説明

衝撃エネルギーを吸収するための筒状エネルギー管理システム

エネルギー吸収システムは、熱処理可能鋼等の連続した材料から成る筒を有する。筒は、中間部によって接続される第1リング部及び第2リング部を有する。一態様では、中間部はフレア状に拡がっており、且つ/又は挟持されて、衝撃を受けたときに1つの筒部を予測可能に且つ入れ子状にめり込ませる。別の態様では、1つの筒部が、延伸特性及び降伏特性を最適にして衝撃を受けたときにめり込みやすくするようにアニールされる。この構造により、バンパシステムが長手方向に衝撃を受けたときに、第1リング部及び第2リング部が、予測可能な一定のロール潰れにより入れ子式に圧壊する。上述のシステムに関連した方法も開示される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[背景]
本発明は、衝撃ストローク中、一定の且つ予測可能な方法で著しい衝撃エネルギーを吸収するように構成されているエネルギー管理システムに関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、「CRUSH TOWER WITH RINGS OF VARIED STRENGTH」と題する、2001年9月27日付けで出願された出願番号09/964,914(現在、米国特許第6,648,384号)の一部継続出願であり、その全内容は参照により本明細書中に援用される。
【背景技術】
【0003】
連邦政府、保険会社、車両安全に関わる代理店、協会及び会社は、車両バンパシステムが合格しなければならない標準化された衝撃試験を規定している。バンパマウント及びクラッシュタワーは通常、バンパバーを車両フレーム上に支持するために使用されており、車両が衝撃を受けている間にエネルギーを吸収するのに使用されることが多い。いくつかの特徴が、バンパマウント及びクラッシュタワーを「効果的な」ものにするために役立っている。既知の狭い範囲内の一定且つ予測可能な衝撃強度を与え、それにより、個々の車両のバンパシステムがすべて、試験に確実に合格するようにする、バンパマウント及びクラッシュタワーを製造することが望ましい。これにより、製造者はより安全な車両を製造することができ、また、余分な重量を削減するとともに低コストの材料を使用するために、バンパシステムをより正確に最適化することができる。さらに詳しくは、一定の力対撓み曲線を提供する、バンパマウント及びクラッシュタワーを製造し、一定のエネルギー吸収対時間曲線を提供し、一定且つ予測可能な圧壊パターンを提供することが望ましい。これにより、車両製造者は、或る特定の衝撃力でどれだけの撓みが発生するか、また、衝撃、すなわち、車両が衝突を受けている間の任意の時点でどれだけのエネルギーが吸収されるかを確実に知ることができる。次に、これにより、車両製造者は、製品のばらつきを補償するとともに車両フレーム上にバンパシステムを十分に支持するための空間を無駄に使うことなく、衝撃の被害がないことを可能にするのに十分な空間をバンパシステムの周囲に設計することができる。力対撓み曲線には、クラッシュタワーが弾性変形から永久変形に変化して、完全に圧壊して安定する(bottoming out)ときのいくつかの重要な範囲がある。これらの様々な圧壊点が予測可能であり、それにより、圧壊の前及びその最中に相当量のエネルギーを確実に吸収するようにするだけでなく、過度の負荷がバンパシステムを介して車両及びその乗員に伝達される前に、圧壊が確実に起きるようにすることが、重要である。
【0004】
以上に加えて、バンパ開発プログラムには長いリードタイムが必要であり、また、いずれのクラッシュタワーも、バンパ開発プログラムの遅い段階で特定車両モデル用に最適化するために予測して変更及び調整することができるように、融通性、適応性及び「可調整性」を有することが重要である。また、様々なバンパビームに、且つ様々なバンパシステムで、また、車両要件が広範にわたって変化するにもかかわらず様々な車両モデルで使用することができ、それにより、各新しいバンパシステムが、新しいにもかかわらず、全てが未試験で且つ「未知」のシステムではないようにすることができるクラッシュタワー構造を提供することが望ましい。
【0005】
バンパビームをバンパシステム内に支持するためのいくつかの筒状クラッシュタワーが既知である。1つのタイプでは、2つの打ち抜き半割シェルを合わせて溶接する。しかし、この工程によって、原材料のスクラップが発生する。また、溶接工程は、製造間接費に追加される二次作業である。さらに、溶接されたクラッシュタワーは、製品における大きなばらつきや、製品衝撃強度、力対撓み曲線、エネルギー吸収曲線及びクラッシュ破壊点(crush failure point)における大きなばらつきを受けやすい。
【0006】
クラッシュタワーによっては、他のクラッシュタワーよりも強度な材料を用いるものもある。しかしながら、クラッシュタワーの強度が増すにつれ、より高い負荷がバンパビームから車両フレームに直接伝達される傾向がある。このことは望ましくない場合が多い。代わりに、タワー自体が予測可能に圧壊(crush and collapse)するとともに、分布時間にわたって最大エネルギーを吸収することが望ましい。特に、強度が非常に高いクラッシュタワーは、望ましくない程高い負荷スパイクをバンパビームから車両フレームに伝達する傾向が強い。この後に、エネルギーがごくわずかしか吸収されず、且つエネルギー吸収が車両ごとに一定ではないか又は予測可能でないクラッシュタワーの破滅的な圧壊が続いて起こる場合が多い。また、その結果、車両フレームに尚早の被害がもたらされる。車両の衝突の間にクラッシュタワーが示す圧壊ストローク全体にわたって連続的且つ予測可能に材料を撓ませて曲げるようにクラッシュタワーが設計されることが特に重要である。同時に、高強度低合金(HSLA)鋼、又は強度対重量比が非常に高い超高強度鋼等の超高強度材料の使用を可能にする設計が望まれる。バンパ製造分野の熟練者(当業者)には既知のように、単に、より強度の材料からクラッシュタワーを製造するという着想は不十分な着想である場合が多く、実際、車両フレームに対して高い衝撃負荷及び負荷スパイクが伝達されることに起因してバンパシステムの故障につながるとともに、不十分なエネルギー吸収に付随する問題につながる場合が多い。
【0007】
車両フレームは、バンパマウント及びクラッシュタワーと同様に、エネルギー吸収及びエネルギー消散の双方に関して衝撃エネルギーを管理するように設計されることが好ましい。これには、車両部品に対する被害を最小限に抑える必要があり、また、車両乗員に対する傷害を最小限に抑える必要がある。バンパマウント及びクラッシュタワーと同様に、車両フレームは、長期の開発時間を有し、さらに、開発の終わりに近い段階で調整及び調節を必要とする場合が多い。車両フレーム(及びフレームマウント部品)は、当然のことながら、バンパマウント及びクラッシュタワー(及びその他の車両部品)が取り付けられる車両フレームであるため、バンパマウント及びクラッシュタワーと多くの同じ懸念を有する。
【0008】
さらに広範には、融通性があるとともに広範の状況及び用途で使用することができるエネルギー吸収システムが望まれる。かかるエネルギー吸収システムは、バンパシステムにおいてだけでなく、車両フレーム(縦方向/クロスカー)、及び他の用途、並びに非車両用途のいずれにおいても有用であることが好ましい。
【0009】
したがって、上記問題を解決するとともに上記利点を有するエネルギー管理システムが望ましい。特に、一定の衝撃強度、一定の力対撓み曲線、一定のエネルギー吸収(弾性及び永久変形について)、及び、一定の圧壊点及びパターンを与え、これらのすべてが製品及び特性ばらつきにおいて厳格な/狭い範囲に入る、エネルギー管理システムが望ましい。また、二次作業の必要性を減じるとともに、手作業の必要性を減少させて製造することができるが、それでもなお融通性があり調整可能なコスト競争力があるエネルギー管理システムが望ましい。
【0010】
[発明の概要]
本発明の一態様では、長手方向に衝撃を受けたときに相当な衝撃エネルギーを確実且つ予測可能に吸収するようになっているエネルギー管理筒は、第1筒部と、当該第1筒部と整合する第2筒部と、中間筒部とを備える。当該中間筒部は、第1筒部と第2筒部とをそれぞれ一体接続する第1端部及び第2端部を有する。第1筒部及び第2筒部はサイズが寸法的に異なり、中間筒部は、第1筒部から第2筒部に移行する形状を有する。第1筒部は、第2筒部よりもサイズが大きく、且つ筒境目を画定する外面を有する。第1端部は、外面を越えて半径方向外向きにフレア状に拡がっているとともに長手方向に衝撃を受けたときに第1筒部のコラム強度を支持及び維持するように作用する変形材料のひと続きのバンドを有する。第2端部は、衝撃を受けている最中に第1筒部がそのコラム強度を維持するのとは対照的に、第2筒部の入れ子状のめり込み(telescoping rolling)を開始するように構成される。
【0011】
本発明の別の態様では、エネルギー管理筒は、第1整合筒部及び第2整合筒部、並びに第1筒部と第2筒部とをそれぞれ一体接続する第1端部及び第2端部を有する中間筒部を備える。第1筒部及び第2筒部はサイズが寸法的に異なり、中間筒部は、第1筒部から第2筒部に移行する形状を有する。第2筒部は、第1筒部よりもサイズが小さく、且つ筒境目を画定する内面を有する。第2端部は、境目の内側に半径方向内向きにフレア状に拡がっているとともに長手方向に衝撃を受けたときに第2筒部のコラム強度を支持及び維持するように作用する変形材料のひと続きのバンドを有する。第1端部は、衝撃を受けている最中に第2筒部がそのコラム強度を維持する間に第1筒部の入れ子状のめり込みを開始するように構成される。
【0012】
本発明の別の態様では、エネルギー管理筒は、第1整合筒部及び第2整合筒部、並びに第1筒部と第2筒部とをそれぞれ一体接続する第1端部及び第2端部を有する中間筒部を備える。第1筒部は、第2筒部よりもサイズが寸法的に大きく、中間筒部は、第1筒部から第2筒部に移行する形状を有する。中間筒部は、連続的なリングを形成し、且つ長手方向の断面から見ると、第1端部が壁区域に第1半径を画定し、第2端部が壁区域に第2半径を画定し、且つ第1半径及び第2半径の一方は他方の半径よりも小さい非線形壁区域である。一方の小径を有する端部は、他方の大径を有する端部よりもコラム強度について比較的大きな支持部を与える。他方の大径を有する端部は、大径を有する筒部の入れ子状のめり込みを開始するように構成されている。この構成により、長手方向の衝撃を受けると、中間筒部及び第2筒部は、予測可能に、且つ、中間部が長手方向の衝撃から力を受けたときの第1端部よりも迅速に、また、第1筒部よりも迅速にめり込む。
【0013】
本発明のさらに別の態様では、長手方向に衝撃を受けたときに相当な衝撃エネルギーを確実且つ予測可能に吸収するようになっているエネルギー管理筒が提供される。エネルギー管理筒は、第1整合筒部及び第2整合筒部、並びに第1筒部と第2筒部とをそれぞれ一体接続する第1端部及び第2端部を有する中間筒部を有する。第1筒部は、第2筒部よりもサイズが寸法的に大きく、中間筒部は、第1筒部から第2筒部に移行する形状を有する。圧壊可能な支持部材が、第1筒部の内側に位置するとともに、長手方向の衝撃を受けると圧壊すると同時に材料のめり込み(rolling)を制御するのを助けるように構成される。圧壊可能な支持部材は、第1端部の内側に位置するとともに、第2端部を支持して、入れ子状のめり込みを開始して維持するように付加的な耐性を与える。支持部材の機能は独立しており、その端部が入れ子状にめり込む。
【0014】
本発明のさらに別の態様では、エネルギー管理筒は、第1整合筒部及び第2整合筒部、並びに第1筒部と第2筒部とをそれぞれ一体接続する第1端部及び第2端部を有する中間筒部を備える。第1筒部は、第2筒部よりもサイズが大きく、中間筒部は、第1筒部か第2筒部に移行する形状を有する。中間筒部、及び第1筒部と第2筒部とのうち一方は、第1筒部と第2筒部とのうち他方とは異なる材料特性を有するようにアニールされる。降伏特性及び延伸特性の変化を含む異なる材料特性は、中間筒部が該中間筒部を変形するのに十分な応力を受けると、中間筒部を変形及び整形しやすくするようになっている。
【0015】
本発明によるエネルギー吸収技法の一目的は、バンパシステム、車両フレーム(縦方向/クロスカー)、主要な車両部品を車両フレームに固定するシステム、車両ルーフ構造、及びステアリングコラムシステム、インストルメントパネル支持システム等の非フレーム用途等、種々の状況及び用途において用いることができる融通性のあるエネルギー管理システムを提供することである。
【0016】
本発明の上記及び他の態様、目的及び特徴は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲及び添付図面を精査すれば、当業者には理解され認識されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
[好適な実施形態の詳細な説明]
車両バンパシステム10(図1)は、取り付けブラケットを有する車両前バンパビーム11と、レール取り付けプレート12を含む車両フレームと、ブラケット及びプレート12間に取り付けられたクラッシュタワー13とを備える。クラッシュタワー13は、高強度熱処理可能鋼等のひと続きの連続した(continuous contiguous)材料でできた筒を有する。筒は、中間接続部16によって接続された第1リング部14及び第2リング部15を有する。中間接続部16は、漏斗形ランプを形成する円錐台形部分17を有する。一つの態様では、第1リング部14は、熱処理されて高い材料強度、例えば、約140KSIの引張り強度になっており、これは、約60KSIの引張り強度に保持される第2リング部15より相当に高い。第1リング部14の引張り強度は、第2リング部15の引張り強度より相当に高く、例えば、約10%高くするべきであるが、好ましくは第2リング部15の引張り強度の約2倍の引張り強度、すなわち、約60KSIだけ高くするべきであると考えられる。この構造によって、リング部14がリング部15の上に入れ子状にめり込んで、中間接続部16の円錐台形部分17において塊状になるために必要な剛性が与えられる。
【0018】
この構造により、バンパシステム10がクラッシュタワー13の長さに対して平行な端部衝撃を受けたとき、第1リング部14及び第2リング部15は、予測可能且つ一定の多段階変形順序で互いに入れ子式に圧壊し、第3リングすなわち小径挟持部18(図2)が第1リング部14及び第2リング部15間に形成され始め、やがて実際に形成される(図3)。中間接続部16の長さによって制限されながら第3リング18が完全に形成されると、部分22によって形成された「フック」の下側の位置20で材料が座屈して塊状になり始める。車両モデルに十分な空間があるとともに、クラッシュタワーが最終的に安定する前に追加のエネルギー吸収が望まれる場合、追加リング部及び中間接続部を設けることができると考えられる。
【0019】
図示のバンパビーム11は、筒状ビームであって、当該技術分野では既知である。例えば、Sturrusの特許第5,092,512号及び第5,813,594号を参照されたい。しかしながら、ビームはまた、開端した非筒状ビームとすることができると考えられる。また、バンパビームは、直線的又は曲線的にすることができる。それらの形状に応じて、取り付けブラケット又はプレートを使用して、クラッシュタワーに取り付けるために適合された比較的平坦な取り付け面をバンパに設けることができる。(特許第5,092,512号の図14及び特許第5,813,594号の図4を参照されたい。)同様に、クラッシュタワーの車両接続端部に様々な異なる手段を使用して、クラッシュタワーを車両フレームに固定するための取り付け点を設けることができる。
【0020】
本発明のクラッシュタワー13は、単一の筒状形材(tubular shape)から形成することができる。最初に、筒状形材をロール成形及び溶接して、一定の円形断面を有し、一定の厚さの均一壁を有する永久筒(permanent tube)にすることが考えられる。しかしながら、本発明では、非円形筒を使用することもできると考えられる。
【0021】
筒を形成して所望の長さに切断した後、中間接続部16をロール成形又は打ち抜き加工して、筒の中心線21に対して小さい角度をなす内向き変形した円錐台形部分17(漏斗状の形状)と、中心線21に対してより大きい角度をなす内向き変形した丸み付き「急開き」(quick-out)部分22とを形成する。図示の円錐台形部分17は、比較的直線状の漏斗形状区域であり、それにより、衝撃を受けている間にリング部15をリング部14内へ誘導する剛性のあるランプを形成する。また、急開き部分22は、丸みが付けられて傾斜しており、それにより、曲げ力を受けて、丸められて内向きに変形したフック形状になる(図2を参照のこと)。内向きに変形した材料は、筒部15のコラム強度を維持する部分15の均一なコラム支持体を形成する。これは、後述するように、衝撃を受けている間の部分14及び15の入れ子作用に役立つ。
【0022】
クラッシュタワー13内の内部キャビティ25は、開放状態にあり、衝撃を受けている間も開放したままである。その結果、クラッシュタワー13の性能に悪影響を与えることなく、部品をキャビティ25内に配置することができる。所望ならば、例えば、牽引フックブッシュをキャビティ25内に配置することができる。
【0023】
作用を説明すると、クラッシュタワー13は、ロール成形等によって筒を形成し、次にその筒に縮径の中間接続部をロール成形又は変形し、次にリング部14(及び/又は部分15、17及び22)を熱処理することによって製造される。次に、一対のクラッシュタワー13を、互いに水平方向及び横方向に間隔を置いた状態で、バンパビーム11に取り付けることによって、バンパシステム10に組み付ける。次に、バンパシステム10を車両フレームに取り付ける。
【0024】
衝撃を受けている間に、中間接続部16は、中心線21に沿ったリング部14及び15の直線状強度(linear strength)に起因して、座屈し始める。特に、急開き部分22が折り返されて二重になるとき、円錐台形部分17が急開き部分22の下側に押し進められ、その急開き部分22は、部分17を把持する内向きに変形したフック状リングを形成する。部分17の材料の残部に比して、部分22の半径は、このような成果を生じさせるのに役立つ。これは、第1(低)エネルギー吸収レベルの第1圧壊段階である。クラッシュタワー13が車両衝撃による長いストローク中にさらなる入れ子作用を受けると、中間接続部16の端部が曲がって、リング部14の残りの材料の下側に引き寄せられる。リング部15の端部が曲がって筒部15の外面にめり込む際、リング部14及び15間に第3リング部18が形成される。様々な部分14〜16のこの順次の圧壊及び変形、特に、筒部14の材料のめり込みは、非常に予測可能な方法で、且つ比較的狭い変動範囲で相当なエネルギーを吸収する。
【0025】
本発明のクラッシュタワーは、ロール成形機で高強度低合金(HSLA)鋼から成るロールから製造されることができることが考えられる。さらに、鋼のロールは、高強度鋼(例えば70KSI引張り強度)又は超高強度鋼(例えば80KSI以上の引張り強度)とすることができることが考えられる。必要に応じて、これらの材料を選択領域でアニールして、延伸特性を高めるか、又は降伏強度(例えば60KSI以下の引張り強度)を下げるか、且つ/又は選択領域を熱処理して強度を高めることができる。例えば、一端に60KSI引張り強度の領域を有するとともに、対向端に120KSI強度の領域を有するクラッシュタワーを、いずれかの方法で製造することができる。中間リング部は、良好な圧壊順序をより確実にするために、約60KSIであり、強度がより低い強度のリング部と同様であることが好ましい。本開示では、「熱処理」という用語は、用語「アニール」よりも広範であると考えられること、また、熱及び熱手段を用いることにより材料特性を増進または低下させることを含むことに留意されたい。熱処理及び/又はアニールは、ロール成形装置でインラインで行われるとともに連続工程としてロール成形と同時に行うことができることも考えられる。アニールのステップが、装置でインラインで行われるとともにロール成形工程と同時に行われる場合、隣接したクラッシュタワーが対向方向を向くように、ロール成形された筒状を有することが有用である。例えば、リング15(すなわちバンパビームに取り付けられるべき端)が高強度から低強度にアニールされる場合、単一のアニール熱がより広い領域にわたって加えられることができるように互いに隣り合った(すなわち分離した筒部になる前)隣接したクラッシュタワーの2つのリング部15を有することが有用である。これにより、ロール成形工程及びアニール工程に対する効率、制御、及びライン速度が加味される。
【0026】
[変更例]
以下の説明では、同様の部品、特徴、及び態様は、同一の識別符号で識別されるが、ただし、文字「A」、「B」等が付記されている。これは、冗長な説明を減らすためになされている。
【0027】
長手方向に衝撃を受けたときに相当な衝撃エネルギーを確実且つ予測可能に吸収するようになっている、変更形のエネルギー管理筒13A(図4)が提供される。エネルギー管理筒13Aは、第1筒部14Aと、第1筒部14Aと整合する第2筒部15Aと第1端部30及び第2端部31をそれぞれ有する中間筒部16Aを有する。端部30及び31は、第1筒部14Aと第2筒部15Aとをそれぞれ一体接続する。第1筒部14Aは、第2筒部15Aよりもサイズが寸法的に大きいが、同様のシリンダ状断面形状を有する。しかしながら、第1筒部14A及び第2筒部15Aは、例えば矩形、四角形、楕円、円形、又は他の幾何学的形状の種々の形状とすることができる(図5を参照のこと)。さらに、筒部14A及び15Aは、各自の長さに沿って、特に、中間筒部15Aから離間した、筒部14A及び15Aが例えば車両フレーム部品等の異なる構造に接続されるようになっていなければならない場所で異なる断面形状を有し得ることが考えられる(図19〜図22を参照のこと)。中間筒部16Aは、第1筒部14Aから第2筒部15Aに移行する形状を有し、さらに、第1端部30及び第2端部31は、以下に示すように形状が異なる(図9〜図12)。
【0028】
本発明のエネルギー管理筒13A(図4)は、ユニットとして合わせて一体形成される筒部14A、15A、及び16Aのそれぞれとアニール可能な鋼材料のシートから成るものとして開示されている。壁厚は、機能上の設計要件を満たすよう必要に応じて変えることができる。例えば、バンパクラッシュタワー及び/又は車両フレームでは、材料強度及び特定の用途の使用要件に応じて、厚みは約1.5mm〜4mmとすることができる。シートは最初に、ロール成形機により連続した長い筒になるように製造され、その後、所定の長さの筒状ブランク60(図6)になるようにカットすることが考えられる。次いで、筒状ブランクは筒部15A及び16Aの領域をアニールされ、次いで形状61(図7)に形成され、ここでは、第2筒部15Aは、縮径を有するよう圧縮され、中間部16Aは一時的な円錐台形状を一時的にとる。エネルギー管理筒13Aを予め設定された状態(図8)に固定し且つそれに対し長手方向に変形することが有用であることが確定されており、それにより、中間筒部16Aは、以下に示すように、初期の衝撃を受けている間、高い負荷スパイクを回避する特定の形状をとる。自動バンパシステム及びフレーム部品の場合、材料シートは、構造用鋼等の良好で信頼性の高いグレードの鋼であることが好ましい。約35KSIを上回る降伏強度を有する鋼が非常によく作用する。最適な降伏特性及び延伸特性を選択領域に達成するように熱処理又はアニールすることができる鋼が優れた候補であり、構造用鋼、又は高強度低合金鋼(HSLAS)又は超高強度鋼(UHSS)等がある。
【0029】
材料についての具体的な記載は好適なものである。選択材料は、より強度があるほど、より硬くなるほど、降伏強度が高く、引張り強度が高く、且つ延伸値が低くなるため、厳格な半径(tight radius)に対して感度がより高くなり、めり込むのに抵抗がある傾向になる(tend to resist rolling)場合が多い。その代わり、厳格な半径での破損、キンク、せん断、亀裂、及び/又は破損の傾向が強くなる。この破損問題は、半径が材料の厚さ寸法に近づくにつれ悪化することになる。本発明は、外向き及び内向きのフレア状の拡がり、クリアランス、及びこの問題を対処するのに特に選択された半径を用いる。種々のグレートの鋼は、当該技術分野において既知であるとともに当業者により理解される。読み手の注意は、標準化された工業定義についてASTM A1008/A及びA1008M−01a、並びにASTM A1011A及びA1011M−01aに向けられる。約25KSI以上を有する鋼等の構造用鋼は、上述した品質上の問題が生じ始める強度特性を有する。構造用鋼は一般に、冷間圧延された商用品質の鋼又は熱間圧延された商用品質の鋼よりも若干良好なグレードである。それにもかかわらず、特に、構造用鋼は25〜35KSI引張り強度に近づくにつて、問題を呈示する傾向が強くなる。本発明は、上記に示したエネルギー管理筒13(及び筒13A及び13B)では、約25KSI以上の引張り強度を有する鋼等の構造用鋼を用いて十分に作用することが特に考えられる。本発明はまた、80KSI以上のより強度な材料、及び超高強度鋼(UHSS)の場合に十分に適合するとともに十分に作用する。作用性及び材料の高度な圧延が望まれる場合、これらの鋼は、エネルギー管理筒において目的にかなう(strategic)領域にて最適な特性を達成するように熱処理又はアニールを行うことができる。
【0030】
本明細書中で説明した種々の鋼は、鋼材料分野及びロール成形分野における熟練者(当業者)により十分に理解されることが意図されているとともにそのように考えられていることを理解されたい。読み手の利便性のため、付加的な情報はアメリカ材料試験協会(ASTM)から入手することができるということを特記しておく。本明細書中で用いられている鋼についての用語は、ASTMの規格及び定義に準拠していることが意図されている。それにもかかわらず、本発明の技術は、非常に融通性があり、広範の材料とともに作用するように適合可能であるということを強調しておく。したがって、種々の用語は、確かに相応に解釈されるものの、広範に解釈されることが意図される。
【0031】
本発明の概念は、HSLA鋼、及び二相鋼(dual phase plate:複合組織鋼板)、三相(TRIP)鋼、又はマルテンサイト材料等の超高強度鋼(UHSS)であると考えられている。本発明の概念はまた、アルミニウム及びさらにはより軟質の材料等の他のエンジニアリングクレードの材料にとっても有用である。本発明の概念は、高強度材料により、壁厚が薄くなること(すなわちゲージの低減)によって重量を低減させる場合に特に有用である。熱処理可能であることにより、材料は本質的に作用しやすくなる(workable)とともに流動しやすくなり、且つ/又は選択領域にてより作用しやすくなるとともに流動しやすくすることができる。例えば、これにより、小径を有するものの、微細亀裂及び/又は巨大亀裂及び/又は分裂が生じるおそれが少なく、せん断の問題及びシェルビング(shelving)等の材料分離のおそれが少なく、且つ小径曲げの領域の材料強度を低減させる他の品質上の欠陥のおそれが少ない状態を有する中間筒部16Aを形成することができるように、事前に設定できる。また、アニール特性により、せん断、引き割り、又は引裂きを生じることなく材料を圧延することが可能となり、このことは、衝撃及び長手方向に圧壊を受けている間、最大のエネルギー吸収を達成するのに重要である(図13を参照のこと)。
【0032】
特に、本発明のエネルギー管理筒の性能は、多数の方法により、特定の基準を満たすように調節及び調整することができる。それは、次のような変数、材料厚、材料タイプ、材料硬度、及び降伏率、アニール温度及びその状態、筒の直径及びその形状、特にロール半径構造(design)、及び事前設定の程度、筒部内(又は筒部外)に位置する圧壊可能なインサートの使用、及び材料をめり込ませるのに影響を与える他の因子、コラム強度、エネルギー吸収、及び長手方向に圧壊する衝撃を受けている間の応力の分配、を調節することを含めることができる。
【0033】
図9〜図12に示すように、第1筒部14Aは、第2筒部15Aよりも寸法が大きい。第1筒部14Aは、筒境目32を画定する外面を有する。筒境目32は、第1筒部14Aの第1端部30付近の領域の断面形状に合致する。第1端部30は、約25°の最小角度等で、境目32を越えて半径方向外向きにフレア状に拡がっている厳格に変形した材料34の周方向に連続したバンドを有する。この厳格に変形した材料34は、材料のめり込みに抗する「挟持(pinched)」領域を効果的に形成する小半径を画定する。また、小半径にある材料を硬化する作用がいくらかある。(その凹状面に関して)小半径は、第1端部30の材料厚の約0.5倍以上であることが好ましい。したがって、せん断又は亀裂傾向に対し十分に耐性がある。変形材料34にめり込み抵抗がある理由は多数あるが、些細なものである。フレア状とともに厳格な「小」半径が、第1筒部14Aの均一なリング状の支持体を形成し、この支持体は、長手方向に衝撃を受けたときに第1筒部のコラム強度を支持及び維持するように作用する。長手方向に応力がかかると、きつく変形した材料34が、第1端部30と第1筒部14Aの材料とのめり込みに抗する。
【0034】
対照的に、第2端部31(図12)は、第2端部31の材料厚の少なくとも約1.0倍等、(その凹状面に関して)比較的より大きな半径を画定する変形材料35を有する。第2端部31の変形部分35は、その半径がより大きいことに起因して、第2筒部15Aの材料のめり込み(rolling)に対する抵抗が低く、且つ第2筒部15Aのコラム強度の支持性が低い。実際、第2端部31は、衝撃を受けている最中に第1筒部14Aがそのコラム強度を維持している間、第2筒部15Aの入れ子状のめり込みを開始するように構成される。筒部15A及び16Aはアニールされ、第1筒部14Aはアニールされないことにより、このような成果を得やすくするとともにこのような成果を生じさせる(ただし、材料がめり込む傾向を有するのにアニールは必要とされない)。クリアランスは、めり込むのに必要なほどの材料流動のために与えられる。潜在的に、筒部14A及び15Aは、衝撃を受けている間の材料のめり込みの際に互いに支持を行うような寸法にすることができる。中間筒部16Aの事前に設定された状況もまた、初期の急激な高い負荷ピークを避けることに役立ち、それにより、負荷が所定の初期レベルに達したとき急激にレベルを下げ、次いで、衝撃ストロークの間そのレベルのままとなるため、重要である(図17を参照のこと)。
【0035】
第2エネルギー管理筒13B(図14〜図16)は、第1筒部14B、第2筒部15B、及び筒部14Bと15Bとを相互接続する中間筒部16Bを有する。しかしながら、筒13Bは筒13Aとは異なる。筒13Bでは、大径を有する第1筒部14Bの端部30Bは、より大きな半径を画定する変形材料34Bを有する。さらに、変形材料34Bは外向きにフレア状に拡がっていないが、代わりに、第1筒部14Bの外面によって画定される境界内に概ねとどまる。同時に、第2筒部15Bの端部31Bは、より小さな半径を画定する変形材料35Bを有する。変形材料35Bは、約12°の最小角度等で、筒境目32Bの内側で内向きにフレア状に拡がっている。
【0036】
図13は、筒13Bの第1筒部14Bから材料36の部分がめり込んでいる部分的なストローク衝撃を示す(筒13Aでは、より小さい第2筒部15Aは、同様の方法でめり込む際、衝撃を受けている間にめり込む部分である)。
【0037】
図17は、筒13A及び14Aの典型的な負荷対撓み曲線を示す。衝撃ストロークを受けている間、負荷に一部ばらつきが見られるが、バンパ及びフレーム等についてのエネルギー管理システムを設計する分野の当業者には、負荷が急激に所定レベルに達し、衝撃ストローク全体を通して選択レベルで比較的一定のままであることは明らかであろう。負荷撓み曲線の下側の領域は、衝撃ストロークを受けている間の実際のエネルギー吸収(「AEA」)を示す。完全なエネルギー吸収(「PEA」)は、衝撃(D1)を受けている間に達成される最大負荷を完全な衝撃ストローク(D2)に乗算することで計算されるであろう。本発明のエネルギー管理システムは、非常に高い効率定格(すなわち「PEA」で除算した「AEA」)を提供する。具体的には、本発明のエネルギー管理筒技術は、比較的急激な初期の負荷、及び衝撃ストローク全体を通して連続する比較的良好に維持された一定レベルの負荷により、既知のバンパクラッシュタワーよりもはるかに高く、より一定のエネルギー吸収効率定格となる。具体的には、本発明の概念は、驚くべき想定外の、負荷対撓み曲線の一定性及び確実性を提供し、また、一定且つ確実なエネルギー吸収及び潰れストロークを提供する。
【0038】
図18は、例えば図17の結果を得るために用いられ得る典型的なアニールされた筒を示すチャートであり、図18Aは、図18の筒に用いられる材料に対するアニールの影響を示すグラフである。一連のアニール温度線A〜Jは、アニール温度の上昇に基づく降伏強度の漸次的な低減、引張り強度の低減、並びに歪み及び成形性の全体的な増加、及び成形性を示す。また、引張り強度と降伏強度との概略的な関係、及びこれらの特定と歪みとの関係も示す。
【0039】
図19は、図11及び図15の本発明のエネルギー管理筒を筒状側部材へ組み込むという概念を取り込んだ筒状車両フレームの斜視図である。それぞれ本発明のエネルギー管理システム技術を用いることができる場所を示す4つの特定の領域が、4つの領域付近に拡大して示されている。しかしながら、本発明の技術は付加的な領域に用いることもできることに留意されたい。さらに、「実際の」フレームでは、使用位置は、フレーム上ではより対称的な位置にある可能性が高いであろう。
【0040】
図示の筒40(図19)は、車両フレーム39の前端付近に、前部フレーム側部フレーム部材の長手方向部分の前部クロスカービームのすぐ前方に位置する。筒40は、断面が矩形であり、入れ子式の衝撃を受けている間、筒の一方(14C又は15C)の材料のめり込みを開始するように構成されている単一の中間筒部(16C)(図11を参照のこと)を有する。エネルギー管理筒41は、車両フレームの同様な前方位置に位置する。筒41は、断面が円形であり、入れ子式の衝撃を受けている間に材料のめり込みを開始するために単一の中間筒部(16D)を有する。筒41はまた、円形断面が車両フレーム部材の前端(又は後端)に係合する正方形部に移行する一端に移行ゾーン42を有する。筒41は例えば、車両バンパを支持するのに用いることができる。
【0041】
2端筒43は、図示の車両フレームの側部の中間部に位置する。筒43は、断面が円形であり、筒部46の中心に位置する小径の対向端の対向方向に向いた2つの中間筒部44及び45を有する。筒43はさらに、中間筒部44及び45の各外端に2つの大径筒部47及び48を有する。さらに、大径筒部は、外端で正方形断面に移行する。別のエネルギー管理筒49は、筒40と同様であり、車両フレームの側部材の一端に位置する。しかしながら、横ビームの最も近くの前面にあるのではなく、溶接等によりエネルギー管理筒49の大径筒部に横ビーム50が直接取り付けられている。
【0042】
図20は、2つのクロスカービームの斜視図であり、一方が車両フレームと同じ平面内に用いられるクロスカービーム52である。ビームすなわちエネルギー管理筒52は、上述するように2端筒43と同様である。ビームすなわちエネルギー管理筒52は、中間位置に位置する小径筒部53を有し、2つの大径筒部54及び55が車両フレームの側部材に取り付けられている。特に、フレームレールの幾何学形状により良好に合致するように改良しやすくするために、筒13A(又は13B)の両端をアニールすることができる。
【0043】
図20の他のエネルギー管理システムは、車両の横ビームとして配置されるが車両のフロアパンの上方に用いられるか、又はシートが固定されることができるフロアパンに相対した位置に少なくとも位置する一対の筒55を有する。各筒55は、筒52と同様であり、その対向する両端は車両の側部に固定される。各筒55は、より小さな中間筒部56及びより大きな2つの外側の筒部57及び58を有する。車両は、より大きな筒部57及び58に取り付けられる前部及び後部の外側脚部61、及びより小さな筒部56に取り付けられる前部及び後部の内側脚部62を有するシート59及び60を有する。
【0044】
図21は、バンパ補強ビーム64、及び車両フレームにバンパビーム64を支持するエネルギー管理筒65を組み込んでいるバンパシステムの斜視図である。クラッシュタワー65は、筒41と同様のエネルギー管理筒であるため、詳細には説明する必要がない。
【0045】
図22は、インストルメントパネル68を支持するのに用いられるクロスカービーム67の斜視図である。ビーム67は、単一の長い小径筒部69を有し、各端には、2つの大径筒部70を含む。大径筒部70は、前部の乗員ドアのすぐ前の車両「A」支柱等における車両構造に取り付けられる。いくつかのカラー71が、ブラケット72及び開いた取り付けフランジ73を支持するために、小径筒部69に位置付けられる。ブラケット72は、インストルメントパネル68等の種々のアイテム、種々の部品、及びインストルメントパネル68内及びその周りの付属品を固定するのに用いられる。
【0046】
図23は、エネルギー管理筒76の外端に配置されるとともに、内部に軸方向に設置されようとしている、圧壊可能なインサート75を示す斜視図である。筒76は、小径筒部77、大径筒部78、及びそれらを相互接続する中間筒部79を有し、この中間筒部は、小径筒部77が長手方向に衝撃を受けたときに大径筒部78にめり込み可能に移動する際に、小径筒部77の材料の所定のめり込みを行うように設計されている。圧壊可能なインサート75は、周方向に強度を有するとともに大径筒部78を半径方向に支持するようになっている構造リング80を有する。構造リング80は、構造リング80を長手方向に離間させる薄肉リング81により相互接続される。しかしながら、薄肉リング81は、所定の長手方向強度を有し、それにより、長手方向に力を受け取ったときに所定の力で圧壊するようになっている。したがって、圧壊可能なインサート75は、エネルギー管理筒76内に配置される際(図24)、がたつきを防止するように、最初に大径筒部78に滑り嵌めする。しかしながら、長手方向に衝撃を受けている間、小径筒部77が大径筒部78に向かって移動する際、小径筒部77の材料が、めり込みを開始し、圧壊可能なインサート75の端と係合するように移動する。小径筒部77がめり込み、圧壊可能なインサート75の薄肉リング81が圧壊することで、材料をより多くめり込ませるための追加的な空間を形成する。圧壊可能なインサート75が完全に圧壊するまで、このシーケンスが続く。衝撃ストロークを受けている間、圧壊可能なインサート75は、めり込み中の材料に係合してその制御に役立つ。例えば、一試験では、圧壊可能なインサート75は、長手方向の負荷が10,000ポンド力だけ増えた。また、負荷がより一定となり、そのため、エネルギー管理システムの効率定格(すなわち、上述したように「PEA」で除算した「AGA」)が増し得ることが、試験により潜在的に示されている。
【0047】
したがって、圧壊可能なインサートは、筒部77のめり込みに対して付加的な耐性を与え、エネルギー管理筒の性能を調整するのに用いることができる。図23及び図24の図示の圧壊可能なインサート75は、長手方向に負荷を受けたときに中間筒部79のロール半径により与えられると圧壊するエラストマー材料から成る。凸状円形リング81は、より厚肉の境界リング80間に位置する。圧壊可能なインサートが負荷を受けると、リング80は負荷を受けたときに圧壊を開始する凸状領域に負荷を伝達する。凸状領域81の外方への圧壊は、筒部78の内面によって妨げられる。同様な性能は、筒部78がめり込み、筒部77がコラム強度を維持する場合に達成することができる。圧壊可能なインサートは、種々の材料から成ることができ、エネルギー管理筒の性能を調整するのに異なる幾何学形状を使用してもよい。圧壊可能なインサートは、筒径又は材料厚を増大させる代わりに、筒の性能を調整するのに用いることができる。標準方法によっては、材料厚を増大させるか又は筒径を増大させることによって筒の性能を達成することができるものもある。圧壊可能なインサートの使用により、著しいコストの追加がなく、また、ペナルティ重みの追加がなく、パフォーマンスを調整する代替的方法が提供される。
【0048】
本発明の概念から逸脱することなく、上記構造に変形及び変更を加えることができることは理解されるであろうし、また、そのような概念は、そうでないことが明言されていない限り、添付の特許請求の範囲に包含されるものとすることも理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】車両フレームに取り付けられた取り付けプレートと、バンパビームと、対向する両端部が取り付けプレート及びバンパビームに取り付けられているクラッシュタワーとを備えたバンパシステムの横断面図である。
【図2】図1と同様であるが、クラッシュタワーが第1(比較的短い)距離だけ圧壊した状態にある図である。
【図3】図2と同様であるが、クラッシュタワーが第2(より長い)距離だけ圧壊した状態にある図である。
【図4】本発明のエネルギー管理筒の側面図である。
【図5】エネルギー管理筒がとることができるさらなる断面形状の斜視図でる。
【図6】第1直径を有する筒状ブランクの側面図である。
【図7】筒状ブランクの一端が縮径に圧縮されている様子を示す側面図である。
【図8】予め設定されたS形状をとるように中間筒部が長手方向に変形されている様子を示す側面図であり、本発明のエネルギー管理筒を示す図である。
【図9】大径筒部に隣接した中間筒部の外向きにフレア状に拡がった端部を有する、図8の筒の側面図である。
【図10】大径筒部に隣接した中間筒部の外向きにフレア状に拡がった端部を有する、図8の筒の端面図である。
【図11】大径筒部に隣接した中間筒部の外向きにフレア状に拡がった端部を有する、図8の筒の長手方向断面図である。
【図12】図10の丸で囲んだ領域XIIの拡大図である。
【図13】一部が入れ子式に圧壊し、大径筒部側にめり込んだ材料を有する、図14に示す筒の斜視図である。
【図14】小径筒部に隣接した中間筒部の内向きにフレア状に拡がった端部を有する、変更形エネルギー管理筒の側面図である。
【図15】小径筒部に隣接した中間筒部の内向きにフレア状に拡がった端部を有する、変更形エネルギー管理筒の長手方向断面図である。
【図16】図15の丸で囲んだ領域XVIの拡大図である。
【図17】図10に示した筒の長手方向に衝撃を受けた場合の負荷対撓みを示すグラフである。
【図18】筒が直立しており、中間部(約75mm〜約95mmの範囲)及び第2筒部がアニールされている状態の、図10の筒の底面からの距離対硬度及び引張り強度に対するアニール効果を示すチャートである。
【図18A】図18の筒に用いられる材料に対するアニール効果を示すグラフであり、一連のアニール温度線A〜Jは、アニール温度の上昇に基づく降伏強度の漸次的低減、引張り強度の低減、並びに歪み及び成形性の全体的な増加を示すグラフである。
【図19】本発明のエネルギー管理システムが用いられている4つの特定の領域の拡大図を含む、図10の本発明のエネルギー管理筒を組み込んでいる車両フレームの斜視図である。
【図20】2つのクロスカービームの斜視図であり、一方は車両のフロアパン下に位置する車両フレームに用いられ、他方は車両のフロアパンの上方に用いられるとともに車両シートを支持するのに用いられるクロスカービームである。
【図21】バンパ補強ビーム、及び車両フレームにバンパビームを支持するクラッシュタワー組み込んでいるバンパシステムの斜視図である。
【図22】インストルメントパネルを支持するのに用いられるクロスカービームの斜視図である。
【図23】エネルギー管理筒から分解された圧壊可能な支持部材を示す斜視図である。
【図24】筒内に位置している圧壊可能な支持部材を示す斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に衝撃を受けたときに相当な衝撃エネルギーを確実且つ予測可能に吸収するようになっているエネルギー管理筒であって、
第1筒部と、
該第1筒部と整合する第2筒部と、
前記第1筒部と前記第2筒部とをそれぞれ一体接続する第1端部及び第2端部を有する中間筒部であって、前記第1筒部及び前記第2筒部はサイズが寸法的に異なり、該中間筒部は、前記第1筒部から前記第2筒部に移行する形状を有する、中間筒部と
を備え、
前記第1筒部は、前記第2筒部よりもサイズが大きく、且つ筒境目を画定する外面を有し、
前記第1端部は、前記外面を越えて半径方向外向きにフレア状に拡がっている変形材料のひと続きのバンドを有し、長手方向に衝撃を受けたときに前記第1筒部のコラム強度を支持及び維持するように作用し、
前記第2端部は、衝撃を受けている最中に前記第1筒部がそのコラム強度を維持するのとは対照的に、前記第2筒部の入れ子状のめり込みを開始するように構成される、
長手方向に衝撃を受けたときに相当な衝撃エネルギーを確実且つ予測可能に吸収するようになっているエネルギー管理筒。
【請求項2】
前記第1筒部、前記第2筒部、及び前記中間筒部は、単一の材料シートから形成され、
前記第1筒部、前記第2筒部、及び前記中間筒部の少なくとも1つは、異なる材料特性を有するように熱処理される、請求項1に記載のエネルギー管理筒。
【請求項3】
前記中間筒部と、前記第1筒部及び前記第2筒部の一方とは熱処理される、請求項2に記載のエネルギー管理筒。
【請求項4】
前記中間筒部及び前記一方の筒部はアニールされる、請求項3に記載のエネルギー管理筒。
【請求項5】
前記第1筒部、前記第2筒部、及び前記中間筒部は、鋼から成る、請求項1に記載のエネルギー管理筒。
【請求項6】
前記第1筒部、前記第2筒部、及び前記中間筒部は、アメリカ材料試験協会(ASTM)により規定された、構造用鋼の降伏強度を有する材料から成る、請求項5に記載のエネルギー管理筒。
【請求項7】
前記第1筒部、前記第2筒部、及び前記中間筒部は、少なくとも約35KSIの降伏強度を有する材料から成る、請求項5に記載のエネルギー管理筒。
【請求項8】
前記材料は、少なくとも80KSIの降伏強度を有する、請求項7に記載のエネルギー管理筒。
【請求項9】
前記第1筒部、前記第2筒部、及び前記中間筒部は、熱処理可能なグレードの材料から成る、請求項1に記載のエネルギー管理筒。
【請求項10】
前記第1筒部、前記第2筒部、及び前記中間筒部のうち少なくとも1つの前記材料は、熱処理される、請求項9に記載のエネルギー管理筒。
【請求項11】
前記第1筒部、前記第2筒部、及び前記中間筒部は、アニール可能なグレードの材料から成る、請求項1に記載のエネルギー管理筒。
【請求項12】
前記第1筒部、前記第2筒部、及び前記中間筒部のうち少なくとも1つの前記材料は、アニールされる、請求項11に記載のエネルギー管理筒。
【請求項13】
前記第1筒部、前記第2筒部、及び前記中間筒部のうち少なくとも1つの前記材料は、前記中間筒部をアニールすることを含めてアニールされて、異なる材料特性を有するようになる、請求項12に記載のエネルギー管理筒。
【請求項14】
前記第1筒部、前記第2筒部、及び前記中間筒部は、構造用鋼の降伏特性、引張り特性、及び延伸特性と少なくとも同等の特性を有する材料から成る、請求項1に記載のエネルギー管理筒。
【請求項15】
前記第1筒部、前記第2筒部、及び前記中間筒部は、高強度低合金(HSLA)鋼から成る、請求項1に記載のエネルギー管理筒。
【請求項16】
前記第1筒部、前記第2筒部、及び前記中間筒部は、超高強度鋼から成る、請求項1に記載のエネルギー管理筒。
【請求項17】
前記第1筒部、前記第2筒部、及び前記中間筒部は、連続的なロール成形の過程で、長手方向にロール成形される、請求項1に記載のエネルギー管理筒。
【請求項18】
前記第1筒部、前記第2筒部、及び前記中間筒部の少なくとも1つは、圧縮されてサイズを縮小することによって、ある程度形成される、請求項1に記載のエネルギー管理筒。
【請求項19】
前記第1筒部及び前記第2筒部は、長手方向に圧縮されて、
前記中間筒部に予め設定された形状を強制的にとらせ、
前記第1端部及び前記第2端部は少なくとも部分的に重なる、請求項1に記載のエネルギー管理筒。
【請求項20】
前記第1筒部は、前記第2筒部よりも少なくとも約10%高い降伏強度を有する、請求項1に記載のエネルギー管理筒。
【請求項21】
前記第1端部は、前記第1筒部の壁厚の約0.5倍以上の半径を有する、請求項1に記載のエネルギー管理筒。
【請求項22】
前記第2端部は、前記第2筒部の壁厚の約1.0倍を上回る第2半径を有する、請求項21に記載のエネルギー管理筒。
【請求項23】
前記第1筒部の内側に位置するインサートを有する、請求項1に記載のエネルギー管理筒。
【請求項24】
前記第1筒部及び前記第2筒部の一方の自由端に取り付けられるバンパビームを有する、請求項1に記載のエネルギー管理筒。
【請求項25】
前記第1筒部及び前記第2筒部の少なくとも一方に取り付けられる車両フレームを有する、請求項1に記載のエネルギー管理筒。
【請求項26】
前記第1筒部及び前記第2筒部の少なくとも一方に取り付けられるクロスカーフレーム部材を有する、請求項1に記載のエネルギー管理筒。
【請求項27】
前記第1筒部及び前記第2筒部は、同様の幾何学的形状の断面形状を有するが、断面積サイズは異なる、請求項1に記載のエネルギー管理筒。
【請求項28】
前記第1筒部及び前記第2筒部の少なくとも一方は、矩形断面を有する、請求項27に記載のエネルギー管理筒。
【請求項29】
前記第1筒部及び前記第2筒部の少なくとも一方は、円形断面を有する、請求項28に記載のエネルギー管理筒。
【請求項30】
前記第1筒部及び前記第2筒部の一方は、或る位置にて円形断面を有し、且つ、前記或る位置から長手方向に離間した別の位置にて矩形断面を有する、請求項1に記載のエネルギー管理筒。
【請求項31】
長手方向に衝撃を受けたときに相当な衝撃エネルギーを確実且つ予測可能に吸収するようになっているエネルギー管理筒であって、
第1筒部と、
該第1筒部と整合する第2筒部と、
前記第1筒部と前記第2筒部とをそれぞれ一体接続する第1端部及び第2端部を有する中間筒部であって、前記第1筒部及び前記第2筒部はサイズが寸法的に異なり、該中間筒部は、前記第1筒部から前記第2筒部に移行する形状を有する、中間筒部と
を備え、
前記第2筒部は、前記第1筒部よりもサイズが小さく、且つ筒境目を画定する内面を有し、
前記第2端部は、前記境目の内側に半径方向内向きにフレア状に拡がっている変形材料のひと続きのバンドを有し、長手方向に衝撃を受けたときに前記第2筒部のコラム強度を支持及び維持するように作用し、
前記第1端部は、衝撃を受けている最中に前記第2筒部がそのコラム強度を維持する間に前記第1筒部の入れ子状のめり込みを開始するように構成される、
長手方向に衝撃を受けたときに相当な衝撃エネルギーを確実且つ予測可能に吸収するようになっているエネルギー管理筒。
【請求項32】
前記第1筒部、前記第2筒部、及び前記中間筒部は、単一の材料シートから形成され、
前記第1筒部、前記第2筒部、及び前記中間筒部の少なくとも1つは、異なる材料特性を有するように熱処理される、請求項31に記載のエネルギー管理筒。
【請求項33】
前記中間筒部と、前記第1筒部及び前記第2筒部の少なくとも一方とは、熱処理される、請求項32に記載のエネルギー管理筒。
【請求項34】
前記中間筒部及び前記一方の筒部はアニールされる、請求項33に記載のエネルギー管理筒。
【請求項35】
前記第1筒部、前記第2筒部、及び前記中間筒部は、鋼から成る、請求項31に記載のエネルギー管理筒。
【請求項36】
長手方向に衝撃を受けたときに相当な衝撃エネルギーを確実且つ予測可能に吸収するようになっているエネルギー管理筒であって、
第1筒部と、
該第1筒部と整合する第2筒部と、
前記第1筒部と前記第2筒部とをそれぞれ一体接続する第1端部及び第2端部を有する中間筒部であって、前記第1筒部は、前記第2筒部よりもサイズが寸法的に大きく、該中間筒部は、前記第1筒部から前記第2筒部に移行する形状を有する、中間筒部と
を備え、
前記中間筒部は、連続的なリングを形成し、且つ、
長手方向の断面から見ると、前記第1端部が壁区域に第1半径を画定し、且つ前記第2端部が壁区域に第2半径を画定する非線形壁区域であり、
前記第1半径及び前記第2半径の一方は他方の半径よりも小さい非線形壁区域であり、
前記一方の小径を有する端部は、前記他方の大径を有する端部よりもコラム強度に対し比較的大きな支持を与え、
前記他方の大径を有する端部は、前記大径を有する前記筒部の入れ子状のめり込みを開始するように構成されており、
それにより、長手方向の衝撃を受けると、前記中間筒部及び前記第2筒部は、予測可能に、且つ、前記中間部が前記長手方向の衝撃から力を受けたときの前記第1端部よりも迅速に、また、前記第1筒部よりも迅速に、めり込む、
長手方向に衝撃を受けたときに相当な衝撃エネルギーを確実且つ予測可能に吸収するようになっているエネルギー管理筒。
【請求項37】
前記第1筒部、前記第2筒部、及び前記中間筒部は、単一の材料シートから形成され、
前記第1筒部、前記第2筒部、及び前記中間筒部の少なくとも1つは、異なる材料特性を有するように熱処理される、請求項36に記載のエネルギー管理筒。
【請求項38】
前記中間筒部と、前記第1筒部及び前記第2筒部の一方とは、熱処理される、請求項37に記載のエネルギー管理筒。
【請求項39】
前記中間筒部及び前記一方の筒部はアニールされる、請求項38に記載のエネルギー管理筒。
【請求項40】
前記第1筒部、前記第2筒部、及び前記中間筒部は、鋼から成る、請求項36に記載のエネルギー管理筒。
【請求項41】
長手方向に衝撃を受けたときに相当な衝撃エネルギーを確実且つ予測可能に吸収するようになっているエネルギー管理筒であって、
第1筒部と、
該第1筒部と整合する第2筒部と、
前記第1筒部と前記第2筒部とをそれぞれ一体接続する第1端部及び第2端部を有する中間筒部であって、前記第1筒部は、前記第2筒部よりもサイズが寸法的に大きく、該中間筒部は、前記第1筒部から前記第2筒部に移行する形状を有する、中間筒部と、
前記第1端部の内側に位置するとともに前記第2端部を支持する支持部材であって、めり込みに対し付加的な耐性を与える、支持部材と、
前記第1筒部の内側に位置するとともに、長手方向の衝撃を受けると圧壊すると同時に材料のめり込みを制御するのを助けるように構成されている、圧壊可能な支持部材と
を備える、
長手方向に衝撃を受けたときに相当な衝撃エネルギーを確実且つ予測可能に吸収するようになっているエネルギー管理筒。
【請求項42】
前記支持部材は、前記中間筒部に係合する、請求項41に記載のエネルギー管理筒。
【請求項43】
前記支持部材は、前記第1筒部内に嵌合する細長い一定形状を有する、請求項42に記載のエネルギー管理筒。
【請求項44】
長手方向に衝撃を受けたときに相当な衝撃エネルギーを確実且つ予測可能に吸収するようになっているエネルギー管理筒であって、
第1筒部と、
該第1筒部と整合する第2筒部と、
前記第1筒部と前記第2筒部とをそれぞれ一体接続する第1端部及び第2端部を有する中間筒部であって、前記第1筒部は、前記第2筒部よりもサイズが寸法的に大きく、該中間筒部は、前記第1筒部から前記第2筒部に移行する形状を有する、中間筒部と
を備え、
前記中間筒部と、前記第1筒部及び前記第2筒部のうち一方とは、前記第1筒部及び前記第2筒部のうち他方とは異なる材料特性を有するようにアニールされ、
前記異なる材料特性は、降伏特性及び延伸特性の変化を含み、且つ、前記中間筒部が該中間筒部を変形するのに十分な応力を受けると前記中間筒部を変形及び整形しやすくするようになっている、
長手方向に衝撃を受けたときに相当な衝撃エネルギーを確実且つ予測可能に吸収するようになっているエネルギー管理筒。
【請求項45】
前記異なる材料特性は、長手方向に衝撃を受けている間、前記アニールされた一方の筒部の予測可能な且つ所望の入れ子状のめり込みを支持するようになっている、増大した延伸特性及び低減した降伏特性を含む、請求項44に記載のエネルギー管理筒。
【請求項46】
前記異なる材料特性は、前記一方の筒部の断面をサイズが異なるように変更することを含めた、前記一方の筒部の機械的に形成するのを助けるようになっている、増大した延伸特性及び低減した降伏特性を含む、請求項45に記載のエネルギー管理筒。
【請求項47】
前記異なる材料特性は、長手方向に衝撃を受けている間、前記中間筒部を材料のめり込みを促進する形状に変化させるのを助けるようになっている、増大した延伸特性及び低減した降伏特性を含む、請求項45に記載のエネルギー管理筒。
【請求項48】
ショックアブソーバであって、
塑性変形可能なストレート筒を部分的に縮小又は部分的に拡大することによって一体形成される、小径筒部分及び大径筒部分と、
前記小径筒部分と前記大径筒部分の縁間に、該縁を各筒部分に折り返すことによって連続的に形成される段部分と
を備え、
加えられた衝撃エネルギーを吸収する量を制御するように、摩擦部材が前記大径筒部分の内側に取り付けられる、ショックアブソーバ。
【請求項49】
前記段部分は、
前記小径筒部分の、断面が円弧形である環状折り返し部分は、断面において曲率半径が小さく、且つ、前記大径筒部分の、断面が円弧形である環状折り返し部分は、断面の曲率半径が大きい
断面構造を有し、
環状側面は、前記環状折り返し部分の縁をその縁により接合し、
それにより、前記段部分をS字形状断面に一体形成する、請求項48に記載のショックアブソーバ。
【請求項50】
前記摩擦部材は、外径が前記大径筒部の内径よりも小さく、且つ内径が前記小径部分の外径よりも大きい環状弾性部材であり、
前記環状部材は、前記大径筒部分の内側に挿入される、請求項48に記載のショックアブソーバ。
【請求項51】
前記摩擦部材は、外径が前記大径筒部分の内径にほぼ等しく、且つ内径が前記小径筒部分の前記環状の折り返し部分の外径よりも大きい、環状弾性部材であり、
前記環状弾性部材は、前記大径筒部分の内側に圧挿入される、請求項48に記載のショックアブソーバ。
【請求項52】
ショックアブソーバであって、
塑性変形可能なストレート筒を部分的に縮小又は部分的に拡大することによって一体形成される小径筒部分及び大径筒部分と、
前記小径筒部分及び前記大径筒部分を接合する段部分と
を備え、
前記小径筒部分の折り返し部分と前記大径筒部分の折り返し部分との双方は、前記段部分により互いに接合される際、90度を超える円弧角を有する円弧形部を有し、
前記段部分は、前記小径筒部分の前記折り返し部分と前記大径筒部分の前記折り返し部分とを接合することによりS字形部を有するように形成される、ショックアブソーバ。
【請求項53】
前記段部分は、S字形部を有するように形成され、
前記小径筒部分の前記折り返し部分の前記円弧形部の半径は、前記大径筒部分の前記折り返し部分の前記円弧形部の半径よりも小さくなるようにされる、請求項52に記載のショックアブソーバ。
【請求項54】
前記段部分は、前記小径筒部分の前記折り返し部分と前記大径筒部分の前記折り返し部分とを環状側面により接合することによりS字形部を有するように形成される、請求項52に記載のショックアブソーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図18A】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公表番号】特表2007−503561(P2007−503561A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524821(P2006−524821)
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【国際出願番号】PCT/US2004/027608
【国際公開番号】WO2005/021326
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(591187162)シエイプ コーポレイション (25)
【氏名又は名称原語表記】SHAPE CORPORATION
【Fターム(参考)】