説明

薄膜トランジスタ表示板用洗浄剤、及びこれを用いた薄膜トランジスタ表示板の製造方法

【課題】低抵抗信号線、特にアルミニウム信号線を用いる液晶表示装置の製造方法において、アルミニウムの腐食を生じないとともに、洗浄力に優れている洗浄剤、及びこれを用いた液晶表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、基板上に第1薄膜層を積層し、前記第1薄膜層をフォトエッチング工程でパターニングし、前記第1薄膜層が形成されている基板を洗浄し、洗浄された前記基板上に第2薄膜層を積層することを含み、前記洗浄は、超純水と、サイクリックアミンと、ピロガロールと、ベンゾトリアゾールと、メチルグリコールとを含む洗浄剤を用いて行なうことを特徴とする、薄膜トランジスタ表示板の製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜トランジスタ表示板用洗浄剤、及びこれを用いた薄膜トランジスタ表示板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に液晶表示装置や有機発光表示装置などの平板表示装置は、複数対の電場生成電極と、その間に挟持された電気光学活性層とを備えている。液晶表示装置の場合には、電気光学活性層として液晶層を有し、有機発光表示装置の場合には、電気光学活性層として有機発光層を有している。
【0003】
1対をなす電場生成電極のうちの一つは、通常スイッチング素子に接続されて電気信号の印加を受け、電気光学活性層は、該電気信号を光学信号に変換することによって画像を表示している。
【0004】
平板表示装置では、スイッチング素子として三端子素子の薄膜トランジスタ(TFT)を用い、この薄膜トランジスタを制御するための走査信号を伝達するゲート線と、画素電極に印加される信号を伝達するデータ線などの信号線とが平板表示装置に設けられている。
【0005】
一方、表示装置の面積が大きくなることに伴い信号線も長くなり、このため抵抗が大きくなる。このように抵抗が大きくなると、信号遅延または電圧降下などの問題が発生する虞があり、これを解決するために、比抵抗が低い材料で信号線を形成する必要があるが、比抵抗の低い材料の代表的なものとしてはアルミニウム(Al)がある。
【0006】
しかし、アルミニウムを信号線として用いる場合は、液晶表示装置の製造工程中の洗浄工程において、通常TMAH(テトラ−メチル アンモニウム ヒドロキシド)を含む洗浄剤を用いるが、このとき、アルミニウムはTMAHによって腐食する。従って、通常アルミニウムを信号線として用いる場合は、アルミニウムの腐食を防止するために、液晶表示装置の製造工程中の洗浄工程において、このようなTMAHを含む洗浄剤を用いず、超純水で洗浄する。
【0007】
しかしながら、液晶表示装置の製造工程中の洗浄工程において超純水を用いる場合は、洗浄力が低下し、その結果、様々な製造工程で発生する不純物が充分に除去されず、液晶表示装置の品質の低下をもたらすという問題点がある。
【特許文献1】特表2002−523546号公報
【特許文献2】特開平07−331473号公報
【特許文献3】特開平09−148292号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、低抵抗信号線、特にアルミニウム信号線を用いる液晶表示装置の製造方法において、アルミニウムの腐食を生じず、かつ洗浄力に優れている洗浄剤、及びこれを用いる液晶表示装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明による薄膜トランジスタ表示板用洗浄剤は、超純水(HO)と、サイクリックアミン(cyclic amine)と、ピロガロール(pyrogallol)と、ベンゾトリアゾール(benzotrizole)と、メチルグリコール(methylglycol)とを含む。
【0010】
本発明の一実施形態に係る薄膜トランジスタ表示板の製造方法は、基板上に第1薄膜層を積層し、前記第1薄膜層をフォトエッチング工程でパターニングし、前記第1薄膜層が形成されている基板を洗浄し、洗浄された前記基板上に第2薄膜層を積層することを含む。前記洗浄は、超純水(HO)と、サイクリックアミン(cyclic amine)と、ピロガロール(pyrogallol)と、ベンゾトリアゾール(benzotriazole)と、メチルグリコール(methylglycol)とを含む洗浄剤を用いる。
【0011】
本発明の他の実施形態に係る薄膜トランジスタ表示板の製造方法は、基板上にゲート線を形成し、前記ゲート線が形成されている前記基板を洗浄し、洗浄された前記基板上にゲート絶縁膜を積層し、前記ゲート絶縁膜上に真性半導体及び不純物半導体を形成し、前記不純物半導体上にデータ線及びドレイン電極を形成し、前記ドレイン電極と接続される画素電極を形成することを含み、前記洗浄は、超純水(HO)と、サイクリックアミン(cyclic amine)と、ピロガロール(pyrogallol)と、ベンゾトリアゾール(benzotrizole)と、メチルグリコール(methylglycol)とを含む洗浄剤を用いる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、アルミニウム配線を有する薄膜トランジスタ表示板を製造する際、本発明の実施形態に係る洗浄剤を用いることにより、汚染物質の除去力が向上するとともに、洗浄剤によるアルミニウム層の腐食を防止することができる。従って、本発明の実施形態に係る洗浄剤を用いてアルミニウム配線を有する薄膜トランジスタ表示板を製造することで、汚染物質の除去力が向上するとともに、アルミニウム配線を腐食させないので、製品の品質及び性能を良好に維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
添付した図面を参照して本発明の実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。しかし、本発明は、多様な形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。図面は、各層及び各領域を明確に表現するために、厚さ等を誇張して示している。明細書全体を通じて類似した部分については同一な参照符号を付けている。層、膜、領域、板などの部分が、他の部分の「上に」あるとする場合、これは他の部分の「すぐ上に」ある場合に限らず、その中間に更に他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「すぐ上に」あるとする場合、これは中間に他の部分がない場合を意味する。
【0014】
以下、図1〜図3を用いて本発明の一実施形態に係る薄膜トランジスタ表示板について詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施形態に係る薄膜トランジスタ表示板の上から見た配置図であり、図2及び図3は各々図1に示す薄膜トランジスタ表示板のII−II線及びIII−III線に沿った断面図である。
【0016】
図2に示すように、本実施形態に係る薄膜トランジスタ表示板においては、透明なガラスまたはプラスチックなどからなる絶縁性の基板110上に、複数のゲート線121及び複数の維持電極線131が形成されている。
【0017】
ゲート線121は、ゲート信号を伝達し、主に横方向に延びている。各ゲート線121は、下方に突出した複数のゲート電極124と、他の層または外部駆動回路との接続のための広い端部129とを有する。ゲート信号を生成するゲート駆動回路(図示せず)は、基板110上に付着されているフレキシブル印刷回路膜(図示せず)上に装着されたり、基板110上に直接装着されたり、基板110に集積されたりすることができる。ゲート駆動回路が基板110上に集積されている場合は、ゲート線121が延びてこれと直接接続される。
【0018】
維持電極線131は、所定電圧の印加を受け、ゲート線121とほぼ平行に延びた幹線132(図示せず)と、これから分岐された複数対の第1及び第2維持電極133a、133bとを含む。維持電極線131それぞれは、隣接した二つのゲート線121の間に位置し、幹線132は、二つのゲート線121のうちの下側に近い。維持電極133a、133bそれぞれは、幹線132と接続されている固定端と、その反対側の自由端を有している。第1維持電極133aの固定端は面積が広く、また、その自由端は直線部と屈曲部の2つに分かれている。しかし、維持電極線131の形状及び配置は、様々に変更することができる。
【0019】
ゲート線121及び維持電極線131は、物理的性質が異なる二つの導電膜、下部膜とその上の上部膜を含む。下部膜は信号遅延や電圧降下を減らすことができるように比抵抗が低いアルミニウム(Al)やアルミニウム合金などのアルミニウム系金属を含みうる。しかし、前記アルミニウム系金属の代わりに、または更に銀(Ag)や銀合金などの銀系金属、銅(Cu)や銅合金などの銅系金属などを含んでもよい。一方、下部膜とは異なり、上部膜は他の物質、特にITO(indium tin oxide)またはIZO(indium zinc oxide)との物理的、化学的、及び電気的接触特性に優れた物質であって、例えば、モリブデン(Mo)やモリブデン合金などのモリブデン系金属及びその窒化物、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、並びにチタニウム(Ti)などを含みうる。
【0020】
しかし、上記とは反対に、下部膜は接触特性に優れる物質を含み、上部膜は低抵抗物質を含むということも可能であり、この場合には、ゲート線121の端部129の上部膜129qの一部が除去されて下部膜129pが露出することもある。また、ゲート線121及び維持電極線131は、上述のような種々の物質を含む単一膜構造を有することができ、またこの他に様々な金属または導電体からなることができる。
【0021】
図2及び図3において、ゲート電極124及び維持電極133a、133bなどに対し、下部膜には英文字p、上部膜には英文字qという符号を付けて示している。
ゲート線121及び維持電極線131の側面は基板110面に対して傾斜しており、その傾斜角は約30゜〜約80゜であることが好ましい。ゲート線121及び維持電極線131上には、窒化シリコン(SiNx)または酸化シリコン(SiOx)などからなるゲート絶縁膜140が形成されている。
【0022】
ゲート絶縁膜140上には、水素化非晶質シリコン(以下、非晶質シリコンをa-Siと称する。)、または多結晶シリコンなどからなる複数の半導体151が設けられている。半導体151は主に縦方向に延びており、ゲート電極124に向かって延び出た複数の突出部154を含む。半導体151は、ゲート線121及び維持電極線131付近で幅が広くなり、これらを幅広く覆っている。
【0023】
半導体151上には、複数の線状及び島状オーミック接触部材(ohmic contact)161、165が形成されている。オーミック接触部材161、165は、リンなどのn型不純物が高濃度にドーピングされているn型水素化非晶質シリコンなどの物質からなったり、シリサイドからなることができる。線状オーミック接触部材161は複数の突出部163を有し、この突出部163と島状オーミック接触部材165とは対をなして半導体151の突出部154上に配置されている。半導体151とオーミック接触部材161、165の側面も基板110面に対して傾斜しており、その傾斜角は30゜〜80゜程度である。
【0024】
オーミック接触部材161、165及びゲート絶縁膜140上には、複数のデータ線171と複数のドレイン電極175とが形成されている。データ線171はデータ信号を伝達し、主に縦方向に延びてゲート線121と交差している。また、各データ線171は、維持電極線131と交差し、隣接した維持電極133a、133b群の間を走る。各データ線171は、ゲート電極124に向かって延び、J字状に曲がっている複数のソース電極173と、他の層または外部駆動回路との接続のための広い端部179を有する。データ信号を生成するデータ駆動回路(図示せず)は、基板110上に付着されるフレキシブル印刷回路膜(図示せず)上に装着されたり、基板110上に直接装着されたり、基板110に集積されることができる。データ駆動回路が基板110上に集積されている場合には、データ線171が延びてデータ駆動回路と直接接続される。
【0025】
ドレイン電極175は、データ線171と分離され、ゲート電極124を中心としてソース電極173と対向している。各ドレイン電極175は、広い一端部と棒形の他端部を有する。広い端部は維持電極線131と重畳され、棒形の端部はソース電極173で一部囲まれている。
【0026】
一つのゲート電極124、一つのソース電極173、及び一つのドレイン電極175は、半導体151の突出部154と共に一つの薄膜トランジスタ(TFT)を構成し、薄膜トランジスタのチャネルは、ソース電極173とドレイン電極175との間の突出部154に形成されている。
【0027】
データ線171及びドレイン電極175は、下部膜171p、175p、中間膜171q、175q及び上部膜171r、175rを含む3重膜構造を有している。下部膜171p、175pはモリブデン、クロム、タンタル、及びチタニウムなど耐火性金属、またはこれらの合金からなり、中間膜171q、175qは比抵抗が低いアルミニウム系金属からなり、上部膜171r、175rはITOやIZOとの接触特性に優れた耐火性金属またはこれらの合金からなっている。このような三重膜構造の例としては、モリブデン(合金)下部膜とアルミニウム(合金)中間膜とモリブデン(合金)上部膜とがある。
【0028】
データ線171及びドレイン電極175は、耐火性金属の下部膜(図示せず)と低抵抗上部膜(図示せず)とを含む2重膜構造や、上述したような様々な物質からなる単一膜構造を有することができる。2重膜構造の例としては、クロムまたはモリブデン(合金)からなる下部膜と、アルミニウム(合金)からなる上部膜とがある。しかし、データ線171及びドレイン電極175は、他にも様々な金属または導電体からなることもできる。
【0029】
図2及び図3において、ソース電極173及びデータ線の端部179に対し、下部膜には英文字p、中間膜には英文字q、上部膜には英文字rという符号を付けて示している。
【0030】
また、データ線171及びドレイン電極175は、その側面が基板110面に対して30゜〜80゜程度の傾斜角で傾斜していることが好ましい。
【0031】
オーミック接触部材161、165は、その下の半導体151と、その上のデータ線171及びドレイン電極175との間にのみ存在し、これらの間の接触抵抗を低くする。殆どの部分において半導体151がデータ線171より狭いが、上述したように、ゲート線121と出会う部分で幅が広くなり、表面のプロファイルを滑らかにすることによってデータ線171が断線することを防止する。半導体151には、ソース電極173とドレイン電極175との間をはじめとしてデータ線171及びドレイン電極175で覆われず露出している部分がある。
【0032】
データ線171、ドレイン電極175、及び半導体151の露出している部分上には、保護膜180が形成されている。保護膜180は、無機絶縁物または有機絶縁物などからなり、表面が平坦化しうる。無機絶縁物の例としては、以下に制限されることはないが、窒化シリコン及び酸化シリコンがある。有機絶縁物は感光性を有することができ、その誘電定数は約4.0以下であることが好ましい。しかし、保護膜180は有機膜の優れた絶縁特性を生かすとともに、半導体151の露出している部分に害を及ぼさないように、下部無機膜と上部有機膜との二重膜構造を有することができる。
【0033】
保護膜180には、データ線171の端部179の中間膜179qと、ドレイン電極175の中間膜175qとをそれぞれ露出させる複数のコンタクトホール182、185が形成され、保護膜180及びゲート絶縁膜140中には、ゲート線121の端部129の下部膜129pを露出させる複数のコンタクトホール181、第1維持電極133aの固定端付近の維持電極線131の下部膜133apの一部を露出させる複数のコンタクトホール183a、並びに第1維持電極133aの自由端の突出部の下部膜133apを露出させる複数のコンタクトホール183bが形成されている。
【0034】
保護膜180上には、複数の画素電極191、複数の接続ブリッジ(overpass)83、及び複数の接触補助部材81、82が形成されている。これらはITOまたはIZOなどの透明な導電物質や、アルミニウム、銀、クロム、またはその合金などの反射性金属からなることができる。
【0035】
画素電極191はコンタクトホール185を介してドレイン電極175と物理的・電気的に接続され、ドレイン電極175からデータ電圧の印加を受ける。データ電圧が印加された画素電極191は、共通電圧の印加を受ける他の表示板(図示せず)の共通電極(図示せず)と共に電場を生成することによって、二つの電極の間の液晶層(図示せず)の液晶分子(図示せず)の方向を決定する。画素電極191と共通電極は、キャパシタ(以下、液晶キャパシタという。)を構成して薄膜トランジスタが非導通(turn−off)状態になった後にも印加された電圧を維持する。
【0036】
画素電極191及びこれと接続されているドレイン電極175は、維持電極133a、133bをはじめとする維持電極線131と重畳されている。画素電極191及びこれと電気的に接続されたドレイン電極175が維持電極線131と重畳されて構成するキャパシタをストレージキャパシタといい、ストレージキャパシタは液晶キャパシタの電圧維持能力を強化する。
【0037】
接触補助部材81、82は、それぞれコンタクトホール181、182を介してゲート線121の端部129及びデータ線171の端部179と接続されている。接触補助部材81及び82は、それぞれゲート線121及びデータ線171の端部129及び179と外部装置との接着性を補完し、また、これらを保護する。
【0038】
接続ブリッジ83は、ゲート線121を横切り、ゲート線121を介在して反対方向に位置しているコンタクトホール183a、183bを介し、維持電極線131の露出している部分と、第1維持電極133aの自由端の露出している端部とにより接続されている。維持電極133a、133bをはじめとする維持電極線131は、接続ブリッジ83と共に、ゲート線121、データ線171、または薄膜トランジスタの欠陥を修理するのに用いることができる。
【0039】
以下、図1〜図3に示した薄膜トランジスタ表示板の製造方法について図4〜図15を用いて詳細に説明する。
【0040】
図4、図7、図10、及び図13は本発明の一実施形態に係る薄膜トランジスタ表示板の製造方法を工程順に示した配置図であり、図5及び図6は各々図4に示す薄膜トランジスタ表示板のV−V線及びVI−VI線に沿った断面図であり、図8及び図9は図7に示す薄膜トランジスタ表示板のVIII−VIII線及びIX−IX線に沿った断面図であり、図11及び図12は図10に示す薄膜トランジスタ表示板のXI−XI線及びXII−XII線に沿った断面図であり、図14及び図15は図13に示す薄膜トランジスタ表示板のXIV−XIV線及びXV−XV線に沿った断面図である。
【0041】
図4〜図6に示すように、絶縁基板110上に導電性物質からなる下部膜(第1層)、及び導電性物質からなる上部膜(第2層)を積層して、2層構造のゲート金属層を形成した後に、前記ゲート金属層をフォトエッチングし、ゲート電極124及び端部129を有する複数のゲート線121と、維持電極133a、133bを有する複数の維持電極線131とを形成する。なお、前記第1層(下部膜)には、あらゆる導電性物質を用いることが可能であるが、好ましくはアルミニウムやアルミニウム合金などのアルミニウム系金属、銀や銀合金などの銀系金属、または銅や銅合金などの銅系金属を含み、より好ましくはアルミニウムを含む。従って、前記ゲート線121及び前記維持電極線131は、アルミニウムを含むことが好ましい。前記第2層(上部膜)もまた、あらゆる導電性物質を用いることが可能であるが、好ましくはアルミニウム以外のあらゆる導電性物質を含み、より好ましくはモリブデンやモリブデン合金などのモリブデン系金属及びその窒化物、クロム、タンタル、またはチタニウムを含み、特に好ましくはモリブデンを含む。
【0042】
図4〜図15において、ゲート線121の端部129、ゲート電極124、維持電極線131、及び維持電極133a、133bに対し、下部膜には英文字pを符号に付けて示している。
【0043】
次に、複数のゲート線及び複数の維持電極線131が形成されている基板110を洗浄する。
【0044】
本発明において用いられる洗浄剤は、超純水(HO)と、サイクリックアミン(cyclic amine)と、ピロガロール(pyrogallol)と、ベンゾトリアゾール(benzotrizole)と、メチルグリコール(methylglycol)とを含む。また、前記洗浄剤における各成分の含有率については、以下に制限されることはないが、それぞれ独立して、以下の範囲が好ましい。前記超純水は85質量%〜99質量%であることが好ましい。前記サイクリックアミンは0.01質量%〜1.0質量%であることが好ましい。0.01質量%を下回る場合、不純物の除去の効果が劣りうる。一方、1.0質量%を上回る場合、表面改質(surface modification)の問題が生じうる。前記ピロガロール及び前記ベンゾトリアゾールの含有率は合わせて2質量%以内であることが好ましく、0.01質量%〜1.0質量%であることがより好ましい。2質量%を上回る場合、表面改質の問題が生じうる。前記ベンゾトリアゾールは0.01質量%〜1.0質量%であることが好ましい。0.01質量%を下回る場合、不純物の除去の効果が劣りうる。一方、1.0質量%を上回る場合、表面改質の問題が生じうる。前記メチルグリコールは0.01質量%〜1.0質量%であることが好ましい。0.01質量%を下回る場合、不純物の除去の効果が劣りうる。一方、1.0質量%を上回る場合、表面改質の問題が生じうる。また、更に好ましくは、合計が100質量%以下となるような条件の下で、前記超純水が85質量%〜99質量%であり、前記サイクリックアミンが0.01質量%〜1.0質量%であり、前記ピロガロールが5質量%以下であり、前記ベンゾトリアゾールが0.01質量%〜1.0質量%であり、前記メチルグリコールが0.01質量%〜1.0質量%でありうる。特に好ましくは、合計が100質量%以下となるような条件の下で、前記超純水が85質量%〜99質量%であり、前記サイクリックアミンが0.01質量%〜1.0質量%であり、前記ピロガロールが0.01質量%〜1.0質量%であり、前記ベンゾトリアゾールが0.01質量%〜1.0質量%であり、前記メチルグリコールが0.01質量%〜1.0質量%でありうる。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、基板110を本発明における洗浄剤を用いて洗浄した後に、図7〜図9に示すように、基板110の全面にゲート絶縁膜140を積層し、次いで半導体層を積層し、フォトエッチング工程でパターニングして、突出部154を含む真性半導体151、及び複数の不純物半導体パターン164を含む複数の不純物半導体161を形成する。
【0046】
次に、ゲート絶縁膜140、真性半導体151、及び不純物半導体161が形成されている基板110を洗浄するが、このとき、本発明の実施形態で用いる洗浄剤の各成分の含有率の好ましい範囲などについても上記と同様であるため、ここでは省略する。以下において、前記洗浄剤を用いて洗浄を行う場合も同様である。
【0047】
本発明の実施形態におけるデータ線及びドレイン電極は、アルミニウムを含む第1層と、前記第1層の上下に各々配置され、アルミニウム以外の導電性物質からなる第2層と第3層とからなる3重膜構造を有しうる。本実施形態に即して説明するならば、基板110を前記洗浄剤により洗浄した後に、不純物半導体161上に、アルミニウム以外の導電性物質からなる下部層(第3層)、アルミニウムを含む中間層(第1層)、及びアルミニウム以外の導電性物質からなる上部層(第2層)を有するデータ金属層を、スパッタリング法などで順次積層してデータ金属層170(図示せず)を形成する。なお、前記下部層(第3層)及び前記上部層(第2層)は、あらゆる導電性物質を用いることが可能であるが、好ましくはアルミニウム以外のあらゆる導電性物質を含み、より好ましくはモリブデンやモリブデン合金などのモリブデン系金属及びその窒化物、クロム、タンタル、並びにチタニウムを含み、特に好ましくはモリブデンを含む。図10〜図13に示すように、積層された前記データ金属層170をフォトエッチング工程でパターニングし、ソース電極173及び端部179を有する複数のデータ線171及び複数のドレイン電極175を形成する。従って、前記データ線171及び前記ドレイン電極175は、アルミニウムを含みうる。図10〜図15において、データ線171とその端部179、ソース電極173、及びドレイン電極175に対し、下部膜には英文字p、中間膜にはq、上部膜には英文字rという符号を付けて示している。
【0048】
次いで、不純物半導体164においてデータ線171及びドレイン電極175で覆われず露出される部分を除去し、突出部163を有する複数の線状オーミック接触部材161と、複数の島状オーミック接触部材165とを完成する一方、その下の真性半導体151の一部(154)を露出させる。
【0049】
複数のデータ線171及び複数のドレイン電極175が形成される基板110を本発明の実施形態に係る洗浄剤を用いて洗浄した後、図13〜図15に示すように、保護膜180を積層しゲート絶縁膜140と共にパターニングして、保護膜180及びゲート絶縁膜140中にゲート線121の端部129、データ線171の端部179、第1維持電極133aの固定端付近の維持電極線131の一部、第1維持電極133aの自由端の突出部の一部、並びにドレイン電極175の、それぞれの上部膜129q、179r、131q、133aq、及び175rを露出させる複数のコンタクトホール(それぞれ181、182、183a、183b、及び185)を形成することが可能である。
【0050】
その後、前記コンタクトホール181、182、183a、183b、及び185を介して露出した上部膜(それぞれ129q、179r、131q、133aq、及び175r)の各部分を全面エッチングで除去し、下部膜または中間膜(それぞれ129p、179q、131p、133ap、及び175q)を露出させてから、保護膜180が形成される基板100を本発明の実施形態に係る洗浄剤で洗浄する。
【0051】
基板110を洗浄した後、図1〜図3に示すように、保護膜180上に前記ドレイン電極175と接続される複数の画素電極191、複数の接触補助部材81、82、及び複数の接続ブリッジ83を形成する。
【0052】
次に、本発明の実施形態に係る洗浄剤の洗浄力の実験結果について図16及び図17を用いて説明する。図16及び図17は本発明の一実施形態による実験例で各洗浄剤による基板の洗浄の程度を走査型電子顕微鏡(SEM)で測定した結果を示す図である。
【0053】
実験例では、ガラスからなる基板110をヒトの指紋やホコリ粒子で人為的に汚染させた後、汚染された基板110を各々超純水、従来の洗浄剤TMAHを0.4質量%含む洗浄剤、そして本発明の実施形態に係る洗浄剤で1分間洗浄し、その汚染の程度をSEMで測定した。このとき、洗浄剤の種類を除いて、他の洗浄条件は同一にした。
【0054】
図16において、(a)は基板をヒトの指紋で汚染させた後に測定したSEM写真である。(b)、(c)、及び(d)は、(a)の基板を同一条件下で、各々、超純水で、TMAHを0.4質量%含む洗浄剤で、及び本発明の実施形態に係る洗浄剤で洗浄した基板を測定したSEM写真である。なお、(d)については、本発明の実施形態に係る洗浄剤をATC−2000という記号で示している。図16に示すように、汚染が酷い(a)基板を超純水で洗浄した(b)に比して、各々、TMAHを含む洗浄剤、及び本発明の実施形態に係る洗浄剤で洗浄した(c)及び(d)において汚染物質がほとんど除去されたことが分かる。
【0055】
図17の(a)は基板上にホコリ粒子で汚染させた後に測定したSEM写真である。(b)、(c)、及び(d)は、(a)の基板を同一条件下で、各々、超純水で、TMAHを0.4質量%含む洗浄剤で、及び本発明の実施例による洗浄剤で洗浄した基板を測定したSEM写真である。図16の結果と同様に、酷く汚染された基板を超純水で洗浄した(b)の場合、汚染粒子の除去程度は極めて少ないが、TMAHを含む洗浄剤及び本発明の実施例による洗浄剤で洗浄した(c)及び(d)においては汚染物質がほとんど除去されたことが分かる。
【0056】
このように、本発明の実施形態に係る洗浄剤の洗浄力は非常に優れていることが認められる。
【0057】
次に本発明の実施形態に係る洗浄剤と、一般的に用いられる洗浄剤TMAHを含む洗浄剤との洗浄力を比較するための実験を行なった。
【0058】
実験例では、液晶表示装置の製造工程により形成されるITO膜と、有機物質からなる膜とをそれぞれ形成した後、基板を洗浄する前と、洗浄した後における各層の表面の水に対する接触角を測定する実験をした。このとき、基板の洗浄には、本発明の実施形態に係る洗浄剤と、TMAHを0.4質量%含む洗浄剤をそれぞれ用い、3分と5分間洗浄してから接触角を測定した。洗浄剤を除いた他の実験条件は同一にした。実験例による各層における接触角(単位:°)を測定した結果を表1に示す。
【0059】
【表1】

【0060】
表1から、何の薄膜も形成されていない基板を各々、TMAHを含む洗浄剤、及び本発明の実施形態に係る洗浄剤で洗浄すると、基板の表面で水に対する接触角が顕著に減少することが分かる。また、洗浄時間が長くなるほど表面における水に対する接触角がさらに大きく減少する。
【0061】
ITO膜または有機膜を形成した後に、それぞれの膜表面における接触角を測定した結果によれば、接触角は洗浄した後に減少している。さらに、本発明の実施形態に係る洗浄剤で洗浄した基板の薄膜表面における水に対する接触角は、TMAHを含む洗浄剤で洗浄した基板の薄膜表面における水に対する接触角とほぼ同様の大きさに減少するか、あるいは、さらに大きく減少している。
【0062】
このように、程度の差はあるものの、TMAHを含む洗浄剤を用いて洗浄した場合と、本発明の実施形態に係る洗浄剤を用いて洗浄した場合とで、基板または薄膜表面における水に対する接触角はほぼ同様の大きさに減少することが認められる。
【0063】
一般に薄膜の表面における水に対する接触角が低いほど親水性が強く、その表面から汚染物質が多く除去されたことを間接的に示している。従って、本発明の実施形態に係る洗浄剤を用いて洗浄すると、従来のTMAHを含む洗浄剤と類似した洗浄効果が得られることが分かる。次に、本発明の実施形態に係る洗浄剤と、一般的に用いる洗浄剤TMAHを含む洗浄剤とで洗浄した後に、アルミニウムの腐食程度を測定するための実験をした。実験例では、基板上に約640nm厚さのアルミニウム薄膜を形成した後に、本発明の実施形態に係る洗浄剤と、TMAHとを、各々0.4質量%含む洗浄剤で洗浄し、再びアルミニウム層の厚さを測定した。このとき、洗浄剤の種類を除いて他の実験条件を同一にした。この実験結果を表2に示す。
【0064】
【表2】

【0065】
表2から、アルミニウム薄膜を形成した後、TMAHを含む洗浄剤で洗浄すると、アルミニウムの損傷が酷くなることが分かる。反面、本発明の実施形態に係る洗浄剤で洗浄する場合には、アルミニウムの損傷はほとんど無いことが分かる。
【0066】
このような実験結果を総合すると、本発明の実施形態に係る洗浄剤は、従来のTMAHを含む洗浄剤と同等の優れた洗浄力を有するとともに、アルミニウムを腐食させないということが分かる。
【0067】
このような実験結果を総合すると、本発明における洗浄剤を用いることにより、アルミニウム配線を有する液晶表示装置の製造時に、アルミニウム配線を腐食させることなく、汚染物質の除去に対する優れた能力とともに、製品の品質及び性能を良好に維持できることが分かる。
【0068】
尚、本発明は、上述の実施例に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【0069】
例えば、上述した実施形態における薄膜トランジスタ表示板の製造方法では、ゲート金属層のエッチング後、半導体層のエッチング後、及びデータ金属層のエッチング後において、本発明の実施形態に係る洗浄剤を用いて基板を洗浄した。しかしながら、本発明の薄膜トランジスタ表示板の製造方法においては、上記の場合に制限されることなく、連続的に積層される2つの薄膜層の積層処理の間に行われさえすればよい。
【0070】
すなわち、本発明における薄膜トランジスタ表示板の製造方法は、基板上に第1薄膜層を積層し、前記第1薄膜層をフォトエッチング工程でパターニングし、前記第1薄膜層が形成されている基板を洗浄し、洗浄された前記基板上に第2薄膜層を積層することを含み、前記洗浄は、超純水と、サイクリックアミンと、ピロガロールと、ベンゾトリアゾールと、メチルグリコールとを含む洗浄剤を用いて行われる。なお、本発明で用いる洗浄剤の各成分の含有率の好ましい範囲などについても当該先の実施形態と同様であるため、ここでは省略する。
【0071】
上述した実施形態において、例えば、ゲート線を形成する処理においては、第1薄膜層はゲート金属層であり、第2薄膜層はゲート絶縁膜である。また、真性半導体及び不純物半導体を形成する処理においては、第1薄膜層は半導体層であり、第2薄膜層はデータ金属層である。また、データ線及びドレイン電極を形成する処理においては、第1薄膜層はデータ金属層であり、第2薄膜層は保護膜である。
【0072】
また、前記第1薄膜層は、アルミニウムを含む第1層と、アルミニウム以外の導電性物質からなる第2層とからなる2重膜構造を有してもよい。以下に制限されることはないが、上述した実施形態では、例えば前記ゲート金属層がありうる。
【0073】
また、前記第1薄膜層は、アルミニウムを含む第1層と、前記第1層の上及び下に各々配置され、アルミニウム以外の導電性物質からなる第2層と第3層とからなる3重膜構造を有してもよい。以下に制限されることはないが、上述した実施形態では、例えば前記データ金属層がありうる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一実施形態に係る薄膜トランジスタ表示板の上から見た配置図である。
【図2】図1に示す薄膜トランジスタ表示板のII−II線に沿った断面図である。
【図3】図1に示す薄膜トランジスタ表示板のIII−III線に沿った断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る薄膜トランジスタ表示板の製造方法の一段階を示した配置図である。
【図5】図4に示す薄膜トランジスタ表示板のV−V線に沿った断面図である。
【図6】図4に示す薄膜トランジスタ表示板のVI−VI線に沿った断面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る薄膜トランジスタ表示板の製造方法の一段階を示した配置図である。
【図8】図7に示す薄膜トランジスタ表示板のVIII−VIII線に沿った断面図である。
【図9】図7に示す薄膜トランジスタ表示板のIX−IX線に沿った断面図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る薄膜トランジスタ表示板の製造方法の一段階を示した配置図である。
【図11】図10に示す薄膜トランジスタ表示板のXI−XI線に沿った断面図である。
【図12】図10に示す薄膜トランジスタ表示板のXII−XII線に沿った断面図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る薄膜トランジスタ表示板の製造方法の一段階を示した配置図である。
【図14】図13に示す薄膜トランジスタ表示板のXIV−XIV線に沿った断面図である。
【図15】図13に示す薄膜トランジスタ表示板のXV−XV線に沿った断面図である。
【図16】洗浄剤による基板の洗浄の程度をSEMで測定した結果を示す写真である。
【図17】洗浄剤による基板の洗浄の程度をSEMで測定した結果を示す写真である。
【符号の説明】
【0075】
81、82 接触補助部材、
83 接続ブリッジ、
110 基板、
131 維持電極線、
132 (維持電極線の)幹線、
133a 第1維持電極、
133b 第2維持電極、
121 ゲート線、
124 ゲート電極、
129 (ゲート線の)端部、
140 ゲート絶縁膜、
151 (真性)半導体、
154 (真性半導体の)突出部、
161 不純物半導体、線状オーミック接触部材、
163 (不純物半導体の)突出部、
165 不純物半導体、線状オーミック接触部材、
171 データ線、
179 (データ線の)端部、
173 ソース電極、
175 ドレイン電極、
180 保護膜、
181、182、183a、183b、185 コンタクトホール、
191 画素電極。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超純水と、
サイクリックアミンと、
ピロガロールと、
ベンゾトリアゾールと、
メチルグリコールとを含むことを特徴とする、薄膜トランジスタ表示板用洗浄剤。
【請求項2】
前記超純水の含有率は85質量%〜99質量%であることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜トランジスタ表示板用洗浄剤。
【請求項3】
前記サイクリックアミンの含有率は0.01質量%〜1.0質量%であることを特徴とする、請求項1または2に記載の薄膜トランジスタ表示板用洗浄剤。
【請求項4】
前記洗浄剤における前記ピロガロール及び前記ベンゾトリアゾールの含有率は合わせて2質量%以内であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ表示板用洗浄剤。
【請求項5】
前記ピロガロールの含有率は0.01質量%〜1.0質量%であることを特徴とする、請求項4に記載の薄膜トランジスタ表示板用洗浄剤。
【請求項6】
前記ベンゾトリアゾールの含有率は0.01質量%〜1.0質量%であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ表示板用洗浄剤。
【請求項7】
前記メチルグリコールの含有率は0.01質量%〜1.0質量%であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ表示板用洗浄剤。
【請求項8】
基板上に第1薄膜層を積層し、
前記第1薄膜層をフォトエッチング工程でパターニングし、
前記第1薄膜層が形成されている基板を洗浄し、
洗浄された前記基板上に第2薄膜層を積層することを含み、
前記洗浄は、超純水と、サイクリックアミンと、ピロガロールと、ベンゾトリアゾールと、メチルグリコールとを含む洗浄剤を用いて行なうことを特徴とする、薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項9】
前記洗浄剤における前記超純水の含有率は85質量%〜99質量%であることを特徴とする、請求項8に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項10】
前記洗浄剤における前記サイクリックアミンの含有率は0.01質量%〜1.0質量%であることを特徴とする、請求項8または9に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項11】
前記洗浄剤における前記ピロガロール及び前記ベンゾトリアゾールの含有率は合わせて2質量%以内であることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項12】
前記洗浄剤における前記ピロガロールの含有率は0.01質量%〜1.0質量%であることを特徴とする、請求項11に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項13】
前記洗浄剤における前記ベンゾトリアゾールの含有率は0.01質量%〜1.0質量%であることを特徴とする、請求項8〜12のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項14】
前記洗浄剤における前記メチルグリコールの含有率は0.01質量%〜1.0質量%であることを特徴とする、請求項8〜13のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項15】
前記第1薄膜層はアルミニウムを含むことを特徴とする、請求項8〜14のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項16】
前記第1薄膜層は、アルミニウムを含む第1層と、アルミニウム以外の導電性物質からなる第2層とからなる2重膜構造を有することを特徴とする、請求項8〜15のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項17】
前記第1薄膜層は、アルミニウムを含む第1層と、前記第1層の上及び下に各々配置され、アルミニウム以外の導電性物質からなる第2層と第3層とからなる3重膜構造を有することを特徴とする、請求項8〜16のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項18】
基板上にゲート線を形成し、
前記ゲート線が形成されている前記基板を洗浄し、
洗浄された前記基板上にゲート絶縁膜を積層し、
前記ゲート絶縁膜上に真性半導体及び不純物半導体を形成し、
前記不純物半導体上にデータ線及びドレイン電極を形成し、
前記ドレイン電極と接続するように画素電極を形成し、
前記洗浄は、超純水と、サイクリックアミンと、ピロガロールと、ベンゾトリアゾールと、メチルグリコールとを含む洗浄剤を用いて行うことを特徴とする薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項19】
前記洗浄剤における前記超純水の含有率は85質量%〜99質量%であることを特徴とする、請求項18に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項20】
前記洗浄剤における前記サイクリックアミンの含有率は0.01質量%〜1.0質量%であることを特徴とする、請求項18または19に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項21】
前記洗浄剤における前記ピロガロール及び前記ベンゾトリアゾールの含有率は合わせて2質量%以内であることを特徴とする、請求項18〜20のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項22】
前記洗浄剤における前記ピロガロールの含有率は0.01質量%〜1.0質量%であることを特徴とする、請求項21に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項23】
前記洗浄剤における前記ベンゾトリアゾールの含有率は0.01質量%〜1.0質量%であることを特徴とする、請求項18〜22のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項24】
前記洗浄剤における前記メチルグリコールの含有率は0.01質量%〜1.0質量%であることを特徴とする、請求項18〜23のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項25】
前記ゲート線はアルミニウムを含むことを特徴とする、請求項18〜24のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項26】
前記ゲート線は、アルミニウムを含む第1層と、アルミニウム以外の導電性物質からなる第2層とからなる2重膜構造を有することを特徴とする請求項18〜25のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項27】
前記データ線及び前記ドレイン電極はアルミニウムを含むことを特徴とする請求項18〜26のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項28】
前記データ線及び前記ドレイン電極はアルミニウムを含む第1層と、前記第1層の上及び下に各々配置され、アルミニウム以外の導電性物質からなる第2層と第3層とからなる3重膜構造を有することを特徴とする請求項27に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項29】
前記データ線及び前記ドレイン電極が形成されている基板を洗浄し、前記洗浄された基板上に保護膜を形成することをさらに含むことを特徴とする請求項18〜28のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項30】
前記洗浄は、超純水と、サイクリックアミンと、ピロガロールと、ベンゾトリアゾールと、メチルグリコールとを含む洗浄剤を用いることを特徴とする請求項29に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項31】
前記洗浄剤における前記ピロガロール及び前記ベンゾトリアゾールの含有率は合わせて2質量%以内であることを特徴とする請求項30に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項32】
前記洗浄剤における超純水の含有率は85質量%〜99質量%であり、サイクリックアミンの含有率は0.01質量%〜1.0質量%であり、ピロガロールの含有率は0.01質量%〜1.0質量%であり、ベンゾトリアゾールの含有率は0.01質量%〜1.0質量%であり、そしてメチルグリコールの含有率は0.01質量%〜1.0質量%であることを特徴とする請求項31に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2007−158349(P2007−158349A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−329853(P2006−329853)
【出願日】平成18年12月6日(2006.12.6)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】