説明

製品の製造方法

本発明は、(a)50μm〜5mmの範囲の直径(質量平均)を有する連続気泡アミノ樹脂フォーム断片を、(b)少なくとも1種のフィルム形成性ポリマーと混合し、付形工程に付し、その後、乾燥する、ことを特徴とする製品の製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
(a)50μm〜5mmの範囲の直径(質量平均)を有する連続気泡アミノ樹脂フォーム断片を、
(b)少なくとも1種のフィルム形成性ポリマーと混合し、付形工程に付し、その後、乾燥することを特徴とする製品の製造方法に関する。
【0002】
更に本発明は、本発明の方法により製造される製品に関する。更に本発明は、本発明の製品を、例えば表面の洗浄用の洗浄材料として使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの洗浄材料、例えば洗浄スポンジ及び洗浄クロスは、フォームから製造され、そして経済的な関心を増大させている。しかしながら、かかる洗浄材料は、依然として課題を含んでいる。
【0004】
フォームから製造される洗浄材料の場合、比較的短時間の使用の後、例えば約10分後、洗浄材料は、洗浄効果をもはや達成不可能となる程度まで破壊されることが認められている。その結果、かかる洗浄材料、例えば洗浄スポンジの製造業者は、適切で且つ全体として極めて短時間の使用の後、例えば10分後に洗浄材料を処置することを推奨している。従って、寸法安定性は、多くの場合に依然として不満足である。
【0005】
更に、洗浄状態にて光沢のあった表面は、一例として調べられる多くのスポンジを用いて洗浄した後、光沢のない外観を有することが認められている。
【0006】
しかしながら、例えば、調理器具又はいわゆるホワイトボード(色白の、特に白色の、ライティングボード、例えばオフィス用)等の当初は光沢のある表面を、その光沢を失うことなく洗浄することについて相当な興味がある。
【0007】
特許文献1及び特許文献2では、メラミン樹脂フォームに、例えばシリコーン・エマルジョンを含浸することによってメラミン樹脂フォームを補強することを推奨している。しかしながら、シリコーン・エマルジョンが含浸されるフォームを、洗浄材料として使用することができない。なぜなら、使用中にスジを残すからである。更に、特許文献2では、メラミン樹脂フォームにモノマーのフルオロアルキルエステルを噴霧して、フォームを撥油性にすることを推奨している。
【0008】
加工物の他の主要な分野は、梱包材料、例えば、カートンに電気器具を強固に固定させ、衝撃から保護し、そして開梱中に簡単に取り除かれ得る梱包片及び全付形品に関する。
【0009】
【特許文献1】EP0633283
【特許文献2】DE10011388
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明の目的は、従来技術により知られている上述の課題を回避する製品を提供することにあった。更に本発明の目的は、製品の製造方法を提供することにあった。更に本発明の目的は、製品の使用法を提供することにあった。
【0011】
これにより、冒頭に定義される方法が見出された。
【0012】
本発明の場合、製品は、所望の寸法であり、固くても又は可撓性であっても良い成形品を意味すると理解すべきである。本発明の場合の製品は、手動力によって、特に湿潤状態にて圧縮され得る。本発明の製品は、少なくとも二次元で少なくともセンチメートル単位の長さであるのが好ましく、すなわち例えば長さ及び幅において少なくともセンチメートル単位の長さであるのが好ましい。
【0013】
本発明の場合の製品に関する好ましい例示は、例えば、洗浄材料、例えば洗浄スポンジ及び洗浄クロス、更に建築材料、断熱材、遮音材及び梱包材料、例えば梱包片及び梱包用付形品である。
【0014】
本発明の方法は、連続気泡アミノ樹脂フォーム断片(a)から開始する。かかる断片は、50μm〜5mmの範囲、好ましくは75μm〜3mmの範囲、特に好ましくは100μm〜2mmの範囲の平均直径(質量平均)を有する。
【0015】
本発明の方法において使用される連続気泡アミノ樹脂フォーム断片(a)は、広範な又は狭い直径分布を有していても良い。直径(質量平均)と直径(数平均)の商を計算する場合、商は、例えば、1.1〜10の範囲であっても良く、1.2〜3の範囲であるのが好ましい。
【0016】
本発明の方法で使用される連続気泡アミノ樹脂フォーム断片(a)は、規則的又は不規則な形状を有していても良い。規則的な形状は、例えば、立方体、直平行六面体、球形及び楕円である。不規則な形状は、例えば、顆粒、断片及び小片である。
【0017】
本発明の実施の形態において、本発明の方法で使用される連続気泡アミノ樹脂フォーム断片(a)は、例えば尿素/ホルムアルデヒド樹脂を含む有機合成フォームを基礎とするものであり、特にアミノ樹脂/ホルムアルデヒド樹脂、極めて好ましくはメラミン/ホルムアルデヒド樹脂を基礎とするアミノ樹脂フォームであり、メラミン/ホルムアルデヒド樹脂を基礎とするアミノ樹脂フォームについてもメラミンフォームと称される。
【0018】
本発明の方法は、ドイツ工業規格ISO4590に従って測定される、全てのラメラの少なくとも50%が連続し、好ましくは60〜100%であり、特に好ましくは65〜99.9%である連続気泡アミノ樹脂フォーム断片(a)から出発して行われる。
【0019】
本発明の実施の形態において、本発明の方法で使用される連続気泡アミノ樹脂フォーム断片(a)は、固いアミノ樹脂フォーム、すなわち、本発明の場合には、ドイツ工業規格53577に従って、40%の圧縮強さの条件下、1kPaを超える圧縮強さを有するアミノ樹脂フォームを含む。
【0020】
本発明の実施の形態において、本発明の方法で使用される連続気泡アミノ樹脂フォーム断片(a)は、5〜500kg/m3の範囲、好ましくは6〜300kg/m3の範囲、特に好ましくは7〜300kg/m3の範囲の密度を有する固いアミノ樹脂フォームを含む。
【0021】
本発明の方法で使用される連続気泡アミノ樹脂フォーム断片(a)は、各区画の顕微鏡写真を評価することによって測定される、1μm〜1mmの範囲、好ましくは50〜500μmの範囲の平均細孔径(数平均)を有していても良い。
【0022】
本発明の実施の形態において、本発明の方法で使用される連続気泡アミノ樹脂フォーム断片(a)は、1m2あたりに20個以下、好ましくは15個以下、特に好ましくは10以下の細孔を有さず、そして20mm以下の範囲の直径を有するアミノ樹脂フォームを含んでいても良い。
【0023】
本発明の実施の形態において、本発明の方法で使用される連続気泡アミノ樹脂フォーム断片(a)は、ドイツ工業規格66131に従って測定される、0.1〜50m2/gの範囲、好ましくは0.5〜20m2/gの範囲のBET表面積を有する。
【0024】
本発明の実施の形態において、本発明の方法で使用される連続気泡アミノ樹脂フォーム断片(a)は、2000Hzの周波数にてドイツ工業規格52215に従って測定される、50%を超える吸音係数及び関連するフォーム(a)に対して50mmの層厚を有するアミノ樹脂フォームを含んでいても良い。
【0025】
本発明の特定の実施の形態において、本発明の方法で使用される連続気泡アミノ樹脂フォーム断片(a)は、2000Hzの周波数にてドイツ工業規格52212に従って測定される、0.5を超える吸音係数及び関連するフォーム(a)に対して40mmの層厚を有するアミノ樹脂フォームを含んでいても良い。
【0026】
本発明の方法で使用される連続気泡アミノ樹脂フォーム断片(a)は、例えば粉砕によってアミノ樹脂フォームから得ることが可能である。好適な粉砕方法は、特に、機械的な粉砕方法、例えば注入、パンチング、切断、スライシング、選別、鋸引き、摩砕、エッジミルでの摩砕又は剪断加工である。
【0027】
アミノ樹脂フォームの機械的な粉砕に特に好適な装置は、摩砕器、裁断器、チッパー、擂潰器、ジョー・クラッシャー及び粉砕器である。
【0028】
本発明の実施の形態において、連続気泡アミノ樹脂フォーム断片(a)は、5〜500kg/m3の範囲の密度及び1μm〜1mmの範囲の平均孔径を有するアミノ樹脂フォームから機械的な粉砕によって製造される。
【0029】
本発明の方法を行うために出発材料として特に好適なメラミンフォーム(a)は、それ自体公知である。かかるフォームは、例えば、
i)ホルムアルデヒドに加えて、他のカルボニル化合物、例えばアルデヒドを縮合単位の形で含んでいても良いメラミン/ホルムアルデヒド予備縮合物を、
ii)1種以上の発泡剤、
iii)適宜、1種以上の乳化剤、
iv)1種以上の硬化剤、
の存在下にて泡立てることによって調製される。
【0030】
メラミン/ホルムアルデヒド予備縮合物i)は、変性されていなくても良いものの、変性されていても良く;例えば、20モル%以下のメラミンを、それ自体公知である他の熱硬化性の熱可塑性前駆体、例えばアルキル置換メラミン、尿素、ウレタン、カルボキシアミド、ジシアンジアミド、グアニジン、スルフリルアミド、スルホンアミド、脂肪族アミン、フェノール及びフェノール誘導体で置き換えても良い。変性メラミン/ホルムアルデヒド予備縮合物は、例えば、アセトアルデヒド、トリメチロールアセトアルデヒド、アクロレイン、フルフロール、グリオキサール、フタルジアルデヒド及びテレフタルジアルデヒドを、ホルムアルデヒドに加えて他のカルボニル化合物として縮合単位の形で含んでいても良い。
【0031】
発泡剤ii)として、以下のものが好適である:水、不活性ガス、特に二酸化炭素、及びいわゆる物理発泡剤。物理発泡剤は、出発成分に対して不活性であり、室温条件下で好ましくは液体であり、そしてアミノ樹脂の形成条件下で蒸発する化合物である。かかる化合物の沸点は、110℃未満であるのが好ましく、特に80℃未満である。また、物理発泡剤は、出発成分i)及びii)に導入されるか、又はこれらに溶解される不活性ガス、例えば二酸化炭素、窒素又は希ガスを含む。
【0032】
室温条件下において好適な液体化合物は、少なくとも4個の炭素原子を有するアルカン及び/又はシクロアルカン、ジアルキルエーテル、エステル、ケトン、アセタール、1〜8個の炭素原子を有するフルオロアルカン及びアルキル鎖に1〜3個の炭素原子を有するテトラアルキルシランからなる群から選択され、特にテトラメチルシランである。
【0033】
例えば、以下のものが特記に値する場合がある:プロパン、n−ブタン、イソブタン及びシクロブタン、n−ペンタン、イソペンタン及びシクロペンタン、シクロヘキサン、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、メチルホルメート、アセトン並びに対流圏で減成され得るので、オゾン層を害さないフッ素化アルカン、例えばトリクロロメタン、ジフルオロメタン、1,1,3,3,3−ペンタフルオロブタン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロ−2,2,2−トリクロロエタン、1,1,2−トリフルオロ−1,2,2−トリクロロエタン、ジフルオロエタン及びヘプタフルオロプロパン。上記の物理発泡剤を、単独で、又は相互に所望の組み合わせにて使用することができる。
【0034】
微細なセルを製造する場合にペルフルオロアルカンを使用する方法は、EP−A0351614に開示されている。
【0035】
一般的な非イオン性、アニオン性、カチオン性又はベタインの界面活性剤を乳化剤iii)として使用可能であり、特にC12〜C30アルカンスルホネート、好ましくはC12〜C18アルカンスルホネート及びポリエトキシル化C10〜C20アルキルアルコール、特に、式R6−O(CH2−CH2−O)X−H(但し、R6がC10〜C20アルキルから選択され、そしてmが、例えば5〜100の範囲の整数であっても良い。)で表されるアルキルアルコールを使用可能である。
【0036】
特に好適な硬化性iv)は、酸性化合物、例えば、無機ブレンステッド酸、例えば硫酸又はリン酸、有機ブレンステッド酸、例えば酢酸又はギ酸、ルイス酸及びいわゆる潜在性酸(latent acid)である。
【0037】
好適なメラミンフォーム及びその製造方法の例示は、EP−A0017672において見出される。
【0038】
勿論、アミノ樹脂フォームは、フォーム化学において一般的である添加剤及び配合剤、例えば酸化防止剤、難燃剤、フィラー、着色剤、例えば顔料又は染料、及び殺生物剤、例えば下式:
【0039】
【化1】

を含んでいても良い。
【0040】
本発明によると、連続気泡アミノ樹脂フォーム断片を、本発明の場合に単独重合体及び共重合体を含んでいても良い少なくとも1種のフィルム形成性ポリマー(b)と混合させる。
【0041】
フィルム形成性ポリマー(b)を、例えば、1〜90質量%の範囲、好ましくは5〜70質量%の範囲、特に好ましくは10〜50質量%の範囲の固体含有量を有する水性分散液又はエマルジョンとして使用するのが好ましい場合がある。
【0042】
本発明の実施の形態において、フィルム形成性ポリマーは、例えばドイツ工業規格53787/ISO2115に従って測定される、−30〜+70℃の範囲、好ましくは−25〜30℃の範囲のフィルム形成最小温度を有するポリマーである。
【0043】
本発明の実施の形態において、フィルム形成性ポリマー(b)は、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノ−又はジカルボン酸、例えばクロトン酸、マレイン酸、ギ酸、メタコン酸、シトラコン酸及び特に(メタ)アクリル酸の(共)重合体である。少なくとも1種のエチレン性不飽和モノ−又はジカルボン酸の(共)重合体は、例えば塩基で部分的に又は完全に中和されていても良い。好適な塩基は、例えば、塩基性のアルカリ金属塩、例えば水酸化物又は炭酸塩であり、例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又は水酸化カリウムであるのが好ましい。他の好適な塩基は、無置換或いは1〜4個の同一又は異なっていても良い有機基で置換されるアミンである。好適な有機基は、例えば、
フェニル、
メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルから選択されるC1〜C10アルキル、好ましくは直鎖のC1〜C6アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシル、特に好ましくはC1〜C4アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、極めて好ましくはメチル及びエチル、並びに
ω−ヒドロキシ−C1〜C4アルキル、例えば4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシプロピル及び特に2−ヒドロキシエチルである。
【0044】
極めて好ましいアミンは、アンモニア、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン及びN,N−ジエチルエタノールアミンである。
【0045】
フィルム形成性ポリマーは、例えば、共重合体と好ましくはランダム共重合体を交互にするブロック共重合体であっても良い。
【0046】
フィルム形成性ポリマーは、例えば、1000〜1000000g/モルの範囲、好ましくは2000〜250000g/モルの範囲の平均分子量Mwを有していても良い。
【0047】
好ましいフィルム形成性ポリマーは、適宜、部分的に又は完全に中和される
アクリル酸の単独重合体、
(メタ)アクリル酸と、マレイン酸、フマル酸又はC1〜C10アルキル(メタ)アクリレートと、の共重合体、
エチレンと、(メタ)アクリル酸又はマレイン酸及び適宜、1種以上のC1〜C10アルキル(メタ)アクリレートと、の共重合体、
スチレンと、(メタ)アクリル酸又はマレイン酸又はフマル酸と、の共重合体、
である。
【0048】
特に好ましいフィルム形成性ポリマーは、適宜、部分的に又は完全に中和される
マレイン酸又はフマル酸に対する(メタ)アクリル酸のモノマー比が100:1〜1:1の範囲、好ましくは10:1〜50:50の範囲の、(メタ)アクリル酸と、マレイン酸又はフマル酸と、の共重合体、
1〜C10アルキル(メタ)アクリレートに対する(メタ)アクリル酸のモノマー比が100:1〜1:100の範囲、好ましくは10:1〜1:10の範囲、特に好ましくは3:1〜1:3の範囲の、(メタ)アクリル酸と、C1〜C10アルキル(メタ)アクリレートと、の共重合体、
(メタ)アクリル酸又はマレイン酸に対するエチレンのモノマー比が100:1〜3:1の範囲、好ましくは10:1〜4:1の範囲の、エチレンと、(メタ)アクリル酸又はマレイン酸と、の共重合体、
(メタ)アクリル酸に対するスチレンのモノマー比が100:1〜1:100の範囲、好ましくは10:1〜1:10の範囲、特に好ましくは3:1〜1:3の範囲の、スチレンと、(メタ)アクリル酸と、の共重合体、
マレイン酸又はフマル酸に対するスチレンのモノマー比が100:1〜1:1の範囲、好ましくは10:1〜50:50の範囲の、スチレンと、マレイン酸又はフマル酸と、の共重合体、
である。
【0049】
フィルム形成性ポリマーの調製法は、それ自体公知であり、所望の方法、例えば対応のモノマー又はコモノマーのフリーラジカル重合又は共重合によって行われ得る。その後、フィルム形成性ポリマーを、好ましくは水中にて乳化又は分散させる。フィルム形成性ポリマーを、例えばエマルジョン重合法によって調製した場合、次の乳化又は分散を省略可能であり、そしてエマルジョン重合によって得られるエマルジョン又は分散液を、本発明の方法を行う場合に使用する。
【0050】
エチレンと、(メタ)アクリル酸又はマレイン酸と、適宜、1種以上のC1〜C10アルキル(メタ)アクリレート又は適宜、他のコモノマーと、の共重合体をフィルム形成性ポリマーとして使用するのが望ましい場合、コモノマーとして、以下の(A)及び(B):
(A)60〜95質量%、好ましくは65〜85質量%のエチレンと、及び
(B)5〜40質量%、好ましくは15〜35質量%の(メタ)アクリル酸又はマレイン酸、特に好ましくは(メタ)アクリル酸、
[但し、質量%単位のデータは、フィルム形成性ポリマー(b)に基づいている。]
を重合単位の形で取り込んで含むエチレン共重合体を選択するのが好ましい。
【0051】
フィルム形成性ポリマー(b)として本発明により使用されるエチレン共重合体は、重合単位の形で取り込まれるエチレンと(メタ)アクリル酸又はマレイン酸の合計に対して、40質量%以下、好ましくは35質量%の、重合単位の形で取り込まれる1種以上の他のコモノマー(C)、例えば、
1〜C10アルキルカルボン酸又はギ酸のビニル、アリル及びメタアリルエステル、例えば、ビニルホルメート、ビニルプロピオネート及び特にビニルアセテート、
1種以上のC1〜C10アルキル(メタ)アクリレート、特にメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、
更に芳香族ビニル化合物、例えば、α−メチルスチレン及び特にスチレン、
イソブテン、及び
α−オレフィン、例えばCH2=CH−n−C1633、CH2=CH−n−C1837、CH2=CH−n−C2041及びCH2=CH−n−C2245
を含んでいても良い。
【0052】
エチレンと、(メタ)アクリル酸又はマレイン酸及び適宜、1種以上のC1〜C10アルキル(メタ)アクリレート又は適宜、他のコモノマーと、の、上述したエチレン共重合体は、高圧条件下、例えば撹拌器付き高圧オートクレーブ又は高圧の管型反応器中においてフリーラジカル共重合によって有利に調製され得る。撹拌器付き高圧オートクレーブにおける調製が好ましい。撹拌器付き高圧オートクレーブは、それ自体公知であり、説明が、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 第5版, key words: Waxes, 第A28巻, 146頁以降., Verlag Chemie Weinheim, Basle, Cambridge, New York, Tokyo, 1996において見出される。その長さ/直径比は、主として5:1〜30:1の範囲であり、10:1〜20:1の範囲であるのが好ましい。使用される場合がある高圧の管型反応器についても同様に、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 第5版, key words: Waxes, 第A28巻, 146頁以降., Verlag Chemie Weinheim, Basle, Cambridge, New York, Tokyo, 1996に記載されている。
【0053】
重合に好適な圧力の条件は、500〜4000バールの範囲であり、1500〜2500バールの範囲であるのが好ましい。反応温度は、170〜300℃の範囲であり、200〜280℃の範囲であるのが好ましい。
【0054】
共重合は、調節剤の存在下で行われ得る。例えば、水素又は脂肪族アルデヒド又は脂肪族ケトン又はこれらの混合物を調節剤として使用し、プロピオンアルデヒド、メチルエチルケトン及びジエチルケトンが好ましい。
【0055】
他の好適な調節剤は、アルキル芳香族化合物、例えばトルエン、エチルベンゼン又は1種以上の、キシレンの異性体である。調節剤としてのアルデヒド及びケトンの使用を省略するのが好ましい。有機過酸化物を良好に取り扱うために添加可能であり、そして同様に、分子量調節剤の機能を有する場合がある、いわゆる減感剤を除いて、他の調節剤が計量導入されないのが特に好ましい。
【0056】
一般的なフリーラジカル開始剤、例えば有機過酸化物、酸素又はアゾ化合物を、フリーラジカル重合の開始剤として使用可能である。複数のフリーラジカル開始剤の混合物についても好適である。
【0057】
市販の物質から選択される好適な過酸化物は、例えば、
ジデカノイルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン、tert−アミルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、ジベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルペルオキシジエチルアセテート、tert−ブチルペルオキシジエチルイソブチレート、異性体混合物としての1,4−ジ(tert−ブチル−ペルオキシカルボニル)シクロヘキサン、tert−ブチルペルイソノナノエート、1,1−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、tert−アミルペルオキシピバレート、メチルイソブチルケトンペルオキシド、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、2,2−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ブタン又はtert−ブチルペルオキシアセテート;
tert−ブチルペルオキシベンゾエート、ジ−tert−アミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、異性体のジ−(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−tert−ブチルペルオキシヘキサン、tert−ブチルクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサ−3−イン、ジ−tert−ブチルペルオキシド、1,3−ジイソプロピルベンゼンモノヒドロペルオキシド、クミルヒドロプロキシド又はtert−ブチルヒドロペルオキシド;又は
EP−A0813550に記載されているダイマー又はトリマーのケトンペルオキシド、
である。
【0058】
特に好適な過酸化物は、ジ−tert−ブチルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシピバレート、tert−ブチルペルオキシイソノナノエート又はジベンゾイルペルオキシド又はこれらの混合物である。
【0059】
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)が、アゾ化合物としての一例として特記に値する場合がある。フリーラジカル開始剤を、重合に一般的な量で計量導入する。
【0060】
計量導入におけるコモノマーのエチレンとエチレン性不飽和カルボン酸の割合は、通常、本発明により使用されるフィルム形成性ポリマー(b)における単位の割合に対して正確に対応していない。なぜなら、エチレン性不飽和カルボン酸は、エチレンと比較して、容易に取り込まれるのが一般的だからである。
【0061】
上述したように調製されるエチレン共重合体を、例えば、これを溶融状態にて、部分的に又は好ましくは完全に水性塩基(好適な塩基は、上述した塩基である。)で中和することによって、水性分散液に転化することが可能である。
【0062】
本発明の方法を行う場合、連続気泡アミノ樹脂フォーム断片(a)及びフィルム形成性ポリマー(b)を混合する。混合は、水の存在下で行われるのが一般的である。
【0063】
連続気泡アミノ樹脂フォーム断片(a)及びフィルム形成性ポリマー(b)の混合に好適な装置は、所望の容器、例えば撹拌器付き容器、及び更に押出器である。
【0064】
本発明の実施の形態において、連続気泡アミノ樹脂フォーム断片(a)及びフィルム形成性ポリマー(b)を、70:30〜10:90の範囲、好ましくは60:40〜20:80の範囲の質量比で混合し、その際、かかる質量比は、それぞれ固体に基づいている。
【0065】
連続気泡アミノ樹脂フォーム断片(a)及びフィルム形成性ポリマー(b)を混合することによって、例えば、低い粘性及びドロドロからペースト状のコンシステンシーを有していても良い材料を得る。
【0066】
本発明の実施の形態において、連続気泡アミノ樹脂フォーム断片(a)及びフィルム形成性ポリマー(b)を含み、本発明により使用される材料は、23℃にて測定される、50〜2000dPa・sを超える動的粘度を有し、好ましくは60〜1800dPa・sの範囲であり、特に好ましくは少なくとも100dPa・sである。動的粘度は、例えば、ブルックフィールド粘度計を用いて測定され得る。
【0067】
本発明の実施の形態において、連続気泡アミノ樹脂フォーム断片(a)及びフィルム形成性ポリマー(b)を含み、本発明により使用される材料は、5〜95質量%の範囲、好ましくは10〜80質量%の範囲の固体含有量を有する。
【0068】
本発明の方法を行う場合、連続気泡アミノ樹脂フォーム断片(a)及びフィルム形成性ポリマー(b)を含み、上述したように得られる材料を、付形工程に付す。例えば、連続気泡アミノ樹脂フォーム断片(a)及びフィルム形成性ポリマー(b)を含み、上述したように得られる材料を、注型し、射出成形し、又は部品を用いて施すことが可能である。付形する場合、連続気泡アミノ樹脂フォーム断片(a)及びフィルム形成性ポリマー(b)を含み、上述したように得られる材料を、付形容器に添加するか、又はダイ若しくは複数のダイに導入することが可能である。ダイの適例は、所望の材料の金型、組枠又はディッシュである。好適な金型は、製造されるべき製品のネガティブの形である。
【0069】
好適なダイは、例えば、ガラス、セラミック又は金属、好ましくは合金、特にスチール又はプラスチック、例えばポリアミド、ポリエチレン又はポリプロピレンを含んでいても良い。
【0070】
滑らかな表面を保証するために、金型に導入される材料は、道具で平滑化され得る。
【0071】
連続気泡アミノ樹脂フォーム断片(a)及びフィルム形成性ポリマー(b)を含む材料を付形工程に付した後、乾燥が行われる。
【0072】
乾燥は、フィルム形成性ポリマー(b)の分解温度未満である温度条件下で行われる。20〜120℃の範囲の温度が一般に好ましい。
【0073】
本発明の実施の形態において、本発明の方法は、例えば、気体、好ましくは不活性ガス、例えば窒素又は希ガス、又は空気の流れを、連続気泡アミノ樹脂フォーム断片(a)及びフィルム形成性ポリマー(b)を含む材料が充填された金型に通過させることによって、乾燥をガス流中において行う処置に基づいて行われる。
【0074】
本発明の実施の形態において、本発明の方法は、乾燥を真空又は減圧下で、例えば、これと同時に加熱しつつ又は室温条件下で行われる処置に基づいて行われる。
【0075】
本発明の実施の形態において、本発明の方法は、乾燥を空気中又は直通循環乾燥炉(through-circulation drying oven)中で行う処置に基づいて行われる。
【0076】
例えば、乾燥は、1〜24時間に亘って行われ得る。
【0077】
本発明の実施の形態において、本発明の方法は、予備成形製品が十分な機械的強度を有するまで乾燥を真空中又はガス流中或いは減圧下で行い、その後、乾燥を空気中で行う処置に基づいて行われる。
【0078】
本発明の実施の形態において、予備成形製品は、乾燥中に金型から取り除かれ、そして旋削される。その後、乾燥を継続することが可能である。かかる実施の形態において、乾燥の継続時間を短縮するのが一般的である。
【0079】
本発明の方法が行われた後、これにより得られる製品を離型する、すなわち、ダイから取り除く。離型は、手動で、又は自動的に行われても良い。
【0080】
本発明の実施の形態において、1種以上の添加剤が、連続気泡アミノ樹脂フォーム断片(a)及びフィルム形成性ポリマー(b)を含む材料に添加される。好適な添加剤は、例えば、染料、有機又は無機顔料、メタルターニング(metal turning)、殺生物剤、臭気抑制剤及び可塑剤である。
【0081】
特に好適な可塑剤は、例えば、C1〜C10アルカノールで完全にエステル化された脂肪族又は芳香族ジ又はポリカルボン酸及びアルカノールで少なくともモノエステル化されたリン酸からなる群から選択されるエステル化合物である。
【0082】
1〜C10アルカノールで完全にエステル化された芳香族ジ又はポリカルボン酸の好ましい例示は、アルカノールで完全にエステル化されたフタル酸、イソフタル酸及びメリト酸であり;例えば、以下のものが特記に値する場合がある:ジ−n−オクチルフタレート、ジ−n−ノニルフタレート、ジ−n−デシルフタレート、ジ−n−オクチルイソフタレート、ジ−n−ノニルイソフタレート及びジ−n−デシルイソフタレート。
【0083】
1〜C10アルカノールで完全にエステル化された脂肪族ジ又はポリカルボン酸の好ましい例示は、ジメチルアジペート、ジエチルアジペート、ジ−n−ブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジメチルグルタレート、ジエチルグルタレート、ジ−n−ブチルグルタレート、ジイソブチルグルタレート、ジメチルスクシネート、ジエチルスクシネート、ジ−n−ブチルスクシネート、ジイソブチルスクシネート及び上述の化合物の混合物である。
【0084】
1〜C10アルカノールで少なくともモノエステル化されたリン酸の好ましい例示は、C1〜C10アルキルジ−C6〜C14アリールホスフェート、例えばイソデシルジフェニルホスフェートである。
【0085】
可塑剤の他の好適な例示は、C1〜C10アルキルカルボン酸で少なくともモノエステル化された脂肪族又は芳香族ジ−又はポリオールである。
【0086】
1〜C10アルキルカルボン酸で少なくともモノエステル化された脂肪族又は芳香族ジ−又はポリオールの好ましい例示は、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオールモノイソブチレートである。
【0087】
他の好適な可塑剤は、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオール、例えばアジピン酸又はコハク酸と1,2−プロパンジオールを重縮合することによって得られるポリエステル、好ましくは200g/モルのMwを有するもの、そしてポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル、好ましくは450g/モルのMwを有するものである。
【0088】
他の好適な可塑剤は、2種類の異なるアルコールでエーテル化され、400〜800g/モルの範囲の分子量Mwを有するポリプロピレングリコールであり、且つアルコールの一方は、アルカノール、特にC1〜C10アルカノールであるのが好ましく、他方のアルコールは、芳香族アルコール、例えばo−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、特にフェノールであるのが好ましい。
【0089】
勿論、ダイ、例えば金型、組枠又はディッシュを、付形工程を行う前に準備することが可能であり、例えば、添加剤として1種以上のシリコーンで、又は離型剤として1種以上のワックスエマルジョンで予備処理することが可能である。
【0090】
更に本発明は、本発明の方法により製造される製品に関する。本発明の製品は、所望の形状を有していても良い。本発明の製品を、例えば表面を洗浄するために、そして更に梱包材料として、又は建築材料、断熱材若しくは遮音材として容易に使用可能である。
【0091】
本発明の製品を、例えばインクジェット法によって簡単に書き込みし、そして印刷することが可能である。
【0092】
更に本発明は、本発明の製品を表面の洗浄用洗浄材料として使用する方法に関する。更に本発明は、洗浄材料として本発明の製品を使用する表面の洗浄方法に関し、かかる方法は、以下、本発明の洗浄方法と称される。
【0093】
本発明の洗浄材料は、所望の形であっても良く、例えば洗浄クロス、雑巾又は洗浄スポンジの形であっても良い。また、本発明の洗浄材料を、固いベース部、例えば支持体に強固に接続させて、本発明の複合体を形成することが可能であり、或いは本発明の洗浄材料に、1つ以上のハンドル、例えばプラスチックのハンドルであって、本発明の上記の複合体を表面の洗浄に使用することが可能となるハンドルが設けられていても良い。
【0094】
本発明の洗浄方法を行う場合、構造化又は好ましくは滑らかで光沢のある表面を洗浄して、少なくとも1種の以下の物質を含む不純物を除去する:すなわち、
脂肪、油、ワックス、例えばポリエチレンワックス、パラフィンワックス、液体ワックス、エステル油、天然油及び脂肪、潤滑油、軸受けグリース、シュタウファーグリース、モンタンワックス、
アニオン性界面活性剤の金属塩、例えばライムソープ、
バイオフィルム、例えばモールド又は緑膿菌のバイオフィルム、
ポリマー、例えばペイントスプラッシュ、ポリウレタンフォーム、シリコーン(ポリシロキサン)、
金属酸化物、例えば銅、鉛又はニッケルの酸化物、又はこれにより形成される、例えば腐食の結果として形成されるサビ、又はサビ粒子若しくはサビフィルム、特に酸化鉄、
金属水酸化物及び金属炭酸塩(中性、酸性又は塩基性であっても良い。)、特に鉄、銅又はニッケルの水酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、MgCO3、塩基性MgCO3、CaCO3、且つ金属酸化物、金属炭酸塩及び金属水酸化物を、腐食によって、構造化面、例えばダイ又は製品のベース金属から形成するか、或いは二次過程で析出させることが可能であり、
滑剤の残留物、例えば部分的にコークスにされ、又は部分的に若しくは完全に樹脂で処理される滑剤、及び
ブロークンエマルジョン。例えば、以下のものが特記に値する場合がある:例えば、チェーンソーに対して樹脂で処理された天然エステル油又はポリエステルフィラメントの紡績工場のホットプレートに対するコークス油、油性又は水性のカラーペンでの記入物又は絵。
【0095】
不純物を、洗浄すべき表面に対して、例えばスポット、リム若しくはスプラッシュの形で、又はフィルムとして均一に又は不均一に分散さても良い。
【0096】
本発明の洗浄方法を行う場合、本発明の1個以上の製品を、洗浄すべき表面に1回又は好ましくは複数回に亘って通過させる。一定の圧力を所望のように選択することができる。本発明の1個以上の製品を、洗浄すべき表面に対して手動で又は機械的に通過させることが可能である。
【0097】
本発明の方法を行う場合、本発明の1個以上の製品を、例えば水で湿潤させた形又は好ましくは乾燥状態で使用することが可能である。
【0098】
本発明の洗浄方法によって、不純物を極めて簡単に除去することが可能であり、そして特に滑らかで光沢のある表面は、引っ掻かれないか又は著しく引っ掻かれないことが観察された。
【0099】
更に本発明は、本発明の製品を梱包材料の製品として、又は梱包材料の製造に使用する方法に関する。
【0100】
本発明の場合、例えば、カートン又はクレートに梱包される商品を衝撃及び/又は移動/滑りから保護する梱包片及び付形品は、特に梱包材料として記載されても良い。梱包材料として使用する場合、本発明の製品は、利用において有利であるだけでなく、簡単に取り除かれ得る。
【0101】
本発明を、使用実施例に基づいて説明する。
【実施例】
【0102】
[使用実施例]
I.1 アミノ樹脂フォーム(a.1)の製造
開放容器中において、3質量%のギ酸及び1.5質量%の、アルキル基に12〜18個の炭素原子を有するアルカンスルホネートの混合物のナトリウム塩を含む水溶液(バイエル社の乳化剤K30)に対して、噴霧乾燥メラミン/ホルムアルデヒド予備縮合物(モル比1:3、分子量約500g/モル)を添加したが、割合は、メラミン/ホルムアルデヒド予備縮合物に対するものであった。メラミン/ホルムアルデヒド予備縮合物及び水の混合物全体に対するメラミン/ホルムアルデヒド予備縮合物の濃度は、74質量%であった。これにより得られる混合物を激しく撹拌し、その後、20質量%のn−ペンタンを添加した。均一な外観の分散液が形成するまで撹拌を継続した(約3分間)。これを、支持体材料としてのテフロン(登録商標)被覆ガラス織物に対してナイフコーティングによって施し、そして150℃の気温が有効である乾燥炉中で泡立て、そして硬化した。かかる条件下、37℃でのn−ペンタンの沸点は、フォームの材料温度として得たものであった。7〜8分後、フォームの最大上昇高さに到達した。フォームを乾燥炉中において150℃にて更に10分間残し;その後、180℃で30分間に亘って焼きなました。未変性フォーム(a.1)を得た。
【0103】
未変性フォーム(a.1)に関して、以下の特性を測定した:
ドイツ工業規格ISO4590による99.6%の連続気泡性、
ドイツ工業規格53577により測定される1.3kPaの圧縮強さ(40%)、
EN ISO845により測定される7.6kgm3の密度、
各区画の顕微鏡写真を評価することによって測定される210μmの平均孔径、
ドイツ工業規格66131により測定される6.4m2/gのBET表面積、
ドイツ工業規格52215により測定される93%の吸音係数、
ドイツ工業規格52212により測定される0.9を超える吸音係数。
【0104】
I.2 摩砕によるアミノ樹脂フォーム断片の製造
直平行六面体のアミノ樹脂フォーム(a.1)を、ギロチンの刃を用いて操作される実験室用分析ミル(A10型)にて摩砕し、その後、250μmのメッシュ径の振動篩にて篩い分けした。250μm以下の平均直径を有するアミノ樹脂フォーム断片を得た。篩の残留物を廃棄した。
【0105】
II.分散状態のフィルム形成性ポリマー(b.1)の製造
II.1 エチレンとメタクリル酸のフィルム形成性ポリマー(b.1)の製造
エチレンとメタクリル酸を、文献(M. Buback等著., Chem. Ing, Tech. 1994, 66, 510)に記載のように高圧オートクレーブ中で共重合した。この場合、エチレン(12.3kg/時)を1700バールの反応圧力条件下でオートクレーブに給送導入した。それとは別個に、1.04L/時のメタクリル酸を、最初に260バールの中間圧力に加圧し、次に、1700バールの反応圧力条件下で給送導入した。それとは別個に、2L/時の、tert−アミルペルオキシピバレートからなる開始剤溶液(イソドデカン中において0.13モル・L-1)を1700バールの反応圧力条件下でオートクレーブに給送導入した。反応温度は220℃であった。3.4kg/時の、以下の性質を有するフィルム形成性ポリマー(b.1)を得た:26.2質量%のメタクリル酸、73.8質量%のエチレン、ドイツ工業規格51007により測定される75〜85℃の溶融範囲、ρ0.9613g/cm3、ドイツ工業規格53735により120℃及び325gの負荷の条件下にて測定される10.5g/10分のMFI、170.5mg KOH/gの酸価(ES ISO3682により測定)。
【0106】
フィルム形成性ポリマー(b.1)におけるエチレン及びメタクリル酸の含有量は、NMR分光法及び滴定(酸価)によって測定された。フィルム形成性ポリマー(b.1)の酸価は、ドイツ工業規格53402により滴定法によって測定された。KOHの消費は、フィルム形成性ポリマー(b.1)におけるメタクリル酸含有量に相当していた。
【0107】
II.2 フィルム形成性ポリマー(b.1)の水性分散液の調製
II.2.1 水性分散液D1の調製
実施例II.1による250gのフィルム形成性ポリマー(b.1)、34gの25質量%のアンモニア水溶液及び716mLの脱イオン水が、アンカースターラー及び還流冷却器を有する2Lの撹拌器付きケトルに最初に取り込まれた。撹拌しながら95℃に加熱し、そして95℃にて3時間に亘って撹拌を継続した。8.5のpHを有する水性分散液D1を得た。D1の固体含有量は、25.3質量%であった。
【0108】
II.2.2 水性分散液D2の調製
実施例II.1による206.8gのフィルム形成性ポリマー(b.1)、34.9gのN,N−ジメチルエタノールアミン及び758.3mLの脱イオン水が、アンカースターラー及び還流冷却器を有する2Lの撹拌器付きケトルに最初に取り込まれた。撹拌しながら95℃に加熱し、そして95℃にて3時間に亘って撹拌を継続した。8.5のpHを有する水性分散液D2を得た。D2の固体含有量は、21質量%であった。
【0109】
III. 本発明の製品の製造(一般法1)
III.1 本発明の製品の製造(一般法1)
表1による水性分散液D1又はD2を、1Lの撹拌器付き容器に最初に取り込んだ。600rpmの速度で撹拌し、そして実施例I.2による、表1に記載される量のアミノ樹脂フォーム断片を添加した。600rpmで更に10分間撹拌し、そしてドロドロの材料を得た。これにより得られたドロドロの材料を、セラミックのディッシュ(内寸10・20cm)に導入し、かかるディッシュを、真空乾燥炉に移した。110℃/150ミリバールにて6時間に亘って乾燥を行った。その後、これにより形成する製品を金型から取り除き、旋削し、そしてN2流中において、110℃にて更に3時間に亘って乾燥した。その後、N2流中において、室温及び150ミリバールの条件下で更に12時間に亘って乾燥を行った。表1に示されるように、本発明の製品を得た。
【0110】
III.2 本発明の製品の製造(一般法2)
表1による水性分散液D1又はD2を、1Lの撹拌器付き容器に最初に取り込んだ。600rpmの速度で撹拌し、そして実施例I.2による、表1に記載される量のアミノ樹脂フォーム断片を添加した。600rpmで更に10分間撹拌し、そしてドロドロの材料を得た。これにより得られたドロドロの材料を、セラミックのディッシュ(内寸10・20cm)に導入し、かかるディッシュを、直通循環乾燥炉に移した。N2流中において、110℃にて3時間に亘って乾燥を行った。その後、これにより形成する製品を金型から取り除き、旋削し、そしてN2流中において、110℃にて更に3時間に亘って乾燥した。その後、N2流中において、室温及び150ミリバールの条件下で更に12時間に亘って乾燥を行った。表1に示されるように、本発明の製品を得た。
【0111】
【表1】

【0112】
注:真空は、真空乾燥炉を表し、循環は、直通循環乾燥炉を示している。
【0113】
IV. 本発明の洗浄方法
ホワイトボードに、赤のフェルトペンで最初に書き込んだ。その後、製品W1を使用し、そして堅固に押下することなく、乾燥したホワイトボードに対して乾燥状態で2回通過させた。記入物を完全に取り除いた。W1を、添加剤無しに容易に且つ完全に洗浄することができた。ホワイトボードは、引っ掻かれなかったものの、その光沢のある表面を保持した。
【0114】
上述の洗浄方法は、本発明の製品W2〜W4を用いた類似の手法において、それぞれ同様の極めて良好な結果と共に行うことが可能であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)50μm〜5mmの範囲の直径(質量平均)を有する連続気泡アミノ樹脂フォーム断片を、
(b)少なくとも1種のフィルム形成性ポリマーと混合し、
付形工程に付し、その後、
乾燥する、ことを特徴とする製品の製造方法。
【請求項2】
連続気泡アミノ樹脂フォーム断片(a)は、5〜500kg/m3の範囲の密度及び1μm〜1mmの範囲の平均細孔径を有するアミノ樹脂フォームから機械的な粉砕によって製造される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
フィルム形成性ポリマーは、−30〜+50℃の範囲のフィルム形成最小温度を有するポリマーである請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
フィルム形成性ポリマー(b)は、(メタ)アクリル酸の(共)重合体である請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
付形工程は、連続気泡アミノ樹脂フォーム断片(a)とフィルム形成性ポリマー(b)の混合物の注型及び射出成形から選択される請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
製品は、金型から取り除かれ、そして乾燥中に旋削される請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
20〜120℃の範囲の温度条件下で乾燥する請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法により得られる製品。
【請求項9】
請求項8に記載の製品を表面の洗浄用の洗浄材料として使用する方法。
【請求項10】
請求項8に記載の製品を洗浄材料として使用する表面の洗浄方法。
【請求項11】
請求項8に記載の製品を、梱包材料の製品として、又は梱包材料の製造に使用する方法。

【公表番号】特表2008−542074(P2008−542074A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−514088(P2008−514088)
【出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【国際出願番号】PCT/EP2006/062710
【国際公開番号】WO2006/128861
【国際公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】