ読書部161は、当該管理情報に対応づけられている楽曲データファイル名を取得する(ステップS305)。音楽データ読書部161は、取得したファイル名と、当該トラックには効果フラグがセットされている旨を再生部163に通知する。
【0089】
再生部163は、音楽データ読書部161からの通知に応じて、楽曲データ格納領域73にアクセスし、通知されたファイル名の楽曲データを再生するとともに(ステップS306)、当該再生にフェードアウト処理を施す(ステップS307)。ここでは、通知されたファイル名の楽曲データの再生音量を調節することでフェードアウトさせる。この場合、再生部163がアンプ回路を制御することで、アナログ変換された音声信号の出力(音量)を調整し、フェードアウト再生する。
【0090】
この場合、音楽データ読書部161は、楽曲番号ポインタmを+1して更新する(ステップS311)。そして、更新した楽曲番号ポインタmの示す数値が、音楽データ格納領域70に格納されている楽曲数以下である場合(ステップS312:No)、ステップS302に戻り、次の楽曲について同様の処理をおこなう。一方、更新した楽曲番号ポインタmの示す数値が、格納されている楽曲数より大きい場合、すなわち、全曲について再生が終了した場合(ステップS312:Yes)、音楽再生処理部160は、連続再生処理(1)を終了し、図7に示す楽曲データ再生処理(1)のフローに戻る。
【0091】
次に、選曲再生が指定された場合(ステップS205:No)に実行される選曲再生処理(1)の詳細を、図9に示すフローチャートを参照して説明する。
【0092】
処理が開始されると、音楽再生処理部160は、再生する楽曲をユーザに指定させるための「楽曲リスト画面」を表示部140に表示する(ステップS401)。楽曲リスト画面の表示例を図10(b)に示す。図示するように、楽曲リスト画面には、移動体通信端末100に格納されている楽曲の曲名等が選択可能にリスト表示される。
【0093】
ユーザは、入力部130の所定のキーを操作し、カーソル移動などによって、再生を所望する楽曲を選択する。楽曲が選択されると、図10(c)に示すように、表示部140には、選択した楽曲の再生を指定するための「再生」や、選択指定の取り消しを指定するための「戻る」などといった機能指定ボタンが表示される。
【0094】
ユーザは、選択した楽曲の再生を指定する場合には、「再生」に対応する入力部130のキーを操作し、取り消しを指定する場合には、「戻る」に対応するキーを操作することで、楽曲再生に関する指示を入力する。
【0095】
選択した楽曲の再生が指示されると(ステップS402:Yes)、音楽データ読書部161が、先頭トラック情報領域71にアクセスし、指定された楽曲の楽曲番号に対応づけられている先頭トラック番号を取得する(ステップS403)。
【0096】
次に、音楽データ読書部161は、管理情報領域72にアクセスし、ステップS403で取得した先頭トラック番号に該当するトラックの管理情報を参照し(ステップS404)、当該トラックに効果フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS405)。
【0097】
当該トラックに効果フラグがセットされていない場合(ステップS405:No)、音楽データ読書部161は、当該トラックに対応づけられている楽曲データファイル名を取得し(ステップS411)、再生部163が、楽曲データ格納領域73に格納されている、当該ファイル名の楽曲データを再生する(ステップS412)。
【0098】
ここで、音楽データ読書部161は、再生したトラックの管理情報に基づいて、当該トラックにリンク先トラック番号が設定されているか否かを判別する(ステップS413)。
【0099】
リンク先トラック番号が設定されている場合(ステップS413:Yes)、音楽データ読書部161は、当該リンク先のトラックについての管理情報を参照し(ステップS414)、ステップS405に戻る。つまり、次のトラックについての再生動作をおこなう。
【0100】
一方、再生したトラックにリンク先トラック番号が設定されていない場合(ステップS413:No)において、再生オプションとしてリピート再生が設定されており(ステップS409:Yes)、かつ、ユーザによる再生終了指示が入力されなければ(ステップS410:No)、ステップS403に戻って、指定された楽曲の再生動作を繰り返し実行する。
【0101】
また、リピート再生が設定されていない(ステップS409:No)、あるいは、ユーザが再生終了を指示した場合(ステップS410:Yes)、処理を終了して、図7に示す楽曲データ再生処理(1)のフローに戻る。
【0102】
一方、再生対象のトラックに効果フラグがセットされている場合(ステップS405:Yes)、音楽データ読書部161は、当該トラックの管理情報に記録されている楽曲データのファイル名を取得する(ステップS406)。音楽データ読書部161は、取得したファイル名と、当該トラックには効果フラグがセットされている旨を再生部163に通知する。
【0103】
再生部163は、音楽データ読書部161からの通知に応じて、楽曲データ格納領域73にアクセスし、通知されたファイル名の楽曲データを再生するとともに(ステップS407)、当該再生にフェードアウト処理を施す(ステップS408)。ここでは、当該楽曲データの再生音量を徐々に低くすることでフェードアウトさせる。
【0104】
ここで、再生オプションとしてリピート再生が設定されており(ステップS409:Yes)、かつ、ユーザによる再生終了指示が入力されない場合(ステップS410:No)は、ステップS403に戻り、指定された楽曲の再生動作を繰り返し実行する。
【0105】
また、リピート再生が設定されていない(ステップS409:No)、あるいは、ユーザが再生終了を指示した場合(ステップS410:Yes)、処理を終了して、図7に示す楽曲データ再生処理(1)のフローに戻る。
【0106】
楽曲データ再生処理(1)では、連続再生処理(1)、または、選曲再生処理(1)での再生が終了すると、音楽データ読書部161が、管理情報領域72の管理情報を参照し、再生したトラックに効果フラグがセットされているものがあったか否かを判別する(ステップS206)。
【0107】
効果フラグがセットされたトラックを再生していなかった場合(ステップS206:No)、そのまま楽曲データ再生処理(1)を終了する。
【0108】
一方、効果フラグがセットされているトラックが再生されていた場合(ステップS206:Yes)、音楽データ読書部161は、当該トラックのリンク元を辿ることで、属性が「複数/先頭」となっているトラックのトラック番号を特定する。すなわち、フェードアウト再生をおこなった楽曲についての先頭トラック番号を特定する(ステップS207)。
【0109】
フェードアウト再生をおこなった楽曲についての先頭トラック番号を特定すると、音楽データ読書部161は、先頭トラック情報領域71にアクセスし、特定した先頭トラック番号に対応する楽曲番号と曲名を特定する(ステップS208)。すなわち、削除処理が中断された楽曲を特定する。
【0110】
再生した楽曲中に、削除処理が途中のものが含まれていた場合、音楽再生処理部160は制御部110と協働し、ステップS208で特定した曲名を示すとともに、当該楽曲が削除途中である旨、および、当該楽曲の削除処理の続行をおこなうか否かを問い合わせるメッセージなどを示した、図11に示すような「削除確認画面」を表示部140に表示する(ステップS209)。
【0111】
図示するように、削除確認画面には、当該楽曲の削除続行を指定するための「削除する」や、当該楽曲の削除処理をおこなわないことを指定するための「削除しない」などといった機能指定ボタンが表示される。ユーザは、表示された楽曲の削除続行を指定する場合には、「削除する」に対応する入力部130のキーを操作し、取り消しを指定する場合には、「削除しない」に対応するキーを操作することで、楽曲削除に関する指示を入力する。
【0112】
ここで、ユーザが入力部130を操作することにより、当該楽曲の削除続行が指示された場合(ステップS210:No)、音楽再生処理部160は、図4に示した楽曲データ削除処理を実行し、当該楽曲について、残りのトラックに関する情報の削除を続行する。この場合、音楽データ削除部162は、ステップS208で特定された楽曲についての削除処理をおこなうものとする。
【0113】
一方、表示された楽曲の削除続行が指示されない場合(ステップS210:Yes)は、そのまま楽曲データ再生処理(1)を終了する。
【0114】
以上説明したように、本実施形態にかかる処理を移動体通信端末100が実行することにより、削除処理が中断された楽曲データであっても、フェードアウト再生がおこなわれるので、再生音が途切れない良好な再生となる。
【0115】
(実施形態2)
上記実施形態1では、効果フラグがセットされたトラックを再生する際に、再生音量を調節することによりフェードアウトするようにしたが、当該トラックの楽曲データを加工することによりフェードアウト再生してもよい。この場合の再生に関する処理を以下説明する。なお、楽曲データの削除に関する処理は実施形態1と同様である。すなわち、図4に示す楽曲データ削除処理が実行されることで、楽曲データの削除がおこなわれる。
【0116】
本実施形態にかかる楽曲データ再生処理(2)を、図12に示すフローチャートを参照して説明する。この楽曲データ再生処理(2)は、実施形態1の楽曲データ再生処理(1)と同様、ユーザが入力部130を操作することで再生モードが指定されたことを契機に、音楽データ再生処理部160により実行されるものとする。
【0117】
処理が開始されると、音楽データ読書部161が、音楽データ格納領域70の管理情報領域72にアクセスする。音楽データ読書部161は、格納されている管理情報の「属性」を参照し、属性が暫定中断(すなわち、「複数/先頭」または「複数/中間」)となっているトラックがあるか否かを判別する(ステップS501)。
【0118】
属性が暫定中断のトラックがある場合(ステップS501:Yes)、音楽データ読書部161はさらに、属性が暫定中断のトラックについてのリンク先トラック番号を参照し、リンク先トラック番号が「なし」となっているトラック(中断トラック)があるか否かを判別する(ステップS502)。すなわち、音楽データ読書部161は、トラックの属性とリンク先トラック情報とに基づいて、データ削除が中断された楽曲を特定する。
【0119】
中断トラックがある場合(ステップS502:Yes)、音楽データ読書部161は、当該トラックの管理情報を参照し、当該トラックの楽曲データファイル名を取得する(ステップS503)。楽曲データのファイル名を取得すると、音楽データ読書部161は楽曲データ格納領域73にアクセスし、当該ファイル名の楽曲データの読み出しをおこなう(ステップS504)。この場合、例えば、記憶部170のワークエリアなどに当該楽曲データを展開し、当該楽曲データを加工可能な状態にする。
【0120】
音楽データ読書部161は、読み出した楽曲データに対し、フェードアウト処理をおこなう(ステップS505)。この場合、当該楽曲データを再生したときにフェードアウトするよう楽曲データを加工する。ここでは、当該楽曲データ中の音量を示すパラメータなどが変更されるようデータを加工する。例えば、MP3形式のデータである場合、フェードアウトとなるように、グローバルゲイン値の書き換えなどをおこなう。
【0121】
楽曲データにフェードアウト処理をおこなうと、音楽データ読書部161は、加工した楽曲データを楽曲データ格納領域73に書き込み(ステップS506)、再生部163による再生処理が可能な状態とする。すなわち、データ削除が中断された楽曲については、その楽曲の残存しているトラックのうちの最終トラックがフェードアウト再生されるよう、当該トラックの楽曲データを加工して更新する。
【0122】
ここで、楽曲データを加工してフェードアウト処理をおこなった場合、音楽データ読書部161は、フェードアウト処理をおこなったトラックの属する楽曲の楽曲番号を特定する(ステップS507)。この場合、フェードアウト処理をおこなったトラックの管理情報を参照し、リンク元となっているトラックを、属性が「複数/先頭」となっているトラックまで遡ることで、当該楽曲の先頭トラックを特定する。そして、先頭トラック情報領域71にアクセスして、当該先頭トラックに対応する楽曲番号を特定する。音楽データ読書部161はさらに、先頭トラック情報領域71における当該楽曲のレコードに、削除処理が中断されていることを示す中断フラグをセットする(ステップS508)。この場合、音楽データ読書部161は、中断フラグのフラグ値を「1」にする。すなわち、データ削除が中断された楽曲がいずれであるかが中断フラグにより示されることになる。
【0123】
一方、属性が暫定中断となっているトラックがない場合(ステップS501:No)、または、中断トラックがない場合(ステップS502:No)は、上記のようなフェードアウト処理や中断フラグのセットはおこなわない。
【0124】
次に、音楽再生処理部160は、制御部110との協働により、図10(a)に示すような「再生ガイド画面」を表示部140に表示し(ステップS509)、ユーザに再生モードを指定させる。ここでは、実施形態1と同様に、再生ガイド画面により、「連続再生」と「選曲再生」のいずれかをユーザに選択させる。
【0125】
選曲再生が選択された場合(ステップS510:No)、音楽再生処理部160は、選曲再生をおこなうための選曲再生処理(2)を実行する(ステップS700)。選曲再生処理(2)の詳細は後述する。
【0126】
一方、連続再生が選択された場合(ステップS510:Yes)は、連続再生をおこなうための連続再生処理(2)が実行される(ステップS600)。この連続再生処理(2)を、図13に示すフローチャートを参照して説明する。
【0127】
処理が開始されると、音楽データ読書部161は、再生する楽曲の楽曲番号を指定するための楽曲番号ポインタmに、1曲目を示す初期値「1」を代入する(ステップS601)。そして、音楽データ読書部161は、音楽データ格納領域70の先頭トラック情報領域71にアクセスし、m番目の楽曲番号に対応づけられている先頭トラック番号を取得する(ステップS602)。ここでは、1曲目(楽曲番号#1)の先頭トラック番号が特定される。
【0128】
先頭トラック番号が取得されると、音楽データ読書部161は、管理情報領域72にアクセスし、取得した先頭トラック番号のトラックについての管理情報を参照し(ステップS603)、当該トラックの楽曲データファイル名を取得し、再生部163に通知する(ステップS604)。
【0129】
再生部163は、楽曲データ格納領域73にアクセスし、通知されたファイル名の楽曲データを再生する(ステップS605)。このとき、音楽データ読書部161は、当該トラックについての管理情報を参照し、当該トラックにリンク先トラック番号が設定されているか否かを判別する(ステップS606)。
【0130】
リンク先トラック番号が設定されている場合(ステップS606:Yes)、音楽データ読書部161は、当該リンク先トラックについての管理情報を参照し(ステップS607)、ステップS604に戻る。すなわち、次のトラックについて、同様に再生をおこなう。
【0131】
一方、再生したトラックにリンク先トラック番号が設定されていない場合(ステップS606:No)、音楽データ読書部161は、楽曲番号指定ポインタmを+1して更新する(ステップS608)。そして、更新した楽曲番号ポインタmの示す数値が、音楽データ格納領域70に格納されている楽曲数以下である場合(ステップS609:No)、ステップS604に戻り、次の楽曲についての再生をおこなう。
【0132】
一方、更新した楽曲番号ポインタmの示す数値が、格納されている楽曲数より大きい場合、すなわち、全曲について再生が終了した場合(ステップS609:Yes)、音楽再生処理部160は、連続再生処理(2)を終了し、図12に示す楽曲データ再生処理(2)のフローに戻る。
【0133】
次に、選曲再生が指定された場合(ステップS510:No)に実行される選曲再生処理(2)の詳細を、図14に示すフローチャートを参照して説明する。
【0134】
処理が開始されると、音楽再生処理部160は、再生する楽曲をユーザに指定させるための、図10(b)に示すような「楽曲リスト画面」を表示部140に表示する(ステップS701)。楽曲リスト画面には、移動体通信端末100に格納されている楽曲の曲名等が選択可能にリスト表示される。
【0135】
ユーザは、入力部130の所定のキーを操作し、カーソル移動などによって、再生を所望する楽曲を選択する。楽曲が選択されると、図10(c)に示すように、表示部140には、選択した楽曲の再生を指定するための「再生」や、選択指定の取り消しを指定するための「戻る」などといった機能指定ボタンが表示される。
【0136】
ユーザは、選択した楽曲の再生を指定する場合には、「再生」に対応する入力部130のキーを操作し、取り消しを指定する場合には、「戻る」に対応するキーを操作することで、楽曲再生に関する指示を入力する。
【0137】
選択した楽曲の再生が指示されると(ステップS702:Yes)、音楽データ読書部161が、先頭トラック情報領域71にアクセスし、指定された楽曲の楽曲番号に対応づけられている先頭トラック番号を取得する(ステップS703)。続いて音楽データ読書部161は、管理情報領域72にアクセスし、取得した先頭トラック番号に対応する管理情報を参照し(ステップS704)、当該トラックの楽曲データファイル名を取得して再生部163に通知する(ステップS705)。再生部163は楽曲データ格納領域73にアクセスし、通知されたファイル名の楽曲データを再生する(ステップS706)。
【0138】
ここで、音楽データ読書部161は、再生したトラックの管理情報に基づいて、当該トラックにリンク先トラック番号が設定されているか否かを判別する(ステップS707)。
【0139】
リンク先トラック番号が設定されている場合(ステップS707:Yes)、音楽データ読書部161は、当該リンク先のトラックについての管理情報を参照し(ステップS708)、ステップS705に戻る。つまり、次のトラックについての再生動作をおこなう。
【0140】
一方、再生したトラックにリンク先トラック番号が設定されていない場合(ステップS707:No)において、再生オプションとしてリピート再生が設定されており(ステップS709:Yes)、かつ、ユーザによる再生終了指示が入力されなければ(ステップS710:No)、ステップS703に戻って、指定された楽曲の再生動作を繰り返し実行する。
【0141】
また、リピート再生が設定されていない(ステップS709:No)、あるいは、ユーザが再生終了を指示した場合(ステップS710:Yes)、処理を終了して、図12に示す楽曲データ再生処理(2)のフローに戻る。
【0142】
楽曲データ再生処理(2)では、連続再生処理(2)または選曲再生処理(2)での再生が終了すると、音楽データ読書部161が、先頭トラック情報領域71にアクセスし、再生した楽曲に中断フラグがセットされているものがあったか否かを判別する(ステップS511)。
【0143】
中断フラグがセットされた楽曲を再生していなかった場合(ステップS511:No)、そのまま楽曲データ再生処理(2)を終了する。
【0144】
一方、中断フラグがセットされている楽曲が再生されていた場合(ステップS511:Yes)、音楽再生処理部160は制御部110と協働し、当該楽曲の曲名を示すとともに、当該楽曲が削除途中である旨、および、当該楽曲の削除処理の続行をおこなうか否かを問い合わせるメッセージなどを示した、図11に示すような「削除確認画面」を表示部140に表示する(ステップS512)。
【0145】
この場合、実施形態1と同様、ユーザが入力部130を操作することにより、当該楽曲の削除続行をおこなうか否かを指示する。当該楽曲の削除続行が指示された場合(ステップS513:No)、音楽再生処理部160は、図4に示した楽曲データ削除処理を実行し、当該楽曲について、残りのトラックに関する情報の削除を続行する。この場合、音楽データ削除部162は、中断フラグがセットされた楽曲についての削除処理をおこなうものとする。
【0146】
一方、表示された楽曲の削除続行が指示されない場合(ステップS513:Yes)は、そのまま楽曲データ再生処理(2)を終了する。
【0147】
以上説明したように、本実施形態にかかる処理を移動体通信端末100が実行することにより、削除処理が中断された楽曲データであっても、フェードアウト再生がおこなわれるので、再生音が途切れない良好な再生となる。
【0148】
上記各実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、種々の応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
【0149】
上記各実施形態では、楽曲データの削除時には、終端トラックから順に削除していき、削除処理が中断した楽曲については、残存しているトラックの最終トラックをフェードアウト再生することにより、再生音の途切れを発生させないようにしたが、例えば、先頭トラックから順に削除していき、削除処理が中断した楽曲については、残存しているトラックのうちの先頭トラックをフェードイン再生するようにしてもよい。
【0150】
また、上記各実施形態では、接続情報として、当該トラックの直後に再生するトラックを示すリンク先トラック番号を設定するものとしたが、各トラック間の接続関係を示すものであればこれに限られない。例えば、当該トラックの直前に再生するトラックが指定されるよう接続情報を設定してもよい。
【0151】
上記各実施形態では、音楽データとしてMP3形式などの音声データを例示したが、再生するデータの形式はこれに限られず任意である。例えば、WAV形式のデータやMIDIデータなどであってもよい。
【0152】
上記各実施形態では、残存しているトラックのうちの最終トラックの再生をフェードアウトとしたが、残存している複数のトラックにわたってフェードアウト処理するようにしてもよい。
【0153】
また、上記各実施形態では、移動体通信端末100の通話機能にかかる着信の際に、音楽データ削除処理を中断することとしたが、通話機能の着信に限らず、種々の動作に基づく割り込み処理によって、音楽データ削除処理を中断するよう制御してもよい。例えば、電子メールの受信などに基づいて、音楽データ削除処理を中断してもよい。
【0154】
上記各実施形態では、本発明にかかる移動体通信端末を移動体通信端末で実現させた例を示したが、このような移動体通信端末は、上述した本発明を実現するための機能を予め備えている装置として提供できる他、これらの機能を備えていない移動体通信端末にプログラムを適用することで、上述した移動体通信端末100として機能させることができる。この場合、上述した音楽再生処理部160による各処理を実現するためのプログラムを既存の移動体通信端末に適用し、当該移動体通信端末を制御するコンピュータ(CPUなど)が適用されたプログラムを実行することで、上述した音楽再生処理部160の各機能を実現することができる。すなわち、このようなプログラムを、移動体通信端末の記憶装置にインストールし、制御装置がこれを実行することで、既存の移動体通信端末を上記移動体通信端末100として機能させることができる。
【0155】
同様に、このようなプログラムを、音楽再生機能を有する種々の装置に適用することによっても、本発明を実現することができる。すなわち、移動体通信端末に限らず、デジタル方式での音楽再生が可能な種々の装置に本発明を適用することができる。例えば、音楽再生が可能なPDA(Personal Data Assistance:携帯情報端末)やパーソナルコンピュータなどといった任意の装置に本発明を適用してもよい。この場合、適用する装置に通信機能が備えられている場合には、例えば、電子メールの受信などに応じて、音楽データの削除処理を中断するよう動作させ、音楽データの再生時に、上記実施形態と同様のフェードアウト再生をおこなうようにしてもよい。
【0156】
すなわち、このようなプログラムを適用することにより、本発明を実現するための専用装置に限らず、種々の装置で本発明を実現させることができる。例えば、汎用のコンピュータ装置などによって本発明を実現することもできる。
【0157】
このようなプログラムの適用方法は任意であり、例えば、インターネットなどの通信媒体を介して提供することで任意の装置に適用することが可能である他、所定の記録媒体(例えば、CD−ROM、DVD、メモリカード、など)にプログラムを格納して配布して適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1】本発明の実施形態にかかる移動体通信端末の外観を模式的に示す図である。
【図2】図1に示す移動体通信端末の内部構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す記憶部またはメモリカードに記録される音楽情報のデータ構成例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態にかかる楽曲データ削除処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】図3に示す処理における画面表示の表示例を示す図であり、(a)は削除対象のリスト画面の表示例を示し、(b)は削除対象楽曲が選択された際の画面表示例を示す。
【図6】図4に示す処理によって楽曲データが削除された後のデータ構成例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態1にかかる楽曲データ再生処理(1)を説明するためのフローチャートである。
【図8】図7に示す処理で実行される連続再生処理(1)を説明するためのフローチャートである。
【図9】図7に示す処理で実行される選曲再生処理(1)を説明するためのフローチャートである。
【図10】図7に示す処理における画面表示例を示す図であり、(a)は再生モードを選択させるための画面の表示例を示し、(b)は選曲再生において楽曲を選択させるための画面の表示例を示し、(c)は選曲再生において楽曲が選択された際の画面表示例を示す。
【図11】図7に示す処理において表示される削除確認画面の表示例を示す図である。
【図12】本発明の実施形態2にかかる楽曲データ再生処理(2)を説明するためのフローチャートである。
【図13】図12に示す処理で実行される連続再生処理(2)を説明するためのフローチャートである。
【図14】図12に示す処理で実行される選曲再生処理(2)を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0159】
100…移動体通信端末、110…制御部、120…通信制御部、122…無線部、123…音声通信部、124…データ通信部、125…通信IF部、130…入力部、140…表示部、150…音声コーデック部、160…音楽再生処理部、161…音楽データ読書部、162…音楽データ削除部、163…再生部、170…記憶部、175…メモリカード、180…カードIF部
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体通信端末、および、プログラムに関し、特に、携帯電話などの移動体通信端末での音楽再生に好適な移動体通信端末、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子技術や情報技術の発展に伴い、携帯電話機などの移動体通信端末の小型化・高性能化が進んでいる。この結果、基本機能である音声通話機能以外の様々な付加機能を搭載した移動体通信端末が広く利用されている。
【0003】
このような付加機能の1つに音楽再生機能がある。近時のデジタル技術の向上により、小型の機器で高品質な音楽再生が可能となり、この機能を移動体通信端末に搭載することで、付加価値のある製品が提供されている。デジタルデータを用いた音楽再生機能では、インターネットなどの通信ネットワークを介して音楽データを配信することができるので、通信機能を有する移動体通信端末には特に好適な付加機能となっている。
【0004】
これらの機能が充実することにより利便性や多様性が向上するものの、あくまでも付加機能であるため、移動体通信端末では、基本機能である通話機能が優先されるべきである。よって、多くの移動体通信端末では、付加機能の実行中に着信などが発生した場合には、付加機能の実行を中断して通話機能に切り替えるよう動作している。
【0005】
このような場合、実行していた機能が中断されてしまうことによって、不都合が生じることもある。例えば、着信により中断された音楽再生に復帰する際には、中断時に再生していた楽曲から再生するためのユーザ操作が必要となる場合がある。このような不都合を解消するために、例えば、特許文献1に示すような、中断時に再生していた楽曲から自動的に再生する手法などが提案されている。すなわち、通話機能を優先するための付加機能の実行中断は、何らかの不都合を生じさせる場合が多く、付加機能が充実するに伴い、様々な不都合が生じることになる。
【0006】
音楽再生機能だけをみても、技術進歩に伴ってその性能が向上しており、機能が拡張している。例えば、記憶媒体(メモリカードや内蔵メモリなど)の小型大容量化は、より多くの楽曲データを記憶可能にしている。また、楽曲数を多くできるだけでなく、データ量の大きい楽曲も格納可能となる。これにより、1つの楽曲全体が再生可能になったり、高音質化のためにデータ量が大きくなった楽曲なども再生可能となっている。このようなデータ量の大きい楽曲データは、効率的に配信できるよう、複数の分割されたデータで構成されることがある。この場合、1つの楽曲についての複数のデータを順次再生していくことで、1つの楽曲として再生することができる。
【0007】
このような、より多くの楽曲を格納できる状況においては、移動体通信端末であっても、専用の音楽再生機器と同等の機能がなければユーザビリティが低下してしまう。よって、例えば、蓄積した多くの楽曲の中からユーザの好む曲順などを指定し、指定した楽曲を連続して再生する機能なども備えられている。また、新たな楽曲データを取得して追加したり、不要な楽曲のデータを削除したりすることもユーザが自由におこなうことができる。ここで、削除対象が複数の分割データで構成されている楽曲である場合、通常、分割データ単位に順次データを削除することになる。
【0008】
このような削除動作をおこなっている最中に着信などが発生すると、削除動作を中断して通話機能に切り替わることになる。ここで、複数の分割データで構成されている楽曲を分割データ単位で削除している途中で割り込みが発生した場合、当該楽曲については、一部の分割データが残った状態で削除動作が中断されてしまう。よって、後に当該楽曲が再生された際には、曲の途中で再生音が途切れることになり、特に、複数の楽曲を連続再生している場合には聞き苦しいものとなってしまう。
【特許文献1】特開2001−346261号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、楽曲データの削除作業中に中断が生じた場合でも、良好な再生をおこなうことができる移動体通信端末等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる移動体通信端末は、
音楽再生機能を有する移動体通信端末であって、
少なくとも1以上のトラックで構成されている音楽データと、各トラックの属性情報と複数トラック間の接続情報とを含む管理情報を対応づけて格納する記憶手段と、
前記記憶手段に格納されている音楽データをトラック単位で削除する音楽データ削除手段と、
通信機能にかかる着信を検出する着信検出手段と、
前記着信検出手段による着信の検出に応じて、前記音楽データ削除手段による音楽データの削除を中断させる割り込み手段と、
前記記憶手段に格納されている音楽データを再生する再生手段と、を備え、
前記再生手段は、
再生する楽曲の管理情報に基づいて、音楽データの削除が中断した楽曲を特定する中断楽曲特定手段と、
前記中断楽曲特定手段が特定した楽曲をフェードアウト再生するフェードアウト手段と、をさらに備える、
ことを特徴とする。
【0011】
上記移動体通信端末において、
前記属性情報は、少なくとも、各トラックの位置情報を含み、
前記接続情報は、当該トラックに続くトラックがいずれであるかを示す情報を含み、
前記中断楽曲特定手段は、前記属性情報と前記接続情報とに基づいて、それぞれが複数トラックで構成されている楽曲のうち、音楽データの削除が中断された楽曲を特定することが望ましい。
【0012】
上記移動体通信端末において、
前記音楽データ削除手段は、一の楽曲を構成する複数トラックの終端トラックから順にトラック単位で、対応する音楽データと管理情報とを削除し、
前記中断楽曲特定手段は、所定の識別情報を、構成トラックが中断している楽曲の最終トラックと対応づけて前記記憶手段に記録し、
前記フェードアウト手段は、前記識別情報に対応するトラックをフェードアウト再生することが望ましい。
【0013】
上記移動体通信端末において、
前記フェードアウト手段は、音楽データの削除が中断した楽曲の再生音量を調節することでフェードアウト再生することが望ましい。
【0014】
上記移動体通信端末において、
前記中断楽曲特定手段は、音楽データの削除が中断された楽曲の音楽データを、当該楽曲がフェードアウト再生されるよう加工するデータ加工手段をさらに備えていることが望ましい。
【0015】
上記移動体通信端末は、
フェードアウト再生した楽曲の削除続行をユーザに問い合わせる情報を表示出力する表示手段と、
ユーザの指示を入力する入力手段と、をさらに備えていることが望ましく、この場合、
前記音楽データ削除手段は、前記入力手段によりフェードアウト再生した楽曲の削除続行が指示された場合、当該楽曲の音楽データ削除を続行することが望ましい。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかるプログラムは、
移動体通信端末を制御するコンピュータに、
少なくとも1以上のトラックで構成されている音楽データと、各トラックの属性情報と複数トラック間の接続情報とを含む管理情報を対応づけて記憶媒体に格納する機能と、
前記記憶媒体に格納されている音楽データのうち、複数トラックで構成されている楽曲についての音楽データと管理情報を、当該楽曲の終端トラックから順にトラック単位で削除する機能と、
着信に基づく割り込みに応じて、音楽データの削除処理を中断する機能と、
前記記憶媒体に格納されている音楽データを再生する際に、各トラックの属性情報と接続情報とに基づいて、音楽データの削除が中断された楽曲の最終トラックをフェードアウト再生する機能と、
フェードアウト再生した場合に、当該楽曲の削除を続行するか否かをユーザに問い合わせる機能と、
ユーザが削除続行を指示した場合に、当該楽曲のデータ削除を続行する機能と、
を実現させることを特徴とする。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点にかかるプログラムは、
移動体通信端末を制御するコンピュータに、
少なくとも1以上のトラックで構成されている音楽データと、各トラックの属性情報と複数トラック間の接続情報とを含む管理情報を対応づけて記憶媒体に格納する機能と、
前記記憶媒体に格納されている音楽データのうち、複数トラックで構成されている楽曲についての音楽データと管理情報を、当該楽曲の終端トラックから順にトラック単位で削除する機能と、
着信に基づく割り込みに応じて、音楽データの削除処理を中断する機能と、
前記記憶媒体に格納されている音楽データを再生する際に、音楽データの削除が中断された楽曲の最終トラックがフェードアウト再生されるよう、前記記憶媒体に格納されている当該トラックの音楽データを加工する機能と、
前記記憶媒体に格納されている音楽データを再生する機能と、
フェードアウト再生した場合に、当該楽曲の削除を続行するか否かをユーザに問い合わせる機能と、
ユーザが削除続行を指示した場合に、当該楽曲のデータ削除を続行する機能と、
を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、音楽再生機能を有する移動体通信端末(携帯電話機など)において、1曲を複数のトラック(データファイル)で構成する楽曲をトラック単位で削除する途中で、通話機能にかかる着信などが発生した場合、割り込み処理によって音楽データの削除を中断する。音楽データを再生する場合、トラックの位置情報などを示す属性情報と、トラック間の接続関係を示す接続情報とに基づいて、音楽データの削除が中断された楽曲がいずれであるかを特定する。そして、データ削除が中断された楽曲が特定された場合、当該楽曲をフェードアウト再生するので、再生音が途切れることのない良好な再生とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明にかかる実施形態を説明する。ここでは、本発明を移動体通信端末で実現した場合を例に以下説明する。
【0020】
本発明の実施形態にかかる移動体通信端末100は、例えば、携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)などといった移動体通信用の端末装置(電話機)であり、基本機能である音声通話機能の他に、少なくとも、音楽再生機能を備えているものとする。図面を参照して、移動体通信端末100の構成を以下説明する。
【0021】
図1は、本実施形態にかかる移動体通信端末100の外観を示す模式図である。移動体通信端末100の外観上の構成には、図1に示すような、アンテナ121、入力部130、表示部140、スピーカ151、マイクロフォン152、スピーカ164、などが含まれる。図2を参照して移動体通信端末100の内部構成を説明する。
【0022】
図2は、移動体通信端末100の内部構成を示すブロック図である。図示するように、本実施形態にかかる移動体通信端末100は、制御部110、通信制御部120、入力部130、表示部140、音声コーデック部150、音楽再生処理部160、記憶部170、カードIF(インタフェース)部180、などから構成される。
【0023】
制御部110は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)などから構成され、移動体通信端末100の各部を制御することで、各部間の連携動作などを実現する。
【0024】
通信制御部120は、移動体通信端末100による通信にかかる処理をおこなうものであり、図2に示すように、無線部122、音声通信部123、データ通信部124、通信IF(インタフェース)部125、などから構成される。
【0025】
無線部122は、所定の無線送受信回路などから構成され、アンテナ121との協働により、移動体通信端末100による音声通話やデータ通信に必要な無線通信をおこなう。より詳細には、移動体通信端末100と所定の基地局との無線通信をおこなうことで、移動体通信端末100の通信機能を実現する。
【0026】
音声通信部123は、所定の通信回路などから構成され、移動体通信端末100による音声通話にかかる通信処理をおこなう。より詳細には、無線部122との協働により、所定の移動体通信網を介しての音声通信をおこなうための処理をおこなう。より詳細には、無線部122との協働により、音声通話における発呼や着信にかかる動作をおこなう。また、本実施形態にかかる移動体通信端末100は、デジタル方式による音声通信をおこなうものとする。
【0027】
データ通信部124は、所定の通信回路などから構成され、移動体通信端末100によるデータ通信にかかる通信処理をおこなう。本実施形態では、少なくとも、インターネットを介したデータ通信により、音楽データのダウンロードをおこなうためのデータ通信をおこなう。例えば、データ通信部124は、ウェブサイトにアクセスするためのブラウザ機能などを備えることで、音楽データの配信サイトなどからの音楽データのダウンロードを可能にする。
【0028】
通信IF部125は、移動体通信端末100が他の情報処理装置等と通信するためのインタフェース装置であり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やIrDA(Infrared Data Association)、Bluetooth、などといった、電子機器間の通信に関する所定の規格に基づいたインタフェース装置によって構成される。本実施形態では、例えば、パーソナルコンピュータや他の移動体通信端末装置などから音楽データ取得する場合などに通信IF部125が用いられる。この場合、例えば、接続された他の装置内に記録されている音楽データを取得することができる他、接続された他の装置がCD(Compact Disc)などの記録媒体を駆動することにより、当該記録媒体に格納されている音楽データなどを取得してもよい。
【0029】
入力部130は、ユーザ操作による移動体通信端末100への入力をおこなうものであり、例えば、図1に示すように、カーソル移動や項目選択、あるいは、入力事項の確定指示などをおこなうための十字キー131や、機能などを指定するための機能ボタン群132、数字や文字などを入力するための文字キー群133、などから構成され、ユーザによって操作されることで、文字入力や種々の選択指示などをおこなう。入力部130は、ユーザによる操作に応じた入力信号を制御部110に入力する。
【0030】
表示部140は、例えば、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)などから構成され、移動体通信端末100が備える種々の機能に応じた画面を表示する。本実施形態では、制御部110により表示部140が制御されるものとする。この場合、制御部110が、表示する画面を随時作成し、表示部140の表示制御をおこなうことで、表示部140に画面表示される。
【0031】
音声コーデック部150は、移動体通信端末100の音声通話などにおける音声入出力にかかる処理をおこなうものであり、所定のコーデック(codec)回路などから構成される。本実施形態にかかる移動体通信端末100は、デジタル方式による音声通信をおこなうので、音声コーデック部150は、音声通話時に入出力される音声のコーディング(符号化)およびデコード(復号)をおこなう。すなわち、音声通信部123が受信したデジタル音声データをデコードし、アナログ信号に変換してスピーカ151から出力するとともに、マイクロフォン152から入力されたアナログ音声信号を符号化し、デジタルデータに変換して音声通信部123に供給する。
【0032】
音楽再生処理部160は、例えば、デジタル音楽データを処理するためのASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)などから構成され、移動体通信端末100の音楽再生機能にかかる処理をおこなう。図2に示すように、音楽再生処理部160は、音楽データ読書部161、音楽データ削除部162、再生部163、などから構成される。
【0033】
音楽データ読書部161は、記憶部170やメモリカード175(詳細後述)などに格納されている音楽データの読み出しや書き込みをおこなう。すなわち、音楽再生時には、再生対象となる音楽データの読み出しをおこない、新たに音楽データの取得した時には、取得した音楽データの書き込みをおこなう。また、音楽データ読書部162は、音楽データ再生機能にかかる種々の読書動作をおこなう。
【0034】
音楽データ削除部162は、記憶部170やメモリカード175などに格納されている音楽データを削除する際の処理をおこなう。
【0035】
再生部163は、音楽データ読書部161が読み出した音楽データを再生するための処理をおこなう。本実施形態では、所定の符号化形式により符号化されたデジタル音楽データの再生をおこなう。よって、再生部163は、符号化された音楽データを復号してアナログ信号に変換するためのD/Aコンバータや、変換されたアナログ信号の出力を調整するためのアンプ回路などを備え、スピーカ164やイヤホンなどから出力することで音楽再生をおこなう。また、本実施形態にかかる再生部163は、楽曲の再生に関する情報に応じて、所定の再生効果を施す。本実施形態では、再生効果としてフェードアウトなどをおこなうものとする。
【0036】
音楽再生処理部160は、上述したように、ASICなどの専用回路によるハードウェア処理によって実現可能であることはもとより、例えば、制御部110がプログラムを実行することで実現されるソフトウェア処理により実現されてもよい。この場合、制御部110が、上述した音楽再生処理部160の各構成として機能するためのプログラムを記憶部170に格納しておき、これらのプログラムを実行することにより、制御部110が音楽再生処理部160として機能することになる。
【0037】
記憶部170は、例えば、所定の半導体記憶装置(例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ、など)から構成され、種々の情報を記憶する。本実施形態では、特に、音楽再生処理部160で再生される音楽データなどが格納される。また、記憶部170には、制御部110や音楽再生処理部160などが実行する動作プログラムなども格納される他、制御部110や音楽再生処理部160などが処理をおこなう際のワークエリアとしても機能する。
【0038】
メモリカード175は、フラッシュメモリなどの記憶素子を有する着脱可能な記憶媒体であり、例えば、miniSD(商標)メモリカードなどである。カードIF部180は、メモリカード175と移動体通信端末100とのインタフェース装置であり、例えば、メモリカード175の規格に対応するカードスロットなどから構成される。したがって、メモリカード175がカードIF部180に装着されることにより、メモリカード175への読書が可能となる。本実施形態では、メモリカード175に、音楽再生処理部160で再生される音楽データなどが格納される。
【0039】
すなわち、本実施形態では、移動体通信端末100の音楽再生機能により、記憶部170及び/又はメモリカード175に格納されている音楽データを再生する。この場合、記憶部170およびメモリカード175には、音楽データを格納するための共通フォーマットの記憶領域である音楽データ記憶領域70が用意されており、この音楽データ記憶領域70に所定の音楽データが格納される。
【0040】
音楽データ格納領域70に格納される音楽データのデータ構成例を、図3を参照して説明する。図3に示すように、音楽データ格納領域70には、先頭トラック情報領域71、管理情報領域72、楽曲データ格納領域73、などの領域が用意される。
【0041】
先頭トラック情報領域71には、各楽曲の楽曲番号と当該楽曲の先頭トラックを示す先頭トラック番号とが対応づけられて格納される。また、先頭トラック情報領域71には、当該楽曲番号の楽曲の曲名を示す情報なども格納される。
【0042】
管理情報領域72には、各楽曲を構成するトラック毎の管理情報が格納される。管理情報は、当該トラックの属性や他のトラックとの関連、および、各トラックに対応する楽曲データ(実データ)のファイル名などが対応づけられた情報である。
【0043】
ここで、本実施形態では、1曲が単一のトラック(データファイル)で構成されている楽曲データと、1曲が複数のトラック(データファイル)で構成されている楽曲データとが混在しているものとする。管理情報の「属性」には、当該トラックで構成される楽曲が、単一のトラックで構成されているか、複数のトラックで構成されているかを示す属性情報が記録される。本実施形態では、単一のトラックで構成されている楽曲の属性を「シングル」、複数のトラックで構成されている楽曲の属性を「複数」とする。属性が「複数」の楽曲についてはさらに、当該トラックの楽曲中での位置を示す情報が含まれる。本実施形態では、「先頭」(「複数/先頭」)、「中間」(「複数/中間」)、「終端」(「複数/終端」)の3種類の位置情報が属性情報に含まれるものとする。
【0044】
複数のトラックで構成される楽曲は、例えば、SDAudio(商標)などの規格に基づいた楽曲データであり、複数の分割データで1曲を構成しているものである。このような複数の分割データのそれぞれを1トラックとし、曲の進行に合わせた順序でトラックを順次指定していくことで、1曲の楽曲が再生される。したがって、属性が「複数」のトラックについては、各トラック間の接続関係を示す接続情報(リンク情報)が設定される。本実施形態では、接続情報として、当該トラックの直後に再生するトラックのトラック番号を設定する(「リンク先トラック番号」)。よって、位置属性が「先頭」あるいは「中間」であるトラックには、リンク先トラック番号が設定されているが、位置属性が「終端」のトラックは、当該楽曲の最終トラックであるため、リンク先トラック番号はなく「なし」と設定される。同様に、属性が「シングル」のトラックについても、当該トラックのみで1曲が構成されるので、リンク先トラック番号は「なし」となる。
【0045】
管理情報には、各トラックに対応する楽曲データ(実データ)を示すファイル名が指定されている。指定されたファイル名の楽曲データは、楽曲データ格納領域73に格納されている。よって、楽曲再生時には、管理情報を参照することで、再生する楽曲に応じたトラックが順次認識され、認識されたトラックに対応する楽曲データを楽曲データ格納領域73から読み出して再生することになる。楽曲データ格納領域73に格納されている楽曲データは、例えば、MP3(MPEG Audio Layer-3)やAAC(Advanced Audio Coding)、HE-AAC(High Efficiency AAC)などといった、所定の音声圧縮方式でデジタル化された音声データ(音楽データ)で構成されるものとする。
【0046】
以上が本実施形態にかかる移動体通信端末100の主要な構成である。なお、上記各構成は、移動体通信端末100によって本発明を実現するために必要な構成を中心に説明したものであり、その他の構成についての詳細な説明は省略する。すなわち、移動体通信端末100は、上記各構成以外にも、移動体通信端末としての基本的な機能や付加的な機能を実現するための構成を必要に応じて備えているものとする。
【0047】
以上のような構成を有する移動体通信端末100の音楽再生機能にかかる処理について以下に説明する。ここで、本実施形態にかかる移動体通信端末100は、基本機能である音声通話機能が他の機能よりも優先されるものとする。よって、音楽再生機能にかかる処理中に音声通話の着信などが生じた場合、移動体通信端末100は、実行中の処理を中断して通話機能に切り替わるよう動作する。この場合、音声通信部123の動作に基づいて、制御部110が割り込み処理をかけることで、実行している他の機能を中断し、通話機能が優先されるよう動作する。
【0048】
以下、音楽再生機能にかかる処理として、楽曲データを削除する処理を実行している場合を説明する。
【0049】
(実施形態1)
本実施形態にかかる楽曲データ削除処理を、図4に示すフローチャートを参照して説明する。この楽曲データ削除処理は、音楽再生機能で提供される機能メニューから、楽曲データの削除を指定する項目をユーザが指定したことを契機に、音楽再生処理部160によって実行されるものとする。
【0050】
処理が開始されると、音楽データ読書部161が音楽データ格納領域70にアクセスし、格納されている楽曲の曲名情報を先頭トラック情報領域71から取得する。取得された曲名情報は、削除対象の楽曲をユーザが指定するため、図5(a)に示すように、表示部140に選択可能にリスト表示される(ステップS101)。
【0051】
ユーザは、リスト表示された楽曲から、削除対象とする楽曲を選択する。すなわち、入力部130の所定のキーなどを操作し、カーソル移動などが指示されると、図5(b)に示すような表示画面となる。この場合、表示部140には、選択した楽曲の削除を指定するための「削除」や、選択指定の取り消しを指定するための「戻る」などといった機能指定ボタンが表示される。
【0052】
ユーザは、選択した楽曲の削除を指定する場合には、「削除」に対応する入力部130のキーを操作し、取り消しを指定する場合には、「戻る」に対応するキーを操作することで、楽曲削除に関する指示を入力する。
【0053】
ここで、楽曲が指定され(ステップS102:Yes)、「戻る」が指定された場合(ステップS103:No)は、ステップS101に戻り、図5(a)に示す楽曲のリスト表示をおこなう。
【0054】
一方、楽曲が指定され(ステップS102:Yes)、「削除」が指定された場合(ステップS103:Yes)、音楽データ削除部162が、音楽データ格納領域70にアクセスし、削除指定された楽曲のデータ構成を認識する(ステップS104)。ここではまず、音楽データ削除部162が、先頭トラック情報領域71にアクセスし、削除指定された楽曲の先頭トラック番号を取得する。次に、管理情報領域72にアクセスして、取得したトラック番号に対応づけられている属性情報に基づいて、削除指定された楽曲のデータ構成を認識する。
【0055】
音楽データ削除部162は、削除指定された楽曲のデータ構成を認識すると、当該楽曲に、属性が「複数/終端」となっているトラックが含まれているか否かを判別する(ステップS105)。すなわち、削除指定された楽曲が、複数トラックから構成されるものであり、かつ、全トラックが存在しているものであるか否かを判別する。
【0056】
ここで、属性が「複数/終端」となっているトラックが含まれていない場合(ステップS105:No)、当該楽曲は単一のトラックで構成されていることになるので、音楽データ削除部162は、当該トラックに対応する楽曲データ(実データ)、管理情報、および、先頭トラック情報を削除し(ステップS106)、処理を終了する。この場合、音楽データ削除部162は、管理情報領域72の管理情報を参照し、当該トラックに対応づけられている楽曲データのファイル名を取得する。
【0057】
例えば、図3に示す例において、楽曲番号#1の楽曲が削除指定されたとすると、先頭トラック情報領域71に記録されている情報から、トラック番号#1のトラックが当該楽曲の先頭トラックであることが認識できる。そして、管理情報領域72に格納されている管理情報を参照すると、トラック番号#1のトラックの属性が「シングル」であることから、当該削除指定された楽曲は単一のトラックから構成されていることが認識できる。
【0058】
この場合、音楽データ削除部162は、管理情報を参照し、トラック番号#1に対応づけられている楽曲データのファイル名「AUDIOFILE-01」を取得し、楽曲データ格納領域73にアクセスして、ファイル名「AUDIOFILE-01」の楽曲データを削除する。楽曲データを削除すると、音楽データ削除部162は、管理情報領域72の管理情報から、トラック番号#1についてのレコードを削除する。さらに音楽データ削除部162は、先頭トラック情報領域71にトラック番号#1が先頭トラックとして記録されているレコードを削除して処理を終了する。すなわち、単一のデータで構成されている楽曲の削除は、該当する楽曲データと管理情報と先頭トラック情報とを削除することで完了する。
【0059】
一方、属性が「複数/終端」となっているトラックが含まれている場合(ステップS105:Yes)、音楽データ削除部162は、当該楽曲を構成するトラック数を計数する(ステップS107)。
【0060】
例えば、図3に示す例において、楽曲番号#2の楽曲が削除指定されたとすると、先頭トラック情報領域71に記録されている情報から、トラック番号#2のトラックが当該楽曲の先頭トラックであることが認識できる。そして、管理情報領域72に格納されている管理情報を参照すると、トラック番号#2のトラックの属性が「複数/先頭」であることから、当該削除指定された楽曲は複数のトラックから構成されていることが認識できる。
【0061】
この場合、先頭トラックであるトラック番号#2のトラックから、属性が「複数/終端」のトラックまで、リンク先トラック番号を順に追っていくことで、削除指定された楽曲を構成している複数のトラックを把握することができる。例えば、図3の例において削除指定された楽曲が楽曲番号#2の場合、先頭トラックがトラック番号#2であり、このトラックにリンクしている次のトラックはトラック番号#3である。同様に、順次リンクしていくと、属性が「複数/終端」となっているトラックは、トラック番号#5のトラックである。すなわち、楽曲番号#2の楽曲は、トラック番号#2→トラック番号#3→トラック番号#4→トラック番号#5の4つのトラックから1曲が構成されていることになる。この場合にステップS107で計数されるトラック数は「4」となる。
【0062】
ここで、音楽データ削除部162は、当該楽曲を構成するトラックを指定するトラック指定ポインタnに、計数したトラック数を代入し(ステップS108)、当該楽曲のn番目のトラックに対応する楽曲データを削除する(ステップS109)。ここでは、管理情報領域72の管理データを参照し、n番目のトラックに対応づけられている楽曲データのファイル名を特定してから、楽曲データ格納領域73にアクセスして、特定したファイル名の楽曲データを削除する。
【0063】
例えば、図3の例において削除指定された楽曲が楽曲番号#2の場合、n番目のトラックは4番目のトラック、すなわち、トラック番号#5のトラックであるので、当該トラックに対応づけられている楽曲データのファイル名は「AUDIOFILE-05」である。この場合、音楽データ削除部162は、楽曲データ格納領域73に格納されている「AUDIOFILE-05」を削除する。これにより、楽曲番号#2の楽曲の終端トラックについての楽曲データ(実データ)が削除される。
【0064】
楽曲データを削除すると、音楽データ削除部162は、n番目のトラックの管理情報を削除する(ステップS110)。例えば、図3の例において、削除指定された楽曲が楽曲番号#2の場合、管理情報領域72の管理情報を構成しているレコードのうち、当該楽曲のn番目のトラック、すなわち、トラック番号#5のトラックについての管理情報を削除する。これにより、楽曲番号#2の楽曲の終端トラックについての管理情報が削除される。
【0065】
管理情報を削除すると、音楽データ削除部162は、現在のトラック指定ポインタnから1を減算し(ステップS111)、減算後のトラック指定ポインタnが1以上であれば(ステップS112:Yes)、n番目のトラックについての管理情報を更新する。この場合、本実施形態では、音楽データ削除部162が、当該トラックに対応づけられているリンク先トラック番号を「なし」に更新する(ステップS113)。
【0066】
例えば、図3の例において、削除指定された楽曲が楽曲番号#2の場合、初期計数値であった4番目のトラック、すなわち、トラック番号#5のトラックについての管理情報がステップS110で削除されている。しかし、その1つ前のトラックである、トラック番号#4の管理情報には、リンク先トラック番号として「トラック番号#5」が設定されているので、これを「なし」に更新する。この場合のデータ構成を図6に示す。図示するように、楽曲データ格納領域73から「AUDIOFILE-05」のデータが削除され、管理情報領域72の「トラック番号#5」についての管理情報が削除され、トラック番号#4のリンク先トラック番号には「なし」が設定されている。
【0067】
このようにして、1つのトラックについての楽曲データと管理情報を削除すると、割り込み処理がない限り(ステップS114:No)、当該楽曲の先頭トラックまで順次削除処理がおこなわれる。このようにして、削除指定された楽曲を構成するすべてのトラックについての楽曲データと管理情報が削除されると(ステップS112:No)、音楽データ削除部162は、先頭トラック情報領域71に記録されている情報のうち、最後に削除したトラックが先頭トラックとして指定されているレコードを削除して(ステップS115)、処理を終了する。
【0068】
このように、複数のトラックで構成されている楽曲の削除では、終端トラックから先頭トラックまで順次削除していくので、単一トラックで構成されている楽曲の削除よりも、1曲分の楽曲データ削除に要する時間が長くなる。よって、1曲分の楽曲データの削除をおこなっている途中で、音声通話の着信などが発生する場合もある。上述したように、本実施形態にかかる移動体通信端末100は、音声通話にかかる機能の動作を他の機能よりも優先させている。したがって、楽曲データをトラック単位で削除している途中で着信などが発生した場合には、制御部110などによる割り込み処理が発生する。この場合(ステップS114:Yes)、音楽データ削除部162は、割り込みが発生した時点で楽曲データ削除処理を終了する。
【0069】
削除指定された楽曲の全トラックが削除されずに楽曲データ削除処理が終了した場合、管理情報に記録されているリンク先トラック番号に基づくリンクが中断するので、1曲を構成するトラックの属性が不完全となる。すなわち、不完全なトラック構成でデータが残存することになる。つまり、削除前の状態では「複数/先頭」→「複数/中間」…「複数/中間」→「複数/終端」とリンクしていたところ、削除途中で中断した場合、例えば、「複数/先頭」→「複数/中間」…「複数/中間」という状態となり、属性が「複数/中間」(もしくは「複数/先頭」)のトラックが、最終トラックとなってしまう。
【0070】
データ削除の中断によりトラック構成が不完全となった楽曲の再生が指示された場合、削除されたトラックについては再生することができないため、楽曲の途中で突然再生音が途切れてしまうことになる。本実施形態では、音楽再生時に所定の再生効果を適用することにより、このような不都合の解消を図る。
【0071】
以下、削除処理が途中で終了したことにより不完全なトラック構成で残存した楽曲データが再生される場合を例に、本発明にかかる再生処理の例を説明する。ここで、本実施形態では、図3に示す例において、楽曲番号#2の楽曲が削除指定され、当該楽曲の終端トラック(トラック番号#5)についての削除処理が終了した時点で楽曲データ削除処理が終了した場合を例に説明するものとする。すなわち、図6に示すようなデータ構成の状態で再生が実行された場合を例示する。
【0072】
本実施形態にかかる楽曲データ再生処理(1)を、図7に示すフローチャートを参照して説明する。この楽曲データ再生処理(1)は、ユーザが入力部130を操作することで再生モードが指定されたことを契機に、音楽データ再生処理部160により実行されるものとする。
【0073】
処理が開始されると、音楽データ読書部161が、音楽データ格納領域70の管理情報領域72にアクセスする。音楽データ読書部161は、格納されている管理情報の「属性」を参照し、属性が「複数/先頭」または「複数/中間」(以下、これらの属性名を「暫定中断」とする)となっているトラックがあるか否かを判別する(ステップS201)。
【0074】
属性が暫定中断のトラックがある場合(ステップS201:Yes)、音楽データ読書部161はさらに、属性が暫定中断のトラックについてのリンク先トラック番号を参照し、リンク先トラック番号が「なし」となっているトラックがあるか否かを判別する(ステップS202)。
【0075】
属性が暫定中断で、かつ、リンク先トラック番号が「なし」となっているトラック(以下、「中断トラック」とする)がある場合(ステップS202:Yes)、音楽データ読書部161は、図6に示すように、当該トラックについての管理情報に効果フラグをセットする(ステップS203)。つまり、音楽データ読書部161は、トラックの属性とリンク先トラック情報とに基づいて、音楽データの削除が中断された楽曲を特定し、その残存トラックのうちの最終トラックに、識別情報である効果フラグをセットする。この効果フラグは、再生時に所定の再生効果が適用されるトラックを示すフラグである。すなわち、データ削除が中断された楽曲の最終トラックに対応づけて、管理情報領域72に識別情報が記録される。本実施形態では、フラグをセットする場合、フラグ値を「1」に設定することとする。一方、中断トラックがない場合には(ステップS202:No)、効果フラグの設定はおこなわない。
【0076】
次に、音楽再生処理部160は、制御部110との協働により、再生モードを選択するための「再生ガイド画面」を表示部140に表示する(ステップS204)。再生ガイド画面の表示例を図10(a)に示す。図示するように、この再生ガイド画面には、先頭トラック情報領域71に記録されている情報に基づいて、再生可能な楽曲の曲名がリスト表示されるとともに、再生モードを指定するための機能ボタンが表示される。本実施形態では、音楽再生の再生モードとして、「連続再生」と「選曲再生」が用意されているものとする。連続再生は、音楽データ格納領域70に格納されている複数の楽曲を、楽曲番号順に連続して再生するモードであり、選曲再生は、ユーザが指定した楽曲を再生するモードである。
【0077】
ユーザは、入力部130を操作することにより、所望する再生モードを指定する。ここで、指定された再生モードが選曲再生である場合(ステップS205:No)、音楽再生処理部160は、選曲再生をおこなうための選曲再生処理(1)を実行する(ステップS400)。この選曲再生処理(1)の詳細は後述する。
【0078】
一方、連続再生が指定された場合(ステップS205:Yes)、音楽再生処理部160は、格納されている楽曲を楽曲番号順に連続再生するための連続再生処理(1)を実行する(ステップS300)。連続再生処理(1)の詳細を、図8に示すフローチャートを参照して説明する。
【0079】
処理が開始されると、音楽データ読書部161は、再生する楽曲の楽曲番号を指定するための楽曲番号ポインタmに、1曲目を示す初期値「1」を代入する(ステップS301)。そして、音楽データ読書部161は、音楽データ格納領域70の先頭トラック情報領域71にアクセスし、m番目の楽曲番号に対応づけられている先頭トラック番号を取得する(ステップS302)。ここでは、1曲目(楽曲番号#1)の先頭トラック番号が特定される。
【0080】
先頭トラック番号が取得されると、音楽データ読書部161は、管理情報領域72にアクセスし、取得した先頭トラック番号のトラックについての管理情報を参照し(ステップS303)、当該トラックの効果フラグがセットされているか否か(効果フラグが1であるか否か)を判別する(ステップS304)。
【0081】
例えば、図6に示す例では、ステップS301で1番目の楽曲が指定された場合、楽曲番号#1の先頭トラックはトラック番号#1である。トラック番号#1のトラックは、属性が「シングル」であるので、削除処理が途中で中断することはない。よって、削除が中断したトラックに設定される効果フラグはセットされていないことになる(ステップS304:No)。
【0082】
この場合、音楽データ読書部161は、当該トラックに対応づけられている楽曲データファイル名を取得する(ステップS308)。音楽データ読書部161が楽曲データファイル名を取得すると、再生部163が楽曲データ格納領域73にアクセスし、取得されたファイル名の楽曲データを再生する(ステップS309)。
【0083】
このとき、音楽データ読書部161は、当該トラックについての管理情報を参照し、リンク先トラック番号が指定されているか否かを判別する(ステップS310)。例えば、図6の例において、1曲目が指定された場合では、トラック番号#1のトラックの属性は「シングル」であるため、リンク先トラック番号は「なし」となっている。この場合(ステップS310:No)、音楽データ読書部161は、次の楽曲を指定するため、楽曲番号ポインタmを+1して更新する(ステップS311)。
【0084】
ここで、更新した楽曲番号ポインタmの示す数値が、音楽データ格納領域70に格納されている楽曲数以下である場合(ステップS312:No)、ステップS302に戻り、次の楽曲についての先頭トラック番号を取得し(ステップS302)、当該トラック番号の管理情報を参照して(ステップS303)、効果フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS304)。
【0085】
ここで、例えば、図6に示す例において、2曲目が指定された場合、楽曲番号#2の先頭トラックはトラック番号#2である。このトラックについての管理情報には、効果フラグがセットされていない(ステップS304:No)ので、音楽データ読書部161は、当該トラックに対応づけられている楽曲データファイル名を取得し(ステップS308)、再生部163が当該ファイル名の楽曲データを再生する(ステップS309)。
【0086】
ここで、トラック番号#2の管理情報には、リンク先トラック番号が指定されている(ステップS310:Yes)ので、音楽データ読書部161は、リンク先として指定されているトラックのトラック番号を取得し(ステップS313)、ステップS304に戻る。ここでは、ステップS313で取得したトラック番号のトラックに効果フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS304)。
【0087】
トラック番号#2にリンクしているトラック番号#3の管理情報には、同様に効果フラグがセットされていない(ステップS304:No)ので、ステップS308、S309の処理をおこなって、当該トラックの楽曲データを再生する。また、トラック番号#3についても、リンク先トラック番号が指定されているので(ステップS310:Yes)、リンク先のトラック番号を取得し(ステップS313)、次のトラックについて、同様の処理をおこなう。
【0088】
ここで、トラック番号#3のリンク先であるトラック番号#4の管理情報には、効果フラグがセットされている(ステップS304:Yes)。この場合、音楽データ読書部161は、当該管理情報に対応づけられている楽曲データファイル名を取得する(ステップS305)。音楽データ読書部161は、取得したファイル名と、当該トラックには効果フラグがセットされている旨を再生部163に通知する。
【0089】
再生部163は、音楽データ読書部161からの通知に応じて、楽曲データ格納領域73にアクセスし、通知されたファイル名の楽曲データを再生するとともに(ステップS306)、当該再生にフェードアウト処理を施す(ステップS307)。ここでは、通知されたファイル名の楽曲データの再生音量を調節することでフェードアウトさせる。この場合、再生部163がアンプ回路を制御することで、アナログ変換された音声信号の出力(音量)を調整し、フェードアウト再生する。
【0090】
この場合、音楽データ読書部161は、楽曲番号ポインタmを+1して更新する(ステップS311)。そして、更新した楽曲番号ポインタmの示す数値が、音楽データ格納領域70に格納されている楽曲数以下である場合(ステップS312:No)、ステップS302に戻り、次の楽曲について同様の処理をおこなう。一方、更新した楽曲番号ポインタmの示す数値が、格納されている楽曲数より大きい場合、すなわち、全曲について再生が終了した場合(ステップS312:Yes)、音楽再生処理部160は、連続再生処理(1)を終了し、図7に示す楽曲データ再生処理(1)のフローに戻る。
【0091】
次に、選曲再生が指定された場合(ステップS205:No)に実行される選曲再生処理(1)の詳細を、図9に示すフローチャートを参照して説明する。
【0092】
処理が開始されると、音楽再生処理部160は、再生する楽曲をユーザに指定させるための「楽曲リスト画面」を表示部140に表示する(ステップS401)。楽曲リスト画面の表示例を図10(b)に示す。図示するように、楽曲リスト画面には、移動体通信端末100に格納されている楽曲の曲名等が選択可能にリスト表示される。
【0093】
ユーザは、入力部130の所定のキーを操作し、カーソル移動などによって、再生を所望する楽曲を選択する。楽曲が選択されると、図10(c)に示すように、表示部140には、選択した楽曲の再生を指定するための「再生」や、選択指定の取り消しを指定するための「戻る」などといった機能指定ボタンが表示される。
【0094】
ユーザは、選択した楽曲の再生を指定する場合には、「再生」に対応する入力部130のキーを操作し、取り消しを指定する場合には、「戻る」に対応するキーを操作することで、楽曲再生に関する指示を入力する。
【0095】
選択した楽曲の再生が指示されると(ステップS402:Yes)、音楽データ読書部161が、先頭トラック情報領域71にアクセスし、指定された楽曲の楽曲番号に対応づけられている先頭トラック番号を取得する(ステップS403)。
【0096】
次に、音楽データ読書部161は、管理情報領域72にアクセスし、ステップS403で取得した先頭トラック番号に該当するトラックの管理情報を参照し(ステップS404)、当該トラックに効果フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS405)。
【0097】
当該トラックに効果フラグがセットされていない場合(ステップS405:No)、音楽データ読書部161は、当該トラックに対応づけられている楽曲データファイル名を取得し(ステップS411)、再生部163が、楽曲データ格納領域73に格納されている、当該ファイル名の楽曲データを再生する(ステップS412)。
【0098】
ここで、音楽データ読書部161は、再生したトラックの管理情報に基づいて、当該トラックにリンク先トラック番号が設定されているか否かを判別する(ステップS413)。
【0099】
リンク先トラック番号が設定されている場合(ステップS413:Yes)、音楽データ読書部161は、当該リンク先のトラックについての管理情報を参照し(ステップS414)、ステップS405に戻る。つまり、次のトラックについての再生動作をおこなう。
【0100】
一方、再生したトラックにリンク先トラック番号が設定されていない場合(ステップS413:No)において、再生オプションとしてリピート再生が設定されており(ステップS409:Yes)、かつ、ユーザによる再生終了指示が入力されなければ(ステップS410:No)、ステップS403に戻って、指定された楽曲の再生動作を繰り返し実行する。
【0101】
また、リピート再生が設定されていない(ステップS409:No)、あるいは、ユーザが再生終了を指示した場合(ステップS410:Yes)、処理を終了して、図7に示す楽曲データ再生処理(1)のフローに戻る。
【0102】
一方、再生対象のトラックに効果フラグがセットされている場合(ステップS405:Yes)、音楽データ読書部161は、当該トラックの管理情報に記録されている楽曲データのファイル名を取得する(ステップS406)。音楽データ読書部161は、取得したファイル名と、当該トラックには効果フラグがセットされている旨を再生部163に通知する。
【0103】
再生部163は、音楽データ読書部161からの通知に応じて、楽曲データ格納領域73にアクセスし、通知されたファイル名の楽曲データを再生するとともに(ステップS407)、当該再生にフェードアウト処理を施す(ステップS408)。ここでは、当該楽曲データの再生音量を徐々に低くすることでフェードアウトさせる。
【0104】
ここで、再生オプションとしてリピート再生が設定されており(ステップS409:Yes)、かつ、ユーザによる再生終了指示が入力されない場合(ステップS410:No)は、ステップS403に戻り、指定された楽曲の再生動作を繰り返し実行する。
【0105】
また、リピート再生が設定されていない(ステップS409:No)、あるいは、ユーザが再生終了を指示した場合(ステップS410:Yes)、処理を終了して、図7に示す楽曲データ再生処理(1)のフローに戻る。
【0106】
楽曲データ再生処理(1)では、連続再生処理(1)、または、選曲再生処理(1)での再生が終了すると、音楽データ読書部161が、管理情報領域72の管理情報を参照し、再生したトラックに効果フラグがセットされているものがあったか否かを判別する(ステップS206)。
【0107】
効果フラグがセットされたトラックを再生していなかった場合(ステップS206:No)、そのまま楽曲データ再生処理(1)を終了する。
【0108】
一方、効果フラグがセットされているトラックが再生されていた場合(ステップS206:Yes)、音楽データ読書部161は、当該トラックのリンク元を辿ることで、属性が「複数/先頭」となっているトラックのトラック番号を特定する。すなわち、フェードアウト再生をおこなった楽曲についての先頭トラック番号を特定する(ステップS207)。
【0109】
フェードアウト再生をおこなった楽曲についての先頭トラック番号を特定すると、音楽データ読書部161は、先頭トラック情報領域71にアクセスし、特定した先頭トラック番号に対応する楽曲番号と曲名を特定する(ステップS208)。すなわち、削除処理が中断された楽曲を特定する。
【0110】
再生した楽曲中に、削除処理が途中のものが含まれていた場合、音楽再生処理部160は制御部110と協働し、ステップS208で特定した曲名を示すとともに、当該楽曲が削除途中である旨、および、当該楽曲の削除処理の続行をおこなうか否かを問い合わせるメッセージなどを示した、図11に示すような「削除確認画面」を表示部140に表示する(ステップS209)。
【0111】
図示するように、削除確認画面には、当該楽曲の削除続行を指定するための「削除する」や、当該楽曲の削除処理をおこなわないことを指定するための「削除しない」などといった機能指定ボタンが表示される。ユーザは、表示された楽曲の削除続行を指定する場合には、「削除する」に対応する入力部130のキーを操作し、取り消しを指定する場合には、「削除しない」に対応するキーを操作することで、楽曲削除に関する指示を入力する。
【0112】
ここで、ユーザが入力部130を操作することにより、当該楽曲の削除続行が指示された場合(ステップS210:No)、音楽再生処理部160は、図4に示した楽曲データ削除処理を実行し、当該楽曲について、残りのトラックに関する情報の削除を続行する。この場合、音楽データ削除部162は、ステップS208で特定された楽曲についての削除処理をおこなうものとする。
【0113】
一方、表示された楽曲の削除続行が指示されない場合(ステップS210:Yes)は、そのまま楽曲データ再生処理(1)を終了する。
【0114】
以上説明したように、本実施形態にかかる処理を移動体通信端末100が実行することにより、削除処理が中断された楽曲データであっても、フェードアウト再生がおこなわれるので、再生音が途切れない良好な再生となる。
【0115】
(実施形態2)
上記実施形態1では、効果フラグがセットされたトラックを再生する際に、再生音量を調節することによりフェードアウトするようにしたが、当該トラックの楽曲データを加工することによりフェードアウト再生してもよい。この場合の再生に関する処理を以下説明する。なお、楽曲データの削除に関する処理は実施形態1と同様である。すなわち、図4に示す楽曲データ削除処理が実行されることで、楽曲データの削除がおこなわれる。
【0116】
本実施形態にかかる楽曲データ再生処理(2)を、図12に示すフローチャートを参照して説明する。この楽曲データ再生処理(2)は、実施形態1の楽曲データ再生処理(1)と同様、ユーザが入力部130を操作することで再生モードが指定されたことを契機に、音楽データ再生処理部160により実行されるものとする。
【0117】
処理が開始されると、音楽データ読書部161が、音楽データ格納領域70の管理情報領域72にアクセスする。音楽データ読書部161は、格納されている管理情報の「属性」を参照し、属性が暫定中断(すなわち、「複数/先頭」または「複数/中間」)となっているトラックがあるか否かを判別する(ステップS501)。
【0118】
属性が暫定中断のトラックがある場合(ステップS501:Yes)、音楽データ読書部161はさらに、属性が暫定中断のトラックについてのリンク先トラック番号を参照し、リンク先トラック番号が「なし」となっているトラック(中断トラック)があるか否かを判別する(ステップS502)。すなわち、音楽データ読書部161は、トラックの属性とリンク先トラック情報とに基づいて、データ削除が中断された楽曲を特定する。
【0119】
中断トラックがある場合(ステップS502:Yes)、音楽データ読書部161は、当該トラックの管理情報を参照し、当該トラックの楽曲データファイル名を取得する(ステップS503)。楽曲データのファイル名を取得すると、音楽データ読書部161は楽曲データ格納領域73にアクセスし、当該ファイル名の楽曲データの読み出しをおこなう(ステップS504)。この場合、例えば、記憶部170のワークエリアなどに当該楽曲データを展開し、当該楽曲データを加工可能な状態にする。
【0120】
音楽データ読書部161は、読み出した楽曲データに対し、フェードアウト処理をおこなう(ステップS505)。この場合、当該楽曲データを再生したときにフェードアウトするよう楽曲データを加工する。ここでは、当該楽曲データ中の音量を示すパラメータなどが変更されるようデータを加工する。例えば、MP3形式のデータである場合、フェードアウトとなるように、グローバルゲイン値の書き換えなどをおこなう。
【0121】
楽曲データにフェードアウト処理をおこなうと、音楽データ読書部161は、加工した楽曲データを楽曲データ格納領域73に書き込み(ステップS506)、再生部163による再生処理が可能な状態とする。すなわち、データ削除が中断された楽曲については、その楽曲の残存しているトラックのうちの最終トラックがフェードアウト再生されるよう、当該トラックの楽曲データを加工して更新する。
【0122】
ここで、楽曲データを加工してフェードアウト処理をおこなった場合、音楽データ読書部161は、フェードアウト処理をおこなったトラックの属する楽曲の楽曲番号を特定する(ステップS507)。この場合、フェードアウト処理をおこなったトラックの管理情報を参照し、リンク元となっているトラックを、属性が「複数/先頭」となっているトラックまで遡ることで、当該楽曲の先頭トラックを特定する。そして、先頭トラック情報領域71にアクセスして、当該先頭トラックに対応する楽曲番号を特定する。音楽データ読書部161はさらに、先頭トラック情報領域71における当該楽曲のレコードに、削除処理が中断されていることを示す中断フラグをセットする(ステップS508)。この場合、音楽データ読書部161は、中断フラグのフラグ値を「1」にする。すなわち、データ削除が中断された楽曲がいずれであるかが中断フラグにより示されることになる。
【0123】
一方、属性が暫定中断となっているトラックがない場合(ステップS501:No)、または、中断トラックがない場合(ステップS502:No)は、上記のようなフェードアウト処理や中断フラグのセットはおこなわない。
【0124】
次に、音楽再生処理部160は、制御部110との協働により、図10(a)に示すような「再生ガイド画面」を表示部140に表示し(ステップS509)、ユーザに再生モードを指定させる。ここでは、実施形態1と同様に、再生ガイド画面により、「連続再生」と「選曲再生」のいずれかをユーザに選択させる。
【0125】
選曲再生が選択された場合(ステップS510:No)、音楽再生処理部160は、選曲再生をおこなうための選曲再生処理(2)を実行する(ステップS700)。選曲再生処理(2)の詳細は後述する。
【0126】
一方、連続再生が選択された場合(ステップS510:Yes)は、連続再生をおこなうための連続再生処理(2)が実行される(ステップS600)。この連続再生処理(2)を、図13に示すフローチャートを参照して説明する。
【0127】
処理が開始されると、音楽データ読書部161は、再生する楽曲の楽曲番号を指定するための楽曲番号ポインタmに、1曲目を示す初期値「1」を代入する(ステップS601)。そして、音楽データ読書部161は、音楽データ格納領域70の先頭トラック情報領域71にアクセスし、m番目の楽曲番号に対応づけられている先頭トラック番号を取得する(ステップS602)。ここでは、1曲目(楽曲番号#1)の先頭トラック番号が特定される。
【0128】
先頭トラック番号が取得されると、音楽データ読書部161は、管理情報領域72にアクセスし、取得した先頭トラック番号のトラックについての管理情報を参照し(ステップS603)、当該トラックの楽曲データファイル名を取得し、再生部163に通知する(ステップS604)。
【0129】
再生部163は、楽曲データ格納領域73にアクセスし、通知されたファイル名の楽曲データを再生する(ステップS605)。このとき、音楽データ読書部161は、当該トラックについての管理情報を参照し、当該トラックにリンク先トラック番号が設定されているか否かを判別する(ステップS606)。
【0130】
リンク先トラック番号が設定されている場合(ステップS606:Yes)、音楽データ読書部161は、当該リンク先トラックについての管理情報を参照し(ステップS607)、ステップS604に戻る。すなわち、次のトラックについて、同様に再生をおこなう。
【0131】
一方、再生したトラックにリンク先トラック番号が設定されていない場合(ステップS606:No)、音楽データ読書部161は、楽曲番号指定ポインタmを+1して更新する(ステップS608)。そして、更新した楽曲番号ポインタmの示す数値が、音楽データ格納領域70に格納されている楽曲数以下である場合(ステップS609:No)、ステップS604に戻り、次の楽曲についての再生をおこなう。
【0132】
一方、更新した楽曲番号ポインタmの示す数値が、格納されている楽曲数より大きい場合、すなわち、全曲について再生が終了した場合(ステップS609:Yes)、音楽再生処理部160は、連続再生処理(2)を終了し、図12に示す楽曲データ再生処理(2)のフローに戻る。
【0133】
次に、選曲再生が指定された場合(ステップS510:No)に実行される選曲再生処理(2)の詳細を、図14に示すフローチャートを参照して説明する。
【0134】
処理が開始されると、音楽再生処理部160は、再生する楽曲をユーザに指定させるための、図10(b)に示すような「楽曲リスト画面」を表示部140に表示する(ステップS701)。楽曲リスト画面には、移動体通信端末100に格納されている楽曲の曲名等が選択可能にリスト表示される。
【0135】
ユーザは、入力部130の所定のキーを操作し、カーソル移動などによって、再生を所望する楽曲を選択する。楽曲が選択されると、図10(c)に示すように、表示部140には、選択した楽曲の再生を指定するための「再生」や、選択指定の取り消しを指定するための「戻る」などといった機能指定ボタンが表示される。
【0136】
ユーザは、選択した楽曲の再生を指定する場合には、「再生」に対応する入力部130のキーを操作し、取り消しを指定する場合には、「戻る」に対応するキーを操作することで、楽曲再生に関する指示を入力する。
【0137】
選択した楽曲の再生が指示されると(ステップS702:Yes)、音楽データ読書部161が、先頭トラック情報領域71にアクセスし、指定された楽曲の楽曲番号に対応づけられている先頭トラック番号を取得する(ステップS703)。続いて音楽データ読書部161は、管理情報領域72にアクセスし、取得した先頭トラック番号に対応する管理情報を参照し(ステップS704)、当該トラックの楽曲データファイル名を取得して再生部163に通知する(ステップS705)。再生部163は楽曲データ格納領域73にアクセスし、通知されたファイル名の楽曲データを再生する(ステップS706)。
【0138】
ここで、音楽データ読書部161は、再生したトラックの管理情報に基づいて、当該トラックにリンク先トラック番号が設定されているか否かを判別する(ステップS707)。
【0139】
リンク先トラック番号が設定されている場合(ステップS707:Yes)、音楽データ読書部161は、当該リンク先のトラックについての管理情報を参照し(ステップS708)、ステップS705に戻る。つまり、次のトラックについての再生動作をおこなう。
【0140】
一方、再生したトラックにリンク先トラック番号が設定されていない場合(ステップS707:No)において、再生オプションとしてリピート再生が設定されており(ステップS709:Yes)、かつ、ユーザによる再生終了指示が入力されなければ(ステップS710:No)、ステップS703に戻って、指定された楽曲の再生動作を繰り返し実行する。
【0141】
また、リピート再生が設定されていない(ステップS709:No)、あるいは、ユーザが再生終了を指示した場合(ステップS710:Yes)、処理を終了して、図12に示す楽曲データ再生処理(2)のフローに戻る。
【0142】
楽曲データ再生処理(2)では、連続再生処理(2)または選曲再生処理(2)での再生が終了すると、音楽データ読書部161が、先頭トラック情報領域71にアクセスし、再生した楽曲に中断フラグがセットされているものがあったか否かを判別する(ステップS511)。
【0143】
中断フラグがセットされた楽曲を再生していなかった場合(ステップS511:No)、そのまま楽曲データ再生処理(2)を終了する。
【0144】
一方、中断フラグがセットされている楽曲が再生されていた場合(ステップS511:Yes)、音楽再生処理部160は制御部110と協働し、当該楽曲の曲名を示すとともに、当該楽曲が削除途中である旨、および、当該楽曲の削除処理の続行をおこなうか否かを問い合わせるメッセージなどを示した、図11に示すような「削除確認画面」を表示部140に表示する(ステップS512)。
【0145】
この場合、実施形態1と同様、ユーザが入力部130を操作することにより、当該楽曲の削除続行をおこなうか否かを指示する。当該楽曲の削除続行が指示された場合(ステップS513:No)、音楽再生処理部160は、図4に示した楽曲データ削除処理を実行し、当該楽曲について、残りのトラックに関する情報の削除を続行する。この場合、音楽データ削除部162は、中断フラグがセットされた楽曲についての削除処理をおこなうものとする。
【0146】
一方、表示された楽曲の削除続行が指示されない場合(ステップS513:Yes)は、そのまま楽曲データ再生処理(2)を終了する。
【0147】
以上説明したように、本実施形態にかかる処理を移動体通信端末100が実行することにより、削除処理が中断された楽曲データであっても、フェードアウト再生がおこなわれるので、再生音が途切れない良好な再生となる。
【0148】
上記各実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、種々の応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
【0149】
上記各実施形態では、楽曲データの削除時には、終端トラックから順に削除していき、削除処理が中断した楽曲については、残存しているトラックの最終トラックをフェードアウト再生することにより、再生音の途切れを発生させないようにしたが、例えば、先頭トラックから順に削除していき、削除処理が中断した楽曲については、残存しているトラックのうちの先頭トラックをフェードイン再生するようにしてもよい。
【0150】
また、上記各実施形態では、接続情報として、当該トラックの直後に再生するトラックを示すリンク先トラック番号を設定するものとしたが、各トラック間の接続関係を示すものであればこれに限られない。例えば、当該トラックの直前に再生するトラックが指定されるよう接続情報を設定してもよい。
【0151】
上記各実施形態では、音楽データとしてMP3形式などの音声データを例示したが、再生するデータの形式はこれに限られず任意である。例えば、WAV形式のデータやMIDIデータなどであってもよい。
【0152】
上記各実施形態では、残存しているトラックのうちの最終トラックの再生をフェードアウトとしたが、残存している複数のトラックにわたってフェードアウト処理するようにしてもよい。
【0153】
また、上記各実施形態では、移動体通信端末100の通話機能にかかる着信の際に、音楽データ削除処理を中断することとしたが、通話機能の着信に限らず、種々の動作に基づく割り込み処理によって、音楽データ削除処理を中断するよう制御してもよい。例えば、電子メールの受信などに基づいて、音楽データ削除処理を中断してもよい。
【0154】
上記各実施形態では、本発明にかかる移動体通信端末を移動体通信端末で実現させた例を示したが、このような移動体通信端末は、上述した本発明を実現するための機能を予め備えている装置として提供できる他、これらの機能を備えていない移動体通信端末にプログラムを適用することで、上述した移動体通信端末100として機能させることができる。この場合、上述した音楽再生処理部160による各処理を実現するためのプログラムを既存の移動体通信端末に適用し、当該移動体通信端末を制御するコンピュータ(CPUなど)が適用されたプログラムを実行することで、上述した音楽再生処理部160の各機能を実現することができる。すなわち、このようなプログラムを、移動体通信端末の記憶装置にインストールし、制御装置がこれを実行することで、既存の移動体通信端末を上記移動体通信端末100として機能させることができる。
【0155】
同様に、このようなプログラムを、音楽再生機能を有する種々の装置に適用することによっても、本発明を実現することができる。すなわち、移動体通信端末に限らず、デジタル方式での音楽再生が可能な種々の装置に本発明を適用することができる。例えば、音楽再生が可能なPDA(Personal Data Assistance:携帯情報端末)やパーソナルコンピュータなどといった任意の装置に本発明を適用してもよい。この場合、適用する装置に通信機能が備えられている場合には、例えば、電子メールの受信などに応じて、音楽データの削除処理を中断するよう動作させ、音楽データの再生時に、上記実施形態と同様のフェードアウト再生をおこなうようにしてもよい。
【0156】
すなわち、このようなプログラムを適用することにより、本発明を実現するための専用装置に限らず、種々の装置で本発明を実現させることができる。例えば、汎用のコンピュータ装置などによって本発明を実現することもできる。
【0157】
このようなプログラムの適用方法は任意であり、例えば、インターネットなどの通信媒体を介して提供することで任意の装置に適用することが可能である他、所定の記録媒体(例えば、CD−ROM、DVD、メモリカード、など)にプログラムを格納して配布して適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1】本発明の実施形態にかかる移動体通信端末の外観を模式的に示す図である。
【図2】図1に示す移動体通信端末の内部構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す記憶部またはメモリカードに記録される音楽情報のデータ構成例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態にかかる楽曲データ削除処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】図3に示す処理における画面表示の表示例を示す図であり、(a)は削除対象のリスト画面の表示例を示し、(b)は削除対象楽曲が選択された際の画面表示例を示す。
【図6】図4に示す処理によって楽曲データが削除された後のデータ構成例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態1にかかる楽曲データ再生処理(1)を説明するためのフローチャートである。
【図8】図7に示す処理で実行される連続再生処理(1)を説明するためのフローチャートである。
【図9】図7に示す処理で実行される選曲再生処理(1)を説明するためのフローチャートである。
【図10】図7に示す処理における画面表示例を示す図であり、(a)は再生モードを選択させるための画面の表示例を示し、(b)は選曲再生において楽曲を選択させるための画面の表示例を示し、(c)は選曲再生において楽曲が選択された際の画面表示例を示す。
【図11】図7に示す処理において表示される削除確認画面の表示例を示す図である。
【図12】本発明の実施形態2にかかる楽曲データ再生処理(2)を説明するためのフローチャートである。
【図13】図12に示す処理で実行される連続再生処理(2)を説明するためのフローチャートである。
【図14】図12に示す処理で実行される選曲再生処理(2)を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0159】
100…移動体通信端末、110…制御部、120…通信制御部、122…無線部、123…音声通信部、124…データ通信部、125…通信IF部、130…入力部、140…表示部、150…音声コーデック部、160…音楽再生処理部、161…音楽データ読書部、162…音楽データ削除部、163…再生部、170…記憶部、175…メモリカード、180…カードIF部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音楽再生機能を有する移動体通信端末であって、
少なくとも1以上のトラックで構成されている音楽データと、各トラックの属性情報と複数トラック間の接続情報とを含む管理情報を対応づけて格納する記憶手段と、
前記記憶手段に格納されている音楽データをトラック単位で削除する音楽データ削除手段と、
通信機能にかかる着信を検出する着信検出手段と、
前記着信検出手段による着信の検出に応じて、前記音楽データ削除手段による音楽データの削除を中断させる割り込み手段と、
前記記憶手段に格納されている音楽データを再生する再生手段と、を備え、
前記再生手段は、
再生する楽曲の管理情報に基づいて、音楽データの削除が中断した楽曲を特定する中断楽曲特定手段と、
前記中断楽曲特定手段が特定した楽曲をフェードアウト再生するフェードアウト手段と、をさらに備える、
ことを特徴とする移動体通信端末。
【請求項2】
前記属性情報は、少なくとも、各トラックの位置情報を含み、
前記接続情報は、当該トラックに続くトラックがいずれであるかを示す情報を含み、
前記中断楽曲特定手段は、前記属性情報と前記接続情報とに基づいて、それぞれが複数トラックで構成されている楽曲のうち、音楽データの削除が中断された楽曲を特定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の移動体通信端末。
【請求項3】
前記音楽データ削除手段は、一の楽曲を構成する複数トラックの終端トラックから順にトラック単位で、対応する音楽データと管理情報とを削除し、
前記中断楽曲特定手段は、所定の識別情報を、構成トラックが中断している楽曲の最終トラックと対応づけて前記記憶手段に記録し、
前記フェードアウト手段は、前記識別情報に対応するトラックをフェードアウト再生する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の移動体通信端末。
【請求項4】
前記フェードアウト手段は、音楽データの削除が中断した楽曲の再生音量を調節することでフェードアウト再生する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の移動体通信端末。
【請求項5】
前記中断楽曲特定手段は、音楽データの削除が中断された楽曲の音楽データを、当該楽曲がフェードアウト再生されるよう加工するデータ加工手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の移動体通信端末。
【請求項6】
フェードアウト再生した楽曲の削除続行をユーザに問い合わせる情報を表示出力する表示手段と、
ユーザの指示を入力する入力手段と、をさらに備え、
前記音楽データ削除手段は、前記入力手段によりフェードアウト再生した楽曲の削除続行が指示された場合、当該楽曲の音楽データ削除を続行する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の移動体通信端末。
【請求項7】
移動体通信端末を制御するコンピュータに、
少なくとも1以上のトラックで構成されている音楽データと、各トラックの属性情報と複数トラック間の接続情報とを含む管理情報を対応づけて記憶媒体に格納する機能と、
前記記憶媒体に格納されている音楽データのうち、複数トラックで構成されている楽曲についての音楽データと管理情報を、当該楽曲の終端トラックから順にトラック単位で削除する機能と、
着信に基づく割り込みに応じて、音楽データの削除処理を中断する機能と、
前記記憶媒体に格納されている音楽データを再生する際に、各トラックの属性情報と接続情報とに基づいて、音楽データの削除が中断された楽曲の最終トラックをフェードアウト再生する機能と、
フェードアウト再生した場合に、当該楽曲の削除を続行するか否かをユーザに問い合わせる機能と、
ユーザが削除続行を指示した場合に、当該楽曲のデータ削除を続行する機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
移動体通信端末を制御するコンピュータに、
少なくとも1以上のトラックで構成されている音楽データと、各トラックの属性情報と複数トラック間の接続情報とを含む管理情報を対応づけて記憶媒体に格納する機能と、
前記記憶媒体に格納されている音楽データのうち、複数トラックで構成されている楽曲についての音楽データと管理情報を、当該楽曲の終端トラックから順にトラック単位で削除する機能と、
着信に基づく割り込みに応じて、音楽データの削除処理を中断する機能と、
前記記憶媒体に格納されている音楽データを再生する際に、音楽データの削除が中断された楽曲の最終トラックがフェードアウト再生されるよう、前記記憶媒体に格納されている当該トラックの音楽データを加工する機能と、
前記記憶媒体に格納されている音楽データを再生する機能と、
フェードアウト再生した場合に、当該楽曲の削除を続行するか否かをユーザに問い合わせる機能と、
ユーザが削除続行を指示した場合に、当該楽曲のデータ削除を続行する機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
音楽再生機能を有する移動体通信端末であって、
少なくとも1以上のトラックで構成されている音楽データと、各トラックの属性情報と複数トラック間の接続情報とを含む管理情報を対応づけて格納する記憶手段と、
前記記憶手段に格納されている音楽データをトラック単位で削除する音楽データ削除手段と、
通信機能にかかる着信を検出する着信検出手段と、
前記着信検出手段による着信の検出に応じて、前記音楽データ削除手段による音楽データの削除を中断させる割り込み手段と、
前記記憶手段に格納されている音楽データを再生する再生手段と、を備え、
前記再生手段は、
再生する楽曲の管理情報に基づいて、音楽データの削除が中断した楽曲を特定する中断楽曲特定手段と、
前記中断楽曲特定手段が特定した楽曲をフェードアウト再生するフェードアウト手段と、をさらに備える、
ことを特徴とする移動体通信端末。
【請求項2】
前記属性情報は、少なくとも、各トラックの位置情報を含み、
前記接続情報は、当該トラックに続くトラックがいずれであるかを示す情報を含み、
前記中断楽曲特定手段は、前記属性情報と前記接続情報とに基づいて、それぞれが複数トラックで構成されている楽曲のうち、音楽データの削除が中断された楽曲を特定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の移動体通信端末。
【請求項3】
前記音楽データ削除手段は、一の楽曲を構成する複数トラックの終端トラックから順にトラック単位で、対応する音楽データと管理情報とを削除し、
前記中断楽曲特定手段は、所定の識別情報を、構成トラックが中断している楽曲の最終トラックと対応づけて前記記憶手段に記録し、
前記フェードアウト手段は、前記識別情報に対応するトラックをフェードアウト再生する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の移動体通信端末。
【請求項4】
前記フェードアウト手段は、音楽データの削除が中断した楽曲の再生音量を調節することでフェードアウト再生する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の移動体通信端末。
【請求項5】
前記中断楽曲特定手段は、音楽データの削除が中断された楽曲の音楽データを、当該楽曲がフェードアウト再生されるよう加工するデータ加工手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の移動体通信端末。
【請求項6】
フェードアウト再生した楽曲の削除続行をユーザに問い合わせる情報を表示出力する表示手段と、
ユーザの指示を入力する入力手段と、をさらに備え、
前記音楽データ削除手段は、前記入力手段によりフェードアウト再生した楽曲の削除続行が指示された場合、当該楽曲の音楽データ削除を続行する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の移動体通信端末。
【請求項7】
移動体通信端末を制御するコンピュータに、
少なくとも1以上のトラックで構成されている音楽データと、各トラックの属性情報と複数トラック間の接続情報とを含む管理情報を対応づけて記憶媒体に格納する機能と、
前記記憶媒体に格納されている音楽データのうち、複数トラックで構成されている楽曲についての音楽データと管理情報を、当該楽曲の終端トラックから順にトラック単位で削除する機能と、
着信に基づく割り込みに応じて、音楽データの削除処理を中断する機能と、
前記記憶媒体に格納されている音楽データを再生する際に、各トラックの属性情報と接続情報とに基づいて、音楽データの削除が中断された楽曲の最終トラックをフェードアウト再生する機能と、
フェードアウト再生した場合に、当該楽曲の削除を続行するか否かをユーザに問い合わせる機能と、
ユーザが削除続行を指示した場合に、当該楽曲のデータ削除を続行する機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
移動体通信端末を制御するコンピュータに、
少なくとも1以上のトラックで構成されている音楽データと、各トラックの属性情報と複数トラック間の接続情報とを含む管理情報を対応づけて記憶媒体に格納する機能と、
前記記憶媒体に格納されている音楽データのうち、複数トラックで構成されている楽曲についての音楽データと管理情報を、当該楽曲の終端トラックから順にトラック単位で削除する機能と、
着信に基づく割り込みに応じて、音楽データの削除処理を中断する機能と、
前記記憶媒体に格納されている音楽データを再生する際に、音楽データの削除が中断された楽曲の最終トラックがフェードアウト再生されるよう、前記記憶媒体に格納されている当該トラックの音楽データを加工する機能と、
前記記憶媒体に格納されている音楽データを再生する機能と、
フェードアウト再生した場合に、当該楽曲の削除を続行するか否かをユーザに問い合わせる機能と、
ユーザが削除続行を指示した場合に、当該楽曲のデータ削除を続行する機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−343603(P2006−343603A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−170202(P2005−170202)
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】
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