説明

自動車およびメンテナンス警告灯の点灯制御方法

【課題】内燃機関の燃料噴射系のメンテナンスを促進すると共にメンテナンスされないことにより生じ得るエミッションの悪化や内燃機関の故障などの不都合を抑制する。
【解決手段】メンテナンス警告灯が点灯しているときには、イグニッションオンであると共にレディオフである状態でPポジションからNポジションへのシフト操作を複数回に亘って行なうことにより警告灯消灯フラグFに値1が設定されていることを前提に、警告灯消灯フラグFが値1であると共にレディオンであり、且つ、Pポジションであり、レディオンの状態になってから所定時間以内にアクセルオフからアクセルオンへの操作を複数回に亘って行なうことにより、メンテナンス警告灯を消灯すると共に走行距離の積算値を値0にリセットする(S200〜S290)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車およびメンテナンス警告灯の点灯制御方法に関し、詳しくは、内燃機関を搭載する自動車およびこうした自動車における内燃機関の燃料噴射系のメンテナンスの実行を促すメンテナンス警告灯を点灯したり消灯するメンテナンス警告灯の点灯制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内燃機関をアイドル回転数制御を実行しているときの燃料噴射量であるISC噴射量と燃料噴射の際に圧力センサの検出結果に基づく実噴射量との差である噴射量誤差に基づいて燃料噴射装置の経時劣化を診断する燃料噴射装置の劣化診断装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、噴射量誤差が基準以上と診断されると、燃料噴射装置が経時劣化していると判定して警告ランプを点灯する。
【特許文献1】特開平6−272600号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述の燃料噴射装置の劣化診断装置などの燃料噴射装置の劣化等を判定するものを搭載した自動車では、燃料噴射装置の劣化等が判定されたときにはインストルメントパネルなどに取り付けられた警告ランプを点灯するものが多いが、この警告ランプの消灯をユーザが容易に行なうことができるものとすれば、燃料噴射装置のメンテナンスを行なうために整備工場などに持っていくのが煩わしいために、メンテナンスを行なうことなく警告ランプを消灯して使用を継続する場合が生じる。この場合、燃料噴射量が適正に行なわれないために、エミッションの悪化を招いたり、内燃機関に故障が生じたりしてしまう。
【0004】
本発明の自動車およびメンテナンス警告灯の点灯制御方法は、内燃機関の燃料噴射系のメンテナンスの実行を促進することを目的の一つとする。また、本発明の自動車およびメンテナンス警告灯の点灯制御方法は、内燃機関の燃料噴射系のメンテナンスが行なわれないために生じる不都合、例えばエミッションの悪化や内燃機関の故障などの不都合を抑制することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の自動車およびメンテナンス警告灯の点灯制御方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
【0006】
本発明の自動車は、
内燃機関を搭載する自動車であって、
所定の経過カウンタが所定値以上に至ったときに前記内燃機関の燃料噴射系のメンテナンスの実行を促すためのメンテナンス警告灯を点灯するメンテナンス促進警告手段と、
前記メンテナンス警告灯が点灯している最中に走行のために行なわれる操作とは異なる所定の操作が行なわれたときに、前記所定の経過カウンタを初期値にリセットすると共に前記メンテナンス警告灯を消灯するリセット消灯手段と、
を備えることを要旨とする。
【0007】
この本発明の自動車では、所定の経過カウンタが所定値以上に至ったときに内燃機関の燃料噴射系のメンテナンスの実行を促すためのメンテナンス警告灯を点灯する。そして、メンテナンス警告灯が点灯している最中に走行のために行なわれる操作とは異なる所定の操作が行なわれたときに、所定の経過カウンタを初期値にリセットすると共にメンテナンス警告灯を消灯する。これにより、ユーザにより容易にメンテナンス警告灯を消灯することができないため、メンテナンス警告灯を消灯するために内燃機関の燃料噴射系のメンテナンスの実行することができる整備工場などに車両を持っていくことを促すことができる。この結果、内燃機関の燃料噴射系のメンテナンスの実行を促進することができ、内燃機関の燃料噴射系のメンテナンスが行なわれないために生じる不都合(例えばエミッションの悪化や内燃機関の故障などの不都合)を抑制することができる。
【0008】
この本発明の自動車において、前記所定の操作は、車両のシステム状態として走行することができない状態である走行不能システム状態としたときの第1の操作と、車両のシステム状態として走行することができる走行可能システム状態としてから所定時間以内の第2の操作と、を含む操作であるものとすることもできる。この場合、前記第1の操作は駐車ポジションと中立ポジションとの間の複数回のシフト操作であり、前記第2の操作は駐車ポジションにおける複数回のアクセル操作である、ものとすることもできる。また、車両のシステム状態としてアクセサリーオン,イグニッションオン,システムオフの3つの状態をトグルで切り替えるためのスタートスイッチと、ブレーキオンの状態でスタートスイッチを操作したときに車両のシステム状態をレディオンの状態とするシステム起動手段と、を備え、前記走行不能システム状態はレディオフでイグニッションオンの状態であり、前記走行可能システム状態はレディオンの状態である、ものとすることもできる。
【0009】
また、本発明の自動車において、前記所定の経過カウンタは、リセットされてからの走行距離の積算値または経過時間であるものとすることもできる。
【0010】
本発明のメンテナンス警告灯の点灯制御方法は、
内燃機関を搭載する自動車における前記内燃機関の燃料噴射系のメンテナンスの実行を促すメンテナンス警告灯を点灯したり消灯するメンテナンス警告灯の点灯制御方法であって、
所定の経過カウンタが所定値以上に至ったときに前記メンテナンス警告灯を点灯し、前記メンテナンス警告灯が点灯している最中に走行のために行なわれる操作とは異なる所定の操作が行なわれたときに前記所定の経過カウンタを初期値にリセットすると共に前記メンテナンス警告灯を消灯する、
ことを特徴とする。
【0011】
この本発明のメンテナンス警告灯の点灯制御方法では、所定の経過カウンタが所定値以上に至ったときにメンテナンス警告灯を点灯し、メンテナンス警告灯が点灯している最中に走行のために行なわれる操作とは異なる所定の操作が行なわれたときに所定の経過カウンタを初期値にリセットすると共にメンテナンス警告灯を消灯する。これにより、ユーザにより容易にメンテナンス警告灯を消灯することができないため、メンテナンス警告灯を消灯するために内燃機関の燃料噴射系のメンテナンスの実行することができる整備工場などに車両を持っていくことを促すことができる。この結果、内燃機関の燃料噴射系のメンテナンスの実行を促進することができ、内燃機関の燃料噴射系のメンテナンスが行なわれないために生じる不都合(例えばエミッションの悪化や内燃機関の故障などの不都合)を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、エンジン32と、このエンジン32を運転制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという。)36と、エンジン32のクランクシャフト34にキャリアが連結されると共に駆動輪26a,26bにデファレンシャルギヤ24を介して接続されたドライブシャフト22にリングギヤが連結された遊星歯車機構38と、この遊星歯車機構38のサンギヤに接続された発電可能なモータ40と、ドライブシャフト22に動力を入出力する発電可能なモータ41と、モータ40,41の駆動回路としてのインバータ42,43と、インバータ42,43やその他の補機48にシステムメインリレー46を介して接続された電力源としての高圧バッテリ44と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット(以下、HVECUという。)50と、車両の起動制御装置として機能する電源用電子制御ユニット(以下、電源ECUという。)60とを備える。
【0014】
エンジン32は、図2に示すように、吸気ポートにガソリンや軽油などの炭化水素系の燃料を噴射するポート用燃料噴射バルブ126aと筒内に直接燃料を噴射する筒内用燃料噴射バルブ126bを備える内燃機関として構成されている。エンジン32は、こうした二つの燃料噴射バルブ126a,126bを備えることにより、エアクリーナ122により清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸入する共にポート用燃料噴射バルブ126aからガソリンを噴射して吸入された空気とガソリンとを混合し、この混合気を吸気バルブ128を介して燃焼室に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト34の回転運動に変換するポート噴射駆動モードと、同様にして空気を燃焼室に吸入し、吸気行程の途中あるいは圧縮行程に至ってから筒内用燃料噴射バルブ126bから燃料を噴射し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させてクランクシャフト34の回転運動を得る筒内噴射駆動モードと、空気を燃焼室に燃焼する際にポート用燃料噴射バルブ126aから燃料噴射すると共に吸気行程や圧縮行程で筒内用燃料噴射バルブ126bから燃料噴射してクランクシャフト34の回転運動を得る共用噴射駆動モードと、のいずれかの駆動モードにより運転制御される。これらの駆動モードは、エンジン32の運転状態やエンジン32に要求される運転状態などに基づいて切り替えられる。なお、エンジン32からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化装置(三元触媒)134を介して外気へ排出される。
【0015】
エンジンECU36は、CPU36aを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU36aの他に処理プログラムを記憶するROM36bと、データを一時的に記憶するRAM36cと、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。エンジンECU36には、エンジン32の状態を検出する種々のセンサからの信号、クランクシャフト34の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランクポジションやエンジン32の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温,燃焼室内に取り付けられた圧力センサ143からの筒内圧力Pin,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブ128や排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカムポジション,スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットルポジション,吸気管に取り付けられたエアフローメータ148からのエアフローメータ信号,同じく吸気管に取り付けられた温度センサ149からの吸気温,空燃比センサ135aからの空燃比,酸素センサ135bからの酸素信号などが入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU36からは、エンジン32を駆動するための種々の制御信号、例えば、ポート用燃料噴射弁126aや筒内用燃料噴射バルブ126bへの駆動信号や、スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への制御信号、吸気バルブ128の開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構150への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、エンジンECU36は、ハイブリッド用電子制御ユニット50と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット50からの制御信号によりエンジン32を運転制御すると共に必要に応じてエンジン32の運転状態に関するデータを出力する。
【0016】
HVECU50は、CPU50aを中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、CPU50aの他に処理プログラムを記憶するROM50bと、一時的にデータを記憶するRAM50cと、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。HVECU50には、モータ40,41のロータの回転位置を検出する図示しない回転位置検出センサからの回転位置やインバータ42,43からモータ41,42への電力ラインに取り付けられた図示しない電流センサからの相電流,高圧バッテリ44の出力端子近傍に取り付けられた図示しない電圧センサおよび電流センサからの出力電圧および出力電流,高圧バッテリ44に取り付けられた温度センサからのバッテリ温度,シフトレバーの操作位置を検出するシフトポジションセンサ52からのシフトポジション,アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ54からのアクセル開度,ブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサからのブレーキペダルポジション,車速センサからの車速,走行距離計58からの走行距離などの各種センサからのデータが入力ポートを介して入力されている。また、HVECU50からは、インバータ42,43へのスイッチング信号や補機48への駆動信号,運転席前面のインストールパネルに組み込まれたメンテナンス警告灯56への点灯信号および消灯信号などが出力されている。HVECU50は、エンジンECU36と通信ポートを介して接続されており、必要に応じてエンジンECU36からエンジン32に取り付けられた各種センサからの検出信号やこの検出信号に基づいて演算された演算結果を入力したり、エンジンECU36にエンジン32を運転制御するための指令としての制御信号を出力している。また、HVECU50は、電源ECU60と通信ポートを介して接続されており、電源ECU60からイグニッション信号(IG信号)やスタート信号(ST信号)などを入力すると共に電源ECU60に起動状態を示すレディ信号(READY信号)などを出力する。
【0017】
HVECU50は、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量をアクセルペダルポジションセンサ54により検出して得られるアクセル開度と車速とに基づいてドライブシャフト22に出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がドライブシャフト22に出力されると共に高圧バッテリ44の残容量(SOC)が所定範囲内になるように且つエンジン32が効率よく運転されるように、エンジン32の運転ポイントを計算すると共にモータ40,41のトルク指令を計算し、エンジン32の運転ポイントについてはエンジンECU36に出力してエンジンECU36にエンジン32を運転制御させ、モータ40,41のトルク指令についてはこのトルク指令に対応するトルクがモータ40,41から出力されるようスイッチング信号をインバータ42,43に出力してモータ40,41を駆動制御する。なお、こうした駆動制御については、本発明の中核をなさないから、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0018】
電源ECU60は、図示しないCPUを中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートなどを備える。電源ECU60には、運転席前面のパネルに取り付けられたパワースイッチ62からのプッシュ信号や図示しないブレーキペダルの踏み込みを検出するブレーキスイッチ64からのブレーキスイッチ信号などが入力ポートを介して入力されている。また、電源ECU60からは、システムメインリレー46への駆動信号やパワースイッチ62に内蔵されたインジケータ63への点灯信号などが出力ポートを介して出力されている。電源ECU60は、前述したように、HVECU50と通信ポートを介して接続されており、パワースイッチ62からのプッシュ信号やブレーキスイッチ64からのブレーキスイッチ信号などに基づいて高電圧系への電源の投入や遮断(システムメインリレー46のオンオフ)を制御すると共にシステム起動を制御している。
【0019】
電源ECU60は、パワースイッチ62が所定時間未満(例えば3秒未満)だけ押された短押しのプッシュ信号を入力する毎に、低電圧系の電力源としての図示しないバッテリをシステムに接続するアクセサリーオン(ACCON),高電圧系の電力源としての高圧バッテリ44をシステムメインリレー46により接続するイグニッションオン(IGON),低電圧系の電力源や高電圧系の電力源としての高圧バッテリ44の接続を解除してシステムを停止状態とするイグニッションオフ(IGOFF)の各状態がこの順に繰り返すよう制御する。このうち、イグニッションオンとイグニッションオフについてはHVECU50にイグニッション信号(IG信号)として出力すると共にシステムメインリレー46にオンオフ信号としての駆動信号を出力する。即ち、電源ECU60は、アクセサリーオンの状態でパワースイッチ62が押されると、HVECU50にIG信号としてオン出力すると共にシステムメインリレー46にオン信号を出力して高電圧系に電源を投入し、イグニッションオンの状態でパワースイッチ62が押されると、HVECU50にIG信号をオフ出力すると共にシステムメインリレー46にオフ信号を出力して高電圧系から電源を遮断する。電源ECU60は、こうした各状態を運転者に知らせるために、パワースイッチ62に組み込まれたインジケータ63を点灯している。実施例におけるインジケータ63の点灯は、車両全体のシステムダウンを示すオフ状態(IGOFF)で消灯、アクセサリーオン(ACCON)で緑点灯、イグニッションオン(IGON)でオレンジ点灯、システム起動で消灯、システム異常でオレンジ点滅である。
【0020】
システム起動は、ブレーキスイッチ64からのブレーキスイッチ信号がオンの状態、即ち、運転者がブレーキペダルを踏み込んだ状態でパワースイッチ62を押すことにより電源ECU60にプッシュ信号が入力されたときに電源ECU60により図示しない起動処理を実行することにより行なわれる。起動処理では、電源ECU60は、システムメインリレー46にオン信号を出力すると共にHVECU50にイグニッション信号(IG信号)とスタート信号(ST信号)をオン出力する。オン出力されたイグニッション信号(IG信号)とスタート信号(ST信号)とを受信したHVECU50は、システムが起動可能な状態であるか否かを確認する初期処理を実行し、システムが起動可能な状態にあるのを確認できないときにはシステム起動せずにレディ信号(READY信号)をオン出力することなくレディオフ(READYOFF)の状態を保持してシステム起動処理を終了し、システムが起動可能な状態にあるのを確認できたときにはレディ信号(READY信号)をオン出力すると共に必要に応じてエンジン32を始動してシステムを起動状態、即ちレディオン(READYON)とする。電源ECU60は、HVECU50からのオン出力されたレディ信号(READY信号)によりレディオン(READYON)であるのを確認し、システム起動を示すためにインジケータ63を消灯して、起動処理を終了する。
【0021】
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20のHVECU50は、走行距離計58からの走行距離を入力して積算し、RAM50cの所定領域に走行距離の積算値を格納し、走行距離の積算値が所定距離(例えば、10,000km)に至ったときに、エンジン32のポート用燃料噴射バルブ126aや筒内用燃料噴射バルブ126bを適正に作動させる必要から、燃料にインジェクタクリーニング液を添加するインジェクタメンテナンスの実行を促すためにメンテナンス警告灯56を点灯する。以下に、この点灯しているメンテナンス警告灯56を消灯するための処理について説明する。
【0022】
図3は、HVECU50により実行される警告灯消灯前提処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、メンテナンス警告灯56が点灯している最中に所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。警告灯消灯前提処理ルーチンが実行されると、HVECU50のCPU50aは、まず、イグニッションオン(IGON)であるか否か及びレディオフ(READYOFF)であるか否かを判定する(ステップS100,S110)。イグニッションオフ(IGOFF)であったり、レディオン(READYON)のときには、カウンタC1を値0リセットして(ステップS120)、本ルーチンを終了する。一方、イグニッションオン(IGON)であると共にレディオフ(READYOFF)であるときには、シフトポジションセンサ52からのシフトポジションSPが駐車ポジション(Pポジション)からニュートラルポジション(Nポジション)に操作されたか否かを判定し(ステップS130)、PポジションからNポジションへのシフト操作が行なわれていないときには、これで本ルーチンを終了する。PポジションからNポジションへのシフト操作が行なわれているときには、カウンタC1を値1だけインクリメントして(ステップS140)、インクリメントしたカウンタC1が設定値C1setに一致したかを判定する(ステップS150)。ここで、設定値C1setは、イグニッションオン(IGON)であると共にレディオフ(READYOFF)である状態でPポジションからNポジションへのシフト操作を行なう回数を設定するものであり、例えば値3や値4などを用いることができる。カウンタC1が設定値C1setに一致していないときには本ルーチンを終了し、カウンタC1が設定値C1setに一致しているときには警告灯消灯フラグFに値1を設定して(ステップS160)、本ルーチンを終了する。この警告灯消灯前提処理ルーチンでは、イグニッションオン(IGON)であると共にレディオフ(READYOFF)である状態、即ち、車両のシステム状態として走行することができない状態でPポジションからNポジションへのシフト操作を複数回(設定値C1set)に亘って行なうことにより、警告灯消灯フラグFに値1を設定するのである。なお、イグニッションオン(IGON)であると共にレディオフ(READYOFF)である状態でPポジションからNポジションへのシフト操作が行なわれてカウンタC1が値1だけインクリメントされても、カウンタC1が設定値C1setに一致する前にイグニッションオフ(IGOFF)とされたり、レディオン(READYON)とされたときには、ステップS120でカウンタC1は値0にリセットされるから、警告灯消灯フラグFには値1は設定されない。
【0023】
図4は、HVECU50により実行される警告灯初期化処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、メンテナンス警告灯56が点灯している最中に所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。警告灯初期化処理ルーチンが実行されると、HVECU50のCPU50aは、まず、警告灯消灯フラグFが値1であるか否か(ステップS200)、レディオン(READYON)であるか否か(ステップS210)、シフトポジションがPポジションであるか否か(ステップS230)、レディオン(READYON)の状態になってから所定時間(例えば、60秒や100秒など)以内であるか否か(ステップS240)、を判定し、警告灯消灯フラグFが値0であったり、警告灯消灯フラグFが値1であってもレディオフ(READYOFF)であったり、警告灯消灯フラグFが値1であると共にレディオン(READYON)であってもPポジションでなかったり、警告灯消灯フラグFが値1でありレディオン(READYON)であり且つPポジションであってもレディオン(READYON)の状態になってから所定時間を経過しているときには、カウンタC2を値0リセットして(ステップS250)、本ルーチンを終了する。一方、警告灯消灯フラグFが値1であると共にレディオン(READYON)であり、且つ、Pポジションであり、レディオン(READYON)の状態になってから所定時間以内のときには、アクセルポジションセンサ54からのアクセル開度に基づいてアクセルオフからアクセルオンへの操作が行なわれたか否かを判定し(ステップS260)、アクセルオフからアクセルオンへの操作が行なわれていないときには、これで本ルーチンを終了する。アクセルオフからアクセルオンへの操作が行なわれたときには、カウンタC2を値1だけインクリメントして(ステップS270)、インクリメントしたカウンタC2が設定値C2setに一致したかを判定する(ステップS280)。ここで、設定値C2setは、警告灯消灯フラグFが値1であると共にレディオン(READYON)であり、且つ、Pポジションであり、レディオン(READYON)の状態になってから所定時間以内に、アクセルオフからアクセルオンへの操作を行なう回数を設定するものであり、例えば値3や値4などを用いることができる。カウンタC2が設定値C2setに一致していないときには本ルーチンを終了し、カウンタC2が設定値C2setに一致しているときにはメンテナンス警告灯56を消灯すると共にRAM50cの所定領域に格納された走行距離の積算値を値0にリセットして(ステップS290)、本ルーチンを終了する。この警告灯初期化処理ルーチンでは、警告灯消灯フラグFが値1であると共にレディオン(READYON)であり、且つ、Pポジションであり、レディオン(READYON)の状態になってから所定時間以内に、即ち、車両のシステム状態として走行することができる状態としてから所定時間以内にPポジションの状態でアクセルオフからアクセルオンへの操作を複数回(設定値C2set)に亘って行なうことにより、メンテナンス警告灯56を消灯すると共にRAM50cの所定領域に格納された走行距離の積算値を値0にリセットするのである。警告灯消灯フラグFが値1であると共にレディオン(READYON)であり、且つ、Pポジションであり、レディオン(READYON)の状態になってから所定時間以内にアクセルオフからアクセルオンへの操作が行なわれてカウンタC2が値1だけインクリメントされても、カウンタC2が設定値C2setに一致する前にレディオフ(READYOFF)とされたり、Pポジションから他のポジションへのシフト操作が行なわれたり、レディオン(READYON)の状態になってから所定時間が経過したときには、ステップS250でカウンタC2は値0にリセットされるから、メンテナンス警告灯56の消灯や走行距離の積算値の値0へのリセットは行なわれない。
【0024】
メンテナンス警告灯56の消灯や走行距離の積算値の値0へのリセットは、上述した警告灯消灯前提処理、即ち、車両のシステム状態として走行することができない状態でPポジションからNポジションへのシフト操作を複数回(設定値C1set)に亘って行なうことにより、警告灯消灯フラグFに値1を設定することを前提に、警告灯初期化処理、即ち、車両のシステム状態として走行することができる状態としてから所定時間以内にPポジションの状態でアクセルオフからアクセルオンへの操作を複数回(設定値C2set)に亘って行なうことにより、実行される。これらの操作は、通常の走行のために行なわれる操作とは異なる操作である。このように、通常の走行のために行なわれる操作とは異なる操作を行なうことによってメンテナンス警告灯56の消灯や走行距離の積算値の値0へのリセットを行なうことにより、ユーザが容易にメンテナンス警告灯56を消灯するのを抑止することができる。
【0025】
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、メンテナンス警告灯56が点灯しているときには、イグニッションオン(IGON)であると共にレディオフ(READYOFF)である状態(即ち、車両のシステム状態として走行することができない状態)でPポジションからNポジションへのシフト操作を複数回(設定値C1set)に亘って行なうことにより警告灯消灯フラグFに値1を設定し、この警告灯消灯フラグFが値1であると共にレディオン(READYON)であり、且つ、Pポジションであり、レディオン(READYON)の状態になってから所定時間以内に(即ち、車両のシステム状態として走行することができる状態としてから所定時間以内にPポジションの状態で)アクセルオフからアクセルオンへの操作を複数回(設定値C2set)に亘って行なうことにより、メンテナンス警告灯56を消灯すると共にRAM50cの所定領域に格納された走行距離の積算値を値0にリセットするから、ユーザは容易にメンテナンス警告灯56を消灯することができない。このため、メンテナンス警告灯56を消灯するためにインジェクタメンテナンスの実行することができる整備工場などに車両を持っていくことを促すことができる。この結果、インジェクタメンテナンスの実行を促進することができ、インジェクタメンテナンスが行なわれないために生じる不都合、例えば、エミッションの悪化やエンジン32の故障などの不都合を抑制することができる。
【0026】
実施例のハイブリッド自動車20では、メンテナンス警告灯56が点灯しているときには、イグニッションオン(IGON)であると共にレディオフ(READYOFF)である状態でPポジションからNポジションへのシフト操作を複数回に亘って行なうことにより警告灯消灯フラグFに値1を設定し、この警告灯消灯フラグFが値1であると共にレディオン(READYON)であり、且つ、Pポジションであり、レディオン(READYON)の状態になってから所定時間以内にアクセルオフからアクセルオンへの操作を複数回に亘って行なうことにより、メンテナンス警告灯56を消灯すると共にRAM50cの所定領域に格納された走行距離の積算値を値0にリセットするものとしたが、警告灯消灯前提処理としては、イグニッションオン(IGON)であると共にレディオフ(READYOFF)である状態でPポジションからRポジション(後進ポジション)へのシフト操作を複数回に亘って行なうことにより警告灯消灯フラグFに値1を設定するものとしたり、イグニッションオン(IGON)であると共にレディオフ(READYOFF)である状態でPポジションからDポジション(前進ポジション)へのシフト操作を複数回に亘って行なうことにより警告灯消灯フラグFに値1を設定するものとしたりしてもよく、警告灯初期化処理としては、警告灯消灯フラグFが値1であると共にレディオン(READYON)であり、且つ、Pポジションであり、レディオン(READYON)の状態になってから所定時間以内にブレーキオンの状態でアクセルオフからアクセルオンへの操作を複数回に亘って行なうものとしたり、警告灯消灯フラグFが値1であると共にレディオン(READYON)であり、且つ、Nポジションであり、レディオン(READYON)の状態になってから所定時間以内にブレーキオンの状態でアクセルオフからアクセルオンへの操作を複数回に亘って行なうものとしたりしてもよく、警告灯消灯前提処理としても警告灯初期化処理としても通常の走行のために行なわれる操作とは異なる操作であれば、如何なる操作としても構わない。また、警告灯消灯前提処理と警告灯初期化処理とに分けて行なう必要もなく、一体の処理としても構わない。
【0027】
実施例のハイブリッド自動車20では、RAM50cの所定領域に格納された走行距離の積算値が所定距離(例えば、10,000km)に至ったときに、エンジン32のポート用燃料噴射バルブ126aや筒内用燃料噴射バルブ126bを適正に作動させる必要から、燃料にインジェクタクリーニング液を添加するインジェクタメンテナンスの実行を促すためにメンテナンス警告灯56を点灯するものとしたが、初期化してから所定時間(例えば、1年など)が経過したときにインジェクタメンテナンスの実行を促すためにメンテナンス警告灯56を点灯するものとしてもよい。
【0028】
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン32として吸気ポートに燃料を噴射するポート用燃料噴射バルブ126aと筒内に直接燃料を噴射する筒内用燃料噴射バルブ126bを備える内燃機関を用いたが、ポート用燃料噴射バルブは備えるが筒内用燃料噴射バルブは備えない内燃機関を用いるものとしたり、筒内用燃料噴射バルブは備えるがポート用燃料噴射バルブは備えない内燃機関を用いるものとしてもよい。
【0029】
実施例では、ハイブリッド自動車20として説明したが、ハイブリッド自動車に限定されるものではなく、内燃機関を搭載する自動車であればよいから、走行用のモータを搭載しない自動車としてもよい。また、内燃機関を搭載する自動車における内燃機関の燃料噴射系のメンテナンスの実行を促すメンテナンス警告灯を点灯したり消灯するメンテナンス警告灯の点灯制御方法の形態としてもよい。
【0030】
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、ポート用燃料噴射バルブ126aと筒内用燃料噴射バルブ126bを備えるエンジン32が「内燃機関」に相当し、走行距離計58からの走行距離に基づいて走行距離の積算値を演算し、走行距離の積算値が所定距離(例えば、10,000km)に至ったときにエンジン32のポート用燃料噴射バルブ126aや筒内用燃料噴射バルブ126bを適正に作動させる必要から燃料にインジェクタクリーニング液を添加するインジェクタメンテナンスの実行を促すためにメンテナンス警告灯56を点灯するHVECU50が「メンテナンス促進警告手段」に相当し、メンテナンス警告灯56が点灯しているときにイグニッションオン(IGON)であると共にレディオフ(READYOFF)である状態でPポジションからNポジションへのシフト操作を複数回(設定値C1set)に亘って行なうことにより警告灯消灯フラグFに値1を設定する図3の警告灯消灯前提処理ルーチンを実行すると共にこの警告灯消灯フラグFが値1であると共にレディオン(READYON)であり、且つ、Pポジションであり、レディオン(READYON)の状態になってから所定時間以内にアクセルオフからアクセルオンへの操作を複数回(設定値C2set)に亘って行なうことによりメンテナンス警告灯56を消灯すると共にRAM50cの所定領域に格納された走行距離の積算値を値0にリセットする図4の警告灯初期化処理ルーチンを実行するHVECU50が「リセット消灯手段」に相当する。
【0031】
ここで、「内燃機関」としては、ポート用燃料噴射バルブ126aと筒内用燃料噴射バルブ126bを備えるエンジン32に限定されるものではなく、ポート用燃料噴射バルブは備えるが筒内用燃料噴射バルブは備えない内燃機関としたり、筒内用燃料噴射バルブは備えるがポート用燃料噴射バルブは備えない内燃機関としたりするなど、如何なるタイプの内燃機関としても構わない。「メンテナンス促進警告手段」としては、走行距離の積算値が所定距離に至ったときにインジェクタメンテナンスの実行を促すためにメンテナンス警告灯56を点灯するものに限定されるものではなく、初期化されてから所定時間経過したときにインジェクタメンテナンスの実行を促すためにメンテナンス警告灯56を点灯するものとするなど、所定の経過カウンタが所定値以上に至ったときに内燃機関の燃料噴射系のメンテナンスの実行を促すためのメンテナンス警告灯を点灯するものであれば如何なるものとしても構わない。「リセット消灯手段」としては、メンテナンス警告灯56が点灯しているときにイグニッションオン(IGON)であると共にレディオフ(READYOFF)である状態でPポジションからNポジションへのシフト操作を複数回(設定値C1set)に亘って行なうことにより警告灯消灯フラグFに値1を設定する警告灯消灯前提処理を実行し、この警告灯消灯フラグFが値1であると共にレディオン(READYON)であり、且つ、Pポジションであり、レディオン(READYON)の状態になってから所定時間以内にアクセルオフからアクセルオンへの操作を複数回(設定値C2set)に亘って行なうことによりメンテナンス警告灯56を消灯すると共にRAM50cの所定領域に格納された走行距離の積算値を値0にリセットする警告灯初期化処理を実行するものに限定されるものではなく、警告灯消灯前提処理としては、イグニッションオン(IGON)であると共にレディオフ(READYOFF)である状態でPポジションからRポジション(後進ポジション)へのシフト操作を複数回に亘って行なうことにより警告灯消灯フラグFに値1を設定するものとしたり、イグニッションオン(IGON)であると共にレディオフ(READYOFF)である状態でPポジションからDポジション(前進ポジション)へのシフト操作を複数回に亘って行なうことにより警告灯消灯フラグFに値1を設定するものとしたりするなど、警告灯初期化処理としては、警告灯消灯フラグFが値1であると共にレディオン(READYON)であり、且つ、Pポジションであり、レディオン(READYON)の状態になってから所定時間以内にブレーキオンの状態でアクセルオフからアクセルオンへの操作を複数回に亘って行なうものとしたり、警告灯消灯フラグFが値1であると共にレディオン(READYON)であり、且つ、Nポジションであり、レディオン(READYON)の状態になってから所定時間以内にブレーキオンの状態でアクセルオフからアクセルオンへの操作を複数回に亘って行なうものとしたりするなど、また、警告灯消灯前提処理と警告灯初期化処理とを一体の処理とするなど、メンテナンス警告灯が点灯している最中に走行のために行なわれる操作とは異なる所定の操作が行なわれたときに所定の経過カウンタを初期値にリセットすると共にメンテナンス警告灯を消灯するものであれば如何なるものとしても構わない。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0032】
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、自動車の製造産業などに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】エンジン32の構成の概略を示す構成図である。
【図3】実施例のハイブリッド用電子制御ユニット50により実行される警告灯消灯前提処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図4】実施例のハイブリッド用電子制御ユニット50により実行される警告灯初期化処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0035】
20 ハイブリッド自動車、22 ドライブシャフト、24 デファレンシャルギヤ、26a,26b 駆動輪、32 エンジン、34 クランクシャフト、36 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、36a CPU、36b ROM、36c RAM、38 遊星歯車機構、40,41 モータ、42,43 インバータ、44 高圧バッテリ、46 システムメインリレー、48 補機、50 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、50a CPU、50b ROM、50c RAM、52 シフトポジションセンサ、54 アクセルポジションセンサ、56 メンテナンス警告灯、58 走行距離計、60 電源用電子制御ユニット(電源ECU)、62 パワースイッチ、63 インジケータ、64 ブレーキスイッチ、122 エアクリーナ、124 スロットルバルブ、126a ポート用燃料噴射バルブ、126b 筒内用燃料噴射バルブ、128 吸気バルブ、130 点火プラグ、132 ピストン、134 浄化装置、135a 空燃比センサ、135b 酸素センサ、136,スロットルモータ、138 イグニッションコイル、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、143 圧力センサ、144 カムポジションセンサ、146 スロットルバルブポジションセンサ、148 エアフローメータ、149 温度センサ、150 可変バルブタイミング機構。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関を搭載する自動車であって、
所定の経過カウンタが所定値以上に至ったときに前記内燃機関の燃料噴射系のメンテナンスの実行を促すためのメンテナンス警告灯を点灯するメンテナンス促進警告手段と、
前記メンテナンス警告灯が点灯している最中に走行のために行なわれる操作とは異なる所定の操作が行なわれたときに、前記所定の経過カウンタを初期値にリセットすると共に前記メンテナンス警告灯を消灯するリセット消灯手段と、
を備える自動車。
【請求項2】
前記所定の操作は、車両のシステム状態として走行することができない状態である走行不能システム状態としたときの第1の操作と、車両のシステム状態として走行することができる走行可能システム状態としてから所定時間以内の第2の操作と、を含む操作である請求項1記載の自動車。
【請求項3】
請求項2記載の自動車であって、
前記第1の操作は、駐車ポジションと中立ポジションとの間の複数回のシフト操作であり、
前記第2の操作は、駐車ポジションにおける複数回のアクセル操作である、
自動車。
【請求項4】
請求項2または3記載の自動車であって、
車両のシステム状態としてアクセサリーオン,イグニッションオン,システムオフの3つの状態をトグルで切り替えるためのスタートスイッチと、
ブレーキオンの状態でスタートスイッチを操作したときに車両のシステム状態をレディオンの状態とするシステム起動手段と、
を備え、
前記走行不能システム状態は、レディオフでイグニッションオンの状態であり、
前記走行可能システム状態は、レディオンの状態である、
自動車。
【請求項5】
前記所定の経過カウンタは、リセットされてからの走行距離の積算値または経過時間である請求項1ないし4いずれか記載の自動車。
【請求項6】
内燃機関を搭載する自動車における前記内燃機関の燃料噴射系のメンテナンスの実行を促すメンテナンス警告灯を点灯したり消灯するメンテナンス警告灯の点灯制御方法であって、
所定の経過カウンタが所定値以上に至ったときに前記メンテナンス警告灯を点灯し、前記メンテナンス警告灯が点灯している最中に走行のために行なわれる操作とは異なる所定の操作が行なわれたときに前記所定の経過カウンタを初期値にリセットすると共に前記メンテナンス警告灯を消灯する、
ことを特徴とするメンテナンス警告灯の点灯制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−255938(P2008−255938A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−100702(P2007−100702)
【出願日】平成19年4月6日(2007.4.6)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】