説明

自動車の後部車体構造

【課題】取付作業性に優れかつ剛性の優れた1つの保護部材で,フィラーパイプ保護機能と泥よけ機能とを兼用させる。
【解決手段】リアホイールハウス1の車幅方向内側面に対して,リアバンパフェース21の車幅方向端部21aの前端21bが,車幅方向外側に所定距離離間して位置される。リアホイールハウス1内に,後輪Kの車幅方向内方側において,フィラーパイプ13が配設される。全体的に一体構造とされた保護部材31が,リアホイールハウス1内に配設される,保護部材31は,車体前後方向に伸びてフィラーパイプ13を車幅方向内方側から覆うプロテクタ部31aと,車幅方向に伸びて上記リアバンパフェース21の前端21aとリアホイールハウス内側面との間を遮蔽する泥よけ部31b,31Bとを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリアホイールハウス内に保護部材を配設した自動車の後部車体構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車体の後側部には,後輪を上方から覆うドーム状のリアホイールハウスが形成されており,このリアホイールハウスのうち車幅方向内側面によって,後輪の上部が車幅方向内側からも覆われている。特許文献1には,リアホイールハウスの後方に燃料タンクを配置する場合に,燃料供給口と燃料タンクとをつなぐフィラーパイプを,リアホイールハウス内のうちその後壁部に沿って配設して,リアホイールハウス内に設けた車幅方向に伸びる泥よけ部材によって,リアホイールハウス内のフィラーパイプを前方から覆うようにしたものが開示されている。また,特許文献2には,リアホイールハウス内に取付けられてリアホイールハウスの後部を外部から遮蔽する車幅方向に伸びるプロテクタ部材を設けて,このプロテクタ部材のうち車幅方向外側縁部に形成したリップ部に対して,リアバンパフェースの車幅方向端部の前端を取付けるようにしたものが開示されている。
【特許文献1】実開昭55−23977号公報
【特許文献2】実用新案登録第2574784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
フィラーパイプをリアホイールハウス内に配設する場合に,燃料タンクや燃料供給口との位置関係等によって,フィラーパイプをリアホイールハウスのうち車幅方向内側面に沿って配設することが要求される場合がある。この場合,後輪が跳ね上げる泥等の異物からフィラーパイプを保護するために,リアホイールハウス内に,フィラーパイプと後輪とを遮蔽するプロテクタ部材を別途設けることが必要となるが,このプロテクタ部材はフィラーパイプがリアホイールハウスの車幅方向内側面に沿って配設されている関係上,必然的に車体前後方向に伸びるように配設されることになる。
【0004】
一方,リアバンパフェースのうち車幅方向端部の前端を,泥よけ部材として機能されるリアホイールハウス内に配設された車幅方向に伸びるプロテクタ部材に対して連結することも行う場合がある。
【0005】
上述のように,リアホイールハウス内に,フィラーパイプ保護用となる前後方向に伸びる第1のプロテクタ部材と,リアバンパフェースの車幅方向端部の前端が連結されて泥よけ部材として機能される車幅方向に伸びる第2のプロテクタ部材とをそれぞれ個別に設けることは,リアホイールハウス内という狭い空間内での取付作業となることから,非常に面倒なものとなる。また,第1のプロテクタ部材は前後方向に伸びる一方,第2のプロテクタ部材は車幅方向に伸びるものであり,それぞれ単独では十分な剛性が確保しずらいものとなる。
【0006】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、取付作業性に優れしかも剛性の優れた1つの保護部材でもって,車体前後方向に伸びてフィラーパイプ保護用となる第1のプロテクタ部材と,車幅方向に伸びてリアバンパフェースのうち車幅方向端部の前端が取付けられる泥よけ部となる第2のプロテクタ部材とを兼用できるようにした自動車の後部車体構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
リアバンパフェースのうち車幅方向端部の前端が,後輪を上方から覆うリアホイールハウスの車幅方向内側面に対して車幅方向外側に所定距離離間して配設される自動車の後部車体構造において,
前記リアホイールハウス内に,後輪に対して車幅方向内方側となる位置においてフィラーパイプが配設されると共に,保護部材が配設され,
前記保護部材は,前後方向に伸びて前記フィラーパイプを車幅方向外側から覆うプロテクタ部と,該プロテクタ部と一体とされると共に前記リアバンパフェースのうち車幅方向端部の前端と前記リアホイールハウスの車幅方向内側面との間を遮蔽するように車幅方向に伸びる泥よけ部とを有している,
ようにしてある。
【0008】
上記解決手法によれば,プロテクタ部によってフィラーパイプの保護が行われ,実質的にリアホイールハウスの後下部を構成する泥よけ部によって,リアバンパフェースのうち車幅方向端部の前端の取付けが行われることになる。上記プロテクタ部と泥よけ部とが一体とされた保護部材は,車体前後方向に伸びる部分と車幅方向に伸びる部分とを有することになるので,全体的に剛性の優れたものとなる。また,狭いリアホイールハウス内への取付けに際しては,1つの保護部材を取付ける作業ですむので,取付作業性の点でも優れたものとなる。
【0009】
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち,
前記プロテクタ部と泥よけ部とが一体成形されている,ようにすることができる(請求項2対応)。この場合,保護部材を一体成形によって容易かつ安価に形成することができる。また,プロテクタ部と泥よけ部との間のシール性も優れたものとなり,フィラーパイプのより確実な保護や泥よけ部としての機能をより十分に発揮させる上で好ましいものとなる。
【0010】
前記プロテクタ部の上部が後輪の後端よりも前方かつ上方に位置されると共に,前記泥よけ部の下部が後輪の後端よりも後方に位置され,
前記保護部材は,前記プロテクタ部を上方に位置させた姿勢状態で,後輪の後方から前記リアホイールハウス内に下方から挿通可能な形状とされている,
ようにすることができる(請求項3対応)。この場合,車体に後輪を取付けた後であっても,保護部材をリアホイールハウス内に取付けることができる。
【0011】
前記リアホイールハウス近傍に位置される車体フレームの下面に,前記泥よけ部を取付けるための取付孔が形成されると共に,車体搬送時に用いられる搬送治具が挿入される位置決め用の基準孔が形成されており,
前記基準孔は,該基準孔に挿入された状態の前記搬送治具と前記取付孔に取付けられた状態の前記保護部材とが干渉する位置に形成されている,
ようにすることができる(請求項4対応)。この場合,保護部材が取付けられる前の状態での取付孔は搬送治具の邪魔にならないので,搬送治具を基準孔に係合させた状態での車体搬送行程において後輪を取付けることができる。そして,後輪取付後において,基準孔に対する搬送治具の係合を解除した後に,取付孔を利用して保護部材をリアホイールハウス内に取付けることができる。
【0012】
前記車体フレームの下方に,前記取付孔の後方でかつ該取付孔の直近を通るように排気管が配設されている,ようにすることができる(請求項5対応)。この場合,取付孔と排気管との間に搬送治具を配設するために排気管を無理に曲げることなく基準孔を排気管から避けて配設する等,排気管の配設の自由度を高めることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば,1つの保護部材によってフィラーパイプ保護用となるプロテクタ部と泥よけ部とを兼用させて,その取付作業が容易となり,しかも全体的に剛性の優れたものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1〜図3には,車体の後部の左右側部に形成されている左右のリアホイールハウスのうち,左側のリアホイールハウスが符合1で示される。図3のX4−X4線相当断面図となる図4,および図4のX5−X5線相当断面図となる図5において,車体側部を構成するインナパネルが符合2で示され,アウタパネル(リアフェンダ)が符合3で示され,内側パネルが符合4で示される。内側パネル4は,車体前後方向および上下方向に伸びる下部4aと,車幅方向内側に向けて伸びる上部4bとを有して,この内側パネル4の上部4bとインナパネル2の下部2aとが共働して後輪Kを全体的に上方から覆っている。また,内側パネル4のうち,後輪Kの車幅方向内側に位置する部分となる下部4aが,後輪Kの上部を車幅方向内側から覆っている。このように,インナパネル2と内側パネル4とが共働して,全体的にドーム状のリアホイールハウス1を形成している。なお,図1において,5は後輪Kが取付けられる車輪支持部材であり,6は後輪用のダンパであり,このダンパ6の上端部は,内側パネル4の上部6b(に形成されるサスタワー部)に取付けられる。また,図中7は,車体フレームとなる前後方向に伸びるリヤサイドフレームである。
【0015】
アウタパネル3には,後輪Kよりも高い位置でかつ後輪Kの中心よりも若干後方位置において,図示を略す蓋部材によって施蓋される開口部11が形成され,この開口部11に対応して,燃料供給口12が位置される。この燃料供給口12からは,リヤサイドフレーム7の下方において車幅方向に伸ばして配設された燃料タンクTへ連なるフィラーパイプ13が伸びている。このフィラーパイプ13は,特に図4に示すように,リアホイールハウス1内ほぼ上下方向に伸びるように配設された後,リヤサイドフレーム7の下方を通って,燃料タンクTへと連なっている。なお,図5において,14はブリーザパイプ,15は開口部11に対する排水パイプである。
【0016】
図1,図3,図5,図7に示すように,車体後面には,車幅方向に伸びるリアバンパフェース21が配設されている。このリアバンパフェース21は,その車幅方向端部21aが前方に向けて伸びて,その前端21bが,リアホイールハウス1の後端に位置されている。すなわち,車体側方から見たときに,リアホイールハウス1のうち車幅方向外側の後端縁が,リアバンパフェース21の前端21bによって実質的に構成されている。
【0017】
図1〜図7に示すように,リアホイールハウス1内には,保護部材31が配設されている。この保護部材31の形状設定例の詳細が,図8〜図11に示される。保護部材31は,実施形態では,上部材31Aと下部材31Bとの2部材によって構成されて,上部材31Aの下端部と上部材31Bの上端部とが,例えば接着やねじ止め等の適宜の手法によって互いに一体化されている。上部材31Aは,内側パネル4の下部4aに沿って前後方向に伸びるプロテクタ部31aと,プロテクタ部31aの上縁部および後縁部から車幅方向外側に向けて伸びる第1泥よけ部31bとが一体成形された形状として構成されている。プロテクタ部31aは,内側パネル4の下部4aと間隙を有するように配設されて,このプロテクタ部31aと内側パネル4の下部4aとの間の空間に,前述したフィラーパイプ13の他,ブリーザパイプ14,排水パイプ15が配設されている。このように,フィラーパイプ13,ブリーザパイプ14および排水パイプ15は,プロテクタ部31aによって車幅方向外側から覆われて,後輪Kがはね上げる小石や泥等の異物から保護されることになる。
【0018】
保護部材31のうち下部材31Bは,全体的に車幅方向に伸びている。すなわち,リアバンパフェース21の前端21bと,内側パネル4の下部4aとは,車幅方向に所定距離離間しているが,この所定離間距離は,リアホイールハウス1の車幅方向幅にほぼ相当している。保護部材31の下部材31Bは,全体的に第2泥よけ部を構成するもので,上部材31Aの第1泥よけ部31bと共働して,上記所定距離を埋めるような大きさに設定されている。このような下部材31B
の下端部からは,車幅方向内側に伸びる取付脚部31cが形成されて,この取付脚部31cが,リヤサイドフレーム7の下面に形成された取付孔7aを利用して,ボルト等の固定具(図示を略す)によって固定される。そして,下部材31Bのの車幅方向外側端縁に対して,リアバンパフェース21の前端21bが図示を略すフック部材等によって固定される。なお,上部材31Aと下部材31Bとは,その連結部位で互いにオーバラップする状態で結合されて,この連結部位でのシール性が十分に確保されている。
【0019】
上述のような保護部材31は,前後方向に伸びる部分と車幅方向に伸びる部分とが一体となった構造物とされているため,全体的に剛性が優れたものとなる。後述する図13に示すように,保護部材31は,後輪Kが車輪支持部材5に取付けられている状態において,後輪Kとリアホイールハウス1との間の隙間を通して,下方から所定の取付位置に向けて挿通可能とされている。すなわち,上部材31Aを上方に位置させた姿勢状態でもって,車体下方から,リアホイールハウス1内のうち後輪Kの後方空間に向けて上方へ移動させ,上部材31Aの上端がリアホイールハウス1の上壁部分付近に位置した状態で,後輪Kの外周に沿うようにして上部材31Aの上端部が前方へ向かうように移動させることにより,所定の取付位置とされる。この所定の取付位置となった状態で,保護部材31は,図1に示すように,タップねじやボルト等の固定具35によってリアホイールハウス1内面等に固定される。この固定作業において,取付孔7aに対する固定を最初に行うのが,保護部材31をリヤサイドフレーム7に支持させた状態でリアホイールハウス1内での固定作業を行うことができ,固定作業の容易化の上で好ましいものとなる。
【0020】
前述のような保護部材31は,例えば,合成樹脂(繊維強化されたものを含む),金属,硬質ゴム等によって形成することができる。勿論,上部材31Aと下部材31Bとを一体成形することもでき,例えば合成樹脂によって一体成形した場合は,図6に対応する図14に示すように,保護部材31をより安価かつ容易に形成することができる。また,一体成形の場合は,特に上部材31Aと下部材31Bとの連結部位のシール性を考慮する必要がなくなり,泥よけ部としての機能をより十分に発揮させる上で好ましいものとなる。
【0021】
ここで,リヤサイドフレーム7の下面には,取付孔7aの後方でかつ取付孔7aの直近において,基準孔7bが形成されている。この基準孔7bは,図12に示すように,車体を種々の部品組付のために搬送する際に用いられる搬送パレット41に対する車体の位置決め用となる。すなわち,搬送パレット41上には,前後方向に間隔をあけて複数の位置決め治具42が固定され(これに対応して,基準孔7b以外の基準孔が車体Y下面の適宜の位置に形成されている),ハンガ43によって支承された車体Yを下方へ降ろしつつ,車体Yに形成されている各基準孔に対して,位置決め治具42の位置決めピン42aが係合されることになる。
【0022】
位置決め治具42のうち,もっとも後方に位置する位置決め治具42における位置決めピン42aが,基準孔7bに挿通されることになる。この場合,取付孔7aを利用してあらかじめ保護部材31が車体Yに取付けられていると,位置決め治具42が保護部材31(の取付脚部31c)と干渉しないように,基準孔7bの位置を取付孔7aよりも十分に後方に位置させる必要があり,基準孔7bがこのような後方へ大きく移動された位置は,他車の位置決め治具42の位置とはずれた位置関係となり,位置決め治具42の位置変更を余儀なくされる。しかしながら,保護部材31が取付けられていない状態(取付脚部31cが取付孔7aの位置に存在しない状態)では,他車の搬送設備における位置決めピン42aの位置であってもそのまま使用することができ,このような位置決めピン42aの位置に対応した位置が基準孔7bの位置である(取付孔7aの直後方位置となる)。すなわち,基準孔7bの位置のレイアウト自由度を向上でき,後述する排気管等の車体取付部材の形状についても自由度を向上できる。
【0023】
図13は,図12の搬送パレット41を利用して車体Yに後輪Kが組み付けられた後に,保護部材31を車体Yに取付けるときの作業の様子が示される。すなわち,車体Yを前後のハンガ45,46によって前輪KFと後輪Kとの部分でそれぞれ下方から持ち上げた状態で,保護部材31が下方から取付けられることになる(取付要領については前述したとおり)。
【0024】
次に,図3を参照しつつ,排気管の配設例について説明する。まず,マフラ50が,左右一対のリヤサイドフレーム7間に跨るようにして,車幅方向に伸ばして配設されている。マフラ50の前端位置は,取付孔7aの若干前方に位置するように設定されている。このマフラ50の車幅方向各端面からは,左右一対の排気管51が延設されている。左右一対の排気管51は,一旦車幅方向外側に向けて伸びた後,リヤサイドフレーム7付近で後方に向かうように湾曲された後,後方に向けてほぼまっすぐ伸びている(最終的に大気に開放されている)。ここで,車体Yを搬送パレット41にセットした状態でマフラ50および排気管51を組み付ける場合,基準孔7bが取付孔7aの直近に位置されているので,この基準孔7bの位置が取付孔7aよりも大きく後方に位置している場合に比して,排気管51の湾曲を無理に行うことなく,排気管と基準孔7bとの干渉を避けることができる(無理な湾曲をしないことによる排気抵抗の低減や振動低減の効果も期待できる)。
【0025】
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。保護部材31の車体への取付けを,後輪の車体への取付前に行うようにしてもよい。保護部材31は,3分割以上とされた複数の部材を一体化したものであってもよく,また複数の部材を一体化して構成する場合は,その分割位置(一体化の際の連結位置)を適宜の位置に設定することができる。構成として勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明が適用された車両のリアホイールハウス部分を斜め下方から見た要部斜視図。
【図2】後輪を取外した状態での保護部材の取付状態を示す要部拡大斜視図。
【図3】保護部材を有するリアホイールハウス部分を下方から見た図で,反対側のリアホイールハウス部分は図示を略す。
【図4】図3のX4−X4線相当断面図。
【図5】図4のX5−X5線相当断面図。
【図6】リアホイールハウスを構成する内側パネルと保護部材との断面形状を示す要部側面断面図。
【図7】図6のX7−X7線相当断面図。
【図8】保護部材の左側面図。
【図9】図8を右方から見た図。
【図10】図8を上方から見た図。
【図11】図9のX11−X11線相当断面図。
【図12】車体を搬送パレットに対して位置決めしてセットする様子を示す側面図。
【図13】後輪が取付けられた状態で保護部材をリアホイールハウス内に取付けるときの様子を示す側面図。
【図14】保護部材を一体成形した場合の一例を示すもので,図6に対応した断面図。
【符号の説明】
【0027】
1:リアホイールハウス
2:インナパネル
2a:インナパネルの下部
3:アウタパネル
4:内側パネル
4a:内側パネルの下部
4b:内側パネルの上部
7:リヤサイドフレーム
7a:取付孔
7b:基準孔
11:開口部
12:燃料供給口
13:フィラーパイプ
21:リアバンパフェース
21a:リアバンパフェースの車幅方向端部
21b:リアバンパフェースの車幅方向端部の前端
31:保護部材
31A:上部材(プロテクタ部+泥よけ部)
31B:下部材(泥よけ部)
31a:プロテクタ部
31b:第1泥よけ部
31c:取付脚部
51:排気管


【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアバンパフェースのうち車幅方向端部の前端が,後輪を上方から覆うリアホイールハウスの車幅方向内側面に対して車幅方向外側に所定距離離間して配設される自動車の後部車体構造において,
前記リアホイールハウス内に,後輪に対して車幅方向内方側となる位置においてフィラーパイプが配設されると共に,保護部材が配設され,
前記保護部材は,前後方向に伸びて前記フィラーパイプを車幅方向外側から覆うプロテクタ部と,該プロテクタ部と一体とされると共に前記リアバンパフェースのうち車幅方向端部の前端と前記リアホイールハウスの車幅方向内側面との間を遮蔽するように車幅方向に伸びる泥よけ部とを有している,
ことを特徴とする自動車の後部車体構造。
【請求項2】
請求項1において,
前記プロテクタ部と泥よけ部とが一体成形されている,ことを特徴とする自動車の後部車体構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2において,
前記プロテクタ部の上部が後輪の後端よりも前方かつ上方に位置されると共に,前記泥よけ部の下部が後輪の後端よりも後方に位置され,
前記保護部材は,前記プロテクタ部を上方に位置させた姿勢状態で,後輪の後方から前記リアホイールハウス内に下方から挿通可能な形状とされている,
ことを特徴とする自動車の後部車体構造。
【請求項4】
請求項3において,
前記リアホイールハウス近傍に位置される車体フレームの下面に,前記泥よけ部を取付けるための取付孔が形成されると共に,車体搬送時に用いられる搬送治具が挿入される位置決め用の基準孔が形成されており,
前記基準孔は,該基準孔に挿入された状態の前記搬送治具と前記取付孔に取付けられた状態の前記保護部材とが干渉する位置に形成されている,
ことを特徴とする自動車の後部車体構造。
【請求項5】
請求項4において,
前記車体フレームの下方に,前記取付孔の後方でかつ該取付孔の直近を通るように排気管が配設されている,ことを特徴とする自動車の後部車体構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−315590(P2006−315590A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−141759(P2005−141759)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】