説明

粘着テープ貼付け方法および粘着テープ貼付け装置

【課題】小型化で処理速度を向上させつつも支持用の粘着テープを半導体ウエハの裏面に精度よく貼り付ける粘着テープ貼付け方法および粘着テープ貼付け装置を提供する。
【解決手段】フレーム搬送ユニットによってリングフレームfを保持テーブルのフレーム保持部73に載置するとともに、保持アームで懸垂保持した保護シートPをウエハ保持テーブル72に載置し、さらに保持アームで吸着保持したウエハWをその回路面を下向きにして保護シートP上に載置し、当該保護シートPを介して吸着保持したウエハWとリングフレームfに粘着テープDTを貼り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ(以下、適宜「ウエハ」という)、プリント基板、ステンレス鋼の板にチップ部品を実装して成る基板などの各種電子基板とリングフレームとに支持用の粘着テープを貼り付け、電子基板をリングフレームに接着保持する粘着テープ貼付け方法および粘着テープ貼付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子基板としてのウエハを所望の厚さにするために、裏面にバックグラインド処理を施す。その際、ウエハに支持用の粘着テープを介してリングフレームに接着保持する。この場合、回路パターンの形成された表面に保護用の粘着テープを貼り付け、セラミックなどのポーラス材または金属で成形されたチャックテーブルに表面を下向きにしてウエハを吸着保持している(特許文献1を参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平10−50642号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年、バックグラインド処理後のウエハ裏面に、金を蒸着させるなどの高温処理を施している。有機材料である粘着テープは、高温処理により溶融するので、高温処理前にウエハ表面から粘着テープが剥離され、その後にウエハ表面に新たな粘着テープが貼り付けられている。したがって、粘着テープの貼付処理と剥離処理を繰り返す必要があるので処理が煩雑になり、ひいては装置の大型化および処理速度の低下を招くといった不都合が生じている。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、装置構成を小型化するとともに、作業効率の向上を図ることのできる粘着テープ貼付け方法および粘着テープ貼付け装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、リングフレームと電子基板に支持用の粘着テープを貼り付けてリングフレームに電子基板を接着保持する粘着テープ貼付け方法であって、
前記リングフレームの中央に位置する保持テーブルの表面に前記電子基板と同形状以上の保護シートを搬送装置で載置し、
前記電子基板の回路面を下向きにして保護シート上に前記搬送装置で載置し、
テープ貼付機構によって前記リングフレームと電子基板に前記粘着テープを貼り付ける
ことを特徴とする。
【0007】
(作用・効果) 上記方法によれば、電子基板と保持テーブルとの間に保護シートを介在させることにより、電子基板の加熱処理後に新たな保護用の粘着テープを貼り付ける必要がない。つまり、電子基板と保持テーブルとの擦れによる回路の損傷や、電子基板とリングフレームに粘着テープを貼り付けるときの押圧によって貼付部材と保持テーブルとで挟み込まれる回路面の損傷を保護シートにより抑制することができる。さらに、表面保護用の粘着テープを繰り返し電子基板の表面に貼り付ける必要がないので、処理工程数を減らすことができ、装置構成を小型化し、かつ、処理速度の向上を図ることができる。
【0008】
なお、上記方法において、保護シートは通気性を有する物であってもよいし、通気性を有さない物であってもよい。通気性を有さない保護シートは、所定ピッチで複数個の凹凸が形成されていてもよい。
【0009】
保護シートが通気性を有する場合、当該保護シートを介して前記電子基板を保持テーブルに吸着保持し、前記テープ貼付機構に備わった貼付ローラを転動させてリングフレームと電子基板に粘着テープを貼り付ける(請求項2)。
【0010】
この方法によれば、電子基板は、保持テーブルに吸着保持されているので、貼付ローラの押圧転動によって電子基板が転動方向に引き摺られることがない。したがって、保持テーブルとの擦れによる回路の損傷を回避することができる。
【0011】
保護シートが通気性を有さない場合、テープ貼付機構に備わった貼付ローラを転動させてリングフレームに粘着テープを貼り付けた後に、少なくとも前記保持テーブルに保持された電子基板をチャンバに収納し、当該チャンバ内を減圧しながら電子基板に粘着テープを貼り付ける(請求項3)。
【0012】
この方法によれば、粘着テープ貼付時に鉛直方向の押圧のみが電子基板の裏面にかかるので、電気基板を保持テーブルに吸着保持せずとも粘着テープを精度よく貼り付けることができる。つまり、貼付ローラの転動で発生しがちな電子基板と保持テーブルとの擦れを解消することができる。
【0013】
なお、上記方法において、保護シートとして、積層収納される電子基板の間に介在させる合紙を利用することができる。この合紙を利用する場合、粘着テープ貼付処理終了後に搬送装置により保持テーブルから搬送除去することになる(請求項5)。また、上記方法において、電子基板としては、例えば、半導体ウエハが挙げられる(請求項6)。
【0014】
また、この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
【0015】
すなわち、リングフレームと電子基板に支持用の粘着テープを貼り付けてリングフレームに電子基板を接着保持する粘着テープ貼付け装置であって、
保護シートおよび前記電子基板を交互に搬送する搬送機構と、
前記搬送機構により先に載置された保護シートを介して電子基板の回路面側を支持する保持テーブルと、
前記リングフレームを搬送するフレーム搬送機構と、
前記リングフレームを載置保持するフレーム保持部と、
前記リングフレームと電子基板に向けて粘着テープを供給するテープ供給機構と、
前記リングフレームと電子基板に粘着テープを貼り付けるテープ貼付機構と、
前記リングフレームの形状に沿って粘着テープを切断するテープ切断機構と、
切断後の不要な粘着テープを回収するテープ回収機構と、
を備えたことを特徴とする。
【0016】
(作用・効果) この構成によれば、搬送機構が保持テーブルに保護シートと電子基板を交互に搬送するので、上記方法を好適に実施することができる。
【0017】
上記構成において、通気性を有する保護シートを利用する場合、さらに以下のように構成することが好ましい。
【0018】
すなわち、保護シートおよび電子基板の位置合せを行うアライナを備え、
【0019】
前記保持テーブルは、通気性を有する保護シートを介して電子基板を吸着保持し、
前記テープ貼付機構は、貼付ローラを転動させてリングフレームと電子基板に粘着テープを貼り付けるように構成する(請求項8)。
【0020】
この構成によれば、電子基板は、保護シートを介しつつも保持テーブルに吸着保持されているので、テープ貼付機構に備わった貼付ローラなどの貼付部材の押圧移動によって電子基板がその移動方向に引き摺られることがない。したがって、保持テーブルとの擦れによる回路の損傷を抑制することができる。
【0021】
また、上記構成において、通気性を有さない保護シートを利用する場合、さらに以下のように構成することが好ましい。
【0022】
すなわち、保護シートおよび電子基板の位置合せを行うアライナを備え、
前記テープ貼付機構は、リングフレームに粘着テープを貼り付ける貼付ローラと、
前記保持テーブルに載置された電子基板の外周からリングフレームまでの間でリングフレームと粘着テープのうちの少なくとも粘着テープを挟み込んで電子基板を載置保持する保持テーブルを収納し、内部を減圧して電子基板に粘着テープを貼り付ける一対のハウジングからなるチャンバとから構成する(請求項9)。
【0023】
この構成によれば、粘着テープ貼付時にチャンバ内を減圧することにより、鉛直方向の押圧のみが電子基板の裏面にかかるので、電子基板を保持テーブルに吸着保持せず粘着テープを精度よく貼り付けることができる。つまり、貼付部材の移動で発生しがちな電子基板と保持テーブルとの擦れを解消することができる。
【0024】
なお、上記構成において、搬送機構を次のように構成することが好ましい。
【0025】
すなわち、搬送機構は、電子基板および保護シートを保持する保持アームと、
流路を介して前記保持アームと連通接続された圧空装置と、
前記保持アームの保持面から圧縮空気を電子基板または保護シートに向けて吹き付け、保持面と電子基板または保持面と保護シートとの間で負圧を発生させて電子基板または保護シートを懸垂保持して搬送、あるいは、保持アームで電子基板または保護シートを吸着保持して搬送可能に前記圧空装置を切換制御する制御部とを備える(請求項10)。
【0026】
この構成によれば、電子基板または保護シートを保持アームに接触させることなく保持テーブルまで搬送することができる。また、非接触搬送の対象が電子基板の場合、当該電子基板を懸垂保持するときに発生している電子基板の反りを矯正することができる。したがって、反りを矯正した状態で保持テーブルに電子基板を受け渡すことができる。
【0027】
なお、保持アームは、次のように構成することが好ましい。
【0028】
すなわち、保持面から内部の流路と連通する貫通孔が形成されており、
前記貫通孔は、同心円周上に所定ピッチで形成された複数個の貫通孔群からなり、さらに当該貫通孔群を保持面に複数配備して構成する(請求項11)。
【0029】
この構成によれば、電子基板面に斜め外側に圧縮空気を吹き付けることにより、エゼクタ効果およびベルヌーイ効果による負圧発生とエアクッション効果による静圧を効率よく発生させることができる。したがって、下に位置する電子基板を確実に空中に浮遊した状態で懸垂保持して搬送することが可能になる。
【0030】
また、上記装置において利用する保護シートが通気性を有する場合は、圧縮空気を吹き付けて一旦浮遊させることにより、懸垂保持して確実に搬送することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の粘着テープ貼付け方法および粘着テープ貼付け装置によれば、装置を小型化して処理速度の向上を図りつつも、半導体ウエハとリングフレームに粘着テープを精度よく貼り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】粘着テープ貼付け装置の構成を示す平面図である。
【図2】粘着テープ貼付け装置の正面図である。
【図3】保持テーブルの側面図である。
【図4】保持テーブルの縦断面図である。
【図5】搬送機構の一部を示す正面図である。
【図6】搬送機構の一部を示す平面図である。
【図7】搬送装置の正面図である。
【図8】搬送装置の要部を示す平面図である。
【図9】保持アームの要部を示す平面図である。
【図10】保持アームのパッドを示す拡大平面図である。
【図11】図9に示す保持アームのパッド部分のA−A矢視断図である。
【図12】搬送装置およびフレーム搬送装置の移動構造を示す平面図である。
【図13】搬送装置およびフレーム搬送装置における前後移動構造の一部を示す正面図である。
【図14】搬送装置およびフレーム搬送装置における前後移動構造の一部を示す正面図である。
【図15】フレーム搬送装置の正面図である。
【図16】粘着テープ貼付け部の平面図である。
【図17】粘着テープ貼付け部の正面図である。
【図18】粘着テープ貼付け装置の動作説明図である。
【図19】粘着テープ貼付け装置の動作説明図である。
【図20】粘着テープ貼付け装置の動作説明図である。
【図21】粘着テープ貼付け装置の動作説明図である。
【図22】粘着テープ貼付け装置の動作説明図である。
【図23】粘着テープ貼付け装置の動作説明図である。
【図24】粘着テープ貼付け装置の動作説明図である。
【図25】粘着テープ貼付け装置の動作説明図である。
【図26】粘着テープ貼付け装置の動作説明図である。
【図27】粘着テープ貼付け装置の動作説明図である。
【図28】マウントフレームの斜視図である。
【図29】変形例装置のテープ貼付け部の正面図である。
【図30】テープ貼付け部の側面図である。
【図31】変形例装置の動作説明図である。
【図32】変形例装置の動作説明図である。
【図33】変形例装置の動作説明図である。
【図34】変形例装置の動作説明図である。
【図35】変形例装置の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0034】
図1に本発明に係る粘着テープ貼付け装置の平面図が、また、図2にその正面図がそれぞれ示されている。
【0035】
この粘着テープ貼付け装置は、図28に示すように、表面に形成された回路パターンの露出した電子基板の一例である半導体ウエハW(以下、単に「ウエハW」という)の裏面とリングフレームfに粘着テープDTを貼り付けてマウントフレームMFを作成するものである。その横長の矩形部Aとこの矩形部Aの中央部で連接して奥側に突出する突出部Bとからなる凸形に構成されている。なお、以後の説明において、矩形部Aの長手方向を左右方向、これと直交する水平方向を手前側および奥側(図1では下側および上側)と呼称する。
【0036】
矩形部Aには、ウエハW、リングフレームf、および、マウントフレームMFを搬送する搬送機構1が配備されるとともに、突出部Bには、リングフレームfとウエハWに粘着テープDTを貼り付けてマウントフレームMFを作成する粘着テープ貼付け部2が配備されている。
【0037】
図1および図2に示すように、矩形部Aの左右中心から右側寄りの手前にウエハWをカセット3に積層収容して供給するウエハ供給部4、およびウエハWの表面保護用の保護シートPを容器70に積層収納して供給するシート供給部71が設けられている。本実施例の場合、カセット3および容器70をそれぞれ2個ずつ並列に配備している。
【0038】
なお、本実施例では、シート供給部71に載置される容器70の一方を使用済の保護シートPの回収用として利用する。
【0039】
矩形部Aの左右中心から左側寄りの手前にリングフレームfを容器5に積層収容して供給するフレーム供給部6が配備されている。さらに、矩形部Aの左右中心近くの奥側(粘着テープ貼付け部2側)箇所には、ウエハWとリングフレームfを載置して粘着テープ貼付け部2に送り込む保持テーブル7が前後移動可能に配備されている。
【0040】
なお、本実施例で利用する保護シートPは、通気性を有する合紙を利用している。
【0041】
保持テーブル7は、図3および図4に示すように、中央に保護シートPおよびウエハWを載置保持するウエハ保持テーブル72と、このウエハ保持テーブル72を囲うフレーム保持部73とが備わっている。
【0042】
ウエハ保持テーブル72は、金属製のチャックテーブルであり、流路74を介して外部の真空装置75と連通接続されている。つまり、ウエハ保持テーブル72上に載置した保護シートPを介してウエハWを吸着保持するように構成されている。また、ウエハ保持テーブル72は、シリンダ84によって昇降する。なお、ウエハ保持テーブル72は、金属製に限定されず、セラミックの多孔質で形成されたものであってもよい。
【0043】
フレーム保持部73は、フレーム厚みに相当する段部76が形成されている。つまり、当該段部76にリングフレームfを載置したときに、このフレーム保持部73の頂部とリングフレームfの上面とが平坦になるように構成されている。また、ウエハ保持テーブル73に保護シートPおよびウエハWを載置したときのウエハWの表面高さとリングフレームfの表面高さとが平坦になるようなっている。
【0044】
さらに、図1および図3に示すように、保持テーブル7は、図示しない駆動機構によってウエハWなどのセット位置と粘着テープ貼付け部2との間に敷設されたレール85に沿って往復移動可能に構成されている。
【0045】
搬送機構1には、矩形部Aの上部に左右水平に架設された案内レール8の右側に左右往復移動可能に支持された搬送装置9と、案内レール8の左側に左右移動可能に支持されたフレーム搬送装置10とが備えられている。また、矩形部Aの右奥側に、ノッチやオリエンテーションフラットを用いてウエハWの位置決めを行うアライナ11が設置される。さらに、フレーム供給部6の奥側にはリングフレームfの位置決めを行うアライナ12が設置されている。
【0046】
搬送装置9は、容器70から取り出した保護シートPおよびカセット3から取り出したウエハWを左右および前後に搬送するとともに、ウエハWの姿勢を表裏反転することができるよう構成されている。その詳細な構造が図5〜図14に示されている。
【0047】
また、搬送装置9は、図5および図6に示すように、案内レール8に沿って左右移動可能な左右移動可動台14(フレーム搬送装置の左右移動可動台54に相当する)が装備されている。この左右移動可動台14に備えられた案内レール15に沿って前後移動可能に前後移動可動台16(フレーム搬送装置の前後移動可動台46に相当する)が装備されている。さらに、この前後移動可動台16の下部にウエハWおよび保護シートを保持する保持ユニット17が上下移動可能に装備されている。
【0048】
案内レール8の右端近くにはモータ18で正逆転駆動される駆動プーリ19が軸支されるとともに、案内レール8の中央側には遊転プーリ20が軸支されている。これら駆動プーリ19と遊転プーリ20とに亘って巻き掛けられたベルト21に、左右移動可動台14のスライド係合部14aが連結され、ベルト21の正逆回動によって左右移動可動台14が左右に移動されるようになっている。
【0049】
図12〜図14に示すように、左右移動可動台14の奥端近くにはモータ22(フレーム搬送装置のモータ52に相当する)で正逆転駆動される駆動プーリ23(フレーム搬送装置の駆動プーリ53に相当する)が軸支されるとともに、左右移動可動台14の前端近くには遊転プーリ24、54が軸支されている。これら駆動プーリ23と遊転プーリ24とに亘って巻き掛けられたベルト25(フレーム搬送装置のベルト55に相当する)に、前後移動可動台16のスライド係合16a(フレーム搬送装置のスライド係合46aに相当する)が連結され、ベルト25の正逆回動によって前後移動可動台16が前後に移動されるようになっている。
【0050】
図7および図8に示すように、保持ユニット17は、前後移動可動台16の下部に連結された逆L字形の支持フレーム26、この支持フレーム26の縦枠部に沿ってモータ27でネジ送り昇降される昇降台28、昇降台28に回動軸29を介して縦向き支軸p周りに旋回可能に軸支された回動台30、回動軸29にベルト31を介して巻き掛け連動された旋回用モータ32、回動台30の下部に回動軸33を介して水平向き支軸q周りに反転回動可能に軸支された保持アーム34、回動軸33にベルト35を介して巻き掛け連動された反転用モータ36などで構成されている。
【0051】
図8および図9に示すように、保持アーム34はU形をしている。保持アーム34の保持面には、僅かに突出したパッド77が設けられている。図10に示すように、このパッド77の表面から内部に向けて小径(本実施例では約0.2mm)の貫通孔78が同心円周上に所定ピッチで形成されている。これら複数個の貫通孔78は、図8および図11に示すように、保持アーム34の内部に形成された1本の流路79の同じ位置に連通された貫通孔群を構成している。貫通孔群の個々の貫通孔78は、保持アーム内の流路79から保持面に向けて先広がりのテーパー状に形成されている。この貫通孔群を有するパッド77は、保持面の所定位置に複数配備されている。さらに、保持アーム34は、その内部に形成された流路79と、この流路79の基端側で連接された接続流路80を介して圧空装置81に連通接続されている。
【0052】
圧空装置81は、制御部82によって駆動切換される。つまり、圧空装置81を負圧駆動させることにより、ウエハWの裏面を保持アーム34のパッド77で吸着保持させる。また、圧空装置81を静圧駆動に切り換えることにより、保持アーム34を上下反転させて下向きの貫通孔群から保護シートPに圧縮空気を吹き付ける。すなわち、保持アーム34は、エゼクタ効果およびベルヌーイ効果による負圧を保持面と保護シートPとの間に発生させるとともに、エアクッション効果による静圧を保護シートPの裏面側に効率よく発生させることにより、最上段の保護シートPのみを浮遊させて懸垂保持する。
【0053】
上記した可動構造を利用することで、吸着保持したウエハWを保持アーム34によって前後移動、左右移動、および、縦向き支軸p周りに旋回移動するとともに、図7に示す水平向き支軸q周りの反転回動によってウエハWを表裏反転することができるようになっている。
【0054】
また、保持アーム34により保護シートPを懸垂保持したまま、前後移動および左右移動するようになっている。
【0055】
フレーム供給部6の左側には、図2に示すように、リングフレームfに粘着テープDTを介してウエハWを接着して作成したマウントフレームMFを積載して回収する収納部39が配備されている。この収納部39は、装置フレーム40に連結固定された縦レール41と、この縦レール41に沿ってモータ42でネジ送り昇降される昇降台43が備えられている。したがって、フレーム供給部6は、マウントフレームMFを昇降台43に載置してピッチ送り下降するよう構成されている。
【0056】
フレーム搬送装置10は、フレーム供給部6に積層して載置されたリングフレームfを最上段から順に取り出して、左右および前後に搬送することができるよう構成されており、その左右移動構造および前後移動構造は搬送装置9と同様である。
【0057】
すなわち、図12および図15に示すように、案内レール8に沿って左右移動可能に前後に長い左右移動可動台44が装備され、この左右移動可動台44に備えられた案内レール45に沿って前後移動可能に前後移動可動台46が装備されている。さらに、この前後移動可動台46の下部にフレーム保持ユニット47が上下移動可能に装備されている。
【0058】
図5および図6に示すように、案内レール8の左端近くにはモータ48で正逆転駆動される駆動プーリ49が軸支されるともに、案内レール8の中央側箇所には遊転プーリ50が軸支されている。これら駆動プーリ49と遊転プーリ50とに亘って巻き掛けられたベルト51に、左右移動可動台44のスライド係合部44aが連結され、ベルト51の正逆回動によって左右移動可動台44が左右に移動されるようになっている。
【0059】
搬送装置9の説明に使用した図12〜図14の構成をフレーム搬送装置10の説明に適用すると、左右移動可動台44の奥端近くにはモータ52で正逆転駆動される駆動プーリ53が軸支されるとともに、左右移動可動台44の奥端近くには遊転プーリ54が軸支されている。これら駆動プーリ53と遊転プーリ54とに亘って巻き掛けられたベルト55に、前後移動可動台46のスライド係合部46aが連結され、ベルト55の正逆回動によって前後移動可動台46が前後に移動されるようになっている。
【0060】
フレーム保持ユニット47は、図15に示すように、前後移動可動台46の下部に連結された縦枠56、この縦枠56に沿ってスライド昇降可能に支持された昇降枠57、昇降枠57を上下動させる屈伸リンク機構58、この屈伸リンク機構58を正逆屈伸駆動するモータ59、昇降枠57における下端の前後左右箇所に装備された吸着パッド60などで構成されている。したがって、昇降台43に積載されたリングフレームfを最上段のものから順に吸着パッド60で吸着保持して上昇し、前後左右に搬送することができるようになっている。なお、吸着パッド60はリングフレームfのサイズに対応して水平方向にスライド調節可能になっている。
【0061】
図16および図17に示すように、粘着テープ貼付け部2は、ロール巻きした幅広の粘着テープ(ダイシングテープ)DTを装填するテープ供給部61、貼付ローラ62、剥離ローラ63、テープ切断機構64、およびテープ回収部65などを備えている。つまり、保持テーブル7に載置されたウエハWとリングフレームfがテープ貼付け位置にまで搬入されてくると、貼付ローラ62を図17中において右から左に走行させて、粘着テープDTをウエハWとリングフレームfの上面に貼り付ける。
【0062】
テープ貼付が完了すると、テープ切断機構64を下降させた状態で円板状のカッタ刃を旋回させ、貼り付けた粘着テープDTをリングフレームfに沿って円形に切断する。その後、剥離ローラ63を図17中において右から左に走行させて、切断線の外側に残された不要テープをリングフレームfから剥離するとともに、テープ回収部65に巻取り回収するよう構成されている。
【0063】
次に、上記実施例装置を用いてウエハWの裏面側に粘着テープDTを貼り付ける基本動作について説明する。
【0064】
先ず、フレーム搬送装置10のフレーム保持ユニット47が、フレーム供給部6からリングフレームfを吸着してアライナ12に移載する。フレーム保持ユニット47が吸着を解除して上昇すると、アライナ12がリングフレームfの位置合わせを行う。その後、フレーム保持ユニット47が再びリングフレームfを吸着保持して保持テーブル7に搬入し、ウエハWと同心状のフレーム保持部73に載置する。
【0065】
図18に示すように、パッド77を下向きにした状態で保持アーム34をシート供給部71の容器70上に移動させる。図19に示すように、保持アーム34を所定高さまで下降させて最上段の保護シートPに近接させ、その状態で圧空装置81を静圧駆動させて保持アーム34のパッド77から保護シートPに圧縮空気を吹き付ける。保護シートPの表面で放射状に滑らかに流れる気流によって保持面と保護シートPとの間に安定した負圧領域が形成され、保護シートPが浮遊する。
【0066】
図20に示すように、浮遊した保護シートPを保持アーム34で懸垂保持したまま、保持テーブル7上に移動させる。図21に示すように、保持テーブル7は、その表面がフレーム保持部73の表面よりも高い位置になるように上昇している。保護シートPが保持テーブル7上に接触する高さまで保持アーム34を下降させ、圧空装置81の駆動を停止して保護シートPをウエハ保持テーブル72に載置する。ウエハ保持テーブル72に載置された保護シートPは、位置合わせピンなどによって位置合わせされる。
【0067】
保護シートPを搬送した搬送装置9は、ウエハ供給部4へと戻る。次に、搬送装置9は、保持アーム34のパッド77を上向きになるよう上下反転させる。この状態で、図22に示すように、ウエハ供給部4のカセット5に回路面を上向きにして積層収納されているウエハW同士の間に保持アーム34を前進移動させ、ウエハWの裏面に当接させる。パッド77がウエハWの裏面と当接すると、圧空装置81を負圧駆動させウエハ裏面を吸着保持して取り出す。保持アーム34でウエハWを吸着保持したままアライナ11上に搬送する。
【0068】
アライナ11は、その中央から突出した吸着パッド83によりウエハWの裏面中央を吸着する。同時に、保持アーム34は、ウエハWの吸着を解除して後退する。アライナ11は、吸着パッド83をテーブル内に収納し、ウエハWのノッチなどに基づいて位置合わせを行う。位置合わせが完了すると、ウエハWを吸着した吸着パッド83をアライナ11の面から突出させる。その位置に保持アーム34が移動し、ウエハWを裏面から吸着保持する。吸着パッド83は、吸着を解除して下降する。
【0069】
保持アーム34は、ウエハWの裏面を吸着保持した状態で所定高さまで上昇し、図23に示すように、ウエハWの回路面が下向きとなるように、上下反転する。その後、図24に示すように、保持アーム34は、保持テーブル7上に移動してウエハ保持テーブル72の保護シートP上にウエハWの回路面を下向きにしたまま載置する。ウエハ保持テーブル72は、保護シートPを介してウエハWを吸着保持する。
【0070】
保持テーブル7にウエハWおよびリングフレームfのセットが完了すると、ウエハ保持テーブル72は下降し、ウエハWとリングフレームfの両方の上面が同じ高さにされた後に、粘着テープ貼付け部2へと移動する。
【0071】
保持テーブル7がテープ貼付部け部2の搬入位置に達すると、図25に示すように、貼付ローラ62を下降させて粘着テープDT上で右から左に転動させる。これによってリングフレームfとウエハWの裏面側に粘着テープDTを貼り付ける。貼付ローラ62が終端位置に到達すると、図26に示すように、テープ切断機構64が下降し、リングフレームfに沿って丸刃のカッタを旋回させながら粘着テープDTを切断する。
【0072】
切断が完了すると、テープ切断機構64が上昇するとともに、図27に示すように、剥離ローラ63が右から左に移動し、切断後の不要テープを巻取り回収してゆく。
【0073】
図28に示すように、マウントフレームMFの作成が完了すると、保持テーブル7が図1中の矩形部Aのセット位置まで移動して停止する。その位置でフレーム保持ユニット47が、作成されたマウントフレームMFを吸着搬送して収納部39に収納する。また、搬送機構9が保持テーブル7まで移動する。保持アーム34は、使用済みの保護シートPを懸垂保持し、そのままの状態でシート供給部71に配備された回収用の容器70に搬送する。
【0074】
以上で一巡の基本動作が終了し、以後同じ動作が繰り返される。
【0075】
上記実施例装置によれば、バックグラインド処理時に表面に貼り付けられた保護テープを剥離し、その裏面に金を蒸着させるなどの高温処理を施したウエハWに新たな保護テープを貼り付けることなしに、ウエハWとリングフレームfに粘着テープDTを貼り付けてマウントフレームMFを作成することができる。つまり、ウエハWの回路面が露出した状態にあっても、ウエハ保持テーブル72とウエハWとの間に保護シートPを介在させることにより、回路面を保護した状態で粘着テープDTを貼り付けることができる。
【0076】
したがって、ウエハWの高温処理後に保護テープを貼り直す必要がないので、新たな保護テープの貼り付けおよび剥離工程を省略させて装置を小型化できるとともに、処理時を短縮することができる。
【0077】
また、この装置によれば、搬送機構9は、通気性を有する保護シートPであっても非接触で搬送し、通気性を有さないウエハWを吸着搬送するように切換ることができる。さらに、保護シートPが通気性を有するので、保持テーブル7上で保護シートPを介してウエハWを吸着保持することができる。したがって、貼付ローラ62の転動によってウエハWが転動方向に引き摺られることがないので、回路面の損傷を解消することができる。
【0078】
なお、本発明は以下のような形態で実施することも可能である。
【0079】
(1)上記実施例装置では、保護シートPに通気性を有する合紙を利用したが、通気性を有さない保護シートを利用してもよい。例えば、弾性を有するシリコンシートや所定ピッチで凹凸段差を2次元アレー状に形成した保護シートが上げられる。
【0080】
これら通気性を有さない保護シートをウエハ保持テーブル72とウエハWの間に介在させる場合、少なくともチャンバ内にウエハ保持テーブル72のみを収容し、減圧状態で粘着テープDTをウエハWに貼り付けるように粘着テープ貼付け部2を構成する。
【0081】
具体的に、図29に示すように、保持テーブル7はウエハ保持用のウエハ保持テーブル72と、リングフレーム保持用のフレーム保持部73とを備え、さらに、ウエハ保持テーブル72とフレーム保持部73との間に、粘着テープ貼付け部2に配備された上ハウジング90と一体化してチャンバ92を構成する下ハウジング91が備わっている。
【0082】
ウエハ保持テーブル72は、チャンバ92を構成する下ハウジング91を貫通するロッド93と連結されている。ロッド93の他端は、モータ94と駆動連結されている。したがって、ウエハ保持テーブル72は、モータ94の正逆転駆動により下ハウジング91内で昇降するように構成されている。
【0083】
また、下ハウジング91の円筒上部は、丸みを有するとともに、フッ素加工などの離型処理が施されている。
【0084】
上ハウジング90は、図30に示すように、昇降駆動機構95に備えてられている。この昇降駆動機構95は、縦壁96の背部に縦向きに配置されたレール97に沿って昇降可能な可動台98、この可動台98に高さ調節可能に支持された可動枠99、この可動枠99から前方に向けて延出されたアーム100を備えている。このアーム100の先端部から下方に延出する支軸101に上ハウジング90が装着されている。
【0085】
上下一対のハウジング90、91によって構成されるチャンバ92は、粘着テープDTの幅よりも小さい直径を有する。つまり、ウエハWの外周からリングフレームfの内径の間で露出する粘着テープDTを両ハウジング90、91で挟み込むことになる。
【0086】
次に、当該実施例装置により、リングフレームfとウエハWに粘着テープDTを貼り付ける一巡の動作を説明する。
【0087】
上記実施例と同じ動作により、保持アーム34によって非接触で保護シートPをウエハ保持テーブル72に搬送および載置し、その後にアライナ11で位置合わせしたウエハWを保持アーム34で吸着搬送してウエハ保持テーブル72上に載置する。ことのき、ウエハ保持テーブル72の保持面が下ハウジング91よりも高い位置になるように上昇させておく。ウエハ保持テーブル72にウエハWが移載されるとウエハ保持テーブル72上のウエハWの表面高さが下ハウジング91の上部よりも僅かに下に位置するように下降される。
【0088】
同時にフレーム保持ユニット47によってアライナ12で位置合わせしたリングフレームfをフレーム保持部73に載置する。
【0089】
保護シートP、ウエハW、およびリングフレームfを位置合わせピンで位置合わせした後に、保持テーブル7を粘着テープ貼付け部2の貼付位置に移動させる。このとき、図31に示すように、貼付ローラ63は、テープ回収部65側の待機位置にある。また、ピンチローラ102を下降させて送りローラ103とで粘着テープDTをニップする。
【0090】
図32に示すように、貼付ローラ63が案内レール104に沿って右側に移動しながらリングフレームfに粘着テープTを貼付けてゆく。この貼付ローラ63の移動に連動してテープ供給部61から所定量の粘着テープDTがセパレータSを剥離されながら繰り出される。
【0091】
リングフレームfへの粘着テープDTの貼付けが完了すると、図33に示すように、上ハウジング90が下降する。この下降に伴って、ウエハWの外周からリングフレームfの内径の間で粘着面が露出している粘着テープDTを上ハウジング90と下ハウジング91とによって挟持してチャンバ92を構成する。このとき、粘着テープDTがシール材として機能するとともに、上ハウジング90側と下ハウジング91側とを分割して2つの空間を形成する。
【0092】
下ハウジング91内に位置するウエハWは、粘着テープDTと所定のクリアランスを有している。
【0093】
図示しない制御部によって、ヒータ105を作動させて上ハウジング90側から粘着テープDTを加温するとともに、上ハウジング90と下ハウジング91に電磁バルブを介して真空装置と連通する流路において、当該電磁バルブの開閉を調整して両ハウジング90、91内を減圧する。つまり、両ハウジング90、91内が同じ速度で減圧してゆくように、電磁バルブの開度を調整する。
【0094】
両ハウジング90、91内が所定の気圧まで減圧されると、電磁バルブを閉じるとともに、真空装置の作動を停止する。
【0095】
制御部は、電磁バルブの開度を調整してリークさせながら上ハウジング90内を所定の気圧まで徐々に高める。このとき、下ハウジング91内の気圧が上ハウジング90内の気圧よりも低くなりその差圧によって、図34に示すように、粘着テープDTがその中心から下ハウジング91内に引き込まれてゆき、近接配備されたウエハWの中心から外周に向けて徐々に貼付けられてゆく。
【0096】
予め設定された気圧に上ハウジング90内が達すると、制御部は、電磁バルブの開度を調整して下ハウジング91内の気圧を上ハウジング90内の気圧と同じにする。この気圧調整に応じてウエハ保持テーブル72を上昇させてリングフレームfの表面とウエハWの上面とを同じ高さにする。その後、制御部は、図35に示すように、上ハウジング90を上昇させて上ハウジング90内を大気開放するとともに、電磁バルブを全開にして下ハウジング91側も大気開放する。
【0097】
なお、チャンバ92内で粘着テープDTをウエハWに貼付けている間に、テープ切断機構64が作動する。このとき、カッタ66がリングフレームfに貼付けられた粘着テープDTをリングフレームfの形状に切断するとともに、押圧ローラ67がカッタ66に追従してリングフレームf上のテープ切断部位を転動しながら押圧してゆく。つまり、上ハウジング90が下降して下ハウジング91とによってチャンバ92を構成したとき、図34に示すように、テープ切断機構64のカッタ66と押圧ローラ67も切断作用位置に到達している。
【0098】
図35に示すように、上ハウジング90を上昇させた時点でウエハWへの粘着テープDTの貼り付け、および粘着テープDTの切断は完了しているので、ピンチローラ102を上昇させて粘着テープDTのニップを解除する。その後、貼付ローラ63をテープ回収部65側の初期位置に移動させるとともに、テープ供給部61から所定量の粘着テープDTを繰り出しながらテープ回収部65に向けて切断後の不要な粘着テープDTを巻取り回収してゆく。
【0099】
貼付ローラ62が初期位置に戻ると、図28に示すように、ウエハマウントMFが作成される。保持テーブル7は、セット位置にもどり、その後にフレーム搬送ユニット47がウエハマウントMFを搬出して収納部39に収納する。その後に搬送機構9の保持アーム34が保護シートPを懸垂保持して回収用の容器に廃棄する。以上で一巡の動作さ終了し、以後同じ動作が繰り返される。
【0100】
(2)上記実施例装置の保持アーム34を、U型アームの先端を結合した環状にし、所定ピッチで貫通孔群を設けた構成であってもよい。
【0101】
(3)上記実施例装置の保持アーム34は、ウエハWを吸着保持し、保護シートPを非接触で搬送する形態であったが、ウエハWを非接触で搬送するように構成してもよい。この形態の場合、ウエハWの回路面を下向きにして保護シートPを介在させて積層収納した容器70から保護シートP、ウエハWの順に保持アーム34によって非接触で懸垂保持して搬送する。
【符号の説明】
【0102】
1 … 搬送機構
2 … 粘着テープ貼付け部
4 … ウエハ供給部
6 … フレーム供給部
7 … 保持テーブル
9 … 搬送装置
10 … フレーム搬送装置
11 … アライナ
12 … アライナ
39 … 収納部
72 … ウエハ保持テーブル
73 … フレーム保持部
77 … パッド
81 … 圧空装置
82 … 制御部
DT … 粘着テープ
W … 半導体ウエハ
f … リングフレーム
P … 保護シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リングフレームと電子基板に支持用の粘着テープを貼り付けてリングフレームに電子基板を接着保持する粘着テープ貼付け方法であって、
前記リングフレームの中央に位置する保持テーブルの表面に前記電子基板と同形状以上の保護シートを搬送装置で載置し、
前記電子基板の回路面を下向きにして保護シート上に前記搬送装置で載置し、
テープ貼付機構によって前記リングフレームと電子基板に前記粘着テープを貼り付ける
ことを特徴とする粘着テープ貼付け方法。
【請求項2】
請求項1に記載の粘着テープ貼付け方法において、
前記保護シートは通気性を有し、当該保護シートを介して前記電子基板を保持テーブルに吸着保持し、
前記テープ貼付機構に備わった貼付ローラを転動させてリングフレームと電子基板に粘着テープを貼り付ける
ことを特徴とする粘着テープ貼付け方法。
【請求項3】
請求項1に記載の粘着テープ貼付け方法において、
前記保護シートは通気性を有さず、前記テープ貼付機構に備わった貼付ローラを転動させてリングフレームに粘着テープを貼り付けた後に、少なくとも前記保持テーブルに保持された電子基板をチャンバに収納し、当該チャンバ内を減圧しながら電子基板に粘着テープを貼り付ける
ことを特徴とする粘着テープ貼付け方法。
【請求項4】
請求項3に記載の粘着テープ貼付け方法において、
前記保護シートは、所定ピッチで複数個の凹凸が形成されている
ことを特徴とする粘着テープ貼付け方法。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の粘着テープ貼付け方法において、
前記保護シートは、積層収納される前記電子基板の間に介在させる合紙であり、粘着テープ貼付処理終了後に当該合紙を前記搬送装置により保持テーブルから搬送除去する
ことを特徴とする粘着テープ貼付け方法。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の粘着テープ貼付け方法において、
前記電子基板は、半導体ウエハである
ことを特徴とする粘着テープ貼付け方法。
【請求項7】
リングフレームと電子基板に支持用の粘着テープを貼り付けてリングフレームに電子基板を接着保持する粘着テープ貼付け装置であって、
保護シートおよび前記電子基板を交互に搬送する搬送機構と、
前記搬送機構により先に載置された保護シートを介して電子基板の回路面側を支持する保持テーブルと、
前記リングフレームを搬送するフレーム搬送機構と、
前記リングフレームを載置保持するフレーム保持部と、
前記リングフレームと電子基板に向けて粘着テープを供給するテープ供給機構と、
前記リングフレームと電子基板に粘着テープを貼り付けるテープ貼付機構と、
前記リングフレームの形状に沿って粘着テープを切断するテープ切断機構と、
切断後の不要な粘着テープを回収するテープ回収機構と、
を備えたことを特徴とする粘着テープ貼付け装置。
【請求項8】
請求項7に記載の粘着テープ貼付け装置において、
前記保護シートおよび電子基板の位置合せを行うアライナを備え、
前記保持テーブルは、通気性を有する保護シートを介して電子基板を吸着保持し、
前記テープ貼付機構は、貼付ローラを転動させてリングフレームと電子基板に粘着テープを貼り付ける
ことを特徴とする粘着テープ貼付け装置。
【請求項9】
請求項7に記載の粘着テープ貼付け装置において、
前記保護シートおよび電子基板の位置合せを行うアライナを備え、
前記テープ貼付機構は、リングフレームに粘着テープを貼り付ける貼付ローラと、
前記保持テーブルに載置された電子基板の外周からリングフレームまでの間でリングフレームと粘着テープのうちの少なくとも粘着テープを挟み込んで電子基板を載置保持する保持テーブルを収納し、内部を減圧して電子基板に粘着テープを貼り付ける一対のハウジングからなるチャンバとから構成した
ことを特徴とする粘着テープ貼付け装置。
【請求項10】
請求項7ないし請求項9のいずれかに記載の粘着テープ貼付け装置において、
前記搬送機構は、電子基板および保護シートを保持する保持アームと、
流路を介して前記保持アームと連通接続された圧空装置と、
前記保持アームの保持面から圧縮空気を電子基板または保護シートに向けて吹き付け、保持面と電子基板または保持面と保護シートとの間で負圧を発生させて電子基板または保護シートを懸垂保持して搬送、あるいは、保持アームで電子基板または保護シートを吸着保持して搬送可能に前記圧空装置を切換制御する制御部とを備えた
ことを特徴とする粘着テープ貼付け装置。
【請求項11】
請求項10に記載の粘着テープ貼付け装置において、
前記保持アームは、当該保持面から内部の流路と連通する貫通孔が形成されており、
前記貫通孔は、同心円周上に所定ピッチで形成された複数個の貫通孔群からなり、さらに当該貫通孔群を保持面に複数配備して構成した
ことを特徴とする粘着テープ貼付け装置。
【請求項12】
請求項11に記載の粘着テープ貼付け装置において、
前記貫通孔は、保持アーム内部で連通する流路から保持面に向けて先広がりのテーパー状に形成されている
ことを特徴とする粘着テープ貼付け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2011−199157(P2011−199157A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−66504(P2010−66504)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【出願人】(394016601)日東精機株式会社 (79)
【Fターム(参考)】