説明

薄膜製造方法および薄膜素子

【課題】低コストで安定した品質の薄膜を製造することができる薄膜製造方法を提供する。
【解決手段】薄膜製造方法であって、基板20上に形成させる薄膜の原料溶液中に、基板20を配置する配置工程と、基板20の第1主面20aに光を照射することにより、第1主面20a上に薄膜を形成する形成工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜製造方法および薄膜素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圧電素子などの薄膜形成方法として、化学溶液堆積法(CSD法)が知られている。CSD法では、基板上に原料溶液を塗布、乾燥、焼成させることにより、基板表面に薄膜を形成する。例えば特許文献1には、金属酸化物前駆体と色素を含む金属酸化物前駆体溶液を用いた誘電体薄膜の形成方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、CSD法では、金属酸化物前駆体溶液の塗布乾燥工程において非常に大きな労力を要しコスト高となっていた。さらに、乾燥工程においては、薄膜に亀裂が入りやすいという問題もあった。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、低コストで安定した品質の薄膜を製造することができる薄膜製造方法および薄膜素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、薄膜製造方法であって、基板上に形成させる薄膜の原料溶液中に、前記基板を配置する配置工程と、前記基板の第1主面に光を照射することにより、前記第1主面上に前記薄膜を形成する形成工程とを有することを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、薄膜素子であって、基板上に形成させる薄膜の原料溶液中に、前記基板を配置する配置工程と、前記基板の第1主面に光を照射することにより、前記第1主面上に前記薄膜を形成する形成工程とを有する薄膜製造方法により製造された前記薄膜を用いたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、低コストで安定した品質の薄膜を製造することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、第1の実施の形態にかかる薄膜製造方法を説明するための図である。
【図2】図2は、薄膜パターン30を示す図である。
【図3】図3は、本実施の形態にかかる薄膜製造方法により形成された薄膜を活性層として用いた圧電素子50を示す図である。
【図4】図4は、第1の実施の形態にかかる薄膜製造方法の第1の変更例を説明するための図である。
【図5】図5は、電極層40の第1主面40a上に形成された薄膜パターン30を示す図である。
【図6】図6は、第1の実施の形態の第4の変更例を説明するための図である。
【図7】図7は、第2の実施の形態にかかる薄膜製造方法を説明するための図である。
【図8】図8は、第2の実施の形態の第3の変更例を説明するための図である。
【図9】図9は、第2の実施の形態の第4の変更例を説明するための図である。
【図10】図10は、第3の実施の形態にかかる薄膜製造方法を説明するための図である。
【図11】図11は、第3の実施の形態の第1の変更例を説明するための図である。
【図12】図12は、第3の実施の形態の第2の変更例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる薄膜製造方法および薄膜素子の一実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる薄膜製造方法を説明するための図である。なお、本実施の形態においては、圧電素子に利用される薄膜にかかる薄膜製造方法を例に説明する。図1に示すように、反応容器10に保持台11を設置し、保持台11上に薄膜を形成させる基板20を配置する。基板20としては、例えばシリコン基板を用いることができる。反応容器10には、金属酸化物前駆体溶液12が満たされている。基板20の上部には、第1光源13が設置されている。第1光源13は、波長400nm以上のレーザ光を照射する。
【0011】
基板20の表面、すなわち第1主面20aに第1光源13からレーザ光を照射させる。なお、第1主面20aは、基板20の2つの主面のうち第1光源13に近い方の面である。これにより、図2に示すように、第1主面20a上の、レーザ光が照射された部分に金属酸化物前駆体から得られた金属酸化物アモルファスまたは金属酸化物結晶の薄膜パターン30、すなわち金属酸化物薄膜が形成される。
【0012】
第1光源13は基板20の第1主面20a上の各位置に光を照射することができる。これにより、基板20の第1主面20a上の所望の位置にレーザ光を照射し、薄膜パターン30を形成することができる。なお、基板20に照射する光としては、金属酸化物前駆体溶液12に応じて薄膜形成に適切な波長の光を選択すればよく、レーザ光に限定されるものではない。
【0013】
なお、基板を金属酸化物前駆体溶液に浸す以外の工程は、従来のゾル−ゲル法による薄膜形成プロセスと同様であり、金属酸化物前駆体溶液も、ゾル−ゲル法において、基板に添付される金属酸化物前駆体溶液と同様である。
【0014】
金属酸化物前駆体溶液12中で薄膜を形成した後、基板20を金属酸化物前駆体溶液12から取り出す際には、溶剤による超音波洗浄またはリンス洗浄を行う。溶剤としては、比較的揮発しやすく液中水分量の少ないものが好ましい。具体的には、アセトン、エタノール、IPAなどを用いることができる。これにより、金属酸化物前駆体溶液12中の金属アルコキシドが基板上に残り残渣を生じるのを防ぐことができる。
【0015】
さらに、上記洗浄後、形成された薄膜の状態(主に結晶形態の違い)によって、適宜、熱処理を施す。薄膜が結晶の場合には、乾燥の意味合いで結晶形に変化を与えない範囲の温度で3〜10分の加熱工程を行う。加熱温度は例えば100〜150℃程度とする。雰囲気は、通常は大気雰囲気である。ただし、薄膜の性質に応じ、適宜、適切な雰囲気を用いる。例えば、薄膜に潮解性がある場合には残留水分の少ない不活性ガス雰囲気とする。また、薄膜が非晶質の場合に、例えばピエゾ材料のように、材料によっては結晶化させないと機能を発現しない材料もある。このような材料の場合には、結晶化のための加熱工程を行う。加熱温度、時間は材料に依存するが、PZTの場合は概ね600〜800℃で時間は1〜10分加熱する。
【0016】
金属酸化物前駆体としては、具体的には、金属酸化物薄膜を形成可能な物質、すなわち金属酸化物アモルファスまたは金属酸化物結晶を形成可能な物質を用いることができる。具体的には、金属アルコキシド、β−ジケトナート錯体、および金属キレートなどの金属錯体、金属カルボンサン塩などがある。溶媒としては、エタノール系の有機溶媒を用いることができる。
【0017】
金属アルコキシドとしては、Si,Ge,Ga,As,Sb,Bi,V,Na,Ba,Sr,Ca,La,Ti,Ta,Zr,Cu,Fe,W,Co,Mg,Zn,Ni,Nb,Pb,Li,K,Sn,Al,Smなどの金属のアルコキシドが挙げられる。さらに、OCH,OC,OC,OC,OCOCHなどのアルコキシル基を有する金属アルコキシドを用いることができる。
【0018】
また、β−ジケトナート錯体としては、例えば、金属とアセチルアセトン,ベンゾイルアセトン,ベンゾイルトリフルオロアセトン,ベンゾイルジフルオロアセトン,ベンゾイルフルオロアセトン等を用いることができる。
【0019】
金属カルボン酸塩としては、例えば、酢酸バリウム,酢酸銅(II),酢酸リチウム,酢酸マグネシウム,酢酸鉛,シュウ酸バリウム,シュウ酸カルシウム,シュウ酸銅(II),シュウ酸マグネシウム,シュウ酸スズ(II)等を用いることができる。溶媒としては、アルコール系の有機溶媒を用いることができる。溶液の濃度は、0.1〜1mol/lが望ましく、更に望ましくは0.3〜0.7mol/lである。なお、濃度の上限は、液の安定性の観点より規定される値である。濃度の下限は、薄膜の堆積速度より規定される値である。
【0020】
本実施の形態においては、金属酸化物前駆体溶液12に基板20を浸した状態でレーザ光を照射するため、レーザ光が照射された部分にのみ薄膜が形成される。したがって、従来のゾル−ゲル法における、金属酸化物前駆体溶液の添付乾燥の工程、金属酸化物前駆体を取り除くためのドライエッチングまたはウェットエッチングの工程を不要とすることができる。これらの工程は、非常にコストのかかる工程であり、本実施の形態にかかる薄膜製造方法においては、これらの工程を不要とすることにより、大幅なコスト減を実現することができる。
【0021】
さらに、成膜反応が金属酸化物前駆体溶液12中において行われるため、成膜反応の間金属酸化物前駆体溶液12が常に供給されることとなり、薄膜中に亀裂が生じ難くなる。
【0022】
本実施の形態にかかる薄膜製造方法により形成された薄膜は、例えば、超音波圧電素子、不揮発性メモリ素子、アクチュエータ素子などに利用することができる。アクチュエータ素子は、例えばインクジェットプリンタの記録ヘッドに利用される。
【0023】
図3は、本実施の形態にかかる薄膜製造方法により形成された薄膜を活性層として用いた圧電素子50を示す図である。圧電素子50は、圧電体膜51と、圧電体膜51の第1主面51a上に形成された第1電極52と、圧電体膜51の第2主面51b上に形成された第2電極53とを有している。圧電体膜51は、薄膜製造方法により形成された薄膜である。第1電極52および第2電極53には、例えば白金(Pt)や、光透過性の高いランタンニッケルオキサイド、ストロンチウムルテニウムオキサイドなど導電性を有する材料を用いることができる。第1電極52および第2電極53は、例えばスパッタ法または真空蒸着法により形成することができる。
【0024】
図4は、第1の実施の形態にかかる薄膜製造方法の第1の変更例を説明するための図である。第1の変更例にかかる薄膜製造方法では、第1主面20aに既に電極層40が形成された基板20を用いる。電極層40には、導電性を有する材料を用いることができ、スパッタ法等により形成される。なお、電極層40はパターン化された状態で基板20に積層されていてもよい。
【0025】
電極層40が形成された基板20を金属酸化物前駆体溶液12に浸すことにより、図5に示すように電極層40の第1主面40a上に薄膜パターン30が形成される。なお、これ以外の工程は、第1の実施の形態にかかる薄膜製造方法と同様である。
【0026】
また、第2の変更例としては、基板20の第1主面20aに電極層40に替えて、第1光源13から照射される特定の波長のレーザ光を吸収する光吸収層が形成された基板20を用いてもよい。また、光吸収層は、パターン化された状態で基板20に積層されていてもよい。光吸収層としては、レーザ光の波長に依存するが、例えば、SiO、SiN、TiO、SiC等の金属酸化物、窒化物、炭化物を用いることができる。
【0027】
光吸収層が形成された基板20を金属酸化物前駆体溶液12に浸すことにより、光吸収層の第1主面上に薄膜パターンが形成される。なお、これ以外の工程は、電極層40の第1主面40a上に薄膜を形成する場合と同様である。光吸収層を設けることにより、基板20の光吸収率を向上させ、より多くのエネルギーを吸収させることができる。
【0028】
また、第3の変更例としては、第1の変更例において説明した電極層40は光吸収層を兼ねるものであってもよい。光吸収層を兼ねる電極層40としては、電極としても機能する材料、すなわちLaNi0、SrRuO、ITO等の酸化物電極を用いることができる。
【0029】
また、第4の変更例としては、図6に示すように、基板20の第1主面20aの裏面である第2主面20bに光反射層60が形成された状態で、基板20を金属酸化物前駆体溶液12に浸してもよい。これにより、光反射層60により反射されたレーザ光が再び基板20に入射するので、成膜反応を促進することができる。光反射層60としては、使用するレーザ光の波長に依存するが、Au、Ag、Al、Pt、等の金属を用いることができる。
【0030】
また、第5の変更例としては、本実施の形態においては、圧電素子として利用される薄膜を形成する例について説明したが、形成される薄膜の種類は実施の形態に限定されるものではなく、上記薄膜製造方法により、各種薄膜を形成することができる。なお薄膜製造に際しては、各薄膜の原料となる原料溶液中に、基板を浸せばよく、原料溶液および基板の材料は実施の形態に限定されるものではない。
【0031】
本実施の形態にかかる薄膜製造方法により製造される薄膜の一例としては、透光性および電気光学効果を有する薄膜が挙げられる。透光性および電気光学効果を有する薄膜は、光導波路、光スイッチ、空間変調素子および画像メモリ等に利用することができる。
【0032】
(第2の実施の形態)
図7は、第2の実施の形態にかかる薄膜製造方法を説明するための図である。図7に示すように、本実施の形態においては、薄膜形成工程において、第1水流モータ15により金属酸化物前駆体溶液12を流動させる。より具体的には、第1水流モータ15は、反応容器10内に設置され、金属酸化物前駆体溶液12を基板20の第1主面20aに平行な方向に流動させる。
【0033】
これにより、薄膜形成工程において発生する分解生成物を速やかに除去することができる。すなわち、分解生成物による薄膜形成阻害を防止することができる。
【0034】
なお、第2の実施の形態にかかる薄膜製造方法のこれ以外の工程は、第1の実施の形態にかかる薄膜製造方法と同様である。
【0035】
第2の実施の形態にかかる薄膜製造方法の第1の変更例としては、流動方向は本実施の形態に限定されるものではなく、例えば基板20の略中心を中心とする円周方向に金属酸化物前駆体溶液12を流動させてもよい。
【0036】
また、第2の変更例としては、第1水流モータ15により金属酸化物前駆体溶液12を流動させるのに替えて超音波発生器により金属酸化物前駆体溶液12中に超音波を発生させることにより、金属酸化物前駆体溶液12を流動させてもよい。
【0037】
図8は、第3の変更例を説明するための図である。第3の変更例においては、第1主面20aが垂直方向に対して平行になるように、基板20を保持台11上に配置する。さらに、反応容器10には、第1光源13からのレーザ光が透過する素材で形成されたものを用い、第1光源13からのレーザ光を略水平方向に照射することにより、基板20の第1主面20a上に薄膜を形成する。なお、この場合においても、第1光源13は、移動可能であり、基板20の第1主面20aの各位置にレーザ光を照射可能であることとする。
【0038】
さらに、反応容器10内に第2水流モータ16を設置し、薄膜形成工程において、第2水流モータ16により重力に対向する方向、すなわち、反応容器10の底から水面に向かう方向に金属酸化物前駆体溶液12を流動させる。
【0039】
これにより、薄膜形成工程において発生する分解生成物を速やかに除去することができる。さらに、反応生成物は金属酸化物前駆体溶液12に比べて比重が軽く水面方向に移動するところ、このように、第2水流モータ16により金属酸化物前駆体溶液12を流動させることにより、反応生成物の水面方向への移動を速めることができる。
【0040】
図9は、第4の変更例を説明するための図である。第4の変更例においては、金属酸化物前駆体溶液12を流動させるのに替えて基板20の保持台11を回転させることにより、基板20に対し相対的に金属酸化物前駆体溶液12を流動させる。本例においては、図9に示すように、保持台11には、保持台用モータ17が内蔵され、保持台用モータ17により保持台11は、基板20の略中心を軸として回転する。なお、保持台11は金属酸化物前駆体溶液12を流動させるように動作すればよく、例えば、直線上の2点の間の往復移動を繰り返してもよく、また他の例としては、振動してもよい。
【0041】
(第3の実施の形態)
図10は、第3の実施の形態にかかる薄膜製造方法を説明するための図である。図10に示すように、本実施の形態においては、薄膜形成工程において、第1光源13からのレーザ光に加えてさらに、第2光源18から別の励起光を照射する。第2光源18は、例えばUV、可視光、またはIRなどの光を照射する。なお、第2光源18から照射される光は、薄膜形成のための反応を開始させるために必要なエネルギーよりも小さいエネルギーの光であることとする。また、第2光源18から照射される光は、基板10全体に照射されることとする。なお、第1光源13は、薄膜30を形成させる位置にスポット的にレーザ光を照射する。
【0042】
第2光源18によりある程度のエネルギーを付与しておき、第1光源13からのレーザ光をスイッチ的に照射することにより、第1光源13からのレーザ光の出力を低く抑えることができる。1つの光源からのレーザ光のみでは、成膜反応に必要なエネルギーを得るために、高い出力が必要になる場合や、必要なエネルギーが得られない場合がある。これに対し、本実施の形態においては、第1光源13からのレーザ光の他、別の光源から光を照射することにより、反応に必要なエネルギーを得ることとしたので、第1光源13として高出力の光源を必要とせず、コストを低減することができる。
【0043】
なお、第3の実施の形態における薄膜製造方法におけるこれ以外の工程は、第1の実施の形態において説明した薄膜製造方法における工程と同様である。
【0044】
第3の実施の形態の第1の変更例としては、薄膜形成工程において、第1光源13からのレーザ光のほか、光にかえて、熱エネルギーを加えてもよい。図11に示す例においては、基板20内にマイクロヒータ19を埋め込む。そして、薄膜形成工程において、マイクロヒータ20をオンし、基板20全体を加熱する。この状態で、第1光源13からレーザ光を照射することにより、薄膜を形成する。
【0045】
この場合にも、マイクロヒータ19による基板10の加熱により、ある程度のエネルギーが付与されているので、第1光源13からのレーザ光の出力を低く抑えることができる。
【0046】
また、第2の変更例としては、図12に示すように、基板20には、マイクロヒータを兼ねた電極層41が形成されていてもよい。この場合にも、第1の変更例において説明したのと同様に、薄膜形成工程において、マイクロヒータをオンし、基板全体を加熱しておく。そして、この状態で、第1光源13からレーザ光を照射する。これにより、マイクロヒータにより電極層41が加熱されるので、第1光源13からのレーザ光の出力を低く抑えることができる。
【符号の説明】
【0047】
10 反応容器
11 保持台
12 金属酸化物前駆体溶液
13 第1光源
15 第1水流モータ
16 第2水流モータ
17 保持台モータ
18 第2光源
19 マイクロヒータ
20 基板
30 薄膜パターン
40,41 電極層
50 発電素子
51 圧電体膜
52 第1電極
53 第2電極
60 光反射層
【先行技術文献】
【特許文献】
【0048】
【特許文献1】特許第4108502号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成させる薄膜の原料溶液中に、前記基板を配置する配置工程と、
前記基板の第1主面に光を照射することにより、前記第1主面上に前記薄膜を形成する形成工程と
を有することを特徴とする薄膜製造方法。
【請求項2】
前記原料溶液は、金属酸化物前駆体溶液であり、前記薄膜は、金属酸化物薄膜であり、
前記形成工程において、波長400nm以上の前記光を照射することにより、照射部分に前記薄膜としての金属酸化物を形成することを特徴とする請求項1に記載の薄膜製造方法。
【請求項3】
前記配置工程において、前記基板の前記第1主面上に電極層が積層された前記基板を前記原料溶液中に配置し、
前記形成工程において、前記電極層上に前記薄膜を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜製造方法。
【請求項4】
前記基板にはパターン化された前記電極層が積層されていることを特徴とする請求項3に記載の薄膜製造方法。
【請求項5】
前記電極層は、光吸収層を兼ねることを特徴とする請求項3に記載の薄膜製造方法。
【請求項6】
前記配置工程において、前記基板の前記第1主面上に光吸収層が積層された前記基板を前記原料溶液中に配置し、
前記形成工程において、前記光吸収層上に前記薄膜を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜製造方法。
【請求項7】
前記基板にはパターン化された前記光吸収層が積層されていることを特徴とする請求項6に記載の薄膜製造方法。
【請求項8】
前記基板のうち、前記第1主面の裏面である第2主面上に前記光を反射する光反射層が形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の薄膜製造方法。
【請求項9】
前記形成工程において、前記原料溶液を流動させることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の薄膜製造方法。
【請求項10】
前記配置工程において、前記基板の前記第1主面と水平方向とが平行になるように前記基板を配置し、
前記形成工程において、モータにより前記基板の前記第1主面に対して平行な方向に前記原料溶液を流動させることを特徴とする請求項9に記載の薄膜製造方法。
【請求項11】
前記形成工程において、超音波発生器により前記原料溶液中に超音波を発生させることにより、前記原料溶液を流動させることを特徴とする請求項9に記載の薄膜製造方法。
【請求項12】
前記配置工程において、前記基板の前記第1主面と垂直方向とが平行になるように前記基板を配置し、
前記形成工程において、モータにより重力と対向する方向に前記原料溶液を流動させることを特徴とする請求項9に記載の薄膜製造方法。
【請求項13】
前記形成工程において、前記光と共に、励起光を前記第1主面に照射することを特徴とする請求項1から12に記載の薄膜製造方法。
【請求項14】
前記形成工程において、前記基板を加熱することを特徴とする請求項1から12に記載の薄膜製造方法。
【請求項15】
前記形成工程において、前記基板に内蔵されたマイクロヒータにより前記基板を加熱することを特徴とする請求項14に記載の薄膜製造方法。
【請求項16】
前記請求項1から15のいずれか一項に記載の薄膜製造方法により製造された前記薄膜を用いたことを特徴とする薄膜素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−114088(P2011−114088A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267906(P2009−267906)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】