説明

給紙装置及び画像形成装置

【課題】重送発生頻度を抑えて、ユーザーの業務効率を改善する。
【解決手段】用紙の重送防止機構として、給紙方向に正回転する搬送ローラーと、トルクリミッターを介して逆給紙方向に逆回転し、給紙される用紙が1枚の時に前記搬送ローラーに従動する捌きローラーとを備える給紙装置であって、前記重送防止機構の下流側に配置され、前記用紙の枚数に応じた物理量を検出する重送検知センサーと、前記重送検知センサーの下流側に配置され、前記用紙を把持する用紙把持機構と、前記重送検知センサーの出力信号に基づいて、前記重送防止機構の下流側を移動する用紙の状態が紙無し状態から1枚状態、複数枚状態の順で遷移したことを検知した場合、復旧可能な重送と判断して、先行している1枚目の用紙を前記用紙把持機構に把持させた後、前記捌きローラーを逆回転させる制御部とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給紙装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、コピー機やプリンター、複合機等の画像形成装置は、用紙収容部に収容されている用紙を1枚ずつ給紙する給紙装置を備えている。この給紙装置は、用紙束の最上面に圧接されて給紙方向に回転する給紙ローラー(ピックアップローラーともいう)によって、用紙束の一番上の用紙から1枚ずつ用紙搬送路に送り出す構成となっているが、複数枚の用紙が同時に用紙搬送路へ送り出されるという現象(以下、この現象を重送という)が発生することがある。
【0003】
下記特許文献1には、ピックアップローラーによって用紙カセットから用紙搬送路へ送り出された用紙が、搬送ローラーによって用紙搬送路上の所定位置まで搬送された時に、その搬送ローラーを逆回転させて、1枚目の用紙に重なって搬送された2枚目以降の用紙を用紙カセット側へ戻すことにより、用紙の重送を防止する技術が開示されている。
【0004】
また、一般的な給紙装置は、給紙ローラーの下流側に配置されて給紙方向に正回転する搬送ローラーと、この搬送ローラーに対向配置され、その回転軸にトルクリミッターが連結された捌きローラーとからなる重送防止機構を備えている場合が多い。このトルクリミッターは、搬送ローラーと捌きローラーとの間に挟持される用紙が1枚の時に、捌きローラーが搬送ローラーに従動する一方、用紙が複数枚の時に、捌きローラーが停止する(或いは逆回転トルクが付与されている場合には逆回転する)ように設定されている。
【0005】
このように、給紙ローラーによって用紙搬送路に送り出された用紙が1枚の時には、捌きローラーが搬送ローラーに従動することにより、給紙方向の下流側(用紙搬送路の下流側)へ用紙が正常に搬送される一方、用紙が複数枚の時には、捌きローラーが停止する(或いは逆回転する)ことにより、搬送ローラー側の1枚目の用紙は給紙方向の下流側へ正常に搬送され、捌きローラー側の2枚目以降の用紙はその位置で停止する(或いは給紙方向の上流側へ戻る)ので、重送を防止することができる。
【0006】
なお、上記のような重送防止機構を設けたとしても、重送の発生を100%防止できるわけではない。そこで、従来では、重送防止機構の下流側に用紙の厚さに関連する物理量を検出する重送検知センサーを設け、その出力信号から重送の発生を検知した場合に、紙詰まりエラーを発生させて、ユーザーに紙詰まりの対応処置を行うよう要求したり、或いは、強制的に排紙して画像形成動作を中断していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−16182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、従来では、重送防止機構によって防止できない重送が発生する度に紙詰まりエラーが発生したり、或いは画像形成動作が中断するなどしていたため、ユーザーの業務効率の低下を招いていた。
【0009】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、重送発生頻度を抑えて、ユーザーの業務効率の改善を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明では、給紙装置に係る第1の解決手段として、用紙の重送防止機構として、給紙方向に正回転する搬送ローラーと、トルクリミッターを介して逆給紙方向に逆回転し、給紙される用紙が1枚の時に前記搬送ローラーに従動する捌きローラーとを備える給紙装置であって、前記重送防止機構の下流側に配置され、前記用紙の枚数に応じた物理量を検出する重送検知センサーと、前記重送検知センサーの下流側に配置され、前記用紙を把持する用紙把持機構と、前記重送検知センサーの出力信号に基づいて、前記重送防止機構の下流側を移動する用紙の状態が紙無し状態から1枚状態、複数枚状態の順で遷移したことを検知した場合、復旧可能な重送と判断して、先行している1枚目の用紙を前記用紙把持機構に把持させた後、前記捌きローラーを逆回転させる制御部とを具備することを特徴とする。
【0011】
また、本発明では、給紙装置に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記制御部は、前記捌きローラーを逆回転させた後、前記重送検知センサーの出力信号に基づいて、前記用紙の状態が複数枚状態から1枚状態に遷移するタイミングを検知した場合、そのタイミングから2枚目以降の用紙が前記重送防止機構の上流側へ戻るまでに必要な第1設定時間の経過後に前記捌きローラーを停止させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明では、給紙装置に係る第3の解決手段として、上記第1または第2の解決手段において、前記制御部は、前記捌きローラーを逆回転させてから第2設定時間が経過しても、前記用紙の状態が複数枚状態から1枚状態に遷移しなかった場合、復旧不可能な重送と判断して、その旨をユーザーに報知することを特徴とする。
【0013】
また、本発明では、給紙装置に係る第4の解決手段として、上記第2の解決手段において、前記制御部は、前記重送検知センサーの出力信号に基づいて、前記第1設定時間が経過する前に前記用紙の状態が1枚状態から紙無し状態に遷移したことを検知した場合、復旧不可能な重送と判断して、その旨をユーザーに報知することを特徴とする。
【0014】
また、本発明では、給紙装置に係る第5の解決手段として、上記第1〜第4のいずれか1つの解決手段において、前記制御部は、前記重送検知センサーの出力信号に基づいて、前記重送防止機構の下流側を移動する用紙の状態が紙無し状態から複数枚状態の順で遷移したことを検知した場合、復旧不可能な重送と判断して、その旨をユーザーに報知することを特徴とする。
【0015】
また、本発明では、給紙装置に係る第6の解決手段として、上記第1〜第5のいずれか1つの解決手段において、前記用紙把持機構は、給紙方向に正回転する一対のレジストローラーであり、前記制御部は、前記レジストローラーを停止させた状態で、先行している1枚目の用紙の先端が前記レジストローラーに突き当たって撓むまで前記搬送ローラーを正回転させた後、前記レジストローラーを正回転させて前記1枚目の用紙の先端を前記レジストローラ間に挟ませることを特徴とする。
【0016】
さらに、本発明では、画像形成装置に係る解決手段として、上記第1〜第6のいずれか1つの解決手段を有する給紙装置と、前記給紙装置から給紙される用紙にトナー画像を転写するトナー画像転写部と、前記用紙に転写された前記トナー画像を定着させる定着部と、前記トナー画像を定着させた用紙を外部に排出する排紙部とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、重送検知センサーの出力信号に基づいて、重送防止機構の下流側を移動する用紙の状態から復旧可能な重送と判断した場合には、先行している1枚目の用紙を用紙把持機構に把持させた後に捌きローラーを逆回転させて、2枚目以降の用紙を逆給紙方向側へ戻すことを試みることにより、重送防止機構による重送防止成功率を高めることができる。その結果、重送発生頻度を抑え、ユーザーの業務効率を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る複合機Aの構成概略図である。
【図2】複合機Aが備える給紙装置の構成概略図である。
【図3】第1のケース(重送無し)における各ローラーの回転状態と、用紙Pの状態との時間的な対応関係を示すタイミングチャートである。
【図4】第1のケースにおいて1枚の用紙Pが用紙搬送路Lに沿って搬送される過程を示したものである。
【図5】第2のケース(重送有り)における各ローラーの回転状態と、用紙Pの状態との時間的な対応関係を示すタイミングチャートである。
【図6】第2のケースにおいて複数枚の用紙P(P1、P2)が用紙搬送路Lに沿って搬送される過程を示したものである。
【図7】第2のケースにおいて複数枚の用紙P(P1、P2)が用紙搬送路Lに沿って搬送される過程を示したものである。
【図8】給紙ローラー45によって、先端位置が重なった状態で複数枚の用紙P1、P2が用紙搬送路Lに送り出された場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。なお、以下では、本発明に係る画像形成装置として、コピー機、プリンター、スキャナー及びファクシミリ等の機能を併せ持つ複合機を例示して説明する。
図1は、本実施形態に係る複合機Aの構成概略図である。この図1に示すように、本複合機Aは、操作表示部1、画像読取部2、画像データ記憶部3、用紙搬送画像形成部4、通信部5及び制御部6から構成されている。
【0020】
操作表示部1は、操作キー及びタッチパネルを備えており、ユーザーと複合機Aとを関係付けるマンマシンインターフェイスとして機能する。この操作表示部1は、押下された操作キーまたはタッチパネルに表示された操作ボタンの操作指示を制御部6に出力すると共に、制御部6から入力される制御信号に基づいてタッチパネルに種々の画面を表示する。
【0021】
画像読取部2は、制御部6による制御の下、ADF(Auto document feeder)により自動給紙される原稿またはプラテンガラス上に載置された原稿の表面画像(原稿画像)をラインセンサーで読み取って原稿画像データに変換し、この原稿画像データを制御部6に出力する。なお、画像読取部2は、原稿画像データを制御部6に出力する一方、制御部6は、原稿画像データを画像データ記憶部3に記憶させる。
【0022】
画像データ記憶部3は、半導体メモリーまたはハードディスク装置などであり、制御部6から入力される制御信号に基づいて原稿画像データや、通信部5が外部のクライアントコンピューター(図示略)から受信するプリント画像データや、通信部5がファクシミリ装置から受信したファクシミリ画像データを記憶する。
【0023】
用紙搬送画像形成部4は、制御部6による制御の下、給紙カセット44内に収容された用紙束から用紙を1枚ずつ搬送し、画像データ記憶部3の画像データに基づいて用紙上に画像を形成するものである。このような用紙搬送画像形成部4は、図1に示すように、ブラック、イエロー、シアン、マゼンダの4色に対応するトナーからなる画像(以下、トナー画像と称す)を形成する画像形成ユニット41、中間転写ベルト42、1次転写ローラー43、給紙カセット44、給紙ローラー45、重送防止機構46、重送検知センサー47、レジストローラー48、2次転写ローラー49、定着ローラー50、排紙ローラー51及び排紙トレイ52から構成されている。
【0024】
各画像形成ユニット41は、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの各色に対応するトナー画像を形成するものであり、複合機Aの正面から視て水平方向に所定間隔で各色に対応して4つ設けられている。このような画像形成ユニット41は、図1に示すように、トナー画像が周面に形成される感光体ドラム41aを備えている。
【0025】
中間転写ベルト42は、各感光体ドラム41aに接するように設けられた無端ベルトであり、各感光体ドラム41aの周面に形成されたトナー画像が各感光体ドラム41aから1次転写されるものである。1次転写ローラー43は、中間転写ベルト42を挟むように各感光体ドラム41aに対向配置されており、回転しながら1次転写電圧を中間転写ベルト42に印加することにより各感光体ドラム41aから中間転写ベルト42にトナー画像を1次転写させるローラーである。
【0026】
制御部6、給紙カセット44、給紙ローラー45、重送防止機構46、重送検知センサー47及びレジストローラー48は、本実施形態における給紙装置を構成するものである。以下、本実施形態における給紙装置の構成について、図2を参照しながら詳細に説明する。なお、図2では、制御部6の図示を省略している。
【0027】
給紙カセット44は、A4サイズやB5サイズ等、所定サイズの用紙束PSを収容する容器であり、少なくとも用紙束PSの最上面を露出させるための開口部を有している。給紙ローラー45は、給紙カセット44上において用紙束PSの最上面に圧接されながら給紙方向に正回転することにより、用紙束PSの最上部から用紙Pを1枚ずつ用紙搬送路Lへ送り出すローラーである。ここで、給紙方向とは、用紙搬送路Lに沿って用紙Pが搬送される方向(図中の矢印の方向)を指す。
【0028】
なお、給紙ローラー45の回転軸には、不図示の回転駆動機構(モーターや減速用ギア等)が連結されており、この給紙ローラー45の正回転動作(正回転の開始タイミングや停止タイミング、回転速度等)は制御部6による回転駆動機構の制御(特にモーター制御による正回転トルクの付与)によって制御される。
【0029】
重送防止機構46は、用紙搬送路L上における給紙ローラー45の下流側(給紙方向の下流側)に配置されており、給紙ローラー45によって複数枚の用紙Pが同時に用紙搬送路Lへ送り出された場合、つまり重送が発生した場合に、1枚目と2枚目以降の用紙Pを分離して重送を防止するものである。
【0030】
詳細には、この重送防止機構46は、給紙方向に正回転する搬送ローラー46aと、この搬送ローラー46aに対向配置されていると共に、搬送ローラー46aに圧接されながら不図示のトルクリミッターを介して逆給紙方向に逆回転する捌きローラー46bとから構成されている。搬送ローラー46aの回転軸には、不図示の回転駆動機構(モーターや減速用ギア等)が連結されており、この搬送ローラー46aの正回転動作(正回転の開始タイミングや停止タイミング、回転速度等)は制御部6による回転駆動機構の制御(特にモーター制御による正回転トルクの付与)によって制御される。なお、給紙ローラー45の回転力をベルトによって搬送ローラー46aの回転軸に伝達する構成を採用しても良い。
【0031】
一方、捌きローラー46bの回転軸には、不図示のトルクリミッターを介して回転駆動機構(モーターや減速用ギア等)が連結されており、この捌きローラー46bの逆回転動作(逆回転の開始タイミングや停止タイミング、回転速度等)は制御部6による回転駆動機構の制御(特にモーター制御による逆回転トルクの付与)によって制御される。ここで、捌きローラー46bのトルクリミッターは、搬送ローラー46aと捌きローラー46bとの間に挟持される用紙Pが1枚(或いは0枚)の時に、捌きローラー46bが搬送ローラー46aに従動し、用紙Pが複数枚の時に、捌きローラー46bが停止する(或いは逆回転トルクが付与されている場合には逆回転する)ように設定されている。
【0032】
用紙搬送路L上における重送防止機構46の下流側には、用紙Pの枚数に応じた物理量を検出する重送検知センサー47が配置されている。この重送検知センサー47は、用紙搬送路Lを上下に挟むように対向配置された超音波送信部47aと超音波受信部47bとから構成されている。超音波送信部47aは、用紙搬送路Lの下方から超音波受信部47bへ向けて超音波Sを送信する。超音波受信部47bは、超音波送信部47aから送信された超音波Sを受信し、その受信強度に応じた電圧信号を制御部6へ出力する。
【0033】
超音波受信部47bによる超音波Sの受信強度は、重送防止機構46の下流側を移動する用紙Pの枚数が0枚(紙無し状態)の時に最も大きく、用紙Pの枚数が増えるほど小さくなる。つまり、超音波Sの受信強度は、重送防止機構46の下流側を移動する用紙Pの枚数に応じて変化する物理量である。従って、制御部6は、重送検知センサー47(超音波受信部47b)の出力信号に基づいて、重送防止機構46の下流側を移動する用紙Pの状態が0枚状態(紙無し状態)なのか、1枚状態なのか、或いは複数枚状態なのかを検知することができる。
【0034】
具体的には、制御部6は、用紙Pが1枚の時の超音波Sの受信強度を比較用の基準強度として予め記憶しており、重送検知センサー47(超音波受信部47b)の出力信号から把握した受信強度(実測値)と上記基準強度とを比較して、両方が一致すれば、用紙Pが1枚だと判断し、受信強度(実測値)が上記基準強度より大きければ、紙無しと判断し、受信強度(実測値)が上記基準強度より小さければ、用紙Pが複数枚(重送)と判断する。
なお、用紙Pの枚数に応じた物理量を検出するものであれば、超音波式、光学式を問わず、各種のセンサーを重送検知センサー47として使用しても良い。
【0035】
用紙搬送路L上における重送検知センサー47の下流側には、重送防止機構46から搬送される用紙Pの2次転写ローラー49への搬送タイミングを調節するための一対のレジストローラー48が配置されている。この一対のレジストローラー48は、互いに対向配置されて、圧接されながら給紙方向に正回転する2本のローラーから構成されている。
【0036】
なお、レジストローラー48の一方のローラーの回転軸に、不図示の回転駆動機構(モーターや減速用ギア等)が連結されており、他方のローラーは空転するようになっている。つまり、一方のローラーの正回転動作(正回転の開始タイミングや停止タイミング、回転速度等)は制御部6による回転駆動機構の制御(特にモーター制御による正回転トルクの付与)によって制御され、他方のローラーは一方のローラーに従動するようになっている。
【0037】
また、このレジストローラー48は、用紙Pの2次転写ローラー49への搬送タイミングを調節する役割だけでなく、用紙Pの搬送姿勢を修正する役割を担っている。詳細は後述するが、用紙Pの給紙時において、レジストローラー48は、用紙Pの先端がレジストローラー48に突き当たって撓むまで停止状態に制御される。このように、用紙Pの先端部分を撓ませることで、用紙Pの搬送姿勢を修正することができる。そのため、用紙搬送路L上におけるレジストローラー48の入口側には、用紙Pを撓ませるための空間Laが設けられている。
【0038】
さらに、詳細は後述するが、このレジストローラー48は、リカバリー可能な重送が発生した場合に、用紙Pを把持する用紙把持機構としての役割も担っている。ここで、リカバリー可能な重送とは、重送防止機構46単独では重送を防止しきれず、重送防止機構46の下流側に複数枚の用紙Pが搬送された場合に、レジストローラー48と重送防止機構46との組み合わせによって、1枚目と2枚目以降の用紙Pを分離できる可能性のある重送を指す。
【0039】
以上が本実施形態における給紙装置の構成であり、以下では図1に戻って説明を続ける。
2次転写ローラー49は、対抗配置された対向ローラーとの間に中間転写ベルト42を挟むように配置され、中間転写ベルト42との間で2次転写ニップを形成するローラーであり、中間転写ベルト42上のトナー画像を用紙Pに2次転写させるものである。すなわち、2次転写ローラー49は、2次転写ニップにおいて中間転写ベルト42と用紙Pとを挟んだ状態で2次転写電圧を印加することにより、中間転写ベルト42上のトナー画像を用紙Pに2次転写させる。
【0040】
定着ローラー50は、内部にヒーターを備えた加熱ローラーと、この加熱ローラーに圧接される加圧ローラーとから構成され、上記2次転写ローラー49でトナー画像が2次転写された用紙Pを挟持することにより、用紙Pを加熱及び加圧してトナー画像を用紙P上に定着させる。排紙ローラー51は、定着ローラー50から搬送される用紙Pを排紙トレイ52に排出する。排紙トレイ52は、排紙ローラー51によって排出された用紙Pを収容する受け皿である。
【0041】
通信部5は、制御部6から入力される制御信号に基づいて電話回線を介して外部の複合機あるいはファクシミリ装置、またローカルエリアネットワークを介してクライアントコンピューターなどと通信を行うものである。すなわち、この通信部5は、イーサネット(登録商標)などのLAN規格に準拠した通信機能と、G3などのファクシミリ規格に準拠した通信機能とを兼ね備えたものである。通信部5は、例えば、電子メールの送信またはファクシミリの送受信を行う。
【0042】
制御部6は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及び上述した各部と各種信号の送受信を行うインターフェイス回路などから構成されており、上記ROMに記憶された制御プログラムに基づいて複合機Aの全体動作を制御する。
【0043】
以上が本複合機Aの全体構成であるが、上記の構成要素の内、画像形成ユニット41、中間転写ベルト42、1次転写ローラー43及び2次転写ローラー49は、給紙装置から給紙される用紙Pにトナー画像を転写するトナー画像転写部として機能し、定着ローラー50は、用紙Pに転写されたトナー画像を定着させる定着部として機能し、排紙ローラー51及び排紙トレイ52は、トナー画像を定着させた用紙Pを外部に排出する排紙部として機能する。
【0044】
次に、上記のように構成された本複合機Aの動作について説明する。
例えば、本複合機Aによって原稿をコピーしようとするユーザーは、画像読取部2に原稿をセットし、操作表示部1のコピースタートキーを押下することにより、本複合機Aにコピー動作を開始させる。制御部6は、操作表示部1のコピースタートキーがユーザーによって押下されると、画像読取部2に原稿画像を読み取らせ、画像読取部2から得られる原稿画像データを画像データ記憶部3に記憶させる。
【0045】
そして、制御部6は、画像データ記憶部3に記憶された原稿画像データを基に各画像形成ユニット41を制御して、各感光体ドラム41aの表面に各色のトナー画像を形成(現像)すると共に、中間転写ベルト42を回走させながら各1次転写ローラー43に順次1次転写電圧を発生させることにより、中間転写ベルト42上に各色のトナー画像を順次重ねて転写させる。
【0046】
また、制御部6は、上記のようなトナー画像の1次転写動作の制御と並行して、給紙装置による用紙Pの給紙動作を制御する。以下では、給紙ローラー45によって、給紙カセット44にセットされた用紙束PSから1枚の用紙Pが用紙搬送路Lへ送り出された場合(第1のケース)と、複数枚(ここでは2枚)の用紙Pが用紙搬送路Lに送り出された場合(第2のケース)とに分けて説明する。
【0047】
<第1のケース>
まず、第1のケースについて、図3及び図4を参照しながら説明する。
図3は、第1のケースにおける、給紙ローラー45、搬送ローラー46a、捌きローラー46b及びレジストローラー48の回転状態と、制御部6が重送検知センサー47(超音波受信部47b)の出力信号を基に把握している用紙Pの状態との時間的な対応関係を示すタイミングチャートである。また、図4は、第1のケースにおいて、1枚の用紙Pが用紙搬送路Lに沿って搬送される過程を示したものである。
【0048】
制御部6は、上記のようなトナー画像の1次転写動作の制御と並行して、図3に示す給紙開始タイミングである時刻t0に給紙動作の制御を開始する。具体的には、制御部6は、給紙ローラー45及び搬送ローラー46aの回転駆動機構を制御して正回転トルクを発生させて、給紙ローラー45及び搬送ローラー46aを正回転させると共に、捌きローラー46bの回転駆動機構を制御して逆回転トルクを発生させる(図4(a)参照)。なお、この時、制御部6は、レジストローラー48の回転制御(正回転トルクの発生制御)を停止している。
【0049】
ここで、図4(a)に示すように、給紙ローラー45によって、給紙カセット44にセットされた用紙束PSから1枚の用紙Pが用紙搬送路Lへ送り出されたと想定する。この場合、捌きローラー46bには逆回転トルクが付勢されているが、用紙Pが1枚のため、捌きローラー46bは搬送ローラー46aに従動して回転(正回転)し、1枚の用紙Pは正常に重送防止機構46の下流側へ搬送される。
【0050】
制御部6は、重送検知センサー47(超音波受信部47b)の出力信号に基づいて、重送防止機構46の下流側を移動する用紙Pの状態(紙無し状態か、1枚状態か、複数枚状態か)を監視する。ここでは、1枚の用紙Pが正常に重送防止機構46の下流側へ搬送されることを想定しているため、用紙Pの状態が複数枚状態となることはない。そのため、制御部6は、用紙Pの状態が紙無し状態から1枚状態に遷移した後、一定時間内に1枚状態から複数枚状態に遷移しなければ、重送の発生無しと判断して給紙動作の制御を継続する。
【0051】
制御部6は、重送の発生無しと判断すると、図3の時刻t1に用紙Pの先端がレジストローラー48に突き当たってから、予め設定された撓み時間分だけ給紙ローラー45及び搬送ローラー46aを正回転させて、用紙Pの先端を撓ませる。このように、用紙Pの先端をレジストローラー48に突き当てながら撓ませることにより、用紙Pの搬送姿勢を修正することができる(図4(b)参照)。
【0052】
そして、制御部6は、図3の時刻t2に撓み時間が経過すると、給紙ローラー45、搬送ローラー46a及び捌きローラー46bの回転制御を停止し、その後、トナー画像の2次転写タイミングに合わせて、図3の時刻t3にレジストローラー48を正回転させる。これにより、用紙Pは、レジストローラー48の下流側、つまり2次転写ローラー49へ向けて搬送される(図4(c)参照)。
【0053】
<第2のケース>
続いて、第2のケースについて、図5〜図7を参照しながら説明する。
図5は、第2のケースにおける、給紙ローラー45、搬送ローラー46a、捌きローラー46b及びレジストローラー48の回転状態と、制御部6が重送検知センサー47(超音波受信部47b)の出力信号を基に把握している用紙Pの状態との時間的な対応関係を示すタイミングチャートである。また、図6及び図7は、第2のケースにおいて、2枚の用紙P(P1、P2)が用紙搬送路Lに沿って搬送される過程を示したものである。
【0054】
制御部6は、第1のケースと同様に、上記のようなトナー画像の1次転写動作の制御と並行して、図5に示す給紙開始タイミングである時刻t0に給紙動作の制御を開始する。具体的には、制御部6は、給紙ローラー45及び搬送ローラー46aの回転駆動機構を制御して正回転トルクを発生させて、給紙ローラー45及び搬送ローラー46aを正回転させると共に、捌きローラー46bの回転駆動機構を制御して逆回転トルクを発生させる(図6(a)参照)。なお、この時、制御部6は、レジストローラー48の回転制御(正回転トルクの発生制御)を停止している。
【0055】
ここで、図6(a)に示すように、給紙ローラー45によって、給紙カセット44にセットされた用紙束PSから2枚の用紙P(P1、P2)が重なった状態で用紙搬送路Lへ送り出されたと想定する。この場合、捌きローラー46bが、トルクリミッターの働きによって搬送ローラー46aに従動せずに逆回転状態となれば、搬送ローラー46a側の1枚目の用紙P1は、搬送ローラー46aの正回転によって下流側へ搬送され、捌きローラー46b側の2枚目の用紙P2は、捌きローラー46bの逆回転によって上流側へ戻されるので、1枚目の用紙P1と2枚目の用紙P2を分離することができる(重送を防止することができる)。
【0056】
しかしながら、1枚目の用紙P1と2枚目の用紙P2の接触面における摩擦力が大きい場合には、搬送ローラー46aと捌きローラー46bとの間に2枚の用紙P1、P2が挟まれているにも関わらず、捌きローラー46bが搬送ローラー46aに従動(正回転)してしまい、2枚の用紙P1、P2が重送防止機構46の下流側へ搬送されてしまうことがある。つまり、重送防止機構46の単独での重送防止成功率は100%ではない。
この第2のケースでは、給紙ローラー45によって、2枚の用紙P1、P2が用紙搬送路Lに送り出され、且つ重送防止機構46による単独での重送防止に失敗した(2枚の用紙P1、P2が重送防止機構46の下流側へ搬送された)場合を想定する。
【0057】
制御部6は、重送検知センサー47(超音波受信部47b)の出力信号に基づいて、重送防止機構46の下流側を移動する用紙Pの状態(紙無し状態か、1枚状態か、複数枚状態か)を監視する。そして、制御部6は、図5に示すように、給紙ローラー45、搬送ローラー46a及び捌きローラー46bの回転制御中に、重送防止機構46の下流側を移動する用紙Pの状態が紙無し状態から1枚状態、複数枚状態の順で遷移したことを検知した場合、リカバリー可能な重送と判断して、以下で説明するリカバリー処理を実行する。
【0058】
つまり、制御部6は、リカバリー可能な重送と判断すると、図5の時刻t1に先行している1枚目の用紙P1の先端がレジストローラー48に突き当たってから、予め設定された撓み時間分だけ給紙ローラー45及び搬送ローラー46aを正回転させて、1枚目の用紙P1の先端を撓ませる(この時、捌きローラー46bは搬送ローラー46aに従動(正回転)している)。このように、1枚目の用紙P1の先端をレジストローラー48に突き当てながら撓ませることにより、用紙P1の搬送姿勢を修正することができる(図6(b)参照)。
【0059】
そして、制御部6は、図5の時刻t2に撓み時間が経過すると、給紙ローラー45、搬送ローラー46a及び捌きローラー46bの回転制御を停止した後、レジストローラー48を時間Tb分だけ正回転させる。これにより、先行している1枚目の用紙P1の先端は、一対のレジストローラー48間に挟まれた状態となる(図6(c)参照)。言い換えれば、先行している1枚目の用紙P1が、レジストローラー48によって把持された状態となる。なお、時刻t1〜t2の撓み時間を用紙Pの1枚状態が継続した時間Taよりも短く設定することが望ましい。これにより、確実に、先行している1枚目の用紙P1のみをレジストローラー48間に挟ませた状態とすることができる。
【0060】
そして、制御部6は、上記のように、先行している1枚目の用紙P1をレジストローラー48間に挟ませた状態とした後、図5に示す時刻t3に捌きローラー46bの回転駆動機構を制御して逆回転トルクを発生させて、捌きローラー46bを逆回転させる。このように、先行している1枚目の用紙P1をレジストローラー48間に挟ませた状態で、捌きローラー46bを逆回転させることにより、1枚目の用紙P1と2枚目の用紙P2の接触面における摩擦力が大きくとも、2枚目の用紙P2を逆給紙方向の上流側(用紙搬送路Lの上流側)へ戻すことができる(図7(a)参照)。
【0061】
そして、制御部6は、捌きローラー46bを逆回転させた後、重送検知センサー47(超音波受信部47b)の出力信号に基づいて、用紙Pの状態が複数枚状態から1枚状態に遷移するタイミングを検知した場合、そのタイミング(図5の時刻t4)から2枚目の用紙P2が重送防止機構46の上流側へ戻るまでに必要な第1設定時間Tcの経過後に捌きローラー46bの回転制御を停止する。これにより、2枚目の用紙P2を重送防止機構46の上流側へ戻すことができる(図7(b)参照)。
【0062】
そして、制御部6は、捌きローラー46bを停止させた後、トナー画像の2次転写タイミングに合わせて、図5の時刻t5にレジストローラー48を正回転させる。これにより、レジストローラー48に挟まれていた1枚目の用紙P1は、レジストローラー48の下流側、つまり2次転写ローラー49へ向けて搬送される(図7(c)参照)。
【0063】
つまり、給紙ローラー45によって、2枚の用紙P1、P2が用紙搬送路Lに送り出され、且つ重送防止機構46による単独での重送防止に失敗した(2枚の用紙P1、P2が重送防止機構46の下流側へ搬送された)場合であっても、上記のようなリカバリー処理を行うことにより、2枚の用紙P1、P2を分離して、1枚目の用紙P1のみを2次転写ローラー49へ搬送することができる。
【0064】
ところで、上記のようなリカバリー処理により、先行している1枚目の用紙P1をレジストローラー48間に挟ませた状態で、捌きローラー46bを逆回転させても、捌きローラー46bと2枚目の用紙P2の接触面における摩擦力より、1枚目の用紙P1と2枚目の用紙P2の接触面における摩擦力の方が大きい場合には、2枚目の用紙P2を重送防止機構46の上流側へ戻すことはできない。
【0065】
つまり、リカバリー処理とは、あくまで2枚目の用紙P2を逆給紙方向側へ戻すことを試みることにより、重送防止機構46による重送防止成功率を高めることを目的としたものであって、重送の発生防止を100%保証するものではない。従って、上記のリカバリー処理によっても重送を防止できなかった場合には、従来と同様に、紙詰まりエラーを発生させて、ユーザーに紙詰まりの対応処置を行うよう要求する必要がある。
【0066】
本実施形態では、制御部6は、捌きローラー46bを逆回転させてから第2設定時間Td(図5参照)が経過しても、用紙Pの状態が複数枚状態から1枚状態に遷移しなかった場合、リカバリー不可能な重送と判断して、その旨をユーザーに報知する、つまり操作表示部1を制御して、紙詰まりエラーを発生させて、ユーザーに紙詰まりの対応処置を行うよう要求するための画面を表示させる。
また、制御部6は、重送検知センサー47(超音波受信部47b)の出力信号に基づいて、上記の第1設定時間Tcが経過する前に用紙Pの状態が1枚状態から紙無し状態に遷移したことを検知した場合、リカバリー不可能な重送と判断して、その旨をユーザに報知する。
【0067】
一方、図8に示すように、給紙ローラー45によって、先端位置が重なった状態で複数枚の用紙P1、P2が用紙搬送路Lに送り出された場合、レジストローラー48によって1枚目の用紙P1を挟むことができないため、リカバリー処理を行うことなく、紙詰まりエラーを発生させることが望ましい。
そこで、本実施形態では、制御部6は、重送検知センサー47(超音波受信部47b)の出力信号に基づいて、リカバリー処理を行う前に、重送防止機構46の下流側を移動する用紙Pの状態が紙無し状態から複数枚状態の順で遷移したことを検知した場合、リカバリー不可能な重送と判断して、その旨をユーザーに報知する。
【0068】
以上説明したように、本実施形態によれば、重送検知センサー47(超音波受信部47b)の出力信号に基づいて、重送防止機構46の下流側を移動する用紙Pの状態からリカバリー可能な重送と判断した場合には、先行している1枚目の用紙P1をレジストローラー48に挟ませた後に捌きローラー46bを逆回転させて、2枚目以降の用紙P2を逆給紙方向側へ戻すことを試みることにより、重送防止機構46による重送防止成功率を高めることができる。その結果、重送発生頻度を抑えて、ユーザーの業務効率を改善することができる。
【0069】
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、以下のような変形例が挙げられる。
例えば、上記実施形態では、一般的に複合機A等の画像形成装置に設けられているレジストローラー48を用紙把持機構として利用したが、本発明はこれに限定されず、重送された複数枚の用紙の内、先行している1枚目の用紙を把持するための専用の用紙把持機構を設けても良い。用紙把持機構の構成については、用紙を把持可能であれば、特に限定されない。
また、上記実施形態では、本給紙装置を備えた画像形成装置として複合機Aを参照しながら説明したが、本給紙装置は、コピー機、プリンター、スキャナー及びファクシミリ等の他の画像形成装置に適用することができる。
さらに、上記実施形態では、本給紙装置として、給紙カセット44に収容された用紙束PSから用紙Pを給紙する給紙装置を例示したが、読み取り対象である原稿用紙を1枚ずつ給紙する自動給紙装置(ADF)にも本発明を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0070】
A…複合機、1…操作表示部、2…画像読取部、3…画像データ記憶部、4…用紙搬送画像形成部、5…通信部、6…制御部、41…画像形成ユニット、42…中間転写ベルト、43…1次転写ローラー、44…給紙カセット、45…給紙ローラー、46…搬送ローラー、47…重送検知センサー、47a…超音波送信部、47b…超音波受信部、48…レジストローラー、49…2次転写ローラー、50…定着ローラー、51…排紙ローラー、52…排紙トレイ、P…用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙の重送防止機構として、給紙方向に正回転する搬送ローラーと、トルクリミッターを介して逆給紙方向に逆回転し、給紙される用紙が1枚の時に前記搬送ローラーに従動する捌きローラーとを備える給紙装置であって、
前記重送防止機構の下流側に配置され、前記用紙の枚数に応じた物理量を検出する重送検知センサーと、
前記重送検知センサーの下流側に配置され、前記用紙を把持する用紙把持機構と、
前記重送検知センサーの出力信号に基づいて、前記重送防止機構の下流側を移動する用紙の状態が紙無し状態から1枚状態、複数枚状態の順で遷移したことを検知した場合、復旧可能な重送と判断して、先行している1枚目の用紙を前記用紙把持機構に把持させた後、前記捌きローラーを逆回転させる制御部と、
を具備することを特徴とする給紙装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記捌きローラーを逆回転させた後、前記重送検知センサーの出力信号に基づいて、前記用紙の状態が複数枚状態から1枚状態に遷移するタイミングを検知した場合、そのタイミングから2枚目以降の用紙が前記重送防止機構の上流側へ戻るまでに必要な第1設定時間の経過後に前記捌きローラーを停止させることを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記捌きローラーを逆回転させてから第2設定時間が経過しても、前記用紙の状態が複数枚状態から1枚状態に遷移しなかった場合、復旧不可能な重送と判断して、その旨をユーザーに報知することを特徴とする請求項1または2に記載の給紙装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記重送検知センサーの出力信号に基づいて、前記第1設定時間が経過する前に前記用紙の状態が1枚状態から紙無し状態に遷移したことを検知した場合、復旧不可能な重送と判断して、その旨をユーザーに報知することを特徴とする請求項2に記載の給紙装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記重送検知センサーの出力信号に基づいて、前記重送防止機構の下流側を移動する用紙の状態が紙無し状態から複数枚状態の順で遷移したことを検知した場合、復旧不可能な重送と判断して、その旨をユーザーに報知することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の給紙装置。
【請求項6】
前記用紙把持機構は、給紙方向に正回転する一対のレジストローラーであり、
前記制御部は、前記レジストローラーを停止させた状態で、先行している1枚目の用紙の先端が前記レジストローラーに突き当たって撓むまで前記搬送ローラーを正回転させた後、前記レジストローラーを正回転させて前記1枚目の用紙の先端を前記レジストローラ間に挟ませることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の給紙装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の給紙装置と、
前記給紙装置から給紙される用紙にトナー画像を転写するトナー画像転写部と、
前記用紙に転写された前記トナー画像を定着させる定着部と、
前記トナー画像を定着させた用紙を外部に排出する排紙部と、
を具備することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−10609(P2013−10609A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144453(P2011−144453)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】