説明

経路探索装置、プログラム及び経路探索方法

【課題】経路探索による探索結果に従って先行して移動している相手へ合流するための経路探索を行う。
【解決手段】端末装置1は、制御部10の制御の下、合流相手の経路探索結果を示す経路情報を通信部40で受信し、受信された経路情報に基づいて、当該経路情報が示す経路上の特定地点に合流相手が到着する第1予定時刻を取得する。また、端末装置1は、特定地点への経路探索を行い、当該特定地点へ到着する第2予定時刻を算出する。また、端末装置1は、第1予定時刻と第2予定時刻とを比較して、合流相手への合流の可否を判定し、当該判定結果が合流可能である場合に算出した経路探索結果を合流相手への合流可能な経路として出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路探索装置、プログラム及び経路探索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、PC(Personal Computer)、携帯電話、ナビゲーション機能を有する車載装置などの情報機器では、出発地点及び到着地点を条件とし、地図データや列車、バス、飛行機などの交通機関の運行データを参照して出発地点から到着地点までの経路探索を行うものがある。上記経路探索に関する条件としては、出発地点及び到着地点の他に、出発時刻や到着時刻などの時刻条件、移動時間・移動距離が短い、運賃が安い等の移動コストの条件などがある。従って、上述した各種条件を設定した経路探索を行うことで、ユーザは、目的地へ到達するために利用すべき交通機関や道順などの経路情報を取得することが可能であった。
【0003】
上記経路探索を用いて、ユーザ同士が待ちあわせを行う場合は、待ちあわせ場所を事前に電話やメールなどで取り決めておき、その取り決め場所への経路探索を両者が行うことで、待ちあわせ場所への経路情報を互いに取得していた。また、相手と合流するための経路探索に関する有用な従来技術としては、特許文献1が知られている。特許文献1には、相互に通信可能な複数のナビゲーション装置において、所要時間、所要費用などの経路コストに偏りのない地点を集合場所として決定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−195519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、ユーザ同士が待ちあわせを行う際の経路探索については、電話やメールなどを用いて取り決めた待ちあわせ場所、又は、所要時間、所要費用などの経路コストに偏りのない地点(略中間地点)として決定された集合場所への経路探索でしかなかった。すなわち、この文献による探索では、複数の相手が互いの略中間地点に集合する形での経路探索でしかなく、例えばある目的地に対して先行して移動している相手へ合流するための経路探索を行うことができなかった。なお、ここでいう合流では、先行して移動する相手が単数か複数かを問わない。
【0006】
本発明の課題は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、先行して移動している相手へ合流するための経路探索を行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、合流相手の経路情報を取得する経路情報取得手段と、
前記経路情報取得手段により取得された経路情報に基づいて、当該経路情報が示す経路上の特定地点に前記合流相手が到着する第1予定時刻を取得する取得手段と、
自装置から前記特定地点への経路探索を行い、当該特定地点へ到着する第2予定時刻を算出する算出手段と、
前記取得手段による第1予定時刻と前記算出手段による第2予定時刻とを比較して、前記合流相手への合流の可否を判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果が合流可能である場合に前記算出手段による経路探索結果を前記合流相手への合流可能な経路として出力する出力手段と、
を備える。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記経路情報取得手段は、
前記合流相手の経路情報が記憶された情報機器を指定する指定手段と、
前記指定手段により指定された情報機器から前記合流相手の経路情報を受信する受信手段と、
を備える。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記判定手段による判定結果が合流不可である場合に、前記経路情報が示す経路の到着地点と、前記特定地点との間で、次の特定地点を設定する設定手段を更に備え、
前記判定手段は、前記設定手段により設定された次の特定地点に関する前記第1予定時刻及び前記第2予定時刻に基づいて、前記相手への合流の可否を再判定する。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記判定手段による判定結果が合流可能である場合に、前記特定地点と、前記経路情報が示す経路の出発地点との間で、次の特定地点を設定する設定手段を更に備え、
前記判定手段は、前記設定手段により設定された次の特定地点に関する前記第1予定時刻及び前記第2予定時刻に基づいて、前記相手への合流の可否を再判定する。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記判定手段による再判定を行う追い込み回数を設定する回数設定手段を更に備え、
前記設定手段は、前記判定手段による再判定結果が合流不可である場合に、前記合流可能であると判定された特定地点に近づいた地点へ前記次の特定地点を順次再設定し、
前記判定手段は、前記設定手段により再設定された次の特定地点に関する前記第1予定時刻及び前記第2予定時刻に基づいた再判定を、前記回数設定手段により設定された追い込み回数分順次行う。
【0012】
請求項6に記載の発明は、コンピュータを、
合流相手の経路情報を取得する経路情報取得手段、
前記経路情報取得手段により取得された経路情報に基づいて、当該経路情報が示す経路上の特定地点に前記合流相手が到着する第1予定時刻を取得する取得手段、
自装置から前記特定地点への経路探索を行い、当該特定地点へ到着する第2予定時刻を算出する算出手段、
前記取得手段による第1予定時刻と前記算出手段による第2予定時刻とを比較して、前記合流相手への合流の可否を判定する判定手段、
前記判定手段による判定結果が合流可能である場合に前記算出手段による経路探索結果を前記合流相手への合流可能な経路として出力する出力手段、
として機能させる。
【0013】
請求項7に記載の発明は、合流相手の経路情報を取得し、
当該取得された経路情報に基づいて、当該経路情報が示す経路上の特定地点に前記合流相手が到着する第1予定時刻を取得し、
自装置から前記特定地点への経路探索を行い、当該特定地点へ到着する第2予定時刻を算出し、
前記第1予定時刻と前記第2予定時刻とを比較して、前記合流相手への合流の可否を判定し、
当該判定結果が合流可能である場合に前記算出された経路探索結果を前記合流相手への合流可能な経路として出力する経路探索方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、先行して移動している相手へ合流するための経路探索を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施の形態に係る各端末装置の接続状態を例示する概念図である。
【図2】端末装置の機能的構成を模式的に示すブロック図である。
【図3】相手へ合流するための経路探索処理の内容を例示するフローチャートである。
【図4】追い込み処理の内容を例示するフローチャートである。
【図5】端末装置における経路探索を例示する概念図である。
【図6】サーバ装置を用いた経路探索の変形例を例示する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明するが、この発明の範囲は以下の実施の形態に限定されない。
【0017】
先ず、図1、図2を参照して本実施の形態に係る端末装置を説明する。図1は、端末装置1、2の接続状態を例示する概念図である。図2は、端末装置1、2の機能的構成を模式的に示すブロック図である。
【0018】
図1に示すように、端末装置1、2は、通信ネットワークNにより互いに通信可能に接続される。端末装置1、2は、PC、携帯電話、PDA、ナビゲーション機能を有する車載装置などの情報機器などであってよい。通信ネットワークNは、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、電気通信事業者等の電話回線網や携帯電話通信網などであってよい。
【0019】
図2に示すように、端末装置1、2は、制御部10、表示部20、操作部30、通信部40、記憶部50を有する。なお、端末装置1、2は略同一な構成であるため、以後の説明では端末装置1の構成を説明する。
【0020】
制御部10は、端末装置1の動作を中央制御する。具体的には、制御部10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有している(いずれも特に図示しない)。制御部10は、ROMや記憶部50に記憶されたプログラムデータや各種データをRAMの作業領域に展開し、当該RAMに展開されたデータとCPUとの協働により各部へ制御信号を出力することで、上記中央制御を行う。
【0021】
表示部20は、制御部10から出力された表示制御信号に基づいた画像を表示画面に表示する。例えば、表示部20は、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)素子を用いたFPD(Flat Panel Display)などであってよい。
【0022】
操作部30は、ユーザからの操作入力を受け付け、当該操作入力に応じた操作信号を制御部10へ出力する。例えば、操作部30は、文字入力キー、数字入力キー、カーソルキー、その他各種機能に対応付けられたキーなどを有するキー入力部やマウスなどのポインティングデバイスであってよい。また、操作部30は、表示部20と一体的に形成されたタッチパネルなどであってもよい。
【0023】
通信部40は、制御部10の制御の下、通信ネットワークNを介して接続する他の装置との間で所定の通信プロトコルを用いたデータ通信を行う。具体的には、通信部40は、アンテナと無線通信回路を有する構成、又は、通信用IC(Integrated Circuit)と通信コネクタなどを有する通信インターフェイスなどである。
【0024】
記憶部50は、プログラムデータ51、地図データ52、運行データ53、経路情報54等の各種データを制御部10から読み書き可能に記憶する。例えば、記憶部50は、HDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリなどであってよい。
【0025】
プログラムデータ51は、制御部10のCPUとの協働により端末装置1の中央制御を実行させるためのプログラムコードが格納されたデータであり、制御部10に後述する処理を実行させる。
【0026】
地図データ52は、経路探索やナビゲーションなどに係る地図情報が格納されたデータである。運行データ53は、経路探索を行う際に参照されるデータであり、列車、バス、飛行機等の交通機関の路線データ、乗り換え案内、時刻表等の運行情報を格納している。
【0027】
経路情報54は、経路探索による経路探索結果である。この経路探索結果には、出発地点と出発予定時刻、到着地点と到着予定時刻、経由地点とその経由地点を通過する予定時刻、出発地点から到着地点までの道順や利用する交通機関に関する情報などが含まれる。
【0028】
なお、経路情報54において、出発地点から到着地点までの道順は、地図データ52が示す地図上の道路と関連付けられたデータであってよい。また、利用する交通機関に関する情報については、運行データ53が示す運行情報と関連付けられたデータであってよい。また、端末装置1は、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を通信部40などで受信して自装置の現在位置を取得する構成を有し、当該取得された現在位置と、上述した地図データ52、運行データ53、経路情報54と、に基づいて、経路探索結果に従った経路案内を現在位置を示しながら行ってもよい。
【0029】
次に、制御部10のCPUがプログラムデータ51との協働で制御する端末装置1、2の動作について、図3〜図5を参照して説明する。図3は、相手へ合流するための経路探索処理の内容を例示するフローチャートである。図4は、追い込み処理の内容を例示するフローチャートである。図5は、端末装置1における経路探索を例示する概念図である。
【0030】
図3に示すように、端末装置1では、相手へ合流するための経路探索処理が開始されると、操作部30から入力されるユーザの操作指示に基づいて、合流相手が経路探索を行った端末装置を指定するアドレス情報(MACアドレス、IPアドレス等)の入力が受け付けられる(ステップS11)。なお、上記経路探索処理の開始時において、端末装置1では、自分の出発地点と出発時刻が操作部30から受け付けられているものとする。
【0031】
なお、このステップS11では、合流相手の端末装置を直接指定することなく、合流相手を指定することで当該合流相手が使用している端末装置を指定する構成であってもよい。具体的には、データ通信を行う相手とその相手が使用する端末装置のアドレス情報とが互いに関連付けて登録されたユーザ情報を参照することで、指定された合流相手の端末装置を指定してもよい。
【0032】
次いで、端末装置1では、指定された合流相手の端末装置から当該端末装置で行われた経路探索結果である経路情報が取得される(ステップS12)。具体的には、ステップS12において、ステップS11で指定された合流相手の端末装置との間でデータ通信に関する通信セッションが確立される。この通信セッションが確立された後に経路情報が要求され、当該要求に基づいて合流相手の端末装置から送信された経路情報が受信される。
【0033】
なお、ユーザが他者(指定する合流相手)の経路情報を取得することになるため、情報セキュリティの観点から、データ通信の確立とともに、合流相手の端末装置側で、経路情報の送信を承認する処理を含めても良い。例えば、合流相手側の端末装置の表示画面に経路情報の送信要求があることを表示すると共に経路情報の送信の承認可否の選択を促し、情報を送信する側で当該送信処理を承認しない限り経路情報の送信が行われないような構成としてもよい。
【0034】
また、ここでは合流相手の経路情報を取得することが目的であり、上記のように端末装置間で通信を行い経路情報を取得する方法のみではなく、ユーザが合流相手の出発地点、目的地、出発時間を知っているならば、自身の端末装置の操作部30を介して合流相手の経路情報を入力するような構成としてもよい。
【0035】
次いで、端末装置1では、ステップS12で取得された経路情報に基づいて、出発地点から到着地点までの合流相手の経路における中間地点が合流候補である特定の地点として算出される(ステップS13)。
【0036】
このステップS13における特定の地点の算出は、出発地点から到着地点までの移動時間が略半分である地点、又は、出発地点から到着地点までの移動距離が略半分である地点のいずれであってもよい。また、特定の地点の算出では、地図データ52を参照することで、上記算出された地点近傍にある経路上のランドマーク(交差点や建物等)を算出してもよい。同様に、取得した経路情報が列車などの交通機関を利用したものである場合は、運行データ53を更に参照することで、上記算出された地点近傍にあり、利用する列車が停車する駅などを中間地点として算出してもよい。
【0037】
次いで、取得された合流相手の経路情報に基づいて、算出された特定の地点に合流相手が到着する予定時刻が取得される(ステップS14)。具体的には、ステップS14における到着予定時刻の取得は、合流相手の出発地点と出発予定時刻、及び、算出された特定の地点までの経路などから算出される。また、到着予定時刻は、取得された合流相手の経路情報に経路上の各地点の通過予定時刻が含まれる場合、算出された特定の地点と略一致する地点の通過予定時刻から取得されてもよい。
【0038】
次いで、算出された特定の地点に自分が到着するための経路探索と、その特定の地点へ到着する予定時刻が算出される(ステップS15)。このステップS15における経路探索及び到着予定時刻の算出は、自分の出発地点と出発時刻、及び、算出された特定の地点を探索条件として、地図データ52、運行データ53を参照することで行われる。ここでいう自分の出発地点と出発時刻とは、上述したGPS衛星を介して取得した自装置の現在位置と現在時刻であってもよいし、任意の地点と時刻をユーザが入力するようにしてもよい。
【0039】
次いで、ステップS14により得られた合流相手の特定地点への到着予定時刻と、ステップS15により得られた自分の特定地点への到着予定時刻と、が比較され、合流相手の到着予定時刻より自分の到着予定時刻の方が早く、合流可能であるか否かが判定される(ステップS16)。
【0040】
ステップS16において、合流可能であると判定された場合は、後述する追い込み処理が行われ(ステップS17)、RAMなどに一時記憶された経路、すなわち、合流候補である特定の地点に自分が到着するための経路探索により取得された経路が表示部20などに表示出力されて(ステップS18)終了する。
【0041】
また、ステップS16において、合流不可であると判定された場合は、取得された合流相手の経路情報に基づいた合流相手の到着地点から前回の処理で算出された合流候補として特定の地点までの経路における中間地点が次の合流候補である特定の地点としてステップS13と同様に算出される(ステップS19)。
【0042】
次いで、算出された次の合流候補である特定地点が合流相手の到着地点と略一致するか否かが判定される(ステップS20)。すなわち、このステップS20では、合流相手の到着地点に略一致するまで合流候補である特定の地点を絞り込んだため、合流相手が到着地点に到達するまでに合流できる可能性が無くなったか否かを判定している。
【0043】
ステップS20において、次の合流候補である特定地点が合流相手の到着地点と略一致する場合は、合流可能な経路がないことが表示部20などに表示出力されて(ステップS21)終了する。また、ステップS20において、次の合流候補である特定地点が合流相手の到着地点と略一致しない場合は、ステップS14に戻り、次の合流候補である特定地点に関する合流可否の判定が行われる。
【0044】
ここで、ステップS17における追い込み処理の内容について詳細に説明する。
【0045】
図4に示すように、追い込み処理が開始されると、操作部30からの操作指示や記憶部50に予め記憶された設定データなどに基づいて、追い込み回数の設定が行われ(ステップS31)、合流可能であると判定された経路がRAMなどに一時記憶される(ステップS32)。
【0046】
次いで、直近の処理で合流可能と判定された特定の地点から、直近の処理で合流不可と判定された特定の地点までの中間地点が次の合流候補である特定の地点としてステップS13と同様に算出される(ステップS33)。
【0047】
なお、ステップS33において、直近の処理で合流不可と判定された特定の地点が存在しない場合、すなわち、1回目のステップS16で合流可能と判定された場合は、直近の処理で合流可能と判定された特定の地点から、合流相手の出発地点までの中間地点が次の合流候補である特定の地点として算出される。
【0048】
次いで、ステップS14と同様に算出された特定の地点に合流相手が到着する予定時刻が取得され(ステップS34)、ステップS15と同様に特定の地点に自分が到着するための経路探索と、その特定の地点へ到着する予定時刻が算出される(ステップS35)。
【0049】
次いで、ステップS34により得られた合流相手の特定地点への到着予定時刻と、ステップS35により得られた自分の特定地点への到着予定時刻と、が比較され、合流相手の到着予定時刻より自分の到着予定時刻の方が早く、合流可能であるか否かが判定される(ステップS36)。
【0050】
ステップS36において、合流可能であると判定された場合は、ステップS32に戻り、再度ステップS32〜S35の処理が行われる。すなわち、端末装置1では、合流可能であると判定されている間、ステップS32〜S35の処理を行うことで、合流可能である地点を合流不可と判定された地点まで近づけることが可能となる。従って、端末装置1の経路探索結果に従って移動するユーザは、合流相手の出発地点に可能な限り近い地点で合流することができる。
【0051】
ステップS36において、合流不可であると判定された場合は、ステップS31において設定された追い込み回数がデクリメントされる(ステップS37)。次いで、追い込み回数の値が0であり、設定された追い込み回数分の追い込み処理が完了したか否かが判定され(ステップS38)、追い込み処理が完了していないと判定された場合(NO)は、ステップS33に戻り、ステップS33以降の処理が再度行われる。
【0052】
すなわち、端末装置1では、追い込み処理が完了したと判定されるまでステップS33以降の処理を行うことで、合流不可と判定された地点を合流可能である地点へ設定された追い込み回数分近づけて、合流の可否を再判定することが可能となる。
従って、端末装置1の経路探索結果に従って移動するユーザは、相手と合流不可となる直前の地点で合流することができる。また、端末装置1では、追い込み回数が設定可能であるため、追い込み処理による絞り込みの度合いをユーザが調整可能となっている。
【0053】
端末装置1では、上述した経路探索処理を行うことで、経路探索による探索結果に従って先行して移動している相手へ合流するための経路探索を行うことが可能となる。
【0054】
具体的には、図5に示すように、大阪を9:00に出発し、男鹿に18:40へ到着する、経路探索による経路情報に従って移動している合流相手に対し、当該合流相手の経路情報が取得される。次いで、その経路情報に基づいた中間地点の東京での合流の可否が判定される。合流相手の東京着が12:46、東京発が12:56であり、自分の東京着が13:58であるため、1回目の合流の可否判定では、合流不可となる。
【0055】
次いで、合流相手の到着地点である男鹿と合流不可と判定された東京の中間地点である仙台が次の合流候補とされ、同様に合流の可否判定が行われる。合流相手の仙台着が14:37、仙台発が14:38であり、自分の仙台着が14:17であるため、2回目の合流の可否判定では合流可能であると判定される。
【0056】
次いで、追い込み処理により、合流可能と判定された仙台と合流不可と判定された東京の中間地点が次の合流候補とされ、同様に合流の可否判定が行われる(追い込み1回目)。この追い込み1回目で合流不可と判定された場合は、その合流不可と判定された地点と合流可能と判定された仙台の中間地点が次の合流候補とされ、同様に合流の可否判定が行われる(追い込み2回目)。上述した追い込み処理が設定回数分行われることで、相手と合流不可となる直前の地点での経路探索が可能となる。
【0057】
なお、上記説明では、合流対象となる先行者が電車にて移動しており、後発者が空路と電車で移動する例を用いたが、移動手段はこれに限定されるものではなく、お互いに車で移動する場合や、どちらか一方が車で他方が電車等の交通機関を利用する等の様々な状況においても、同様に特定地点の設定、合流可否の判断、追い込み処理を実行することで、最も早く合流できる地点を算出することが可能となる。
【0058】
[変形例]
次に、上述した実施の形態の変形例として、サーバ装置を用いた経路探索について、図6を参照して説明する。図6は、サーバ装置3を用いた経路探索の変形例を例示する概念図である。
【0059】
図6に示すように、端末装置1a、2aと、サーバ装置3とは通信ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。端末装置1a、2aは、PC、携帯電話、PDA、ナビゲーション機能を有する車載装置などの情報機器などであり、上述した端末装置1、2と略同一の構成である。
【0060】
サーバ装置3は、WS(Work Station)やPC(Personal Computer)などの情報機器であり、記憶装置4とUSB(Universal Serial Bus)等の所定の通信インターフェイスを介して接続されている。サーバ装置3は、通信ネットワークNを介して端末装置1a、2aから指示された探索条件に従って記憶装置4に格納されたデータを参照することで図3〜図5に例示した経路探索を行い、探索の指示があった端末装置へ返信するなど、利用登録されたユーザに対して経路探索などのサービスを提供する。具体的には、サーバ装置3は、CGI(Common Gateway Interface)などにより経路探索を行うWebサーバであってよい。
【0061】
記憶装置4は、読み書き可能な磁気記録媒体(例えばHDD等)などによるストレージであり、地図データ41、運行データ42、経路情報43を記憶する。地図データ41、運行データ42は前述したプログラムデータ51、地図データ52と略同一のデータである。経路情報43は、サーバ装置3の利用登録が行われたユーザ毎の経路探索による経路探索結果である。
【0062】
上述した変形例に示すように、経路探索は、相手の端末装置からデータを受信して端末装置で行う構成以外に、サーバ装置3で行う構成であってもよい。
【0063】
以上のように、端末装置1は、合流相手の経路探索結果を示す経路情報が記憶された情報機器を指定する指定手段(操作部30)と、指定手段により指定された情報機器から合流相手の経路情報を受信する受信手段(通信部40)と、受信手段により受信された経路情報に基づいて、当該経路情報が示す経路上の特定地点に合流相手が到着する第1予定時刻を取得する取得手段(制御部10)と、特定地点への経路探索を行い、当該特定地点へ到着する第2予定時刻を算出する算出手段(制御部10)と、取得手段による第1予定時刻と算出手段による第2予定時刻とを比較して、合流相手への合流の可否を判定する判定手段(制御部10)と、判定手段による判定結果が合流可能である場合に算出手段による経路探索結果を合流相手への合流可能な経路として出力する出力手段(表示部20)と、を備える。
【0064】
従って、端末装置1は、経路探索による探索結果に従って先行して移動している相手へ合流するための経路探索を行うことができる。このため、端末装置1を用いるユーザは、先行して移動している相手と電話やメールなどを用いて待ちあわせ場所を取り決める必要がない。また、当該移動中である相手は、合流のために経路を変更する必要がなく、経路探索結果に従って移動しているだけでよい。
【0065】
また、端末装置1は、判定手段による判定結果が合流不可である場合に、経路情報が示す経路の到着地点と、特定地点との間で、次の特定地点を設定する設定手段(制御部10)を更に備え、判定手段は、設定手段により設定された次の特定地点に関する第1予定時刻及び第2予定時刻に基づいて、相手への合流の可否を再判定する。
【0066】
従って、端末装置1は、特定地点において相手と合流できない場合、その特定地点と合流相手の到着地点との間で次の特定地点を設定して合流の可否判定を行うことができる。このため、端末装置1では、合流相手の到着地点までの間で合流が可能となる地点を検索することができる。
【0067】
また、端末装置1は、判定手段による判定結果が合流可能である場合に、特定地点と、経路情報が示す経路の出発地点との間で、次の特定地点を設定する設定手段を更に備え、判定手段は、設定手段により設定された次の特定地点に関する第1予定時刻及び第2予定時刻に基づいて、相手への合流の可否を再判定する。
【0068】
従って、端末装置1は、特定地点において相手と合流できる場合、その特定地点と合流相手の出発地点との間で次の特定地点を設定して合否判定を行うことができる。このため、端末装置1では、特定地点で合流可能である場合であっても、合流相手の出発地点までの間で合流が可能となる地点を検索することができ、合流相手と共に行動する行程を長くするように経路探索を行うことができる。
【0069】
また、端末装置1は、判定手段による再判定を行う追い込み回数を設定する回数設定手段(操作部30、記憶部50)を更に備え、設定手段は、判定手段による再判定結果が合流不可である場合に、合流可能であると判定された特定地点に近づいた地点へ次の特定地点を順次再設定し、判定手段は、設定手段により再設定された次の特定地点に関する第1予定時刻及び第2予定時刻に基づいた再判定を、回数設定手段により設定された追い込み回数分順次行う。
【0070】
従って、端末装置1は、再判定結果が合流不可である場合に、合流可能であると判定された特定地点に近づいた地点へ次の特定地点を順次再設定した合流の可否判定を、設定された追い込み回数分順次行うことができる。このため、端末装置1では、相手と合流不可となるまで追い込んだ地点で経路探索を行うことができる。また、端末装置1では、上記追い込み度合いをユーザが調整可能である。
【0071】
なお、上述した実施の形態における記述は、一例を示すものであり、これに限定するものではない。上述した実施の形態における構成及び動作に関しては、適宜変更が可能である。
【0072】
例えば、以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてROMを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを、通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【符号の説明】
【0073】
1、1a、2、2a 端末装置
3 サーバ装置
4 記憶装置
N 通信ネットワーク
10 制御部
20 表示部
30 操作部
40 通信部
50 記憶部
51 プログラムデータ
41、52 地図データ
42、53 運行データ
43、54 経路情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合流相手の経路情報を取得する経路情報取得手段と、
前記経路情報取得手段により取得された経路情報に基づいて、当該経路情報が示す経路上の特定地点に前記合流相手が到着する第1予定時刻を取得する取得手段と、
自装置から前記特定地点への経路探索を行い、当該特定地点へ到着する第2予定時刻を算出する算出手段と、
前記取得手段による第1予定時刻と前記算出手段による第2予定時刻とを比較して、前記合流相手への合流の可否を判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果が合流可能である場合に前記算出手段による経路探索結果を前記合流相手への合流可能な経路として出力する出力手段と、
を備える経路探索装置。
【請求項2】
前記経路情報取得手段は、
前記合流相手の経路情報が記憶された情報機器を指定する指定手段と、
前記指定手段により指定された情報機器から前記合流相手の経路情報を受信する受信手段と、
を備える請求項1に記載の経路探索装置。
【請求項3】
前記判定手段による判定結果が合流不可である場合に、前記経路情報が示す経路の到着地点と、前記特定地点との間で、次の特定地点を設定する設定手段を更に備え、
前記判定手段は、前記設定手段により設定された次の特定地点に関する前記第1予定時刻及び前記第2予定時刻に基づいて、前記相手への合流の可否を再判定する請求項1又は2に記載の経路探索装置。
【請求項4】
前記判定手段による判定結果が合流可能である場合に、前記特定地点と、前記経路情報が示す経路の出発地点との間で、次の特定地点を設定する設定手段を更に備え、
前記判定手段は、前記設定手段により設定された次の特定地点に関する前記第1予定時刻及び前記第2予定時刻に基づいて、前記相手への合流の可否を再判定する請求項1又は2に記載の経路探索装置。
【請求項5】
前記判定手段による再判定を行う追い込み回数を設定する回数設定手段を更に備え、
前記設定手段は、前記判定手段による再判定結果が合流不可である場合に、前記合流可能であると判定された特定地点に近づいた地点へ前記次の特定地点を順次再設定し、
前記判定手段は、前記設定手段により再設定された次の特定地点に関する前記第1予定時刻及び前記第2予定時刻に基づいた再判定を、前記回数設定手段により設定された追い込み回数分順次行う請求項4に記載の経路探索装置。
【請求項6】
コンピュータを、
合流相手の経路情報を取得する経路情報取得手段、
前記経路情報取得手段により取得された経路情報に基づいて、当該経路情報が示す経路上の特定地点に前記合流相手が到着する第1予定時刻を取得する取得手段、
自装置から前記特定地点への経路探索を行い、当該特定地点へ到着する第2予定時刻を算出する算出手段、
前記取得手段による第1予定時刻と前記算出手段による第2予定時刻とを比較して、前記合流相手への合流の可否を判定する判定手段、
前記判定手段による判定結果が合流可能である場合に前記算出手段による経路探索結果を前記合流相手への合流可能な経路として出力する出力手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
合流相手の経路情報を取得し、
当該取得された経路情報に基づいて、当該経路情報が示す経路上の特定地点に前記合流相手が到着する第1予定時刻を取得し、
自装置から前記特定地点への経路探索を行い、当該特定地点へ到着する第2予定時刻を算出し、
前記第1予定時刻と前記第2予定時刻とを比較して、前記合流相手への合流の可否を判定し、
当該判定結果が合流可能である場合に前記算出された経路探索結果を前記合流相手への合流可能な経路として出力する経路探索方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−53125(P2011−53125A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−203313(P2009−203313)
【出願日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】