説明

緊急通報通知システム

【課題】緊急通報の発信元の移動端末20の近くに位置する移動端末20のユーザに、緊急事態の発生を迅速に通知することができる緊急通報通知システム10を提供する。
【解決手段】本発明の緊急通報通知システム10は、自局のサービスエリア14内の移動端末20から緊急通報を受けた移動端末20が、自局のサービスエリア14内の移動端末20へ緊急通報をブロードキャストすると共に、隣接する移動端末20に緊急通報をその移動端末20のサービスエリア14内の移動端末20へブロードキャストさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動端末から当該移動端末の位置情報を含む緊急通報が送信された場合に、その旨を他の移動端末に通知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
緊急通報があった場合には、迅速に通報者の場所に急行することが求められる。しかし、緊急通報には携帯電話が用いられることが多くなっており、通報者の位置を把握することが困難になっている。そこで、2007年4月より、所定の機能を備えた携帯電話においては、緊急通報の際に通報者の位置情報を通知することが法律により義務付けられた。しかし、通報があってからでは、その担当者が現場から離れた場所にいる場合には、担当者が現場に到着するまでに時間がかかってしまう。
【0003】
それを回避するための技術として、下記の特許文献1には、携帯端末から緊急通報を受け取った基地局が、自局のサービスエリア内の全携帯端末に、緊急情報をブロードキャストすることにより、緊急事態が発生した現場近くの携帯端末の保有者に緊急通報を通知するシステムが開示されている。これにより、通報者は、緊急事態により迅速に対処してもらうことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−77562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に開示されている技術では、同一基地局のサービスエリア内の携帯端末にしか緊急情報が通知されない。そのため、緊急通報を行った携帯端末が基地局のサービスエリアの端に位置している場合には、同一のサービスエリアにある他の携帯端末よりも、同一のサービスエリアの外であって、他の基地局のサービスエリア内にある携帯端末の方が、緊急通報を行った携帯端末から近い位置にある場合がある。
【0006】
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、緊急通報の発信元の携帯端末の近くに位置する携帯端末のユーザに、緊急事態の発生を迅速に通知することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明では、自局のサービスエリア内の移動端末から緊急通報を受けた基地局が、自局のサービスエリア内の移動端末へ緊急通報をブロードキャストすると共に、隣接する基地局に緊急通報をその基地局のサービスエリア内の移動端末へブロードキャストさせる。
【0008】
例えば、本発明の第一の態様は、移動端末の位置情報を含む緊急通報を、他の移動端末に通知する緊急通報通知システムであって、
複数の基地局を備え、
前記複数の基地局のそれぞれは、
隣接する他の基地局のアドレスを格納する基地局情報格納部と、
自局のサービスエリア内の移動端末から緊急通報を受信した場合に、当該緊急通報を自局のサービスエリア内の移動端末へブロードキャストにより配信すると共に、隣接する他の基地局のアドレスを前記基地局情報格納部から抽出し、受信した緊急通報を、抽出したアドレスに対応する他の基地局へ転送する第1の配信部と、
他の基地局から緊急通報を受信した場合に、当該緊急通報を自局のサービスエリア内の移動端末へブロードキャストにより配信する第2の配信部と
を備えることを特徴とする緊急通報通知システムを提供する。
【0009】
また、本発明の第二の態様は、移動端末の位置情報を含む緊急通報を、他の移動端末に通知する緊急通報通知システムであって、
複数の基地局と、
位置情報作成装置と
を備え、
前記位置情報作成装置は、
地図情報を格納する地図情報格納部と、
基地局から緊急通報と共に基地局のアドレスを受信した場合に、当該緊急通報に含まれている位置情報が示す地点を含む地図情報を前記地図情報格納部から抽出し、抽出した地図情報内に位置情報が示す地点を記した通報者位置情報を作成し、作成した通報者位置情報を、受信したアドレスに対応する基地局へ送信する位置情報作成部と
を有し、
前記複数の基地局のそれぞれは、
隣接する他の基地局のアドレスを格納する基地局情報格納部と、
自局のサービスエリア内の移動端末から緊急通報を受信した場合に、隣接する他の基地局のアドレスを前記基地局情報格納部から抽出し、抽出したアドレスに自局のアドレスを加えて、受信した緊急通報と共に前記位置情報作成装置へ送信する緊急通報転送部と、
前記位置情報作成装置から通報者情報を受信した場合に、当該通報者情報を自局のサービスエリア内の移動端末へブロードキャストにより配信する配信部と
を備えることを特徴とする緊急通報通知システム提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の緊急通報通知システムによれば、緊急通報の発信元の移動端末の近くに位置する移動端末のユーザに、緊急事態の発生を迅速に通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る緊急通報通知システム10の一例を示すシステム構成図である。
【図2】ブロードキャスト管理装置50の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図3】鍵情報格納部52に格納されるデータの構造の一例を示す図である。
【図4】移動端末20の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図5】復号鍵格納部202に格納されるデータの構造の一例を示す図である。
【図6】緊急通報60および緊急情報61のデータの構造の一例を示す図である。
【図7】第1の実施形態における基地局30の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図8】基地局情報格納部35に格納されるデータの構造の一例を示す図である。
【図9】位置情報作成装置40の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図10】メッセージ格納部41に格納されるデータの構造の一例を示す図である。
【図11】地図情報格納部43に格納されるデータの構造の一例を示す図である。
【図12】緊急通報62および通報内容63のデータの構造の一例を示す図である。
【図13】通報者位置情報70の一例を示す図である。
【図14】復号鍵の取得処理の一例を示すシーケンス図である。
【図15】第1の実施形態における緊急通報通知処理の一例を示すシーケンス図である。
【図16】第1の実施形態における緊急通報通知処理の一例を示すシーケンス図である。
【図17】第2の実施形態における基地局30の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図18】第2の実施形態における緊急通報通知処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る緊急通報通知システム10の一例を示すシステム構成図である。緊急通報通知システム10は、複数の基地局30および位置情報作成装置40を備える。
【0014】
本実施形態における移動端末20は、測位衛星からのGPS(Global Positioning System)信号に基づいて移動端末20の位置(緯度および経度)を算出する機能を有しており、ユーザが音声通話により緊急通報を行った場合に、移動端末20の位置を算出し、算出した位置を示す情報を含む緊急通報をデータ通信により基地局30へ送信する。なお、本明細書において、緊急通報とは、特に示す場合を除きデータ通信による緊急通報を指す。
【0015】
また、移動端末20は、基地局30を介してブロードキャスト管理装置50と通信して、緊急通報の通知サービスに対応する復号鍵をブロードキャスト管理装置50から予め取得して保持している。そして、移動端末20は、基地局30から、緊急通報の通知サービスに対応する、暗号化されたデータを受信した場合に、保持している復号鍵を用いて受信したデータを復号し、緊急通報に関する情報をユーザに通知する。
【0016】
指令台端末12は、オペレータ13によって操作され、移動端末20からの音声による緊急通報をオペレータ13に通知する。また、指令台端末12は、オペレータ13が通報者から聞き出した通報の内容をオペレータ13から受け付けて、通信回線11を介して位置情報作成装置40へ送信する。
【0017】
位置情報作成装置40は、通信回線11を介して基地局30から、通報者の移動端末20の位置情報、および、複数の基地局のアドレスを含む緊急通報を受信した場合に、当該位置情報で示される地点が記された地図データを作成する。そして、位置情報作成装置40は、指令台端末12から受信した通報の内容を、作成した地図データに追記して通報者位置情報を作成し、作成した通報者位置情報を、緊急通報に含まれているアドレスに対応する基地局へ送信する。
【0018】
ブロードキャスト管理装置50は、ブロードキャストにより配信されるサービス毎に、暗号鍵および復号鍵を保持しており、移動端末20や基地局30からの要求に応じて暗号鍵または復号鍵を提供する。
【0019】
基地局30は、移動端末20と無線通信を行い、移動端末20の通信を通信回線11を介して他の装置に中継する。また、基地局30は、自局のサービスエリア14内の移動端末20からデータ通信による緊急通報を受信した場合に、通信回線11を介してブロードキャスト管理装置50から、緊急通報の通知サービスに対応する暗号鍵を取得する。そして、基地局30は、取得した暗号鍵を用いて、受信した緊急通報を暗号化し、暗号化したデータを、自局のサービスエリア14内の移動端末20にブロードキャストにより配信する。
【0020】
また、移動端末20から緊急通報を受信した基地局30は、受信した緊急通報を、隣接する他の基地局30へ通信回線11を介して転送する。通信回線11を介して他の基地局30から緊急通報を受信した基地局30は、通信回線11を介してブロードキャスト管理装置50から、緊急通報の通知サービスに対応する暗号鍵を取得し、取得した暗号鍵を用いて、受信した緊急通報を暗号化して、自局のサービスエリア14内の移動端末20にブロードキャストにより配信する。
【0021】
また、移動端末20から緊急通報を受信した基地局30は、受信した緊急通報に、自局および隣接する他の基地局30のアドレスを含めて通信回線11を介して位置情報作成装置40へ送信する。そして、位置情報作成装置40から通報者位置情報を受信した場合、基地局30は、通信回線11を介してブロードキャスト管理装置50から、緊急通報の通知サービスに対応する暗号鍵を取得し、取得した暗号鍵を用いて、受信した通報者位置情報を暗号化して、自局のサービスエリア14内の移動端末20にブロードキャストにより配信する。
【0022】
これにより、例えば図1において、移動端末20bが緊急情報を発信した場合に、同一の基地局30Bのサービスエリア14B内だけでなく、隣接する基地局30Aのサービスエリア14A内の移動端末20aに対しても緊急通報および通報者位置情報を通知することができる。そのため、移動端末20bが属する基地局30Bとは異なる基地局30Aのサービスエリア14A内にあるが、移動端末20cよりも移動端末20bの近くにある移動端末20aに対しても緊急通報および通報者位置情報を通知することができる。
【0023】
次に、それぞれの装置について、その機能構成を詳しく説明する。図2は、ブロードキャスト管理装置50の機能構成の一例を示すブロック図である。ブロードキャスト管理装置50は、鍵情報提供部51および鍵情報格納部52を有する。
【0024】
鍵情報格納部52には、例えば図3に示すように、ブロードキャストにより配信されるそれぞれのサービスを識別するサービスID520に対応付けて、当該サービスにおいて配信されるデータを暗号化するための暗号鍵521、および、暗号鍵521によって暗号化されたデータを復号化するための復号鍵522が予め格納されている。
【0025】
鍵情報提供部51は、通信回線11を介して移動端末20から、サービスIDを含む復号鍵要求を受信した場合に、当該移動端末20との間で認証を行い、当該サービスIDに対応するサービスの提供が許可された移動端末20であるか否かを判定する。サービスの提供が許可された移動端末20である場合、鍵情報提供部51は、当該サービスのサービスIDに対応する復号鍵を鍵情報格納部52から抽出して、復号鍵要求の送信元の移動端末20に提供する。また、鍵情報提供部51は、通信回線11を介して基地局30から、サービスIDを含む暗号鍵要求を受信した場合に、当該サービスIDに対応する暗号鍵を鍵情報格納部52から抽出して提供する。
【0026】
図4は、移動端末20の機能構成の一例を示すブロック図である。移動端末20は、緊急通報発信部200、GPS受信部201、復号鍵格納部202、復号鍵取得部203、無線通信部204、データ復号部205、通信処理部206、入力装置207、出力装置208、アンテナ209、およびアンテナ210を有する。
【0027】
復号鍵格納部202には、例えば図5に示すように、ブロードキャストにより配信されるそれぞれのサービスを識別するサービスID2020に対応付けて、当該サービスにおいて配信されるデータを復号化するための復号鍵2021が格納される。
【0028】
無線通信部204は、アンテナ210を介して無線通信により基地局30との間に無線通信路を確立する。そして、無線通信部204は、緊急通報発信部200、復号鍵取得部203、または通信処理部206からの信号を、アンテナ210を介して基地局30へ送信し、アンテナ210を介して基地局30から受信した信号を、復号鍵取得部203、データ復号部205、または通信処理部206へ送る。
【0029】
通信処理部206は、キーパッド等の入力装置207を介したユーザの操作に従って、無線通信部204を介して、データ通信による緊急通報以外の音声通信またはデータ通信を行う。GPS受信部201は、測地衛星からのGPS信号をアンテナ209を介して受信し、受信したGPS信号から移動端末20の緯度および経度を示す位置情報を算出して緊急通報発信部200に供給する。
【0030】
復号鍵取得部203は、入力装置207を介してユーザからサービスIDを受け付けた場合に、受け付けたサービスIDを含む復号鍵要求を作成する。そして、復号鍵取得部203は、作成した復号鍵要求を、無線通信部204を介してブロードキャスト管理装置50へ送信してブロードキャスト管理装置50との間で認証処理を行う。認証が成功した場合、復号鍵取得部203は、ブロードキャスト管理装置50から提供された復号鍵を、ユーザから入力されたサービスIDに対応付けて復号鍵格納部202に格納する。
【0031】
緊急通報発信部200は、ユーザが入力装置207を操作して音声による緊急通報を発信した場合に、例えば図6(a)に示すような、緊急フラグ600、移動端末20の電話番号601、およびGPS受信部201から供給された位置情報602を含む緊急通報60を作成する。そして、緊急通報発信部200は、作成した緊急通報60を、無線通信部204を介して基地局30へ送信する。
【0032】
データ復号部205は、無線通信部204を介して、例えば図6(b)に示すような、サービスID610および暗号化されたデータ611を含む緊急情報61を受信した場合に、サービスID610に対応する復号鍵が復号鍵格納部202内に格納されていれば、当該暗号鍵を復号鍵格納部202から抽出する。そして、データ復号部205は、抽出した復号鍵を用いて暗号化されたデータ611を復号し、復号したデータをディスプレイ等の出力装置208に表示する。
【0033】
なお、データ復号部205は、移動端末20の現在位置から、緊急情報に含まれている位置情報が示す地点までの距離や方向をディスプレイに表示するようにしてもよい。また、移動端末20が住所データや簡易な地図データを有している場合、データ復号部205は、緊急情報に含まれている位置情報が示す地点の住所や、当該地点を記した地図をディスプレイに表示するようにしてもよい。
【0034】
図7は、第1の実施形態における基地局30の機能構成の一例を示すブロック図である。基地局30は、無線通信部31、データ中継部32、第2の配信部33、第1の配信部34、基地局情報格納部35、およびアンテナ36を有する。
【0035】
基地局情報格納部35には、例えば図8に示すように、自局に隣接する他の基地局30のそれぞれを識別する基地局ID350に対応付けて、当該基地局30のアドレス351が予め格納されている。本実施形態においてアドレス351の欄には、例えば基地局30のIPアドレスが格納される。
【0036】
無線通信部31は、アンテナ36を介して無線通信により移動端末20との間に無線通信路を確立する。そして、無線通信部31は、データ中継部32、第2の配信部33、または第1の配信部34からの信号を、アンテナ36を介して移動端末20へ送信し、アンテナ36を介して移動端末20から受信した信号を、データ中継部32または第1の配信部34へ送る。
【0037】
データ中継部32は、無線通信部31を介して移動端末20から受信した、データ通信による緊急通報以外のデータを、通信回線11を介して所定の宛先へ中継すると共に、通信回線11を介して受信した緊急通報または通報者位置情報以外のデータを、無線通信部31を介して移動端末20へ中継する。
【0038】
第1の配信部34は、無線通信部31を介して移動端末20から緊急通報を受信した場合に、緊急情報の通知サービスに対応するサービスIDを含む暗号鍵要求を通信回線11を介してブロードキャスト管理装置50へ送信する。そして、第1の配信部34は、ブロードキャスト管理装置50から暗号鍵を受信し、受信した暗号鍵を用いて、移動端末20から受信した緊急通報を暗号化する。そして、第1の配信部34は、暗号化したデータと緊急情報の通知サービスに対応するサービスIDとを含む緊急情報を作成し、作成した緊急情報を、無線通信部31を介して自局のサービスエリア14内の移動端末20へブロードキャストにより配信する。
【0039】
このように、緊急通報を暗号化してブロードキャストするため、当該緊急通報は、予め対応する復号鍵を有している移動端末20ののみが復号することができる。そのため、医療関係者等、特定の関係者の移動端末20に緊急通報を復号させることができ、緊急事態が発生した現場の混乱や、野次馬が集まるような事態を防止することができる。
【0040】
また、第1の配信部34は、移動端末20から緊急通報を受信した場合に、隣接する他の基地局のアドレスを基地局情報格納部35から抽出し、移動端末20から受信した緊急通報を、抽出したアドレスに対応する他の基地局30へ通信回線11を介して転送する。また、第1の配信部34は、抽出したアドレスに自局のアドレスを加えて、移動端末20から受信した緊急通報に、自局および隣接基地局30のアドレスを追加して通信回線11を介して位置情報作成装置40へ送信する。
【0041】
第2の配信部33は、通信回線11を介して他の基地局30から緊急通報を受信した場合に、緊急情報の通知サービスに対応するサービスIDを含む暗号鍵要求を通信回線11を介してブロードキャスト管理装置50へ送信する。そして、第2の配信部33は、ブロードキャスト管理装置50から暗号鍵を受信し、受信した暗号鍵を用いて、他の基地局30から受信した緊急通報を暗号化する。そして、第2の配信部33は、暗号化したデータと緊急情報の通知サービスに対応するサービスIDとを含む緊急情報を作成し、作成した緊急情報を、無線通信部31を介して自局のサービスエリア14内の移動端末20へブロードキャストにより配信する。
【0042】
このように、基地局30は、移動端末20から受信した緊急通報を暗号化して自局および隣接する他の基地局30のサービスエリア内にブロードキャストする。これにより、移動端末20は、緊急通報の発生を迅速に所定のユーザに通知することができる。そのため、その時点で通報者の位置がわかる場合には、ユーザは、緊急通報の詳細がその後に配信されるのを待つこと無く、より迅速に現場に急行することができる。また、これにより、ユーザは、何らかの作業中である場合に、その作業を中断して(運転中である場合には車を路肩に寄せて)、続いて配信される緊急通報の詳細を受け取るために待機することができる。
【0043】
また、第2の配信部33は、通信回線11を介して位置情報作成装置40から通報者位置情報を受信した場合に、緊急情報の通知サービスに対応するサービスIDを含む暗号鍵要求を通信回線11を介してブロードキャスト管理装置50へ送信する。そして、第2の配信部33は、ブロードキャスト管理装置50から暗号鍵を受信し、受信した暗号鍵を用いて、位置情報作成装置40から受信した通報者位置情報を暗号化する。そして、第2の配信部33は、暗号化したデータと緊急情報の通知サービスに対応するサービスIDとを含む緊急情報を作成し、作成した緊急情報を、無線通信部31を介して自局のサービスエリア14内の移動端末20へブロードキャストにより配信する。
【0044】
図9は、位置情報作成装置40の機能構成の一例を示すブロック図である。位置情報作成装置40は、メッセージ格納部41、位置情報作成部42、および地図情報格納部43を有する。
【0045】
メッセージ格納部41には、例えば図10に示すように、それぞれのメッセージを識別するメッセージID410に対応付けて、メッセージ411が予め格納されている。なお、所定のメッセージID410(図10の例では「M000」)は、オペレータにより任意に入力されるメッセージに割り当てられる。
【0046】
地図情報格納部43には、例えば図11に示すように、地図を所定の大きさ毎に区切った矩形の領域データの1つの頂点(例えば左上の頂点)の座標である第1座標430、および、第1座標430に対向する他の頂点(例えば右下の頂点)の座標である第2座標431に対応付けて、当該矩形領域の地図データ432が予め格納されている。
【0047】
位置情報作成部42は、通信回線11を介して基地局30から、例えば図12(a)に示すような、緊急フラグ620、緊急通報を行った移動端末20の電話番号621、当該移動端末20の位置情報622、ならびに、当該移動端末20から緊急通報を受け取った基地局30および当該基地局30に隣接する基地局30のアドレス623を含む緊急通報62を受信した場合に、当該位置情報622に基づいて地図情報格納部43内の第1および第2の座標を参照し、当該位置情報622に示された地点を含む矩形領域の地図データを地図データ432から抽出する。
【0048】
そして、位置情報作成部42は、位置情報に示された地点を含む地図データを中心として、当該地図データの周辺の地図データを所定数(例えば8枚)抽出し、抽出した地図データを合成して1つの地図データを作成する。そして、位置情報作成部42は、作成した地図データに、位置情報に示された地点を示す図形を追加する。
【0049】
次に、位置情報作成部42は、通信回線11を介して指令台端末12から、例えば図12(b)に示すような、通報を行った移動端末20の電話番号630、および、通報者位置情報に記載するメッセージのメッセージID631を含む通報内容63を受信した場合に、当該メッセージID631に対応するメッセージをメッセージ格納部41から抽出する。
【0050】
なお、メッセージID631に任意のメッセージに対応するメッセージID(例えば「M000」)が格納されている場合、通報内容63には、指令台端末12のオペレータによって入力されたメッセージデータ632が格納される。また、緊急通報が間違いであったり、いたずらであった場合には、オペレータは、その旨をメッセージとして含む通報内容63を、指令台端末12を介して位置情報作成装置40へ送信する。
【0051】
次に、位置情報作成部42は、通報者の電話番号が同一のものについて、抽出したメッセージを、位置情報を追加した地図データに合成して、例えば図13に示すような通報者位置情報70を作成し、作成した通報者位置情報70を、基地局30から受信した緊急通報に含まれているアドレスに対応する基地局30へ、通信回線11を介して送信する。図13に示した通報者位置情報70において、領域71には、通報を行った移動端末20の位置を示す図形73が記された地図が表示され、領域72には、通報者からの情報に基づいてオペレータが選択または入力したメッセージが表示される。
【0052】
次に、緊急通報通知システム10全体の動作について説明する。図14は、復号鍵の取得処理の一例を示すシーケンス図である。
【0053】
まず、移動端末20は、ユーザから受け付けたサービスIDを含む復号鍵要求を作成して基地局30へ送信する(S100)。基地局30は、受信した復号鍵要求をブロードキャスト管理装置50へ転送する(S101)。ブロードキャスト管理装置50は、移動端末20との間で認証を行い、当該復号鍵要求に含まれているサービスIDに対応するサービスの提供が許可されているか否かを判定する(S102)。
【0054】
サービスの提供が許可されている場合、ブロードキャスト管理装置50は、復号鍵要求に含まれているサービスIDに対応する復号鍵を基地局30を介して移動端末20へ提供する(S103、S104)。移動端末20は、受信した復号鍵を復号鍵格納部202に保存する(S105)。
【0055】
図15および図16は、第1の実施形態における緊急通報通知処理の一例を示すシーケンス図である。なお、本シーケンス図では、図1に示すように、移動端末20aは基地局30Aのサービスエリア14A内に位置すると共に基地局30Aに帰属しており、移動端末20bおよびcは基地局30Bのサービスエリア14B内に位置すると共に基地局30Bに帰属しているものとする。
【0056】
まず、移動端末20bは、通報者の操作に従って基地局30Bを介して指令台端末12へ音声による緊急通報を行う(S200、S201)。そして、オペレータは、指令台端末12を介して、通報者からの緊急通報に音声により応対する(S202)。その間に、移動端末20bは、図6(a)に示した緊急通報60を作成して基地局30Bへ送信する(S203)。
【0057】
次に、基地局30Bは、緊急情報の通知サービスに対応するサービスIDを含む暗号鍵要求をブロードキャスト管理装置50へ送信する(S204)。ブロードキャスト管理装置50は、受信した暗号鍵要求に含まれているサービスIDに対応する暗号鍵を鍵情報格納部52から抽出して基地局30Bへ送信する(S205)。そして、基地局30Bは、ブロードキャスト管理装置50から受信した暗号鍵を用いて、移動端末20から受信した緊急通報を暗号化する(S206)。
【0058】
次に、基地局30Bは、暗号化したデータと緊急情報の通知サービスに対応するサービスIDとを含む緊急情報を作成し、作成した緊急情報を、自局のサービスエリア14内の移動端末20へブロードキャストにより配信する(S207)。移動端末20cは、受信した緊急情報に含まれているサービスIDに対応する復号鍵を有していれば、当該暗号鍵を用いて緊急情報内のデータを復号し(S208)、復号したデータをディスプレイに表示する等により、緊急通報の発生をユーザに通知する(S209)。
【0059】
また、基地局30Bは、隣接する他の基地局のアドレスを基地局情報格納部35から抽出し(S210)、移動端末20から受信した緊急通報を、抽出したアドレスに対応する他の基地局30Aへ転送する(S211)。基地局30Aは、緊急情報の通知サービスに対応するサービスIDを含む暗号鍵要求をブロードキャスト管理装置50へ送信する(S212)。ブロードキャスト管理装置50は、受信した暗号鍵要求に含まれているサービスIDに対応する暗号鍵を鍵情報格納部52から抽出して基地局30Aへ送信する(S213)。
【0060】
基地局30Aは、ブロードキャスト管理装置50から受信した暗号鍵を用いて、移動端末20から受信した緊急通報を暗号化し(S214)、暗号化したデータと緊急情報の通知サービスに対応するサービスIDとを含む緊急情報を、自局のサービスエリア14内の移動端末20へブロードキャストにより配信する(S215)。移動端末20aは、受信した緊急情報に含まれているサービスIDに対応する復号鍵を有していれば、当該暗号鍵を用いて緊急情報内のデータを復号し(S216)、復号したデータをディスプレイに表示する等により、緊急通報の発生をユーザに通知する(S217)。
【0061】
また、基地局30Bは、ステップS210において抽出したアドレスに自局のアドレスを加えて、移動端末20から受信した緊急通報に、自局および隣接基地局30のアドレスを追加して位置情報作成装置40へ送信する(図16のS218)。位置情報作成装置40は、受信した緊急通報に含まれている位置情報に対応する地点を含む地図データを作成し、作成した地図データに通報者の位置を示す図形を追加する(S219)。
【0062】
次に、オペレータは、ステップS202において通報者から聞き出した情報をもとに通報内容を作成し、作成した通報内容を指令台端末12を介して位置情報作成装置40へ送信する(S220)。位置情報作成装置40は、指令台端末12から受信した通報内容に含まれているメッセージIDに対応するメッセージをメッセージ格納部41から抽出し、抽出したメッセージを、位置情報を追加した地図データに合成して通報者位置情報を作成する(S221)。そして、位置情報作成装置40は、作成した通報者位置情報を、ステップS218で受信した緊急通報に含まれているアドレスに対応する基地局30AおよびBへ送信する(S222)。
【0063】
次に、基地局30Bは、ステップS205において取得した暗号鍵を用いて、通報者位置情報を暗号化し(S223)、暗号化したデータと緊急情報の通知サービスに対応するサービスIDとを含む緊急情報を作成し、作成した緊急情報を、自局のサービスエリア14B内にブロードキャストにより配信する(S224)。移動端末20cは、受信した緊急情報に含まれているサービスIDに対応する復号鍵を有していれば、当該暗号鍵を用いて緊急情報内のデータを復号し(S225)、復号したデータをディスプレイに表示する等により、緊急通報の詳細をユーザに通知する(S226)。
【0064】
基地局30Aも同様に、ステップS213において取得した暗号鍵を用いて、通報者位置情報を暗号化し(S227)、暗号化したデータと緊急情報の通知サービスに対応するサービスIDとを含む緊急情報を作成し、作成した緊急情報を、自局のサービスエリア14A内にブロードキャストにより配信する(S228)。移動端末20aは、受信した緊急情報に含まれているサービスIDに対応する復号鍵を有していれば、当該暗号鍵を用いて緊急情報内のデータを復号し(S229)、復号したデータをディスプレイに表示する等により、緊急通報の詳細をユーザに通知する(S230)。
【0065】
以上、本発明の第1の実施形態について説明した。
【0066】
上記説明から明らかなように、本実施形態の緊急通報通知システム10によれば、緊急通報の発信元の移動端末20の近くに位置する移動端末20のユーザに、緊急事態の発生を迅速に通知することができる。
【0067】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0068】
図17は、第2の実施形態における基地局30の機能構成の一例を示すブロック図である。本実施形態の基地局30は、無線通信部31、データ中継部32、基地局情報格納部35、アンテナ36、配信部37、および緊急通報転送部38を有する。なお、以下に説明する点を除き、図17において、図7と同じ符号を付した構成は、図7における構成と同一または同様の機能を有するため説明を省略する。
【0069】
緊急通報転送部38は、無線通信部31を介して移動端末20から緊急通報を受信した場合に、隣接する他の基地局のアドレスを基地局情報格納部35から抽出し、移動端末20から受信した緊急通報に、抽出したアドレスおよび自局のアドレスを加えて、通信回線11を介して位置情報作成装置40へ送信する。
【0070】
配信部37は、通信回線11を介して位置情報作成装置40から通報者位置情報を受信した場合に、緊急情報の通知サービスに対応するサービスIDを含む暗号鍵要求を通信回線11を介してブロードキャスト管理装置50へ送信する。そして、配信部37は、ブロードキャスト管理装置50から暗号鍵を受信し、受信した暗号鍵を用いて、位置情報作成装置40から受信した通報者位置情報を暗号化する。そして、配信部37は、暗号化したデータと緊急情報の通知サービスに対応するサービスIDとを含む緊急情報を作成し、作成した緊急情報を、無線通信部31を介して自局のサービスエリア14内の移動端末20へブロードキャストにより配信する。
【0071】
図18は、第2の実施形態における緊急通報通知処理の一例を示すシーケンス図である。なお、本シーケンス図においても、図1に示すように、移動端末20aは基地局30Aのサービスエリア14A内に位置すると共に基地局30Aに帰属しており、移動端末20bおよびcは基地局30Bのサービスエリア14B内に位置すると共に基地局30Bに帰属しているものとする。
【0072】
まず、移動端末20bは、通報者の操作に従って基地局30Bを介して指令台端末12へ音声による緊急通報を行う(S300、S301)。そして、オペレータは、指令台端末12を介して、通報者からの緊急通報に音声により応対する(S302)。その間に、移動端末20bは、図6(a)に示した緊急通報60を作成して基地局30Bへ送信する(S303)。
【0073】
基地局30Bは、隣接する他の基地局のアドレスを基地局情報格納部35から抽出し(S304)、抽出したアドレスおよび自局のアドレスを、移動端末20から受信した緊急通報に追加して位置情報作成装置40へ送信する(S305)。位置情報作成装置40は、受信した緊急通報に含まれている位置情報に対応する地点を含む地図データを作成し、作成した地図データに通報者の位置を示す図形を追加する(S306)。
【0074】
次に、オペレータは、ステップS302において通報者から聞き出した情報をもとに通報内容を作成し、作成した通報内容を指令台端末12を介して位置情報作成装置40へ送信する(S307)。位置情報作成装置40は、指令台端末12から受信した通報内容に含まれているメッセージIDに対応するメッセージをメッセージ格納部41から抽出し、抽出したメッセージを、位置情報を追加した地図データに合成して通報者位置情報を作成する(S308)。そして、位置情報作成装置40は、作成した通報者位置情報を、ステップS305で受信した緊急通報に含まれているアドレスに対応する基地局30AおよびBへ送信する(S309)。
【0075】
次に、基地局30Bは、緊急情報の通知サービスに対応するサービスIDを含む暗号鍵要求をブロードキャスト管理装置50へ送信する(S310)。ブロードキャスト管理装置50は、受信した暗号鍵要求に含まれているサービスIDに対応する暗号鍵を鍵情報格納部52から抽出して基地局30Bへ送信する(S311)。そして、基地局30Bは、ブロードキャスト管理装置50から受信した暗号鍵を用いて、位置情報作成装置40から受信した通報者位置情報を暗号化する(S312)。
【0076】
そして、基地局30Bは、暗号化したデータと緊急情報の通知サービスに対応するサービスIDとを含む緊急情報を作成し、作成した緊急情報を、自局のサービスエリア14B内にブロードキャストにより配信する(S313)。移動端末20cは、受信した緊急情報に含まれているサービスIDに対応する復号鍵を有していれば、当該暗号鍵を用いて緊急情報内のデータを復号し(S314)、復号したデータをディスプレイに表示する等により、緊急事態の発生および緊急通報の詳細をユーザに通知する(S315)。
【0077】
基地局30Aも同様に、緊急情報の通知サービスに対応するサービスIDを含む暗号鍵要求をブロードキャスト管理装置50へ送信する(S316)。ブロードキャスト管理装置50は、受信した暗号鍵要求に含まれているサービスIDに対応する暗号鍵を鍵情報格納部52から抽出して基地局30Aへ送信する(S317)。そして、基地局30Aは、ブロードキャスト管理装置50から受信した暗号鍵を用いて、位置情報作成装置40から受信した通報者位置情報を暗号化する(S318)。
【0078】
そして、基地局30Aは、暗号化したデータと緊急情報の通知サービスに対応するサービスIDとを含む緊急情報を作成し、作成した緊急情報を、自局のサービスエリア14A内にブロードキャストにより配信する(S319)。移動端末20aは、受信した緊急情報に含まれているサービスIDに対応する復号鍵を有していれば、当該暗号鍵を用いて緊急情報内のデータを復号し(S320)、復号したデータをディスプレイに表示する等により、緊急通報の詳細をユーザに通知する(S321)。
【0079】
以上、本発明の第2の実施形態について説明した。
【0080】
上記説明から明らかなように、本実施形態の緊急通報通知システム10においても、緊急通報の発信元の移動端末20の近くに位置する移動端末20のユーザに、緊急事態の発生を迅速に通知することができる。また、本実施形態の緊急通報通知システム10によれば、オペレータから通報内容が送信されるまで、位置情報作成装置40は各基地局30に通報者位置情報を送信しない。そのため、誤った緊急通報の発信やいたずら目的の緊急通報が他の移動端末20に通知されることを防止することができる。
【0081】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0082】
例えば、上記した各実施形態において、基地局30は、緊急通報および通報者位置情報を暗号化して配信したが、本発明はこれに限られず、基地局30は、これらの情報を暗号化せずに配信してもよい。これにより、どのユーザの移動端末20でも、受信した緊急通報または通報者位置情報をユーザに通知することができるため、例えば、ユーザが医療関係者でない場合であっても、医療関係者が到着するまでの間に応急処置等を行うことができる。
【符号の説明】
【0083】
10・・・緊急通報通知システム、11・・・通信回線、12・・・指令台端末、13・・・オペレータ、14・・・サービスエリア、20・・・移動端末、200・・・緊急通報発信部、201・・・GPS受信部、202・・・復号鍵格納部、203・・・復号鍵取得部、204・・・無線通信部、205・・・データ復号部、206・・・通信処理部、207・・・入力装置、208・・・出力装置、209・・・アンテナ、210・・・アンテナ、30・・・基地局、31・・・無線通信部、32・・・データ中継部、33・・・第2の配信部、34・・・第1の配信部、35・・・基地局情報格納部、36・・・アンテナ、37・・・配信部、38・・・緊急通報転送部、40・・・位置情報作成装置、41・・・メッセージ格納部、42・・・位置情報作成部、43・・・地図情報格納部、50・・・ブロードキャスト管理装置、51・・・鍵情報提供部、52・・・鍵情報格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動端末から当該移動端末の位置情報を含む緊急通報が送信された場合に、その旨を他の移動端末に通知する緊急通報通知システムであって、
複数の基地局を備え、
前記複数の基地局のそれぞれは、
隣接する他の基地局のアドレスを格納する基地局情報格納部と、
自局のサービスエリア内の移動端末から緊急通報を受信した場合に、当該緊急通報を自局のサービスエリア内の移動端末へブロードキャストにより配信すると共に、隣接する他の基地局のアドレスを前記基地局情報格納部から抽出し、受信した緊急通報を、抽出したアドレスに対応する他の基地局へ転送する第1の配信部と、
他の基地局から緊急通報を受信した場合に、当該緊急通報を自局のサービスエリア内の移動端末へブロードキャストにより配信する第2の配信部と
を備えることを特徴とする緊急通報通知システム。
【請求項2】
請求項1に記載の緊急通報通知システムであって、
地図情報を格納する地図情報格納部と、
基地局から緊急通報と共に基地局のアドレスを受信した場合に、当該緊急通報に含まれている位置情報が示す地点を含む地図情報を前記地図情報格納部から抽出し、抽出した地図情報内に位置情報が示す地点を記した通報者位置情報を作成し、作成した通報者位置情報を、受信したアドレスに対応する基地局へ送信する位置情報作成部と
を有する位置情報作成装置をさらに備え、
前記第1の配信部は、さらに、
自局のサービスエリア内の移動端末から緊急通報を受信した場合に、隣接する他の基地局のアドレスを前記基地局情報格納部から抽出し、抽出したアドレスに自局のアドレスを加えて、受信した緊急通報と共に前記位置情報作成装置へ送信し、
前記第2の配信部は、さらに、
前記位置情報作成装置から通報者位置情報を受信した場合に、当該通報者位置情報を自局のサービスエリア内の移動端末へブロードキャストにより配信することを特徴とする緊急通報通知システム。
【請求項3】
請求項2に記載の緊急通報通知システムであって、
前記位置情報作成部は、
通報者からの音声による緊急通報に応対したオペレータから入力された緊急通報の内容を指令台端末から受信し、受信した緊急通報の内容を、前記通報者位置情報にさらに含めて基地局へ送信することを特徴とする緊急通報通知システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の緊急通報通知システムであって、
前記第1または第2の配信部は、
緊急通報または通報者位置情報を、暗号鍵を用いて暗号化して配信し、
緊急通報を受け取る移動端末は、
基地局の暗号鍵に対応する復号鍵を格納する復号鍵格納部と、
前記基地局から緊急通報または通報者位置情報が配信された場合に、復号鍵が前記復号鍵格納部に格納されているならば、当該復号鍵を用いて、配信された緊急通報または通報者位置情報を復号してユーザに通知するデータ復号部と
を有することを特徴とする緊急通報通知システム。
【請求項5】
移動端末から当該移動端末の位置情報を含む緊急通報が送信された場合に、その旨を他の移動端末に通知する緊急通報通知システムであって、
複数の基地局と、
位置情報作成装置と
を備え、
前記位置情報作成装置は、
地図情報を格納する地図情報格納部と、
基地局から緊急通報と共に基地局のアドレスを受信した場合に、当該緊急通報に含まれている位置情報が示す地点を含む地図情報を前記地図情報格納部から抽出し、抽出した地図情報内に位置情報が示す地点を記した通報者位置情報を作成し、作成した通報者位置情報を、受信したアドレスに対応する基地局へ送信する位置情報作成部と
を有し、
前記複数の基地局のそれぞれは、
隣接する他の基地局のアドレスを格納する基地局情報格納部と、
自局のサービスエリア内の移動端末から緊急通報を受信した場合に、隣接する他の基地局のアドレスを前記基地局情報格納部から抽出し、抽出したアドレスに自局のアドレスを加えて、受信した緊急通報と共に前記位置情報作成装置へ送信する緊急通報転送部と、
前記位置情報作成装置から通報者情報を受信した場合に、当該通報者情報を自局のサービスエリア内の移動端末へブロードキャストにより配信する配信部と
を備えることを特徴とする緊急通報通知システム。
【請求項6】
請求項5に記載の緊急通報通知システムであって、
前記位置情報作成部は、
通報者からの音声による緊急通報に応対したオペレータから入力された緊急通報の内容を指令台端末から受信し、受信した緊急通報の内容を、前記通報者位置情報にさらに含めた後に、作成した通報者位置情報を基地局へ送信することを特徴とする緊急通報通知システム。
【請求項7】
請求項5または6に記載の緊急通報通知システムであって、
前記配信部は、
前記位置情報作成装置から受信した通報者位置情報を、暗号鍵を用いて暗号化して自局のサービスエリア内の移動端末へ配信し、
緊急通報を受け取る移動端末は、
基地局の暗号鍵に対応する復号鍵を格納する復号鍵格納部と、
前記基地局から通報者位置情報が配信された場合に、復号鍵が前記復号鍵格納部に格納されているならば、当該復号鍵を用いて、配信された通報者位置情報を復号してユーザに通知するデータ復号部と
を有することを特徴とする緊急通報通知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−193234(P2010−193234A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−36147(P2009−36147)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】