説明

移動端末装置、交通情報システム、移動端末装置の交通情報抽出方法、移動端末装置の到着時間算出方法および交通情報処理方法

【課題】車両800に自車位置を特定させ必要な交通情報を抽出させることで自動運転制御を可能にする。
【解決手段】路上光通信機200は自通信機が設置された車線について光波で発信する。光波は指向性が高いため路上光通信機200は自通信機が設置された車線を通行する車両800にのみ情報を送信することができる。車両800の車載機は路上光通信機200の下方を通行する際に光波を受信して路上光通信機200が設置された車線を自車が走行する車線として特定する。路上電波通信機300は道路の通行車両や交通規制や発生事故などの交通情報を電波で発信する。電波は指向性が低いため各車線を通行する各車両800に情報を送信することができる。車両800は交通情報から自車が走行する車線に関する交通情報を抽出する。各車両800は自車が走行する車線の交通情報に基づいて減速や車線変更などの運転制御を自動で行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ITS(Intelligent Transport Systems)における移動端末装置、交通情報システム、移動端末装置の交通情報抽出方法、移動端末装置の到着時間算出方法および交通情報処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
見通し内通信の困難な交差点において、出会い頭衝突のような事故を防止するために、
交差点の路車間通信装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、カーナビゲーションシステムではGPS(Grobal Positioning System)による測位が実施され自車位置をナビゲーション地図上に表示している。
【特許文献1】特開2000−339591号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ただし、カーナビゲーションシステムで使用されているGPS測位では測位精度が低く、測位結果はナビゲーション用の地図データとのマップマッチング処理により補正されている。また、交差点において、信号の見逃しによる誤進入で大きな事故が発生することを減少させることが望まれている。
つまり、従来において、走行車両に自車位置を正確に伝える手段は無く、車両が交差点に進入しているかの正確な判断を行う手段はなかった。また、走行中に自車の走行レーンの信号表示(灯色情報)を車両に直接伝える方法もこれまでに無い。
【0004】
本発明は、例えば、走行車両に自車位置をより正確に伝える手段を提供することで車両が交差点に進入しているかの判断を行うようにすると共に、走行レーンの信号表示を車両に伝えるようにすることを目的とする。これにより、例えば、ドライバの信号の見逃しによる交差点への誤進入を減少させるための交通情報の収集および提供を支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の移動端末装置は、各所の個別交通情報を複数有する統合交通情報から自端末装置が位置する場所に関する個別交通情報を抽出する移動端末装置であり、路上光通信機から当該路上光通信機の設置場所を表す光波を受信機を用いて受信し当該路上光通信機の設置場所の情報を記憶機器に記憶する端末光受信部と、各路上光通信機の設置場所に関する個別交通情報を複数の路上光通信機分含んだ統合交通情報を表す電波を路上電波通信機から受信機を用いて受信し統合交通情報を記憶機器に記憶する端末電波受信部と、当該路上光通信機の設置場所の情報と統合交通情報とを記憶機器から取得し統合交通情報から当該路上光通信機の設置場所に関する個別交通情報を中央処理装置を用いて抽出し自端末装置が位置する場所に関する個別交通情報として出力機器に出力する交通情報抽出部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、交通情報抽出部が自端末装置の位置(走行レーン)に関する個別交通情報を抽出できる。これにより、例えば、走行レーンの信号表示を交通情報として車両に伝えられ、ドライバの信号の見逃しによる交差点への誤進入を減少させることについて支援することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
実施の形態1.
実施例1.
電子交差点を例に実施の形態1における交通情報システムについて以下に説明する。
【0008】
図1は、実施例1における交通情報システムの概要図である。
路上光通信機200、路上電波通信機300、信号機510、超音波車両感知器600、車両800を有する実施例1における交通情報システム(電子交差点)について、図1に基づいて以下に説明する。
【0009】
車両800は車載器や携帯電話端末などの車載端末を搭載し、車載端末は光波や電波で通信を行う。
【0010】
路上光通信機200には、例えば光ビーコンを用いる。路上光通信機200は、車線(レーン)毎に設置され、自通信機が設置された車線を走行する車両800に向けて光波を発信し、各車両800に搭載された車載端末と通信する。例えば、道路が2車線であれば各車線に1台ずつで路上光通信機200は計2台、道路が4車線であれば路上光通信機200は計4台が道路に設置されることになる。
光波は直進性が強いため、光ビーコンを用いることにより、約3.5m四方の通信エリアを形成してスポット通信を行うことができる。つまり、光ビーコンの通信エリアでは、位置精度3.5m以下という正確な精度で各車両800に自車の位置を伝えることができる。
また、路上光通信機200が位置情報として自通信機の設置位置から次の交差点までの距離を送信すれば、当該データを受信した車両800は自車の走行速度(移動速度)に基づいて交差点までの進入時間(到達時間)を算出することができる。例えば、交差点Bを通過直後の路上光通信機200から交差点Aまでの距離(図1における特定地点距離)が250m(メートル)で車両800が時速60km(キロメートル)で走行している場合、車両800は15秒後(=0.25分=250[m]÷1000[m/分])に交差点Aに進入すると判定できる。
つまり、実施例1に示す電子交差点は交差点進入を車両800が自動的に認識できるようにする。
車両800が算出した進入時間は、例えば、自動的にブレーキをかける開始時間やウインカーを点灯させる開始時間などの判定に用いてもよいし、カーナビゲーションシステムでの目的地への到達予想時間の算出に用いてもよい。
また、路上光通信機200が位置情報として自通信機が設置された車線情報を送信すれば、当該データを受信した車両800は自車が走行している車線を特定することができる。
【0011】
路上電波通信機300には、例えばDSRC(Dedicated Short Range Communication)ビーコンを用いる。路上電波通信機300は電波を発信し、各車両800に搭載された車載端末と通信する。
なおDSRCとは、専用狭域通信のことであり、例えば、5.8GHz(ギガヘルツ)の周波数帯を搬送波として用いる通信のことである。DSRCは例えばETC(Electronic Toll Collection system:ノンストップ自動料金収受システム)等に用いられている。
路上光通信機200の設置位置を通過後、車両800は各交差点の時々刻々変化する情報を路上電波通信機300から受信する。例えば、路上電波通信機300は交差点Aの各車線に対する各信号の表示情報(赤、黄、青など)を送信する。そして、交差点Bから交差点Aに向かって走行する車両800は、走行中の車線に対する信号(例えば、直進車線に対する信号や右折車線に対する信号)の情報を抽出し、赤信号表示(赤信号点灯)であれば音声通知などを行う。つまり、赤信号の見逃しによる交差点進入と出会い頭事故を軽減するための情報を車両800やドライバに提供することができる。また例えば、路上電波通信機300は交差点Aの各車線に対する各信号の点灯時間(点灯色、点灯マーク変更までの残り時間)を送信する。これにより、交差点Bから交差点Aに向かって走行する車両800は走行中の車線に対する信号情報を抽出する。路上光通信機200から送信された次の交差点までの距離情報と自車の走行速度をもとに算出した交差点までの進入時間と、路上電波通信機300から送信された信号の点灯時間に基づいて速度を減速させるなど自動運転制御を行うことができる。
【0012】
超音波車両感知器600は超音波を道路に向けて発信し反射波を受信するまでの時間の違いを測定することで当該道路における車両800の通行を感知する。
【0013】
路上光通信機200、路上電波通信機300は交通情報を生成する路側機(後述)と通信する。
【0014】
実施例1に示す電子交差点は、路上光通信機200が自通信機の設置場所の情報(位置情報)を光波を用いて送信することにより、路上光通信機200の設置場所を通過する車両800が路上光通信機200からの光波に基づいて自車位置を特定できることが特徴の一つである。自車位置は絶対位置で表しても相対位置で表してもよく、緯度、経度などで表わされた座標は絶対位置の一例であり、走行車線や次の交差点までの距離は相対位置の一例である。また、車両800が次の交差点までの到達時間を特定できることも特徴の一つである。
また、上記特徴を利用することにより交差点内に進入したことを正確に認識できる車両800が路上光通信機200を通過し路上電波通信機300との通信を続けることも特徴の一つである。信号情報のほかに従道路(走行する道路[主道路]と交差する道路)からの車両接近情報を路上電波通信機300で発信することにより、車両接近情報に基づいて車両800が事故の可能性の高いことを自車で認識することができる。つまり、車両800は事故回避行動を行う自動運転制御や、警告メッセージを音声出力やディスプレイ表示するドライバへの警告制御を行うことができる。
【0015】
図2は、実施の形態1における車載端末100と路上光通信機200と路上電波通信機300と路側機400のハードウェア資源の一例を示す図である。
図2において、車載端末100、路上光通信機200、路上電波通信機300、路側機400は、プログラムを実行するCPU911(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、通信ボード915、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置920の代わりに、光ディスク装置、メモリカード読み書き装置などの記憶装置でもよい。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、磁気ディスク装置920の記憶媒体は不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶機器、記憶装置あるいは記憶部の一例である。
通信ボード915は入出力機器、入出力装置あるいは入出力部の一例である。
【0016】
通信ボード915は、有線または無線(光波や電波)で、LAN(Local Area Network)、インターネット、ISDN等のWAN(Wide Area Network)、電話回線などの通信網に接続されている。
磁気ディスク装置920には、OS921(Operating System)、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923のプログラムは、CPU911、OS921により実行される。
【0017】
上記プログラム群923には、実施の形態の説明において「〜部」、「〜手段」として説明する機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
ファイル群924には、実施の形態の説明において、「〜部」や「〜手段」の機能を実行した際の「〜の判定結果」、「〜の計算結果」、「〜の処理結果」などの結果データ、「〜部」や「〜手段」の機能を実行するプログラム間で受け渡しするデータ、その他の情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。例えば、車両の運転情報や道路の交通情報などが記憶される。「〜ファイル」や「〜データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示などのCPUの動作に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示のCPUの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
また、実施の形態の説明において説明するフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号値は、RAM914のメモリ、磁気ディスク装置920の磁気ディスク、その他フレキシブルディスク、コンパクトディスク、光ディスク、ミニディスク、DVD(Digital・Versatile・Disk)等の記録媒体に記録される。また、データや信号値は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0018】
また、実施の形態の説明において「〜部」、「〜手段」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」、「〜手段」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。すなわち、プログラムは、「〜部」、「〜手段」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、「〜部」、「〜手段」の手順や方法をコンピュータや通信機などのハードウェアに実行させるものである。
【0019】
図3は、実施の形態1における車両800に搭載された車載端末100の機能構成図である。
実施の形態1における車載端末100と車載端末100を搭載する車両800との機能構成について、図3に基づいて以下に説明する。
車載端末100(移動端末装置の一例)は、端末光通信部110、端末電波通信部120、端末処理部130、端末記憶装置190を備え、各所の個別交通情報を複数有する統合交通情報から自端末装置が位置する場所に関する個別交通情報を抽出すると共に、特定地点に到着するまでの時間を算出する。
車両800は、車載端末100を搭載し、運転制御装置810、カーナビゲーションシステム820を備える。
【0020】
端末光通信部110(端末光受信部、端末光発信部の一例)は、路上光通信機200から当該路上光通信機200の設置場所をを表す光波を受信し、当該路上光通信機の設置場所の情報を端末記憶装置190に記憶する。また、端末光通信部110は、路上光通信機200から特定地点までの距離を表す光波を路上光通信機200から受信し端末記憶装置190に記憶する。また、端末光通信部110は、車両800の運転情報を車両800が通行する車線に設置された路上光通信機200に光波で発信する。
端末電波通信部120(端末電波受信部の一例)は、各路上光通信機200の設置場所に関する個別交通情報を複数の路上光通信機200分含んだ統合交通情報を表す電波を路上電波通信機300から受信し、統合交通情報を端末記憶装置190に記憶する。
端末処理部130(交通情報抽出部、速度取得部、到着時間算出部の一例)は、当該路上光通信機200の設置場所の情報と統合交通情報とを端末記憶装置190から取得し、統合交通情報から当該路上光通信機200の設置場所に関する個別交通情報をCPU911を用いて抽出し自端末装置が位置する場所に関する個別交通情報として端末記憶装置190、運転制御装置810、カーナビゲーションシステム820(それぞれ出力機器の一例)に出力する。また、端末処理部130は、自端末装置の移動速度を運転制御装置810(入力機器の一例)から取得し端末記憶装置190に記憶する。さらに、端末処理部130は、特定地点までの距離と移動速度とを端末記憶装置190から取得し、そして、CPU911を用いて特定地点までの距離を移動速度で除算して、自端末装置が特定地点に到着するまでの時間を算出し端末記憶装置190、運転制御装置810、カーナビゲーションシステム820に出力する。
端末記憶装置190(記憶機器の一例)には交通情報、運転情報、車載端末100を識別するID(IDentifier)などが記憶される。
【0021】
運転制御装置810は車両800の運転制御処理や車両800の運転情報の管理処理を行う。
カーナビゲーションシステム820は、地図データを記憶し、地図データと車両800の運転情報とに基づいてディスプレイやスピーカーに交通案内情報を出力する。
【0022】
交通情報とは、例えば、渋滞情報、事故情報、道路工事情報、信号情報、右左折禁止情報、規制速度情報、駐車禁止情報、進入禁止情報のことである。
個別交通情報とは、例えば、1つの車線に関する交通情報のことである。
統合交通情報とは、例えば、全車線分の個別交通情報であり、車線情報に対応付いた個別情報のことである。
信号情報とは、例えば、点灯色、点灯マーク、点灯時間のことである。
特定地点とは、例えば、交差点、信号機、道路のカーブ地点、渋滞地点、事故現場、ランドマークのことである。
位置情報とは、例えば、路上光通信機200が設置された車線の情報、路上光通信機200の設置位置から特定地点までの距離(特定地点距離)、路上光通信機200の設置位置の緯度や経度のことである。
運転情報とは、例えば、移動速度、進行方向(直進、右左折、バックなど)、ブレーキの制御情報、ウインカの点滅情報、ワイパの動作情報のことである。
運転制御とは、例えば、速度制御、方向制御、ブレーキ制御のことである。
警告制御とは、例えば、交通案内情報の音声出力やディスプレイ表示のことである。
交通案内情報とは、例えば、信号情報、渋滞情報、事故情報、主道路や従道路を通行する他の車両の位置や速度情報、付近の標識情報のことである。
【0023】
図4は、実施の形態1における路上光通信機200と路上電波通信機300と路側機400の機能構成図である。
実施の形態1における路上光通信機200、路上電波通信機300、路側機400、信号制御装置500、超音波車両感知器600、上位装置700の機能構成について、図4に基づいて以下に説明する。
路上光通信機200は、光送受信部210、路上光記憶装置290を備え、道路の車線毎に設置され、自通信機が設置された車線を通行する車両800に搭載された車載端末100と光波で通信する。
路上電波通信機300は、電波送受信部310、路上電波記憶装置390を備え、各車線を通行する各車両800に搭載された車載端末100と電波で通信する。
路側機400(交通情報通信装置の一例)は、制御部410、I/F部A420、I/F部B430、路側記憶装置490を備え、路上光通信機200が通信した情報に基づく交通情報を路上電波通信機300に通信する。
信号制御装置500は、各信号機510と接続し、信号機510の点灯色(信号表示)や点灯時間(信号秒数)などを制御する。
超音波車両感知器600は、超音波を道路に向けて発信して反射波の到達時間を計測し、到達時間の違いに基づいて感知器の設置地点を通過する車両の存在を感知する。
上位装置700は、路側機400からデータを受け取り、蓄積、データ処理して各路上光通信機200や路上電波通信機300の設置地点の車の渋滞、走行、事故の状況などを推定する。また、上位装置700は、各路上光通信機200や路上電波通信機300の設置地点の渋滞、走行、事故の状況などを走行する車両に通知するためのデータ(交通情報)を作成する機能を有する。
【0024】
光送受信部210(路上光受信部、路上光発信部、運転情報送信部の一例)は、近赤外線(光波の一例)を変調して通信データを送信し、車載端末100から送信された通信データを受信する機能を有する。そして、光送受信部210は、自通信機が設置された車線情報を当該車線を通行する車両800に搭載された車載端末100に光波で発信して車載端末100に当該車両800が通行する車線を特定させる。また、光送受信部210は、自通信機が設置された車線を通行する車両800に搭載された車載端末100から車両800の運転情報を光波で受信する。また、光送受信部210は、車載端末100から受信した運転情報を路側機400に送信する。
路上光記憶装置290は運転情報、交通情報などが記憶される。
【0025】
電波送受信部310(路上電波発信部、交通情報受信部の一例)は、電波を変調して通信データを送信し、車載端末100から送信された通信データを受信する機能を有する。そして、電波送受信部310は、各車線の交通情報を各車線を通行する各車両800に搭載された車載端末100に電波で発信する。そして、車載端末100に特定された車線の交通情報を車載端末100に抽出させて車載端末100に当該車両800が通行する車線の交通情報として取得させる。また、電波送受信部310は、路側機400から交通情報を受信する。また、電波送受信部310は、受信した交通情報を各車線を通行する各車両800に搭載された車載端末100に電波で発信する。
路上電波記憶装置390は交通情報などが記憶される。
【0026】
I/F部A420は、路上光通信機200が車載端末100から光で受信したデータを受け取り制御部410にデータを送り出すと共に、路上電波通信機300が車載端末100から電波で受信したデータを受け取り制御部410にデータを送り出す機能を持つ。また、I/F部A420は、制御部410から送信されたデータを受け取り路上光通信機200または路上電波通信機300に送信する機能を持つ。
制御部410は、I/F部A420からデータを受け取りI/F部B430に送信する。また、制御部410は、超音波車両感知器600から車両感知情報を受け取り、専用のソフトウエア(プログラム)により、車両800の存在情報として、I/F部A420に送り出す。さらに、制御部410は、交差点の信号情報(信号制御装置500から受信した信号表示や信号秒数など)を受け取り、専用のソフトウエアにより、交差点の状態情報(交通情報の一例)として、I/F部A420に送り出す。
I/F部B430は、制御部410からデータを受け取り上位装置700にデータを送り出すと共に、上位装置700からデータを受け取り制御部410にデータを送り出す。
路側記憶装置490は交通情報、運転情報、車両感知情報、信号情報などが記憶される。
【0027】
路上光通信機200と路側機400とが光通信対応の光ケーブルで接続することで、路上光通信機200の設置位置を路側機400から数km離すことができる。ただし、路上光通信機200と路側機400とが光ケーブル以外の信号線で接続してもよいし、無線接続してもよい。
【0028】
図5は、実施の形態1における交通情報システムの交通情報処理方法を示すフローチャートである。
実施の形態1における交通情報システムの交通情報処理方法について、図5に基づいて以下に説明する。
【0029】
<S101:端末光発信処理>
車両800が路上光通信機200の下方を通行の際、車両800に搭載された車載端末100は運転情報を光波で路上光通信機200に発信する。
このとき、端末処理部130は車両800の運転制御装置810から運転情報を取得する。そして、端末処理部130は端末記憶装置190に記憶された車載端末100を識別するIDを運転情報に加えて端末光通信部110に出力し、端末光通信部110は変調処理を行い運転情報を表わす光波を発信する。
【0030】
<S102:路上光受信処理>
車載端末100を搭載した車両800が下方を通行の際、路上光通信機200は車載端末100が発信した運転情報を光波で受信する。
このとき、光送受信部210は受信した光波を復調して運転情報を取得し路上光記憶装置290に記憶する。
【0031】
<S103:運転情報送信処理>
次に、路上光通信機200は、路上光記憶装置290から自通信機の下方を通行する車両800の運転情報と自通信機の位置情報とを取得し路側機400に送信する。
【0032】
<S104:運転情報受信処理>
次に、路側機400は路上光通信機200から運転情報と位置情報を受信する。
このとき、I/F部A420は路上光通信機200が送信した運転情報と位置情報を受信して制御部410に出力し、制御部410は運転情報と位置情報を路側記憶装置490に記憶する。
【0033】
<S105:交通情報生成処理>
次に、路側機400は受信した運転情報と位置情報に基づいて交通情報を生成する。
このとき、制御部410は、上位装置700から交通情報、超音波車両感知器600から車両感知情報、信号制御装置500から信号情報を取得し、広域の交通情報を表わす広域交通情報と狭域の交通情報を表わす狭域交通情報を生成し路側記憶装置490に記憶する。
交通情報生成処理(S105)の詳細は図6にて別途説明する。
【0034】
<S106:交通情報送信処理>
次に、路側機400は生成した交通情報を路上電波通信機300、路上光通信機200に送信する。
このとき、制御部410は路側記憶装置490から広域交通情報と狭域交通情報を取得してI/F部A420に出力し、I/F部A420は広域交通情報を路上電波通信機300に送信すると共に狭域交通情報を路上光通信機200に送信する。
【0035】
<S107:交通情報受信処理>
次に、路上電波通信機300、路上光通信機200は路側機400から交通情報を受信する。
このとき、電波送受信部310は受信した広域交通情報を路上電波記憶装置390に記憶し、光送受信部210は受信した狭域交通情報を路上光記憶装置290に記憶する。
【0036】
<S108:路上電波発信処理>
次に、路上電波通信機300は広域交通情報を電波で発信し各所に位置する各車両800に搭載された車載端末100にブロードバンド送信する。
このとき、電波送受信部310は広域交通情報を路上電波記憶装置390から取得して変調し広域交通情報を表わす電波を発信する。
【0037】
<S109:端末電波受信処理>
次に、各所に位置する各車両800に搭載された車載端末100は路上電波通信機300が発信した広域交通情報を電波で受信する。
このとき、端末電波通信部120は受信した電波を復調して広域交通情報を取得し端末処理部130に出力する。端末処理部130は広域交通情報を端末記憶装置190に記憶する。
【0038】
<S110:路上光発信処理>
また、路上光通信機200は狭域交通情報を自通信機の下方を通行する車両800に搭載された車載端末100に光波で発信する。
このとき、光送受信部210は、狭域交通情報を路上光記憶装置290から取得すると共に、路上光記憶装置290に記憶された路上光通信機200の位置情報を取得する。そして、光送受信部210は位置情報を加えた狭域交通情報を変調して狭域交通情報を表わす光波を発信する。
【0039】
<S111:端末光受信処理>
次に、路上光通信機200の下方を通過する車両800に搭載された車載端末100は路上光通信機200が発信した狭域交通情報を光波で受信する。
このとき、端末光通信部110は受信した光波を復調して狭域交通情報を取得し端末処理部130に出力する。端末処理部130は狭域交通情報を端末記憶装置190に記憶する。
【0040】
<S112:車両制御処理(交通情報抽出処理、速度取得処理、到着時間算出処理)>
そして、車載端末100は広域交通情報から車両800が通行する車線に関する個別交通情報を抽出し、車両800の運転制御装置810やカーナビゲーションシステム820に出力する。運転制御装置810は車両800を制御する。また、カーナビゲーションシステム820はドライバに警告を行う。
このとき、端末処理部130は端末記憶装置190から広域交通情報と狭域交通情報を取得する。そして、端末処理部130は狭域交通情報が示す車線(位置情報の一例)に対応付けられた個別交通情報を広域交通情報から抽出し、個別交通情報と狭域交通情報を運転制御装置810やカーナビゲーションシステム820に出力する。また、端末処理部130は、運転制御装置810から車両800の移動速度を取得し、狭域交通情報が示す交差点までの距離(位置情報の一例)を移動速度で除算して車両800が交差点に到着するまでの到着時間を算出し、運転制御装置810やカーナビゲーションシステム820に出力する。運転制御装置810は端末処理部130が出力した交通情報や到着時間に基づいて自動運転制御を行う。また、カーナビゲーションシステム820は端末処理部130が出力した交通情報に基づいて警告を行う。
【0041】
図6は、実施の形態1における路側機400の交通情報生成処理方法を示すフローチャートである。
実施の形態1における制御部410の交通情報生成処理(S105)について、図6に基づいて以下に説明する。
【0042】
制御部410は、路側記憶装置490から運転情報を取得すると共に、上位装置700から交通情報を、超音波車両感知器600から車両感知情報を、信号制御装置500から信号情報をそれぞれ取得し、広域の交通情報を表わす広域交通情報と狭域の交通情報を表わす狭域交通情報を生成する。
<S201:特殊車両判定処理>
まず、制御部410は路側記憶装置490から運転情報と路上光通信機200の位置情報を取得し、運転情報が示す車載端末100のIDに基づいて、路上光通信機200の受信した運転情報が特殊車両の運転情報であるか判定する。
<S202:運転・位置情報フォーマット変換処理>
特殊車両の運転情報でないと判定した場合、制御部410は運転情報と路上光通信機200の位置情報とのデータフォーマットを上位装置700へ送信するデータフォーマットに変換する。
<S203:運転・位置情報路側送信処理>
次に、制御部410はフォーマット変換した運転情報と位置情報とを上位装置700に送信する。
<S204:交通上位情報受信処理>
次に、制御部410は上位装置700が生成した交通情報を受信し路側記憶装置490に記憶する。
上位装置700は運転情報と位置情報とに基づいて各道路、各車線について通行する車両800の情報を表わす交通情報を生成する。このとき、上位装置700は、車線毎に必要な情報は光送信するように識別し、広範囲に情報提供が必要な情報及び大容量の情報は電波送信するように識別して交通情報を生成する。
光通信するように識別する交通情報としては、渋滞情報、位置情報(車線情報)、次の交差点までの距離、周辺の地図情報などがある。光通信するように識別する交通情報を狭域交通情報とする。
電波送信するように識別する交通情報としては、狭域交通情報よりも広いエリアの渋滞情報などがある。電波送信するように識別する交通情報を広域交通情報とする。
<S205:交通上位情報識別処理>
次に、制御部410は路側記憶装置490から上位装置700が生成した交通情報を取得して識別し広域交通情報と狭域交通情報とに分別し路側記憶装置490に記憶する。
<S206:車両感知情報取得処理>
次に、制御部410は超音波車両感知器600から車両感知情報を取得し路側記憶装置490に記憶する。
<S207:信号情報取得処理>
次に、制御部410は信号制御装置500から信号情報を取得し路側記憶装置490に記憶する。
S205〜S206の処理は順番が変わっても同時であっても構わない。
<S208:情報追加処理>
次に、制御部410は路側記憶装置490から広域交通情報、信号情報、車両感知情報を取得し、信号情報と車両感知情報を追加して広域交通情報を生成し路側記憶装置490に記憶する。
<S209:交通情報フォーマット変換処理>
そして、制御部410は、路側記憶装置490から広域交通情報と狭域交通情報を取得し、データフォーマットを車載端末100への送信フォーマットに変換し、生成した広域交通情報と狭域交通情報とを路側記憶装置490に記憶する。
<S210:特殊車両情報生成処理>
特殊車両の運転情報であると判定した場合(S201)、制御部410は特殊車両がどこの車線を通行しているかを通知する広域交通情報および狭域交通情報を生成し車載端末100への送信フォーマットで路側記憶装置490に記憶する。
【0043】
上記実施の形態1において、例えば、以下の特徴について説明した。
路上電波通信機300の一例であるDSRCビーコンは変調信号速度が4Mbpsであるため大容量通信に使用するには良いが、車両800の走行位置をDSRCビーコンの受信位置から割り出すことは電波の指向性を考慮すると困難である。また、GPS搭載の車両800でもマルチパスの影響で自車位置は数十メートル誤差が生じてしまう。そこで、上記実施の形態1に示したように、車両位置を精度よく特定するには光ビーコンを用いる方法が有効である。車両位置を正確に知るメリットとして以下の点が挙げられる。受信する交通情報に基づいて自車が回避行動を取らなくてはいけない情報なのか判定する上で、自車の位置が正確にわかる必要がある。例えば、自車が右折レーンにいる際に自車が右折レーンにいることをマルチパスの極めて少ない光ビーコンからのスポット通信で認識する。そして、対向車線の直進車両の接近情報として「時速xxkmで接近中」などの情報を受信した場合は、右折レーンにいる車両のみ、「直進車両接近注意」などの音声情報をドライバに提供する。また、右折レーンにいない車両800に対してガイダンスは必要ない。また、自車位置を正確に知ることで交差点に進入するまでの時間が正確に把握でき、車両800が緊急に迫る危険な状況を予測して自動運転制御し危険を回避することもできる。
また、上記実施の形態1のように信号灯色を車両800に直接伝える方法はこれまでに無く、交差点情報を直接車両800に通知することで車両800が交差点に誤進入、無謀進入することを抑止することができる。つまり、実施例1の電子交差点では、現状の信号灯色を直接ドライバに伝えることを実現でき、また、ドライバに伝えなくても車両800に残りの信号表示時間を伝えることで車両800が自動運転制御を行って交差点への誤進入、無謀進入の危険性を更に軽減することができる。
【0044】
上記実施の形態1における光ビーコンはスポット通信を行うことを考慮して伝搬方向の直進性(指向性)が強いものが望ましい。従って光ビーコンの光波は高い周波数、すなわち短い波長の光波を使用することが好ましい。例えば、波長が850nm(ナノメートル)の光ビーコンを路上光通信機200としてよい。またスポット通信範囲(例えば車線幅)及び路上光通信機200の高さに応じて光の波長を選んでもよい。
【0045】
実施の形態2.
上記実施の形態1では路上光通信機200と路上電波通信機300と路側機400とが分離している形態について説明した。
実施の形態2では路上光通信機200と路上電波通信機300と路側機400とが一体型である形態について、上記実施の形態1と異なる部分について説明する。その他の部分は上記実施の形態1と同様である。
【0046】
路上光通信機200の一例である光ビーコンは、上記実施の形態1での説明のように波長が短いため直進性に優れているが、気象条件によっては路上光通信機200から車載端末100まで伝搬できず通信品質が低下してしまう可能性がある。そこで、実施の形態2では、路上電波通信機300の一例である電波ビーコンもしくはDSRCビーコンと、路上光通信機200の一例である光ビーコンを一体型とし、重要情報の提供について補完を行う。
【0047】
図7は、実施の形態2における路側機400の機能構成図である。
実施の形態2における路側機400は、図7に示すように、光送受信部210と電波送受信部310とI/F部A420とを送受信部440として備える。また、送受信部440は路上光記憶装置290および路上電波記憶装置390に対応する送受信部記憶装置449を備える。
【0048】
実施例2.
例えば、カーブなどの特異箇所での情報提供において路上光通信機200(光送受信部210)と路上電波通信機300(電波送受信部310)の一体型は有用である。
図8は、実施例2における交通情報システムの概要図である。
図8において、光送受信部210と電波送受信部310とを一体型で有する路側機400は光ビーコンおよび電波ビーコンを使用して、カーブ径R、トンネルや橋の位置情報などの重要な交通情報を各車両800に通知する。
【0049】
実施例3.
また例えば、交通事故発生時の情報提供においても路上光通信機200と路上電波通信機300の一体型は有用である。
図9は、実施例3における交通情報システムの概要図である。
図9において、路側機400は光ビーコンおよび電波ビーコンを使用して各車両800に事故発生位置や事故による交通規制や事故現場の画像などの安全情報を各車両800に通知する。
【0050】
上記実施の形態2では、光ビーコンが霧、雨滴等大気中の微粒子等、気象の影響を受けやすいことを考慮し、光ビーコンから送信される情報が車載端末100に届かない状況を電波により補完する形態について説明した。
例えば、死角にある道路の特徴物や死角での交通状況を光波、電波の双方で通信路を確保して各車両800に提供する形態について説明した。
つまり、上記実施の形態2では、重要情報及び安全情報を車両800に提供する手段として、冗長構造をとると共に、マルチパスの影響が少ないという光ビーコンのメリットと気候の影響を受けにくいという電波のメリットの双方を生かす形態について説明した。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】実施例1における交通情報システムの概要図。
【図2】実施の形態1における車載端末100と路上光通信機200と路上電波通信機300と路側機400のハードウェア資源の一例を示す図。
【図3】実施の形態1における車両800に搭載された車載端末100の機能構成図。
【図4】実施の形態1における路上光通信機200と路上電波通信機300と路側機400の機能構成図。
【図5】実施の形態1における交通情報システムの交通情報処理方法を示すフローチャート。
【図6】実施の形態1における路側機400の交通情報生成処理方法を示すフローチャート。
【図7】実施の形態2における路側機400の機能構成図。
【図8】実施例2における交通情報システムの概要図。
【図9】実施例3における交通情報システムの概要図。
【符号の説明】
【0052】
100 車載端末、110 端末光通信部、120 端末電波通信部、130 端末処理部、190 端末記憶装置、200 路上光通信機、210 光送受信部、290 路上光記憶装置、300 路上電波通信機、310 電波送受信部、390 路上電波記憶装置、400 路側機、410 制御部、420 I/F部A、430 I/F部B、440 送受信部、449 送受信部記憶装置、490 路側記憶装置、500 信号制御装置、510 信号機、600 超音波車両感知器、700 上位装置、800 車両、810 運転制御装置、820 カーナビゲーションシステム、911 CPU、912 バス、913 ROM、914 RAM、915 通信ボード、920 磁気ディスク装置、921 OS、923 プログラム群、924 ファイル群。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各所の個別交通情報を複数有する統合交通情報から自端末装置が位置する場所に関する個別交通情報を抽出する移動端末装置であり、
路上光通信機から当該路上光通信機の設置場所を表す光波を受信機を用いて受信し当該路上光通信機の設置場所の情報を記憶機器に記憶する端末光受信部と、
各路上光通信機の設置場所に関する個別交通情報を複数の路上光通信機分含んだ統合交通情報を表す電波を路上電波通信機から受信機を用いて受信し統合交通情報を記憶機器に記憶する端末電波受信部と、
当該路上光通信機の設置場所の情報と統合交通情報とを記憶機器から取得し統合交通情報から当該路上光通信機の設置場所に関する個別交通情報を中央処理装置を用いて抽出し自端末装置が位置する場所に関する個別交通情報として出力機器に出力する交通情報抽出部と
を備えたことを特徴とする移動端末装置。
【請求項2】
特定地点に到着するまでの時間を算出する移動端末装置であり、
路上光通信機から特定地点までの特定地点距離を表す光波を受信機を用いて路上光通信機から受信し記憶機器に記憶する端末光受信部と、
自端末装置の移動速度を入力機器から取得し記憶機器に記憶する速度取得部と、
特定地点距離と移動速度とを記憶機器から取得し特定地点距離を自端末装置から特定地点までの距離として中央処理装置を用いて特定地点距離を移動速度で除算し自端末装置が特定地点に到着するまでの時間を算出し出力機器に出力する到着時間算出部と
を備えたことを特徴とする移動端末装置。
【請求項3】
道路の車線毎に設置され当該車線を通行する車両に搭載された移動端末装置と光波で通信する路上光通信機と各車線を通行する各車両に搭載された移動端末装置と電波で通信する路上電波通信機とを有し移動端末装置に当該車両が通行する車線の交通情報を取得させる交通情報システムであり、
路上光通信機は、
自通信機が設置された車線情報を当該車線を通行する車両に搭載された移動端末装置に光波で発信して移動端末装置に当該車両が通行する車線を特定させる路上光発信部
を備え、
路上電波通信機は、
各車線の交通情報を各車線を通行する各車両に搭載された移動端末装置に電波で発信して移動端末装置に特定された車線の交通情報を移動端末装置に抽出させ移動端末装置に当該車両が通行する車線の交通情報として取得させる路上電波発信部
を備えたことを特徴とする交通情報システム。
【請求項4】
道路の車線毎に設置され光波で通信する路上光通信機と、電波で通信する路上電波通信機と、路上光通信機が通信した情報に基づく交通情報を路上電波通信機に通信する交通情報通信装置と、車両に搭載される移動端末装置とを有し、移動端末装置に当該車両が通行する車線の交通情報を取得させる交通情報システムであり、
路上光通信機は、
当該車線を通行する車両に搭載された移動端末装置から車両の運転情報を光波で受信する路上光受信部と、
前記路上光受信部が受信した運転情報を交通情報通信装置に送信する運転情報送信部と、
自通信機が設置された車線情報を当該車線を通行する車両に搭載された移動端末装置に光波で発信する路上光発信部と
を備え、
交通情報通信装置は、
各路上光通信機から運転情報を受信する運転情報受信部と、
前記運転情報受信部が受信した各運転情報に基づく各車線の交通情報を路上電波通信機に送信する交通情報送信部と
を備え、
路上電波通信機は、
各交通情報通信装置から交通情報を受信する交通情報受信部と、
前記交通情報受信部が受信した交通情報を各車線を通行する各車両に搭載された移動端末装置に電波で発信する路上電波発信部と
を備え、
移動端末装置は、
当該車両の運転情報を当該車両が通行する車線に設置された路上光通信機に光波で発信する端末光発信部と、
当該車両が通行する車線に設置された路上光通信機から車線情報を光波で受信する端末光受信部と、
路上電波通信機から交通情報を電波で受信する端末電波受信部と、
前記端末電波受信部が受信した交通情報から前記端末光受信部が受信した車線情報が示す車線の交通情報を抽出し当該車両が通行する車線の交通情報として出力機器に出力する交通情報抽出部と
を備えたことを特徴とする交通情報システム。
【請求項5】
各所の個別交通情報を複数有する統合交通情報から自端末装置が位置する場所に関する個別交通情報を抽出する移動端末装置の交通情報抽出方法であり、
端末光受信部が路上光通信機から当該路上光通信機の設置場所を表す光波を受信機を用いて受信し当該路上光通信機の設置場所の情報を記憶機器に記憶する端末光受信処理を行い、
端末電波受信部が各路上光通信機の設置場所に関する個別交通情報を複数の路上光通信機分含んだ統合交通情報を表す電波を路上電波通信機から受信機を用いて受信し統合交通情報を記憶機器に記憶する端末電波受信処理を行い、
交通情報抽出部が当該路上光通信機の設置場所の情報と統合交通情報とを記憶機器から取得し統合交通情報から当該路上光通信機の設置場所に関する個別交通情報を中央処理装置を用いて抽出し自端末装置が位置する場所に関する個別交通情報として出力機器に出力する交通情報抽出処理を行う
ことを特徴とする移動端末装置の交通情報抽出方法。
【請求項6】
特定地点に到着するまでの時間を算出する移動端末装置の到着時間算出方法であり、
端末光受信部が路上光通信機から特定地点までの特定地点距離を表す光波を受信機を用いて路上光通信機から受信し記憶機器に記憶する端末光受信処理を行い、
速度取得部が自端末装置の移動速度を入力機器から取得し記憶機器に記憶する速度取得処理を行い、
到着時間算出部が特定地点距離と移動速度とを記憶機器から取得し特定地点距離を自端末装置から特定地点までの距離として中央処理装置を用いて特定地点距離を移動速度で除算し自端末装置が特定地点に到着するまでの時間を算出し出力機器に出力する到着時間算出処理を行う
ことを特徴とする移動端末装置の到着時間算出方法。
【請求項7】
道路の車線毎に設置され光波で通信する路上光通信機と、電波で通信する路上電波通信機と、路上光通信機が通信した情報に基づく交通情報を路上電波通信機に通信する交通情報通信装置と、車両に搭載される移動端末装置とを有し、移動端末装置に当該車両が通行する車線の交通情報を取得させる交通情報処理方法であり、
路上光通信機の路上光受信部が当該車線を通行する車両に搭載された移動端末装置から車両の運転情報を光波で受信する路上光受信処理を行い、
路上光通信機の運転情報送信部が前記路上光受信部が受信した運転情報を交通情報通信装置に送信する運転情報送信処理を行い、
路上光通信機の路上光発信部が自通信機が設置された車線情報を当該車線を通行する車両に搭載された移動端末装置に光波で発信する路上光発信処理を行い、
交通情報通信装置の運転情報受信部が各路上光通信機から運転情報を受信する運転情報受信処理を行い、
交通情報通信装置の交通情報送信部が前記運転情報受信部が受信した各運転情報に基づく各車線の交通情報を路上電波通信機に送信する交通情報送信処理を行い、
路上電波通信機の交通情報受信部が各交通情報通信装置から交通情報を受信する交通情報受信処理を行い、
路上電波通信機の路上電波発信部が前記交通情報受信部が受信した交通情報を各車線を通行する各車両に搭載された移動端末装置に電波で発信する路上電波発信処理を行い、
移動端末装置の端末光発信部が当該車両の運転情報を当該車両が通行する車線に設置された路上光通信機に光波で発信する端末光発信処理を行い、
移動端末装置の端末光受信部が当該車両が通行する車線に設置された路上光通信機から車線情報を光波で受信する端末光受信処理を行い、
移動端末装置の端末電波受信部が路上電波通信機から交通情報を電波で受信する端末電波受信処理を行い、
移動端末装置の交通情報抽出部が前記端末電波受信部が受信した交通情報から前記端末光受信部が受信した車線情報が示す車線の交通情報を抽出し当該車両が通行する車線の交通情報として出力機器に出力する交通情報抽出処理を行う
ことを特徴とする交通情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−219588(P2007−219588A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−36129(P2006−36129)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】