説明

表示装置、画像観察装置、カメラおよび画像観察方法

【課題】所望の方向に実質的に広い射出瞳領域が得られ、画面のけられを防止することができる画像観察装置の提供。
【解決手段】透過型液晶表示装置12の出射面に接するように、回折光学素子13を配設する。透過型液晶表示装置12から出射された表示光は、回折光学素子13により回折され、回折光学素子13からは複数の回折光が接眼光学系へと出射される。複数の回折光は水平方向に大きく広がるように分散されるため、接眼光学系の射出瞳領域内においても水平方向に広がっている。その結果、観察者の瞳位置が水平方向に位置ずれした場合でも、複数の内の一部の回折光が瞳内に入射し、画面のけられが防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示光を回折光学素子で回折する表示装置、その表示装置を備えた画像観察装置およびカメラ、および画像観察方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、接眼式の表示装置として、LCDパネル等の表示素子を接眼レンズで観察する、いわゆるビューファインダが知られている(例えば、特許文献1参照)。この接眼式表示装置は、コンパクトでありながら一定の視野の大きさを得ることができるため、携帯に供するカメラ等の表示に好適である。
【0003】
【特許文献1】特開2005−77840号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、表示パネルが小さい場合には、接眼レンズの倍率を大きくする必要があるが、倍率を大きくすると視野が小さくなり、射出瞳位置が接眼レンズに近くなるとともに、射出瞳径が小さくなってしまう。そのため、観察者の瞳位置がずれると、画像にけられが生じ、使い易さの点で解決の余地があった。
【0005】
一般に接眼レンズの口径を大きくすると射出瞳径も大きくなるが、液晶表示パネルを表示素子に用いた場合、斜め方向から見たときの光量が大きく減衰する。そのため、特許文献1に記載の表示装置のように、散乱板を用いて表示光を散乱させて、光束の広がりを確保する方法もあるが、散乱板を用いると不要な方向ヘの光の損失が大きくなり、表示光量が小さくなってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明による表示装置は、接眼光学系を介して観察される表示装置に適用され、画像を表示する表示素子と、表示素子の表示面近傍に配設された回折光学素子とを備え、回折光学素子で回折された光を接眼光学系へと出射することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の表示装置において、回折光学素子は、接眼光学系の射出瞳領域における所望の範囲に回折光が分散するように入射光を回折するものである。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の表示装置において、表示素子は表示層に近接して配置された透明部材を有するものであって、透明部材に回折光学素子を形成したものである。
請求項4の発明は、請求項1または2に記載の表示装置において、表示素子は液晶表示装置であって、その液晶表示装置の液晶層の近傍に回折光学素子を配置したものである。
請求項5の発明は、請求項4に記載の表示装置において、回折光学素子は、液晶層を挟持する透明基板の少なくとも一方に形成された透過型回折格子であることを特徴とする。
請求項6の発明による画像観察装置は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の表示装置と、回折光学素子から出射された回折光を観察方向へ導く接眼光学系とを備えたことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項6に記載の画像観察装置において、接眼光学系は、回折光学素子から出射された回折光を反射する反射鏡と、反射鏡で反射された回折光を観察方向へ集光する光学部材とを備えるものである。
請求項8の発明は、請求項6に記載の画像観察装置において、接眼光学系は、回折光学素子から出射された回折光の一部を反射する偏光分離ミラーと、偏光分離ミラーで反射された光が入射する1/4波長板と、正の屈折力を有するとともに1/4波長板から出射された光を反射して1/4波長板に再入射させる光学部材とを備え、光学部材で反射されて1/4波長板を通過した光を観察可能としたものである。
請求項9の発明は、請求項6〜8のいずれか一項に記載の画像観察装置において、接眼光学系の射出瞳領域は細長い形状を有しており、回折光学素子は、複数の回折光を射出瞳領域の全域に亘って分布させたものである。
請求項10の発明は、請求項9に記載の画像観察装置において、回折光学素子の中央部から離れた位置に設けられた回折格子は、中央部の方向への回折光分布の広がりが、中央部と逆方向への回折光分布の広がりよりも大きくなるように回折するものである。
請求項11の発明によるカメラは、請求項6〜10のいずれか一項に記載の画像観察装置を備えたことを特徴とする。
請求項12の発明は、表示画像を接眼光学系を介して観察する画像観察方法であって、表示画像情報を含む表示光を回折手段により回折して、回折光を接眼光学系の射出瞳領域における所望の範囲に分散させ、回折光を接眼光学系を介して観察することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、表示素子の表示面に回折光学素子を配設し、その回折光学素子で回折された光を接眼光学系を介して観察するようにしたので、不要な方向への光損失を抑えつつ、観察眼の瞳孔位置で十分な光束径を得ることができ、瞳位置のずれによる画像のけられ等を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る画像観察装置の概略構成図を示す図である。本実施の形態の画像観察装置は、表示ユニット1と接眼光学系2とから成る。表示ユニット1は、光源10と、コリメータレンズ11と、表示素子としての透過型液晶表示装置12と、回折格子が形成された回折光学素子13とを備えている。
【0009】
一方、接眼光学系2には、偏光分離鏡としての偏光ビームスプリッター(PBS)21が形成された光学ブロック20、光学ブロック20の背面に固定された1/4波長板22および凹面鏡23が設けられている。3は観察者の眼(以下では、観察眼と呼ぶ)であり、この画像観察装置は、観察者が光学ブロック20をその正面(図示右側の側面)から観察するような構成となっている。
【0010】
図2は画像観察装置を観察眼3側(正面)から見た図である。矩形の光学ブロック20の中央の帯状領域Rには、PBS21、1/4波長板22および凹面鏡23が手前側から後方へと順に配設されている。PBS21、1/4波長板22および凹面鏡23の正面側から見た形状(投影形状)は全く同じであって、帯状領域Rと同一形状になっている。このように、PBS21、1/4波長板22および凹面鏡23が水平方向に長く、垂直方向に短い形状をしているので、光学的な視野および射出瞳領域の大きさは、水平方向に大きく、垂直方向に小さくなっていることがわかる。
【0011】
光源10には例えばLEDが用いられ、光源10から出射された光はコリメータレンズ11により略平行光とされ、透過型液晶表示装置12を後方(図1では上面)から照明する。なお、ライトガイドを用いて、ライトガイドの側方から光を導入して液晶表示装置12を照明するようにしても良いし、凹面鏡を用いて、その凹面鏡で反射された光で液晶表示装置12を照明するようにしても良い。
【0012】
液晶表示装置12に入射した光は、液晶層に形成された画像に応じて変調され、液晶表示装置12の出射側に設けられた偏光板によって偏光方向が光強度に変えられる。ここでは、この偏光板がS偏光であるものとする。すなわち、液晶表示装置12からは、この後段に設置された偏光ビームスプリッター21で反射される偏光方向の光(S偏光光)が出射されることになる。
【0013】
回折光学素子13は液晶表示装置12の表示面の近傍に配置されるが、本実施の形態では液晶表示装置の表示面に接して配設されている。液晶表示装置12からは略平行の表示光が出射され、その表示光は、回折光学素子13に形成された回折格子によって複数の方向に回折される。回折光の分散状態については後述する。回折光学素子13により回折された表示光はPBS21が形成された光学ブロック20に入射する。光学ブロック20に入射した表示光は、上述したようにS偏光光となっているため、PBS21により光学ブロック20の背面方向へと反射される。
【0014】
PBS21により背面方向へと反射された表示光は、1/4波長板22を通過することにより円偏光光とされた後に、凹面鏡23により光学ブロック20の正面方向へと反射される。この凹面鏡23は、図3に示すような従来の画像観察装置の接眼レンズ101の役割を担っていて、例えば、観察者が0dptであることを仮定すると(実際には−0.25dpt程度とする場合が多い)、凹面鏡23の焦点は、液晶表示装置12の位置に結ぶように配置されている。凹面鏡23で反射された反射光は、再び1/4波長板22を通過することにより円偏光光からP偏光光へと変換される。P偏光光の表示光はPBS21を透過し、観察者3へと達する。
【0015】
次に、回折光学素子13の回折作用について説明する。図2の一点鎖線は、光軸に沿って液晶表示装置12に入射した光の回折光を模式的に示したものである。液晶表示装置12を通過して回折光学素子13に入射した光は、回折作用により0次、±1次、…の回折光にそれぞれ分離され、それらは各回折方向に出射される。
【0016】
図4は、回折光の分散状態を説明する図であり、接眼光学系2の射出瞳位置における回折光の分布パターンの一例を示したものである。図4において、図示左右方向は水泳方向であって、観察者の両眼瞳の配列方向に対応している。図4に示す回折光の分布パターンは、スポット状の平行光束を液晶表示装置12に入射させた場合のパターンを示している。
【0017】
中央の白丸30が0次回折光を示しており、黒丸31が1次以上の回折光を表している。いずれの回折光も、液晶表示装置12の同一領域の表示光が回折されたものであり、各々には同一の画像情報がそれぞれ含まれている。また、回折光学素子13は表示面の近傍に配置されているので、回折光学素子13上の点は観察眼3の網膜結像面と略共役になっており、各回折光30,31は網膜上の同一位置に結像されることになる。
【0018】
図2に示した従来の観察装置では、一般に接眼レンズの101の口径を大きくすると射出瞳径は大きくなる。しかし、表示パネル100に液晶表示装置を用いた場合、後方からの照明光を液晶表示装置により強調変調する形をとるので、表示パネル100を前方斜め方向から覗き込む光路については光量が大きく減衰し、広い射出瞳径を得ることが実質的には困難となる。例えば、図5(a)に示すような射出瞳200であっても、その周辺部分は光量が大きく減衰し、実質的は符号201で示す狭い領域しか有効に機能しない。そのため、観察眼3の瞳202の位置がずれて領域201から外れてしまうと、実質的に画像が観察されなくなる。
【0019】
一方、本実施の形態では、図5(b)に示すように、回折光30,31は上下左右方向に拡がるように分布している。なお、比較のため、図5(b)の場合も射出瞳200を図示した。回折光31は図示左右方向に細長く分布しているので、図5(a)の場合と同様に瞳202が左右方向にずれても、複数個の回折光31が瞳202内に入射することになる。上述したように、各回折光には、液晶表示装置12のスポット光が通過した部分の画像情報がそれぞれ含まれている。そのため、回折光30,31の少なくとも一つが瞳202内に入射すれば、スポット光が通過した部分の画像を観察することができる。
【0020】
このように、本実施の形態では、図2に示すように左右方向(水平方向)に細長い口径の凹面鏡23を用いることにより左右方向が広い射出瞳領域を形成するとともに、表示光を回折光学素子13で回折することにより、射出瞳領域内において回折光を左右方向に細長く分布させるようにした。その結果、瞳202の位置が左右方向に多少ずれたとしても、画像がけられることはない。回折光の左右方向の分布が広いほど瞳202のより大きな位置ずれに対応することができるので、接眼光学系2の細長い射出瞳領域の全域に回折光を分布させるのが好ましい。
【0021】
なお、本実施の形態では、垂直方向に比べて、水平方向に関しては複数の回折光束が広い領域に拡がるように、回折光学素子13の回折光分散条件が設定されているが、回折光が長方形断面の光学ブロック2内を導光される関係上、垂直方向に大きく拡げるのは構造的に難しい。また、図1に示す観察装置は両眼視タイプのものであって、瞳孔間距離の調整を不要にすることを目的としていることから、垂直方向に関しては大きくする必要がない。
【0022】
ところで、回折光学素子13は、その場所によって必要とされる分散の条件が異なってくる。とりわけ、上述したように水平方向に長い視点を得ようする接眼光学系においては、中心と側方では最適の回折条件は異なる。図6は、画面位置に応じた回折条件を説明する図である。図6(a)は回折光学素子13の画面中央部分13Aの回折格子による回折光の分布状況を示す図であり、図6(b)は画面左側部分13Bの回折格子による回折光の分布状況を示す図である。いずれの場合も、白丸が0次回折光を示し、黒丸が一次以上の回折光を示している。
【0023】
図6(a)に示すように、中央部で回折した光は左右対称に回折され、左右方向の間隔は等しくなっている。一方、図6(b)の場合には、0次回折光よりも右側に回折される一次以上の回折光は、左側に回折されるものよりも大きな角度で回折されている。そのため、回折光の左右方向の間隔が右側では広くなっている。そして、画面中央から離れるに従って、図6(a)の状態から図6(b)の状態へと連続的に変化するように、各位置に応じた回折格子が形成されている。なお、中央から上下方向に離れた場合も同様である。回折格子の特性を上述したように構成することにより、回折された光が接眼光学系の射出瞳領域外に外れてしまうのを極力防止することができる。
【0024】
このように、本実施の形態の観察装置では、画面位置によって回折光分散条件が異なるように回折光学素子13を作成しなければならない。そのため、本実施の形態では、自由な回折条件が設定しやすい計算機ホログラム(CGH)の手法を用いて回折光学素子13を制作するようにしている。
【0025】
なお、観察される画像の品質を確保するため、回折光学素子13の回折パターンは少なくとも観察者が視認できないレベルの大きさである必要がある。もちろん、回折光学素子13は表示面の近傍に配置されているので、回折光学素子13上の点は観察者の網膜結像面と略共役になり、原理的には回折格子は観察者にとって認知不能になるはずである。しかしながら、実際には回折パターンが視認できることから、回折パターンは大きさとして認識できないレベルにしておく必要がある。具体的には網膜上で角度1分に相当する大きさがその目安となる。
【0026】
上述した実施の形態では、回折光をPBS21で観察眼3の反対側へと反射して、その反射光を凹面鏡23で観察眼3方向へ反射するような構成としたが、PBS21の位置に凹面鏡23を配置して、その凹面鏡23で反射された回折光を直接観察するようにしても良い。また、PBS21の位置に平面鏡を配置して回折光を観察眼3側へと反射し、その反射された回折光を接眼レンズ等を介して観察するようにしても良い。
【0027】
なお、光源10にRGB三色発光タイプのLEDを使用し、PBS21にRGBに対応する波長選択性を持たせることも可能である。特に、シースルーのビューファインダを構成する場合には、このような措置が必要となる。もちろん、通常の電子ビューファインダを目的とする場合には、蛍光タイプの白色発光LEDを用いてもかまわない。シースルータイプとする場合、1/4波長板22と凹面鏡23は、光学ブロック20の背面側からの光に対して略透明な部材で構成される。例えば、凹面鏡23をホログラムで構成する。
【0028】
図7は、上述した画像観察装置をカメラに適用した場合の一例を示す図である。図7は、カメラのファインダ光学系を中心とした概略構成を示したものであり、画像観察装置はシースルー型のビューファインダを構成している。図7において、不図示の被写体からの光(実線で示す)は、撮影レンズ43を通してミラー(例えば、ハーフミラーやクイックリターンミラー等)44に導かれ、ミラー44で反射されて焦点板45に結像される。焦点板45に結像された被写体像からの光(被写体光)は、ペンタプリズム46を介して画像観察装置の光学ブロック20へと入射する。47は撮像手段であり、例えば、銀塩フィルムやCCD撮像素子等が用いられる。
【0029】
光学ブロック20に設けられた凹面鏡23はホログラムで構成され、凹面鏡23および1/4波長板22は被写体光に対して略透明な部材で構成されている。そのため、ペンタプリズム46から凹面鏡23の背面側に入射した被写体光は、凹面鏡23および1/4波長板22を透過して光学ブロック20内へと入射する。光学ブロック20内に入射した被写体光は、PBS21を透過して観察者3へと達する。
【0030】
一方、液晶表示装置12を出射して回折光学素子13で回折された表示光は、PBS21で反射された後に、1/4波長板22→凹面鏡23→1/4波長板22→PBS21と進み、PBS21を透過して観察者3へと達する。その結果、観察者3には、被写体像と表示像とが重畳した像が観察される。
【0031】
上述したように、本実施の形態の装置は以下のような作用効果を奏する。
(1)回折光学素子13により表示光を回折して、同一画像情報を有する複数の回折光を分散するように出射させているので、接眼光学系2の射出瞳領域において回折光が広い範囲に分布し、観察者の瞳位置がずれても画像がけられるのを防止することができる。回折光の分散方向を観察者の左右方向とすることにより、左右への視線の移動や両眼視に対して適切に対応することができる。
(2)さらに、左右方向(水平方向)に細長い射出瞳領域を有する接眼光学系を備え、その射出瞳領域内の全域に亘って回折光を分布させることにより、画像のけられ等を効果的に防止することができる。
(3)また、図6(b)に示すように、回折光学素子13の中央部から離れた位置に設けられた回折格子においては、中央部の方向への回折光分布の広がりが、周辺部への回折光分布の広がりよりも大きくなる回折特性を持たせることにより、表示光が射出瞳領域外へと無駄に回折されるのを防止することができる。
(4)さらにまた、回折光学素子を表示面を含む近傍、例えば、液晶表示装置12の出射面に接するように配設したり、液晶を挟持する透明基板のいずれか一方に形成したりすることにより、画像品質への悪影響を防止することができる。なお、回折光学素子13を液晶表示装置12の液晶を挟持する透明基板のいずれか一方に形成する場合、透明基板の液晶側の面に形成しても良いし、反対側の面に形成しても良い。
【0032】
上述した実施の形態では、回折光学素子13として、回折格子が形成されているものを例に説明したが、マイクロレンズの組み合わせや、透明部材の表面形状等で同様の効果を持つものを使用することもできる。また、回折光学素子13を液晶表示装置12と別の構成としたが、回折光学素子13は液晶表示装置12の表示面の近傍に配設されるものであればどのような形態であっても良い。さらに、反射型の液晶表示装置にも適用することができる。また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施の形態に係る画像観察装置の概略構成図を示す側面図である。
【図2】画像観察装置を観察眼3側から見た正面図である。
【図3】従来の画像観察装置を示す図である。
【図4】回折光の分散状態を説明する図である。
【図5】画像のけられを説明する図であり、(a)は従来の場合を示し、(b)は本実施の形態の場合を示す。
【図6】画面位置に応じた回折条件を説明する図であり、(a)は画面中央部分の回折格子による回折光分布状況を示し、(b)は画面左側部分の回折格子による回折光分布状況を示す。
【図7】カメラのファインダ光学系の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
【0034】
1:表示ユニット、2:接眼光学系、3:観察眼、10:光源、11:コリメータレンズ、12:液晶表示装置、13:回折光学素子、20:光学ブロック、21:偏光ビームスプリッター、22:1/4波長板、23:凹面鏡、200:射出瞳

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接眼光学系を介して観察される表示装置において、
画像を表示する表示素子と、
前記表示素子の表示面近傍に配設された回折光学素子とを備え、
前記回折光学素子で回折された光を前記接眼光学系へと出射することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記回折光学素子は、前記接眼光学系の射出瞳領域における所望の範囲に回折光が分散するように入射光を回折することを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の表示装置において、
前記表示素子は表示層に近接して配置された透明部材を有するものであって、
前記透明部材に前記回折光学素子を形成したことを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の表示装置において、
前記表示素子は液晶表示装置であって、その液晶表示装置の液晶層の近傍に前記回折光学素子を配置したことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載の表示装置において、
前記回折光学素子は、前記液晶層を挟持する透明基板の少なくとも一方に形成された透過型回折格子であることを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の表示装置と、
前記回折光学素子から出射された回折光を観察方向へ導く接眼光学系とを備えたことを特徴とする画像観察装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像観察装置において、
前記接眼光学系は、前記回折光学素子から出射された回折光を反射する反射鏡と、前記反射鏡で反射された回折光を観察方向へ集光する光学部材とを備えることを特徴とする画像観察装置。
【請求項8】
請求項6に記載の画像観察装置において、
前記接眼光学系は、前記回折光学素子から出射された回折光の一部を反射する偏光分離ミラーと、前記偏光分離ミラーで反射された光が入射する1/4波長板と、正の屈折力を有するとともに前記1/4波長板から出射された光を反射して前記1/4波長板に再入射させる光学部材とを備え、
前記光学部材で反射されて前記1/4波長板を通過した光を観察可能としたことを特徴とする画像観察装置。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか一項に記載の画像観察装置において、
前記接眼光学系の射出瞳領域は細長い形状を有しており、
前記回折光学素子は、複数の回折光を前記射出瞳領域の全域に亘って分布させることを特徴とする画像観察装置。
【請求項10】
請求項9に記載の画像観察装置において、
前記回折光学素子の中央部から離れた位置に設けられた回折格子は、前記中央部の方向への回折光分布の広がりが、前記中央部と逆方向への回折光分布の広がりよりも大きくなるように回折することを特徴とする画像観察装置。
【請求項11】
請求項6〜10のいずれか一項に記載の画像観察装置を備えたことを特徴とするカメラ。
【請求項12】
表示画像を接眼光学系を介して観察する画像観察方法であって、
表示画像情報を含む表示光を回折手段により回折して、回折光を前記接眼光学系の射出瞳領域における所望の範囲に分散させ、前記回折光を前記接眼光学系を介して観察することを特徴とする画像観察方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−233171(P2007−233171A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−56546(P2006−56546)
【出願日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】