説明

薄膜電気デバイスを製造するシステム及び方法

薄膜電気デバイスを基板上に製造するシステムを使用する方法が一実施例により与えられる。本システムはチャンバ及び気体ゲートを含む。チャンバはその中に集積装置を含む。集積装置はチャンバ内にて基板の一部分を集めるべく構成される。気体ゲートは、チャンバの圧力領域と第2圧力領域との流体連通を与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は一般に、大量の薄膜電気デバイスを製造するシステムに関する。特に、一以上の堆積プロセスを有する製造システムに関する。
【0002】
政府の関心
本願発明は、少なくとも一部では米国政府の国立標準技術局(NIST)の受賞番号第70NANB3H3030のもとでなされた。政府は本願発明に関する権利を有する。
【背景技術】
【0003】
本開示は、例えば無機及び有機半導体デバイス及び回路、有機光起電デバイス、無機膜、無機インク等の薄膜電気デバイスへの適用が意図されている。本開示はさらに、電気デバイス部分が配置された多層中間構造を有する薄膜電気デバイス(thin film electrical device(TFED))への適用も意図されている。当該中間構造は、TFEDの基板を通って拡散して当該電気部分を劣化させる水蒸気及び酸素を最小限にするか又は防止するべく構成される。TFEDは、例えば導電、情報処理、電流生成、光生成、情報表示等であるがこれに限られない電気機能を行うべく使用される。
【0004】
一般に、薄膜電気デバイスの製造には多くの製造プロセスが用いられる。薄膜電気デバイスの製造は多くの場合、TFEDの様々な層を形成する異なる堆積プロセスの使用を含む。例えば、TFEDの一実施例では、大気圧でのスクリーン印刷又はスロットダイプロセスにより一層が形成され、真空蒸着又は物理蒸着プロセスにより他層が形成される。さらに、大量のTFEDを経済的に製造するべく連続基板を有するロールツーロール製造プロセスを使用することが望ましい。連続基板上に様々な材料を堆積することを含む大規模なロールツーロールプロセスでTFEDを製造することには、TFEDのバッチ製造と比較して特別な課題が課される。
【0005】
TFEDにおける大きく異なる処理圧力の領域間の移行部分では、一以上の当該領域を所望圧力に維持するべくシール設備及びポンピング設備の慎重な選択が必要とされることが多い。さらに、一以上の当該領域の環境保全性も維持することが望ましい。例えば、所定領域を独自の気体環境に維持すること及び/又は当該領域の汚染物質を最小限にすることが望ましい。大気圧から真空堆積チャンバへの移行のような一アプリケーションでは、当該真空圧力領域を維持する大容量ポンピング装置すなわち複雑かつ高価な構成とともに複数のシールデバイスを使用することができる。
【0006】
さらに、TFEDの動作保全性を維持するべく、一製造プロセスから他製造プロセスへの移行中、先に堆積された層に接触することは多くの場合望ましくない。いくつかのTFED実施例では、製造プロセスの一段階において連続基板の静止部分を当該連続基板の他部分が移動している間に処理することが望ましい。
【0007】
したがって、本発明者は、大量のTFEDを生産するべく構成された製造システムの必要性を認識している。当該製造システムは、連続基板全体に材料層を正確に堆積する一以上の堆積プロセスを使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,530,341号明細書
【特許文献2】米国特許第7,211,461号明細書
【発明の概要】
【0009】
一実施例によれば、基板上に薄膜電気デバイスを製造するシステムが与えられる。本システムはチャンバ及び気体ゲートを含む。チャンバはその中に集積装置を含む。集積装置はチャンバ内にて基板の一部分を集めるべく構成される。気体ゲートは、チャンバの圧力領域と第2圧力領域との流体連通を与える。
【0010】
他実施例によれば、基板上に薄膜電気デバイスを製造するシステムが与えられる。本システムは、堆積装置、第1排気装置、第1チャンバ、第2排気装置、及び気体ゲートを含む。堆積装置は、当該堆積装置のチャンバ内における基板の一部分上に材料を堆積するべく構成される。第1排気装置は、堆積装置のチャンバと流体連通する。第1チャンバはその中に集積装置を含む。集積装置はチャンバ内にて基板の一部分を集めるべく構成される。第2排気装置は第1チャンバと流体連通する。
【0011】
気体ゲートは、第1チャンバと堆積装置のチャンバとの間に流体連通を与える。ここで、第1チャンバ内の基板の堆積部分を有する基板は、第1チャンバを通って堆積装置のチャンバ内まで延び、気体ゲートを通る。気体ゲートと、堆積装置のチャンバの排気装置と、第1チャンバの排気装置とは、堆積装置のチャンバ内の動作圧力が、第1チャンバ内の動作圧力よりも低くなるように構成される。
【0012】
他実施例に係る薄膜電気デバイスを基板上に製造するシステムが与えられる。本システムは、堆積装置と、第1排気装置と、第1チャンバと、第2チャンバと、第2排気装置と、第3排気装置と、第1気体ゲートと、第2気体ゲートとを含む。堆積装置は、当該堆積装置のチャンバ内において基板の一部分上に材料を堆積するべく構成される。第1排気装置は、堆積装置のチャンバと流体連通する。堆積装置は、第1チャンバと第2チャンバとの間に配置される。第1及び第2チャンバはそれぞれ、対応する第1及び第2チャンバ内にて基板の一部分を集めるべく構成された集積装置を中に含む。第2排気装置は第1チャンバと流体連通する。第3排気装置は第2チャンバと流体連通する。
【0013】
第1気体ゲートは、第1チャンバと堆積装置との間の流体連通を与える。第2気体ゲートは、堆積装置のチャンバと第2チャンバとの間の流体連通を与える。ここで、第1チャンバ内の基板の集積部分と第2チャンバ内の基板の集積部分とを有する基板は、第1チャンバを通り、堆積装置のチャンバを通り、及び第2チャンバを通り、並びに第1及び第2気体ゲートを通って延びる。第1及び第2気体ゲート並びに第1、第2、及び第3排気装置は、堆積装置のチャンバ内の動作圧力が、第1及び第2チャンバそれぞれの中の動作圧力よりも低くなるように構成される。
【0014】
薄膜電気デバイスを基板上に製造するシステムを使用する方法が一実施例により与えられる。本システムは、堆積装置と、第1チャンバ及び第2チャンバと、第1気体ゲート及び第2気体ゲートとを含む。堆積装置は、第1チャンバと第2チャンバとの間に配置される。第1気体ゲートは、第1チャンバと堆積装置のチャンバとの間の流体連通を与える。第2気体ゲートは、堆積装置のチャンバと第2チャンバとの間の流体連通を与える。第1チャンバ、第2チャンバ、及び堆積装置のチャンバのそれぞれは、対応するチャンバと流体連通して接続された排気装置を含む。
【0015】
本方法は、第1チャンバ、堆積装置のチャンバ、及び第2チャンバを通して並びに第1及び第2気体ゲートを通して基板を延ばすことを含む。第1及び第2チャンバはそれぞれその中に、基板の集積部分を含む。本方法はさらに、基板の一部分上に材料を堆積するべく堆積装置を動作させることを含む。堆積装置のチャンバ内の動作圧力は、第1及び第2チャンバのそれぞれの動作圧力よりも低い。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本開示に係る製造システムの一実施例によって製造されると意図された薄膜電気デバイスの一実施例の断面図である。
【図2】本製造システムの一実施例に係る空気対真空システムの断面図である。
【図3】図2の空気対真空システムにおいて使用される気体ゲートの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書に開示されるのは、電気機能材料が材料基板又はウェブの全体に配置された薄膜電気デバイスを製造する製造システムの一実施例において使用される装置である。本製造システムの実施例により製造されると意図された薄膜電気デバイスは、無機及び有機半導体デバイス及び回路、有機光起電デバイス、無機膜、無機インク等を含む。
【0018】
さらに意図されるのは、本製造システムの一実施例が、電気デバイス部分が配置された多層中間構造を有する薄膜電気デバイスを製造するべく構成されることである。多層中間構造は、TFEDの基板を通って拡散して当該電気部分を劣化させる水蒸気及び酸素を最小限にするか又は防止するべく構成される。当該中間構造を形成することに加え、本製造システムは、当該中間構造全体に配置された電気デバイス部分の少なくとも一部を形成するべく構成される。
【0019】
本製造システムの実施例は、薄膜有機電気デバイス(thin film organic electrical device (TFOED))を製造するべく構成される。TFOEDは、高周波送信機及び受信機、エネルギー生成装置、集積回路、及び有機発光装置において使用される。
【0020】
以下に開示される本製造システムの実施例は、例えば所定パターン構成で連続基板全体に材料層を正確に堆積する一以上の堆積プロセスを含むべく構成される。本製造システムは、複数の圧力領域及び気体環境を通って連続基板を移行させるべく構成される。本製造システムはさらに、当該システムの様々な段階を通して連続基板を移行させるべく構成される。当該システムの要素は、先に連続基板に堆積された材料層に接触しないように構成される。本製造システムはさらに、連続基板の一部分は堆積プロセス中静止し、当該連続基板の他部分は移動する。
【0021】
本製造システムの実施例において、本システムの所定要素は、電気機能材料の、例えば化学組成、微細構造、堆積面積、及び堆積厚さのような様々な特性を正確に制御するべく構成される。例えば本システムは、TFEDを形成する一以上の製造プロセスを通して所望配向に基板を維持するべく構成された要素を含む。本システムはさらに、基板の具体的に画定された領域において特定厚さで特定微細構造を有する電気機能材料、活性材料を堆積するべく構成される。具体的に画定された領域は例えば、精密なコーティングパターンを含む。
【0022】
本明細書において使用される「電気機能有機材料」は、データの受信、処理、及び格納、エネルギーの変換、並びにデータ又は光の放出(例えば情報の表示)のような例示的機能であるがこれに限られない機能を行うべく構成された炭素含有化合物を含む材料を称する。本明細書において使用される「薄膜」は、10ミクロン未満であって、さらに具体的には1ミクロン未満の厚さを有する層を称する。「薄膜層」は、基板全体に堆積された層を記載するべく使用される場合、単数材料層又は複数材料層を記載するべく使用される。
【0023】
本製造システムに係る実施例は、ペイオフシステム、基板コンディショニングシステム、堆積システム、キュアリングシステム、基板アラインメントシステム、基板移動及び位置制御システム、積層装置(laminator)、真空ポンプのような排気装置、アキュムレータ、気体ゲート、及び駆動システムのような装置又はシステムを含む。一実施例において連続基板は、アキュムレータ、一以上の気体ゲート、及び真空領域、並びに/又は空気対真空(air−to−vacuum(ATV))システムを通って移動する。本ATVシステムは、大気圧領域から真空領域まで移行するべく構成される。ここで堆積プロセスが、基板全体に行われる。他実施例において本システムは、ロールツーロール製造システムとして構成される。連続基板のサプライ、ロールは、本システムの複数のプロセス装置を通され、その後ロールとして、半完成品又は完成品として収集される。薄膜電気デバイスの特定構成に応じて、本製造システムは上記装置又はシステムの一以上を含む。
【0024】
本製造システムに係る装置の非限定的な例は、Brooks Equipment社が供給するプライマリレベル真空ポンプであるKinney Vacuum Booster System KMBD/KT;Accuwebが供給する基板又はウェブのステアリングユニットであるWeb Guide Control System;Helix Technologyが供給するセカンダリレベル真空ポンプであるCRYO-TORR 20HPポンプシステム;Motion Industriesが供給するウェブ駆動モータであるAC Servo Motor and Controller;Dover Flexo Electronicsが供給するTension Transducer Roller;有機ポリマー用キュアリングオーブン;ウェブクリーニングユニット;及びウェブ処理システムを含む。上記装置の代替例及び/又は変形例は、薄膜電気デバイスの具体的な実施例を製造又は形成する製造システムの具体的な実施例を開発しようとしている当業者にとって及び/又は製造上の所定の制限/要求に応じて明らかであろう。
【0025】
本製造システムは、連続長さの基板を処理するべく構成することができる。例えば一実施例において、本製造システムは、約7.6cm(3インチ)から約274.3cm(108インチ)の幅の連続基板を処理するべく構成される。他実施例において、本製造システムは、約20.3cm(8インチ)から約244.0cm(96インチ)の幅の連続基板を処理するべく構成される。また、他実施例において、本製造システムは、約61.0cm(24インチ)から約213.0cm(84インチ)の幅の連続基板を処理するべく構成される。
【0026】
図1を参照すると、薄膜有機電気デバイス10(TFOED)の一実施例は、非限定的な有機光起電デバイスとして示される。デバイス10は、基板12、アノード14、p型半導体16、n型半導体18、及びカソード20を含む。
【0027】
基板12は、ガラス又はポリマーから作られた透明材料である。透明ポリマー基板は、所望の強度及び可撓性を有するいくつかのタイプの透明ポリマー材料のいずれかであってよい。例えば、TFOEDデバイスの様々な層が連続的に基板上に堆積される。一実施例において基板は、ポリエチレンテレフタレート(PET)ポリエステル膜を含む。これは例えば、Delaware州WilmingtonのE. I. du Pont de Nemours and CompanyからMYLAR(登録商標)という商標名で市販されている。他実施例において基板は、ポリエチレンナフタレート(PEN)膜、ポリカーボネート膜、透明ポリイミド等の他の透明な可撓性材料を含んでよい。
【0028】
アノード14は、基板全体に所定パターンで形成されたインジウムスズ酸化物(ITO)のような材料である。アノード材料は電気を通し、光を当該デバイスに吸収してアノード及びカソード間に電圧を発生させる。
【0029】
p型半導体16は、正孔トランスポート層(hole transport layer(HTL))とも称される電子正孔導体である。これは、アノード上に形成された有機材料を含む。使用可能な有機材料は例えば、ポリ−(2,4)−エチレン−ジヒドロキシチオフェン(PEDOT)又はポリアニリン(PANI)等である。一実施例において、p型半導体は、PEDOT(ポリ(3,4−エチレンジヒドロキシチオフェン))を含む。代替実施例において本システムは、PEDOT材料に追加して又はこれの代わりに他の透明電子正孔伝導材料を使用して薄膜電気デバイスを製造することができる。かかる材料は、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)(本明細書では「PProDOT」とも称する)、ポリスチレンスルホン酸(本明細書では「PSS」とも称する)、ポリビニルカルバゾール(本明細書では「PVK」とも称する)、非酸性p型ポリマー、及び他の正孔伝導材料並びにこれらの組み合わせを含む。一実施例において、p型有機半導体16は、例えばインクジェット印刷、ロールコーティングプロセス、グラビア印刷等のコーティングプロセスのような装置又は機器を使用してアノード上に適用される。一般に、実質的に均一な有機ポリマー厚さを達成するには、当該有機ポリマー層が実質的に均一な基板速度で堆積されることが望ましい。
【0030】
n型半導体18は、共役p電子系をそのバックボーン沿いに有する有機ポリマー層である。これにより当該ポリマーは、当該鎖に沿って高移動度で正及び負の電荷担体をサポートすることができる。さらに半導体18層は、当該層のバンドギャップを変化させるドーパントを含むことができる。
【0031】
かかる実施例において、カソード20は、カルシウム層のような仕事関数が低い表面アクティベーション層22、及びアルミニウム層24を含む。両層はn型半導体18上に蒸着される。代替的実施例では、カソード層は、導電金属、導電ポリマー等の材料を含むいくつかの異なる伝導材料から作られる。
【0032】
TFEDの他実施例では、中間構造が基板上に配置される。電気デバイス部分が当該中間構造上に配置される。中間構造は、基板を通って水蒸気及び酸素が拡散して当該電気デバイス部分を劣化させることを防止する複数の層を含む。例えば、薄膜電気デバイスの非限定的な例において、当該中間構造は、プラスチック基板(12)上に配置された多層構造である。さらに図1に示される断面構造では、無機酸化物(14)、有機スムージング層(16)、無機酸化物層(18)、有機スムージング層(22)、及び薄膜電気デバイス(24)が当該他層中間構造上に配置される。酸化物層は、物理蒸着法(PVD)、プラズマ化学気相成長法(PECVD)等によって真空堆積することができる。有機スムージング層は大気圧にて堆積することができる。各堆積層は、その上に次の材料層が堆積される前に硬化され得る。さらに本製造システムは、当該中間構造上に当該電気部分の少なくとも一部を形成するべく構成することができる。
【0033】
さらなる他実施例においてTFEDの製造は、可撓性金属箔基板と、その後の他層の真空プロセスの前に基板上に有機絶縁層を適用することとを含むことができる。例えば、ポリイミド層が大気圧にて堆積されて硬化された後に基板が真空環境へ進められ、金属層又はTFEDの他要素が堆積される。他実施例において、ポリマーTFEDの製造では、金属接触層の真空堆積後に大気圧での有機半導体ポリマー層の堆積及び硬化が必要となる。
【0034】
一実施例において、カソード層等の層上に封入層が配置される。これにより、薄膜層が基板と封入層との間にシールされる。
【0035】
薄膜デバイス製造システムは、本製造システムを通して基板を進め、当該基板が本システムを通るときの当該基板のテンションレベルを制御するべく構成された一以上の駆動装置を含むことができる。当該駆動装置は、モータ、コントローラ、トランスデューサ、及びガイドローラに操作可能に接続された駆動ローラのような要素を含むことができる。一動作例では、トランスデューサは基板のテンションレベルを検出するべく使用される。コントローラは、基板のテンションを示すデータを受信した後、モータに信号を送信して当該基板の動き、例えば当該基板の速度、を調整する。トランスデューサはその後、基板テンションレベルを示す信号をコントローラに送信する。コントローラは、適切なモータに信号を送信してモータ速度を加速又は減速することができる。適切なモータの速度を調整することにより、コントローラは駆動ローラの速度を調整する。これにより、基板のテンションレベルがトランスデューサローラにおいて調整される。
【0036】
本製造システムにおいては様々なセンサを使用して、基板が動作プロセスを通って進行する際の当該基板の監視及び制御を支援することができる。例えば、反射された音響信号を検出することにより基板のエッジの存在を検出するべく構成された超音波センサを使用することができる。意図される他の検出デバイスとしては、光センサ、レーザを使用するセンサが含まれる。同様の装置を使用して基板の単数又は複数のエッジの位置検出ができる。同様に、本製造システムに関連する他の動作パラメータを監視及び制御するべく、広範なセンサを使用することが意図される。
【0037】
本薄膜デバイス製造システムは、基板をクリーニング、及び/又は、当該基板表面と当該表面上に配置される材料との接着レベルを増大させる等の基板処理をする基板コンディショニングシステムを含むことができる。基板クリーナは、水・IPA混合物のような低蒸気圧クリーニング流体をホットエアナイフ乾燥ユニットと組み合わせて使用する湿式清浄ユニットであってよい。水・IPA混合物は、10から25体積%、好ましくは約20体積%のIPAを含むことができる。複合静電脱イオン器・真空ユニット、又はエラストマーローラ/接着ローラの組み合わせを含む他の基板クリーニングユニットを使用することができる。当該表面へのコーティング層の接着を向上させるべく適用される表面処理は、UV/オゾン処理、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)若しくはHMDSとN,N−ジメチルアミノトリメチルシラン(DEATS)とのブレンドのような接着促進剤による蒸気処理、又はコロナ放電処理を含むことができる。
【0038】
本薄膜デバイス製造システムは、ATVシステム内への入口のための所定位置に対して基板のアラインメントをとるべく構成されたアラインメントシステム、気体ゲート、又は、堆積装置とのアラインメント(例えば当該堆積装置のシャドーマスク部分)を含むことができる。したがって、本アラインメントシステムは、所定プロセスの前に生じ得るミスアラインメントを修正するか、又は、基板を本製造システムの所定プロセスを通った後に再整合することができる。他実施例において本アラインメントシステム及び駆動装置の双方は、基板が本製造システムの様々なプロセスを進行する際に、当該基板を所望の位置、配向、及び速度に維持するべく所定座標関係(coordinated relationship)で機能するように構成される。
【0039】
薄膜電気デバイスの所定実施例は、材料を基板上に堆積させる複数の堆積装置/プロセスを含む製造システムの一実施例を説明するべく意図される。本製造システムは、連続基板が一以上の堆積プロセスにかけられた後に本製造システムの他の動作プロセスに向かうように構成される。
【0040】
一実施例において堆積装置は、p型半導体材料を基板上に堆積する。他の構成を有する堆積装置も、n型半導体層を基板上に堆積するべく構成することができる。堆積装置は、実質的均一な厚さで、かつ、当該p型又はn型半導体に汚染物質を導入することがないように正確に定義されたパターンで材料を基板上に堆積する。所望の特性を有する有機半導体材料は、堆積装置を使用して大気圧にて堆積することができる。当該堆積装置は例えば、以下のデバイスの一以上である。パターン化又は非パターン化グラビア印刷デバイスのようなロールコーティングデバイス、フレキソ印刷デバイス、インクジェット印刷デバイス、スクリーン印刷デバイス、スロットダイ、又はこれらの組み合わせ。所望の特性を有する無機又は有機の半導体材料はまた、上述のプロセスの1つによるような真空環境で堆積することもできる。
【0041】
他実施例において堆積装置は連続ステーションを含む。当該連続ステーションのそれぞれは、バリア層又はスムージング層のような材料層を堆積するべく構成される。堆積された複数の層は中間構造を形成し、その上に電気デバイス部分が配置される。
【0042】
本製造システムの一実施例は、堆積された材料を所望の組成状態にコンディショニングするべく構成されたキュアリング装置を使用することがさらに意図される。キュアリング装置は、基板が所望の組成状態を得るべく当該キュアリング装置を通って進む際に、熱、圧力、元素/化合物、気体、エネルギー等を当該基板に適用するべく構成することができる。所望の状態は、完成デバイス向きのものとするか又は後のプロセスのための特定層を用意するためのものであってよい。
【0043】
例えば、キュアリングオーブンが、所望の硬化後材料特性に応じて、かつ、加熱温度における基板の耐久性に応じて、所定温度まで堆積された材料を加熱することができる。さらなる代替実施例は他の硬化デバイスを含むことができる。例えば、本システムは、硬化を目的として放射の形態を使用する熱硬化デバイスを使用することができる。当該放射は例えば、マイクロ波放射、紫外線放射、赤外線放射等である。一例では、基板がキュアリングオーブン内に維持される時間及びその中の温度が乾燥される材料の揮発性に基づいて選択される。一実施例においてキュアリングオーブンは、溶媒の沸点の50%から130%の間の温度で動作する。基板がさらされるのは15分から45分の間である。他実施例において、水溶性p型半導体に対して、例えば50−200℃のオーブンチャンバ温度が選択される。他実施例において当該温度及び維持時間は薄膜層を硬化させる必要性に応じて調整できる。他実施例においてキュアリングオーブンは、硬化温度と同様に雰囲気も制御するべく構成される。
【0044】
他実施例において製造システムは、一実施例の真空堆積装置を含む。例えば、材料を基板上に堆積するべく真空蒸着装置が使用される。堆積装置はまた、PVD、PECVD、スパッタリング等により材料を堆積するべく構成することができる。かかる具体的かつ非限定的な実施例において、堆積装置は、「デポジットアップ」真空熱気化プロセスを使用して電極材料を堆積する。堆積装置は、パターン化された配向で基板上に電極材料を気化及び堆積するべく構成される。基板は、当該基板の底面がその上に堆積電極材料を受けるように配置される。図1に示す実施例において、堆積電極材料はn型層の上にカソードを形成する。カソード材料は、半導体層と有効な電気接触にある。本明細書において使用されるように、「有効な電気接触」という用語は、カソードが十分な電流を半導体層まで流すことができる程度の十分な電気接触を称する。これにより、当該半導体層はその導電機能で動作することができる。
【0045】
一実施例において堆積装置は、チャンバ、ポンピング装置、シャドーマスク、カメラ、及びコントローラを含む。チャンバは、連続基板が当該チャンバに入ってその中で堆積プロセスを受け、当該チャンバから本製造システムの他の動作プロセスに向かうように構成される。ポンピング装置は、チャンバ内部圧力を低下させるべく構成される。例えば、堆積装置のチャンバに又は本製造システムの任意のチャンバに操作可能に接続されたポンピング装置は、当該チャンバ内の動作圧力を大気圧又は中若しくは高真空範囲内のような所定真空圧力よりも大きく若しくはこれと等しくなるように制御するべく構成される。ポンピング装置は、拡散ポンプ、又はチャンバ内で圧力を低下させることができる他の任意デバイスのような真空ポンプでよい。ポンピング装置は、カソード材料が基板上に堆積される動作中、チャンバ内の圧力を維持するべく構成される。例えば堆積装置は、上記堆積プロセスの1つを介して電極又はカソード材料を堆積する動作中、チャンバ圧力を10−2torrから10−8torrの範囲に維持できるように構成される。
【0046】
一実施例において、堆積装置のシャドーマスクは自身を貫通して配置される開口領域を有する。堆積動作中、シャドーマスク及び基板は互いに、当該シャドーマスクの開口領域を介してカソード材料が当該基板の選択された領域上に堆積されるように配向される。これにより、堆積されたカソード材料は、基板上に所定パターンを成形する。一実施例において、シャドーマスクは静止位置に維持される。堆積動作中、当該シャドーマスクの開口領域に対する静止位置に向かって基板の一部が移動する。他実施例において、シャドーマスクは、基板の移動部分と同期して移動するべく構成することができる。これにより、シャドーマスクの開口領域は、当該開口領域を介して堆積されるカソード材料を受ける基板の移動部分と整合する。
【0047】
カメラ及びコントローラは、当該カメラが基板上のパターンの画像エッジをキャプチャすることを目的とする。コントローラはその後、キャプチャ画像を所望画像と対比して、基板の移動方向及び距離を決定する。これにより、所望の位置及びパターンにて基板上に材料を堆積することができる。すなわち、カソード材料は基板上に、シャドーマスクのパターン開口領域と実質的に同一のパターン形状を形成する。
【0048】
他実施例において、本製造システムは真空堆積装置を含む。当該真空堆積装置は、複数の堆積チャンバを含む。各堆積チャンバは、自身を通して連続基板を受けるべく構成される。各チャンバ内にて基板上に異なる材料層が堆積される。堆積装置はさらに、基板移動及び配置システム/装置を含む。当該システム/装置は、所望の時間及び位置にて様々なチャンバを通して連続基板を案内するべく構成される。基板移動及び配置システムの要素は、チャンバの前、後、及びチャンバ同士間に配置することができる。基板移動及び配置システムはコントローラを含むことができる。当該コントローラは、当該システムの要素に、基板及び/又はシャドーマスクの移動/配置を行う指示を与えるように構成される。また、真空堆積装置はさらに、各チャンバ内で所望の圧力を維持する援助となるべく構成されたシールメカニズムを含む。
【0049】
図2を参照すると、例えば及び一実施例にて空気対真空(ATV)システム30が、基板アキュムレータ装置34(基板移動及び配置システム)を中に有するチャンバ32と、気体ゲート36、38と、真空堆積チャンバ40とを含むことが示される。これは図1のデバイスを製造することを目的とする。真空堆積チャンバ40は、図2に示されるように、入ってくる基板42上に一以上のチャンバ内で材料を堆積するべく構成することができる。一実施例において、堆積動作中、チャンバ32は約1.0torr、チャンバ40は約10−2torrから10−8torrにて動作するべく構成される。気体ゲート36、38は、動作圧力が移行するのをATVシステム沿いの様々な位置にて援助するべく構成されたシールメカニズムである。気体ゲートは、連続基板が第1気体環境から第2気体環境へ移動することができるが双方の環境にて別個の圧力が維持されるように構成される。各気体ゲート36、38は、サイズが同一でなくとも実質的に同様に機能する要素を有する。したがって、気体ゲート36のみを以下に説明する。
【0050】
図3を参照すると気体ゲート36は、ハウジング44と、シリンダ46と、第1ガイドローラ48と、第2ガイドローラ50とを含む。シリンダ及びガイドローラは互いに、連続基板が当該ガイドローラ及び当該シリンダの表面上を移動できるように構成かつ配置される。また、当該基板がハウジング44と接触するようにならずに当該シリンダとの接触を維持できるように構成かつ配置される。また、各ガイドローラ48、50は、当該ローラの長さ方向に凹部を有する。これにより、連続基板上に先に堆積された材料(例えば電気的に活性の材料)が、当該基板が当該ローラ上を通過する際に当該ローラの周縁に接触することがなくなる。活性領域を含むデバイスの構成に応じて、ローラは複数の凹部を有することができる。
【0051】
基板は、ハウジングとシリンダとの間に形成されたギャップ52を通って移動する。ギャップは、基板がハウジングと接触するようにならずにシリンダとの接触を維持するのに十分なサイズである。ギャップ及び基板のシリンダへの巻き付け量は、対応するチャンバと流体連通するポンピング装置と協働する領域において所望の圧力を維持するべく構成される。ギャップは、気体が隣接気体領域間のギャップを通る堆積動作中に、気体速度が当該ギャップ内で音速に達するサイズとされる。気体速度が音速に達すると、当該ギャップを通る気体伝導度は「窒息」し、隣接圧力領域の任意の低下であっても当該ギャップ内の気体流増加をもたらさなくなる。本開示に係る気体ゲート36、38の機能は、米国特許第6,878,207号明細書に記載された気体ゲートと同様である。当該明細書の内容は本明細書に参照として組み込まれる。
【0052】
図2を参照すると、気体ゲート36は、大気領域と、約1.0torrのチャンバ32内の領域との間に配置される。気体ゲート38は、チャンバ32と、約10−5torrのチャンバ40との間に配置される。ポンピング装置53はチャンバ32の内部と流体連通し、気体ゲート36、38と協働して所望動作圧力をチャンバ32内に維持する。同様に、チャンバ40もまたポンピング装置(図示せず)を含む。当該ポンピング装置は当該チャンバと操作可能に接続され、気体ゲート38と協働して動作圧力をチャンバ40内に維持する。他実施例において、堆積チャンバ40は、複数のチャンバ及び当該チャンバと協働する一を超えるポンピング装置を含む。
【0053】
カソード材料の真空堆積中は、例えば10−5torrのような比較的低い圧力が望ましい。また、コーティングされた基板を大気領域から高真空領域へ移動させるのに、当該移送中当該コーティングされた基板の活性領域との接触がないことが望ましい。したがって、堆積装置並びに具体的には気体ゲート及びポンピング装置動作は、基板がこれらを通過して、所望の実用的かつコスト効率のよい態様で高真空圧力に移行するように構成される。
【0054】
気体ゲートギャップ構成と、当該気体ゲートギャップと流体連通するチャンバから気体材料をポンピングするポンピング装置サイズとの関連性が存在する。例えば、所定幅の基板に対しては、大きな断面積のギャップ寸法を有する気体ゲートは、大容量のポンピング装置を使用することにつながる。そして、同じ幅の基板に対しては、相対的に非常に狭い断面積のギャップ寸法を有する気体ゲートは、より小さな容量のポンピング装置とともに使用することができる。コストもまた一要因となる。非常に狭いギャップであれば気体ゲートを製造するのにコストがかかり、非常に大容量のポンピング装置を製造するにはコストがかかる。他のアプローチでは、一圧力領域から他圧力領域へ移行させるべく複数の気体ゲートを、より広く開いたギャップ寸法とともに使用することができる。これにより、より小さな容量のポンピング装置を使用することができる。
【0055】
また、図2に示される構成は連続基板の一部を、以下の態様で単数又は複数の真空堆積チャンバに引き回すことを可能にする。すなわち、基板がパターン堆積を目的としてチャンバ内の静止シャドーマスクにて止められる一方で、連続基板の他領域が本製造システムの他部分に沿って移動する態様である。チャンバ32内の集積装置34は、真空堆積装置の単数又は複数のチャンバ40内への基板の動きを制御するべく構成される。
【0056】
パターン薄膜層の真空堆積は典型的には、シャドーマスク又は他のパターニング技術を使用する静止堆積を目的として基板を止める必要がある。移動する基板を止める一の技術は、一以上の移動ローラを有するアキュムレータデバイスを使用することにある。これにより、当該アキュムレータ装置を有するチャンバの内部において基板の一部分が集積又は収集される一方で、当該チャンバ外部の基板の他セクションが静止プロセスを目的として止められる。また、アキュムレータ装置は一般に、例えば約10−3torr以下の圧力環境で動作させるのは望ましくない。これは、真空内の移動部品、アウトガス発生、粒子発生等の問題があるからである。
【0057】
一実施例において各チャンバ内の、装置34と実質的に同一の他のアキュムレータ装置が、真空堆積チャンバ40の他方に配置される。かかる2つのアキュムレータ装置は設定/同期されて、チャンバ40内の基板の一部分を止める一方で、アキュムレータ装置34の前及び当該アキュムレータ装置の後ろの基板が実質的に一定の所定速度にて移動し続けるように協働する。かかる2つのアキュムレータは協働するべく設定されて、チャンバ40内で基板をステップアンドリピート移動させる。これにより、所望のカソード構成/材料特性を得るべく、カソード材料の堆積をパターン化された態様にて最適なレートで行うことができる。
【0058】
図2に示される一実施例において、アキュムレータ装置34は、ガイドローラ54、56、58と、駆動ローラ60(オプション)と、移行ローラ62とを含む。ガイドローラ54及び56はそれぞれ、その長さ方向に凹部を含む。これにより、上述した気体ゲート36、38のガイドローラ48、50の凹部領域と同様、基板が当該ローラ上を通過する際に、当該基板の活性領域が当該ローラに接触することがない。アキュムレータ装置34は図示のように、移行ローラ62が垂直方向に移動してガイドローラ54、56、58に向かい及びこれから離れるように構成される。移行ローラがガイドローラから離れる際に、基板の所定長さが当該ガイドローラから離れるように強制され、チャンバ32内の基板の追加量が収集される。当該移行中、チャンバ40内の基板の一部分は実質的に止められている。
【0059】
チャンバ32内のアキュムレータ装置34のガイドローラから遠ざかって移行ローラ62が配置される場合に、チャンバ40の他方にある他のアキュムレータ装置において、対応する移行ローラはそのアキュムレータ装置のガイドローラに近接して配置される。真空チャンバ内の基板の当該一部分が移動することが望ましい場合は、前述の(各アキュムレータ装置の)2つの移行ローラが垂直位置をスイッチして、アキュムレータ装置を有する各チャンバ内で基板を上方に引き上げ及び下方に移動させる。
【0060】
追加的な他実施例において、基板移動及び配置システムはさらに、本ATVシステムの複数の真空堆積チャンバのそれぞれの間に一以上のガイドローラを含むことができる。ガイドローラは互いに離間、整合、及びオフセットすることができる。これにより、堆積チャンバ同士の間で基板にテンションを与え、さらに、基板の移動、速度、及び位置を制御する援助ができる。
【0061】
上述の説明は薄膜電気デバイスを製造する製造システムの所定実施例を対象とするが、本願発明の原理は、本明細書に開示されていない装置/プロセスを組み入れるべく本製造システムの他実施例まで拡張されることが意図される。本明細書に提示された教示に鑑み、当業者にとって本願発明のさらなる他の修正例及び変形例が明らかとなろう。上記は具体的な実施例の説明であるが、その実施に限定することを意図しない。以下の特許請求の範囲が、すべての均等を含んで本願発明の範囲を定義する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜電気デバイスを基板上に製造するシステムであって、
堆積装置であって、前記堆積装置のチャンバ内にて前記基板の一部分上に材料を堆積させるべく構成された堆積装置と、
前記堆積装置のチャンバと流体連通する第1排気装置と、
第1チャンバであって、前記第1チャンバ内にて前記基板の一部分を集めるべく構成された集積装置を中に有する第1チャンバと、
前記第1チャンバと流体連通する第2排気装置と、
前記第1チャンバと前記堆積装置のチャンバとの間の流体連通を与える第1気体ゲートと
を含み、
前記第1チャンバ内の基板の集積部分を有する前記基板は、前記第1チャンバを通って前記堆積装置のチャンバ内まで延び、前記第1気体ゲートと通り、
前記第1気体ゲート、前記堆積装置のチャンバの排気装置、及び前記第1チャンバの排気装置は、前記堆積装置のチャンバ内の動作圧力が、第1チャンバ内の動作圧力よりも低くなるように構成されるシステム。
【請求項2】
前記集積装置はさらに、前記第1チャンバ内で集められた基板の量を変化させるべく構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1チャンバと前記第1チャンバ外部の領域との間の流体連通を与える第2気体ゲートをさらに含み、
前記基板は前記第2気体ゲートを通ってさらに延びる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1チャンバ外部の領域は大気圧にあり、
前記第1チャンバ内の動作圧力は、10torrから0.01torrの範囲にあり、
前記堆積装置のチャンバ内の動作圧力は10−2torrから10−6torrの範囲にある、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記基板上に堆積される前記材料は導電材料である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記堆積装置のチャンバ内の動作圧力は中真空の範囲にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記堆積装置のチャンバ内の動作圧力は10−6torrから10−8torrの範囲にある、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記堆積装置のチャンバ内の動作圧力は10−2torrから10−6torrの範囲にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記堆積装置のチャンバ内の動作圧力は約10−5torrにある、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記堆積装置のチャンバ内の動作圧力は10−2torrから10−6torrの範囲にあり、
前記第1チャンバ内の動作圧力は10torrから0.01torrの範囲にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記堆積装置のチャンバ内の動作圧力は約10−5torrにあり、
前記第1チャンバ内の動作圧力は約1.0torrにある、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記堆積装置は、真空蒸着によって前記基板上に材料を堆積させるべく構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記堆積装置は、スパッタリングによって前記基板上に材料を堆積させるべく構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記基板上に堆積される前記材料は導電材料である、請求項12又は13に記載のシステム。
【請求項15】
電極が形成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記堆積装置は、前記基板上に前記材料を所定パターンで堆積するべく構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記堆積装置はシャドーマスクを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記堆積装置は、前記基板及び前記シャドーマスクが移動して前記基板上に前記材料が堆積されるように構成される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記基板上に有機材料を堆積する堆積装置をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記有機材料は半導体ポリマーである、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1チャンバと前記第1チャンバ外部の領域との間の流体連通を与える第2気体ゲートをさらに含み、
前記基板は前記第2気体ゲートを通ってさらに延びる、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記第1チャンバ外部の領域は大気圧にあり、
前記第1チャンバ内の動作圧力は、10torrから0.01torrの範囲にあり、
前記堆積装置のチャンバ内の動作圧力は10−2torrから10−6torrの範囲にある、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記基板上にバリア層を堆積する堆積装置をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
前記基板上にスムージング層を堆積する堆積装置をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
前記基板を移動させる駆動システムをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項26】
前記基板を整合させるステアリングシステムをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項27】
前記基板上に前記材料が堆積された後に前記薄膜電気デバイスを封入する積層システムをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項28】
薄膜電気デバイスを基板上に製造するシステムであって、
堆積装置であって、前記堆積装置のチャンバ内において前記基板の一部分上に材料を堆積させるべく構成された堆積装置と、
前記堆積装置のチャンバと流体連通する第1排気装置と、
第1チャンバ及び第2チャンバであって、前記堆積装置が前記第1チャンバと前記第2チャンバとの間に配置され、前記第1チャンバ及び前記第2チャンバのそれぞれは、対応する前記第1及び第2チャンバ内にて前記基板の一部分を集めるべく構成された集積装置を中に有する第1チャンバ及び第2チャンバと、
前記第1チャンバと流体連通する第2排気装置と、
前記第2チャンバと流体連通する第3排気装置と、
前記第1チャンバと前記堆積装置との間の流体連通を与える第1気体ゲートと、
前記堆積装置のチャンバと前記第2チャンバとの間の流体連通を与える第2気体ゲートと
を含み、
前記第1チャンバ内の基板の集積部分と前記第2チャンバ内の基板の集積部分とを有する前記基板は、前記第1チャンバを通り、前記堆積装置のチャンバを通り、及び前記第2チャンバを通り、並びに前記第1及び第2気体ゲートを通って延び、
前記第1及び第2気体ゲート、並びに第1、第2、及び第3排気装置は、前記堆積装置のチャンバ内の動作圧力が、前記第1及び第2チャンバそれぞれの中の動作圧力よりも低くなるように構成されるシステム。
【請求項29】
前記第1チャンバ又は前記第2チャンバ内の前記集積装置はさらに、前記各チャンバ内で集められた基板の量を変化させるべく構成される、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
第3気体ゲート及び第4気体ゲートをさらに含み、
前記第3気体ゲートは前記第1チャンバと前記第1チャンバ外部の領域との流体連通を与え、
前記第4基体ゲートは前記第2チャンバと前記第2チャンバ外部の領域との流体連通を与え、
前記基板は前記第3及び第4気体ゲートを通ってさらに延びる、請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
前記第1チャンバ外部の領域及び前記第2チャンバ外部の領域はそれぞれ大気圧にあり、
前記第1チャンバ及び前記第2チャンバ内の動作圧力は、10torrから0.01torrの範囲にあり、
前記堆積装置のチャンバ内の動作圧力は、10−2torrから10−6torrの範囲にある、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記堆積装置は、真空蒸着によって材料を堆積させるべく構成される、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記堆積装置は、前記基板上に前記材料を所定パターンで堆積するべく構成される、請求項31に記載のシステム。
【請求項34】
前記基板上に有機材料を堆積する堆積装置をさらに含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項35】
前記有機材料は半導体ポリマーである、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記基板を移動させる駆動システムと、
前記基板を整合させるステアリングシステムと、
キュアリング装置と
をさらに含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項37】
前記基板上に前記材料が堆積された後に前記薄膜電気デバイスを封入する積層装置をさらに含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項38】
薄膜電気デバイスを基板上に製造するシステムであって、
第1チャンバであって、前記チャンバ内の前記基板の一部分を集めるべく構成された集積装置を中に有する第1チャンバと、
前記チャンバの圧力領域と第2圧力領域との間の流体連通を与える気体ゲートと
を含むシステム。
【請求項39】
前記第2領域は大気圧にあり、
前記チャンバ内の動作圧力は、約10torrから約0.01torrの範囲にある、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
堆積装置と、
前記チャンバと前記堆積装置のチャンバとの間に配置された第2気体ゲートと
をさらに含み、
前記堆積装置は、前記堆積装置のチャンバ内の前記基板の一部分上に材料を堆積させるべく構成される、請求項38に記載のシステム。
【請求項41】
前記堆積装置のチャンバ内の動作圧力は10−2torrから10−8torrの範囲にある、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記堆積装置のチャンバ内の動作圧力は約10−5torrにあり、
前記第1チャンバ内の動作圧力は約1.0torrにある、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記堆積装置は、前記基板上に前記材料を所定パターンで堆積するべく構成されたシャドーマスクを含む、請求項40に記載のシステム。
【請求項44】
前記基板上に有機材料を堆積する第2堆積装置をさらに含む、請求項40に記載のシステム。
【請求項45】
前記有機材料は半導体ポリマーである、請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
前記基板上に真空にてバリア層を堆積するべく構成された堆積装置をさらに含む、請求項38に記載のシステム。
【請求項47】
前記基板上に大気圧にてスムージング層を堆積するべく構成された堆積装置をさらに含む、請求項38に記載のシステム。
【請求項48】
前記基板は連続基板であり、
前記連続基板の供給が前記システムに対して行われ、前記連続基板の前記供給の後に前記システムによって前記連続基板が処理されて、前記処理された連続基板が収集される、請求項38に記載のシステム。
【請求項49】
薄膜電気デバイスを基板上に製造するシステムを使用する方法であって、
前記システムは、
第1チャンバと第2チャンバとの間に配置された堆積装置と、
前記第1チャンバと前記第2チャンバとの間の流体連通を与える第1気体ゲートと、
前記堆積装置のチャンバと前記第2チャンバとの間の流体連通を与える第2気体ゲートと
を含み、
前記第1チャンバ、前記第2チャンバ、及び前記堆積装置のチャンバはそれぞれ、対応する前記チャンバと流体連通する排気装置が接続され、
前記方法は、
前記第1チャンバ、前記堆積装置のチャンバ、及び前記第2チャンバ、並びに前記第1及び第2気体ゲートを通して前記基板を延ばすことと、
前記堆積装置を動作させて前記基板の一部分上に材料を堆積させることと
を含み、
前記第1及び第2チャンバはそれぞれ前記基板の集積部分を中に含み、前記堆積装置のチャンバ内の動作圧力は、前記第1及び第2チャンバのそれぞれの中の動作圧力よりも低い方法。
【請求項50】
堆積される前記材料は電極を形成する、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記基板上に有機材料を堆積することをさらに含み、前記システムは有機材料堆積装置をさらに含む、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
堆積される前記有機材料は半導体ポリマーである、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記第1及び第2チャンバ内の集積装置のそれぞれを制御することを含み、
前記基板が前記堆積チャンバ内に静止している間に、前記集積装置の一方がその第1チャンバ内でさらに多く基板を集め、他方の集積装置がその第2チャンバ内で基板の量を低減する、請求項49に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−529532(P2011−529532A)
【公表日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521067(P2011−521067)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/009182
【国際公開番号】WO2010/014058
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(511011676)ユナイテッド ソーラー オヴォニック エルエルシー (2)
【Fターム(参考)】