説明

表面沈着物の除去および化学蒸着(CVD)チャンバーの内部の内部表面の不動態化方法

本発明は、電子デバイスを製造するのに用いられる蒸着チャンバーの内部などの表面から表面沈着物を除去するためのプラズマクリーニング方法に関する。本発明はまた、表面から沈着物を除去するのに優れた性能を提供するガス混合物および活性化ガス混合物を提供する。本方法は、炭素または硫黄源、NF、および任意選択的に酸素源を含むガス混合物を活性化させて活性化ガスを形成する工程と、活性化ガス混合物を表面沈着物と接触させて表面沈着物を除去する工程であって、活性化ガス混合物が装置の内部表面を不動態化して気相化学種の表面再結合の速度を下げる役割を果たす工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒素源、炭素または硫黄源、および任意選択的に酸素源を含むガス混合物を活性化させることによって生成された活性化ガス混合物を使用することによる表面沈着物の除去方法、ならびにガス混合物およびこれらの方法に使用される活性化ガスに関する。
【背景技術】
【0002】
化学蒸着反応器のオペレーターが直面する問題の1つは、チャンバー壁および圧盤から沈着物を除去するためにチャンバーを定期的にクリーニングする必要性である。このクリーニング工程は、チャンバーがクリーニングサイクル中には動作運転外であるので、チャンバーの生産能力を低下させる。クリーニング工程は、例えば、反応体ガスの排気および活性化クリーニングガスでのそれらの置換、それに続く不活性キャリアガスを使用するチャンバーからクリーニングガスを除去するためのフラッシング工程を含み得る。クリーニングガスは、内部表面から汚染物質集積をエッチすることによって典型的には機能し、従って、クリーニングガスのエッチング速度は、ガスの実用性および商業的使用の点で重要なパラメーターである。現在のクリーニングガスは、低いエッチ速度が原因でそれらの有効性が制限されると考えられる。この制限を部分的に回避するために、現行ガスは非効率的な流量で、例えば高い流量で流す必要があり、こうしてCVD反応器の全体的運転コストに大きく寄与する。次にこれはCVDウェハー製品の生産コストを増大させる。ガスの圧力を上げてエッチ速度を増加させるさらなる試みはむしろ、より低いエッチ速度をもたらした。これはおそらく、増加した圧力での増加した再結合による気相化学種の損失に起因する。例えば、(非特許文献1)は、NFと酸素との混合物をクリーニングガスとして使用するCVDチャンバーでの窒化シリコンのエッチングを開示している。(非特許文献2)は、パーフルオロテトラヒドロフランと酸素との混合物に窒素またはアルゴンを添加するCVDチャンバーでの窒化シリコンのエッチングを開示している。米国特許公報(特許文献1)は、CVDチャンバーから二酸化ケイ素沈着物を取り除くためのクリーニングガスとして54%の酸素、40%のパーフルオロエタンおよび6%のNFの混合物を開示している。このように、当該技術分野では、CVDチャンバーの全体的な運転コストを低減することができる有効なクリーニングガスでCVD反応器の運転コストを低減する必要性がある。
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,449,521号明細書
【非特許文献1】カステンマイヤー(Kastenmeier)ら著、Journal of Vacuum Science & Technology A 16(4)(1998年)、2047ページ
【非特許文献2】K.J.キム(K.J.Kim)ら著、Journal of Vacuum Science & Technology B 22(2)(2004年)、483ページ
【非特許文献3】B.バイ(B.Bai)、H.サウィン(H.Sawin)著、Journal of Vacuum Science & Technology A 22(5)(2004年)、2014ページ
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、新規クリーニングガス混合物および活性化クリーニングガス混合物を使用してCVD反応器の内部から表面沈着物を除去するための有効な方法を提供する。本発明の方法は、ガス混合物を提供する工程と、遠隔チャンバー中でまたはプロセスチャンバー中でガス混合物を活性化させて、炭素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1つの原子の源、NF、ならびに任意選択的に、酸素源を含む活性化ガス混合物を形成する工程であって、酸素:炭素源のモル比が少なくとも0.75:1である工程と、活性化ガス混合物をCVD反応器内の表面沈着物と接触させる工程とを含むが、それらに限定されない。本発明のガス混合物は、少なくとも1つの無機フッ素源、炭素源ガスまたは硫黄源、少なくとも1つの窒素源、および任意選択的に少なくとも1つの酸素源を含むが、それらに限定されない。ガス混合物から製造される活性化ガス混合物は、フッ素原子、窒素原子、炭素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1つの原子、ならびに任意選択的に酸素を含むが、それらに限定されない。本発明の一実施形態では、活性化ガス混合物は(原子のモル基準で)、約60%〜約75%のフッ素、約10%〜約30%の窒素原子、任意選択的に約0.4%〜約15%の酸素原子、ならびに約0.3%〜約15%の炭素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1つの原子を含み、任意選択的にキャリアガスを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本明細書で言及される表面沈着物は、化学蒸着(CVD)、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)または類似の方法によって一般に沈着されるそれらの物質を含む。かかる物質には、窒素含有沈着物が含まれる。かかる沈着物には、限定なしに、窒化シリコン、シリコンオキシ窒化物、シリコン炭窒化物(SiCN)、シリコンホウ窒化物(SiBN)、および、窒化タングステン、窒化チタンまたは窒化タンタルなどの、金属窒化物が含まれる。本発明の一実施形態では、表面沈着物は窒化シリコンである。
【0006】
本発明の一実施形態では、表面沈着物は、電子デバイスの製造に用いられるプロセスチャンバーの内部から除去される。かかるプロセスチャンバーは、CVDチャンバーまたはPECVDチャンバーであることができよう。本発明の他の実施形態には、金属からの表面沈着物の除去、プラズマエッチングチャンバーのクリーニング、およびウェハーからのN−含有薄膜の除去が含まれるが、それらに限定されない。
【0007】
一実施形態では、本発明の方法は、クリーニングガス混合物がプロセスチャンバー中か遠隔チャンバー中かのいずれかで活性化される活性化工程を含む。本出願の目的のためには、活性化は、少なくとも有効量のガス分子がそれらの原子状化学種へ実質的に分解した、例えば、CFガスが活性化されて実質的に分解し、炭素およびフッ素原子を含む活性化ガス(当該技術分野ではプラズマとしても知られる)を形成したことを意味する。活性化は、高周波(RF)エネルギー、直流(DC)エネルギー、レーザー照射、およびマイクロ波エネルギーなどの、供給ガスの大部分の解離の達成を可能にする任意のエネルギーインプット手段によって行われてもよい。本発明の一実施形態は、プラズマがトロイダル配位を有し、そしてトランスフォーマーの二次側として働く誘導結合低周波数RF電源連結トランスフォーマーを用いる。より低い周波数RFパワーの使用は、容量結合に対して誘導結合を高める磁気コアの使用を可能にし、それによって遠隔プラズマ源チャンバー内部の寿命を制限する過度のイオン衝撃なしにプラズマへのエネルギーのより効率的な移行を可能にする。用いられる典型的なRFパワーは1000kHzより低い周波数を有する。本発明の別の実施形態では、パワー源は遠隔マイクロ波、誘導結合、または容量結合プラズマ源である。本発明のさらに別の実施形態では、ガスはグロー放電を用いて活性化される。
【0008】
クリーニングガス混合物の活性化は、活性化ガス混合物を形成するのに十分な時間、十分なパワーを用いる。本発明の一実施形態では、活性化ガス混合物は少なくとも約3,000Kの中性温度を有する。生じたプラズマの中性温度は、パワーおよび遠隔チャンバーにおけるガス混合物の滞留時間に依存する。一定のパワーインプットおよび条件下では、中性温度は、滞留時間が長くなるに従い高くなるであろう。(パワー、ガス組成、ガス圧力およびガス滞留時間を考慮して)適切な条件下では、少なくとも約6,000Kの中性温度が達成されてもよい。
【0009】
活性化ガスは、プロセスチャンバーの外部にあるが、プロセスチャンバー近傍にある別個の遠隔チャンバー中で形成されてもよい。本発明では、遠隔チャンバーは、クリーニングまたはプロセスチャンバー以外の、プラズマが発生させられてもよいチャンバーを意味し、プロセスチャンバーは、表面沈着物が付着したチャンバーを意味する。遠隔チャンバーは、遠隔チャンバーからプロセスチャンバーへの活性化ガスの移動を可能にする任意の手段によってプロセスチャンバーに連結される。例えば、活性化ガスの移動を可能にするための手段は、短い連結チューブとCVD/PECVDプロセスチャンバーのシャワーヘッドとを含んでもよい。活性化ガスの移動を可能にするための手段は、遠隔プラズマ源チャンバーからプロセスチャンバーへの直接導管をさらに含んでもよい。遠隔チャンバーおよび遠隔チャンバーをプロセスチャンバーに連結するための手段は、活性化ガス混合物を含有できると当該技術分野で知られている材料で構成される。例えば、アルミニウムおよび陽極酸化アルミニウムがチャンバー構成材料のために一般に使用される。時々Alが表面再結合を減らすために内部表面上にコートされる。本発明の他の実施形態では、活性化ガス混合物は、プロセスチャンバー中で直接形成されてもよい。
【0010】
(活性化ガス混合物を形成するために活性化されるべき)ガス混合物は、少なくとも1つの無機フッ素源、炭素および硫黄からなる群から選択される1つまたは複数の原子の少なくとも1つの源、少なくとも1つの窒素源、および任意選択的に少なくとも1つの酸素源を含む。典型的な無機フッ素源には、NFおよびSFが含まれる。SFが無機フッ素源として働く場合、それはまた硫黄の源としても働く。炭素源が使用されるときに、炭素源はフルオロカーボンもしくは炭化水素、二酸化炭素または一酸化炭素であることができる。フルオロカーボンは本明細書では、CおよびF、そして任意選択的にOおよびHを含有する化合物を意味する。本発明の一実施形態では、フルオロカーボンはパーフルオロカーボン、または1つまたは複数のパーフルオロカーボンの混合物である。本発明で言及されるようなパーフルオロカーボン化合物は、C、Fおよび任意選択的に酸素からなる化合物である。かかるパーフルオロカーボン化合物には、テトラフルオロメタン、ヘキサフルオロエタン、オクタフルオロプロパン、ヘキサフルオロシクロプロパン、デカフルオロブタン、ヘキサフルオロプロペン、オクタフルオロシクロブタンおよびオクタフルオロテトラヒドロフランが含まれるが、それらに限定されない。特定の理論に拘束されるものではないが、本願特許出願人は、ガス混合物のフルオロカーボンが活性化ガス混合物中の炭素原子の源として働くものと考えている。炭素源ガスにはまた、ヒドロフルオロカーボンまたは炭化水素も含まれる。本発明の一実施形態では、炭化水素炭素源はメタンである。これは、活性化ガス混合物中の水素原子がフッ化水素(HF)を形成するF原子とH原子との予期される再結合の故に不利であると当該技術分野では一般に考えられているので意外であった。これは装置内面に有害であるだけでなく、気相反応性F原子濃度を下げるであろう。実施例11(図13)に例示されるように、5〜10%以下のCHの添加は、NFおよびO入り源ガスとして使用されたときにCと比較して増加したエッチ速度性能を提供する。典型的な窒素源には、分子状窒素(N)およびNFが含まれる。NFが無機フッ素源であるとき、それはまた窒素源としても働くことができる。典型的な酸素源には、酸素分子(O)、二酸化炭素、二酸化硫黄および三酸化硫黄が含まれる。二酸化炭素が酸素源であるとき、それはまた炭素源としても働くことができる。二酸化硫黄または三酸化硫黄が酸素源であるとき、それらはまた硫黄源としても働くことができる。フルオロカーボンがフルオロケトン、フルオロアルデヒド、フルオロエーテル、二フッ化カルボニル(COF)であるか、または他の場合にはオクタフルオロテトラヒドロフランなどの、O原子を含有するとき、フルオロカーボンはまた酸素源としても働くことができる。本発明の別の実施形態では、酸素:フルオロカーボンモル比は少なくとも0.75:1である。本発明の一実施形態では、酸素:フルオロカーボンモル比は少なくとも1:1である。選ばれるフルオロカーボンに依存して、本発明の他の実施形態では、酸素:フルオロカーボンモル比は2:1であってもよい。
【0011】
本発明の一実施形態では、ガス流れ中の無機フッ素源のモル基準百分率は約50%〜約98%である。本発明の別の実施形態では、ガス流れ中の無機フッ素源のモル基準百分率は約60%〜約98%である。本発明のさらに別の実施形態では、ガス流れ中の無機フッ素源のモル基準百分率は約70%〜約90%である。本発明のさらに別の実施形態では、NFが窒素およびフッ素のための源であり、そして二酸化炭素が炭素および酸素源であるとき、ガス流れ中の二酸化炭素のモル基準百分率は約2%〜約15%である。ガス混合物はキャリアガスをさらに含んでもよい。好適なキャリアガスの例には、アルゴンおよびヘリウムなどの希ガスが挙げられる。
【0012】
一実施形態では、活性化ガス混合物は約66%〜約87%のフッ素原子を含有する。一実施形態では、活性化ガス混合物は約11%〜約24%の窒素原子を含有する。一実施形態では、活性化ガス混合物は約0.9%〜約11%の酸素原子を含有する。一実施形態では、活性化ガス混合物は約0.6%〜約11%の炭素原子、0.6%〜約11%の硫黄原子、またはそれらの混合物を含有する。本発明の一実施形態では、活性化ガス混合物は、約66%〜約74%のフッ素原子、約11%〜約24%の窒素原子、約0.9%〜約11%の酸素原子、および約0.6%〜約11%の炭素原子を含む。
【0013】
本発明の一実施形態では、表面沈着物の除去の間、プロセスチャンバー中の温度はしばしば約50℃〜約200℃であってもよい。しかしながら、装置内の場所に依存して、表面温度は400℃ほどに高い範囲であってもよい。
【0014】
活性化工程の間、遠隔チャンバー中の全圧は、アストロン(Astron)源を用いて約0.5トル〜約15トルであってもよい。プロセスチャンバー中の全圧は約0.5トル〜約15トルであってもよい。他のタイプの遠隔プラズマ源ではまたはその場プラズマ源では、最高圧力を下げることができる。
【0015】
無機フッ素源、窒素源、ならびに炭素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1つの源、そして任意選択的に酸素源の組み合わせは窒化シリコンなどの窒化物フィルムの著しくより高いエッチング速度をもたらすことが分かった。これらの増加はまた、源ガス圧力、チャンバー圧力および温度の変動へのエッチ速度のより低い感受性も提供する。特定の理論に拘束されるものではないが、本願特許出願人は、活性化された気相化学種の組み合わせが装置の内部表面を不動態化して気相化学種の表面再結合の速度を著しく下げ、それによって活性化後の化学種の損失を防ぐ働きをすると理論上想定している。これまで利用することができたものより広い圧力範囲にわたってより高いエッチ速度を提供することに加えて、これはまた気相化学種の再結合の低下した速度の故に装置の下流構成材料の著しく高められたクリーニングも提供することが分かった。
【0016】
図1は、エッチング速度、プラズマ中性温度、および排気物質を測定するために用いられる遠隔プラズマ源および装置の略図を示す。遠隔プラズマ源は、MKSインスツルメンツ、米国マサチューセッツ州アンドーバー(MKS Instruments,Andover,MA,USA)によって製造された市販トロイダル型MKSアストロン(MKS ASTRON)(登録商標)ex反応性ガス発生器装置である。
【0017】
クリーニングガス、この場合にはNF、C、およびOがマスフローコントローラー102を用いて混合される別の実施形態が図2に示されるが、他の混合物が使用されてもよい。アルゴンがアストロン(登録商標)ex源101の始動を容易にするために含められ、その上クリーニング工程の間、添加されることができる。アストロン(登録商標)exが本実施例では用いられるが、他の遠隔源が用いられてもよい。チャンバークリーニングの間、蒸着ガスはバルブ103によって遮断される。遠隔プラズマ源のアウトプットは、任意のフロー制限デバイス104、プロセスチャンバー100への導管として働くシャワーヘッド105を通ってチャンバーに、および/または直接導管106を通ってプロセスチャンバーに直接導かれる。フロー制限デバイスはオリフィスまたはバルブであることができる。プロセスチャンバーへの活性化ガスの一部またはすべての直接フローを変えるためのバルブ107および108を用いて、シャワーヘッドでの圧力降下および反応体化学種の損失を減らし、チャンバーのより大きいクリーニング速度を可能にすることができる。シャワーヘッドを通るフローと、シャワーヘッドを迂回するチャンバーへのフローとの組み合わせは、PECVD法の間に用いられる特定のチャンバーおよびプロセス条件に特有である沈着物のクリーニングを最適化するためにクリーニング工程の間、調整することができる。基材は取付台上に示されているが、それは典型的にはチャンバーのクリーニングの間中存在するわけではない。
【0018】
1つまたは複数のスロットルバルブ109および110を用いてチャンバーからポンプへのフローを絞ることによって、プロセスチャンバーを調節してクリーニング工程の間、プロセスチャンバーでのおよび/またはチャンバーとポンプとの間の排気ラインでの反応体の分圧を調節することができる。本発明を用いると、表面再結合による反応体の損失速度の減少が反応体の過度の損失なしにクリーニングガス圧力の増加を可能にすることが実証された。反応体ガスのより高い分圧はクリーニング速度および効率を高めることができる。スロットルバルブ109および110の数、場所、および設定値をクリーニング工程前またはクリーニング工程中に調節してプロセスチャンバーおよびポンプ排気(前方)ラインのクリーニングを最適化することができる。本実施例では2つのスロットルバルブの使用が示されているが、1つまたは複数のバルブが用いられてもよい。沈着物のクリーニングを最適化するためのこれらのバルブの設定値は、表面の温度とシステムの他の項目との関数だけでなくPECVD法の間、用いられる特定のチャンバーおよびプロセス条件に特有であるが、必要以上の実験なしで当業者によって容易に決定することができる。
【0019】
圧力および温度へのエッチ速度の減少した依存性の結果として、クリーニングサイクルの間、装置をより低い温度で運転し、それによって内部表面上での再結合による気相化学種の損失を減らすこと、そしてエッチング速度、およびチャンバーとポンプとの間の排気配管のクリーニングを増加させることが可能である。
【0020】
下記の実施例は本発明を例示するものであり、限定するものではない。
【実施例】
【0021】
供給ガス(例えば、O、フルオロカーボン、NFおよびキャリアガス)を左から遠隔プラズマ源へ導入し、トロイダル放電を通過させ、そこでそれらは400kHz高周波パワーにより放電して活性化ガス混合物を形成した。酸素は99.999%純度でエアガス(Airgas)によって製造されている。実施例でのフルオロカーボンは、本願特許出願人によって製造される最低99.9容量%のオクタフルオロシクロブタンのザイロン(Zyron)(登録商標)8020か、本願特許出願人によって製造される最低99.9容量%のヘキサフルオロエタンのザイロン(登録商標)116N5かのいずれかである。NFガスは99.999%純度で本願特許出願人によって製造されている。アルゴンは5.0のグレードでエアガスによって製造されている。典型的には、Arガスを使用してプラズマを点火し、その時間後にArフローを停止した後、供給ガスのためのフローを開始した。活性化ガス混合物を次に、アルミニウム・プロセスチャンバーの熱負荷を低減するためにアルミニウム水冷却熱交換器を通過させる。表面沈着物被覆ウェハーをプロセスチャンバー中の温度調節した取付台上に置いた。中性温度は発光分光法(Optical Emission Spectroscopy)(OES)によって測定され、その分光法ではCおよびNのような二原子化学種の回転振動遷移バンドが中性温度をもたらすのに理論的に適している。参照によって本明細書に援用される(非特許文献3)もまた参照されたい。活性化ガスによる表面沈着物のエッチング速度は、プロセスチャンバー中の干渉分光法装置によって測定される。Nガスを、生成物をFTIR測定に適切な濃度に希釈するため、およびポンプ中での生成物の膠着を減らすための両方のために吸尽ポンプの入口で加える。FTIRを用いてポンプ排ガス中の化学種の濃度を測定した。
【0022】
(実施例1)
本実施例は、異なるガス組成および異なるウェハー温度で酸素入りNFシステムでの窒化シリコン・エッチ速度へのフルオロカーボンの添加の影響を例示する。本実験では、供給ガスはNF、酸素およびCからなった。プロセスチャンバー圧力は5トルであった。総ガス流量は、個々のガスについての流量を各実験について必要とされる通り比例的に設定して、1700sccmであった。例示として、9%の酸素、9%の、および82%のNFでの実験では、酸素流量は150sccmであり、C流量は150sccmであり、NF流量は1400sccmであった。供給ガスを400kHz5.9〜8.7kWのRFパワーによって活性化させた。活性化ガスは次にプロセスチャンバーに入り、温度を50℃に調節した取付台上で窒化シリコン表面沈着物をエッチした。図3に示すように、3.5モルパーセントの酸素および2.3モルパーセントのフルオロカーボンを添加したときに、エッチ速度は2500Å/分を超え、そしてフルオロカーボンおよび酸素添加の量の変動への低い感受性を示した。同じ現象は、試験したすべてのウェハー温度:50℃、100℃、150℃および200℃で観察された。
【0023】
(実施例2)
本実施例は、酸素入りNFシステムでの窒化シリコン・エッチ速度へのフルオロカーボン添加の影響およびエッチ速度への源圧力の減少した影響を例示する。結果を図4に例示する。本実験では、供給ガスは、任意選択的に酸素入りおよび任意選択的にC入りNFからなった。プロセスチャンバー圧力は2トルであった。総ガス流量は、個々のガスについての流量を各実験について必要とされる通り比例的に設定して、1700sccmであった。例示として、9%の酸素および91%のNFでの実験では、NF流量は1550sccmであり、酸素流量は150sccmであった。供給ガスを400kHz5.0〜9.0kWのRFパワーによって3000Kより高い中性温度に活性化させた。活性化ガスは次にプロセスチャンバーに入り、温度を50℃に調節した取付台上で窒化シリコン表面沈着物をエッチした。図3に示すように、9モルパーセントのフルオロカーボンおよび9モルパーセントの酸素をNFに添加したときに、窒化シリコンに対する高いエッチング速度が得られ、速度は源圧力の変動への非常に低い感受性を示した。
【0024】
(実施例3)
本実施例は、3.0トルのチャンバー圧力でNFと酸素との混合物での窒化シリコン・エッチ速度へのC添加の影響を例示する。総ガス流量は1700sccmであった。結果を図5に例示する。供給ガスを400kHz4.6kWのRFパワーによって3000Kより高い中性温度に活性化させた。結果が示唆するように、9モルパーセントのCを供給ガスに添加した、すなわち、供給ガス混合物が9モルパーセントのC、9モルパーセントの酸素および82モルパーセントのNFからなったときに、窒化シリコンのエッチング速度は約2200Å/分〜約2450Å/分に増加し、源圧力の変動でより低い変動を示した。
【0025】
(実施例4)
本実施例は、5.0トルのチャンバー圧力でのNFと酸素との混合物およびC対酸素のモル比の変動での窒化シリコン・エッチ速度へのCの添加の影響を例示する。総ガス流量は1700sccmであった。結果を図6に例示する。供給ガスを400kHzのRFパワーによって3000Kより高い中性温度に活性化させた。最高のエッチ速度および源圧力の変動での低い変動は1:1の酸素対C比で、すなわち、9モルパーセントのC、9モルパーセントの酸素、および82モルパーセントのNFの供給ガス混合物で得られることが分かった。この供給ガス組成物での窒化シリコン・エッチ速度は、2:1の酸素/フルオロカーボン比での約950Å/分〜約1250Å/分と比較して約2050〜約2300Å/分であった。
【0026】
(実施例5)
本実施例は、9モルパーセントのC、9モルパーセントの酸素、および82モルパーセントのNFの供給ガス混合物ならびに2トルのチャンバー圧力を用いて窒化シリコン・エッチ速度へのプロセスチャンバー温度の影響を例示する。総ガス流量は1700sccmであった。結果を図7に例示する。供給ガスを400kHz6.0〜6.6kWのRFパワーによって3000Kより高い中性温度に活性化させた。エッチ速度はチャンバー温度が50℃から100℃に上がるときに幾分増加することが分かった。この傾向での有意の差は源圧力の変化で全く観察されなかった。
【0027】
(実施例6)
本実施例は、9モルパーセントのC、9モルパーセントの酸素、および82モルパーセントのNFの供給ガス混合物ならびに3トルのチャンバー圧力を用いて窒化シリコン・エッチ速度へのプロセスチャンバー温度の影響を例示する。総ガス流量は1700sccmであった。結果を図8に例示する。供給ガスを400kHz6.7〜7.2kWのRFパワーによって3000Kより高い中性温度に活性化させた。エッチ速度はチャンバー温度が50℃から100℃に上がるときに幾分増加することが分かった。100℃ではエッチ速度の変動は源圧力の変化でほとんどなかった。
【0028】
(実施例7)
本実施例は、フルオロカーボンとしてオクタフルオロシクロブタンを使用して窒化物エッチングを比較する。本実施例では、供給ガス混合物は9モルパーセントのC、9モルパーセントの酸素、および82モルパーセントのNFか、4.5モルパーセントのC、9モルパーセントの酸素、および86.5モルパーセントのNFかのいずれかであった。総ガス流量は1700sccmであった。チャンバー圧力は2トルであった。供給ガスを400kHz6.5kWのRFパワーによって3000Kより高い中性温度に活性化させた。結果を図9に例示する。オクタフルオロシクロブタンは、エッチ速度、および源圧力の変動での変動に関してヘキサフルオロエタンと比較して類似のエッチング性能を示した。
【0029】
(実施例8)
本実施例は、フルオロカーボンとしてオクタフルオロシクロブタンを使用して窒化物エッチングを比較する。本実施例では、供給ガス混合物は9モルパーセントのC、9モルパーセントの酸素、および82モルパーセントのNFか、4.5モルパーセントのC、9モルパーセントの酸素、および86.5モルパーセントのNFかのいずれかであった。チャンバー圧力は3トルであった。総ガス流量は1700sccmであった。供給ガスを400kHz6.9kWのRFパワーによって3000Kより高い中性温度に活性化させた。結果を図10に例示する。オクタフルオロシクロブタンは、エッチ速度、および源圧力の変動での変動に関してヘキサフルオロエタンと比較して類似のエッチング性能を示した。
【0030】
(実施例9)
本実施例は、異なるガス組成および異なるウェハー温度で酸素入りNFシステムでの窒化シリコン・エッチ速度へのフルオロカーボンの添加の影響を例示する。本実験では、供給ガス混合物は酸素およびC入りNFからなった。プロセスチャンバー圧力は5トルであった。総ガス流量は、個々のガスについての流量を各実験について必要とされる通り比例的に設定して、4800sccmであった。例示として、1.8%の酸素、1.1%のC、および97.1%のNFでの実験では、酸素流量は85sccmであり、C流量は50sccmであり、NF流量は4665sccmであった。供給ガスを400kHz5〜8kWのRFパワーによって活性化させた。活性化ガスは次にプロセスチャンバーに入り、温度を50℃に調節した取付台上で窒化シリコン表面沈着物をエッチした。図11に示すように、3.5モルパーセントの酸素および2.3モルパーセントのフルオロカーボンを添加したときに、エッチ速度は7500Å/分を超え、フルオロカーボンおよび酸素添加の量の変動への低い感受性を示した。同じ現象は、試験したすべてのウェハー温度:50℃、100℃および150℃で観察された。1.2モル%のOおよび0.8モル%のCでさえ、高いエッチ速度が観察された。
【0031】
(実施例10)
本実施例は、NFでの窒化シリコンのエッチングで炭素源および酸素源としての二酸化炭素の使用を例示する。プロセスチャンバー圧力は5トルであった。総ガス流量は、個々のガスについての流量を各実験について必要とされる通り比例的に設定して、1700sccmであった。例示として、4.5%のCO、および95.5%のNFでの実験では、CO流量は75sccmであり、NF流量は1625sccmであった。供給ガスを400kHz5〜8kWのRFパワーによって活性化させた。活性化ガスは次にプロセスチャンバーに入り、温度を50℃に調節した取付台上で窒化シリコン表面沈着物をエッチした。図12に示すように、3.5%のCOを添加したときに、エッチ速度は8000Å/分であった。NF単独より高いエッチ速度が13.5%以下のCOについて観察された。
【0032】
(実施例11)
本実施例は、異なるガス組成物で酸素入りNFシステムでの窒化物エッチング実験で炭素源としてのCHとCとを比較する。本実験では、供給ガスは、酸素および炭素源入りNFからなった。プロセスチャンバー圧力は5トルであった。総ガス流量は、個々のガスについての流量を各実験について必要とされる通り比例的に設定して、1700sccmであった。例示として、4.5%の酸素、4.5%のC、および91%のNFでの実験では、酸素流量は75sccmであり、C流量は75sccmであり、NF流量は1550sccmであった。供給ガスを400kHz5〜8kWのRFパワーによって活性化させた。活性化ガスは次にプロセスチャンバーに入り、温度を50℃に調節した取付台上で窒化シリコン表面沈着物をエッチした。図13に示すように、2.3%または4.5%のCHで、Cより優れたエッチ速度が得られた。しかしながら、4.5%のCHで、窒化シリコン・エッチ速度は本実験で時間と共に低下した。
【0033】
(実施例12)
本実施例は、200℃のウェハー温度でNF/C/O(82/9/9)のブレンドをNF単独およびNFおよびCと比較する。チャンバー圧力を0.7トルから10トルまで変えた。遠隔源での圧力は約15トルであった。総ガス流量は、個々のガスについての流量を各実験について必要とされる通り比例的に設定して、4800sccmであった。本実験については、図2に例示するようなバルブ(104)の代わりに、チャンバー圧力を変える間、源圧力が本質的に一定に留まるようにチョーク流れで運転されるオリフィスを用いた。図14に示すように、NF/C/Oの混合物では、エッチ速度はプロセスチャンバー圧力の増加に対しておおよそ直線的に増加するが、NF単独またはNF+Cでは、エッチ速度は、圧力が増加したときに横ばい状態になり、より高い圧力での増加した再結合を示唆する。
【0034】
(実施例13)
本実施例は、100℃のウェハー温度および0.7トル〜5トルのチャンバー圧力でNF/C/O(82/9/9)のブレンドをNFと比較する。遠隔源での圧力は約15トルであった。総ガス流量は、個々のガスについての流量を各実験について必要とされる通り比例的に設定して、4800sccmであった。本実験については、図2に例示するようなバルブ(104)の代わりに、チャンバー圧力を変える間、源圧力が本質的に一定に留まるようにチョーク流れで運転されるオリフィスを用いた。図15に示すように、NF/C/Oのブレンドを使用した窒化物エッチ速度は、NF単独で観察されるもののおおよそ3〜4倍であり、増加するチャンバー圧力と共に増加する。
【0035】
本発明の具体的な実施形態が示され、そして説明されてきたが、さらなる変更が当業者には想到されるであろう。本発明は、その趣旨または本質的な属性から逸脱することなく他の特定の形態で実現されることがあり、従って、本発明の範囲を示すものとして、前述の明細書によりもむしろ、添付の特許請求の範囲を参照すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の方法を実施するために有用な装置の略図である。
【図2】本発明の方法を実施するために有用な別の装置の略図である。
【図3】5トルのプロセスチャンバー圧力および異なるウェハー温度での様々な組成物についての窒化シリコン・エッチング速度のプロットである。
【図4】プラズマ源圧力の関数としての、2トルのプロセスチャンバー圧力での様々な組成物についての窒化シリコン・エッチング速度のプロットである。
【図5】プラズマ源圧力の関数としての、3トルのプロセスチャンバー圧力での様々な組成物についての窒化シリコン・エッチング速度のプロットである。
【図6】プラズマ源圧力の関数としての、5トルのプロセスチャンバー圧力での様々な組成物についての窒化シリコン・エッチング速度のプロットである。
【図7】プラズマ源圧力の関数としての、2トルのプロセスチャンバー圧力で異なる温度での窒化シリコン・エッチング速度のプロットである。
【図8】プラズマ源圧力の関数としての、3トルのプロセスチャンバー圧力で異なる温度での窒化シリコン・エッチング速度のプロットである。
【図9】2トルの遠隔チャンバー圧力でフルオロカーボンとしてCおよびCを使用して窒化シリコン・エッチング速度を比較するプロットである。
【図10】3トルのプロセスチャンバー圧力でフルオロカーボンとしてCおよびCを使用して窒化シリコン・エッチング速度を比較するプロットである。
【図11】異なるウェハー温度で5トルのプロセスチャンバー圧力で4800sccmの流量でC、酸素、およびNFを使用して窒化シリコン・エッチング速度を比較するプロットである。
【図12】5トルのプロセスチャンバー圧力でNFおよび二酸化炭素を使用する、異なるガス組成物での窒化シリコン・エッチングのプロットである。
【図13】炭素源ガスとしてCおよびCHを使用して窒化シリコン・エッチング速度を比較するプロットである。
【図14】異なるガス組成物を比較するプロセスチャンバー圧力の関数としての窒化物エッチ速度を例示するプロットである。
【図15】異なるガス組成物を比較するプロセスチャンバー圧力の関数としての窒化物エッチ速度を例示するプロットである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約60%〜約75%のフッ素原子、
約10%〜約30%の窒素原子、
任意選択的に、約15%以下の酸素原子、ならびに
約0.3%〜約15%の、炭素および硫黄からなる群から選択される1つまたは複数の原子
を含むことを特徴とする活性化ガス混合物。
【請求項2】
前記フッ素原子の百分率が約66%〜約74%であり、
前記窒素原子の百分率が約11%〜約24%であり、
前記酸素原子の百分率が約0.9%〜約11%であり、そして
前記炭素および硫黄からなる群から選択される1つまたは複数の原子の百分率が約0.6%〜約11%である
ことを特徴とする請求項1に記載の活性化ガス混合物。
【請求項3】
前記炭素および硫黄からなる群から選択される1つまたは複数の原子が炭素であることを特徴とする請求項1または2に記載の活性化ガス混合物。
【請求項4】
キャリアガスをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の活性化ガス混合物。
【請求項5】
前記キャリアガスがアルゴンおよびヘリウムからなる群から選択されることを特徴とする請求項4に記載の活性化ガス混合物。
【請求項6】
前記キャリアガスがアルゴンであることを特徴とする請求項5に記載の活性化ガス混合物。
【請求項7】
CVD装置の内部表面上の表面沈着物のエッチングおよび除去方法であって、酸素源、炭素および硫黄からなる群から選択される1つまたは複数の原子の源、ならびにNFを含むガス混合物を遠隔チャンバー中で活性化させる工程であって、ここで、酸素源:炭素および硫黄からなる群から選択される1つまたは複数の原子の源のモル比が少なくとも約0.75:1であり、かつ、前記ガス混合物中のNFのモル百分率が約50%〜約98%である工程と、前記活性化ガス混合物を、導管を通ってプロセスチャンバーへ流れさせる工程と、それによって前記CVD装置の内部表面上での気相化学種の表面再結合の速度を下げる工程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
前記炭素および硫黄からなる群から選択される1つまたは複数の原子が炭素であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記装置がPECVD装置であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記装置の内部表面がアルミニウムおよび陽極酸化アルミニウムからなる群から選択される材料で構成されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記導管が冷却されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項12】
スロットルバルブが、クリーニングサイクルの間、前記装置中の圧力を上げるために用いられることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記酸素源が酸素分子であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記炭素源がフルオロカーボンであることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記フルオロカーボンがパーフルオロカーボンであることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記フルオロカーボンがテトラフルオロメタン、ヘキサフルオロエタン、オクタフルオロプロパン、パーフルオロテトラヒドロフラン、およびオクタフルオロシクロブタンからなる群から選択されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記フルオロカーボンがヘキサフルオロエタンであることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記フルオロカーボンがオクタフルオロシクロブタンであることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記NFのモル百分率が前記ガス混合物の約60%〜約98%であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項20】
前記NFが前記ガス混合物の約70%〜約90%であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項21】
前記酸素源:炭素源比が約1:1であることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記酸素源および前記炭素源が二酸化炭素であり、そして前記ガス混合物中の二酸化炭素のモル百分率が約2%〜約15%であることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項23】
前記ガス混合物がキャリアガスをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項24】
前記キャリアガスがアルゴンおよびヘリウムからなる群から選択されることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記プロセスチャンバー中の圧力が約0.5トル〜約20トルであることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項26】
前記プロセスチャンバー中の圧力が約1トル〜約15トルであることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項27】
前記遠隔チャンバー中の圧力が約0.5トル〜約15トルであることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項28】
前記遠隔チャンバー中の圧力が約2トル〜約6トルであることを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記パワーがRF源、DC源またはマイクロ波源によって発生させられることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項30】
前記パワーがRF源によって発生させられることを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
(a)請求項1または2に記載の活性化ガス混合物を遠隔チャンバー中で生成する工程と、
(b)前記活性化ガス混合物を、導管を通ってそしてプロセスチャンバー中へ流れさせる工程と、その後
(c)気相化学種の表面再結合の速度を下げる工程と
含むことを特徴とする装置の内部表面の不動態化方法。
【請求項32】
前記装置がPECVD装置であることを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記装置の内部表面がアルミニウムおよび陽極酸化アルミニウムからなる群から選択される材料で構成されることを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記導管が冷却されることを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項35】
スロットルバルブが、クリーニングサイクルの間、前記装置中の圧力を高めるために用いられることを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記ガス混合物がキャリアガスをさらに含むことを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項37】
前記キャリアガスがアルゴンおよびヘリウムからなる群から選択されることを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記プロセスチャンバー中の圧力が約0.5トル〜約20トルであることを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項39】
前記プロセスチャンバー中の圧力が約1トル〜約15トルであることを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項40】
前記遠隔チャンバー中の圧力が約0.5トル〜約15トルであることを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項41】
前記遠隔チャンバー中の圧力が約2トル〜約6トルであることを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項42】
前記パワーがRF源、DC源またはマイクロ波源によって発生させられることを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項43】
前記パワーがRF源によって発生させられることを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項44】
(a)遠隔プラズマ源チャンバー、
(b)前記遠隔プラズマ源をクリーニングガスおよび不活性ガスの供給元に連結するガス供給システム、
(c)前記遠隔プラズマチャンバーから前記プロセスチャンバーへの請求項1〜4のいずれか一項に記載の活性化ガスの移動を可能にする手段によって前記遠隔プラズマチャンバーがPECVDチャンバーに結合されているPECVDチャンバー、ならびに
(d)排気ライン
を含むことを特徴とするPECVD装置。
【請求項45】
前記排気ラインが真空源に連結されていることを特徴とする請求項44に記載のPECVD装置。
【請求項46】
前記真空源が真空ポンプであることを特徴とする請求項45に記載のPECVD装置。
【請求項47】
前記遠隔プラズマチャンバーから前記プロセスチャンバーへの前記活性化ガスの移動を可能にする前記手段が、シャワーヘッドへの短い連結チューブと前記プラズマ源を前記プロセスチャンバーに連結する直接導管とを含むことを特徴とする請求項44に記載のPECVD装置。
【請求項48】
前記シャワーヘッドへの前記短い連結チューブと前記プラズマ源を前記プロセスチャンバーに連結する前記直接導管とがそれぞれ、2つの通路を通って流れる前記活性化ガスの割合を変えるためのフロー制限デバイスをさらに含むことを特徴とする請求項47に記載のPECVD装置。
【請求項49】
前記フロー制限デバイスがオリフィスまたはバルブであることを特徴とする請求項48に記載のPECVD装置。
【請求項50】
前記排気ラインが少なくとも1つのスロットルバルブをさらに含むことを特徴とする請求項44に記載のPECVD装置。
【請求項51】
前記ガス供給システムが、前記PECVDチャンバーに供給される各ガスのためのガスボンベを各ガス用の個々のマスフローコントローラーを経由して混合チャンバーに連結し、そしてそこから前記遠隔プラズマ源チャンバーに連結される配管を含むことを特徴とする請求項44に記載のPECVD装置。
【請求項52】
前記ガス供給システムがクリーニングガス混合物のボンベをマスフローコントローラー経由で前記遠隔プラズマ源チャンバーに連結する配管と、不活性ガス源をマスフローコントローラー経由で前記遠隔プラズマ源チャンバーに連結する配管とを含むことを特徴とする請求項44に記載のPECVD装置。
【請求項53】
前記遠隔プラズマチャンバーから前記プロセスチャンバーへの前記活性化ガスの移動を可能にする前記手段が冷却されることを特徴とする請求項44に記載のPECVD装置。
【請求項54】
前記排気ライン配管がアルミニウムか陽極酸化アルミニウムかのいずれかであり、そして冷却されることを特徴とする請求項44に記載のPECVD装置。
【請求項55】
25%以下の酸素源ガス、
約50%〜約98%の無機フッ素源ガス、
約25%以下の炭素源ガス、および
約25%以下の硫黄源ガス
をガスのモルパーセントで含むCVD反応器をクリーニングするためのガス混合物であって、前記炭素源ガスおよび前記硫黄源ガスの量の組み合わせた量が1%〜25%であることを特徴とするガス混合物。
【請求項56】
前記無機フッ素源ガスがNFであることを特徴とする請求項55に記載のガス混合物。
【請求項57】
前記炭素源ガスがフルオロカーボンまたは炭化水素であることを特徴とする請求項55に記載のガス混合物。
【請求項58】
前記炭素源ガスがCO、CH、C、またはオクタフルオロシクロブタンであることを特徴とする請求項57に記載のガス混合物。
【請求項59】
前記硫黄源がSFであることを特徴とする請求項55に記載のガス混合物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2009−503905(P2009−503905A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525139(P2008−525139)
【出願日】平成18年8月2日(2006.8.2)
【国際出願番号】PCT/US2006/030032
【国際公開番号】WO2007/027350
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(500408935)マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー (17)
【Fターム(参考)】