説明

給排気調整装置、給排気調整システム

【課題】 操作圧力(排気圧力)を使用状況に応じて調整することができる給排気調整装置及び給排気調整システムを提供すること。
【解決手段】
第1ポート31及び第2ポート32を連通する主流路331が形成された本体部30と、本体部30に対して主流路331を流れる排気をニードル弁7により調整可能にするスピードコントローラ5を備える給排気調整装置3において、主流路331に対してバイパス流路332が形成されていること、バイパス流路332を流れる排気を調整可能にするリリーフ弁6を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1ポート及び第2ポートを連通する主流路が形成された本体部と、本体部に対して主流路を流れる排気をニードル弁により調整可能にするスピードコントローラを備える給排気調整装置、及び給排気調整装置を有する給排気調整システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給排気調整装置は、例えば、半導体製造装置において、薬液を制御するエアオペレイトバルブ等のエアを給気供給加圧又は排気調整する装置として用いられている。また、エアシリンダ等のエアを給気供給加圧又は排気調整する装置として用いられる。
エアオペレイトバルブ等については、エアを給気供給加圧又は排気することにより弁体を弁座に当接または離間させることができる。例えば、エアオペレイトバルブでは、一般に、弁閉時にウォータハンマ現象を引き起こすことがある。
【0003】
ここで、ウォータハンマ現象について簡単に説明する。
エアオペレイトバルブにおいて、出力ポート側に向けて流路を流れている流体は、弁体を急激に弁閉させると、弁閉直後においても、流体の慣性力により、なおも弁体より出力ポート側の流体流路に流れようとする。すると、出力ポート側の流路では流体は負圧となり、正圧に戻るときに衝撃を発するウォータハンマ現象が生じる。
ウォータハンマ現象が起きると、流体制御弁と接続する配管等が振動して、当該エアオペレイトバルブ自体や、この弁周辺の配管部材、配管上の計測機器類等に破損や不具合を引き起こす恐れがある。
そこで、このようなウォータハンマ現象の発生を抑制または阻止するため、様々な工夫がなされたものが開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
特許文献1に、操作圧力により動作する逆止弁と、ニードル弁が備えられたエアオペレイトバルブが記載されている。特許文献1のエアオペレイトバルブの主弁体を主弁座に当接されるため弁閉動作を開始した第1排気状態において、逆止弁は弁開状態にある。そのため、逆止弁を挿通したエアは、大気に開放される。その結果、エアオペレイトバルブの主弁体は主弁座方向へと下降する。
続いて、エアオペレイトバルブの主弁体が主弁座に近づいた状態の第2排気状態において、逆止弁は弁閉状態となる。エアはニードル弁を介して少量ずつ排気される。
したがって、特許文献1のエアオペレイトバルブによれば弁閉状態に近い第2排気状態になるとエアはニードル弁を介して少量ずつ排気される。そのため、主弁体は主弁座に対してゆっくりと当接する。したがって、ゆっくり当接することにより、ウォータハンマの発生を抑制することができる。
【0005】
特許文献2には、エアオペレイトバルブにリリーフ弁を形成することで、第2排気状態をリリーフ弁により排気する。そのため、ウォータハンマを抑制することができる旨記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−120921号公報
【特許文献2】特開2009−180338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術には、以下の問題があった。
すなわち、特許文献1のエアオペレイトバルブは、逆止弁が一体に形成されている。逆止弁が一体に形成されていると、使用状況に応じて第1排気状態における排気を調整することができない。
特許文献2のエアオペレイトバルブでは、第1排気状態における排気を調整することができない。
そのため、エアオペレイトバルブの大きさが異なる場合や、使用状況あるいは仕様によって複数の空気圧を用いるような条件が異なる場合においては、その都度専用のエアオペレイトバルブを用意しなければならないため問題となる。また、エアオペレイトバルブを様々な仕様に合わせ個別に設計することはコストアップにつながり問題となる。
また、エアシリンダについても、使用状況あるいは仕様によって排気を調整し開閉時間を調整することを希望する場合がある。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は排気を使用状況に応じて調整することができる給排気調整装置、及び給排気調整システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の一態様における給排気調整装置、及び給排気調整システムは、以下の構成を有する。
(1)第1ポート及び第2ポートを連通する主流路が形成された本体部と、前記本体部に対して前記主流路を流れる排気をニードル弁により調整可能にするスピードコントローラを備える給排気調整装置において、前記主流路に対してバイパス流路が形成されていること、前記バイパス流路を流れる排気を調整可能にするリリーフ弁を有すること、を特徴とする。
【0010】
(2)(1)に記載する給排気調整装置において、前記リリーフ弁及び前記ニードル弁を用いて排気する第1排気状態と、前記リリーフ弁を弁閉し、前記ニードル弁のみを用いて排気する第2排気状態と、を有すること、が好ましい。
【0011】
(3)(1)又は(2)に記載する給排気調整装置において、前記リリーフ弁及び前記ニードル弁の弁開度を調整することにより、前記第1ポートから排出される前記排気の排気時間を調整すること、が好ましい。
【0012】
(4)(2)に記載する給排気調整装置において、前記第1排気状態及び前記第2排気状態を有することにより多段階的に排気することができること、が好ましい。
【0013】
(5)(1)乃至(4)のいずれか一つに記載する給排気調整装置において、ウォータハンマを抑制することができること、が好ましい。
【0014】
(6)(1)乃至(5)のいずれか一つに記載する給排気調整装置において、ノーマルオープンタイプ又はノーマルクローズタイプであること、が好ましい。
【0015】
(7)(1)乃至(6)のいずれか一つに記載する給排気調整装置において、エアオペレイトバルブが一体であること、が好ましい。
【0016】
(8)(1)乃至(6)のいずれか一つに記載する給排気調整装置において、ソレノイドバルブが一体であること、が好ましい。
【0017】
(9)(1)乃至(8)のいずれか一つに記載する給排気調整装置を有する給排気調整システムにおいて、前記給排気調整装置が複数個備えられていること、前記複数の給排気調整装置が直列的又は並列的に配置されていること、が好ましい。
【発明の効果】
【0018】
上記給排気調整装置、及び給排気調整システムの作用及び効果について説明する。
(1)主流路を流れる排気を調整するニードル弁と、主流路に対して形成されたバイパス流路を流れる排気を調整可能にするリリーフ弁とを有する。また、ニードル弁とリリーフ弁はともに排気を調整することができるため、ピストンを有する機器に対する排気を使用状況に応じて調整することができる。
排気を使用状況に応じて調整することができるため、エアオペレイトバルブ等の弁閉時間を短くすることができる。弁閉時間を短くすることで、半導体製造装置において半導体を従来よりも多く生産することができ生産性を向上させることができる。さらに、弁閉時間を短くすることにより、正確な薬液等の供給ができるため半導体の品質を向上させることもできる。
また、リリーフ弁及びニードル弁を有するため、エアオペレイトバルブ等の大きさが異なる場合や、現場によって複数の空気圧を用いるような条件が異なる場合においても、エアオペレイトバルブ等の弁閉時間を調整し短くすることができる。そのため、エアオペレイトバルブ等について専用品を用意する必要がないためコストダウンをすることができる。
また、排気を使用状況に応じて調整することができるため、エアシリンダの動作時間を短くすることができる。
【0019】
(2)上記(1)に記載する作用効果のほか、リリーフ弁及びニードル弁を用いて第1排気状態で排気することにより、排気エアを多量とすることができる。そのため、エアオペレイトバルブ等に本給排気調整装置を用いた場合には、主弁体を主弁座方向に素早く移動させることができる。また、リリーフ弁を弁閉し、ニードル弁を用いて第2排気状態で排気することにより、排気エアを少量とすることができる。そのため、エアオペレイトバルブ等の主弁体と主弁座が当接する手前から主弁体の移動速度が遅くなり、主弁体を主弁座に対してゆっくり弁閉させることができる。
すなわち、主弁体を速く閉じたい部分では第1排気状態となり排気エアを多量とすることができ、主弁体をゆっくり閉じたい部分では第2排気状態なり排気エアを少量とすることができる。
また、第1排気状態において排気エアを多量としたい場合には、リリーフ弁を調整し、排気量が多い時間を長くすることができる。リリーフ弁を調整し排気量が多い時間を長くすることにより、主弁体を主弁座方向に素早く移動させることができる。
【0020】
(3)(1)又は(2)に記載する作用効果のほか、リリーフ弁及びニードル弁の弁開度を調整することができることにより、第1ポートから排出される排気の排気時間を調整することができる。すなわち、リリーフ弁及びニードル弁の弁開度を調整し排気を調整できるため、主弁体と主弁座の当接するために必要とされる排気の排気時間を調整することができる。排気の排気時間を調整することができることにより、エアオペレイトバルブの主弁体が主弁座に当接する時間を調整することができるため、エアオペレイトバルブをウォータハンマが起きることなく素早く弁閉させることができる。また、排気の排気時間を調整することができるため、エアシリンダ等を用いた場合には、動作時間を調整することができる。
【0021】
(4)(2)に記載する作用効果のほか、第1排気状態及び第2排気状態を有することにより多段階的に排気することができる。すなわち、第1排気状態と第2排気状態で排気の流量が異なる。そのため、第1排気状態と第2排気状態とではエアオペレイトバルブの開閉速度を多段階的に変更することができる。または、エアシリンダの動作速度を多段階的に変更することができる。
【0022】
(5)(1)乃至(4)に記載する作用効果のほか、ウォータハンマを抑制することができる。すなわち、多段階的に排気することができるため、第1排気状態では排気を多量に行い、第2排気状態では排気を少量行うことにより、弁閉時の弁体の速度をゆっくりすることができる。それにより、ウォータハンマを抑制することができる。
【0023】
(6)(1)乃至(5)に記載する作用効果のほか、給排気調整装置をノーマルオープンタイプ又はノーマルクローズタイプとして使用することができるため、作業現場において臨機応変に使用することができる。
【0024】
(7)(1)乃至(6)に記載する作用効果のほか、エアオペレイトバルブが一体であることにより、エアオペレイトバルブの第1排気状態及び第2排気状態における弁閉時間を調整することができる。また、エアオペレイトバルブと給排気調整装置を結ぶ配管が必要なくなるため省スペース化を図ることができる。
【0025】
(8)(1)乃至(6)に記載する作用効果のほか、ソレノイドバルブが一体であることにより、ソレノイドバルブと給排気調整装置を結ぶ配管が必要なくなるため省スペース化を図ることができる。
【0026】
(9)(1)乃至(8)に記載する作用効果のほか、給排気調整装置が複数個備えられていること、複数の給排気調整装置が直列的又は並列的に配置されていることにより、エアオペレイトバルブ等を多段階的に動作可変することができる。すなわち、第1給排気調整装置が第2給排気調整装置への流体の供給量を調整することができ、さらに第2給排気調整装置がエアオペレイトバルブ等への流体の供給量を調整することができるため、多段階的に動作可変することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る給排気調整装置のエア給気時の断面図である。
【図2】本発明に係る給排気調整装置のエア排気時(第1排気状態)の断面図である。
【図3】本発明に係る給排気調整装置のエア排気時(第2排気状態)の断面図である。
【図4】本発明に係る給排気調整システムの全体構成図である。
【図5】本発明に係る給排気調整装置を用いた場合のエアオペレイトバルブの操作圧力(排気圧力)と時間との関係を表した図である。
【図6】従来技術に係るスピードコントローラを用いた場合のエアオペレイトバルブの操作圧力(排気圧力)と時間との関係を表した図である。
【図7】本発明に係る給排気調整システムの変形例1の全体構成図である。
【図8】本発明に係る給排気調整システムの変形例2の全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、本発明に係る給排気調整装置の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0029】
<給排気調整システムの全体構成>
図4に給排気調整システム1の全体構成図を示す。
給排気調整システム1は、エアオペレイトバルブ2を開閉させるためのシステムである。図4に示すように、給排気調整システム1は、エアオペレイトバルブ2、給排気調整装置3、及び、ソレノイドバルブ4を有する。エアオペレイトバルブ2とソレノイドバルブ4は流路で連結されており、給排気調整装置3は流路に接続されている。
エアオペレイトバルブ2及びソレノイドバルブ4は従来技術と変わるところがないため詳細な説明を割愛する。
なお、本実施形態においてはエアオペレイトバルブ2の給排気を調整することとしたが、エアを供給又は排気することによりピストンが摺動するものであれば給排気調整システム1に組み込むことができる。例えばピストンが摺動するエアシリンダ等がある。
【0030】
<給排気調整装置の全体構成>
図1に、エア給気時の給排気調整装置3の断面図を示す。図2に、エア排気時(第1排気状態)の給排気調整装置3の断面図を示す。図3に、エア排気時(第2排気状態)の給排気調整装置3の断面図を示す。
図1に示す給排気調整装置3は、スピードコントローラ本体5、リリーフバルブ本体6、装置本体部30を有する。スピードコントローラ本体5及びリリーフバルブ本体6は装置本体部30に取り付け固設されている。
【0031】
図1に示すように、装置本体部30には第1ポート31及び第2ポート32が形成され、第1ポート31と第2ポート32は流路33で連通している。流路33は、第1ポート31、第1収納孔34を連通し第2ポート32へと連通する主流路331を有する。また、第1収納孔34と第2収納孔35を連通し主流路331に連通するバイパス流路332を有する。
【0032】
<スピードコントローラ本体の構成>
図1に示すように、スピードコントローラ本体5は、主流路331を流れるエアの流量を調整するものである。スピードコントローラ本体5は、装置本体部30に形成された第1収納孔34に着脱可能に収容されている。
スピードコントローラ本体5は、中心部に近い方から、ボディ51、ボディ51の上部に当接した回転可能な回転部52、ボディ51及び回転部52の外周に外筒部54、外筒部54の外周に操作部55が形成されている。
【0033】
ボディ51及び回転部52の中心であり軸心方向の内部にニードル弁7を挿入するためのニードル弁孔58が形成されている。また、ニードル弁孔58は、小径孔58a及び大径孔58bにより構成されている。小径孔58aが大径孔58bと当接する当接部の円周状の端部には弁座51aが形成されている。大径孔58bは、ボディ51の外周部に形成された主流路331と連通する外周連通流路58dと連通している。
ニードル弁孔58のうち、大径孔58bとニードル弁7が当接する部分には、雌ネジ58cが形成されている。回転部52の外周部のうち、操作部55の雌ネジ55bと当接する部分に、雄ネジ52aが形成されている。
【0034】
図1に示す、ボディ51は第1収納孔34の孔径とほぼ同じ径の大径部51cと、大径部51cの先端部に第1収納孔34の径孔よりも孔径が小さい小径部51dを有する。大径部51cと第1収納孔34の孔径がほぼ同じ径であることにより第1収納孔34をシールすることができる。
小径部51dの先端外周状には、弾性部材であるパッキン510を収納する収納凹部51eが形成されている。パッキン510は、収納凹部51eに嵌合されることにより、固定されている。パッキン510は中空円筒状の円筒部511と、円筒部511に対して外周方向に傘状に広がり弾性変形可能な変形部512が形成されている。変形部512は図1中下方向に傘状に広がっているため、上方向からエアが流出した場合には変形部512が弾性変形し、主流路331が挿通する。他方、図2及び図3に示すように、主流路331方向からエアが流出した場合変形部512は傘状の内側にエアが流出し変形部512は広がり、主流路331を塞ぐ。
【0035】
ニードル弁7は、自らが有するニードル部71を小径孔58aへ挿入し、挿入する深さを調整することにより流路面積を調整するものである。ニードル弁7は、本体部72と本体部72の先端に固定され先細のテーパ形状に形成されたニードル部71を有する。本体部72のうち、大径孔58bと当接する部分に、雄ネジ74が形成されている。雄ネジ74はニードル弁孔58に形成された雌ネジ58cと螺合する。また、本体部72には、略直方体形状の中空部であるガイド孔73が形成されている。ガイド孔73が外筒54に固定されたガイド棒57によりガイドされる。それにより、ニードル弁7は回転方向の移動が規制され、軸心方向にのみ移動が可能となる。
本実施形態においては、ニードル部71は、弁座51aから僅かに離間した状態にある。そのため、ニードル部71と弁座51aの隙間の小径孔58aからエアが流出入することができる。
【0036】
外筒54は、ボディ51及び回転部52の位置を固定するためのものである。外筒54の中心であり軸心方向の内部にボディ51及び回転部52を挿入するための外筒中空部54aが形成されている。ボディ51及び回転部52は外筒中空部54aに挿入されることにより位置が固定され、軸心方向及び径方向に動くことはない。なお、回転部52は回転可能に挿入されているため、回転動作をすることができる。
【0037】
操作部55は、ニードル弁7を操作するためのものであり、操作部55を操作することにより、ニードル弁7を弁座51a方向に移動させることができる。操作部55の中心部には、回転部52及び外筒54を挿入するための操作中空部55aが形成されている。操作中空部55aの内壁面のうち回転部52の雄ネジ52aと当接する部分に、雌ネジ55bが形成されている。
【0038】
<リリーフバルブ本体の構成>
図1に示すように、リリーフバルブ本体6は、バイパス流路332を流れるエアの流量を調整するものである。リリーフバルブ本体6は、装置本体部30に形成された第2収納孔35に収容されている。
リリーフバルブ本体6は、中心部に近い方から、リリーフ弁61、及び位置決め部材63が形成されている。
【0039】
リリーフ弁61は、第2収納孔弁座37に対して当接離間することでバイパス流路332の流量を調整するためのものである。リリーフ弁61は、内側に円筒部612を有し、円筒部612の先端部には弁体部614が形成されている。円筒部612の中間部には、バイパス流路連通孔616が形成されている。円筒部612のうち弁体部614に近い部分の外周方向に外周円設部617が形成されている。外周円設部617の径は、第2収納孔35の径とほぼ同じ径であることにより操作圧力(排気圧力)を受けることができる。
円筒部612の内部には内部流路618が形成されており内部流路618は弁体部614と当接する部分まで伸びている。外周円設部617の下面には十字形状に内部流路618と連通する連通内部流路613が形成されている。
弁体部614は先端テーパ形状となっており、テーパ部の途中にOリング615が固設されている。Oリング615が第2収納孔弁座37に当接することにより第2収納孔弁座37を確実にシールすることができる。
【0040】
位置決め部材63の中心であり軸心方向の内部にリリーフ弁61を挿入するための位置決め中空孔631が形成されている。リリーフ弁61の円筒部612の上端の部分が位置決め中空孔631に挿入された形となっている。位置決め部材63の下端面に弾性部材62の一端が固設され、リリーフ弁61の外周円設部617の上面に弾性部材62の他端が固設されている。図1においては、リリーフ弁61は弾性部材62により位置決め部材63から遠ざかる方向へ付勢されるため、リリーフ弁61は第2収納孔弁座37に当接している。
【0041】
位置決め部材63の外周部には位置決め部材63を内包し装置本体部30と一体成型されたリリーフ弁固定体64が形成されている。リリーフ弁固定体64の中心であり軸心方向内部に位置決め部材63を挿入するための固定体孔641が形成されている。固定体孔641は、第2収納孔35と連通している。
位置決め部材63の外周には雄ネジ632が形成されている。また固定体孔641の内周面には雌ネジ642が形成されている。雄ネジ632と雌ネジ642は螺合している。位置決め部材63の上端部にはハンドル65が一体成型されている。そのため、ハンドル65を本実施形態においては右回りに回転することにより位置決め部材63が同様に回転し、位置決め部材63は下(弁閉)方向へ移動する。反対に左回りにハンドル65を回転すると位置決め部材63は上(弁開)方向へ移動する。位置決め部材63が移動することにより、リリーフ弁61も同様に移動しリリーフ弁61の位置を位置決めすることができる。
【0042】
<給排気調整システムの作用効果>
続いて、給排気調整システム1の作用効果について、図1乃至図5を用いて説明する。
図5は、給排気調整装置3を用いた場合のエアオペレイトバルブ2の弁閉時間と操作圧力(排気圧力)との関係を表した図である。図5は、縦軸がエアオペレイトバルブ2内のエアの圧力(KPa)及びエアオペレイトバルブ2のバルブストローク量を示し、横軸が時間(msec)を示す。また、実線Xは操作圧力(排気圧力)の値を示し、実線Yはエアオペレイトバルブ2のバルブストロークを示す。
スピードコントローラ5により給気されている状態を給気状態T0とする。リリーフ弁61及びニードル弁7により排気されている状態を第1排気状態T1とする。リリーフ弁61を弁閉し、ニードル弁7により排気されている状態を第2排気状態T2とする。
【0043】
<エアオペレイトバルブに対する給気>
図4のソレノイドバルブ4から給排気調整装置3を介してエアオペレイトバルブ2に対してエアを供給する。図1に示すように、ソレノイドバルブ4から供給されたエアは、第1ポート31から第2ポート32へと流れる。給気時のエア圧力は、図5の実線Xで示すように、給気状態T0において一定の500KPaである。図1に示すように、第1ポート31から流出したエアは、パッキン510を図1中、上方向から押圧する。パッキン510は外周方向に傘状に広がるため、エアは変形部512を弾性変形させ主流路331を挿通した状態とする。そのため、エアは主流路331を大量に流れることができる。
また、本実施形態においては、ニードル弁7は、弁座51aから僅かに離間した状態にある。そのため、上記主流路331以外にニードル弁孔58のうち小径孔58aからエアが僅かに流出し、主流路331に流出している。
【0044】
他方、図1に示す状態においては、エアの圧力は500KPaと高い。そして、圧力の高いエアは流路33の全てに行き渡っているため、流路33内の圧力は一定である。したがって、弾性部材62の付勢力は通常通り働くため、リリーフ弁61は第2収納孔弁座37に当接され第2収納孔弁座37は弁閉した状態となる。バイパス流路332は閉鎖された状態となり、エアはバイパス流路332から流れることはない。
したがって、エアオペレイトバルブ2に対して給気する場合は図1に示すように、第1ポート31から流出したエアは主流路331を挿通し、第2ポート32へ流れる流体に限られる。給気時には、パッキン510を弾性変形させ主流路331に容積の大きい流路が形成されるため、エアを十分に供給することができる。図5に示すように、給気状態T0においては、エアオペレイトバルブ2のバルブストロークは実線Yで示すように全開状態にある。また、操作圧力(排気圧力)は実線Xに示すように一定の高い値となっている。
【0045】
<エアオペレイトバルブからの排気>
(第1排気状態)
始めに、図2及び図5を用いて給排気調整装置3のエア排気時(第1排気状態)の説明をする。
図4のエアオペレイトバルブ2から給排気調整装置3を介してソレノイドバルブ4に対してエアを排気する。
第1に、第1ポート31からのエアの供給が止まる。エアの供給が止まることにより、エアにより弾性変形していたパッキン510の傘部が広がり主流路331を閉鎖した状態とする。主流路331はパッキン510により閉鎖され、さらに、バイパス流路332はリリーフ弁61により閉鎖されているため、第1ポート31側のエアは流れ、第1ポート31側の圧力は低下する。
【0046】
第2に、第2ポート32側には500KPaの高い操作圧力(排気圧力)のエアがそのまま保持された状態にある。その理由は、主流路331はパッキン510により閉鎖され、さらに、バイパス流路332はリリーフ弁61により閉鎖されているため、第2ポート32側の流路内には給気状態の際に給気された操作圧力(排気圧力)の高いエアが保持されるためである。第2ポート32側の流路が圧力の高いエアで満たされ、第1ポート31側の流路の圧力が低下することにより、そこには圧力差が生じる。そこで、リリーフ弁61は第2ポート32側のエアの圧力により図2中、上方向へ押圧される。リリーフ弁61を上方向へ押圧するエアの圧力は、弾性部材62の付勢力より大きいため、図2に示すように、リリーフ弁61は上昇した状態となり、リリーフバルブ本体6は弁開した状態となる。リリーフバルブ本体6が弁開状態にあるとき、エアは連通内部流路619から内部流路618を介し、バイパス流路連通孔616を通りバイパス流路332へと流出する。したがって、第2ポート32から排気されたエアはリリーフバルブ本体6を介してバイパス流路332を挿通し、第1ポート31へと排気される。
【0047】
他方、本実施形態においては、ニードル弁7は、弁座51aから僅かに離間した状態にある。そのため、ニードル弁孔58のうち小径孔58aからエアが僅かに流出し、主流路331を介し、第1ポート31へ流出する。なお、ニードル弁7から流出するエアは僅かであり、第1ポート31側と第2ポート32側の流路のエアの圧力差に影響を与えるようなものではない。
【0048】
第3に、第2ポート32側にある一定量の図5に示す実線Xに示す圧力X1の500KPaの排気圧力がリリーフバルブ本体6を介して第1ポート31へと排気される。それにより、第2ポート32側の流路の圧力が圧力X2の値になる。他方、第1ポート31側の流路は流れてきた圧力X3の排気圧力により圧力が高くなる。その結果、第1ポート31側の流路の圧力と第2ポート32側の流路の圧力がともに圧力X3となる。そのため、給排気調整装置3内の圧力差がなくなりリリーフ弁61は、弾性部材62の付勢力より図3中、下方向へ押圧される。リリーフ弁61が第2収納孔弁座37と当接することでバイパス流路332を閉鎖する。したがって、バイパス流路332を大量のエアが流出できなくなる。
【0049】
上記第3の場合においても、ニードル弁7は、弁座51aから僅かに離間した状態にある。そのため、ニードル弁孔58のうち小径孔58aからエアが僅かに流出し、主流路331を介し、第1ポート31へ流出している。
【0050】
第1排気状態においては、リリーフバルブ本体6内のバイパス流路332に容積が大きい流路が形成されるため、エアを十分に排気することができる。したがって、速くエアを排気することができる。そのため、図5に示す実線YのストロークY1からY2にかけてバルブストロークを急激に下げることができる。
【0051】
また、本実施形態においては、第1排気状態T1の始まりは、図5に示す実線Xが下がり始める圧力X1からであり、第1排気状態T1の終わりは実線Xが約250KPaを超えて圧力がなだらかになる圧力X2までである。操作圧力(排気圧力)が圧力X2を超えるまでの時間は100msecである。圧力X2を超えると、第1ポート31側の流路と第2ポート32側の流路の圧力差が小さくなり、リリーフ弁61は弁閉するため、実線Xは圧力X2以降なだらかになるのである。したがって、リリーフ弁61が100msecの短い時間で急激に弁開弁閉をするため、図5に示すようにエアオペレイトバルブ2のバルブストロークをストロークY1からY2まで直に移動することができる。ストロークY2は弁開状態から弁開状態へ向けて約半分動作した状態である。弁閉時間を短くすることで、半導体製造装置において半導体を従来よりも多く生産することができるため生産性を向上させることができる。
【0052】
(第2排気状態)
続いて、給排気調整装置3のエア排気時(第2排気状態)の説明をする。
第4に、エアはバイパス流路332から流出できなくなる。そのため、エアが流出するのはニードル弁孔58のうち小径孔58a、外周連通流路58dを介して主流路331に流出し、第1ポート31へ流出するだけとなる。
したがって、操作圧力(排気圧力)は少なくなるため図5の実線Yに示すようにバルブストロークは第2排気状態T2以降のストロークY2からY3までは時間が掛かり遅くなる。本実施形態においては、第2排気状態T2以降のストロークY2からY3までは100msec〜200msec掛かる。そのため、エアオペレイトバルブ2の主弁体が主弁座に当接するまで時間が遅くなる。エアオペレイトバルブ2の主弁体が主弁座に当接するまでのバルブストロークをゆっくりすることができるため、主弁体と主弁座が衝突(急激に当接)する際に生じるウォータハンマを抑制することができる。
【0053】
すなわち、エアオペレイトバルブ2の操作圧力(排気圧力)を急激に低下させるのではなく、ニードル弁7を用いてエアを僅かずつに流すことで、急激な操作圧力(排気圧力)の減少によるウォータハンマを抑制することができる。ウォータハンマを抑制することができることにより、パーティクルの低減を図ることができる。また、エアオペレイトバルブ2の急激な弁閉を防止することができるため、エアオペレイトバルブ2の耐久性を向上させることができる。
【0054】
本実施形態によれば、図1乃至図3に示すニードル弁7は、操作部55を回転させることにより、軸心方向に移動することができる。すなわち、操作部55の雌ネジ55aと回転部52の雄ネジ52aが螺合し、さらに回転部52の雌ネジ55bとニードル弁7の雄ネジ74が螺合することで差動ネジとして機能する。差動ネジとして機能することによりニードル弁7の軸心方向の調整を行うことができる。ニードル弁7の軸心方向の調整を行えることにより、第2排気状態における主流路331を流れる排気流量を調整することができる。そのため、第2排気状態における排気時間を調整することができる。第2排気状態における排気時間を調整することができることにより、エアオペレイトバルブ2をウォータハンマが起きることなく素早く弁閉することができる。
【0055】
また、本実施形態によれば、図1乃至図3に示すリリーフ弁61は、ハンドル65を回転させることにより、軸心方向に移動することができる。すなわち、ハンドル65を回転させることにより位置決め部材63の雄ネジ632がリリーフ弁固定体64の雌ネジ642と螺合し軸心方向に移動することができる。位置決め部材63が軸心方向に移動することにより、リリーフ弁61の位置を移動することができる。そのため、第1排気状態におけるバイパス流路332を流れる排気を調整することができる。第1排気状態における排気時間を調整することができることにより、エアオペレイトバルブ2を素早く弁閉することができる。そのため、半導体製造装置において半導体を従来よりも多く生産することができ生産性を向上させることができる。
【0056】
また、本実施形態によれば、図1乃至図3に示すニードル弁7及びリリーフ弁61を調整することができることにより、第1排気状態及び第2排気状態における操作圧力(排気圧力)を調整することができる。ニードル弁7及びリリーフ弁61は、既存のエアオペレイトバルブに対して後付け可能な給排気調整装置3に装着されている。そのため、既存のエアオペレイトバルブを後から設置した給排気調整装置3により弁閉時間を調整することができるため、様々なエアオペレイトバルブに対応することができる。すなわち、エアオペレイトバルブの大きさが異なる場合や、現場によって複数の空気圧を用いるような条件が異なる場合においても、エアオペレイトバルブの弁閉時間を調整することができるため、様々な仕様に合わせ個別にエアオペレイトバルブを用意する必要がない。したがって、エアオペレイトバルブの個別設計に対するコストを削減することができる。
【0057】
また、本実施形態によれば、第1排気状態T1及び第2排気状態T2を有することにより多段階的に排気することができる。すなわち、第1排気状態T1と第2排気状態T2で排気の流量が異なる。そのため、第1排気状態T1と第2排気状態T2とではエアオペレイトバルブ2の開閉速度を多段階的に変更することができる。または、エアシリンダの動作速度を多段階的に変更することができる。
【0058】
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)主流路331を流れる操作圧力(排気圧力)を調整するニードル弁7と、主流路331に対して形成されたバイパス流路332を流れる操作圧力(排気圧力)を調整可能にするリリーフ弁61とを有する。また、ニードル弁7とリリーフ弁61はともに操作圧力(排気圧力)を調整することができるため、エアオペレイトバルブ2に対する操作圧力(排気圧力)を使用状況に応じて調整することができる。
操作圧力(排気圧力)を使用状況に応じて調整することができるため、エアオペレイトバルブ2の弁閉時間を短くすることができる。本実施形態においては、図5及び図6に示すように従来スピードコントローラのみを用いてエアオペレイトバルブ2を使用していた場合、排気状態S1において弁閉までに1400msecの時間が掛かっていた。その場合と比較して、第1排気状態T1及び第2排気状態T2を加えた300msecの時間で弁閉することができるようになった。すなわち、従来と比較してウォータハンマを抑制しながら約21%の時間で弁閉できるようになった。弁閉時間を短くすることで、半導体製造装置において半導体を従来よりも多く生産することができ生産性を向上させることができる。さらに、弁閉時間を短くすることにより、過渡状態が短くなり正確な薬液等の供給ができるため半導体の品質を向上させることもできる。
【0059】
また、リリーフ弁61及びニードル弁7を有するため、エアオペレイトバルブ2の大きさが異なる場合や、現場によって複数の空気圧を用いるような条件が異なる場合においても、エアオペレイトバルブ2の弁閉時間を調整し短くすることができる。そのため、エアオペレイトバルブ2について専用品を用意する必要がないためコストダウンをすることができる。
また、ウォータハンマを抑制することができるため、エアオペレイトバルブに生じる衝撃が抑えられるため、パーティクルの低減及びエアオペレイトバルブの耐久性を向上させることができる。
また、給排気調整装置3は、リリーフ弁61及びスピードコントローラ2が固設されマニホールド化されているため、従来に比べてスペースが少ないところでも設置することができる。
【0060】
(2)リリーフ弁61及びニードル弁7を用いて第1排気状態T1で排気することにより、排気エアを多量とすることができる。そのため、図5に示すように、エアオペレイトバルブ2に給排気調整装置3を用いた場合には、主弁体を弁閉状態へ向けて約半分動作したところまで100msecで移動させることができる。また、リリーフ弁61を弁閉し、ニードル弁7を用いて第2排気状態T2で排気することにより、排気エアを少量とすることができる。そのため、エアオペレイトバルブ2の主弁体と主弁座が当接する手前から主弁体の移動速度が遅くなり、主弁体を主弁座に対して100msecから200msecの時間でゆっくり弁閉させることができる。
【0061】
すなわち、主弁体を速く閉じたい部分では第1排気状態T1となり排気エアを多量とすることができ、主弁体をゆっくり閉じたい部分では第2排気状態T2となり排気エアを少量とすることができる。
また、第1排気状態T1において排気エアを多量としたい場合には、リリーフ弁61を調整し、操作圧力(排気圧力)を多くすることができる。リリーフ弁61を調整し操作圧力(排気圧力)を多くすることにより、主弁体を主弁座方向に素早く移動させることができる。
【0062】
(3)リリーフ弁61及びニードル弁7の弁開度を調整することができることにより、排気時間を調整することができる。すなわち、リリーフ弁61及びニードル弁7の弁開度を調整し操作圧力(排気圧力)を調整することができため、主弁体と主弁座の当接するために係る時間を調整することができる。そのため、排気時間を調整することができる。排気時間を調整することができることにより、エアオペレイトバルブ2をウォータハンマが起きることなく素早く弁閉することができる。
【0063】
尚、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で色々な応用が可能である。
例えば、本実施形態においては、給排気調整装置3は、ノーマルクローズタイプのものとしたが、給気口と排気口を逆に繋ぐことでノーマルオープンタイプとすることができる。一つの給排気調整装置3がノーマルオープンタイプとノーマルクローズタイプの両方の機能を有することにより給排気調整装置3を在庫として持つときに両方持つ必要がないためコストの削減を図ることができる。
【0064】
例えば、本実施形態においては図4に示す給排気調整装置の接続方法を示したが、図4に示す給排気調整装置の接続方法以外にも様々な接続方法ができる。
【0065】
例えば、本実施形態においては給排気調整装置をエアオペレイトバルブに使用することとしたが、エアオペレイトバルブをエアシリンダに変更することもできる。エアシリンダに対して本給排気調整装置を用いることにより、エアシリンダが閉まる際に生じる衝撃の吸収及びウォータハンマを抑制することができる。
【0066】
例えば、本実施形態においては給排気調整装置をエアオペレイトバルブと別途設けることとしたが、エアオペレイトバルブと一体化した構造とすることもできる。エアオペレイトバルブと一体化することによりエアオペレイトバルブの第1排気状態及び第2排気状態における弁閉時間を調整することができる。また、省スペース化を図ることができる。
【0067】
例えば、本実施形態においては給排気調整装置をソレノイドバルブと別途設けることとしたが、ソレノイドバルブと一体化した構造とすることもできる。一体化することにより省スペース化を図ることができる。
【0068】
例えば、本実施形態の変形例1に係る図7に給排気調整システム10の全体構成図を示す。
給排気調整システム10は、エアオペレイトバルブ2を開閉させるためのシステムである。図7に示すように、給排気調整システム10は、エアオペレイトバルブ2、2つの給排気調整装置3A、3B、及び、ソレノイドバルブ4を有する。エアオペレイトバルブ2とソレノイドバルブ4は流路で連結されており、2つの給排気調整装置3A、3Bは流路に接続されている。給排気調整装置3A、3Bは流路に対して直列的に接続されている。
2つの給排気調整装置3A、3Bが接続されていることにより、エアオペレイトバルブ2を多段階的に動作可変することができる。すなわち、給排気調整装置3Bが給排気調整装置3Aへの流体の供給量を調整することができ、さらに給排気調整装置3Aがエアオペレイトバルブ2への流体の供給量を調整することができるため、多段階的に動作可変することができる。
本変形例においては、給排気調整装置を2つとしたが、2つ以上とすることによりさらに多段階的に動作可変することができる。
【0069】
例えば、本実施形態の変形例2に係る図8に給排気調整システム20の全体構成図を示す。
変形例1においては、2つの給排気調整装置を直列的に接続したが、変形例2においては図8に示すように2つの給排気調整装置3D、3Eを並列的に接続したものである。変形例2においては、給排気調整装置3D、3Eを並列的に接続した以外の構成は変形例1となんら変わるところがない。また、作用効果についても変わるところがないため詳細な説明を割愛する。
なお、本変形例においては、給排気調整装置を2つとしたが、2つ以上とすることによりさらに多段階的に動作可変することができる。
【0070】
例えば、本実施形態においては、給気口から排気口へと排気する旨記載したが、排気口から給気口へと排気されてもよい。図4に示す、エアオペレイトバルブ2からソレノイドバルブ4へと排気することもでき、また、ソレノイドバルブ4からエアオペレイトバルブ2へと排気することもできる。
【0071】
例えば、本実施形態においてはエアオペレイトバルブの弁閉時の速度を遅くすることとしたが、弁開時の速度を遅くすることもできる。そのためには、エアオペレイトバルブへの給気口と排気口を入れ替えることにより変更することができる。
その他、排気の流れを本実施形態と変更し逆にしたとしても使用することができる。
【符号の説明】
【0072】
3 給排気調整装置
30 本体部
31 第1ポート
32 第2ポート
331 主流路
332 バイパス流路
5 スピードコントローラ
6 リリーフ弁
7 ニードル弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ポート及び第2ポートを連通する主流路が形成された本体部と、前記本体部に対して前記主流路を流れる排気をニードル弁により調整可能にするスピードコントローラを備える給排気調整装置において、
前記主流路に対してバイパス流路が形成されていること、
前記バイパス流路を流れる排気を調整可能にするリリーフ弁を有すること、
を特徴とする給排気調整装置。
【請求項2】
請求項1に記載する給排気調整装置において、
前記リリーフ弁及び前記ニードル弁を用いて排気する第1排気状態と、前記リリーフ弁を弁閉し、前記ニードル弁のみを用いて排気する第2排気状態と、を有すること、
を特徴とする給排気調整装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載する給排気調整装置において、
前記リリーフ弁及び前記ニードル弁の弁開度を調整することにより、前記第1ポートから排出される前記排気の排気時間を調整すること、
を特徴とする給排気調整装置。
【請求項4】
請求項2に記載する給排気調整装置において、
前記第1排気状態及び前記第2排気状態を有することにより多段階的に排気をすることができること、
を特徴とする給排気調整装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載する給排気調整装置において、
ウォータハンマを抑制することができること、
を特徴とする給排気調整装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載する給排気調整装置において、
ノーマルオープンタイプ又はノーマルクローズタイプであること、
を特徴とする給排気調整装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載する給排気調整装置において、
エアオペレイトバルブが一体であること、
を特徴とする給排気調整装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載する給排気調整装置において、
ソレノイドバルブが一体であること、
を特徴とする給排気調整装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一つに記載する給排気調整装置を有する給排気調整システムにおいて、
前記給排気調整装置が複数個備えられていること、
前記複数の給排気調整装置が直列的又は並列的に配置されていること、
を特徴とする給排気調整システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−233512(P2012−233512A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101374(P2011−101374)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000106760)CKD株式会社 (627)
【Fターム(参考)】