説明

繊維織布にある欠陥を判定する方法及び装置

本発明は、信号を織布から誘導しかつ織布からの信号を少なくとも所定のパラメータで処理する、織布(2)にある欠陥の識別方法、及びセンサ、処理装置及び入/出力装置を持つ、織布にある欠陥の識別装置(3)に関し、処理装置が、センサ及び入/出力装置に接続され、織布の所でセンサにより検出される信号を処理するため、少なくとも所定のパラメータを持つように構成されかつ設けられており、織布に存在する欠陥を表示する出力信号を発生する。織布にある欠陥を識別する方法及び装置のパラメータを欠陥識別のため前に置かれる特定の織布に特に簡単かつ速やかに合わせるため、所定のパラメータの固定データ媒体(26)がセンサの前に置かれ、固定データ媒体から所定のパラメータを読取るセンサが構成されかつ設けられるようにする。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は繊維織布にある欠陥を判定する方法及び装置に関する。
【0002】
国際公開第WO00/06823号から、繊維織布にある欠陥の反覆可能で明白な判定を行うのを可能にする方法及び装置が公知である。その場合織布の画像が形成され、欠陥の長さ及びコントラスト又は強度に関して相違する織布の欠陥の少なくとも2つの表示が、画像に現れる。これらの表示から出発して、視覚上の印象により、織布にある欠陥の許容及び不許容が決定される。そのため異なる特徴の欠陥の表示の表又はマトリクス状の配置が行われる。欠陥のない織布の画像は背景として用いられる。画像へ組込まれる感度曲線は、許容されない欠陥を許容される欠陥から区別するため、付加的な補助手段として用いることができる。
【0003】
この方法又はこの装置では、分類できるすべての起こり得る欠陥が検出されると、技術的に見て、検出されるが不必要な大量のデータが生じる。これは、欠陥の迅速な判定を妨げ、装置を構成する素子の不必要に大規模な設計の原因となる。
【0004】
従って本発明の課題は、多様な織布においても欠陥の迅速かつ統一のある判定を可能にし、従って多様な織布相互の品質の比較も可能にする、織布にある欠陥の判定方法及び装置を提供することである。
【0005】
これは、選ばれる2つのパラメータから出発して、欠陥のため分類マトリクスが形成され、この分類マトリクスにおいて分類限界が分類マトリクスを複数の区域に分割し、例えば欠陥の範囲及び強度のような2つのパラメータの値が分類限界を決定する。更に分類マトリクスが、例えば許容される欠陥及び許容されない欠陥のための少なくとも2つの範囲に分割される。織布にある欠陥は、公知の方法により検出され、前記2つのパラメータの値が求められるようにする。検出される欠陥は、そのために測定されるパラメータの値に応じて、分類マトリクスにある区域又はクラスに割当てられる。
【0006】
従って分類図又は分類マトリクスを選ぶことが特に提案され、この分類図又は分類マトリクスにおいて画素又は画素により表示される織布の欠陥が、その強度及び範囲に従って配列されるか又は分類されることができる。強度の値が、今ある織布には無関係でありかつできるだけすべての織布に適用可能な範囲にある軸線に沿って記入される。この軸線の零点又はこの範囲の下限は、非常に均一な織布では写像における不規則さが欠陥とはみなされないように、選択的に位置せしめられることができる。この零点と検査すべき当該織布に関係する上限との間で、例えば織布において通常の織布組織に属する画素が検出されるようにする。この限界を超える強度値を持つ現象は、数えられるだけであるか、又は規定可能な強度から、承認できない欠陥として評価される。限界に達しない画素は、例えばそれ以上処理されず、従ってシステムを負荷しない。この限界の計算は、明るい画素及び暗い画素に対して、学習段階で別々に行われ、しかも暗い織布用の最も明るい画素の群及び明るい織布用の最も暗い画素の群から、又は例えば織布が常に50%の灰色の画素を持っているので、同じ織布において最も明るい画素及び最も暗い画素から行われる。
【0007】
本発明により得られる利点は、特に、繊維織布にある欠陥が、織布毎に変化し従って通常は判定を困難にするか又は誤らせる性質とは関係なく評価されることである。こうしてすべての欠陥が同じ規定に従って検出される。検出を妨げない欠陥は、今ある繊維織布へ自動的に合わされる。更に本発明による方法は、検査される織布の評価を自動化し、かつ機械的介入なしに実施するのを可能にする。
【0008】
本発明が、例により添付図面を参照して以下に詳細に説明される。
【0009】
図1は、織布からの2つのパラメータ用の分類マトリクス1の第1の例を示し、これらのパラメータに対して値が軸2及び3に沿って記入される。このようなパラメータは、例えば繊維織布にある欠陥の長さ及び強度である。長さの値は例えば10−1〜10mmである。欠陥の強度の値は例えば0又はX%〜100%である。分類限界を形成する垂直な線4〜8及び水平な線9〜15により、分類マトリクス1が複数の区域又はクラスに区分される。比較的太い階段線16は、分類マトリクス1を更に下部範囲17と上部範囲18に分割する。分類マトリクス1には更に個々の区域19〜23が記入され、欠陥が当該クラスへどのように入るかについてこれらの区域が欠陥を示すように、概略的に表示されている。階段線16は、例えば許容され欠陥が存在する範囲17に対する上限を示している。
【0010】
図2は、例えば織布24がどのように欠陥を持っているかについて、繊維織布の例を示している。ここに概略的に記入された欠陥も同様に、分類マトリクス1のクラスに記入され、その点で同じ符号19〜23をつけて示されている。ここでは織布が問題なので、大抵の欠陥は縦糸の方向又は横糸の方向に認められることを考慮すべきである。従って欠陥はここではほぼ互いに直角になっている。別の欠陥25は、ここでは例えば複数の並列する縦糸に関するか、又は織物にある望ましくない包有物に関するものなので、比較的幅が広い。しかし編物の場合、最も頻繁な欠陥はここに図示してない別の方向を互いに持つことを考慮すべきである。その場合これは、編物のために選ばれる結合方法又は構造に関係している。いわゆる”不織布”では、欠陥は主として任意の方向に向いている。
【0011】
図3は分類マトリクスの別の例26を示し、このマトリクスの区域又はクラス27は不同な大きさ又は範囲を持つことがある。階段線28は、分類マトリクスを同様に下部範囲29と上部範囲30に分割する。下部範囲29はここでは明らかに図1の下部範囲17より大きく、このことは高い所にある階段線28に帰せられる。これは、この分類マトリクス26が例えば太い糸から成りかつ多分更に分類マトリクス1が設けられている織布より狭い結合部を糸の間に持っている織布のために設けられていることを意味する。その結果図1と比較して、大きい強度値を持つ現象も階段線28の上に組み入れられる。なぜならば、このような現象は粗く構造化された織布においては欠陥として評価されないからである。
【0012】
図4は微細な織布の例を示し、図5は比較的粗い織布の例を示している。両方の図において、ほぼ同じ欠陥が組込まれている。両方の図の比較からわかるように、図4における欠陥は図5における欠陥より強く現われ、図5では、図4において直ちに見出される特定の欠陥がもはや全く認められない。
【0013】
図6は、いわゆるカメラ線32を持つ織布の部分を示している。カメラ線32は、織布上を移動するカメラが撮影する織布の部分に相当している。カメラ線32は、ここでは著しく拡大されかつ概略化して示されている。例えば画素37,38のように並列画像の列からそれぞれ成っている複数の線33〜36を含んでいる。カメラ線32は織布の部分の電子写像であり、この部分は、それに属するグレイスケール値又は色度値を持つ画素に既に分割されている。
【0014】
図7は、検出されたカメラ線32から始まって行うことができる処理における段の概略図を示している。各カメラ線32に対して、検出される画素37,38等のグレイスケール値又は色度値が、強度又は輝度に従って整理されて記入されるようにする。これは、検出される各画素の位置を示す水平な軸39と画素の強度又は輝度の値のための垂直な軸40とを持つ図を生じる。これらの画素は、その強度又は輝度に従って又は強度又は輝度の値の大きさに従って整理されて記入されている。こうして最も明るいか又は最も小さい強度の着色画像が左に、最も暗いか又は最も強い着色画像が右に見出される。平均値48は点線により示されている。
【0015】
図8は、欠陥幅及び欠陥のコントラストのような測定可能な量から欠陥の視覚的に知覚可能な強度の程度を決定することができる方法の図を示している。図8は、水平な軸43,44及び垂直な軸45により示される三次元空間にある錐面42を示している。軸43に沿ってコントラストの値が百分率で示され、軸44に沿って欠陥の幅の値がmmで、また軸45に沿って欠陥の強度の値が百分率で示されている。欠陥の測定された幅及び欠陥の確認されたコントラストから出発して、以下更に説明するように、この図により欠陥の強度を決定することができる。強度は、織布を見る際欠陥がどんな強さで見る者に現われるかの尺度である。高い強度の欠陥は、見る者に対して、低い強度の欠陥より有害に作用する。高い強度の欠陥は一層速く認められ、織布の価値が一層強く低下される。ここでは強度が問題である。なぜならば、強度はコントラスト及び欠陥の幅の効果を包括するものだからである。こうして異なる幅及び異なるコントラスト、段階を持つ欠陥が一層よく比較される。その結果著しいデータ減少も行われる。
【0016】
本発明の作用が、2つの部分において、即ち第1に傾斜した分類マトリクスの形成において、第2に織布において検出される欠陥の分類マトリクスによる分類において説明される。
【0017】
まず図1及び3による分類マトリクス又は分類図の形成が説明される。まず水平な軸2が規定され、今ある面状形成物又は織布について一般に予想されるように、起こり得る欠陥の長さの値がこの水平な軸に沿って記入される。このような値は、10分の1mmと数mとの間にあることができる。その場合0又はX%〜100%の強度の値に対して垂直な軸3が規定される。続いてどれ位多くのクラスを持ちたいかを決定せねばならない。その結果線4〜15の数が生じる。しかし判定しようとするすべての織布に対して、ただ1つの常に同じ分類マトリクスを使用することが推奨される。こうして種々の織布における欠陥の効果を互いに比較することが一層容易になる。別の段階において、下部及び上部の範囲17,18又は20,30を定義することが問題であり、これは階段線26,28の形状及び位置、及び下限に対する0又はX%の基本値の対応又は軸2の位置により起こるようにする。分類マトリクス1の各区域又はクラスが起こり得る欠陥の群を代表するので、どの欠陥又は現象が与えられた織布におけるその長さ及び強度のため有害に作用し、どの欠陥が許容され従って単に効果なしの現象として評価されるかを決定することが問題である。例えば図5による織布において欠陥が全く認められないが、この欠陥が図4による織布において有害に作用するに違いないことは公知である。織布における特に著しい不規則性から生じるけれども欠陥とみなされない現象もある。今や階段線76,28又は範囲17,29の上限がこれらの事情を考慮せねばならない。
【0018】
許容される欠陥を許容されない欠陥から区別するため、異なる方法を選ぶことができる。最も簡単な方法は、多数の基準欠陥を形成し、これらの欠陥の各々を、与えられて判定すべき実際の織布の背景の前で見て、比較し、場合によっては分類し、その際どの欠陥が全く有害でないか、又はどの欠陥が確実に有害であるかを主観的に決定することであろう。分類マトリクス1にある区域又はクラスと同じ数の基準欠陥があると、上記の主観的比較により、欠陥が有害であるか有害がないクラスを直接決定することができる。その結果有害な欠陥のクラスと有害でないクラスとの間に境界線が生じ、これが階段線16,28である。細かい織布にはコントラストの少ない小さい欠陥も目につくので、図1による階段線16は、図5によるように一層強く構造化された織布に対して考慮されている図3による階段線28より低い所にある。
【0019】
上限又は階段線16,28を自動的に決定する一層費用がかかりかつ一層精密な別の方法は、次のように行うことができる。まず最低の強度クラス(例えば0又はX%)に割当てられる最小強度が規定される。この限界は、非常に均一な織布にある弱い欠陥も検出できるように低い所に置かれる。小さい点状の欠陥では、強度な画素のグレイスケール値にほぼ一致するので、存在する画素のグレイスケール値範囲に強度目盛を整列させることができる。強度目盛は、計算において使用されるビットの数に応じて、+/−64,128,256等の間にあるようにできる。例えば64,128又は256に相当する最大グレイスケール値には、100%の強度が割当てられる。最小強度として、その5%の値が有意義である。それにより例えば、非常に均一な織布において、写像の通常の不規則性が擬似欠陥を生ずるまで、下限値が減少されるのを防止することができる。
【0020】
さて強度及び欠陥の長さの値の段階付けが決定されているので、欠陥のない織布像において若干の僅かな現象のみが階段線を超過して数えられるものとして目について認められるように、階段曲線16,28が規定されるようにする。階段線16,28は今ある織布に対して決定されねばならない。その際次のように行うことができる。
1) 例えばカメラが織布を検出し、それと画素によりカメラ線32に写像する。
カメラにより検出される画素に、所定の目盛に従って強度値又は輝度値が割当てられる。織布の欠陥のない部分から代表的な量の画素から、これらの値が、図7に示すように、その大きさに従って整理されて記録されるか、又はメモリに記憶される。これは例えば、カメラ列32において各縦列46,47等について、縦列にある画素のグレイスケール値の平均値が求められるように行うこともでき、平均値のみが整理されて記憶される。こうしてカメラ列32毎に、上述したように整理される値を持つ画素を有する画素パターンのみが存在する。
2) それから画素を持つ群51(図7)が形成され、この群は、最高又は最低の強度又は輝度を持つか、又は平均値48(図7)に対して正又は負の偏差を持つ画素を含んでいる。この群は例えば10,15,20又は他の数の画素を含むことができ、最低の強度を持つ画素は暗い織布に当てはまり、最高の強度を持つ画素は明るい織布に当てはまる。範囲17,29に対する上限として、群51にある値をとることができる。
3) しかし群51から、上限のために、輝度、強度又は偏差の中央値を決定することもできる。この中央値は、欠陥の長さに関する階段曲線16,28の中間範囲におけるこの階段線に対する強度の値を示すことができる。それはむしろ長い欠陥に対して当てはまる。偏差を前提とすると、階段線16,28の値を得るために、偏差を平均値48に関係させねばならない。しかしこの平均値は、軸3上の段階付けに合う%値に換算されねばならない。
4) 短い欠陥の範囲にある階段線に対して、別の段階が望ましい。例えば国際公開第WO95/08080号から公知であり、これに関して適用されねばならないように、織布にある欠陥を識別するための公知の方法では、経験により短い欠陥が長い欠陥とは異なるように評価される。これは、画素を検出しかつ欠陥のこのような異なる処理を生じる特別な性質を持つことができる装置又は方法によって支えられる。
【0021】
従って短い欠陥に対して階段線16,28の値を高める補正を行うことが望ましい。前記の性質は、図3に曲線49により示されるような特性によって示される。曲線49により示されているような特性は、既に公知であるか、又は適当な装置による実験によって求められねばならない。上記の方法により、軸2上のほぼ右半分に当てはまる階段線28の値が求められることを前提とすれば、図3の左半分にある階段線がどれほどまで高められるかを、曲線49が示している。その際曲線49が入る区域又はクラスが、全体として階段線28より下に低下するようにする。それにより容易にわかる事情が考慮され、それにより織布にある短い欠陥が織布の組織により覆われるので、このような短い欠陥は、認めることができるようにするため、織布に対する強いコントラストにより目だたねばならない。
【0022】
画素又は欠陥の強度の程度及び段階付けを見出すため、例えばこの場合における強度が欠陥の幅及びコントラストにより影響されることを前提とすることができる。図8は、モデルにより幅及びコントラストから強度をどのように決定できるかの可能性を示している。モデルは、強度の値がある錐体の表面即ち錐面42により示され、従って規定される。画素の数により与えられる欠陥の幅の値、画素の輝度値を求めるためのコントラストから、幅及びコントラストの値を当該軸44,43上に記入し、それから両方の軸43,44の面にある交点上に垂線を立てることによって、今や強度の値を見出すことができる。この垂線と錐面42との突き抜け点52は、求められる強度を生じ、この強度は面より上の錐面42の高さにより与えられる。
【0023】
階段線16,28を持つ分類マトリクス1.26が一旦規定されていると、続いて所定の織布において欠陥を識別し、分類マトリクスに従って分類することが問題となる。そのため例えば国際公開第WO98/08080号に記載されているような方法が使用される。その際各カメラ線がすべての画素により示され、今やこれらの画素をその強度又は輝度に従って分類マトリクス1,26に記録することが可能である。常に新しいカメラ線が走査されるので、特定の区域又はクラスに対して順次に複数の割当てが与えられるので、これらの割当ても数えることができ、当該クラスにおいて計数値を記入することができる。
【0024】
従って階段線16,28は、存在した織布又は編物に関係する限界を示す、これらの限界に達しない織布にある画素は、システムによりその処理について無視される。この限界より上にある画素は無条件に欠陥を示す必要はない。しかしこれらの画素は特に明白な不規則性を示す。繊維技術的に見て、これらも同様に関心を引いてもよく、従ってこれらを現象として数えることは有意義である。従ってこのような理由から、分類マトリクスは3つの領域を持つことができる。一番下の領域は、範囲17及び29のように、一番下の強度限界又は軸2から階段線16,28まで達している。その上には単なる現象計数の領域があり、もっと高い所には欠陥領域がある。範囲18,30の区分は使用表により任意に行われ、階段線16,28は自動的に決定可能である。図3は、別の階段線50により、3つの領域へのこのような区分を示している。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】 分類マトリクスの図を示す。
【図2】 欠陥を持つ織布の概略図を示す。
【図3】 別の分類マトリクスの図を示す。
【図4】 微細な織物の例を示す。
【図5】 粗い織物の例を示す。
【図6】 織布の簡単化された一部を示す。
【図7】 グレイスケール値及び色度値の概略図を示す。
【図8】 補助機能の三次元図を示す。
【書類名】明細書
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は繊維織布にある欠陥を判定する方法であって、織布が画素によって表示され、分類マトリクスが形成され、この分類マトリクスにおいてパラメータの値が分類限界を決定し、分類限界が分類マトリクスを複数の区域に分割し、織布にある画素からパラメータの値が検出され、これらの値が2つの選ばれたパラメータに従って分類マトリクスにおいて整理され、分類マトリクスの1つの範囲において整理されている画素が、織布において起こり得る欠陥を表示し、分類マトリクスが更に限界により少なくとも2つの範囲に分割され、この分割が分類限界に沿って行われるに関する。
【0002】
国際公開第WO00/06823号から、繊維織布にある欠陥の反覆可能で明白な判定を行うのを可能にする方法及び装置が公知である。その場合織布の画像が形成され、欠陥の長さ及びコントラスト又は強度に関して相違する織布の欠陥の少なくとも2つの表示が、画像に現れる。これらの表示から出発して、視覚上の印象により、織布にある欠陥の許容及び不許容が決定される。そのため異なる特徴の欠陥の表示の表又はマトリクス状の配置が行われる。欠陥のない織布の画像は背景として用いられる。画像へ組込まれる感度曲線は、許容されない欠陥を許容される欠陥から区別するため、付加的な補助手段として用いることができる。
【0003】
この方法又はこの装置では、分類できるすべての起こり得る欠陥が検出されると、技術的に見て、検出されるが不必要な大量のデータが生じる。これは、欠陥の迅速な判定を妨げ、装置を構成する素子の不必要に大規模な設計の原因となる。
【0004】
国際公開第WO99/14580号から、繊維織布において求められるデータを評価する方法が公知である。前記のデータは、軸により限定される画像に示され、線により限定される区域又はクラスがこの画像に設けられている。これらの区域又はクラスを2つの群に分割する種々の限界が示されている。しかしこれからは、この分割をどのように行うか、又はこれらの限界をどのように決定するかはわからない。
【0005】
従って本発明の課題は、多様な織布においても欠陥の迅速かつ統一のある判定を可能にし、従って多様な織布相互の品質の比較も可能にする、織布にある欠陥の判定方法及び装置を提供することである。
【0006】
これは、パラメータの判定のために欠陥の強度及び範囲が選ばれ、かつ欠陥のない織布から画素に対して強度のためにまず平均値を求め、続いて平均値に対して強度の最大偏差を持つ画素の群を形成し、かつこの群から、2つの範囲の間の限界を規定する値を取出すことによって、学習段階において2つの範囲の間の限界が計算されることによって達せられる。
【0007】
従って分類図又は分類マトリクスを選ぶことが特に提案され、この分類図又は分類マトリクスにおいて画素又は画素により表示される織布の欠陥が、その強度及び範囲に従って配列されるか又は分類されることができる。強度の値が、今ある織布には無関係でありかつできるだけすべての織布に適用可能な範囲にある軸に沿って記入される。この軸の零点又はこの範囲の下限は、非常に均一な織布では写像における不規則性が欠陥とはみなされないように、選択的に位置せしめられることができる。この零点と検査すべき当該織布に関係する上限との間で、例えば織布において通常の織布組織に属する画素が検出されるようにする。この限界を超える強度値を持つ現象は、数えられるだけであるか、又は規定可能な強度から、承認できない欠陥として評価される。限界に達しない値を持つ画素は、例えばそれ以上処理されず、従ってシステムを負荷しない。この限界の計算は、明るい画素及び暗い画素に対して、学習段階で別々に行われ、しかも暗い織布用の最も明るい画素の群及び明るい織布用の最も暗い画素の群から、又は例えば織布が常に50%の灰色の画素を持っているので、同じ織布において最も明るい画素及び最も暗い画素から行われる。
【0008】
本発明により得られる利点は、特に、繊維織布にある欠陥が、織布毎に変化し従って通常は判定を困難にするか又は誤らせる性質とは関係なく評価されることである。こうしてすべての欠陥が同じ規定に従って検出される。検出を妨げない欠陥は、今ある繊維織布へ自動的に合わされる。更に本発明による方法は、検査される織布の評価を自動化し、かつ機械的介入なしに実施するのを可能にする。
【0009】
本発明が、例により添付図面を参照して以下に詳細に説明される。
【0010】
図1は、織布からの2つのパラメータ用の分類マトリクス1の第1の例を示し、これらのパラメータに対して値が軸2及び3に沿って記入される。このようなパラメータは、例えば繊維織布にある欠陥の長さ及び強度である。長さの値は例えば10−1〜10mmである。欠陥の強度の値は例えば0又はX%〜100%である。分類限界を形成する垂直な線4〜8及び水平な線9〜15により、分類マトリクス1が複数の区域又はクラスに区分される。比較的太い階段線16は、分類マトリクス1を更に下部範囲17と上部範囲18に分割する。分類マトリクス1には更に個々の区域19〜23が記入され、欠陥が当該クラスへどのように入るかについてこれらの区域が欠陥を示すように、概略的に表示されている。階段線16は、例えば許容され欠陥が存在する範囲17に対する上限を示している。
【0011】
図2は、例えば織布24がどのように欠陥を持っているかについて、繊維織布の例を示している。ここに概略的に記入された欠陥も同様に、分類マトリクス1のクラスに記入され、その点で同じ符号19〜23をつけて示されている。ここでは織布が問題なので、大抵の欠陥は縦糸の方向又は横糸の方向に認められることを考慮すべきである。従って欠陥はここではほぼ互いに直角になっている。別の欠陥25は、ここでは例えば複数の並列する縦糸に関するか、又は織物にある望ましくない包有物に関するものなので、比較的幅が広い。しかし編物の場合、最も頻繁な欠陥はここに図示してない別の方向を互いに持つことを考慮すべきである。その場合これは、編物のために選ばれる結合方法又は構造に関係している。いわゆる″不織布″では、欠陥は主として任意の方向に向いている。
【0012】
図3は分類マトリクスの別の例26を示し、このマトリクスの区域又はクラス27は不同な大きさ又は範囲を持つことがある。階段線28は、分類マトリクスを同様に下部範囲29と上部範囲30に分割する。下部範囲29はここでは明らかに図1の下部範囲17より大きく、このことは高い所にある階段線28に帰せられる。これは、この分類マトリクス26が例えば太い糸から成りかつ多分更に分類マトリクス1が設けられている織布より狭い結合部を糸の間に持っている織布のために設けられていることを意味する。その結果図1と比較して、大きい強度値を持つ現象も階段線28の下に整理される。なぜならば、このような現象は粗く構造化された織布においては欠陥として評価されないからである。
【0013】
図4は微細な織布の例を示し、図5は比較的粗い織布の例を示している。両方の図において、ほぼ同じ欠陥が組込まれている。両方の図の比較からわかるように、図4における欠陥は図5における欠陥より強く現われ、図5では、図4において直ちに見出される特定の欠陥がもはや全く認められない。
【0014】
図6は、いわゆるカメラ線32を持つ織布の部分を示している。カメラ線32は、織布上を移動するカメラが撮影する織布の部分に相当している。カメラ線32は、ここでは著しく拡大されかつ概略化して示されている例えば画素37,38のように並列画像の列からそれぞれ成っている複数の線33〜36を含んでいる。カメラ線32は織布の部分の電子写像であり、この部分は、それに属するグレイスケール値又は色度値を持つ画素に既に分割されている。
【0015】
図7は、検出されたカメラ線32から始まって行うことができる処理における段の概略図を示している。各カメラ線32に対して、検出される画素37,38等のグレイスケール値又は色度値が、強度又は輝度に従って配列されて記入されるようにする。これは、検出される各画素の位置を示す水平な軸39と画素の強度又は輝度の値のための垂直な軸40とを持つ図を生じる。これらの画素は、その強度又は輝度に従って又は強度又は輝度の値の大きさに従って配列されて記入されている。こうして最も明るいか又は最も小さい強度の着色画像が左に、最も暗いか又は最も強い着色画像が右に見出される。平均値48は点線により示されている。
【0016】
図8は、欠陥幅及び欠陥のコントラストのような測定可能な量から欠陥の視覚的に知覚可能な強度の程度を決定することができる方法の図を示している。図8は、水平な軸43,44及び垂直な軸45により示される三次元空間にある錐面42を示している。軸43に沿ってコントラストの値が百分率で示され、軸44に沿って欠陥の幅の値がmmで、また軸45に沿って欠陥の強度の値が百分率で示されている。欠陥の測定された幅及び欠陥の確認されたコントラストから出発して、以下更に説明するように、この図により欠陥の強度を決定することができる。強度は、織布を見る際欠陥がどんな強さで見る者に現われるかの尺度である。高い強度の欠陥は、見る者に対して、低い強度の欠陥より有害に作用する。高い強度の欠陥は一層速く認められ、織布の価値が一層強く低下される。ここでは強度が問題である。なぜならば、強度はコントラスト及び欠陥の幅の効果を包括するものだからである。こうして異なる幅及び異なるコントラスト段階を持つ欠陥が一層よく比較される。その結果著しいデータ減少も行われる。
【0017】
本発明の作用が、2つの部分において、即ち第1に傾斜した分類マトリクスの形成において、第2に織布において検出される欠陥の分類マトリクスによる分類において説明される。
【0018】
さて図1及び3による分類マトリクス又は分類図の形成が説明される。まず水平な軸2が規定され、今ある面状形成物又は織布について一般に予想されるように、起こり得る欠陥の長さの値がこの水平な軸に沿って記入される。このような値は、10分の1mmと数mとの間にあることができる。その場合0又はX%〜100%の強度の値に対して垂直な軸3が規定される。続いてどれ位多くのクラスを持ちたいかを決定せねばならない。その結果線4〜15の数が生じる。しかし判定しようとするすべての織布に対して、ただ1つの常に同じ分類マトリクスを使用することが推奨される。こうして種々の織布における欠陥の効果を互いに比較することが一層容易になる。別の段階において、下部及び上部の範囲17,18又は20,30を定義することが問題であり、これは階段線26,28の形状及び位置、及び下限に対する0又はX%の基本値の対応又は軸2の位置により起こるようにする。分類マトリクス1の各区域又はクラスが起こり得る欠陥の群を代表するので、どの欠陥又は現象が与えられた織布におけるその長さ及び強度のため有害に作用し、どの欠陥が許容され従って単に効果なしの現象として評価されるかを決定することが問題である。例えば図5による織布において欠陥が全く認められないが、この欠陥が図4による織布において有害に作用するに違いないことは公知である。織布における特に著しい不規則性から生じるけれども欠陥とみなされない現象もある。今や階段線76,28又は範囲17,29の上限がこれらの事情を考慮せねばならない。
【0019】
許容される欠陥を許容されない欠陥から区別するため、異なる方法を選ぶことができる。最も簡単な方法は、多数の基準欠陥を形成し、これらの欠陥の各々を、与えられて判定すべき実際の織布の背景の前で見て、比較し、場合によっては分類し、その際どの欠陥が全く有害でないか、又はどの欠陥が確実に有害であるかを主観的に決定することであろう。分類マトリクス1にある区域又はクラスと同じ数の基準欠陥があると、上記の主観的比較により、欠陥が有害であるか有害でないクラスを直接決定することができる。その結果有害な欠陥のクラスと有害でないクラスとの間に境界線が生じ、これが階段線16,28である。細かい織布にはコントラストの少ない小さい欠陥も目につくので、図1による階段線16は、図5によるように一層強く構造化された織布に対して考慮されている図3による階段線28より低い所にある。
【0020】
上限又は階段線16,28を自動的に決定する一層費用がかかりかつ一層精密な別の方法は、次のように行うことができる。まず最低の強度クラス(例えば0又はX%)に割当てられる最小強度が規定される。この限界は、非常に均一な織布にある弱い欠陥も検出できるように低い所に置かれる。小さい点状の欠陥では、強度な画素のグレイスケール値にほぼ一致するので、存在する画素のグレイスケール値範囲に強度目盛を整列させることができる。強度目盛は、計算において使用されるビットの数に応じて、+/−64,128,256等の間にあるようにできる。例えば64,128又は256に相当する最大グレイスケール値には、100%の強度が割当てられる。最小強度として、その5%の値が有意義である。それにより例えば、非常に均一な織布において、写像の通常の不規則性が擬似欠陥を生ずるまで、下限値が減少されるのを防止することができる。
【0021】
さて強度及び欠陥の長さの値の段階付けが決定されているので、欠陥のない織布画像において若干の僅かな現象のみが階段線を超過して数えられるものとして目について認められるように、階段曲線16,28が規定されるようにする。階段線16,28は今ある織布に対して決定されねばならない。その際次のように行うことができる。
1) 例えばカメラが織布を検出し、それを画素によりカメラ線32に写像する。
カメラにより検出される画素に、所定の目盛に従って強度値又は輝度値が割当てられる。織布の欠陥のない部分から代表的な量の画素から、これらの値が、図7に示すように、その大きさに従って配列されて記録されるか、又はメモリに記憶される。これは例えば、カメラ線32において各縦列46,47等について、縦列にある画素のグレイスケール値の平均値が求められるように行うこともでき、平均値のみが配列されて記憶される。こうしてカメラ線32毎に、上述したように配列される値を持つ画素を有する画素パターンのみが存在する。
2) それから画素を持つ群51(図7)が形成され、この群は、最高又は最低の強度又は輝度を持つか、又は平均値48(図7)に対して正又は負の偏差を持つ画素を含んでいる。この群は例えば10,15,20又は他の数の画素を含むことができ、最低の強度を持つ画素は暗い織布に当てはまり、最高の強度を持つ画素は明るい織布に当てはまる。範囲17,29に対する上限として、群51にある値をとることができる。
3) しかし群51から、上限のために、輝度、強度又は偏差の中央値を決定することもできる。この中央値は、欠陥の長さに関する階段曲線16,28の中間範囲におけるこの階段線に対する強度の値を示すことができる。それはむしろ長い欠陥に対して当てはまる。偏差を前提とすると、階段線16,28の値を得るために、偏差を平均値48に関係させねばならない。しかしこの平均値は、軸3上の段階付けに合う%値に換算されねばならない。
4) 短い欠陥の範囲にある階段線に対して、別の段階が望ましい。例えば国際公開第WO95/08080号から公知であり、これに関して適用されねばならないように、織布にある欠陥を識別するための公知の方法では、経験により短い欠陥が長い欠陥とは異なるように評価される。これは、画素を検出しかつ欠陥のこのような異なる処理を生じる特別な性質を持つことができる装置又は方法によって与えられる。
【0022】
従って短い欠陥に対して階段線16,28の値を高める補正を行うことが望ましい。前記の性質は、図3に曲線49により示されるような特性によって示される。曲線49により示されているような特性は、既に公知であるか、又は適当な装置による実験によって求められねばならない。上記の方法により、軸2上のほぼ右半分に当てはまる階段線28の値が求められることを前提とすれば、図3の左半分にある階段線がどれほどまで高められるかを、曲線49が示している。その際曲線49が入る区域又はクラスが、全体として階段線28より下に低下するようにする。それにより容易にわかる事情が考慮され、それにより織布にある短い欠陥が織布の組織により覆われるので、このような短い欠陥は、認めることができるようにするため、織布に対する強いコントラストにより目だたねばならない。
【0023】
画素又は欠陥の強度の程度及び段階付けを見出すため、例えばこの場合における強度が欠陥の幅及びコントラストにより影響されることを前提とすることができる。図8は、モデルにより幅及びコントラストから強度をどのように決定できるかの可能性を示している。モデルは、強度の値がある錐体の表面即ち錐面42により示され、従って規定される。画素の数により与えられる欠陥の幅の値、画素の輝度値を求めるためのコントラストから、幅及びコントラストの値を当該軸44,43上に記入し、それから両方の軸43,44の面にある交点上に垂線を立てることによって、今や強度の値を見出すことができる。この垂線と錐面42との突き抜け点52は、求められる強度を生じ、この強度は面より上の錐面42の高さにより与えられる。
【0024】
階段線16,28を持つ分類マトリクス1.26が一旦規定されていると、続いて所定の織布において欠陥を識別し、分類マトリクスに従って分類することが問題となる。そのため例えば国際公開第WO98/08080号に記載されているような方法が使用される。その際各カメラ線がすべての画素により示され、今やこれらの画素をその強度又は輝度に従って分類マトリクス1,26に記録することが可能である。常に新しいカメラ線が走査されるので、特定の区域又はクラスに対して順次に複数の割当てが与えられるので、これらの割当ても数えることができ、当該クラスにおいて計数値を記入することができる。
【0025】
従って階段線16,28は、存在した織布又は編物に関係する限界を示す、これらの限界に達しない織布にある画素は、システムによりその処理について無視される。この限界より上にある画素は無条件に欠陥を示す必要はない。しかしこれらの画素は特に明白な不規則性を示す。繊維技術的に見て、これらも同様に関心を引いてもよく、従ってこれらを現象として数えることは有意義である。従ってこのような理由から、分類マトリクスは3つの領域を持つことができる。一番下の領域は、範囲17及び29のように、一番下の強度限界又は軸2から階段線16,28まで達している。その上には単なる現象計数の領域があり、もっと高い所には欠陥領域がある。範囲18,30の区分は使用者により任意に行われ、階段線16,28は自動的に決定可能である。図3は、別の階段線50により、3つの領域へのこのような区分を示している。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】
分類マトリクスの図を示す。
【図2】
欠陥を持つ織布の概略図を示す。
【図3】
別の分類マトリクスの図を示す。
【図4】
微細な織物の例を示す。
【図5】
粗い織物の例を示す。
【図6】
織布の簡単化された一部を示す。
【図7】
グレイスケール値及び色度値の概略図を示す。
【図8】
補助機能の三次元図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維織布にある欠陥を判定する方法であって、判定のため2つのパラメータが選ばれ、分類マトリクス(1,26)が形成され、このマトリクスにおいてパラメータの値が分類限界を決定し、分類限界(4〜19)が分類マトリクスを複数の区域に分割し、画素のために一方のパラメータ用の欠陥のない織布から平均値を求め、平均値に対するパラメータの最大偏差を持つ画素の群に関係して2つの範囲の間の限界を規定することによって、分類マトリクスが更に少なくとも2つの範囲(17,18又は29,30)に分割され、少なくとも2つの範囲への分割が分類限界に沿って行われ、織布における値がこの織布を表す画素(37,38)から検出され、値が選ばれた2つのパラメータに従って分類マトリクスの一方の範囲に組み入れられている画素が織布に起こり得る欠陥を表示することを特徴とする方法。
【請求項2】
パラメータとして画素の強さ及びその範囲が検出され、この範囲が複数の隣接する要素により生じることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
範囲として、類似であるが基準値とは異なる強度の隣接する複数の画素により形成される長さが測定されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
起こり得る欠陥の範囲が、更に許容される欠陥の第1の範囲と許容されない欠陥の第2の範囲とに分割されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
両方の範囲の間の限界が自動的に決定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
上限の自動的決定が、記録されかつ大きさに従って配列される輝度値又は強度値によって行われ、上限として、所定の数の極値により形成される群(51)にある値が規定されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
群内において輝度値又は強度値の中央値が上限値として決定されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
一方のパラメータの値範囲の上限が変化されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維織布にある欠陥を判定する方法であって、
織布が画素(37,38)によって表示され、
分類マトリクス(1,26)が形成され、この分類マトリクスにおいてパラメータの値が分類限界を決定し、分類限界(4〜19)が分類マトリクスを複数の区域に分割し、
織布にある画素(37,38)からパラメータの値が検出され、
これらの値が2つの選ばれたパラメータに従って分類マトリクスにおいて整理され、
分類マトリクスの1つの範囲において整理されている画素が、織布において起こり得る欠陥を表示し、
分類マトリクスが更に限界(16,28)により少なくとも2つの範囲(17,18又は29,30)に分割され、この分割が分類限界に沿って行われる
ものにおいて、
パラメータの判定のために欠陥の強度及び範囲が選ばれ、かつ
欠陥のない織布から画素に対して強度のためにまず平均値(48)を求め、
続いて平均値に対して強度の最大偏差を持つ画素の群(51)を形成し、かつこの群(51)から、2つの範囲の間の限界を規定する値を取出すことによって、
学習段階において限界が計算される
ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
範囲として、類似であるが基準値とは異なる強度の隣接する複数の画素により形成される長さが測定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
起こり得る欠陥の範囲が、更に許容される欠陥の第1の範囲と許容されない欠陥の第2の範囲とに分割されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
両方の範囲の間の限界が自動的に決定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
上限の自動的決定が、記録されかつ大きさに従って配列される輝度値又は強度値によって行われ、上限として、所定の数の極値により形成される群(51)にある値が規定されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
群内において輝度値又は強度値の中央値が上限値として決定されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
一方のパラメータの値範囲の上限が変化されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図8】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−504965(P2006−504965A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−549002(P2004−549002)
【出願日】平成15年11月3日(2003.11.3)
【国際出願番号】PCT/CH2003/000716
【国際公開番号】WO2004/042379
【国際公開日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【出願人】(503169552)ウステル・テヒノロジーズ・アクチエンゲゼルシヤフト (37)
【Fターム(参考)】