管内面形状測定装置
【課題】 管軸に対して装置が傾いた場合でも、その傾き角を計算して管内面の劣化状態を正確に且つ迅速に測定することが可能な管内面形状測定装置を提供する。
【解決手段】 管5の内面6に亘ってレーザビーム8を移動させて管内面6を照射するレーザ光源(光照射手段)4と、このレーザ光源4により照射された管内面6の表面形状を撮像するCCDカメラ(撮像手段)1と、レーザ光源4およびCCDカメラ1を管内面6の矢印A方向(長手方向)に移動さす走行体(移動手段)2と、図示を省略するがCCDカメラ1により撮像した二次元画像と走行体2による位置座標に基づいて管内面6の三次元表面形状を演算する制御部(PC)(演算手段)とを備えて構成される。
【解決手段】 管5の内面6に亘ってレーザビーム8を移動させて管内面6を照射するレーザ光源(光照射手段)4と、このレーザ光源4により照射された管内面6の表面形状を撮像するCCDカメラ(撮像手段)1と、レーザ光源4およびCCDカメラ1を管内面6の矢印A方向(長手方向)に移動さす走行体(移動手段)2と、図示を省略するがCCDカメラ1により撮像した二次元画像と走行体2による位置座標に基づいて管内面6の三次元表面形状を演算する制御部(PC)(演算手段)とを備えて構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管内面形状測定装置に関し、さらに詳しくは、下水道管等の管内表面の形状をリアルタイムに三次元的に計測する管内面形状測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の下水道管等の内部劣化の状態を検査する方法としては、テレビカメラを搭載した車輪付き走行装置を管内に走行させ、撮影した映像を人間が見て、劣化の具合を評価していた。ところが、人間による評価においては、定性的な判断に陥りやすく、劣化の状態を定量的に捉えることは特別な場合を除いてなされていなかった。
このような事情から、管内面形状測定を専用の測定装置により自動的に行う試みがなされており、例えば、特開平5−281146号公報には、移動するレーザ光を効率よく捉えて高精度かつ短時間で管内の劣化状況を検査するために、回転するレーザパターン発生部から管内面に照射したレーザ光の散乱光を視覚センサで捉え、信号処理装置を用いて検査を行う技術が開示されている。検査視野は数分割し、それぞれに一つの視覚センサを対応させる。回転位置は回転センサで検出し、その回転位置信号を基に視覚センサ同期回路の信号によって、常に該当する位置にある視覚センサを選択・切替を行い、捉えられた検査画像信号を漏れなく順次信号処理装置に取り込み、出力装置へ入力する。
【特許文献1】特開平5−281146号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のように従来の管内の劣化状態を測定する方法は、人間が行っていたため、測定が定性的となり必ずしも客観的な評価ができなかった。また、定量的なデータによる測定は行われていないため、総合的に劣化状態を判断することが困難であった。
また特許文献1に開示されている従来技術は、回転するレーザパターン発生部から管内面に照射したレーザ光の散乱光を複数の視覚センサにより捉えてデータを収集していたので、管内の状態を全方位に捉えることができず、正確性に乏しかった。また、レーザスポットと視覚センサのタイミングを同期させなければならず、制御が複雑であった。更に、三次元的な管内形状を捉えることが不可能であった。
本発明は、かかる課題に鑑み、管内の形状を光により全方位に照射し、その撮像画像と管内の移動量に基づいて管内面の三次元形状を演算することにより、管内面の劣化状態を正確に且つ迅速に測定することが可能な管内面形状測定装置を提供することを目的とする。
また他の目的は、管軸に対して装置が傾いた場合でも、その傾き角を計算して管内面の劣化状態を正確に且つ迅速に測定することが可能な管内面形状測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、管内面の表面形状を三次元的に計測する管内面形状測定装置であって、前記管内面に沿って周方向に光スポットを移動させて前記管内面を照射する光照射手段と、該光照射手段により照射された管内面の表面形状を撮像する撮像手段と、前記光照射手段および撮像手段を前記管内面の軸方向に移動する移動手段と、該移動手段により各手段を移動させた時の各手段の位置座標を検知する位置座標検知手段と、前記撮像手段により撮像した二次元画像と前記位置座標検知手段により検知した位置座標に基づいて管内面の三次元表面形状を演算する演算手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明の最も大きな特徴は、光照射手段により照射された管内面の表面形状を撮像する撮像手段を設け、撮像した平面上の二次元座標(X−Y軸)と移動手段の移動量(Z軸)の値から三次元表面形状を演算する点である。即ち、撮像手段により連続的に撮像された二次元画像から得られる平面方程式、撮像手段のパラメータ、及び移動手段の移動量を組み合わせて三次元表面形状を演算するものである。
請求項2は、管内面の表面形状を三次元的に計測する管内面形状測定装置であって、
前記管内面に沿って周方向に複数の光スポットを移動させて前記管内面を照射する光照射手段と、該光照射手段により照射された管内面の複数の表面形状を撮像する撮像手段と、前記光照射手段および撮像手段を前記管内面の軸方向に移動する移動手段と、該移動手段により前記各手段を移動させた時の前記各手段の位置座標を検知する位置座標検知手段と、前記撮像手段により撮像した複数の二次元画像に基づいて前記移動手段と管軸との傾きを検出する傾き角検出手段と、前記撮像手段により撮像した二次元画像、前記位置座標検知手段により検知した位置座標及び前記傾き角検出手段により検出した傾き角に基づいて管内面の三次元表面形状を演算する演算手段と、を備えたことを特徴とする。
管内を移動する移動手段は必ずしも常に管軸と移動手段が平行であるとは限らない。例えば、移動手段が管軸に対して上下、左右に傾く場合もある。このような場合、撮像手段により撮像された二次元平面と管軸とは垂直にならず、管軸に対して傾いた断面を計測することになる。そこで本発明では、例えば光照射手段により位相が180度ずれ、且つ所定の距離はなれた2本のビームにより管内面を照射するようにして、その2次元画像から管軸に対して移動手段が平行でない場合の傾き角度を計算して、移動手段が管軸に対して上下、左右に傾いても正確に断面形状を計算するものである。
【0005】
請求項3は、前記光照射手段は、ビーム状に集束した光源と、ビームスプリッタと、ミラーと、前記ビームスプリッタ及びミラーを回転する回転手段と、を備え、前記光源から出射したビーム位相が180度ずれ、且つ当該ビーム平面が所定の距離離間するように前記ビームスプリッタ及びミラーを前記駆動手段に備えたことを特徴とする。
位相が180度ずれた複数のビームを出射する方法として、1つの光源から出射したビームをビームスプリッタにより90度に反射させ、ビームスプリッタを通過したビームを所定の距離はなれたミラーにより逆方向に反射するように回転手段に設置する。そしてこのビームスプリッタとミラーを回転手段により一定方向に回転することにより、180度ずれ、且つ所定の距離離間した2つのビーム平面を形成することができる。
請求項4は、前記光照射手段は、ビーム状に集束した複数の光源と、複数のミラーと、前記複数のミラーを回転する回転手段と、を備え、前記各光源から出射したビーム位相が180度ずれ、且つ当該ビーム平面が所定の距離離間するように前記各ミラーを前記駆動手段に備えたことを特徴とする。
本発明は位相が180度ずれた複数のビームを出射する他の方法である。本発明では一方の光源から出射したビームを一方のミラーにより90度に反射させ、他方の光源から出射したビームを他方のミラーにより反対方向に90度に反射するように回転手段に設置する。そしてこの2つのミラーを回転手段により一定方向に回転することにより、180度ずれ、且つ所定の距離離間した2つのビーム平面を形成することができる。
【0006】
請求項5は、前記光照射手段は、ビーム状に集束した複数のカラー光源を備えたことを特徴とする。
本発明は請求項4の2つのビームの色を変えて出射する方法である。そして色識別手段(例えばカラーフィルタ等)を用いて2つのビームを識別するものである。
請求項6は、前記傾き角検出手段は、前記撮像手段により撮像された複数の二次元画像の中心座標を求め、該求めた各中心座標から当該中心点のずれ量を算出し、前記ビーム平面の離間距離に基づいて前記移動手段と管軸との傾き角を求めることを特徴とする。
移動手段と管軸との傾き角θは、楕円軌跡上の点全てを予め実座標に直し、撮像された二次元画像の中心点のずれ量dをd=[(x1−x2)2+(y1−y2)2]1/2から求め、2つのビーム平面の間隔をLとすると、θ=tan-1(d/L)により求めることができる。
請求項7は、前記傾き角検出手段は、前記撮像手段の露光開始時における前記回転手段の回転位置を検出することにより、前記撮像手段により撮像された複数の二次元画像を区別することを特徴とする。
例えば、露光時間内に回転手段によりビームが半回転した場合、2組の半円軌道が管内に描かれる。即ち、撮像手段の露光開始時における回転手段の回転位置を検出することにより、撮像手段により撮像された複数の二次元画像を区別することができる。
請求項8は、前記演算手段は、前記撮像手段により撮像した二次元画像から求まる平面方程式と前記位置座標検知手段により検知した位置座標に基づいて管内面の三次元表面形状をリアルタイムに演算することを特徴とする。
演算手段はコンピュータに組み込まれたプログラムにより構成されている。従って、撮像手段と移動手段からのデータを加工してコンピュータに入力すれば、リアルタイムに演算を行いその結果をモニタ上に表示することができる。
【0007】
請求項9は、前記光照射手段は光源からの光をビーム状に集束し、該ビームを前記管内面に沿って、周方向に所定の速度で移動させて照射することを特徴とする。
管内面を全方位的に撮影するためには、光をビーム状にして管内面をスポットの連続画像とする必要がある。即ち、ビームの先端が管内面に照射したときの二次元座標位置を捉え、そのときの移動手段の位置座標から演算して三次元位置を求める。従って、ビームを予め決められた移動速度で移動する必要がある。
請求項10は、前記位置座標検知手段は、前記光照射手段および撮像手段を搭載した移動体に備えたエンコーダにより前記移動手段の移動量を検出することを特徴とする。
管内の長手方向の移動量を計測する手段として、移動体が移動するときに回転する車輪の回転数をエンコーダにより検出する方法がある。この方法であれば、車輪の径が解れば移動量を一義的に計算することができる。
請求項11は、前記演算手段は、前記撮像手段に使用するレンズが広角の場合、予め前記撮像手段の受像面中心から撮像したスポット位置の画像上までの距離と実際の距離との誤差を求めておき、前記撮像されたスポット位置を前記誤差に基づいて補正し、該補正値と前記位置座標検知手段により検知した位置座標に基づいて管内面の三次元表面形状を演算することを特徴とする。
管のサイズによっては、広角レンズを用いる場合が想定される。広角レンズの場合、受像面の中心から放射方向に離れるにつれ、ひずみが大きくなる問題がある。そのため、予め光照射手段により照射されたスポットの位置における受像面中心からの距離とひずみの関係を求めておき補正をおこなう。
請求項12は、前記光源がレーザ光であることを特徴とする。
光源の種類は基本的にどのような光源でも構わない。しかし、光源をビーム状に集束した場合、その光スポットが拡散しないことが重要である。その点ではレーザ光が最適である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、管内面を光スポットにより照射する光照射手段と、その光スポットを撮像する撮像手段と、この光照射手段及び撮像手段を管の長手方向に移動する移動手段と、移動手段が移動したときの各手段の位置座標を検知する位置座標検知手段と、撮像手段により撮像された光スポット座標と位置座標検知手段による移動量のデータからその光スポットの三次元位置を演算する演算手段とを備えているので、管内の光スポット位置の三次元座標を連続的に演算し、管内面の三次元形状を求めることができる。
また請求項2では、光照射手段により位相が180度ずれ、且つ所定の距離はなれた2本のビームにより管内面を照射するようにして、その2次元画像から管軸に対して移動手段が平行でない場合の傾き角度を計算するので、移動手段が管軸に対して上下、左右に傾いても正確に断面形状を計算することができる。
また請求項3では、1つの光源から出射したビームをビームスプリッタにより90度に反射させ、ビームスプリッタを通過したビームを所定の距離はなれたミラーにより逆方向に反射するように回転手段に設置するので、1つの光源により複数の位相の異なるビームを出射することができる。
また請求項4では、一方の光源から出射したビームを一方のミラーにより90度に反射させ、他方の光源から出射したビームを他方のミラーにより反対方向に90度に反射するように回転手段に設置するので、中空軸の回転手段を必要とせず、構成を簡略化することができる。
また請求項5では、2つのビームの色を変えて出射するので、ビームの識別を単純化することができる。
【0009】
また請求項6では、撮像された二次元画像の中心点のずれ量をd、2つのビーム平面の間隔をLとすると、移動手段と管軸との傾き角θは、楕円軌跡上の点全てを予め実座標に直し、撮像された二次元画像の中心点のずれ量dをd=[(x1−x2)2+(y1−y2)2]1/2から求め、θ=tan-1(d/L)により求めることができるので、撮像された二次元画像の中心点のずれ量を求めるだけで、簡単に傾き角を計算することができる。
また請求項7では、撮像手段の露光開始時における回転手段の回転位置を検出することにより、撮像手段により撮像された複数の二次元画像を区別することができる。
また請求項8では、演算手段は二次元画像から求まる平面方程式と管の軸方向の移動量から管内面の三次元表面形状をリアルタイムに演算するので、管内面の三次元画像を移動手段の速度に応じて定量的に求めることができる。
また請求項9では、光照射手段は光源からの光をビーム状に集束し、このビームを管内面に沿って周方向に所定の速度で移動させるので、撮像手段により撮像された光スポット座標から二次元座標を容易に取得することができる。
また請求項10では、移動手段の移動量を移動体に備えたエンコーダにより検出するので、予め車輪の径がわかっていれば、容易にエンコーダの出力信号から移動手段の移動量を求めることができる。
また請求項11では、撮像手段に広角レンズを使用する場合、演算手段が、撮像したスポット位置の画像上までの距離と実際の距離との誤差を求めておき距離の補正を行うので、広角レンズによる画像の歪みを補正して正確な三次元形状を演算することができる。
また請求項12では、光源がレーザ光であるので、光スポットを容易に集束することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の第1の実施形態に係る管内面形状測定装置が管内面を測定している状況を模式的に表した内部透視図である。本実施形態では、管軸50に対して走行体2が平行に移動する場合、即ち、レーザ光の軌跡7と管軸50が垂直になる場合について説明する。この管内面形状測定装置100は、管5の内面6の周方向にレーザビーム8を移動させて管内面6を照射するレーザ光源(光照射手段)4と、このレーザ光源4により照射された管内面6の表面形状を撮像するCCDカメラ(撮像手段)1と、レーザ光源4およびCCDカメラ1を管内面6の矢印A方向軸方向に移動する走行体(移動手段)2と、図示を省略するがCCDカメラ1により撮像した二次元画像と走行体2による位置座標に基づいて管内面6の三次元表面形状を演算する制御部(PC)(演算手段)とを備えて構成される。尚、管内面形状測定装置100は図示しない外部のPCとケーブルにより接続されている。また、走行体2に取り付けられた車輪3はレール9上を移動するように構成され、車輪3の回転数を検出するエンコーダ(位置座標検知手段)を備えている。
次に管内面形状測定装置100の動作について説明する。走行体2には筒4aの先端にレーザビーム8を発光するレーザ光源4があり、そのレーザビーム8の先端が光のスポット8aとなり矢印Bの方向に回転走査される。その結果、管内面6にはレーザ光の軌跡7が照射される。また、走行体2の上部にはCCDカメラ1が備えられており、管内面6のレーザ光の軌跡7が画像として撮像できるように設定されている。図2はこのときの撮像されたレーザ光の画像の例である。例えば、管内面6が滑らかであれば、図2(A)のようにレーザ光の軌跡10はきれいな楕円として撮像される。しかし、管内面6に凹凸があるとそれに応じてレーザ光の軌跡11は凹凸の画像として撮像される。
このように本発明の最も大きな特徴は、レーザ光源4により照射された管内面6の表面形状を撮像するCCDカメラ1を設け、撮像した平面上の二次元座標(X−Y軸)と走行体2の移動量(Z軸)をエンコーダにより求め、その値から三次元表面形状を演算する点である(演算の詳細は後述する)。即ち、CCDカメラ1により連続的に撮像された二次元画像から得られる平面方程式、CCDカメラ1のパラメータ(レンズの種類等)、及び走行体2の移動量を組み合わせて三次元表面形状を演算するものである。
【0011】
図3は図1の内部透視図に基づいて本実施形態の管内面形状測定装置100の全体構成を表すブロック図である。同じ構成要素には同じ参照番号を付して説明する。ここで、CCDカメラ1の信号はイメージプロセッサ16に接続され、レーザ光源4はレーザ駆動回路15により駆動される。また車輪3の回転数はエンコーダ17により検出され、それぞれの信号はPC18に接続されている。またイメージプロセッサ16の出力信号はPC18に入力され、PC18はROM(Read Only Memory)18aに格納されているプログラムにより制御される。またPC18からは処理された三次元画像を表示するモニタ19が接続されている。尚、イメージプロセッサ16はCCDカメラ1により撮像された画像データをPC18が処理し易いように変換する機能があり、CCDカメラ1からの画像信号からレーザ輝線の座標をリアルタイムに演算するために回路をFPGA(Field Programmable Gate Array)により構成している。
PC18はROM18aに組み込まれたプログラムにより構成されている。従って、CCDカメラ1とエンコーダ17からのデータを加工してPC18に入力すれば、リアルタイムに演算を行いその結果をモニタ19上に表示することができる。また管内面6を全方位的に撮影するためには、光をビーム状にして管内面6をスポット8aの連続画像とする必要がある。即ち、ビーム8の先端が管内面6に照射したときの軌跡の二次元座標位置を捉え、そのときの走行体2の位置座標から演算して三次元位置を求める。また管内の長手方向の移動量を計測する手段として、走行体2が移動するときに回転する車輪3の回転数をエンコーダ17により検出する方法がある。この方法であれば、車輪3の径が解れば移動量を一義的に計算することができる。
【0012】
次に、三次元表面形状の演算方法について図4を参照して説明する。図4は管内面6を所定の面で切断し、その面をレーザシート7aと呼びその座標をX−Y座標とする。またCCDカメラ1の受像面を20として表し、その座標をv−u座標とする。レーザシート7a上の点P(x、y)と、その点がCCDカメラ1によって撮影された時の受像面20上での座標P’(u、v)をおく。x、yとu、vの関係は、CCDカメラ1と受像面20の相対的な回転および移動を考慮すると以下の(1)式で表される。レーザシート7aは、x、y軸上にあるため、z=0とする。
・・・・(1)
これがレーザシート7a上の座標x、yとカメラ座標u、vの関係式となる。
次に(1)式の係数k11〜k32を次のキャリブレーションによって求める。
(1)式の係数を求めるために、あらかじめ座標がわかっている(x、y)と(u、v)の組み合わせを複数組(1)式に代入し、係数k11〜k32を算出することを行う。(1)式を展開して、
・・・・(2)を得、sを消去して、
・・・・(3)を得る。
これを変形して、
k11x+k12y+k13−k31ux−k32uy=u
k21x+k22y+k23−k31vx−k32vy=v
・・・・(4)となる。
【0013】
具体的には図5のように、レーザシート7a面上にメモリの刻んである方眼紙23を設置する。すると受像面20上には方眼紙23が撮像される。そして受像面20上での座標(ui、vi)をマウスでクリックすることで読みとる。また、方眼紙面23上の座標(xi、yi)も読みとる。これを繰り返し、4点以上の座標を読みとり(4)式に代入する。なるべく広い範囲でたくさんの点を指示してやる方が望ましい。これらのデータより、以下の行列を作成し連立方程式を解くことでk11〜k32を計算する。
・・・・(5)
これを
・・・・(6)と表すと、最小自乗法より疑似逆行列M*(Mが正方行列と限らないため、逆行列が求められない)を用いてk13〜k32を算出する。
・・・・(7)ただし、
である。
【0014】
次にk11〜k32を求めたのち、(4)式を変形して、
(k31u−k11)x+(k32u−k12)y=k13−u
(k31v―k21)x+(k32v―k22)y=k23―v
行列で表すと
・・・・(8)
よって(x、y)は
・・・・(9)となり、(9)式がu、vからx、yへの変換式である。以上で、計測までの準備が完了したことになる。また、撮影されたレーザによる曲線の点群(ui、vi)を読みとり、(9)式によって(xi、yi)を計算する。またz座標について、CCDカメラ1が備え付けられている走行体2の走行距離より算出できる。
【0015】
図6はCCDカメラが広角レンズを使用した場合の、受像面20の中心からの距離rと実際の距離r’の関係を示す図である。CCDカメラ1は管のサイズによっては、広角レンズを用いる場合が想定される。広角レンズの場合、受像面20の中心から放射方向に離れるにつれ、ひずみが大きくなるといった問題がある。そのため、あらかじめレーザシート7a面の位置近傍で受像面20の中心からの距離と歪みの関係を求めておき修正をおこなう。即ち、図5のキャリブレーションの時と同じように、CCDカメラ1の受像面20に対し、平行に目盛りを記入した平板を設置することで歪み量を検定する。図6はCCDカメラ1の画像面20の中心からの距離rと実際の距離r’の関係を示し、符号30は歪みがない場合の特性であり、直線的に変化することがわかる。それに対して、符号31は受像面20の中心からの画像上での距離が離れるのにつれて、歪みが生じ比例的に変化しなくなる。そしてこの関係をあらかじめ求めておき、以下の(10)式によって撮影された計測点の位置を補正する。
・・・・(10)
即ち、広角レンズであるために歪みが大きい場合は、(10)式を用い座標(u、v)に補正を加え、(u、v)の代わりに(u’、v’)を用いて計測をおこなう。
このように管のサイズによっては、広角レンズを用いる場合が想定される。広角レンズの場合、受像面の中心から放射方向に離れるにつれ、ひずみが大きくなる問題がある。そのため、予めレーザ光源4により照射されたスポットの位置における受像面20中心からの距離とひずみの関係を求めておき補正をおこなう。
【0016】
図7は二次元化したカメラ焦点と受像面及び計測点の関係を示す図であり、図8はカメラ座標とレシーバ座標の関係を示す図である。カメラの焦点40から受像面41までの距離を焦点距離fと置くと、カメラ座標(受像面上の座標)41は、CCDカメラ1の焦点40を原点とした座標系において、
・・・・(11)となる。
ここでz=λとおいて線形化すると、この関係は以下の行列で表される。
・・・・(12)
【0017】
一般的には、カメラ座標では無くカメラの焦点以外の場所に、原点を置いたワールド座標系を用いる。そこでワールド座標系w=[x、y、z]で表すためにワールド座標に対し回転と平行移動を行う。
つまり、
y軸中心にθy回転
x軸中心にθx回転
z軸中心にθz回転
これに、ワールド座標原点からカメラ座標原点へのベクトルa=(xt、yt、zt)の平行移動を加え、まとめると、
これを計算すると以下のような4×4の変換行列になる。
・・・・(13)
図4のようにレーザシート7aを測定対象に照射し、物体表面上に現れる曲線を計測する場合、レーザシート7a面上に座標軸を置けばz=0より(13)式は
・・・・(14)
と簡単化できる。(ここで、=λ/h34)これがレーザシート上の座標x、yとカメラ座標u、vの関係式となる。
【0018】
図9は管に曲がりがある場合の模式図である。管5はまっすぐとは限らない場合がある。例えば図9のように管5が進行方向に対して右側に曲がっている場合、走行体2が管軸50に対してレーザ光の軌跡53の中心点Pに対してずれてしまい、図示しないCCDカメラ1により撮像されたレーザ光の軌跡53と管軸50とは垂直にならず、管軸50に対して傾いた断面を計測することになる。
図10は管軸に対して走行体2が傾いている場合の模式図である。この場合も第1の実施形態による管内面形状測定装置100では、図示しないCCDカメラ1により撮像されたレーザ光の軌跡53と管軸50とは垂直にならず、管軸50に対して傾いた断面を計測することになる。そのため、管軸50に対する計測断面の傾きを知る必要がある。
図11は図1の内部透視図に基づいて本実施形態の管内面形状測定装置の全体構成を表すブロック図である。図11が図1と異なる点は、レーザビーム出射器200が2本のレーザ光の軌跡53a、53bを出射する点と、PC18が備えるROM18aに格納するプログラムの内容が異なる点である。同じ構成要素には同じ参照番号を付している。
図12は本発明の第2の実施形態に係る管内面形状測定装置が管内面を測定している状況を模式的に表した内部透視図である。図12のように管内面形状測定装置110の前方に平行な2平面53a、53bのレーザを照射することで、管軸50を正確に検出し、曲がった管についても、管軸50に垂直な断面形状を計測できるシステムを提供することができる。
【0019】
図13は本発明のレーザビーム出射器の一例を示す図である。このレーザビーム出射器200は、ビーム状に集束したレーザ光源(光源)55と、ビームスプリッタ56と、ミラー58と、ビームスプリッタ56及びミラー58を回転する中空軸モータ(回転手段)57とを備えて構成される。そしてレーザ光源55から出射したビームはビームスプリッタ56により反射してビーム59となり、一方ビームスプリッタ56を透過したビームはミラー58により反対方向(位相が180異なる方向)に反射してビーム60となる。このように、本実施形態では2本のビームの位相が180度ずれ、且つ当該ビーム平面が所定の距離離間するようにビームスプリッタ56及びミラー58を中空軸モータ57に備えた。
図14は本発明のレーザビーム出射器の他の一例を示す図である。このレーザビーム出射器210は、ビーム状に集束したレーザ光源(光源)61と、レーザ光源(光源)65と、ミラー62と、ミラー64と、ミラー62及びミラー64を回転するモータ(回転手段)63とを備えて構成される。そしてレーザ光源61から出射したビームはミラー62により反射してビーム66となり、一方レーザ光源65から出射したビームはミラー64により反対方向(位相が180異なる方向)に反射してビーム67となる。このように、本実施形態では2本のビームの位相が180度ずれ、且つ当該ビーム平面が所定の距離離間するようにミラー62及びミラー64を中空軸モータ57に備えた。
図15はレーザビーム出射器を用いた場合の2本の円軌跡を区別する方法を説明する図である。この例ではレーザビーム出射器200を使用しているが、レーザビーム出射器210でも構わない。例えば、中空軸モータ57の回転速度を15回転/秒、CCDカメラ1の露光時間を1/30秒とした場合、露光時間内に中空軸モータ57は半周し、図15のような二組の半円軌跡70、71が描かれる。そしてCCDカメラ1の露光開始時の中空軸モータ57の回転位置を検出することで、位相が180度ずれた2つの円軌跡70、71を区別することができる。またT時刻の画像とT+1/30秒時刻の画像を合成することで、閉じた円軌跡が構成される。また図示は省略するが、例えば赤と緑のレーザを用意し、カラーカメラで撮像することで色識別する方法もある。
【0020】
図16はレーザのずれによる管軸傾きの検出を説明する図である。例えば図16(a)のように管5が下向きに曲がっている場合は、管内には2つの楕円53a、53bが上下にずれて撮像される。即ち、前記式(9)により、画像上での楕円軌跡上の点u、vを実座標(x、y)に変換する。式(9)のパラメータは、2つのレーザそれぞれについて予め算出しておく。このときの実座標は、走行体2に固定された座標系となる。(zは走行体2の走行距離より求める)次に2つの楕円の中心(図16(b)のP、Q)を求め(詳細は後述する)、2つの楕円のずれを式(15)により算出する。
d=[(x1−x2)2+(y1−y2)2]1/2・・・・(15)
ここでレーザの間隔を図17のようにL、撮像された円軌跡中心のずれ量をd(図16(b)のP、Qの距離)とすると、走行体2に対する管軸の傾きθは以下の式(16)により求まる。
θ=tan-1(d/L)・・・・(16)
また図18のように斜めに傾いている場合は、傾きの方向は2つの中心P、Qのずれの方向(x1−x2、y1−y2)から検出できる。
図19は線分の傾きを検出する方法を説明する図である。図19のように楕円75の一部Aを抽出し、かの部分を最小二乗法などにより直線近似して傾きを検出する。同様な手続を楕円周上全ての点について行なう。
【0021】
図20は楕円中心を算出する方法を説明する図である。図20のように、近似された直線76a〜76dの傾きが同じとなる点a、b、c、dの組み合わせを探し、これらの点a、b、c、dを結ぶ。これらの直線77、78は楕円75の中心Qを通ることになる。
以上の通り、本発明によれば、管内の光スポット位置の三次元座標を連続的に演算し、管内面の三次元形状を求めることができる。
また、レーザ光源4により位相が180度ずれ、且つ所定の距離はなれた2本のビームにより管内面を照射するようにして、その2次元画像から管軸50に対して走行体2が平行でない場合の傾き角度を計算するので、走行体2が管軸50に対して上下、左右に傾いても正確に断面形状を計算することができる。
また、1つの光源から出射したビームをビームスプリッタ56により90度に反射させ、ビームスプリッタ56を通過したビームを所定の距離はなれたミラー58により逆方向に反射するように中空軸モータ57に設置するので、1つの光源により複数の位相の異なるビームを出射することができる。
また、一方の光源61から出射したビームを一方のミラー62により90度に反射させ、他方の光源65から出射したビームを他方のミラー64により反対方向に90度に反射するようにモータ63に設置するので、中空軸のモータを必要とせず、構成を簡略化することができる。
また、2つのビームの色を変えて出射するので、ビームの識別を単純化することができる。
【0022】
また、撮像された二次元画像の中心点P、Qのずれ量をd、2つのビーム平面の間隔をLとすると、走行体2と管軸50との傾き角θは、楕円軌跡上の点全てを予め実座標に直し、撮像された二次元画像の中心点のずれ量をdをd=[(x1−x2)2+(y1−y2)2]1/2から求め、θ=tan-1(d/L)により求めることができるので、撮像された二次元画像の中心点のずれ量を求めるだけで、簡単に傾き角を計算することができる。
また、CCDカメラ1の露光開始時におけるモータの回転位置を検出することにより、CCDカメラ1により撮像された複数の二次元画像を区別することができる。
またPC18は二次元画像から求まる平面方程式と管の軸方向の移動量から管内面の三次元表面形状をリアルタイムに演算するので、管内面の三次元画像を走行体2の速度に応じて定量的に求めることができる。
また、レーザ光源4は光源からの光をビーム状に集束し、このビームを管内面に沿って周方向に所定の速度で移動させるので、CCDカメラ1により撮像された光スポット座標から二次元座標を容易に取得することができる。
また、走行体2の移動量をエンコーダ17により検出するので、予め車輪3の径がわかっていれば、容易にエンコーダ17の出力信号から走行体2の移動量を求めることができる。
また、CCDカメラ1に広角レンズを使用する場合、演算手段が、撮像したスポット位置の画像上までの距離と実際の距離との誤差を求めておき距離の補正を行うので、広角レンズによる画像の歪みを補正して正確な三次元形状を演算することができる。
また、光源がレーザ光であるので、光スポットを容易に集束することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の管内面形状測定装置が管内面を測定している状況を模式的に表した内部透視図である。
【図2】撮像されたレーザ光の画像の例を示す図である。
【図3】図1の内部透視図に基づいて本実施形態の管内面形状測定装置100の全体構成を表すブロック図である。
【図4】本発明の三次元表面形状の演算方法について説明する図である。
【図5】キャリブレーションの方法を説明する図である。
【図6】CCDカメラが広角レンズを使用した場合の、受像面20の中心からの距離rと実際の距離r’の関係を示す図である。
【図7】二次元化したカメラ焦点と受像面及び計測点の関係を示す図である。
【図8】カメラ座標とレシーバ座標の関係を示す図である。
【図9】管に曲がりがある場合の模式図である。
【図10】管軸に対して走行体2が傾いている場合の模式図である。
【図11】図1の内部透視図に基づいて本実施形態の管内面形状測定装置の全体構成を表すブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る管内面形状測定装置が管内面を測定している状況を模式的に表した内部透視図である。
【図13】本発明のレーザビーム出射器の一例を示す図である。
【図14】本発明のレーザビーム出射器の他の一例を示す図である。
【図15】レーザビーム出射器を用いた場合の2本の円軌跡を区別する方法を説明する図である。
【図16】レーザのずれによる管軸傾きの検出を説明する図である。
【図17】レーザの間隔を示す図である。
【図18】レーザが傾いている場合のレーザのずれによる管軸傾きの検出を説明する図である。
【図19】線分の傾きを検出する方法を説明する図である。
【図20】楕円中心を算出する方法を説明する図である。
【符号の説明】
【0024】
1 CCDカメラ、2 走行体、3 車輪、4 レーザ光源、5 管、6 管内面、8 レーザビーム、9 レール、17 エンコーダ、18 制御部(PC)、100 管内面形状測定装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、管内面形状測定装置に関し、さらに詳しくは、下水道管等の管内表面の形状をリアルタイムに三次元的に計測する管内面形状測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の下水道管等の内部劣化の状態を検査する方法としては、テレビカメラを搭載した車輪付き走行装置を管内に走行させ、撮影した映像を人間が見て、劣化の具合を評価していた。ところが、人間による評価においては、定性的な判断に陥りやすく、劣化の状態を定量的に捉えることは特別な場合を除いてなされていなかった。
このような事情から、管内面形状測定を専用の測定装置により自動的に行う試みがなされており、例えば、特開平5−281146号公報には、移動するレーザ光を効率よく捉えて高精度かつ短時間で管内の劣化状況を検査するために、回転するレーザパターン発生部から管内面に照射したレーザ光の散乱光を視覚センサで捉え、信号処理装置を用いて検査を行う技術が開示されている。検査視野は数分割し、それぞれに一つの視覚センサを対応させる。回転位置は回転センサで検出し、その回転位置信号を基に視覚センサ同期回路の信号によって、常に該当する位置にある視覚センサを選択・切替を行い、捉えられた検査画像信号を漏れなく順次信号処理装置に取り込み、出力装置へ入力する。
【特許文献1】特開平5−281146号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のように従来の管内の劣化状態を測定する方法は、人間が行っていたため、測定が定性的となり必ずしも客観的な評価ができなかった。また、定量的なデータによる測定は行われていないため、総合的に劣化状態を判断することが困難であった。
また特許文献1に開示されている従来技術は、回転するレーザパターン発生部から管内面に照射したレーザ光の散乱光を複数の視覚センサにより捉えてデータを収集していたので、管内の状態を全方位に捉えることができず、正確性に乏しかった。また、レーザスポットと視覚センサのタイミングを同期させなければならず、制御が複雑であった。更に、三次元的な管内形状を捉えることが不可能であった。
本発明は、かかる課題に鑑み、管内の形状を光により全方位に照射し、その撮像画像と管内の移動量に基づいて管内面の三次元形状を演算することにより、管内面の劣化状態を正確に且つ迅速に測定することが可能な管内面形状測定装置を提供することを目的とする。
また他の目的は、管軸に対して装置が傾いた場合でも、その傾き角を計算して管内面の劣化状態を正確に且つ迅速に測定することが可能な管内面形状測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、管内面の表面形状を三次元的に計測する管内面形状測定装置であって、前記管内面に沿って周方向に光スポットを移動させて前記管内面を照射する光照射手段と、該光照射手段により照射された管内面の表面形状を撮像する撮像手段と、前記光照射手段および撮像手段を前記管内面の軸方向に移動する移動手段と、該移動手段により各手段を移動させた時の各手段の位置座標を検知する位置座標検知手段と、前記撮像手段により撮像した二次元画像と前記位置座標検知手段により検知した位置座標に基づいて管内面の三次元表面形状を演算する演算手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明の最も大きな特徴は、光照射手段により照射された管内面の表面形状を撮像する撮像手段を設け、撮像した平面上の二次元座標(X−Y軸)と移動手段の移動量(Z軸)の値から三次元表面形状を演算する点である。即ち、撮像手段により連続的に撮像された二次元画像から得られる平面方程式、撮像手段のパラメータ、及び移動手段の移動量を組み合わせて三次元表面形状を演算するものである。
請求項2は、管内面の表面形状を三次元的に計測する管内面形状測定装置であって、
前記管内面に沿って周方向に複数の光スポットを移動させて前記管内面を照射する光照射手段と、該光照射手段により照射された管内面の複数の表面形状を撮像する撮像手段と、前記光照射手段および撮像手段を前記管内面の軸方向に移動する移動手段と、該移動手段により前記各手段を移動させた時の前記各手段の位置座標を検知する位置座標検知手段と、前記撮像手段により撮像した複数の二次元画像に基づいて前記移動手段と管軸との傾きを検出する傾き角検出手段と、前記撮像手段により撮像した二次元画像、前記位置座標検知手段により検知した位置座標及び前記傾き角検出手段により検出した傾き角に基づいて管内面の三次元表面形状を演算する演算手段と、を備えたことを特徴とする。
管内を移動する移動手段は必ずしも常に管軸と移動手段が平行であるとは限らない。例えば、移動手段が管軸に対して上下、左右に傾く場合もある。このような場合、撮像手段により撮像された二次元平面と管軸とは垂直にならず、管軸に対して傾いた断面を計測することになる。そこで本発明では、例えば光照射手段により位相が180度ずれ、且つ所定の距離はなれた2本のビームにより管内面を照射するようにして、その2次元画像から管軸に対して移動手段が平行でない場合の傾き角度を計算して、移動手段が管軸に対して上下、左右に傾いても正確に断面形状を計算するものである。
【0005】
請求項3は、前記光照射手段は、ビーム状に集束した光源と、ビームスプリッタと、ミラーと、前記ビームスプリッタ及びミラーを回転する回転手段と、を備え、前記光源から出射したビーム位相が180度ずれ、且つ当該ビーム平面が所定の距離離間するように前記ビームスプリッタ及びミラーを前記駆動手段に備えたことを特徴とする。
位相が180度ずれた複数のビームを出射する方法として、1つの光源から出射したビームをビームスプリッタにより90度に反射させ、ビームスプリッタを通過したビームを所定の距離はなれたミラーにより逆方向に反射するように回転手段に設置する。そしてこのビームスプリッタとミラーを回転手段により一定方向に回転することにより、180度ずれ、且つ所定の距離離間した2つのビーム平面を形成することができる。
請求項4は、前記光照射手段は、ビーム状に集束した複数の光源と、複数のミラーと、前記複数のミラーを回転する回転手段と、を備え、前記各光源から出射したビーム位相が180度ずれ、且つ当該ビーム平面が所定の距離離間するように前記各ミラーを前記駆動手段に備えたことを特徴とする。
本発明は位相が180度ずれた複数のビームを出射する他の方法である。本発明では一方の光源から出射したビームを一方のミラーにより90度に反射させ、他方の光源から出射したビームを他方のミラーにより反対方向に90度に反射するように回転手段に設置する。そしてこの2つのミラーを回転手段により一定方向に回転することにより、180度ずれ、且つ所定の距離離間した2つのビーム平面を形成することができる。
【0006】
請求項5は、前記光照射手段は、ビーム状に集束した複数のカラー光源を備えたことを特徴とする。
本発明は請求項4の2つのビームの色を変えて出射する方法である。そして色識別手段(例えばカラーフィルタ等)を用いて2つのビームを識別するものである。
請求項6は、前記傾き角検出手段は、前記撮像手段により撮像された複数の二次元画像の中心座標を求め、該求めた各中心座標から当該中心点のずれ量を算出し、前記ビーム平面の離間距離に基づいて前記移動手段と管軸との傾き角を求めることを特徴とする。
移動手段と管軸との傾き角θは、楕円軌跡上の点全てを予め実座標に直し、撮像された二次元画像の中心点のずれ量dをd=[(x1−x2)2+(y1−y2)2]1/2から求め、2つのビーム平面の間隔をLとすると、θ=tan-1(d/L)により求めることができる。
請求項7は、前記傾き角検出手段は、前記撮像手段の露光開始時における前記回転手段の回転位置を検出することにより、前記撮像手段により撮像された複数の二次元画像を区別することを特徴とする。
例えば、露光時間内に回転手段によりビームが半回転した場合、2組の半円軌道が管内に描かれる。即ち、撮像手段の露光開始時における回転手段の回転位置を検出することにより、撮像手段により撮像された複数の二次元画像を区別することができる。
請求項8は、前記演算手段は、前記撮像手段により撮像した二次元画像から求まる平面方程式と前記位置座標検知手段により検知した位置座標に基づいて管内面の三次元表面形状をリアルタイムに演算することを特徴とする。
演算手段はコンピュータに組み込まれたプログラムにより構成されている。従って、撮像手段と移動手段からのデータを加工してコンピュータに入力すれば、リアルタイムに演算を行いその結果をモニタ上に表示することができる。
【0007】
請求項9は、前記光照射手段は光源からの光をビーム状に集束し、該ビームを前記管内面に沿って、周方向に所定の速度で移動させて照射することを特徴とする。
管内面を全方位的に撮影するためには、光をビーム状にして管内面をスポットの連続画像とする必要がある。即ち、ビームの先端が管内面に照射したときの二次元座標位置を捉え、そのときの移動手段の位置座標から演算して三次元位置を求める。従って、ビームを予め決められた移動速度で移動する必要がある。
請求項10は、前記位置座標検知手段は、前記光照射手段および撮像手段を搭載した移動体に備えたエンコーダにより前記移動手段の移動量を検出することを特徴とする。
管内の長手方向の移動量を計測する手段として、移動体が移動するときに回転する車輪の回転数をエンコーダにより検出する方法がある。この方法であれば、車輪の径が解れば移動量を一義的に計算することができる。
請求項11は、前記演算手段は、前記撮像手段に使用するレンズが広角の場合、予め前記撮像手段の受像面中心から撮像したスポット位置の画像上までの距離と実際の距離との誤差を求めておき、前記撮像されたスポット位置を前記誤差に基づいて補正し、該補正値と前記位置座標検知手段により検知した位置座標に基づいて管内面の三次元表面形状を演算することを特徴とする。
管のサイズによっては、広角レンズを用いる場合が想定される。広角レンズの場合、受像面の中心から放射方向に離れるにつれ、ひずみが大きくなる問題がある。そのため、予め光照射手段により照射されたスポットの位置における受像面中心からの距離とひずみの関係を求めておき補正をおこなう。
請求項12は、前記光源がレーザ光であることを特徴とする。
光源の種類は基本的にどのような光源でも構わない。しかし、光源をビーム状に集束した場合、その光スポットが拡散しないことが重要である。その点ではレーザ光が最適である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、管内面を光スポットにより照射する光照射手段と、その光スポットを撮像する撮像手段と、この光照射手段及び撮像手段を管の長手方向に移動する移動手段と、移動手段が移動したときの各手段の位置座標を検知する位置座標検知手段と、撮像手段により撮像された光スポット座標と位置座標検知手段による移動量のデータからその光スポットの三次元位置を演算する演算手段とを備えているので、管内の光スポット位置の三次元座標を連続的に演算し、管内面の三次元形状を求めることができる。
また請求項2では、光照射手段により位相が180度ずれ、且つ所定の距離はなれた2本のビームにより管内面を照射するようにして、その2次元画像から管軸に対して移動手段が平行でない場合の傾き角度を計算するので、移動手段が管軸に対して上下、左右に傾いても正確に断面形状を計算することができる。
また請求項3では、1つの光源から出射したビームをビームスプリッタにより90度に反射させ、ビームスプリッタを通過したビームを所定の距離はなれたミラーにより逆方向に反射するように回転手段に設置するので、1つの光源により複数の位相の異なるビームを出射することができる。
また請求項4では、一方の光源から出射したビームを一方のミラーにより90度に反射させ、他方の光源から出射したビームを他方のミラーにより反対方向に90度に反射するように回転手段に設置するので、中空軸の回転手段を必要とせず、構成を簡略化することができる。
また請求項5では、2つのビームの色を変えて出射するので、ビームの識別を単純化することができる。
【0009】
また請求項6では、撮像された二次元画像の中心点のずれ量をd、2つのビーム平面の間隔をLとすると、移動手段と管軸との傾き角θは、楕円軌跡上の点全てを予め実座標に直し、撮像された二次元画像の中心点のずれ量dをd=[(x1−x2)2+(y1−y2)2]1/2から求め、θ=tan-1(d/L)により求めることができるので、撮像された二次元画像の中心点のずれ量を求めるだけで、簡単に傾き角を計算することができる。
また請求項7では、撮像手段の露光開始時における回転手段の回転位置を検出することにより、撮像手段により撮像された複数の二次元画像を区別することができる。
また請求項8では、演算手段は二次元画像から求まる平面方程式と管の軸方向の移動量から管内面の三次元表面形状をリアルタイムに演算するので、管内面の三次元画像を移動手段の速度に応じて定量的に求めることができる。
また請求項9では、光照射手段は光源からの光をビーム状に集束し、このビームを管内面に沿って周方向に所定の速度で移動させるので、撮像手段により撮像された光スポット座標から二次元座標を容易に取得することができる。
また請求項10では、移動手段の移動量を移動体に備えたエンコーダにより検出するので、予め車輪の径がわかっていれば、容易にエンコーダの出力信号から移動手段の移動量を求めることができる。
また請求項11では、撮像手段に広角レンズを使用する場合、演算手段が、撮像したスポット位置の画像上までの距離と実際の距離との誤差を求めておき距離の補正を行うので、広角レンズによる画像の歪みを補正して正確な三次元形状を演算することができる。
また請求項12では、光源がレーザ光であるので、光スポットを容易に集束することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の第1の実施形態に係る管内面形状測定装置が管内面を測定している状況を模式的に表した内部透視図である。本実施形態では、管軸50に対して走行体2が平行に移動する場合、即ち、レーザ光の軌跡7と管軸50が垂直になる場合について説明する。この管内面形状測定装置100は、管5の内面6の周方向にレーザビーム8を移動させて管内面6を照射するレーザ光源(光照射手段)4と、このレーザ光源4により照射された管内面6の表面形状を撮像するCCDカメラ(撮像手段)1と、レーザ光源4およびCCDカメラ1を管内面6の矢印A方向軸方向に移動する走行体(移動手段)2と、図示を省略するがCCDカメラ1により撮像した二次元画像と走行体2による位置座標に基づいて管内面6の三次元表面形状を演算する制御部(PC)(演算手段)とを備えて構成される。尚、管内面形状測定装置100は図示しない外部のPCとケーブルにより接続されている。また、走行体2に取り付けられた車輪3はレール9上を移動するように構成され、車輪3の回転数を検出するエンコーダ(位置座標検知手段)を備えている。
次に管内面形状測定装置100の動作について説明する。走行体2には筒4aの先端にレーザビーム8を発光するレーザ光源4があり、そのレーザビーム8の先端が光のスポット8aとなり矢印Bの方向に回転走査される。その結果、管内面6にはレーザ光の軌跡7が照射される。また、走行体2の上部にはCCDカメラ1が備えられており、管内面6のレーザ光の軌跡7が画像として撮像できるように設定されている。図2はこのときの撮像されたレーザ光の画像の例である。例えば、管内面6が滑らかであれば、図2(A)のようにレーザ光の軌跡10はきれいな楕円として撮像される。しかし、管内面6に凹凸があるとそれに応じてレーザ光の軌跡11は凹凸の画像として撮像される。
このように本発明の最も大きな特徴は、レーザ光源4により照射された管内面6の表面形状を撮像するCCDカメラ1を設け、撮像した平面上の二次元座標(X−Y軸)と走行体2の移動量(Z軸)をエンコーダにより求め、その値から三次元表面形状を演算する点である(演算の詳細は後述する)。即ち、CCDカメラ1により連続的に撮像された二次元画像から得られる平面方程式、CCDカメラ1のパラメータ(レンズの種類等)、及び走行体2の移動量を組み合わせて三次元表面形状を演算するものである。
【0011】
図3は図1の内部透視図に基づいて本実施形態の管内面形状測定装置100の全体構成を表すブロック図である。同じ構成要素には同じ参照番号を付して説明する。ここで、CCDカメラ1の信号はイメージプロセッサ16に接続され、レーザ光源4はレーザ駆動回路15により駆動される。また車輪3の回転数はエンコーダ17により検出され、それぞれの信号はPC18に接続されている。またイメージプロセッサ16の出力信号はPC18に入力され、PC18はROM(Read Only Memory)18aに格納されているプログラムにより制御される。またPC18からは処理された三次元画像を表示するモニタ19が接続されている。尚、イメージプロセッサ16はCCDカメラ1により撮像された画像データをPC18が処理し易いように変換する機能があり、CCDカメラ1からの画像信号からレーザ輝線の座標をリアルタイムに演算するために回路をFPGA(Field Programmable Gate Array)により構成している。
PC18はROM18aに組み込まれたプログラムにより構成されている。従って、CCDカメラ1とエンコーダ17からのデータを加工してPC18に入力すれば、リアルタイムに演算を行いその結果をモニタ19上に表示することができる。また管内面6を全方位的に撮影するためには、光をビーム状にして管内面6をスポット8aの連続画像とする必要がある。即ち、ビーム8の先端が管内面6に照射したときの軌跡の二次元座標位置を捉え、そのときの走行体2の位置座標から演算して三次元位置を求める。また管内の長手方向の移動量を計測する手段として、走行体2が移動するときに回転する車輪3の回転数をエンコーダ17により検出する方法がある。この方法であれば、車輪3の径が解れば移動量を一義的に計算することができる。
【0012】
次に、三次元表面形状の演算方法について図4を参照して説明する。図4は管内面6を所定の面で切断し、その面をレーザシート7aと呼びその座標をX−Y座標とする。またCCDカメラ1の受像面を20として表し、その座標をv−u座標とする。レーザシート7a上の点P(x、y)と、その点がCCDカメラ1によって撮影された時の受像面20上での座標P’(u、v)をおく。x、yとu、vの関係は、CCDカメラ1と受像面20の相対的な回転および移動を考慮すると以下の(1)式で表される。レーザシート7aは、x、y軸上にあるため、z=0とする。
・・・・(1)
これがレーザシート7a上の座標x、yとカメラ座標u、vの関係式となる。
次に(1)式の係数k11〜k32を次のキャリブレーションによって求める。
(1)式の係数を求めるために、あらかじめ座標がわかっている(x、y)と(u、v)の組み合わせを複数組(1)式に代入し、係数k11〜k32を算出することを行う。(1)式を展開して、
・・・・(2)を得、sを消去して、
・・・・(3)を得る。
これを変形して、
k11x+k12y+k13−k31ux−k32uy=u
k21x+k22y+k23−k31vx−k32vy=v
・・・・(4)となる。
【0013】
具体的には図5のように、レーザシート7a面上にメモリの刻んである方眼紙23を設置する。すると受像面20上には方眼紙23が撮像される。そして受像面20上での座標(ui、vi)をマウスでクリックすることで読みとる。また、方眼紙面23上の座標(xi、yi)も読みとる。これを繰り返し、4点以上の座標を読みとり(4)式に代入する。なるべく広い範囲でたくさんの点を指示してやる方が望ましい。これらのデータより、以下の行列を作成し連立方程式を解くことでk11〜k32を計算する。
・・・・(5)
これを
・・・・(6)と表すと、最小自乗法より疑似逆行列M*(Mが正方行列と限らないため、逆行列が求められない)を用いてk13〜k32を算出する。
・・・・(7)ただし、
である。
【0014】
次にk11〜k32を求めたのち、(4)式を変形して、
(k31u−k11)x+(k32u−k12)y=k13−u
(k31v―k21)x+(k32v―k22)y=k23―v
行列で表すと
・・・・(8)
よって(x、y)は
・・・・(9)となり、(9)式がu、vからx、yへの変換式である。以上で、計測までの準備が完了したことになる。また、撮影されたレーザによる曲線の点群(ui、vi)を読みとり、(9)式によって(xi、yi)を計算する。またz座標について、CCDカメラ1が備え付けられている走行体2の走行距離より算出できる。
【0015】
図6はCCDカメラが広角レンズを使用した場合の、受像面20の中心からの距離rと実際の距離r’の関係を示す図である。CCDカメラ1は管のサイズによっては、広角レンズを用いる場合が想定される。広角レンズの場合、受像面20の中心から放射方向に離れるにつれ、ひずみが大きくなるといった問題がある。そのため、あらかじめレーザシート7a面の位置近傍で受像面20の中心からの距離と歪みの関係を求めておき修正をおこなう。即ち、図5のキャリブレーションの時と同じように、CCDカメラ1の受像面20に対し、平行に目盛りを記入した平板を設置することで歪み量を検定する。図6はCCDカメラ1の画像面20の中心からの距離rと実際の距離r’の関係を示し、符号30は歪みがない場合の特性であり、直線的に変化することがわかる。それに対して、符号31は受像面20の中心からの画像上での距離が離れるのにつれて、歪みが生じ比例的に変化しなくなる。そしてこの関係をあらかじめ求めておき、以下の(10)式によって撮影された計測点の位置を補正する。
・・・・(10)
即ち、広角レンズであるために歪みが大きい場合は、(10)式を用い座標(u、v)に補正を加え、(u、v)の代わりに(u’、v’)を用いて計測をおこなう。
このように管のサイズによっては、広角レンズを用いる場合が想定される。広角レンズの場合、受像面の中心から放射方向に離れるにつれ、ひずみが大きくなる問題がある。そのため、予めレーザ光源4により照射されたスポットの位置における受像面20中心からの距離とひずみの関係を求めておき補正をおこなう。
【0016】
図7は二次元化したカメラ焦点と受像面及び計測点の関係を示す図であり、図8はカメラ座標とレシーバ座標の関係を示す図である。カメラの焦点40から受像面41までの距離を焦点距離fと置くと、カメラ座標(受像面上の座標)41は、CCDカメラ1の焦点40を原点とした座標系において、
・・・・(11)となる。
ここでz=λとおいて線形化すると、この関係は以下の行列で表される。
・・・・(12)
【0017】
一般的には、カメラ座標では無くカメラの焦点以外の場所に、原点を置いたワールド座標系を用いる。そこでワールド座標系w=[x、y、z]で表すためにワールド座標に対し回転と平行移動を行う。
つまり、
y軸中心にθy回転
x軸中心にθx回転
z軸中心にθz回転
これに、ワールド座標原点からカメラ座標原点へのベクトルa=(xt、yt、zt)の平行移動を加え、まとめると、
これを計算すると以下のような4×4の変換行列になる。
・・・・(13)
図4のようにレーザシート7aを測定対象に照射し、物体表面上に現れる曲線を計測する場合、レーザシート7a面上に座標軸を置けばz=0より(13)式は
・・・・(14)
と簡単化できる。(ここで、=λ/h34)これがレーザシート上の座標x、yとカメラ座標u、vの関係式となる。
【0018】
図9は管に曲がりがある場合の模式図である。管5はまっすぐとは限らない場合がある。例えば図9のように管5が進行方向に対して右側に曲がっている場合、走行体2が管軸50に対してレーザ光の軌跡53の中心点Pに対してずれてしまい、図示しないCCDカメラ1により撮像されたレーザ光の軌跡53と管軸50とは垂直にならず、管軸50に対して傾いた断面を計測することになる。
図10は管軸に対して走行体2が傾いている場合の模式図である。この場合も第1の実施形態による管内面形状測定装置100では、図示しないCCDカメラ1により撮像されたレーザ光の軌跡53と管軸50とは垂直にならず、管軸50に対して傾いた断面を計測することになる。そのため、管軸50に対する計測断面の傾きを知る必要がある。
図11は図1の内部透視図に基づいて本実施形態の管内面形状測定装置の全体構成を表すブロック図である。図11が図1と異なる点は、レーザビーム出射器200が2本のレーザ光の軌跡53a、53bを出射する点と、PC18が備えるROM18aに格納するプログラムの内容が異なる点である。同じ構成要素には同じ参照番号を付している。
図12は本発明の第2の実施形態に係る管内面形状測定装置が管内面を測定している状況を模式的に表した内部透視図である。図12のように管内面形状測定装置110の前方に平行な2平面53a、53bのレーザを照射することで、管軸50を正確に検出し、曲がった管についても、管軸50に垂直な断面形状を計測できるシステムを提供することができる。
【0019】
図13は本発明のレーザビーム出射器の一例を示す図である。このレーザビーム出射器200は、ビーム状に集束したレーザ光源(光源)55と、ビームスプリッタ56と、ミラー58と、ビームスプリッタ56及びミラー58を回転する中空軸モータ(回転手段)57とを備えて構成される。そしてレーザ光源55から出射したビームはビームスプリッタ56により反射してビーム59となり、一方ビームスプリッタ56を透過したビームはミラー58により反対方向(位相が180異なる方向)に反射してビーム60となる。このように、本実施形態では2本のビームの位相が180度ずれ、且つ当該ビーム平面が所定の距離離間するようにビームスプリッタ56及びミラー58を中空軸モータ57に備えた。
図14は本発明のレーザビーム出射器の他の一例を示す図である。このレーザビーム出射器210は、ビーム状に集束したレーザ光源(光源)61と、レーザ光源(光源)65と、ミラー62と、ミラー64と、ミラー62及びミラー64を回転するモータ(回転手段)63とを備えて構成される。そしてレーザ光源61から出射したビームはミラー62により反射してビーム66となり、一方レーザ光源65から出射したビームはミラー64により反対方向(位相が180異なる方向)に反射してビーム67となる。このように、本実施形態では2本のビームの位相が180度ずれ、且つ当該ビーム平面が所定の距離離間するようにミラー62及びミラー64を中空軸モータ57に備えた。
図15はレーザビーム出射器を用いた場合の2本の円軌跡を区別する方法を説明する図である。この例ではレーザビーム出射器200を使用しているが、レーザビーム出射器210でも構わない。例えば、中空軸モータ57の回転速度を15回転/秒、CCDカメラ1の露光時間を1/30秒とした場合、露光時間内に中空軸モータ57は半周し、図15のような二組の半円軌跡70、71が描かれる。そしてCCDカメラ1の露光開始時の中空軸モータ57の回転位置を検出することで、位相が180度ずれた2つの円軌跡70、71を区別することができる。またT時刻の画像とT+1/30秒時刻の画像を合成することで、閉じた円軌跡が構成される。また図示は省略するが、例えば赤と緑のレーザを用意し、カラーカメラで撮像することで色識別する方法もある。
【0020】
図16はレーザのずれによる管軸傾きの検出を説明する図である。例えば図16(a)のように管5が下向きに曲がっている場合は、管内には2つの楕円53a、53bが上下にずれて撮像される。即ち、前記式(9)により、画像上での楕円軌跡上の点u、vを実座標(x、y)に変換する。式(9)のパラメータは、2つのレーザそれぞれについて予め算出しておく。このときの実座標は、走行体2に固定された座標系となる。(zは走行体2の走行距離より求める)次に2つの楕円の中心(図16(b)のP、Q)を求め(詳細は後述する)、2つの楕円のずれを式(15)により算出する。
d=[(x1−x2)2+(y1−y2)2]1/2・・・・(15)
ここでレーザの間隔を図17のようにL、撮像された円軌跡中心のずれ量をd(図16(b)のP、Qの距離)とすると、走行体2に対する管軸の傾きθは以下の式(16)により求まる。
θ=tan-1(d/L)・・・・(16)
また図18のように斜めに傾いている場合は、傾きの方向は2つの中心P、Qのずれの方向(x1−x2、y1−y2)から検出できる。
図19は線分の傾きを検出する方法を説明する図である。図19のように楕円75の一部Aを抽出し、かの部分を最小二乗法などにより直線近似して傾きを検出する。同様な手続を楕円周上全ての点について行なう。
【0021】
図20は楕円中心を算出する方法を説明する図である。図20のように、近似された直線76a〜76dの傾きが同じとなる点a、b、c、dの組み合わせを探し、これらの点a、b、c、dを結ぶ。これらの直線77、78は楕円75の中心Qを通ることになる。
以上の通り、本発明によれば、管内の光スポット位置の三次元座標を連続的に演算し、管内面の三次元形状を求めることができる。
また、レーザ光源4により位相が180度ずれ、且つ所定の距離はなれた2本のビームにより管内面を照射するようにして、その2次元画像から管軸50に対して走行体2が平行でない場合の傾き角度を計算するので、走行体2が管軸50に対して上下、左右に傾いても正確に断面形状を計算することができる。
また、1つの光源から出射したビームをビームスプリッタ56により90度に反射させ、ビームスプリッタ56を通過したビームを所定の距離はなれたミラー58により逆方向に反射するように中空軸モータ57に設置するので、1つの光源により複数の位相の異なるビームを出射することができる。
また、一方の光源61から出射したビームを一方のミラー62により90度に反射させ、他方の光源65から出射したビームを他方のミラー64により反対方向に90度に反射するようにモータ63に設置するので、中空軸のモータを必要とせず、構成を簡略化することができる。
また、2つのビームの色を変えて出射するので、ビームの識別を単純化することができる。
【0022】
また、撮像された二次元画像の中心点P、Qのずれ量をd、2つのビーム平面の間隔をLとすると、走行体2と管軸50との傾き角θは、楕円軌跡上の点全てを予め実座標に直し、撮像された二次元画像の中心点のずれ量をdをd=[(x1−x2)2+(y1−y2)2]1/2から求め、θ=tan-1(d/L)により求めることができるので、撮像された二次元画像の中心点のずれ量を求めるだけで、簡単に傾き角を計算することができる。
また、CCDカメラ1の露光開始時におけるモータの回転位置を検出することにより、CCDカメラ1により撮像された複数の二次元画像を区別することができる。
またPC18は二次元画像から求まる平面方程式と管の軸方向の移動量から管内面の三次元表面形状をリアルタイムに演算するので、管内面の三次元画像を走行体2の速度に応じて定量的に求めることができる。
また、レーザ光源4は光源からの光をビーム状に集束し、このビームを管内面に沿って周方向に所定の速度で移動させるので、CCDカメラ1により撮像された光スポット座標から二次元座標を容易に取得することができる。
また、走行体2の移動量をエンコーダ17により検出するので、予め車輪3の径がわかっていれば、容易にエンコーダ17の出力信号から走行体2の移動量を求めることができる。
また、CCDカメラ1に広角レンズを使用する場合、演算手段が、撮像したスポット位置の画像上までの距離と実際の距離との誤差を求めておき距離の補正を行うので、広角レンズによる画像の歪みを補正して正確な三次元形状を演算することができる。
また、光源がレーザ光であるので、光スポットを容易に集束することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の管内面形状測定装置が管内面を測定している状況を模式的に表した内部透視図である。
【図2】撮像されたレーザ光の画像の例を示す図である。
【図3】図1の内部透視図に基づいて本実施形態の管内面形状測定装置100の全体構成を表すブロック図である。
【図4】本発明の三次元表面形状の演算方法について説明する図である。
【図5】キャリブレーションの方法を説明する図である。
【図6】CCDカメラが広角レンズを使用した場合の、受像面20の中心からの距離rと実際の距離r’の関係を示す図である。
【図7】二次元化したカメラ焦点と受像面及び計測点の関係を示す図である。
【図8】カメラ座標とレシーバ座標の関係を示す図である。
【図9】管に曲がりがある場合の模式図である。
【図10】管軸に対して走行体2が傾いている場合の模式図である。
【図11】図1の内部透視図に基づいて本実施形態の管内面形状測定装置の全体構成を表すブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る管内面形状測定装置が管内面を測定している状況を模式的に表した内部透視図である。
【図13】本発明のレーザビーム出射器の一例を示す図である。
【図14】本発明のレーザビーム出射器の他の一例を示す図である。
【図15】レーザビーム出射器を用いた場合の2本の円軌跡を区別する方法を説明する図である。
【図16】レーザのずれによる管軸傾きの検出を説明する図である。
【図17】レーザの間隔を示す図である。
【図18】レーザが傾いている場合のレーザのずれによる管軸傾きの検出を説明する図である。
【図19】線分の傾きを検出する方法を説明する図である。
【図20】楕円中心を算出する方法を説明する図である。
【符号の説明】
【0024】
1 CCDカメラ、2 走行体、3 車輪、4 レーザ光源、5 管、6 管内面、8 レーザビーム、9 レール、17 エンコーダ、18 制御部(PC)、100 管内面形状測定装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管内面の表面形状を三次元的に計測する管内面形状測定装置であって、
前記管内面に沿って周方向に光スポットを移動させて前記管内面を照射する光照射手段と、該光照射手段により照射された管内面の表面形状を撮像する撮像手段と、前記光照射手段および撮像手段を前記管内面の軸方向に移動する移動手段と、該移動手段により各手段を移動させた時の前記各手段の位置座標を検知する位置座標検知手段と、前記撮像手段により撮像した二次元画像と前記位置座標検知手段により検知した位置座標に基づいて管内面の三次元表面形状を演算する演算手段と、を備えたことを特徴とする管内面形状測定装置。
【請求項2】
管内面の表面形状を三次元的に計測する管内面形状測定装置であって、
前記管内面に沿って周方向に複数の光スポットを移動させて前記管内面を照射する光照射手段と、該光照射手段により照射された管内面の複数の表面形状を撮像する撮像手段と、前記光照射手段および撮像手段を前記管内面の軸方向に移動する移動手段と、該移動手段により前記各手段を移動させた時の前記各手段の位置座標を検知する位置座標検知手段と、前記撮像手段により撮像した複数の二次元画像に基づいて前記移動手段と管軸との傾きを検出する傾き角検出手段と、前記撮像手段により撮像した二次元画像、前記位置座標検知手段により検知した位置座標及び前記傾き角検出手段により検出した傾き角に基づいて管内面の三次元表面形状を演算する演算手段と、を備えたことを特徴とする管内面形状測定装置。
【請求項3】
前記光照射手段は、ビーム状に集束した光源と、ビームスプリッタと、ミラーと、前記ビームスプリッタ及びミラーを回転する回転手段と、を備え、前記光源から出射したビーム位相が180度ずれ、且つ当該ビーム平面が所定の距離離間するように前記ビームスプリッタ及びミラーを前記駆動手段に備えたことを特徴とする請求項2に記載の管内面形状測定装置。
【請求項4】
前記光照射手段は、ビーム状に集束した複数の光源と、複数のミラーと、前記複数のミラーを回転する回転手段と、を備え、前記各光源から出射したビーム位相が180度ずれ、且つ当該ビーム平面が所定の距離離間するように前記各ミラーを前記駆動手段に備えたことを特徴とする請求項2に記載の管内面形状測定装置。
【請求項5】
前記光照射手段は、ビーム状に集束した複数のカラー光源を備えたことを特徴とする請求項4に記載の管内面形状測定装置。
【請求項6】
前記傾き角検出手段は、前記撮像手段により撮像された複数の二次元画像の中心座標を求め、該求めた各中心座標から当該中心点のずれ量を算出し、前記ビーム平面の離間距離に基づいて前記移動手段と管軸との傾き角を求めることを特徴とする請求項2に記載の管内面形状測定装置。
【請求項7】
前記傾き角検出手段は、前記撮像手段の露光開始時における前記回転手段の回転位置を検出することにより、前記撮像手段により撮像された複数の二次元画像を区別することを特徴とする請求項2に記載の管内面形状測定装置。
【請求項8】
前記演算手段は、前記撮像手段により撮像した二次元画像から求まる平面方程式と前記位置座標検知手段により検知した位置座標に基づいて管内面の三次元表面形状をリアルタイムに演算することを特徴とする請求項1又は2に記載の管内面形状測定装置。
【請求項9】
前記光照射手段は光源からの光をビーム状に集束し、該ビームを前記管内面に沿って、周方向に所定の速度で移動させて照射することを特徴とする請求項1又は2に記載の管内面形状測定装置。
【請求項10】
前記位置座標検知手段は、前記光照射手段および撮像手段を搭載した移動体に備えたエンコーダにより前記移動手段の移動量を検出することを特徴とする請求項1、2又は8に記載の管内面形状測定装置。
【請求項11】
前記演算手段は、前記撮像手段に使用するレンズが広角の場合、予め前記撮像手段の受像面中心から撮像したスポット位置の画像上までの距離と実際の距離との誤差を求めておき、前記撮像されたスポット位置を前記誤差に基づいて補正し、該補正値と前記位置座標検知手段により検知した位置座標に基づいて管内面の三次元表面形状を演算することを特徴とする請求項1、2又は8に記載の管内面形状測定装置。
【請求項12】
前記光源がレーザ光であることを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の管内面形状測定装置。
【請求項1】
管内面の表面形状を三次元的に計測する管内面形状測定装置であって、
前記管内面に沿って周方向に光スポットを移動させて前記管内面を照射する光照射手段と、該光照射手段により照射された管内面の表面形状を撮像する撮像手段と、前記光照射手段および撮像手段を前記管内面の軸方向に移動する移動手段と、該移動手段により各手段を移動させた時の前記各手段の位置座標を検知する位置座標検知手段と、前記撮像手段により撮像した二次元画像と前記位置座標検知手段により検知した位置座標に基づいて管内面の三次元表面形状を演算する演算手段と、を備えたことを特徴とする管内面形状測定装置。
【請求項2】
管内面の表面形状を三次元的に計測する管内面形状測定装置であって、
前記管内面に沿って周方向に複数の光スポットを移動させて前記管内面を照射する光照射手段と、該光照射手段により照射された管内面の複数の表面形状を撮像する撮像手段と、前記光照射手段および撮像手段を前記管内面の軸方向に移動する移動手段と、該移動手段により前記各手段を移動させた時の前記各手段の位置座標を検知する位置座標検知手段と、前記撮像手段により撮像した複数の二次元画像に基づいて前記移動手段と管軸との傾きを検出する傾き角検出手段と、前記撮像手段により撮像した二次元画像、前記位置座標検知手段により検知した位置座標及び前記傾き角検出手段により検出した傾き角に基づいて管内面の三次元表面形状を演算する演算手段と、を備えたことを特徴とする管内面形状測定装置。
【請求項3】
前記光照射手段は、ビーム状に集束した光源と、ビームスプリッタと、ミラーと、前記ビームスプリッタ及びミラーを回転する回転手段と、を備え、前記光源から出射したビーム位相が180度ずれ、且つ当該ビーム平面が所定の距離離間するように前記ビームスプリッタ及びミラーを前記駆動手段に備えたことを特徴とする請求項2に記載の管内面形状測定装置。
【請求項4】
前記光照射手段は、ビーム状に集束した複数の光源と、複数のミラーと、前記複数のミラーを回転する回転手段と、を備え、前記各光源から出射したビーム位相が180度ずれ、且つ当該ビーム平面が所定の距離離間するように前記各ミラーを前記駆動手段に備えたことを特徴とする請求項2に記載の管内面形状測定装置。
【請求項5】
前記光照射手段は、ビーム状に集束した複数のカラー光源を備えたことを特徴とする請求項4に記載の管内面形状測定装置。
【請求項6】
前記傾き角検出手段は、前記撮像手段により撮像された複数の二次元画像の中心座標を求め、該求めた各中心座標から当該中心点のずれ量を算出し、前記ビーム平面の離間距離に基づいて前記移動手段と管軸との傾き角を求めることを特徴とする請求項2に記載の管内面形状測定装置。
【請求項7】
前記傾き角検出手段は、前記撮像手段の露光開始時における前記回転手段の回転位置を検出することにより、前記撮像手段により撮像された複数の二次元画像を区別することを特徴とする請求項2に記載の管内面形状測定装置。
【請求項8】
前記演算手段は、前記撮像手段により撮像した二次元画像から求まる平面方程式と前記位置座標検知手段により検知した位置座標に基づいて管内面の三次元表面形状をリアルタイムに演算することを特徴とする請求項1又は2に記載の管内面形状測定装置。
【請求項9】
前記光照射手段は光源からの光をビーム状に集束し、該ビームを前記管内面に沿って、周方向に所定の速度で移動させて照射することを特徴とする請求項1又は2に記載の管内面形状測定装置。
【請求項10】
前記位置座標検知手段は、前記光照射手段および撮像手段を搭載した移動体に備えたエンコーダにより前記移動手段の移動量を検出することを特徴とする請求項1、2又は8に記載の管内面形状測定装置。
【請求項11】
前記演算手段は、前記撮像手段に使用するレンズが広角の場合、予め前記撮像手段の受像面中心から撮像したスポット位置の画像上までの距離と実際の距離との誤差を求めておき、前記撮像されたスポット位置を前記誤差に基づいて補正し、該補正値と前記位置座標検知手段により検知した位置座標に基づいて管内面の三次元表面形状を演算することを特徴とする請求項1、2又は8に記載の管内面形状測定装置。
【請求項12】
前記光源がレーザ光であることを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の管内面形状測定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2006−64690(P2006−64690A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−120395(P2005−120395)
【出願日】平成17年4月18日(2005.4.18)
【出願人】(504224153)国立大学法人 宮崎大学 (239)
【出願人】(599027219)株式会社中野管理 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月18日(2005.4.18)
【出願人】(504224153)国立大学法人 宮崎大学 (239)
【出願人】(599027219)株式会社中野管理 (2)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]