説明

表示アイコン自動変更システム

【課題】 運転者の嗜好の変化や利用時間帯の変化に応じて、施設を示すアイコン表示を自動で変更可能な表示アイコン自動変更システムを提供する。
【解決手段】 制御部17と、道路地図とともに施設を示すアイコンを表示する表示部6と、施設データベース30とを有する表示アイコン自動変更システムであって、施設データベース30は、施設に係る施設情報37と、施設情報37を施設種毎に管理する施設種別テーブル31とを有し、施設種別テーブル31は、施設種毎に施設種分類情報32を有し、施設に係る施設情報37から、施設が属する施設種分類情報32を特定する施設種特定手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用走行誘導装置に関し、特に施設を示すアイコン表示を自動で変更可能な表示アイコン自動変更システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両が現在走行している位置情報を人工衛星から受信し、車両の位置情報を地図情報と共に表示部に表示し、運転者を誘導する車両用走行誘導装置が実用化されている。また、この車両用走行誘導装置では、道路地図とともに施設を示すアイコンが表示部に表示される。この施設を示すアイコンを表示する機能の目的は、運転者が利用を望む施設を示すアイコンを道路地図とともに表示することによって、目的地となり得る地点を容易に発見できるようにすることである。このような施設を示すアイコンをすべて表示した場合、道路地図が見難くなるため、車両用走行誘導装置では、表示するアイコンを施設種毎に選択可能にしている場合が多い。このような運転者に係る選択操作の煩わしさを低減するため、特許文献1では、以下のような技術を提案している。特許文献1では、運転者に係る各施設の利用頻度を記憶し、利用頻度に応じて表示部にランドマークを表示するナビゲーション装置を提案している。また、特許文献1によれば、ナビゲーション装置において、外食施設などについては、通常利用する時間帯に限定して表示部にランドマークを表示するといった、時刻限定の案内が可能である。
【0003】
【特許文献1】特開平11−160088号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の提案技術では、利用頻度の高いランドマークは常に表示部に表示されるため、運転者が必ずしもそのランドマーク情報を必要としない場合にも、表示されることになる。また、時刻限定の案内では、外食施設などの施設種と、通常利用を望む時間帯とを、プリセットで設定或いは運転者が設定する必要がある。プリセットで外食施設などの施設種を設定する場合には、運転者が実際に利用したい施設種が必ずしも表示されず、また、運転者が実際に利用を望む時間帯に必ずしも表示されないため、利便性が高いとは言えない。また、運転者がこれら施設種及び利用時間帯を設定する場合には、設定操作を行う煩わしさが生じる。さらに、利用を望む施設種は、季節や年月の経過や運転者の嗜好の変化とともに変化するのが常であり、このような利用を望む施設種の変化に対しては、プリセット設定では対応できない。しかしながら、利用を望む施設種及び時間帯の変化に対する対応を運転者の設定により行うのでは、運転者にとって非常に煩わしい作業であることは容易に想像できる。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、運転者の嗜好の変化や利用時間帯の変化に応じて、施設を示すアイコン表示を自動で変更可能な表示アイコン自動変更システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、制御部と、道路地図とともに施設を示すアイコンを表示する表示部と、施設データベースとを有する表示アイコン自動変更システムであって、前記施設データベースは、施設に係る施設情報と、該施設情報を施設種毎に管理する施設種別テーブルとを有し、前記施設種別テーブルは、施設種毎に施設種分類情報を有し、前記施設に係る施設情報から、該施設が属する前記施設種分類情報を特定する施設種特定手段を備えることを特徴とする。本発明によれば、例えば利用した施設の施設情報から、利用した施設を含む施設種を特定する表示アイコン自動変更システムを実現できる。
【0007】
また、前記施設種特定手段は、前記施設に係る施設情報が有する前記施設種別分類情報へのリンク情報により、該施設が属する施設種を特定する手段であってもよい。
【0008】
また、前記施設種特定手段は、前記施設種分類情報が、施設種の識別情報を有し、前記施設に係る施設情報が、該施設が属する施設種の識別情報を有し、前記施設に係る施設情報が有する前記識別情報を、前記施設種別分類情報が有する前記識別情報と照合して、該施設が属する前記施設種を特定する手段であってもよい。
【0009】
また、本発明は、GPS受信部と、内燃機関の停止に係る出力信号を検出して車両の駐車を判定する駐車判定手段を備える。これにより、タイマ等の構成を備えることなく、車両の駐車判定を行うことができる。
【0010】
また、本発明は、前記駐車判定手段により駐車と判定した後、前記施設データベースと、前記GPS受信部が受信した信号に基づく駐車位置情報とに基づき、駐車位置から最も近い施設を利用施設と特定する利用施設特定手段を備える。これにより、運転者が利用した施設を設定するための操作を行うことなく、利用した施設を特定することができる。
【0011】
また、本発明は、利用した施設が属する施設種の前記施設種分類情報とともに、その利用日時を利用履歴として記憶する利用履歴記憶手段を備える。本発明によれば、利用した施設の施設種分類情報とともに、施設を利用した日時を利用履歴として記憶することが可能である。
【0012】
また、本発明は、前記施設種の前記利用履歴に含まれる利用時刻に基づき、前記施設が属する施設種に利用時間帯を設定する施設種利用時間帯設定手段を備える。本発明によれば、運転者が利用する施設を含む施設種に利用時間帯を設定可能である。
【0013】
また、本発明は、前記施設種の前記利用時間帯に基づき、該施設種に属する施設を示すアイコンを表示するアイコン表示手段を備える。本発明によれば、運転者が利用した施設を含む施設種に属する施設を示すアイコンのすべてを、運転者が利用した時間帯、すなわち運転者が利用を望む時間帯に表示可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、運転者の嗜好の変化や利用時間帯の変化に応じて、施設を示すアイコン表示を自動で変更可能な表示アイコン自動変更システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
【実施例1】
【0016】
本発明に係る表示アイコン自動変更システムを備えるナビゲーション装置10の構成を、図1を用いて詳細に説明する。図1において、二重線囲みで示す構成が、本発明に係る表示アイコン自動変更システムの構成である。図1において、読取り機構1は、地図データやその他の案内データを格納したCD(コンパクトディスク)−ROM(Read Only Memory)やDVD(Digital Versatile Disc)−ROM等の記録媒体を読み込むため構成である。ただし、これに限定されず、たとえばハードディスクドライブなどの記憶装置も適用することができる。
【0017】
操作部2は、運転者などのユーザ(以下、運転者とする)が車載用ナビゲーション装置10に各種操作・設定を入力するための構成である。これは、リモートコントローラ装置やコントロールパネル等のように個別に構成されていても、後述する表示部6と一体に形成されたタッチパネル式の入力装置として構成されていても良い。更には、音声入力用のマイクロフォン等で構成されてもよい。
【0018】
VICS(道路交通情報通信システム)受信部3は、電波ビーコン又は光ビーコンから送信されてくるVICS情報を受信するための構成である。GPS(Global Positioning System)受信部4は、GPS衛星から送信されてくるGPS信号を受信して車両の現在位置の緯度及び経度を検出するための構成である。自立航法センサ5は、車両方位を検出するためのジャイロ等を含む角度センサ5aと、一定の走行距離毎にパルスを発生する距離センサ5bとを有して構成されており、車両の進行方向や速度を検出する。
【0019】
表示部6は、例えば液晶表示方式のディスプレイ装置等で構成され、ナビゲーション装置10から入力された、地図や誘導経路や車両の現在位置や建造物その他アイコン等の各種情報を表示するための構成である。スピーカ7は、同じくナビゲーション装置10から入力された音声案内情報等を出力するための構成である。尚、スピーカ7はその他、音響装置等から入力された音楽等も出力することができる。
【0020】
また、ナビゲーション装置10において、バッファメモリ11は、後述する制御部17からの制御の下に読取り機構1から入力された地図データ等を一時的に格納するための構成である。I/F(インタフェース)12,13,14,15は、それぞれ操作部2,VICS受信部3,GPS受信部4,自立航法センサ5と車載用ナビゲーション装置10における内部バスとを接続するための構成である。
【0021】
制御部17は、例えばマイクロコンピュータやCPU(中央演算処理装置)等の演算処理装置で構成される。この制御部17は、ナビゲーション用のプログラムを内蔵しており、このプログラムに従い、GPS受信部4及び自立航法センサ5から出力される信号に基づいて車両の現在位置を検出したり、表示させたい地図のデータ等を読取り機構1からバッファメモリ11に読み出したり、バッファメモリ11に読み出した地図データから誘導経路を探索したり、設定された探索条件に合う誘導経路をバッファメモリ11に読み出された地図データ等を用いて1つ以上探索する等のナビゲーションに係る種々の処理を実行する。但し、例えば上記のプログラムはCD−ROMやDVD−ROM等に記憶しておくことも可能である。この場合、制御部17は必要に応じてこれを読出し、実行する。
【0022】
地図描画部18は、バッファメモリ11に読み出された地図データを用いて地図イメージの描画処理を行うための構成である。表示情報生成部19は、動作状況に応じて各種メニュー画面(操作画面)やカーソル等の各種マークを生成するための構成である。誘導経路記憶部20は、出発地及び目的地やその他の探索条件に基づいて制御部17において探索された誘導経路の全てのノードに関するデータ及び探索中に変更された誘導経路のデータ(以下、これらを誘導経路データという)を格納しておくための構成である。誘導経路描画部21は、誘導経路記憶部20から誘導経路データを読み出して誘導経路を他の道路とは異なる表示態様(色や線幅を用いた強調表示等)で描画するための構成である。アイコン描画部22は、地図イメージ上に描画する建造物やスポットや自車または他車などのアイコンの描画処理を行うための構成である。音声出力部23は、例えばDSP(Digital Signal Processor)等を含んで構成され、制御部17からの信号に基づいて音声信号をスピーカ7に出力する。
【0023】
画像合成部24は、地図描画部18で描画された地図イメージに、誘導経路描画部21で描画された誘導経路や、表示情報生成部19で描画された操作画面及び各種マークや、アイコン描画部22で描画された各種アイコンや、制御部17から入力された画像等を適宜重ねて、表示部6に表示させるための構成である。
【0024】
次に、本実施例において制御部17が行う処理を図2に示すフローチャートを用いて詳述する。図2において、まず、運転者が施設を利用するために車両を駐車する。駐車した際に、制御部17は車両の駐車判定処理を行う(ステップ11)。駐車判定は、例えばエンジンキーをイグニッションOFFにした際のセンサ出力を検出して駐車と判定してもよく、内燃機関の停止を検出可能な他のセンサ等の出力を検出して駐車と判定してもよい。制御部17は車両が駐車したと判定すると、車両の現在位置から最も近い施設の施設情報を施設データベースから検索し、利用施設特定処理を行う(ステップ12)。次に、制御部17は、利用施設として特定した施設の属する施設種を特定する施設種特定処理を行う(ステップ13)。この施設種特定処理については、後に詳述する。なお、施設種は、施設種分類情報として情報化された状態で、後述する施設種別テーブルに格納されている。利用施設の施設種を特定した後、制御部17は、特定した施設種を表す施設種分類情報及び利用日時を利用履歴に記憶する利用履歴記憶処理を行う(ステップ14)。このようにして構築される利用履歴に基づき、制御部17は、利用時間帯設定処理を行う(ステップ15)。この利用時間帯設定処理は、利用した施設の利用履歴に含まれる利用時刻に基づいて、利用した施設の属する施設種の利用時間帯を設定する処理である。この利用時間帯設定処理については、後に詳述する。運転者が車両を運転している際に、制御部17は現在時刻に該当する利用時間帯を持つ施設種の有無を判定し、該当する施設種があれば、道路地図情報とともに、該当する施設種に属するすべての施設を示すアイコンを表示部6に表示するアイコン表示処理を行う(ステップ16)。
【0025】
次に、前述した図2のステップ13で実行する施設種特定処理について詳述する。図3は、本発明に係る表示アイコン自動変更システムが有する施設データベース30を示す図である。施設データベース30は、施設種別テーブル31と、施設検索テーブル34と、施設情報37とを有している。施設種別テーブル31は、施設種毎に施設種を施設種分類情報32として有する情報テーブルである。各施設種分類情報である「レストラン」32a、「ラーメン」32b、「コンビニエンスストア」32cその他は、施設検索テーブル34へのリンク情報33をそれぞれ有している。施設検索テーブル34は、各施設種分類情報32a、32b、32cその他に属する施設を、施設分類情報35として有する情報テーブルである。各施設分類情報である「Aラーメン店」35a、「Bラーメン店」35b、「Cラーメン店」35cその他は、施設情報37へのリンク情報36をそれぞれ有している。施設情報37は、施設の位置37a、施設を示すアイコン情報37b、施設の営業時間37cその他の情報を有している。このような構造を有する施設データベースにより、運転者がある利用を望む施設を検索するときには、ナビゲーション装置10は以下のようにして運転者に情報を提供する。例えば運転者が、Bラーメン店に行きたいとする。運転者が、施設検索メニューを操作部2により選択すると、制御部17は、各施設種分類情報「レストラン」32a、「ラーメン」32b、「コンビニエンスストア」32cその他を表示部6に表示する。運転者は、表示部6に表示された施設種分類情報32の中から「ラーメン」32bを操作部2により選択する。「ラーメン」32bが選択されると、制御部17は、各施設分類情報「Aラーメン店」35a、「Bラーメン店」35b、「Cラーメン店」35cその他を表示部6に表示する。運転者は、表示部6に表示された施設分類情報35の中から、「Bラーメン店」35bを選択する。「Bラーメン店」35bが選択されると、制御部17は、施設情報37が有する施設の位置情報37aに基づき、アイコン情報37bに基づくアイコンを、道路地図とともに表示部6に表示する。また、制御部17は、施設の営業時間37cなどの情報を所定の表示画面構成により表示部6に表示する。
【0026】
上述したように、運転者による通常の施設検索操作では、施設種分類情報32の施設種を選択することによって、施設分類情報35が参照され、施設分類情報35の施設を選択することによって、施設情報37が特定される。本実施例では、それに加えて、図3に示すように、施設情報37が、施設種分類情報32へのリンク情報37dを有している。そのため、利用した施設の施設情報37によって、施設種分類情報32を特定できる。すなわち、利用した施設から、利用した施設がどの施設種に属しているかを特定することが可能である。以上により、利用した施設が属する施設種を特定する施設種特定処理を実現できる。
【0027】
次に前述した図2のステップ15で実行する利用時間帯設定処理について詳述する。図4は、同一の施設種Aに属する各施設の利用時刻41と、各施設が属する施設種に設定する利用時間帯43との相関関係を示す図である。図4において、利用時刻41a、41b、41c及び41dは、それぞれ同一の施設種Aに属する各施設を利用した利用時刻41を示す。この利用時刻41は、前述したステップ11で実行する駐車判定処理において、例えば内燃機関停止の出力信号を検出した時刻に対応している。本実施例では、この利用時刻41を中心とした最小時間帯42を各施設が属する施設種の利用時間帯43として設定する。図4に示すように、利用時刻41aにある施設を利用したことによって、この施設の属する施設種Aの利用時間帯43は、利用時間帯43aと設定される。また、利用時刻41b、41c及び41dを中心とした最小時間帯42b、42c及び42dがそれぞれ重複する場合には、これら最小時間帯42b、42c及び42dを含む時間帯全体を一つの利用時間帯43bとして設定する。以上により、利用した各施設の利用時刻41に基づいて、利用した施設の属する施設種の利用時間帯43を設定する利用時間帯設定処理を実現できる。なお、施設種の利用時間帯43を設定する際に参照する利用履歴からは、例えば記録された利用日の新旧によって、サンプルとする利用時刻41を抽出してもよい。また、利用頻度によって参照するデータ数を制限して、サンプルとする利用時刻41を抽出してもよい。また、前述したステップ15において実行するこの利用時間帯設定処理は、本実施例に示す処理に限られず、例えば利用時刻41が最小時間帯42の開始時刻となるように最小時間帯42を設定してもよい。
【0028】
次に、上述したこの利用時間帯設定処理を具体例とともに詳述する。図5は、図2のステップ14で記憶する利用履歴の一例を示す図である。図5において、利用日51は施設を利用した日付、利用時刻52は施設を利用した時刻、利用施設種53は利用した施設が属する施設種をそれぞれ示している。また、利用実績54aから54gまでは、各施設の利用実績54をそれぞれ示している。なお、この利用実績54の数は、利用した施設が属する施設種の利用頻度となる。図6は、図5に示した施設種53に属する施設の利用時刻61または64と、施設種53に設定する利用時間帯63または66との相関関係を具体例で示す図である。図6において、施設種「コンビニエンスストア」の利用時刻61a、61b及び61cは、図5の利用履歴に示す利用実績54b、54d及び54fの利用時刻52をそれぞれ参照している。本具体例で示す図においては、利用時刻を中心とした最小時間帯62または65を1時間と設定している。したがって、利用時刻61aを中心とした最小時間帯62aは17:30から18:30となる。同様にして、利用時刻61bを中心とした最小時間帯62bは18:10から19:10となり、利用時刻61cを中心とした最小時間帯62cは18:50から19:50となる。これら最小時間帯62a、62b及び62cはそれぞれ重複しているので、これら最小時間帯62a、62b及び62cを含む時間全体を施設種「コンビニエンスストア」の利用時間帯63aとして設定する。また、施設種「コンビニエンスストア」の利用時刻61dは、図5に示す利用履歴の利用実績54gの利用時刻52を参照している。利用時刻61dを中心とした最小時間帯62dは21:30から22:30となり、この最小時間帯62dが、そのまま施設種「コンビニエンスストア」の利用時間帯63bとして設定される。
【0029】
同様にして、施設種「レストラン」の利用時刻64a、64b及び64cは、図5の利用履歴に示す利用実績54a、54c及び54eの利用時刻52をそれぞれ参照している。したがって、利用時刻64aを中心とした最小時間帯65aは16:30から17:30となる。同様にして、利用時刻64bを中心とした最小時間帯65bは17:10から18:10となり、利用時刻64cを中心とした最小時間帯65cは17:50から18:50となる。これら最小時間帯65a、65b及び65cはそれぞれ重複しているので、これら最小時間帯65a、65b及び65cを含む時間全体を施設種「レストラン」の利用時間帯66として設定する。
【0030】
さらに、図5に示す利用履歴に基づいて、道路地図とともに施設を示すアイコンを表示部6に表示した場合について、図7に示す表示例を用いて詳述する。図7は、図5に示す利用履歴に基づいて、利用施設種53に属する施設を示すアイコンを、所定の時刻71に表示部6に表示する表示例を示す図である。図7(a)は、時刻71(12:00から16:30までの時間帯に含まれる時刻)に表示部6に表示する表示例を示す図である。図5に示す利用履歴によれば、この時刻71に施設を利用していないため、表示部6には道路地図のみが表示され、施設を示すアイコンは表示されない。図7(b)は、時刻72(16:30から17:30までの時間帯に含まれる時刻)に表示部6に表示する表示例を示す図である。前述した図6に示す相関関係図により、施設種「レストラン」の利用時間帯66は16:30から18:50までと設定されている。これによって、時刻が16:30を過ぎると、表示部6には施設種「レストラン」に属する施設を示すアイコン76が表示される。図7(c)は、時刻73(17:30から18:50までの時間帯に含まれる時刻)に表示部6に表示する表示例を示す図である。前述した図6に示す相関関係図により、施設種「コンビニエンスストア」の利用時間帯63aは17:30から19:50までと設定されている。これによって、時刻が17:30を過ぎると、表示部6には施設種「レストラン」に属する施設を示すアイコン76と共に、施設種「コンビニエンスストア」に属する施設を示すアイコン77が表示される。図7(d)は、時刻74(18:50から19:50までの時間帯に含まれる時刻)に表示部6に表示する表示例を示す図である。施設種「レストラン」の利用時間帯66は16:30から18:50までと設定されているため、時刻が18:50を過ぎると、表示部6には施設種「レストラン」に属する施設を示すアイコン76が表示されなくなる。図7(e)は、時刻75(19:50から21:00までの時間帯に含まれる時刻)に表示部6に表示する表示例を示す図である。施設種「コンビニエンスストア」の利用時間帯63aは、17:30から19:50までと設定されているため、時刻が19:50を過ぎると、表示部6には施設種「コンビニエンスストア」に属する施設を示すアイコン77が表示されなくなる。
【0031】
以上詳述したように、図2のステップ15で実行する利用時間帯設定処理で、施設の利用時刻に基づいて利用時間帯を設定することによって、該当する施設種に属する施設を示すアイコンを表示する、または表示しないようにすることができる。また、図7に示す表示例で詳述したように、ある施設種の利用時間帯が、他の施設種の利用時間帯と重複していても、同時に各施設種に属する施設を示すアイコンを表示可能である。但し、施設種の利用時間帯が同一時刻に複数重複していると、表示部6の表示が煩雑で見難い表示となる場合もある。そのため、煩雑な表示となることを回避するために、例えば利用履歴の利用日51の新旧や利用実績54の数、すなわち利用頻度などによって、該当する施設種に属する施設を示すアイコンの表示を制限してもよい。
【0032】
次に、運転者の利用施設が、例えば運転者の嗜好により変化した場合の表示部6の表示例について詳述する。図8は、運転者の利用施設及び利用施設の利用頻度が、ある時間帯において変化した場合の表示部6に表示する表示例を示す図である。図8(a)は、ある特定の時間帯に運転者が施設種「ラーメン」に属する施設(例えば○○ラーメン店)を利用していたときに、その利用時間帯に表示部6に表示する表示例である。表示部6には、施設種「ラーメン」に属する施設を示すアイコン81が、道路地図とともに表示される。図8(b)は、この利用時間帯と同じ時間帯に、運転者が施設種「うどん」に属する施設(例えば××うどん店)を好んで利用するようになった場合に、その利用時間帯に表示部6に表示する表示例である。表示部6には、施設種「うどん」に属する施設を示すアイコン82が、施設種「ラーメン」に属する施設を示すアイコン81とともに、道路地図上に表示される。図8(c)は、さらに、運転者が施設種「うどん」に属する施設を好んで利用し続け、施設種「ラーメン」に属する施設をほとんど利用しなくなった場合に、その利用時間帯に表示部6に表示する表示例である。このように施設種「ラーメン」に属する施設の利用実績54の数、すなわち施設種「ラーメン」の利用頻度が減少した場合には、施設種「ラーメン」の需要が、運転者において減少したと推定できる。このような場合には、施設種「ラーメン」に属する施設を示すアイコン81の表示を消去すれば、表示部6の表示の視認性を向上させることができる。本実施例では、このように利用頻度の減少したアイコンの表示を消去可能にするため、アイコン表示をすべき利用頻度のしきい値を設定する。これによって、施設種「ラーメン」の利用頻度が、しきい値を下回れば、図8(c)に示すように、運転者に施設種「ラーメン」に属する施設を示すアイコンの表示81を終了するか問い合わせるためのメッセージ表示83を表示する。メッセージ表示83に対して、運転者が操作部2により、施設種「ラーメン」の表示の終了を選択すると、表示部6の表示は、図8(d)に示すような表示となる。運転者が表示の終了を選択しない場合には、さらに、一定の有効期間を設けて施設種「ラーメン」に属する施設を示すアイコン81を表示する。この一定の有効期間の経過後、施設種「ラーメン」の利用頻度がしきい値を下回る場合には、再度メッセージ表示83を表示部6に表示する。
【0033】
以上により、運転者の嗜好の変化や利用時間帯の変化に応じて、施設を示すアイコン表示を自動で変更可能な表示アイコン自動変更システムを実現できる。
【実施例2】
【0034】
前述した図2のステップ13で実行する施設種特定処理の他の実施例について詳述する。図9は、表示アイコン自動変更システムが有する施設データベース90を示す図である。施設データベース90は、施設種別テーブル91と、施設検索テーブル95と、施設情報98とを有している。施設種別テーブル91は、施設種毎に施設種を施設種分類情報93として有する情報テーブルである。実施例1における施設種別テーブル31と同様に、施設種別テーブル91の各施設種分類情報である「レストラン」93a、「ラーメン」93b、「コンビニエンスストア」93cその他は、施設検索テーブル95へのリンク情報94をそれぞれ有している。施設検索テーブル95は、施設種分類情報93の各施設種に属する施設を、施設分類情報96として有する情報テーブルである。実施例1における施設検索テーブル34と同様に、各施設分類情報「Aラーメン店」96a、「Bラーメン店」96b、「Cラーメン店」96cその他は、施設情報98へのリンク情報97をそれぞれ有している。施設情報98は、施設の位置98a、施設を示すアイコン情報98b及び施設の営業時間98cその他の情報を有している。
【0035】
本実施例では、施設種別テーブル91に格納された施設種分類情報93が、施設種別ID92をそれぞれ有している。また、施設情報98は、自身が属する施設種が有する施設種別ID98dを有している。このように、本実施例では、施設情報98が施設種分類情報93の施設種別ID92を有している。そのため、利用した施設の施設情報98によって、施設種分類情報93を特定できる。すなわち、利用した施設から、利用した施設がどの施設種に属しているかを特定することが可能である。以上により、利用した施設が属する施設種を特定する施設種特定処理を実現できる。
【0036】
なお、表示アイコン自動変更システムは、車両の所有者である運転者以外の者、例えば車両の所有者の家族などが車両を運転する場合のために、運転者の設定を切替可能に設けて、表示アイコン自動変更システムの制御を切替えてもよい。これにより、例えば家族の者が車両を運転する際には、その者の利用履歴に即した施設を示すアイコンを表示部6に表示可能である。また、本実施例では、利用した施設の属する施設種に利用時間帯を設定することによって、利用時間帯に合わせて該当する施設種に属する施設を示すアイコンを表示できるが、例えば利用した施設そのものを示すアイコンを、利用時刻に基づく最小時間帯に合せて表示してもよい。
【0037】
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係る表示アイコン自動変更システムを備えるナビゲーション装置10の構成を示す図である。
【図2】本発明に係る表示アイコン自動変更システムの制御部17が行う処理をフローチャートで示す図である。
【図3】本発明に係る表示アイコン自動変更システムが有する施設データベース30を示す図である。
【図4】同一の施設種Aに属する各施設の利用時刻と、各施設が属する施設種に設定する利用時間帯との相関関係を示す図である。
【図5】利用履歴の一例を示す図である。
【図6】図5に示した施設種53に属する施設の利用時刻と、施設種53に設定する利用時間帯との相関関係を具体例で示す図である。
【図7】図5に示す利用履歴に基づいて、利用施設種53に属する施設を示すアイコンを、所定の利用時間帯に表示部6に表示する表示例を示す図である。
【図8】運転者の利用施設及び利用施設の利用頻度が、ある時間帯において変化した場合の表示部6に表示する表示例を示す図である。
【図9】表示アイコン自動変更システムが有する施設データベース90を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
1 読取り機構
2 操作部
3 VICS受信部
4 GPS受信部
5 自立航法センサ
5a 角度センサ
5b 距離センサ
6 表示部
7 スピーカ
10 ナビゲーション装置
11 バッファメモリ
12、13、14、15 I/F
17 制御部
18 地図描画部
19 表示情報生成部
20 誘導経路記憶部
21 誘導経路描画部
22 アイコン描画部
23 音声出力部
24 画像合成部
30 施設データベース
31 施設種別テーブル
32 施設種分類情報
33 施設検索テーブル34へのリンク情報
34 施設検索テーブル
35 施設分類情報
36 施設情報37へのリンク情報
37 施設情報
37d 施設種分類情報32へのリンク情報
41 利用時刻
42 最小時間帯
43 利用時間帯
51 利用日
52 利用時刻
53 利用施設種
54 利用実績
61a、61b、61c、61d コンビニエンスストアの利用時刻
62a、62b、62c、62d コンビニエンスストアの最小時間帯
63a、63b コンビニエンスストアの利用時間帯
64a、64b、64c レストランの利用時刻
65a、65b、65c レストランの最小時間帯
66 レストランの利用時間帯
71、72、73、74、75 時刻
76 施設種「レストラン」に属する施設を示すアイコン
77 施設種「コンビニエンスストア」に属する施設を示すアイコン
81 施設種「ラーメン」に属する施設を示すアイコン
82 施設種「うどん」に属する施設を示すアイコン
83 メッセージ表示
90 施設データベース
91 施設種別テーブル
92 施設種別ID
93 施設種分類情報
94 施設検索テーブル95へのリンク情報
95 施設検索テーブル
96 施設分類情報
97 施設情報98へのリンク情報
98 施設情報
98d 自身が属する施設種が有する施設種別ID

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と、道路地図とともに施設を示すアイコンを表示する表示部と、施設データベースとを有する表示アイコン自動変更システムであって、
前記施設データベースは、施設に係る施設情報と、該施設情報を施設種毎に管理する施設種別テーブルとを有し、
前記施設種別テーブルは、施設種毎に施設種分類情報を有し、
前記施設に係る施設情報から、該施設が属する前記施設種分類情報を特定する施設種特定手段を備えることを特徴とする表示アイコン自動変更システム。
【請求項2】
前記施設種特定手段は、前記施設に係る施設情報が有する前記施設種別分類情報へのリンク情報により、該施設が属する施設種を特定する手段であることを特徴とする請求項1記載の表示アイコン自動変更システム。
【請求項3】
前記施設種特定手段は、
前記施設種分類情報が、施設種の識別情報を有し、
前記施設に係る施設情報が、該施設が属する施設種の識別情報を有し、
前記施設に係る施設情報が有する前記識別情報を、前記施設種別分類情報が有する前記識別情報と照合して、該施設が属する前記施設種を特定する手段であることを特徴とする請求項1記載の表示アイコン自動変更システム。
【請求項4】
GPS受信部と、内燃機関の停止に係る出力信号を検出して車両の駐車を判定する駐車判定手段とを備えることを特徴とする請求項1から3いずれか一項記載の表示アイコン自動変更システム。
【請求項5】
前記駐車判定手段により駐車と判定した後、前記施設データベースと、前記GPS受信部が受信した信号に基づく駐車位置情報とに基づき、駐車位置から最も近い施設を利用施設と特定する利用施設特定手段を備えることを特徴とする請求項4項記載の表示アイコン自動変更システム。
【請求項6】
利用した施設が属する施設種の前記施設種分類情報とともに、その利用日時を利用履歴として記憶する利用履歴記憶手段を備えることを特徴とする請求項1から3または5いずれか1項記載の表示アイコン自動変更システム。
【請求項7】
前記施設種の前記利用履歴に含まれる利用時刻に基づき、前記施設が属する施設種に利用時間帯を設定する施設種利用時間帯設定手段を備えることを特徴とする請求項6項記載の表示アイコン自動変更システム。
【請求項8】
前記施設種の前記利用時間帯に基づき、該施設種に属する施設を示すアイコンを表示するアイコン表示手段を備えることを特徴とする請求項7記載の表示アイコン自動変更システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−251720(P2006−251720A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−71918(P2005−71918)
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】