記憶媒体情報を配布するための装置
【課題】記憶媒体に記憶されて車両搭載型ナビゲーションシステムに用いられる地理データやナビゲーションのアップデートデータを配布する装置を提供する。
【解決手段】レポジトリからアップデートされたデータを入手するには、車両所有者はあらかじめアップデートされたナビゲーションデータを入手するための契約を行う。一地域内に複数のローカルレポジトリ(82、84、86、88)を配備し、これらの各々は、本システムのためのアップデートされたナビゲーションデータを有する。契約者は、適宜、任意のレポジトリを訪れ、自分のナビゲーションシステムのためのデータのアップデートバージョンを入手することができる。
【解決手段】レポジトリからアップデートされたデータを入手するには、車両所有者はあらかじめアップデートされたナビゲーションデータを入手するための契約を行う。一地域内に複数のローカルレポジトリ(82、84、86、88)を配備し、これらの各々は、本システムのためのアップデートされたナビゲーションデータを有する。契約者は、適宜、任意のレポジトリを訪れ、自分のナビゲーションシステムのためのデータのアップデートバージョンを入手することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶媒体上に記憶されるデータを配布するための装置に関するものであり、より詳しくは、記憶媒体上に記憶されて、乗用車などの車両に搭載されたナビゲーションシステムに用いられる、地理データやナビゲーションアプリケーションプログラムなどのナビゲーションデータのアップデートあるいはアップグレードされたデータを配布するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ある種の製品では、消費者が定期的にアップデートを行う必要がある。このようなアップデートを要する製品の例としてナビゲーションシステムがある。特に車両に搭載されて用いられるナビゲーションシステムでは、地理データやナビゲーションプログラムなどのナビゲーションデータを定期的にアップデートする必要がある。車両用のナビゲーションシステムは、地上を走行する乗用車、トラック、バンなどの車両に電子システムおよび/あるいはコンピュータシステムを搭載して、車両の運転者あるいは搭乗者に詳細な運転位置情報を提供するシステムである。
【0003】
典型的な車両用ナビゲーションシステムは、(1)位置把握システム(2)地理に関する詳細データ(すなわち地図)(3)ナビゲーションアプリケーションプログラムからなっている。位置把握システムとしては、自分がいる物理的位置を正確にあるいはおよその位置を知るためのいくつかの方法が知られており、これらの技術の中の任意のものを用いることができる。例えば、位置把握システムとしては、GPS型の装置(全地球位置把握システム)、位置推測方式、慣性センサ、走行距離計測方式、などがあり、あるいは上記を組み合わせたものや、その他の装置を用いることも可能である。これらは当該技術においてよく知られたものである。GPSは人工衛星から送られてくる信号を受信して自分のいる場所の緯度と経度を求めるセンサ型のシステムである。位置推測方式は、車両の走行方位と走行距離(速度と方位)とを追尾することによって位置を把握する方式である。位置把握システムを備えた車両搭載用ナビゲーションシステムの具体例としては、たとえば、米国カリフォルニア州サニーベールのゼクセル社から販売されているものがある。
【0004】
車両ナビゲーションシステムの詳細地理データセット部は、1つあるいは複数の詳細に構成されたデータファイルすなわちデータベースからなる。詳細地理データセットは、特定の地域に関する道路と交差点の位置についての情報や、一方通行道路、道路照明、信号機、転回禁止、道路の番地、迂回ルート、ホテル、レストラン、博物館、競技場、オフィス、自動車販売店、自動車修理工場などの情報を含む。
【0005】
車両ナビゲーションシステムのナビゲーションアプリケーションプログラム部は、上記の詳細地理データセットと位置把握システムの出力を用いるソフトウェアプログラムでしる。ナビゲーションアプリケーションプログラムは、特定の地域のどの場所に運転者がいるかを図形表示(たとえば地図など)によって運転者に知らせる。さらに、ナビゲーションアプリケーションプログラムは、運転者が現在いる場所から任意の場所に行く道順を示すこともできる。また、ナビゲーションアプリケーションプログラムは、例えばホテルまで行く道順を「3番目の信号灯を左折して下さい、右側のレーンを走行して下さい、1.1マイル先のI−290高速道路西方向入り口までさらに走行して下さい、I−290高速道路に入って下さい、西方向に2.2マイル走行して下さい・・・」といったようにして知らせることもできる。
【0006】
(ナビゲーションシステムの中には、位置把握システムを有していないものもある。この種のナビゲーションシステムでは、運転者の現在位置に関する情報を自動的に提供することができず、運転者が、出発点と目的地の両方の情報をナビゲーションシステムに与える必要がある。その他の点においては、この種のナビゲーションシステムの機能は位置把握システムを有するものとほぼ同様である。)
【0007】
車両搭載型ナビゲーションシステムにおいて詳細地理データを提供する際の問題の1つは、データが古くなってしまう(すなわち、地理情報はいわば「生鮮食品」みたいなものであり腐敗する)ことである。例えば、道路が新しく建設されたり、店が営業場所を変更したり、道路が閉鎖されたり、迂回道路ができたり、博物館やレストランの営業時間が変更されたりなどのいろいろな変化が起こる。ナビゲーションシステムの他の問題は、乗用車の所有者が異なると、必要とする地理データが異なることである。例えば、シカゴに居住する乗用車の所有者は、ウイスコンシンあるいはインディアナの地理情報を必要とするであろうが、同じシカゴに居住していても他の乗用車所有者は、さらにカリフォルニアあるいはフロリダについての情報についても必要とするかもしれない。ある乗用車所有者はレストランのリストが欲しいと思うかもしれないが、一方、他の乗用車所有者は映画館あるいは店についてのリストが欲しいと思うかもしれない。従って、地理データセットの情報は単に古くなるだけでなく、どのような地理データセットの組合せを車両ナビゲーションシステムに搭載すべきかが、その車両の所有者によって著しく異なる。車両搭載型ナビゲーションシステムの他の問題は、地理データファイルがかなり多量のデータを含み、これらの多量のデータをアップデートする必要があることである。車両搭載型のナビゲーションシステムのアップデートに関する他の問題は、非常に多数の異なるナビゲーションシステムが市販されており、ナビゲーションデータおよび/あるいはフォーマットがナビゲーションシステムによって異なることがあることである(少なくともあるナビゲーションシステムの間ではデータあるいはフォーマットが異なっている)。
【0008】
【特許文献1】特開平06−088734号公報
【特許文献2】特開平06−266997号公報
【特許文献3】特開平05−274592号公報
【特許文献4】特開平04−195184号公報
【特許文献5】特開平07−160234号公報
【特許文献6】特開平02−304623号公報
【特許文献7】特開平01−033630号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、車両搭載型ナビゲーションシステムに用いられる地理データあるいはナビゲーションアプリケーションプログラムなどのデータをアップデートして配布するための装置が必要とされている。
【0010】
さらに一般的には、市販ソフトウェアを必要に応じてアップデートすることを可能とするシステムが求められている。
【0011】
上記および他の目的を達成するために、本発明は、記憶媒体上に記憶されたデータを配布するための改良された装置を提供するものであり、特に、車両搭載型ナビゲーションシステムに用いられる地理データおよびナビゲーションアプリケーションプログラムなどのデータをアップデートおよび/またはアップグレードするための装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明においては、一地域内に複数のローカルレポジトリを配置する。各ローカルレポジトリは、車両搭載型ナビゲーションシステムに用いるためのナビゲーションデータのアップデートバージョンを保有している。ナビゲーションデータは、地理データファイルおよびナビゲーションアプリケーションプログラムを含むようにできる。車両搭載型ナビゲーションシステムを搭載した車両の所有者は、適宜、ローカルレポジトリを訪れ、その車両搭載型ナビゲーションシステムのためのナビゲーションデータのアップデートバージョンを取得することができる。車両搭載型ナビゲーションシステムの所有者がローカルレポジトリからアップデートされたナビゲーションデータを取得するためには、あらかじめアップデート契約をしておくことが必要である。ローカルレポジトリが保持しているデータ自身もアップデートする必要があるが、その手順についても開示する。本発明の装置は、その他のデータおよび/あるいはソフトウェアのアップデートに用いることも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
I.第1の実施例の概要
図1を参照する。図1には、本発明の一実施例を含む地図が示されている。地域10には、複数の目標地点POI1 〜POIn が存在し、これらの目標地点は複数の道路12、14、16、18、19、20によって結ばれている。乗用車、バン、トラックなどの車両22、24、26が地域10内の複数の道路12、14、16、18、19、20上を走行する。地域10において、複数の人工衛星44、46、48からの出力信号50、52、54を受信することが可能である。この実施例においては、地域10は、例えば、ニューヨークおよびその郊外、シカゴおよびその郊外、ロンアンゼルスおよびその郊外などの大都市圏や、あるいは、フロリダ、ニュートングランド、ロッキー山脈などの州全体や領域を含むようにすることができる。また、上記地域は、米国内の地域であってもよいし、あるいは他の国の地域であってもよい。目標地点は、ホテル、レストラン、博物館、競技場、店、自動車販売店、自動車修理工場などである。図1には、3台の車両しか示されていないが、実際には、数百、数千あるいは数百万台の車両が存在しえる。
【0014】
図2は、車両の一つ22を図示的に示したものである。車両22は、車両搭載型ナビゲーションシステム60を具備している。この車両搭載型ナビゲーションシステム60は、車両22の位置に関する情報を出力する位置把握システム部62を有している。この情報は、経度、緯度、距離、方位などからなる。車両搭載型ナビゲーションシステム60は、少なくとも2つのナビゲーションデータ部、すなわちナビゲーションシステムアプリケーションプログラム66と地理データセット70とを含む。ナビゲーションアプリケーションプログラム66は、車両22の地理的位置に関する情報を位置把握システム62から受け取る。地理データセット70は、地域10に関する詳細な情報を含む1つあるいは複数の大規模データファイルすなわちデータベースからなっている。地理データセットについては当該技術において既知である。地理データセットファイルは、DOSファイルあるいはDOS以外の独自のフォーマットによるファイルとして記録される。地理データセットは、道路の幾何学的属性情報や、目標地点に関する情報などの地理データを含む。道路の幾何学的属性情報は、特定の地域内のあるいはその地域に関連する道路や交差点の位置データ、一方通行道路、道路照明、信号、転回(Uターン)禁止、道路の番地などの情報等を含む。目標地点に関する情報は、空港の位置、レンター業者、サービスセンターなどのデータを含む。また、地理データセットに、その他の種類の目標地点、例えば、レストラン、ホテル、ヘルスクラブなどのデータをさらに加えるようにすることもできる。これらのさらに加えるデータはサードパーティから入手可能である。車両の所有者は、自分の所有するナビゲーションシステムに所望の地域についての所望の情報を付加するようにカスタマイズすることが可能である。上記のように、地理データセットは、車両所有者ごとに非常に異なった情報を含むものである。
【0015】
一実施例においては、ナビゲーションアプリケーションプログラム66は、位置把握システム62からの出力情報を地理データセット70と結びつけて、車両22の運転者にナビゲーションサービス(走行案内)を提供する。位置把握システム62からの情報と地理データセット70とを用いて、ナビゲーションアプリケーションプログラムは地図82を表示部74上に表示することができる。表示部74は車両22の運転者が見ることが可能な車両内の位置に設置される。表示部74に表示される地図72には地図10のどこに車両22がいるかが表示される。ナビゲーションアプリケーションプログラム66は、どの目標地点が利用可能であるかの情報、および、これらの目標地点までの距離や、特定の番地の道路あるいは目標地点などの所望の目的地までの道順(画像情報および/あるいは音声情報として)などの情報を提供する。
【0016】
本実施例においては、車両搭載型ナビゲーションシステム60の位置把握システム62およびナビゲーションアプリケーション部66として、ある会社によって製造組み立てられたものを用い、一方、車両搭載型ナビゲーションシステムの地理データセット部70として、他の会社、例えばカリフォルニア州サニーベールのナビゲーションテクノロジーズ社によって製造されたものを用いることができる。また、車両搭載型ナビゲーションシステム60の全体を組み合わせたものをユニットとして、自動車製造業者、車両所有者、あるいは大量の車両(フリート)の所有者に対して販売することも可能である。車両搭載型ナビゲーションシステムの車両への設置は、自動車製造業者によってオプションあるいは標準付帯装置として新車に設置することも可能であるし、あるいは、製造後において車両に設置することも可能である。(この明細書において、「車両所有者」は車両を所有あるいは借用しているか、あるいは車両の運転を練習している個人または法人組織を意味する。)
【0017】
前記のように、地理データセット70、またさらには、ナビゲーションアプリケーションプログラム66は、アップデート、アップグレード、あるいは交換を適宜行う必要がある。新しい道路が建設されたり、新しい目標地点が建設されたり、あるいは古い目標地点が閉鎖されたり移動したり、信号機が新たに設置されたり、制限速度が変更されたりする。従って、本実施例においては、地理データセット70は、また必要であればナビゲーションアプリケーションプログラム66も交換、アップデート、あるいはアップグレードすることが可能なように設計されている。このような機能を提供するために、本実施例においては、地理データセット70およびナビゲーションアプリケーションプログラム66は記憶媒体76に記憶される。好適な一実施例においては、記憶装置76として交換可能でかつ再書き込み可能なポータブル型の記憶装置が用いられる。本実施例においては、記憶装置76には、PCカード型ハードディスク(以後PCMCIAカードとも称する)が用いられる。
【0018】
通常に用いられているPCカードハードディスクが図3に示されている。PCカードハードディスクは、好適にはPCMCIAタイプIII の標準によるものが用いられる。このようなPCMCIAカードハードディスクは市販品として、例えば、ミニストア、マックスタ、インテグラル、カールナ、サイクエストなどから入手可能である。これらの現在入手可能なPCカードハードディスクは、最大でおよそ100Mバイトのデータを記憶することが可能である。好適な実施例においては、ナビゲーションアプリケーションプログラム66および地理データセット70の両方が記憶装置76に記憶される。このようにアプリケーションプログラムと地理データセットの両方を記憶装置に記憶させることによって、ナビゲーションシステム60の動作速度が向上し、ナビゲーションプログラム66と地理データセット70の両方をアップデートすることが可能となる。ナビゲーションアプリケーションプログラムは、およそ2MBの記憶領域を必要とし、地理データセットは残りの記憶領域、例えば80〜95MBを用いる。他の実施例では、地理データセット70およびナビゲーションアプリケーションプログラム66をそれぞれ独立の記憶装置あるいは他の書き込み可能なあるいは再書き込み可能な媒体、例えば書き込み可能な光ディスク、ハードドライブ、フロッピディスク、固定ハードディスクなどに記憶するようにすることもできるし、あるいは、再書き込みができない媒体、例えば、CD−ROMやまたは将来開発されるであろうその他の記憶媒体に記載させるようにすることも可能である。上記の記憶装置は車両あるいはナビゲーションシステムから取り外し可能であってよいし、あるいは、取り外し不能なものであってもよい。
【0019】
本実施例によれば、ナビゲーションデータセット70および/またはナビゲーションアプリケーションプログラム66などの車両搭載型ナビゲーションシステム60の記憶装置76に記憶されたナビゲーションデータをアップデート、アップグレード、交換、あるいは補修するためのシステムが提供される。再び図1を参照し、複数のローカルレポジトリ82、84、86、88、90が地域10に存在している。これらの各ローカルレポジトリ(以後「キオスク」とも称する)は、記憶装置76に記載されている地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートを行うためのハードウェアとソフトウェアとを具備している。好適な一実施例においては、一つの地域に、数十、数百、あるいは数千の複数のローカルレポジトリが含まれる。図4に示されているように、各ローカルレポジトリ(例えばローカルレポジトリ82)は、記憶装置76を挿入することが可能となされた1つあるいは複数のドライブあるいはスロット92、93を有している。各ドライブ92としては、PCMCIAカードを挿入することが可能な、普通に用いられているドライブあるいはスロットが用いられる。ローカルレポジトリ82は、ドライブ92に挿入されたPCカードハードディスクに対して情報の読み出しあるいは記憶を行うための適当なハードウェアおよびソフトウェアを有している。地理データセット70のアップデート、アップグレード、交換、あるいは修復を可能とするため、記憶装置76は好適には図4に示されたように車両22から取り外し可能なようになされる。(他の実施例において、車両搭載型ナビゲーションシステム60は、データポートなどの適当な接続機能を有し、ケーブルを介してこのデータポートからローカルレポジトリ82が記憶装置76にアクセスし、車両から記憶装置76を取り外すことなく上記目的を達成するようにもできる。)
【0020】
II.ローカルレポジトリの属性と特徴
好適な一実施例においては、ローカルレポジトリは、486DX2/66以上のマイクロプロセッサ、少なくとも200MBの容量を有するハードディスクドライブ、16MBのRAM、VGAモニタ、ケースを施錠するキー、3.5インチ高密度フロッピドライブ、データブックPCMCIAソケット(モデルTMB−240)、また、PCMCIAを5.25インチドライブベイに装着する場合には必要であればさらに特別なレール、PCMCIAコントローラカードを装着するための1つのフリーISAスロット、内蔵CD−ROMドライブを設置するためのフリーISAスロット、モデムを接続するためのフリーシリアルポート、1つのフリーパラレルポート、および14.4Kbpsあるいはそれ以上の速度のモデムとを有するPC互換型コンピュータを備えている。また、ローカルレポジトリは、PC互換型コンピュータを動作させるための適当なオペレーティングシステム、例えばMSウィンドウズ(登録商標)3.1x(およびMS−DOS6.x)あるいはウィンドウズ(登録商標)95をさらに具備していることが必要である。さらに、ローカルレポジトリは、例えば、データブックドライバー3.15(モデルTMB240と一緒に出荷される)などのPCMCIAをドライブするための適当なドライバー、ローカルレポジトリソフトウェア(以下に説明する)、ローカルレポジトリへの不当なアクセスを防ぐための適当なセキュリティソフトウェア、およびリモート管理のためにソフトウェアを具備していることが必要である。ローカルレポジトリは、記憶装置の地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートを実用上十分に短い時間内で、例えば20分以内で、行うのに十分なハードウェアの性能を有していることが必要である。ローカルレポジトリに用いられるコンピュータは、記憶装置に対してアップデートのために専用的に用いるようにすることもできるし、あるいは、アップデート処理以外の他のソフトウェアを含むようにすることもできる。
【0021】
図5を参照し、ローカルレポジトリ82は、車両搭載型ナビゲーションシステムに用いられる地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムを記憶している記憶装置76のアップグレードと保守を行うのに必要なナビゲーションプログラムや地理データセットなどのソフトウェアのコピーを有している。ローカルレポジトリ82は、ドライブ92に挿入された記憶装置76から情報を読み出すことが可能な主プログラム100を有する。例えば、主プログラム100は、記憶装置76から情報を読み出して、記憶装置76に記憶されているナビゲーションアプリケーションプログラム66と地理データセット70の種類を判定するためのルーチンを含む。
【0022】
さらに、記憶装置76には識別データ110を記憶するようにすることもでき、この場合には主プログラム100はこの識別データ110を読み出す手続きを含む。記憶装置76に記憶されている識別データ110には、その記憶装置に記憶されている地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのバージョンに関する情報や、記憶装置に記憶されている地理データセットおよびアプリケーションプログラムのアップデートに関する履歴情報、車両の所有者がアップデートのための妥当な契約を行っているかどうかを示す情報などを含むようにすることができる。また、記憶装置76に記憶される識別データ110を保護するために暗号化技術を用いるようにすることもできる。
【0023】
上記のように、ローカルレポジトリ82のハードドライブには複数の最新のデータセット120が記憶されている。これらの地理データセット120には、車両搭載型ナビゲーションシステム60の記憶装置76に記憶される地理データセット70のアップデートバージョンが含まれる。好適な実施例においては、ローカルレポジトリ82は、異なる種類の地理データセットを有するようにできる。例えば、ローカルレポジトリ82は、基本地理データセットと拡張データセットの両方を有するようにできる。基本地理データセットは、道路、制限速度、交差点、信号灯、特定の目標地点などの情報を含む。拡張地理データセットは、基本データセットが含むすべての情報に加えてさらに、レストラン、博物館、ホテル、ヘルスクラブなどの特定の種類の目標地点に関する詳細な補遺情報を含む。拡張地理データセットに含まれる上記の追加情報は、例えばレストランやホテルの組合組織などのサードパーティから提供される。さらには、ローカルレポジトリは、他の地域の地理データセットを有するようにもできる。例えば、通常はある一つの地域内を走行する車両所有者がその地域外に旅行することを計画したときに、その目的地の地域に関する地理データセットを記憶装置76に記憶したいと望むこともあるであろうし、あるいは、旅行を計画した個人が、その目的地までの途中の地域の地理データセットを記憶装置に記憶させたいと望むこともあろう。
【0024】
さらに、ローカルレポジトリ82は、管理プログラム130を有する。管理プログラム130は、管理技術者が、ローカルレポジトリにアクセスしてローカルレポジトリに記憶されている地理データセットおよびその他の情報を定期的にアップデートするのに用いる。また、ローカルレポジトリ82に、中央施設と通信するための手段(例えば、適当なソフトウェアを備えたモデムなど)をさらに具備させて、中央施設がローカルレポジトリの動作状態を監視することができるようにすることも可能である。
【0025】
上記のように、ナビゲーションプログラムのアップデートあるいはアップグレードも可能である。すなわち、ナビゲーションアプリケーションプログラム122のアップデートバージョンもローカルレポジトリに記憶させておくようにする。アップデートのために記憶装置がローカルレポジトリに挿入されると、主プログラム100は挿入された記憶装置のナビゲーションシステムのためのナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートバージョンを提供可能かどうかを判定する。もし、提供可能であれば、主プログラムは、ナビゲーションアプリケーションプログラムと地理データセットのアップデートバージョンをインストールする。その際、好適には、ローカルレポジトリのオペレータの入力処理を何ら必要とせずに、インストールは自動的に行われる。
【0026】
車両搭載型ナビゲーションシステムの所有者が自分の記憶装置のナビゲーションデータのアップデートを簡便に行えるようにするために、ローカルレポジトリ82、84、86、88、90は、地域10内の自動車販売店、レンタカー代理店、自動車クラブ、大量自動車事業所、旅行サービス店、ガソリンスタンド、自動車修理工場などの多数の場所に配置される。一実施例においては、各ローカルレポジトリは、そのローカルレポジトリが配置されている場所に雇用されているオペレータ(「ローカルオペレータ」)によって操作される。ローカルオペレータは、車両搭載型のナビゲーションシステムを有する車両所有者によって持ち込まれた記憶装置のナビゲーションデータのアップデートを日々行う。(他の実施例においては、車両所有者は、ローカルレポジトリにアクセスしてローカルオペレータの助けを借りずに直接にアップデートを行う。)
【0027】
好適な一実施例においては、ローカルレポジトリは、簡単に使用することができ、ローカルオペレータがすばやく容易に記憶装置のアップデートを行うことができる。ローカルオペレータは適当な訓練を受けており、またマニュアルを所有している。好適には、ローカルレポジトリは、グラフィカルメニューを備えており、そのデフォルトとして、ローカルオペレータが望む選択肢、または車両所有者が以前に選択した選択肢を含むようにできる。複雑な問題が発生した場合には、ローカルオペレータは、地域のあるいは中央施設の援助担当者に電話で援助を求めることができる。本実施例においては、ローカルオペレータは、新しい記憶装置の書き込みや、既存の記憶装置のアップデートなどの限定された作業のみを行うことができ、ローカルオペレータは、通常は、以下に述べるような管理的作業は行わない。
【0028】
ローカルレポジトリは、様々な環境下において設置される可能性があるので、各ローカルレポジトリにセキュリティ機能を内蔵させることが好適である。例えば、ローカルレポジトリは、ユーザが誤ってシステムファイルを変更あるいは消去してしまうのを防ぐ手段を有しているべきである。さらに、ローカルレポジトリは、パスワードや、ケースの施錠、ファイルの暗号化などのセキュリティ機能を有するようにすることも可能であり、これによって、権限のない個人が不当にローカルレポジトリに記憶されているソフトウェアおよび/あるいはデータファイルに対してアクセスすることができないようになされる。
【0029】
車両搭載型ナビゲーションシステムに用いられる記憶装置がCD−ROMなどの再書き込み不能な記憶装置である場合には、ローカルレポジトリに、適当なハードウェアとソフトウェアとを具備させて、必要なすべてのデータを新しい記憶装置に記憶させて、車両所有者の古い記憶装置と交換するようにすることもできる。例えば、車両搭載型ナビゲーションシステムの記憶装置がCD−ROMである場合には、ローカルレポジトリに、車両所有者の古いCD−ROMを読みとり、最新のナビゲーションアプリケーションプログラムおよび/または地理データセットを新しいCD−ROMに書き込むためのドライブを具備させるようにする。新しいCD−ROMの書き込みを行うための装置についてはよく知られている。その他の点に関しては、交換可能媒体に対するアップデート処理は再書き込み可能な媒体に対する処理と同様である。
【0030】
III.動作方法
A.ローカルレポジトリへのアップデータの記憶
多くの車両は主に一つの地域内においてのみ走行するものと考えられる。従って、車両搭載型ナビゲーションシステムの多くは、詳細ナビゲーション情報として、国の一地域のみ、あるいは隣接した地域のみのデータを有している。このようにすることによって多くの利点が得られる。まず第一に、ナビゲーションアプリケーションプログラムの実行において、国の遠方地域の情報を含む巨大なデータファイルを検索する必要がなくなるので、実行速度がより高速となる。さらには、地理データセットを、単一の地域あるいはいくつかの少数の地域のみに限定することによって、車両に搭載された記憶装置の限られたハードディスクの容量を、多数の地域についてあまり詳細ではないデータを記憶させるに用いるかわりに、上記の単一のあるいはいくつかの少数の少ない地域についてのより詳細なデータを記憶させるようにすることが可能となる。
【0031】
車両搭載型ナビゲーションシステムは、それぞれの車両所有者が希望する特定の地域の地理データ情報と、その他の車両所有者が望む補遺情報を有するようにガスタマイズすることが可能である。例えば、ある車両所有者は、ある一地域のみの情報あるいは近隣のいくつかの少数の地域についての情報を望むであろうが、他の車両所有者は、レストラン、ホテルなどの場所に関する情報などの補遺データも欲しいと思うかもしれない。車両搭載型ナビゲーションシステムの地理データセットは、同様に構成される。地理データセットは、単一の地域のみを含むように、すなわち、単一の地域についてのみの目標地点の情報を有するように構成することもできるし、あるいは、車両搭載型ナビゲーションシステムの所有者が希望するいくつかの複数の地域についての情報を有するように構成するようにもできる。また、地理データセットは、拡張地理データセットとして、レストラン、ホテル、スキー場などに関するサードパーティ情報などの補遺的データを含むようにすることもできる。車両所有者の記憶装置に記憶される地理データセットにいくつの地域のデータと補遺データとを含ませることが可能であるかは、その記憶装置の記憶容量によって決まる。
【0032】
いろいろな地域についての各地域ごとの地理データセット、および複数の地域を組み合わせた地理データセット、またさらに拡張データセットをローカルレポジトリにおいて入手することが可能である。また、車両所有者が遠方の地域に旅行をするような場合には、その遠方地域の地理データセットを入手することも可能であるし、また、特定のある地域に定期的に旅行をするのであれば、その地域の地理データセットを入手することも可能である。また、国全体の、あるいはある領域全体の地理データセットについても入手可能であるが、ただし、この場合には、多数の地域についてのナビゲーション情報が含まれる反面において、情報の詳細さが低いものとなる(例えば州レベル情報や主要な高速道路など)。
【0033】
好適な一実施例においては、国のすべての地域の最新の情報が中央地理データセット生成施設に絶えず集められる。図6、7に示されているように、すべての地域について、得られた最新の地理情報は中央施設のマスタファイルに記憶される(図6、ステップ200)。好適には、中央施設は、地理データのファイル構成とカバー領域に関するファイルを有している。国の異なる地域のアップデートが中央施設において定期的に、また好適には循環的に行われ、すべての地理データセットの新しいバージョンが作成される。国のいろいろな地域のアップデートされた地理データセットのコピーがCD−ROMあるいは他の適当な記憶媒体に記憶される(図6、ステップ202)。アップデートされた各地理データセットは、CD−ROMに寄せ集められてフィールドオフィスマスタコピーが作成される(図6、ステップ203)。ナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートあるいはアップグレードも上記と同様にして行われる。そして、地域のアップデートされた地理データセットとナビゲーションアプリケーションプログラムのマスターコピーを含むパッケージが作成される(図6、ステップ204)。このパッケージには、複数の地域についてのアップデートされた地理データセットを含むようにすることもできる。マスターコピーのパッケージは、メール、宅配便、あるいはその他の適当な手段によって区域施設あるいは地域のフィールドオフィスに送られる(図7、ステップ205)。アップデートされた地理データセットファイルおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのパッケージは、当該の地域外の区域施設あるいはフィールドオフィスにも送るようにすることもできる。このようにすると、地域外に旅行する車両所有者に対して便宜を与えることが可能となる。
【0034】
アップデートされた地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのパッケージが、区域施設あるいはフィールドオフィスに届くと、アップデートされた地理データセットファイルおよびアプリケーションプログラムは地域内のローカルレポジトリインストールされる。地域内のローカルレポジトリの全リスト209(図7)に基づいて、管理技術者が各ローカルレポジトリまで出向く(図7、ステップ208)。好適な一実施例においては、地理データセットの上記のアップデートによって影響を受ける地域のすべてのローカルレポジトリのデータが更新される。すでに述べたように、ローカルレポジトリは、自動車販売店、レンタル業者、大量自動車事業者、旅行クラブ、小売り業店などに配置される。管理技術者のローカルレポジトリへの出向は、例えば3ヶ月ごとに定期的に行われ、アップデートされた地理データセットファイルとアプリケーションがリリースされる。
【0035】
管理技術者は、各ローカルレポジトリへ出向くと、アップデートされた地理データセットファイルとナビゲーションアプリケーションプログラムをマスターコピーからローカルレポジトリにロードする(図7、ステップ210)。一実施例においては、アップデートされたデータセットファイルおよびアプリケーションをCD−ROMに記憶し、このCD−ROMをローカルレポジトリのCD−ROMドライブに挿入して上記のロードを行う。あるいは、アップデートされたデータセットファイルのマスターコピーをPCカードに記憶し、管理技術者がこのPCカードをドライブ92に挿入してロードを行う。あるいは、アップデートされた地理データセットファイルおよびアプリケーションの各ローカルレポジトリのロードは、管理技術者が携帯するポータブルコンピュータをローカルレポジトリにケーブルを介して接続することによって行うようにすることも可能である。
【0036】
地理データセットファイルおよびアプリケーションのロードは、管理技術者が各ローカルレポジトリに記憶されている管理プログラム130を呼び出すことによって行われる。管理技術者が管理プログラム130を呼び出してアップデートされた地理データセットおよびアプリケーションプログラムをインストールするステップが図16〜20特に図18〜20に示されている。アップデートされた地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムがすべてのローカルレポジトリにうまくインストールされると、地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムは、車両所有者にこれらを配布できるように構成される。ローカルレポジトリプログラムは、新しい地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムが適切にインストールされたかどうかの完全性をチェックする。上記のチェックが終了すると、ローカルレポジトリは、モデムを介して中央施設214と交信し、アップデートのインストールと構成が正しく終了したことを確認する(図7、ステップ212)。さらに、管理技術者は、アップデートされた地理データセットファイルおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのマスターコピーをフィールドオフィスに返却する(図7、ステップ211)。さらに、ローカルレポジトリは、ローカルコンフィギュレーションファイルを更新し、そのローカルレポジトリの現在の地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムの状態が反映されるようにする。
【0037】
B.車両所有者の記憶媒体のアップデート
車両所有者が、ローカルレポジトリのシステムを用いて車両所有者の地理データセットあるいはナビゲーションプログラムをアップデートするには、車両所有者は、すでに自分の車両に車両搭載型ナビゲーションシステムを搭載しており、そのナビゲーションシステムは再書き込み可能な記憶媒体に記憶されたオリジナルのあるいは以前のバージョンの地理データセットあるいはナビゲーションアプリケーションプログラムを有していることが必要である。好適な一実施例においては、ローカルレポジトリは、異なる会社によって作成されたナビゲーションシステムおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートを行うことが可能になされる。さらに、オリジナルバージョンの地理データセットをローカルレポジトリにおいてバージョンアップを行うためには、車両所有者は地理データセットファイルのアップデートに対する契約すなわちライセンスをすでに取得してある必要がある。好適な一実施例においては、車両所有者は、新しい自動車を購入した際に車両搭載型ナビゲーションシステムを同時に所得した場合、あるいは車両搭載型ナビゲーションシステムを最初に設置した際に、地理データセットのアップデート契約を行うことができる。例えば、契約は、年単位で行うことができる。すなわち、車両所有者は、その年にアップデートされる一つのあるいは複数の地域の地理データおよび/または拡張データセットのすべてを入手することができる。また、1年以外の期間を定めて契約を行うことも可能であるし、また、ある特定の数のアップデートに対する契約も可能である。
【0038】
図2、4、8を参照する。車両所有者が、自分の地理データセットあるいはナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートを行うには、ローカルレポジトリのいずれかの設置場所まで自分の車両を運転して出向く。ナビゲーションシステム60の助けを借りて車両所有者がローカルレポジトリの場所を容易に発見することができるように、車両所有者が現在所有している地理データセット70の目標地点(POI)にローカルレポジトリの場所が含まれるようにすることができる。車両所有者が、ローカルレポジトリの設置場所まで来ると、ローカルオペレータが車両から記憶装置76を取り外して、ローカルレポジトリのドライブ92に挿入する(図8、ステップ230)。(すでに述べたように、オペレータは、例えば、そのローカルレポジトリが設置されている店の所有者あるいは従業員である。あるいは、車両所有者が自分で記憶装置76を車両から取り外してローカルレポジトリのドライブに挿入する。あるいは、記憶装置76を車両から取り外すことなく、ケーブルを介して記憶装置76をローカルレポジトリに接続するようにすることも可能である。)図9のステップ301において、図21に示されているように、PCカードをドライブ92に挿入するようにとの指示をローカルレポジトリの表示装置に表示するようにすることもできる。
【0039】
記憶装置76がローカルレポジトリに挿入されると、主プログラム100の実行が開始される。(一実施例においては、プログラムループが、連続的にスロット92に記憶装置が挿入されているかどうかをチェックし、もし記憶装置が挿入されると直ちに主プログラムの実行が自動的に開始されるようになされる。)好適な一実施例においては、PCカードがコンピュータのスロットに挿入されると、割り込みが発生し、この割り込みがコンピュータのオペレーティングシステムによって検出される。上記の割り込みが発生すると、オペレーティングシステムは自動的にPCカードの情報を読み取り、ドライブの媒体の種類を判別する。主プログラム100は、3つの主手続きすなわちルーチンを含む。すなわち、確認手続き(図8、ステップ231)、コピー手続き(図8、ステップ233)、ログ手続き(図8、ステップ235)の3つの手続きである。これらの手続きにおいて、主プログラム100は、もし必要であれば、ローカルオペレータが記憶装置76の地理データセット70およびナビゲーションアプリケーションプログラム66のアップデートを行うために必要な入力を行うように指示する。記憶装置76のデータのアップデートを行うために、主プログラム100が実行するステップの詳細を、図9〜15のフローチャートに示す。主プログラム100は、関連するいくつかの複数のプログラム、ファイル、およびソフトウェアツールを含む。この主プログラムは、C++あるいはBASICなどの任意の適当なプログラミング言語を用いて書くことができる。
【0040】
確認手続き231は、いくつかの複数の部分からなっている。確認手続きは、ローカルレポジトリを取り扱っているローカルオペレータが取り扱うことの許可が与えられている正当なオペレータであるかどうか、記憶装置がアップデートを受けるために契約をすでに行っている正当なものであるかどうか、記憶装置に故障がないかどうかについて判定するためのいくつかのルーチンを含んでいる。簡単に述べれば、記憶装置がローカルレポジトリのドライブ92に挿入されると、ローカルレポジトリの主プログラム100は記憶装置がドライブに挿入されたことを検出する(図9、ステップ302)。料金精算の目的のために、確認手続き231は、ローカルオペレータに対して、アップデート処理を続ける前に、IDを入力するように要求する(図9、ステップ303)。(ローカルオペレータが入力したIDは、図16を用いて以下に説明するように正当なオペレータのIDのリストと照合される。
【0041】
ローカルオペレータが正しいIDを入力すると、確認手続きは、カートリッジIDおよびユーザ情報のチェックを行う。このために必要な情報を、ローカルレポジトリは、記憶装置から読み取る。さらに具体的には、ローカルレポジトリは、PCカードから識別データ110を読み取る。識別データ110のすべてのフィールドが記憶装置にすでに記憶されている場合には、ローカルレポジトリは表示装置にこれらを表示してオペレータに知らせる(図12、ステップ313)。識別データ110には、ナビゲーションシステムコード、地理データセットファイルの名前、地理データセットファイルのバージョン、ナビゲーションシステムアプリケーションプログラムのバージョン、契約の種類、契約の開始日および終了日、保証開始日および終了日、カートリッジID番号などが含まれる。次に、ローカルオペレータは識別データのチェックを行う。もし、必要な識別データ110が見当たらない場合には、ローカルオペレータは車両所有者あるいは中央施設から必要な識別データを入手して、上記確認手続きを完了させる。もし、顧客IDなどの情報が記憶装置から欠落している場合には、ローカルオペレータは、中央施設の顧客サービス担当部門に電話し、この車両所有者が地理データセットファイルのアップデートの契約をしているかどうかを確認する。中央施設は、ローカルオペレータが必要とするすべての情報を提供することができる。確認処理の続行を指示するプロンプトが表示されると、ローカルオペレータは情報をローカルレポジトリに入力する。ローカルオペレータによってフィールドに情報が入力されると、これらの情報は記憶装置に保存される。
【0042】
確認手続きは、ローカルオペレータが、すべての必要なフィールドに情報が正しく入力されており、さらに、媒体が正しい契約を行ったものであることの確認を行った後に次のステップに進む。識別データ110は、PCカード記憶装置の再書き込み可能なハードディスク部に記憶するようにもできるし、あるいは、PCカードハードディスクとは独立の再書き込み可能なEPROMメモリに記憶するようにもできる。この再書き込み可能なEPROMは、PCカードが、PCMIA装置に関する製造業者名やパーツ番号などの情報を記憶したり、あるいは、プラグ・アンド・プレイ情報やシリアル番号などのその他の情報を記憶するのに用いられる。
【0043】
次に、確認手続きは、記憶装置から読み出されたユーザ情報に基づき、その車両所有者が契約プランによってカバーされているかどうかを判別する。必要があれば、ユーザは、契約を更新あるいはアップグレードすることができる(図12、ステップ315)。もしも、車両所有者の契約プランが期限切れである場合には、車両所有者はローカルオペレータを介して新たな契約を行うことができる。
【0044】
確認手続きの際に、主プログラム100はアップデート手続きに進む。好適には、デフォルトとして、最初に現在インストールされている地理データセットのチェックを行う。ローカルレポジトリは、異なる複数の車両搭載型ナビゲーションシステムをアップデートするのに用いられるので、主プログラムは、車両所有者の記憶装置のナビゲーションシステムの種類を自動的に検出し、そのナビゲーションシステムが用いることが可能な適切な選択を表示装置の画面に示す。アップデート処理を開始する前に、ローカルレポジトリは、記憶装置に記憶されているソフトウェアのバージョンが、ローカルレポジトリのバージョンと異なったものであることを確認する。図13のステップ331において、ローカルレポジトリプログラムは、記憶装置にすでに記憶されている地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムをローカルレポジトリに記憶されているバージョンと比較し、これらが同じであるかどうかを判定する。もしも、記憶装置に記憶されている地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムがローカルレポジトリの最も新しいバージョンと同一である場合には、ローカルレポジトリプログラムは、その記憶装置のアップグレードが必要なく、そのままローカルレポジトリから取り出して車両に戻してよいことを表示してオペレータに知らせる(図13、ステップ333)。一方、地理データセットあるいはアプリケーションのバージョンが異なる場合には、ローカルレポジトリはその車両所有者のアップデートが可能であることを表示する(図22)。また、ローカルレポジトリプログラムは、アップデートを行うのに必要な時間を表示するようにもできる。
【0045】
車両所有者は、契約内容に応じて、記憶装置にコピーすべきデータセットに、別の地域のデータあるいは補遺データをさらに加えることができる。なお、契約内容は、アップデートを行うときに拡張することも可能である。ローカルレポジトリは、そのローカルレポジトリにおいて提供可能な区域あるいは地域のリストを表示し、また、追加目標地点およびサードパーティ情報の補遺データのリストを表示する(図12、ステップ216および図23)。ローカルレポジトリプログラムは、契約内容の範囲内において記憶装置にコピーすべき追加区域および補遺データを選択するように指示する。車両所有者は、所望の地域と補遺データを選択し、選択した内容が正しいかどうかを確認する。
【0046】
車両所有者が選択した地域の地理データセットとナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートデータがローカルレポジトリから記憶装置にコピーされる。好適な一実施例においては、記憶装置に記憶されていた古いバージョンの地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのデータに、新しいバージョンのデータが上書きされる。最初に、選択された地域の地理データセットのアップデートデータが記憶装置にコピーされる(図14、ステップ351)。上記のコピー処理中において、ローカルレポジトリは、記憶装置が正しく作動しており、また地理データが正しくコピーされているかどうかの確認を行う。地理データが正しくコピーされると、ローカルレポジトリは、ナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートデータの記憶装置へのコピー処理を開始し(図15、ステップ355)、プログラムが正しくコピーされたかどうかを確認する(図15、ステップ357)。地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデート処理のすべてを終了するには、書き込もうとしているソフトウェアの量および記憶装置の容量にも依存するが、およそ20分が必要である。ローカルレポジトリは、アップデートが何パーセントまで終了したかを、ステータスバーとメッセージとで表示するようにすることができる。アップデートを行った日、ローカルレポジトリの所在地、データセットの地域、アップデートを行った地理データおよびアプリケーションプログラムのバージョン、不良カートリッジの交換(もし行った場合)、契約内容の拡張などのアップデート処理に関する情報を識別データ110として記憶装置に記憶する。その際、これらの情報は、好適には、記憶装置のEPROMに記憶される。アップデート処理において、何らかの問題が発生した場合には、ローカルオペレータは、以下に述べる手順に従って、問題の媒体を処理するか、あるいはローカルレポジトリの所在地の援助担当者と相談するか、または電話で遠方の援助担当者と相談する。
【0047】
記憶装置に対する地理データセットおよびナビゲーションシステムアプリケーションプログラムの新しいバージョンへのアップデート処理がうまく終了した場合には、ローカルレポジトリプログラムは、記憶装置を取り外して車両に戻すべき旨の指示を表示してオペレータに知らせる(図15、ステップ370)。オペレータあるいは車両所有者は、記憶装置をローカルレポジトリのドライブ92から取り外して、車両のナビゲーションシステムに取り付ける(図8、ステップ237および図15、ステップ371)。このとき、オペレータは、ナビゲーションユニットおよび/または記憶装置にラベルを貼り、ナビゲーションシステムの最後のアップデートがいつ行われたかがわかるようにすることができる。オペレータは、車両所有者に対してアップデートデータがどのような新しい特徴を有しているかを記述した印刷物を提供するようにしてもよい。
【0048】
各記憶装置に対するアップデート処理が終了すると、ローカルレポジトリプログラムは、情報をローカルレポジトリのハードディスクに履歴ファイルとして記憶し、すべてのアップデート処理のログ情報を記録する(図8、ステップ235)。履歴ファイルに書き込まれる情報としては、アップデートの日時、顧客ID、カートリッジID、地理データセットファイルの名前、新旧の地理データセットファイルのバージョン番号、新旧のナビゲーションアプリケーションプログラムのバージョン番号、ナビゲーションシステムの種類、車両所有者情報、契約情報、ステータスメッセージなどが含まれる。
【0049】
上記の実施例は、いくつかの際だった特徴を有している。例えば、地理データセットのアップデートを個々の車両所有者の具体的な要求に合わせることが可能である。車両所有者によって、地理データセットの区域が異なるし、また、補遺データも異なる。ローカルレポジトリは、車両所有者が自分の車両に選択した特定の地理データと拡張データに対して自動的にアップデートを行う。さらに、本実施例によれば、車両所有者は、単にアップデートを行うだけでなく、ナビゲーションシステムに含まれる区域を変更することも可能である。また、本実施例によれば、車両所有者は、自分のナビゲーションシステムをカスタマイズすることが可能であり、また、補遺情報が入手可能となったときには自分のナビゲーションシステムに補遺情報を追加してアップグレードすることもできる。
【0050】
他の特徴は、ローカルレポジトリが、車両所有者の記憶装置のアップデートを行う前に、顧客の契約記録をチェックして、その車両所有者がソフトウェアのアップデートを行う契約を行っているかどうかを確認することができることである。
【0051】
上記システムの他の特徴は、データの記憶を行うPCMCIAカードの再利用が可能なことである。現在のところ、これらのカードは比較的高価である(単価はおよそ250ドルである)。さらに、もしPCMCIAカードが使用不可能となった場合には、ローカルレポジトリにおいて交換することができる(後にさらに詳細に説明する)。
【0052】
さらに他の特徴として、もし必要であれば、ローカルレポジトリが、ナビゲーションシステムアプリケーションプログラムのアップデートあるいはアップグレードを行うことが可能である。
【0053】
C.大量車両事業における地理データセットのアップデート
上記の車両搭載型ナビゲーションシステムの地理データセットのアップデート方法、あるいはこれに必要な変更を加えた類似のシステムを、車両搭載型ナビゲーションシステムを有する車両を大量に所有する大量車両事業者が用いることも可能である。大量車両事業者としては、自動車レンタル業者、トラック運送業者、タクシー業者などがある。
【0054】
大量車両事業者は、自分自身のローカルレポジトリを大量車両事業所の駐車場あるいはサービス施設に配置するようにできる。大量車両事業者は、個々の車両に対して個々に契約を行う代わりに、すべての車両に対するアップデートのライセンスを一括して取得することができる。従って、ローカルレポジトリのプログラムは、ローカルオペレータが車両所有者情報あるいは契約情報の入力を行う必要がない。大量車両ローカルレポジトリプログラムは、記憶装置が挿入されると、その記憶装置が大量車両として登録されたものであれば、直ちに地理データセットファイルのアップデートを自動的に行う。通常の状況では、大量車両事業所のローカルオペレータが行わねばならない唯一のことは、単に記憶装置をローカルレポジトリに挿入し、取り出すことだけである。
【0055】
大量車両事業所のローカルレポジトリは、アップデートの実施日を示すラベルを車両搭載型ナビゲーションシステムの容易に見える箇所に貼り、どの車両がアップデートをすべきであるかを容易に判別できるようにすることができる。
【0056】
レンタカーなどの大量車両は、その自動車が借り出された場所とは異なる別の場所に返却されることがある。そのとき、その返却場所が、車両にインストールされている地理データセットがカバーする地域以外の地域である可能性がある。レンタル事業所の大量車両に対するアップデート処理において、大量車両事業ローカルレポジトリの主プログラムは、ローカルオペレータに対して、記憶装置が記憶している地理データセットファイルが、異なる地域のものであることを知らせ、ローカルオペレータがさらに処理を続け、その車両の現在の地域のデータセットを変更してしまってよいのかどうかの確認の入力を要求するプロントを表示する。
【0057】
図24〜31は、大量車両事業におけるローカルレポジトリプログラムによって実行されるステップを詳細に示すフローチャートである。図24〜29は、ローカルレポジトリプログラムのうちの、通常ローカルオペレータが記憶装置をアップデートするのに用いる部分であり、図30および31は、大量車両事業のレポジトリプログラムの管理機能部分を示したものである。
【0058】
図24に示されているように、大量車両事業の場合においても、大量車両事業ではない場合と同様にして、ローカルレポジトリプログラムは開始される。大量車両事業のローカルレポジトリの画面に、「カートリッジを挿入して下さい」とのメッセージが表示され(図24、ステップ400)、ローカルオペレータがカートリッジを挿入するのを待つ(図24、ステップ401)。ローカルレポジトリは、カートリッジがレポジトリのスロットに挿入されたことを検出すると、ローカルオペレータにローカルオペレータのIDを入力するように指示する(図24、ステップ402)。オペレータIDが正しく入力されると、レポジトリプログラムは、カートリッジ情報を読み取る(図24、ステップ404)。ローカルレポジトリがカートリッジ情報の読み取りに成功すると(図24、ステップ405)、プログラムは「デフォルト区域」が設定されているかどうかを調べ(図26、ステップ406)、もし設定されている場合には、「自動アップデート」が可能であるかどうかを判定する(図26、ステップ407)。「デフォルト区域」および「自動アップデート」が設定されている場合には、いくつかの選択画面が省略されて、カートリッジのアップデートが行われる。
【0059】
「デフォルト区域」が設定がなされていない場合には、ローカルレポジトリプログラムは、2つ以上の複数の区域がインストールされているかどうかを判別する(図26、ステップ408)。複数の区域がインストールされている場合には、オペレータに区域の選択をするように要求するプロントを表示する(図26、ステップ410)。さらに、プログラムは、オペレータが選択した内容が正しいかどうかを確認するプロントを画面に表示する(図26、ステップ412)。確認が終了すると、プログラムは、パート番号とバージョンの比較を行う(図27、ステップ414)。もし、バージョンが同じであれば、オペレータにバージョンが同じであることを知らせる(図27、ステップ415)。ただし、アップデートが必要ではない場合であっても、アップデート処理を実行することは可能である(図27、ステップ416)。
【0060】
カートリッジのデータのバージョンが、レポジトリのバージョンよりも古い場合には、プログラムはカートリッジが新しいバージョンを記憶するのに十分なだけの容量をもっているかどうかをチェックする(図27、ステップ418)。もし、カートリッジが十分な容量をもっていない場合には、レポジトリプログラムはオペレータに対して、カートリッジに記憶すべき区域を改めて選択し直すように指示する(図26、ステップ412)。逆に、カートリッジが選択された区域を記憶するのに十分な容量を有している場合には、レポジトリプログラムは、地理データセットのアップデートデータのコピー処理を開始し(図28、ステップ422)、次いで、もし可能な場合には、カートリッジのナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートを行う(図29、ステップ426)。地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのコピーが正しく行われたどうかが確認される(図28、ステップ428、図29、ステップ430)。データセットあるいはナビゲーションアプリケーションプログラムのいずれかのコピーがうまく行われなかった場合には、プログラムは再コピーを試みる(図28、ステップ432、図29、ステップ434)。データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートデータのコピーが終了すると、カートリッジを取り出すように指示するメッセージがオペレータに出される(図29、ステップ436および438)。
【0061】
大量車両事業ローカルレポジトリプログラムは、関連するいくつかのプログラム、ファイル、および/またはツールからなる。この大量車両事業ローカルレポジトリプログラムは、VISUALBASIC あるいはC++などの任意の適当なプログラミング言語を用いて書くことができる。
【0062】
他の実施例における、大量車両事業ローカルレポジトリプログラムのプログラムのオペレータ部分が図32に示されている。図32に示されている実施例のプログラムは、図24〜29のプログラム部分と同様に機能する。
【0063】
D.ローカルレポジトリシステムのその他の動作
上記のように、ローカルレポジトリシステムは、地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデータデータを車両搭載型ナビゲーションシステムを所持している車両所有者に対して効率的に配布することができるようになされている。また、好適な一実施例においては、車両所有者は、任意のローカルレポジトリでナビゲーションシステムのアップグレードを行うことの契約あるいはライセンスを購入取得することができる。ローカルレポジトリシステムは、他の目的にも用いることも可能である。このように他の目的を加えることによって、ローカルレポジトリシステムがよりよく利用されるようにすることができる。
【0064】
1.初期配布
ローカルレポジトリシステムの目下の主要な目的は、既存の再書き込み可能媒体のアップデートを行うことであるが、ローカルレポジトリは、再書き込み可能媒体への地理データセットファイルおよびナビゲーションアプリケーションプログラムの初期書き込みを行うのに用いるようにすることも可能である。すでに述べたように、図1の各ローカルレポジトリ82、84、86、88、90は、少なくともその地域の最新の地理データセットファイルのコピーを有し、さらに、車両搭載型ナビゲーションシステム用の少なくとも1つのナビゲーションアプリケーションプログラムを有するようにできる。ディーラ、アフターマーケットサプライヤー、メールオーダ、あるいはその他の手段によって、新しい自動車を購入し、車両搭載型ナビゲーションシステムを初めて入手したときに、車両所有者に、このナビゲーションシステムに用いるための何もまだ記憶されていないブランクの記憶装置を渡すようにする。あるいは、車両所有者が、ローカルレポジトリ所在地で何も記憶されていないブランクの記憶装置を入手するようにしてもよい。いずれにしても、車両購入者は、ローカルレポジトリ所在地まで出向き、ローカルオペレータに地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムをブランクの記憶装置に初期書き込みを行うように依頼する。
【0065】
ローカルオペレータはブランクの記憶装置をローカルレポジトリのドライブに挿入する。上記の実施例によるアップデートの場合と同様に、地理データセットあるいはナビゲーションアプリケーションプログラムを新しい媒体に記憶させる前に、ローカルレポジトリプログラムは確認手続きを実行する。ローカルレポジトリプログラムは、ローカルオペレータに妥当なオペレータIDを入力するように要求する。正しいオペレータIDが入力されると、ローカルレポジトリプログラムは、記憶装置から情報の読み取りを行うことを試みる。記憶装置が新しいものである場合であっても、ローカルレポジトリプログラム100は、ブランクの記憶装置から何らかの情報、例えばカートリッジIDおよび/またはシリアル番号などを読み取ることが可能である。しかし、記憶装置はその他の情報は何も含んでいない空の状態にあるので、ローカルレポジトリプログラムは、その記憶装置が新しい記憶装置であると判定し(図11、ステップ361)、新規契約による車両所有者登録を行うために必要な情報を入力するように求める。車両所有者は、もし、ナビゲーションシステムを購入した際に、まだアップデート予約契約を行っていないのであれば、ローカルオペレータとアップデート契約を行い、その際に所望の適当な選択を行うことができる。新規のアップデート予約契約を行うにあたって、ローカルレポジトリは、ナビゲーションシステムの種類、保証開始日、アップデート予約契約期間、車両所有者の名前、住所、電話番号などの情報を入力するように求める。これらの情報は、アップデート予約契約の実施状況を監視するのに用いられる。上記のアップデートの実施例におけるのと同様に、ローカルオペレータが必要な情報の項目を入力することができるように、入力画面が現れる。情報のあるフィールドは必須項目であるが、あるフィールドはオプション項目である。地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムをナビゲーションシステムの記憶装置にコピーするには、オペレータは、少なくとも必須項目について情報を入力することが必要である。これらのデータが適切に入力されて、記憶装置に書き込まれないと、ローカルレポジトリプログラムは、地理データセットあるいはナビゲーションアプリケーションプログラムのコピーを行わない。
【0066】
インストールにおいて、ローカルオペレータあるいは車両所有者は、いくつかの複数の地域の地理データセットおよび/または補遺データを選択することができる。もし、車両所有者が、そのローカルレポジトリが記憶していない地域のデータを必要とする場合には、車両所有者は、他のソースから地理データセットを入手する必要がある。顧客サービス担当者は、その車両所有者の所在地域のローカルレポジトリのリストを参照し、車両所有者が所望する地域のデータがどこで入手可能であるか(例えば旅行サービスオフィスなど)を車両所有者に教える。
【0067】
車両所有者が選択した地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムを供給可能である場合には、これらのデータが記憶装置にロードされる。ローカルレポジトリは、ナビゲーションプログラムおよび地理データファイルが記憶装置に正しくロードされたかどうかを確認する。この確認は、ファイルの名前とバージョンのチェックを行うこと、およびチェックサムを求めることによって行われる。このようにして、記憶装置が使用可能な状態となり、ローカルオペレータは車両所有者のナビゲーションシステムにこの記憶装置を取り付ける。もし、何らかの問題が発生した場合には、車両所有者あるいはローカルオペレータは、中央施設の援助担当者の援助を求めることができる。
【0068】
2.欠陥媒体処理手順
好適な一実施例においては、ローカルレポジトリの主プログラム100は、記憶装置の欠陥およびオペレータの誤操作の処理を行うためのエラー処理手続きを含む。捕捉すべきエラーとしては、記憶装置の故障、アップデート処理途中の記憶装置の排出、地理データセットファイルまたはナビゲーションアプリケーションプログラムの確認の失敗、およびその他の実行時エラーが含まれる。このようなエラーが発生した場合には、オペレータがどのような処理をすべきなのかを示すメッセージが表示される。ローカルレポジトリは、エラーメッセージ中にエラーコードを含ませ、顧客サービス担当者がこのエラーコードを用いてエラーのデバッブを行いオペレータを援助することが可能なようにすることもできる。
【0069】
PCMCIAカードなどの記憶装置に欠陥がある場合には、ローカルオペレータは在庫の新しい記憶装置と交換するようにする。記憶装置の欠陥が検出されたときにローカルレポジトリがどのような処理をするかは、検出されたエラーの程度に応じて異なる。
【0070】
例えば、ローカルレポジトリが記憶装置の識別データ110を読み取ることが可能であるにもかかわらず、地理データセットファイルあるいはナビゲーションアプリケーションプログラムを記憶装置にコピーすることができないことが起こり得る。このような欠陥は、例えば、記憶装置が不良セクターを含む場合に起こり得る。好適な一実施例においては、カートリッジIDが記憶装置の再書き込み可能なEPROMを記憶しておく。このようにすれば、IDはPCMCIAカードのハードディスク部ではなく、PCMCIA記憶装置の不揮発性メモリに記憶されているので、ハードディスク部が故障した場合においてもIDは依然として読み取ることが可能である。この書き込み可能EPROMメモリは、保証終了期日、アップデート予約契約の種類および終了期日、ナビゲーションシステムの種類、その他の識別情報110を記憶するのにも用いることができる。ロードレポジトリプログラムが、EPROMから識別データを読み取ることが可能であったにもかかわらず、記憶装置のハードディスク部の読み取りあるいは書き込みに問題が発生した場合には、ローカルレポジトリプログラム100は、記憶装置に欠陥があることを示すメッセージを表示し、オペレータに新しい記憶装置と交換するかどうかを尋ねる。オペレータが交換すべき旨の応答をすると、ローカルレポジトリは「カートリッジ交換モード」に設定される。ローカルレポジトリプログラムは、故障している記憶装置の識別情報をメモリに記憶する。次いで、ローカルレポジトリプログラムは、オペレータに故障している記憶装置を取り出し(図15、ステップ371)、新しい記憶装置を挿入するように指示する。
【0071】
新しい記憶装置が挿入されると、ローカルレポジトリは、記憶装置の識別情報の読み取りを試みる。しかし、記憶装置が新しいものであるので、記憶装置には識別情報が存在しない。このとき、ローカルレポジトリは「カートリッジ交換モード」となっているので(図10、ステップ375)、古い記憶装置から読み取りメモリに記憶しておいた識別情報を新しい記憶装置にコピーする。次いで、通常の場合と同様にしてアップデートが行われ、ローカルレポジトリはカートリッジ交換モードから抜ける。
【0072】
ローカルレポジトリプログラムがカートリッジ交換モードになっているときに、ローカルレポジトリに挿入された交換記憶装置から情報が検出された場合には、ローカルレポジトリはオペレータが挿入した記憶装置が新しい記憶装置ではなかったと判断し、記憶装置が新しいものではないので、不良記憶装置の代替の記憶装置として用いることができない旨をメッセージで表示し、オペレータに知らせる(図10、ステップ379)。オペレータは、アップデートを継続するか、あるいは取り消すかを選択する。オペレータが継続を選択した場合には、ローカルレポジトリは、カートリッジ交換モードから抜け出し、挿入されたPCカードにすでに記憶されている情報を保存し、通常と同様にしてアップデート処理を行う(図10、ステップ381)。
【0073】
車両所有者がアップデートのために持ち込んだ記憶装置に欠陥があるために識別データが読み出せない場合には、ローカルレポジトリはオペレータに故障している記憶装置を新しい記憶装置と交換するように指示する。オペレータが新しい記憶装置をドライブに挿入すると、ローカルレポジトリは挿入された記憶装置から情報を読み取ろうとする。この場合、記憶装置は新しいものであるので、顧客情報が何も記憶されていない。ローカルレポジトリは、新しい記憶装置に対しては以下のように処理する。すなわち、ローカルオペレータが必要な情報を車両所有者から入手し、この情報をシステムに入力する。カートリッジIDは、記憶装置のラベルに印刷されているシリアル番号と同一とすることができる。新旧の記憶装置のIDを履歴ログに記録し、どの不良記憶装置をどの新しい記憶装置と交換したのかを記録しておき、保証処理の管理が行えるようにする。オペレータは、顧客サービス担当者に電話し、顧客IDおよびアップデート予約契約情報を入手し、これらの情報をローカルレポジトリに入力し、さらに、これらの情報を新しい記憶装置に再書き込みする。次いで、ローカルレポジトリは、選択された地理データセットファイルおよびその他の適当なソフトウェアを記憶装置にコピーする。
【0074】
同様の不良媒体処理手続きのための実施例が、図25のフローチャートに示されている。
【0075】
3.デモンストレーションモード
ローカルレポジトリシステムは、デモンストレーション用の記憶装置を作成するのに用いることも可能である。記憶装置デモンストレーションモードでは、顧客はナビゲーションシステムを購入する前にそのナビゲーションシステムがどのようなものであるのかを、同一の種類のデモンストレーション用記憶装置をローカルレポジトリに挿入し、デモンストレーションを見ることによって知ることができる。このような目的のために、特別なデモンストレーションライセンスが提供される。ナビゲーションシステムデモンストレーションに用いられる記憶装置が、アップデート用ローカルレポジトリに挿入されると、そのローカルレポジトリの主プログラムは、挿入された記憶装置がナビゲーションシステムデモンストレーション用のものであることを検知し、これに応じた適切なアップデートを行う。
【0076】
デモモード記憶装置は、ナビゲーションシステムを販売している自動車販売店などに設置されたローカルレポジトリで作成することが可能である。既存の記憶装置のアップデートを行うためのローカルレポジトリプログラムを用いて、デモンストレーション記憶装置を作成することも可能である(図11、ステップ391および393)。デモモード記憶装置は、まだユーザに売却されたわけではないので、車両所有者を表す識別データを有していない。
【0077】
もし、デモ記憶装置が自動車とともに売却された場合には、ディーラはその記憶装置を変換することができる。ローカルレポジトリプログラムは、デモ記憶装置をアップデート予約契約が付される記憶装置として用いられるように変換することができる(図11、ステップ394)。新しいアップデート予約契約におけるのと同様にして、車両所有者を識別するための情報を車両所有者から入手する(図12、ステップ313)。
【0078】
4.ローカルレポジトリにおける管理機能
上記のように、ローカルレポジトリは、管理プログラム130を含んでいる。管理プログラム130は、ローカルレポジトリを維持するために用いられるいくつかの特徴を有している。ローカルレポジトリプログラムの管理機能部分の実施例が、図16−20および図30、31にフローチャートとして示されている。管理機能プログラム130は、管理技術者がアクセスすることが可能であるが、通常はローカルオペレータはアクセスすることができない。管理機能プログラムにアクセスするにはパスワードの入力が必要である。
【0079】
管理プログラムによって実行される機能の1つは、地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートデータを上記のようにローカルレポジトリにインストールすることである。管理プログラムによって実行される他の機能は、履歴ログの中央施設への送信である(図8、ステップ239、図17ステップ705)。履歴ログは、車両所有者の名前と住所、媒体のアップデート日時、コピーされた地域、アップデート予約契約の内容などの、ローカルレポジトリにおける処理記録を含む。各ローカルレポジトリは、そのローカルレポジトリの場所と種類を表す唯一固有のレポジトリIDを有している。定期的にあるいは必要に応じて、各ローカルレポジトリは、利用状態情報および顧客情報を中央施設に送信する。電話回線あるいはモデムが利用できない場合には、管理技術が、これらの情報を各所在地において検索する。
【0080】
IV.その他の実施例
A.ローカルレポジトリへの電子的配布
図33、34に示した実施例においては、地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートデータがある地域の複数のローカルレポジトリに中央あるいは区域の施設から電子的にインストールされる。この電子的インストールは、地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションのアップデートデータを各ローカルレポジトリにアップロードすることによって行われる。上記のように、各ローカルレポジトリは、通信リンクによって中央あるいは区域の施設と結ばれている。この通信リンクはモデムあるいはWANによって達成される。この実施例においては、ある地域の地理データセット507のアップデートデータおよびナビゲーションプログラム509のアップデートデータが、中央あるいは区域の施設から送信される。これらのデータの送信は定期的にあるいは必要に応じて行われる。データの送信にあたっては、まず、どのローカルレポジトリが新しい地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのコピーを必要としているかが判定される(図33、ステップ510)。次に、地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートデータのブロックが準備される(図33、ステップ511)。次いで、中央施設がそこに宛てて送信すべきであると判断したすべてのローカルレポジトリに宛てて、アップデートデータが送信される(図33、ステップ512)。アップデートデータの送信は圧縮データの形で行われる。各ローカルレポジトリは、アップデートデータを受信すると、ローカルレポジトリのプログラムが圧縮データの伸張(解凍)を行い、古いバージョンの地理データセットファイルおよびナビゲーションアプリケーションプログラムを最新のバージョンに置き換える(図34、ステップ513)。アップデート処理は、好適には、ローカルレポジトリにおいてバックグラウンドにおいて実行され、通常のローカルレポジトリの車両所有者へのアップデートサービスが中断されないようになされる。
【0081】
ローカルレポジトリの管理機能プログラムは、地理データセットファイルおよびナビゲーションアプリケーションプログラムの亜アップデートデータが正しく受信されたことを確認する(図34、ステップ515)。アップデートが正しく行われたことが確認された旨が、中央施設に送信される(図34、ステップ518)。このようにして、アップデートされた地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのデータが準備され、希望する車両所有者に対して地理データセットファイルおよび/またはナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートを行うことができる状態となる。なお、正しくアップデートされたことが確認されるまでは、古い地理データセットファイルおよびナビゲーションプログラムはローカルレポジトリに、車両所有者に提供可能な状態で、保持される。
【0082】
B.車両所有者への電子的配布
さらに他の実施例によれば、地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートデータが、車両搭載型ナビゲーションシステムを備えた車両の所有者に対して直接に送信され、オンラインによる配布がなされる。図35〜37に示されているように、車両所有者は、自分の地理データセットに対するアップデートデータを自分のパーソナルコンピュータを介して受け取ることができる。地理データセットのアップデート予約契約者は、すべての必要な処理ルーチン(例えば通信、確認ルーチンなど)を含むパーソナルアップデートプログラムを受け取る。このパーソナルアップデートプログラムは、車両所有者のパーソナルコンピュータのハードウェア構成が最小標準を満たすかどうかの確認も行う。例えば、パーソナルコンピュータは、車両搭載型ナビゲーションシステムの記憶装置と互換性のあるドライブあるいはスロットを有していることが必要である。もし、ハードウェアに不足部分が検出された場合には、ユーザに対して何がさらに必要かが知らされる。
【0083】
パーソナルアップデートプログラムを用いて、車両所有者は、自分のパーソナルコンピュータから中央配布施設あるいはサービスプロバイダーを電話回線を介して呼び出す(図35、ステップ611)。中央施設のサーバのオンライン配布プログラムは、車両所有者からの接続要求を受け取り、これを容認すると、接続を行う。オンライン配布プログラムは、車両所有者に顧客番号などの識別番号を入力するように指示する(図35、ステップ612)。車両所有者が、妥当な顧客番号を入力すると、オンライン配布プログラムは、車両所有者に自分のナビゲーションシステムの記録装置をコンピュータのスロットに挿入するように指示する。オンライン配布プログラムは、媒体IDを読み取り、その媒体IDが顧客に対応したものであるかどうかを確認する。次いで、オンライン配布プログラムは、車両所有者に既存の地域のみのアップデートを行うのか、あるいは、さらに他の地域を加えるのかを選択するように指示する(図35、ステップ613)。
【0084】
もし、ユーザがさらに他の地域についても加えることを選択した場合には、オンライン配布プログラムは、提供可能な地域の地図を表示する(図36、ステップ615)。車両所有者は、画面から所望の区域を選択する(図36、ステップ616)。オンライン配布プログラムは、選択された地域に含まれる任意のサードパーティデータあるいはPOI(目標地点)を選択するようにユーザに指示する(図36、ステップ617)。ユーザは、所望のサードパーティデータあるいはPOIを選択する(図36、ステップ618)。
【0085】
ユーザがさらに他の地域についてのデータを加えることを望まずに(ステップ617)単に既存の地理データセットファイルあるいはナビゲーションプログラムのアップデートのみを選択した場合には、オンライン配布プログラムは、ユーザの地理データセットあるいはナビゲーションプログラムのアップデートが可能かどうかを判定する(図36、ステップ625)。車両所有者が以前にどの地域を選択したかを示すデータが車両所有者の媒体と中央配布施設628の両方に記録されている。オンライン配布プログラムは、車両所有者の媒体に対して提供可能なアップデートを識別するための処理を実行する。
【0086】
オンライン配布プログラムは、車両所有者が選択した内容を車両所有者の現在のアップデート予約契約内容と比較する(図36、ステップ627)。もし、オンライン配布プログラムが、選択された内容がアップデート予約契約内容の範囲外であると判断した場合には、ユーザに顧客サービスの電話番号に電話をしてアップデート予約契約内容を変更するように指示するか(図36、ステップ629)、あるいは、オンラインによる新たなアップデート予約契約を結ぶように提示する。
【0087】
図37において、アップデートが可能である場合には、オンライン配布プログラムは、車両所有者が所望した地域をカバーするアップデートデータおよびユーザのナビゲーションプログラムのアップデートデータをアップデートレポジトリ631から検索する。オンライン配布プログラムは、次いで、アップデートナビゲーションデータをユーザのコンピュータに送信するためのアセンブルを行う(図37、ステップ633)。もし、ユーザが新しいナビゲーションデータを選択した場合には、オンライン配布プログラムアプリケーションは、利用可能な通信帯域幅をユーザに提供しようとしているナビゲーションデータファイルのサイズと比較し、新しいナビゲーションデータファイルをダウンロードするのに必要な時間を見積る(図37、ステップ635)。もしも、ダウンロードに要する時間が非常に長い場合には、ユーザは新しい地理データセットファイルのダウンロードをキャンセルすることもできる。この場合、オンライン配布プログラムは、ユーザに適当な他のローカルレポジトリあるいは他の配布ステーションに出向いてその新しいナビゲーションデータファイルを入手するように指示する。
【0088】
車両所有者のハードウェアが、ナビゲーションデータファイルのアップデートデータを受信するのに十分な容量を有している場合には、オンライン配布プログラムは、ユーザのパーソナルコンピュータにアップデートデータをアップロードする(図37、ステップ637)。車両所有者のパーソナルコンピュータにおいて、パーソナルアップデートプログラムは、アップデートデータを受け取り、ユーザのナビゲーションデータファイルのバックップを作成し、車両所有者の記憶装置にアップデートされたナビゲーションデータファイルをコピーする(図37、ステップ639)。パーソナルアップデートプログラムは、ナビゲーションデータファイルが車両所有者の記憶装置に正しく記憶されて正しく機能するかどうか、また、ナビゲーションデータがアップデートされたことを示す識別データが車両所有者の記憶装置に正しく書き込まれたかどうかの確認を行う(図37、ステップ641)。アップデート処理が正しく終了すると、通信接続を切断する前に、車両所有者のプログラムは、中央施設のオンライン配布プログラムに情報をアップロードして、車両所有者の記憶装置のアップデートが正しく行われたことの確認を行う(図37、ステップ645)。中央施設は、確認記録を保存する(図37、ステップ647)。次に、車両所有者のパーソナルコンピュータと中央施設のサーバとの間の通信接続が切断される(図37、ステップ649)。
【0089】
他の実施例においては、アップデートされた情報のオンライン配布は、アメリカオンラインあるいはコンピュサーブなどのオンラインネットワークあるいはインターネットを介して行われる。
【0090】
C.ローカルターミナルの実施例
図38を参照する。図38は、アップデートされたナビゲーションデータをナビゲーションシステムの所有者に配布するためのシステムの他の実施例のフローチャートである。図38に示されたステップは、地域に設置されたパーソナルコンピュータのシステムによって実行される。パーソナルコンピュータのシステムは、図1のシステムと類似なものである。ただし、この実施例においては、地域10のローカルレポジトリ82、84、86、88、90のどれかあるいはすべてがローカルターミナルステーションによって置き換えられる。ローカルターミナルステーションは、図1の実施例のローカルレポジトリと同様なハードウェアとソフトウェアを備え、同様に構成される。ローカルレポジトリと同様に、ローカルターミナルステーションは車両所有者の記憶装置76を挿入するためのドライブあるいはスロットを備える。ローカルターミナルステーションがローカルレポジトリと異なる点は、ローカルターミナルステーションが中央あるいは区域の施設への通信リンクを有し、この通信リンクによって、ローカルターミナルステーションのドライブ92に挿入された車両所有者の記憶装置に遠方のレポジトリからアップデートされたナビゲーションデータを配布するようになされていることである。
【0091】
図38を参照し、ローカルターミナルステーションのローカルターミナルプログラムは、オペレータに車両所有者の記憶装置を挿入するように指示を行う(図38、ステップ701)。車両所有者の記憶装置が挿入されると、ローカルターミナルプログラムは、車両所有者の記憶装置に確認を行う(図38、ステップ703)。このためのローカルターミナルプログラム部分は、ローカルレポジトリで用いられるプログラムと類似あるいは同一であり、記憶装置のEPROMに記憶されている車両所有者の識別データ110の確認を含む。上記確認の後に、ローカルターミナルプログラムは、リモートレポジトリ707への通信接続がなされたかどうかを確認する(図38、ステップ705)。リモートレポジトリ707は、区域のレポジトリ、あるいは中央レポジトリ、またはその他のローカルレポジトリである。通信接続は、WAN、電話回線によるモデム接続、などによって実現される。
【0092】
ローカルターミナルプログラムは、ローカルオペレータあるいは車両所有者に、既存のナビゲーションデータをアップデートするか、あるいは新しいナビゲーションデータをインストールするのかを選択するように指示する(図38、ステップ709)。車両の所有者が行った選択が受理され(図38、ステップ711)、リモートレポジトリ707に送信される(図38、ステップ713)。リモートレポジトリは、選択されたアップデートナビゲーションデータを検索して、これをローカルターミナルステーションに送信する(図38、ステップ715)。ローカルターミナルステーションは、ナビゲーションデータを受信すると、これをユーザの記憶装置にコピーする(図38、ステップ717)。アップデートナビゲーションデータの車両所有者の記憶装置へのコピーが終了すると、ローカルターミナルステーションは、ローカルオペレータに、ユーザの記憶装置を取り外すように指示する(図38、ステップ719)。上記のステップに加えてさらに、ローカルターミナルステーションは、ローカルレポジトリが行うその他の多くのステップ、例えばナビゲーションデータのコピーの確認、エラーチェック、ログ記録なども行うことが可能である。
【0093】
この実施例によるローカルターミナルステーションの利点は、アップデートナビゲーションデータのいくつかあるいはすべてのコピーをローカルターミナルステーションに記憶しておく必要がないことである。他の実施例によれば、ローカルレポジトリおよびローカルターミナルステーションの特徴を組み合わせて、車両所有者が、自分の記憶装置のナビゲーションデータのアップデートをローカルターミナルレポジトリで行う際に、データがそのローカルターミナルレポジトリに記憶されているか、あるいはリモートレポジトリからそのターミナルレポジトリに送信されてくることによって、自分の記憶装置にコピーすることが可能なようになされる。
【0094】
D.配布システムのさらに他の使用の仕方
上記実施例によるシステムは、車両搭載型ナビゲーションシステムの地理データセットのアップデートデータを配布するのに用いるのに特に有用である。しかしながら、システムをその他の種類のソフトウェアやデータ、例えば、パーソナルコンピュータのソフトウェアやコンピュータゲーム記憶装置などのアップデートを行うために用いることも可能である。また、アップデートされた地理データを配布する方法は、大量配布あるいはマーケティングのために用いることも可能である。さらに、上記システムは、地上走行車両に用いるのに有用なものであったが、上記システムをボートや航空機などの地上走行車両以外に用いるようにすること可能である。
【0095】
また、本発明のシステムは、位置把握システムを備えていないナビゲーションシステムのアップデートに用いることも可能であるし、さらに、地理データセットを用いるその他のシステムのアップデートのために用いることも可能である。例えば、ユーザが目的地と出発地点とを選択すると、システムがユーザにその出発地点から目的地までの道順の案内をするシステムが存在する。また、ポータプル型の専用コンピュータを用いたナビゲーションシステムが入手可能である。また、ポータプル型ノートブックコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、電子手帳などの従来の通常のパーソナルコンピュータにロードして用いるソフトウェアプログラムが知られている。このようなシステムは、上記の実施例を用いてアップデートを行うことが可能である。
【0096】
以上に本発明を具体的な実施例を参照しながら詳細に説明したが、これらの実施例はあくまでも例示を目的とするものであって、本発明はこれらの実施例のみに限定されない。本発明の範囲は請求範囲に記述定義された範囲のみによって定まる。また、これらの請求範囲に記述された内容と等価であるものも本発明の範囲に含まれる。
【0097】
(発明の効果)
上記のように、車両搭載型ナビゲーションシステムに用いられる地理データあるいはナビゲーションアプリケーションプログラムなどのデータをアップデートして配布するための装置が、本発明によって提供される。さらに一般的には、市販ソフトウェアを必要に応じてアップデートすることを可能とするシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の第1の実施例によってサービスされるある地域の複数の車両を示す図である。
【図2】図1の車両のうちの1つを示すブロック図である。
【図3】図2の記憶装置を示す斜視図である。
【図4】図3の記憶装置、車両、および図1のローカルレポジトリを示す図である。
【図5】ローカルレポジトリ、および図4の記憶装置に記憶される情報およびプログラムを示すブロック図である。
【図6】図6は、図1に示された複数のローカルレポジトリにアップデートデータをインストールするステップを示すフローチャートである。
【図7】図7は、図1に示された複数のローカルレポジトリにアップデートデータをインストールするステップを示すフローチャートである。
【図8】車両所有者の記憶装置にアップデートデータをインストールするステップを示すフローチャートである。
【図9】図9は、図6、図7、図8に示されたものを含め、ローカルレポジトリによって実行される各種の機能の実行ステップを詳細に示すフローチャートである。
【図10】図10は、図6、図7、図8に示されたものを含め、ローカルレポジトリによって実行される各種の機能の実行ステップを詳細に示すフローチャートである。
【図11】図11は、図6、図7、図8に示されたものを含め、ローカルレポジトリによって実行される各種の機能の実行ステップを詳細に示すフローチャートである。
【図12】図12は、図6、図7、図8に示されたものを含め、ローカルレポジトリによって実行される各種の機能の実行ステップを詳細に示すフローチャートである。
【図13】図13は、図6、図7、図8に示されたものを含め、ローカルレポジトリによって実行される各種の機能の実行ステップを詳細に示すフローチャートである。
【図14】図14は、図6、図7、図8に示されたものを含め、ローカルレポジトリによって実行される各種の機能の実行ステップを詳細に示すフローチャートである。
【図15】図15は、図6、図7、図8に示されたものを含め、ローカルレポジトリによって実行される各種の機能の実行ステップを詳細に示すフローチャートである。
【図16】図16は、図6、図7、図8に示されたものを含め、ローカルレポジトリによって実行される各種の機能の実行ステップを詳細に示すフローチャートである。
【図17】図17は、図6、図7、図8に示されたものを含め、ローカルレポジトリによって実行される各種の機能の実行ステップを詳細に示すフローチャートである。
【図18】図18は、図6、図7、図8に示されたものを含め、ローカルレポジトリによって実行される各種の機能の実行ステップを詳細に示すフローチャートである。
【図19】図19は、図6、図7、図8に示されたものを含め、ローカルレポジトリによって実行される各種の機能の実行ステップを詳細に示すフローチャートである。
【図20】図20は、図6、図7、図8に示されたものを含め、ローカルレポジトリによって実行される各種の機能の実行ステップを詳細に示すフローチャートである。
【図21】ローカルレポジトリにおいて表示される、記憶装置のアップデート処理を開始するための指示画面の例を示した図である。
【図22】アップデート処理の途中において、ローカルレポジトリにおいて表示される指示画面の他の例を示した図である。
【図23】アップデート処理の途中において、ローカルレポジトリにおいて表示される指示画面のさらに他の例を示した図である。
【図24】図24は、大量車両事業において、ローカルレポジトリが各種の機能を達成するのに実行するステップを示すフローチャートである。
【図25】図25は、大量車両事業において、ローカルレポジトリが各種の機能を達成するのに実行するステップを示すフローチャートである。
【図26】図26は、大量車両事業において、ローカルレポジトリが各種の機能を達成するのに実行するステップを示すフローチャートである。
【図27】図27は、大量車両事業において、ローカルレポジトリが各種の機能を達成するのに実行するステップを示すフローチャートである。
【図28】図28は、大量車両事業において、ローカルレポジトリが各種の機能を達成するのに実行するステップを示すフローチャートである。
【図29】図29は、大量車両事業において、ローカルレポジトリが各種の機能を達成するのに実行するステップを示すフローチャートである。
【図30】図30は、大量車両事業において、ローカルレポジトリが各種の機能を達成するのに実行するステップを示すフローチャートである。
【図31】図31は、大量車両事業において、ローカルレポジトリが各種の機能を達成するのに実行するステップを示すフローチャートである。
【図32】図32は、図24〜31の実施例のローカルオペレータ部の他の実施例を示すフローチャートである。
【図33】図33は、本発明の他の実施例を示すフローチャートである。
【図34】図34は、本発明の他の実施例を示すフローチャートである。
【図35】図35は、本発明のさらに他の実施例を示すフローチャートである。
【図36】図36は、本発明のさらに他の実施例を示すフローチャートである。
【図37】図37は、本発明のさらに他の実施例を示すフローチャートである。
【図38】本発明のさらに他の実施例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0099】
10 地域
44、46、48 人工衛星
82、84、86、88 ローカルレポジトリ
22、24、26 車両
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶媒体上に記憶されるデータを配布するための装置に関するものであり、より詳しくは、記憶媒体上に記憶されて、乗用車などの車両に搭載されたナビゲーションシステムに用いられる、地理データやナビゲーションアプリケーションプログラムなどのナビゲーションデータのアップデートあるいはアップグレードされたデータを配布するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ある種の製品では、消費者が定期的にアップデートを行う必要がある。このようなアップデートを要する製品の例としてナビゲーションシステムがある。特に車両に搭載されて用いられるナビゲーションシステムでは、地理データやナビゲーションプログラムなどのナビゲーションデータを定期的にアップデートする必要がある。車両用のナビゲーションシステムは、地上を走行する乗用車、トラック、バンなどの車両に電子システムおよび/あるいはコンピュータシステムを搭載して、車両の運転者あるいは搭乗者に詳細な運転位置情報を提供するシステムである。
【0003】
典型的な車両用ナビゲーションシステムは、(1)位置把握システム(2)地理に関する詳細データ(すなわち地図)(3)ナビゲーションアプリケーションプログラムからなっている。位置把握システムとしては、自分がいる物理的位置を正確にあるいはおよその位置を知るためのいくつかの方法が知られており、これらの技術の中の任意のものを用いることができる。例えば、位置把握システムとしては、GPS型の装置(全地球位置把握システム)、位置推測方式、慣性センサ、走行距離計測方式、などがあり、あるいは上記を組み合わせたものや、その他の装置を用いることも可能である。これらは当該技術においてよく知られたものである。GPSは人工衛星から送られてくる信号を受信して自分のいる場所の緯度と経度を求めるセンサ型のシステムである。位置推測方式は、車両の走行方位と走行距離(速度と方位)とを追尾することによって位置を把握する方式である。位置把握システムを備えた車両搭載用ナビゲーションシステムの具体例としては、たとえば、米国カリフォルニア州サニーベールのゼクセル社から販売されているものがある。
【0004】
車両ナビゲーションシステムの詳細地理データセット部は、1つあるいは複数の詳細に構成されたデータファイルすなわちデータベースからなる。詳細地理データセットは、特定の地域に関する道路と交差点の位置についての情報や、一方通行道路、道路照明、信号機、転回禁止、道路の番地、迂回ルート、ホテル、レストラン、博物館、競技場、オフィス、自動車販売店、自動車修理工場などの情報を含む。
【0005】
車両ナビゲーションシステムのナビゲーションアプリケーションプログラム部は、上記の詳細地理データセットと位置把握システムの出力を用いるソフトウェアプログラムでしる。ナビゲーションアプリケーションプログラムは、特定の地域のどの場所に運転者がいるかを図形表示(たとえば地図など)によって運転者に知らせる。さらに、ナビゲーションアプリケーションプログラムは、運転者が現在いる場所から任意の場所に行く道順を示すこともできる。また、ナビゲーションアプリケーションプログラムは、例えばホテルまで行く道順を「3番目の信号灯を左折して下さい、右側のレーンを走行して下さい、1.1マイル先のI−290高速道路西方向入り口までさらに走行して下さい、I−290高速道路に入って下さい、西方向に2.2マイル走行して下さい・・・」といったようにして知らせることもできる。
【0006】
(ナビゲーションシステムの中には、位置把握システムを有していないものもある。この種のナビゲーションシステムでは、運転者の現在位置に関する情報を自動的に提供することができず、運転者が、出発点と目的地の両方の情報をナビゲーションシステムに与える必要がある。その他の点においては、この種のナビゲーションシステムの機能は位置把握システムを有するものとほぼ同様である。)
【0007】
車両搭載型ナビゲーションシステムにおいて詳細地理データを提供する際の問題の1つは、データが古くなってしまう(すなわち、地理情報はいわば「生鮮食品」みたいなものであり腐敗する)ことである。例えば、道路が新しく建設されたり、店が営業場所を変更したり、道路が閉鎖されたり、迂回道路ができたり、博物館やレストランの営業時間が変更されたりなどのいろいろな変化が起こる。ナビゲーションシステムの他の問題は、乗用車の所有者が異なると、必要とする地理データが異なることである。例えば、シカゴに居住する乗用車の所有者は、ウイスコンシンあるいはインディアナの地理情報を必要とするであろうが、同じシカゴに居住していても他の乗用車所有者は、さらにカリフォルニアあるいはフロリダについての情報についても必要とするかもしれない。ある乗用車所有者はレストランのリストが欲しいと思うかもしれないが、一方、他の乗用車所有者は映画館あるいは店についてのリストが欲しいと思うかもしれない。従って、地理データセットの情報は単に古くなるだけでなく、どのような地理データセットの組合せを車両ナビゲーションシステムに搭載すべきかが、その車両の所有者によって著しく異なる。車両搭載型ナビゲーションシステムの他の問題は、地理データファイルがかなり多量のデータを含み、これらの多量のデータをアップデートする必要があることである。車両搭載型のナビゲーションシステムのアップデートに関する他の問題は、非常に多数の異なるナビゲーションシステムが市販されており、ナビゲーションデータおよび/あるいはフォーマットがナビゲーションシステムによって異なることがあることである(少なくともあるナビゲーションシステムの間ではデータあるいはフォーマットが異なっている)。
【0008】
【特許文献1】特開平06−088734号公報
【特許文献2】特開平06−266997号公報
【特許文献3】特開平05−274592号公報
【特許文献4】特開平04−195184号公報
【特許文献5】特開平07−160234号公報
【特許文献6】特開平02−304623号公報
【特許文献7】特開平01−033630号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、車両搭載型ナビゲーションシステムに用いられる地理データあるいはナビゲーションアプリケーションプログラムなどのデータをアップデートして配布するための装置が必要とされている。
【0010】
さらに一般的には、市販ソフトウェアを必要に応じてアップデートすることを可能とするシステムが求められている。
【0011】
上記および他の目的を達成するために、本発明は、記憶媒体上に記憶されたデータを配布するための改良された装置を提供するものであり、特に、車両搭載型ナビゲーションシステムに用いられる地理データおよびナビゲーションアプリケーションプログラムなどのデータをアップデートおよび/またはアップグレードするための装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明においては、一地域内に複数のローカルレポジトリを配置する。各ローカルレポジトリは、車両搭載型ナビゲーションシステムに用いるためのナビゲーションデータのアップデートバージョンを保有している。ナビゲーションデータは、地理データファイルおよびナビゲーションアプリケーションプログラムを含むようにできる。車両搭載型ナビゲーションシステムを搭載した車両の所有者は、適宜、ローカルレポジトリを訪れ、その車両搭載型ナビゲーションシステムのためのナビゲーションデータのアップデートバージョンを取得することができる。車両搭載型ナビゲーションシステムの所有者がローカルレポジトリからアップデートされたナビゲーションデータを取得するためには、あらかじめアップデート契約をしておくことが必要である。ローカルレポジトリが保持しているデータ自身もアップデートする必要があるが、その手順についても開示する。本発明の装置は、その他のデータおよび/あるいはソフトウェアのアップデートに用いることも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
I.第1の実施例の概要
図1を参照する。図1には、本発明の一実施例を含む地図が示されている。地域10には、複数の目標地点POI1 〜POIn が存在し、これらの目標地点は複数の道路12、14、16、18、19、20によって結ばれている。乗用車、バン、トラックなどの車両22、24、26が地域10内の複数の道路12、14、16、18、19、20上を走行する。地域10において、複数の人工衛星44、46、48からの出力信号50、52、54を受信することが可能である。この実施例においては、地域10は、例えば、ニューヨークおよびその郊外、シカゴおよびその郊外、ロンアンゼルスおよびその郊外などの大都市圏や、あるいは、フロリダ、ニュートングランド、ロッキー山脈などの州全体や領域を含むようにすることができる。また、上記地域は、米国内の地域であってもよいし、あるいは他の国の地域であってもよい。目標地点は、ホテル、レストラン、博物館、競技場、店、自動車販売店、自動車修理工場などである。図1には、3台の車両しか示されていないが、実際には、数百、数千あるいは数百万台の車両が存在しえる。
【0014】
図2は、車両の一つ22を図示的に示したものである。車両22は、車両搭載型ナビゲーションシステム60を具備している。この車両搭載型ナビゲーションシステム60は、車両22の位置に関する情報を出力する位置把握システム部62を有している。この情報は、経度、緯度、距離、方位などからなる。車両搭載型ナビゲーションシステム60は、少なくとも2つのナビゲーションデータ部、すなわちナビゲーションシステムアプリケーションプログラム66と地理データセット70とを含む。ナビゲーションアプリケーションプログラム66は、車両22の地理的位置に関する情報を位置把握システム62から受け取る。地理データセット70は、地域10に関する詳細な情報を含む1つあるいは複数の大規模データファイルすなわちデータベースからなっている。地理データセットについては当該技術において既知である。地理データセットファイルは、DOSファイルあるいはDOS以外の独自のフォーマットによるファイルとして記録される。地理データセットは、道路の幾何学的属性情報や、目標地点に関する情報などの地理データを含む。道路の幾何学的属性情報は、特定の地域内のあるいはその地域に関連する道路や交差点の位置データ、一方通行道路、道路照明、信号、転回(Uターン)禁止、道路の番地などの情報等を含む。目標地点に関する情報は、空港の位置、レンター業者、サービスセンターなどのデータを含む。また、地理データセットに、その他の種類の目標地点、例えば、レストラン、ホテル、ヘルスクラブなどのデータをさらに加えるようにすることもできる。これらのさらに加えるデータはサードパーティから入手可能である。車両の所有者は、自分の所有するナビゲーションシステムに所望の地域についての所望の情報を付加するようにカスタマイズすることが可能である。上記のように、地理データセットは、車両所有者ごとに非常に異なった情報を含むものである。
【0015】
一実施例においては、ナビゲーションアプリケーションプログラム66は、位置把握システム62からの出力情報を地理データセット70と結びつけて、車両22の運転者にナビゲーションサービス(走行案内)を提供する。位置把握システム62からの情報と地理データセット70とを用いて、ナビゲーションアプリケーションプログラムは地図82を表示部74上に表示することができる。表示部74は車両22の運転者が見ることが可能な車両内の位置に設置される。表示部74に表示される地図72には地図10のどこに車両22がいるかが表示される。ナビゲーションアプリケーションプログラム66は、どの目標地点が利用可能であるかの情報、および、これらの目標地点までの距離や、特定の番地の道路あるいは目標地点などの所望の目的地までの道順(画像情報および/あるいは音声情報として)などの情報を提供する。
【0016】
本実施例においては、車両搭載型ナビゲーションシステム60の位置把握システム62およびナビゲーションアプリケーション部66として、ある会社によって製造組み立てられたものを用い、一方、車両搭載型ナビゲーションシステムの地理データセット部70として、他の会社、例えばカリフォルニア州サニーベールのナビゲーションテクノロジーズ社によって製造されたものを用いることができる。また、車両搭載型ナビゲーションシステム60の全体を組み合わせたものをユニットとして、自動車製造業者、車両所有者、あるいは大量の車両(フリート)の所有者に対して販売することも可能である。車両搭載型ナビゲーションシステムの車両への設置は、自動車製造業者によってオプションあるいは標準付帯装置として新車に設置することも可能であるし、あるいは、製造後において車両に設置することも可能である。(この明細書において、「車両所有者」は車両を所有あるいは借用しているか、あるいは車両の運転を練習している個人または法人組織を意味する。)
【0017】
前記のように、地理データセット70、またさらには、ナビゲーションアプリケーションプログラム66は、アップデート、アップグレード、あるいは交換を適宜行う必要がある。新しい道路が建設されたり、新しい目標地点が建設されたり、あるいは古い目標地点が閉鎖されたり移動したり、信号機が新たに設置されたり、制限速度が変更されたりする。従って、本実施例においては、地理データセット70は、また必要であればナビゲーションアプリケーションプログラム66も交換、アップデート、あるいはアップグレードすることが可能なように設計されている。このような機能を提供するために、本実施例においては、地理データセット70およびナビゲーションアプリケーションプログラム66は記憶媒体76に記憶される。好適な一実施例においては、記憶装置76として交換可能でかつ再書き込み可能なポータブル型の記憶装置が用いられる。本実施例においては、記憶装置76には、PCカード型ハードディスク(以後PCMCIAカードとも称する)が用いられる。
【0018】
通常に用いられているPCカードハードディスクが図3に示されている。PCカードハードディスクは、好適にはPCMCIAタイプIII の標準によるものが用いられる。このようなPCMCIAカードハードディスクは市販品として、例えば、ミニストア、マックスタ、インテグラル、カールナ、サイクエストなどから入手可能である。これらの現在入手可能なPCカードハードディスクは、最大でおよそ100Mバイトのデータを記憶することが可能である。好適な実施例においては、ナビゲーションアプリケーションプログラム66および地理データセット70の両方が記憶装置76に記憶される。このようにアプリケーションプログラムと地理データセットの両方を記憶装置に記憶させることによって、ナビゲーションシステム60の動作速度が向上し、ナビゲーションプログラム66と地理データセット70の両方をアップデートすることが可能となる。ナビゲーションアプリケーションプログラムは、およそ2MBの記憶領域を必要とし、地理データセットは残りの記憶領域、例えば80〜95MBを用いる。他の実施例では、地理データセット70およびナビゲーションアプリケーションプログラム66をそれぞれ独立の記憶装置あるいは他の書き込み可能なあるいは再書き込み可能な媒体、例えば書き込み可能な光ディスク、ハードドライブ、フロッピディスク、固定ハードディスクなどに記憶するようにすることもできるし、あるいは、再書き込みができない媒体、例えば、CD−ROMやまたは将来開発されるであろうその他の記憶媒体に記載させるようにすることも可能である。上記の記憶装置は車両あるいはナビゲーションシステムから取り外し可能であってよいし、あるいは、取り外し不能なものであってもよい。
【0019】
本実施例によれば、ナビゲーションデータセット70および/またはナビゲーションアプリケーションプログラム66などの車両搭載型ナビゲーションシステム60の記憶装置76に記憶されたナビゲーションデータをアップデート、アップグレード、交換、あるいは補修するためのシステムが提供される。再び図1を参照し、複数のローカルレポジトリ82、84、86、88、90が地域10に存在している。これらの各ローカルレポジトリ(以後「キオスク」とも称する)は、記憶装置76に記載されている地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートを行うためのハードウェアとソフトウェアとを具備している。好適な一実施例においては、一つの地域に、数十、数百、あるいは数千の複数のローカルレポジトリが含まれる。図4に示されているように、各ローカルレポジトリ(例えばローカルレポジトリ82)は、記憶装置76を挿入することが可能となされた1つあるいは複数のドライブあるいはスロット92、93を有している。各ドライブ92としては、PCMCIAカードを挿入することが可能な、普通に用いられているドライブあるいはスロットが用いられる。ローカルレポジトリ82は、ドライブ92に挿入されたPCカードハードディスクに対して情報の読み出しあるいは記憶を行うための適当なハードウェアおよびソフトウェアを有している。地理データセット70のアップデート、アップグレード、交換、あるいは修復を可能とするため、記憶装置76は好適には図4に示されたように車両22から取り外し可能なようになされる。(他の実施例において、車両搭載型ナビゲーションシステム60は、データポートなどの適当な接続機能を有し、ケーブルを介してこのデータポートからローカルレポジトリ82が記憶装置76にアクセスし、車両から記憶装置76を取り外すことなく上記目的を達成するようにもできる。)
【0020】
II.ローカルレポジトリの属性と特徴
好適な一実施例においては、ローカルレポジトリは、486DX2/66以上のマイクロプロセッサ、少なくとも200MBの容量を有するハードディスクドライブ、16MBのRAM、VGAモニタ、ケースを施錠するキー、3.5インチ高密度フロッピドライブ、データブックPCMCIAソケット(モデルTMB−240)、また、PCMCIAを5.25インチドライブベイに装着する場合には必要であればさらに特別なレール、PCMCIAコントローラカードを装着するための1つのフリーISAスロット、内蔵CD−ROMドライブを設置するためのフリーISAスロット、モデムを接続するためのフリーシリアルポート、1つのフリーパラレルポート、および14.4Kbpsあるいはそれ以上の速度のモデムとを有するPC互換型コンピュータを備えている。また、ローカルレポジトリは、PC互換型コンピュータを動作させるための適当なオペレーティングシステム、例えばMSウィンドウズ(登録商標)3.1x(およびMS−DOS6.x)あるいはウィンドウズ(登録商標)95をさらに具備していることが必要である。さらに、ローカルレポジトリは、例えば、データブックドライバー3.15(モデルTMB240と一緒に出荷される)などのPCMCIAをドライブするための適当なドライバー、ローカルレポジトリソフトウェア(以下に説明する)、ローカルレポジトリへの不当なアクセスを防ぐための適当なセキュリティソフトウェア、およびリモート管理のためにソフトウェアを具備していることが必要である。ローカルレポジトリは、記憶装置の地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートを実用上十分に短い時間内で、例えば20分以内で、行うのに十分なハードウェアの性能を有していることが必要である。ローカルレポジトリに用いられるコンピュータは、記憶装置に対してアップデートのために専用的に用いるようにすることもできるし、あるいは、アップデート処理以外の他のソフトウェアを含むようにすることもできる。
【0021】
図5を参照し、ローカルレポジトリ82は、車両搭載型ナビゲーションシステムに用いられる地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムを記憶している記憶装置76のアップグレードと保守を行うのに必要なナビゲーションプログラムや地理データセットなどのソフトウェアのコピーを有している。ローカルレポジトリ82は、ドライブ92に挿入された記憶装置76から情報を読み出すことが可能な主プログラム100を有する。例えば、主プログラム100は、記憶装置76から情報を読み出して、記憶装置76に記憶されているナビゲーションアプリケーションプログラム66と地理データセット70の種類を判定するためのルーチンを含む。
【0022】
さらに、記憶装置76には識別データ110を記憶するようにすることもでき、この場合には主プログラム100はこの識別データ110を読み出す手続きを含む。記憶装置76に記憶されている識別データ110には、その記憶装置に記憶されている地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのバージョンに関する情報や、記憶装置に記憶されている地理データセットおよびアプリケーションプログラムのアップデートに関する履歴情報、車両の所有者がアップデートのための妥当な契約を行っているかどうかを示す情報などを含むようにすることができる。また、記憶装置76に記憶される識別データ110を保護するために暗号化技術を用いるようにすることもできる。
【0023】
上記のように、ローカルレポジトリ82のハードドライブには複数の最新のデータセット120が記憶されている。これらの地理データセット120には、車両搭載型ナビゲーションシステム60の記憶装置76に記憶される地理データセット70のアップデートバージョンが含まれる。好適な実施例においては、ローカルレポジトリ82は、異なる種類の地理データセットを有するようにできる。例えば、ローカルレポジトリ82は、基本地理データセットと拡張データセットの両方を有するようにできる。基本地理データセットは、道路、制限速度、交差点、信号灯、特定の目標地点などの情報を含む。拡張地理データセットは、基本データセットが含むすべての情報に加えてさらに、レストラン、博物館、ホテル、ヘルスクラブなどの特定の種類の目標地点に関する詳細な補遺情報を含む。拡張地理データセットに含まれる上記の追加情報は、例えばレストランやホテルの組合組織などのサードパーティから提供される。さらには、ローカルレポジトリは、他の地域の地理データセットを有するようにもできる。例えば、通常はある一つの地域内を走行する車両所有者がその地域外に旅行することを計画したときに、その目的地の地域に関する地理データセットを記憶装置76に記憶したいと望むこともあるであろうし、あるいは、旅行を計画した個人が、その目的地までの途中の地域の地理データセットを記憶装置に記憶させたいと望むこともあろう。
【0024】
さらに、ローカルレポジトリ82は、管理プログラム130を有する。管理プログラム130は、管理技術者が、ローカルレポジトリにアクセスしてローカルレポジトリに記憶されている地理データセットおよびその他の情報を定期的にアップデートするのに用いる。また、ローカルレポジトリ82に、中央施設と通信するための手段(例えば、適当なソフトウェアを備えたモデムなど)をさらに具備させて、中央施設がローカルレポジトリの動作状態を監視することができるようにすることも可能である。
【0025】
上記のように、ナビゲーションプログラムのアップデートあるいはアップグレードも可能である。すなわち、ナビゲーションアプリケーションプログラム122のアップデートバージョンもローカルレポジトリに記憶させておくようにする。アップデートのために記憶装置がローカルレポジトリに挿入されると、主プログラム100は挿入された記憶装置のナビゲーションシステムのためのナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートバージョンを提供可能かどうかを判定する。もし、提供可能であれば、主プログラムは、ナビゲーションアプリケーションプログラムと地理データセットのアップデートバージョンをインストールする。その際、好適には、ローカルレポジトリのオペレータの入力処理を何ら必要とせずに、インストールは自動的に行われる。
【0026】
車両搭載型ナビゲーションシステムの所有者が自分の記憶装置のナビゲーションデータのアップデートを簡便に行えるようにするために、ローカルレポジトリ82、84、86、88、90は、地域10内の自動車販売店、レンタカー代理店、自動車クラブ、大量自動車事業所、旅行サービス店、ガソリンスタンド、自動車修理工場などの多数の場所に配置される。一実施例においては、各ローカルレポジトリは、そのローカルレポジトリが配置されている場所に雇用されているオペレータ(「ローカルオペレータ」)によって操作される。ローカルオペレータは、車両搭載型のナビゲーションシステムを有する車両所有者によって持ち込まれた記憶装置のナビゲーションデータのアップデートを日々行う。(他の実施例においては、車両所有者は、ローカルレポジトリにアクセスしてローカルオペレータの助けを借りずに直接にアップデートを行う。)
【0027】
好適な一実施例においては、ローカルレポジトリは、簡単に使用することができ、ローカルオペレータがすばやく容易に記憶装置のアップデートを行うことができる。ローカルオペレータは適当な訓練を受けており、またマニュアルを所有している。好適には、ローカルレポジトリは、グラフィカルメニューを備えており、そのデフォルトとして、ローカルオペレータが望む選択肢、または車両所有者が以前に選択した選択肢を含むようにできる。複雑な問題が発生した場合には、ローカルオペレータは、地域のあるいは中央施設の援助担当者に電話で援助を求めることができる。本実施例においては、ローカルオペレータは、新しい記憶装置の書き込みや、既存の記憶装置のアップデートなどの限定された作業のみを行うことができ、ローカルオペレータは、通常は、以下に述べるような管理的作業は行わない。
【0028】
ローカルレポジトリは、様々な環境下において設置される可能性があるので、各ローカルレポジトリにセキュリティ機能を内蔵させることが好適である。例えば、ローカルレポジトリは、ユーザが誤ってシステムファイルを変更あるいは消去してしまうのを防ぐ手段を有しているべきである。さらに、ローカルレポジトリは、パスワードや、ケースの施錠、ファイルの暗号化などのセキュリティ機能を有するようにすることも可能であり、これによって、権限のない個人が不当にローカルレポジトリに記憶されているソフトウェアおよび/あるいはデータファイルに対してアクセスすることができないようになされる。
【0029】
車両搭載型ナビゲーションシステムに用いられる記憶装置がCD−ROMなどの再書き込み不能な記憶装置である場合には、ローカルレポジトリに、適当なハードウェアとソフトウェアとを具備させて、必要なすべてのデータを新しい記憶装置に記憶させて、車両所有者の古い記憶装置と交換するようにすることもできる。例えば、車両搭載型ナビゲーションシステムの記憶装置がCD−ROMである場合には、ローカルレポジトリに、車両所有者の古いCD−ROMを読みとり、最新のナビゲーションアプリケーションプログラムおよび/または地理データセットを新しいCD−ROMに書き込むためのドライブを具備させるようにする。新しいCD−ROMの書き込みを行うための装置についてはよく知られている。その他の点に関しては、交換可能媒体に対するアップデート処理は再書き込み可能な媒体に対する処理と同様である。
【0030】
III.動作方法
A.ローカルレポジトリへのアップデータの記憶
多くの車両は主に一つの地域内においてのみ走行するものと考えられる。従って、車両搭載型ナビゲーションシステムの多くは、詳細ナビゲーション情報として、国の一地域のみ、あるいは隣接した地域のみのデータを有している。このようにすることによって多くの利点が得られる。まず第一に、ナビゲーションアプリケーションプログラムの実行において、国の遠方地域の情報を含む巨大なデータファイルを検索する必要がなくなるので、実行速度がより高速となる。さらには、地理データセットを、単一の地域あるいはいくつかの少数の地域のみに限定することによって、車両に搭載された記憶装置の限られたハードディスクの容量を、多数の地域についてあまり詳細ではないデータを記憶させるに用いるかわりに、上記の単一のあるいはいくつかの少数の少ない地域についてのより詳細なデータを記憶させるようにすることが可能となる。
【0031】
車両搭載型ナビゲーションシステムは、それぞれの車両所有者が希望する特定の地域の地理データ情報と、その他の車両所有者が望む補遺情報を有するようにガスタマイズすることが可能である。例えば、ある車両所有者は、ある一地域のみの情報あるいは近隣のいくつかの少数の地域についての情報を望むであろうが、他の車両所有者は、レストラン、ホテルなどの場所に関する情報などの補遺データも欲しいと思うかもしれない。車両搭載型ナビゲーションシステムの地理データセットは、同様に構成される。地理データセットは、単一の地域のみを含むように、すなわち、単一の地域についてのみの目標地点の情報を有するように構成することもできるし、あるいは、車両搭載型ナビゲーションシステムの所有者が希望するいくつかの複数の地域についての情報を有するように構成するようにもできる。また、地理データセットは、拡張地理データセットとして、レストラン、ホテル、スキー場などに関するサードパーティ情報などの補遺的データを含むようにすることもできる。車両所有者の記憶装置に記憶される地理データセットにいくつの地域のデータと補遺データとを含ませることが可能であるかは、その記憶装置の記憶容量によって決まる。
【0032】
いろいろな地域についての各地域ごとの地理データセット、および複数の地域を組み合わせた地理データセット、またさらに拡張データセットをローカルレポジトリにおいて入手することが可能である。また、車両所有者が遠方の地域に旅行をするような場合には、その遠方地域の地理データセットを入手することも可能であるし、また、特定のある地域に定期的に旅行をするのであれば、その地域の地理データセットを入手することも可能である。また、国全体の、あるいはある領域全体の地理データセットについても入手可能であるが、ただし、この場合には、多数の地域についてのナビゲーション情報が含まれる反面において、情報の詳細さが低いものとなる(例えば州レベル情報や主要な高速道路など)。
【0033】
好適な一実施例においては、国のすべての地域の最新の情報が中央地理データセット生成施設に絶えず集められる。図6、7に示されているように、すべての地域について、得られた最新の地理情報は中央施設のマスタファイルに記憶される(図6、ステップ200)。好適には、中央施設は、地理データのファイル構成とカバー領域に関するファイルを有している。国の異なる地域のアップデートが中央施設において定期的に、また好適には循環的に行われ、すべての地理データセットの新しいバージョンが作成される。国のいろいろな地域のアップデートされた地理データセットのコピーがCD−ROMあるいは他の適当な記憶媒体に記憶される(図6、ステップ202)。アップデートされた各地理データセットは、CD−ROMに寄せ集められてフィールドオフィスマスタコピーが作成される(図6、ステップ203)。ナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートあるいはアップグレードも上記と同様にして行われる。そして、地域のアップデートされた地理データセットとナビゲーションアプリケーションプログラムのマスターコピーを含むパッケージが作成される(図6、ステップ204)。このパッケージには、複数の地域についてのアップデートされた地理データセットを含むようにすることもできる。マスターコピーのパッケージは、メール、宅配便、あるいはその他の適当な手段によって区域施設あるいは地域のフィールドオフィスに送られる(図7、ステップ205)。アップデートされた地理データセットファイルおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのパッケージは、当該の地域外の区域施設あるいはフィールドオフィスにも送るようにすることもできる。このようにすると、地域外に旅行する車両所有者に対して便宜を与えることが可能となる。
【0034】
アップデートされた地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのパッケージが、区域施設あるいはフィールドオフィスに届くと、アップデートされた地理データセットファイルおよびアプリケーションプログラムは地域内のローカルレポジトリインストールされる。地域内のローカルレポジトリの全リスト209(図7)に基づいて、管理技術者が各ローカルレポジトリまで出向く(図7、ステップ208)。好適な一実施例においては、地理データセットの上記のアップデートによって影響を受ける地域のすべてのローカルレポジトリのデータが更新される。すでに述べたように、ローカルレポジトリは、自動車販売店、レンタル業者、大量自動車事業者、旅行クラブ、小売り業店などに配置される。管理技術者のローカルレポジトリへの出向は、例えば3ヶ月ごとに定期的に行われ、アップデートされた地理データセットファイルとアプリケーションがリリースされる。
【0035】
管理技術者は、各ローカルレポジトリへ出向くと、アップデートされた地理データセットファイルとナビゲーションアプリケーションプログラムをマスターコピーからローカルレポジトリにロードする(図7、ステップ210)。一実施例においては、アップデートされたデータセットファイルおよびアプリケーションをCD−ROMに記憶し、このCD−ROMをローカルレポジトリのCD−ROMドライブに挿入して上記のロードを行う。あるいは、アップデートされたデータセットファイルのマスターコピーをPCカードに記憶し、管理技術者がこのPCカードをドライブ92に挿入してロードを行う。あるいは、アップデートされた地理データセットファイルおよびアプリケーションの各ローカルレポジトリのロードは、管理技術者が携帯するポータブルコンピュータをローカルレポジトリにケーブルを介して接続することによって行うようにすることも可能である。
【0036】
地理データセットファイルおよびアプリケーションのロードは、管理技術者が各ローカルレポジトリに記憶されている管理プログラム130を呼び出すことによって行われる。管理技術者が管理プログラム130を呼び出してアップデートされた地理データセットおよびアプリケーションプログラムをインストールするステップが図16〜20特に図18〜20に示されている。アップデートされた地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムがすべてのローカルレポジトリにうまくインストールされると、地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムは、車両所有者にこれらを配布できるように構成される。ローカルレポジトリプログラムは、新しい地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムが適切にインストールされたかどうかの完全性をチェックする。上記のチェックが終了すると、ローカルレポジトリは、モデムを介して中央施設214と交信し、アップデートのインストールと構成が正しく終了したことを確認する(図7、ステップ212)。さらに、管理技術者は、アップデートされた地理データセットファイルおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのマスターコピーをフィールドオフィスに返却する(図7、ステップ211)。さらに、ローカルレポジトリは、ローカルコンフィギュレーションファイルを更新し、そのローカルレポジトリの現在の地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムの状態が反映されるようにする。
【0037】
B.車両所有者の記憶媒体のアップデート
車両所有者が、ローカルレポジトリのシステムを用いて車両所有者の地理データセットあるいはナビゲーションプログラムをアップデートするには、車両所有者は、すでに自分の車両に車両搭載型ナビゲーションシステムを搭載しており、そのナビゲーションシステムは再書き込み可能な記憶媒体に記憶されたオリジナルのあるいは以前のバージョンの地理データセットあるいはナビゲーションアプリケーションプログラムを有していることが必要である。好適な一実施例においては、ローカルレポジトリは、異なる会社によって作成されたナビゲーションシステムおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートを行うことが可能になされる。さらに、オリジナルバージョンの地理データセットをローカルレポジトリにおいてバージョンアップを行うためには、車両所有者は地理データセットファイルのアップデートに対する契約すなわちライセンスをすでに取得してある必要がある。好適な一実施例においては、車両所有者は、新しい自動車を購入した際に車両搭載型ナビゲーションシステムを同時に所得した場合、あるいは車両搭載型ナビゲーションシステムを最初に設置した際に、地理データセットのアップデート契約を行うことができる。例えば、契約は、年単位で行うことができる。すなわち、車両所有者は、その年にアップデートされる一つのあるいは複数の地域の地理データおよび/または拡張データセットのすべてを入手することができる。また、1年以外の期間を定めて契約を行うことも可能であるし、また、ある特定の数のアップデートに対する契約も可能である。
【0038】
図2、4、8を参照する。車両所有者が、自分の地理データセットあるいはナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートを行うには、ローカルレポジトリのいずれかの設置場所まで自分の車両を運転して出向く。ナビゲーションシステム60の助けを借りて車両所有者がローカルレポジトリの場所を容易に発見することができるように、車両所有者が現在所有している地理データセット70の目標地点(POI)にローカルレポジトリの場所が含まれるようにすることができる。車両所有者が、ローカルレポジトリの設置場所まで来ると、ローカルオペレータが車両から記憶装置76を取り外して、ローカルレポジトリのドライブ92に挿入する(図8、ステップ230)。(すでに述べたように、オペレータは、例えば、そのローカルレポジトリが設置されている店の所有者あるいは従業員である。あるいは、車両所有者が自分で記憶装置76を車両から取り外してローカルレポジトリのドライブに挿入する。あるいは、記憶装置76を車両から取り外すことなく、ケーブルを介して記憶装置76をローカルレポジトリに接続するようにすることも可能である。)図9のステップ301において、図21に示されているように、PCカードをドライブ92に挿入するようにとの指示をローカルレポジトリの表示装置に表示するようにすることもできる。
【0039】
記憶装置76がローカルレポジトリに挿入されると、主プログラム100の実行が開始される。(一実施例においては、プログラムループが、連続的にスロット92に記憶装置が挿入されているかどうかをチェックし、もし記憶装置が挿入されると直ちに主プログラムの実行が自動的に開始されるようになされる。)好適な一実施例においては、PCカードがコンピュータのスロットに挿入されると、割り込みが発生し、この割り込みがコンピュータのオペレーティングシステムによって検出される。上記の割り込みが発生すると、オペレーティングシステムは自動的にPCカードの情報を読み取り、ドライブの媒体の種類を判別する。主プログラム100は、3つの主手続きすなわちルーチンを含む。すなわち、確認手続き(図8、ステップ231)、コピー手続き(図8、ステップ233)、ログ手続き(図8、ステップ235)の3つの手続きである。これらの手続きにおいて、主プログラム100は、もし必要であれば、ローカルオペレータが記憶装置76の地理データセット70およびナビゲーションアプリケーションプログラム66のアップデートを行うために必要な入力を行うように指示する。記憶装置76のデータのアップデートを行うために、主プログラム100が実行するステップの詳細を、図9〜15のフローチャートに示す。主プログラム100は、関連するいくつかの複数のプログラム、ファイル、およびソフトウェアツールを含む。この主プログラムは、C++あるいはBASICなどの任意の適当なプログラミング言語を用いて書くことができる。
【0040】
確認手続き231は、いくつかの複数の部分からなっている。確認手続きは、ローカルレポジトリを取り扱っているローカルオペレータが取り扱うことの許可が与えられている正当なオペレータであるかどうか、記憶装置がアップデートを受けるために契約をすでに行っている正当なものであるかどうか、記憶装置に故障がないかどうかについて判定するためのいくつかのルーチンを含んでいる。簡単に述べれば、記憶装置がローカルレポジトリのドライブ92に挿入されると、ローカルレポジトリの主プログラム100は記憶装置がドライブに挿入されたことを検出する(図9、ステップ302)。料金精算の目的のために、確認手続き231は、ローカルオペレータに対して、アップデート処理を続ける前に、IDを入力するように要求する(図9、ステップ303)。(ローカルオペレータが入力したIDは、図16を用いて以下に説明するように正当なオペレータのIDのリストと照合される。
【0041】
ローカルオペレータが正しいIDを入力すると、確認手続きは、カートリッジIDおよびユーザ情報のチェックを行う。このために必要な情報を、ローカルレポジトリは、記憶装置から読み取る。さらに具体的には、ローカルレポジトリは、PCカードから識別データ110を読み取る。識別データ110のすべてのフィールドが記憶装置にすでに記憶されている場合には、ローカルレポジトリは表示装置にこれらを表示してオペレータに知らせる(図12、ステップ313)。識別データ110には、ナビゲーションシステムコード、地理データセットファイルの名前、地理データセットファイルのバージョン、ナビゲーションシステムアプリケーションプログラムのバージョン、契約の種類、契約の開始日および終了日、保証開始日および終了日、カートリッジID番号などが含まれる。次に、ローカルオペレータは識別データのチェックを行う。もし、必要な識別データ110が見当たらない場合には、ローカルオペレータは車両所有者あるいは中央施設から必要な識別データを入手して、上記確認手続きを完了させる。もし、顧客IDなどの情報が記憶装置から欠落している場合には、ローカルオペレータは、中央施設の顧客サービス担当部門に電話し、この車両所有者が地理データセットファイルのアップデートの契約をしているかどうかを確認する。中央施設は、ローカルオペレータが必要とするすべての情報を提供することができる。確認処理の続行を指示するプロンプトが表示されると、ローカルオペレータは情報をローカルレポジトリに入力する。ローカルオペレータによってフィールドに情報が入力されると、これらの情報は記憶装置に保存される。
【0042】
確認手続きは、ローカルオペレータが、すべての必要なフィールドに情報が正しく入力されており、さらに、媒体が正しい契約を行ったものであることの確認を行った後に次のステップに進む。識別データ110は、PCカード記憶装置の再書き込み可能なハードディスク部に記憶するようにもできるし、あるいは、PCカードハードディスクとは独立の再書き込み可能なEPROMメモリに記憶するようにもできる。この再書き込み可能なEPROMは、PCカードが、PCMIA装置に関する製造業者名やパーツ番号などの情報を記憶したり、あるいは、プラグ・アンド・プレイ情報やシリアル番号などのその他の情報を記憶するのに用いられる。
【0043】
次に、確認手続きは、記憶装置から読み出されたユーザ情報に基づき、その車両所有者が契約プランによってカバーされているかどうかを判別する。必要があれば、ユーザは、契約を更新あるいはアップグレードすることができる(図12、ステップ315)。もしも、車両所有者の契約プランが期限切れである場合には、車両所有者はローカルオペレータを介して新たな契約を行うことができる。
【0044】
確認手続きの際に、主プログラム100はアップデート手続きに進む。好適には、デフォルトとして、最初に現在インストールされている地理データセットのチェックを行う。ローカルレポジトリは、異なる複数の車両搭載型ナビゲーションシステムをアップデートするのに用いられるので、主プログラムは、車両所有者の記憶装置のナビゲーションシステムの種類を自動的に検出し、そのナビゲーションシステムが用いることが可能な適切な選択を表示装置の画面に示す。アップデート処理を開始する前に、ローカルレポジトリは、記憶装置に記憶されているソフトウェアのバージョンが、ローカルレポジトリのバージョンと異なったものであることを確認する。図13のステップ331において、ローカルレポジトリプログラムは、記憶装置にすでに記憶されている地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムをローカルレポジトリに記憶されているバージョンと比較し、これらが同じであるかどうかを判定する。もしも、記憶装置に記憶されている地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムがローカルレポジトリの最も新しいバージョンと同一である場合には、ローカルレポジトリプログラムは、その記憶装置のアップグレードが必要なく、そのままローカルレポジトリから取り出して車両に戻してよいことを表示してオペレータに知らせる(図13、ステップ333)。一方、地理データセットあるいはアプリケーションのバージョンが異なる場合には、ローカルレポジトリはその車両所有者のアップデートが可能であることを表示する(図22)。また、ローカルレポジトリプログラムは、アップデートを行うのに必要な時間を表示するようにもできる。
【0045】
車両所有者は、契約内容に応じて、記憶装置にコピーすべきデータセットに、別の地域のデータあるいは補遺データをさらに加えることができる。なお、契約内容は、アップデートを行うときに拡張することも可能である。ローカルレポジトリは、そのローカルレポジトリにおいて提供可能な区域あるいは地域のリストを表示し、また、追加目標地点およびサードパーティ情報の補遺データのリストを表示する(図12、ステップ216および図23)。ローカルレポジトリプログラムは、契約内容の範囲内において記憶装置にコピーすべき追加区域および補遺データを選択するように指示する。車両所有者は、所望の地域と補遺データを選択し、選択した内容が正しいかどうかを確認する。
【0046】
車両所有者が選択した地域の地理データセットとナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートデータがローカルレポジトリから記憶装置にコピーされる。好適な一実施例においては、記憶装置に記憶されていた古いバージョンの地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのデータに、新しいバージョンのデータが上書きされる。最初に、選択された地域の地理データセットのアップデートデータが記憶装置にコピーされる(図14、ステップ351)。上記のコピー処理中において、ローカルレポジトリは、記憶装置が正しく作動しており、また地理データが正しくコピーされているかどうかの確認を行う。地理データが正しくコピーされると、ローカルレポジトリは、ナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートデータの記憶装置へのコピー処理を開始し(図15、ステップ355)、プログラムが正しくコピーされたかどうかを確認する(図15、ステップ357)。地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデート処理のすべてを終了するには、書き込もうとしているソフトウェアの量および記憶装置の容量にも依存するが、およそ20分が必要である。ローカルレポジトリは、アップデートが何パーセントまで終了したかを、ステータスバーとメッセージとで表示するようにすることができる。アップデートを行った日、ローカルレポジトリの所在地、データセットの地域、アップデートを行った地理データおよびアプリケーションプログラムのバージョン、不良カートリッジの交換(もし行った場合)、契約内容の拡張などのアップデート処理に関する情報を識別データ110として記憶装置に記憶する。その際、これらの情報は、好適には、記憶装置のEPROMに記憶される。アップデート処理において、何らかの問題が発生した場合には、ローカルオペレータは、以下に述べる手順に従って、問題の媒体を処理するか、あるいはローカルレポジトリの所在地の援助担当者と相談するか、または電話で遠方の援助担当者と相談する。
【0047】
記憶装置に対する地理データセットおよびナビゲーションシステムアプリケーションプログラムの新しいバージョンへのアップデート処理がうまく終了した場合には、ローカルレポジトリプログラムは、記憶装置を取り外して車両に戻すべき旨の指示を表示してオペレータに知らせる(図15、ステップ370)。オペレータあるいは車両所有者は、記憶装置をローカルレポジトリのドライブ92から取り外して、車両のナビゲーションシステムに取り付ける(図8、ステップ237および図15、ステップ371)。このとき、オペレータは、ナビゲーションユニットおよび/または記憶装置にラベルを貼り、ナビゲーションシステムの最後のアップデートがいつ行われたかがわかるようにすることができる。オペレータは、車両所有者に対してアップデートデータがどのような新しい特徴を有しているかを記述した印刷物を提供するようにしてもよい。
【0048】
各記憶装置に対するアップデート処理が終了すると、ローカルレポジトリプログラムは、情報をローカルレポジトリのハードディスクに履歴ファイルとして記憶し、すべてのアップデート処理のログ情報を記録する(図8、ステップ235)。履歴ファイルに書き込まれる情報としては、アップデートの日時、顧客ID、カートリッジID、地理データセットファイルの名前、新旧の地理データセットファイルのバージョン番号、新旧のナビゲーションアプリケーションプログラムのバージョン番号、ナビゲーションシステムの種類、車両所有者情報、契約情報、ステータスメッセージなどが含まれる。
【0049】
上記の実施例は、いくつかの際だった特徴を有している。例えば、地理データセットのアップデートを個々の車両所有者の具体的な要求に合わせることが可能である。車両所有者によって、地理データセットの区域が異なるし、また、補遺データも異なる。ローカルレポジトリは、車両所有者が自分の車両に選択した特定の地理データと拡張データに対して自動的にアップデートを行う。さらに、本実施例によれば、車両所有者は、単にアップデートを行うだけでなく、ナビゲーションシステムに含まれる区域を変更することも可能である。また、本実施例によれば、車両所有者は、自分のナビゲーションシステムをカスタマイズすることが可能であり、また、補遺情報が入手可能となったときには自分のナビゲーションシステムに補遺情報を追加してアップグレードすることもできる。
【0050】
他の特徴は、ローカルレポジトリが、車両所有者の記憶装置のアップデートを行う前に、顧客の契約記録をチェックして、その車両所有者がソフトウェアのアップデートを行う契約を行っているかどうかを確認することができることである。
【0051】
上記システムの他の特徴は、データの記憶を行うPCMCIAカードの再利用が可能なことである。現在のところ、これらのカードは比較的高価である(単価はおよそ250ドルである)。さらに、もしPCMCIAカードが使用不可能となった場合には、ローカルレポジトリにおいて交換することができる(後にさらに詳細に説明する)。
【0052】
さらに他の特徴として、もし必要であれば、ローカルレポジトリが、ナビゲーションシステムアプリケーションプログラムのアップデートあるいはアップグレードを行うことが可能である。
【0053】
C.大量車両事業における地理データセットのアップデート
上記の車両搭載型ナビゲーションシステムの地理データセットのアップデート方法、あるいはこれに必要な変更を加えた類似のシステムを、車両搭載型ナビゲーションシステムを有する車両を大量に所有する大量車両事業者が用いることも可能である。大量車両事業者としては、自動車レンタル業者、トラック運送業者、タクシー業者などがある。
【0054】
大量車両事業者は、自分自身のローカルレポジトリを大量車両事業所の駐車場あるいはサービス施設に配置するようにできる。大量車両事業者は、個々の車両に対して個々に契約を行う代わりに、すべての車両に対するアップデートのライセンスを一括して取得することができる。従って、ローカルレポジトリのプログラムは、ローカルオペレータが車両所有者情報あるいは契約情報の入力を行う必要がない。大量車両ローカルレポジトリプログラムは、記憶装置が挿入されると、その記憶装置が大量車両として登録されたものであれば、直ちに地理データセットファイルのアップデートを自動的に行う。通常の状況では、大量車両事業所のローカルオペレータが行わねばならない唯一のことは、単に記憶装置をローカルレポジトリに挿入し、取り出すことだけである。
【0055】
大量車両事業所のローカルレポジトリは、アップデートの実施日を示すラベルを車両搭載型ナビゲーションシステムの容易に見える箇所に貼り、どの車両がアップデートをすべきであるかを容易に判別できるようにすることができる。
【0056】
レンタカーなどの大量車両は、その自動車が借り出された場所とは異なる別の場所に返却されることがある。そのとき、その返却場所が、車両にインストールされている地理データセットがカバーする地域以外の地域である可能性がある。レンタル事業所の大量車両に対するアップデート処理において、大量車両事業ローカルレポジトリの主プログラムは、ローカルオペレータに対して、記憶装置が記憶している地理データセットファイルが、異なる地域のものであることを知らせ、ローカルオペレータがさらに処理を続け、その車両の現在の地域のデータセットを変更してしまってよいのかどうかの確認の入力を要求するプロントを表示する。
【0057】
図24〜31は、大量車両事業におけるローカルレポジトリプログラムによって実行されるステップを詳細に示すフローチャートである。図24〜29は、ローカルレポジトリプログラムのうちの、通常ローカルオペレータが記憶装置をアップデートするのに用いる部分であり、図30および31は、大量車両事業のレポジトリプログラムの管理機能部分を示したものである。
【0058】
図24に示されているように、大量車両事業の場合においても、大量車両事業ではない場合と同様にして、ローカルレポジトリプログラムは開始される。大量車両事業のローカルレポジトリの画面に、「カートリッジを挿入して下さい」とのメッセージが表示され(図24、ステップ400)、ローカルオペレータがカートリッジを挿入するのを待つ(図24、ステップ401)。ローカルレポジトリは、カートリッジがレポジトリのスロットに挿入されたことを検出すると、ローカルオペレータにローカルオペレータのIDを入力するように指示する(図24、ステップ402)。オペレータIDが正しく入力されると、レポジトリプログラムは、カートリッジ情報を読み取る(図24、ステップ404)。ローカルレポジトリがカートリッジ情報の読み取りに成功すると(図24、ステップ405)、プログラムは「デフォルト区域」が設定されているかどうかを調べ(図26、ステップ406)、もし設定されている場合には、「自動アップデート」が可能であるかどうかを判定する(図26、ステップ407)。「デフォルト区域」および「自動アップデート」が設定されている場合には、いくつかの選択画面が省略されて、カートリッジのアップデートが行われる。
【0059】
「デフォルト区域」が設定がなされていない場合には、ローカルレポジトリプログラムは、2つ以上の複数の区域がインストールされているかどうかを判別する(図26、ステップ408)。複数の区域がインストールされている場合には、オペレータに区域の選択をするように要求するプロントを表示する(図26、ステップ410)。さらに、プログラムは、オペレータが選択した内容が正しいかどうかを確認するプロントを画面に表示する(図26、ステップ412)。確認が終了すると、プログラムは、パート番号とバージョンの比較を行う(図27、ステップ414)。もし、バージョンが同じであれば、オペレータにバージョンが同じであることを知らせる(図27、ステップ415)。ただし、アップデートが必要ではない場合であっても、アップデート処理を実行することは可能である(図27、ステップ416)。
【0060】
カートリッジのデータのバージョンが、レポジトリのバージョンよりも古い場合には、プログラムはカートリッジが新しいバージョンを記憶するのに十分なだけの容量をもっているかどうかをチェックする(図27、ステップ418)。もし、カートリッジが十分な容量をもっていない場合には、レポジトリプログラムはオペレータに対して、カートリッジに記憶すべき区域を改めて選択し直すように指示する(図26、ステップ412)。逆に、カートリッジが選択された区域を記憶するのに十分な容量を有している場合には、レポジトリプログラムは、地理データセットのアップデートデータのコピー処理を開始し(図28、ステップ422)、次いで、もし可能な場合には、カートリッジのナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートを行う(図29、ステップ426)。地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのコピーが正しく行われたどうかが確認される(図28、ステップ428、図29、ステップ430)。データセットあるいはナビゲーションアプリケーションプログラムのいずれかのコピーがうまく行われなかった場合には、プログラムは再コピーを試みる(図28、ステップ432、図29、ステップ434)。データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートデータのコピーが終了すると、カートリッジを取り出すように指示するメッセージがオペレータに出される(図29、ステップ436および438)。
【0061】
大量車両事業ローカルレポジトリプログラムは、関連するいくつかのプログラム、ファイル、および/またはツールからなる。この大量車両事業ローカルレポジトリプログラムは、VISUALBASIC あるいはC++などの任意の適当なプログラミング言語を用いて書くことができる。
【0062】
他の実施例における、大量車両事業ローカルレポジトリプログラムのプログラムのオペレータ部分が図32に示されている。図32に示されている実施例のプログラムは、図24〜29のプログラム部分と同様に機能する。
【0063】
D.ローカルレポジトリシステムのその他の動作
上記のように、ローカルレポジトリシステムは、地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデータデータを車両搭載型ナビゲーションシステムを所持している車両所有者に対して効率的に配布することができるようになされている。また、好適な一実施例においては、車両所有者は、任意のローカルレポジトリでナビゲーションシステムのアップグレードを行うことの契約あるいはライセンスを購入取得することができる。ローカルレポジトリシステムは、他の目的にも用いることも可能である。このように他の目的を加えることによって、ローカルレポジトリシステムがよりよく利用されるようにすることができる。
【0064】
1.初期配布
ローカルレポジトリシステムの目下の主要な目的は、既存の再書き込み可能媒体のアップデートを行うことであるが、ローカルレポジトリは、再書き込み可能媒体への地理データセットファイルおよびナビゲーションアプリケーションプログラムの初期書き込みを行うのに用いるようにすることも可能である。すでに述べたように、図1の各ローカルレポジトリ82、84、86、88、90は、少なくともその地域の最新の地理データセットファイルのコピーを有し、さらに、車両搭載型ナビゲーションシステム用の少なくとも1つのナビゲーションアプリケーションプログラムを有するようにできる。ディーラ、アフターマーケットサプライヤー、メールオーダ、あるいはその他の手段によって、新しい自動車を購入し、車両搭載型ナビゲーションシステムを初めて入手したときに、車両所有者に、このナビゲーションシステムに用いるための何もまだ記憶されていないブランクの記憶装置を渡すようにする。あるいは、車両所有者が、ローカルレポジトリ所在地で何も記憶されていないブランクの記憶装置を入手するようにしてもよい。いずれにしても、車両購入者は、ローカルレポジトリ所在地まで出向き、ローカルオペレータに地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムをブランクの記憶装置に初期書き込みを行うように依頼する。
【0065】
ローカルオペレータはブランクの記憶装置をローカルレポジトリのドライブに挿入する。上記の実施例によるアップデートの場合と同様に、地理データセットあるいはナビゲーションアプリケーションプログラムを新しい媒体に記憶させる前に、ローカルレポジトリプログラムは確認手続きを実行する。ローカルレポジトリプログラムは、ローカルオペレータに妥当なオペレータIDを入力するように要求する。正しいオペレータIDが入力されると、ローカルレポジトリプログラムは、記憶装置から情報の読み取りを行うことを試みる。記憶装置が新しいものである場合であっても、ローカルレポジトリプログラム100は、ブランクの記憶装置から何らかの情報、例えばカートリッジIDおよび/またはシリアル番号などを読み取ることが可能である。しかし、記憶装置はその他の情報は何も含んでいない空の状態にあるので、ローカルレポジトリプログラムは、その記憶装置が新しい記憶装置であると判定し(図11、ステップ361)、新規契約による車両所有者登録を行うために必要な情報を入力するように求める。車両所有者は、もし、ナビゲーションシステムを購入した際に、まだアップデート予約契約を行っていないのであれば、ローカルオペレータとアップデート契約を行い、その際に所望の適当な選択を行うことができる。新規のアップデート予約契約を行うにあたって、ローカルレポジトリは、ナビゲーションシステムの種類、保証開始日、アップデート予約契約期間、車両所有者の名前、住所、電話番号などの情報を入力するように求める。これらの情報は、アップデート予約契約の実施状況を監視するのに用いられる。上記のアップデートの実施例におけるのと同様に、ローカルオペレータが必要な情報の項目を入力することができるように、入力画面が現れる。情報のあるフィールドは必須項目であるが、あるフィールドはオプション項目である。地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムをナビゲーションシステムの記憶装置にコピーするには、オペレータは、少なくとも必須項目について情報を入力することが必要である。これらのデータが適切に入力されて、記憶装置に書き込まれないと、ローカルレポジトリプログラムは、地理データセットあるいはナビゲーションアプリケーションプログラムのコピーを行わない。
【0066】
インストールにおいて、ローカルオペレータあるいは車両所有者は、いくつかの複数の地域の地理データセットおよび/または補遺データを選択することができる。もし、車両所有者が、そのローカルレポジトリが記憶していない地域のデータを必要とする場合には、車両所有者は、他のソースから地理データセットを入手する必要がある。顧客サービス担当者は、その車両所有者の所在地域のローカルレポジトリのリストを参照し、車両所有者が所望する地域のデータがどこで入手可能であるか(例えば旅行サービスオフィスなど)を車両所有者に教える。
【0067】
車両所有者が選択した地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムを供給可能である場合には、これらのデータが記憶装置にロードされる。ローカルレポジトリは、ナビゲーションプログラムおよび地理データファイルが記憶装置に正しくロードされたかどうかを確認する。この確認は、ファイルの名前とバージョンのチェックを行うこと、およびチェックサムを求めることによって行われる。このようにして、記憶装置が使用可能な状態となり、ローカルオペレータは車両所有者のナビゲーションシステムにこの記憶装置を取り付ける。もし、何らかの問題が発生した場合には、車両所有者あるいはローカルオペレータは、中央施設の援助担当者の援助を求めることができる。
【0068】
2.欠陥媒体処理手順
好適な一実施例においては、ローカルレポジトリの主プログラム100は、記憶装置の欠陥およびオペレータの誤操作の処理を行うためのエラー処理手続きを含む。捕捉すべきエラーとしては、記憶装置の故障、アップデート処理途中の記憶装置の排出、地理データセットファイルまたはナビゲーションアプリケーションプログラムの確認の失敗、およびその他の実行時エラーが含まれる。このようなエラーが発生した場合には、オペレータがどのような処理をすべきなのかを示すメッセージが表示される。ローカルレポジトリは、エラーメッセージ中にエラーコードを含ませ、顧客サービス担当者がこのエラーコードを用いてエラーのデバッブを行いオペレータを援助することが可能なようにすることもできる。
【0069】
PCMCIAカードなどの記憶装置に欠陥がある場合には、ローカルオペレータは在庫の新しい記憶装置と交換するようにする。記憶装置の欠陥が検出されたときにローカルレポジトリがどのような処理をするかは、検出されたエラーの程度に応じて異なる。
【0070】
例えば、ローカルレポジトリが記憶装置の識別データ110を読み取ることが可能であるにもかかわらず、地理データセットファイルあるいはナビゲーションアプリケーションプログラムを記憶装置にコピーすることができないことが起こり得る。このような欠陥は、例えば、記憶装置が不良セクターを含む場合に起こり得る。好適な一実施例においては、カートリッジIDが記憶装置の再書き込み可能なEPROMを記憶しておく。このようにすれば、IDはPCMCIAカードのハードディスク部ではなく、PCMCIA記憶装置の不揮発性メモリに記憶されているので、ハードディスク部が故障した場合においてもIDは依然として読み取ることが可能である。この書き込み可能EPROMメモリは、保証終了期日、アップデート予約契約の種類および終了期日、ナビゲーションシステムの種類、その他の識別情報110を記憶するのにも用いることができる。ロードレポジトリプログラムが、EPROMから識別データを読み取ることが可能であったにもかかわらず、記憶装置のハードディスク部の読み取りあるいは書き込みに問題が発生した場合には、ローカルレポジトリプログラム100は、記憶装置に欠陥があることを示すメッセージを表示し、オペレータに新しい記憶装置と交換するかどうかを尋ねる。オペレータが交換すべき旨の応答をすると、ローカルレポジトリは「カートリッジ交換モード」に設定される。ローカルレポジトリプログラムは、故障している記憶装置の識別情報をメモリに記憶する。次いで、ローカルレポジトリプログラムは、オペレータに故障している記憶装置を取り出し(図15、ステップ371)、新しい記憶装置を挿入するように指示する。
【0071】
新しい記憶装置が挿入されると、ローカルレポジトリは、記憶装置の識別情報の読み取りを試みる。しかし、記憶装置が新しいものであるので、記憶装置には識別情報が存在しない。このとき、ローカルレポジトリは「カートリッジ交換モード」となっているので(図10、ステップ375)、古い記憶装置から読み取りメモリに記憶しておいた識別情報を新しい記憶装置にコピーする。次いで、通常の場合と同様にしてアップデートが行われ、ローカルレポジトリはカートリッジ交換モードから抜ける。
【0072】
ローカルレポジトリプログラムがカートリッジ交換モードになっているときに、ローカルレポジトリに挿入された交換記憶装置から情報が検出された場合には、ローカルレポジトリはオペレータが挿入した記憶装置が新しい記憶装置ではなかったと判断し、記憶装置が新しいものではないので、不良記憶装置の代替の記憶装置として用いることができない旨をメッセージで表示し、オペレータに知らせる(図10、ステップ379)。オペレータは、アップデートを継続するか、あるいは取り消すかを選択する。オペレータが継続を選択した場合には、ローカルレポジトリは、カートリッジ交換モードから抜け出し、挿入されたPCカードにすでに記憶されている情報を保存し、通常と同様にしてアップデート処理を行う(図10、ステップ381)。
【0073】
車両所有者がアップデートのために持ち込んだ記憶装置に欠陥があるために識別データが読み出せない場合には、ローカルレポジトリはオペレータに故障している記憶装置を新しい記憶装置と交換するように指示する。オペレータが新しい記憶装置をドライブに挿入すると、ローカルレポジトリは挿入された記憶装置から情報を読み取ろうとする。この場合、記憶装置は新しいものであるので、顧客情報が何も記憶されていない。ローカルレポジトリは、新しい記憶装置に対しては以下のように処理する。すなわち、ローカルオペレータが必要な情報を車両所有者から入手し、この情報をシステムに入力する。カートリッジIDは、記憶装置のラベルに印刷されているシリアル番号と同一とすることができる。新旧の記憶装置のIDを履歴ログに記録し、どの不良記憶装置をどの新しい記憶装置と交換したのかを記録しておき、保証処理の管理が行えるようにする。オペレータは、顧客サービス担当者に電話し、顧客IDおよびアップデート予約契約情報を入手し、これらの情報をローカルレポジトリに入力し、さらに、これらの情報を新しい記憶装置に再書き込みする。次いで、ローカルレポジトリは、選択された地理データセットファイルおよびその他の適当なソフトウェアを記憶装置にコピーする。
【0074】
同様の不良媒体処理手続きのための実施例が、図25のフローチャートに示されている。
【0075】
3.デモンストレーションモード
ローカルレポジトリシステムは、デモンストレーション用の記憶装置を作成するのに用いることも可能である。記憶装置デモンストレーションモードでは、顧客はナビゲーションシステムを購入する前にそのナビゲーションシステムがどのようなものであるのかを、同一の種類のデモンストレーション用記憶装置をローカルレポジトリに挿入し、デモンストレーションを見ることによって知ることができる。このような目的のために、特別なデモンストレーションライセンスが提供される。ナビゲーションシステムデモンストレーションに用いられる記憶装置が、アップデート用ローカルレポジトリに挿入されると、そのローカルレポジトリの主プログラムは、挿入された記憶装置がナビゲーションシステムデモンストレーション用のものであることを検知し、これに応じた適切なアップデートを行う。
【0076】
デモモード記憶装置は、ナビゲーションシステムを販売している自動車販売店などに設置されたローカルレポジトリで作成することが可能である。既存の記憶装置のアップデートを行うためのローカルレポジトリプログラムを用いて、デモンストレーション記憶装置を作成することも可能である(図11、ステップ391および393)。デモモード記憶装置は、まだユーザに売却されたわけではないので、車両所有者を表す識別データを有していない。
【0077】
もし、デモ記憶装置が自動車とともに売却された場合には、ディーラはその記憶装置を変換することができる。ローカルレポジトリプログラムは、デモ記憶装置をアップデート予約契約が付される記憶装置として用いられるように変換することができる(図11、ステップ394)。新しいアップデート予約契約におけるのと同様にして、車両所有者を識別するための情報を車両所有者から入手する(図12、ステップ313)。
【0078】
4.ローカルレポジトリにおける管理機能
上記のように、ローカルレポジトリは、管理プログラム130を含んでいる。管理プログラム130は、ローカルレポジトリを維持するために用いられるいくつかの特徴を有している。ローカルレポジトリプログラムの管理機能部分の実施例が、図16−20および図30、31にフローチャートとして示されている。管理機能プログラム130は、管理技術者がアクセスすることが可能であるが、通常はローカルオペレータはアクセスすることができない。管理機能プログラムにアクセスするにはパスワードの入力が必要である。
【0079】
管理プログラムによって実行される機能の1つは、地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートデータを上記のようにローカルレポジトリにインストールすることである。管理プログラムによって実行される他の機能は、履歴ログの中央施設への送信である(図8、ステップ239、図17ステップ705)。履歴ログは、車両所有者の名前と住所、媒体のアップデート日時、コピーされた地域、アップデート予約契約の内容などの、ローカルレポジトリにおける処理記録を含む。各ローカルレポジトリは、そのローカルレポジトリの場所と種類を表す唯一固有のレポジトリIDを有している。定期的にあるいは必要に応じて、各ローカルレポジトリは、利用状態情報および顧客情報を中央施設に送信する。電話回線あるいはモデムが利用できない場合には、管理技術が、これらの情報を各所在地において検索する。
【0080】
IV.その他の実施例
A.ローカルレポジトリへの電子的配布
図33、34に示した実施例においては、地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートデータがある地域の複数のローカルレポジトリに中央あるいは区域の施設から電子的にインストールされる。この電子的インストールは、地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションのアップデートデータを各ローカルレポジトリにアップロードすることによって行われる。上記のように、各ローカルレポジトリは、通信リンクによって中央あるいは区域の施設と結ばれている。この通信リンクはモデムあるいはWANによって達成される。この実施例においては、ある地域の地理データセット507のアップデートデータおよびナビゲーションプログラム509のアップデートデータが、中央あるいは区域の施設から送信される。これらのデータの送信は定期的にあるいは必要に応じて行われる。データの送信にあたっては、まず、どのローカルレポジトリが新しい地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのコピーを必要としているかが判定される(図33、ステップ510)。次に、地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートデータのブロックが準備される(図33、ステップ511)。次いで、中央施設がそこに宛てて送信すべきであると判断したすべてのローカルレポジトリに宛てて、アップデートデータが送信される(図33、ステップ512)。アップデートデータの送信は圧縮データの形で行われる。各ローカルレポジトリは、アップデートデータを受信すると、ローカルレポジトリのプログラムが圧縮データの伸張(解凍)を行い、古いバージョンの地理データセットファイルおよびナビゲーションアプリケーションプログラムを最新のバージョンに置き換える(図34、ステップ513)。アップデート処理は、好適には、ローカルレポジトリにおいてバックグラウンドにおいて実行され、通常のローカルレポジトリの車両所有者へのアップデートサービスが中断されないようになされる。
【0081】
ローカルレポジトリの管理機能プログラムは、地理データセットファイルおよびナビゲーションアプリケーションプログラムの亜アップデートデータが正しく受信されたことを確認する(図34、ステップ515)。アップデートが正しく行われたことが確認された旨が、中央施設に送信される(図34、ステップ518)。このようにして、アップデートされた地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのデータが準備され、希望する車両所有者に対して地理データセットファイルおよび/またはナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートを行うことができる状態となる。なお、正しくアップデートされたことが確認されるまでは、古い地理データセットファイルおよびナビゲーションプログラムはローカルレポジトリに、車両所有者に提供可能な状態で、保持される。
【0082】
B.車両所有者への電子的配布
さらに他の実施例によれば、地理データセットおよびナビゲーションアプリケーションプログラムのアップデートデータが、車両搭載型ナビゲーションシステムを備えた車両の所有者に対して直接に送信され、オンラインによる配布がなされる。図35〜37に示されているように、車両所有者は、自分の地理データセットに対するアップデートデータを自分のパーソナルコンピュータを介して受け取ることができる。地理データセットのアップデート予約契約者は、すべての必要な処理ルーチン(例えば通信、確認ルーチンなど)を含むパーソナルアップデートプログラムを受け取る。このパーソナルアップデートプログラムは、車両所有者のパーソナルコンピュータのハードウェア構成が最小標準を満たすかどうかの確認も行う。例えば、パーソナルコンピュータは、車両搭載型ナビゲーションシステムの記憶装置と互換性のあるドライブあるいはスロットを有していることが必要である。もし、ハードウェアに不足部分が検出された場合には、ユーザに対して何がさらに必要かが知らされる。
【0083】
パーソナルアップデートプログラムを用いて、車両所有者は、自分のパーソナルコンピュータから中央配布施設あるいはサービスプロバイダーを電話回線を介して呼び出す(図35、ステップ611)。中央施設のサーバのオンライン配布プログラムは、車両所有者からの接続要求を受け取り、これを容認すると、接続を行う。オンライン配布プログラムは、車両所有者に顧客番号などの識別番号を入力するように指示する(図35、ステップ612)。車両所有者が、妥当な顧客番号を入力すると、オンライン配布プログラムは、車両所有者に自分のナビゲーションシステムの記録装置をコンピュータのスロットに挿入するように指示する。オンライン配布プログラムは、媒体IDを読み取り、その媒体IDが顧客に対応したものであるかどうかを確認する。次いで、オンライン配布プログラムは、車両所有者に既存の地域のみのアップデートを行うのか、あるいは、さらに他の地域を加えるのかを選択するように指示する(図35、ステップ613)。
【0084】
もし、ユーザがさらに他の地域についても加えることを選択した場合には、オンライン配布プログラムは、提供可能な地域の地図を表示する(図36、ステップ615)。車両所有者は、画面から所望の区域を選択する(図36、ステップ616)。オンライン配布プログラムは、選択された地域に含まれる任意のサードパーティデータあるいはPOI(目標地点)を選択するようにユーザに指示する(図36、ステップ617)。ユーザは、所望のサードパーティデータあるいはPOIを選択する(図36、ステップ618)。
【0085】
ユーザがさらに他の地域についてのデータを加えることを望まずに(ステップ617)単に既存の地理データセットファイルあるいはナビゲーションプログラムのアップデートのみを選択した場合には、オンライン配布プログラムは、ユーザの地理データセットあるいはナビゲーションプログラムのアップデートが可能かどうかを判定する(図36、ステップ625)。車両所有者が以前にどの地域を選択したかを示すデータが車両所有者の媒体と中央配布施設628の両方に記録されている。オンライン配布プログラムは、車両所有者の媒体に対して提供可能なアップデートを識別するための処理を実行する。
【0086】
オンライン配布プログラムは、車両所有者が選択した内容を車両所有者の現在のアップデート予約契約内容と比較する(図36、ステップ627)。もし、オンライン配布プログラムが、選択された内容がアップデート予約契約内容の範囲外であると判断した場合には、ユーザに顧客サービスの電話番号に電話をしてアップデート予約契約内容を変更するように指示するか(図36、ステップ629)、あるいは、オンラインによる新たなアップデート予約契約を結ぶように提示する。
【0087】
図37において、アップデートが可能である場合には、オンライン配布プログラムは、車両所有者が所望した地域をカバーするアップデートデータおよびユーザのナビゲーションプログラムのアップデートデータをアップデートレポジトリ631から検索する。オンライン配布プログラムは、次いで、アップデートナビゲーションデータをユーザのコンピュータに送信するためのアセンブルを行う(図37、ステップ633)。もし、ユーザが新しいナビゲーションデータを選択した場合には、オンライン配布プログラムアプリケーションは、利用可能な通信帯域幅をユーザに提供しようとしているナビゲーションデータファイルのサイズと比較し、新しいナビゲーションデータファイルをダウンロードするのに必要な時間を見積る(図37、ステップ635)。もしも、ダウンロードに要する時間が非常に長い場合には、ユーザは新しい地理データセットファイルのダウンロードをキャンセルすることもできる。この場合、オンライン配布プログラムは、ユーザに適当な他のローカルレポジトリあるいは他の配布ステーションに出向いてその新しいナビゲーションデータファイルを入手するように指示する。
【0088】
車両所有者のハードウェアが、ナビゲーションデータファイルのアップデートデータを受信するのに十分な容量を有している場合には、オンライン配布プログラムは、ユーザのパーソナルコンピュータにアップデートデータをアップロードする(図37、ステップ637)。車両所有者のパーソナルコンピュータにおいて、パーソナルアップデートプログラムは、アップデートデータを受け取り、ユーザのナビゲーションデータファイルのバックップを作成し、車両所有者の記憶装置にアップデートされたナビゲーションデータファイルをコピーする(図37、ステップ639)。パーソナルアップデートプログラムは、ナビゲーションデータファイルが車両所有者の記憶装置に正しく記憶されて正しく機能するかどうか、また、ナビゲーションデータがアップデートされたことを示す識別データが車両所有者の記憶装置に正しく書き込まれたかどうかの確認を行う(図37、ステップ641)。アップデート処理が正しく終了すると、通信接続を切断する前に、車両所有者のプログラムは、中央施設のオンライン配布プログラムに情報をアップロードして、車両所有者の記憶装置のアップデートが正しく行われたことの確認を行う(図37、ステップ645)。中央施設は、確認記録を保存する(図37、ステップ647)。次に、車両所有者のパーソナルコンピュータと中央施設のサーバとの間の通信接続が切断される(図37、ステップ649)。
【0089】
他の実施例においては、アップデートされた情報のオンライン配布は、アメリカオンラインあるいはコンピュサーブなどのオンラインネットワークあるいはインターネットを介して行われる。
【0090】
C.ローカルターミナルの実施例
図38を参照する。図38は、アップデートされたナビゲーションデータをナビゲーションシステムの所有者に配布するためのシステムの他の実施例のフローチャートである。図38に示されたステップは、地域に設置されたパーソナルコンピュータのシステムによって実行される。パーソナルコンピュータのシステムは、図1のシステムと類似なものである。ただし、この実施例においては、地域10のローカルレポジトリ82、84、86、88、90のどれかあるいはすべてがローカルターミナルステーションによって置き換えられる。ローカルターミナルステーションは、図1の実施例のローカルレポジトリと同様なハードウェアとソフトウェアを備え、同様に構成される。ローカルレポジトリと同様に、ローカルターミナルステーションは車両所有者の記憶装置76を挿入するためのドライブあるいはスロットを備える。ローカルターミナルステーションがローカルレポジトリと異なる点は、ローカルターミナルステーションが中央あるいは区域の施設への通信リンクを有し、この通信リンクによって、ローカルターミナルステーションのドライブ92に挿入された車両所有者の記憶装置に遠方のレポジトリからアップデートされたナビゲーションデータを配布するようになされていることである。
【0091】
図38を参照し、ローカルターミナルステーションのローカルターミナルプログラムは、オペレータに車両所有者の記憶装置を挿入するように指示を行う(図38、ステップ701)。車両所有者の記憶装置が挿入されると、ローカルターミナルプログラムは、車両所有者の記憶装置に確認を行う(図38、ステップ703)。このためのローカルターミナルプログラム部分は、ローカルレポジトリで用いられるプログラムと類似あるいは同一であり、記憶装置のEPROMに記憶されている車両所有者の識別データ110の確認を含む。上記確認の後に、ローカルターミナルプログラムは、リモートレポジトリ707への通信接続がなされたかどうかを確認する(図38、ステップ705)。リモートレポジトリ707は、区域のレポジトリ、あるいは中央レポジトリ、またはその他のローカルレポジトリである。通信接続は、WAN、電話回線によるモデム接続、などによって実現される。
【0092】
ローカルターミナルプログラムは、ローカルオペレータあるいは車両所有者に、既存のナビゲーションデータをアップデートするか、あるいは新しいナビゲーションデータをインストールするのかを選択するように指示する(図38、ステップ709)。車両の所有者が行った選択が受理され(図38、ステップ711)、リモートレポジトリ707に送信される(図38、ステップ713)。リモートレポジトリは、選択されたアップデートナビゲーションデータを検索して、これをローカルターミナルステーションに送信する(図38、ステップ715)。ローカルターミナルステーションは、ナビゲーションデータを受信すると、これをユーザの記憶装置にコピーする(図38、ステップ717)。アップデートナビゲーションデータの車両所有者の記憶装置へのコピーが終了すると、ローカルターミナルステーションは、ローカルオペレータに、ユーザの記憶装置を取り外すように指示する(図38、ステップ719)。上記のステップに加えてさらに、ローカルターミナルステーションは、ローカルレポジトリが行うその他の多くのステップ、例えばナビゲーションデータのコピーの確認、エラーチェック、ログ記録なども行うことが可能である。
【0093】
この実施例によるローカルターミナルステーションの利点は、アップデートナビゲーションデータのいくつかあるいはすべてのコピーをローカルターミナルステーションに記憶しておく必要がないことである。他の実施例によれば、ローカルレポジトリおよびローカルターミナルステーションの特徴を組み合わせて、車両所有者が、自分の記憶装置のナビゲーションデータのアップデートをローカルターミナルレポジトリで行う際に、データがそのローカルターミナルレポジトリに記憶されているか、あるいはリモートレポジトリからそのターミナルレポジトリに送信されてくることによって、自分の記憶装置にコピーすることが可能なようになされる。
【0094】
D.配布システムのさらに他の使用の仕方
上記実施例によるシステムは、車両搭載型ナビゲーションシステムの地理データセットのアップデートデータを配布するのに用いるのに特に有用である。しかしながら、システムをその他の種類のソフトウェアやデータ、例えば、パーソナルコンピュータのソフトウェアやコンピュータゲーム記憶装置などのアップデートを行うために用いることも可能である。また、アップデートされた地理データを配布する方法は、大量配布あるいはマーケティングのために用いることも可能である。さらに、上記システムは、地上走行車両に用いるのに有用なものであったが、上記システムをボートや航空機などの地上走行車両以外に用いるようにすること可能である。
【0095】
また、本発明のシステムは、位置把握システムを備えていないナビゲーションシステムのアップデートに用いることも可能であるし、さらに、地理データセットを用いるその他のシステムのアップデートのために用いることも可能である。例えば、ユーザが目的地と出発地点とを選択すると、システムがユーザにその出発地点から目的地までの道順の案内をするシステムが存在する。また、ポータプル型の専用コンピュータを用いたナビゲーションシステムが入手可能である。また、ポータプル型ノートブックコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、電子手帳などの従来の通常のパーソナルコンピュータにロードして用いるソフトウェアプログラムが知られている。このようなシステムは、上記の実施例を用いてアップデートを行うことが可能である。
【0096】
以上に本発明を具体的な実施例を参照しながら詳細に説明したが、これらの実施例はあくまでも例示を目的とするものであって、本発明はこれらの実施例のみに限定されない。本発明の範囲は請求範囲に記述定義された範囲のみによって定まる。また、これらの請求範囲に記述された内容と等価であるものも本発明の範囲に含まれる。
【0097】
(発明の効果)
上記のように、車両搭載型ナビゲーションシステムに用いられる地理データあるいはナビゲーションアプリケーションプログラムなどのデータをアップデートして配布するための装置が、本発明によって提供される。さらに一般的には、市販ソフトウェアを必要に応じてアップデートすることを可能とするシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の第1の実施例によってサービスされるある地域の複数の車両を示す図である。
【図2】図1の車両のうちの1つを示すブロック図である。
【図3】図2の記憶装置を示す斜視図である。
【図4】図3の記憶装置、車両、および図1のローカルレポジトリを示す図である。
【図5】ローカルレポジトリ、および図4の記憶装置に記憶される情報およびプログラムを示すブロック図である。
【図6】図6は、図1に示された複数のローカルレポジトリにアップデートデータをインストールするステップを示すフローチャートである。
【図7】図7は、図1に示された複数のローカルレポジトリにアップデートデータをインストールするステップを示すフローチャートである。
【図8】車両所有者の記憶装置にアップデートデータをインストールするステップを示すフローチャートである。
【図9】図9は、図6、図7、図8に示されたものを含め、ローカルレポジトリによって実行される各種の機能の実行ステップを詳細に示すフローチャートである。
【図10】図10は、図6、図7、図8に示されたものを含め、ローカルレポジトリによって実行される各種の機能の実行ステップを詳細に示すフローチャートである。
【図11】図11は、図6、図7、図8に示されたものを含め、ローカルレポジトリによって実行される各種の機能の実行ステップを詳細に示すフローチャートである。
【図12】図12は、図6、図7、図8に示されたものを含め、ローカルレポジトリによって実行される各種の機能の実行ステップを詳細に示すフローチャートである。
【図13】図13は、図6、図7、図8に示されたものを含め、ローカルレポジトリによって実行される各種の機能の実行ステップを詳細に示すフローチャートである。
【図14】図14は、図6、図7、図8に示されたものを含め、ローカルレポジトリによって実行される各種の機能の実行ステップを詳細に示すフローチャートである。
【図15】図15は、図6、図7、図8に示されたものを含め、ローカルレポジトリによって実行される各種の機能の実行ステップを詳細に示すフローチャートである。
【図16】図16は、図6、図7、図8に示されたものを含め、ローカルレポジトリによって実行される各種の機能の実行ステップを詳細に示すフローチャートである。
【図17】図17は、図6、図7、図8に示されたものを含め、ローカルレポジトリによって実行される各種の機能の実行ステップを詳細に示すフローチャートである。
【図18】図18は、図6、図7、図8に示されたものを含め、ローカルレポジトリによって実行される各種の機能の実行ステップを詳細に示すフローチャートである。
【図19】図19は、図6、図7、図8に示されたものを含め、ローカルレポジトリによって実行される各種の機能の実行ステップを詳細に示すフローチャートである。
【図20】図20は、図6、図7、図8に示されたものを含め、ローカルレポジトリによって実行される各種の機能の実行ステップを詳細に示すフローチャートである。
【図21】ローカルレポジトリにおいて表示される、記憶装置のアップデート処理を開始するための指示画面の例を示した図である。
【図22】アップデート処理の途中において、ローカルレポジトリにおいて表示される指示画面の他の例を示した図である。
【図23】アップデート処理の途中において、ローカルレポジトリにおいて表示される指示画面のさらに他の例を示した図である。
【図24】図24は、大量車両事業において、ローカルレポジトリが各種の機能を達成するのに実行するステップを示すフローチャートである。
【図25】図25は、大量車両事業において、ローカルレポジトリが各種の機能を達成するのに実行するステップを示すフローチャートである。
【図26】図26は、大量車両事業において、ローカルレポジトリが各種の機能を達成するのに実行するステップを示すフローチャートである。
【図27】図27は、大量車両事業において、ローカルレポジトリが各種の機能を達成するのに実行するステップを示すフローチャートである。
【図28】図28は、大量車両事業において、ローカルレポジトリが各種の機能を達成するのに実行するステップを示すフローチャートである。
【図29】図29は、大量車両事業において、ローカルレポジトリが各種の機能を達成するのに実行するステップを示すフローチャートである。
【図30】図30は、大量車両事業において、ローカルレポジトリが各種の機能を達成するのに実行するステップを示すフローチャートである。
【図31】図31は、大量車両事業において、ローカルレポジトリが各種の機能を達成するのに実行するステップを示すフローチャートである。
【図32】図32は、図24〜31の実施例のローカルオペレータ部の他の実施例を示すフローチャートである。
【図33】図33は、本発明の他の実施例を示すフローチャートである。
【図34】図34は、本発明の他の実施例を示すフローチャートである。
【図35】図35は、本発明のさらに他の実施例を示すフローチャートである。
【図36】図36は、本発明のさらに他の実施例を示すフローチャートである。
【図37】図37は、本発明のさらに他の実施例を示すフローチャートである。
【図38】本発明のさらに他の実施例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0099】
10 地域
44、46、48 人工衛星
82、84、86、88 ローカルレポジトリ
22、24、26 車両
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一地域におけるナビゲーションデータ製品のアップデートバーションの契約者に対して、上記データ製品のアップデートバージョンを提供するための装置において、該装置が、
中央施設においてアップデートされたデータ製品のマスターコピーを準備し、
上記地域内のローカルレポジトリの媒体に上記マスターコピーをインストールし、
契約者が上記ローカルレポジトリにアクセスすることを可能とする、
ステップを有するプログラムを含むことを特徴とする装置。
【請求項2】
上記の準備ステップの後に、上記のマスターコピーを区域内の所定地に送って、ここからローカルレポジトリにインストールを行うステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
上記のインストールステップが、遠隔地から上記ローカルレポジトリに電子的にアクセスすることによって行われることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
上記のデータ製品が、地理データセットを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
上記のデータ製品が、ナビゲーションアプリケーションプログラムを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
アップデートされたデータ製品の上記マスターコピーが、上記地域に対応するナビゲーションデータを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
アップデートされたデータ製品の上記マスターコピーが、上記地域に対応するナビゲーションデータを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
車両の記憶媒体に記憶される車両ナビゲーションデータをアップデートする装置において、上記車両が複数の異なる種類のナビゲーションシステムを含み、該装置が、
一地域内に、それぞれが上記の記憶媒体の一つに対して読み出しおよび書き込みを行うことができる装置を具備した、複数のコンピュータを配備し、
前記複数のコンピュータの各々が、
前記装置内に装着される前記一つの記憶媒体に応答して、前記一つの記憶媒体に記憶される情報を読み出し、
ナビゲーションシステムの前記異なる種類のうちのどの種類が前記記憶媒体によって利用されるかを判定して、判定したナビゲーションシステムを提供し、そして
判定されたナビゲーションシステムに部分的に基づいて、上記の記憶媒体のナビゲーションデータのアップデートを行う、ステップを含むプログラムを含むことを特徴とする装置。
【請求項9】
上記の読み取りステップが、
上記記憶媒体の情報を読み取り、上記記憶媒体に記憶されている情報のリリースバージョンを判定するステップをさらに含んでいることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
記憶媒体をテストし、
上記の記憶媒体に欠陥が検出された場合には、上記の記憶媒体を交換する、
ステップをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項11】
上記の記憶媒体が、ナビゲーションシステムアプリケーションプログラムと地理データセットの両方を含んでいることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項12】
上記の記憶媒体上のナビゲーションシステムアプリケーションプログラムのアップデートを行うステップをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項13】
上記地域の上記複数のコンピュータに現在の地理データセットが記憶されていることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項14】
現在のデータセットファイルが定期的にアップデートされることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
現在のデータセットファイルが、遠隔地に電子的に通信接続することによってアップデートされることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項1】
一地域におけるナビゲーションデータ製品のアップデートバーションの契約者に対して、上記データ製品のアップデートバージョンを提供するための装置において、該装置が、
中央施設においてアップデートされたデータ製品のマスターコピーを準備し、
上記地域内のローカルレポジトリの媒体に上記マスターコピーをインストールし、
契約者が上記ローカルレポジトリにアクセスすることを可能とする、
ステップを有するプログラムを含むことを特徴とする装置。
【請求項2】
上記の準備ステップの後に、上記のマスターコピーを区域内の所定地に送って、ここからローカルレポジトリにインストールを行うステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
上記のインストールステップが、遠隔地から上記ローカルレポジトリに電子的にアクセスすることによって行われることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
上記のデータ製品が、地理データセットを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
上記のデータ製品が、ナビゲーションアプリケーションプログラムを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
アップデートされたデータ製品の上記マスターコピーが、上記地域に対応するナビゲーションデータを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
アップデートされたデータ製品の上記マスターコピーが、上記地域に対応するナビゲーションデータを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
車両の記憶媒体に記憶される車両ナビゲーションデータをアップデートする装置において、上記車両が複数の異なる種類のナビゲーションシステムを含み、該装置が、
一地域内に、それぞれが上記の記憶媒体の一つに対して読み出しおよび書き込みを行うことができる装置を具備した、複数のコンピュータを配備し、
前記複数のコンピュータの各々が、
前記装置内に装着される前記一つの記憶媒体に応答して、前記一つの記憶媒体に記憶される情報を読み出し、
ナビゲーションシステムの前記異なる種類のうちのどの種類が前記記憶媒体によって利用されるかを判定して、判定したナビゲーションシステムを提供し、そして
判定されたナビゲーションシステムに部分的に基づいて、上記の記憶媒体のナビゲーションデータのアップデートを行う、ステップを含むプログラムを含むことを特徴とする装置。
【請求項9】
上記の読み取りステップが、
上記記憶媒体の情報を読み取り、上記記憶媒体に記憶されている情報のリリースバージョンを判定するステップをさらに含んでいることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
記憶媒体をテストし、
上記の記憶媒体に欠陥が検出された場合には、上記の記憶媒体を交換する、
ステップをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項11】
上記の記憶媒体が、ナビゲーションシステムアプリケーションプログラムと地理データセットの両方を含んでいることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項12】
上記の記憶媒体上のナビゲーションシステムアプリケーションプログラムのアップデートを行うステップをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項13】
上記地域の上記複数のコンピュータに現在の地理データセットが記憶されていることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項14】
現在のデータセットファイルが定期的にアップデートされることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
現在のデータセットファイルが、遠隔地に電子的に通信接続することによってアップデートされることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【公開番号】特開2007−226263(P2007−226263A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−105239(P2007−105239)
【出願日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【分割の表示】特願平9−12266の分割
【原出願日】平成9年1月27日(1997.1.27)
【出願人】(597011544)ナヴィゲイション テクノロジーズ コーポレイション (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【分割の表示】特願平9−12266の分割
【原出願日】平成9年1月27日(1997.1.27)
【出願人】(597011544)ナヴィゲイション テクノロジーズ コーポレイション (8)
【Fターム(参考)】
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