説明

移動環境認識装置及び方法

【課題】高精度に測定対象の形状認識情報を得る。
【解決手段】測定対象までの距離画像データを得る距離画像測定工程ステップST1と、この距離画像測定工程で得た距離画像データに基づき、所定のデータの集合体からなるラベリング領域を作成するラベリング処理工程ステップST2〜ステップST7と、このラベリング処理工程で作成した複数のラベリング領域に基づいて複数の上面データを形成する上面データ形成工程ステップST8と、この上面データ形成工程で形成した複数の上面データに基づいて測定対象の形状を認識する形状認識工程ステップST9〜ステップST13と、を備えた移動環境認識方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移動環境認識装置及び方法に関し、例えば脚型ロボットや脚車輪型ロボットのような脚動作型移動体が移動する際に必要とする、移動環境の有無、状況を認識する場合に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
脚型ロボットや、脚着地部材として車輪を有する脚車輪型ロボットのような脚動作型移動体は、段差がある移動環境を脚により歩行動作をする際には、例えば階段の踏み板のように、一歩移動するごとに脚によって自立できる場所(これを踏み場と呼ぶ)を踏みしめている必要があり、当該踏み場が存在することを歩行動作を開始する前に認識しておく必要がある。
従来、この種の認識手法として、特許文献1及び2の手法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−144278号公報
【特許文献2】特開2008−224380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の手法は、腰部に取り付けられた外部センサが、床面までの距離や床面形状の計測を行うために、スリット光を照射する発光手段と、光切断線を撮像する視準値の異なる2つの撮像手段と、光切断方向から撮像された画像を基に計測対象までの距離を算出する手段と、周囲を監視する手段と、を設け、当該2つの撮像手段により同一物体の対応付け及び視差を利用して距離の算出を行う二眼立体視構成を有する。
この特許文献1の手法は、腰部に取り付けられることにより検出感度が向上することや、ロボットの動作中も安定に床面の計測を行うことができるところに特徴があり、基本となる技術は従来技術そのままを用いている点において環境の認識が未だ不十分である。
【0005】
また、特許文献2の手法は、三次元レーザレーダによって得られた垂直走査面内の距離データのデータ配列から測定対象の垂直方向及び水平方向の特徴を抽出するようにしたことにより、脚動作型移動体が測定対象を歩行できるような移動環境情報を得るようになされているが、レーザの走査による切断面の特徴量から三次元形状を再構築するために、処理すべき情報量が多く、また手順も複雑であるため、これらを軽減することが望ましい。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高精度に測定対象の形状認識情報を得ることができる移動環境認識装置及び方法を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る請求項1記載の移動環境認識装置は、移動体が歩行動作すべき測定対象を認識する移動環境認識装置であって、前記移動体に配置され、測定対象までの距離画像データを得る距離画像測定部と、この距離画像測定部が得た前記距離画像データに基づき、所定のデータの集合体からなるラベリング領域を作成するラベリング処理手段と、複数のラベリング領域に基づいて複数の上面データを形成する上面データ形成手段と、この上面データ形成手段が形成した複数の上面データに基づいて前記測定対象の形状を認識する形状認識手段と、を備えている。
【0007】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の移動環境認識装置において、前記ラベリング処理手段は、前記距離画像データに基づいて正面データを作成し、当該正面データを所定の閾値と比較して二値化し、二値化されたデータに基づいて前記ラベリング領域を作成する。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の移動環境認識装置において、前記移動体の姿勢角変化を検知する姿勢測定部を備え、前記上面データ形成手段は、前記姿勢測定部が検知した姿勢角変化の情報を用いて前記上面データを形成する。
【0008】
また、請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の移動環境認識装置において、前記測定対象は階段であり、前記形状認識手段は、前記上面データ形成手段が作成した複数の上面データの中から連続する上面データを形成する連続データ形成手段と、この連続データ形成手段で形成した連続する上面データに基づいて、上り階段、或いは下り階段を判定する判定手段と、この連続データ形成手段で形成した連続する上面データに基づいて、前記階段の形状を認識する階段形状認識手段と、を備えている。
【0009】
また、請求項5記載の発明は、移動体が歩行動作すべき測定対象を認識する移動環境認識方法であって、測定対象までの距離画像データを得る距離画像測定工程と、この距離画像測定工程で得た前記距離画像データに基づき、所定のデータの集合体からなるラベリング領域を作成するラベリング処理工程と、このラベリング処理工程で作成した複数のラベリング領域に基づいて複数の上面データを形成する上面データ形成工程と、この上面データ形成工程で形成した複数の上面データに基づいて前記測定対象の形状を認識する形状認識工程と、を備えている。
【0010】
また、請求項6記載の発明は、請求項5記載の移動環境認識方法において、前記ラベリング処理工程は、前記距離画像データに基づいて正面データを作成し、当該正面データを所定の閾値と比較して二値化し、二値化されたデータに基づいて前記ラベリング領域を作成する。
また、請求項7記載の発明は、請求項5又は6記載の移動環境認識方法において、前記移動体の姿勢角変化を検知する姿勢測定工程を備え、前記上面データ形成工程は、前記姿勢測定工程で検知した姿勢角変化の情報を用いて前記上面データを形成する。
【0011】
さらに、請求項8記載の発明は、請求項5乃至7の何れか1項に記載の移動環境認識方法において、前記測定対象は階段であり、前記形状認識工程は、前記上面データ形成工程で作成した複数の上面データの中から連続する上面データを形成する連続データ形成工程と、この連続データ形成工程で形成した連続する上面データに基づいて、上り階段、或いは下り階段を判定する判定工程と、この連続データ形成工程で形成した連続する上面データに基づいて、前記階段の形状を認識する階段形状認識工程と、を備えている。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る移動環境認識装置及び方法によれば、測定対象までの距離画像データを得る距離画像測定部が測定した距離画像データに基づき、所定のデータの集合体からなるラベリング領域を作成し、その複数のラベリング領域に基づいて複数の上面データを形成し、それら複数の上面データに基づいて測定対象の形状を認識しているので、高精度に測定対象の形状認識情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】移動体の構成を示す概略図である。
【図2】外界認識装置を示すブロック図である。
【図3】測定対象の認識処理を示す第1実施形態のフローチャートである。
【図4】距離画像測定部が測定する測定エリアである。
【図5】二値化処理で得られた濃淡データを示すものである。
【図6】ラベリング処理された測定対象としての階段の床面のデータである。
【図7】ラベリング処理された測定対象としての階段の1段目の踏み面のデータである。
【図8】ラベリング処理された測定対象としての階段の2段目の踏み面の上面データである。
【図9】上面データのファーサイドエッジとニアサイドエッジを抽出する状態を示す図である。
【図10】上面データから階段として連続する面を抽出する動作を示す図である。
【図11】階段の連続する面として抽出しないデータを示す図である。
【図12】上り階段を判定する動作を示す図である。
【図13】下り階段を判定する動作を示す図である。
【図14】上り階段の情報を取得する動作を示す図である。
【図15】下り階段の情報を取得する動作を示す図である。
【図16】図15とは踏み面の大きさが異なる下り階段の情報を取得する動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1において、符号1は全体として移動体を示し、直方体形状の移動体本体2の前面上部に移動環境検出器3が設けられている。
移動体本体2の前面下部の左右両端位置には左前脚4L及び右前脚4Rが装着されていると共に、移動体本体2の後面下部の左右両端位置には左後脚5L及び右後脚5Rが装着されている。
左前脚4L及び右前脚4R並びに左後脚5L及び右後脚5Rは、それぞれ支軸周りの関節J0、股関節J1及び膝関節J2を介して脚車輪J3を歩行動作ができるように保持している。
【0015】
そして、左前脚4L及び右前脚4R並びに左後脚5L及び右後脚5Rが平らな床面6上に自立しているときには、脚車輪J3を回転駆動することにより、移動体本体2を車輪の回転動作を利用して移動できるようになされていると共に、移動体本体2が測定対象としての階段を上り下りする際には、左前脚4L若しくは右前脚4R又は左後脚5L若しくは右後脚5Rのいずれか1つ、または2つ以上を階段の段差を上り下りするように脚車輪J3を回転駆動させずに、若しくは、階段の上の段の存在する側へ進むよう回転駆動しながら歩行動作させ、これにより脚車輪J3を階段の踏み面を踏む手段として用いて階段を1歩ずつ上ったり下ったりできるようになされている。
このような移動体1の移動動作は、移動体本体2内に設けられている外界認識装置9が移動環境検出器3の検出結果を用いて移動環境を認識して左前脚4L若しくは右前脚4R又は左後脚5L若しくは右後脚5Rを駆動制御することによって行われる。
【0016】
外界認識装置9は、図2に示すように、移動環境検出器3として距離画像測定部36及び姿勢測定部37を装備し、情報処理を行うパーソナルコンピュータによって構成され、データ入出力手段11からユーザが入力した指令データをバス12を介してシステム制御用中央処理ユニット(CPU)13が受け取ったとき、これに応じてCPU13がプログラムROM・動作メモリRAM14を用いて移動環境検出器3の検出結果に応じた環境認識演算処理を実行し、データ入出力手段11を通じて本体駆動部15に当該環境認識結果を通知することにより、左前脚4L若しくは右前脚4R又は左後脚5L若しくは右後脚5Rを移動動作させる。なお、図2の符号16は、外部PC等との無線通信を行う無線通信部である。また、図2の符号17は、後述する測定対象の形状認識処理で使用する画像メモリである。
【0017】
移動環境検出器3を構成する距離画像測定部36は、カメラの画素毎に距離情報が得られ、多点の距離を同時に高速に測定することが可能な距離画像センサが使用されており、距離画像センサの測定領域内において、カメラの画素毎に距離情報が距離画像データメモリ36Aに蓄積される。
距離画像測定部36は、移動体1の前方の床面6を検出するように、撮像方向を斜め下向きに配置している。
【0018】
距離画像測定部36とともに移動環境検出器3を構成する姿勢測定部37は、距離画像測定部36に装着された傾斜角測定センサであり、例えば、距離画像測定部36の角速度を検知するジャイロセンサと、鉛直方向を検知するための加速度センサによって構成され、測定された姿勢角データは、姿勢データメモリ37Aに蓄積される。
なお、本実施形態では、姿勢測定部37が移動環境検出器3内(距離画像測定部36の上部)に存在しているが、図1の破線で示すように移動本体2に姿勢測定部37を装着してもよい。その場合には、移動本体2からの姿勢角を取得し、移動本体2との相対姿勢と合わせて姿勢角データを算出する。
【0019】
次に、CPU13が実行する測定対象の環境認識演算処理の第1実施形態について、図3に示すフローチャート及び図4から図16を参照して説明する。ここで、図1に示すように、水平方向をX軸で表し、このX軸に直交する平面の座標をZ軸及びY軸で表す。
図4は、距離画像測定部36が測定した測定エリアであり、この測定エリアには、床面6上に、測定対象としての階段7が存在している。ここで、床面6をFloor0、階段7の1段目の踏み面をFloor1、階段7の2段目の踏み面をFloor2と称する。
【0020】
CPU13は、図3で示す測定対象の形状認識処理を行う。
先ず、図3のステップST1において、距離画像測定部36が測定した距離画像データメモリ36Aに蓄積されている距離情報を三次元空間に投影したときのYZ断面(正面)のデータ(画像)を作成する。その際、図5(a)に示すように、出現頻度に応じて濃淡の異なる画像とする。
【0021】
次いでステップST2に移行し、作成した図5(a)のYZ断面(正面)の濃淡画像データを所定の閾値と比較して二値化処理を行う。ここで、図5(b)が、ステップST3の二値化処理で得られたデータを示す。
次いでステップST3に移行し、二値化処理で得られたデータの切れ目補間、ノイズ軽減処理を行う。
【0022】
次いでステップST4に移行し、二値化処理で得られたYZ断面(正面)のデータから複数のラベリング領域(連結成分)を作成するラベリング処理を行う。
次いでステップST5に移行し、各ラベリング領域のZ座標の平均値、及びZ座標の最大値Zmax〜最小値Zminを算出する。
次いでステップST6に移行し、ステップST5の算出結果に基づいて、各ラベリング領域を、Z座標が最小値Zminのものから最大値Zmaxのものまで昇順に並べ替える。
【0023】
次いでステップST7に移行し、かすれ、遮蔽により別体となったラベリング領域の復元を行うため、ステップST6の結果に基づいて、Z座標の範囲が重なるラベリング領域を統合する。
次いでステップST8に移行し、ステップST7の結果に基づいて、各ラベリング領域、すなわちXY断面(上面)データ(Floor0、Floor1、Floor2)毎に、Z座標の条件(Zmin〜Zmax)に対応するX座標を抽出し、XY断面(上面)データとして画像メモリ17にプロットしていく。なお、画像メモリ17にプロットされたXY(上面)データは、測定対象が階段7である場合には、図6〜図8に示すように、白抜きの四角形状のデータとなる。
【0024】
次いでステップST9に移行し、画像メモリ17にプロットされたXY(上面)データに基づいて、各段の踏み面(Floor0、Floor1、Floor2)の一番大きなエリアを抽出してノイズ除去処理を行う。
次いでステップST10に移行し、画像メモリ17にプロットされた全てのXY(上面)データのX軸方向のエッジを抽出する。具体的には、図9(a)に示すように、白抜きの四角形状とした全てのXY(上面)データに対して姿勢データメモリ37Aに蓄積された姿勢角データに基づいた座標変換を行い、ファーサイドエッジFEと、ニアサイドエッジNEを抽出する(図9(b)参照)。
【0025】
次いでステップST11に移行し、画像メモリ17にプロットされたXY(上面)データの中から、階段として連続する複数の上面(踏み面)を抽出する。
具体的には、図10の(b)、(c)、(e)、(f)に示すように、一対の上面の中心を結ぶ線L1と、一対の上面の隣接する上部のファーサイドエッジFE及びニアサイドエッジNEの一方とが交差している場合に、階段として連続する一対の上面として抽出する。しかし、図10の(d)に示すように、一対の上面の中心を結ぶ線L1と、一対の上面の隣接するファーサイドエッジFE及びニアサイドエッジNEの一方とが交差していない場合には、階段を構成する上面としては抽出しない。
【0026】
また、階段として連続する上面(踏み面)を抽出する際の二重の判定として、図10(a)に示す一対の上面は、一対の上面の中心を結ぶ線L1と、一対の上面の隣接するファーサイドエッジFE及びニアサイドエッジNEの一方とが交差しているが、図11に示すように、一対の上面がY軸方向に重なりがない場合には、階段を構成する上面としては抽出しないようにしている。
【0027】
次いでステップST12に移行し、ステップST12で抽出した階段として連続する上面のデータに基づいて、上り階段、下り階段の判定を行う。
具体的には、図12に示すように、Z座標が小さい(高さが低い)上面Surface iと、Z座標が大きい(高さが高い)上面Surface i+1とがそれら面の中心を線L1で結んだときに、この線L1と、Z座標が大きい上面Surface i+1のニアサイドエッジNEとが交差する場合(図12の(a)参照)、線L1と、Z座標が小さい上面Surface iのファーサイドエッジFEとが交差する場合(図12の(c)参照)に、上り階段であると判定する。また、図13に示すように、Z座標が小さい(高さが低い)上面Surface iと、Z座標が大きい(高さが高い)上面Surface i+1とがそれら面の中心を結んだ線L1と、Z座標が大きい上面Surface i+1のファーサイドエッジFEとが交差する場合(図13の(b)参照)、線L1と、Z座標が小さい上面Surface iのニアサイドエッジNEとが交差する場合(図13の(d)参照)には、下り階段であると判定する。
【0028】
次いでステップST13に移行し、階段の情報を取得する。具体的には、上り階段の場合には、図14に示すように、1段目の踏み面Floor1のニアサイドエッジNE(Nosing1)を基準として階段までの距離、階段の向き(傾き)などを算出する。また、蹴上げ高さは、Nosing0及びNosing1の高さの差、Nosing1及びNosing2の高さの差から算出する。さらに、踏み面の長さは、Nosing1及びNosing2のX座標の差から算出する。
【0029】
また、下り階段の場合には、図15及び図16に示すように、床面6の踏み面Floor0のファーサイドエッジFE(Nosing0)を基準として階段までの距離、階段の向き(傾き)などを算出する。また、蹴上げ高さは、Nosing0及びNosing1の高さの差、Nosing1及びNosing2の高さの差、…から算出する。さらに、踏み面の長さも、Nosing0及びNosing1のX座標の差、Nosing1及びNosing2のX座標の差、…から算出する。
【0030】
上記構成の外界認識装置9によると、距離画像測定部36が測定した距離画像データメモリ36Aに蓄積されている距離情報を三次元空間に投影したときのYZ断面(正面)のデータを作成し、作成したYZ断面(正面)の濃淡データ(画像)を所定の閾値と比較して二値化処理を行い、二値化処理で得られたYZ断面(正面)のデータから複数のラベリング領域(連結成分)を作成するラベリング処理を行い、XY断面(上面)データとして画像メモリ17にプロットしていき、画像メモリ17にプロットされたXY(上面)データの中から、階段として連続する複数の上面(踏み面)を抽出し、階段までの距離、階段の向き(傾き)などを算出しているので、高精度に測定対象の形状認識情報を得ることができる。
【0031】
ここで、本発明に係るラベリング処理手段及びラベリング処理工程が、図3のステップST4〜ステップST7に対応し、本発明に係る上面データ形成手段及び上面データ形成工程が、図3のステップST8〜ステップST9に対応し、本発明に係る形状認識手段及び形状認識工程が図3のステップST10に対応し、本発明に係る連続データ形成手段及び連続データ形成工程が図3のステップST11に対応し、本発明に係る判定手段及び判定工程が図3のステップST12に対応し、本発明に係る階段形状認識手段及び階段形状認識工程が図3のステップST13に対応している。
【符号の説明】
【0032】
1…移動体、2…移動体本体、3…移動環境検出器、4L…左前脚、4R…右前脚、5L…左後脚、5R…右後脚、6…床面、9…外界認識装置、11…データ入出力手段、12…バス、14…プログラムROM・動作メモリRAM、15…本体駆動部、16…無線通信部、17…画像メモリ、36…距離画像測定部、36A…距離画像データメモリ、37…姿勢測定部、37A…姿勢データメモリ、J0…関節、J1…股関節、J2…膝関節、J3…脚車輪、FE…ファーサイドエッジ、NE…ニアサイドエッジ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体が歩行動作すべき測定対象を認識する移動環境認識装置であって、
前記移動体に配置され、測定対象までの距離画像データを得る距離画像測定部と、
この距離画像測定部が得た前記距離画像データに基づき、所定のデータの集合体からなるラベリング領域を作成するラベリング処理手段と、
複数のラベリング領域に基づいて複数の上面データを形成する上面データ形成手段と、
この上面データ形成手段が形成した複数の上面データに基づいて前記測定対象の形状を認識する形状認識手段と、を備えていることを特徴とする移動環境認識装置。
【請求項2】
前記ラベリング処理手段は、前記距離画像データに基づいて正面データを作成し、当該正面データを所定の閾値と比較して二値化し、二値化されたデータに基づいて前記ラベリング領域を作成することを特徴とする請求項1記載の移動環境認識装置。
【請求項3】
前記移動体の姿勢角変化を検知する姿勢測定部を備え、前記上面データ形成手段は、前記姿勢測定部が検知した姿勢角変化の情報を用いて前記上面データを形成することを特徴とする請求項1又は2記載の移動環境認識装置。
【請求項4】
前記測定対象は階段であり、
前記形状認識手段は、前記上面データ形成手段が作成した複数の上面データの中から連続する上面データを形成する連続データ形成手段と、この連続データ形成手段で形成した連続する上面データに基づいて、上り階段、或いは下り階段を判定する判定手段と、この連続データ形成手段で形成した連続する上面データに基づいて、前記階段の形状を認識する階段形状認識手段と、を備えていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の移動環境認識装置。
【請求項5】
移動体が歩行動作すべき測定対象を認識する移動環境認識方法であって、
測定対象までの距離画像データを得る距離画像測定工程と、
この距離画像測定工程で得た前記距離画像データに基づき、所定のデータの集合体からなるラベリング領域を作成するラベリング処理工程と、
このラベリング処理工程で作成した複数のラベリング領域に基づいて複数の上面データを形成する上面データ形成工程と、
この上面データ形成工程で形成した複数の上面データに基づいて前記測定対象の形状を認識する形状認識工程と、を備えていることを特徴とする移動環境認識方法。
【請求項6】
前記ラベリング処理工程は、前記距離画像データに基づいて正面データを作成し、当該正面データを所定の閾値と比較して二値化し、二値化されたデータに基づいて前記ラベリング領域を作成することを特徴とする請求項5記載の移動環境認識方法。
【請求項7】
前記移動体の姿勢角変化を検知する姿勢測定工程を備え、前記上面データ形成工程は、前記姿勢測定工程で検知した姿勢角変化の情報を用いて前記上面データを形成することを特徴とする請求項5又は6記載の移動環境認識方法。
【請求項8】
前記測定対象は階段であり、
前記形状認識工程は、前記上面データ形成工程で作成した複数の上面データの中から連続する上面データを形成する連続データ形成工程と、この連続データ形成工程で形成した連続する上面データに基づいて、上り階段、或いは下り階段を判定する判定工程と、この連続データ形成工程で形成した連続する上面データに基づいて、前記階段の形状を認識する階段形状認識工程と、を備えていることを特徴とする請求項5乃至7の何れか1項に記載の移動環境認識方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−88259(P2013−88259A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228261(P2011−228261)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】