説明

膜剥離装置および膜剥離方法

【課題】薬液を使用することなく、基板から膜を剥離して製造コストおよび環境負荷を低減することができる技術を提供する。
【解決手段】界面BFでの超短パルスレーザービームのフルエンスが基板加工閾値よりも大きく、かつ膜加工閾値よりも小さくなるように設定された、超短パルスレーザービームが薄膜Fを介して界面BFに照射される。このため、当該界面BFでのレーザー照射部分で基板Wが選択的に加工されて基板Wと薄膜Fの結合が低下して薄膜Fが剥離される。このように薄膜Fに対して物理的あるいは化学的に作用させることなく、いわゆるドライ処理によってレーザー照射を行った部分の薄膜Fを選択的に剥離させることができる。したがって、薬液を使用することなく、薄膜Fを剥離させることができ、製造コストおよび環境負荷を低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体ウエハなどの各種基板上に形成される膜を剥離する膜剥離装置および膜剥離方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置や液晶表示装置などの電子部品の製造工程では、基板上に形成される膜を所定パターンで剥離する工程が含まれることがある。例えば特許文献1には、基板の表面周縁部(ベベル部)に付着する薄膜を剥離する装置が記載されている。この膜剥離装置では、表面を上方に向けた水平姿勢で基板がスピンチャックに配置されるとともに、当該基板の上方位置で対向部材が基板表面と対向して配置される。そして、この対向部材の周縁部に設けられたノズル挿入孔にノズルが挿入され、回転する基板の表面周縁部に向けてエッチング液などの薬液が供給されて薄膜が表面周縁部からエッチング除去される。こうして、基板の端縁から基板中心側に向けて所定幅だけ薄膜が基板表面から選択的に剥離される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−21339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように従来装置では、薬液により膜を剥離しているため、膜種に応じて使用する薬液が異なる場合が多く、剥離対象となる膜種分だけ薬液を準備しておく必要がある。また、剥離対象が多層膜である場合には、当該多層膜を構成する膜種とほぼ同数の薬液供給処理が必要となる。さらに、薬液処理を行った後、薬液を洗い流すために純水によるリンス処理が必要であり、このような一連の処理はいずれもウェット処理であるため、製造コストを増大させる要因のひとつであり、しかも環境負荷を与える要因にもなっている。
【0005】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、薬液を使用することなく、基板から膜を剥離して製造コストおよび環境負荷を低減することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、基板上に形成された膜を剥離する膜剥離装置および膜剥離方法であって、上記目的を達成するため、次のような特徴を有している。すなわち、この発明にかかる膜剥離装置は、基板を保持する保持手段と、膜を介して基板と膜との界面に超短パルスレーザービームを照射することで基板を加工して膜を剥離する照射手段とを備え、照射手段により界面に照射される超短パルスレーザービームのフルエンスが、超短パルスレーザービームにより基板を加工するために必要な加工閾値フルエンスよりも大きく、かつ超短パルスレーザービームにより膜を加工するために必要な加工閾値フルエンスよりも小さいことを特徴としている。また、この発明にかかる膜剥離方法は、超短パルスレーザービームにより基板を加工するために必要な加工閾値フルエンスよりも大きく、かつ超短パルスレーザービームにより膜を加工するために必要な加工閾値フルエンスよりも小さいフルエンスで超短パルスレーザービームを、膜を介して基板と膜との界面に照射することで基板を加工して膜を剥離することを特徴としている。
【0007】
このように構成された発明(膜剥離装置および膜剥離方法)では、超短パルスレーザービームが膜を介して基板と膜との界面に照射されるが、超短パルスレーザービームのフルエンス(パルスレーザービームのエネルギーを照射面積で除した値)は次のように設定されている。つまり、当該超短パルスレーザービームのフルエンスは、超短パルスレーザービームにより基板を加工するために必要な加工閾値フルエンスよりも大きく、かつ超短パルスレーザービームにより膜を加工するために必要な加工閾値フルエンスよりも小さい値に設定されている。このため、超短パルスレーザービームが照射された界面部分では基板が選択的に加工され、当該界面部分での基板と膜の結合が低下して膜の剥離が生じる。
【0008】
ここで、保持手段に保持された基板に対して照射手段を相対的に移動させる移動手段をさらに設けてもよく、照射手段の相対移動によって所望位置の膜を剥離することができる。
【0009】
また、保持手段に保持された基板を回転させる基板回転部をさらに設け、移動手段が、基板の回転中心から基板の径方向に離れた位置に超短パルスレーザービームが照射されるように、照射手段を位置決めするように構成してもよい。これにより基板の回転中心を中心として同心円状に膜を剥離することができる。例えば回転する基板の表面周縁部(ベベル部)に超短パルスレーザービームを照射することで基板の表面周縁部の膜を剥離することができる。
【0010】
また、超短パルスレーザービームのフルエンスおよび基板の周速を制御する制御手段をさらに設けることで、膜剥離を高精度に実行することができる。
【0011】
なお、超短パルスレーザービームとしては、フェムト秒ないしピコ秒のパルス幅を有するものを用いることができる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、この発明によれば、上記したフルエンスで超短パルスレーザービームを、膜を介して基板と膜との界面に照射することによって基板を加工して膜を剥離するため、薬液使用を不要とし、製造コストおよび環境負荷を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明にかかる膜剥離装置の一実施形態を示す図である。
【図2】図1の膜剥離装置の動作を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明にかかる膜剥離装置の一実施形態を示す図である。この膜剥離装置は、基板Wの表面に形成された薄膜Fのうち基板Wの表面周縁部(ベベル部)に付着する薄膜を超短パルスレーザービームLBによって剥離するものであり、次のように構成されている。この膜剥離装置では、真空吸着方式で基板Wを保持するスピンチャック1が設けられている。このスピンチャック1は回転軸AXを回転中心として回転自在となっており、その上面には、複数の吸着孔(図示省略)が設けられている。そして、図示を省略する負圧源から各吸着孔に与えられる負圧によってスピンチャック1の上面に載置される基板Wの裏面が真空吸着されて保持される。このように、本実施形態では、スピンチャック1が本発明の「保持手段」として機能しているが、スピンチャック1による基板Wの保持方式は真空吸着方式に限定されるものではなく、従来より周知の方式、例えばメカチャック方式などを採用してもよい。
【0015】
また、スピンチャック1の下面には、回転軸AXに延設された回転支軸2の上端部が連結されている。また、この回転支軸2の下端部には回転駆動機構3が連結されており、装置全体を制御する制御部4からの動作指令に応じて回転駆動機構3を駆動させることによりスピンチャック1が回転軸AX回りに回転する。このように、この実施形態では、回転駆動機構3が本発明の「基板回転部」として機能し、制御部4からの制御指令によってスピンチャック1に保持される基板Wを種々の周速で回転軸AX回りに回転させることが可能となっている。
【0016】
本実施形態では、超短パルスレーザービームLBの発生源として、フェムト秒レーザービームLBを出力するレーザー光源(例えば、サイバーレーザー社製、製品名「IFRIT(イフリート)」)5が用いられている。また、このレーザー光源5から水平方向に出力されるフェムト秒レーザービームLBが照射部6によりスピンチャック1に保持された基板Wに照射される。
【0017】
この照射部6は、フェムト秒レーザービームLBを反射して下方に導光するミラー61と、ミラー61で反射されたフェムト秒レーザービームLBを整形する2枚のシリンドリカルレンズ62、63と、これらのシリンドリカルレンズ62、63により整形されたフェムト秒レーザービームLBを基板Wと薄膜Fとの界面に集光させる集光レンズ64とを有している。このように、本実施形態では、照射部6によりフェムト秒レーザービームLBを所望のビーム形状に整形するとともに上記界面に集光させて上記界面での照射ビームサイズ、つまり照射面積を調整して当該界面での超短パルスレーザービームLBのフルエンスを高めている。ただし、本実施形態では、後述するように超短パルスレーザービームLBにより基板Wのみを加工して膜剥離を行うため、当該界面での超短パルスレーザービームLBのフルエンスが超短パルスレーザービームLBにより基板Wを加工するために必要な加工閾値フルエンス(以下「基板加工閾値」という)よりも大きく、かつ超短パルスレーザービームLBにより薄膜Fを加工するために必要な加工閾値フルエンス(以下「膜加工閾値」という)よりも小さい値に制御部4によって制御される。
【0018】
また、照射部6は回転軸AXに対して基板Wの径方向Xに移動自在に設けられるとともに、照射部移動機構7と機械的に接続されている。このため、制御部4からの移動指令に基づいて照射部移動機構7が作動すると、照射部6が径方向Xに移動する。このように、照射部6は基板Wに対して径方向Xに相対移動し、基板Wの回転中心から基板Wの径方向Xに所定距離だけ離れた位置に超短パルスレーザービームLBを照射可能となっている。また、膜剥離を行わない間、照射部移動機構7は照射部6をスピンチャック1から径方向Xに離れた位置に移動させ、これによりスピンチャック1に対する基板Wの搬入時および搬出時に照射部6が基板Wと干渉するのを防止することができる。このように、本実施形態では、照射部移動機構7が本発明の「移動手段」として機能する。
【0019】
次に、このように構成された膜剥離装置の動作について説明する。図2は図1の膜剥離装置による膜剥離動作を模式的に示す図である。同図の左欄は基板Wの表面端縁部分の断面図であり、右欄は表面端縁部分の平面図であり、梨字部分は基板Wの表面に形成された薄膜Fを示している。このように基板表面全体に薄膜Fが形成された基板Wが膜剥離装置に搬送され、スピンチャック1の上面に吸着保持されると、制御部4が装置全体を制御して基板Wの端縁から回転中心側(同図の左手側)に向けて所定幅Wedだけ薄膜Fを剥離する。
【0020】
スピンチャック1による基板Wの吸着保持が完了すると、制御部4は回転駆動機構3に対して駆動指令を与え、回転駆動機構3によりスピンチャック1を回転させる。これによって、基板Wは水平姿勢のまま回転軸AXを回転中心として回転し始める(図2(a))。そして、基板Wの周速が安定し、所定の周速V[mm/s]に達すると、制御部4は照射部移動機構7に移動指令を与えて照射部6を基板Wの表面周縁部の上方位置まで移動させるとともに、レーザー光源5に点灯指令を与えてレーザー光源5から超短パルスレーザービームLBを出射させる。
【0021】
この実施形態では、照射部6に2枚のシリンドリカルレンズ62、63が設けられており、このレンズ対によって超短パルスレーザービームLBのX方向のビーム径が調整される。そして、こうして調整された超短パルスレーザービームLBを集光レンズ64が薄膜Fを介して基板Wと薄膜Fとの界面BFに集光し、同図(b)に示すように、界面BFに対して基板Wの径方向Xに所定長さLだけ延びる線状、扁平状あるいは楕円状のビームスポットを形成する。ここでは、長さLが幅Wedと一致するように設定する一方、径方向Xと直交する方向Yにおける長さを小さくすることで界面BFに照射されるレーザービームLBの集光スポットSPの面積を小さくして界面BFでの超短パルスレーザービームLBのフルエンスを調整している。つまり、当該フルエンスが基板加工閾値よりも大きく、かつ膜加工閾値よりも小さくなるように調整している。このため、上記のように薄膜Fを介して界面BFに超短パルスレーザービームLBを照射すると、薄膜Fが加工されることなく、界面BFでの基板Wが選択的に加工される。その結果、界面BFでの基板Wと薄膜Fの結合力が低下する。なお、同図では、こうして加工される加工領域WRを太線で示している。
【0022】
超短パルスレーザービームLBの照射は少なくとも基板Wが1周以上回転する間継続されて加工領域WRは基板Wの端縁部全体に広がる。また、加工領域WRでは基板Wに対する薄膜Fの結合力が低下しているため、超短パルスレーザービームLBの照射中あるいは照射完了後に加工領域WRから薄膜が選択的に剥離される(同図(c))。これによって、基板Wの端縁から回転中心側(同図中の左手側)に幅Wedだけ薄膜Fが剥離されて基板Wの表面が露出する。
【0023】
こうして基板Wの表面端縁部からの膜剥離が完了すると、レーザー光源5からの超短パルスレーザービームLBの出力が停止された後、照射部6が基板Wから離れた退避位置に移動させられるとともに、スピンチャック1の回転が停止される。そして、スピンチャック1による基板Wの吸着保持が解除され、さらにスピンチャック1から処理済みの基板Wが次の処理装置に向けて搬出される。
【0024】
以上のように、本実施形態では、界面BFでの超短パルスレーザービームLBのフルエンスが基板加工閾値よりも大きく、かつ膜加工閾値よりも小さくなるように設定し、当該超短パルスレーザービームLBが薄膜Fを介して界面BFに照射される。このため、当該界面BFでのレーザー照射部分で基板Wが選択的に加工されて基板Wと薄膜Fの結合力が低下して薄膜Fが剥離される。このように薄膜Fに対して物理的あるいは化学的に作用させることなく、いわゆるドライ処理によってレーザー照射を行った部分の薄膜Fを選択的に剥離させることができる。したがって、薬液を使用することなく、薄膜Fを剥離させることができ、製造コストおよび環境負荷を低減することができる。例えば、基板Wがシリコン基板であり、薄膜Fがシリコン酸化膜(SiO)である場合に、界面BFでの超短パルスレーザービームLBのフルエンスが215[mJ/cm]となるように調整し、以下の膜剥離条件、つまり、
・上記レーザー光源5から出力されるフェムト秒レーザーの仕様
波長:800[nm]、
パルス幅:250[fs]、
平均出力:1[W]
・加工条件
照射ビームサイズ:3.5×0.01[mm]
基板Wの周速:2[mm/s]
で膜剥離を行うと、良好な膜剥離が得られる。つまり、シリコンの基板加工閾値は約200[mJ/cm]であるのに対し、シリコン酸化膜の膜加工閾値は約4800[mJ/cm]であるため、界面BFでの超短パルスレーザービームLBのフルエンスを上記のように設定することで基板Wの一部WRのみが加工され、当該加工領域WR上の薄膜Fが基板Wから選択的に剥離されて加工領域WRが露出する。
【0025】
また、上記膜剥離方法により薄膜Fを剥離して基板表面を露出させた領域、つまり加工領域WRを検証したところ、表面粗さは100[nm]以下であり、比較的平滑な表面となっており、しかもレーザーによるアブレーション加工で問題となる焼け痕の発生も認められず、良好な表面が得られる。しかも、レーザーによるアブレーション加工ではデブリ(加工クズの発生)が問題となるが、本実施形態ではデブリの発生も認められない。このように優れた性能で膜剥離処理を行うことが可能である。
【0026】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、薄膜Fが単層である場合について説明したが、薄膜が多層構造である場合も同様である。すなわち、界面BFでの超短パルスレーザービームLBのフルエンスが、基板加工閾値よりも大きく、しかも超短パルスレーザービームLBにより多層膜の各膜を加工するために必要な加工閾値フルエンスよりも小さくなるように設定すればよい。この場合、界面BFで基板Wを選択的に加工することで、当該加工領域WRの上に積層される多層膜が一体的に基板Wから剥離される。
【0027】
また、上記実施形態では、超短パルスレーザービームLBのX方向のスポットサイズを剥離幅Wedに一致させているが、剥離すべき幅Wedが比較的広い場合には、次のように動作させてもよい。例えば、照射部6をX方向において互いに異なる位置に多段階に位置決めしながら、位置決め完了毎に超短パルスレーザービームLBを照射しながら基板Wを少なくとも1周以上回転させてもよい。また、照射部6をX方向に連続的に移動させながら回転する基板Wに向けて超短パルスレーザービームLBを連続照射してもよい。
【0028】
また、上記実施形態では、本発明にかかる膜剥離装置および方法を基板の表面端縁部を除去する端縁処理技術に適用しているが、本発明に適用対象はこれに限定されるものではなく、基板の表面に形成された膜を部分的あるいは全面的に剥離する膜剥離技術全般に適用可能である。ただし、本発明は、膜加工閾値が基板加工閾値よりも大きいという物理条件を利用したものであるため、当該物理条件が満足される必要がある。例えばシリコン基板の表面に形成される絶縁膜を剥離させる多くのケースでは、本発明を効果的に適用することができる。というのも、シリコン基板を用いて電子部品を製造する技術分野においては、シリコン基板の表面に形成される絶縁膜の膜加工閾値は基板加工閾値の少なくとも10倍以上であるため、本発明を効果的に適用することが可能となっている。
【0029】
また、上記実施形態では膜剥離処理を行った後、そのまま基板Wを膜処理装置から搬出しているが、膜剥離処理の完了後、膜剥離状態、つまり薄膜Fが剥離されて基板表面が露出している箇所を検査するように構成してもよい。また、検査結果に応じて基板Wに対する後処理を行うように構成してもよい。
【0030】
さらに、上記実施形態では、超短パルスレーザービームLBとして、パルス幅がフェムト秒のレーザービームLB、つまりフェムト秒レーザービームLBを用いているが、パルス幅がピコ秒のレーザービームLB、つまりピコ秒レーザービームLBを用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0031】
この発明は、基板上に形成される膜を剥離する膜剥離技術全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0032】
1…スピンチャック(保持手段)
3…回転駆動機構(基板回転部)
4…制御部
5…レーザー光源
6…照射部
7…照射部移動機構(移動手段)
AX…回転軸
BF…界面
F…薄膜
V…周速
W…基板
X…径方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成された膜を剥離する膜剥離装置であって、
前記基板を保持する保持手段と、
前記膜を介して前記基板と前記膜との界面に超短パルスレーザービームを照射することで前記基板を加工して前記膜を剥離する照射手段とを備え、
前記照射手段により前記界面に照射される超短パルスレーザービームのフルエンスが、超短パルスレーザービームにより前記基板を加工するために必要な加工閾値フルエンスよりも大きく、かつ超短パルスレーザービームにより前記膜を加工するために必要な加工閾値フルエンスよりも小さいことを特徴とする膜剥離装置。
【請求項2】
前記保持手段に保持された前記基板に対して前記照射手段を相対的に移動させる移動手段をさらに備える請求項1に記載の膜剥離装置。
【請求項3】
前記保持手段に保持された前記基板を回転させる基板回転部をさらに備え、
前記移動手段は、前記基板の回転中心から前記基板の径方向に離れた位置に超短パルスレーザービームが照射されるように、前記照射手段を位置決めする請求項2に記載の膜剥離装置。
【請求項4】
前記超短パルスレーザービームのフルエンスおよび前記基板の周速を制御する制御手段をさらに備える請求項3に記載の膜剥離装置。
【請求項5】
前記超短パルスレーザービームは、フェムト秒ないしピコ秒のパルス幅を有する請求項1ないし4のいずれか一項に記載の膜剥離装置。
【請求項6】
基板上に形成された膜を剥離する膜剥離方法であって、
超短パルスレーザービームにより前記基板を加工するために必要な加工閾値フルエンスよりも大きく、かつ超短パルスレーザービームにより前記膜を加工するために必要な加工閾値フルエンスよりも小さいフルエンスで超短パルスレーザービームを、前記膜を介して前記基板と前記膜との界面に照射することで前記基板を加工して前記膜を剥離することを特徴とする膜剥離方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−21263(P2013−21263A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155691(P2011−155691)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】