説明

緊急通報装置

【課題】緊急事態が生じたときに測位衛星からの電波を受信し難い環境に存在していても、正確な現在位置を通報先に通報する。
【解決手段】車両1に搭載された緊急通報装置10は、測位する位置の精度が悪くなる悪受信環境、例えば建物の密集した都会、地下駐車場、屋内などで緊急通報が発生した場合、携帯電話30が備えるネットワーク支援GPS機能を使用して現在位置を求め、それを緊急通報センタ5へ送ることで、精度の高い位置情報を緊急通報センタ5へ送信することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緊急通報発生時の位置情報を通報先に送信する緊急通報装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車などの車両に搭載されて、交通事故や急病などの緊急時に警察や緊急通報センタなどの通報先に車両の現在の位置や車両ナンバなどのデータ送信する緊急通報装置が提案されている。また、この種の緊急通報装置として、ナビゲーション装置の故障などによって位置情報を取得できなくなった場合に、ナビゲーション装置に替わって位置情報を取得するためのGPS(Global Positioning System)受信機能を備えたものも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−123172号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の緊急通報装置においては、郊外など建築物が少なく、少なくとも4つのGPS衛星を同時に視界に置くことができる場所では精度の高い位置情報を取得することができるが、それらの数のGPS衛星からの電波を受信することができない受信環境の悪い場所(例えば、建物の密集した都会、地下駐車場、屋内など)では位置情報の精度が悪くなり、正確な位置を通報先に伝えることができないという問題がある。
【0004】
本発明は、緊急事態が生じたときに測位衛星からの電波を受信し難い環境に存在していても、正確な現在位置を通報先に通報することができる緊急通報装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、緊急通報発生時の位置情報を通報先に送信する緊急通報装置であって、測位衛星から受信した信号に基づいて前記位置情報を取得する位置情報取得手段と、測位衛星から受信した信号とネットワークを介してアクセスした位置情報サーバから取得した衛星軌道情報及び時間情報とに基づいて前記位置情報を算出する位置情報算出手段とを備える。
【0006】
測位衛星を利用して検出する現在位置の精度が悪化する受信環境(例えば、建物の密集した都会、地下駐車場、屋内など)において緊急通報イベントが発生した場合(緊急通報ボタンが押下された場合又はエアバッグ装置が作動した場合等)でも、携帯端末の現在位置検出機能(ネットワーク支援GPS機能)を利用して位置情報サーバから衛星軌道情報及び時間情報を取得し、これらの情報から現在位置を算出することができるので、受信環境の悪い場所で緊急事態が発生しても、精度の良い位置情報を緊急通報先に通報することができる。
【0007】
本発明において、前記位置情報取得手段は4つ以上の測位衛星から受信した信号に基づいて前記位置情報を取得し、前記位置情報算出手段は3つ以下の測位衛星から受信した信号に基づいて前記位置情報を算出する。
【0008】
本発明において、緊急通報発生時の位置情報と地図データベースとを参照して受信環境を取得する手段と、取得した受信環境に基づいて前記位置情報取得手段および前記位置情報算出手段の何れか一方を選択する手段とを備える。緊急通報イベントが発生したときの現在位置の受信環境をナビゲーション装置等の地図データベースから把握できるので、受信環境に応じて位置情報取得手段または位置情報算出手段を適応的に切り替えて位置情報を取得または算出することができる。
【0009】
本発明において、前記位置情報取得手段および前記位置情報算出手段は、測位衛星からの信号を受信する受信機を装置外部で共用する。受信機を外部で共用することで、緊急通報装置自体に受信機を備える必要がなくなりコスト削減を図ることができる。
【0010】
本発明において、前記位置情報取得手段による位置情報の取得を停止し、前記位置情報算出手段による位置情報の算出を緊急通報発生時にのみ行う。位置情報算出手段により算出した位置情報に統一させることで、緊急通報装置内で位置情報取得手段を作動させる必要がないため、消費電力を削減することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、測位衛星を利用して検出する現在位置の精度が悪化する受信環境(例えば、建物の密集した都会、地下駐車場、屋内など)において緊急通報イベントが発生した場合(緊急通報ボタンが押下された場合又はエアバッグ装置が作動した場合等)でも、携帯端末の現在位置検出機能(ネットワーク支援GPS機能)を利用して位置情報サーバから衛星軌道情報及び時間情報を取得し、これらの情報から現在位置を算出することができるので、受信環境の悪い場所で緊急事態が発生しても、精度の良い位置情報を緊急通報先に通報することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る緊急通報システムの構成を示すブロック図である。図1において、本実施の形態に係る緊急通報システムは、緊急通報装置10と、カーナビゲーション装置20と、携帯電話30と、位置情報サーバ3と、緊急通報センタ5とを備えて構成される。緊急通報装置10とカーナビゲーション装置20は予め車両1に搭載されており、携帯電話30は車両1のユーザによって車両1内に持ち込まれる。
【0013】
緊急通報装置10は、GPS受信機11と、ジャイロセンサ12と、装置各部を制御する制御部13とを備えている。GPS受信機11は、全地球測位システムを構成する複数の測位衛星であるGPS衛星のうち、4個以上のGPS衛星2から送信される信号を受信し、各受信信号を基に現在の位置を算出し、その結果を位置情報として出力する。ジャイロセンサ12は、車両1の進行方位を示す進行方位情報を出力する。ジャイロセンサ12は、圧電セラミック素子に電圧を印加して振動を繰り返し行わせ、この状態で回転運動により角速度が加わるとコリオリの力が発生して圧電セラミック素子が微妙に歪む。この歪みを、進行方位を示す方位情報として取り出す。
【0014】
なお、GPS受信機11に代えて、GLONASS(Global Navigation Satellite System、ロシアにより運行されている衛星航法システム)などGPS以外の航法衛星測位システムの受信機を設けても良い。
【0015】
緊急通報ボタン14は、事故発生時や急病時等の救助を求めるときに使用するボタンであり、これを操作したときに緊急通報イベントであるスイッチ信号が出力される。このスイッチ信号は緊急通報装置10の制御部13に入力される。エアバッグ装置15は、車両1が大きな衝撃を受けたときに点火してエアバックを作動させ、衝撃から搭乗者を保護するものである。エアバック作動時には緊急通報イベントであるエアバック作動信号が出力され、緊急通報装置10に入力される。
【0016】
緊急通報装置10の制御部13は、図示せぬCPU(中央処理装置)、該CPUを制御するためのプログラムが書き込まれたプログラムメモリ並びに該CPUの動作において使用されるワークメモリ、さらには装置外部の機器と接続するためのインタフェース(インタフェース手段)等を備えている。本実施の形態では、緊急通報ボタン14、エアバック装置15、カーナビゲーション装置20及び携帯電話30が接続される。
【0017】
制御部13は、GPS受信機11からの現在位置情報をジャイロセンサ12からの進行方位情報を用いて補正し、精度の高い位置情報を求めてカーナビゲーション装置20に入力する。この処理は緊急通報装置10に電源オンされた時点から電源オフされる時点まで間に所定タイミング毎に行われる。
【0018】
また、制御部13は、緊急通報ボタン14からスイッチ信号又はエアバック装置15からエアバック作動信号が入力されると、カーナビゲーション装置20が表示している位置情報を取得して、その位置情報を携帯電話30の通信機能を利用して緊急通報センタ5へ送信する。緊急通報センタ5は携帯電話30から送信された位置情報を受信すると、車両1が緊急通報を発生した位置を警察署や消防署に通報して救助の支援を行う。
【0019】
また、制御部13は、3個以下のGPS衛星2からの信号しか受けられない状態(建物の密集した都会、地下駐車場、屋内など)にあるときに、緊急通報ボタン14からスイッチ信号又はエアバック装置15からエアバック作動信号が入力されると、携帯電話30が備えるネットワーク支援GPS機能(位置情報サーバ3からの情報を利用して現在の位置を求める機能、特に携帯電話側で求める方式をMS-Based Modeと呼ばれている)を利用して現在位置を取得し、その位置情報を緊急通報センタ5へ送信する。緊急通報センタ5は携帯電話30から送信された位置情報を受信すると、車両1が緊急通報を発生した位置を警察署や消防署に通報して救助の支援を行う。
【0020】
カーナビゲーション装置20は、地図データを蓄積した地図データベース21と、地図データベース21に蓄積された地図データと緊急通報装置10から入力される位置情報とを基に経路誘導処理を行う制御部22とを備えている。制御部22は、図示せぬCPU(中央処理装置)、該CPUを制御するためのプログラムが書き込まれたプログラムメモリ並びに該CPUの動作において使用されるワークメモリ、さらには外部機器とを接続するためのインタフェース等を備えている。本実施の形態では緊急通報装置10が接続される。
【0021】
カーナビゲーション装置20は、緊急通報装置10から入力された現在位置を地図データベース21とマッチングすることで地図上での車両1の現在位置を図示せぬ液晶ディスプレイ等の表示装置に表示する。これにより、運転者は表示装置を見ることで自車の現在位置を知ることができる。
【0022】
携帯電話30は、通常の携帯電話として使用するための送受信機(図示略)の他に、上述したネットワーク支援GPS機能を持つGPS受信機31を備えている。このネットワーク支援GPS機能は、4個以上のGPS衛星2からの信号を受信できないときに、携帯電話網を経由して位置情報サーバ3から測位計算に必要な衛星軌道情報及び時間情報を取得することで現在位置を求めるものである。携帯電話30には外部機器と接続するためのインタフェースが設けられており、このインタフェースを介して緊急通報装置10が携帯電話30の測位システム機能を利用する。
【0023】
位置情報サーバ3は、全地球測位システムを構成する複数の測位衛星であるGPS衛星のうち、4個以上のGPS衛星2から送信される信号を受信し、各受信信号を解析して緊急通報装置10での測位計算に必要な衛星軌道情報及び時間情報を求め、これらの情報を緊急通報装置10からの要求時に携帯電話基地局4経由で車両1の携帯電話30へ送信する。携帯電話30のGPS受信機31は、位置情報サーバ3より送られてきた衛星軌道情報及び時間情報を用いて現在位置を求める。
【0024】
次に、図2に示すフローチャートを参照しながら、上記構成の緊急通報システムの動作について説明する。動作の主体となるものは緊急通報装置10の制御部13であり、単に制御部13と記載することとする。まず、制御部13は、緊急通報発生の有無を判定する(ステップS10)。すなわち、緊急通報ボタン14からスイッチ信号又はエアバック装置15からエアバック作動信号の入力の有無を判定する。この判定において、スイッチ信号又はエアバック作動信号のいずれも入力されていない場合はこのステップを繰り返し、いずれか一方でも入力されれば次のステップに進み、測位可能衛星数が4個以上であるかどうか判定する(ステップS11)。すなわち、GPS11が現在視界に置いているGPS衛星2の測位可能衛星数を数えた結果を判定する。
【0025】
ステップS11の判定において、測位可能衛星数が4個以上あると判断すると、カーナビゲーション装置20が表示している位置情報即ちGPS受信機11からの位置情報とジャイロセンサ12からの進行方位情報とから取得した位置情報を携帯電話30の通信機能を利用して緊急通報センタ5へ送信する(ステップS12)。これに対して、測位可能衛星数が3個以下であると判断すると、携帯電話30が備えるネットワーク支援GPS機能で現在位置を取得する(ステップS13)。そして、取得した位置情報を携帯電話30の通信機能を利用して緊急通報センタ5へ送信する(ステップS14)。
【0026】
このように、本実施の形態の緊急通報システムによれば、緊急通報装置10が4個以上のGPS衛星2からの信号を受信できない受信環境の悪い場所で緊急通報が発生すると、GPS受信機11による測位に代わって、携帯電話30が備えるネットワーク支援GPS機能を使用して現在位置を求め、その位置情報を緊急通報センタ5へ送信するので、どのような受信環境でも精度の高い位置情報を緊急通報センタ5へ送信することが可能となり、緊急通報を発した車両を短時間で且つ確実に探し出すことができる。
【0027】
(実施の形態2)
上述した実施の形態1の緊急通報システムでは、受信可能な衛星数に基づいて位置情報を取得する方式を変えるものであったが、すなわち受信可能衛星数が4個以上のときは、GPS受信機11からの位置情報とジャイロセンサ12からの進行方位情報とから位置情報を取得し、3個以下のときは、携帯電話30が備えるネットワーク支援GPS機能を使用して位置情報を取得するようにしたが、本実施の形態2の緊急通報システムでは、緊急通報が発生したときのカーナビゲーション装置20の情報に基づいて位置情報を取得する方式を変えるようにしたものである。
【0028】
すなわち、緊急通報が発生したときのカーナビゲーション装置20の地図データベース21における車両1の位置が建物の密集した都会や地下駐車場、屋内などGPS受信機11を使用して得ることのできる位置情報の精度が悪い場所にマッチングしていた場合は、携帯電話30が備えるネットワーク支援GPS機能を使用して位置情報を取得し、他方、田舎や郊外など遮蔽物が少なく4個以上のGPS衛星2を視界に置くことができる場所にマッチングしていた場合はGPS受信機11からの位置情報とジャイロセンサ12からの進行方位情報とから位置情報を取得する。
【0029】
上記内容をフローチャートで表すと、図3に示すようになる。まず、緊急通報装置10の制御部13は、緊急通報発生の有無を判定する(ステップS20)。すなわち、緊急通報ボタン14からスイッチ信号又はエアバック装置15からエアバック作動信号の入力の有無を判定する。この判定において、スイッチ信号又はエアバック作動信号のいずれも入力されていない場合はこのステップを繰り返し、いずれか一方でも入力されれば次のステップに進み、カーナビゲーション装置20の地図データベース21から現在位置を確認する(ステップS21)。
【0030】
地図データベース21から確認にした現在位置が受信状況の良い場所であれば、すなわち田舎や郊外など遮蔽物が少なく4個以上のGPS衛星2を視界に置くことができる場所であれば、カーナビゲーション装置20が表示している位置情報即ちGPS受信機11からの位置情報とジャイロセンサ12からの進行方位情報とから取得した位置情報を携帯電話30の通信機能を利用して緊急通報センタ5へ送信する(ステップS23)。
【0031】
これに対して、地図データベース21から確認した現在位置が受信状況の悪い場所であれば、すなわち建物の密集した都会や地下駐車場、屋内などGPS受信機11を使用して得ることのできる位置情報の精度が悪い場所であれば、携帯電話30が備えるネットワーク支援GPS機能により現在位置を取得する(ステップS24)。そして、取得した位置情報を携帯電話30の通信機能を利用して緊急通報センタ5へ送信する(ステップS25)。
【0032】
このように、本実施の形態の緊急通報システムによれば、緊急通報が発生すると、そのときのカーナビゲーション装置20からの情報により車両1の位置が建物の密集した都会や地下駐車場、屋内などGPS受信機11を使用して得ることのできる位置情報の精度が悪い受信環境であれば、携帯電話30が備えるネットワーク支援GPS機能により位置情報を取得し、他方田舎や郊外など遮蔽物が少なく4個以上のGPS衛星2を視界に置くことができる場所であれば、GPS受信機11からの位置情報とジャイロセンサ12からの進行方位情報とから位置情報を取得するので、如何なる受信環境でも精度の高い位置情報を緊急通報センタ5へ送信することが可能となり、緊急通報を発した車両を短時間で且つ確実に探し出すことができる。
【0033】
なお、上記実施の形態では、受信環境が悪いとき以外は緊急通報の如何に関わらず現在位置の検出をGPS受信機11にて行うようにしたが、このGPS受信機11では常に位置情報を取得し続けている状態でないと精度の高い位置情報を得ることができないので、このGPS受信機11は常時動作させておく必要がある。このため、省電力化が難しい。そこで、携帯電話30のGPS受信機31を使用のみ使用すれば、緊急通報時以外は測位しなくても良いので、省電力化が可能となる。すなわち、携帯電話30は、ネットワーク支援GPS機能によって位置情報サーバ3から現在位置を求めるための情報が得られるので、常に位置情報を取得する必要がない。
【0034】
また、上記各実施の形態では、GPS受信機11とジャイロセンサ12を備えた緊急通報装置10を用いたが、カーナビゲーション装置に搭載されているGPS受信機とジャイロセンサを利用することで、GPS受信機11とジャイロセンサ12を省くことができ、これにより大幅なコストダウンが可能となる。但し、緊急通報装置10からGPS受信機11とジャイロセンサ12を省かなければ一方が故障しても他方を使用できるので、信頼性向上が図れる。
【0035】
また、緊急通報装置10と、カーナビゲーション装置20と、携帯電話30それぞれの構成は様々な場合が挙げられる。しかしながら、要はGPS衛星2を利用した現在位置の取得と、携帯電話30が備えるネットワーク支援GPS機能により現在位置の取得ができる構成であれば、どのような構成でも構わない。
【0036】
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3に係る緊急通報システムの構成を示すブロック図である。なお、上述した実施の形態1に係る緊急通報システムと同一機能を持つ部分には同一の符号を付けている。この実施の形態の緊急通報システムは、ジャイロセンサを備えていない緊急通報装置10Bと、GPS受信機23とジャイロセンサ24を備えたカーナビゲーション装置20Bと、GPS受信機は持たずネットワーク支援GPS機能のみ備える携帯電話30Bとを備えている。
【0037】
緊急通報装置10Bの制御部13は、GPS受信機11からの位置情報とカーナビゲーション装置20Bのジャイロセンサ12からの進行方位情報とから位置情報を取得する。この実施の形態も測位可能衛星数が3個以下の場合又は受信状況が悪い場所で緊急通報が発生したときに携帯電話30が備えるネットワーク支援GPS機能を使用して位置情報を取得し、緊急通報センタ5へ送信する。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の緊急通報装置は、測位衛星を利用して検出する現在位置の精度が悪化する受信環境(例えば、建物の密集した都会、地下駐車場、屋内など)において緊急通報イベントが発生した場合(緊急通報ボタンが押下された場合又はエアバッグ装置が作動した場合等)でも、携帯端末の現在位置検出機能(ネットワーク支援GPS機能)を利用して位置情報サーバから衛星軌道情報及び時間情報を取得し、これらの情報から現在位置を算出することができるので、受信環境の悪い場所で緊急事態が発生しても、精度の良い位置情報を緊急通報先に通報することができるという効果を有し、緊急通報発生時の位置情報を通報先に送信する緊急通報装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施の形態1に係る緊急通報システムの構成を示すブロック図
【図2】実施の形態1に係る緊急通報システムの動作を説明するためのフローチャート
【図3】本発明の実施の形態2に係る緊急通報システムの動作を説明するためのフローチャート
【図4】本発明の実施の形態3に係る緊急通報システムの構成を示すブロック図
【符号の説明】
【0040】
1 車両
2 GPS衛星
3 位置情報サーバ
4 携帯電話基地局
5 緊急通報センタ
10 緊急通報装置
11、23 GPS受信機
12、24 ジャイロセンサ
13、22 制御部
14 緊急通報ボタン
15 エアバック装置
20、20B カーナビゲーション装置
21 地図データベース
30、30B 携帯電話
31 ネットワーク支援GPS機能を備えたGPS受信機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
緊急通報発生時の位置情報を通報先に送信する緊急通報装置であって、測位衛星から受信した信号に基づいて前記位置情報を取得する位置情報取得手段と、測位衛星から受信した信号とネットワークを介してアクセスした位置情報サーバから取得した衛星軌道情報及び時間情報とに基づいて前記位置情報を算出する位置情報算出手段とを備える緊急通報装置。
【請求項2】
前記位置情報取得手段は4つ以上の測位衛星から受信した信号に基づいて前記位置情報を取得し、前記位置情報算出手段は3つ以下の測位衛星から受信した信号に基づいて前記位置情報を算出する請求項1記載の緊急通報装置。
【請求項3】
緊急通報発生時の位置情報と地図データベースとを参照して受信環境を取得する手段と、取得した受信環境に基づいて前記位置情報取得手段および前記位置情報算出手段の何れか一方を選択する手段とを備える請求項1または2記載の緊急通報装置。
【請求項4】
前記位置情報取得手段および前記位置情報算出手段は、測位衛星からの信号を受信する受信機を装置外部で共用する請求項1または3の何れか一項記載の緊急通報装置。
【請求項5】
前記位置情報取得手段による位置情報の取得を停止し、前記位置情報算出手段による位置情報の算出を緊急通報発生時にのみ行う請求項1から3の何れか一項記載の緊急通報装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−39610(P2006−39610A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−213968(P2004−213968)
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】