説明

立体画像表示装置

【課題】輝度の低下およびモアレの発生を防止することができるとともに、部分的に2次元画像と3次元画像の切り換えを行うことを可能にする。
【解決手段】背景において3次元画像および2次元画像のうちの一方の画像を表示しかつウィンドウにおいて他方の画像を表示するときに、偏光可変セルの対向する第1および第2電極に印加するパルスとして、第1および第2電極がウィンドウと重なるか否かを示すフラグビットを立て、このフラグビットに応じて異なる波形を第1および第2電極に印加することにより、部分的にウィンドウにおいて3次元画像表示を行いかつウィンドウ以外の領域において2次元画像表示を行うか、あるいは部分的にウィンドウにおいて2次元画像表示を行いかつウィンドウ以外の領域において3次元画像表示を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元画像および3次元画像のうちの一方の画像が表示されているときに、他方の画像を部分的に表示することが可能な立体画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の視差画像を表示するインテグラルフォトグラフィー法(以下、IP法)あるいは光線再生法と呼ばれる、立体像を何らかの方法で記録しこれを立体像として再生する方法が知られている。左右の眼から物体を見たときに、近い距離にあるA点をみた時の左右の眼と成す角度をα、遠い距離にあるB点をみた時の左右の眼となす角度をβとすると、αとβはその物体と観察者の位置関係に応じて異なる。この(α―β)を両眼視差と呼び、人はこの両眼視差に敏感で立体視をすることができる。
【0003】
近年、眼鏡無しの立体画像表示装置の開発が進んでいる。これらの多くは通常の2次元の平面表示装置を用いるが、その平面表示装置の前面、あるいは背面に何らかの光線制御素子を置くことにより、先に述べた両眼視差を利用し、観察者から見た時、あたかも平面表示装置から前後数cmの距離の物体から光線が出ているように平面表示装置からの光線の角度を制御することにより可能となる。これは、平面表示装置の高精細化により、平面表示装置の光線を数種類の角度(視差と呼ぶ)に振り分けても、ある程度高精細の画像を得ることができるようになったためである。
【0004】
このように、IP法を立体画像表示装置に適用した3次元画像表示方法をII(インテグラルイメージング)方式と呼ぶ。II方式において、一つのレンズから射出される光線は要素画像群の数に相当する。通常、視差数と呼び、それぞれのレンズにおいて、視差光線は平行に射出される。このII方式は、観測者の位置、あるいは観測者の見る角度によって、1視差の画像、2視差の画像、3視差の画像という異なる画像を見ることになる。そのため、観測者は右目と左目に入る視差により、立体を知覚する。レンチキュラーレンズを光線制御素子として用いた場合、スリットに比べて、光の利用効率が高いため表示が明るいというメリットがある。また、レンズアレイと画素間のギャップはレンズの略焦点距離ほど離した方が良く、そうすると一つの画素を一つの方向に射出することができ、見る角度によって異なる視差画像を見ることができる。
【0005】
複屈折性をもつ物質として最も良く知られているものが方解石である。また、複屈折の光学的な応用として、位相差フィルムに使用される延伸フィルムがある。具体的にはアートン(JSR(株))、ポリカーボネート(日東電工(株))などがよく知られている。
【0006】
また、液晶も複屈折性をもつ。液晶は分子が細長い形をしており、その分子の長手方向のダイレクタと呼ばれる分子の方向に屈折率の異方性が生じる。例えば、ネマティック液晶の分子の多くは細長い分子であり、その長軸方向をそろえて配向しているが、分子の位置関係はランダムである。分子の配向方向がそろっているといっても、使用する雰囲気が絶対零度ではないので完全に平行ではなく、ある程度ゆらぎ(オーダーパラメータSで表す)があるが、局所領域をみればほぼ一方向を向いているといえる。そこで、巨視的には十分小さいが、液晶分子の大きさに比べれば十分に大きな領域を考えた時、その中での平均的な分子の配向方向は単位ベクトルnを用いて表され、それをダイレクタまたは配向ベクトルという。ダイレクタが基板にほぼ平行となる配向をホモジニアス配向という。液晶の最大の特徴の一つが光学的な異方性にある。特に、結晶などの他の異方性媒質に比べて分子の配列の自由度が高いため、複屈折性の目安である長軸と短軸の屈折率の差が大きい。
【0007】
この液晶を駆動する駆動方式の一つである単純マトリックス駆動は、1列に並んだ行電極Xnと列電極Ymで液晶層を挟んだ構成をしており、これらの電極の交わった部分(画素)に選択的に電圧を印可して液晶を動作させるものである。この駆動方法においては、電極を透明電極で構成し、個々の画素には個別にON、OFFを制御するトランジスタは設けられていない。そのため、配線を隠すためのブラックマトリックスは存在しないため、輝度を明るくできるというメリットがある。
【0008】
液晶を駆動するもう一つの駆動方式であるアクティブマトリックス駆動は、液晶の電気光学効果自身にメモリー性を付与し、例えば、いったんON状態からOFF状態に切り換えたときに、フレーム周期の間に定常的に電圧が加わっているならば、表示容量を大幅に増やしても原理的に高品位の表示が可能となる。このようなメモリー性を持った素子としては、トランジスタやダイオードなどの能動素子があり、アクティブマトリックス方式は、この能動素子を画素毎を付加した構成となっている。このアクティブマトリックス方式のメリットとしては、クロストークの心配がなく、高精細でかつ、波長依存性のない偏光切り換えが可能であることである(非特許文献1参照)。
【0009】
また、フレーム応答を抑制する方法は、単純マトリックス駆動において、選択パルスと非選択パルスとの電位差を小さくすることである。パルス幅を小さくせずに選択パルス間隔を短くする方法として、従来の線順次走査ではなく、複数の走査線を同時に選択する複数ライン同時選択法(MLS: Multi-Line Selection)がある(非特許文献2参照)。
【非特許文献1】Y. Yoshino and M. Ozaki 「液晶とディスプレイ応用の基礎」,コロナ社
【非特許文献2】Y. Kaneko,et al.”Full Color STN Video LCDs”, Eurodisplay ’90 Digest, p.100, 1990
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
立体画像表示装置においては、光線制御素子の背面にある平面表示装置の画像情報はそれぞれの視差画像に割り振られるため、背面にある元の平面表示装置に比較し、解像度が低下する。そこで、同一立体表示装置において、高精細な2次元画像表示と立体感のある3次元画像表示を切り替えられる機能が望まれている。さらに、同一表示面において、高精細な2次元画像表示、3次元画像表示が混在する機能、すなわち部分的に2次元画像と3次元画像の切り換えを行うことの可能な機能への要望も高い。部分的に、2次元画像と3次元画像との切り換えを実現するためには、偏光可変セルを設け、この偏光可変セルの液晶に電圧をかける電極をX座標分およびY座標分、分割し、それぞれの領域に応じて個別の電圧をかけなければならない。
【0011】
偏光可変セルの駆動方法には大きく分けて、次の3種類がある。
(1)セグメント駆動
(2)単純マトリックス駆動
(3)アクティブマトリックス駆動
【0012】
(1)は時計、電卓などに良く用いられている駆動方法で、個々の表示部分(光スイッチ)が独立した電極で構成されたもので、マトリックス駆動を行うと、表示部分に配線による表示妨害が起きるため、部分的に2次元画像と3次元画像との切り換えを行う駆動方法には向いていない。
【0013】
(2)は、上述したように、マトリックス駆動を行うことが可能である。しかし、同一行、同一列に入力した信号は同様にかかるため、選択した時のみ画素にしきい値以上の電圧がかかるようにし、非選択時には電圧をしきい値以下に抑えなければならない。偏光可変セルの解像度(すなわち、垂直方向のアドレス線数)が多くなればなるほど、選択時と非選択時の液晶にかかる電圧比が1に近付くため、2次元画像表示モードと3次元画像表示モードの選択比が小さくなる。具体的な劣化現象としては、3次元画像表示モード時に、2次元画像表示モードが混在して、光線の指向性が劣化するので、飛び出しまたは奥行き表示において、ノイズが混入することである。単純マトリックス駆動において、ネマティック液晶を90度ねじったTN(Twisted Nematic)液晶を用いると、しきい値特性を十分に急峻にすることができないため、アドレス数が制限されるという問題点がある。
【0014】
そのため、TN液晶の代わりに、ねじれ角度270度程度であって、しきい値特性が急峻なSTN(Super Twisted Nematic)を用いると電圧比が1に近付いても、コントラストを維持することができる。しかし、STN液晶は偏光特性の波長依存性が大きいため、使用時には波長依存性を補償するフィルムを用いる必要があり、複雑な光学設計と位相差フィルム材料が必要となる。
【0015】
(3)は、上述したように、1フレーム区間において、画素一つ一つを個別に駆動するため、TN液晶を用いることが可能である。しかし、デメリットとしては、ブラックマトリックスによる開口率が低下すること(すなわち、輝度が低下すること)、および偏光可変セルのブラックマトリックスと表示画素用LCDのブラックマトリックスとの干渉によるモアレが発生することが挙げられる。また、TFT(Thin Film Transistor)の製造工程による製造プロセスの複雑化とコスト高が挙げられる。
【0016】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであって、輝度の低下およびモアレの発生を防止することができるとともに、部分的に2次元画像と3次元画像の切り換えを行うことの可能な機能を備えた立体画像表示装置の駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一態様による立体画像表示装置の駆動方法は、表示面に複数の画素が配列された平面表示装置と、
前記平面表示装置の前面に設けられ、n(≧1)本の透明な第1電極が平行に配置された第1電極基板およびm(≧1)本の透明な第2電極が前記第1電極の配置された方向と略直交する方向に配置された第2電極基板ならびに前記第1電極基板と前記第2電極基板との間に挟持された液晶を有し、前記第1および第2電極基板間に印加する電圧に応じて前記平面表示装置からの光線の偏光方向を可変にする偏光可変セルと、
前記偏光可変セルに対して前記平面表示装置と反対側に設けられ、透明基板および複数の円筒状のレンズのそれぞれの長軸が同一方向に並んで配列されたレンズ基板ならびに前記透明基板と前記レンズ基板との間に挿入された複屈折性物質を有し、前記複屈折性物質の長軸方向が前記レンズ基板の各レンズの長軸方向に略平行でありかつ前記複屈折性物質の短軸方向が前記レンズ基板の各レンズの長軸方向に略垂直であって、前記偏光可変セルを介して得られる前記画素からの光線を所定の角度に振り分ける光線制御素子と、
を備え、3次元画像と2次元画像とを切り換えて表示することが可能な立体画像表示装置の駆動方法であって、
背景が3次元画像および2次元画像のうちの一方の画像で表示し、第1乃至第p(p≧1)のウィンドウが他方の画像で表示するときに、
第i(1≦i≦p)のウィンドウが前記第1電極と重なるか否かを示す前記第1電極に関する第iのフラグビットを立てるとともに前記第iのウィンドウが前記第2電極と重なるか否かを示す前記第2電極に関する第iのフラグビットを立てるステップと、
前記第1および第2電極にそれぞれ印加する第1および第2パルスとして、前記平面表示装置の1フレーム期間をp個の区間に分割し、この分割された区間で前記第1および第2パルスの少なくとも一方の値が異なる2のp乗種類の波形をそれぞれ用意して、前記第1および第2電極に関する第1乃至第pのフラグビットの値の組に対応付けるステップと、
前記n本の第1電極および前記m本の第2電極からそれぞれ、1本の第1および第2電極を選択するステップと、
選択された前記第1および第2電極に関する前記第1乃至第pのフラグビットの値の組に対応する前記第1および第2パルスを、選択された前記第1および第2電極に印加するステップと、
を備えていることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の他の態様による立体画像表示装置の駆動方法は、表示面に複数の画素が配列された平面表示装置と、
前記平面表示装置の前面に設けられ、n(≧1)本の透明な第1電極が平行に配置された第1電極基板およびm(≧1)本の透明な第2電極が前記第1電極の配置された方向と略直交する方向に配置された第2電極基板ならびに前記第1電極基板と前記第2電極基板との間に挟持されたTN液晶を有し、前記第1および第2電極基板間に印加する電圧に応じて前記平面表示装置からの光線の偏光方向を可変にする偏光可変セルと、
前記偏光可変セルに対して前記平面表示装置と反対側に設けられ、透明基板および複数の円筒状のレンズのそれぞれの長軸が同一方向に並んで配列されたレンズ基板ならびに前記透明基板と前記レンズ基板との間に挿入された複屈折性物質を有し、前記複屈折性物質の長軸方向が前記レンズ基板の各レンズの長軸方向に略平行でありかつ前記複屈折性物質の短軸方向が前記レンズ基板の各レンズの長軸方向に略垂直であって、前記偏光可変セルを介して得られる前記画素からの光線を所定の角度に振り分ける光線制御素子と、
を備え、3次元画像と2次元画像とを切り換えて表示することが可能な立体画像表示装置の駆動方法であって、
背景が3次元画像および2次元画像のうちの一方の画像で表示し、第1乃至第p(p≧1)のウィンドウが他方の画像で表示するときに、
前記平面表示装置の1フレーム期間を(p+1)個の区間に分割し、この分割された第1乃至第(p+1)の区間のうちの第k(1≦i≦p)の区間における前記第1電極に印加する第1パルスとして電圧Va(>0)のパルスを、第kのウィンドウと重なる全ての第1電極に印加するとともに、前記第kの区間における前記第2電極に印加する第2パルスとして電圧−Vd(Vd>0)のパルスを、第kのウィンドウと重なる全ての第2電極に印加し、第(p+1)の区間における第1パルスとして最大電圧Vaのパルスを、どのウィンドウとも重ならない第1電極に対して印加し、第(p+1)の区間における第2パルスとして電圧Vdのパルスを、どのウィンドウとも重ならない第2電極に対して印加するステップと、
を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、輝度の低下およびモアレの発生を防止することができるとともに、部分的に2次元画像と3次元画像の切り換えを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施形態を以下に図面を参照して説明する。
【0021】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による立体画像表示装置の駆動方法を説明する。本実施形態の駆動方法によって駆動される立体画像表示装置の概略の構成を図1に示す。この立体画像表示装置は、例えば、液晶表示装置である平面表示装置2と、この平面表示装置2の前面に設けられた偏光可変セル4と、この偏光可変セル4に対して平面表示装置2と反対側に設けられた光線制御素子6とを備えている。
【0022】
平面表示装置は、それぞれがR(赤)、G(緑)、B(青)のサブピクセル2a、2a、2aを有する画素2aがマトリクス状に配列された表示面を備えている。この表示面の前面に偏光可変セル4が設けられている。この偏光可変セル4は、対向する透明な電極基板4a、4bを有し、これらの電極基板4a、4b間に例えば、TN(Twisted Nematic)液晶が挟持されている。これらの電極基板4a、4b間に印加する電圧を変化させることにより、平面表示装置2の画素から出射された光は偏光方向が変化される。
【0023】
光線制御素子6は、偏光可変セル4側に設けられた平坦かつ透明な基板6aと、この透明基板6aを覆い、平面表示装置2の画素2aの縦の配列方向に略平行な長軸を有する円筒形状のレンズが複数個並列に配置されたレンズ基板6bと、基板6aおよびレンズ基板6bに囲まれた領域に格納された複屈折性物質6cとを備えている。すなわち、基板6aと、レンズ基板6bとは、レンズ型枠を構成し、このレンズ型枠6a、6b内に複屈折性物質6cが格納される。また、複屈折性物質6cの長軸方向は、レンズ基板6bの各レンズの長軸方向と略平行であり、複屈折性物質6cの短軸方向は、レンズ基板6bの各レンズの長軸方向と略直交する。そして、複屈折性物質6cの長軸方向の屈折率は短軸方向の屈折率に比べて高い。また、レンズ型枠6a、6bは、等方性の屈折率を有しており、複屈折性物質6cの短軸方向の屈折率と略等しくなるように設定されている。そして、光線制御素子6は、平面表示装置2の画素からの光線を所定の角度に振り分ける。
【0024】
本実施形態の駆動方法は、このような構成の立体画像表示装置を用いて、部分的に2次元画像と3次元画像の切り換えを行うように構成されている。部分的に2次元画像と3次元画像の切り換えを行う方法を以下に説明する。
【0025】
偏光可変セル4は、液晶4cとしてTN液晶を用い、電極基板4a、4b間に印加する電圧を飽和電圧Vonとすることによって、光の偏光方向を回転させないで3次元画像表示モードとし、電圧Voffとすることによって光の偏光方向を90度回転させて2次元画像表示モードとしている。
【0026】
2次元画像表示モードでは、偏光可変セル4によって、基板6aおよびレンズ基板6bに挟持された複屈折性物質6cの短軸方向に偏光方向(矢印11の方向)が一致するように調整される。そして、レンズ型枠6a、6bの屈折率は等方性で、複屈折性物質6cの短軸方向の屈折率と略等しくなるように設定されているため、偏光可変セル4と、光線制御素子6との界面で光は曲がらず、背面にある、平面表示装置2の高精細な2次元画像をそのまま見ることができる。
【0027】
一方、3次元画像表示モードでは、偏光可変セル4によって、複屈折性物質6cの長軸方向に偏光方向(矢印12の方向)が一致するように調整される。そして、レンズ型枠6a、6bの屈折率よりも、複屈折性物質6cの長軸方向の屈折率が高いため、偏光可変セル4と、光線制御素子6との界面で光は屈折し、レンズ効果が現れる。これにより、平面表示装置2のそれぞれの画素からの光を、それぞれの位置に応じた方向にレンズ面全体に拡大して射出するため、指向性のある3次元画像を見ることができる。
【0028】
次に、偏光選択比に関する制約条件を述べる。偏光選択比に、ほぼ比例する実測値として、偏光方向が互いに90度異なる偏光板の間に透明基板に挟持されたTN液晶を置いた時の輝度における電圧依存性V(電圧)−T(透過率)曲線が知られている。ノーマリーホワイトの場合のV−T曲線より、偏光可変セル4の液晶の立ち上がり状態がわかる。すなわち、電圧をかけない場合、基板界面では分子が全く動かない、すなわち強いアンカリングが存在するという条件の下、あるしきい値電圧以下の電圧をかけても配向は全く変化しない。そして、しきい値電圧より大きな電圧をかけると、徐々に液晶のダイレクタが立ち上がり始め、ほとんどすべての液晶が立ち上がると配向は変化しなくなる。
【0029】
図2に一般的なV−T曲線を示す。この、V−T曲線の測定方法を以下に説明する。偏光顕微鏡において、偏光可変セル4との偏光方向と90度偏光方向が異なる偏光板を、調べたい偏光可変セルの上下に置き、それら偏光板の一方に光源、もう一方に輝度を測定する検光子を置く。上記検光子の輝度は、光源のエネルギーによって絶対値が変化するため、相対値に換算する。TN液晶において、電圧をかけない状態では、液晶の捩れによって偏光方向が90度ねじれるため、検光子側の輝度が最も高くなる。その状態での輝度を1とし、最大輝度に対する相対輝度を透過率とする。偏向可変セルに電圧をかけることにより液晶が立ち上がるため、透過率は0に近付いていく。図2は、上記偏光可変セルに印加する電圧と上記検光子の相対輝度、すなわち透過率との関係を示したグラフである。V−T曲線において、輝度が90%となる電圧をしきい値電圧Vthとする。しきい値電圧Vthは、下記の式を用いて算出される。
【数1】

ここで、K11は液晶の広がり(Spray)の弾性定数、K22は液晶のねじれ(Twist)の弾性定数、K33は液晶の曲げ(Bend)の弾性係数、εは液晶の比誘電率、εは真空の誘電率である。
【0030】
図3に示すように、2次元画像表示モード(以下、2D表示モードともいう)では、偏光可変セル4の下の電極基板4aと上の電極基板4bとで、偏光方向が90度異なること、すなわち、液晶4cが90度ねじれているが必要である。この場合、図3に示すように、電極基板4a、4bには、液晶4cの配向方向が90度異なるように、それぞれのラビング方向51,52が90度異なるように形成され、電極基板4a、4b間には、電源54によって、しきい値電圧Vth未満の電圧が印加される。また、3次元画表示モード(以下、3D表示モードともいう)においては、図4に示すように液晶4cがほぼ立ち上がっている状態が必要である。この場合、図4に示すように、電極基板4a、4b間には、電源54によって、後述する飽和電圧Vsat以上の電圧が印加される。
【0031】
次に、2次元画像表示と3次元画像表示の切り換え比とV−T曲線との対応関係について説明する。裸眼式立体画像表示装置の3次元画像表示モードにおいて、一つの要素画像(円筒状の一つのレンズに対応する画像)が指向性を持って任意の角度に射出されていることが必要となる。一方、2次元画像表示モードにおいては、指向性を持たずに一つの画素情報が全方位に射出されていることが必要となる。
【0032】
図2に示すように、TN液晶を用いると、しきい値電圧Vthと飽和電圧Vsatとの間の遷移領域電圧幅Δが、STN液晶より広い範囲となる。そのため、OFF電圧VoffとON電圧Vonの値が離れている。(1)式より、図2に示すTN液晶4cのしきい値電圧Vthを求めると、計算値も実測値も1.8Vとなった。そのため、
1)2D表示モードの場合(V2D<Vthの場合)、計算と図2より、しきい値電圧Vthは1.8Vとなる。ここで、V2Dは2次元画像表示する際に、偏光可変セル4に印加する電圧である。
2)3D表示モードの場合(V3D>Vsatの場合)、図2より、飽和電圧Vsatは3.8Vとなる。ここで、V3Dは3次元画像表示する際に、偏光可変セル4に印加する電圧である。
【0033】
次に、偏光可変セルにおける一般的な単純マトリックス駆動について図7を参照して説明する。垂直方向のライン(走査線)Y1〜Ynの個数をnとすると、1フレーム区間をライン数nで分割し、ライン順次に、信号波形選択のためのアドレス波形のパルスを発生する。信号は選択されたアドレスラインのパルス区間の間、選択する画素の場合はアドレスラインのパルス電圧と反対の極性にパルス電圧を与えることにより、大きな電圧を液晶にかけ、表示がONとなり、非選択の画素の場合は、アドレスラインのパルス電圧と同一の極性にパルス電圧を与えることにより、小さな電圧を液晶にかけ、表示がOFFとなる。
【0034】
また、TN型液晶の電気光学効果は累積応答型であるため、その透過率は印加電圧の実効値によって決まる。このため、単純マトリックス駆動では、OFF時にも、カラム(信号線)X1〜Xmに印加するカラム電圧を0Vとするのではなく、1フレーム内で平均するとしきい値電圧以下となるようにすることにより、液晶が非表示となる。そして、単純マトリックス駆動手法の重要ポイントは、上記OFF時の平均電圧をしきい値電圧以下にすることを条件として、ON電圧を偏光選択比において、液晶の立ち上がり方向が95%以上存在するVsat以上の電圧が液晶に印加されるようにすることである。
【0035】
次に、本実施形態の駆動方法において、TN液晶を用いた単純マトリックス駆動について図8を参照して説明する。図8は、単純マトリクス駆動方法を実施する駆動回路の一具体例を示す図である。PC21、あるいは3次元画像表示のウィンドウ表示部(図示しない)より、ウィンドウの範囲情報を入手する。電源は、PC21より、あるいは外部電源より印加し、波形生成およびFPGA(Field Programmable Gate Array)23に必要な電圧の生成を可変レギュレータ22で行う。図8中、FPGA23の役割は主に2種類ある。一つは、例えば1個のウィンドウのみを表示する場合は、アドレス信号用に2種類、カラム信号用に2種類の波形生成、すなわち、LINE_ON、LINE_OFF、COLUMN_ON、COLUMN_OFFの4種類の電圧波形の生成をフレーム周波数に応じて、可変レギュレータ22から発生される電圧に基づいて、MUX(アナログスイッチ)に行わせる。すなわち、FPGA23は、フレーム周波数に応じたタイミングで、MUX24において、LINE_ON、LINE_OFFの波形生成を行わせ、偏光可変セル4の各ラインに対して、MUX25によってLINE_ON、LINE_OFFから1つの電圧波形を選択させ、この選択した電圧波形を対応するラインに印加する。また、FPGA23は、フレーム周波数に応じたタイミングで、MUX26において、COLUMN_ON、COLUMN_OFFの波形生成を行わせ、偏光可変セル4の各カラムに対して、MUX27によってCOLUMN_ON、COLUMN_OFFから1つの電圧波形を選択させ、この選択した電圧波形を対応するカラムに印加する。もう一つの役割は、PC21からのモード範囲指定を基にON/OFFのライン、カラムを区分けし、それぞれのライン/カラムにおいて、信号出力波形の選択を、ライン数、コラム数を足した数のMUX24、25、26、27を使用して行う。
【0036】
また、例えば2個のウィンドウの表示を場合は、FPGA23は、アドレス信号用に4種類、カラム信号用に4種類の波形生成を、可変レギュレータ22から発生される電圧に基づいて、MUX24、25、26、27に行わせる。ウィンドウ表示がOFFの場合を0、ウィンドウ表示がONの場合を1とし、かつ第1ウィンドウの表示(window1)と第2ウィンドウの表示(window2)のON/OFFの状態を、それぞれ(window1,window2)で表す。波形生成部24、25、26、27では、LINE_(00),LINE_(01)、LINE_(10)、LINE_(11)、COLUMN_(00)、COLUMN_(01)、COLUMN_(10)、COLUMN_(11)の8種類の電圧波形生成をフレーム周波数に応じて行う。もう一つの役割は、PC21からのモード範囲指定を基に(00)、(01)、(10)、(11)の状態をとるライン、カラムを区分けし、それぞれのライン/カラムにおいて、信号出力波形の選択を、ライン数、カラム数を足した数のMUXを使用して行う。
【0037】
次に、本実施形態において、例えば、高精細な2次元画像が全面に表示されている際に、長方形のウィンドウを任意の位置、大きさで3次元画像表示をする場合、または3次元画像が全面に表示されている際に、長方形のウィンドウを任意の位置、大きさで高精細な2次元画像表示を行う場合の駆動方法の特徴を以下に説明する。説明を簡単にするために、全面に高精細な2次元画像表示の中に3次元画像に関する少なくとも1個のウィンドウの表示を行う場合を説明する。逆も同様である。
(1)ウィンドウの個数をp(≧1)個とする。まず、アドレスラインのパルス電圧を印加する期間として、1フレーム区間をp箇所に区切り、同一ウィンドウの垂直軸方向の座標において、同一アドレス波形信号を入力する。
(2)p個のウィンドウに注目し、垂直方向、水平方向に関してその座標がそれぞれのウィンドウを含むか含まないか(ウィンドウと重なるか重ならないか)を判定するフラグビットを伝送する。
(3)単純マトリックス駆動の平均電圧駆動を行う。アドレス電圧、カラム信号電圧も最大コントラストになる値と同じ値をとる。しかし、以下2点は一般的な単純マトリックス駆動方法と異なる点である。
(a)3次元画像のウィンドウ表示を行わない領域はアドレスラインのパルスは立てない。
(b)複数のウィンドウが重複する座標のあるアドレスラインはアドレスのパルスも重複する。
【0038】
上記3項目に関して以下に補足説明を行う。
(1)線順次駆動ではなく、あるラインがウィンドウを含むか含まないか、そしてそれぞれのウィンドウが2次元画像表示か3次元画像表示かを判定するフラグビットを立て、それぞれのタイミングでの電圧を切り換え器で選択する。
(2)(m+n)×p個のデータを伝送する。単純マトリックス駆動のように、m×nの偏光方向の選択ビット(0、または1)を伝送しないため、データ転送量が少ないというメリットがある。
【0039】
すなわち、本実施形態の駆動方法は、背景が3次元画像および2次元画像のうちの一方の画像で表示し、第1乃至第p(p≧1)のウィンドウが他方の画像で表示するときに、第i(1≦i≦p)のウィンドウがアドレスラインと重なるか否かを示すアドレスラインに関する第iのフラグビットを立てるとともに第iのウィンドウがカラムラインと重なるか否かを示すカラムラインに関する第iのフラグビットを立てるステップと、
アドレスラインおよびカラムラインにそれぞれ印加する第1および第2パルスとして、平面表示装置の1フレーム期間をp個の区間に分割し、この分割された区間で第1および第2パルスの少なくとも一方の値が異なる2のp乗種類の波形をそれぞれ用意して、アドレスラインおよびカラムラインに関する第1乃至第pのフラグビットの値の組に対応付けるステップと、
n本のアドレスラインおよびm本のカラムラインからそれぞれ、1本のアドレスラインおよびカラムラインを選択するステップと、
選択されたアドレスラインおよびカラムラインに関する第1乃至第pのフラグビットの値の組に対応する第1および第2パルスを、選択されたアドレスラインおよびカラムラインに印加するステップと、
を備えることにより、部分的にp個のウィンドウにおいて立体表示を行うとともに他の領域のおいては表示画素と同等の解像度で平面表示を行うか、あるいは部分的にp個のウィンドウにおいて表示画素と同等の解像度で平面表示を行うとともに他の領域においては立体画像表示を行う。
【0040】
次に、本実施形態の駆動方法について、より具体的に説明する。
まず、背景が高精細な2次元画像上に一つの3次元画像表示のウィンドウがある場合を説明する。従来の単純マトリックス駆動方法において、TN液晶を用いた場合、遷移領域電圧幅Δが広いため、偏光可変セルの駆動電圧比(=Von/Voff)は解像度が増加すればするほど小さくなり、3次元画像表示、あるいは2次元画像表示は劣化する。そのため、偏光可変セルの解像度が高くなっても、アドレスラインの波形の種類を少なく維持するため、ウィンドウのある場所とウィンドウのない場所を、それぞれグルーピングを行い、各々に同一アドレス波形を入力する。この駆動方法のメリットは、偏光可変セルの解像度の増加にも関わらず、波形の種類がウィンドウの数で制限されることである。例えば、ウィンドウが1個の場合は、アドレス、カラムラインともそれぞれ2種類、ウィンドウが2個の場合は、アドレス、カラムラインともそれぞれ4種類となる。これを以下に説明する。
【0041】
ある水平ラインにおいて、そのラインの一部、あるいは全体に3次元画像表示のウィンドウがある場合、フラグビットとして「1」を立て、ある水平ラインにおいて、そのラインに3次元画像表示ウィンドウがない場合は、フラグビットとして「0」を立てる。フラグビットが「1」の場合と、フラグビットが「0」の場合とで波形において区別を行うために、アドレス波形は2種類でよい。
【0042】
次に、ある垂直ラインにおいて、そのラインの一部、あるいは全体に3次元画像表示ウィンドウがある場合、フラグビットとして「1」を立て、ある垂直ラインにおいて、そのラインに3次元画像表示ウィンドウがない場合は、フラグビットとして「0」を立てる。同様に、フラグビットが「1」の場合と、フラグビットが「0」の場合とで波形において区別を行うために、カラム波形は2種類でよい。
【0043】
このことは、図9に示すように、3次元画像描画ビューアーソフトを制御するPCあるいは駆動装置から偏光可変セルへ伝送するデータとしては、アドレス信号線の解像度(本数)をn、カラム信号線の解像度(本数)をmとすると、それぞれが2ビット(0かまたは1)の情報のみ伝送するので、合計(m+n)ビットとなり、伝送データビットも、すべての解像度のビット情報を送る場合である(m×n)ビットに比べて少ない情報で済む。
【0044】
また、図9に示すように、ウィンドウは、ウィンドウの左上の座標と右下の座標が決まれば一意に決まる。3次元画像を表示する際に用いられる平面表示装置としての液晶表示装置は高精細であることが多く、偏光可変セルはレンズピッチよりも高精細である必要はないため、それらの解像度は一致しないこともある。そのため、3次元画像を表示する際に用いられる平面表示装置としての液晶表示装置と、偏可変セルのウィンドウのサイズ、位置を一致させるため、座標変換を行う必要がある。これについて、図10を参照して説明する。
【0045】
まず、液晶表示装置と偏光可変セルのそれぞれの原点を一致させた場合を考える。この場合、3次元画像を表示する液晶表示装置上のウィンドウの左上の座標を(xls,yls)、右下の座標を(xle,yle)、1ピクセルの幅をwlpとし、偏光可変セルのウィンドウの左上の座標を(xhs,yhs)、右下の座標を(xhe,yhe)、1ピクセルの幅をwhpとすると、次式で簡単に座標変換できる。偏光可変セルの1ピクセル幅whpを、3次元画像を表示する液晶表示装置の1ピクセル幅wlpの自然数倍(k倍)にしておくと、変換後の座標が整数となり、表示劣化も起きない。
xhs=xls/whp×wlp (2)
yhs=yls/whp×wlp (3)
xhe=xle/whp×wlp (4)
yhe=yle/whp×wlp (5)
whp=k×wlp
ここで、kは自然数を表す。
【0046】
このように、3次元画像描画ビューアーソフトと連動することにより、ユーザの負担なしに、3次元画像の表示ができるように偏光可変セルの偏光方向を変化させるようにする。
【0047】
また、図11は、ある画素にアドレスのビット情報とカラムのビット情報を組み合わせた時、その画素が3次元画像表示か否かを示す図である。図11よりわかるように、全面に2次元画像しているときに3次元画像のウィンドウを表示する場合、3次元画像の表示は、アドレスのビット情報とカラムのビット情報との論理積となる。
【0048】
3次元画像を表示するウィンドウが1個の場合の駆動波形について
アドレス信号にかかる電圧は電極の片側にかかる電圧値で、コラム信号にかかる電圧は電極の一方の片側にかかる電圧値となり、それらの差分が液晶にかかる電圧振幅となる。また、1フレーム期間は例えば60Hz駆動である。図12は1フレームの半分の波形を表示している。1フレームの後半においては、電圧値を反転させることにより、一方向に電圧をかけた場合、液晶の劣化として起こる焼き付けを防止することができる。
【0049】
図12に示すように、アドレス信号において、その水平ラインに3Dウィンドウがある場合はw1のフラグが「1」となるようにし、無い場合はフラグが「0」となるようにする。コラム信号においても、その垂直ラインに3Dウィンドウがある場合はw1のフラグが「1」となるようにし、無い場合はフラグが「0」となるようにする。
【0050】
アドレス波形において、
「0」の場合、電圧値
Va1「0」=0 (6)
とする。
【0051】
次に、コラム波形であるが、図11に示すように、(アドレスフラグ、コラムフラグ)が(0,0)と(0,1)の場合の両者とも3D表示がOFFであるため、Vth以下の電圧振幅とする。そのため、
コラム波形において、
絶対値(Va1「0」−Vc1「0」)≦Vth
絶対値(Va1「0」−Vc1「1」)≦Vth
とする。ここで、上記2式を満たす場合でVc1「0」、Vc1「1」の最大限度値を求めると
Vc1「0」=Vth (7)
Vc1「1」=−Vth (8)
とできる。
【0052】
次に、(アドレスフラグ、コラムフラグ)が(1,0)の時に、3D表示がOFFとなるめには、
Va1「1」−Vc1「0」=Va1「1」−Vd≦Vth
が必要となる。ここで、
Va1「1」=Vth+Vth=2×Vth (9)
とできる。また、(アドレスフラグ、コラムフラグ)が(1,1)の時に3D表示がONとなるためには、
Va1「1」−Vc1「1」≧Vsat (10)
となる。(10)式に(8)、(9)を代入すると
Va1「1」−Vc1「1」=3×Vth≧Vsat (11)
となる。図6に示したように、Vsatが3.8V、Vthが1.8Vとすると、(11)式を満たすので、上記電圧値にて駆動可能である。
【0053】
上記で、Vdの上限値としては、Vd=Vthである。その時、Vsat=5.55Vとなり、偏光選択比の3次元画像表示としては十分となる。
【0054】
例えば、図9で示したハッチング領域をONする場合、ONにするY座標yhs〜yheまでのラインを1.8(Vth)×2=3.6Vにし、それ以外のラインに0V、その時のONするX座標xhs〜xheまでのカラムに−1.8(Vth)V、それ以外のカラム(0〜xhs−1、xhe+1〜15)を+1.8Vにする。この1回のライン選択で1フレームとなり、次のフレームは逆相にして交互に動作を繰り返す。これは、偏光可変セル4の液晶4cの焼き付きを防止するためである。このようにONする範囲は、ライン方向とカラム方向で電圧差が最大となるようにし、OFFする場合は、電圧差が最小になるようにする。
【0055】
2次元画像を表示する1つのウィンドウがある場合の駆動波形について
次に、背景が3次元画像上に2次元画像を表示する1つのウィンドウがある場合の駆動波形について説明する。この場合、ある画素にアドレスのビット情報とカラムのビット情報とが組み合わせられた時、図13に示すように、3次元画像表示は、アドレスのビット情報と、カラムのビット情報との論理和となる。
【0056】
図14に示すように、アドレス信号において、その水平ラインに3Dウィンドウがある場合はw1のフラグが「1」となるようにし、無い場合はフラグが「0」となるようにする。コラム信号においても、その垂直ラインに3Dウィンドウがある場合はw1のフラグが「1」となるようにし、無い場合はフラグが「0」となるようにする。
【0057】
アドレス波形において、
「0」の場合、電圧値
Va1「0」=−Vth/2 (12)
とする。
【0058】
次に、コラム波形であるが、図13に示すように、(アドレスフラグ、コラムフラグ)が(0,0)の場合の3D表示がOFFであるため、差分絶対値をVth以下の電圧振幅とする。そのため、
コラム波形において、
絶対値(Va1「0」−Vcl「0」)≦Vth
とする。ここで、一例として、
Vc1「0」=Vth/2 (13)
としてもよい。
【0059】
次に、図13に示すように、(アドレスフラグ、コラムフラグ)が(0,1)の場合の3D表示がONであるため、
絶対値(Va1「0」−Vc1「1」)≧Vsat (14)
とする。(16)を(17)に代入し、Vc1「1」の最低限度値を求めると
−Vth/2−Vc1「1」=Vsatとなるため、
Vc1「1」=Vsat−Vth/2 (15)
が一例として考えられる。次に、(アドレスフラグ、コラムフラグ)が(1,0)の場合の3D表示がOFFであるため、
絶対値(Va1「1」−Vc1「0」)≧Vsat (16)
とする。(15)を(16)に代入し、Va1「1」の最低限度値を求めると絶対値(Va1「1」−Vth/2)≧VsatとなるためのVa1「1」の絶対値の最低限度値を求めると、−(Va1「1」−Vth/2)=−Vsatを満たせばよい。
Va1「1」=−Vsat+Vth/2 (17)
が一例として考えられる。最後に、(アドレスフラグ、コラムフラグ)が(1,1)の場合の3D表示がONであるためには
絶対値(Va1「1」−Vc1「1」)≧Vsat (18)
を満たす。(15)、(17)を(18)に代入すると
Vsat−Vth/2−(−Vsat+Vth/2)=2×Vsat―Vth≧Vsat
となり、Vsatが3.8V、Vthが1.8Vとすると、(18)式を満たすため、上記電圧値にて駆動可能である。
【0060】
この場合も、偏光可変セル4の液晶4cの焼き付けを防止するために、ウィンドウで2次元画像表示する場合、アドレス信号パルス電圧Vaは−Vth/2、Vth/2を交互に繰り返し、カラム信号パルス電圧VdはVth/2、−Vth/2を交互に繰り返す。また、3次元画像表示するウィンドウ以外の領域では、アドレス信号パルス電圧Vaは、 −(Vsat−Vth/2)、(Vsat−Vth/2)を交互に繰り返し、カラム信号パルス電圧Vdは、(Vsat−Vth/2)、−(Vsat−Vth/2)を交互に繰り返す。
【0061】
3次元画像表示ウィンドウが2つある場合の駆動波形について
次に、図15に示すように背景が高精細な2次元画像上に2つの3次元画像表示ウィンドウがある場合の駆動波形について説明する。
【0062】
ある水平ライン(走査線)において、そのラインの一部、あるいは全体にwindow1と名づけた3次元画像表示のウィンドウがある場合、フラグビットとして「1」を立て、ある水平ラインにおいて、そのラインに3次元画像表示のウィンドウが無い場合は、フラグビットとして「0」を立てる。次に、window2と名づけた3次元画像表示のウィンドウがある場合、フラグビットとして「1」を立て、ある水平ラインにおいて、そのラインに3次元画像表示のウィンドウが無い場合は、フラグビットとして「0」を立てる。window1、window2に関してそれぞれ、図16に示すようにフラグビットが「1」の場合と、フラグビットが「0」の場合で、波形において区別を行うためにアドレス波形は4種類となる。同様に、カラム波形においても、window1、window2に関してそれぞれ、図17に示すように、フラグビットが「1」の場合と、フラグビットが「0」の場合で、波形において区別を行うためにアドレス波形は4種類となる。図17にアドレス波形、カラム波形の一具体例を示す。
【0063】
Vth=1.8V、Vsat=3.8Vとし、window1のフラグビットをw1,window2のフラグビットをW2とすると、アドレス信号パルス電圧Vaは、(w1,w2)が(0,0)、(0,1)、(1,0)、(1,1)の場合に応じて図17に示すパルス電圧を印加する。
【0064】
図17は、1フレームの半分の波形を表示している。1フレームの後半においては、電圧値を反転させることにより、一方向に電圧をかけた場合、液晶の劣化として起こる焼き付けを防止することができる。また、図17は1/2フレームを1/2に分割し、前半をウィンドウ1のフラグ情報による電圧値とし、後半をウィンドウ2のフラグ情報による電圧値とする。
【0065】
電圧値は3次元画像を表示するウィンドウが1個の場合、駆動波形の電圧値と同様でよい。すなわち、ウィンドウ1が水平ラインに含まれている場合は1/2フレームの前半が、
Va「1」=Vth×2 (19)
をとり、ウィンドウ2が水平ラインに含まれている場合は1/2フレームの後半が、
Va「1」=Vth×2
をとる。同様に、ウィンドウ1が水平ラインに含まれていない場合は1/2フレームの前半が、
Va「0」=0 (20)
をとり、ウィンドウ2が水平ラインに含まれていない場合は1/2フレームの後半が、
Va「0」=0
をとる。コラムラインに関しても同様である。ウィンドウ1が垂直ラインに含まれている場合は1/2フレームの前半が、
Vd「1」=Vth (21)
をとり、ウィンドウ2が垂直ラインに含まれている場合は1/2フレームの後半が、
Vd「1」= Vth
をとる。同様に、ウィンドウ1が垂直ラインに含まれていない場合は1/2フレームの前半が、
Va「0」=−Vth (22)
をとり、ウィンドウ2が垂直ラインに含まれていない場合は1/2フレームの後半が、
Va「0」=−Vth
をとる。図16の右側に、上記電圧値を印加した時の、ウィンドウ1、ウィンドウ2の3D表示モードのON、OFFについて記載する。
【0066】
なお、本例においては、偏光可変セル4の液晶4cの焼き付けを防止するために、あるフレームでは図17に示すパルス電圧を印加し、次のフレームでは、図17に示すパルス電圧を反転した電圧(符号を反転した電圧)を印加する。
【0067】
アドレス信号電圧Vaの最大値がデータ信号電圧Vdの最大値の2倍であり、データ信号電圧の最大値をしきい値電圧Vth以下にしておくと、アドレス信号とデータ信号の差(=データ信号電圧)の最大値も、しきい値電圧Vth以下になる。
【0068】
TN液晶は累積応答型であるため、1フレーム内に分割して印加した電圧は以下のように計算できる。
【数2】

【0069】
アドレス信号が(0,0)、カラム信号が(0,0)となる場合は、液晶にかかる電圧が1/2フレームにわたって、Vthであるため、ウィンドウ1の時と同様に3D表示モードはOFFとなる。
【0070】
アドレス信号が(0,1)、カラム信号が(0,1)で、window2の3次元画像表示枠内にある画素にかかる電圧を計算する。すると、下記の(24)式となる。
【数3】

となる。ここで、Tは1フレーム期間を表す。
【0071】
上記Va=3.6V、Vd=1.8Vとすると、Vonは4.02Vとなり、しきい値電圧Vthを超えている。
【0072】
また、アドレス信号が(0,1)、カラム信号が(1,0)で、window2の3次元画像表示枠外にある画素に印加される電圧を計算する。
【数4】

となる。上記Va=3.6V、Vd=1.8Vとすると、Voffは1.8Vとなり、しきい値電圧Vth以下となる。
【0073】
図17に、1フレームにおける液晶に印加される電圧を示すが、仕様を満たす駆動電圧となる。アドレス信号が(1,1)、カラム信号が(1,1)の場合は、1/2フレームにわたって、3×Vth>Vsatであるため、3次元画像表示がONとなる。ここで、VaがVdの2倍であることにより、Va−Vd=Vdとなる。このことは、アドレス波形において、電圧が0でもVaでも、VdがVaと同極性、すなわち、カラム波形がOFFとなっていると、液晶に印加される電圧はしきい値電圧Vth以下になり、選択されないことになる。これにより、window1,window2が両方あるラインでは、フレームの前半と後半の両方ともVaとなるが、カラム波形において、非選択である場合(2次元画像表示モードでビット0)、液晶に印加される電圧はしきい値電圧Vth以下となる。ただし、液晶がしきい値特性が悪いものであると、Von=4.02Vにおいて、偏光選択比が劣化するため、3次元画像表示が劣化する場合がある。やはり、TN液晶の種類においても、V−T曲線の良いものを選択する必要がある。
【0074】
2次元画像表示のウィンドウが2個ある場合の駆動波形について
次に、背景が3次元画像表示である時に、2つの高精細な2次元画像表示のウィンドウがある場合の駆動波形を説明する。
【0075】
ある水平ラインにおいて、そのラインの一部、あるいは全体にwindow1と名づけた2次元画像表示ウィンドウがある場合、フラグビットとして「0」を立て、ある水平ラインにおいて、そのラインに2次元画像表示ウィンドウが無い場合は、フラグビットとして「1」を立てる。次に、window2と名づけた2次元画像表示ウィンドウがある場合、フラグビットとして「0」を立て、ある水平ラインにおいて、そのラインに2次元画像表示ウィンドウが無い場合は、フラグビットとして「1」を立てる。window1、window2に関してそれぞれ、図18に示すように、フラグビットが「1」の場合と、フラグビットが「0」の場合とで、波形において区別を行うためにアドレス波形は4種類となる。
【0076】
同様に、カラム波形においても、window1、window2に関してそれぞれ、図19に示すようにフラグビットが「1」の場合と、フラグビットが「0」の場合とで、波形において区別を行うためにアドレス波形は4種類となる。この時のアドレス波形、カラム波形の一具体例を図20に示す。
【0077】
Vth=1.8V、Vsat=3.8Vとすると、アドレス信号パルス電圧は、(w1,w2)が(0,0)、(0,1)、(1,0)、(1,1)の場合に応じて図20に示すパルス電圧を印加する。
【0078】
図20は、1フレームの半分の波形を表示している。1フレームの後半においては、電圧値を反転させることにより、一方向に電圧をかけた場合、液晶の劣化として起こる焼き付けを防止することができる。また、図20は1/2フレームを1/2に分割し、前半をウィンドウ1のフラグ情報による電圧値とし、後半をウィンドウ2のフラグ情報による電圧値とする。
【0079】
電圧値は全画面が3次元画像表示の状態で、2次元画像を表示するウィンドウが1個の場合、駆動波形の電圧値と異なる。すなわち、ウィンドウ1が水平ラインに含まれている場合は1/2フレームの前半が、(w1アドレスフラグ、w2アドレスフラグ、w1コラムフラグ、w2コラムフラグ)=(0,0,0,0)、(0,1,0,0)、(1,0,0,0)、(0,0,1,0)、(0,0,0,1)、(0,1,0,1)、(1,0,1,0)の時、2D表示となる。すなわち、w1のコラムとアドレスが同時に0となる位置、あるいは、w2のコラムとアドレスが同時に0となる位置が2D表示となる。
【0080】
2Dウィンドウが1個ある場合の図14の電圧値と2個ある場合の図20の電圧値が異なる。(w1アドレスフラグ、w2アドレスフラグ、w1コラムフラグ、w2コラムフラグ)=(0,1,0,1)、(1,0,1,0)の時に、3D表示となるからである。
【0081】
そこで、2個の2DWindowの場合は、以下の方法をとることができる。図20において、w1が0をとる場合において、w2が0、あるいは1をとるかに応じて、異なる電圧値をとる。すなわち、w1,w2の組み合わせで、平均化電圧が2D表示となるしきい値電圧以下、あるいは、3D表示となる飽和電圧以上がかかるようにする。1例として、図20があげられる。
【0082】
フラグに関してVa(W1,W2)=(1,0)、Vd(W1,W2)=(1,0)の場合、ウィンドウ1が2D表示になることを意味する。アドレスラインにかかる電圧は図20に示すように、
1/2フレームの前半が
Va(0〜1/4フレーム)(1,0)=Vth×2
Va(1/4〜1/2フレーム)(1,0)=0
とし、1/2フレーム以降に関しては、液晶の焼き付け防止のため、
Va(1/2〜3/4フレーム)(1,0)=−Vth×2
Va(3/4〜1フレーム)(1,0)=0
と反転した電圧を印加する。コラムラインにかかる電圧は図20に示すように、
1/2フレームの前半が
Vd(0〜1/4フレーム)(1,0)=Vth
Vd(1/4〜1/2フレーム)(1,0)=−Vth
とし、1/2フレーム以降に関しては、液晶の焼き付け防止のため、
Vd(1/2〜3/4フレーム)(1,0)=Vth
Vd(3/4〜1フレーム)(1,0)=−Vth
と反転した電圧を印加する。
【0083】
上記により、液晶にかかる電圧は、0〜1/4フレーム、1/4〜1/2フレームにおいて、同一電圧値でVthとなる。そのため、2D表示が維持できる。
【0084】
同様に、フラグに関してVa(W1,W2)=(1,0),Vd(W1,W2)=(0,1)の場合、ウィンドウ1が2D表示になることを意味する。アドレスラインにかかる電圧は図20に示すように、
1/2フレームの前半が
Va(0〜1/4フレーム)(1,0)=Vth×2
Va(1/4〜1/2フレーム)(1,0)=0
とし、1/2フレーム以降に関しては、液晶の焼きつき防止のため、
Va(1/2〜3/4フレーム)(1,0)=−Vth×2
Va(3/4〜1フレーム)(1,0)=0
と反転した電圧を印加する。コラムラインにかかる電圧は図20に示すように、
1/2フレームの前半が
Vd(0〜1/4フレーム)(1,0)=−Vth
Vd(1/4〜1/2フレーム)(1,0)=Vth
とし、1/2フレーム以降に関しては、液晶の焼き付け防止のため、
Vd(1/2〜3/4フレーム)(1,0)=−Vth
Vd(3/4〜1フレーム)(1,0)=Vth
と反転した電圧を印加する。
【0085】
上記により、液晶にかかる電圧は、0〜1/4フレームにおいてVth×3、1/4〜1/2フレームにおいてVthが液晶に印加される。(23)式に代入すると
V平均=√5×Vth
となる。Vth=1.8V,Vsat=3.8Vとすると
V平均=4.02V>Vsat
となるため、3D表示が可能となる。
【0086】
図20にw1,w2のフラグの組み合わせと液晶にかかる電圧について記述したが、ウィンドウ1,2のどちらかがOFFの時は、3D表示もOFFになっており、所望の表示ができる。
【0087】
なお、本例では、偏光可変セル4の液晶4cの焼き付けを防止するために、あるフレームでは図20に示すパルス電圧を印加し、次のフレームでは、図20に示すパルス電圧を反転した電圧(符号を反転した電圧)を印加する。
【0088】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態による立体画像表示装置の駆動方法を説明する。本実施形態の駆動方法は、第1実施形態の駆動方法と同様に図1に示す立体画像表示装置に用いられるが、第1実施形態の駆動方法とは、偏光可変セル4の駆動方法が異なっており、コントラストを最大にする駆動方法である。
【0089】
本実施形態の駆動方法に係る偏光可変セル4の駆動について説明する。1個のウィンドウの場合、高精細な2次元画像の中に3次元画像表示のウィンドウがある場合と、3次元画像の背景の中に2次元画像表示のウィンドウある場合で波形が全く異なる。そのため、電圧値を0Vも含めると5種類用意する必要がある。しかし、3次元画像表示のウィンドウが無いアドレス波形においても、アドレス電圧を印加することにより、より簡単な電圧駆動を行うことができる。
【0090】
3次元画像表示ウィンドウがp(≧1)個ある場合の駆動波形について
まず、高精細な2次元画像の中に3次元画像表示のウィンドウがp個ある場合の波形について説明する。
【0091】
ある水平ラインにおいて、そのラインの一部、あるいは全体に3次元画像表示のウィンドウがある場合、フラグビットとして、「1」を立て、ある水平ラインにおいて、そのラインに3次元画像表示ウィンドウが無い場合は、フラグビットとして「0」を立てる。フラグビットが「1」の場合と、フラグビットが「0」の場合とで、波形において区別を行うためにアドレス波形は2種類でよい。
【0092】
次に、ある垂直ラインにおいて、そのラインの一部、あるいは全体に3次元画像表示のウィンドウがある場合、フラグビットとして「1」を立て、ある垂直ラインにおいて、そのラインに3次元画像表示ウィンドウが無い場合は、フラグビットとして「0」を立てる。同様に、フラグビットが「1」の場合と、フラグビットが「0」の場合とで、波形において区別を行うためにカラム波形は2種類でよい。
【0093】
本実施形態の駆動方法においては、偏光可変セル4を構成するTN液晶に電圧をかけて液晶のダイレクタが立ち上がり始める電圧をVth、液晶が95%立ち上がった時の電圧をVsatとした場合、p個のウィンドウ領域に関して偏光方向を変化させ、このp個のウィンドウ領域以外に関して偏光方向を変化させない。偏光可変セル4の対向する2枚の透明基板の一方の基板上に、第1の方向(例えば、水平方向)にn個の透明電極を設置し、これらのn個の透明電極にアドレスライン番号をそれぞれ1からnを割り当てる。また、もう一方の透明基板上に、第1の方向と略直交する方向(例えば、垂直方向)にm個の透明電極を設置し、これらのm個の透明電極にカラムライン番号を1からmを割り当てる。この時、水平方向のラインの駆動波形(アドレス波形)において、1フレーム期間を(p+1)個分の幅に等分し、それぞれの最大電圧がVaとなる(p+1)個分の波形をライン番号の小さい順に順次印加していくのではなく、k(1≦k≦p)番目のウィンドウと重なる複数のラインに対して、1フレーム内の中でk番目にVaの電圧値を有する同一のパルス波形を印加する。なお、どのウィンドウとも重ならないラインに対しては、(p+1)番目に最大電圧値Vaを有する同一のパルス波形を印加する。
【0094】
一方、垂直方向のカラム信号線には、1フレームを(p+1)個で等分に分割し、k番目のウィンドウと重なるカラム信号線においては、1フレーム内の中でk番目に―Vdの電圧値をもつ同一のパルス信号を印加するとともにk番目と異なるウィンドウと重なるカラム信号線にはVdの電圧値をもつ同一のパルス信号を印可し、さらに、どのウィンドウとも重ならないカラム信号には常にVdの電圧を印加する。なお、1フレームを(p+1)個に分割し、上述したような駆動波形として印加するのは、偏光可変セル4を構成する液晶はTN液晶であって、その駆動電圧が1フレーム期間に印加される電圧の平均値によって設定されるからである。
【0095】
このときのアドレスラインおよびカラム信号線に印加される駆動波形の一具体例を図 21に示す。アドレス1〜アドレスpは、それぞれ第1番目のウィンドウ〜第p番目のウィンドウと重なるアドレスラインに印加する電圧波形を示し、選択されたときは、Vaの電圧が印加され、その他のときは、0Vの電圧が印加される。また、カラム1〜カラムpは、それぞれ第1番目のウィンドウ〜第p番目のウィンドウと重なるカラム信号線に印加する電圧波形を示し、選択されたときは−Vdの電圧が印加され、その他のときは+Vdの電圧が印加される。アドレス電圧を常にかけているので、平均電圧駆動の最大コントラストでの駆動を行うとよい。しきい値電圧をVthとおくと、非特許文献1より、アドレスラインの波形がn個ある時は、VaおよびVdを以下の式
【数5】

にしたがった値とすると、コントラストが最大、すなわち偏光選択比が最大となる。
【0096】
2次元画像表示ウィンドウがp個ある場合の駆動波形について
次に、3次元画像の背景の中に2次元画像表示のウィンドウある場合の波形の一具体例を図22に示す。図22に示すように、アドレス電圧は、図21に示すアドレス電圧と同一で、カラム電圧は、図21に示すカラム電圧を反転した波形となっている。また、図9と図19とを比較すると、ウィンドウが、3次元画像表示(ビット1)か、2次元画像表示(ビット0)となる違いがある。そのため、3次元画像表示の背景中に2次元画像表示ウィンドウがp個ある場合は、アドレスラインの駆動波形において、1からp番目までのアドレス駆動波形はフラグビットw1が「0」となり、p+1番目のアドレス駆動波形はフラグビットw1が「1」となる。
【0097】
一方、高精細な2次元画像の背景の中に3次元画像表示のウィンドウがある場合は、1からp番目までのアドレス駆動波形はフラグビットw1が「1」となり、p+1番目のアドレス駆動波形はフラグビットw1が「0」となる。
【0098】
本実施形態において、高精細な2次元画像の背景の中に3次元画像表示のウィンドウが1個ある場合の駆動波形を図23に示す。
【0099】
また、本実施形態において、3次元画像表示の背景の中に2次元画像表示のウィンドウが1個ある場合の駆動波形を図24に示す。
【0100】
アドレス駆動波形がn個ある時のVa、Vdを、図2のV−T曲線を有する液晶について、(26)式、(27)式を用いて計算し、平均的に液晶に印可される電圧を計算した結果を図25に示す。ここで、Va−Vd<Vdとなるような、VaとVdの差が小さい場合、高精細な2次元画像表示中に3次元画像表示のウィンドウがある場合、アドレスラインにおいて複数のパルスにVaがかかっている場合にも表示劣化のない部分的な3次元画像表示ができる。これは、アドレス駆動波形において、電圧が0VでもVaでも、VdがVaと同極性、すなわち、カラム駆動波形がOFFとなっていると、液晶にかかる電圧はしきい値以下になり、選択されないことになる。これにより、window1,window2が両方と重なるラインでは、フレームの前半と後半の両方とも印加される電圧はVaとなるが、カラム波形において、非選択である場合(2次元画像表示モードでフラグビットは「0」)、液晶にかかる電圧はしきい値電圧以下となる。
【0101】
あるライン上に偏光方向を変化させるk番目のウィンドウが存在し、かつそのライン上においてはすべて同一のカラムラインに上記k番目のウィンドウが存在する場合、そのライン、あるいはカラムが互いに隣接した領域ではなく、離散的に存在するようにすることにより、格子状に複数のウィンドウを作成する場合の偏光可変セル4上のウィンドウの分布例を図26に示す。
【0102】
2D表示ウィンドウの中に3D表示ウィンドウを1箇所表示する時は、アドレスライン、コラムラインにおいて、ウィンドウ1のフラグ1を通常は連続してある範囲だけ立てるようにする。しかし、図26のウィンドウ1に示すように、ウィンドウ1のフラグ1を複数箇所に分けて連続してある範囲だけ立てるようにすることもできる。その場合、ウィンドウ1の領域において、アドレスラインとコラムラインのフラグが1がたっている場所で、アドレスラインとコラムラインの論理積が1の部分は3D表示となる。例えば、アドレスラインとコラムラインのフラグが1がたっている範囲が2箇所ずつある場合、2×2=4ウィンドウの3D表示が可能となる。
【0103】
単純マトリックス駆動の場合は長方形のウィンドウにおいて有効であるが、任意の楕円、ひし形のようなウィンドウでは、アドレスラインごとのウィンドウにおいて、3次元画像表示となる画素の数や位置が、一定に決まらない。そのため、アドレス駆動波形の数が多くなり、ON/OFFの電圧比、すなわち偏光選択比が小さくなり、3次元画像表示が劣化する。そこで、予め3次元画像を表示したい領域が決まっている場合は、図27に示すように透明電極の形状を楕円、ひし形の形状にしておけば、任意のウィンドウの形状で表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の各実施形態による駆動方法が適用される立体画像表示装置を示す斜視図。
【図2】偏光可変セルに用いられるTN液晶のV―T曲線を示す図。
【図3】2次元画像表示モードにおける偏光可変セルの液晶の状態を説明する図。
【図4】3次元画像表示モードにおける偏光可変セルの液晶の状態を説明する図。
【図5】一つの要素画像のみ点灯させた時の輝度の角度依存性を示す図。
【図6】中心輝度と周辺輝度との比に関する液晶の印加電圧の依存性を示す図。
【図7】単純マトリクス駆動方式の電極構造を示す図。
【図8】第1実施形態の駆動方法を実施する駆動装置の概要を示す図。
【図9】第1実施形態において、2次元画像表示の背景中に3次元画像表示のウィンドウが1個ある場合のウィンドウの配置とフラグビットを説明する図。
【図10】第1実施形態において、3次元画像ビューアーと偏光可変セルとの間の座標変換を説明する図。
【図11】第1実施形態において、アドレスビット情報およびカラムビット情報と、3次元画像表示との関係を示す図。
【図12】第1実施形態において、2次元画像表示の背景中に3次元画像を表示するウィンドウが1個ある場合の駆動波形図。
【図13】第1実施形態において、アドレスビット情報およびカラムビット情報と、3次元画像表示との関係を示す図。
【図14】第1実施形態において、3次元画像表示の背景中に2次元画像を表示するウィンドウが1個ある場合の駆動波形図。
【図15】第1実施形態において、2次元画像表示の背景中に3次元画像を表示するウィンドウが2個ある場合の、ウィンドウの配置とフラグビットを説明する図。
【図16】第1実施形態において、2次元画像表示の背景中に3次元画像を表示するウィンドウが2個ある場合の、ラインとカラムに印加する駆動波形と表示モードの関係を示す図。
【図17】第1実施形態において、2次元画像表示の背景中に3次元画像を表示するウィンドウが2個ある場合の駆動波形図。
【図18】第1実施形態において、3次元画像表示の背景中に2次元画像を表示するウィンドウが2個ある場合の、ラインとカラムに印加する駆動波形と表示モードの関係を示す図。
【図19】第1実施形態において、3次元画像表示の背景中に2次元画像を表示するウィンドウが2個ある場合の、ウィンドウの配置とフラグビットを説明する図。
【図20】第1実施形態において、2次元画像表示の背景中に3次元画像を表示するウィンドウが2個ある場合の駆動波形図。
【図21】第2実施形態において、2次元画像表示の背景中に3次元画像を表示するウィンドウがp個ある場合の駆動波形図。
【図22】第2実施形態において、3次元画像表示の背景中に2次元画像を表示するウィンドウがp個ある場合の駆動波形図。
【図23】第2実施形態において、2次元画像表示の背景中に3次元画像を表示するウィンドウが1個ある場合の駆動波形図。
【図24】第2実施形態において、3次元画像表示の背景中に2次元画像を表示するウィンドウが1個ある場合の駆動波形図。
【図25】第2実施形態におけるラインとコラムに印加される駆動波形の最大電圧値を示す図。
【図26】格子状に複数のウィンドウを配置する場合を説明する図。
【図27】任意のウィンドウ形状を形成するための電極の形状を示す図。
【符号の説明】
【0105】
2 平面表示装置
2a 画素
2a サブピクセル(赤)
2a サブピクセル(緑)
2a サブピクセル(青)
4 偏光可変セル
4a 透明電極基板
4b 透明電極基板
4c 液晶(TN液晶)
6 光線制御素子
6a 透明基板
6b レンズ基板
6c 複屈折性物質
11 2次元画像表示モードの偏光方向
12 3次元画像表示モードの偏光方向
51 ラビング方向
52 ラビング方向
54 電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面に複数の画素が配列された平面表示装置と、
前記平面表示装置の前面に設けられ、n(≧1)本の透明な第1電極が平行に配置された第1電極基板およびm(≧1)本の透明な第2電極が前記第1電極の配置された方向と略直交する方向に配置された第2電極基板ならびに前記第1電極基板と前記第2電極基板との間に挟持された液晶を有し、前記第1および第2電極基板間に印加する電圧に応じて前記平面表示装置からの光線の偏光方向を可変にする偏光可変セルと、
前記偏光可変セルに対して前記平面表示装置と反対側に設けられ、透明基板および複数の円筒状のレンズのそれぞれの長軸が同一方向に並んで配列されたレンズ基板ならびに前記透明基板と前記レンズ基板との間に挿入された複屈折性物質を有し、前記複屈折性物質の長軸方向が前記レンズ基板の各レンズの長軸方向に略平行でありかつ前記複屈折性物質の短軸方向が前記レンズ基板の各レンズの長軸方向に略垂直であって、前記偏光可変セルを介して得られる前記画素からの光線を所定の角度に振り分ける光線制御素子と、
を備え、3次元画像と2次元画像とを切り換えて表示することが可能な立体画像表示装置の駆動方法であって、
背景が3次元画像および2次元画像のうちの一方の画像で表示し、第1乃至第p(p≧1)のウィンドウが他方の画像で表示するときに、
第i(1≦i≦p)のウィンドウが前記第1電極と重なるか否かを示す前記第1電極に関する第iのフラグビットを立てるとともに前記第iのウィンドウが前記第2電極と重なるか否かを示す前記第2電極に関する第iのフラグビットを立てるステップと、
前記第1および第2電極にそれぞれ印加する第1および第2パルスとして、前記平面表示装置の1フレーム期間をp個の区間に分割し、この分割された区間で前記第1および第2パルスの少なくとも一方の値が異なる2のp乗種類の波形をそれぞれ用意して、前記第1および第2電極に関する第1乃至第pのフラグビットの値の組に対応付けるステップと、
前記n本の第1電極および前記m本の第2電極からそれぞれ、1本の第1および第2電極を選択するステップと、
選択された前記第1および第2電極に関する前記第1乃至第pのフラグビットの値の組に対応する前記第1および第2パルスを、選択された前記第1および第2電極に印加するステップと、
を備えていることを特徴とする駆動方法。
【請求項2】
前記偏光可変セルの液晶はTN液晶であって、電圧をかけて液晶のダイレクタが立ち上がり始める電圧をVth、液晶が95%立ち上がった時の電圧をVsatとしたとき、Vsat<Vth×3であり、
前記背景に2次元画像表示を行い、3次元画像表示を行う前記ウィンドウが1個であるときに、
前記ウィンドウと重なる第1電極には、Vth×2、−Vth×2の電圧を交互に印加し、前記ウィンドウと重ならない第1電極には0Vの電圧を印加するとともに、
前記ウィンドウと重なる第2電極には、Vth、−Vthの電圧を交互に印加し、前記ウィンドウと重ならない第2電極には、−Vth、Vthの電圧を交互に印加する
ことを特徴とする請求項1記載の駆動方法。
【請求項3】
前記偏光可変セルの液晶はTN液晶であって、電圧をかけて液晶のダイレクタが立ち上がり始める電圧をVth、液晶が95%立ち上がった時の電圧をVsatとしたとき、Vsat<Vth×3であり、
前記背景に3次元画像表示を行い、2次元画像表示を行う前記ウィンドウが1個であるときに、
前記ウィンドウと重なる第1電極には、−Vth/2、Vth/2の電圧を交互に印加し、前記ウィンドウと重ならない第1電極には−(Vsat−Vth/2)、(Vsat−Vth/2)の電圧を交互に印加するとともに、
前記ウィンドウと重なる第2電極には、Vth/2、−Vth/2の電圧を交互に印加し、前記ウィンドウと重ならない第2電極には、−(Vsat−Vth/2)、(Vsat−Vth/2)の電圧を交互に印加する
ことを特徴とする請求項1記載の駆動方法。
【請求項4】
前記偏光可変セルの液晶はTN液晶であって、電圧をかけて液晶のダイレクタが立ち上がり始める電圧をVth(V)とし、
前記背景に2次元画像表示を行い、3次元画像表示を行う前記ウィンドウが第1および第2ウィンドウの2個であるときに、
前記第1ウィンドウのみと重なる第1電極には、前記1フレームの前半に2×Vthの電圧を印加するとともに前記1フレームの後半に0Vの電圧を印加し、
前記第2ウィンドウのみと重なる第1電極には、前記1フレームの前半に0Vの電圧を印加するとともに前記1フレームの後半に2×Vthの電圧を印加し、
前記第1および第2ウィンドウの両方と重なる第1電極には、前記1フレームの前半および後半とも2×Vthの電圧を印加し、
前記第1および第2ウィンドウの両方とも重ならない第1電極には、前記1フレームの前半および後半とも0Vの電圧を印加し、
前記第1ウィンドウのみと重なる第2電極には、前記1フレームの前半に−Vthの電圧を印加するとともに前記1フレームの後半にVthの電圧を印加し、
前記第2ウィンドウのみと重なる第2電極には、前記1フレームの前半にVthの電圧を印加するとともに前記1フレームの後半に−Vthの電圧を印加し、
前記第1および第2ウィンドウの両方と重なる第2電極には、前記1フレームの前半および後半とも−Vthの電圧を印加し、
前記第1および第2ウィンドウの両方とも重ならない第2電極には、前記1フレームの前半および後半ともVthの電圧を印加する
ことを特徴とする請求項1記載の駆動方法。
【請求項5】
前記偏光可変セルの液晶はTN液晶であって、電圧をかけて液晶のダイレクタが立ち上がり始める電圧をVth(V)とし、液晶が95%立ち上がった時の電圧をVsatとし、
前記背景に3次元画像表示を行い、2次元画像表示を行う前記ウィンドウが第1および第2ウィンドウの2個であるときに、
前記第1ウィンドウのみと重なる第1電極には、前記1フレームの前半に0Vの電圧を印加するとともに前記1フレームの後半に2×Vthの電圧を印加し、
前記第2ウィンドウのみと重なる第1電極には、前記1フレームの前半に2×Vthの電圧を印加するとともに前記1フレームの後半に0Vの電圧を印加し、
前記第1および第2ウィンドウの両方と重なる第1電極には、前記1フレームの前半および後半とも0Vの電圧を印加し、
前記第1および第2ウィンドウの両方とも重ならない第1電極には、前記1フレームの前半および後半ともVsat+VthVの電圧を印加し、
前記第1ウィンドウのみと重なる第2電極には、前記1フレームの前半に−Vthの電圧を印加するとともに前記1フレームの後半にVthの電圧を印加し、
前記第2ウィンドウのみと重なる第2電極には、前記1フレームの前半にVthの電圧を印加するとともに前記1フレームの後半に−Vthの電圧を印加し、
前記第1および第2ウィンドウの両方と重なる第2電極には、前記1フレームの前半および後半ともVthの電圧を印加し、
前記第1および第2ウィンドウの両方とも重ならない第2電極には、前記1フレームの前半および後半とも−(Vsat+Vth)の電圧を印加する
ことを特徴とする請求項1記載の駆動方法。
【請求項6】
前記Vthは、90度偏光方向が異なる偏光板を前記偏光可変セルの両側に置き、一方の前記偏光板からもう一方の前記偏光板までの透過率が90%となるしきい値電圧として測定され、
前記Vsatは、90度偏光方向が異なる偏光板を前記偏光可変セルの両側に置き、一方の前記偏光板からもう一方の前記偏光板までの透過率が2%となる電圧として測定される
ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の駆動方法。
【請求項7】
表示面に複数の画素が配列された平面表示装置と、
前記平面表示装置の前面に設けられ、n(≧1)本の透明な第1電極が平行に配置された第1電極基板およびm(≧1)本の透明な第2電極が前記第1電極の配置された方向と略直交する方向に配置された第2電極基板ならびに前記第1電極基板と前記第2電極基板との間に挟持されたTN液晶を有し、前記第1および第2電極基板間に印加する電圧に応じて前記平面表示装置からの光線の偏光方向を可変にする偏光可変セルと、
前記偏光可変セルに対して前記平面表示装置と反対側に設けられ、透明基板および複数の円筒状のレンズのそれぞれの長軸が同一方向に並んで配列されたレンズ基板ならびに前記透明基板と前記レンズ基板との間に挿入された複屈折性物質を有し、前記複屈折性物質の長軸方向が前記レンズ基板の各レンズの長軸方向に略平行でありかつ前記複屈折性物質の短軸方向が前記レンズ基板の各レンズの長軸方向に略垂直であって、前記偏光可変セルを介して得られる前記画素からの光線を所定の角度に振り分ける光線制御素子と、
を備え、3次元画像と2次元画像とを切り換えて表示することが可能な立体画像表示装置の駆動方法であって、
背景が3次元画像および2次元画像のうちの一方の画像で表示し、第1乃至第p(p≧1)のウィンドウが他方の画像で表示するときに、
前記平面表示装置の1フレーム期間を(p+1)個の区間に分割し、この分割された第1乃至第(p+1)の区間のうちの第k(1≦i≦p)の区間における前記第1電極に印加する第1パルスとして電圧Va(>0)のパルスを、第kのウィンドウと重なる全ての第1電極に印加するとともに、前記第kの区間における前記第2電極に印加する第2パルスとして電圧−Vd(Vd>0)のパルスを、第kのウィンドウと重なる全ての第2電極に印加し、第(p+1)の区間における第1パルスとして最大電圧Vaのパルスを、どのウィンドウとも重ならない第1電極に対して印加し、第(p+1)の区間における第2パルスとして電圧Vdのパルスを、どのウィンドウとも重ならない第2電極に対して印加するステップと、
を備えていることを特徴とする駆動方法。
【請求項8】
前記電圧Vaおよび電圧Vdは下記の式
【数1】

を満たすことを特徴とする請求項7記載の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2010−78653(P2010−78653A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−243915(P2008−243915)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】