説明

記憶装置及び半導体装置

【課題】消費電力を抑えることができる記憶装置を提供する。
【解決手段】第1クロック信号に従って、データを含む信号の電位の極性を反転させることで、出力電位を生成する第1論理素子と、第1論理素子が生成する出力電位を保持する第2論理素子及び第3論理素子と、トランジスタを用いたスイッチング素子と、第2論理素子及び第3論理素子において保持される第1論理素子の出力電位が、スイッチング素子を介して与えられることで、データを記憶する容量素子と、を有し、第2論理素子は、第1クロック信号とは異なる系統の第2クロック信号に従って、第3論理素子の出力電位の極性を反転させることで、第2論理素子の出力電位を生成し、第3論理素子は、第2論理素子の出力電位の極性を反転させることで、第3論理素子の出力電位を生成する記憶装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶装置と、当該記憶装置を用いた半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)などの半導体装置は、その用途によって多種多様な構成を有しているが、一般的に、データや命令を記憶するための主記憶装置の他に、高速でデータの書き込みと読み出しができるレジスタ、キャッシュなどの緩衝記憶装置が設けられている。緩衝記憶装置は、演算装置と主記憶装置の間に介在し、低速な主記憶装置へのアクセスを減らして演算処理を高速化させることを目的として、CPUに設けられている。
【0003】
通常は、レジスタとしてフリップフロップが、キャッシュとしてSRAM(Static Random Access Memory)が用いられる。下記特許文献1には、キャッシュとして、SRAMなどの揮発性メモリと、不揮発性メモリとを併用する構成について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−121444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、中央演算処理装置などの半導体装置には、高速動作のみならず、消費電力の低さと、集積度の高さが要求される。しかし、例えば、トランジスタのサイズにもよるが、ハイレベルの電源電位が与えられているノードと、ローレベルの電源電位が与えられているノードの間において、直列に接続されたpチャネル型トランジスタ及びnチャネル型トランジスタを、バルクのシリコンを用いて作製した場合、室温下にて、ノード間の電圧が約3Vの状態にて、1pA程度のオフ電流が生じる。中央演算処理装置や、緩衝記憶装置の規模が大型化してトランジスタ数が多くなるほど、或いは、中央演算処理装置や、緩衝記憶装置が設けられたICチップの温度が上昇するほど、上記オフ電流の総量は大きくなるため、消費電力が嵩んでしまう。
【0006】
半導体装置の消費電力を抑えるため、緩衝記憶装置への電源の供給を停止するという一つの方法が提案されている。緩衝記憶装置に用いられるフリップフロップやSRAMは揮発性であるため、上記方法では、揮発性の記憶装置の周辺に不揮発性の記憶装置を配置し、電源の供給を停止する前にデータを不揮発性の記憶装置へ一時的に移している。しかし、これらの不揮発性の記憶装置は、主に磁気素子や強誘電体メモリが用いられているため、作製工程が複雑である。
【0007】
また、長い期間に渡って電源電圧の供給を停止する場合には、データをハードディスク、フラッシュメモリ等の外部記憶装置に移してから電源電圧の供給を停止することもできる。しかし、これらの外部記憶装置はデータを元に戻すのに時間がかかるため、短い期間に電源電圧の供給を停止する場合には適さない。
【0008】
上述したような技術的背景のもと、本発明では、消費電力を抑えることができる記憶装置、及び上記記憶装置を用いた半導体装置の提供を目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の一態様では、入力電位の極性を反転させることで出力電位を生成する論理素子を複数用いた記憶素子と、当該記憶素子のデータを記憶する容量素子と、当該容量素子における電荷の供給、保持、放出を制御するスイッチング素子とを、記憶装置に設ける。
【0010】
本発明の一態様では、記憶素子に保持されているデータは、記憶装置への電源電圧の供給が停止される前に、容量素子に待避させる。具体的に、データの待避は、容量素子への電荷の供給により行い、上記電荷の保持は、上記スイッチング素子をオフにすることで行う。そして、記憶装置への電源電圧の供給が再開された後に、容量素子に保持されていた電荷を放出することで、待避させておいたデータを記憶素子に戻す。上記構成により、電源電圧の供給が停止されても、記憶装置内のデータの消失を防ぐことができる。よって、外部記憶装置にデータを待避させる必要がないため、記憶装置、もしくは記憶装置を用いた半導体装置へ、短い期間でも電源電圧の供給を停止することができる。その結果、記憶装置、及び半導体装置の消費電力を低減させることができる。
【0011】
なお、本発明の一態様では、記憶素子を構成する上記複数の論理素子のうち、記憶素子へのデータの入力を制御する論理素子(第1論理素子)が、入力された電位の極性を、第1クロック信号に従って反転させる論理素子であるものとする。また、上記複数の論理素子のうち、幾つかの論理素子は入力されたデータを保持する機能を有している。そして、その幾つかの論理素子の少なくとも1つの論理素子(第2論理素子)は、入力された電位の極性を第2クロック信号に従って反転させる論理素子であるものとする。
【0012】
なお、第1クロック信号と第2クロック信号は、異なる系統の信号である。よって、第1クロック信号の電位の極性と、第2クロック信号の電位の極性とを、異なるタイミングで切り替えることが可能である。よって、本発明の一態様では、第1論理素子及び第2論理素子において、一方がオンで他方がオフである状態を作ることができ、また、両方がオフである状態を作ることもできる。
【0013】
本発明の一態様では、第1論理素子及び第2論理素子において、一方をオン、他方をオフとすることで、記憶素子へのデータの書き込みと、記憶素子における上記データの保持とを順次行うことができる。また、本発明の一態様では、容量素子に待避させていたデータを記憶素子に戻す際に、第1論理素子及び第2論理素子を両方オフにすることができるので、記憶素子から出力されるデータの信頼性を高めることができる。
【0014】
具体的に、本発明の一態様に係る記憶装置は、第1クロック信号に従って、データを含む信号の電位の極性を反転させることで、出力電位を生成する第1論理素子と、第1論理素子が生成する出力電位を保持する第2論理素子及び第3論理素子と、トランジスタを用いたスイッチング素子と、第2論理素子及び第3論理素子において保持されている第1論理素子の出力電位が、スイッチング素子を介して与えられることで、データを記憶する容量素子と、を有する。第2論理素子は、第1クロック信号とは異なる系統の第2クロック信号に従って、第3論理素子の出力電位の極性を反転させることで、第2論理素子の出力電位を生成する。第3論理素子は、第2論理素子の出力電位の極性を反転させることで、第3論理素子の出力電位を生成する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一態様では、上記構成により、消費電力を抑えることができる記憶装置と、上記記憶装置を用いた半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】記憶装置と単位記憶回路の構成を示す図。
【図2】タイミングチャート。
【図3】単位記憶回路の動作を示す図。
【図4】単位記憶回路の動作を示す図。
【図5】単位記憶回路の動作を示す図。
【図6】論理記号と、真理値表と、論理素子の構成を示す図。
【図7】単位記憶回路の構成を示す図。
【図8】記憶装置と単位記憶回路の構成を示す図。
【図9】タイミングチャート。
【図10】記憶装置の動作を示す図。
【図11】記憶装置の動作を示す図。
【図12】記憶装置の動作を示す図。
【図13】記憶装置の動作を示す図。
【図14】半導体装置のブロック図。
【図15】記憶装置の断面図。
【図16】トランジスタの断面図、及び上面図。
【図17】トランジスタの断面図、及び上面図。
【図18】酸化物半導体の結晶構造を説明する図。
【図19】酸化物半導体の結晶構造を説明する図。
【図20】酸化物半導体の結晶構造を説明する図。
【図21】電子機器の図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0018】
なお、本発明は、マイクロプロセッサ、画像処理回路、DSP(Digital Signal Processor)、マイクロコントローラなどの集積回路や、RFタグ、半導体表示装置等、記憶装置を用いることができる半導体装置を、その範疇に含む。半導体表示装置には、液晶表示装置、有機発光素子(OLED)に代表される発光素子を各画素に備えた発光装置、電子ペーパー、DMD(Digital Micromirror Device)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)等や、記憶装置を駆動回路または制御回路に有しているその他の半導体表示装置が、その範疇に含まれる。
【0019】
(実施の形態1)
図1(A)に、本発明の一態様に係る記憶装置の構成を、一例として示す。本発明の一態様に係る記憶装置100は、1ビットのデータを記憶することができる単位記憶回路104を、単数または複数有している。図1(A)では、記憶装置100が単位記憶回路104を複数有する場合を例示している。そして、記憶装置100は、任意の一の単位記憶回路104から出力された電位が、その後段にある一の単位記憶回路104に入力される構成を有している。
【0020】
また、単位記憶回路104は、記憶素子101と、当該記憶素子101のデータを記憶する容量素子102と、当該容量素子102における電荷の供給、保持、放出を制御するスイッチング素子103とを有する。単位記憶回路104は、必要に応じて、ダイオード、抵抗素子、インダクタンスなどの、その他の回路素子を、さらに有していても良い。
【0021】
記憶素子101は、入力電位の極性を反転させることで出力電位を生成する論理素子を、複数用いている。上記複数の論理素子には、基準電位GNDとハイレベルの電源電位VDDとを与えることができる。基準電位GNDと電源電位VDDとが論理素子に与えられることで、上記基準電位GNDと電源電位VDDの電位差が、電源電圧として当該論理素子に与えられることとなる。
【0022】
さらに、上記複数の論理素子のうち、少なくとも2つの論理素子は、入力された電位の極性を第1クロック信号CLK1及び第2クロック信号CLK2のいずれか一方に従って、反転させる論理素子である。
【0023】
そして、記憶素子101は、入力された信号Dataに含まれるデータを記憶する。具体的に、信号Dataが有する1ビットのデータが、初段の単位記憶回路104に入力されると、上記データは記憶素子101に入力される。記憶素子101は、基準電位GND及び電源電位VDDと、第1クロック信号CLK1及び第2クロック信号CLK2とが与えられている限りにおいて、上記データを保持する。そして、上記1ビットのデータが、後段の単位記憶回路104に入力されると、信号Dataが有する次の1ビットのデータが、初段の単位記憶回路104に入力される。上記動作を繰り返すことで、信号Dataが有する全ビットのデータが、複数の単位記憶回路104によって保持される。
【0024】
容量素子102は、単位記憶回路104に入力された信号Dataのデータを必要に応じて記憶できるように、スイッチング素子103を介して、記憶素子101に接続されている。具体的に、容量素子102は、一対の電極間に誘電体を有するコンデンサであり、その一方の電極は、スイッチング素子103を介して記憶素子101に接続され、他方の電極は、基準電位GNDなどの電位が与えられているノードに接続されている。スイッチング素子103は、そのゲート電極に与えられる信号SigAによりスイッチングが制御される。
【0025】
なお、図1(A)では、スイッチング素子103が一のトランジスタで構成されている場合を例示しているが、本発明はこの構成に限定されない。本発明の一態様では、複数のトランジスタを用いてスイッチング素子103を構成していても良い。スイッチング素子103が複数のトランジスタで構成されている場合、上記複数のトランジスタは並列に接続されていても良いし、直列に接続されていても良いし、直列と並列が組み合わされて接続されていても良い。
【0026】
本明細書において、トランジスタが直列に接続されている状態とは、第1のトランジスタのソースとドレインのいずれか一方のみが、第2のトランジスタのソースとドレインのいずれか一方のみに接続されている状態を意味する。また、トランジスタが並列に接続されている状態とは、第1のトランジスタのソースとドレインのいずれか一方が、第2のトランジスタのソースとドレインのいずれか一方に接続され、第1のトランジスタのソースとドレインの他方が第2のトランジスタのソースとドレインの他方に接続されている状態を意味する。
【0027】
また、トランジスタが有するソースとドレインは、トランジスタの極性及びソースとドレインに与えられる電位の高低によって、その呼び方が入れ替わる。一般的に、nチャネル型トランジスタでは、ソースとドレインのうち、低い電位が与えられる方がソースと呼ばれ、高い電位が与えられる方がドレインと呼ばれる。また、pチャネル型トランジスタでは、ソースとドレインのうち、低い電位が与えられる方がドレインと呼ばれ、高い電位が与えられる方がソースと呼ばれる。本明細書では、便宜上、ソースとドレインとが固定されているものと仮定して、トランジスタの接続関係を説明する場合があるが、実際には上記電位の関係に従ってソースとドレインの呼び方が入れ替わる。
【0028】
なお、図1(A)では、スイッチング素子103を構成しているトランジスタがシングルゲート構造である場合を例示しているが、上記トランジスタは、電気的に接続された複数のゲート電極を有することで、チャネル形成領域を複数有する、マルチゲート構造であっても良い。
【0029】
次いで、図1(B)に、単位記憶回路104の、具体的な構成の一例を示す。図1(B)に示す単位記憶回路104では、記憶素子101が、第1論理素子105、第2論理素子106、及び第3論理素子107を有する。第1論理素子105は、入力された電位の極性を第1クロック信号CLK1に従って反転させる論理素子である。また、第2論理素子106は、入力された電位の極性を第2クロック信号CLK2に従って反転させる論理素子である。また、第3論理素子107は、入力された電位の極性を反転させる論理素子である。
【0030】
また、第1論理素子105、第2論理素子106、及び第3論理素子107は、基準電位GNDが与えられるノードと、電源電位VDDが与えられるノードに接続されている。第1論理素子105は、第1クロック信号CLK1と、基準電位GND及び電源電位VDDとが与えられている限りにおいて駆動し、出力電位を生成する。また、第2論理素子106は、第2クロック信号CLK2と、基準電位GND及び電源電位VDDとが与えられている限りにおいて駆動し、出力電位を生成する。また、第3論理素子107は、基準電位GND及び電源電位VDDが与えられている限りにおいて駆動し、出力電位を生成する。
【0031】
なお、図1(B)では、第1クロック信号CLK1のみならず、第1クロック信号CLK1の電位の極性を反転させた信号である、第1クロック信号CLK1bが、第1論理素子105に入力されている。第1クロック信号CLK1と第1クロック信号CLK1bとは、電位の極性が切り替わるタイミングがほぼ一致しているため、本発明の一態様では、同じ系統の信号と見なす。同様に、図1(B)では、第2クロック信号CLK2と、第2クロック信号CLK2の電位の極性を反転させた信号である、第2クロック信号CLK2bが、第2論理素子106に入力されている。これら第2クロック信号CLK2と第2クロック信号CLK2bとは、電位の極性が切り替わるタイミングがほぼ一致しているため、同じ系統の信号と見なす。
【0032】
以下、第1論理素子105及び第2論理素子106の具体的な構成とその動作について説明する。図6(A)に、第1論理素子105及び第2論理素子106の論理記号を示す。図6(A)において、入力電位は端子Aに与えられる。第1クロック信号CLK1bまたは第2クロック信号CLK2の電位は、端子φに与えられる。第1クロック信号CLK1または第2クロック信号CLK2bの電位は、端子φbに与えられる。出力電位は端子Xから出力される。
【0033】
図6(B)に、第1論理素子105及び第2論理素子106の各端子に与えられる電位のレベルと、出力電位のレベルとの関係をまとめた真理値表を示す。
【0034】
図6(B)に示すように、第1論理素子105及び第2論理素子106は、端子φに与えられる電位がハイレベル、端子φbに与えられる電位がローレベルの場合に、端子Aに与えられる入力電位の極性を反転させて、出力電位を生成する。すなわち、端子Aの電位がハイレベルの時、端子Xの電位はローレベルとなり、端子Aの電位がローレベルの時、端子Xの電位はハイレベルとなる。
【0035】
また、図6(B)に示すように、第1論理素子105及び第2論理素子106は、端子φに与えられる電位がローレベル、端子φbに与えられる電位がハイレベルの場合に、ハイインピーダンスの状態、すなわちオフとなる。
【0036】
図6(C)に、第1論理素子105及び第2論理素子106の、回路構成の一例を示す。図6(C)に示す論理素子は、順に直列に接続されたpチャネル型トランジスタ110、pチャネル型トランジスタ111、nチャネル型トランジスタ112、及びnチャネル型トランジスタ113を有する。具体的に、pチャネル型トランジスタ110は、そのソースが電源電位VDDの与えられるノードに接続され、そのドレインが、pチャネル型トランジスタ111のソースに接続されている。nチャネル型トランジスタ113は、そのソースが基準電位GNDの与えられるノードに接続され、そのドレインが、nチャネル型トランジスタ112のソースに接続されている。pチャネル型トランジスタ111のドレイン及びnチャネル型トランジスタ112のドレインは接続されている。
【0037】
そして、pチャネル型トランジスタ110のゲートが端子φbに相当する。nチャネル型トランジスタ113のゲートが端子φに相当する。pチャネル型トランジスタ111のゲート及びnチャネル型トランジスタ112のゲートが端子Aに相当し、入力電位が与えられる。pチャネル型トランジスタ111のドレイン及びnチャネル型トランジスタ112のドレインが端子Xに相当し、その電位が出力電位となる。
【0038】
次いで、図1(B)に示した単位記憶回路104の、具体的な動作の一例について、図2乃至図5を用いて詳細に説明する。
【0039】
図2は、図1(B)に示した単位記憶回路104における、第1クロック信号CLK1、第1クロック信号CLK1b、第2クロック信号CLK2、第2クロック信号CLK2b、信号SigAの、電位の時間変化を示すタイミングチャートである。期間1乃至期間4と、期間5乃至期間7では、単位記憶回路104への電源電圧の供給が行われているものとする。
【0040】
まず、図2の期間1では、第1クロック信号CLK1の電位はローレベル、第1クロック信号CLK1bの電位はハイレベル、第2クロック信号CLK2の電位はローレベル、第2クロック信号CLK2bの電位はハイレベル、信号SigAの電位はローレベルである。
【0041】
図3(A)に、期間1における単位記憶回路104の動作を模式的に示す。期間1において、単位記憶回路104では、上記各種信号の電位に従って、第1論理素子105がオン、第2論理素子106がオフ、第3論理素子107がオン、スイッチング素子103がオフとなる。よって、第1論理素子105は、信号Dataの電位が与えられると、その電位の極性を反転させることで、出力電位を生成する。そして、第1論理素子105の出力電位が第3論理素子107に与えられると、第3論理素子107は上記電位の極性を反転させることで出力電位を生成する。
【0042】
次いで、図2の期間2では、第1クロック信号CLK1の電位はハイレベル、第1クロック信号CLK1bの電位はローレベル、第2クロック信号CLK2の電位はハイレベル、第2クロック信号CLK2bの電位はローレベル、信号SigAの電位はローレベルである。
【0043】
図3(B)に、期間2における単位記憶回路104の動作を模式的に示す。期間2において、単位記憶回路104では、上記各種信号の電位に従って、第1論理素子105がオフ、第2論理素子106がオン、第3論理素子107がオン、スイッチング素子103がオフとなる。よって、第3論理素子107は、期間1において生成された第1論理素子105の出力電位の極性を反転させることで、出力電位を生成する。第2論理素子106は、第3論理素子107の出力電位が与えられると、上記電位の極性を反転させることで出力電位を生成する。そして、第3論理素子107は、第2論理素子106の出力電位が与えられると、上記電位の極性を反転させることで出力電位を生成する。上記動作を繰り返すことにより、期間1において生成された第1論理素子105の出力電位は、第2論理素子106及び第3論理素子107において保持される。
【0044】
次いで、図2の期間3では、単位記憶回路104は期間1と同様の動作を行う。
【0045】
次いで、図2の期間4では、第1クロック信号CLK1の電位はハイレベル、第1クロック信号CLK1bの電位はローレベル、第2クロック信号CLK2の電位はハイレベル、第2クロック信号CLK2bの電位はローレベル、信号SigAの電位はハイレベルである。
【0046】
図4(A)に、期間4における単位記憶回路104の動作を模式的に示す。期間4において、単位記憶回路104では、上記各種信号の電位に従って、第1論理素子105がオフ、第2論理素子106がオン、第3論理素子107がオン、スイッチング素子103がオンとなる。よって、期間2の場合と同様に、期間3において生成された第1論理素子105の出力電位は、第2論理素子106及び第3論理素子107において保持される。
【0047】
ただし、期間2とは異なり、期間4では、スイッチング素子103がオンとなる。よって、第2論理素子106の出力電位、すなわち、期間3における第1論理素子105の出力電位が、オンのスイッチング素子103を介して、容量素子102に与えられる。容量素子102では、与えられた電位に従って電荷が供給される。その後、スイッチング素子103がオフになることで、容量素子102に供給された電荷は保持される。上記構成により、記憶素子101に保持されていたデータを、容量素子102に待避させることができる。
【0048】
期間4が終了した後、記憶装置100への電源電圧の供給を停止することができる。図2では、記憶装置100への電源電圧の供給が停止されている期間を、電源停止期間として示している。具体的に、電源電圧の供給を停止するということは、電源電位VDDが与えられていたノードと、基準電位GNDが与えられていたノードの電位差を0に限りなく近づけることを意味する。そして、電源停止期間では、第1論理素子105への第1クロック信号CLK1及び第1クロック信号CLK1bの供給も停止することができる。また、電源停止期間では、第2論理素子106への第2クロック信号CLK2及び第2クロック信号CLK2bの供給も停止することができる。
【0049】
電源停止期間では、データの保持を容量素子102において行うので、記憶素子101に電源電圧を与える必要がない。よって、記憶素子101に電源電圧を与えることで、第1論理素子105、第2論理素子106、及び第3論理素子107に流れるオフ電流により生じるであろう消費電力を電源停止期間では限りなく0にすることができる。したがって、上記オフ電流に起因する消費電力を大幅に削減することができるので、記憶装置100、延いては記憶装置100を用いた半導体装置全体の、消費電力を低く抑えることが可能となる。
【0050】
なお、本実施の形態では、期間4においてデータの待避を行う場合を例示しているが、期間3においてデータの待避を行い、期間3終了後に電源停止期間を設けるようにしても良い。
【0051】
次いで、電源停止期間が終了し、期間5が開始されると、記憶装置100への電源電圧の供給が再開される。図2の期間5では、第1クロック信号CLK1の電位はハイレベル、第1クロック信号CLK1bの電位はローレベル、第2クロック信号CLK2の電位はローレベル、第2クロック信号CLK2bの電位はハイレベル、信号SigAの電位はハイレベルである。
【0052】
図4(B)に、期間5における単位記憶回路104の動作を模式的に示す。期間5において、単位記憶回路104では、上記各種信号の電位に従って、第1論理素子105がオフ、第2論理素子106がオフ、第3論理素子107がオン、スイッチング素子103がオンとなる。よって、容量素子102に保持されていた電荷が、オンのスイッチング素子103を介して、記憶素子101に与えられる。上記保持される電荷の量は、期間4における第2論理素子106の出力電位、すなわち、期間3における第1論理素子105の出力電位を反映している。よって、上記電荷が記憶素子101に与えられることで、期間4における第2論理素子106の出力電位、すなわち、期間3における第1論理素子105の出力電位が、第3論理素子107に与えられる。そして、スイッチング素子103がオフになることで、第3論理素子107に上記電位が与えられた状態が保持される。上記構成により、容量素子102に待避させていたデータを、記憶素子101に戻すことができる。
【0053】
次いで、図2の期間6では、第1クロック信号CLK1の電位はハイレベル、第1クロック信号CLK1bの電位はローレベル、第2クロック信号CLK2の電位はハイレベル、第2クロック信号CLK2bの電位はローレベル、信号SigAの電位はローレベルである。
【0054】
図5に、期間6における単位記憶回路104の動作を模式的に示す。期間6において、単位記憶回路104では、上記各種信号の電位に従って、第1論理素子105がオフ、第2論理素子106がオン、第3論理素子107がオン、スイッチング素子103がオフとなる。よって、第3論理素子107は、期間5において与えられた電位の極性を反転させることで、出力電位を生成する。第2論理素子106は、第3論理素子107の出力電位が与えられると、上記電位の極性を反転させることで出力電位を生成する。そして、第3論理素子107は、第2論理素子106の出力電位が与えられると、上記電位の極性を反転させることで出力電位を生成する。上記動作を繰り返すことにより、期間5において第3論理素子107に与えられた電位は、第2論理素子106及び第3論理素子107において保持される。
【0055】
次いで、図2の期間7では、単位記憶回路104は期間1と同様の動作を行う。
【0056】
本発明の一態様では、第1クロック信号CLK1及び第1クロック信号CLK1bと、第2クロック信号CLK2及び第2クロック信号CLK2bとが、異なる系統の信号である。よって、本発明の一態様では、第1クロック信号CLK1及び第1クロック信号CLK1bの電位の極性と、第2クロック信号CLK2及び第2クロック信号CLK2bの電位の極性とを、異なるタイミングで切り替えることが可能である。よって、上記期間1乃至期間4と、期間6及び期間7では、第1論理素子105及び第2論理素子106において、一方がオンで他方がオフである状態とすることができる。さらに、電源停止期間が終了した後、容量素子102に待避しておいたデータを記憶素子101へ戻す期間5では、第1論理素子105及び第2論理素子106において、両方がオフである状態とすることができる。上記構成により、本発明の一態様では、期間5において、容量素子102に待避させていたデータを記憶素子101に書き込んだ後に、記憶素子101からのデータの出力を行うことができる。そのため、待避したデータを記憶素子101に戻した後でも、記憶素子101から出力されるデータの信頼性を高めることができる。
【0057】
なお、図1(B)に示した単位記憶回路104では、スイッチング素子103が、記憶素子101と容量素子102の接続を制御する構成を有しているが、本発明はこの構成に限定されない。スイッチング素子103は、容量素子102における電荷の供給、保持、放出を制御できれば良い。具体的に、スイッチング素子103は、記憶素子101に保持されているデータに見合った量の電荷が、記憶素子101から容量素子102に供給されるように、また、供給された上記電荷が容量素子102において保持されるように、さらには、容量素子102に保持されている上記電荷が記憶素子101に放出されるように、記憶素子101と容量素子102の間における電荷の流れを制御する機能を有していれば良い。
【0058】
図7に、単位記憶回路104の別の一例を示す。図7に示す単位記憶回路104では、スイッチング素子103の位置が、図1(B)に示した単位記憶回路104とは異なっている。具体的には、容量素子102が有する一対の電極のうち、一方の電極が記憶素子101に接続されており、他方の電極が、スイッチング素子103を介して、基準電位GNDなどの電位が与えられているノードに接続されている。
【0059】
(実施の形態2)
本実施の形態では、複数の単位記憶回路を有する記憶装置の構成の一例と、その動作の一例について説明する。
【0060】
図8に、少なくとも2つの単位記憶回路を有する記憶装置100の構成を、一例として示す。図8では、上記2つの単位記憶回路を、第1単位記憶回路104a、第2単位記憶回路104bとして示す。第1単位記憶回路104aの出力電位が、第2単位記憶回路104bに与えられるものとする。
【0061】
第1単位記憶回路104a及び第2単位記憶回路104bは、図1(B)に示した単位記憶回路104と同じ構成を有している。ただし、第2単位記憶回路104bが有する第1論理素子105は、入力された電位の極性を第3クロック信号CLK3に従って反転させる論理素子である。また、第2単位記憶回路104bが有する第2論理素子106は、入力された電位の極性を第4クロック信号CLK4に従って反転させる論理素子である。
【0062】
なお、第3クロック信号CLK3と第4クロック信号CLK4は、互いに異なる系統の信号である。よって、第3クロック信号CLK3と第4クロック信号CLK4は、互いにその電位の極性を、異なるタイミングで切り替えることが可能である。よって、本発明の一態様では、第1単位記憶回路104aと第2単位記憶回路104bのそれぞれにおいて、第1論理素子105及び第2論理素子106の一方をオンとし他方をオフとする状態を作ることができ、また、第1論理素子105及び第2論理素子106の両方をオフとする状態を作ることもできる。
【0063】
そして、第2単位記憶回路104bでは、第1論理素子105が図6(A)に示した構成を有していると仮定すると、第3クロック信号CLK3の電位が端子φに与えられ、第3クロック信号CLK3の電位の極性を反転させた信号である第3クロック信号CLK3bの電位が、端子φbに与えられる。また、第2単位記憶回路104bでは、第2論理素子106が図6(A)に示した構成を有していると仮定すると、第4クロック信号CLK4の電位が端子φbに与えられ、第4クロック信号CLK4の電位の極性を反転させた信号である第4クロック信号CLK4bが、端子φに与えられる。
【0064】
そして、第1単位記憶回路104aが有するスイッチング素子103と、第2単位記憶回路104bが有するスイッチング素子103とは、そのゲート電極に与えられる信号SigAにより、共にスイッチングが制御される。
【0065】
次いで、図8に示した記憶装置100の、具体的な動作の一例について、図9乃至図13を用いて詳細に説明する。
【0066】
図9は、図8に示した記憶装置100における、各種信号の電位の時間変化を示すタイミングチャートである。期間1乃至期間4と、期間5乃至期間7では、記憶装置100への電源電圧の供給が行われているものとする。
【0067】
まず、期間1において、第1単位記憶回路104aでは、図9のタイミングチャートに従い、図10に示すように、第1論理素子105がオン、第2論理素子106がオフ、第3論理素子107がオン、スイッチング素子103がオフとなる。よって、第1単位記憶回路104aでは、第1論理素子105を介して、信号Dataの電位が記憶素子101に与えられる。
【0068】
また、期間1において、第2単位記憶回路104bでは、図9のタイミングチャートに従い、図10に示すように、第1論理素子105がオフ、第2論理素子106がオン、第3論理素子107がオン、スイッチング素子103がオフとなる。よって、期間1において、第2単位記憶回路104bでは、第2論理素子106及び第3論理素子107によって、期間1の前に第1単位記憶回路104aから与えられた出力電位が、保持される。
【0069】
次いで、期間2において、第1単位記憶回路104aでは、図9のタイミングチャートに従い、図11に示すように、第1論理素子105がオフ、第2論理素子106がオン、第3論理素子107がオン、スイッチング素子103がオフとなる。よって、第1単位記憶回路104aでは、第2論理素子106及び第3論理素子107によって、期間1に第1単位記憶回路104aに入力された信号Dataの電位が保持される。また、第2論理素子106及び第3論理素子107によって保持される電位は、第1単位記憶回路104aから出力される。
【0070】
また、期間2において、第2単位記憶回路104bでは、図9のタイミングチャートに従い、図11に示すように、第1論理素子105がオン、第2論理素子106がオフ、第3論理素子107がオン、スイッチング素子103がオフとなる。よって、期間2において、第2単位記憶回路104bでは、第1単位記憶回路104aからの出力電位が与えられる。
【0071】
次いで、期間3において、第1単位記憶回路104aでは、図9のタイミングチャートに従い、図10に示すように、第1論理素子105がオン、第2論理素子106がオフ、第3論理素子107がオン、スイッチング素子103がオフとなる。よって、第1単位記憶回路104aでは、第1論理素子105を介して、信号Dataの電位が記憶素子101に与えられる。
【0072】
また、期間3において、第2単位記憶回路104bでは、図9のタイミングチャートに従い、図10に示すように、第1論理素子105がオフ、第2論理素子106がオン、第3論理素子107がオン、スイッチング素子103がオフとなる。よって、期間3において、第2単位記憶回路104bでは、第2論理素子106及び第3論理素子107によって、期間2に第1単位記憶回路104aから与えられた出力電位が保持される。
【0073】
次いで、期間4において、第1単位記憶回路104aでは、図9のタイミングチャートに従い、図12に示すように、第1論理素子105がオフ、第2論理素子106がオン、第3論理素子107がオン、スイッチング素子103がオンとなる。よって、第1単位記憶回路104aでは、第2論理素子106及び第3論理素子107によって、期間3に第1単位記憶回路104aに入力された信号Dataの電位が保持される。また、第2論理素子106及び第3論理素子107によって保持される電位は、第1単位記憶回路104aから出力される。
【0074】
また、期間4において、第2単位記憶回路104bでは、図9のタイミングチャートに従い、図12に示すように、第1論理素子105がオン、第2論理素子106がオフ、第3論理素子107がオン、スイッチング素子103がオンとなる。よって、期間4において、第2単位記憶回路104bでは、第1単位記憶回路104aからの出力電位が与えられる。
【0075】
期間4では、期間2とは異なり、スイッチング素子103がオンとなる。よって、第1単位記憶回路104aでは、第2論理素子106及び第3論理素子107によって保持されている信号Dataの電位が、オンのスイッチング素子103を介して、容量素子102に与えられる。また、第2単位記憶回路104bでは、第1単位記憶回路104aからの出力電位が、オンのスイッチング素子103を介して、容量素子102に与えられる。各容量素子102には、与えられた電位に従って電荷が供給される。その後、第1単位記憶回路104a及び第2単位記憶回路104bにおいて、スイッチング素子103がオフになることで、容量素子102に供給された電荷は保持される。上記構成により、記憶素子101に保持されていたデータを、容量素子102に待避させることができる。
【0076】
期間4が終了した後、記憶装置100への電源電圧の供給を停止することができる。図9では、記憶装置100への電源電圧の供給が停止されている期間を、電源停止期間として示している。そして、電源停止期間では、第1クロック信号CLK1及び第1クロック信号CLK1bと、第2クロック信号CLK2及び第2クロック信号CLK2bと、第3クロック信号CLK3及び第3クロック信号CLK3bと、第4クロック信号CLK4及び第4クロック信号CLK4bとの、記憶装置100への供給を停止することができる。
【0077】
電源停止期間では、データの保持を容量素子102において行うので、記憶素子101に電源電圧を与える必要がない。そのため、記憶素子101に電源電圧を与えることで、第1論理素子105、第2論理素子106、及び第3論理素子107に流れるオフ電流により生じうるであろう消費電力を電源停止期間では限りなく0にすることができる。したがって、上記オフ電流に起因する消費電力を大幅に削減することができるので、記憶装置100、延いては記憶装置100を用いた半導体装置全体の、消費電力を低く抑えることが可能となる。
【0078】
次いで、電源停止期間が終了し、期間5が開始されると、記憶装置100への電源電圧の供給が再開される。
【0079】
期間5において、第1単位記憶回路104aでは、図9のタイミングチャートに従い、図13に示すように、第1論理素子105がオフ、第2論理素子106がオフ、第3論理素子107がオン、スイッチング素子103がオンとなる。また、第2単位記憶回路104bでは、図9のタイミングチャートに従い、図13に示すように、第1論理素子105がオフ、第2論理素子106がオフ、第3論理素子107がオン、スイッチング素子103がオンとなる。第1単位記憶回路104aと第2単位記憶回路104bにおいて、容量素子102に保持されていた電荷が、オンのスイッチング素子103を介して、記憶素子101に与えられることで、容量素子102に待避させておいたデータを、記憶素子101に戻すことができる。そして、スイッチング素子103がオフになることで、記憶素子101においてデータが保持される。
【0080】
次いで、期間6において、第1単位記憶回路104aでは、図9のタイミングチャートに従い、図10に示すように、第1論理素子105がオン、第2論理素子106がオフ、第3論理素子107がオン、スイッチング素子103がオフとなる。よって、第1単位記憶回路104aでは、第1論理素子105を介して、信号Dataの電位が記憶素子101に与えられる。
【0081】
また、期間6において、第2単位記憶回路104bでは、図9のタイミングチャートに従い、図10に示すように、第1論理素子105がオフ、第2論理素子106がオン、第3論理素子107がオン、スイッチング素子103がオフとなる。よって、期間6において、第2単位記憶回路104bでは、期間5において容量素子102から戻されたデータの電位が、第2論理素子106及び第3論理素子107によって、保持される。
【0082】
次いで、期間7において、第1単位記憶回路104aでは、図9のタイミングチャートに従い、図11に示すように、第1論理素子105がオフ、第2論理素子106がオン、第3論理素子107がオン、スイッチング素子103がオフとなる。よって、第1単位記憶回路104aでは、期間6において第1単位記憶回路104aに入力された信号Dataの電位が、第2論理素子106及び第3論理素子107によって、保持される。また、第2論理素子106及び第3論理素子107によって保持される電位は、第1単位記憶回路104aから出力される。
【0083】
また、期間7において、第2単位記憶回路104bでは、図9のタイミングチャートに従い、図11に示すように、第1論理素子105がオン、第2論理素子106がオフ、第3論理素子107がオン、スイッチング素子103がオフとなる。よって、期間7において、第2単位記憶回路104bでは、第1単位記憶回路104aからの出力電位が与えられる。
【0084】
本発明の一態様では、上述したように、第1クロック信号CLK1及び第1クロック信号CLK1bと、第2クロック信号CLK2及び第2クロック信号CLK2bとは、異なる系統の信号である。よって、本発明の一態様では、第1クロック信号CLK1及び第1クロック信号CLK1bの電位の極性と、第2クロック信号CLK2及び第2クロック信号CLK2bの電位の極性とを、異なるタイミングで切り替えることが可能である。また、第3クロック信号CLK3及び第3クロック信号CLK3bと、第4クロック信号CLK4及び第4クロック信号CLK4bとは、異なる系統の信号である。よって、本発明の一態様では、第3クロック信号CLK3及び第3クロック信号CLK3bの電位の極性と、第4クロック信号CLK4及び第4クロック信号CLK4bの電位の極性とを、異なるタイミングで切り替えることが可能である。
【0085】
よって、第1単位記憶回路104a及び第2単位記憶回路104bでは、上記期間1乃至期間4と、期間6及び期間7とにおいて、第1論理素子105及び第2論理素子106の一方がオン、他方がオフである状態とすることができる。本発明の一態様では、上記構成により、記憶素子101へのデータの書き込みと、記憶素子101における上記データの保持とを順次行うことができる。
【0086】
また、電源停止期間が終了した後、容量素子102に待避しておいたデータを記憶素子101へ戻す期間5において、第1論理素子105及び第2論理素子106の両方をオフにすることができる。上記構成により、本発明の一態様では、期間5において、容量素子102に待避させていたデータを記憶素子101に書き込んだ後に、記憶素子101からのデータの出力を行うことができる。そのため、待避したデータを記憶素子101に戻した後でも、記憶素子101から出力されるデータの信頼性を高めることができる。
【0087】
本実施の形態は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0088】
(実施の形態3)
本発明の半導体装置の具体的な一形態について説明する。図14に、半導体装置の構成をブロックで一例として示す。
【0089】
半導体装置600は、制御装置601と、演算装置に相当するALU(Arithmetic logic unit)602と、データキャッシュ603と、命令キャッシュ604と、プログラムカウンタ605と、命令レジスタ606と、主記憶装置607と、レジスタファイル608とを有する。
【0090】
制御装置601は、入力された命令をデコードし、実行する機能を有する。ALU602は、四則演算、論理演算などの各種演算処理を行う機能を有する。データキャッシュ603は、使用頻度の高いデータを一時的に記憶しておく緩衝記憶装置である。命令キャッシュ604は、制御装置601に送られる命令(プログラム)のうち、使用頻度の高い命令を一時的に記憶しておく緩衝記憶装置である。プログラムカウンタ605は、次に実行する命令のアドレスを記憶するレジスタである。命令レジスタ606は、次に実行する命令を記憶するレジスタである。主記憶装置607には、ALU602における演算処理に用いられるデータや、制御装置601において実行される命令が記憶されている。レジスタファイル608は、汎用レジスタを含む複数のレジスタを有しており、主記憶装置607から読み出されたデータ、ALU602の演算処理の途中で得られたデータ、或いはALU602の演算処理の結果得られたデータ、などを記憶することができる。
【0091】
次いで、半導体装置600の動作について説明する。
【0092】
制御装置601は、プログラムカウンタ605に記憶されている、次に実行する命令のアドレスに従い、命令キャッシュ604の対応するアドレスから命令を読み出し、命令レジスタ606に上記命令を記憶させる。命令キャッシュ604の対応するアドレスに、該当する命令が記憶されていない場合は、主記憶装置607の対応するアドレスにアクセスし、主記憶装置607から命令を読み出し、命令レジスタ606に記憶させる。この場合、上記命令を命令キャッシュ604にも記憶させておく。
【0093】
制御装置601は、命令レジスタ606に記憶されている命令をデコードし、命令を実行する。具体的には、上記命令に従ってALU602の動作を制御するための各種信号を生成する。
【0094】
実行すべき命令が演算命令の場合は、レジスタファイル608に記憶されているデータを用いてALU602に演算処理を行わせ、その演算処理の結果をレジスタファイル608に格納する。
【0095】
実行すべき命令がロード命令の場合は、制御装置601は、まずデータキャッシュ603の対応するアドレスにアクセスし、該当するデータがデータキャッシュ603中にあるか否かを確認する。該当するデータがある場合は、上記データをデータキャッシュ603の対応するアドレスからレジスタファイル608にコピーする。該当するデータがない場合は、上記データを主記憶装置607の対応するアドレスからデータキャッシュ603の対応するアドレスにコピーした後、データキャッシュ603の対応するアドレスからレジスタファイル608に上記データをコピーする。なお、該当するデータがない場合は、主記憶装置607にアクセスする必要があるため、データキャッシュ603などの緩衝記憶装置にのみアクセスする場合よりも、命令の実行に時間を要する。しかし、上記データのコピーに加えて、主記憶装置607における当該データのアドレス及びその近傍のアドレスのデータも緩衝記憶装置にコピーしておくことで、主記憶装置607における当該データのアドレス及びその近傍のアドレスへの2度目以降のアクセスを、高速に行うことができる。
【0096】
実行すべき命令がストア命令の場合は、レジスタファイル608のデータを、データキャッシュ603の対応するアドレスに記憶させる。このとき、制御装置601は、まずデータキャッシュ603の対応するアドレスにアクセスし、該当するデータがデータキャッシュ603中に格納できるか否かを確認する。格納できる場合は、上記データをレジスタファイル608からデータキャッシュ603の対応するアドレスにコピーする。格納できない場合は、データキャッシュ603の一部領域に新たに対応するアドレスを割り振り、上記データをレジスタファイル608からデータキャッシュ603の対応するアドレスにコピーする。なお、データキャッシュ603にデータをコピーしたら直ちに、主記憶装置607にも上記データをコピーする構成も可能である。また、幾つかのデータをデータキャッシュ603にコピーした後、それらのデータをまとめて主記憶装置607にコピーする構成も可能である。
【0097】
そして、制御装置601は、命令の実行が終了すると、再度プログラムカウンタ605にアクセスし、命令レジスタ606から読み出した命令をデコード、実行するという上記動作を繰り返す。
【0098】
なお、図14に示す半導体装置600では、データキャッシュ603や命令キャッシュ604などの緩衝記憶装置に、上記構成を有する記憶装置が設けられている。ALU602は、上記データキャッシュ603や命令キャッシュ604などの緩衝記憶装置における保持動作の選択を行う。すなわち、データキャッシュ603や命令キャッシュ604において、記憶素子にデータを保持するか、容量素子にデータを保持するかを、選択する。記憶素子によるデータの保持が選択されている場合、データキャッシュ603や命令キャッシュ604内の記憶素子への、電源電圧の供給が行われる。容量素子におけるデータの保持が選択されている場合、容量素子へのデータの書き換えが行われ、データキャッシュ603や命令キャッシュ604内の記憶素子への電源電圧の供給が停止される。電源電圧の供給の停止に関しては、単位記憶回路群と、電源電位VDDまたは基準電位GNDの与えられているノード間に、スイッチング素子を設けることにより行うことができる。
【0099】
本実施の形態は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0100】
(実施の形態4)
本発明の一態様に係る記憶装置において、スイッチング素子を構成するトランジスタは、非晶質、微結晶、多結晶又は単結晶である、シリコン又はゲルマニウムなどの半導体を、チャネル形成領域に用いることができる。シリコン半導体としては、プラズマCVD法などの気相成長法若しくはスパッタリング法で作製された非晶質シリコン、非晶質シリコンをレーザーアニールなどの処理により結晶化させた多結晶シリコン、単結晶シリコンウェハに水素イオン等を注入して表層部を剥離した単結晶シリコンなどを用いることができる。
【0101】
或いは、スイッチング素子を構成するトランジスタは、シリコンよりもバンドギャップが広く、真性キャリア密度がシリコンよりも低い、酸化物半導体などの半導体が、チャネル形成領域に用いられていても良い。上述した特性を有する半導体をチャネル形成領域に有するトランジスタは、通常のシリコンやゲルマニウムなどの半導体で形成されたトランジスタに比べて、オフ電流が著しく小さい。
【0102】
本発明の一態様に係る記憶装置では、容量素子における電荷の供給、保持、放出を、スイッチング素子により制御する。よって、容量素子におけるデータの保持期間の長さは、容量素子に蓄積されている電荷が、スイッチング素子を介してリークする量に依存する。スイッチング素子を介してリークする電荷量が小さいほど、容量素子におけるデータの保持期間を長く確保することができる。したがって、オフ電流の著しく小さいトランジスタを用いたスイッチング素子により、容量素子に蓄積された電荷を保持することで、容量素子からの電荷のリークを防ぐことができ、データの保持期間を長く確保することができる。上記構成により、電源停止期間が長い場合でも、容量素子におけるデータの書き直しの頻度を少なくすることができ、消費電力をより低減することができる。
【0103】
なお、特に断りがない限り、本明細書でオフ電流とは、nチャネル型トランジスタにおいては、ドレインをソースとゲート電極よりも高い電圧とした状態において、ソースの電圧を基準としたときのゲート電極の電圧が0以下であるときに、ソースとドレインの間に流れる電流のことを意味する。或いは、本明細書でオフ電流とは、pチャネル型トランジスタにおいては、ドレインをソースとゲート電極よりも低い電圧とした状態において、ソースの電圧を基準としたときのゲート電極の電圧が0以上であるときに、ソースとドレインの間に流れる電流のことを意味する。
【0104】
また、本発明の一態様では、記憶素子を構成するトランジスタが、結晶性を有するシリコン、またはゲルマニウムなどの半導体をチャネル形成領域に含んでいても良いし、スイッチング素子と同様に、シリコンよりもバンドギャップが広く、真性キャリア密度がシリコンよりも低い、酸化物半導体などの半導体を、チャネル形成領域に含んでいても良い。酸化物半導体よりも結晶性を有するシリコン、またはゲルマニウムなどの半導体の方が、移動度が高い場合、記憶素子を構成するトランジスタが、結晶性を有するシリコン、またはゲルマニウムなどの半導体をチャネル形成領域に含んでいることで、記憶装置、延いては半導体装置の高速動作を確保することができる。
【0105】
本実施の形態では、記憶装置の具体的な構成の一例について説明する。なお、本実施の形態では、記憶素子が、結晶性を有するシリコンをチャネル形成領域に有するトランジスタを用いており、容量素子における電荷の供給、保持、放出を制御するトランジスタが、酸化物半導体をチャネル形成領域に有する場合を例示している。
【0106】
図15に、記憶素子が有するpチャネル型トランジスタ130及びnチャネル型トランジスタ131と、容量素子132と、スイッチング素子として機能するトランジスタ133との構成を、断面図で一例として示す。
【0107】
図15に示す記憶装置は、その表面に絶縁膜201が形成された基板200上に、nチャネル型トランジスタ131と、pチャネル型トランジスタ130とを有する。
【0108】
nチャネル型トランジスタ131は、結晶性を有するシリコンを有する半導体膜203nと、半導体膜203n上のゲート絶縁膜204nと、ゲート絶縁膜204nを間に挟んで半導体膜203nと重なる位置に設けられたゲート電極205nと、半導体膜203nに接続された導電膜206及び導電膜207とを有する。そして、半導体膜203nは、チャネル形成領域として機能する第1の領域208と、ソースまたはドレインとして機能する第2の領域209及び第2の領域210とを有する。第2の領域209及び第2の領域210は、第1の領域208を間に挟んでいる。なお、図15では、半導体膜203nが、第1の領域208と第2の領域209及び第2の領域210との間に、LDD(Light Doped Drain)領域として機能する第3の領域211及び第3の領域212を有している場合を例示している。
【0109】
また、pチャネル型トランジスタ130は、結晶性を有するシリコンを有する半導体膜203pと、半導体膜203p上のゲート絶縁膜204pと、ゲート絶縁膜204pを間に挟んで半導体膜203pと重なる位置に設けられたゲート電極205pと、半導体膜203pに接続された導電膜207及び導電膜213とを有する。そして、半導体膜203pは、チャネル形成領域として機能する第1の領域214と、ソースまたはドレインとして機能する第2の領域215及び第2の領域216とを有する。第2の領域215及び第2の領域216は、第1の領域214を間に挟んでいる。なお、図15では、半導体膜203pが、第1の領域214と第2の領域215及び第2の領域216との間に、LDD領域として機能する第3の領域217及び第3の領域218を有している場合を例示している。
【0110】
なお、図15では、nチャネル型トランジスタ131と、pチャネル型トランジスタ130とが導電膜207を共有している。
【0111】
また、図15では、nチャネル型トランジスタ131と、pチャネル型トランジスタ130とが、薄膜の半導体膜を用いている場合を例示しているが、nチャネル型トランジスタ131と、pチャネル型トランジスタ130とが、バルクの半導体基板にチャネル形成領域を有するトランジスタであっても良い。薄膜の半導体膜としては、例えば、非晶質シリコンをレーザー結晶化させることで得られる多結晶シリコン、単結晶シリコンウェハに水素イオン等を注入して表層部を剥離した単結晶シリコンなどを用いることができる。
【0112】
そして、図15に示す記憶装置は、導電膜206、導電膜207、及び導電膜213上に絶縁膜219が設けられている。そして、絶縁膜219上には、第1の酸化絶縁膜240a、第2の酸化絶縁膜240b、及び第3の酸化絶縁膜240cを有する絶縁膜240が設けられている。絶縁膜240上には、トランジスタ133が設けられている。
【0113】
第1の酸化絶縁膜240a及び第3の酸化絶縁膜240cは、加熱により一部の酸素が脱離する酸化絶縁膜を用いて形成する。加熱により一部の酸素が脱離する酸化絶縁膜としては、化学量論的組成比を満たす酸素よりも多くの酸素を含む絶縁膜を用いることが好ましい。第1の酸化絶縁膜240a及び第3の酸化絶縁膜240cとして、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化ガリウム、酸化ハフニウム、酸化イットリウム等を用いることができる。
【0114】
第2の酸化絶縁膜240bは、酸素の拡散を防ぐ酸化絶縁膜で形成する。第2の酸化絶縁膜240bの一例としては、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム等がある。なお、酸化アルミニウムは、化学量論的組成比を満たす酸素を含む酸化アルミニウム、または化学量論的組成比を満たす酸素よりも多くの酸素を含む酸化アルミニウム(AlO、xは3/2以上)とすることが好ましい。また、酸化窒化アルミニウムは、化学量論的組成比を満たす酸素を含む酸化アルミニウムの一部の酸素が窒素で置換されている。
【0115】
なお、「加熱により一部の酸素が脱離する」とは、TDS(Thermal Desorption Spectroscopy:昇温脱離ガス分光法)分析にて、酸素原子に換算しての酸素の放出量が1.0×1018atoms/cm以上、好ましくは3.0×1020atoms/cm以上であることをいう。
【0116】
以下、TDS分析にて、酸素原子に換算しての酸素の脱離量の測定方法について説明する。
【0117】
TDS分析したときの気体の脱離量は、スペクトルの積分値に比例する。このため、絶縁膜のスペクトルの積分値と、標準試料の基準値に対する比とにより、気体の放出量を計算することができる。標準試料の基準値とは、所定の原子を含む試料の、スペクトルの積分値に対する原子の密度の割合である。
【0118】
例えば、標準試料である所定の密度の水素を含むシリコンウェハのTDS分析結果、及び絶縁膜のTDS分析結果から、絶縁膜の酸素分子の脱離量(NO2)は、下記の式1で求めることができる。質量数32のものとしてCHOHがあるが、絶縁膜中に存在する可能性は低い。よって、TDS分析で得られる質量数32で検出されるスペクトルの全ては、酸素分子由来であると仮定する。また、酸素原子の同位体である質量数17の酸素原子及び質量数18の酸素原子を含む酸素分子についても、自然界における存在比率が極微量であるため、存在しないものと仮定する。
【0119】
O2=NH2/SH2×SO2×α (式1)
【0120】
H2は、標準試料から脱離した水素分子を密度で換算した値である。SH2は、標準試料をTDS分析したときのスペクトルの積分値である。標準試料の基準値は、NH2/SH2とする。SO2は、絶縁膜をTDS分析したときのスペクトルの積分値である。αは、TDS分析におけるスペクトル強度に影響する係数である。式1の詳細に関しては、特開平6−275697公報を参照する。なお、上記絶縁膜の酸素の脱離量は、電子科学株式会社製の昇温脱離分析装置EMD−WA1000S/Wを用い、標準試料として1×1016atoms/cmの水素原子を含むシリコンウェハを用いて測定する。
【0121】
また、TDS分析において、一部の酸素は酸素原子として検出される。酸素分子と酸素原子の比率は、酸素分子のイオン化率から算出することができる。なお、上述のαは酸素分子のイオン化率を含むため、酸素分子の放出量を評価することで、酸素原子の脱離量についても見積もることができる。
【0122】
なお、NO2は酸素分子の脱離量である。絶縁膜においては、酸素原子に換算したときの酸素の放出量は、酸素分子の脱離量の2倍となる。
【0123】
上記構成において、加熱により酸素放出される絶縁膜は、酸素が過剰な酸化シリコン(SiO(X>2))であってもよい。酸素が過剰な酸化シリコン(SiO(X>2))とは、シリコン原子数の2倍より多い酸素原子を単位体積当たりに含むものである。単位体積当たりのシリコン原子数及び酸素原子数は、ラザフォード後方散乱法により測定した値である。
【0124】
また、具体的に、トランジスタ133は、酸化物半導体膜242と、酸化物半導体膜242上のゲート絶縁膜243と、ゲート絶縁膜243を間に挟んで酸化物半導体膜242と重なる位置に設けられたゲート電極244と、酸化物半導体膜242に接続された導電膜245及び導電膜246とを有する。酸化物半導体膜242は、ゲート電極244と重なり、少なくとも一部がチャネル形成領域として機能する第1の領域247と、ソースまたはドレインとして機能し、第1の領域247を挟む第2の領域248及び第2の領域249とを有している。
【0125】
シリコン半導体よりもバンドギャップが広く、真性キャリア密度がシリコンよりも低い半導体材料の一例として、酸化物半導体の他に、炭化珪素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)などの化合物半導体などがある。酸化物半導体は、炭化珪素や窒化ガリウムと異なり、スパッタリング法や湿式法により作製可能であり、量産性に優れるといった利点がある。また、炭化シリコンまたは窒化ガリウムとは異なり、酸化物半導体は室温でも成膜が可能なため、ガラス基板上への成膜、或いはシリコンを用いた集積回路上への成膜が可能である。また、基板の大型化にも対応が可能である。よって、上述したワイドギャップ半導体の中でも、特に酸化物半導体は量産性が高いというメリットを有する。また、トランジスタの性能(例えば電界効果移動度)を向上させるために結晶性の酸化物半導体を得ようとする場合でも、250℃から800℃の熱処理によって容易に結晶性の酸化物半導体を得ることができる。
【0126】
次いで、図16を用いて、図15に示したトランジスタ133の具体的な断面構造について説明する。
【0127】
図16(A)は、絶縁膜240及びトランジスタ133の断面図であり、図16(B)は、絶縁膜240及びトランジスタ133の上面図である。図16(B)の破線A1−A2における断面図が、図16(A)に相当する。また、図16(C)は、図16(B)の破線B1−B2における、絶縁膜240及びトランジスタ133の断面図である。
【0128】
トランジスタ133は、ゲート電極244の側部に、絶縁膜を有するサイドウォール250が設けられており、ゲート電極244の上部に、絶縁膜251が設けられている。そして、導電膜245及び導電膜246は、その一部がサイドウォール250に接している。導電膜245及び導電膜246は必ずしもサイドウォール250に接している必要は無いが、サイドウォール250に接するように導電膜245及び導電膜246を形成することで、導電膜245及び導電膜246の位置が多少ずれて形成されたとしても、導電膜245及び導電膜246と酸化物半導体膜242との接する面積が、変動するのを防ぐことができる。よって、導電膜245及び導電膜246の位置がずれることによる、トランジスタ133のオン電流の変動を防ぐことができる。
【0129】
なお、ゲート電極244の上部に位置する絶縁膜251は必ずしも設ける必要は無いが、絶縁膜251を設けることで、導電膜245及び導電膜246の位置がずれて形成され、ゲート電極244の上部にかかっても、導電膜245及び導電膜246とゲート電極244が導通するのを防ぐことができる。
【0130】
絶縁膜240では、下層に位置する第3の酸化絶縁膜240c上に、第1の酸化絶縁膜240aと、第2の酸化絶縁膜240bとが順に積層するように設けられている。そして、第1の酸化絶縁膜240a及び第2の酸化絶縁膜240bには開口部241が設けられており、上記開口部241には、トランジスタ133が有する酸化物半導体膜242が設けられている。そして、第1の酸化絶縁膜240aは、酸化物半導体膜242の端部に接するように、酸化物半導体膜242の周囲に設けられている。また、第2の酸化絶縁膜240bは、第1の酸化絶縁膜240aを間に挟んで酸化物半導体膜242の周囲に設けられている。第3の酸化絶縁膜240cは、酸化物半導体膜242の下部に設けられている。
【0131】
上記構成により、加熱により第1の酸化絶縁膜240aから放出された酸素が、第2の酸化絶縁膜240bを通過するのを抑制することができるので、上記酸素が第1の領域247における酸化物半導体膜242の端部252に効率よく供給される。また、第3の酸化絶縁膜240cから放出された酸素は、酸化物半導体膜242の下部に供給される。なお、酸化物半導体をチャネル形成領域に有するトランジスタ133は、酸化物半導体膜242を所望の形状にエッチングするためのエッチング処理、酸化物半導体膜242の端部の減圧雰囲気における暴露等により、酸化物半導体膜242の端部において酸素の脱離による酸素欠損が形成されやすい。そして、酸素欠損はキャリアの移動経路となるため、酸化物半導体膜242の端部に酸素欠損が形成されると、寄生チャネルが生じ、それによりトランジスタ133のオフ電流が高まる。しかし、本発明の一態様では、上記構成により、第1の領域247における酸化物半導体膜242の端部252に酸素欠損が形成されるのを防ぎ、オフ電流を低減させることができる。
【0132】
また、図15に示すように、容量素子132は、絶縁膜240上の導電膜253と、導電膜253上の絶縁膜254と、絶縁膜254を間に挟んで導電膜253と重なる位置に設けられた導電膜255とを有する。絶縁膜254は、トランジスタ133上にも設けられている。また、導電膜253と導電膜245とは電気的に接続されていても良いし、或いは、導電膜253と導電膜245とが一の連続した導電膜で構成されていても良い。
【0133】
なお、図15では、容量素子132をトランジスタ133と共に絶縁膜240の上に設けている場合を例示しているが、容量素子132は、nチャネル型トランジスタ131及びpチャネル型トランジスタ130と共に、絶縁膜240の下に設けられていても良い。
【0134】
また、図15では、絶縁膜240と、nチャネル型トランジスタ131及びpチャネル型トランジスタ130との間に、絶縁膜219を設けている場合を例示しているが、絶縁膜219は必ずしも設ける必要は無い。絶縁膜219を設けない場合、導電膜206、導電膜207、及び導電膜213に接するように、絶縁膜240が設けられる。
【0135】
また、図15において、トランジスタ133は、ゲート電極244を酸化物半導体膜242の片側において少なくとも有していれば良いが、酸化物半導体膜242を間に挟んで存在する一対のゲート電極を有していても良い。
【0136】
次いで、トランジスタ133の構成が図15に示した記憶装置と異なる、本発明の一態様に係る記憶装置の構成について説明する。図17(A)、図17(B)及び図17(C)に、トランジスタ133の構成を一例として示す。図17(A)、図17(B)及び図17(C)では、第1の酸化絶縁膜220a及び第2の酸化絶縁膜220bを有する絶縁膜220上に、トランジスタ133が設けられている。なお、図17(A)は、絶縁膜220及びトランジスタ133の断面図であり、図17(B)は、絶縁膜220及びトランジスタ133の上面図である。図17(B)の破線A1−A2における断面図が、図17(A)に相当する。また、図17(C)は、図17(B)の破線B1−B2における、絶縁膜220及びトランジスタ133の断面図である。
【0137】
第1の酸化絶縁膜220aは、加熱により一部の酸素が脱離する酸化絶縁膜を用いて形成する。加熱により一部の酸素が脱離する酸化絶縁膜としては、化学量論的組成比を満たす酸素よりも多くの酸素を含む絶縁膜を用いることが好ましい。第1の酸化絶縁膜220aとして、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化ガリウム、酸化ハフニウム、酸化イットリウム等を用いることができる。
【0138】
第2の酸化絶縁膜220bは、酸素の拡散を防ぐ酸化絶縁膜で形成する。第2の酸化絶縁膜220bの一例としては、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム等がある。なお、酸化アルミニウムは、化学量論的組成比を満たす酸素を含む酸化アルミニウム、または化学量論的組成比を満たす酸素よりも多くの酸素を含む酸化アルミニウム(AlO、xは3/2以上)とすることが好ましい。また、酸化窒化アルミニウムは、化学量論的組成比を満たす酸素を含む酸化アルミニウムの一部の酸素が窒素で置換されている。
【0139】
トランジスタ133は、絶縁膜220上に位置する酸化物半導体膜222と、酸化物半導体膜222上のゲート絶縁膜223と、ゲート絶縁膜223を間に挟んで酸化物半導体膜222と重なる位置に設けられたゲート電極224と、酸化物半導体膜222に接続された導電膜225及び導電膜226とを有する。酸化物半導体膜222は、ゲート電極224と重なり、少なくとも一部がチャネル形成領域として機能する第1の領域227と、ソースまたはドレインとして機能し、第1の領域227を挟む第2の領域228及び第2の領域229とを有している。
【0140】
そして、トランジスタ133は、ゲート電極224の側部に、絶縁膜を有するサイドウォール230が設けられており、ゲート電極224の上部に、絶縁膜231が設けられている。そして、導電膜225及び導電膜226は、その一部がサイドウォール230に接している。導電膜225及び導電膜226は必ずしもサイドウォール230に接している必要は無いが、サイドウォール230に接するように導電膜225及び導電膜226を形成することで、導電膜225及び導電膜226の位置が多少ずれて形成されたとしても、導電膜225及び導電膜226と酸化物半導体膜222との接する面積が、変動するのを防ぐことができる。よって、導電膜225及び導電膜226の位置がずれることによる、トランジスタ133のオン電流の変動を防ぐことができる。
【0141】
なお、ゲート電極224の上部に位置する絶縁膜231は必ずしも設ける必要は無いが、絶縁膜231を設けることで、導電膜225及び導電膜226の位置がずれて形成され、ゲート電極224の上部にかかっても、導電膜225及び導電膜226とゲート電極224が導通するのを防ぐことができる。
【0142】
そして、絶縁膜220は、第1の酸化絶縁膜220aの周囲に第2の酸化絶縁膜220bが設けられている。そして、酸化物半導体膜222は、第1の領域227において上記第1の酸化絶縁膜220aに接し、第2の領域228及び第2の領域229において第1の酸化絶縁膜220a及び第2の酸化絶縁膜220bに接する。
【0143】
上記構成により、加熱により第1の酸化絶縁膜220aから放出された酸素が、第2の酸化絶縁膜220bを通過するのを抑制することができるので、上記酸素が第1の領域227における酸化物半導体膜222の端部232に効率よく供給される。なお、酸化物半導体をチャネル形成領域に有するトランジスタ133は、酸化物半導体膜222を所望の形状にエッチングするためのエッチング処理、酸化物半導体膜222の端部の減圧雰囲気における暴露等により、酸化物半導体膜222の端部において酸素の脱離による酸素欠損が形成されやすい。そして、酸素欠損はキャリアの移動経路となるため、酸化物半導体膜222の端部に酸素欠損が形成されると、寄生チャネルが生じ、それによりトランジスタ133のオフ電流が高まる。しかし、本発明の一態様では、上記構成により、第1の領域227における酸化物半導体膜222の端部232に酸素欠損が形成されるのを防ぎ、オフ電流を低減させることができる。
【0144】
また、図17において、トランジスタ133は、ゲート電極224を酸化物半導体膜222の片側において少なくとも有していれば良いが、酸化物半導体膜222を間に挟んで存在する一対のゲート電極を有していても良い。
【0145】
なお、電子供与体(ドナー)となる水分または水素などの不純物が低減され、なおかつ酸素欠損が低減されることにより高純度化された酸化物半導体(purified OS)は、i型(真性半導体)又はi型に限りなく近い。そのため、上記酸化物半導体を用いたトランジスタは、オフ電流が著しく低いという特性を有する。また、酸化物半導体のバンドギャップは、2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である。水分または水素などの不純物濃度が十分に低減され、なおかつ酸素欠損が低減されることにより高純度化された酸化物半導体膜を用いることにより、トランジスタのオフ電流を下げることができる。
【0146】
具体的に、高純度化された酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用いたトランジスタのオフ電流が低いことは、いろいろな実験により証明できる。例えば、チャネル幅が1×10μmでチャネル長が10μmの素子であっても、ソース電極とドレイン電極間の電圧(ドレイン電圧)が1Vから10Vの範囲において、オフ電流が、半導体パラメータアナライザの測定限界以下、すなわち1×10−13A以下という特性を得ることができる。この場合、オフ電流をトランジスタのチャネル幅で除した数値に相当するオフ電流は、100zA/μm以下であることが分かる。また、容量素子とトランジスタとを接続して、容量素子に流入または容量素子から流出する電荷を当該トランジスタで制御する回路を用いて、オフ電流の測定を行った。当該測定では、上記トランジスタに高純度化された酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用い、容量素子の単位時間あたりの電荷量の推移から当該トランジスタのオフ電流を測定した。その結果、トランジスタのソース電極とドレイン電極間の電圧が3Vの場合に、数十yA/μmという、さらに低いオフ電流が得られることが分かった。従って、高純度化された酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、オフ電流が、結晶性を有するシリコンを用いたトランジスタに比べて著しく低い。
【0147】
なお、酸化物半導体としては、少なくともインジウム(In)あるいは亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。特にInとZnを含むことが好ましい。また、該酸化物を用いたトランジスタの電気的特性のばらつきを減らすためのスタビライザーとして、それらに加えてガリウム(Ga)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてスズ(Sn)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてハフニウム(Hf)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてアルミニウム(Al)を有することが好ましい。
【0148】
また、他のスタビライザーとして、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)のいずれか一種または複数種を含んでいてもよい。
【0149】
例えば、酸化物半導体として、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、二元系金属の酸化物であるIn−Zn系酸化物、Sn−Zn系酸化物、Al−Zn系酸化物、Zn−Mg系酸化物、Sn−Mg系酸化物、In−Mg系酸化物、In−Ga系酸化物、三元系金属の酸化物であるIn−Ga−Zn系酸化物(IGZOとも表記する)、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、Sn−Ga−Zn系酸化物、Al−Ga−Zn系酸化物、Sn−Al−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、四元系金属の酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物を用いることができる。また、上記酸化物半導体は、珪素を含んでいてもよい。
【0150】
なお、例えば、In−Ga−Zn系酸化物とは、InとGaとZnを含む酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素を含んでいてもよい。In−Ga−Zn系酸化物は、無電界時の抵抗が十分に高くオフ電流を十分に小さくすることが可能であり、また、移動度も高いため、半導体装置に用いる半導体材料としては好適である。
【0151】
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1(=1/3:1/3:1/3)あるいはIn:Ga:Zn=2:2:1(=2/5:2/5:1/5)の原子比のIn−Ga−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いることができる。あるいは、In:Sn:Zn=1:1:1(=1/3:1/3:1/3)、In:Sn:Zn=2:1:3(=1/3:1/6:1/2)あるいはIn:Sn:Zn=2:1:5(=1/4:1/8:5/8)の原子比のIn−Sn−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いるとよい。
【0152】
しかし、これらに限られず、必要とする電気的特性(移動度、しきい値、ばらつき等)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とする半導体特性を得るために、キャリア密度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間結合距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。
【0153】
また、酸化物半導体は、アモルファス(非晶質)であってもよいし、結晶性を有していてもよい。後者の場合、単結晶でもよいし、多結晶でもよいし、一部分が結晶性を有する構成でもよいし、アモルファス中に結晶性を有する部分を含む構造でもよいし、非アモルファスでもよい。一部分が結晶性を有する構成の一例として、c軸配向し、かつab面、表面または界面の方向から見て三角形状または六角形状の原子配列を有し、c軸に垂直な方向から見て金属原子が層状または金属原子と酸素原子とが層状に配列しており、ab面においてはa軸またはb軸の向きが異なる(c軸を中心に回転した)結晶を含む酸化物半導体(CAAC−OS:C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductorともいう。)を用いてもよい。
【0154】
アモルファス状態の酸化物半導体は、比較的容易に平坦な表面を得ることができるため、これを用いてトランジスタを作製した際の界面散乱を低減でき、比較的容易に、比較的高い移動度を得ることができる。
【0155】
また、結晶性を有する酸化物半導体は、よりバルク内欠陥を低減することができ、表面の平坦性を高めればアモルファス状態の酸化物半導体以上の移動度を得ることができる。表面の平坦性を高めるためには、平坦な表面上に酸化物半導体を形成することが好ましく、具体的には、平均面粗さ(Ra)が1nm以下、好ましくは0.3nm以下、より好ましくは0.1nm以下の表面上に形成するとよい。
【0156】
なお、Raは、JIS B0601で定義されている中心線平均粗さを面に対して適用できるよう三次元に拡張したものであり、「基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値」と表現でき、以下の式2にて定義される。
【0157】
【数1】

【0158】
なお、上記式2において、Sは、測定面(座標(x,y)(x,y)(x,y)(x,y)の4点で表される四角形の領域)の面積を指し、Zは測定面の平均高さを指す。Raは原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)にて評価可能である。
【0159】
なお、例えば、酸化物半導体膜は、In(インジウム)、Ga(ガリウム)、及びZn(亜鉛)を含むターゲットを用いたスパッタ法により形成することができる。In−Ga−Zn系酸化物半導体膜をスパッタリング法で成膜する場合、好ましくは、原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1、4:2:3、3:1:2、1:1:2、2:1:3、または3:1:4で示されるIn−Ga−Zn系酸化物のターゲットを用いる。前述の原子数比を有するIn−Ga−Zn系酸化物のターゲットを用いて酸化物半導体膜を成膜することで、多結晶またはCAACが形成されやすくなる。また、In、Ga、及びZnを含むターゲットの充填率は90%以上100%以下、好ましくは95%以上100%未満である。充填率の高いターゲットを用いることにより、成膜した酸化物半導体膜は緻密な膜となる。
【0160】
なお、酸化物半導体としてIn−Zn系酸化物の材料を用いる場合、用いるターゲット中の金属元素の原子数比は、In:Zn=50:1〜1:2(モル数比に換算するとIn:ZnO=25:1〜1:4)、好ましくはIn:Zn=20:1〜1:1(モル数比に換算するとIn:ZnO=10:1〜1:2)、さらに好ましくはIn:Zn=1.5:1〜15:1(モル数比に換算するとIn:ZnO=3:4〜15:2)とする。例えば、In−Zn系酸化物である酸化物半導体膜の形成に用いるターゲットは、原子数比がIn:Zn:O=X:Y:Zのとき、Z>1.5X+Yとする。Znの比率を上記範囲に収めることで、移動度の向上を実現することができる。
【0161】
そして、具体的に酸化物半導体膜は、減圧状態に保持された処理室内に基板を保持し、処理室内の残留水分を除去しつつ水素及び水分が除去されたスパッタガスを導入し、上記ターゲットを用いて形成すればよい。成膜時に、基板温度を100℃以上600℃以下、好ましくは200℃以上400℃以下としても良い。基板を加熱しながら成膜することにより、成膜した酸化物半導体膜に含まれる不純物濃度を低減することができる。また、スパッタリングによる損傷が軽減される。処理室内の残留水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプを用いることが好ましい。例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが好ましい。また、排気手段としては、ターボポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい。クライオポンプを用いて処理室を排気すると、例えば、水素原子、水(HO)など水素原子を含む化合物(より好ましくは炭素原子を含む化合物も)等が排気されるため、当該処理室で成膜した酸化物半導体膜に含まれる不純物の濃度を低減できる。
【0162】
なお、スパッタ等で成膜された酸化物半導体膜中には、不純物としての水分または水素(水酸基を含む)が多量に含まれていることがある。水分または水素はドナー準位を形成しやすいため、酸化物半導体にとっては不純物である。そこで、本発明の一態様では、酸化物半導体膜中の水分または水素などの不純物を低減(脱水化または脱水素化)するために、酸化物半導体膜に対して、減圧雰囲気下、窒素や希ガスなどの不活性ガス雰囲気下、酸素ガス雰囲気下、または超乾燥エア(CRDS(キャビティリングダウンレーザー分光法)方式の露点計を用いて測定した場合の水分量が20ppm(露点換算で−55℃)以下、好ましくは1ppm以下、好ましくは10ppb以下の空気)雰囲気下で、加熱処理を施す。
【0163】
酸化物半導体膜に加熱処理を施すことで、酸化物半導体膜中の水分または水素を脱離させることができる。具体的には、250℃以上750℃以下、好ましくは400℃以上基板の歪み点未満の温度で加熱処理を行えば良い。例えば、500℃、3分間以上6分間以下程度で行えばよい。加熱処理にRTA法を用いれば、短時間に脱水化または脱水素化が行えるため、ガラス基板の歪点を超える温度でも処理することができる。
【0164】
なお、上記加熱処理により、酸化物半導体膜から酸素が脱離し、酸化物半導体膜内に酸素欠損が形成される場合がある。よって、本発明の一態様では、酸化物半導体膜と接するゲート絶縁膜などの絶縁膜として、酸素を含む絶縁膜を用いる。そして、酸素を含む絶縁膜を形成した後、加熱処理を施すことで、上記絶縁膜から酸化物半導体膜に酸素が供与されるようにする。上記構成により、ドナーとなる酸素欠損を低減し、酸化物半導体膜に含まれる酸化物半導体の、化学量論的組成比を満たすことができる。その結果、酸化物半導体膜をi型に近づけることができ、酸素欠損によるトランジスタの電気特性のばらつきを軽減し、電気特性の向上を実現することができる。
【0165】
なお、酸素を酸化物半導体膜に供与するための加熱処理は、窒素、超乾燥空気、または希ガス(アルゴン、ヘリウムなど)の雰囲気下において、好ましくは200℃以上400℃以下、例えば250℃以上350℃以下で行う。上記ガスは、水の含有量が20ppm以下、好ましくは1ppm以下、より好ましくは10ppb以下であることが望ましい。
【0166】
また、c軸配向し、かつab面、表面または界面の方向から見て三角形状または六角形状の原子配列を有し、c軸に垂直な方向から見て金属原子が層状または金属原子と酸素原子とが層状に配列しており、ab面においてはa軸またはb軸の向きが異なる(c軸を中心に回転した)結晶を含む酸化物半導体(CAAC−OS:C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductorともいう。)について、以下、説明する。
【0167】
CAAC−OSとは、広義に、非単結晶であって、そのab面に垂直な方向から見て、三角形、六角形、正三角形または正六角形の原子配列を有し、かつc軸方向に垂直な方向から見て、金属原子が層状、または金属原子と酸素原子が層状に配列した相を含む酸化物をいう。
【0168】
CAAC−OSは単結晶ではないが、非晶質のみから形成されているものでもない。また、CAAC−OSは結晶化した部分(結晶部分)を含むが、1つの結晶部分と他の結晶部分の境界を明確に判別できないこともある。
【0169】
CAAC−OSを構成する酸素の一部は窒素で置換されてもよい。また、CAAC−OSを構成する個々の結晶部分のc軸は一定の方向(例えば、CAAC−OSを形成する基板面、CAAC−OSの表面などに垂直な方向)に揃っていてもよい。または、CAAC−OSを構成する個々の結晶部分のab面の法線は一定の方向(例えば、CAAC−OSを形成する基板面、CAAC−OSの表面などに垂直な方向)を向いていてもよい。
【0170】
CAAC−OSは、その組成などに応じて、導体であったり、半導体であったり、絶縁体であったりする。また、その組成などに応じて、可視光に対して透光性を有していたり、有していなかったりする。
【0171】
このようなCAAC−OSの例として、膜状に形成され、膜表面またはCAAC−OSが形成される基板面に垂直な方向から観察すると三角形または六角形の原子配列が認められ、かつその膜断面を観察すると金属原子または金属原子及び酸素原子(または窒素原子)の層状配列が認められる酸化物を挙げることもできる。
【0172】
CAAC−OSに含まれる結晶構造の一例について図18乃至図20を用いて詳細に説明する。なお、特に断りがない限り、図18乃至図20は上方向をc軸方向とし、c軸方向と直交する面をab面とする。なお、単に上半分、下半分という場合、ab面を境にした場合の上半分、下半分をいう。また、図18において丸で囲まれたOは4配位のOを示し、二重丸は3配位のOを示す。
【0173】
図18(A)に、1個の6配位のInと、Inに近接の6個の4配位の酸素原子(以下4配位のO)と、を有する構造を示す。ここでは、金属原子が1個に対して、近接の酸素原子のみ示した構造を小グループと呼ぶ。図18(A)の構造は、八面体構造をとるが、簡単のため平面構造で示している。なお、図18(A)の上半分及び下半分にはそれぞれ3個ずつ4配位のOがある。図18(A)に示す小グループは電荷が0である。
【0174】
図18(B)に、1個の5配位のGaと、Gaに近接の3個の3配位の酸素原子(以下3配位のO)と、Gaに近接の2個の4配位のOと、を有する構造を示す。3配位のOは、いずれもab面に存在する。図18(B)の上半分及び下半分にはそれぞれ1個ずつ4配位のOがある。また、Inも5配位をとるため、図18(B)に示す構造をとりうる。図18(B)に示す小グループは電荷が0である。
【0175】
図18(C)に、1個の4配位のZnと、Znに近接の4個の4配位のOと、を有する構造を示す。図18(C)の上半分には1個の4配位のOがあり、下半分には3個の4配位のOがある。または、図18(C)の上半分に3個の4配位のOがあり、下半分に1個の4配位のOがあってもよい。図18(C)に示す小グループは電荷が0である。
【0176】
図18(D)に、1個の6配位のSnと、Snに近接の6個の4配位のOと、を有する構造を示す。図18(D)の上半分には3個の4配位のOがあり、下半分には3個の4配位のOがある。図18(D)に示す小グループは電荷が+1となる。
【0177】
図18(E)に、2個のZnを含む小グループを示す。図18(E)の上半分には1個の4配位のOがあり、下半分には1個の4配位のOがある。図18(E)に示す小グループは電荷が−1となる。
【0178】
ここでは、複数の小グループの集合体を中グループと呼び、複数の中グループの集合体を大グループ(ユニットセルともいう。)と呼ぶ。
【0179】
ここで、これらの小グループ同士が結合する規則について説明する。図18(A)に示す6配位のInの上半分の3個のOは、下方向にそれぞれ3個の近接Inを有し、下半分の3個のOは、上方向にそれぞれ3個の近接Inを有する。図18(B)に示す5配位のGaの上半分の1個のOは下方向に1個の近接Gaを有し、下半分の1個のOは上方向に1個の近接Gaを有する。図18(C)に示す4配位のZnの上半分の1個のOは、下方向に1個の近接Znを有し、下半分の3個のOは、上方向にそれぞれ3個の近接Znを有する。この様に、金属原子の上方向の4配位のOの数と、そのOの下方向にある近接金属原子の数は等しく、同様に金属原子の下方向の4配位のOの数と、そのOの上方向にある近接金属原子の数は等しい。Oは4配位なので、下方向にある近接金属原子の数と、上方向にある近接金属原子の数の和は4になる。従って、金属原子の上方向にある4配位のOの数と、別の金属原子の下方向にある4配位のOの数との和が4個のとき、金属原子を有する二種の小グループ同士は結合することができる。例えば、6配位の金属原子(InまたはSn)が下半分の4配位のOを介して結合する場合、4配位のOが3個であるため、5配位の金属原子(GaまたはIn)、4配位の金属原子(Zn)のいずれかと結合することになる。
【0180】
これらの配位数を有する金属原子は、c軸方向において、4配位のOを介して結合する。また、このほかにも、層構造の合計の電荷が0となるように複数の小グループが結合して中グループを構成する。
【0181】
図19(A)に、In−Sn−Zn系酸化物の層構造を構成する中グループのモデル図を示す。図19(B)に、3つの中グループで構成される大グループを示す。なお、図19(C)は、図19(B)の層構造をc軸方向から観察した場合の原子配列を示す。
【0182】
図19(A)においては、簡単のため、3配位のOは省略し、4配位のOは個数のみ示し、例えば、Snの上半分及び下半分にはそれぞれ3個ずつ4配位のOがあることを丸枠の3として示している。同様に、図19(A)において、Inの上半分及び下半分にはそれぞれ1個ずつ4配位のOがあり、丸枠の1として示している。また、同様に、図19(A)において、下半分には1個の4配位のOがあり、上半分には3個の4配位のOがあるZnと、上半分には1個の4配位のOがあり、下半分には3個の4配位のOがあるZnとを示している。
【0183】
図19(A)において、In−Sn−Zn系酸化物の層構造を構成する中グループは、上から順に4配位のOが3個ずつ上半分及び下半分にあるSnが、4配位のOが1個ずつ上半分及び下半分にあるInと結合し、そのInが、上半分に3個の4配位のOがあるZnと結合し、そのZnの下半分の1個の4配位のOを介して4配位のOが3個ずつ上半分及び下半分にあるInと結合し、そのInが、上半分に1個の4配位のOがあるZn2個からなる小グループと結合し、この小グループの下半分の1個の4配位のOを介して4配位のOが3個ずつ上半分及び下半分にあるSnと結合している構成である。この中グループが複数結合して大グループを構成する。
【0184】
ここで、3配位のO及び4配位のOの場合、結合1本当たりの電荷はそれぞれ−0.667、−0.5と考えることができる。例えば、In(6配位または5配位)、Zn(4配位)、Sn(5配位または6配位)の電荷は、それぞれ+3、+2、+4である。従って、Snを含む小グループは電荷が+1となる。そのため、Snを含む層構造を形成するためには、電荷+1を打ち消す電荷−1が必要となる。電荷−1をとる構造として、図18(E)に示すように、2個のZnを含む小グループが挙げられる。例えば、Snを含む小グループが1個に対し、2個のZnを含む小グループが1個あれば、電荷が打ち消されるため、層構造の合計の電荷を0とすることができる。
【0185】
具体的には、図19(B)に示した大グループが繰り返されることで、In−Sn−Zn系酸化物の結晶(InSnZn)を得ることができる。なお、得られるIn−Sn−Zn系酸化物の層構造は、InSnZn(ZnO)(mは0または自然数。)とする組成式で表すことができる。
【0186】
また、このほかにも、四元系金属の酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn系酸化物や、三元系金属の酸化物であるIn−Ga−Zn系酸化物(IGZOとも表記する。)、In−Al−Zn系酸化物、Sn−Ga−Zn系酸化物、Al−Ga−Zn系酸化物、Sn−Al−Zn系酸化物や、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物や、二元系金属の酸化物であるIn−Zn系酸化物、Sn−Zn系酸化物、Al−Zn系酸化物、Zn−Mg系酸化物、Sn−Mg系酸化物、In−Mg系酸化物や、In−Ga系酸化物などを用いた場合も同様である。
【0187】
例えば、図20(A)に、In−Ga−Zn系酸化物の層構造を構成する中グループのモデル図を示す。
【0188】
図20(A)において、In−Ga−Zn系酸化物の層構造を構成する中グループは、上から順に4配位のOが3個ずつ上半分及び下半分にあるInが、4配位のOが1個上半分にあるZnと結合し、そのZnの下半分の3個の4配位のOを介して、4配位のOが1個ずつ上半分及び下半分にあるGaと結合し、そのGaの下半分の1個の4配位のOを介して、4配位のOが3個ずつ上半分及び下半分にあるInと結合している構成である。この中グループが複数結合して大グループを構成する。
【0189】
図20(B)に3つの中グループで構成される大グループを示す。なお、図20(C)は、図20(B)の層構造をc軸方向から観察した場合の原子配列を示している。
【0190】
ここで、In(6配位または5配位)、Zn(4配位)、Ga(5配位)の電荷は、それぞれ+3、+2、+3であるため、In、Zn及びGaのいずれかを含む小グループは、電荷が0となる。そのため、これらの小グループの組み合わせであれば中グループの合計の電荷は常に0となる。
【0191】
また、In−Ga−Zn系酸化物の層構造を構成する中グループは、図20(A)に示した中グループに限定されず、In、Ga、Znの配列が異なる中グループを組み合わせた大グループも取りうる。
【0192】
本実施の形態は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【実施例1】
【0193】
本発明の一態様に係る半導体装置は、消費電力を抑えることができ、高い信頼性を確保することができる。上記半導体装置を用いることで、消費電力の低い電子機器、高い信頼性を有する電子機器を、実現することができる。特に電力の供給を常時受けることが困難な携帯用の電子機器の場合、本発明の一態様に係る消費電力の低い半導体装置をその構成要素に追加することにより、連続使用時間が長くなるといったメリットが得られる。
【0194】
本発明の一態様に係る半導体装置は、表示装置、パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像再生装置(代表的にはDVD:Digital Versatile Disc等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを有する装置)に用いることができる。その他に、本発明の一態様に係る半導体装置を用いることができる電子機器として、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯情報端末、電子書籍、ビデオカメラやデジタルスチルカメラなどのカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンター、プリンター複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図21に示す。
【0195】
図21(A)は携帯型ゲーム機であり、筐体7031、筐体7032、表示部7033、表示部7034、マイクロホン7035、スピーカー7036、操作キー7037、スタイラス7038等を有する。本発明の一態様に係る半導体装置は、携帯型ゲーム機の駆動を制御するための集積回路に用いることができる。携帯型ゲーム機の駆動を制御するための集積回路に本発明の一態様に係る半導体装置を用いることで、消費電力の低い携帯型ゲーム機、信頼性の高い携帯型ゲーム機を提供することができる。なお、図21(A)に示した携帯型ゲーム機は、2つの表示部7033と表示部7034とを有しているが、携帯型ゲーム機が有する表示部の数は、これに限定されない。
【0196】
図21(B)は携帯電話であり、筐体7041、表示部7042、音声入力部7043、音声出力部7044、操作キー7045、受光部7046等を有する。受光部7046において受信した光を電気信号に変換することで、外部の画像を取り込むことができる。本発明の一態様に係る半導体装置は、携帯電話の駆動を制御するための集積回路に用いることができる。携帯電話の駆動を制御するための集積回路に本発明の一態様に係る半導体装置を用いることで、消費電力の低い携帯電話、信頼性の高い携帯電話を提供することができる。
【0197】
図21(C)は携帯情報端末であり、筐体7051、表示部7052、操作キー7053等を有する。図21(C)に示す携帯情報端末は、モデムが筐体7051に内蔵されていても良い。本発明の一態様に係る半導体装置は、携帯情報端末の駆動を制御するための集積回路に用いることができる。携帯情報端末の駆動を制御するための集積回路に本発明の一態様に係る半導体装置を用いることで、消費電力の低い携帯情報端末、信頼性の高い携帯情報端末を提供することができる。
【0198】
本実施例は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0199】
100 記憶装置
101 記憶素子
102 容量素子
103 スイッチング素子
104 単位記憶回路
104a 第1単位記憶回路
104b 第2単位記憶回路
105 第1論理素子
106 第2論理素子
107 第3論理素子
110 pチャネル型トランジスタ
111 pチャネル型トランジスタ
112 nチャネル型トランジスタ
113 nチャネル型トランジスタ
130 pチャネル型トランジスタ
131 nチャネル型トランジスタ
132 容量素子
133 トランジスタ
200 基板
201 絶縁膜
203n 半導体膜
203p 半導体膜
204n ゲート絶縁膜
204p ゲート絶縁膜
205n ゲート電極
205p ゲート電極
206 導電膜
207 導電膜
208 第1の領域
209 第2の領域
210 第2の領域
211 第3の領域
212 第3の領域
213 導電膜
214 第1の領域
215 第2の領域
216 第2の領域
217 第3の領域
218 第3の領域
219 絶縁膜
220 絶縁膜
220a 第1の酸化絶縁膜
220b 第2の酸化絶縁膜
222 酸化物半導体膜
223 ゲート絶縁膜
224 ゲート電極
225 導電膜
226 導電膜
227 第1の領域
228 第2の領域
229 第2の領域
230 サイドウォール
231 絶縁膜
232 端部
240 絶縁膜
240a 第1の酸化絶縁膜
240b 第2の酸化絶縁膜
240c 第3の酸化絶縁膜
241 開口部
242 酸化物半導体膜
243 ゲート絶縁膜
244 ゲート電極
245 導電膜
246 導電膜
247 第1の領域
248 第2の領域
249 第2の領域
250 サイドウォール
251 絶縁膜
252 端部
253 導電膜
254 絶縁膜
255 導電膜
600 半導体装置
601 制御装置
602 ALU
603 データキャッシュ
604 命令キャッシュ
605 プログラムカウンタ
606 命令レジスタ
607 主記憶装置
608 レジスタファイル
7031 筐体
7032 筐体
7033 表示部
7034 表示部
7035 マイクロホン
7036 スピーカー
7037 操作キー
7038 スタイラス
7041 筐体
7042 表示部
7043 音声入力部
7044 音声出力部
7045 操作キー
7046 受光部
7051 筐体
7052 表示部
7053 操作キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1クロック信号に従って、データを含む信号の電位の極性を反転させることで、出力電位を生成する第1論理素子と、
前記第1論理素子が生成する前記出力電位を保持する第2論理素子及び第3論理素子と、
トランジスタを用いたスイッチング素子と、
前記第2論理素子及び前記第3論理素子において保持される前記第1論理素子の前記出力電位が、前記スイッチング素子を介して与えられることで、前記データを記憶する容量素子と、を有し、
前記第2論理素子は、前記第1クロック信号とは異なる系統の第2クロック信号に従って、前記第3論理素子の出力電位の極性を反転させることで、前記第2論理素子の出力電位を生成し、
前記第3論理素子は、前記第2論理素子の前記出力電位の極性を反転させることで、前記第3論理素子の出力電位を生成する記憶装置。
【請求項2】
請求項1において、前記トランジスタは、シリコンよりもバンドギャップが広く、真性キャリア密度がシリコンよりも低い半導体をチャネル形成領域に含む記憶装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記半導体は酸化物半導体である記憶装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項において、前記第1論理素子、前記第2論理素子または前記第3論理素子は、結晶性を有するシリコンをチャネル形成領域に含むトランジスタを有する記憶装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の記憶装置を用いた半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図21】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−20691(P2013−20691A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−134363(P2012−134363)
【出願日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】