説明

脂肪種子生成物を含有するスキンケア及びクレンジング組成物

湿潤性を与え、好ましい実施形態においては同時に角質除去する、脂肪種子生成物を含有する、スキンケア及びクレンジング組成物を記載する。脂肪種子生成物は、油体、種子殻及び場合によっては、他の種子成分を含有する。さらなる実施形態において、1又は複数の陰イオン界面活性剤と、脂肪種子生成物粒子 0.1重量%から5.0重量%とを含有し、該粒子の殆どが0.01ミクロンから200ミクロンの長径を有する、化粧用バー状固形物(toilet bar)が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚及び毛髪など、ヒトの身体を保湿し洗浄するための局所適用に適したスキンケア又はクレンジング組成物に関する。特に、本発明は、皮膚に対して低刺激性で、保湿も行い、さらなる実施形態においては、皮膚の角質除去を行う、化粧用固形組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
角質除去作用のある化粧用バー状固形物は周知である。しかし、それらの殆どは、石鹸ベースであることから皮膚に対して非常に刺激が強いか、作用が非常に強いかもしくは有効な角質除去成分がごくわずかであるか、保湿剤濃度が低いか又は上記の性質がいくつか組み合わされている状況である。場合によっては角質除去成分粒子又はビーズ(ポリエチレンビーズ、クルミ殻及びアプリコット種子など)を有するものとして、高濃度の低刺激性合成界面活性剤(「合成洗剤」)及び高濃度の保湿剤が入っているある一部の先行技術の化粧用バー状固形物が記載されている。例えば、米国特許第6,376,441号;米国特許第6,342,470号;米国特許第6,384,000号;及び米国特許第6,074,998号を参照のこと。
【0003】
皮膚軟化剤及びコンディショナーとして、クリーム、ローション、固形石鹸、液体石鹸及びシャンプーなどの製品中で含油植物種子由来のトリグリセリドオイルが使用されている。オイルが高濃度であると、その製品に対する体感反応が変化し得る。約6重量%又は7重量%より大きいオイル濃度は加工上の問題を引き起こすことがあるため、化粧用バー状固形物などのある種の製品においてこれらのオイルを高濃度で使用するのが困難なことがある。さらに、オイルは、洗浄プロセス中のミセルにおける可溶化のために、すぐに洗い流され得る。この問題を解決しようと、ビーズ中に封入された液体皮膚軟化剤を用いてスキンケア及びクレンジング製品が処方されてきた。しかし、そのようなビーズは、化粧用バー状固形物加工中、特に、高圧及び高温下で破壊される可能性がある。驚くべきことに、脂肪種子生成物を用いて下記で述べるようにスキンケア及びクレンジング製品を処方することにより、特に化粧用バー状固形物に対して、このような加工上の問題が避けられ、1又は複数の陰イオン界面活性剤及び脂肪種子生成物の両方を有するこのような製品が持続的湿潤効果を与えることができ、好ましい実施形態において、使用者に高い保湿性と、同時に角質除去作用の両方をもたらすことが分かった。下記で述べる様々な当技術分野で認識されている技術により示されるように、これにより、ディープクレンジングを伴い、角質化した皮膚のくすんだ層を除去し、毛穴の詰まりを少なくし、同時に刺激及び乾燥を最小限に抑えるために保湿するので、角質除去された使用者の肌が、みずみずしく健康的に見えるようになる。
【0004】
次のスキントリートメント理論により制約されることを望まないが、一方で、出願人らは、機械的に汚れ及び油分を皮膚から除去することを促進することにより、角質除去が皮膚洗浄を向上させると考える。角質除去はまた、落屑のプロセスを促進すると考えられている。落屑は、皮膚細胞の一番上の層である角質層から角質細胞が除去される自然のプロセスである。角質細胞は、単純に、角質層を構成する細胞であり、それらは常に、皮膚が再生する時に除去される。角質除去は、角質層からすぐに剥がれそうな状態にある薄片状の角質細胞の除去を促進し、より滑らかでかさつきのより少ない肌へと促す。
【0005】
上述のような鱗屑(薄片)除去及び油分除去を向上させることに加えて、角質除去に対する他の潜在的な健康効果は、皮膚の細菌を減少させ、機械的刺激により皮膚への血流を増加させることである。
【0006】
実際に使用する状態下での本発明のスキンケア及びクレンジング組成物は、肌の柔軟性、肌の滑らかさ及び同様の消費者が意識する、角質除去効果、低刺激性、保湿効果、付着効果、クレンジング効果などの長所の向上及び皮膚磨耗性などの性質における向上を示すと予想されるが、これは、下記の試験方法を用いて定量した場合の、本発明の組成物を含まない組成物を使用したこれらの測定に対するベースラインからの変化に基づく。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、脂肪種子生成物の使用による、スキンケア又はクレンジング製品からの、種油及び場合によっては、本脂肪種子生成物に固定化されたその他の活性成分及び保湿成分の送達の新規考案に関する。ある点において、使用者は、固形物及び液体製品中で所望するタイプのオイルの送達を達成することができる。別の点において、使用者は、本脂肪種子生成物の粒子サイズ及び量を変化させることにより、角質除去/マッサージを達成することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ある局面において、本発明は、これらに限定されないが、(a)陰イオン界面活性剤約2重量%から約90重量%と;(b)脂肪種子生成物(該生成物の少なくとも50重量%が約0.01ミクロンから200ミクロンの粒子サイズ範囲を有する。)約0.1重量%から約40重量%と;(c)場合によっては、少なくとも1つの活性物質、保湿剤又はそれらの混合物(下記で定義)の安全かつ有効量と、を含む、スキンケア又はクレンジング組成物である。
【0009】
脂肪種子生成物は、天然の脂肪種子、粉砕、分割又は破砕した脂肪種子;脂肪種子ケーキ又はそれらの混合物を含む。脂肪種子生成物の直径は、その粒子の長径として定義される。
【0010】
本発明の別の局面において、本発明は、これらに限定されないが、(a)脂肪酸石鹸約0重量%から30重量%と;(b)非石鹸陰イオン界面活性剤約15重量%から60重量%と;(c)約0.1ミクロンから70ミクロンの粒子サイズ直径を有する脂肪種子生成物 約0.01重量%から15重量%と;を含む化粧用バー状固形物である。
【0011】
本発明のさらなる局面において、本発明は、これらに限定されないが、(a)脂肪酸石鹸約30重量%から約80重量%と、(b)非石鹸陰イオン界面活性剤約5重量%から約40重量%と、(c)約0.1ミクロンから70ミクロンの粒子サイズ直径を有する脂肪種子生成物約0.01重量%から15重量%と;を含む化粧用バー状固形物である。
【0012】
本発明のさらなる局面において、本発明は、これらに限定されないが、(a)脂肪酸石鹸約30重量%から約80重量%と、(b)非石鹸陰イオン界面活性剤約0重量%から10重量%と;(c)約0.1ミクロンから70ミクロンの粒子サイズ直径を有する脂肪種子生成物約0.01重量%から15重量%と、を含む化粧用バー状固形物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明のある局面において、本発明は、これらに限定されないが、
(a)陰イオン界面活性剤約2重量%から約90重量%と;
(b)脂肪種子生成物約0.1重量%から約40重量%(本発明の製品における最小濃度は、0.01.0.02、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4又は0.5重量%であり、最大濃度は、1.0、1.1、1.5、2、3、4、5、7、9、10、11、15、20、30又は40重量%である。)(ここで、この脂肪種子生成物の少なくとも50重量%(好ましくは少なくとも60、70、80、90又は95%)が約0.01ミクロンから約200ミクロン(本脂肪種子生成物の50、60、70、80、90又は95重量%を超えるものが、非角質除去組成物の場合、それぞれ0.01、0.02、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1.0、2、5、8、10、20、30もしくは40ミクロンの最小粒子サイズを有し、又は、角質除去組成物の場合、それぞれ50、60、70、80、90、100、150もしくは200ミクロンの最小粒子サイズを有する。)と;
(c)場合によっては、少なくとも1つの活性物質、保湿剤又はそれらの混合物の安全かつ有効量と、を含有する、スキンケア又はクレンジング製品である。
【0014】
有利に、本発明の製品は、化粧用バー状固形物、クリーム、ローション、シャンプー、液体石鹸、等方性構造のシャワージェル又は結晶構造のボディーウォッシュから選択される(例えば、球状ミセル溶液、棒状ミセル溶液又は薄板状、立方体、6面構造などの液晶相を有する。)。
【0015】
本発明の別の局面において、本発明は、これらに限定されないが、
(a)脂肪酸石鹸約0重量%から30重量%(好ましくは、0から約15又は20重量%)と、
(b)非石鹸陰イオン界面活性剤約15重量%から60重量%と;
(c)約0.1ミクロンから70ミクロンの粒子サイズ直径を有する脂肪種子生成物 約0.01重量%から15重量%と、を含む化粧用バー状固形物である。
【0016】
有利に、本発明のバー状固形物は、脂肪酸石鹸約0重量%から20重量%(好ましくは15重量%)と、非石鹸陰イオン界面活性剤約20重量%(好ましくは25重量%)から55重量%(好ましくは50重量%)とを含有する。好ましくは、本バー状固形物は、さらに、少なくとも1つの活性物質、保湿剤又はそれらの混合物の安全かつ有効量を含む。より好ましくは、本脂肪種子生成物は、亜麻、ダイズ、ヒマワリ、菜種又はヤシなどから選択される。
【0017】
本発明の固形物中の脂肪酸石鹸は、有利に、C6からC22の石鹸の混合物(好ましくは、C12からC18の石鹸の混合物)と、C8からC14のアシルイセチオン酸塩;C8からC14のアルキル硫酸塩、C8からC14のアルキルスルホコハク酸塩、C8からC14のアルキルスルホン酸塩;C8からC14の脂肪酸エステルスルホン酸塩、それらの誘導体又は混合物から選択される非石鹸陰イオン界面活性剤を含む。
【0018】
本発明の別の局面において、本発明は、これらに限定されないが、
(a)脂肪酸石鹸約30重量%から約80重量%と、
(b)非石鹸陰イオン界面活性剤約5重量%から約40重量%と;
(c)約0.1ミクロンから70ミクロンの粒子サイズ直径を有する脂肪種子生成物 約0.01重量%から15重量%と;を含む化粧用バー状固形物である。
【0019】
有利に、この化粧用製品は、脂肪酸石鹸約40重量%又は50重量%から60重量%又は70重量%と、非石鹸陰イオン界面活性剤約7重量%又は10重量%から20重量%又は30重量%と、を含有する。
【0020】
本発明のさらなる局面において、本発明は、これらに限定されないが、
(a)脂肪酸石鹸約30重量%から約80重量%と、
(b)非石鹸陰イオン界面活性剤約0重量%から10重量%と;
(c)約0.1ミクロンから70ミクロンの粒子サイズ直径を有する脂肪種子生成物 約0.01重量%から15重量%と、を含む化粧用バー状固形物である。
【0021】
有利に、本発明化粧用バー状固形物は、脂肪酸石鹸約50重量%又は60重量%から75重量%又は80重量%と、非石鹸陰イオン界面活性剤約0、0.1、0.2、0.5、1.0又は1.1重量%から5又は7重量%と、を含有する
【0022】
好ましい実施形態において、平均粒子サイズを20ミクロン以下、有利には、0.1ミクロンから10ミクロンの範囲に維持することにより、角質除去無しの本脂肪種子生成物からの保湿成分の送達を最適化することができる。本脂肪種子生成物平均粒子サイズを20又は25ミクロンより大きくする、有利には、50ミクロンより大きくすることにより、本生成物は、種油の送達及び、場合によっては他の、本種子生成物に固定化された活性及び保湿成分、ならびに所望する角質除去の両方をもたらす。50ミクロンを超える粒径は、マッサージ成分として作用するが、この脂肪種子粒子は皮膚洗浄プロセス中に洗い流される傾向を持つであろうため、本種油及び他の活性及び保湿成分の送達は減少する。しかし、すぐに洗い流さないスキンケア又はリーブオン製品に対して、角質除去及び有益物の送達は、150ミクロンから200ミクロンの平均直径を有する脂肪種子粒子を用いて達成され得る。さらに、本脂肪種子生成物におけるオイル濃度は、所望する量のオイルを得るために粉末を圧搾することにより低下させることができる。さらなる実施形態において、オイルを減少させた、特にオイルフリーの種子ケーキが優れた角質除去剤であることが分かった。
【0023】
オイルタイプ、含有量及び粒子サイズの所望する性質を有する本脂肪種子生成物は、従来の石鹸、コンバー(combar)、合成洗剤バー状固形物及び透明固形石鹸処方物に添加することができる。化粧用バー状固形物に加えて、本脂肪種子生成物は、クリーム、ローション、液体石鹸、シャワージェル、ボディーウォッシュ及びシャンプーなどの液体製品において効果的に使用することができる。クリーム及びローションの場合、本粒子は、より長時間にわたり皮膚又は毛髪と接触したままであり、本脂肪種子生成物に埋め込まれた油体及び本種子生成物に固定化された任意の活性及び保湿成分の送達に対してより効率的である。
【0024】
実際の使用条件下での本発明の製品は、肌の柔軟性、肌の滑らかさ及び同様の消費者が意識する、角質除去効果、低刺激性、保湿効果、付着効果、クレンジング効果などの長所の向上及び皮膚磨耗性などの性質における向上を示すと予想されるが、これは、下記の試験方法を用いて定量した場合の、本発明の組成物を含まない製品を使用したこれらの測定に対するベースラインからの変化に基づく。これらの皮膚への有益性パラメーターはまた、本発明の製品の反応の、比較用製品の反応に対する比率として定量的に表すことができる。本発明の製品の有益性向上の大きさが比較する固形物の計算結果を凌ぐと予想される場合には、観察される比率は、1.0より大きくなる、つまり、1.02、1.05、1.07、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9又は2.0となるであろう。本発明の製品の有益性向上の大きさが比較する固形物の計算結果を下回ると予想される場合には、観察される比率は、1.0未満になる、つまり、0.99、0.98、0.97、0.95、0.93、0.90、0.85、0.80、0.70、0.60、0.50、0.40、0.30、0.20又は0.10となるであろう。下記の表1から表3は、この化粧用バー状固形物の場合において、本発明の製品の様々な性質が4種類の様々な比較対象のバー状固形物とどのように比較されると期待されるかを説明する。この性質を測定するために使用することができる試験方法は下記で与える。
【0025】
【表1】

【0026】
【表2】

【0027】
【表3】

【0028】
脂肪種子生成物
本明細書中で有用な脂肪種子生成物は、アーモンド(Prunus dulcis);アニス(Pimpinella anisum);アボカド(Persea spp.);ビーチナッツ(beach nut)(Fagus sylvatica);ルリヂサ(月見草としても知られている。)(Boragio officinalis);ブラジルナッツ(Bertholletia excelsa);キャンドルナッツ(Aleuritis tiglium);カラッパ(Carapa guineensis);カシューナッツ(Ancardium occidentale);ヒマ(Ricinus communis);ココナツ(Cocus nucifera);コリアンダー(Coriandrum sativum);綿実(Gossypium spp.);ハマナ(Crambe abyssinica);アルプスクレピス(Crepis alpina);クロトン(Croton tiglium);クフェア(Cuphea spp.);ディル(Anethum gravealis);Euphorbia lagascae(ユーフォルビアラガスケ);Dimorphoteca pluvialis(ディモルフォセカ プルウィアリス)(ディモルフォセカ);アマナズナ(Camolina sativa);フェンネル(Foeniculum vulgaris);ラッカセイ(Arachis hypogaea);へーゼルナッツ(coryllus avellana);アサ(Cannabis sativa);ギンセンソウ(Lunnaria annua);ホホバ(Simmondsia chinensis);パンヤノキ(Ceiba pentandra);ククイナッツ(Aleuritis moluccana);レスクエレラ(Lesquerella spp.)、亜麻仁/亜麻(Linum usitatissimum);マカデミアナッツ(Macademia spp.);トウモロコシ(Zea mays);メドウフォーム(Limnanthes alba);カラシナ(Brassica spp.及びSinapis alba);アブラヤシ(Elaeis guineeis);オイチシア(Licania rigida);ポポーノキ(Assimina triloba);ピーカン(Juglandaceae spp.);シソ(Perilla frutescens);ナンヨウアブラギリ(Gatropha curcas);ピリ(Canarium ovatum);マツノミ(pine spp.);ピスタチオ(Pistachia vera);ポンガム(Bongamin glabra);ポピーシード(Papaver soniferum);菜種(Brassica spp.);ベニバナ(Carthamus tinctorius);ゴマ(Sesamum indicum);ダイズ(Glycine max);スカッシュ(Cucurbita maxima);サラソウジュ(Shorea rubusha);ルリギク(Stokesia laevis);ヒマワリ(Helianthus annuus);トゥクマ(tukuma)(Astocarya spp.);アブラギリ(Aleuritis cordata);ベルノニア(Vernonia galamensis)及びそれらの混合物などの植物種から得られる種子生成物である。
【0029】
本明細書中での使用に対してより好ましいものは、次の植物種から得られる脂肪種子生成物である:ブラジルナッツ(Bertholletia excelsa);ヒマ(Ricinus communis);ココナツ(Cocus nucifera);コリアンダー(Coriandrum sativum);綿実(Gossypium spp.);ラッカセイ(Arachis hypogaea);ホホバ(Simmondsia chinensis);亜麻仁/亜麻(Linum usitatissimum);トウモロコシ(Zea mays);カラシナ(Brassica spp.及びSinapis alba);アブラヤシ(Elaeis guineeis);オリーブ(Olea europaea);菜種(Brassica spp.);ベニバナ(Carthamus tinctorius);ダイズ(Glycine max);スカッシュ(Cucurbita maxima);ヒマワリ(Helianthus annuus);及びそれらの混合物。
【0030】
油体は、種子中に貯蔵されている天然に生じる水に不溶性の油性分画として定義される。油体は、トリアシルグリセリドを有する粉末微粒子を含み、また、次のいずれかも含み得る:リン脂質、付随タンパク質及びそれらの混合物。本発明に対して有用な脂肪種子生成物は、乾燥脂肪種子生成物に対して、約0.01、0.02、0.05、0.1、0.2、0.3、0.5、1.0又は1.5重量%から、約2、5、10、20、30、40又は50重量%以上の範囲の最低濃度を有する油体を含有する。この種子のオイル含有量は、天然オイルの付加もしくは除去により、又は、様々な種油及び/もしくは別の下記で定義するような皮膚軟化剤の若干の置換により、製品の所望する適用に従い変化し得る。
【0031】
界面活性剤:
界面活性剤は、本発明の化粧用スキンケア又はクレンジング組成物の必須成分である。それらは、それらが溶解している水溶液の表面張力を低下させるために作用する疎水性及び親水性部分を有する化合物である。有用な界面活性剤には、陰イオン性、非イオン性、両イオン性及び陽イオン性界面活性剤及びそれらの混合物が含まれ得る。
【0032】
陰イオン界面活性剤:
合成陰イオン界面活性剤
本発明のクレンジング組成物は、1又は複数の非石鹸陰イオン性洗剤(合成洗剤)を含有する。
【0033】
好ましくは、その合成洗剤は、50以下のゼイン値を有する。ゼイン値は、下記の試験方法を用いて測定し得る。
【0034】
使用し得るこの陰イオン性洗浄活性物質は、一級アルカン(例えば、C−C22)スルホン酸塩、一級アルカン(例えば、C−C22)ジスルホン酸塩、C−C22アルケンスルホン酸塩、C−C22ヒドロキシアルカンスルホン酸塩又はアルキルグリセリルエーテルスルホン酸塩(AGS)などの、脂肪族スルホン酸塩;又はアルキルベンゼンスルホン酸塩などの芳香族スルホン酸塩であり得る。
【0035】
陰イオン性洗浄活性物質はまた、アルキル硫酸塩(例えば、C12−C18アルキル硫酸塩)又はアルキルエーテル硫酸塩(アルキルグリセリルエーテル硫酸塩を含む。)でもあり得る。アルキルエーテル硫酸塩の中では、式:
RO(CHCHO)SO
(式中、Rは、8個から18個の炭素を有する、好ましくは12個から18個の炭素を有する、アルキル又はアルケニルであり、nは、1.0より大きい、好ましくは3より大きい平均値を有し;Mは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム又は置換アンモニウムなどの可溶化陽イオンである。)を有するものである。ラウリルエーテル硫酸アンモニウム及びラウリルエーテル硫酸ナトリウムが好ましい。
【0036】
この陰イオン性洗浄活性物質はまた、アルキルスルホコハク酸塩(モノ及びジ−アルキル、例えば、C−C22スルホコハク酸塩を含む。);アルキル及びアシルタウレート、アルキル及びアシルサルコシン酸塩、スルホ酢酸塩、C−C22アルキルリン酸塩及びリン酸塩、アルキルリン酸エステル及びアルコキシルアルキルリン酸エステル、アシル乳酸塩、C−C22モノアルキルコハク酸塩及びマレイン酸塩、スルホ酢酸塩、アルキルグルコシド及びアシルイセチオン酸塩などでもあり得る。
【0037】
スルホコハク酸塩は、式:
CCHCH(SOM)CO
を有するモノアルキルスルホコハク酸塩及び、式:
CONHCHCHCCHCH(SOM)CO
(式中、Rは、C−C22アルキルの範囲を取り、Mは、可溶化陽イオンである。)のアミド−MEAスルホコハク酸塩であり得る。
【0038】
サルコシン酸塩は、一般に、式:
CON(CH)CHCO
(式中、Rは、C−C20アルキルの範囲を取り、Mは、可溶化陽イオンである。)により示される。
【0039】
タウレートは、一般に、式:
CONRCHCHSO
(式中、Rは、C−C20アルキルの範囲を取り、Rは、C−Cアルキルの範囲を取り、Mは、可溶化陽イオンである。)により特定される。
【0040】
本発明のスキンケア又はクレンジング組成物は、好ましくは、C−C14アシルイセチオン酸塩を含有する。これらのエステルは、6個から12個の炭素原子を有し、ヨウ素価が20未満である混合脂肪族脂肪酸とイセチオン酸アルカリ金属との間の反応により調製される。
【0041】
このアシルイセチオン酸塩は、Ilardiら、米国特許第5,393,466号、題名「Fatty Acid Esters of Polyalkoxylated isethonic acid」(1995年2月28日発行)(参照により、本明細書に組込む。)に記載されているような、アルコキシル化されたイセチオン酸塩であり得る。この化合物は、一般式:
【0042】
【化1】

(式中、Rは、8個から18個の炭素を有するアルキル基であり、mは、1から4の整数であり、X及びYは、水素又は1個から4個の炭素を有するアルキル基であり、Mは、例えばナトリウム、カリウム又はアンモニウムなどの1価の陽イオンである。)を有する。
【0043】
本発明化粧用バー状固形物の別の実施形態において、次のいずれかの陰イオン界面活性剤 5重量%未満が存在する:アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルアルコキシ硫酸塩、アシルタウリド(acyl taurides)、アシル硫酸塩及びポリヒドロキシ脂肪酸アミドのそれぞれ個々又はこれらの混合物。好ましくはこれらの界面活性剤 1重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満が存在する。
【0044】
石鹸
本発明のスキンケア又はクレンジング製品は、石鹸を含有し得る。「石鹸」という用語は、その一般的な意味(つまり、アルカリ金属又はアルカンもしくはアルケンモノカルボン酸のアルカノールアンモニウム塩)において本明細書中で使用される。ナトリウム、カリウム、モノ−、ジ−及びトリ−エタノールアンモニウム陽イオン又はこれらの組み合わせは、本発明の目的に適している。一般に、飽和C8−C14アルキル鎖及び不飽和脂肪酸(好ましくはC8−C22のアルキル鎖を有する。)のナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノ−、ジ−及びトリ−エタノール石鹸は、可溶性石鹸である。
【0045】
両性界面活性剤
1又は複数の両性界面活性剤が、本発明において使用され得る。このような界面活性剤には、少なくとも1個の酸性基が含まれる。これは、カルボン酸基又はスルホニン酸基であり得る。これらには4級窒素が含まれ、したがって、4級アミド酸である。これらは、通常、7個から18個の炭素原子のアルキル又はアルケニル基を含まなければならない。これらは通常、式:
【0046】
【化2】

(式中、Rは、7個から18個の炭素原子のアルキル又はアルケニルであり、
及びRは、それぞれ独立に、1個から3個の炭素原子のアルキル、ヒドロキシアルキル又はカルボキシアルキルであり;
nは、2から4であり;
mは、0から1であり;
Xは、場合によってはヒドロキシルで置換されている1個から3個の炭素原子のアルキレンであり、
Yは、−CO−又は−SO−である。)の全体的構造に従う。
【0047】
上記の一般式中の適切な両性界面活性剤には、式:
【0048】
【化3】

の単純なベタイン及び式:
【0049】
【化4】

(式中、nは、2又は3である。)のアミドベタインが含まれる。
【0050】
両方の式において、R、R及びRは、既に定義されるとおりである。Rは、特に、基Rの少なくとも半分、好ましくは少なくとも4分の3が、10個から14個の炭素原子を有するような、ココナツ油由来のC12及びC14アルキル基の混合物であり得る。R及びRは、好ましくはメチルである。
【0051】
さらなる可能なものは、両性洗剤が、式:
【0052】
【化5】

又は
【0053】
【化6】

(式中、mは、2又は3である。)のスルホベタイン又は−(CHSOが、
【0054】
【化7】

により置換されているこれらの変異体である。
【0055】
これらの式において、R、R及びRは既に述べたとおりである。
【0056】
アンフォアセテート及びジアンフォアセテートもまた、例えばナトリウムラウロアンフォアセテート、ナトリウムココアンフォアセテート及びこれらの混合物など、使用され得る可能な両性イオン及び/又は両性化合物に含まれるものとする。
【0057】
非イオン性界面活性剤
1又は複数の非イオン性界面活性剤もまた、本発明のスキンケア又はクレンジング組成物において使用され得る。
【0058】
使用され得る非イオン性界面活性剤には、特に、疎水性基及び反応性水素原子を有する化合物、例えば脂肪族アルコール、酸、アミド又はアルキルフェノールの、アルキレンオキシド、特にエチレンオキシド(それ単独もしくはプロピレンオキシドを伴う)との反応生成物が含まれる。具体的な非イオン性洗浄化合物は、アルキル(C−C22)フェノール エチレンオキシド縮合物、脂肪族(C−C18)一級もしくは二級の直鎖もしくは分枝鎖アルコールとエチレンオキシドとの縮合生成物及びプロピレンオキシドとエチレンジアミンとの反応生成物とエチレンオキシドとの縮合により得られる生成物である。他のいわゆる非イオン性洗浄化合物には、長鎖3級アミンオキシド、長鎖3級ホスフィンオキシド及びジアルキルスルホキシドなどが含まれる。
【0059】
非イオン性界面活性剤はまた、多糖類アミドなどの糖アミドでもあり得る。具体的には、この界面活性剤は、米国特許第5,389,279号(Auら、題名「Compositions Comprising Nonionic Glycolipid Surfactants」(1995年2月14日発行)(参照により、本明細書に組込む。)に記載のラクトビオンアミドの1つであり得るか、又は、これは、特許第5,009,814号(Kelkenberg、題名「Use of N−Poly Hydroxyalkyl Fatty Acid Amides as Thickening Agents for Liquid Aqueous Surfactant Systems」(1991年4月23日発行)(参照により、本明細書に組込む。)に記載の糖アミドの1つであり得る。
【0060】
陽イオン性スキンコンディショニング剤
本発明による組成物中の任意の成分は、陽イオン性の皮膚感触剤(skin feel agent)又はポリマー、例えば陽イオン性セルロースなどである。陽イオン性セルロースは、当分野(CTFA)でポリクオターニウム 10(Polyquaternium 10)と呼ばれる、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させられたヒドロキシエチルセルロースの塩として、Polymer JR(商標)及びLR(商標)のポリマーのシリーズにおいて、Amerchol Corp.(Edison,NJ,USA)から入手できる。別のタイプの陽イオン性セルロースには、当分野(CTFA)でポリクオターニウム 24(Polyquaternium 24)と呼ばれる、ラウリルジメチルアンモニウム−置換エポキシドと反応させられたヒドロキシエチルセルロースのポリマー四級アンモニウム塩が含まれる。これらの物質は、Polymer LM−200の商品名、及びアルキルジメチルアンモニウムハロゲン化物などの四級アンモニウム化合物として、Amerchol Corp.(Edison,NJ,USA)から入手できる。
【0061】
使用することができる特に適切なタイプの陽イオン多糖類ポリマーは、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(JAGUAR商標シリーズにおいてRhone−Poulencから市販されている。)などの陽イオン性グアーガム誘導体である。例としては、陽イオン性基の置換の度合いが低く粘度が高いJAGUAR C13S及び置換の度合いが中程度で粘度が低いJAGUAR C15、JAGUAR C17(置換の度合いが高く、粘度が高い)、含有する置換基ならびに陽イオン性四級アンモニウム基の濃度が低いヒドロキシプロピル化陽イオン性グアー誘導体であるJAGUAR C16及び透明度が高く、中程度の粘度のグアーであり、置換の度合いが低い、JAGUAR 162である。
【0062】
特に好ましい陽イオン性ポリマーは、JAGUAR C13S、JAGUAR C15、JAGUAR C17及びJAGUAR C16及びJAGUAR 162、とりわけJAGUAR C13Sである。本発明の処方物に適合するという条件で、当該技術分野で公知の他の陽イオン性皮膚感触剤が使用され得る。
【0063】
本発明において有用な他の好ましい陽イオン性化合物には、プロピオン酸四級アンモニウム及び乳酸塩、及びシルク又は小麦タンパク質の四級アンモニウム加水分解物などの、アミド四級アンモニウム化合物が含まれる。これらの化合物の多くは、McIntyre Group Ltd.(Unibersity Park,IL)からのMackineTM Amido Functional Amines(アミド官能性アミン)、MackaleneTM Amido Functional Tertiary Amine Salts(アミド官能性三級アミン塩)及びMackpro(R)陽イオン性タンパク質加水分解物として得ることができる。
【0064】
加水分解タンパク質コンディショニング剤を有する本発明の好ましい実施形態において、本加水分解タンパク質の平均分子量は、好ましくは、約2500である。
【0065】
好ましくは、加水分解タンパク質の90%が、約1500から約3500の分子量の間である。好ましい実施形態において、本バー状固形物において、0.1%(そのまま)の濃度でMACKPROTM WWP(つまり、小麦麦芽アミドジメチルアミン加水分解小麦タンパク質)が添加される。これにより、この実施形態に対する最終バー状固形物処方中、0.035%のMACKPROTM WWP「固形物」を生じる。
【0066】
陽イオン性界面活性剤
1又は複数の陽イオン性界面活性剤もまた、本発明の自己泡形成(セルフフォーミング)クレンジング組成物において使用され得る。
【0067】
陽イオン性洗剤の例は、アルキルジメチルアンモニウムハロゲン化物などの四級アンモニウム化合物である。
【0068】
使用し得る他の適切な界面活性剤は、米国特許第3,723,325号(Parran Jr.、題名「Detergent Compositions Containing Particle Deposition Enhancing Agents」(1973年3月27日発行);及びSchwartz,Perry & Berchによる「Surface Active Agents and Detergents」(Vol.I&II)(両方とも、参照により、本明細書に組込む。)である。
【0069】
さらに、本発明の組成物、特に本発明の化粧用バー状固形物は、次のように、任意の成分 0重量%から15重量%を含み得る。
【0070】
香料;金属封鎖剤、テトラナトリウムエチレンジアミンテトラアセテート(EDTA)、EHDP又は0.01%から1%、好ましくは0.01%から0.05%の量での混合物;及び着色剤、乳白剤及び真珠光沢剤、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、TiO、EGMS(エチレングリコールモノステアレート)又はLytron 621(スチレン/アクリレートコポリマー)など;これらの全てが、製品の外観特性又は化粧料特性を強化するために有用である。
【0071】
本組成物はさらに、ジメチロールジメチルヒダントイン(Glydant XL1000)、パラベン、ソルビン酸などの保存剤を含む。
【0072】
本組成物はまた、ココナツ アシルモノ−又はジエタノールアミドなども起泡増進剤として含み得、塩化ナトリウム及び硫酸ナトリウムなどの強イオン化塩もまた有利に使用し得る。
【0073】
例えばブチルヒドロキシトルエン(BHT)などのような酸化防止剤は、約0.01%以上の量で、適宜、有利に使用され得る。
【0074】
本発明において、脂肪種子生成物に加えて、湿潤剤及び皮膚軟化剤とも呼ばれる保湿剤もまた有利に使用され得る。例えばグリセリン及びプロピレングリコールなどといった多価アルコール;及び下記で挙げるポリエチレングリコールなどのポリオールなどの湿潤剤を使用し得る。湿潤剤は、0.01、0.05、0.1、0.2、0.5、0.9、1.0、1.1、2.0、3.0、5、9、10、11、15又は20重量%を超えるレベルで使用され得る。
【0075】
Polyox WSR−205 PEG 14M、
Polyox WSR−N−60K PEG 45M又は
Polyox WSR−N−750 PEG 7M。
【0076】
皮膚軟化剤は、脂肪種子生成物とは別に本発明の製品に添加され得るか、又は、本脂肪種子生成物の全てもしくは一部を、皮膚軟化剤を強化するように使用し得る。本脂肪種子生成物とは区別されるこれらの別個の皮膚軟化剤は、1つの保湿剤成分から構成され得るか、又は、それらは、1つ又は全てが保湿特性を有しうる2以上の化合物の混合物であり得る。さらに、保湿剤そのものが、本発明のスキンケア又はクレンジング製品に添加したいと考え得る他の成分に対して担体として作用し得る。
【0077】
疎水性皮膚軟化剤、親水性皮膚軟化剤又はこれらの混合物が使用され得る。好ましくは、疎水性皮膚軟化剤は、本発明の化粧用スキンケア又はクレンジング組成物において親水性皮膚軟化剤以上に使用される。天然であり、本脂肪種子生成物において放出可能に含有されるものを含む疎水性皮膚軟化剤は、好ましくは、約0.01、0.05、0.1、0.2、0.5、0.9、1.0、1.1、2.0、3.0、5、9、10、11、15、20、25又は30重量%を超える濃度で存在する。本脂肪種子生成物とは別に添加される疎水性皮膚軟化剤は、本発明の製品中に、約0.01、0.05、0.1、0.2、0.5、0.9、1.0、1.1、2.0、3.0、5、9、10、11、15又は20重量%を超えるレベルで存在する。「皮膚軟化剤」という用語は、水含有量を増加させることにより、柔軟にするか、又は、皮膚(角質層)の弾力性、外観及び若さを向上させ、その水含有量低下を妨げることにより皮膚を柔軟に維持する物質として定義される。
【0078】
有用な皮膚軟化剤には次のものが含まれる;
(a)線状及び環状ポリジメチルシロキサンなどのシリコーン油及びこれらの修飾物;アミノ、アルキル、アルキルアリール及びアリールシリコーン油;
(b)ホホバ、ダイズ、ヒマワリ、米ぬか、アボカド、アーモンド、オリーブ、ゴマ、杏仁、ヒマ、ココナツ、ミンクオイルなどの天然脂肪及び油を含む、脂肪及び油;カカオ脂;牛脂、ラード;先述の油の水素添加により得られる硬化油;及びミリスチン酸グリセリド及び2−エチルヘキサン酸グリセリドなどの合成モノ、ジ及びトリグリセリド;
(c)カルナバ、鯨ロウ、ビーズワックス、ラノリン及びこれらの誘導体などのワックス;
(d)疎水性及び親水性植物抽出物;
(e)液体パラフィン、ワセリン、微結晶性ワックス、セレシン、スクアレン、プリスタン及び鉱物油などの炭化水素;
(f)ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸(lanolic acid)、イソステアリン酸、アラキドン酸及びポリ不飽和脂肪酸(PUFA)などの高級脂肪酸;
(g)ラウリル、セチル、ステアリル、オレイル、ベヘニル、コレステロール及び2−ヘキシデカノールアルコールなどの高級アルコール;
(h)オクタン酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、イソステアリン酸コレステロール、モノステアリン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセロール、トリステアリン酸グリセロール、乳酸アルキル、クエン酸アルキル及び酒石酸アルキルなどのエステル;
(i)ハッカ、ジャスミン、ショウノウ、ヌマヒノキ、ビターオレンジ果皮、リュー(ryu)、テレビン、シナモン、ベルガモット、ウンシュウミカン、ショウブ、マツ、ラベンダー、ゲッケイジュ、クローブ、ヒバ、ユーカリ、レモン、スターフラワー、タイム、ペパーミント、ローズ、セイジ、ゴマ、ジンジャー、バジル、ジュニパー、レモングラス、ローズマリー、ローズウッド、アボカド、ブドウ、グレープシード、ミルラ、キュウリ、クレソン、カレンジュラ、エルダーフラワー、ゼラニウム、リンデンブルサム、アマランス、海草、ギンナン、チョウセンニンジン、ニンジン、ガラナ、ティーツリー、ホホバ、ヒレハリソウ、オートミール、カカオ、ネロリ、バニラ、グリーンティー、メグサハッカ、アロエベラ、メントール、シネオール、オイゲノール、シトラール、シトロネル、ボルネオール、リナロール、ゲラニオール、月見草、ショウノウ、チモール、スピラントール、ペネン、リモネン及びテルペノイド油などのエッセンシャルオイル及びこれらの抽出物;及び
(j)前記成分の何らかの混合物など。
【0079】
好ましい皮膚軟化保湿剤は、脂肪酸、トリグリセリド油、鉱物油、ペトロラタム及びそれらの混合物から選択される。さらなる好ましい皮膚軟化剤は、脂肪酸である。
【0080】
角質除去成分
本発明の製品、特に本発明のバー状固形物は、乾燥皮膚の除去を促進する50ミクロンを超える脂肪種子生成物粒子を含有し得る。理論にとらわれることなく、角質除去の度合いは、その粒子の大きさ及び形態に依存する。大きく粗い粒子は、通常、非常に荒く刺激性である。非常に小さい粒子は、効果的な角質除去成分として作用し得ない。
【0081】
脂肪種子粒子以外のさらなる角質除去成分を使用し得る。当該分野で使用されるこのような角質除去成分には、シリカ、タルク、方解石、軽石、リン酸三カルシウムなどの天然鉱物;米、アプリコット種子などの種子;アーモンド及びクルミ殻などの破砕した殻;オートミール;ポリエチレン及びポリプロピレンビーズなどのポリマー、花弁及び葉;微晶質ワックスビーズ;ホホバエステルビーズなどが含まれる。これらの角質除去成分は、ミクロンのサイズから数mmまでの範囲に及ぶ様々な粒子サイズ及び形態がある。これらはまた、ある範囲の硬度(Mohs)を有する。いくつかの例を下記の表4で与える。
【0082】
【表4】

【0083】
任意の活性物質
上記で定義した保湿剤以外の活性物質を、有利に、本発明のスキンケア及びクレンジング製品の処方前又はその間に、本製品の使用中に皮膚に対して、及び皮膚によりこれらの成分の放出をより十分に制御し効果的に利用できるようにするよう、そのような成分を固定化及び/又は安定化するために、安全かつ有効な量で本脂肪種子生成物に添加し得る。これらの活性成分は、有利に、殺菌剤、ビタミン、にきび抑制剤;アンチリンクル、抗皮膚萎縮及び皮膚修復活性成分;皮膚バリア修復活性成分;非ステロイド化粧用鎮静化活性成分;セルフタンニング剤及び日焼け促進剤;皮膚美白活性成分;サンスクリーン活性成分;皮脂刺激剤;皮脂抑制剤;酸化防止剤;プロテアーゼ阻害剤;皮膚引き締め剤;かゆみ止め成分;毛髪成長抑制剤5−αレダクターゼ阻害剤;落屑酵素促進剤;抗糖化剤;又はこれらの混合物などから選択され得る。
【0084】
これらの活性物質は、水溶性活性物質、油溶性活性物質、医薬適合性の塩及びそれらの混合物から選択され得る。有利に、この物質は、本脂肪種子生成物中に存在する油体に可溶性であるか又は分散性である。「活性物質」という用語は、本明細書中で使用される場合、本明細書で後で定義するような、皮膚及び/又は毛髪に対して有益性を送達するために使用することができ、一般にコンディショニングの有益性を与えるために使用されない、パーソナルケア活性物質を意味する。「安全かつ有効な量」という用語は、本明細書中で使用される場合、処置された状態を変化させる、又は所望するスキンケアの有益性を与えるのに十分に高いが、重篤な副作用を避けられるように十分低い活性物質の量を意味する。「有益性」という用語は、本明細書中で使用される場合、本明細書中に記載の活性物質の1又は複数を用いて特定の状態を処置することに付随する、治療的、予防的及び/又は長期にわたる有益性を意味する。活性物質成分の安全かつ有効量は、具体的な活性物質、その活性物質の皮膚を介した浸透能、使用者の年齢、健康状態及び肌状態ならびに他の要素などに伴って変化するであろう。好ましくは、本発明の組成物は、活性物質成分約0.01重量%から約50重量%、より好ましくは、約0.05重量%から約25重量%、さらにより好ましくは、0.1重量%から約10重量%及び最も好ましくは、0.1重量%から約5重量%を含有する。
【0085】
多岐にわたる活性物質成分がここにおいて有用であり、これには、にきび抑制剤、アンチリンクル及び抗皮膚萎縮活性成分、皮膚バリア修復補助物質、化粧用鎮静補助物質、局所麻酔薬、セルフタンニング剤及び日焼け促進剤、皮膚美白活性成分、抗菌及び抗真菌活性成分、サンスクリーン活性成分、皮脂刺激剤、皮脂抑制剤、抗糖化活性成分及びこれらの混合物などから選択されるものが含まれる。
【0086】
にきび抑制剤は、尋常性座瘡、毛嚢脂腺毛包の慢性疾患の治療において有効であり得る。有用なにきび抑制剤の非限定例には、サリチル酸(o−ヒドロキシ安息香酸)、5−オクタノイルサリチル酸及び4メトキシサリチル酸などのサリチル酸の誘導体及びレゾルシノール;レチノイン酸及びその誘導体(例えばシス及びトランス)などのレチノイド;含硫D及びLアミノ酸及びこれらの誘導体ならびに塩、特にこれらのN−アセチル誘導体、これらの混合物などの、角質溶解剤が含まれる。
【0087】
抗菌及び抗真菌活性成分は、細菌及び真菌の増殖及び成長を防ぐのに有効であり得る。抗菌及び抗真菌活性成分の非限定例には、b−ラクタム剤、キノロン剤、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、テトラサイクリン、エリスロマイシン、アミカシン、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロバニリド、フェノキシエタノール、トリクロサン;トリクロカルバン;及びこれらの混合物などが含まれる。
【0088】
アンチリンクル、抗皮膚萎縮及び皮膚修復活性成分は、表皮層の補充又は回復に有効であり得る。これらの活性成分は、一般に、落屑の自然のプロセスを促進又は維持することにより、これらの望ましいスキンケアの有益性を与える。アンチリンクル及び抗皮膚萎縮活性成分の非限定例には、ミルク、ビタミンA、E及びKなどの、ビタミン、鉱物及び肌の栄養素;ビタミンCアルキルエステルを含むビタミンアルキルエステル;マグネシウム、カルシウム、銅、亜鉛及び他の金属成分;レチノイン酸及びその誘導体(例えばシス及びトランス);レチナール;レチノール;酢酸レチニル、パルミチン酸レチニル及びプロピオン酸レチニルなどのレチニルエステル;ビタミンB3化合物(ナイアシンアミド及びニコチン酸など)、αヒドロキシ酸、βヒドロキシ酸、例えばサリチル酸及びそれらの誘導体(5−オクタノイルサリチル酸、ヘプチルオキシ4サリチル酸及び4−メトキシサリチル酸など);これらの混合物などが含まれる。
【0089】
皮膚バリア修復活性成分は、表皮の天然の保湿バリア機能の修復及び補給を促進することができるスキンケア活性成分である。皮膚バリア修復活性成分の非限定例には、欧州特許明細書第556,957号に記載されているようなコレステロール、セラミド、スクロースエステル及び擬似セラミドなどの脂質;アスコルビン酸;ビオチン;ビオチンエステル;リン脂質、これらの混合物などが含まれる。
【0090】
非ステロイド化粧用鎮静化活性成分は、皮膚の炎症の予防又は処置において効果的であり得る。この鎮静化活性成分は、例えば、均一かつ許容できる肌の色合い及び色に役立つ物質などの本発明の皮膚外観の有益性を促進する。化粧用鎮静化活性成分の非限定例には、次のカテゴリーが含まれる:プロピオン酸誘導体;酢酸誘導体;フェナム酸誘導体;それらの混合物など。これらの化粧用鎮静化活性物質の多くは、米国特許第4,985,459号(Sunshineら、1991年1月15日発行)(参照により、その全体を本明細書に組込む。)に記載されている。
【0091】
セルフタンニング活性成分は、皮膚においてメラニンを増加させることにより、又は皮膚においてメラニンが増加した外観を生じさせることにより、自然な日焼けの刺激を促進することができる。セルフタンニング剤及び日焼け促進剤の非限定例には、ジヒドロキシアセタオン(dihydroxy acetaone);チロシン;エチルチロシネート及びグルコースチロシネートなどのチロシンエステル;これらの混合物などが含まれる。
【0092】
皮膚美白活性成分は、皮膚において実際にメラニン量を低下させるか、又は他のメカニズムによりそのような効果を与える。本明細書中で有用な皮膚美白活性成分の非限定例には、アロエ抽出物、α−グリセリル−L−アスコルビン酸、アミノチロキシン、乳酸アンモニウム、グリコール酸、ヒドロキノン、4ヒドロキシアニソール、これらの混合物などが含まれる。
【0093】
サンスクリーン活性成分もまた本明細書中で有用である。多岐にわたるサンスクリーン剤が、米国特許第5,087,445号(Haffeyら、1992年2月11日発行);米国特許第5,073,372号(Turnerら、1991年12月17日発行);米国特許第5,073,371号(Turnerら、1991年12月17日発行);及びSegarinら、Cosmetics Science and TechnologyのChapter VIII、189頁から(全て、参照により、その全体を本明細書に組込む。)において記載されている。本発明の組成物において有用なサンスクリーン剤の非限定例は、メトキシケイ皮酸オクチル(Parsol MCX)及びブチルメトキシベンゾイルメタン(Parsol 1789)、p−メトキシケイ皮酸2−エチルへキシル、N,N−ジメチル−p−アミノ安息香酸2−エチルへキシル、p−アミノ安息香酸、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸、オキシベンゾン、これらの混合物などからなる群から選択されるものである。
【0094】
皮脂刺激剤は、皮脂腺による皮脂の産生を増加させることができる。皮脂刺激活性成分の非限定例には、ブリオノール酸、デヒドロエチアンドロステロン(DHEA)、オリザノール、これらの混合物などが含まれる。
【0095】
皮脂抑制剤は、皮脂腺による皮脂の産生を低下させることができる。有用な皮脂抑制活性成分の非限定例には、アルミニウムヒドロキシクロリド、コルチコステロイド、デヒドロ酢酸及びその塩、ジクロロフェニルイミダゾールジオキソラン(Elubiolより入手可能)、これらの混合物などが含まれる。
【0096】
プロテアーゼ阻害剤もまた、本発明における活性成分として有用である。プロテアーゼ阻害剤は、2つの一般的クラス、プロテイナーゼとペプチダーゼとに分けることができる。プロテイナーゼは、タンパク質の特異的な内部ペプチド結合に作用し、ペプチダーゼは、タンパク質の末端の遊離アミノ又はカルボキシル基に隣接するペプチド結合に対して作用し、したがって、外側からタンパク質を切断する。本発明における使用に適切なプロテアーゼ阻害剤には、これらに限定されないが、セリンプロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、システインプロテアーゼ及びアスパルチルプロテアーゼなどのプロテイナーゼ、ならびにカルボキシペプチダーゼ、ジペプチダーゼ及びアミノペプチダーゼなどのペプチダーゼペプチダーゼ、これらの混合物などが含まれる。
【0097】
本発明における活性成分として有用なその他のものは、皮膚引き締め剤である。本発明の組成物において有用である皮膚引き締め剤の非限定例には、ビニルピロリドン、アクリル酸(メタクリル酸)及び長鎖アルキルアクリレート(メタクリレート)から成る疎水性モノマーのターポリマー、それらの混合物など、ポリマーを皮膚に結合させることができるモノマーが含まれる。
【0098】
本発明における活性成分にはまた、かゆみ止め成分も含まれ得る。本発明の組成物において有用なかゆみ止め成分の適切な例には、ヒドロコルチゾン、メトジリジン(methdilizine)及びトリメプラジニア(trimeprazineare)、これらの混合物などが含まれる。
【0099】
本発明の組成物において有用な毛髪成長抑制剤の非限定例には、17βエストラジオール、抗血管形成ステロイド、クルクマ抽出物、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、月見草油、リノール酸などが含まれる。エチニルエストラジオール及びゲニスチン、これらの混合物などの適切な5−αレダクターゼ阻害剤。
【0100】
本発明の組成物において有用な落屑酵素促進剤の非限定例には、アラニン、アスパラギン酸、Nメチルセリン、セリン、トリメチルグリシン、それらの混合物などが含まれる。
【0101】
本発明の組成物において有用な抗糖化剤の非限定例は、Amadorine(アマドリン)(Barnet Products Distributorから入手可能)などである。
【0102】
本脂肪種子生成物に含有される脂肪種子又は油体へと活性物質の所望する量を移動できるようにするのに十分な条件下で、1又は複数の活性物質の溶液又は懸濁液(つまり媒体)に本脂肪種子生成物を接触させることによるなど、何らかの認識されている技術により、本脂肪種子生成物中又はその近傍に活性物質を固定化することができる。この段階の次に、濾過、溶媒の蒸発又は活性物質を含有する脂肪種子生成物を回収するための技術分野の何らかの他の加工段階を介して、濃縮された脂肪種子生成物の単離を行い得る。あるいは、その溶媒がそれが添加される処方物に適合する場合には、又は濃縮された脂肪種子生成物及び媒体の組み合わせが使用され得る場合には、媒体から単離することなく、濃縮された脂肪種子生成物をスキンケア又はクレンジング製品に直接配合することができる。この媒体は、液体、ジェル、固体、微粒子又はそれらの混合物などであり得る。
【0103】
操作例及び比較例における場合を除き、又は、別段の明確な規定がある場合を除き、本説明における物質の量を示す数字は全て、「約」という単語により修飾されるものと理解されたい。
【0104】
次の実施例は、本発明の実施形態をより詳細に説明する。本明細書中及び添付の請求項で参照される全ての部分、パーセンテージ及び割合は、別段の説明がない限り、重量によるものである。物理試験方法を下記で述べる。
【0105】
次の本発明化粧用バー状固形物は、下記の製造方法に従い処方され得る。
【実施例1】
【0106】
化粧用石鹸
石鹸ベース(下記)、香料及びその他の微量成分とともに、チップミキサー中で種子粉末を添加することができる。この石鹸ベース(表5参照)は、様々な脂肪酸石鹸成分の様々な割合のものであり得る。この微量成分は、皮膚軟化剤、抗菌剤、着色剤、乳白剤、光沢剤などを含む固形石鹸において使用される一般的成分であり得る。次に、この混合塊を破砕/微細化し、プロッディングする。次に、プロッディングしたバー状固形物を所望する形に押圧する。このようなバー状固形物の4つの例(a、b、c及びd)を次のように調製し得る。
【0107】
【表5】

【実施例2】
【0108】
コンバー(combar)
石鹸性及び非石鹸性活性物質及びその他の微量成分の混合物を有するコンバーベース(下記)とともに、チップミキサー中で本脂肪種子粉末を添加することができる。次に、この混合塊を破砕/微細化し、プロッディングする。プロッディングしたバー状固形物を所望する形に押圧する。このようなバー状固形物の3つの例、e、f及びgは次のように調製し得る。
【0109】
【表6】

【実施例3】
【0110】
バー状固形合成洗剤
非石鹸性活性成分及びその他の微量成分の混合物を有する合成洗剤ベース(下記)とともに、チップミキサー中で脂肪種子粉末を添加することができる。このプロセスを促進するために、石鹸ベースの少量をチップミキサー中で添加することができる。次に、この混合塊を破砕/微細化し、プロッディングする。プロッディングしたバー状固形物を所望する形に押圧する。このベースは、ココイルイセチオン酸ナトリウムをステアリン酸、塩及び石鹸少量とともに溶融させることにより調製される(表5参照)。この溶融塊をチルロール粉砕し、次にベースとして使用する。このようなバー状固形物の3つの例(h、i及びj)を次のように調製し得る。
【0111】
【表7】

【実施例4】
【0112】
半透明バー状固形物
47Cから50C、約30分間から50分間の高せん断混合により、最初に透明石鹸ベース(下記)において半透明性を生じさせる。この30分から50分間の時間の最後に香料とともに、ミキサーにこの粉末を添加し、約5分間混合する。次に、温度調整下でこの塊をプロッディングし、種子粉末の分散粒子が入った半透明バー状固形物を得る。このようなバー状固形物の4つの例(k、l、m及びn)を次のように調製し得る。
【0113】
【表8】

【0114】
【表9】

【実施例5】
【0115】
液体石鹸
本液体石鹸は、成分を25℃にて混合するか、又は溶解しにくい成分を高温、通常は65℃から70℃の範囲で溶解させることにより調製する。本脂肪種子生成物において混合する前に、温度を25℃に戻す。この混合物に本粉末を添加し、空気混入を避けるために穏やかに混合する。一般的な塩を使用することにより、本製品に対して望ましい液体石鹸の粘度を調整する。粒子サイズが大きい脂肪種子生成物の場合は、この粉末の安定な非分離懸濁液を得るために高い粘性が必要である。このようなバー状固形物の3つの例(o、p及びq)を次のように調製し得る。
【0116】
【表10】

【実施例6】
【0117】
シャンプー
室温付近で本シャンプー処方物に本粉末を添加し、穏やかに混合しなければならない。シャンプーを調製する手段は、液体石鹸に対して述べたものと同じである。4つの本発明シャンプー処方物を下記で述べる。
【0118】
【表11】

【実施例7】
【0119】
溶融注型バー状固形処方物
溶融注型バー状固形物もまた、使用する特定のブレンドの溶融特性に従って調製し得る。この場合、本処方物は、全成分を60℃から95℃にて溶融させることにより調製される。均一の透明/不透明液体を好ましくは65℃から70℃に冷却する。この温度で溶融液において本粉末及び香料を添加し、均一化し、次に、生成物を鋳型に注ぎ込む。次に、周囲温度又は加速冷却条件下にてこの混合物を凝固させる。よりよく分散させるために、グリセリン/水又は何らかの他の適切な液体中で本脂肪種子生成物を前もって混合することが好ましい。冷却後のこのバー状固形物は、配合により、透明、半透明又は不透明であり得る。透明石鹸処方物中でトリグリセリドなどの疎水性保湿成分を使用することにより、透明性を低下させ得る。本脂肪種子粉末は、有利に、この中に油分を保持し、これにより、透明性が保たれ、本バー状固形物において魅力的な視覚効果を与える。粒子サイズ及び本溶融物の粘性の調節は、この粉末の安定的な懸濁のために非常に重要である。不透明な溶融注型処方物の3つの例(u、v及びw)は次の通りである。
【0120】
【表12】

【実施例8】
【0121】
スキンクリーム及びローション
ローション及びクリームなどのリーブオン製品における角質除去及び保湿成分としてのオイルの送達は、有利にその処方物中の15%以下のレベルで脂肪種子粉末を使用することにより達成することができる。この粒子は、好ましくは、約25ミクロンから50ミクロンの範囲である。本発明のスキンクリームの2種類の処方物(x及びy)を下記に挙げる。
【0122】
【表13】

【0123】
油相を最初に混合し、75℃で溶融させる。水相もまた、75℃に加熱する。連続的に均一化しながらこの2つの相をゆっくりと混合させ、温度を約40℃に低下させる。香料、種子粉末及び防腐剤を添加し、空気混入を避けるためにゆっくりと混合する。
【0124】
試験方法の説明
試験方法
本発明のスキンケア又はクレンジング製品、特に化粧用バー状固形物の特徴を調べ、比較用の化粧用バー状固形物と比較するために、次の試験の1又は複数を使用することができる。
【0125】
a)角質除去試験:
角質細胞染色用の適切な染料(例えば、ゲンチアナバイオレット)を皮膚上の2cmから5cm直径のスポット(腕/脚又は必要に応じて身体の別のいずれかの場所)に塗布し、皮膚の表面細胞(角質細胞)を確実に均一に染色するために5分間放置する。次に、皮膚をこすらずに35℃の流水でそのスポットを30秒間すすいで過剰な染料を洗い流す。
【0126】
次に、染色部位を被験製品で洗浄する。バー状固形物の場合には、以下の洗浄方法を採用する。皮膚上のそのスポットを濡らし、液体クレンジング組成物を予め湿らせて、そのバー状固形物をそのスポットに30秒間直接擦り込み(前後運動)、皮膚をこすらずに35℃の流水で15秒間すすぎ、軽く叩いて乾かす。この部位を10分間乾燥させる。洗浄したスポットに角質チェッカー(d−squame)テープ(Cuderm(R)、CuDerm Corporation,(Dallas,TX)製造)を均一圧力下で30秒間貼付し、次いで剥がす。105mmレンズの付いたKodak DCS 420デジタルカメラを使用して角質チェッカー(d−squame)テープを画像化する。細胞の被染色面積/総強度についてOptimas画像解析ソフトウェアを用いてその画像を解析する。(Optimas(R)は、Media Cybernetics,Silver Springs,MDから入手可能)。このデータを非洗浄部位から取得した同様の情報と比較することによって、被験製品により生じた角質除去量を次のように評価することができる:
角質除去=(非洗浄部位の被染色d−squame面積−洗浄部位の被染色d−squame面積)/(非洗浄部位の被染色d−squame面積)。
【0127】
あるいは、以下のような消費者試験で角質除去を評価することもできる。
【0128】
試験プロトコルは、次の事柄から構成される。
(1)化粧用固形ソープ(complexion bar)の使用者である25歳から65歳の年齢層の約10名から20名の女性を募集する。
(2)被験製品及び比較用製品の各々を1週間ずつ使用する。半数の試験参加者が被験製品を最初に使用し、残りの半数が比較用製品を最初に使用する。
(3)試験の終了後に、試験参加者が「角質除去」特性に関する各人の好みを格付けする(0点から5点のスケール)。
【0129】
角質除去の程度は、消費者による0点から5点のスケールの格付けにより定義される。
【0130】
(b)低刺激性試験
i)前腕部での状態調節塗布試験(FCAT、Forearm Controlled Application Test)臨床試験方法
状態調節洗浄試験は、Ertelらによって記載された方法と同様である(「A forearm controlled application technique for estimating the relative mildness of personal cleansing products」,J.Soc.Cosmet.Chem.,46,67(1995))。
【0131】
被験者は試験機関に試験の状態調節フェーズを報告する。このフェーズは、製品適用フェーズを開始する4日前まで指定された市販のパーソナル洗顔料を自宅で使用することから成る。製品適用フェーズの1日目に、被験者が適格であるかを目視で判断する。被験者は、乾燥度スコア>1.0及び紅斑スコア>0.5でなければならず、また、製品適用フェーズに入るためには、試験部位又は試験部位の近傍に切り傷や擦り傷があってはならない。次に、製品適用フェーズに入るのに適格と判定された被験者に、洗浄フェーズで適用される被験スキンクレンジング処方物以外のコンディショニング製品及びその他の何らかのスキンケア製品の前腕内側への使用を中止するよう指示を与える。
【0132】
次に、適格と認定された被験者の各前腕に、皮膚に無害なペンを使用して3.0cm直径(円形)の評価部位をマークする(合計8部位)。紅斑及び乾燥度の目視評価は各試験期間の最初の洗浄の直前に行い、最終日(5日目)の午後に再度行う。
【0133】
バー状固形物の場合の洗浄手順
1.両腕を同時に洗浄する。肘に近い部位から始めて手首基部で終わるように試験部位を連続的に処理する。
2.右左両腕の前腕内側の肘に近い部位を温水(90F°から100F°)で湿らせる。
3.試験担当者が、湿らせたモスリンタオルを約6秒間円を描くように動かして濡らした被験バー状固形物にこすり付ける。その結果、0.2gから0.5gの製品がタオルに移る。
4.指定された製品で試験部位を10秒間洗浄し、次いで90秒間の泡維持フェーズを行う。
5.次いで、各試験部位で上記手順(1−4)を繰返す。次に試験部位を15秒間すすぎ(例えば、温度35℃を使用)、軽く叩いて乾かす。
6.終了後、全手順を繰り返す(2回の洗浄/各試験期間)。
【0134】
液体製品の場合:技術者は、洗浄試験の直前に、直接皮膚に、もしくは湿らせたモスリンタオルもしくは代替塗布材料のいずれかにより、製品 0.1gから0.5gを取り出し、液体製品を準備する。次に、上記で概説した洗浄手順を使用する。
【0135】
評価方法
製品適用フェーズを開始する前、及び、その後は各洗浄試験期間の直前に、乾燥度及び紅斑を評価するために、ベースラインの目視評価を行う。最後の目視評価は最終日の午後に行う。
【0136】
表6に示す0等級から6等級のスケールを使用して乾燥度及び紅斑について試験部位を評価する。製品割り当てを評価者に知らせないブラインドテストとするために、目視評価は製品使用場所から離れた別の場所で行う。
【0137】
【表14】

【0138】
試験の初日(ベースライン)及び最終日に計器の値を読み取る。
被験製品の低刺激性は、1/(試験終了時の乾燥度の変化の平均)として計算する。
目視評価に加えて、上記の参考文献に記載されているような蒸発測定器及び皮膚の伝導度測定器を使用して処置部位の計器評価を行う。
【0139】
ii)パッチテスト法
48時間連続又は14日間累積の傷害パッチテスト;48時間のパッチテストでは、本製品の5−15%溶液/スラリーを被験者の上腕/背部に標準的なコットンパッドを使用して貼付する。パッチを取り除いた後の炎症反応を24時間後まで記録する。14日間累積テストでは、本製品の5−15%溶液/スラリーを24時間毎に14日間繰り返し貼付する。パッチを取り除いた後の炎症反応を24時間後まで記録する。
【0140】
被験製品の低刺激性は、1/(最終パッチ除去から24時間後の平均紅斑)として評価する。
【0141】
c.保湿試験
被験者の各下肢外側を、2.5インチx2.5インチ平方の3つの部位(上、中、下)に分け、被験者1人あたり合計6箇所の試験部位を作成する。これらの部位の1箇所又は2箇所は処理せずに、製品の無作為試験に含む。技術者は指定量の被験物質で試験部位を10秒間、1回又は2回処理する。クレンジング製品を最長で90秒間試験部位に維持する。部位を各々30秒間すすぎ(例えば、35℃の温度を使用)、1箇所の部位の被験物質が別の部位を汚染しないようにする。すすいだあと、被験部位を紙タオルを用いて穏やかに乾かす。この塗布は、指定部位に5種類以下の被験物質を使用することから成るが、すなわち、1箇所又は2箇所の非処理部位を残して1試験部位あたり1種類の被験物質を塗布するということである。試験担当者は、次の洗浄手順を行う:
試験フェーズ:目視評価
表7に示すスケールは、乾燥に対する試験部位を評価するために使用される。
【0142】
【表15】

【0143】
皮膚の乾燥度及び紅斑を評価するために、本製品塗布フェーズ開始前及びその後は毎回の計器評価の直前にベースラインの目視評価を行う。1人の熟練評価者が製品適用フェーズ中の全目視評価を行う。評価者は、3ジオプトリーのレンズと無影の円形白色蛍光光源とを備えた拡大照明器具を用いて両下肢を調べる。
【0144】
計器評価
計器評価は全て、30分の順応時間後に行う。室内の湿度及び温度データを記録して最終報告書に加える。計器測定値は、製品適用の0、1、2、4、6、8及び24時間後の時点のいくつか又は全てで読み取る。このプロトコルで使用される計器には、EP1又はEP2プローブを備えたServoMed Evaporimeter、Corneometer CM820、MT−8Cプローブを備えたSkicon 皮膚湿度計及び水分計が含まれる。室温を68°Fから77°F、相対湿度を30%から40%に維持する。
【0145】
保湿は、(目視乾燥度又は皮膚水分)のベースラインからの平均変化として定義される。
【0146】
(d)保湿剤付着試験
湿潤剤非含有製品によって試験の2日前まで被験者の皮膚(腕/脚)を前もって状態調整する。製品塗布前に皮膚に存在する保湿物質(例えば脂肪酸)のレベルを評価するためにベースライン抽出を行う。皮膚(腕又は脚)に製品の状態調整塗布を1回行う。洗浄するために、バー状固形物を30秒間皮膚に擦り込み、泡を90秒間維持し、30秒間すすぎ(例えば、35℃の温度を使用)、次いで、軽く叩いて乾かす。この後、適当な溶媒(IPA/メタノール 1:1)を使用して部位を抽出する。抽出は次のようにして行う。すなわち、ガラスカップ(3cm直径)を皮膚に載せる。これに3mlの溶媒を入れ、ガラス棒で2分間穏やかに撹拌する。溶媒をピペットで除去する。新しい溶媒 3mlを使用してこの段階を繰り返し、合計で6mlの抽出物を回収する。LC/MS又はGC/MSなどのいずれかを使用して、ステアリン酸/パルミチン酸含量について抽出物の分析を行う。
【0147】
(e)皮膚磨耗性試験
皮膚磨耗性は、0から9のスケール(0は磨耗なし、10はパフ(pouf)(つまり、細いプラスチック製繊維から成る、シャワーを浴びる際に使用する用具、例えばGordonらに対する米国特許第5,650,384号も参照のこと。)により生じた磨耗度)で消費者により格付けされる磨耗反応として定義する。
【0148】
この試験は、50名の練達されていない消費者により行う。被験製品の磨耗性を0点から9点のスケールで格付けするようにこの消費者に依頼する。角質除去成分不含のバー状固形物(0の値が割り当てられる。)及びパフ(9の値が割り当てられる。)に対するこの消費者の反応に基づいて、データを正規化する。バー状固形物を湿らせ、10回から15回、前後に擦り込むことにより、被験製品を前腕の肘部に塗布する。
【0149】
f)クレンジング効果試験
基準となる汚れ(皮脂/メークアップ例えば、口紅又はマスカラ)を前腕/顔面の指定領域に塗布する。該部位を被験製品で洗浄する。洗浄のために、バー状固形物を1分間皮膚に擦り込み、30秒間すすぎ(例えば、35℃の温度を使用する)、軽く叩いて乾かす。例えばMinolta Chromameter(R)、Model CM 2002を使用して、洗浄の前後に取られた色度計の読取り値の差から汚れ/メークアップの除去量を評価する。あるいは、Optimas(R)ソフトウェアを使用して高倍率のデジタル像を回収して解析し、洗浄中に除去された汚れ/メークアップ量を定量する。
【0150】
メークアップ塗布
前腕内側の3.5cm x 2.5cmのマーク領域に普段どおりの使い方でメークアップを塗布する。ほぼ等しい重量のメークアップが移されること、及び試験領域が均一に被覆されることを確かなものとするために、化粧用製品は標準化された方法で塗布する必要がある。メークアップの塗布基準は:
液体メークアップ 20μlをピペットで試験部位に移し、手袋をはめた人差し指で均一に広げる。
口紅−3回塗り重ねる。
アイカラースティック−3回塗り重ねる。
マスカラ−均等に被覆されるようにスパチュラを用いて均一に広げる。
【0151】
汚れ塗布
以下に記載するような個々の汚れに特有の様式で、前腕の内側の3.5cm x 2.5cmのマーク領域に汚れを塗布し、汚れを使用している場合、汚れは、各個々の試験に対して特異的である。汚れの塗布技術は次のとおりである。
グリース−0.25gから1.5gを塗布する。
食物−0.25gから1.5gを塗布する。
タンパク質−0.25gから1.5gを塗布する。
【0152】
製品試験
Minolta Chromameter CM−2002を使用してベースライン測定を行う。次に、上述のように輪郭を描かれた試験部位にメークアップ又は汚れを塗布する。メークアップを10分間乾かした後で色度計の測定を再び行い、次にメークアップ/汚れを除去する。メークアップ/汚れの除去に使用した標準的洗浄手順は、液体製品 0.5ccで30秒間洗浄し、適切な一定温度(例えば、35℃)の流水下で15秒間すすぐというものである。拭き取りシート型製品を使用する場合は、拭き取りシートを試験部位で円を描くように動かして15秒間擦り込む。メークアップ/汚れを除去した後で最後の色度計測定を行う。この手順を3日以内の期間、1日2回行い得る。反復塗布試験では、上述のような標準的目視等級スケールを使用して乾燥度及び紅斑について目視評価を行う。
【0153】
g)皮膚の滑らかさ
皮膚の滑らかさは、Primos(R)(GFM Esstezhnik GmbH,Berlin,Germanyにより供給されるインビボ光学的皮膚トポグラフィー測定装置)を使用して(臨床的に)評価する。ベースラインの粗さを測定する(脚/腕−開始時の乾燥度は段階1−2前後)。洗浄のために、バー状固形物を皮膚に30秒間擦り込み、泡を90秒間維持し、35℃で30秒間すすぐ。洗浄プロセスの30分後に粗さを再度測定する。この手順を5日間以内の期間にわたり、1日2回行い得る。
【0154】
滑らかさは、試験期間終了時の粗さの平均減少度として定義される。あるいは、皮膚の滑らかさを以下のような消費者試験で評価することもできる。
【0155】
消費者試験プロトコルは以下の段階から成る:
1)化粧用固形ソープ(complexion bar)の使用者である25歳から65歳の年齢層の約10名から20名の女性を募集する。
2)被験製品及び比較用製品の各々を1週間ずつ使用する。半数の試験参加者は最初に被験製品を使用し、残りの半数は最初に比較用製品を使用する。
【0156】
1)試験の終了時に、試験参加者が「皮膚の滑らかさの向上感」の属性に対する好みを格付けする(0点から5点スケール)。滑らかさは、消費者による0点から5点スケールの格付けとして定義される。
【0157】
h)皮膚の柔軟性
皮膚の柔軟性は、Linear Skin Rheometer(Goodyear Scientific Instruments,UK)を使用して評価し得る。角質除去した皮膚には乾燥した薄片が少なく、従ってより柔軟であり/硬さが少ない。試験では、皮膚の硬さ/柔軟性に関係する皮膚の動的ばね定数(mgf/mm)を測定するために、ベースラインの皮膚レオメーターの読み取りを行う(脚/腕)。洗浄のために、バー状固形物を皮膚に30秒間擦り込み、泡を90秒間維持し、30秒間すすぎ(適切な温度、例えば35℃)、皮膚を軽く叩いて乾かす。次に、洗浄30分後に皮膚の硬さ/柔軟性を測定する。この手順を5日間以内の期間にわたり1日2回行い得る。柔軟性は、試験期間中に観察された試験期間中の動的ばね定数の平均減少度として定義される。
【0158】
あるいは、皮膚の柔軟性を以下のような消費者試験で評価することもできる。
【0159】
試験プロトコルは以下の段階から成る:
1)化粧用固形ソープ(complexion bar)の使用者である25歳から65歳の年齢層の約10名から20名の女性を募集する。
2)被験製品及び比較用製品の各々を1週間ずつ使用する。半数の試験参加者は最初に被験製品を使用し、残りの半数は最初に比較用製品を使用する。
3)試験の終了時に、試験参加者が「皮膚の柔軟性の向上感」の属性に対する好みを格付けする(0点から5点スケール)。柔軟性は、消費者による0点から5点スケールの格付けとして定義される。
【0160】
i)pH試験方法
バー状固形処方物 10グラムを水 90gと混合して10%スラリーを調製することにより、水性スラリーを形成する。次にそのスラリーのpHを25℃にて測定する。
【0161】
j)ゼイン試験方法
本発明の化粧用バー状固形物のクレンジングベースは、下記で示すゼイン溶解度方法を用いて、好ましくは約50、40、30以下、最も好ましくは約25以下のゼイン溶解度を有する。ゼイン評点が低いほど、その製品はより低刺激性であるとみなされる。この方法では、次のようにクレンジングベース溶液中のゼイン(トウモロコシタンパク質)の溶解度を測定する。
【0162】
クレンジングベース 0.3gと水 29.7gとを完全に混合する。これに、ゼイン 1.5gを添加し、1時間混合する。次いで、この混合物を、3000rpmで30分間遠心分離する。遠心分離後、ペレットを抽出し、水で洗浄し、実質的に全ての水分が蒸発するまで、24時間真空オーブンで乾燥させる。乾燥ペレットの重量を測定し、可溶化されたゼインのパーセンテージを、次の式を用いて計算する:
可溶化された%ゼイン=100(1−乾燥ペレット重量/1.5)。
【0163】
この%ゼインはさらに、次の参考文献においても記載されている。すなわち、E.Gotte、「Skin Compatibility of tensides measured by their capacity for dissolving zein protein)」,Proc.IV International Congress of Surface Active Substances,Brussels,1964、pp 83−90。
【0164】
h)バー状固形物体感角質除去指数
バー状固形物体感角質除去指数は、次の手順を用いて決定される。使用者は、このバー状固形物を片手に取り、これを35℃にて流水下で回転させる。使用者によって(すなわち触感によって)知覚される角質除去成分に要求される回転数を記録する。このバー状固形物角質除去指数は、バー状固形物中の角質除去成分粒子を知覚するために必要とされる平均の回転数として定義する。
【0165】
i)一般消費者試験プロトコル
試験プロトコルは以下の段階から成る:
1)化粧用固形ソープ(complexion bar)の使用者である25歳から65歳の年齢層の約10名から20名の女性を募集する。
2)被験製品及び比較用製品の各々を1週間ずつ使用する。半数の試験参加者は最初に被験製品を使用し、残りの半数は最初に比較用製品を使用する。
3)試験終了時に、試験参加者が以下の属性に対する好みを0点から5点スケールで格付けする:
角質除去する。
低刺激性の角質除去をもたらす。
保湿し、角質除去する。
皮膚の柔軟性の向上感がある。
皮膚の滑らかさの向上感がある。
乾燥肌によい。
【0166】
本発明をその特定の実施形態に関して記載してきたが、本発明の多くの別の形態及び変形は当業者にとって明らかであろう。特許請求の範囲及び本発明は、全体として、本発明の真の精神及び範囲内にあるかかる明らかな形態及び変形を全て包含すると理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)陰イオン界面活性剤2重量%から90重量%と;
(b)脂肪種子生成物(該生成物の少なくとも50重量%は、0.01ミクロンから200ミクロンの粒子サイズ範囲を有する。)0.1重量%から40重量%と;
(c)場合によっては、少なくとも1つの活性物質、保湿剤又はその混合物の安全かつ有効量と、
を含み、
好ましくは、前記生成物が、化粧用バー状固形物(toilet bar)、クリーム、ローション、シャンプー、液体石鹸、等方性構造のシャワージェル又は結晶構造のボディーウォッシュから選択される、
スキンケア又はクレンジング製品。
【請求項2】
(a)脂肪酸石鹸0重量%から80重量%と;
(b)非石鹸陰イオン界面活性剤0重量%から60重量%と;
(c)0.1ミクロンから70ミクロンの粒子サイズ直径を有する脂肪種子生成物0.01重量%から15重量%と、を含み;
(d)該脂肪酸石鹸及び非石鹸界面活性剤濃度が同時に0ではなく;
(e)好ましくは、少なくとも1つの活性物質、保湿剤又はそれらの混合物の安全かつ有効量をさらに含む、化粧用バー状固形物。
【請求項3】
(a)脂肪酸石鹸0重量%から30重量%と;
(b)非石鹸陰イオン界面活性剤15重量%から60重量%と;を含有する、請求項2に記載の化粧用バー状固形物。
【請求項4】
脂肪酸石鹸0重量%から20重量%と、非石鹸陰イオン界面活性剤20重量%から55重量%とを含有し、前記脂肪種子生成物が、亜麻、ダイズ、ヒマワリ、菜種又はヤシから選択され、前記脂肪酸石鹸が、C6からC22の石鹸の混合物を含む、請求項3に記載の化粧用バー状固形物。
【請求項5】
(c)脂肪酸石鹸30重量%から80重量%と、
(d)非石鹸陰イオン界面活性剤5重量%から40重量%と、を含有する、請求項2に記載の化粧用バー状固形物。
【請求項6】
脂肪酸石鹸40重量%から70重量%と、非石鹸陰イオン界面活性剤7重量%から30重量%と、を含有し、前記脂肪種子生成物が、亜麻、ダイズ、ヒマワリ、菜種又はヤシから選択され、前記脂肪酸石鹸が、C6からC22の石鹸の混合物を含む、請求項5に記載の化粧用バー状固形物。
【請求項7】
(a)脂肪酸石鹸30重量%から80重量%と、
(b)非石鹸陰イオン界面活性剤0重量%から10重量%と、を含有する、請求項2に記載の化粧用バー状固形物。
【請求項8】
脂肪酸石鹸50重量%から80重量%と、非石鹸陰イオン界面活性剤0重量%から7重量%と、を含有し、前記脂肪種子生成物が、亜麻、ダイズ、ヒマワリ、菜種又はヤシから選択され、前記脂肪酸石鹸が、C6からC22の石鹸の混合物を含む、請求項7に記載の化粧用バー状固形物。
【請求項9】
前記非石鹸陰イオン界面活性剤が、存在する場合、C8からC14のアシルイセチオン酸塩;C8からC14のアルキル硫酸塩、C8からC14のアルキルスルホコハク酸塩、C8からC14のアルキルスルホン酸塩、C8からC14の脂肪酸エステルスルホン酸塩、それらの誘導体又は混合物から選択される、請求項4、請求項6又は請求項8に記載の化粧用バー状固形物。

【公表番号】特表2007−508341(P2007−508341A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534661(P2006−534661)
【出願日】平成16年10月6日(2004.10.6)
【国際出願番号】PCT/EP2004/011368
【国際公開番号】WO2005/039525
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】