説明

表示装置

【課題】製造工程を増加させることなく、簡易に基板の欠けやクラックによる信号配線の良否判定を可能とする技術を提供することである。
【解決手段】
接触位置の検出領域よりも外側の領域に配置され、一端が検出電極に接続され、他端に第1の電極端子が形成される第1の信号配線を有する透明基板と、前記第1の電極端子に接続される柔軟性を有するフレキシブル配線基板とを備える座標入力装置と、外部システムからの映像信号に基づいた画像表示を行う表示パネルとを備える表示装置であって、前記座標入力装置は、前記第1の信号配線よりも前記透明基板の辺縁部側に配置され、前記検出領域を含む前記第1の信号配線の形成領域を取り囲むと共にその両端が開放され、前記開放端にそれぞれ検査用の電極端子が形成される第2の信号配線を備え、前記第2の信号配線は、前記透明基板の辺縁部に沿って配置される導電性薄膜で形成される表示装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に係わり、特に、検出部や表示領域の外側領域に形成される信号配線の検査を容易化する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネルは、薄膜トランジスタや画素電極等が形成される第1基板(TFT基板)と、カラーフィルタ等が形成される第2基板(カラーフィルタ基板)とが液晶層を介して対向配置される構成となっている。このような構成からなる液晶表示パネルは、複数枚分の液晶表示装置の回路パターンを形成した第1基板(TFT基板)とカラーフィルタ等を形成した第2基板(カラーフィルタ基板)とが接着され、液晶を封入した後に、液晶表示装置毎にガラス基板を切断することにより形成されている。このために、ガラス基板の切断工程や途中の取り扱いにおいてガラス基板の端部に欠けやクラック等が生じた場合、基板上に形成される信号配線が基板欠けやクラック等と共に断線してしまう配線不良が問題となっている。
【0003】
また、携帯情報端末に搭載される表示装置では、液晶表示パネルの表示面側にタッチパネルと称される座標入力装置が配置され、表示画像と接触位置との情報に基づいた画像の表示制御が一般的となっている。タッチパネルはガラス基板上の検出領域内に電極が形成され、検出領域の周囲には電極に駆動信号を供給する信号配線が形成される構成となっている。このために、液晶表示パネルと同様に、基板欠けやクラック等と共に信号配線が断線してしまう配線不良が問題となっている。
【0004】
このような配線不良を検出する方法として、例えば、特許文献1に記載の液晶表示装置がある。特許文献1に記載の液晶表示装置では、平行配置される共通配線を表示画面の周縁部で互いに接続すると共に、表示画面中央部に開放部を形成することにより、アレイテスタを用いて共通配線の断線を検出可能としている。
【0005】
また、特許文献2には、ゲート線と平行に形成される予備配線を用いて、ドレイン線の短絡を検出する技術が開示されている。さらには、特許文献3には、1枚のガラス基板に複数枚分の液晶表示装置パターンを形成する際に、切断工程において各液晶表示装置に分割する際に、各液晶表示装置から切り離される領域に、各配線を互いに接続するための共通配線を設ける技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−350896号公報
【特許文献2】特開平9−80478号公報
【特許文献3】特開平7−152043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
タッチパネルは液晶表示パネルの表示面側に配置され、操作者の入力指示を検出する構成となっているので、検出領域の周囲には遮光膜が配置され、配線領域等が形成される領域を覆う構成となっている。このために、液晶表示パネルの表示面側にタッチパネルを取り付けた後には、配線領域は遮光膜と液晶表示パネルとの間に位置することとなり、基板欠けやクラック等による信号配線の断線を目視等で検査する目視外観検査等が非常に困難であった。このために、液晶表示パネルとタッチパネルとを貼り合わせた後の信号配線の断線は、多くの検査時間を要する最終検査まで発見することが困難であり、簡易な検査方法が切望されている。
【0008】
一方、特許文献1に記載の方法では、信号配線毎の検査が必要となるので、最終検査と同様に、非常に多くの時間を要することが懸念される。また、特許文献2及び特許文献3には、信号配線の検査についての記載がない。
【0009】
本発明はこれらの問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、製造工程を増加させることなく、簡易に基板の欠けやクラックによる信号配線の良否判定を可能とする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)前記課題を解決すべく、接触位置の検出領域内に配置される検出電極と、前記検出領域よりも外側の領域に配置され、一端が前記検出電極に接続され、他端に第1の電極端子が形成される第1の信号配線とを有する透明基板と、前記第1の電極端子に接続され、前記第1の信号配線を介して前記検出電極へ駆動信号を供給すると共に、前記検出電極からの検出信号を取り出す柔軟性を有するフレキシブル配線基板とを備える座標入力装置と、外部システムからの映像信号に基づいた画像表示を行う表示パネルとを備え、前記表示パネルの表示面側に前記座標入力装置が配置される表示装置であって、前記座標入力装置は、前記第1の信号配線よりも前記透明基板の辺縁部側に配置され、前記検出領域を含む前記第1の信号配線の形成領域を取り囲むと共にその両端が開放され、前記開放端にそれぞれ検査用の電極端子が形成される第2の信号配線を備え、前記第2の信号配線は、前記透明基板の辺縁部に沿って配置される導電性薄膜で形成される表示装置である。
【0011】
(2)前記課題を解決すべく、複数の映像信号線と、前記映像信号線に交差する複数の走査信号線と、前記映像信号線と前記走査信号線と外部システムから駆動信号及び制御信号を入力する電極端子と、前記映像信号線及び前記走査信号線と前記電極端子とを接続する第3の信号配線とが形成される第1基板と、前記第1基板に接続され前記電極端子及び第の3信号配線を介して前記映像信号線及び前記走査信号線へ駆動信号を供給する柔軟性を有するフレキシブル配線基板とを有し、前記映像信号線と前記走査信号線とに囲まれた領域を画素の領域とし、前記画素がマトリクス状に形成される領域を表示領域とし、前記第3の信号配線が前記表示領域よりも外側の領域に形成される表示装置であって、前記第3の信号配線よりも前記第1基板の辺縁部側に配置され、前記表示領域を含む前記第3の信号配線の形成領域を取り囲むと共にその両端が開放され、前記開放端にそれぞれ検査用の電極端子が形成される第4の信号配線を備え、前記第4の信号配線は、前記透明基板の辺縁部に沿って配置される導電性薄膜で形成される表示装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、製造工程を増加させることなく、簡易に基板の欠けやクラックによる信号配線の良否判定ができる。
【0013】
本発明のその他の効果については、明細書全体の記載から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態1の表示装置である液晶表示装置の全体構成を説明するための断面図である。
【図2】実施形態1の液晶表示パネルの概略構成を説明するための図である。
【図3】実施形態1のタッチパネルの概略構成を説明するための図である。
【図4】図3に示す実施形態1の液晶表示装置におけるタッチパネルの第3基板に欠けが生じた場合の図である。
【図5】本発明の実施形態2の表示装置におけるタッチパネルの概略構成を説明するための図である。
【図6】本発明の実施形態3の表示装置におけるタッチパネルの概略構成を説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態4の表示装置におけるタッチパネルの概略構成を説明するための図である。
【図8】実施形態1のタッチパネルにおけるフレキシブルプリント基板の概略構成を説明するための図である。
【図9】本発明の実施形態5の表示装置である液晶表示パネルの概略構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明は省略する。
【0016】
〈実施形態1〉
〈全体構成〉
図1は本発明の実施形態1の表示装置である液晶表示装置の全体構成を説明するための断面図であり、以下、図1に基づいて、実施形態1の表示装置について説明する。ただし、実施形態1の液晶表示装置は検出配線を除く他の構成は、周知の液晶表示装置と同様の構成となる。従って、以下の説明では、検出配線について詳細に説明する。また、図中に示すX、Y、ZはそれぞれX軸、Y軸、Z軸を示す。さらには、実施形態1では表示パネルに液晶表示パネルを用いた場合について説明するが、これに限定されることはなく、例えば有機EL表示パネル等を用いた構成であってもよい。
【0017】
図1に示すように、実施形態1の表示装置は、液晶表示パネルPNLと液晶表示パネルPNLの表示面側(前面側)に配置される静電容量式のタッチパネル(座標入力装置)TPとを備える構成となっており、液晶表示パネルPNL上のXY方向の座標位置を検出可能な構成となっている。液晶表示パネルPNLとタッチパネルTPとは透明すなわち透光性の接着剤ADLにより、接着されている。一方、液晶表示パネルPNLの表示面側と対向する側である裏面側にバックライト装置BLが配置される構成となっている。ただし、タッチパネルTPは静電容量式に限定されることはなく、抵抗式等の他の方式のタッチパネルであってもよい。また、液晶表示パネルPNLとタッチパネルTPとの固定は、接着剤ADLに限定されることなく、シリコンゲル等の剥離及び再接着が可能な粘着剤等であってもよい。
【0018】
液晶表示パネルPNLを構成する第1基板SUB1と第2基板SUB2とは、図示しない液晶層を介して対向配置される構成となっており、第2基板SUB2よりも第1基板SUB1がY軸方向に大きい構成となっている。この第2基板SUB2よりも大きい領域すなわち第2基板SUB2から露出した第1基板SUB1の主面側(液晶面側)には、図示しない画素に駆動信号を供給する駆動回路DR1及び外部信号等を駆動回路DR1に供給するためのフレキシブルプリント基板FPC1が配置される構成となっている。また、第1基板SUB1の裏面側すなわちバックライト装置BL側、及び第2基板SUB2の表示面側にはそれぞれ周知の偏光板POLが配置される構成となっている。
【0019】
一方、タッチパネルTPを構成する第3基板SUB3の主面側すなわち観察者側には接触位置を検出するための図示しない検出用電極が形成され、端部にフレキシブルプリント基板FPCが接続される構成となっている。該フレキシブルプリント基板FPCの端子面側には検出用電極に駆動信号を供給すると共に、検出電極に供給する駆動信号の容量変化から指等の接触位置を検出するタッチパネルTPの駆動回路DR2が搭載される構成となっている。また、第3基板SUB3の主面側には接着剤ADLにより、遮光板LSP及び保護板(前面保護板)PPが配置される構成となっている。
【0020】
〈液晶表示パネル及びタッチパネルの構成〉
次に、図2に実施形態1の液晶表示パネルの概略構成を説明するための図、図3に実施形態1のタッチパネルの概略構成を説明するための図を示し、以下、図2及び図3に基づいて、実施形態1の液晶表示装置について詳細に説明する。ただし、図3は実施形態1のタッチパネルの液晶表示パネル側からの平面図である。また、図2及び図3中に示すX、YはそれぞれX軸、Y軸を示し、図1に示すX軸、Y軸に対応する。
【0021】
図2に示すように、実施形態1の液晶表示パネルPNLは画素電極PXや薄膜トランジスタTFT等が形成される第1基板SUB1と、図示しないカラーフィルタやブラックマトリクスが形成され、第1基板SUB1に対向して配置される第2基板SUB2と、第1基板SUB1と第2基板SUB2とで挟持される図示しない液晶層とで構成されている。また、液晶表示パネルPNLの裏面側に当該液晶表示パネルPNLの光源となる図示しないバックライトユニット(バックライト装置)とが組み合わされて、画像表示がなされる構成となっている。第1基板SUB1と第2基板SUB2との固定及び液晶の封止は、第2基板の周辺部に環状に塗布されたシール材SLで固定され、液晶も封止される構成となっている。なお、以下の説明では、液晶表示パネルPNLの説明においても、液晶表示装置と記す。
【0022】
また、第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、例えば周知のガラス基板が基材として用いられるのが一般的であるが、ガラス基板に限定されることはなく、石英ガラスやプラスチック(樹脂)のような他の絶縁性基板であってもよい。例えば、石英ガラスを用いれば、プロセス温度を高くできるため、薄膜トランジスタTFTのゲート絶縁膜を緻密化できるので、信頼性を向上することができる。一方、プラスチック(樹脂)基板を用いる場合には、軽量で、耐衝撃性に優れた液晶表示装置を提供できる。
【0023】
また、実施形態1の液晶表示パネルPNLでは、液晶が封入された領域の内で表示画素(以下、画素と略記する)の形成される領域が表示領域ARとなる。従って、液晶が封入されている領域内であっても、画素が形成されておらず表示に係わらない領域は表示領域ARとはならない。
【0024】
実施形態1の液晶表示装置では第1基板SUB1の液晶側の面であって表示領域AR内には、X方向に延在しY方向に並設される走査信号線(ゲート線)GLが形成されている。また、Y方向に延在しX方向に並設される映像信号線(ドレイン線)DLが形成されている。ドレイン線DLとゲート線GLとで囲まれる矩形状の領域は画素が形成される領域を構成し、これにより、各画素は表示領域AR内においてマトリックス状に配置されている。各画素は、例えば図2中丸印Aの拡大図A’に示すように、ゲート線GLからの走査信号によってオン/オフ駆動される薄膜トランジスタTFTと、このオンされた薄膜トランジスタTFTを介してドレイン線DLからの映像信号が供給される画素電極PXと、コモン線CLに接続され映像信号の電位に対して基準となる電位を有する共通信号が供給される共通電極CTとを備えている。
【0025】
画素電極PXと共通電極CTとの間には、第1基板SUB1の主面に平行な成分を有する電界が生じ、この電界によって液晶の分子を駆動させるようになっている。このような液晶表示装置は、いわゆる広視野角表示ができるものとして知られ、液晶への電界の印加の特異性から、IPS方式(IPS−Pro方式を含む)あるいは横電界方式と称される。また、このような構成の液晶表示装置において、液晶に電界が印加されていない場合に光透過率を最小(黒表示)とし、電界を印加することにより光透過率を向上させていくノーマリブラック表示形態で表示を行うようになっている。なお、第2基板SUB2の主面側(液晶面側)に共通電極CTを形成し、第1基板SUB1に形成される画素電極PXと第2基板SUB2に形成される共通電極CTとの間に生じる電界で液晶分子を駆動するTN方式やVA方式等の縦電界方式の液晶表示パネルであってもよい。
【0026】
各ドレイン線DL及び各ゲート線GLはその端部においてシール材SLを越えてそれぞれ延在され、駆動回路DRに接続される。ただし、実施形態1の液晶表示装置では、駆動回路DRを半導体チップで形成し第1基板SUB1に搭載する構成としているが、映像信号を出力する映像信号駆動回路と走査信号を出力する走査信号駆動回路との何れか一方又はその両方の駆動回路をフレキシブルプリント基板FPCにテープキャリア方式やCOF(Chip On Film)方式で搭載し、第1基板SUB1に接続させる構成であってもよい。
【0027】
なお、拡大図A’に示す共通電極CTの構成では、画素毎に独立して形成される共通電極CTにコモン線CLを介して共通信号を入力する構成としたが、これに限定されることはなく、X方向に隣接配置される画素の共通電極CTが直接に接続されるように共通電極CTを形成し、X方向の左右(第1基板SUB1の端部)の一端又は両側からコモン線CLを介して共通信号を入力する構成でもよい。
【0028】
〈タッチパネル構成〉
図3に示すように、実施形態1のタッチパネルTPも平板状の透明なガラス基板やプラスチック基板からなる第3基板SUB3を備える構成であり、本実施形態においては第3基板SUB3の主面側(液晶表示パネル)側に図示しない操作者の指等による接触位置を検出するための電極が配置される構成となっている。この電極としては、例えば図中に示すように、X方向に延在しY方向に並設され、Y方向の座標位置を検出するための第1検出電極YSEと、Y方向に延在しX方向に並設され、X方向の座標位置を検出するための第2検出電極XSEとが図示しない絶縁膜を介して交差するように配置されている。このとき、実施形態1においては、第1検出電極YSE及び第2検出電極XSEは、タッチパネルTPの透明領域TTA内に形成されており、当該透明領域TTA内のX方向及びY方向の座標位置が検出可能な検出領域を形成している。なお、タッチパネルTPの裏面側に液晶表示パネルPNLを設置する構成となっているので、液晶表示パネルPNLに表示される表示内容が操作者に見えるように、透明領域TTA内に形成される第1検出電極YSE及び第2検出電極XSE並びに図示しない絶縁膜は透明材料で形成されることが望ましい。
【0029】
また、実施形態1のタッチパネルTPでは、第1検出電極YSE及び第2検出電極XSEと電極端子(第1電極端子)TRM1とを接続する信号配線(第1の信号配線)SIG1が透明領域TTAの外側領域に配置される構成となっている。このとき、第1検出電極YSEはY方向に並設される構成となっている。従って、第1検出電極YSEの端部に接続される信号配線SIG1は透明領域TTAの図中左右と第3基板SUB3の辺縁部との間に形成され、電極端子TRM1に接続される構成となっている。また、第2検出電極XSEはX方向に並設される構成となっている。従って、透明領域TTAの図中下部と電極端子TRM1との間の領域に形成される信号配線SIG1により、第2検出電極XSEは電極端子TRM1に接続されている。
【0030】
また、実施形態1のタッチパネルTPでは、遮光板LSPの開口部PPOは透明領域TTAよりも小さく、かつ液晶表示パネルの表示領域ARよりも大きく形成されている。このような構成とすることによって、表示領域ARの端部に表示される画像に対応した接触位置の検出を確実なものとしている。また、第1検出電極YSE及び第2検出電極XSEが形成される透明領域TTAよりも開口部PPOを小さく形成することにより、透明領域TTAの端部における接触位置の検出を確実なものとしている。
【0031】
また、実施形態1のタッチパネルTPでは、信号配線SIG1よりも外側に検出配線(第2の信号配線)SIG2が形成される構成となっている。特に、実施形態1の検出配線SIG2は、第3基板SUB3の電極端子が形成される1辺を除く他の辺(図3中の上辺及び左右辺)の辺縁部に沿って形成されている。また、実施形態1では、配線幅及び配線の形成位置は、第3基板SUB3に検出配線SIG2を形成するための露光装置やエッチング装置等の精度、及び基板欠けNPが発生した場合の大きさ等の許容量に応じて適宜設定される。さらには、検出配線SIG2の配線幅は均一な配線幅となるように形成されている。ただし、検出配線SIG2の配線幅は均一な配線幅に限定されるものではない。また、実施形態1の検出配線SIG2では、第3基板SUB3の一辺に沿って配列される複数の電極端子TRM1の内で、最も外側に配置される一対の電極端子TRM1の内の一方の電極端子TRM1に検出配線SIG2の一端が接続され、最も外側に配置される一対の電極端子TRM1の内の他方の電極端子TRM1に検出配線SIG2の他端が接続される構成となっている。さらには、実施形態1の検出配線SIG2はアルミ等の光(特に可視光領域の光)に対する透過率が小さい金属薄膜で形成されている。このように、信号配線SIG1を形成するアルミ等の金属薄膜を用いて検出配線SIG2を形成することにより、信号配線SIG1と検出配線SIG2とは同層に形成されると共に、同一の工程で形成することが可能となるので、工程を増やすことなく検出配線SIG2を形成することができるという格別の効果を得ることができる。また、透過率の小さい金属薄膜で検出配線SIG2を形成することにより、第3基板SUB3の欠けやクラック等の発生に伴う検査者の目視による検出配線SIG2の断線検査を容易に行うことが可能となる。
【0032】
なお、検出配線SIG2を2層以上の積層薄膜で形成し、その積層膜の内の少なくとも単層を隣接領域よりも透過率が小さい材料で形成する構成であってもよい。さらには、検出配線SIG2を構成する積層膜の内の少なくとも1つの層に着色材料を混入させた薄膜層(着色層)で形成する構成であってもよい。このような構成とすることにより、検出配線SIG2を透過率の小さい単層の金属薄膜で形成した場合と同様の効果を得ることが可能となる。
【0033】
また、実施形態1のタッチパネルTPでは、タッチパネルTPの電極端子TRM1にフレキシブルプリント基板FPC2の図示しない電極端子が電気的に接続される構成となっており、電極端子TRM1を介して駆動回路DR2からの駆動信号を供給すると共に、駆動回路DR2に検出信号を出力する構成となっている。このとき、図8に示すように、実施形態1のタッチパネルTPのフレキシブルプリント基板FPC2では、フレキシブルプリント基板FPC2の図中下部に形成される電極端子(第2電極端子)TRM2は、検出配線SIG2に電気的に接続される電極端子有する構成となっている。すなわち、図示しない外部システムに接続される側の電極端子TRM2の内、最も外側に配置される一対の電極端子TRM2が、フレキシブルプリント基板FPC上の信号配線FSGを介して検出配線SIG2に電気的に接続される構成となっている。
【0034】
〈基板欠けの検出〉
図4は図3に示す実施形態1の液晶表示装置におけるタッチパネルの第3基板に欠けが生じた場合の図であり、以下、図4に基づいてタッチパネルの第3基板SUB3に欠け(基板欠け)NPが生じた場合の検出動作について説明する。
【0035】
実施形態1のタッチパネルTPでは、検出配線SIG2は第3基板SUB3の辺縁部に沿って形成される構成となっている。その結果、検出配線SIG2の形成後のタッチパネルの取り扱い等により第3基板SUB3に欠けNPが発生した場合、図4に示すように、検出配線SIG2の一部が基板欠けNPと共に欠落し断線することとなる。このとき、基板欠けNPの領域が所定以上の大きさを有する場合には、実施形態1の検出配線SIG2は透過率が小さい又は不透過の材料で形成されているので、検査者が目視により容易に欠けNPを発見(検出)することができる。
【0036】
また、液晶表示パネルPNLにタッチパネルTPを接着する際の取り扱い等により第3基板SUB3に欠けNPが発生した場合であっても、図4に示すように、検出配線SIG2の一部が基板欠けNPと共に断線することとなる。このとき、図1に示すように、第3基板SUB3に欠けNPが発生した個所は遮光板LSPと液晶表示パネルPNLとに挟まれた領域となるので、従来の構成では欠けNPを発見することは不可能であった。これに対して、実施形態1のタッチパネルTPでは、検出配線SIG2はその両端が電極端子TRM1に接続される1本の導電性薄膜で形成されているので、フレキシブルプリント基板FPCに引き出した電極端子TRM2間を測定することにより、検出配線SIG2の断線有無を検査できる。このときの断線検査は、例えば、検出配線SIG2の接続される電極端子TRM2間の抵抗値を電気抵抗の測定装置で測定する、又は一方の電極端子TRM2にパルス信号を入力し、他方の電極端子TRM2で信号検出する等の簡易な計測により、容易に検出配線SIG2の断線すなわち第3基板SUB3の欠けNPを検出することが可能となる。また、断線検査での計測結果に応じて、検出配線SIG2の断線が検出されない場合には、第3基板SUB3に欠けNPが発生していない、又は欠けNPが発生している場合であっても予め想定される許容量内の欠けNPであると判断できる。一方、検出配線SIG2の断線が検出された場合には、信号配線SIG1にも影響を与える等の許容量以上の欠けNPが発生していると判断できる。なお、検出配線SIG2の接続される電極端子TRM2の間の測定による断線測定は、液晶表示パネルPNLとの貼り合わせ前に行うことも可能である。
【0037】
一方、図4のY方向の基板欠けNPが小さい場合やクラックが発生した場合には、検出配線SIG2が欠落する領域も非常に小さいものとなり、検査者の目視による検査での発見は非常に困難なものとなる。しかしながら、実施形態1のタッチパネルTPでは、前述する検出配線SIG2の導通検査という非常に簡便な検査で第3基板SUB3の欠けNP及びクラックの発生の有無を検査することができる。
【0038】
以上説明したように、実施形態1の表示装置では、外部システムからの映像信号に基づいた画像表示を行う液晶表示パネルの表示面側に、静電容量式のタッチパネルが配置される構成となっている。このとき、実施形態1のタッチパネルでは、第1検出電極及び第2検出電極と電極端子とを接続する信号配線が形成される領域と共に、接触位置の検出が可能となる透明領域を取り囲むようして、第3基板の辺縁部に沿った導電性を有する透過率の小さい金属薄膜からなる検出配線を備え、該検出配線の一端が電極端子に接続され、他端が別の電極端子に接続される構成となっているので、液晶表示パネルとタッチパネルとを接着する前には検査者が目視により第3基板の基板欠けを容易に検査することが可能であると共に、液晶表示パネルとタッチパネルとを固定した後であっても、検出配線が接続される電極間の抵抗測定やパルス測定等の簡易な計測で基板かけを検出することができる。
【0039】
〈実施形態2〉
図5は本発明の実施形態2の表示装置におけるタッチパネルの概略構成を説明するための図であり、特に、実施形態1の図4に対応する正面図すなわちタッチパネルの第3基板に1個所の基板欠けが生じた場合のタッチパネルを示す正面図である。ただし、実施形態2の表示装置は、タッチパネルTPの検出配線SIG2、SIG3及び電極端子TRM1、TRM2の構成が異なるのみで、液晶表示パネルの構成及びタッチパネルの他の構成は実施形態1の表示装置と同様の構成である。従って、以下の説明では、タッチパネルの備える検出配線SIG2、SIG3及び電極端子TRMの構成について詳細に説明する。また、以下の説明においては、必要に応じて、第3基板SUB3の辺縁部に近い側の検出配線を第1検出配線SIG2、第3基板SUB3の辺縁部から遠い側の検出配線を第2検出配線SIG3と記す。また、実施形態2では独立する検出配線SIG2、SIG3が2本の場合について説明するが、3本以上の独立する検出配線を形成する構成であってもよい。
【0040】
図5に示すように、実施形態2のタッチパネルTPにおいても透明な平板状のガラス基板からなる第3基板を備える構成となっており、異なる2本の検出配線SIG2、SIG3を有する構成となっている。また、各検出配線SIG2、SIG3は、実施形態1と同様に、信号配線SIG1の配線が形成される配線領域の外側領域、すなわち信号配線SIG1と第3基板SUB3の辺縁部との間の領域に形成されている。さらには、実施形態2の検出配線SIG2、SIG3も、実施形態1と同様に、第3基板SUB3の電極端子TRM1が形成される1辺を除く他の辺(図3中の上辺及び左右辺)の辺縁部に沿って形成されている。このとき、実施形態2のタッチパネルTPでは、第3基板SUB3の辺縁部に近い側に第1検出配線SIG2が配置され、第3基板SUB3の辺縁部から遠い側すなわち信号配線SIG1に近い側に第2検出配線SIG3が配置される構成となっている。
【0041】
第1検出配線SIG2は、第3基板SUB3の一辺(図5中下部)に沿って配列される複数の電極端子TRM1の内で、最も外側に配置される一対の電極端子TRM1の内の一方の電極端子TRM1に第1検出配線SIG2の一端が接続され、最も外側に配置される一対の電極端子TRM1の内の他方の電極端子TRM1に第2検出配線SIG3の他端が接続される構成となっている。また、第2検出配線SIG3は、第1電極配線SIG2が接続される一対の電極端子TRM1の内側に隣接する電極端子TRM1に、第2検出配線SIG3の端部がそれぞれ接続される構成となっている。このような構成とすることにより、第1検出配線SIG2と第2検出配線SIG3とを信号配線SIG1と同層に形成する、すなわち信号配線SIG1と同一の工程及び配線材料で形成することを可能としている。
【0042】
このとき、第1検出配線SIG2及び第2検出配線SIG3も、信号配線SIG1と同じ工程で形成することにより、前述する実施形態1と同様の格別の効果を得ることができる。さらには、第1検出電極YSEや第2検出電極XSEと同じ工程で透明薄膜の導電層を形成した後に、導電性又は非導電性の着色層等を積層した第1検出配線SIG2及び第2検出配線SIG3を形成する等の構成であってもよい。このとき、第1検出配線SIG2を信号配線SIG1と同じ工程で形成し、第2検出配線SIG3を第1検出電極YSE又は第2検出電極XSEと同じ工程で形成する等の異なる薄膜材料からなる信号配線としてもよい。ただし、第1検出配線SIG2及び第2検出配線SIG3の薄膜材料は、可視光領域の光に対する透過率が小さい導電性薄膜であれば、他の薄膜材料であってもよく、このような透過率の小さい金属薄膜で検出配線SIG2を形成することにより、第3基板SUB3の欠けやクラック等の発生に伴う検査者の目視による第1検出配線SIG2及び第2検出配線SIG3の断線検査を容易に行うことができる。
【0043】
また、実施形態2のタッチパネルTPにおいても、フレキシブルプリント基板FPC2の図中下部に形成される電極端子TRM2には、第1検出配線SIG2及び第2検出配線SIG3にそれぞれ電気的に接続される電極端子TRM2が形成されている。
【0044】
次に、図5に基づいて、実施形態2のタッチパネルTPにおける基板欠けNPの検査方法について説明する。ただし、以下の説明では、図5に示すように第1検出配線SIG2と第2検出配線SIG3との間に基板欠けNPの端部が止まる場合について説明する。
【0045】
検出配線SIG2の形成後であり、液晶表示パネルとの固定前にタッチパネルの取り扱い等により第3基板SUB3に欠けNPが発生した場合、図5に示すように、第1検出配線SIG2の一部が基板欠けNPと共に欠落し断線することとなる。このとき、液晶表示パネルとの接着前である場合、第1検出配線SIG2は透過率が小さい又は不透過の材料で形成されているので、検査者が目視により容易に欠けNPを発見(検出)することができる。一方、液晶表示パネルとの接着工程やその後の取り扱い等により、第3基板に欠けNPが発生した場合には、第1検出配線SIG2及び第2検出配線SIG3はその両端が電極端子TRM1を介して電極端子TRM2に接続されているので、フレキシブルプリント基板FPCに引き出した電極端子TRM2間を測定することにより、検出配線SIG2の断線有無を検査できる。
【0046】
このとき、実施形態2のタッチパネルTPでは、第1検出配線SIG2と第2検出配線SIG3とは、第3基板SUB3の辺縁部に沿ってそれぞれ独立した検出配線となっている。従って、非常に簡便な検査である第1検出配線SIG2及び第2検出配線SIG3の断線検査での計測結果に応じて、前述する実施形態1と同様な効果である第3基板SUB3の基板欠けNPの発生の有無に加えて、発生した基板欠けNPの大きさすなわち基板欠けNPの発生程度を把握することができる。例えば、第1検出配線SIG2及び第2検出配線SIG3の2本で断線が検出されない場合には、第3基板SUB3に欠けNPが発生していない、又は欠けNPが発生している場合であっても非常に軽微な許容量内の基板欠けNPであると判断できる。また、図5に示すように、第1検出配線SIG2にのみ断線が生じていることが検出された場合には、基板欠けNPが発生しているが予め想定される許容量以内の基板欠けNPであると判断できる。一方、第1検出配線SIG2及び第2検出配線SIG3の両方の検出配線に断線が検出された場合には、信号配線SIG1にも影響を与える等の許容量以上の基板欠けNPが発生していると判断できる。
【0047】
同様にして、第3基板SUB3にクラックが発生した場合にも、第1検出配線SIG2及び第2検出配線SIG3の2本の検出配線の検出結果に基づいて、基板欠けNPと同様な判断をすることが可能となり、非常に簡便な検査で第3基板SUB3のクラックの発生の有無、及び発生したクラックの大きさすなわちクラックの発生程度を把握することができる。
【0048】
ただし、実施形態2のタッチパッドTPでは、第1検出配線SIG2と第2検出配線SIG3とがそれぞれ独立した構成となっているので、2本の検出配線の断線の有無を一緒に計測する際であっても、異なる計測方法で断線の有無を計測できる。例えば、第1検出配線SIG2の断線の有無の測定では直流電圧を対応する電極端子に印加して抵抗値を計測し、第2検出配線SIG3の断線の有無の測定ではパルス電圧を対応する電極端子に印加してその出力を計測等が可能である。
【0049】
なお、実施形態2においては、第1検出配線SIG2と第2検出配線SIG3とは同じ薄膜材料からなる同層に形成される検出配線の場合について説明したが、これに限定されることはない。例えば、第1検出配線SIG2と第2検出配線SIG3との少なくとも一方の検出配線は、一方の検出配線よりも透過率の小さい金属薄膜等で形成される層で形成してもよく、さらには、一方の検出配線のみを任意の色で着色された着色層を備える構成としてもよい。また、実施形態2では、第1検出配線及び第2検出配線は均一な配線幅であり、第1検出配線及び第2検出配線の配線幅等が同じ場合について説明したが、これに限定されることはなく、異なる配線幅や異なる色等で形成してもよい。
【0050】
〈実施形態3〉
図6は本発明の実施形態3の表示装置におけるタッチパネルの概略構成を説明するための図であり、実施形態2と同様な基板欠けNPが生じた場合のタッチパネルを示す正面図である。ただし、実施形態3の表示装置は、タッチパネルTPの第1検出配線SIG2及び第2検出配線SIG3並びに電極端子TRM1、TRM2の構成が異なるのみで、液晶表示パネルの構成及びタッチパネルの他の構成は実施形態2の表示装置と同様の構成である。従って、以下の説明では、タッチパネルの備える第1検出配線SIG2及び第2検出配線SIG3並びに電極端子TRM1、TRM2の構成について詳細に説明する。
【0051】
図6に示すように、実施形態3のタッチパネルTPにおいても、第3基板SUB3の辺縁部に近い側に第1検出配線SIG2が配置され、第3基板SUB3の辺縁部から遠い側すなわち信号配線SIG1に近い側に第2検出配線SIG3が配置される構成となっている。このとき、第1検出配線SIG2及び第2検出配線SIG3の一端側(図6中左側)は実施形態2と同様にそれぞれ異なる電極端子TRM1に接続される構成となっている。一方、図6中丸印Bに示すように、第1検出配線SIG2及び第2検出配線SIG3の他端側(図6中右側)は同一の電極端子TRM1に接続される構成となっている。このときの第1検出配線SIG2及び第2検出配線SIG3も実施形態2と同様に、同一の薄膜材料からなる同層の検出配線、又は異なる薄膜材料からなる異なる層に形成される検出配線の何れであってもよい。
【0052】
以上説明したように、実施形態3のタッチパネルTPでは、第3基板SUB3上において、第1検出配線SIG2と第2検出配線SIG3の他端側(図6中右側)は同一の電極端子に接続される構成としている。これにより、前述する実施形態2の効果に加えて、電極端子TRM1の端子数を実施形態2よりも低減させることができるという格別の効果が得られる。
【0053】
特にフレキシブルプリント基板FPCにおいては、第3基板SUB3に形成される電極端子TRM1に対向して接触接続される電極端子の個数及び電極端子TRM2の個数並びに該電極端子間を電気的に接続する信号配線数を低減させることができる。一方、フレキシブルプリント基板FPCのコストは形状及び面積に大きく依存しており、電極端子数及び信号配線数の低減により、フレキシブルプリント基板FPCの面積を小さくすることができるので、フレキシブルプリント基板FPCのコストを低減させると共に、当該フレキシブルプリント基板FPCを用いる実施形態3のタッチパネルTP及び表示装置のコストを低減できるという格別の効果が得られる。
【0054】
〈実施形態4〉
図7は本発明の実施形態4の表示装置におけるタッチパネルの概略構成を説明するための図であり、実施形態1の図4に対応する正面図すなわちタッチパネルの第3基板に欠けが生じた場合の正面図である。ただし、実施形態4の表示装置はタッチパネルTPのフレキシブルプリント基板FPCの電極端子の構成が異なるのみで他の構成は実施形態1と同様の構成となる。従って、以下の説明では、フレキシブルプリント基板FPCの構成について詳細に説明する。なお、実施形態4のフレキシブルプリント基板FPCの構成は、実施形態2、3のタッチパネルにも適用可能である。
【0055】
図7に示すように、実施形態4のフレキシブルプリント基板FPCでは、電極端子TRM2が形成されている位置とは異なる位置に検出配線SIG2に対応する検査専用の電極端子TRMTが配置される構成となっている。特に、実施形態4の電極端子TRMTは電極端子TRM2よりも電極端子TRM1に近い位置、すなわちタッチパネルTPの本体に近い位置に形成されている。このような構成とするために、実施形態4のタッチパネルTPのフレキシブルプリント基板FPCは、図中の上端側すなわち第3基板SUB3と接続される側に電極端子TRM1に接続される図示しない同数の電極端子を備えている。また、フレキシブルプリント基板FPCは、図中の下端側に電極端子TRM1の電極端子数から検出配線SIG2に接続される電極端子数を減算した電極端子TRM2を備えている。このとき、フレキシブルプリント基板FPCの上端部の電極端子と下端部の電極端子TRM2とは、当該フレキシブルプリント基板FPCの基材に形成される図示しない信号配線でそれぞれ接続され、電極端子TRM2に信号配線SIG1が電気的に引き出される構成となっている。また、実施形態4のフレキシブルプリント基板FPCでは、電極端子TRM2とは異なる領域(位置)に形成される電極端子(第3の電極端子)TRMTは当該フレキシブルプリント基板FPC内の信号配線FSGを介して検出配線SIG2が接続される電極端子TRM1に対応する当該フレキシブルプリント基板FPC上の電極端子と接続され、電極端子TRMTに検出配線SIG2がフレキシブルプリント基板FPCに電気的に引き出される構成となっている。このとき、フレキシブルプリント基板FPCの表面側あるいは裏面側の何れか一方の面又は両面に電極端子TRMTを形成してもよい。
【0056】
以上説明したように、実施形態4では、検出配線SIG2に接続されるフレキシブルプリント基板FPC側の電極端子TRMTを、信号配線SIG1に接続される電極端子TRM1とは異なる領域に形成する構成となっているので、実施形態1の効果に加えて容易に計測装置を電極端子TRMTに接続でき、検査に要する時間をさらに短縮することができるという格別の効果を得られる。
【0057】
〈実施形態5〉
図9は本発明の実施形態5の表示装置である液晶表示パネルの概略構成を説明するための図であり、検出配線SIG3及び電極端子TRM3の構成を除く他の構成は実施形態1〜4の液晶表示パネルと同様である。従って、以下の説明では、検出配線SIG3及び電極端子TRM3の構成について詳細に説明する。また、実施形態5の液晶表示パネルPNLでは、実施形態1と同様に、検出配線SIG3が1本の場合について説明するが、実施形態2、3と同様に、複数本の検出配線SIG3を設ける構成であってもよい。さらには、実施形態4と同様に、フレキシブルプリント基板FPCの図示しない電極端子の内で、表示データや制御信号等が入力される側の電極端子すなわち外部システムと接続される側の並設される電極端子群と異なる位置に、検出配線SIG3に接続される電極端子を設ける構成であってもよい。なお、実施形態5では、表示装置として液晶表示パネルPNLに検出配線SIG3を設ける構成としたが、これに限定されることはなく、有機EL表示装置等の他の表示装置にも適用可能である。
【0058】
図9に示すように、表示領域AR内に形成されるドレイン線DL及びゲート線GLはシール材SLを超えて延在され、信号配線(第3の信号配線)SIG4として駆動回路DR1に接続されている。また、駆動回路DR1は電極端子TRM3とも信号配線SIG4で接続されており、第1基板SUB1の図中下部に接続されるフレキシブルプリント基板FPC1を介して表示データや制御信号が駆動回路DR1に入力される。
【0059】
このとき、実施形態5の液晶表示パネルPNLを構成する第1基板SUB1には、その辺縁部に沿った検出配線(第4の信号配線)SIG2が形成されている。検出配線SIG2の端部はそれぞれ異なる電極端子TRM3に接続され、フレキシブルプリント基板FPCを介して引き出される構成となっている。このとき、実施形態5の液晶表示パネルPNLでは、図示しない共通電極に接続される図示しないコモン線、及び該コモン線と接続される図示しない信号配線も検出配線SIG2の内側、すなわち検出配線SIG2に囲まれる領域に形成されている。
【0060】
また、実施形態5の液晶表示パネルPNLでは、第1基板SUB1の図中下部に駆動回路DR1を配置する構成としたが、駆動回路DR1はこれに限定されることはない。例えば、表示領域ARの図中左右に薄膜トランジスタでゲート信号を生成するゲート駆動回路を形成した場合には、該ゲート駆動回路及びゲート駆動回路に接続される信号配線を取り囲むように検出配線SIG3を形成する。すなわち、ゲート駆動回路と信号配線との内で最も第1基板の辺縁部に近い部位と、第1基板SUB1の辺縁部との間の領域に検出配線SIG3を形成する。
【0061】
以上説明したように、実施形態5の表示装置においては、信号配線SIG4が形成されない図中上部の領域では当該表示領域ARと第1基板SUB1の辺縁部との間の領域に、また信号配線SIG4が形成される領域においては、当該信号配線SIG4と第1基板SUB1の辺縁部との間の領域に、第1基板SUB1の辺縁部に沿って検出配線SIG3を形成する構成となっているので、検査者が目視により第1基板SUB1の基板欠けを容易に検査することが可能であると共に、検出配線SIG3が接続される電極間の抵抗測定やパルス測定等の簡易な計測で基板欠けを検出することができる。
【0062】
なお、実施形態1〜4の表示装置におけるタッチパネルでは、2点以上の接触位置の検出が可能な静電容量式のタッチパネルに本願発明を適用した場合について説明したが、これに限定されることはなく、抵抗式等の他の方式のタッチパネルにも適用可能である。
【0063】
また、実施形態1〜4の表示装置におけるタッチパネルでは、第3基板に接続されるフレキシブルプリント基板にも検出配線SIG2に接続される電極端子を形成する構成としたが、これに限定されることはなく、第3基板に形成される電極端子のみであってもよい。
【0064】
以上、本発明者によってなされた発明を、前記発明の実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記発明の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【符号の説明】
【0065】
TP……タッチパネル、PNL……液晶表示装置、BL……バックライト装置
SUB1……第1基板、SUB2……第2基板、SUB3……第3基板
POL……偏光板、ADL……接着剤、LSP……遮光板、PP……前面保護板
PPO……開口部(前面保護板開口部)、DR1,2……駆動回路、AR……表示領域
FPC1,2……フレキシブルプリント基板、SL……シール材、DL……ドレイン線
GL……ゲート線、PX……画素電極、CT……共通電極、TFT……薄膜トランジスタ
TTA……透明領域、CL……コモン線、SIG1、FSG……信号配線
NP……基板欠け、SIG2……検出配線(第1検出配線)、SIG3……第2検出配線
SIG4……信号配線、YSE……第1検出電極、XSE……第2検出電極
TRM1〜3……電極端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触位置の検出領域内に配置される検出電極と、前記検出領域よりも外側の領域に配置され、一端が前記検出電極に接続され、他端に第1の電極端子が形成される第1の信号配線とを有する透明基板と、前記第1の電極端子に接続され、前記第1の信号配線を介して前記検出電極へ駆動信号を供給すると共に、前記検出電極からの検出信号を取り出す柔軟性を有するフレキシブル配線基板とを備える座標入力装置と、
外部システムからの映像信号に基づいた画像表示を行う表示パネルとを備え、前記表示パネルの表示面側に前記座標入力装置が配置される表示装置であって、
前記座標入力装置は、前記第1の信号配線よりも前記透明基板の辺縁部側に配置され、前記検出領域を含む前記第1の信号配線の形成領域を取り囲むと共にその両端が開放され、前記開放端にそれぞれ検査用の電極端子が形成される第2の信号配線を備え、
前記第2の信号配線は、前記透明基板の辺縁部に沿って配置される導電性薄膜で形成されることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第2の信号配線は、着色された薄膜層又は所定値以下の透過率を有する薄膜層を備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第2の信号配線は、金属薄膜層を備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2の信号配線は、2本以上の導電性薄膜で形成されることを特徴とする請求項1乃至3の内の何れかに記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2の信号配線は、一端が同一の検査用の電極端子に接続され、他端がそれぞれ異なる検査用の電極端子に接続されることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記フレキシブル配線基板は、外部システムと接続される第2の電極端子の形成領域とは異なる位置に、前記第2の信号配線に接続される第3の電極端子を備えることを特徴とする請求項1乃至5の内の何れかに記載の表示装置。
【請求項7】
複数の映像信号線と、前記映像信号線に交差する複数の走査信号線と、前記映像信号線と前記走査信号線と外部システムから駆動信号及び制御信号を入力する電極端子と、前記映像信号線及び前記走査信号線と前記電極端子とを接続する第3の信号配線とが形成される第1基板と、前記第1基板に接続され前記電極端子及び第の3信号配線を介して前記映像信号線及び前記走査信号線へ駆動信号を供給する柔軟性を有するフレキシブル配線基板とを有し、前記映像信号線と前記走査信号線とに囲まれた領域を画素の領域とし、前記画素がマトリクス状に形成される領域を表示領域とし、前記第3の信号配線が前記表示領域よりも外側の領域に形成される表示装置であって、
前記第3の信号配線よりも前記第1基板の辺縁部側に配置され、前記表示領域を含む前記第3の信号配線の形成領域を取り囲むと共にその両端が開放され、前記開放端にそれぞれ検査用の電極端子が形成される第4の信号配線を備え、
前記第4の信号配線は、前記透明基板の辺縁部に沿って配置される導電性薄膜で形成されることを特徴とする表示装置。
【請求項8】
前記第4の信号配線は、着色された薄膜層又は所定値以下の透過率を有する薄膜層を備えることを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第4の信号配線は、金属薄膜層を備えることを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第4の信号配線は、2本以上の導電性薄膜で形成されることを特徴とする請求項7乃至9の内の何れかに記載の表示装置。
【請求項11】
前記第4の信号配線は、一端が同一の検査用の電極端子に接続され、他端がそれぞれ異なる検査用の電極端子に接続されることを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記フレキシブル配線基板は、外部システムと接続される電極端子の形成領域とは異なる位置に、前記第4の信号配線に接続される電極端子を備えることを特徴とする請求項7乃至12の内の何れかに記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−253359(P2011−253359A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126877(P2010−126877)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】